説明

内燃機関の制御装置

【課題】エンジン運転時に常に回転速度の安定化及び燃費性能の向上を図る。
【解決手段】目標出力トルクPitに基づいて内燃機関の点火時期のリタード量Rtdを演算し、該リタード量Rtdに応じて点火時期Sactを制御する内燃機関の制御装置において、点火作動係数演算ブロックB52にて、エンジンの回転速度Neと負荷とに基づいて、リタード量Rtdの点火時期Sactへの反映率に相当する点火作動係数Kを演算し、目標点火時期演算ブロックB56にて、点火作動係数Kに基づいてリタード量Rtdを増減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の点火時期の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン回転速度を安定化させるため、エンジン回転速度の変動に応じてエンジンの出力を制御し、所望の回転速度に維持する制御が行なわれている。
エンジンの出力を制御する方法としては、スロットルバルブや燃料噴射量等の制御があるが、エンジン回転速度の変動により迅速に対応すべく、点火時期を制御する方法が提案されている。
【0003】
例えば、アイドル運転時ではMBT(Minimum advance for Best Torque:最大トルク点火時期)より所定角度遅角させた位置を基本点火時期として、エンジン回転速度が設定値より低下した場合には基本点火時期より進角させてMBTに近づけて出力トルクを上昇させエンジン回転速度を上昇させる。また、エンジンの回転速度が設定値より上昇した場合には基本点火時期より遅角させて出力トルクを低下させエンジンの回転速度を低下させる。これにより、エンジン回転速度を設定値に維持させることが可能となる。
【0004】
また、スロットルバルブと点火時期の両方を補正制御することで、アイドル運転時においてエンジンの回転速度を安定化させる技術も開発されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3876609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1では、点火時期等の制御によりアイドル運転時における
エンジン回転速度の安定化及び燃費向上の両立を図っているが、アイドル運転時以外においても、点火時期を適切に制御することで、エンジン運転の安定化と燃費向上の両立化を図ることが望まれる。アイドル運転時以外では、負荷及びエンジン回転速度の可変範囲が大きく、1つのマップにより点火時期を設定すると、膨大なマップ容量が必要となってしまう。また、減速時等での燃料カットからの復帰時や変速機等の外部からの出力トルク低減要求時等、各種要求に応じて点火時期の設定が異なり、マップが複雑化してしまう。
【0007】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、エンジン運転時において点火時期の制御を適切に行ない、常にエンジン運転の安定化及び燃費性能向上の両立化が可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、目標出力トルクに基づいて内燃機関の点火時期のリタード量を演算し、該リタード量に応じて点火時期を制御するトルク制御手段を備えた内燃機関の制御装置において、内燃機関の回転速度と負荷とに基づいて、トルク制御手段において演算したリタード量の点火時期への反映率に相当する点火作動係数を演算する点火作動係数演算手段と、点火作動係数演算手段により演算された点火作動係数に基づいて、トルク制御手段において点火時期に付与するリタード量を増減するリタード量設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の内燃機関の制御装置は、請求項1において、点火作動係数は、負荷及びエンジン回転速度が低下するにしたがって増加するように、0と1との間で設定されることを特徴とする。
また、請求項3の内燃機関の制御装置は、請求項1または2において、点火作動係数は、外部要求に応じて安定したエンジン運転を必要とする所定の運転状態では負荷及びエンジン回転速度に拘わらず1に設定されることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の内燃機関の制御装置は、請求項3において、所定の運転状態は、燃料カットからの復帰時、エンジン回転速度のフィードバック制御時、またはエンジン以外の外部機器からのトルク低減要求時であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1の内燃機関の制御装置によれば、エンジン回転速度と負荷とに基づいて演算された点火作動係数に応じて、目標トルクに基づいて設定される点火時期のリタード量を増減させるので、エンジン運転時には常にトルク制御における点火時期の制御を反映させてエンジン回転速度の安定化及び燃費性能向上の両立化を図ることが可能となる。
本発明の請求項2の内燃機関の制御装置によれば、低負荷低回転時には点火作動係数が1となり、点火時期へのトルク制御の反映が大きくなるので、エンジン運転の安定化を確実に図ることができる。また、高負荷高回転時には点火作動係数が0となり、点火時期にトルク制御が反映されなくなるので、リタード量が0となり、エンジンの燃焼効率が上昇して燃費性能及び出力性能を向上させることができる。
【0012】
本発明の請求項3の内燃機関の制御装置によれば、所定の運転状態では負荷及びエンジン回転速度に拘わらず点火作動係数が1に設定されるので、目標出力トルクに基づいた点火時期の制御が行なわれ、外部要求に応じてエンジン回転速度を迅速に安定化させることができる。
本発明の請求項4の内燃機関の制御装置によれば、燃料カットからの復帰時、エンジン回転速度のフィードバック制御時、またはエンジン以外の外部機器からのトルク低減要求時には、負荷及びエンジン回転速度に拘わらず点火作動係数が1に設定されるので、安定したエンジン運転を迅速に実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る内燃機関の出力制御装置を示す概略構成図である。
【図2】点火時期演算部のブロック図である。
【図3】点火作動係数を求めるマップである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
本発明の実施形態に係る内燃機関の制御装置は、車両に搭載されたエンジン(内燃機関)の点火時期を制御するものであり、例えばガソリンエンジンの出力制御装置に採用されている。当該出力制御装置は、例えばドライブ・バイ・ワイヤ(DBW)と呼ばれる吸気システムを備えて構成されている。
【0015】
このDBWと呼ばれる吸気システムは、アクセルペダルの操作情報等に応じて電子コントロールユニットにより電子制御スロットルバルブの開度を独立して制御するように構成されている。
図1は、電子コントロールユニット(ECU)10において実行される本発明に係る内燃機関の出力制御装置の全体構成を示す制御ブロック図である。
【0016】
同図に示すように、ECU10の入力側には車両のドライバによるアクセルペダルの操作度合いを検出するアクセルポジションセンサ20、電子制御スロットルバルブ70の開度を検出するスロットルポジションセンサ30、吸入空気流量を検出するエアフローセンサ40、エンジンのクランク角ひいてはエンジン回転速度Neを検出するクランク角センサ50(実回転速度検出手段)等のセンサ類の他、例えば無断変速機(CVT)や車両姿勢制御システム等の各種外部システム要素60の信号線が電気的に接続されており、出力側には電子制御スロットルバルブ70及び点火装置80が電気的に接続されている。
【0017】
そして、同図に示すように、ECU10には、アクセルポジションセンサ20からのアクセル要求やクランク角センサ50により検出されたエンジン回転速度Neに基づき要求トルクの指標としての図示平均有効圧Pi(アクセル要求Pia)を算出するアクセル要求Pi算出ブロックB10、外部システム要素60からの外部要求に基づき図示平均有効圧Pi(外部要求Pio)を算出する外部要求Pi算出ブロックB12、アクセル要求Piと外部要求Piとに基づき目標トルクの指標としての図示平均有効圧Piの目標値(目標Pi)を算出する目標Pi算出ブロックB14、目標Piに基づき充填効率の目標値(目標Ec)を算出する目標Ec算出ブロックB16、目標Ecに基づき電子制御スロットルバルブ70を通過する吸入空気流量の目標値(目標吸気流量Qt)を算出する目標吸気流量Qt算出ブロックB18、目標吸気流量Qtに基づき電子制御スロットルバルブ70の開度の目標値(目標スロットルバルブ開度)を算出し電子制御スロットルバルブ70に出力信号を供給する目標スロットルバルブ開度算出ブロックB20、スロットルポジションセンサ30からの電子制御スロットルバルブ70の開度情報に基づき電子制御スロットルバルブ70の開度を調整するスロットルバルブ開度調整ブロックB22、エアフローセンサ40からの情報に基づき上記調整した電子制御スロットルバルブ70の開度での実際の吸入空気流量(実吸気流量Qr)を算出する実吸気流量Qr算出ブロックB24、実吸気流量Qrに基づき実際の充填効率(実Ec)を算出する実Ec算出ブロックB26、実Ecに基づき実際の図示平均有効圧Pi(実Pi)を算出する実Pi算出ブロックB28、エンジンがアイドル運転状態にあるとき、実Piに基づきクランク角センサ50により検出されたエンジン回転速度Neが目標アイドル回転速度となるようにエンジン回転速度フィードバック制御(Ne−F/B)を併せて行いながら電子制御スロットルバルブ70のフィードバック制御を行うF/B制御ブロックB30が含まれ、同制御ブロック図に従って制御プログラムが構成されている。
【0018】
即ち、本発明に係る内燃機関の出力制御装置では、ECU10はエンジンの出力トルクを基調とする所謂トルクベース制御を行い、要求トルクの指標から目標トルクの指標を求め、この目標トルクの指標に基づいて電子制御スロットルバルブ70を適正な開度に調節し、エンジンにおいて所望の出力トルクを得るように図っている。これにより、電子制御スロットルバルブ70の制御を目標トルクの指標に基づいて的確に制御でき、エンジンにおいて所望の出力トルクを確実に得ることが可能である。
【0019】
また、実Pi算出ブロックB28において実Piを算出する際に熱効率係数が乗算される。詳しくは、MBT点火時期算出ブロックB40において、実EC算出ブロックB26にて算出した実ECで最大トルクを発生する点火時期であるMBT点火時期Smbt(最大トルク点火時期)を演算する。そして、熱効率係数算出ブロックB41にて、当該MBT点火時期Smbtと基本目標点火時期Smainとに基づき点火時期のリタード量を求め、MBT点火時期での図示平均有効圧Piに対する点火時期をリタードした場合の図示平均有効圧Piの割合である点火効率係数を演算し、当該点火効率係数に空燃比やEGR率の係数を乗じて熱効率係数を算出する。当該熱効率係数は、ストイキかつMBT時においては1である。
【0020】
また、本実施形態では、実行点火時期演算部B45にて、点火時期の実際の制御値である実行点火時期Sactを演算する。図2は、実行点火時期演算部B45のブロック図であり、以下、同図に基づき、実行点火時期Sactの算出手順について説明する。なお、本実行点火時期Sactの演算は、エンジン運転時に所定時間毎に繰り返し行なわれる。
アクセルポジションセンサ20からのアクセル開度信号Rapsやクランク角センサ50により検出されたエンジン回転速度Neは要求負荷率算出ブロックB50に入力され、要求負荷率算出ブロックB50において要求負荷率Zpiが算出される。要求負荷率Zpiはアクセル開度信号Rapsとエンジン回転速度Neに基づいて、エンジンがアイドル運転状態の負荷を0%として最大トルクを発生可能な負荷を100%として補間される値であり、予め記憶したアクセル開度信号Rapsとエンジン回転速度Neとをパラメータとするマップから読み出される。
【0021】
点火作動係数算出ブロックB52(点火作動係数演算手段)では、要求負荷率算出ブロックB50において演算された要求負荷率Zpiとエンジン回転速度Neとに基づいて、予め記憶された点火作動係数マップより点火作動係数Kを読み出す。点火作動係数マップは、例えば図3に示すように、エンジン回転速度Ne及び要求負荷率Zpiが比較的低い低負荷低回転時(図3中斜線部)では点火作動係数Kが1に、エンジン回転速度Neや要求負荷率が比較的大きくなる高負荷または高回転時では点火作動係数Kが0に設定されている。1の領域と0の領域との間には、0と1の間を補関する値(例えば0.5にしたり、1と0との間で連続的に可変したりするよう)に設定する領域が設けられている(図3中ドット部)。
【0022】
また、燃料カット復帰時にショックを防止するためのPiの制限値である燃料カット復帰時制限Pi(Pif)と目標Pi算出ブロックB14にて演算された目標Pi(Pit)を入力し、次式(1)に示すように、小さい方の値をMBT時Pi値Pafで除算して、目標点火効率係数Kstを算出する。
Kst=MIN[Pif、Pit]/Paf・・・(1)
MBT時Pi値Pafは、燃料カット復帰後の点火回数であるF/C復帰後IG数(Cfig)が所定値Xigより小さい場合には、MBT時における実PiであるMBT条件実Pi(Pmbt)を所定値で除算した値に設定される。F/C復帰後IG数Cfigが所定値Xig以上である場合には、MBT条件実Pi(Pmbt)がそのままMBT時Pi値Pafに設定される。
【0023】
なお、点火遅角外部要求Prtdがある場合には、次式(2)に示すように、目標SA条件実Pi(Piaf)から点火遅角外部要求Prtdを減算した値をMBT時Pi値Pafで除算して、目標点火効率係数Kstを算出するようにしてもよい。
Kst=(Piaf−Prtd)/Paf (Prtd>0の場合)・・・(2)
次に、遅角量演算ブロックB54において、点火効率係数から遅角量に変換するマップを用いて、上記のように求めた目標点火効率係数Kstに基づいて、MBTからの遅角量Rtdを演算する。
【0024】
なお、上記のように目標Pi等に基づいてリタード量Rtdを演算し、このリタード量Rtdを点火時期に適用させるトルク制御が本発明のトルク制御手段に該当する。
次に、トルク制御時目標点火時期aを演算する。トルク制御時目標点火時期aは、上記目標Pi等に基づいて演算されたリタード量Rtdを適用した点火時期であって、詳しくは、次式(3)に示すように、遅角量Rtdに点火遅角Ne補正係数Kneを乗算した値を、MBT点火時期算出ブロックB40において演算したMBT点火時期Smbtから減算して求められる。
【0025】
a=Smbt−Rtd×Kne・・・(3)
次に、目標点火時期演算ブロックB56において、目標点火時期Stを演算する。詳しくは、燃料カットからの復帰時における点火要求時、F/B制御ブロックB30による回転フィードバック制御(Ne−FB)時または回転速度制限時(変速装置等の外部機器からのトルク制限要求時)においては、点火作動係数Kに拘わらず、目標点火時期Stがトルク制御点火時期aに設定される。
【0026】
点火要求時、回転フィードバック制御時及び回転速度制限時以外の通常運転時においては、次式(4)に示すように目標点火時期Stを演算する。
St=K×a+(1−K)×b・・・(4)
但しbは、上記トルク制御を施さない基本目標点火時期Smainである。
なお、目標点火時期演算ブロックB56は、目標点火時期Stを演算することで、基本目標点火時期Smainからのリタード量を増減することになり、本発明のリタード量設定手段に該当する。
【0027】
次に、目標点火時期演算ブロックB56において演算した目標点火時期Stを必要に応じて制限し、最終的な実行点火時期Sactとして出力する。詳しくは、空燃比フィードバック時遅角補正後の基本点火時期Sfbからノッキングを防止するためのリタード量ΔSkを減算した値と、実EC時MBT点火時期Smbtと、目標点火時期演算ブロックB56において演算した目標点火時期Stのうち、最も小さい(進角している)値を選択し、更にこの選択した値と遅角設定最小値Sminとを比較して大きい(遅角している)方の値を最終的な実行点火時期Sactとして出力する。遅角設定最小値Sminは、制御の安定性を図るべく極端に小さい値のリタードが規制されるように適宜設定される。
【0028】
そして、この出力した実行点火時期Sactに基づいて点火装置80を制御する。
また、目標点火時期演算ブロックB56において演算した目標点火時期Stと基本目標点火時期Smainと実EC時MBT点火時期Smbtとのうち、最も小さい値を選択し、更にこの選択した値と遅角設定最小値Sminとを比較して大きい方の値をノッキング補正なしの実行点火時期Sact1として出力する。この実行点火時期Sact1は、他のトルク補正演算時、例えば電子制御スロットルバルブ70の開度制御におけるパラメータとして利用される。
【0029】
以上のように制御することで、本実施形態では、低負荷低回転時には点火作動係数kが1に、高負荷高回転時には点火作動係数kが0に、中間域では点火作動係数kが0と1の間の数に設定される。点火要求時、回転フィードバック制御時または回転速度制限時を除く通常運転時においては、目標Pi等を実現させるために演算されたリタード量Rtdを反映させたトルク制御点火時期aと基本目標点火時期bとの間で点火作動係数kに基づいて目標点火時期Stが設定される。
【0030】
点火作動係数kが1の場合、即ち低回転低負荷時には、目標点火時期Stはトルク制御点火時期aに設定される。即ち、目標Piを実現させるためのトルク制御を反映させた点火時期に設定されるので、エンジン回転速度の安定化を確実に図ることができる。
点火作動係数kが0の場合、即ち高負荷または高回転時には、目標点火時期Stは基本目標点火時期bに設定される。したがって、リタード量が抑制され、エンジンの効率的な運転を図ることができ、出力及び燃費の向上を図ることができる。
【0031】
中間域では、目標点火時期Stは、トルク制御点火時期aと基本目標点火時期bとの間の値に点火作動係数kに応じて設定されるので、エンジン回転速度の安定化及び出力及び燃費の向上を点火作動係数kの設定に応じて適宜実現させることができる。
また、点火要求時、回転フィードバック時または回転速度制限時においては、点火作動係数に拘わらず、目標点火時期Stがトルク制御点火時期aに設定される。したがって、各種外部要求に応じて目標Piを迅速かつ確実に実現させることができる。
【0032】
即ち、本実施形態では、負荷とエンジン回転速度に基づく点火作動係数kを用いて、目標Piを実現させるためのトルク制御において設定される点火時期のリタード量Rtdを増減させることで、エンジン運転が不安定となり易い低負荷低回転時にはエンジン運転の安定化を図り、エンジン運転が比較的安定し易い高回転、または高出力に制御される高負荷時には、リタード量Rtdを抑えて出力及び燃費の向上を図る。更に、点火要求時、回転フィードバック時または回転速度制限時といったトルク制御に関する要求がある場合には、要求に応じた点火時期に確実に設定し、トルク制御を確実に反映させてエンジン運転の安定化を確実に実現させることができる。そして、これらの制御を点火作動係数kを用いた算出により行なうことで、マップの複雑化を抑え複雑な制御を簡単にした上で、エンジン運転の安定化及び燃費性能の両立化を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0033】
10 ECU
B45 実行点火時期演算部
B52 点火作動係数算出ブロック
B54 遅角量演算ブロック
B56 目標点火時期演算ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標出力トルクに基づいて内燃機関の点火時期のリタード量を演算し、該リタード量に応じて点火時期を制御するトルク制御手段を備えた内燃機関の制御装置において、
前記内燃機関の回転速度と負荷とに基づいて、前記トルク制御手段において演算した前記リタード量の点火時期への反映率に相当する点火作動係数を演算する点火作動係数演算手段と、
前記点火作動係数演算手段により演算された点火作動係数に基づいて、前記トルク制御手段において点火時期に付与するリタード量を増減するリタード量設定手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
【請求項2】
前記点火作動係数は、負荷及びエンジン回転速度が低下するにしたがって増加するように、0と1との間で設定されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項3】
前記点火作動係数は、外部要求に応じて安定したエンジン運転を必要とする所定の運転状態では前記負荷及びエンジン回転速度に拘わらず1に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項4】
前記所定の運転状態は、燃料カットからの復帰時、エンジン回転速度のフィードバック制御時、またはエンジン以外の外部機器からのトルク低減要求時であることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−226385(P2011−226385A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97049(P2010−97049)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】