説明

共通IPアドレス及びMACアドレスを有するVoIPカードを備えるアクセス・ノード

本発明は、進行中のVoIP呼に関連するダウンストリームおよびアップストリームRTPパケットを処理するためのVoIPアクセス・ノードにおける方法と装置に関する。本発明により、従来のアクセス・ノードにおけるようなVoIPカード毎に一つのIPアドレスを割当てる代わりに、アクセス・ノードの全体のRTPトラヒックに一つの共通IPアドレスを割当てうrこと(310)が可能となる。このことは、受信した(320)RTPパケットの宛先UDPポート番号に基づき、宛先VoIPカードを識別する(330)ことにより可能となる。その目的は、アクセス・ノードのコストを増加させること無しに、VoIPサービスに必要なパブリックIPアドレスの数を最小にすることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイス・オーバIP(VoIP)の分野、特に、アクセス・ノードにおけるリアルタイム・トランスポート・プロトコル(RTP)トラヒックの処理に関する。より具体的には、本発明はアップストリームおよびダウンストリームRTPパケットを処理する方法およびアクセス・ノードに関する
【背景技術】
【0002】
VoIPは、インターネット上での音声情報の配信を管理するために使用する一組の設備のためのインターネット・プロトコル(IP)電話技術用語である。VoIPは、公衆電話交換網(PSTN)の伝統的な回路用プロトコルを使用するのではなく、IPを使用して、個別パケットにおけるデジタル形式で音声情報を送ることを含む。IPに加えて、VoIPは、時宜を得たやり方でパケットの確実な配信を支援するため、RTPを使用する。RTPは、インターネット上で音声と画像を配信するため、標準パケット・フォーマットを定める。
【0003】
VoIPは時間依存のアプリケーションであるため、インターネットでのネットワーク・プロトコルとしてユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)を使用する。VoIPにとっては、パケットの脱落は遅延パケットを使用するより望ましいことであり、UDPを用いると、コンピュータ・アプリケーションは、特別な送信チャネルまたはデータ・パスを設定するために事前の通信を必要とせずに、データグラムとしても知られるメッセージをIPネットワーク上のその他のホストに送ることができる。UDPは、信頼性、順序付けまたはデータの完全性を保証するための潜在的なハンド・シェイクの対話が無い、単純な送信モデルを使用する。それ故、UDPは信頼性のないサービスを提供し、データグラムはばらばらの順序で到着し、重複して現われ、または通知無しに欠落する可能性がある。UDPは、誤り検出と訂正が必ずしも必要でないか、またはアプリケーションで実行されることを仮定し、ネットワーク・インタフェース・レベルでのそのような処理のオーバヘッドを避けている。
【0004】
UDPはIPレイヤが提供しない一つのサービス、即ち、異なるユーザ要求を識別する一助となるポート番号を提供する。ポート番号は、メッセージ・ユニットに添付するヘッダに置く16ビットの整数であり、このポート番号はトランスポート・レイヤとIPレイヤとの間を物理的に通過し、転送される。IPアドレスとポート番号との組合せはソケットと称される。ソケットは、データ送信のエンドポイントとして機能するサービス・ポートにアプリケーションを結び付け、VoIPのようなUDPアプリケーションは、ホスト対ホスト通信を確立するためデータグラム・ソケットを使用する。
【0005】
VoIPシステムは、伝統的なPSTNとインタフェースすることができ、透過的な電話通信が世界中あまねく可能となる。アクセス・ネットワーク内の機器、すなわちアクセス・ノードは、エンド・ユーザ・アクセスを提供し、アナログ音声信号からIPパケットへのメディア変換でVoIPをサポートできる。
【0006】
VoIPアクセス・ノード・アーキテクチャの一つの例を図1に示す。市場で利用可能なチップセットにより、メディア変換に限定したモジュール方式が可能である。従って、アクセス・ノード101が複数のユーザにサービスするため、幾つかのチップセットまたはVoIPカード102でアクセス・ノード101を用いて設計しなければならないが、ここで、各VoIPカード102は、限られた数のユーザ、通常は24、32、48または64ユーザに対してメディア変換を実行する。メディア変換は、デジタル信号プロセッサ(DSP)103を通じてVoIPカード102で実行され、旧来の電話サービス(POTS)線109のアナログ音声信号をデジタル化されたパルス符号変調サンプルに変換する。次に、音声トラヒックはIP上のRTPパケットで送信される。これ以降、IP上の音声トラヒックをRTPトラヒックと称する。
【0007】
また、VoIPカード102は、例えばセッション開始プロトコル(SIP)またはH.248シグナリング・プロトコルを使用して、VoIPシグナリング・フロー(呼設定、呼終端)を処理する、アクセス・ゲートウエイ(AGW)アプリケーション104を実施する。その結果、VoIPシグナリング・トラヒック105およびRTPトラヒック106は、トラヒック転送のためのイーサネット(登録商標)・スイッチ108に基づき、制御器カード107により統合される。メディア変換およびAGWアプリケーションは両方とも各々のVoIPカードに実装されるので、このアーキテクチャは分散型と定義することができる。
【0008】
図1のような分散型アーキテクチャでは、RTPトラヒック106およびVoIPシグナリング・トラヒック105の両方とも各VoIPカード102で生成され、終端する。これは、アップストリーム方向、即ちVoIPカード102からIPネットワーク110へ向かう方向では、RTPおよびシグナリング・パケットは各々のVoIPカードで生成されることを意味する。このパケットは、送信元IPアドレスとして、それらが生成されたVoIPカードのIPアドレスを、そして送信元メディア・アクセス制御(MAC)アドレスとしてその同じVoIPカードのMACアドレスを持つ。それらのIPアドレスおよびMACアドレスは、ダウンストリーム方向、即ちIPネットワーク110からVoIPカード102へ向かう方向で使用され、その同じVoIPカードに到達するであろう。両方の方向に対して、制御器カード107はMACアドレスに基づいてパケットをブリッジする。即ちパケット内容を変更せずにパケットを転送する。
【0009】
分散型アーキテクチャの主な問題点は、それが複数のパブリックIPアドレス(各VoIPカードに一つ)を必要とする、ということである。パブリックIPアドレスは乏しいリソースなので、このことは、VoIPサービスが更に広がるにつれて受け入れがたい。
【0010】
図2は、制御器カード107に集中化したAGWアプリケーション104を有するアーキテクチャを示すが、VoIPカード102に分散化したDSP103は保持している。このアーキテクチャでは、シグナリング・トラヒック105のIPアドレス数は自動的に一つに削減されている。しかしながら、RTPトラヒック106のために、VoIPカード毎に一つのIPアドレスの必要性がまだあるだろうから、これは、大量のIPアドレスという問題を解決していない。
【0011】
IPアドレスの多さという問題への一つの解決策は、制御器カードにネットワーク アドレス変換(NAT)を実装することである。コンピュータ・ネットワークでは、NATは、所定のアドレス空間をもう一つのアドレス空間に再マッピングする目的のため、トラヒック・ルーティング・デバイスを超えて通過する時、データグラム・パケット・ヘッダのネットワーク・アドレス情報を変更するプロセスである。NATは、送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスまたはそのいずれか一方と、通常はまたIPパケットのポート番号とを再書き込みすることを含む。また、変更を考慮してチェックサムを再書き込みしなければならない。NATの実装はIPパケットの変更を必要とするので、制御器カードに更に強力なプロセッサを必要とし、これは制御器カード自身のコストをより高くすることにつながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
それ故、削減された数のIPアドレスを必要とする、コスト効率のよいVoIPアクセス・ノードを提供する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は上記で概観した問題点に対処することであり、添付の独立クレームによる方法と装置によって、および従属クレームによる実施形態によって、この目的およびその他を実現する。
【0014】
本発明は、VoIPアクセス・ノードのIPアドレス数を最大2個、すなわちシグナリング・トラヒックに対して一つのIPアドレスおよびRTPトラヒックに対して一つのIPアドレスに削減することを可能とする方法と装置に関する。制御器カードのAGWアプリケーションを集中化して、シグナリング・トラヒックのIPアドレスを一つに削減する。アクセス・ノードのVoIPカードの全てに、一つの共通MACアドレスを与え、これによりRTPトラヒックに対して一つのIPアドレスを割当ることが可能となる。このことは、ダウンストリームRTPパケットを転送するための正しい宛先VoIPカードの識別は、本パケットに備わる宛先UDPポート番号に基づくだろう、ということを意味する。
【0015】
それ故、本発明の第一の側面によれば、進行中のVoIP呼に関連するダウンストリームRTPパケットを処理するよう適応したアクセス・ノードが提供される。本アクセス・ノードには、IPネットワークに接続可能な制御器カードと、本制御器カードに接続可能な第一で少なくとも一つの追加VoIPカードとを備える。第一のVoIPカードは、RTPパケットの宛先であり、少なくとも一つのUDPポート番号が設定される。VoIPカードには、RTPパケットのために共通IPアドレスと共通MACアドレスを割当てられ、アクセス・ノードには、IPネットワークからパケットを受信する手段を備える。RTPパケットには、宛先IPアドレスとしての共通IPアドレスと、宛先MACアドレスとしての共通MACアドレスと、宛先UDPポート番号とを含む。また、アクセス・ノードには、宛先UDPポート番号のみに基づいて宛先VoIPカードを識別する手段を備える。
【0016】
本発明の第二の側面によれば、進行中のVoIPカードに関連するダウンストリームRTPパケットを処理するためのアクセス・ノードにおける方法が提供される。本アクセス・ノードには、IPネットワークに接続可能な制御器カードと、本制御器カードに接続可能な第一で少なくとも一つの追加VoIPカードとを備える。第一のVoIPカードは、RTPパケットの宛先であり、少なくとも一つのUDPポート番号が設定される。本方法には、RTPパケットのための共通IPアドレスと共通MACアドレスとを前記VoIPカードに割当てるステップと、IPネットワークからパケットを受信するステップとを備える。本パケットには、宛先IPアドレスとしての共通IPアドレスと、宛先MACアドレスとしての共通MACアドレスと、宛先UDPポート番号とを含む。また本方法には、宛先UDPポート番号にのみ基づいて宛先VoIPカードを識別するステップを備える。
【0017】
本発明の第三の側面によれば、進行中のVoIPカードに関連するアップストリームRTPパケットを処理するためのアクセス・ノードにおける方法が提供される。本アクセス・ノードには、IPネットワークに接続可能な制御器カードと、本制御器カードに接続可能な第一で少なくとも一つの追加VoIPカードとを備える。第一のVoIPカードはRTPパケットの源であり、本VoIPカードには、RTPパケットのための共通IPアドレスと共通MACアドレスとを割当てられている。本方法には、送信元IPアドレスとしての共通IPアドレスと送信元MACアドレスとしての共通MACアドレスとを有するパケットを生成するステップと、生成したパケットをIPネットワークに転送するステップとを備える。本ステップは第一のVoIPカードによって実行される。
【0018】
本発明の実施形態の利点は、アクセス・ネットワーク内のVoIPサービスに必要なパブリックIPアドレスの数が削減され、一方、分散型DSPアーキテクチャを通してシステム拡張性を保持している、ということである。
【0019】
本発明の実施形態のもう一つの利点はコスト効率がよいことであり、その理由は、RTPトラヒックを転送するため、制御器カードに低コストの商用イーサネット・スイッチを使用することが可能であり、制御器カードに強力で高価なプロセッサを必要としないからである。
【0020】
本発明の実施形態の更なるもう一つの利点は、ハードウエアの性能向上が全く必要としないで、従来の分散型アーキテクチャから本発明の集中型アーキテクチャに性能向上を図れることができる、ということである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来技術による分散型アーキテクチャを有するアクセス・ノードを概略的に示す。
【図2】本発明が実装される可能性のある集中型アーキテクチャを有するアクセス・ノードを概略的に示す。
【図3a】、
【図3b】、
【図3c】、
【図3d】本発明の実施形態によるアクセス・ノードの方法のフローチャートである。
【図4a】、
【図4b】本発明の実施形態によるアクセス・ノードを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、幾つかの実施形態と添付の図面を参照して、本発明について更に詳細に説明する。説明のためであり制限を目的にせず、本発明の完全な理解を提供するため、特定のシナリオ、技術等のような特定の詳細について説明する。しかしながら、当業者には明らかなことであるが、本発明は、これらの特定の詳細から外れたその他の実施形態において実施されてもよい。
【0023】
更に、当業者には当然のことであるが、プログラムしたマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータと連動するソフトウエア機能を使用して、および特定用途向け集積回路(ASIC)を使用して、またはそのいずれかを使用して、以下に説明する機能および手段を実装してもよい。また当然のことであるが、現在の発明について、主として方法およびデバイスの形式で説明するが、本発明をまた、コンピュータ・プログラムに、同じくコンピュータ・プロセッサおよびプロセッサと連結するメモリを備えるシステムに実装してもよく、本メモリは、本申請書で開示する機能を実行する可能性のある一つ以上のプログラムでコーディングされている。
【0024】
本発明は、従来のアクセス・ノードにおけるようにVoIP毎に一つのIPアドレスを割当てる代わりに、アクセス・ノードの全体のRTPトラヒックに一つの共通のIPアドレスの割当を可能とする方法と装置に関する。これは、VoIPカードに共通MACアドレスを与えることにより、そして宛先VoIPカードを識別するため、ダウンストリームRTPパケットの宛先UDPポート番号を使用することにより、実現される、即ち、VoIPカードはRTPパケットを終端し、デジタル信号をアナログ音声信号に戻す変換をする。目的は、アクセス・ノードのコストを増加させずにVoIPサービスに必要なパブリックIPアドレスの数を最小化することである。
【0025】
それ故、本発明の基本的な概念は、アクセス・ノードの全てのVoIPカードに一つの共通のIPアドレスを割当てることである。このIPアドレスはパブリックIPアドレスの中で選択され、以降IP[RTP]と称する。今日では、大部分のIPアドレスは、インターネット上のパケットで送られる情報の各々の送信者または受信者を識別する、32ビットの数である。インターネットは多くの個別のネットワークの相互接続であり、IPアドレスは二つの部分、すなわちインターネット上の特定のネットワークの識別子および特定のデバイスまたはネットワーク内のいわゆるホストの識別子を持つ。それ故、IPアドレスには、ユニークなネットワーク番号と、ネットワーク内でユニークであるホスト番号とを含む。
【0026】
ネットワーク内で使用されるマシンアドレスまたは物理アドレスは、インターネットのIPアドレスとは異なる可能性がある。構内通信網(LAN)またはその他のネットワークでは、MACアドレスはデバイスの(またはIPホストの)ユニークなハードウエア番号である。イーサネットLAN上では、これはイーサネット・アドレスと同じである。イーサネット・ネットワークのホストは、それがそのホストのMACアドレスを知っている場合のみ、もう一つのホストと通信できる。ホストがインターネットに接続されている場合、キャッシュ・テーブルともいわれる対応表はIPアドレスをホストの物理MACアドレスに関係付ける。
【0027】
アドレス解決プロトコル(ARP)は、IPアドレスを対応するMACアドレス/イーサネット・アドレスに変換するために使用するネットワーク・プロトコルである。ホストが所定のIPアドレスをMACアドレスに変換する必要がある場合、ARPリクエスト・パケットをブロードキャストする。ARPリクエスト・パケットには、送信元MACアドレス、送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスを含む。ローカル・ネットワークの各ホストはこのパケットを受信する。指定された宛先IPアドレスを有するホストは、そのMACアドレスとIPアドレスとともに、ARPリプライ・パケットを発信元ホストに対して送る。上記で説明したように、ARPは、メモリにあるARPキャッシュ・テーブルのIPアドレスとMACアドレスとの間のマッピングを維持する。このテーブルのエンティティは動的に加えられたり、取り除かれたりする。
【0028】
本発明では、アクセス・ノードのVoIPカードには、ダウンストリームRTPパケットにおける宛先MACアドレス、およびアップストリーム・パケットにおける送信元MACアドレスである共通MACアドレスを与えられる。これにより、アクセス・ノードの全てのVoIPカードに、一つのIPアドレス、すなわちIP[RTP]の割当を可能となる。IP[RTP]はダウンストリーム・パケットでは宛先IPアドレスであり、アップストリーム・パケットでは送信元IPアドレスとなるであろう。
【0029】
本発明のアクセス・ノードにおける制御器カードは、イーサネット・ヘッダの宛先MACアドレスのみに基づいて、受信したダウンストリームRTPパケットの宛先を識別することはできないが、その理由は、それが全てのRTPパケットについて同じものだからである。代わりに、UDPポートはアクティブな呼の各々にユニークに割当てられているので、UDPポート番号を使用してRTPストリームは区別されるであろう。UDPポート番号は、関連するVoIPカード上での呼設定時に(即ち、シグナリング・フェーズの間に)設定される。これは、内部のアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を使用してAGWアプリケーションが行う。制御器カードがパケットを受信すると、そのパケットには、そのパケットの宛先VoIPカードを識別するためにその時使用することができる、宛先UDPポート番号を含む。また、その宛先VoIPカードは、RTPパケットを終端し、パルス符号変調サンプルをアナログ音声信号に戻す変換をするVoIPカードである。
【0030】
本発明によれば、ダウンストリームRTPパケットの宛先VoIPカードの識別は、以下の二つのメカニズムのうちの一つに基づく。
【0031】
1.第一の実施形態では、制御器カードは、RTPパケットの受信後、アクセス・ノードの全てのVoIPカードにそのパケットを転送する。従って、VoIPカードの各々でパケットの宛先の実際の識別を行う。VoIPカードの各々は、受信したパケットの宛先UDPポート番号を、VoIPカードに設定したUDPポート番号と比較し、これらのUDPポート番号間で全く一致するものが無い場合には受信したパケットを廃棄するだろう。
【0032】
2.別の第二の実施形態では、各VoIPカードに対してUDPポート番号範囲の割当が要求される。VoIPカードとUDPポート番号範囲との間の関連は、管理システムが制御器カードに設定するか、または、例えば装置内のVoIPカードの物理位置に基づくアルゴリズムを使用して、制御器カードにハードコーディングするかのどちらかである。異なるVoIPカードに対するUDPポート番号範囲は重なってはならない。RTPパケットを受信後、受信したパケットの宛先UDPポート番号を、設定したポート番号範囲と比較して、パケットの宛先VoIPカードを識別し、宛先UDPポート番号を含む範囲に対応するVoIPカードにのみパケットを転送するであろう。
【0033】
第一の実施形態の利点は、第二の実施形態におけるように、制御器カードのVoIPカードにいかなるUDPポート範囲も設定する必要が全く無い、ということである。他方、パケットが関連のVoIPカードに転送されるのみであるので、第二の実施形態は、各VoIPカードに削減したトラヒックを可能とする。二つの実施形態のいずれによっても、本発明の利点は、実装するためにいかなるハードウエア変更も意味していない、ということである。
【0034】
VoIPカードに与える共通MACアドレスを選択する別の方法がある。本発明の一つの実施形態では、制御器カードのMACアドレスであるように、VoIPカードの共通MACアドレスを選択する。この実施形態では、シグナリング・トラヒックのIPアドレスとRTPトラヒックのIPアドレスとは一致してもよく、もし望むなら、アクセス・ノードは、シグナリングおよびRTPトラヒックの両方に一個の単一のパブリックIPアドレスのみを要求してもよく、このようにしてIPアドレスの数を最小限に削減する。
【0035】
本発明の別の実施形態では、VoIPカードの共通MACアドレスは、制御器カードのMACアドレスでない、ユニークなMACアドレスである。例えば、米国特許出願公開US2004/0141468 A1で説明される仮想MACアドレスと同じフォーマットを使用して、このMACアドレスを生成してもよい。これは、仮想MACアドレスはネットワーク内でユニークであり、それ故、二つのアクセス・ノードが同じMACアドレスを有することを回避するであろう、ということを保証している。また、本MACアドレスはパブリック・ユニークMACアドレスでもある可能性がある。この別の実施形態では、シグナリング・トラヒックのIPアドレスとRTPトラヒックのIPアドレスすなわちIP[RTP]とは異なっているが、その理由は、一つのIPアドレスが異なるMACアドレスに対応することはできないからである。
【0036】
前に説明したように、対応するMACアドレスにIPアドレスを変換するためにARPを使用する。このことは、IPネットワークのホストは、時々、ARPリクエスト・メッセージをブロードキャストするであろう、ということを意味する。これらのARPリクエスト・メッセージ・パケットは、とりわけアクセス・ノードにより、ダウンストリーム・パケットとして受信されるであろう。アクセス・ノードの制御器カードは、このようなリクエスト・メッセージを処理するであろう。もしARPリクエスト・メッセージ・パケットの宛先IPアドレスがIP[RTP]に対応するなら、ARPリプライが生成され、送信元アドレスとして共通IPアドレスIP[RTP]とVoIPカードの共通MACアドレスとが、IPネットワークの関連のホストに転送されるであろう。例えば要求されたサービスは利用できないということを示すメッセージのようなエラーメッセージを送るために使用されるインターネット制御通知プロトコル(ICMP)メッセージは、アナログ的な方法で制御器カードにより処理される。
【0037】
また、アクセス・ノードはアップストリームRTPパケットを処理するであろう。アップストリームでは、送信元IPアドレスをIP[RTP]に、送信元MACアドレスをVoIPカードの共通MACアドレスにして、VoIP呼のローカル側に対応するVoIPカード上でRTPパケットを生成する。アップストリーム方向では、同じアクセス・ノードに接続された二つのユーザ間で呼が発生する場合でも、RTPトラヒックはIPネットワークのデフォルト・ゲートウエイに常に転送される。生成したパケットの宛先IPアドレスは、呼のリモート側のIPアドレスである。
【0038】
従来、制御器カードのイーサネット・スイッチは、VoIPカードへのダウンストリームおよびIPネットワークへのアップストリームの両方のパケットをブリッジする。これらパケットはスイッチの全てのポートに送り出され、意図した宛先ノードによってのみ受け取られるであろう。しかしながら、後続のメッセージを宛先ポートにのみ転送するため、スイッチが各ポートのMACアドレスを学習し、学習テーブルを作り上げることを可能にする、"学習"と呼ぶイーサネット・スイッチの機能がある。本発明では、異なるVoIP呼に対応して、異なるVoIPカードに生成されるアップストリームRTPパケットを制御器カードのイーサネット・スイッチに転送するであろう。それらは全て同じ送信元MACアドレスを持つであろうが、それは学習機能を有するスイッチでは許されなく、従って、学習はVoIPカードに対するポートでは無効にされなければならない。
【0039】
従来のVoIP呼設定フェーズの間では、制御器カードのAGWアプリケーションは、API経由で、IPアドレスのローカルVoIPカードおよびリモートVoIPカードのUDPポート番号を通知する。本発明の一つの実施形態では、シグナリング・フェーズはまた、以前に説明したことに加えて、リモート側のMACアドレスを決定するため、ARPリクエストをIPネットワークに送ることを含むであろう。このことで、ローカルVoIPカードへのAPIメッセージに、IPアドレスおよびリモートVoIPカードのUDPポート番号とともに本MACアドレスを含めることが可能になる。この実施形態では、制御器カードは、必要であれば(必ずしもシグナリング・フェーズの間である必要はない)、IPネットワークに向けてICMPメッセージを送る。
【0040】
別の実施形態では、VoIPカードが、会話フェーズのまさに始めの呼の第一のRTPパケットを生成する前に、VoIPカードは制御器カードにARPリクエスト・メッセージを送信するであろう。制御器カードはARPリクエストを転送しないが、自分自身のリクエストを生成し、それをIPネットワークに送るであろう。制御器カードが対応するARPリプライ・メッセージを受信すると、制御器カードは、APIメッセージを介して、ローカルVoIPカードにリモート側のMACアドレスを送信できる。VoIPカードから到来するICMPメッセージ全てを処理するため、制御器カードに同様なメカニズムを実装する。
【0041】
以下に、図3a−dおよび4a−bを参照して、上記の実施形態について更に説明する。
【0042】
図3aは、本発明の進行中のVoIP呼に関連するダウンストリームRTPパケットを処理する、アクセス・ノードにおける本方法のフローチャートである。このVoIP呼のダウンストリーム・パケットの宛先であるVoIPカードは、呼設定のシグナリング・フェーズにおいて、この呼に使用される予定のUDPポート番号が設定されている。本カードは同様にその他のVoIP呼を処理する可能性があるので、この同じVoIPカードにその他のUDPポートを設定してもよい。ステップ310で、共通IPアドレスと、同じくRTPパケットのための共通MACアドレスとを、アクセス・ノードのVoIPカードに割当てる。ステップ320で、アクセス・ノードはIPネットワークからパケットを受信する。本パケットには、宛先IPアドレスとしての共通IPアドレスと、宛先MACアドレスとしての共通MACアドレスと、宛先UDPポート番号とを備える。全てのVoIPカードは、RTPパケットのために同じIPアドレスとMACアドレスとを割当てられるため、このパケットの宛先VoIPカードを識別するためにこれらのアドレスを使用することはできない。従って、ステップ330で、パケットの宛先であるVoIPカードを識別するため、宛先UDPポート番号を使用し、このようにしてVoIPカードはパケットを終端し、サンプルをアナログ音声信号に変換する。
【0043】
図3bは、上記で説明した本発明の第一の実施形態により、進行中のVoIP呼に関連するダウンストリームRTPパケットを処理する、アクセス・ノードにおける本方法のフローチャートである。ステップ310は上記で説明したものと同じである。アクセス・ノードのVoIPカードは、RTPパケットのための、共通IPアドレスと共通MACアドレスを割当てられる。ステップ320で、本パケットは受信され、次にステップ321で、アクセス・ノードのVoIPカード全てに転送される。その結果、パケットが転送されたVoIPカードの一つ一つは、宛先VoIPカードを識別するステップを実行し、ステップ331で、本パケットの宛先UDPポート番号が、VoIPカードに設定したUDPポート番号のいずれにも対応しない場合は、受信パケットを廃棄する。
【0044】
図3cは、上記で説明した本発明の第二の実施形態により、進行中のVoIP呼に関連するダウンストリームRTPパケットを処理する、アクセス・ノードにおける本方法のフローチャートである。ここでまた、ステップ310は上記で説明したものと同じである。アクセス・ノードのVoIPカードは、RTPパケットのための、共通IPアドレスと共通MACアドレスを割当てられる。この第二の実施形態では、制御器カードは、接続されたVoIPカードの各々に妥当なUDPポート番号の範囲が設定されている。ステップ320で、本パケットはアクセス・ノードの制御器カードによって受信され、次にステップ332で、制御器カードは、パケットの宛先UDPポート番号を含むUDPポート番号範囲を持つVoIPカードに本パケットを転送して、宛先VoIPカードを識別することができる。
【0045】
VoIP呼に関連するアップストリームRTPパケットを処理する、アクセス・ノードにおける方法を図3dに示す。アクセス・ノードのVoIPカードには、RTPパケットのための共通IPアドレスと共通MACアドレスとを割当てたが、これは、ステップ340で、VoIP呼の発信元のVoIPカードは、送信元IPアドレスとしてIPアドレスを、送信元MACアドレスとしてMACアドレスを有するRTPパケットを生成するであろうということを意味する。次に、ステップ350で、この生成したパケットはIPネットワークに転送されるであろう。
【0046】
図4aに概略的に示し、上記で説明した第一の実施形態によれば、アクセス・ノード400には、IPネットワークに接続した制御器カード410と、RTPパケットに使用する予定の共通IPアドレスと共通MACアドレスを割当てられる多くのVoIPカード420とを備える。アクセス・ノードのVoIPカード420の一つは、進行中の呼の宛先VoIPカード、即ちパルス符号変調シンボルをアナログ音声信号に戻す変換をするVoIPカードである。呼設定時に、AGWアプリケーションによりUDPポート番号をこの宛先VoIPカードに設定する。制御器カードにはIPネットワークからパケットを受信する手段411を備える。パケットには、宛先IPアドレスとして共通IPアドレスと、宛先MACアドレスとして共通MACアドレスと、宛先UDPポートとを含む。受信する手段411は、パケットをVoIPカードの全てに転送するよう構成される。各VoIPカード420には、宛先UDPポート番号がVoIPカードに設定されたUDPポート番号に対応しない場合、パケットを廃棄することにより、宛先VoIPカードを識別する手段412を備える。このようにして、パケットを保持し、内容をアナログ音声信号に変換するのは、関連のVoIPカードのみである。
【0047】
図4bに概略的に示し、上記で説明した第二の実施形態によれば、アクセス・ノード400には、IPネットワーク110に接続された制御器カード410と、RTPパケットのために共通IPアドレスと共通MACアドレスとを割当てられた多数のVoIPカード420とを備える。VoIPカードの一つは、進行中の呼の宛先VoIPカードであり、呼設定時にAGWアプリケーション440によってUDPポート番号が設定される。制御器カードは、例えば管理システムにより、VoIPカードの各々に対して非オーバラップのポート番号の範囲が設定されている。制御器カードにはIPネットワークからパケットを受信する手段411を備え、本パケットには、宛先IPアドレスとしての共通IPアドレスと、宛先MACアドレスとしての共通MACアドレスと、宛先UDPポートとを含む。また、制御器カードには、宛先UDPポート番号を含むUDPポート番号の範囲に対応するVoIPカードに受信したパケットを転送することにより、宛先VoIPカードを識別する手段412を備える。このようにして、パケットの内容をアナログ音声信号に変換する一つの関連のVoIPカードにのみ、パケットを転送する。
【0048】
注意すべきことであるが、図4a−4bに示した手段は、プログラムしたマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータと連動して機能するソフトウエアを使用して、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)を使用して、物理または論理エンティティにより実装されてもよい。
【0049】
上記で述べて説明した実施形態は、単に例として与えたものであり、本発明に制限を与えるべきではない。添付の特許請求項で請求する本発明の範囲内にある、その他の解決策、使用法、目的および機能は、当業者には明らかなはずである。
【0050】
略語
AGW アクセス・ゲートウエイ
API アプリケーション・プログラミング・インターフェース
ARP アドレス解決プロトコル
ASIC 特定用途向け集積回路
DSP デジタル信号プロセッサ
ICMP インターネット制御通知プロトコル
IP インターネット・プロトコル
LAN 構内通信網
MAC メディア・アクセス制御
NAT ネットワーク アドレス変換
POTS 旧来の電話サービス
PSTN 公衆電話交換網
RTP リアルタイム・トランスポート・プロトコル
SIP セッション開始プロトコル
UDP ユーザ・データグラム・プロトコル
VoIP ボイス・オーバIP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
進行中のVoIP呼に関連するダウンストリームRTPパケットを処理するよう適合したアクセス・ノード(400)であって、IPネットワーク(110)に接続可能な制御器カード(410)と、制御器カード(410)に接続可能な第一の少なくとも一つの追加VoIPカード(420)とを備え、前記第一のVoIPカードはRTPパケットの宛先であり、少なくとも一つのUDPポート番号が設定され、前記VoIPカード(420)はRTPパケットのために共通IPアドレスと共通MACアドレスとを割当られており、
宛先IPアドレスとして共通IPアドレスと、宛先MACアドレスとして共通MACアドレスと、宛先UDPポート番号とを有するRTPパケットをIPネットワーク(110)から受信する手段(411)と、
宛先UDPポート番号にのみ基づいて宛先VoIPカードを識別する手段(412)と
を備えることを特徴とするアクセス・ノード(400)。
【請求項2】
前記制御器カード(410)は、VoIP呼の設定の間に宛先UDPポート番号を前記第一のVoIPカードに設定するよう構成したアクセス・ゲートウエイ・アプリケーション(440)を備えることを特徴とする請求項1に記載のアクセス・ノード(400)。
【請求項3】
前記受信する手段(411)は、受信したRTPパケットを前記VoIPカード(420)の全てにまた転送するよう構成され、
前記識別する手段(412)は、前記VoIPカード(420)の各々に置かれ、RTPパケットの宛先UDPポート番号が、VoIPカードに設定されたUDPポート番号に対応しない場合は、受信したRTPパケットを廃棄するよう更に構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のアクセス・ノード(400)。
【請求項4】
前記制御器カード(410)には、前記VoIPカード(420)の各々に対する重複していないUDPポート番号の範囲が設定され、
前記識別する手段(412)は制御器カード(410)に置かれ、RTPパケットの宛先UDPポート番号を含む、重複していないUDPポート番号の範囲に対応するVoIPカードに、受信したパケットを転送するよう更に構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアクセス・ノード(400)。
【請求項5】
前記共通MACアドレスは前記制御器カードのMACアドレスであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアクセス・ノード。
【請求項6】
前記共通MACアドレスはユニークなMACアドレスであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアクセス・ノード。
【請求項7】
全てのARPリクエスト・メッセージまたはIPネットワークから受信したICMPメッセージに応答するよう制御器カードを更に構成したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアクセス・ノード。
【請求項8】
進行中のVoIP呼に関連するアップストリームRTPパケットを処理するよう更に適合され、
送信元IPアドレスとして共通IPアドレスと、送信元MACアドレスとして共通MACアドレスとを有するRTPパケットを生成し、生成したRTPパケットをIPネットワークに転送するよう、第一のVoIPカードを構成したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のアクセス・ノード。
【請求項9】
生成したRTPパケットは、VoIP呼の設定の間に前記第一のVoIPカードに設定した宛先MACアドレスを更に含むことを特徴とする請求項8に記載のアクセス・ノード。
【請求項10】
生成したRTPパケットは、ARPを使用して前記制御器カードが提供する宛先MACアドレスを更に含むことを特徴とする請求項8に記載のアクセス・ノード。
【請求項11】
IPネットワークに向けたICMPメッセージを処理するよう、前記制御器カードを更に構成したことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のアクセス・ノード。
【請求項12】
アクセス・ノードにおいて、進行中のVoIP呼に関連するダウンストリームRTPパケットを処理する方法であって、前記アクセス・ノードはIPネットワークに接続される制御器カードと、該制御器カードに接続される第一の少なくとも一つの追加VoIPカードとを備え、前記第一のVoIPカードはRTPパケットの宛先であり、少なくとも一つのUDPポート番号が設定されており、前記方法は、
RTPパケットのための共通のIPアドレスと共通のMACアドレスとを前記VoIPカードに割当てる(310)ステップと、
宛先IPアドレスとして共通のIPアドレスと、宛先MACアドレスとして共通のMACアドレスと、宛先UDPポート番号とを含むRTPパケットをIPネットワークから受信する(310)ステップと、
宛先UDPポート番号にのみ基づいて宛先VoIPカードを識別する(330)ステップと
を有することを特徴とする方法。
【請求項13】
前記制御器カードのアクセス・ゲートウエイ・アプリケーションによりVoIPカードの設定の間に宛先UDPポート番号を前記第一のVoIPカードに設定することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記受信するステップ(320)にはまた、受信したRTPパケットを前記VoIPカードの全てに転送するステップ(321)を含み、
前記識別するステップ(330)は、受信したRTPパケットの宛先UDPポート番号がVoIPカードに設定されたUDPポート番号に対応しない場合は受信したRTPパケットを廃棄するステップ(331)により、前記VoIPカードの各々が実行することを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記制御器カードには、前記VoIPカードの各々に対する重複していないUDPポート番号の範囲が設定され、
前記識別するステップ(330)は、受信したRTPパケットを、該RTPパケットの宛先UDPポート番号を含む重複していないUDPポート番号の範囲に対応するVoIPカードに転送する(332)ステップにより、制御器カードが実行することを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
【請求項16】
前記共通MACアドレスが前記制御器カードのMACアドレスであることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記共通MACアドレスがユニークなMACアドレスであることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
全てのARPリクエスト・メッセージまたはIPネットワークから受信したICMPメッセージに応答するよう制御器カードを構成したことを特徴とする請求項12乃至17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
アクセス・ノードにおいて、進行中のVoIP呼に関連するアップストリームRTPパケットを処理する方法であって、前記アクセス・ノードにはIPネットワークに接続する制御器カードと、該制御器カードに接続する第一の少なくとも一つの追加VoIPカードとを備え、前記第一のVoIPカードはRTPパケットの送信元であり、前記VoIPカードは、RTPパケットのための共通IPアドレスと共通MACアドレスを割当てられており、前記方法は、前記第一のVoIPカードにより遂行される、
送信元IPアドレスとして共通IPアドレスと送信元MACアドレスとして共通MACアドレスとを含むRTPパケットを生成する(340)ステップと、
IPネットワークに生成したRTPパケットを転送する(350)ステップと
の、第一のVoIPカードが実行するステップと
を有することを特徴とする方法。
【請求項20】
前記共通MACアドレスは前記制御器カードのMACアドレスであることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記共通MACアドレスはユニークなMACアドレスであることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
生成した前記RTPパケットは、VoIP呼の設定に間に前記第一のVoIPカードに設定された宛先MACアドレスを更に含むことを特徴とする請求項19乃至21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
生成した前記RTPパケットは、ARPを使用して制御器カードが提供する宛先MACアドレスを更に含むことを特徴とする請求項19乃至21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
IPネットワークに向けた全てのICMPメッセージを処理するよう前記制御器カードを構成したことを特徴とする請求項19乃至23のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4a】
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【図4b】
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【公表番号】特表2012−521147(P2012−521147A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500734(P2012−500734)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【国際出願番号】PCT/SE2009/050275
【国際公開番号】WO2010/107346
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】