説明

内装下地構造の形成方法

【課題】単純な構成を備えた1種類の部材を主要資材として用いつつ、表装壁用内装下地構造、天井用内装下地構造、間仕切り壁用内装下地構造及び床用内装下地構造を容易に形成する技術を提供する。
【解決手段】一対の縦桟12の内側面間に、横桟14a〜14eを相互に所定の間隔をおいて配置固定させた第1のフレーム部材10を複数準備し、躯体壁面22の上部及び下部にLバー16を平行に配置固定し、Lバー16間に複数の第1のフレーム部材10を配置固定することにより、表装壁用内装下地構造34を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンクリート建物の躯体内に、石膏ボード等の表装材を設置するための内装下地構造を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の主要構造部を鉄筋コンクリートで形成する集合住宅において、断熱性や吸音性を高め、将来における可変性を持たせる為には、コンクリート壁の表面側に複数の表装パネルを並設し、表装壁を構築する必要がある。
複数の表装パネルを並設して表装壁を構築する際の下地構造としては、例えば下記の特許文献1のように、躯体壁の上下の天井及び床にその壁面と平行にそれぞれランナーを設けて、各ランナー間に複数の表装パネルを固定し、表装パネルの背面側に設けた縦方向のリブを間隔調整部材を介して躯体壁に固定する構造が従来より知られている。
【0003】
この特許文献1に記載の技術によれば、現場で木軸を格子状に組み立てる作業が不要となる利点がある反面、表装パネルのリブが縦方向にのみ設けられているため、表装パネルに横方向の撓みが生じ易いという問題があった。
また、表装パネルの背面にリブを設けるような加工を施す必要があり、通常の平板状の表装パネルをそのまま用いることができないという問題や、表装壁以外の内装下地構造には適用できないという問題があった。
【0004】
これに対し、特許文献2に記載の技術の場合、第1のレール部材と第2のレール部材によるガイド溝間に、規格化された標準パネルと繋ぎパネルを順に必要枚数装着することによって、表装壁用は勿論、天井用や間仕切り用の内装下地構造を形成することが可能となる利点を備えており、標準パネル及び繋ぎパネルは予め工場で製造されるため、現場での作り込み作業を最小限に抑えることも可能となる。
この標準パネル及び繋ぎパネルは、それぞれ横桟及び縦桟を備えているため、形成される内装下地構造は格子状の構造を備えており、縦方向及び横方向に撓みが生じることがない。上記縦桟及び縦フレーム材の表面が面一になるように各部の寸法を設定しておけば、通常の平板状の表装パネルを下地構造に貼り付けることも可能となる。
【0005】
【特許文献1】特開平5−141065
【特許文献2】特開2009−275500
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この特許文献2の施工方法では、少なくとも標準パネルと繋ぎパネルという2種類の部材を主要資材として用意する必要があるため、調達や配送、現場における管理等において不便が生じていた。
また、この特許文献2の技術では、床用の内装下地構造を形成する際には、上記の標準パネル及び繋ぎパネルとは異なる構成の、床専用の標準ボードと繋ぎボードを用いる必要があり、資材の調達や配送の高コスト化や、現場における資材管理の煩雑化をもたらしていた。
【0007】
そこで本発明は、比較的単純な構成を備えた1種類の部材を主要資材として用いつつ、表装壁用内装下地構造、天井用内装下地構造、間仕切り壁用内装下地構造及び床用内装下地構造を容易に形成する技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の内装下地構造の形成方法は、平行に配置された一対の縦桟の内側面間に、複数の横桟を相互に所定の間隔をおいて配置固定させた梯子状のフレーム部材を複数準備し、躯体壁面の上部及び下部にガイドバー(LバーやTバー等)を平行に配置固定し、両ガイドバー間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、表装壁用内装下地構造を形成し、躯体壁面の上部にガイドバーを配置固定すると共に、躯体天井面からガイドバーを吊り下げ、躯体壁面側のガイドバーと躯体天井面から吊り下げたガイドバーとの間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、天井用内装下地構造を形成し、躯体床面の表面に複数の支持脚を配置し、各支持脚上に複数の上記フレーム部材を配置することにより、床用内装下地構造を形成し、上記天井用内装下地構造の下面及び上記床用内装下地構造の上面にガイドバーを平行に配置固定し、両ガイドバー間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、間仕切り壁用内装下地構造を形成することを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の内装下地構造の形成方法は、平行に配置された一対の縦桟の内側面間に、複数の横桟を相互に所定の間隔をおいて配置固定させた梯子状のフレーム部材を複数準備し、以下の(1)〜(4)の工程を順不同に実行することを特徴としている。
(1) 躯体床面の表面に複数の支持脚を配置し、各支持脚上に複数の上記フレーム部材を配置することにより、床用内装下地構造を形成する。
(2) 躯体壁面の上部にガイドバーを配置固定すると共に、躯体天井面からガイドバーを吊り下げ、躯体壁面側のガイドバーと躯体天井面から吊り下げたガイドバーとの間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、天井用内装下地構造を形成する。
(3) 躯体壁面の上部及び下部にガイドバーを平行に配置固定し、両ガイドバー間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、表装壁用内装下地構造を形成する。
(4) 上記天井用内装下地構造の下面及び上記床用内装下地構造の上面にガイドバーを平行に配置固定し、両ガイドバー間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、間仕切り壁用内装下地構造を形成する。
【0010】
請求項3に記載の内装下地構造の形成方法は、相互に所定の間隔をおいて平行に配置させた3本の縦桟の対向面間に、複数の横桟を相互に所定の間隔をおいて配置させ、各縦桟の対向面に形成された縦溝に各横桟の端面を接合させたフレーム部材を複数準備し、以下の(1)〜(4)の工程を順不同に実行することを特徴としている。
(1) 躯体床面の表面に複数の支持脚を配置し、各支持脚上に複数の上記フレーム部材を配置することにより、床用内装下地構造を形成する。
(2) 躯体壁面の上部にガイドバーを配置固定すると共に、躯体天井面からガイドバーを吊り下げ、躯体壁面側のガイドバーと躯体天井面から吊り下げたガイドバーとの間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、天井用内装下地構造を形成する。
(3) 躯体壁面の上部及び下部にガイドバーを平行に配置固定し、両ガイドバー間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、表装壁用内装下地構造を形成する。
(4) 上記天井用内装下地構造の下面及び上記床用内装下地構造の上面にガイドバーを平行に配置固定し、両ガイドバー間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、間仕切り壁用内装下地構造を形成する。
【0011】
請求項4に記載の内装下地構造の形成方法は、請求項1〜3の方法であって、さらに、上記の躯体壁面に複数の駒板を所定の間隔をおいて接着しておき、各駒板にガイドバーを接着またはビス留めすることにより、各ガイドバーの固定がなされることを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の内装下地構造の形成方法は、請求項1〜4の方法であって、さらに、事前に躯体の壁面、天井面及び床面に断熱材が配置固定されることを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の内装下地構造の形成方法は、請求項3または4の方法であって、さらに、上記の各内装下地構造を形成した後に、各フレーム部材の横桟と躯体表面との間に形成される狭小空間に断熱材を挿入配置させることを特徴としている。
【0014】
請求項7に記載の内装下地構造の形成方法は、請求項1〜6の方法であって、さらに、上記間仕切り壁用内装下地構造の形成に際し、上記ガイドバーとして平板の中央に角材を固定した断面T字形状のTバーを用い、各Tバーの角材の両側にそれぞれ上記のフレーム部材を配置固定させることを特徴としている。
【0015】
請求項8に記載の内装下地構造の形成方法は、請求項1〜7の方法であって、さらに、上記床用内装下地構造の形成に際し、上記支持脚として脚部の突出量可変のものを用い、各支持脚の突出量を調整することにより、躯体床面のレベル調整を行うことを特徴としている。
【0016】
請求項9に記載の内装下地構造の形成方法は、請求項1〜8の方法であって、さらに、上記表装壁用内装下地構造の形成に際し、上記フレーム部材と躯体壁面との間に、脚部の突出量が可変の支持脚を複数配置させ、各支持脚の突出量を調整することによって躯体壁面のレベル調整を行うことを特徴としている。
【0017】
請求項10記載の内装下地構造の形成方法は、請求項1〜9の方法であって、さらに、1または複数の配管把持手段を備えた吊り下げ板を、上記床用内装下地構造を構成するフレーム部材に複数取り付け、各吊り下げ板の配管把持手段に配管を装着することを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1〜3に記載の内装下地構造の形成方法によれば、梯子状の極めて簡素な構成を備えた1種類のフレーム部材を主要資材として用いながらも、表装壁用内装下地構造、天井用内装下地構造、床用内装下地構造、間仕切り壁用内装下地構造を形成することが可能となる。
このように、主要資材が1種類のフレーム部材で済むため、フレーム部材自体の製造コストを低減できるのみならず、施工現場への配送コストを抑えることが可能となる。また、同じフレーム部材を表装壁用、天井用、床用、間仕切り壁用として自由に振り分けることができるため、現場における資材管理が極めて容易となる利点が生じる。
【0019】
請求項4に記載の内装下地構造の形成方法によれば、コンクリート躯体に釘やビスを直接打ち込むことなく、ガイドバーやフレーム部材を取り付けることが可能となり、内装工事の静粛性を確保することが可能となる。
【0020】
請求項5に記載の内装下地構造の形成方法によれば、ガイドバーやフレーム部材が配置固定される前にグラスウール等の断熱材が配置固定されるため、コンクリート躯体の表面を断熱材で隙間なく覆うことが可能となり、結露を有効に防止可能となる。
【0021】
請求項6に記載の内装下地構造の形成方法によれば、ガイドバーやフレーム部材が配置固定された後にグラスウール等の断熱材が配置固定されるため、コンクリート躯体の表面を断熱材で隙間なく覆うことが可能となり、結露を有効に防止可能となる。
【0022】
請求項7に記載の内装下地構造の形成方法によれば、フレーム部材をTバーの両側に配置させることにより、高い剛性と遮音性を備えた間仕切り壁を形成することが可能となる。
【0023】
請求項8に記載の内装下地構造の形成方法によれば、支持脚の脚部の突出量を加減することにより、躯体床面の凹凸を有効に吸収することが可能となる。
【0024】
請求項9に記載の内装下地構造の形成方法によれば、支持脚の脚部の突出量を加減することにより、躯体壁面の凹凸を有効に吸収することが可能となる。
【0025】
請求項10に記載の内装下地構造の形成方法によれば、床下配管の処理が極めて容易となり、そのメンテナンス性を高めることも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1(a)は、この発明に係る内装下地構造の主要な構成部材である第1のフレーム部材10を示すものであり、この第1のフレーム部材10は、一対の縦桟12と、5本の横桟14a〜14eを備えている。
この第1のフレーム部材10は、以下の寸法を備えている。
2250mm(長さ)×455mm(幅)×27mm(厚さ)
また、縦桟12は、それぞれ以下の寸法を備えている。
2250mm(長さ)×40mm(幅)×27mm(厚さ)
横桟14aは、以下の寸法を備えている。
375mm(長さ)×80mm(幅)×27mm(厚さ)
横桟14b〜14eは、それぞれ以下の寸法を備えている。
375mm(長さ)×40mm(幅)×27mm(厚さ)
ただし、これらの寸法は一例であり、これらに限定する趣旨ではない(以下も同様)。
【0027】
上記のように、横桟14(a)〜14(e)の厚さはそれぞれ27mmであり、縦桟12と同じ厚さを備えているため、図1(a)のA−A断面図である図1(b)に示すように、第1のフレーム部材10の表面及び背面は、面一に形成されている。
【0028】
図2は、第1のフレーム部材10以外の構成部材を示すものであり、図2(a)はLバー16を、図2(b)はTバー18を示している。
Lバー16は、平板16aの一方の端辺に沿って角材16bを接合した形状を備えており、平板16a及び角材16bはそれぞれ以下の寸法を備えている。
平板16aの寸法:2250mm(長さ)×74mm(幅)×9mm(厚さ)
角材16bの寸法:2250mm(長さ)×36mm(高さ)×27mm(厚さ)
【0029】
Tバー18は、平板18aの中心線に沿って角材18bを接合した形状を備えており、平板18a及び角材18bはそれぞれ以下の寸法を備えている。
平板18aの寸法:2250mm(長さ)×100mm(幅)×9mm(厚さ)
角材18bの寸法:2250mm(長さ)×36mm(高さ)×27mm(厚さ)
【0030】
以上が主要な構成部材であるが、その他にも、適当な寸法を備えた角材や平板、駒材等を必要に応じて利用する(詳細は後述)。
【0031】
以下において、この発明に係る内装下地構造の形成方法について説明する。
まず、建物のコンクリート躯体の内面全域に、グラスウール等の断熱材を配置させる。
具体的には、図3に示すように、躯体20の壁面22、天井面24、床面26、梁28の表面に、グラスウール30を隙間なく配置させ、接着剤等を介して固定する。
【0032】
つぎに、図4に示すように、壁面22の上端部及び下端部に駒材32を接着剤を介して接合させ、Lバー16を駒材32に対してビス留めする。
図5に示すように、グラスウール30は所定の横幅を備えた帯状のユニットを壁面22に複数接合させることで配置されているため、各ユニット間を掻き分けて躯体表面を露出させた後、駒材32を接着させる。図示の通り、駒材32は、所定の間隔をおいて複数配置される。
【0033】
つぎに、壁面22の上端部に配置固定されたLバー16と、下端部に配置固定されたLバー16との間に、複数の第1のフレーム部材10を配置していき、その上端部(縦桟12の上端部または横桟14a)及び下端部(縦桟12の下端部)を、Lバー16にビス留めする。
また、隣接する第1のフレーム部材10同士も、一方の第1のフレーム部材10の縦桟12と他方の第1のフレーム部材10の縦桟12をビス留めすることにより、固定される。
【0034】
図6は、壁面22に形成された表装壁用の内装下地構造34を示しており、複数の第1のフレーム部材10が、壁面22の上端部に配置されたLバー16と、下端部に配置されたLバー16との間に配置固定されている様子が描かれている。なお、第1のフレーム部材10の配置方向に限定はなく、上下を逆転させてもよい。
図示は省略したが、この表装壁用内装下地構造34を構成する第1のフレーム部材10の表面に石膏ボードをビス留めし、その表面にクロスを貼ることにより、表装壁が完成する。
【0035】
上記のように、1本のLバー16の長さは2250mmであるため、壁面の横幅がこれよりも長い場合、複数のLバー16を横方向に並べることにより、必要な長さが確保される。また、複数のLバー16を継ぎ足すことによって余りが生じる場合には、部分的に切除される。
【0036】
同様に、1本の第1のフレーム部材10の長さも2250mmであるため、床面26から梁28までの距離がこれよりも長い場合、図7に示すように、一対の第1のフレーム部材10の下端部(縦桟12の下端部)間に接合用木片36をビス留めすることによって縦方向に連結させた上で、不要な部分を切除することにより、必要な寸法を確保することができる。
【0037】
また、1本の第1のフレーム部材10では長すぎる場合も、不要な部分を切除することにより寸法調整を行う。
例えば、図6の例では、窓枠38の下の部分の寸法に合わせて、短く切除した第1のフレーム部材10が用いられている。
【0038】
ところで、躯体の壁面22が正確な平面をなしていることは少なく、ある程度の歪みを備えている場合が多い。このため、第1のフレーム部材10の少なくとも一部には、レベル調整用の支持脚が装着されている。
図8に示すように、この支持脚40は、円盤状の固定部40aと、軸部40bと、円柱状の押圧部40cとを備えている(ただし、固定部40aの形状は円形に限定されない)。
固定部40aの中心に形成された穴40dの内部にはネジ頭が配置されており、これをドライバーで左右に必要量回転させることにより、押圧部40cと固定部40aとの間の距離が微調整される構造を、支持脚40は備えている。
押圧部40cは、シリコンゴム等の弾性材によって構成されている。
【0039】
この支持脚40の固定部40aの表面に形成された接着層を、第1のフレーム部材10の縦桟12と横桟14との間に接合させることにより、第1のフレーム部材10に固定される。
そして、各第1のフレーム部材10をLバー16間に固定した後、支持脚40の穴40dの内部に設けられたネジ頭をドライバーで回し、押圧部40cと固定部40aとの距離を調整することにより、壁面22の凹凸を吸収することが可能となる。また、上記のように押圧部40cが弾性材よりなるため、消音効果も期待できる。
【0040】
つぎに、図9及び図10に従い、天井用の内装下地構造42の形成方法について説明する。
まず、図9に示すように、梁28の表面に駒材32を接着剤を介して接合させ、Lバー16を駒材32に対してビス留めする。このLバー16は、躯体内面上部の四囲に取り付けられる(天井面24側から天井用内装下地構造42を観察した図10においては、躯体内面上部の2辺にLバー16が装着された様子が示されている)。
【0041】
つぎに、躯体天井面24に埋設された複数のインサートに羽子板ボルト44を螺合させ、各羽子板ボルト44にTバー18の角材18bをビス留めする。
つぎに、第1のフレーム部材10の一端をLバー16に載せてビス留めすると共に、他端側の上面をTバー18の平板18aに下から当接させ、ビス留めする。
【0042】
図10に示すように、複数の第1のフレーム部材10が横方向に一列に配置され、隣接する第1のフレーム部材10同士がビス留めされる。
また、天井の反対側からも複数の第1のフレーム部材10が横方向に一列に配置され、隣接する第1のフレーム部材10同士がビス留めされる。
そして、第1の列の第1のフレーム部材10の下端部と、第2の列の第1のフレーム部材10の上端部は、それぞれ他のTバー18の平板18aに載置され、ビス留めされる。
以上のようにして、第1のフレーム部材10をマトリクス状に多数配置させることにより、天井用の内装下地構造42が形成される。
【0043】
つぎに、図11に従い、梁28に係る内装下地構造50の形成方法について説明する。
まず、梁28の側面下部に複数の駒材32を所定の間隔をおいて接着した後、Lバー16を梁28の側面と下面とが交わる稜線に沿って配置させ、Lバー16の角材16bと駒材32間をビス留めする。
【0044】
つぎに、天井面24側のLバー16との間に厚さ9mmの石膏ボード52を当てがい、各Lバー16の角材16bにビス留めする。
最後に、壁面22側のLバー16との間にも、厚さ9mmの石膏ボード52を当てがい、各Lバー16の平板16aにビス留めする。
なお、梁背が高い場合には、厚さ9mmの補助板を天井面24側のLバー16との間にあてがい、各Lバー16の角材16bにビス留めするようにしてもよい。
【0045】
つぎに、図12及び図13に従い、床用の内装下地構造56の形成方法について説明する。
まず、図12に示すように、躯体床面26の上に複数の支持脚58を所定の間隔で配置させる。この際、躯体床面26に配置されたグラスウール30を掻き分けて躯体の表面を露出させ、支持脚58の設置スペースを確保する。
【0046】
この支持脚58は、図14に示すように、矩形状の受け板58aと、軸部58bと、円柱状の接地部58cとを備えている(ただし、受け板58aの形状は矩形に限定されない)。
受け板58aの中心に形成された穴58dの内部にはネジ頭が配置されており、これをドライバーで左右に必要量回転させることにより、接地部58cと受け板58aとの間の距離が微調整される構造を、支持脚58は備えている。
接地部58cは、シリコンゴム等の弾性材によって構成されている。
【0047】
つぎに、図13に示すように、各支持脚58の上に複数の第1のフレーム部材10を載置し、第1のフレーム部材10と支持脚58の受け板58a間を接着またはビス留めすることにより、床用の内装下地構造56が形成される。
なお、躯体床面26に凹凸が存在している場合には、第1のフレーム部材10を受け板58aに接着する前または後に、支持脚58の穴58dの内部に設けられたネジ頭をドライバーで回し、接地部58cと受け板58aとの距離を加減し、レベル調整を行う。
【0048】
つぎに、床下配管の処理方法について説明する。
まず、図15に示すように、平板60の裏側に複数の把持具62を取り付けた吊り下げ板64を複数用意する。
把持具62は、可撓性を備えた樹脂製の円筒体に切れ目62aを入れた構成を備えており、この切れ目62aが下側に向くように平板60に取り付けられている。
このため、樹脂製の配管をこの切れ目62aに押し付けることにより、切れ目62aが開かれて配管が把持具60の内部に入り込み、しっかりと保持される。
【0049】
図13に示すように、各吊り下げ板64の把持具に配管66, 68を押し込み、吊り下げ板64の表面を第1のフレーム部材10の裏面にビス留めすることにより、床下配管の処理が完了する。
このように、床用の内装下地構造56が梯子状の第1のフレーム部材10を連結することによって形成されているため、配管の状態を上から容易に観察することが可能となる。
【0050】
なお、把持具62の構成は上記のものに限定されるものではなく、配管との係合機能を備えた部材を適宜選択することができる。
また、把持具62の数も2つに限定されるものではなく、配管の数に応じて任意の数の把持具62を設けることができる。
【0051】
つぎに、図16に従い、間仕切り壁用の内装下地構造70の形成方法について説明する。
まず、天井用の内装下地構造42を構成する第1のフレーム部材10の表面にTバー18をビス留めすると共に、床用の内装下地構造56を構成する第1のフレーム部材10の表面にもTバー18をビス留めする。
天井用の内装下地構造42側に配設したTバー18と、床用の内装下地構造56側に配設したTバー18とは、両者が平行するように位置決めされている。
【0052】
つぎに、各Tバー18の両側にそれぞれ複数の第1のフレーム部材10が配置され、第1のフレーム部材10とTバー18間がビス留めされることにより、間仕切り壁用内装下地構造70が形成される。
図示は省略したが、この間仕切り壁用内装下地構造70の両側に石膏ボードをビス留めし、その表面にクロスを貼ることにより、間仕切り壁が完成する。
高い防音性を確保する必要がある場合には、両面に配置された第1のフレーム部材10, 10間にグラスウールを挟み込めばよい。
【0053】
つぎに、図17に従い、他の間仕切り壁用内装下地構造74の形成方法について説明する。
この場合、天井用の内装下地構造42を構成する第1のフレーム部材10の表面にLバー16をビス留めすると共に、床用の内装下地構造56を構成する第1のフレーム部材10の表面にもLバー16をビス留めする。
天井用内装下地構造42側に配設したLバー16と、床用内装下地構造56側に配設したLバー16とは、両者が平行するように位置決めされている。
【0054】
つぎに、各Lバー16の平板16aと角材16bとの間に、複数の第1のフレーム部材10が配置され、第1のフレーム部材10とLバー16間がビス留めされることにより、間仕切り壁用内装下地構造74が形成される。
この間仕切り壁用内装下地構造74の両側に複数の石膏ボード52をビス留めし、その表面にクロスを貼ることによって間仕切り壁が完成するのであるが、その際、石膏ボード52の繋ぎ目となる部分には、厚さ9mmの平板76が各第1のフレーム部材10に帯状に固定される。この結果、強度の確保や建具枠寸法との整合性が図られる。
【0055】
上記においては、表装壁用→天井用→床用→間仕切り壁用の順番で内装下地構造を形成する例を示したが、施行順はこれに限定されるものではなく、例えば、床用→天井用→表装壁用→間仕切り壁用の順番で内装下地構造を形成することも当然に可能である。
【0056】
また、フレーム部材の形状も上記に限定されるものではない。
図18は、フレーム部材の他の構成例を示すものであり、この第2のフレーム部材80は、3本の縦桟を所定の間隔をおいて平行に配置させ、第1の縦桟81と第2の縦桟82との間に3本の横桟(第1の横桟85、第2の横桟86、第3の横桟87)を配置させると共に、第2の縦桟82と第3の縦桟83との間にも3本の横桟(第4の横桟88、第5の横桟89、第6の横桟90)を配置させた形状を備えている。
各縦桟の長さは、エレベーターの高さに合わせ、2055mm〜2255mmの間で段階的に設定されている。また、第2のフレーム部材80の横幅は、636mmに設定されている。
【0057】
第1の横桟85は、第1の縦桟81の上端と第2の縦桟82の上端間に挟持されており、第3の横桟88は、第2の縦桟82の上端と第3の縦桟83の上端間に挟持されている。
各縦桟の上端から第3の横桟87及び第6の横桟90の中央までの距離Xは、1820mmに設定されている。また、第2の横桟86は、第1の横桟85と第3の横桟87から等距離の位置に配置されており、第5の横桟89は、第4の横桟88と第6の横桟90から等距離の位置に配置されている。
【0058】
図19に示すように、第1の縦桟81及び第3の縦桟83は、それぞれ対向面に縦溝84が形成されており、断面コ字形状を備えている。また第2の縦桟82は、その両側面(両対向面)に縦溝84が形成されており、断面エ字形状を備えている。
そして、第1の縦桟81の縦溝84と第2の縦桟82の一方の縦溝84との間に第1の横桟85、第2の横桟86、第3の横桟87が装着・固定されると共に、第2の縦桟82の他方の縦溝84と第3の縦桟83の縦溝84との間に第4の横桟88、第5の横桟89、第6の横桟90が装着・固定されている。
【0059】
第1の縦桟81、第2の縦桟82、第3の縦桟83は、それぞれ厚さが45mmに設定されているのに対し、第1の横桟85、第2の横桟86、第3の横桟87、第4の横桟88、第5の横桟89、第6の横桟90は、それぞれ厚さが27mmに設定されている。
このように、第2のフレーム部材80は第1のフレーム部材10に比べて各縦桟の厚みが増している結果、フレーム部材としての強度が3.47倍程度向上している。
【0060】
また、第2のフレーム部材80を躯体壁面22に装着した際には、図19に示すように、各横桟と壁面22との間に9mmの隙間91が形成されることとなり、この隙間91は各種ケーブルやコード類を挿通する通線スペースとして有効利用できる。
さらに、この隙間91にグラスウールよりなる断熱材を各種内装下地構造形成後に装填することも可能となる。
【0061】
この第2のフレーム部材80の場合も、基本的には第1のフレーム部材10と同様の方法により、床面用内装下地構造56、天井用内装下地構造42、表装壁用内装下地構造34、間仕切り壁用内装下地構造74を形成することができる。
【0062】
まず、図示は省略したが、躯体床面26の上に複数の支持脚58を所定の間隔で配置させる。つぎに、各支持脚58の上に複数の第2のフレーム部材80を載置し、第2のフレーム部材80と支持脚58の受け板58a間を接着またはビス留めすることにより、床用内装下地構造56が形成される(図12及び図13参照)。
【0063】
つぎに、躯体内面上部にLバー16を取り付けた後、躯体天井面24に埋設された複数のインサートに羽子板ボルト44を螺合させ、各羽子板ボルト44にTバー18の角材18bをビス留めする。その後、第2のフレーム部材80の一端をLバー16に載せてビス留めすると共に、他端側の上面をTバー18の平板18aに下から当接させ、ビス留めする。また、隣接する第2のフレーム部材80,80同士も、一方の第2のフレーム部材80の縦桟と他方の第2のフレーム部材80の縦桟をビス留めすることにより、天井用内装下地構造42が形成される(図9及び図10参照)。
【0064】
つぎに、図20に示すように、躯体壁面22の上端部及び下端部に取り付けた一対のLバー16, 16間に複数の第2のフレーム部材80を配置していき、その上端部及び下端部を、Lバー16にビス留めする。また、所定の間隔(例えば273mm)をおいて別の第2のフレーム部材80が各Lバー16の平板16aと角材16bとの間に配置され、同様に固定される。この作業を繰り返すことにより、必要な面積を備えた表装壁用内装下地構造34が形成される。この表層壁用内装下地構造34は、910mmモジュールの石膏ボードを、切断などの加工を最小限に抑えて貼りつけることが可能となり、作業の手間を最小限にすることができる。
【0065】
つぎに、天井用内装下地構造42を構成する第2のフレーム部材82の表面にLバー16をビス留めすると共に、床用内装下地構造56を構成する第2のフレーム部材80の表面にもLバー16をビス留めする。この後、各Lバー16の平板16aと角材16bとの間に、複数の第2のフレーム部材80が配置され、第2フレーム部材80とLバー16間がビス留めされる。また、所定の間隔(例えば273mm)をおいて別の第2のフレーム部材80が各Lバー16の平板16aと角材16bとの間に配置され、同様に固定される。この作業を繰り返すことにより、必要な面積を備えた間仕切り壁用内装下地構造74が形成される(図17参照)。この場合も、910mmモジュールの石膏ボードを、切断などの加工を最小限に抑えて貼りつけることが可能となり、作業の手間を最小限にすることができる。
【0066】
なお、表装壁用内装下地構造34に対して間仕切り壁用内装下地構造74を直角に設置する際には、図19に示したように、厚さ9mmの平板92(長さ1820mm)を受け板として表装壁用内装下地構造34を構成する第2のフレーム部材80各横桟間に渡し、間仕切り壁用内装下地構造74の端面(縦桟の外側面)を当接させることが望ましい。
【0067】
各縦桟の長さは、上記のように2055mm〜2255mmに設定されているが、これで必要な長さに達しない場合には、図21に示すように、各縦桟の下端部に必要な長さを備えた延長用角材93を継ぎ足せばよい。この延長用角材93は、角材の一側面に形成された縦溝内に接合用木片94を接続した構造を備えており、この接合用木片94の突出部が、各縦桟の下端部の縦溝84に嵌合・接着される。
また、第2のフレーム部材80が長すぎる場合には、適当な位置で各縦桟を切除し、長さの調整を行うことができる。
【0068】
梁部分や柱出部分の内装下地構造を形成するに際し、第2のフレーム部材80の横幅が余る場合には、図22(a)に示すように、第1の縦桟81(または第3の縦桟83)を一旦取り外し、第1の横桟85〜第3の横桟87(または第4の横桟88〜第6の横桟90)を必要な長さ分だけ切除した上で、図22(b)に示すように、第1の縦桟81(または第3の縦桟83)を各横桟に接合し直せばよい。
【0069】
上記した第2のフレーム部材80を用いて各種内装下地構造を形成する際には、第1のフレーム部材10を用いる場合とは異なる寸法を備えたLバー16及びTバー18が利用される。以下にその寸法の一例を示す。
[Lバー16の寸法]
平板16aの寸法:2255mm(長さ)×60mm(幅)×12mm(厚さ)
角材16bの寸法:2255mm(長さ)×45mm(高さ)×30mm(厚さ)
[Tバー18の寸法]
平板18aの寸法:2255mm(長さ)×120mm(幅)×12mm(厚さ)
角材18bの寸法:2255mm(長さ)×45mm(高さ)×30mm(厚さ)
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】第1のフレーム部材の構成を示す図である。
【図2】Lバー及びTバーの構成を示す図である。
【図3】コンクリート躯体の内面にグラスウールを配置させた状態を示す図である。
【図4】表装壁用内装下地構造を示す断面図である。
【図5】表装壁用内装下地構造の形成過程を示す正面図である。
【図6】表装壁用内装下地構造を示す正面図である。
【図7】第1のフレーム部材の継ぎ足し方法を示す説明図である。
【図8】表装壁用内装下地構造に用いる支持脚を示す斜視図である。
【図9】天井用内装下地構造を示す断面図である。
【図10】天井用内装下地構造を天井面側から観察した平面図である。
【図11】梁用内装下地構造を示す断面図である。
【図12】床用内装下地構造を示す断面図である。
【図13】床用内装下地構造を上方から観察した平面図である。
【図14】床用内装下地構造に用いる支持脚を示す斜視図である。
【図15】床下配管に用いる吊り下げ板を示す斜視図である。
【図16】間仕切り壁用内装下地構造を示す断面図である。
【図17】他の間仕切り壁用内装下地構造を示す断面図である。
【図18】第2のフレーム部材の構成を示す図である。
【図19】第2のフレーム部材の構成を示す断面図である。
【図20】第2のフレーム部材の設置方法を示す図である。
【図21】第2のフレーム部材の継ぎ足し方法を示す説明図である。
【図22】第2のフレーム部材の寸詰め方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0071】
10 第1のフレーム部材
12 縦桟
14a 横桟
14b 横桟
14c 横桟
14d 横桟
14e 横桟
16 Lバー
16a Lバーの平板
16b Lバーの角材
18 Tバー
18a Tバーの平板
18b Tバーの角材
20 躯体
22 躯体壁面
24 躯体天井面
26 躯体床面
28 梁
30 グラスウール
32 駒材
34 表装壁用内装下地構造
36 接合用木片
38 窓枠
40 支持脚
42 天井用内装下地構造
44 羽子板ボルト
50 梁用内装下地構造
52 石膏ボード
56 床用内装下地構造
58 支持脚
62 把持具
64 吊り下げ板
66 配管
68 配管
70 間仕切り壁用内装下地構造
74 間仕切り壁用内装下地構造
76 平板
80 第2のフレーム部材
81 第1の縦桟
82 第2の縦桟
83 第3の縦桟
84 縦溝
85 第1の横桟
86 第2の横桟
87 第3の横桟
88 第4の横桟
89 第5の横桟
90 第6の横桟
91 隙間
92 平板
93 延長用角材
94 接合用木片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に配置された一対の縦桟の内側面間に、複数の横桟を相互に所定の間隔をおいて配置固定させた梯子状のフレーム部材を複数準備し、
躯体壁面の上部及び下部にガイドバーを平行に配置固定し、両ガイドバー間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、表装壁用内装下地構造を形成し、
躯体壁面の上部にガイドバーを配置固定すると共に、躯体天井面からガイドバーを吊り下げ、躯体壁面側のガイドバーと躯体天井面から吊り下げたガイドバーとの間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、天井用内装下地構造を形成し、
躯体床面の表面に複数の支持脚を配置し、各支持脚上に複数の上記フレーム部材を配置することにより、床用内装下地構造を形成し、
上記天井用内装下地構造の下面及び上記床用内装下地構造の上面にガイドバーを平行に配置固定し、両ガイドバー間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、間仕切り壁用内装下地構造を形成することを特徴とする内装下地構造の形成方法。
【請求項2】
平行に配置された一対の縦桟の内側面間に、複数の横桟を相互に所定の間隔をおいて配置固定させた梯子状のフレーム部材を複数準備し、
以下の(1)〜(4)の工程を順不同に実行することを特徴とする内装下地構造の形成方法。
(1) 躯体床面の表面に複数の支持脚を配置し、各支持脚上に複数の上記フレーム部材を配置することにより、床用内装下地構造を形成する。
(2) 躯体壁面の上部にガイドバーを配置固定すると共に、躯体天井面からガイドバーを吊り下げ、躯体壁面側のガイドバーと躯体天井面から吊り下げたガイドバーとの間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、天井用内装下地構造を形成する。
(3) 躯体壁面の上部及び下部にガイドバーを平行に配置固定し、両ガイドバー間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、表装壁用内装下地構造を形成する。
(4) 上記天井用内装下地構造の下面及び上記床用内装下地構造の上面にガイドバーを平行に配置固定し、両ガイドバー間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、間仕切り壁用内装下地構造を形成する。
【請求項3】
相互に所定の間隔をおいて平行に配置させた3本の縦桟の対向面間に、複数の横桟を相互に所定の間隔をおいて配置させ、各縦桟の対向面に形成された縦溝に各横桟の端面を接合させたフレーム部材を複数準備し、
以下の(1)〜(4)の工程を順不同に実行することを特徴とする内装下地構造の形成方法。
(1) 躯体床面の表面に複数の支持脚を配置し、各支持脚上に複数の上記フレーム部材を配置することにより、床用内装下地構造を形成する。
(2) 躯体壁面の上部にガイドバーを配置固定すると共に、躯体天井面からガイドバーを吊り下げ、躯体壁面側のガイドバーと躯体天井面から吊り下げたガイドバーとの間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、天井用内装下地構造を形成する。
(3) 躯体壁面の上部及び下部にガイドバーを平行に配置固定し、両ガイドバー間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、表装壁用内装下地構造を形成する。
(4) 上記天井用内装下地構造の下面及び上記床用内装下地構造の上面にガイドバーを平行に配置固定し、両ガイドバー間に複数の上記フレーム部材を配置し、各フレーム部材と各ガイドバー間を固定することにより、間仕切り壁用内装下地構造を形成する。
【請求項4】
上記の躯体壁面に複数の駒板を所定の間隔をおいて接着しておき、各駒板にガイドバーを接着またはビス留めすることにより、各ガイドバーの固定がなされることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の内装下地構造の形成方法。
【請求項5】
事前に躯体の壁面、天井面及び床面に断熱材が配置固定されることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の内装下地構造の形成方法。
【請求項6】
上記の各内装下地構造を形成した後に、各フレーム部材の横桟と躯体表面との間に形成される狭小空間に断熱材を挿入配置させることを特徴とする請求項3または4に記載の内装下地構造の形成方法。
【請求項7】
上記間仕切り壁用内装下地構造の形成に際し、上記ガイドバーとして平板の中央に角材を固定した断面T字形状のTバーを用い、
各Tバーの角材の両側にそれぞれ上記のフレーム部材を配置固定させることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の内装下地構造の形成方法。
【請求項8】
上記床用内装下地構造の形成に際し、上記支持脚として脚部の突出量可変のものを用い、各支持脚の突出量を調整することにより、躯体床面のレベル調整を行うことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の内装下地構造の形成方法。
【請求項9】
上記表装壁用内装下地構造の形成に際し、上記フレーム部材と躯体壁面との間に、脚部の突出量が可変の支持脚を複数配置させ、各支持脚の突出量を調整することによって躯体壁面のレベル調整を行うことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の内装下地構造の形成方法。
【請求項10】
1または複数の配管把持手段を備えた吊り下げ板を、上記床用内装下地構造を構成するフレーム部材に複数取り付け、各吊り下げ板の配管把持手段に配管を装着することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の内装下地構造の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−252377(P2011−252377A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102713(P2011−102713)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(507317845)
【Fターム(参考)】