説明

内燃機関のEGR装置

【課題】EGRクーラ内における凝縮水の発生を抑えることのできる内燃機関のEGR装置を提供する。
【解決手段】この装置は、内燃機関の吸気通路および排気通路14を連通する第2EGR通路41と、第2EGR通路41に設けられて排気を冷却するためのEGRクーラ43と、第2EGR通路におけるEGRクーラ43より排気流れ方向上流側に設けられて排気中の異物を除去するためのEGRフィルタ23とを備える。EGRフィルタ23は、熱容量の大きい第1フィルタ部26と、熱容量の小さい第2フィルタ部27と、それらフィルタ部26,27を通過する排気の量を調節する制御弁28とを備える。EGRクーラ43の温度が低いときに、同温度が高いときと比較して第1フィルタ部26を通過する排気の量が多くなるように、制御弁28の作動制御を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の吸気通路と排気通路とを連通するEGR通路を介して排気通路内の排気の一部を吸気通路に再循環させる内燃機関のEGR装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関に、排気通路と吸気通路とを連通するEGR通路を備えた排気再循環(EGR)装置を設けることが多用されている。このEGR装置では、EGR通路を介して排気通路内の排気の一部を吸気通路に戻すことによって排気の吸気通路への再循環が行われる。
【0003】
また、特許文献1に記載の装置のように、EGR通路の途中に、排気を冷却するためのEGRクーラや、排気に含まれる異物(例えば、排気浄化触媒の破片など)を除去するためのEGRフィルタを設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−156272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
EGRクーラが設けられたEGR装置においては、EGRクーラにより冷却されて排気温度が低下する過程において、排気中の水分が凝縮して凝縮水になることがある。この凝縮水は、機関温度が低く排気温度も低い内燃機関の始動時において発生し易い。
【0006】
そして、EGRクーラ内において凝縮水が発生すると、この凝縮水は排気中の酸化物が溶け込んで強い酸性を示すようになるため、EGRクーラを含むEGR装置の腐食を招いたり排気が再循環される吸気通路の腐食を招いたりするなど、機関システムの耐久性能の低下を招く一因となってしまう。
【0007】
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、EGRクーラ内における凝縮水の発生を抑えることのできる内燃機関のEGR装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載のEGR装置は、内燃機関の吸気通路および排気通路を連通するEGR通路と、同EGR通路に設けられて排気を冷却するためのEGRクーラと、EGR通路におけるEGRクーラより排気流れ方向上流側に設けられて排気中の異物を除去するためのEGRフィルタとを備える。またEGRフィルタは、熱容量の大きい第1フィルタ部と、熱容量の小さい第2フィルタ部と、それら第1フィルタ部および第2フィルタ部を通過する排気の量を調節する制御弁とを備える。
【0009】
凝縮水は、EGRクーラ内において排気温度が露点温度を跨ぐように低下した場合に発生する。上記装置では、EGRクーラの温度が低いときに、同温度が高いときと比較して、熱容量の大きい第1フィルタ部を通過する排気量が多くなるように制御弁の作動制御が実行される。そのため、このとき排気からEGRフィルタに伝達される熱量を多くすることができ、同EGRフィルタの通過に際して排気の温度を低下させることができる。これにより、EGRフィルタからEGRクーラに流入する排気の温度を予め低下させることができるため、EGRクーラ内における凝縮水の発生を抑えることができる。
【0010】
通常、EGRフィルタは、その熱容量を大きくすると、その分だけ流路抵抗が大きくなってしまう。そのため、単にEGRフィルタとして熱容量の大きいものを採用すると、圧力損失が大きくなって内燃機関の運転効率の低下を招いてしまう。この点、上記装置によれば、EGRクーラの温度が低いとき、すなわち凝縮水の発生を招くおそれのあるときには、その発生を抑えるべく、熱容量の大きい第1フィルタの排気通過量を多くすることができる。しかも、EGRクーラの温度が十分に高くなったとき、すなわち凝縮水が発生する可能性がごく低くなったときには、第1フィルタ部の排気通過量を少なくすることによって、熱容量および流路抵抗の小さい第2フィルタ部の排気通過量を多くすることができる。そのため、このときEGRフィルタの圧力損失を小さくして、内燃機関の運転効率の向上を図ることができる。
【0011】
請求項2に記載の装置では、吸気通路に設けられたコンプレッサと排気通路に設けられたタービンとを有する排気駆動式の過給器が内燃機関に取り付けられる。またEGR通路は、吸気通路におけるコンプレッサより吸気流れ方向上流側の部分と排気通路におけるタービンより排気流れ方向下流側の部分とを連通するように配設される。
【0012】
上記装置は、排気通路にタービンが設けられているために、排気通路における内燃機関からEGR通路までの部分の距離が長くなり易く、同部分の熱容量が大きくなり易い。そのため、EGRクーラに流入する排気の温度が低くなり易く、EGRクーラ内において排気温度が露点温度を跨ぐように低下して凝縮水の発生を招くといった状況になり易いと云える。
【0013】
上記装置によれば、そうしたEGR装置において、EGRクーラ内における凝縮水の発生を好適に抑えることができる。
請求項3に記載の装置では、内燃機関およびEGRクーラとして共通の冷却水によって冷却される水冷式のものが採用されるために、EGRクーラの温度が冷却水の温度に応じた温度になる。そして上記装置では、前記制御弁の作動制御がEGRクーラの温度(詳しくは、その指標値)としての冷却水の温度に基づいて実行される。
【0014】
そのため上記装置によれば、EGRクーラの温度に基づいて同EGRクーラ内において露点温度を跨ぐように排気温度が低下する状況になるか否かを把握しつつ制御弁の作動を制御することができる。具体的には、冷却水温度が低いときにはEGRクーラの温度も低いために上記状況になるおそれがあるとして第1フィルタ部を通過する排気の量が多くなるように制御弁の作動制御を実行することができる。しかも、冷却水温度が高いときにはEGRクーラの温度も高いために上記状況になる可能性が低いとして、第2フィルタ部を通過する排気の量が多くなるように制御弁の作動制御を実行することができる。
【0015】
前記制御弁の作動制御は、請求項4によるように、前記冷却水の温度が判定温度以下であるときに、前記冷却水の温度が前記判定温度より高いときと比較して第1フィルタ部を通過する排気の量が多くなるように実行することができる。
【0016】
冷却水の温度(EGRクーラの温度の指標値)が排気の露点温度以下であるときには、EGRクーラ内において排気温度が露点温度を跨いで低下する可能性があるために、同EGRクーラ内において凝縮水が発生するおそれがある。これとは逆に、冷却水の温度が排気の露点温度より高いときには、EGRクーラ内において排気が露点温度を跨いで低下する可能性がごく低いために、同EGRクーラ内において凝縮水が発生する可能性もごく低い。こうしたことから、前記判定温度として、EGRクーラ内における排気の露点温度に応じた温度を設定することにより、同EGRクーラ内における凝縮水の発生を的確に抑えることが可能になると云える。
【0017】
EGRクーラ内における排気の露点温度は、排気の飽和水蒸気量の指標値や同排気に含まれる水蒸気量に応じて変化する。この点をふまえて、請求項5に記載の装置では、飽和水蒸気量の指標値である排気温度に基づいて前記判定温度が設定される。また請求項6に記載の装置では、排気に含まれる水蒸気量の指標値である内燃機関における燃焼ガスの空燃比に基づいて前記判定温度が設定される。
【0018】
こうした請求項5または6に記載の装置によれば、前記判定温度として、EGRクーラ内の排気の露点温度に対応する温度を設定することができる。そのため、第1フィルタ部の排気通過量が多くなる実行態様での制御弁の作動制御の実行を、EGRクーラの温度が排気の露点温度以下であるとき、言い換えればEGRクーラ内において凝縮水が発生するおそれがあるときにおいて的確に実行することができる。これにより、EGRクーラ内における凝縮水の発生を好適に抑えることができる。しかも、EGRクーラの温度が排気の露点温度より高いとき、言い換えればEGRクーラ内において凝縮水が発生する可能性が低いときには、第2フィルタ部の排気通過量が多くなるように制御弁の作動制御を実行することができるため、内燃機関の運転効率の向上を図ることができる。
【0019】
EGRクーラの温度が同EGRクーラに流入する排気の温度より高いときには、EGRクーラ内において排気が冷却されないために、EGRクーラ内において凝縮水が発生する可能性はごく低い。これとは逆に、EGRクーラの温度が同EGRクーラに流入する排気の温度より低いときには、EGRクーラ内において排気が冷却されるために、EGRクーラ内において凝縮水が発生するおそれがある。
【0020】
請求項7に記載の装置では、EGRクーラの温度が同EGRクーラに流入する排気の温度より低いことを条件に、第1フィルタ部を通過する排気の量が多くなる実行態様での制御弁の作動制御の実行が許可される。こうした装置によれば、EGRクーラ内において排気が冷却されるために凝縮水の発生のおそれがあるときに限って、その発生を抑えるべく第1フィルタ部への排気流入量が多くなる実行態様での制御弁の作動制御を実行することができるようになる。
【0021】
制御弁の作動制御は、請求項8によるように、EGRクーラの温度が低いときには第1フィルタ部のみを排気が通過するように、且つEGRクーラの温度が高いときには第2フィルタ部のみを排気が通過するように実行することができる。
【0022】
請求項9に記載の装置では、前記第1フィルタ部が吸水性を有する材料により形成されるために、第1フィルタ部の通過に伴う温度低下によって凝縮水が発生した場合であれ、発生した凝縮水を第1フィルタに保持させることができる。そのため上記装置によれば、EGRフィルタにおいて発生した凝縮水がEGRクーラに流入することを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を具体化した一実施の形態にかかる内燃機関のEGR装置の概略構成を示す略図。
【図2】EGRフィルタの内部構造を示す断面図。
【図3】切り替え処理の実行手順を示すフローチャート。
【図4】実施の形態の変形例にかかる切り替え処理の実行手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明にかかる内燃機関のEGR装置を具体化した一実施の形態について説明する。
図1に示すように、内燃機関10の吸気通路11には、吸気流れ方向上流側(以下、単に「上流側」)から順に、過給器20のコンプレッサ21、インタークーラ12、吸気絞り弁13が取り付けられている。内燃機関10の排気通路14には、排気流れ方向上流側(以下、単に「上流側」)から順に、過給器20のタービン22、酸化触媒15、排気浄化フィルタ16、排気絞り弁17が取り付けられている。なお過給器20は、コンプレッサ21の内部に設けられたコンプレッサホイール21Aとタービン22の内部に設けられたタービンホイール22Aとが連結された排気駆動式のものである。
【0025】
内燃機関10には、排気通路14内の排気の一部をEGR(排気再循環)ガスとして吸気通路11に戻すための二つのEGR装置(第1EGR装置30および第2EGR装置40)が取り付けられている。
【0026】
第1EGR装置30は、排気通路14におけるタービンホイール22Aより上流側の部分と吸気通路11における吸気絞り弁13より下流側の部分とを連通する第1EGR通路31を介して、EGRガスを再循環させる。第1EGR通路31には、その通路断面積を変更するための第1EGR弁32が取り付けられている。この第1EGR弁32の作動制御を通じて、第1EGR通路31を通過するEGRガスの量、すなわち第1EGR装置30によって吸気通路11に戻されるEGRガスの量(EGR量)が調節される。
【0027】
第2EGR装置40は、EGRガスを再循環させるための通路として、排気通路14における排気浄化フィルタ16および排気絞り弁17の間の部分と吸気通路11におけるコンプレッサホイール21Aより上流側の部分とを連通する第2EGR通路41を備えている。第2EGR通路41には、その通路断面積を変更するための第2EGR弁42と、EGRガスを冷却するためのEGRクーラ43とが取り付けられている。そして、この第2EGR弁42の作動制御を通じて、第2EGR通路41を通過するEGRガスの量、すなわち第2EGR装置40によるEGR量が調節される。また第2EGR通路41におけるEGRクーラ43より上流側の部分には、排気に含まれる異物(例えば、酸化触媒15や排気浄化フィルタ16の破片など)を捕集して除去するためのEGRフィルタ23が設けられる。
【0028】
なお本実施の形態では、内燃機関10として冷却水との熱交換を通じて冷却される水冷式のものが採用されており、上記EGRクーラ43としても上記内燃機関10と共通の冷却水との熱交換を通じて冷却される水冷式のものが採用されている。
【0029】
内燃機関10には、その周辺機器として、例えばマイクロコンピュータを備えて構成される電子制御装置50が設けられている。この電子制御装置50は各種センサの出力信号を取り込むとともにそれら出力信号をもとに各種の演算を行い、その演算結果に応じて燃料噴射弁(図示略)や、吸気絞り弁13、排気絞り弁17、第1EGR弁32、ならびに第2EGR弁42といった各種アクチュエータの作動制御など、内燃機関10の運転にかかる各種制御を実行する。
【0030】
各種センサとしては、例えば内燃機関10の出力軸(図示略)の回転速度(機関回転速度NE)を検出するための速度センサ51や、吸気通路11に設けられて同吸気通路11を通過する空気の量(通路吸気量GA)を検出するための吸気量センサ52を備える。また、吸気通路11における吸気絞り弁13より下流側に設けられて吸入空気の圧力(過給圧P)を検出するための過給圧センサ54や、排気通路14における第2EGR通路41の接続部分近傍に設けられて排気の温度(排気温度THE)を検出するための排気温センサ55を備える。その他、第2EGR通路41に設けられて第2EGR弁42の排気通路14側の部分と吸気通路11側の部分との圧力差ΔPを検出するための差圧センサ56等も備えている。
【0031】
本実施の形態では、EGR量を調節するためのEGR制御として、第1EGR弁32の作動制御と第2EGR弁42の作動制御とが実行される。なお、排気通路14から吸気通路11へのEGRガスの再循環は、吸気通路11内の圧力と排気通路14内の圧力との差を利用して行われる。
【0032】
本実施の形態のEGR制御では先ず、電子制御装置50により、内燃機関10の燃料噴射量および機関回転速度NEに基づいて、以下の各制御目標値が算出される。
・[目標EGR率TRA]内燃機関10の気筒(図示略)内に吸入される空気の量V1とEGRガスの量V2との比率(EGR率=V2/[V1+V2])についての制御目標値。
・[目標EGR比率TR1]内燃機関10の気筒内に吸入されるEGRガスのうちの第1EGR装置30による供給分が占める割合についての制御目標値(ただし、0≦TR1≦1.0)。
・[目標絞り弁開度]吸気絞り弁13の開度についての制御目標値。
・[目標第1EGR開度TV1]第1EGR弁32の開度についての制御目標値。
・[目標第2EGR開度TV2]第2EGR弁42の開度についての制御目標値。
【0033】
なお本実施の形態では、内燃機関10の燃料消費量の低減や排気性状の悪化抑制を図ることが可能になる機関運転状態と各制御目標値との関係がそれぞれ実験やシミュレーションの結果に基づき予め求められて電子制御装置50に記憶されている。そして各制御目標値は、それら関係から機関運転状態に基づきそれぞれ算出される。
【0034】
そして、それら制御目標値に基づいて吸気絞り弁13、排気絞り弁17、第1EGR弁32、および第2EGR弁42の作動制御が実行される。
ここで本実施の形態では、第2EGR通路41にEGRクーラ43が設けられているために、同EGRクーラ43により冷却されて排気温度が低下する過程において、排気中の水分が凝縮して凝縮水になることがある。この凝縮水は強い酸性を示すために、EGRクーラ43を含む第2EGR装置40や吸気通路11の腐食を招くおそれがある。また、そうした凝縮水を含む排気がEGRガスとして吸気通路11に再循環されると、高速回転するコンプレッサホイール21Aへの凝縮水の衝突に起因して同コンプレッサホイール21Aの耐久性能の低下を招くおそれもある。
【0035】
さらに本実施の形態では、排気通路14における上記内燃機関10と第2EGR通路41の連結部分との間に、タービン22、酸化触媒15、および排気浄化フィルタ16が取り付けられている。そのため、排気通路14における内燃機関10から第2EGR通路41までの部分の距離が長く、同部分の熱容量が大きい。したがって、内燃機関10の始動直後において機関システムの温度が低いときには、EGRクーラ43に流入する排気の温度が低くなり易く、同EGRクーラ43内において排気温度が露点温度を跨ぐように低下して凝縮水の発生を招くといった状況になり易いと云える。
【0036】
本実施の形態では、そうしたEGRクーラ43内における凝縮水の発生を抑えるために、EGRフィルタ23として図2に示す構造のものを採用するとともに、同EGRフィルタ23内部における排気の流通態様を図3に示す切り替え処理を通じて切り替えるようにしている。
【0037】
以下、EGRフィルタ23の内部構造について詳細に説明する。
図2に示すように、EGRフィルタ23はそのケース24の内部に円筒形状で延びる内管部25が取り付けられている。この内管部25は、その一方の端部25Aが第2EGR通路41の上記排気通路14側の部分に連通されるとともに、他方の端部25Bがケース内部において開口するように配設されている。また内管部25は、その端部25A側の部分が熱容量の大きい材料(本実施の形態では、セラミック材料)により形成される一方、同内管部25における上記端部25B側の部分が熱容量の小さい材料(本実施の形態では、薄肉の金属管)により形成されている。本実施の形態では、内管部25における熱容量の大きい材料によって形成された部分が第1フィルタ部26として機能する。また内管部25の端部25Bには、その開口部分を覆うように、熱容量の小さい材料(本実施の形態では、金網)により形成された第2フィルタ部27が取り付けられている。
【0038】
内管部25の内部には、同内管部25の上流側の部分(詳しくは、第1フィルタ部26が形成された部分)と下流側の部分との連通および遮断を切り替えるための制御弁28が取り付けられている。この制御弁28はアクチュエータを内蔵しており、電子制御装置50による同アクチュエータの作動制御を通じて制御弁28が作動するようになっている。
【0039】
この制御弁28は、第1フィルタ部26および第2フィルタ部27を通過する排気の量を調節するべく、その作動が制御される。具体的には、制御弁28が上流側の部分と下流側の部分とを遮断する作動状態(図2に実線で示す状態[閉弁状態])になると、第2フィルタ部27への排気の流入が禁止されて、図2中に白抜きの矢印で示すように第1フィルタ部26のみを排気が通過するようになる。詳しくは、このときEGRフィルタ23を通過する排気の略全てが第1フィルタ部26を通過するようになる。一方、制御弁28が上流側の部分と下流側の部分とを連通する作動状態(図2に一点鎖線で示す状態[開弁状態])になると、第2フィルタ部27への排気の流入が許容されて、図2中に黒塗りの矢印で示すように第2フィルタ部27のみを排気が通過するようになる。このときEGRフィルタ23内を通過する排気が第1フィルタ部26および第2フィルタ部27の双方を通過可能な状態になるものの、第2フィルタ部27の流路抵抗が第1フィルタ部26の流路抵抗と比較してごく大きいために、ほぼ全ての排気が第2フィルタ部27を通過するようになる。
【0040】
次に、EGRクーラ43内における凝縮水の発生を抑えるために実行される処理であって、EGRフィルタ23の内部における排気の流通態様を切り替える処理(切り替え処理)の実行手順について詳しく説明する。
【0041】
図3は上記切り替え処理の実行手順を示している。同図のフローチャートに示される一連の処理は、所定周期毎の割り込み処理として、電子制御装置50により実行される。
図3に示すように、この処理では、排気温度THE、通路吸気量GA、および内燃機関10の燃料噴射量に基づいて判定温度JTが算出されるとともに(ステップS11)、冷却水温度THWが判定温度JT以下であるか否かが判断される(ステップS12)。
【0042】
ここで本実施の形態の装置では、EGRクーラ43内において排気温度が露点温度を跨ぐように低下した場合に、同EGRクーラ43内における凝縮水の発生を招いてしまう。詳しくは、冷却水温度THW(EGRクーラ43の温度の指標になる温度)が排気の露点温度以下であるときには、EGRクーラ43内において排気温度が露点温度を跨いで低下する可能性があるために、同EGRクーラ43内において凝縮水が発生するおそれがある。これとは逆に、冷却水温度THWが排気の露点温度より高いときには、EGRクーラ43内において排気が露点温度を跨いで低下する可能性がごく低いために、同EGRクーラ43内において凝縮水が発生する可能性もごく低い。こうしたことから、前記判定温度JTとしてEGRクーラ43内における排気の露点温度に応じた温度を設定することにより、同判定温度JTと冷却水温度THWとの比較を通じて、EGRクーラ43内において凝縮水が発生するおそれがあるか否かを精度よく判断することができると云える。
【0043】
EGRクーラ43内における排気の露点温度は、排気の飽和水蒸気量や排気に含まれる水蒸気量に応じて変化する。この点をふまえて本実施の形態では、飽和水蒸気量の指標値である排気温度THEと、排気に含まれる水蒸気量の指標値である内燃機関10の気筒内における燃焼ガスの空燃比(具体的には、通路吸気量GAおよび燃料噴射量)とに基づいて判定温度JTが設定される(ステップS11)。このようにして判定温度JTを設定することにより、同判定温度JTとしてEGRクーラ43内の排気の露点温度に対応する温度を設定することができるため、ステップS12の処理を通じて、EGRクーラ43内において凝縮水が発生するおそれがあるか否かを精度よく判断することができる。
【0044】
EGRクーラ43内における排気の露点温度は、排気の飽和水蒸気量(具体的には、その指標値である排気温度THE)や実際の水蒸気量(具体的には、その指標値である内燃機関10の気筒内における燃焼ガスの空燃比)に応じて変化する。この点をふまえて本実施の形態では、排気温度THE、通路吸気量GA、および内燃機関10の燃料噴射量に基づいて判定温度JTが設定される(ステップS11)。このようにして判定温度JTを設定することにより、同判定温度JTとしてEGRクーラ43内の排気の露点温度に対応する温度を設定することができるため、ステップS12の処理を通じて、EGRクーラ43内において凝縮水が発生するおそれがあるか否かを精度よく判断することができる。
【0045】
なお本実施の形態では、排気温度THE、通路吸気量GA、および燃料噴射量による定まる機関運転状態と同機関運転状態に適した判定温度JTとの関係が各種の実験やシミュレーションの結果をもとに予め求められて、電子制御装置50に記憶されている。ステップS11の処理では、排気温度THE、通路吸気量GA、および燃料噴射量に基づいて上記関係から判定温度JTが算出される。また本実施の形態では、内燃機関10およびEGRクーラ43として共通の冷却水によって冷却される水冷式のものが採用されるために、EGRクーラ43の温度が冷却水温度THWに応じた温度(具体的には、冷却水温度THWとほぼ等しい温度)になる。
【0046】
そして、ステップS12の処理において冷却水温度THWが判定温度JT以下であると判断される場合には(ステップS12:YES)、EGRクーラ43の温度が排気の露点温度以下になっているために、同EGRクーラ43内において凝縮水の発生を招くおそれがあるとして、制御弁28が閉弁される(ステップS13)。
【0047】
この場合には、熱容量の大きい第1フィルタ部26のみを排気が通過するように制御弁28の作動制御が実行される。これにより、EGRフィルタ23の通過に際して排気から同EGRフィルタ23に伝達される熱量を多くすることができ、同EGRフィルタ23を通過してEGRクーラ43に流入する排気の温度を低くすることができる。
【0048】
本実施の形態では、このときEGRクーラ43に流入する排気の温度が露点温度より低い温度になるように第1フィルタ部26の熱容量が設定されている。そのため、このときEGRフィルタ23からEGRクーラ43に流入する排気の温度を露点温度より低い温度に予め低下させることが可能になり、EGRクーラ43内において排気温度が露点温度を跨いで低下する状況になることを抑えることができる。したがって、EGRクーラ43内における凝縮水の発生を抑えることができる。
【0049】
一方、冷却水温度THWが判定温度JTより高いと判断されるときには(ステップS12:NO)、EGRクーラ43の温度が排気の露点温度より高くなっているために、同EGRクーラ43内において凝縮水が発生する可能性はごく低いとして、制御弁28が開弁される(ステップS14)。この場合には、熱容量の小さい第2フィルタ部27のみを排気が通過するように制御弁28の作動制御が実行される。
【0050】
通常、排気中の異物を除去するためのフィルタは、その熱容量を大きくすると、その分だけ流路抵抗が大きくなってしまう。そのため、単にEGRフィルタとして熱容量の大きいものを採用すると、圧力損失が大きくなって内燃機関の運転効率の低下を招いてしまう。
【0051】
この点、本実施の形態によれば、内燃機関10の始動直後、すなわち冷却水温度THWが低いためにEGRクーラ43内における凝縮水の発生を招くおそれのあるときには、熱容量の大きい第1フィルタ部26のみに排気を通過させることによって凝縮水の発生を抑えることができる。このとき圧力損失の増加による内燃機関10の運転効率の低下を招くものの、EGRクーラ43内における凝縮水の発生抑制が優先される。
【0052】
そして、内燃機関10の運転が継続されて冷却水温度THWが高くなると、凝縮水が発生する可能性がごく低くなるために、熱容量および流路抵抗が小さい第2フィルタ部27に排気を通過させてEGRフィルタ23の圧力損失を小さくすることによって、内燃機関10の運転効率の向上を図ることができる。
【0053】
本実施の形態によれば、判定温度JTとして、EGRクーラ43内の排気の露点温度に対応する温度が設定される。そのため、第1フィルタ部26のみを排気が通過する実行態様での制御弁28の作動制御の実行を、EGRクーラ43の温度が排気の露点温度以下であるとき、言い換えればEGRクーラ43内において凝縮水が発生するおそれがあるときにおいて的確に実行することができる。したがって、EGRクーラ43内において凝縮水が発生するおそれがあるときにはその発生を好適に抑えることができる。しかも、EGRクーラ43の温度が排気の露点温度より高いとき、言い換えればEGRクーラ43内において凝縮水が発生する可能性が低いときには、内燃機関10の運転効率の向上を図ることができる。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果を得ることができるようになる。
(1)EGRフィルタ23として、熱容量の大きい第1フィルタ部26と熱容量の小さい第2フィルタ部27と排気流通態様を切り替える制御弁28とを備えるものを採用した。そして、冷却水温度THWが判定温度JT以下のときに、冷却水温度THWが判定温度JTより高いときと比較して第1フィルタ部26を通過する排気の量が多くなるように、制御弁28の作動制御を実行するようにした。そのため、冷却水温度THWが判定温度JT以下のときにはEGRクーラ43内における凝縮水の発生を抑えることができ、冷却水温度THWが判定温度JTより高いときには内燃機関10の運転効率の向上を図ることができる。
【0055】
(2)排気通路14における上記内燃機関10と第2EGR通路41の連結部分との間にタービン22が取り付けられているためにEGRクーラ43内における凝縮水の発生を招き易い装置において、凝縮水の発生を好適に抑えることができる。
【0056】
(3)制御弁28の作動制御を冷却水温度THWに基づき実行するようにした。そのため、EGRクーラ43の温度に対応する温度になる冷却水温度THWに基づいて同EGRクーラ43内において露点温度を跨ぐように排気温度が低下する状況になるか否かを把握しつつ制御弁28の作動を制御することができるようになる。
【0057】
(4)排気温度THE、通路吸気量GA、および内燃機関10の燃料噴射量に基づいて判定温度JTを設定するようにした。これにより、判定温度JTとしてEGRクーラ43内の排気の露点温度に対応する温度を設定することができるため、判定温度JTと冷却水温度THWとの比較を通じて、EGRクーラ43内において凝縮水が発生するおそれがあるか否かを精度よく判断することができる。
【0058】
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・内管部25における端部25A側の部分を、金網に不織布を巻き付けたものによって形成するなど、セラミック材料以外のものよって形成するようにしてもよい。要は、第2フィルタ部27の熱容量より第1フィルタ部26の熱容量が大きくなるように材料や構造を定めて、内管部25の端部25A側の部分を形成すればよい。
【0059】
・吸水性を有する材料によって内管部25における端部25A側の部分を形成するようにしてもよい。なお吸水性を有する材料としては、例えばゼオライトやアルミナ、マグネシアなどを挙げることができる。こうした装置によれば、第1フィルタ部26に吸水性を持たせることができるために、第1フィルタ部26を排気が通過することに伴う同排気の温度低下によって凝縮水が発生した場合であれ、発生した凝縮水を第1フィルタ部26に一時的に保持させることができる。そのため、EGRフィルタ23において発生した凝縮水がEGRクーラ43に流入することを抑えることができる。なお、そのようにしてEGRフィルタ23に保持された凝縮水は、その後におけるEGRフィルタ23の温度上昇や排気温度の上昇に伴って蒸発することによって処理される。
【0060】
・判定温度JTの算出に用いる算出パラメータとして、排気温度THEを用いないようにしたり、通路吸気量GAおよび燃料噴射量を用いないようにしたりしてもよい。また、機関回転速度NEや排気圧力などの他の機関パラメータを上記算出パラメータとして採用することもできる。要は、EGRクーラ43内における排気の飽和蒸気量や同排気に含まれる水蒸気量をふまえた上で、排気の露点温度に対応する温度を判定温度JTとして設定することができればよい。また判定温度JTとして、算出パラメータに基づき算出した温度を用いるのではなく、予め定められた一定温度を用いることなども可能である。
【0061】
・図4に前記切り替え処理(図3)の変形例を示すように、冷却水温度THWが判定温度JT以下であることに加えて(ステップS12:YES)、冷却水温度THWがEGRクーラ43に流入する排気の温度より低いことを条件に(ステップS21:YES)、制御弁28を閉弁駆動するようにしてもよい(ステップS13)。この装置では、冷却水温度THWが判定温度JTより高いときや(ステップS12:NO)、冷却水温度THWがEGRクーラ43に流入する排気の温度以上であるときには(ステップS21:NO)、制御弁28が開弁駆動される(ステップS14)。なお、ステップS21の処理において用いる排気温度としては、排気温センサ55により検出される排気温度THEを用いることの他、通路吸気量GAや機関回転速度NE、燃料噴射量などの機関パラメータに基づいて推定した排気温度を用いること等も可能である。
【0062】
冷却水温度THWがEGRクーラ43に流入する排気の温度より高いときには、EGRクーラ43内において排気が冷却されないために、同EGRクーラ43内において凝縮水が発生する可能性はごく低い。これとは逆に、冷却水温度THWがEGRクーラ43に流入する排気の温度より低いときには、EGRクーラ43内において排気が冷却されるために、同EGRクーラ43内において凝縮水が発生するおそれがある。この点、上記装置によれば、冷却水温度THWがEGRクーラ43に流入する排気の温度より低いことを条件に、制御弁28の閉弁駆動が許可される。そのため、EGRクーラ43内において排気が冷却されるために凝縮水の発生のおそれがあるときに限って、その発生を抑えるべく制御弁28を閉弁させることができるようになる。
【0063】
・EGRフィルタとしては、熱容量の大きい第1フィルタ部と熱容量の比較的小さい第2フィルタ部とを備えるとともに第1フィルタ部のみを排気が通過する排気流通状態と第2フィルタ部のみを排気が通過する排気流通態様とを切り替え可能な構造のものであれば、任意の構造のものを採用することができる。そうしたEGRフィルタとしては、例えば次の構造のものが挙げられる。EGRフィルタのケース内部に二股に分岐する形状の内部配管が配設される。この内部配管の合流部分が前記第2EGR通路41における排気通路14側の部分に接続される。また、内部配管の分岐部分の一方が熱容量の大きいフィルタが取り付けられて第1フィルタ部として機能するとともに、同分岐部分の他方が比較的熱容量の小さいフィルタが取り付けられて第2フィルタ部として機能する。さらに内部配管における分岐部分の内部には、内部配管の合流部分に対して第1フィルタ部および第2フィルタ部の一方を選択的に連通させるための制御弁が取り付けられる。
【0064】
・冷却水温度THWが判定温度JT以下であるときに、第1フィルタ部26のみに排気を通過させることに限らず、若干量の排気が第2フィルタ部27を通過するようにしてもよい。また冷却水温度THWが判定温度JTより高いときに、第2フィルタ部27のみに排気を通過させることに限らず、若干量の排気を第1フィルタ部26に通過させるようにしてもよい。要は、冷却水温度THWが低いときに、冷却水温度THWが高いときと比較して第1フィルタ部26への排気流入量が多くなるように制御弁28の作動制御を実行すればよい。
【0065】
・切り替え処理のステップS12の処理(図3、図4参照)やステップS21の処理(図4参照)において、判定温度JTとの比較に冷却水温度THWを用いることに代えて、EGRクーラ43の温度を検出して用いるようにしてもよい。
【0066】
・内燃機関10が冷間始動されたときに、その後において所定期間(一定時間や、燃料消費量が所定量に達するまでの期間など)が経過するまでの間、第1フィルタ部26への排気流入量が多くなるように、制御弁28の作動制御を実行するようにしてもよい。こうした装置によっても、EGRクーラ43の温度が低いときに、同温度が高いときと比較して第1フィルタ部26への排気流入量が多くなるように制御弁28の作動制御を実行することができる。
【0067】
・上記実施の形態にかかる装置は、第1EGR装置30が設けられずに第2EGR装置40が設けられる内燃機関にも適用することができる。
・本発明にかかるEGR装置は、排気駆動式の過給器が設けられた内燃機関に限らず、機関出力軸によってコンプレッサが駆動される機関駆動式の過給器が設けられた内燃機関などにも適用することができる。また、過給器が設けられない内燃機関にも、本発明にかかるEGR装置は適用可能である。
【符号の説明】
【0068】
10…内燃機関、11…吸気通路、12…インタークーラ、13…吸気絞り弁、14…排気通路、15…酸化触媒、16…排気浄化フィルタ、17…排気絞り弁、20…過給器、21…コンプレッサ、21A…コンプレッサホイール、22…タービン、22A…タービンホイール、23…EGRフィルタ、24…ケース、25…内管部、25A,25B…端部、26…第1フィルタ部、27…第2フィルタ部、28…制御弁、30…第1EGR装置、31…第1EGR通路、32…第1EGR弁、40…第2EGR装置、41…第2EGR通路、42…第2EGR弁、43…EGRクーラ、50…電子制御装置、51…速度センサ、52…吸気量センサ、54…過給圧センサ、55…排気温センサ、56…差圧センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の吸気通路および排気通路を連通するEGR通路と、同EGR通路に設けられて排気を冷却するためのEGRクーラと、前記EGR通路における前記EGRクーラより排気流れ方向上流側に設けられて排気中の異物を除去するためのEGRフィルタと、を備える内燃機関のEGR装置において、
前記EGRフィルタは、熱容量の大きい第1フィルタ部と熱容量の小さい第2フィルタ部とそれら前記第1フィルタ部および前記第2フィルタ部を通過する排気の量を調節する制御弁とを備えてなるとともに、前記EGRクーラの温度が低いときに、同温度が高いときと比較して前記第1フィルタ部を通過する排気の量が多くなるように、前記制御弁の作動制御が実行されてなる
ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関のEGR装置において、
前記内燃機関は、前記吸気通路に設けられたコンプレッサと前記排気通路に設けられたタービンとを有する排気駆動式の過給器が取り付けられてなり、
前記EGR通路は、前記吸気通路における前記コンプレッサより吸気流れ方向上流側の部分と前記排気通路における前記タービンより排気流れ方向下流側の部分とを連通するものである
ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の内燃機関のEGR装置において、
前記内燃機関および前記EGRクーラは、共通の冷却水によって冷却される水冷式のものであり、
前記装置は、前記制御弁の作動制御を、前記EGRクーラの温度としての前記冷却水の温度に基づき実行する
ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。
【請求項4】
請求項3に記載の内燃機関のEGR装置において、
当該装置は、前記冷却水の温度が判定温度以下であるときに、前記冷却水の温度が前記判定温度より高いときと比較して前記第1フィルタ部を通過する排気の量が多くなるように、前記制御弁の作動制御を実行する
ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。
【請求項5】
請求項4に記載の内燃機関のEGR装置において、
当該装置は、排気温度に基づいて前記判定温度を設定する
ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の内燃機関のEGR装置において、
当該装置は、前記内燃機関における燃焼ガスの空燃比に基づいて前記判定温度を設定する
ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関のEGR装置において、
当該装置は、前記EGRクーラの温度が前記EGRクーラに流入する排気の温度より低いことを条件に、前記第1フィルタ部を通過する排気の量が多くなる実行態様での前記制御弁の作動制御の実行を許可する
ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関のEGR装置において、
当該装置は、前記EGRクーラの温度が低いときには前記第1フィルタ部のみを排気が通過するように、且つ前記EGRクーラの温度が高いときには前記第2フィルタ部のみを排気が通過するように、前記制御弁の作動制御を実行する
ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関のEGR装置において、
前記第1フィルタ部は、吸水性を有する材料により形成されてなる
ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−36445(P2013−36445A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175285(P2011−175285)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】