説明

内燃機関

【課題】二つの分岐通路を形成する吸気ポートを備えた内燃機関において、各分岐通路に燃料を噴射する単一の燃料噴射弁を効率よく配置する。
【解決手段】吸気ポート32が、シリンダヘッドの平面視で、各吸気下流側開口33間の並び方向の中心位置CP2に対して、吸気上流側開口34の中心位置CP1を前記並び方向の一側にオフセットさせ、インジェクタ65が、シリンダヘッドの平面視で、吸気上流側開口34の中心軸線C8に対して、燃料噴射中心軸線C5を前記並び方向の他側に傾斜させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の吸気構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関の吸気構造において、吸気ポートの二つの分岐通路に対して、左右均等にスプレーフォームを形成する単一の燃料噴射弁を設ける場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4129729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の技術において、燃料噴射弁が吸気ポートの各分岐通路間の中心位置からずれる場合には、ポート内壁への燃料の付着に対する考慮やこれに伴う排気ガス中のHCの増加の抑制等が課題となる。
すなわち、ポート噴射ガソリンエンジンにおけるポート内壁への燃料の付着は、液相の燃料が筒内へ流入し易いことから、排気ガス中のHCを増加させて排気系での浄化負荷を増加させたり燃料噴射のフィードバック制御に影響を与えることがある。
【0005】
そこで本発明は、二つの分岐通路を形成する吸気ポートを備えた内燃機関において、各分岐通路に燃料を噴射する単一の燃料噴射弁を効率よく配置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、一気筒あたりに二つ設けられる吸気バルブ(41)と、シリンダヘッド(17)に形成されて前記各吸気バルブ(41)が開閉する二つの吸気下流側開口(33)と吸気系部品(21A)が接続される単一の吸気上流側開口(34)とを連通するべく二又に分岐する吸気ポート(32)と、前記吸気系部品(21A)に取り付けられて前記吸気ポート(32)内へ燃料を噴射する燃料噴射弁(65)とを備えた内燃機関(10)において、前記各吸気下流側開口(33)は、前記シリンダヘッド(17)のシリンダ本体(16)との合わせ面(17a)から同一高さに並び、前記吸気ポート(32)は、前記シリンダヘッド(17)の平面視で、前記各吸気下流側開口(33)間の並び方向の中心位置(CP2)に対して、前記吸気上流側開口(34)の中心位置(CP1)を前記並び方向の一側にオフセットさせ、前記吸気系部品(21A)の上部に配置される前記燃料噴射弁(65)は、前記シリンダヘッド(17)の平面視で、前記吸気上流側開口(34)の中心軸線(C8)に対して、燃料噴射中心軸線(C5)を前記並び方向の他側に傾斜させることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記シリンダヘッド(17)におけるシリンダ中心を通る中心軸線(C2)は、鉛直方向に対して前記並び方向の他側が高くなるように傾斜し、前記燃料噴射弁(65)は、前記吸気系部品(21A)の鉛直方向の最上部に配置されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記吸気系部品(21A)は、前記吸気ポート(32)の上流側に配置されるスロットルボディ(21)と、前記スロットルボディ(21)と前記吸気ポート(32)とを繋ぐインシュレータ(21a)とを有し、前記スロットルボディ(21)の鉛直方向の最上部には、前記燃料噴射弁(65)が配置されると共に、燃料噴霧逃げ部(71)が内壁を切り欠いて形成され、前記インシュレータ(21a)の鉛直方向の最上部には、前記スロットルボディ(21)の燃料噴霧逃げ部(71)に連なる第二燃料噴霧逃げ部(72)が内壁を切り欠いて形成されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記スロットルボディ(21)は、吸気通路(63a)を形成する筒状の本体(63)と、前記吸気通路(63a)を水平に横断する回転軸(66)と、前記回転軸(66)を介して前記本体(63)に支持されて前記吸気通路(63a)を開閉するスロットル弁(64)とを有し、前記燃料噴射弁(65)は、前記回転軸(66)の中心軸線(C7)と平行な平面に沿って二方向に分岐する燃料噴射を行うことを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記回転軸(66)の一端に固定されるスロットルドラム(67)と、前記回転軸(66)の他端を係合させるセンサ(68)と、前記燃料噴射弁(65)に接続されるL字形状のホースジョイント(73)と、前記センサ(68)の上方を通って前記ホースジョイント(73)に接続される燃料ホース(74)とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載した発明によれば、吸気上流側開口と共に各吸気下流側開口の並び方向の一側にオフセットした燃料噴射弁から、吸気ポートの二つの分岐通路に向けて、偏りを抑えつつ燃料を噴射することができ、ポート内壁への付着燃料を削減して排ガス成分の浄化及びエンジン性能の向上を図ることができる。
【0009】
請求項2に記載した発明によれば、吸気通路に対する燃料噴射弁の取り付け角度を吸気通路と交差する方向に立て易く、吸気系部品に形成される燃料噴射の逃げ形状を小さくでき、ポート粒子特性を滑らかにしつつポート内壁への付着燃料をさらに削減し、排ガス成分の浄化及びエンジン性能の向上を図ることができる。
請求項3に記載した発明によれば、燃料噴射弁の取り付け位置を極力吸気ポートに近付けられ、吸気ポートの下流側へ燃料を効率よく噴射することができ、ポート内壁への付着燃料をさらに削減して排ガス成分の浄化及びエンジン性能の向上を図ることができる。
請求項4に記載した発明によれば、吸気ポートが左右で傾いている場合でも、スロットル弁の低開度状態からの開度の増加に伴う過渡期状態における吸入空気と燃料噴霧とが同じ周方向の位相で交わり、混合気生成の偏りを少なくすることができ、ポート内壁への付着燃料を削減して排ガス成分の浄化及びエンジン性能の向上を図ることができる。
請求項5に記載した発明によれば、スロットルボディの周囲にスロットルドラムに接続されるスロットルケーブルや燃料ホース、並びにセンサに接続される配線等の索状物を最適に配置できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態における車両の左側面図である。
【図2】上記車両のエンジンの後面図である。
【図3】上記エンジンのシリンダヘッド周辺のシリンダ軸線に沿う断面図である。
【図4】上記シリンダヘッドのシリンダ軸線に沿う上面図である。
【図5】上記シリンダヘッドのシリンダ軸線に沿う下面図である。
【図6】(a)は図5のA−A断面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図7】上記エンジンのスロットルボディ周辺の左側面図である。
【図8】上記エンジンのスロットルボディ周辺の上面図である。
【図9】上記エンジンのスロットルボディ周辺の後面図である。
【図10】(a)は比較例における吸気ポート及びスロットルボディの配置を上方から見た図、(b)は本実施形態における前記配置を上方から見た図をそれぞれ示す。
【図11】(a)は比較例における吸気ポート及びスロットルボディの配置を上後方から見た図、(b)は本実施形態における前記配置を上後方から見た図をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPが示されている。
【0012】
図1に示す車両は、不正地走行を主目的とした比較的小型の車両(MUV;マルチ・ユーティリティ・ビークル)1であり、前側および後側にそれぞれ左右一対の前輪2及び後輪3を有する四輪車として構成される。
【0013】
左右前輪2を備える車体前部には、ヒンジ等を介して上下に開閉するボンネット4と、ボンネット4の前部内側に配置されるラジエータ5とを有する。乗員空間Kを形成する車体中間部には、乗員空間Kの周囲を囲むロールバー6と、乗員が着座するシート7と、シート7の下方に配置されるエンジン10と、エンジン10の周囲を覆うと共にシート7を支持する車体カバー8とを有する。左右後輪3を備える車体後部には可動式の荷台9が設けられる。
【0014】
図2を併せて参照し、エンジン10は車両1の原動機であり、クランクシャフト11の回転中心軸線(クランク軸線)C1を車両前後方向に沿わせた所謂縦置き配置とされる。エンジン10の駆動力は、不図示のプロペラシャフト及び差動機構等を介して左右前輪2及び左右後輪3に伝達される。エンジン10の下部左側には、前記プロペラシャフトを接続する出力軸12が前後に突出する。
【0015】
エンジン10は、クランクシャフト11及びトランスミッション13を収容するクランクケース14と、クランクケース14上に起立するシリンダ15とを有する。
シリンダ15は、上側ほど左側に位置するように傾斜して起立する。すなわち、シート7の下方に配置されるエンジン10において、クランクケース14上に起立するシリンダ15が傾斜することで、シート7の高さが抑えられて低重心化及び乗降性向上が図られる。なお、図中符号C2はシリンダ15の起立方向に沿う軸線(シリンダ軸線)を示す。
【0016】
シリンダ15は、クランクケース14に取り付けられるシリンダ本体16と、シリンダ本体16の上端部に取り付けられるシリンダヘッド17と、シリンダヘッド17の上端部に取り付けられるヘッドカバー18とを有する。シリンダ軸線C2はシリンダ本体16のシリンダボア及びシリンダヘッド17の中心軸線でもある。ヘッドカバー18はシリンダヘッド17の上方空間を閉塞して動弁室19を形成する。以下、シリンダ15におけるシリンダ軸線C2に沿う上下方向をシリンダ上下方向、シリンダ軸線C2と直交する左右方向をシリンダ左右方向という。また、図におけるシリンダ上下方向の上方を矢印UP’、シリンダ左右方向の左方を矢印LH’で示す。
【0017】
図3を併せて参照し、シリンダヘッド17の後部にはスロットルボディ21及びエアクリーナ22等の吸気系部品21Aが接続される。シリンダヘッド17の前部には排気管23の基端部が接続され、この排気管23がエンジン10の左方で後方に折り返して延びて、車体後部に配置されたサイレンサ24に接続される。
【0018】
シリンダ本体16内にはシリンダボアを形成するスリーブ25が鋳込まれ、このスリーブ25内にピストン26が往復動可能に嵌装される。ピストン26はコンロッド27を介してクランクシャフト11に連結され、ピストン26の往復動がクランクシャフト11の回転動に変換される。なお、図中符号28はバランサーを、符号29はスタータモータをそれぞれ示す。
【0019】
シリンダヘッド17は、ピストン26と共にペントルーフ型の燃焼室31を形成する。シリンダヘッド17におけるピストン26の上面と対向する部位には、燃焼室31の天井を形成するべくシリンダ左右方向視で浅い逆V字形状をなす前後斜面が形成される。エンジン10は水冷四バルブOHV単気筒エンジンであり、前記後斜面には吸気ポート32におけるシリンダ左右方向に沿って並ぶ左右一対の吸気下流側開口33が形成され、前記前斜面には排気ポート36におけるシリンダ左右方向に沿って並ぶ左右一対の排気上流側開口37が形成される。左右吸気下流側開口33は左右吸気バルブ41により開閉され、左右排気上流側開口37は左右排気バルブ42により開閉される。
【0020】
図3〜5を参照し、吸気ポート32は、燃焼室31内に開放する左右吸気下流側開口33と、シリンダヘッド17の後面で後方に向けて開放する単一の吸気上流側開口34と、左右吸気下流側開口33と吸気上流側開口34との間を連通するヘッド内吸気通路35とを有する。吸気ポート32(ヘッド内吸気通路35)は、円形の吸気上流側開口34から前方に延びて左右分岐通路35aに分岐しつつ、下方に湾曲してそれぞれ円形の左右吸気下流側開口33に至る。左右吸気下流側開口33にはそれぞれリング状のバルブシート33aが嵌入される。
【0021】
排気ポート36は、燃焼室31内に開放する左右排気上流側開口37と、シリンダヘッド17の前面で前方に向けて開放する単一の排気下流側開口38と、左右排気上流側開口37と排気下流側開口38との間を連通するヘッド内排気通路39とを有する。排気ポート36(ヘッド内排気通路39)は、それぞれ円形の左右排気上流側開口37から上方に延びて左右分岐通路39aを合流させつつ、前方に湾曲して円形の排気下流側開口38に至る。左右排気上流側開口37にはそれぞれリング状のバルブシート37aが嵌入される。
【0022】
吸気バルブ41は、左右吸気下流側開口33に対応して左右一対に設けられる。吸気バルブ41は、吸気下流側開口33(バルブシート33a)に燃焼室31側から密接する傘状のバルブヘッド41aと、バルブヘッド41aの頂部からシリンダヘッド17を貫通して動弁室19内に至るまで延びる棒状のステム41bとを一体に有する。シリンダヘッド17におけるステム41bが貫通する部位には、ステム41bをストローク可能に保持するバルブガイド41cが固設される。バルブガイド41cの下端部は吸気ポート32内に突出する。吸気ポート32の上部内壁には、吸気がバルブガイド41cの下端部を乗り越え易いようにその吸気上流側を滑らかに隆起させる突部32aが形成される。
【0023】
排気バルブ42は、左右排気上流側開口37に対応して左右一対に設けられる。排気バルブ42は、排気上流側開口37(バルブシート37a)に燃焼室31側から密接する傘状のバルブヘッド42aと、バルブヘッド42aの頂部からシリンダヘッド17を貫通して動弁室19内に至るまで延びる棒状のステム42bとを一体に有する。シリンダヘッド17におけるステム42bが貫通する部位には、ステム42bをストローク可能に保持するバルブガイド42cが固設される。吸気及び排気バルブ41,42の各ステム41a,42bは、前後方向視でV字状に配置される。
【0024】
吸気バルブ41のステム41bの先端部には、バルブスプリング41eの上端部を支持するリテーナ41dが装着される。シリンダヘッド17におけるリテーナ41dと対向する部位には、バルブスプリング41eの下端部を支持するバネ台座41fが形成される。これらリテーナ41d及びバネ台座41f間に縮設されたバルブスプリング41eのバネ力により、吸気バルブ41が上方に付勢されて吸気下流側開口33を閉塞する。一方、前記バネ力に抗して吸気バルブ41が下方に移動することで、吸気バルブ41が吸気下流側開口33を開放する。
【0025】
同様に、排気バルブ42のステム42bの先端部には、バルブスプリング42eの上端部を支持するリテーナ42dが装着される。シリンダヘッド17におけるリテーナ42dと対向する部位には、バルブスプリング42eの下端部を支持するバネ台座42fが形成される。これらリテーナ42d及びバネ台座42f間に縮設されたバルブスプリング42eのバネ力により、排気バルブ42が上方に付勢されて排気上流側開口37を閉塞する。一方、前記バネ力に抗して排気バルブ42が下方に移動することで、排気バルブ42が排気上流側開口37を開放する。
【0026】
左右吸気バルブ41のステム先端には、吸気ロッカーアーム43の左右出力腕43dが上方から係合し、左右排気バルブ42のステム先端には、排気ロッカーアーム44の左右出力腕44dが上方から係合する。各ロッカーアーム43,44は、それぞれ前後方向に延びるロッカーアームシャフト43a,44aを介して、シリンダヘッド17に揺動自在に支持される。
【0027】
吸気ロッカーアーム43は、ロッカーアームシャフト43aを挿通する円筒状の基部43aと、基部43aの右前部から右前方へ延びる単一の入力腕43cと、基部43aの左右後部から左後方へ延びる左右出力腕43dとを一体に有する。
同様に、排気ロッカーアーム44は、ロッカーアームシャフト44aを挿通する円筒状の基部44aと、基部44aの右後部から右後方へ延びる単一の入力腕44cと、基部44aの左右前部から左前方へ延びる左右出力腕44dとを一体に有する。
【0028】
各ロッカーアーム43,44の入力腕43c,44cの先端部には、一対のプッシュロッド45の上端部がそれぞれ係合する。各ロッカーアーム43,44の左右出力腕43d,44dの先端部には、各バルブ41,42のステム先端に係合するタペットボルト46がそれぞれ装着される。
【0029】
各ロッカーアーム43,44及び各ロッカーアームシャフト43a,44aは、シリンダ上下方向で略同一高さに配置される。各ロッカーアーム43,44及び各ロッカーアームシャフト43a,44aは前後方向で互いに離間し、後述する第一点火プラグ51をシリンダ上下方向に沿って着脱可能とする。なお、各ロッカーアーム43,44は、シリンダヘッド17の右側で各入力腕43c,44cのみ互いに接近させる。ここで、図中符号47はシリンダヘッド17の軸方向視(平面視)で各バルブ41,42に囲まれた範囲(各バルブヘッド41a,42aの中心(各吸気下流側開口33及び各排気上流側開口37の中心に相当)を繋いでできた範囲)を示す。
【0030】
図2を併せて参照し、シリンダヘッド17の右側部には、クランク軸線C1と平行な回転中心軸線(カム軸線)C3を有する単一のカムシャフト48が配置される。カムシャフト48は、各プッシュロッド45に対応するカムロブを一体回転可能に有する。各カムロブには、リフター45aを介して各プッシュロッド45の下端部が係合する。各プッシュロッド45は、前後方向視でシリンダ上下方向上側ほどシリンダ左右方向左側(シリンダ軸線C2側)に位置するように傾斜している。
【0031】
カムシャフト48は、例えばチェーン式の伝動機構を介してクランクシャフト11と連係して回転駆動する。このカムシャフト48の回転駆動に伴い、各カムロブの外周パターンに応じて各プッシュロッド45が上下動し、各バルブ41,42の駆動力を発生させる。以下、カムシャフト48及び各プッシュロッド45をバルブ駆動機構(バルブ動力発生機構)48Aという。
【0032】
バルブ駆動機構48Aの作動により、各ロッカーアーム43,44が揺動して各バルブ41,42を上下動させ、吸気ポート32の吸気下流側開口33及び排気ポート36の排気上流側開口37をそれぞれ開閉させる。なお、図中符号49aはシリンダヘッド17の右側部に設けられてバルブ駆動機構48Aを収容する駆動機構室を、符号49bは駆動機構室49aの前方に連設されて前記伝動機構を収容する伝動機構室をそれぞれ示す。
【0033】
ここで、エンジン10は、燃焼性能を高めて出力向上及び低燃費化を図るべくツインプラグ化されており、シリンダ上下方向で互いに高さの異なる二箇所に、第一点火プラグ51及び第二点火プラグ52をそれぞれ有する。
【0034】
具体的には、シリンダヘッド17の中央部には第一点火プラグ51がシリンダ軸線C2と同軸に配置され、シリンダヘッド17の左側部には第二点火プラグ52がシリンダ軸線C2に対して傾斜して(シリンダ上下方向上側ほどシリンダ左右方向左側に位置するように傾斜して)配置される。各点火プラグ51,52の先端の電極部は、燃焼室31の中心を向くように配置される。なお、図中符号C91,C92は各点火プラグ51,52の中心軸線を示す。
【0035】
図6(a)を併せて参照し、シリンダヘッド17には、第一及び第二点火プラグ51,52のネジ部を螺着するための第一及び第二ネジ孔53a,54aが形成されると共に、各ネジ孔53a,54aに各点火プラグ51,52を到達させるための座刳り状の第一及び第二プラグホール53,54が形成される。第一点火プラグ51及び第一プラグホール53は、シリンダ上下方向視で各ロッカーアーム43,44間の空間であり前記各バルブ41,42に囲まれた範囲47に配置される。
【0036】
第一プラグホール53は、シリンダヘッド17及びヘッドカバー18に跨って形成されたエアジャケット55内に開放する。エアジャケット55は、第一プラグホール53をシリンダ上下方向で上方に開放させると共に、シリンダ左右方向で左方に向けて末広がりに開放する。第二プラグホール54は、シリンダ上下方向で上方かつシリンダ左右方向で左方に向けて開放する。第二プラグホール54の下端部は浅く、その下端面は水平方向に対して左下がりに傾斜する(図2参照)。
【0037】
各点火プラグ51,52は、別個の点火コイル(不図示)に接続されることで、互いに点火時期を異ならせるべく(点火タイミングに位相差を設定するべく)制御される。これにより、混合気の燃焼速度を制御しつつ希薄混合気でも良好な燃焼を可能としてエンジン出力及び燃費の向上が図られる。また、ツインプラグ化による燃焼改善によるエミッション性能の向上も図られる。
【0038】
第一プラグホール53の底部左側には、シリンダ左右方向で左方に延びる連通路(孔)56の左端が開口する。連通路56の右端は第二プラグホール54の底部右側に開口し、シリンダヘッド17の傾斜を利用して第一プラグホール53内の雨水等を第二プラグホール54内に導く。第二プラグホール54はシリンダヘッド17における下向きに傾斜する左側面に形成されることから、前記雨水等を排出し易くメンテナンス性が高い。
【0039】
シリンダ本体16には、スリーブ25の上部外方(燃焼室31外方)を取り囲むようにシリンダ側ウォータジャケット57が形成される。一方、シリンダヘッド17には、各ポート32,36及び各プラグホール53,54等を避けつつ全体に広がるヘッド側ウォータジャケット58が形成される。
【0040】
シリンダ側ウォータジャケット57は、シリンダ本体16におけるシリンダヘッド17との合わせ面16aにおいて環状に開口する。一方、シリンダヘッド17におけるシリンダ本体16との合わせ面17aには、ヘッド側ウォータジャケット58に連通するヘッド側開口59が、シリンダ側ウォータジャケット57の開口部分と対向する円周に沿って複数形成される(図5参照)。シリンダ本体16及びシリンダヘッド17の各合わせ面16a,17aは、ガスケットを介して互いに密接することで、各ウォータジャケット57,58を互いに連通させて冷却水の流通を可能とする。
【0041】
図5,6を参照し、シリンダヘッド17の合わせ面17aには、シリンダ周方向で第二点火プラグ52用のネジ孔54aを挟むように前記ヘッド側開口59が形成される。このヘッド側開口59からヘッド側ウォータジャケット58へ流入した直後の冷却水により、前記ネジ孔54a及びこれに連なる第二プラグホール54が良好に冷却され、第二点火プラグ52の冷却性が確保される。これにより、比較的大型のヘッド側ウォータジャケット58に囲まれた第一点火プラグ51と第二点火プラグ52との冷却性が同等となり、点火タイミングの安定化が図られると共に、第一及び第二点火プラグ51,52の熱価の同一化による生産性及びメンテナンス性の向上が図られる。
【0042】
なお、図2に示すように、シリンダヘッド17における吸気ポート32の下方には、シリンダ側ウォータジャケット57からヘッド側ウォータジャケット58に流入した直後の冷却水温を検出する水温センサ61が取り付けられる。また、図4,5に示すように、シリンダヘッド17の前記駆動機構室49aの後方にはサーモスタットケース62が連設される。
【0043】
図3,7〜9を参照し、スロットルボディ21は、前後に延びる筒状をなしてヘッド内吸気通路35に連なるボディ内吸気通路63aを形成する本体63と、本体63内に回動可能に支持されてボディ内吸気通路63aを開閉するバタフライバルブ64と、バタフライバルブ64よりも下流側に燃料を噴射するインジェクタ65とを有する。スロットルボディ21の前端部はインシュレータ21aを介してシリンダヘッド17の吸気ポート32に接続され、スロットルボディ21の後端部はコネクティングチューブ21bを介してエアクリーナ22に接続される。
【0044】
本体63は円筒状をなし、その内部に前下がりの中心軸線C4に沿って直線状に延びる断面円形状のボディ内吸気通路63aを形成する。バタフライバルブ64は、ボディ内吸気通路63aの直径に沿って延びる回転軸66を介して本体63に支持される。回転軸66は水平に配置され、その両端部を本体63の外方に突出させる。回転軸66の右端部にはスロットルドラム67が取り付けられ、不図示の操作子によりスロットルケーブル75を介してバタフライバルブ64を回動操作可能とする。
【0045】
回転軸66の左端部は、本体63左側に取り付けられたセンサケース68内のスロットル開度センサ(不図示)に係合する。なお、センサケース68内には吸気温センサ及び吸気圧センサも含まれる。バタフライバルブ64は円形の平板状をなし、回転軸66を中心に一方向にのみ回動して回転軸66を挟んだ上下に同一面積の開口を形成する。
【0046】
図3を参照し、インジェクタ65は、本体63の鉛直方向の上端部(最上部)に中心軸線C5を前下がりに傾斜させた姿勢で配置される。インジェクタ65におけるボディ内吸気通路63aに臨む前端65aには、中心軸線C5に対して左右均等に末広がりに分岐する二方向への燃料噴射を行う一対の燃料噴射口(不図示)が設けられる。
【0047】
図10,11を併せて参照し、前記二方向への燃料噴射は、それぞれ円錐形状の燃料噴霧(スプレーフォーム)69を形成する。各燃料噴霧69の中心軸線C6L,C6Rは、水平に配置された回転軸66の中心軸線C7と平行な平面上に配置される。すなわち、各燃料噴霧69は、水平な回転軸66に沿って互いに左右に並ぶように形成される。
【0048】
一方、左右吸気下流側開口33は、水平な左右方向に対して傾斜したシリンダ左右方向に沿って並んでおり、これら左右吸気下流側開口33に向けて最適な燃料噴射を行うように、本実施形態では、後述の如くスロットルボディ21ごと左右燃料噴霧69をシリンダ左右方向一側に偏向させることで、スロットルボディ21の汎用性を維持しつつエミッション性能、エンジン出力及び燃費の向上を図っている。
【0049】
インジェクタ65は、各燃料噴霧69を極力吸気ポート32の下流側に到達させるために、本体63の中心軸線C4に対して中心軸線C5の角度を鋭角にして(寝かせて)配置される。本体63の前部内周の上端部には、各燃料噴霧69を避けるための燃料噴霧逃げ部71が凹設される。燃料噴霧逃げ部71は本体63の前端に至り、この燃料噴霧逃げ部71の前方に連なるように、インシュレータ21aの後部内周の上端部には第二燃料噴霧逃げ部72が凹設される。
【0050】
図7〜9を参照し、インジェクタ65における本体63外方に突出する後端部には、L字形状のホースジョイント73を介して燃料ホース74が接続される。ホースジョイント73は、インジェクタ65の後端部から左前方に延びる第一辺部73aと、第一辺部73aの左端部から左後方に延びる第二辺部73bとを一体に有する。第二辺部73bは燃料ホース74の先端部内に挿入されて保持される。燃料ホース74は不図示の燃料ポンプから延出し、スロットルボディ21の上方かつ右方の部位から左後方に向けて略水平に延びた後、スロットルボディ21の左方かつ後方で右前方に折り返して第二辺部73bに外嵌される。
【0051】
図5を参照し、吸気ポート32は、シリンダ軸方向視で、各吸気下流側開口33の並び方向(シリンダ左右方向)における各吸気下流側開口33間の中心位置CP2に対して、吸気上流側開口34の中心位置CP1を、前記並び方向の一側(シリンダ左右方向の左側)に所定量Fだけオフセットさせる。これにより、左吸気下流側開口33に至る左分岐通路35aが、右吸気下流側開口33に至る右分岐通路35aよりも短くかつ曲がりが少なくなる。
【0052】
図7〜9を併せて参照し、吸気ポート32の吸気上流側開口34は、その中心軸線C8がシリンダ左右方向視で後上がりとなるように設けられる。シリンダヘッド17は左方に傾斜することから、吸気上流側開口34の中心軸線C8は側面視では後上がりに傾斜し、平面視でも後側ほど左側に位置するように若干傾斜する。
【0053】
スロットルボディ21は、側面視では本体63の中心軸線C4が吸気上流側開口34の中心軸線C8よりも若干角度を寝かせて後上がりに傾斜し、平面視では本体63の中心軸線C4が吸気上流側開口34の中心軸線C8よりも若干角度を増して後側ほど左側に位置するように傾斜する。
【0054】
側面視における前記中心軸線C4の前記中心軸線C8に対する角度変化は、回転軸66近傍を中心になされる。このため、スロットルボディ21の前端開口は、吸気ポート32の吸気上流側開口34よりも上方に変位する。
【0055】
また、平面視における前記中心軸線C4の前記中心軸線C8に対する角度変化は、吸気上流側開口34の中心位置CP1近傍を中心になされる。
インジェクタ65の前端65aは、吸気上流側開口34の中心軸線C8に対してやや左方(吸気上流側開口34のオフセット側)に変位し、当該位置から吸気上流側開口34の反オフセット側(右方)に向けて燃料を噴射する。
【0056】
図10,11の吸気ポート32はその内面形状を示し、この内面形状における燃料噴霧69が当たる部位には燃料噴霧69と同様のドットハッチングが記される。
図10(a)、図11(a)を参照し、吸気ポート32において、吸気上流側開口34の中心軸線C8とインジェクタ65の中心軸線C5(燃料噴射中心軸線、左右燃料噴霧69の中心軸線C9L,C9R間の角度の二等分線)とをシリンダ軸方向視で一致させた配置でインジェクタ65から燃料を噴射すると、燃料噴霧69が比較的抵抗の少ない左分岐通路35aに偏って流入し易く、かつ二つの噴射領域(スプレーフォーム)がポート内壁上部に当たり難くなる(ポート内壁下部に片当たりして燃料が付着し易くなる)。
【0057】
これに対し、本実施形態のエンジン10では、シリンダ軸方向視で、インジェクタ65の中心軸線C5が、吸気上流側開口34の中心軸線C8に対してシリンダ左右方向右側(吸気上流側開口34の反オフセット側)を向くように(シリンダ左右方向右側に傾くように)傾斜している。
これにより、図10(b)、図11(b)に示すように、前記燃料噴霧69の偏った流入が抑えられ、かつ二つの噴射領域がポート内壁上部にも当たり易くなる(ポート内壁下部に燃料が付着し難くなる)。
【0058】
ポート噴射ガソリンエンジンにおいて、ポート内壁に燃料が付着すると、その一部が気化(霧化)せず液相として直接筒内へ流入し、エンジンの冷間時や過渡運転時における排気ガス中のHC(Hydro Carbon)の増加や燃費及びドライバビリティの低下を生じさせることがある。
【0059】
これに対し、ポート内壁への燃料の付着を抑えることで、排気ガス中のHCが減少してエミッション性能が向上すると共に、燃料噴射のフィードバック制御が高精度となって燃費及びドライバビリティが向上する。
また、吸気上流側開口34のオフセット側には第二点火プラグ52が位置することから、混合気の第二点火プラグ52の電極部への到達スピードが速まって電極部への燃料付着が抑止される。このとき、燃焼室31内の気流(スワール等)が促進されて燃焼性も高まる。
【0060】
以上説明したように、上記実施形態におけるエンジン10は、一気筒あたりに二つ設けられる吸気バルブ41と、シリンダヘッド17に形成されて前記各吸気バルブ41が開閉する二つの吸気下流側開口33と吸気系部品21Aが接続される単一の吸気上流側開口34とを連通するべく二又に分岐する吸気ポート32と、前記吸気系部品21A(スロットルボディ21)に取り付けられて前記吸気ポート32内へ燃料を噴射するインジェクタ65とを備えた内燃機関において、前記各吸気下流側開口33が、前記シリンダヘッド17の軸方向で同一高さに並び、前記吸気ポート32が、前記シリンダヘッド17の軸方向視で、前記各吸気下流側開口33間の並び方向の中心位置CP2に対して、前記吸気上流側開口34の中心位置CP1を前記並び方向の一側にオフセットさせ、前記吸気系部品21Aの上部に配置される前記インジェクタ65が、前記シリンダヘッド17の軸方向視で、前記吸気上流側開口34の中心軸線C8に対して、燃料噴射中心軸線C5を前記並び方向の他側に傾斜させるものである。
【0061】
この構成によれば、吸気上流側開口34と共に各吸気下流側開口33の並び方向の一側にオフセットしたインジェクタ65から、吸気ポート32の二つの分岐通路35aに向けて、偏りを抑えつつ燃料を噴射することができ、ポート内壁への付着燃料を削減して排ガス成分の浄化及びエンジン性能の向上を図ることができる。
【0062】
また、上記エンジン10は、前記シリンダヘッド17の中心軸線C2が、鉛直方向に対して前記並び方向の他側が高くなるように傾斜し、前記インジェクタ65が、前記吸気系部品21A(スロットルボディ21)の鉛直方向の最上部に配置されることで、吸気通路に対するインジェクタ65の取り付け角度を吸気通路と交差する方向に立て易く、吸気系部品21Aに形成される燃料噴射の逃げ形状を小さくでき、ポート粒子特性を滑らかにしつつポート内壁への付着燃料をさらに削減し、排ガス成分の浄化及びエンジン性能の向上を図ることができる。
【0063】
また、上記エンジン10は、前記吸気系部品21Aが、前記吸気ポート32の上流側に配置されるスロットルボディ21と、前記スロットルボディ21と前記吸気ポート32とを繋ぐインシュレータ21aとを有し、前記スロットルボディ21の鉛直方向の最上部には、前記インジェクタ65が配置されると共に、燃料噴霧逃げ部71が内壁を切り欠いて形成され、前記インシュレータ21aの鉛直方向の最上部には、前記スロットルボディ21の燃料噴霧逃げ部71に連なる第二燃料噴霧逃げ部72が内壁を切り欠いて形成されることで、インジェクタ65の取り付け位置を極力吸気ポート32に近付けられ、吸気ポート32の下流側へ燃料を効率よく噴射することができ、ポート内壁への付着燃料をさらに削減して排ガス成分の浄化及びエンジン性能の向上を図ることができる。
【0064】
また、上記エンジン10は、前記スロットルボディ21が、ボディ内吸気通路63aを形成する筒状の本体63と、前記ボディ内吸気通路63aを水平に横断する回転軸66と、前記回転軸66を介して前記本体63に支持されて前記ボディ内吸気通路63aを開閉するバタフライバルブ64とを有し、前記インジェクタ65が、前記回転軸66の中心軸線C7と平行な平面に沿って二方向に分岐する燃料噴射を行うことで、吸気ポート32が左右で傾いている場合でも、バタフライバルブ64の低開度状態からの開度の増加に伴う過渡期状態における吸入空気と燃料噴霧69とが同じ周方向の位相で交わり、混合気生成の偏りを少なくすることができ、ポート内壁への付着燃料を削減して排ガス成分の浄化及びエンジン性能の向上を図ることができる。
【0065】
また、上記エンジン10は、前記回転軸66の一端に固定されるスロットルドラム67と、前記回転軸66の他端を係合させるセンサケース68と、前記インジェクタ65に接続されるL字形状のホースジョイント73と、前記センサケース68の上方を通って前記ホースジョイント73に接続される燃料ホース74とを備えることで、スロットルボディ21の周囲にスロットルドラム67に接続されるスロットルケーブル75や燃料ホース74、並びにセンサケース68に接続される配線等の索状物を最適に配置できる。
【0066】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、上記した四輪の車両に限らず二輪や三輪等の車両のエンジンに適用してもよい。また、並列又はV型等の複数気筒エンジンや、クランク軸線を車両左右方向に沿わせた横置きエンジンに適用してもよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0067】
10 エンジン(内燃機関)
16 シリンダ本体
17 シリンダヘッド
17a 合わせ面
C2 中心軸線
21A 吸気系部品
21 スロットルボディ
21a インシュレータ
32 吸気ポート
33 吸気下流側開口
CP2 中心位置
34 吸気上流側開口
CP1 中心位置
C8 中心軸線
41 吸気バルブ
63 本体
63a ボディ内吸気通路(吸気通路)
64 バタフライバルブ(スロットル弁)
65 スロットルボディ(燃料噴射弁)
66 回転軸
C7 中心軸線
67 スロットルドラム
68 センサケース(センサ)
C5 燃料噴射中心軸線
71 燃料噴霧逃げ部
72 第二燃料噴霧逃げ部
73 ホースジョイント
74 燃料ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一気筒あたりに二つ設けられる吸気バルブ(41)と、シリンダヘッド(17)に形成されて前記各吸気バルブ(41)が開閉する二つの吸気下流側開口(33)と吸気系部品(21A)が接続される単一の吸気上流側開口(34)とを連通するべく二又に分岐する吸気ポート(32)と、前記吸気系部品(21A)に取り付けられて前記吸気ポート(32)内へ燃料を噴射する燃料噴射弁(65)とを備えた内燃機関(10)において、
前記各吸気下流側開口(33)は、前記シリンダヘッド(17)のシリンダ本体(16)との合わせ面(17a)から同一高さに並び、前記吸気ポート(32)は、前記シリンダヘッド(17)の平面視で、前記各吸気下流側開口(33)間の並び方向の中心位置(CP2)に対して、前記吸気上流側開口(34)の中心位置(CP1)を前記並び方向の一側にオフセットさせ、前記吸気系部品(21A)の上部に配置される前記燃料噴射弁(65)は、前記シリンダヘッド(17)の平面視で、前記吸気上流側開口(34)の中心軸線(C8)に対して、燃料噴射中心軸線(C5)を前記並び方向の他側に傾斜させることを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
前記シリンダヘッド(17)におけるシリンダ中心を通る中心軸線(C2)は、鉛直方向に対して前記並び方向の他側が高くなるように傾斜し、前記燃料噴射弁(65)は、前記吸気系部品(21A)の鉛直方向の最上部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
【請求項3】
前記吸気系部品(21A)は、前記吸気ポート(32)の上流側に配置されるスロットルボディ(21)と、前記スロットルボディ(21)と前記吸気ポート(32)とを繋ぐインシュレータ(21a)とを有し、
前記スロットルボディ(21)の鉛直方向の最上部には、前記燃料噴射弁(65)が配置されると共に、燃料噴霧逃げ部(71)が内壁を切り欠いて形成され、前記インシュレータ(21a)の鉛直方向の最上部には、前記スロットルボディ(21)の燃料噴霧逃げ部(71)に連なる第二燃料噴霧逃げ部(72)が内壁を切り欠いて形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関。
【請求項4】
前記スロットルボディ(21)は、吸気通路(63a)を形成する筒状の本体(63)と、前記吸気通路(63a)を水平に横断する回転軸(66)と、前記回転軸(66)を介して前記本体(63)に支持されて前記吸気通路(63a)を開閉するスロットル弁(64)とを有し、
前記燃料噴射弁(65)は、前記回転軸(66)の中心軸線(C7)と平行な平面に沿って二方向に分岐する燃料噴射を行うことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関。
【請求項5】
前記回転軸(66)の一端に固定されるスロットルドラム(67)と、前記回転軸(66)の他端を係合させるセンサ(68)と、前記燃料噴射弁(65)に接続されるL字形状のホースジョイント(73)と、前記センサ(68)の上方を通って前記ホースジョイント(73)に接続される燃料ホース(74)とを備えることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−72419(P2013−72419A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214359(P2011−214359)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】