説明

内燃機関の燃焼観察装置

【課題】 ピストン頂面の窪み部内の燃焼挙動を下方側と側方側から確実に観察することのできる内燃機関の燃焼観察装置を提供する。
【解決手段】 ピストン16の頂面に窪み部50が形成された内燃機関の燃焼観察装置において、シリンダ孔14の形成される筒状壁15と、ピストン16の少なくとも頭部16aとを透過部材である石英ガラスによって形成する。ピストン16の頭部16aの外周にリング溝18を形成し、リング溝18に、シリンダ孔14に摺動自在に当接するピストンリング19を嵌装する。ピストン16の頭部16aを下方に透過して見える窪み部50内の燃焼挙動と、ピストン16の頭部16aと筒状壁15を側方に透過して見える窪み部50内の燃焼挙動を観察する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関の燃焼状態を観察する燃焼観察装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の燃焼観察装置として、ピストンの頭部に透過部材である石英ガラスを埋め込み、ピストンの頭部下方に設置した反射鏡を介して燃焼室内の燃焼状態を外部から観察できるようにしたものが案出されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開平10−142106号公報
【特許文献2】実開昭57−120733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、内燃機関のピストンには、燃焼室内でのスワールやスキッシュの発生を促すために頂面に窪み部が設けられたものがある。この種のピストンを採用する内燃機関においては、窪み部内での燃焼挙動を詳細に観察することが望まれている。
【0004】
しかし、上記従来の燃焼観察装置は、ピストンの頭部に設けた透過部材を通して下方から燃焼室内を観察するものであるため、窪み部内の燃焼挙動の観察は専ら下方からとなり、窪み部内の燃焼挙動を立体的に正確に捉えることが難しい。
【0005】
そこでこの発明は、ピストン頂面の窪み部内の燃焼挙動を下方側と側方側から確実に観察することのできる内燃機関の燃焼観察装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、シリンダ孔(例えば、後述の実施形態におけるシリンダ孔14)に進退自在に収容され頂面に窪み部(例えば、後述の実施形態における窪み部50)を有するピストン(例えば、後述の実施形態におけるピストン16)と、シリンダ孔の端部を閉塞するシリンダヘッド(例えば、後述の実施形態におけるシリンダヘッド13)の間に燃焼室(例えば、後述の実施形態における燃焼室17)が形成され、この燃焼室内の燃焼状態が外部から観察可能にされた内燃機関の燃焼観察装置において、前記シリンダ孔を成す周壁(例えば、後述の実施形態における筒状壁15)と、そのシリンダ孔に嵌入されるピストンの少なくとも頭部(例えば、後述の実施形態における頭部16a)を透過部材によって形成すると共に、前記ピストンの頭部の外周にリング溝(例えば、後述の実施形態におけるリング溝18)を形成し、このリング溝に、前記シリンダ孔に摺動自在に当接するピストンリング(例えば、後述の実施形態におけるピストンリング19)を嵌装するようにした。
【0007】
この発明の場合、ピストンの少なくとも頭部が透過部材によって形成されているため、窪み部内の燃焼挙動を頭部の下方側から観察することができる。また、ピストンの頭部とシリンダ孔の周壁が透過部材によって形成されているため、窪み部内の燃焼挙動を側方からも観察することができる。また、ピストンの頭部外周はピストンリングを介してシリンダ孔の内周面に当接する。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、リング溝の底部の断面を、一定曲率の半円状に形成するようにした。
この場合、ピストンリングからピストン側の透過部材に作用する応力が常にほぼ均一になる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記ピストンリングを、内周部が前記リング溝の底部の断面形状に略沿って形成された内側リング(例えば、後述の実施形態における内側リング39)と、この内側リングの外周側に配置され、外周面がシリンダ孔の内周面に当接する外側リング(例えば、後述の実施形態における外側リング40)と、前記内側リングと外側リングの間に介装されて、両者を径方向に離反させる方向に付勢する付勢リング(例えば、後述の実施形態における付勢リング41)と、を備えた構成とした。
この場合、ピストンの径方向の変位によって外側リングがシリンダ孔に圧接されると、内側リングと外側リングの間の付勢リングがクッションとして機能し、ピストンリングの接触面に作用する応力の急増が緩和されるようになる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に記載の発明において、前記ピストンの、リング溝よりも下方位置の外周に、ピストンの頭部よりも小径の連結部(例えば、後述の実施形態における環状溝20、縮径壁21、テーパ面22)を設け、この連結部とクランク軸側の動力伝達部材(例えば、後述の実施形態における連結スリーブ23)を、前記ピストンの頭部よりも小径の締結部材(例えば、後述する実施形態における締結部材28)によって結合するようにした。
この場合、ピストンとクランク軸側の動力伝達部材が締結部材によって結合されるが、締結部材がピストンの頭部よりも小径であることから、締結部材とシリンダ孔の周壁は直接接触しにくくなる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記締結部材をピストンの連結部に対して脱着可能にした。
この場合、ピストンのみを容易に交換することが可能になる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、ピストンの頭部とシリンダ孔の周壁が透過部材によって形成されるため、ピストン頂面の窪み部内の燃焼挙動を下方側と側方側から確実に観察することができる。また、ピストンの頭部外周がピストンリングを介してシリンダ孔の内周面に当接するため、実機とほぼ同様の圧縮比となる条件下で燃焼観察を行うことが可能になる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、ピストンリングからピストン側の透過部材に作用する応力が常にほぼ均一になるため、透過部材から成るピストンに応力集中による劣化が生じにくくなり、ピストンの耐久性が確実に向上する。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、内側リングと外側リングの間の付勢リングがクッションとして機能し、透過部材から成るピストンの頭部とシリンダ孔の周壁に応力集中が生じにくくなるため、ピストンとシリンダ孔の周壁の耐久性がより向上する。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、ピストンとクランク軸側の動力伝達部材を結合する締結部材がシリンダ孔の周壁に直接接触しにくくなるため、シリンダ孔の周壁の耐久性をさらに高めることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、締結部材からピストンを外すことによってピストンのみを交換することができるため、ピストン頂面の窪み部形状等の異なる内燃機関の燃焼観察をコストの高騰等を招くことなく容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1,図2は、この発明にかかる内燃機関の燃焼観察装置の全体構成を示す断面図である。この実施形態の燃焼観察装置は、実際の内燃機関(以下「エンジン」と呼ぶ。)からシリンダヘッド(図示せず)部分を取り去り、そのシリンダヘッドに代えてシリンダブロック1の上部に観察装置本体2を取り付けたものである。
【0019】
シリンダブロック1は、シリンダ孔3内にピストン4が摺動自在に収容され、そのピストン4がコンロッド5を介してクランク軸6に動力伝達可能に連結されている。クランク軸6の端部には、図示しないタイミングギヤが取り付けられ、そのタイミングギヤがタイミングベルトを介して観察装置本体2の動弁機構7に連係されている。したがって、観察装置本体2の吸気弁と排気弁(図示せず)の開閉作動はピストン4の昇降作動に連動する。
なお、シリンダブロック1内のシリンダ孔3とピストン4は、後述する観察装置本体2のシリンダ孔14やピストン16と区別するために、以下では、「実機側シリンダ孔3」、「実機側ピストン4」と夫々呼ぶものとする。
【0020】
観察装置本体2は、シリンダブロック1の上面に直接取り付けられるベースプレート8上に下部観察ブロック9と上部観察ブロック10が重合状態で結合され、上部観察ブロック10の上面には、点火プラグ11や燃料噴射弁12、吸気弁、排気弁(図示せず)、動弁機構7等を備えたシリンダヘッド13が結合されている。
【0021】
上部観察ブロック10には、シリンダ孔14を有する石英ガラス(透過部材)製の筒状壁15(周壁)が設けられ、この筒状壁15のシリンダ孔14内に同様の石英ガラス(透過部材)から成るピストン16が進退自在に収容されている。
【0022】
このピストン16の頂面には、シリンダヘッド13のルーフ部13aと共に燃焼室17を形成する窪み部50が形成されている。また、ピストン16の頭部16aの外周面には、図3,図4に示すようにリング溝18が形成され、このリング溝18に後に詳述するピストンリング19が収容されている。リング溝18は、その底部18a(図4参照)の断面形状が一定曲率の半円状に形成されている。また、ピストン16の下縁外周には環状溝20と縮径壁21が設けられ、環状溝20と縮径壁21の間が末広がり状のテーパ面22によって連結されている。この環状溝20から縮径壁21に亙る領域はピストン16の頭部16aよりも小径に形成され、後述する連結スリーブ23(動力伝達部材)に連結される連結部とされている。
【0023】
連結スリーブ23は、鉄系金属から成り、図1,図2に示すようにその下端が実機側ピストン4に結合されている。また、連結スリーブ23の上端部には、図3,図4に示すようにピストン16の下縁側と同様に、環状溝24、テーパ面25、縮径壁26が連続して形成されている。ピストン16の下端と連結スリーブ23の間には、両者の縮径壁21,26と同外径のリング状のスペーサ27が介装され、ピストン16、スペーサ27、連結スリーブ23の三者が、図5に示す締結部材28に抱持されるかたちで結合されている。なお、スペーサ27はアルミニウムによって形成されている。
【0024】
締結部材28は、鉄系金属によって形成された一対の半割円筒部材29a,29bと、両者を締結する複数のボルト30を備えて成り、ボルト30によって締め込まれた締結部材28はピストン16の頭部16aに対して小径になっている。また、締結部材28(半割円筒部材29a,29b)の内周側の上下端には、ピストン16と連結スリーブ23の環状溝20,24に係合される環状突起31,32が形成され、その環状突起31,32の内側の端面には、ピストン16と連結スリーブ23の各テーパ面22,25に対応するテーパ面33,34が形成されている。なお、図4,図5中、36は、締結部材28の上下の環状突起31,32を連結する連結壁である。
【0025】
また、半割円筒部材29a,29bには、両者の突合せ面に跨るようにねじ孔35a,35bが形成され、これらのねじ孔35a,35bに前記ボルト30が螺合されるようになっている。また、半割円筒部材29aの坐面37は締結部材28(半割円筒部材29a)の外面に対して一段窪んで形成され、ボルト30が締め込まれた状態において、ボルト30の頭部30aが締結部材28の外面から突出しないようになっている。
【0026】
以上の構成の締結部材28は、ピストン16の下端と連結スリーブ23の間にスペーサ27を介装し、環状突起31,32をピストン16と連結スリーブ23の環状溝20,24に嵌合した状態において、半割円筒部材29a,29b同士をボルト30によって締結することでピストン16と連結スリーブ23を結合する。この実施形態では、石英ガラス製のピストン16に対峙する半割円筒部材29a,29bとスペーサ27が金属材料によって形成されているため、ピストン作動時における応力を緩和するために、図4に示すようにピストン16と半割円筒部材29a,29b、ピストン16とスペーサ27の各間にテフロン(登録商標)製のシート状スペーサ38が介装されている。
【0027】
また、ピストンリング19は、図4に示すように内側リング39と、この内側リング39の外周側に配置される外側リング40と、内側リング39と外側リング40の間に介装されて、両者を径方向に離反させる方向に付勢する付勢リング41によって構成されている。内側リング39と外側リング40はフッ素系樹脂によって形成され、付勢リング41はばね鋼等によって形成されている。
【0028】
内側リング39はピストン16のリング溝18の底部18a側に配置され、その内周面側は、リング溝18の底部18aに沿う半円状の断面形状とされている。
一方、外側リング40は、リング溝18に嵌合された状態において、ピストン16の頭部16a外周面に対して若干外側に突出し、その外周面が筒状壁15のシリンダ孔14に接触するようになっている。また、外側リング40は、図6に示すように外周面側から見たときにステップ形状を呈する合口42を有し、その合口42によって径方向の伸縮が許容されると共に、ステップ形状によって燃焼室17側の気密が保持されるようになっている。また、外側リング40の内周面側には断面略コ字状の環状溝43が形成され、その環状溝43内に付勢リング41が収容されている。
【0029】
一方、下部観察ブロック9には、連結スリーブ23が貫通状態で配置されると共に、その連結スリーブ23を囲繞する周壁44に一対の窓45,45が形成されている。また、連結スリーブ23の軸方向の中間位置には、周壁44の窓45よりも一回り大きい縦長の一対の開口46,46が形成されている。そして、周壁44の窓45,45には、連結スリーブ23の一対の開口46,46の内側を跨ぐ設置台47が渡され、その設置台47に反射鏡48が設置されている。反射鏡48は、連結スリーブ23のほぼ軸心位置に設置され、石英ガラス製のピストン16の頭部16aを下方に透過した燃焼室17の像を水平方向に反射させるようになっている。
【0030】
また、図1に示すように上部観察ブロック8と下部観察ブロック9の側方には夫々第1の観察カメラ51と第2の観察カメラ52が設置され、窪み部50を中心とする燃焼室17内の様子を、これらのカメラ51,52によって撮影するようになっている。第1の観察カメラ51は、上部観察ブロック8の石英ガラス製の筒状壁15の外周側正面に設置され、この筒状壁15を通して見える燃焼室17内の燃焼挙動、特に、石英ガラス製のピストン16aを透過して見える窪み部50内の燃焼挙動を撮影する。また、第2の観察カメラ52は、下部観察ブロック9の反射鏡48の水平方向正面に対峙する位置に配置され、ピストン16の頭部16aを下方に透過して反射鏡48に映る燃焼室17内の燃焼挙動を撮影する。
【0031】
以上のように構成されたこの燃焼観察装置は、石英ガラス製の筒状壁15とピストン16の頭部16aを通して窪み部50内の側方画像を第1のカメラ51によって撮影(観察)すると同時に、ピストン16の頭部16aを透過して反射鏡48で反射した窪み部50の下方画像を第2のカメラ52によって撮影(観察)することができる。したがって、この燃焼観察装置を採用した場合には、ピストン16の窪み部50内の燃焼挙動を立体的に正確に捉えることができる。
【0032】
この燃焼観察装置の場合、石英ガラス製のピストン16の頭部16aの外周にリング溝18を形成し、そのリング溝18にピストン16の頭部16aよりも外径の大きいピストンリング19を装着したため、ピストン16の昇降作動時には、ピストンリング19のフッ素樹脂部分が筒状壁15との間で摺動し、ピストン16の頭部16aと筒状壁15の石英ガラス同士の直接接触を阻止することができる。
具体的には、石英ガラス同士の直接接触を回避した状態でピストン16のスムーズな作動を得るため、ピストン16回りの各部は以下の(1)ような寸法関係に設定されている。
LP<LS+LR<LC (1)
LC:シリンダ孔14の半径
LP:ピストン16の半径
LS:リング溝18の溝底部の半径
LR1:内側リング39の径方向の厚み
LR2:外側リング40の径方向の厚み
LR:ピストンリング19の径方向の厚み(=LR1+LR2)
【0033】
また、この燃焼観察装置においては、ピストン16の周域の気密を保つピストンリング19が、実際のエンジンと同様にピストン16の頭部16aの外周に配置されるため、実際のエンジンと同様の圧縮比となる条件下で燃焼観察を行うことができる。
【0034】
さらに、この燃焼観察装置では、ピストン16のリング溝18の底部18aを一定曲率の半円状に形成し、そのリング溝18内にピストンリング19(内側リング39)の半円状の内周部を当接させるようにしているため、燃焼圧力に起因してピストンリング19からピストン16のリング溝18部分に作用する応力を分散させ、リング溝18部分にかかる強度的負担を軽減することができる。
なお、リング溝18の底部18aの曲率半径は、石英ガラスの強度の観点から0.5mm以上が好ましく、2.5mm以上であればさらに充分な強度を得ることができる。
【0035】
また、この燃焼観察装置においては、ピストンリング19が、リング溝18の底部18aに接触する内側リング39と、筒状壁15に接触する外側リング40と、内側リング39と外側リング40の間に介装されて両リング39,40を径方向に離反させる方向に付勢する付勢リング41によって構成されているため、付勢リング41のばね作用でもって内側リング39と外側リング40をリング溝18と筒状壁15に常時均一に当接させることができると共に、ピストン16の径方向変位によって外側リング40が筒状壁15に圧接されたときに、付勢リング40のクッション機能によって応力の急増を防止することができる。したがって、石英ガラスから成るピストン16や筒状壁15にかかる強度負担をより小さくして、これらの耐久性の向上を図ることができる。
【0036】
さらに、この燃焼観察装置は、ピストン16の下縁に、頭部16a側よりも小径になるように環状溝20、テーパ面22、縮径壁21が連続して形成され、これらの部分と連結スリーブ23の上端がピストン16の頭部16aよりも外径の小さい締結部材28によって結合されるため、ピストン16の昇降作動時に締結部材28が石英ガラス製の筒状壁15に直接接触しにくくなる。したがって、筒状壁15に傷等が生じにくくなり、耐久性が確実に高まる。
【0037】
また、この燃焼観察装置の場合、ピストン16と連結スリーブ23を結合する締結部材28がボルト30によって自由に脱着できる構造となっているため、石英ガラス製のピストン16を交換するだけで、ピストン16の窪み部50形状等の異なる内燃機関の燃焼観察をコストの高騰等を招くことなく行うことができる。
【0038】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の一実施形態を示す縦断面図。
【図2】同実施形態を示すものであり、図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】同実施形態を示す図1の要部の拡大断面図。
【図4】同実施形態を示す図3のB部の拡大断面図。
【図5】同実施形態を示す締結部材の分解斜視図。
【図6】同実施形態を示すものであり、ピストンリングの一部品の斜視図。
【符号の説明】
【0040】
13…シリンダヘッド
14…シリンダ孔
15…筒状壁(周壁)
16…ピストン
16a…頭部
17…燃焼室
18…リング溝
19…ピストンリング
20…環状溝(連結部)
21…縮径壁(連結部)
22…テーパ面(連結部)
23…連結スリーブ(動力伝達部材)
28…締結部材
39…内側リング
40…外側リング
41…付勢リング
50…窪み部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ孔に進退自在に収容され頂面に窪み部を有するピストンと、シリンダ孔の端部を閉塞するシリンダヘッドの間に燃焼室が形成され、この燃焼室内の燃焼状態が外部から観察可能にされた内燃機関の燃焼観察装置において、
前記シリンダ孔を成す周壁と、そのシリンダ孔に嵌入されるピストンの少なくとも頭部を透過部材によって形成すると共に、
前記ピストンの頭部の外周にリング溝を形成し、
このリング溝に、前記シリンダ孔に摺動自在に当接するピストンリングを嵌装したことを特徴とする内燃機関の燃焼観察装置。
【請求項2】
前記リング溝の底部の断面を、一定曲率の半円状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼観察装置。
【請求項3】
前記ピストンリングを、
内周部が前記リング溝の底部の断面形状に略沿って形成された内側リングと、
この内側リングの外周側に配置され、外周面がシリンダ孔の内周面に当接する外側リングと、
前記内側リングと外側リングの間に介装されて、両者を径方向に離反させる方向に付勢する付勢リングと、を備えたことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃焼観察装置。
【請求項4】
前記ピストンの、リング溝よりも下方位置の外周に、ピストンの頭部よりも小径の連結部を設け、この連結部とクランク軸側の動力伝達部材を、前記ピストンの頭部よりも小径の締結部材によって結合したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の燃焼観察装置。
【請求項5】
前記締結部材を、ピストンの連結部に対して脱着可能にしたことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の燃焼観察装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−233789(P2006−233789A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46727(P2005−46727)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】