説明

内照式表示装置およびその表示パネル

【課題】表示パネルに暗くなる部分が生じることを効果的に防止することができる内照式表示装置およびその表示パネルを提供する。
【解決手段】内照式表示装置の表示パネル16の裏面や側面に光を反射するフィルムまたはシート30を配置する。例えば、表示パネルの着色されている部分であって透過率が低い部分22や、表示パネルの後方に光源が存在しない部分の裏面や側面に上記フィルムまたはシートを配置する。また、内照式表示装置内の光源が存在しない部分に光反射体を配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠状あるいは箱状の収容体の開口部を透光性を有する表示パネルで閉塞するとともに、上記収容体の内部に光源を設置した内照式表示装置、およびこの内照式表示装置に用いる表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、正面が開口した箱状収容体と、箱状収容体の開口部を閉塞する表示パネルと、箱状収容体内に設置された光源とを具備する内照式看板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の内照式看板は、箱状収容体内に細長の光源が設けられ、箱状収容体の表側に広告用の透光性ある表示パネルが設けられ、光源からの光により表示パネルを照明するようにした看板において、箱状収容体内に反射体を設けたものである。
【0003】
また、従来、正面が開口した箱状収容体と、箱状収容体の開口部を閉塞する表示パネルと、箱状収容体内に設置された光源とを具備する内照式車両用表示装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2の車両用表示装置は、車両のインストルメントパネルに立設され、ムーブメントにより回動される指針にて指示されるアナログ表示用意匠が形成された表示パネルを備えるもので、上記表示パネルは、導光板が一体化された文字板により形成されているものである。
【0004】
【特許文献1】特開2000−148051号公報
【特許文献2】特開2004−69514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の内照式看板の表示パネルでは、表示パネル形成用の色として透過率の低い色が多く使用された場合、特に透過率の低い色を地色としてその中に広告用の文字や図柄を無着色あるいは透過率の高い色で表示した場合には、透過率の低い色の部分に光源からの光が吸収されて、透過率の高い色からなる文字や図柄が暗くなるという問題があった。特に、両面に表示パネルを有する両面式の看板では、反射板が設けられていないので、より暗くなるものであった。
【0006】
また、近年の省エネルギー化の要請により光源を減らした場合に、上記傾向がより顕著である。すなわち、従来は、特許文献1の図1のように、光源として看板の長手方向に箱状収容体とほぼ同じ長さの直管型の蛍光管が備えられており、看板が長尺となる場合は、例えば40Wの蛍光管と20Wの蛍光管とを長手方向に連続して配設していた。しかし、蛍光管を減らし、箱状収容体の長手方向両端部に蛍光管が存在しない部分がある場合に、表示パネルの蛍光管が存在しない部分に面する箇所に透過率の低い色が多く使用されると、その部分が非常に暗くなるという問題があった。
【0007】
特許文献2の内照式車両用表示装置の表示パネルでは、表示パネル形成用の色として透過率の低い色が多く使用された場合、特に透過率の低い色を地色としてその中に表示用の文字や図柄を無着色あるいは透過率の高い色で表示した場合には、透過率の低い色の部分に光源からの光が吸収されて、透過率の高い色からなる文字や図柄が暗くなるという問題があった。
【0008】
また、特許文献2の内照式車両用表示装置は、光源として多数の点状光源(LED)を必要とするが、点状光源の数を減らした場合には、表示パネルの点状光源が存在しない部分に面する箇所に透過率の低い色が多く使用されると、その部分が非常に暗くなるという問題があった。
【0009】
さらに、特許文献2の内照式車両用表示装置は、表示パネルとして導光板が一体化されたものを用いるため、表示パネルの重量が重くなるという問題があった。
【0010】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、表示パネルに暗くなる部分が生じることを効果的に防止することができる内照式表示装置およびその表示パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記目的を達成するため、下記(1)〜(9)の表示パネルおよび(10)〜(27)の内照式表示装置を提供する。
(1)両面に開口部を有する枠状収容体と、前記枠状収容体の両開口部を閉塞する表示パネルと、前記枠状収容体内に設置された光源とを具備する内照式表示装置の表示パネルであって、裏面および/または側面の一部または全部に光を反射するフィルムまたはシートが配置されていることを特徴とする表示パネル。
(2)片面に開口部を有する箱状収容体と、前記箱状収容体の開口部を閉塞する表示パネルと、前記箱状収容体内に設置された光源とを具備する内照式表示装置の表示パネルであって、裏面および/または側面の一部または全部に光を反射するフィルムまたはシートが配置されていることを特徴とする表示パネル。
(3)前記内照式表示装置は、内照式看板であることを特徴とする(1)または(2)の表示パネル。
(4)前記内照式表示装置は、車両の運転席の前方に設置された車両用表示装置であり、前記表示パネルは、車両のスピード、エンジン回転数、燃料積載量等の車両情報が表示された表示パネルであることを特徴とする(2)の表示パネル。
(5)前記光を反射するフィルムまたはシートは、前記表示パネルの着色されている部分であって透過率が低い部分の裏面および/または側面の一部または全部に配置されていることを特徴とする(1)〜(4)の表示パネル。
(6)前記光を反射するフィルムまたはシートは、前記表示パネルの後方に光源が存在しない部分の裏面および/または側面の一部または全部に配置されていることを特徴とする(1)〜(5)の表示パネル。
(7)前記光を反射するフィルムまたはシートは、前記表示パネルの車両情報が表示されていない部分の裏面および/または側面の一部または全部に配置されていることを特徴とする(4)〜(6)の表示パネル。
(8)前記光を反射するフィルムまたはシートは、平均気泡径が50nm以上で50μm以下の微細な気泡または気孔を内部に有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートであることを特徴とする(1)〜(7)の表示パネル。
(9)前記光を反射するフィルムまたはシートは、フィラーを含有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートであって、前記フィラーを核として多数のボイドが形成されているフィルムまたはシートであることを特徴とする(1)〜(7)の表示パネル。
(10)両面に開口部を有する枠状収容体と、前記枠状収容体の両開口部を閉塞する表示パネルと、前記枠状収容体内に設置された光源とを具備し、前記表示パネルの裏面および/または側面の一部または全部に光を反射するフィルムまたはシートが配置されていることを特徴とする内照式表示装置。
(11)片面に開口部を有する箱状収容体と、前記箱状収容体の開口部を閉塞する表示パネルと、前記箱状収容体内に設置された光源とを具備し、前記表示パネルの裏面および/または側面の一部または全部に光を反射するフィルムまたはシートが配置されていることを特徴とする内照式表示装置。
(12)前記内照式表示装置は、内照式看板であることを特徴とする(10)または(11)の内照式表示装置。
(13)前記内照式表示装置は、車両の運転席の前方に設置された車両用表示装置であり、前記表示パネルは、車両のスピード、エンジン回転数、燃料積載量等の車両情報が表示された表示パネルであることを特徴とする(11)の内照式表示装置。
(14)前記箱状収容体の前記表示パネルと対向する裏面の一部または全部に光を反射するフィルムまたはシートが配置されていることを特徴とする(11)〜(13)の内照式表示装置。
(15)前記光を反射するフィルムまたはシートは、前記表示パネルの着色されている部分であって透過率が低い部分の裏面および/または側面の一部または全部に配置されていることを特徴とする(10)〜(14)の内照式表示装置。
(16)前記光を反射するフィルムまたはシートは、前記表示パネルの後方に光源が存在しない部分の裏面および/または側面の一部または全部に配置されていることを特徴とする(10)〜(15)の内照式表示装置。
(17)前記光を反射するフィルムまたはシートは、前記表示パネルの車両情報が表示されていない部分の裏面および/または側面の一部または全部に配置されていることを特徴とする(13)〜(16)の内照式表示装置。
(18)前記光を反射するフィルムまたはシートは、平均気泡径が50nm以上で50μm以下の微細な気泡または気孔を内部に有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートであることを特徴とする(10)〜(17)の内照式表示装置。
(19)前記光を反射するフィルムまたはシートは、フィラーを含有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートであって、前記フィラーを核として多数のボイドが形成されているフィルムまたはシートであることを特徴とする(10)〜(17)の内照式表示装置。
(20)両面に開口部を有する枠状収容体と、前記枠状収容体の両開口部を閉塞する表示パネルと、前記枠状収容体内に設置された光源とを具備する内照式表示装置であって、前記枠状収容体内における光源が存在しない部分に光反射体が配設されていることを特徴とする内照式表示装置。
(21)片面に開口部を有する箱状収容体と、前記箱状収容体の開口部を閉塞する表示パネルと、前記箱状収容体内に設置された光源とを具備する内照式表示装置であって、前記箱状収容体内における光源が存在しない部分に光反射体が配設されていることを特徴とする内照式表示装置。
(22)前記光反射体は山形であり、前記光源から離れるにしたがい前記表示パネルに近づくテーパ部を有することを特徴とする(20)または(21)の内照式表示装置。
(23)前記光反射体は山形であり、前記光源から離れるにしたがい前記表示パネルに近づく湾曲面を有することを特徴とする(20)または(21)の内照式表示装置。
(24)前記光反射体は、光を反射するフィルムまたはシートにより形成されていることを特徴とする(20)〜(23)の内照式表示装置。
(25)前記光を反射するフィルムまたはシートは、平均気泡径が50nm以上で50μm以下の微細な気泡または気孔を内部に有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートであることを特徴とする(24)の内照式表示装置。
(26)前記光を反射するフィルムまたはシートは、フィラーを含有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートであって、前記フィラーを核として多数のボイドが形成されているフィルムまたはシートであることを特徴とする(24)の内照式表示装置。
(27)前記表示パネルは、(1)〜(9)の表示パネルであることを特徴とする(20)〜(26)の内照式表示装置。
【0012】
(1)〜(9)の表示パネルおよび(10)〜(19)、(27)の内照式表示装置では、表示パネルの裏面や側面に貼着されたフィルムまたはシートにより光が反射される。したがって、表示パネルの着色された部分であって透過率が低い部分の裏面や側面に上記フィルムまたはシートを貼着した場合には、透過率が低い部分に光が吸収されずに反射され、収容体内で反射されて透過率の高い色の部分から出射されるため、透過率の高い色で表示された文字や図柄が明るくなる。また、表示パネルの後方に光源が存在しない部分の裏面や側面に上記フィルムまたはシートを貼着した場合には、このフィルムまたはシートに光が反射されるため、収容体内の光源が存在しない部分が明るくなる。さらに、(20)〜(26)の内照式表示装置では、収容体内の光源が存在しない部分に配設された光反射体に光が反射されるため、収容体内の光源が存在しない部分が明るくなる。
【0013】
したがって、本発明によれば、前述のように、内照式看板において、蛍光管を減らし、収容体の長手方向両端部に蛍光管が存在しない部分がある場合や、内照式車両用表示装置において、点状光源の数を減らし、収容体内に点状光源が存在しない部分がある場合に、表示パネルの蛍光管や点状光源が存在しない部分に面する箇所に透過率の低い色が多く使用されると、その部分が非常に暗くなるという問題を特に効果的に解消することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る内照式表示装置および表示パネルによれば、表示パネルに暗くなる部分が生じることを効果的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。
【0016】
(第1実施形態)
図1〜図3は本発明の内照式表示装置の一実施形態に係る内照式看板を示すものであり、図1は模式的斜視図、図2は正面側の表示パネルおよび光反射体(いずれも後述)を省略した状態の模式的正面図、図3は模式的断面図である。
【0017】
本実施形態の内照式看板10において、12は両面に開口部14を有する断面が縦長の四角形の枠体(枠状収容体)を示す。枠体12は、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属により形成されている。
【0018】
枠体12の両開口部14は、表示パネル16によって閉塞されている。表示パネル16は、アクリル樹脂、FFシート(フレキシブルフェイスシート)、ポリカーボネート等の透光性を有する合成樹脂板からなる。本例では、上側4/5程度の領域18に宣伝用の文字(AAAA)20が白色で表示され、領域18の文字20以外の部分が青色に着色されている。また、下側1/5程度の領域22に宣伝用の文字(XXXX)24が白色で表示され、領域22の文字24以外の部分が濃い茶色に着色されている。上記文字、地色は、シルクスクリーン印刷等の印刷によって形成されている。着色方法としては、印刷に限らず、例えば、文字や図柄が施されたシートを貼着してもよい。
【0019】
また、枠体12の内部には、光源として直管型の蛍光管26が設置されている。本例では、光源を減らすために、枠体12の縦長より短い1本の蛍光管26を枠体12の縦方向中間部に設置してあり、したがって枠体12内の縦方向両端部には蛍光管26が存在しない部分28がある。なお、本例では、枠体12の横方向一端側に蛍光管26を配置してある。これは、枠体12の横方向中央部に蛍光管を配置すると、蛍光管を保持する金属製の保持具(図示せず)により保持具側が暗くなるからである。
【0020】
本例では、下部の領域22が濃い茶色に着色され透過率が低い部分となっており、この領域22に透過率の高い色である白色で文字24が表示されているため、濃い茶色の部分に蛍光管26からの光が吸収されて、文字24が暗くなる。特に、本例では、枠体12内の縦方向両端部に蛍光管26が存在しない部分28があるので、文字24が非常に暗くなる。
【0021】
ここで、着色されている部分であって透過率が低い部分とは、透過率が10%以下の部分をいい、着色された色と表示パネル16の材質とが加味された透過率である。なお、文字や図柄が施されたシートを配置する場合は、このシートの材質もさらに加味された透過率となる。透過率が高い部分に光を反射するフィルムまたはシートを貼ると、光を反射するフィルムまたはシートにより遮光され、全体として光の透過量が減少して、逆に暗くなってしまうため、全体の透過量が減少しない範囲で、光を反射するフィルムまたはシートを配置すべき部分を決定するとよい。
【0022】
そこで、本例では、図4に示すように、表示パネル16の領域22の濃い茶色の部分の裏面に、光を反射するフィルムまたはシート30を貼着して配置してある。なお、本例では、濃い茶色の部分の裏面に4つの矩形状の光を反射するフィルムまたはシート30を貼着したが、これに限られるものではなく、例えば、文字24を打ち抜いた光を反射するフィルムまたはシート30を貼るようにしてもよい。また、本例では、図3に示すように、枠体12内の縦方向両端部の蛍光管26が存在しない部分28に、光反射体32を配置してある。光反射体32は、山形(断面V字状)であり、蛍光管26から離れるにしたがい表示パネル16に近づくテーパ部34を有する。
【0023】
したがって、本例では、光を反射するフィルムまたはシート30および光反射体32により光が反射され、この光が白色の文字24の部分を透過するため、文字24が明るくなる。
【0024】
光を反射するフィルムまたはシート30および光反射体32の材質に限定はないが、平均気泡径が50nm以上で50μm以下の微細な気泡または気孔を内部に有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートによって形成することが好ましい。
【0025】
上記熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビフェニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコールなどの汎用樹脂、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、超高分子量ポリエチレン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、液晶ポリマー、フッ素樹脂などのエンジニアリングプラスチック、またはこれらの共重合体または混合物などが挙げられる。これらのうちでも、耐熱性、耐衝撃性などが良好であることから、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、シクロポリオレフィンが好ましい。なお、上記熱可塑性樹脂中には、酸化防止剤、紫外線防止剤、滑剤、顔料、強化剤などの添加剤を適宜添加することができる。また、これらの添加剤を含有した塗布層を塗布により形成してもよい。
【0026】
より具体的には、上記熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートの一例として、熱可塑性ポリエステルの押出シートに炭酸ガスを高圧下で含浸させた後、加熱し発泡させたシートで、内部の気泡径が50μm以下であるポリエステル系発泡シート(例えば、古河電気工業株式会社製のMCPET(登録商標))を使用することができる。その他、同様に内部の気泡径が50μm以下であるシクロポリオレフィン系発泡シートを使用することができる。
【0027】
また、光を反射するフィルムまたはシート30および光反射体32を形成する材料の他の好ましい例として、フィラーを含有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートであって、フィラーを核として多数のボイドが形成されているフィルムまたはシートが挙げられる。この場合、上記フィルムまたはシートにおいて、フィラーを含有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートは、フィラーを含有する未延伸フィルムまたはシートを成形し、この未廷伸フィルムまたはシートを延伸することにより、フィラーを核として多数のボイドを形成した多孔性延伸フィルムまたはシートであることが好ましい。
【0028】
本実施形態の内照式看板および表示パネルは、例えば下記(a)〜(d)のような種々の変更が可能である。
(a)内照式看板は、片面に開口部を有する箱体(箱状収容体)と、箱体の開口部を閉塞する表示パネルと、箱体内に設置された光源とを具備するものとしてもよい。
(b)図4に示すように、表示パネルの側面に光を反射するフィルムまたはシート40を貼着して配置してもよい。
(c)光反射体は、図5に示すように、光源から離れるにしたがい表示パネルに近づく湾曲面36を有する山形の光反射体38としてもよい。この湾曲面36を有する光反射体38によれば、文字24が図3に示した光反射体32よりも明るくなるが、製造の容易性からは図3に示した光反射体の方がよい。また、光反射体は平板状としてもよい。
(d)光反射体は、枠体内の縦方向下端部のみ、すなわち着色されている部分であって透過率が低い部分側のみに設けてもよい。
【0029】
(第2実施形態)
図6、図7は本発明の内照式表示装置の一実施形態に係る内照式車両用表示装置を示すものであり、図6は概略正面図、図7は図6A−A線に沿った概略断面図である。
【0030】
本実施形態の車両用表示装置50において、52は正面側の片面に開口部54を有する横長の四角形の箱体(箱状収容体)を示す。箱体52は、合成樹脂により形成されている。なお、図中56は箱体52に固定された合成樹脂製のフードを示す。
【0031】
箱体52の開口部54は、表示パネル58によって閉塞されている。表示パネル58は、アクリル樹脂、FFシート(フレキシブルフェイスシート)、ポリカーボネート等の透光性を有する合成樹脂板からなる。本例では、上側3/5程度の領域60に自動車(車両)のスピード表示用スピードメータ62およびエンジン回転数表示用タコメータ64が適宜色彩によって表示され、領域60のスピードメータ62およびタコメータ64以外の部分は透明とされている。なお、スピードおよびエンジン回転数を示す指針66、68は、表示パネル58の内側に設置されている。
【0032】
また、箱体52の内部には、点状光源として2つのLED70、72が、指針66、68を回動させるムーブメント(図示せず)の近傍に設置されている。なお、箱体52には、LED70、72および上記ムーブメントを隠蔽するためのフロントカバー74が設けられている。
【0033】
本例では、表示パネル58の領域60のスピードメータ62およびタコメータ64が表示されていない部分(車両情報が表示されていない部分)の裏面と、箱体52の表示パネル58と対向する裏面に、光を反射するフィルムまたはシート76を貼着して配置してある。
【0034】
この場合、本例では、図8に示すように、光を反射するフィルムまたはシート76により直方体形状の箱78を作製した後、箱78にスピードメータ62およびタコメータ64の部分に対応する切欠80、82およびLED挿通孔84、86を形成し、この箱78の前面を表示パネル58の裏面に貼着してある。そのため、本例では、箱体52の裏面の側面部、上面部および底面部にも光を反射するフィルムまたはシート76が配置されている。
【0035】
したがって、本例では、光を反射するフィルムまたはシート76により光が反射され、この光がスピードメータ62およびタコメータ64の部分を透過するため、スピードメータ62およびタコメータ64の部分が明るくなる。また、本例では、LEDの数を削減できるため、省エネルギー化の要請に応えることができる。さらに、本例では、表示パネルとして導光板が一体化されたものを用いる必要がないため、表示パネル、車両用表示装置の軽量化を図ることができる。
【0036】
光を反射するフィルムまたはシート76の材質は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0037】
本実施形態の内照式車両用表示装置および表示パネルは、例えば下記(e)、(f)のような種々の変更が可能である。
(e)表示パネルの側面に光を反射するフィルムまたはシートを配置してもよい。
(f)表示パネルの裏面のみに光を反射するフィルムまたはシートを配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の内照式表示装置の一実施形態に係る内照式看板を示す模式的斜視図である。
【図2】図1の内照式看板の模式的正面図である。
【図3】図1の内照式看板の模式的断面図である。
【図4】図1の内照式看板に用いた表示パネルの一部裏面図である。
【図5】反射体の一例を示す側面図である。
【図6】本発明の内照式表示装置の一実施形態に係る内照式車両用表示装置を示す概略正面図である。
【図7】図6A−A線に沿った概略断面図である。
【図8】図1の内照式車両用表示装置の作製に用いた光を反射するフィルムまたはシートからなる箱を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
10 内照式看板
12 枠体
14 開口部
16 表示パネル
20 文字
24 文字
26 蛍光管(光源)
28 光源が存在しない部分
30 光を反射するフィルムまたはシート
32 光反射体
34 テーパ部
36 湾曲面
38 光反射体
40 光を反射するフィルムまたはシート
50 車両用表示装置
52 箱体(箱状収容体)
54 開口部
58 表示パネル
62 スピードメータ
64 タコメータ
70、72 LED(光源)
76 光を反射するフィルムまたはシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面に開口部を有する枠状収容体と、前記枠状収容体の両開口部を閉塞する表示パネルと、前記枠状収容体内に設置された光源とを具備する内照式表示装置の表示パネルであって、裏面および/または側面の一部または全部に光を反射するフィルムまたはシートが配置されていることを特徴とする表示パネル。
【請求項2】
片面に開口部を有する箱状収容体と、前記箱状収容体の開口部を閉塞する表示パネルと、前記箱状収容体内に設置された光源とを具備する内照式表示装置の表示パネルであって、裏面および/または側面の一部または全部に光を反射するフィルムまたはシートが配置されていることを特徴とする表示パネル。
【請求項3】
前記内照式表示装置は、内照式看板であることを特徴とする請求項1または2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記内照式表示装置は、車両の運転席の前方に設置された車両用表示装置であり、前記表示パネルは、車両のスピード、エンジン回転数、燃料積載量等の車両情報が表示された表示パネルであることを特徴とする請求項2に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記光を反射するフィルムまたはシートは、前記表示パネルの着色されている部分であって透過率が低い部分の裏面および/または側面の一部または全部に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記光を反射するフィルムまたはシートは、前記表示パネルの後方に光源が存在しない部分の裏面および/または側面の一部または全部に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記光を反射するフィルムまたはシートは、前記表示パネルの車両情報が表示されていない部分の裏面および/または側面の一部または全部に配置されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記光を反射するフィルムまたはシートは、平均気泡径が50nm以上で50μm以下の微細な気泡または気孔を内部に有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記光を反射するフィルムまたはシートは、フィラーを含有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートであって、前記フィラーを核として多数のボイドが形成されているフィルムまたはシートであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項10】
両面に開口部を有する枠状収容体と、前記枠状収容体の両開口部を閉塞する表示パネルと、前記枠状収容体内に設置された光源とを具備し、前記表示パネルの裏面および/または側面の一部または全部に光を反射するフィルムまたはシートが配置されていることを特徴とする内照式表示装置。
【請求項11】
片面に開口部を有する箱状収容体と、前記箱状収容体の開口部を閉塞する表示パネルと、前記箱状収容体内に設置された光源とを具備し、前記表示パネルの裏面および/または側面の一部または全部に光を反射するフィルムまたはシートが配置されていることを特徴とする内照式表示装置。
【請求項12】
前記内照式表示装置は、内照式看板であることを特徴とする請求項10または11に記載の内照式表示装置。
【請求項13】
前記内照式表示装置は、車両の運転席の前方に設置された車両用表示装置であり、前記表示パネルは、車両のスピード、エンジン回転数、燃料積載量等の車両情報が表示された表示パネルであることを特徴とする請求項11に記載の内照式表示装置。
【請求項14】
前記箱状収容体の前記表示パネルと対向する裏面の一部または全部に光を反射するフィルムまたはシートが配置されていることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の内照式表示装置。
【請求項15】
前記光を反射するフィルムまたはシートは、前記表示パネルの着色されている部分であって透過率が低い部分の裏面および/または側面の一部または全部に配置されていることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の内照式表示装置。
【請求項16】
前記光を反射するフィルムまたはシートは、前記表示パネルの後方に光源が存在しない部分の裏面および/または側面の一部または全部に配置されていることを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項に記載の内照式表示装置。
【請求項17】
前記光を反射するフィルムまたはシートは、前記表示パネルの車両情報が表示されていない部分の裏面および/または側面の一部または全部に配置されていることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の内照式表示装置。
【請求項18】
前記光を反射するフィルムまたはシートは、平均気泡径が50nm以上で50μm以下の微細な気泡または気孔を内部に有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートであることを特徴とする請求項10〜17のいずれか1項に記載の内照式表示装置。
【請求項19】
前記光を反射するフィルムまたはシートは、フィラーを含有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートであって、前記フィラーを核として多数のボイドが形成されているフィルムまたはシートであることを特徴とする請求項10〜17のいずれか1項に記載の内照式表示装置。
【請求項20】
両面に開口部を有する枠状収容体と、前記枠状収容体の両開口部を閉塞する表示パネルと、前記枠状収容体内に設置された光源とを具備する内照式表示装置であって、前記枠状収容体内における光源が存在しない部分に光反射体が配設されていることを特徴とする内照式表示装置。
【請求項21】
片面に開口部を有する箱状収容体と、前記箱状収容体の開口部を閉塞する表示パネルと、前記箱状収容体内に設置された光源とを具備する内照式表示装置であって、前記箱状収容体内における光源が存在しない部分に光反射体が配設されていることを特徴とする内照式表示装置。
【請求項22】
前記光反射体は山形であり、前記光源から離れるにしたがい前記表示パネルに近づくテーパ部を有することを特徴とする請求項20または21に記載の内照式表示装置。
【請求項23】
前記光反射体は山形であり、前記光源から離れるにしたがい前記表示パネルに近づく湾曲面を有することを特徴とする請求項20または21に記載の内照式表示装置。
【請求項24】
前記光反射体は、光を反射するフィルムまたはシートにより形成されていることを特徴とする請求項20〜23のいずれか1項に記載の内照式表示装置。
【請求項25】
前記光を反射するフィルムまたはシートは、平均気泡径が50nm以上で50μm以下の微細な気泡または気孔を内部に有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートであることを特徴とする請求項24に記載の内照式表示装置。
【請求項26】
前記光を反射するフィルムまたはシートは、フィラーを含有する熱可塑性樹脂のフィルムまたはシートであって、前記フィラーを核として多数のボイドが形成されているフィルムまたはシートであることを特徴とする請求項24に記載の内照式表示装置。
【請求項27】
前記表示パネルは、請求項1〜9のいずれか1項に記載の表示パネルであることを特徴とする請求項20〜26のいずれか1項に記載の内照式表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−20275(P2010−20275A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−316829(P2008−316829)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】