説明

円筒形液封防振装置

【課題】液柱共振による減衰特性のピークをブロード化することによって、様々な条件の変化によって共振周波数が変動した場合においても良好に対応し、振動減衰することのできる円筒形液封防振装置を提供する。
【解決手段】剛性の外筒部材12及び内筒部材14と、ゴム弾性体16と、主液室32及び副液室34と、主液室32及び副液室34間で液を流動させるオリフィス流路36と、オリフィス流路36の後端部と副液室34とを連通させる副液室側の主開口40と、オリフィス流路36内の液の一部を主開口40を通過して後方にリークさせるリーク流路42と、主開口40を通じて連通した副液室34と同じ副液室34にリーク流路42を連通させ、リーク流路42にリークした液を同じ副液室34に流入させるリーク開口44とを設けて円筒形液封防振装置10を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はエンジンマウントその他として好適な円筒形防振装置、詳しくは内部に液を封入し、その液の流動による減衰を利用して振動絶縁をなす円筒形液封防振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来エンジンマウントその他の防振装置として内部に液を封入し、その液の流動による減衰を利用して振動絶縁を行うようになした円筒形液封防振装置、詳しくは剛性の外筒部材及び内筒部材と、それら外筒部材及び内筒部材間に介在するゴム弾性体と、そのゴム弾性体内に互いに独立して設けられた主液室及び副液室と、オリフィス流路とを備え、そのオリフィス流路を通じて主液室から副液室に若しくはその逆に、それら液室内に封入された液を流動させて、その際の液の流動による減衰を利用して振動絶縁をなすようにした円筒形液封防振装置が用いられている。
【0003】
図8,図9はその具体例を示している。
図中202は円筒形液封防振装置200における外筒金具(剛性の外筒部材)で、204は内筒金具(剛性の内筒部材)、206はそれらの間に介在するゴム弾性体である。
【0004】
この円筒形液封防振装置200は、ゴム弾性体206内に互いに独立して設けられた主液室208と副液室210とを有しており、更に主液室208から副液室210に若しくはその逆に、それら液室208,210内に封入された液を流動させるオリフィス通路212が、外筒金具202の内周に沿って周方向に設けられている。
【0005】
図中214は、オリフィス通路212の主液室208側の端部を前端部、副液室210側の端部を後端部としたとき、その前端部と主液室208とを連通させる主液室208側の主開口で、216はオリフィス通路212の後端部と副液室210とを連通させる副液室210側の主開口である。
【0006】
ここで副液室210は、図中右側の右分室210Aと左側の左分室210Bとが広く形成されているが、それらは連絡部210Cで互いに連絡されており、全体として1つの副液室210を形成している。
【0007】
オリフィス流路212から副液室210への液の流入抵抗は、副液室210の大きさによって左右され、副液室210が小さいとその流入抵抗が大きくなって、オリフィス流路212における液の流動が抑制されてしまう。
そこで、ここでは流入抵抗を可及的に小さくすべく副液室210を右分室210Aと左分室210B及び連絡部210Cとによって大きく形成している。
【0008】
この円筒形液封防振装置200は、オリフィス流路212を通じて液を流動させることにより、詳しくは液柱共振によって振動を減衰し防振作用をなす。
例えば液柱共振の振動周波数をエンジンシェイクの共振周波数(例えば8Hz程度)に合わせておく(チューニングしておく)ことで、エンジンシェイクを良好に抑制することができる。
【0009】
しかしながらエンジンシェイクを起す周波数は車両の相違その他の条件の変化によって変動する。
これに対して上記円筒形液封防振装置200は、予め液柱共振の共振周波数が一定に固定されており、このため車両の相違その他の条件の変化によって共振周波数が変動した場合において、これに良好に対応することができないといった問題があった。
以上エンジンシェイクを例として説明したが、同様の問題はその他各種の振動に対して防振作用をなすに際しても同様に生じる問題である。
【0010】
このような中にあって、液柱共振に基づく減衰特性のピークをブロード化でき、幅広い周波数領域で減衰作用を発揮し得て、車両の相違その他の条件の変化によって共振周波数が変動した場合でも良好に対応することのできる円筒形液封防振装置の実現が求められていた。
【0011】
尚、下記特許文献1,特許文献2,特許文献3,特許文献4には円筒形液封防振装置についての発明が開示されている。
しかしながらこれらは互いに分断状態で独立に設けた2つの副液室に対して主液室から液を流入させるものであったり、或いは副液室が1つである場合には、互いに独立した2つのオリフィス流路を通じて液を流入させたりするもので、何れも本発明の課題を解決することのできない、本発明とは異なったものである。
【0012】
【特許文献1】特許第2631590号
【特許文献2】特公平3−30736号公報
【特許文献3】特公平7−99186号公報
【特許文献4】特許第2750850号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は以上のような事情を背景とし、液柱共振による減衰特性のピークをブロード化することによって、様々な条件の変化によって共振周波数が変動した場合においても良好に対応し得、振動減衰することのできる円筒形液封防振装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
而して請求項1のものは、(a)剛性の外筒部材及び内筒部材と、(b)それら外筒部材及び内筒部材間に介在するゴム弾性体と、(c)該ゴム弾性体内に互いに独立して設けられた主液室及び副液室と、(d)前記外筒部材の内周面と前記ゴム弾性体の該副液室側の外周面との間に、該外筒部材の内周に沿って周方向に形成され、前記主液室から副液室に若しくはその逆に、それら液室内に封入された液を流動させるオリフィス流路と、(e)該オリフィス流路の前記主液室側の端部を前端部、前記副液室側の端部を後端部としたとき、該オリフィス流路の後端部と該副液室とを連通させる副液室側の主開口と、(f)該オリフィス流路の後端部から更に周方向且つ後方向に延出形成され、前記主液室から該副液室に向う前記オリフィス流路内の液の一部を前記主開口を通過して後方にリークさせるリーク流路と、(g)前記主開口を通じて連通した前記副液室と同じ副液室に前記リーク流路を連通させ、該リーク流路にリークした液を該同じ副液室に流入させるリーク開口と、を有していることを特徴とする。
【0015】
請求項2のものは、請求項1において、前記オリフィス流路の流路断面積をA、前記リーク流路の流路断面積をBとしたときB≧Aであることを特徴とする。
【0016】
請求項3のものは、請求項1において、前記オリフィス流路の流路断面積をA、前記リーク流路の流路断面積をBとしたときB<Aであることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0017】
以上のように本発明は、オリフィス流路の後端部から更に周方向且つ後方向に向ってリーク流路を延出形成し、主液室から副液室に向かうオリフィス流路内の液の一部を、副液室に開口する主開口を通過して後方にリークさせるとともに、オリフィス流路からそのリーク流路にリークした液を、リーク開口を通じて同じ副液室に流入させるようになしたものである。
【0018】
図8,9に示す円筒形液封防振装置200の場合、液柱共振時において主液室からオリフィス流路を副液室に向かう液は、その全てが発生した液圧に基づいて副液室側の主開口216を通じて副液室210内部に流入する。
しかるに上記リーク流路及びリーク開口を設けた本発明の円筒形液封防振装置の場合、主液室からオリフィス流路に流入した液の一部が副液室側の主開口を通過して後方向に延びるリーク流路内にリークせしめられる。
【0019】
即ちオリフィス流路において液を流動させるための液圧がリーク流路側にリークするのであり、その結果オリフィス流路を流れる液の流速が低く変化して、液柱共振に基づく減衰特性のピーク値即ち減衰係数が若干低くなるものの、ピーク自体がブロード化し、幅広い周波数領域に亘って振動減衰作用を行うようになる。
【0020】
従って本発明によれば、車輌その他の条件の変化によって制振を目的とする特定モードの振動の共振周波数が設定値から高周波数側或いは低周波数側にシフトしても、良好にその振動を抑制することが可能となる。
【0021】
尚、本発明においてオリフィス流路の流路断面積Aに対してリーク流路の流路断面積Bを同等とした時点で、リーク流路を設けたことによる効果はほぼ飽和し、それ以上リーク流路の流路断面積Bを大きくしても減衰特性のブロード化の効果は特にそれ以上大きくはならない。
【0022】
即ちリーク流路の流路断面積Bを、オリフィス流路の流路断面積Aと同等以上とすることによって、最大の減衰特性のブロード化の効果が得られる(請求項2)。
これは、リーク流路の流路断面積Bをオリフィス流路の流路断面積Aと同等以上とすることによって、オリフィス流路に流れ込む液の量に対してリーク流路にリーク可能な量がそれよりも多くなり、従ってそれ以上リーク量を多くしても、効果の点でほぼ同等であることによる。
【0023】
また同様にリーク流路に流入した液を副液室に流入させることができれば、リーク開口は1つであっても2つであってもその効果の点でほぼ同等である。
一方リーク流路の流路断面積Bを、オリフィス流路の流路断面積Aよりも小さくした場合、その流路断面積Bを様々に変えることによってリーク量をコントロールすることができ、これによって減衰特性のピークのブロード化の程度を、目的に応じて様々にコントロールすることが可能となる(請求項3)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1〜図6において、10は本実施形態の円筒形液封防振装置で、図1,図3,図4及び図5に示しているように外筒金具(剛性の外筒部材)12と、内筒金具(剛性の内筒部材)14と、それらの間に介在せしめられたゴム弾性体16とを有している。
【0025】
ここでゴム弾性体16は、内筒金具14に一体に加硫接着されている。
このゴム弾性体16は、図4において内筒金具14と外筒金具12とを左右方向に連絡するブリッジ部18と、図5において内筒金具14と外筒金具12とを上下方向に連絡し、内側に後述の主液室32を形成する壁部20とを有している。
【0026】
このゴム弾性体16の外周部には金属スリーブ22が一体に加硫接着されており、この金属スリーブ22の外周面には、シールゴム層24が形成されている。図1に示しているように、ゴム弾性体16は、内周面に対して内筒金具14が、外周面に対して金属スリーブ22が、それぞれ加硫接着されてなる一体加硫成形品11とされている。そして、オリフィス形成金具46が一体加硫成形品11の副液室34側の外周面に組み付けられた後、液中にて外筒金具12が一体加硫成形品11の外周面に挿入され、外筒金具12が縮径加工により、組み付け固定されている。
【0027】
この円筒液封防振装置10にはまた図1,図3,図4及び図5に示しているように、内筒金具14から外筒金具12に向って図中上向きに突出するバウンドストッパ26が設けられており、更にその反対側においてリバウンドストッパ28が図中下向きに突出する形態で設けられている。
【0028】
また図4及び図5に詳しく示しているように、内筒金具14と金属スリーブ22との間の部分には、軸方向に貫通するすぐり部(凹所)30が設けられており、このすぐり部(凹部)30と副液室34との間には、ゴム弾性体16の一部が薄肉化されて副液室34の隔壁を構成するゴムダイヤフラム35,35が形成されている。
この円筒形液封防振装置10は、ゴム弾性体16内に互いに独立して設けられた主液室32と副液室34、詳しくは図中上側に設けられた主液室32と下側に設けられた副液室34とを有しており、更に主液室32から副液室34に若しくはその逆に、それら液室32,34内に封入された液を流動させるオリフィス流路36が、外筒金具12の内周面とゴム弾性体16の副液室34側の外周面との間に、外筒金具12の内周に沿って周方向に設けられている。
【0029】
ここで副液室34は、図4(A)に詳しく示しているように図中右側の右分室34Aと、左側の左分室34Bとが広く形成されているが、それらが連絡部34Cで互いに連絡されており、全体として一つの大きな副液室34を形成している。
尚これら右分室34A及び左分室34Bは、それぞれゴムダイヤフラム35の内側に形成されている。
【0030】
上記オリフィス流路36は、主液室32側の端部を前端部、副液室34側の端部を後端部としたとき、その前端部において主液室32側の主開口38を通じて主液室32に連通し、また後端部が副液室34側の主開口40を通じて副液室34に、具体的には図中右側の右分室34Aに連通させられている。
【0031】
上記オリフィス流路36の後端部からは、更に周方向且つ後方向(図4中左方向)に向ってリーク流路42が延出形成されている。このリーク流路42は、主液室32から副液室34に向うオリフィス流路36内の液の一部を主開口40を通過して後方にリークさせるものである。
【0032】
このリーク流路42は副液室34における左側分室34Bまで延びており、そしてその後端部がリーク開口44を通じて左分室34B、即ちオリフィス流路36の連通しているのと同じ副液室34に連通させられている。
【0033】
リーク流路42にリークした液は、このリーク開口44を通じて副液室34内に流入する。
本実施形態において上記リーク流路42は、図6に示しているようにその流路断面積Bが、オリフィス流路36の流路断面積Aと同等とされている。
【0034】
図2において46は外筒金具12,内筒金具14,ゴム弾性体16等とは別体に構成された、略半円形状を成す流路形成金具で、図5(B)に示しているように断面形状が浅い樋状をなしており、副液室34側の金属スリーブ22と外筒金具12の内周面との間に組み付けられている。
【0035】
上記オリフィス流路36,リーク流路42更に主開口40及びリーク開口44はこの流路形成金具46にて形成されている。
尚、流路形成金具46と金属スリーブ22及び外筒金具12との間はシールゴム部50にて水密にシールされている。
【0036】
本実施形態の円筒形液封防振装置10は例えばこれをエンジンマウントとして用いるとき、外筒金具12が車体側に、内筒金具14がエンジン側に固定され、ゴム弾性体16の弾性変形及び液室内の液の流動による減衰に基づいてそれらの間で振動吸収作用をなす。
【0037】
ここで液の流動は次のようにして生ずる。
即ち、内筒金具14が外筒金具12に対して相対的に図4中上向きに移動すると、主液室32の容積の減少に伴って主液室32内の液が主開口38からオリフィス流路36に流入してオリフィス流路36を流動し、そしてその後端部から副液室34側の主開口40を通じて副液室34内に、具体的には図4中右側の右分室34A内に流入する。
一方内筒金具14がこれとは逆向き即ち外筒金具12に対して図中下向きに相対移動すると、今度は副液室34内の液がオリフィス流路36を通じて主液室32内に流入する。
【0038】
このオリフィス流路36における液の往復流動は、内筒金具14の外筒金具12に対する相対変位の速さ即ち周波数に応じて速くなり、或る周波数の下でその流動が最も速くなってオリフィス流路36内の液が液柱共振を生じる。
【0039】
そしてこのとき、液の流動による減衰作用も液柱共振に基づいて最も大となる。即ちこの液柱共振時において図7に示す減衰特性曲線がピークを示す。
尚図7において横軸は周波数を、縦軸は減衰係数を表している。
通常この種円筒形液封防振装置10は、振動減衰を目的とする周波数に併せて液柱共振の周波数をチューニングする。
【0040】
例えばエンジンシェイクを抑制したい場合において、そのエンジンシェイクの共振周波数が約8Hz程度であるとすると、液柱共振の共振周波数が8Hzとなるようにチューニングをする。
図8,図9に示す従来の円筒形液封防振装置200の場合、液柱共振の共振周波数をその8Hz程度にチューニングすると、図7中Bに示しているようにピーク値(減衰係数のピーク値)は大となるものの、その周波数を外れたところでは減衰係数は急激に小さくなる。即ち減衰作用が大きく低下する。
【0041】
これに対して本実施形態の円筒形液封防振装置10の場合、オリフィス流路36に続いてリーク流路42を設け、またリーク開口44を設けることによって、図7中Aに示すようにその減衰特性曲線をブロード化することができる。
即ち減衰特性曲線Aのピーク値は従来品のピーク値に較べて低くなるものの、減衰特性曲線Aの広がりは減衰特性曲線Bに較べて大きくなり、ピーク値以外の周波数領域においても大きな減衰作用を発揮する。
【0042】
このように本実施形態の円筒形液封防振装置10において、減衰特性のブロード化が生ずるのは次のような理由に基づく。
図8,9に示す円筒形液封防振装置200の場合、液柱共振時において主液室208からオリフィス流路212を副液室210に向かう液は、その全てが発生した液圧に基づいて主開口216を通じ副液室210内部に流入する。
【0043】
しかるに上記リーク流路42及びリーク開口44を設けた本実施形態の円筒形液封防振装置10の場合、オリフィス流路36の液の一部が主開口38より後方向に延びるリーク流路42内にリークせしめられる。
【0044】
即ちオリフィス流路36において液を流動させるための液圧がリーク流路42側にリークするのであり、その結果オリフィス流路36を流れる液の流速が低く変化し、またその結果として液柱共振に基づく減衰特性、詳しくは減衰係数のピーク値が若干低くなるもののピーク自体がブロード化し、幅広い周波数領域に亘って振動減衰作用を行うようになる。
【0045】
従って本実施形態の円筒形液封防振装置10によれば、車輌その他の条件の変化によって目的とする振動の共振周波数が設定値から高周波数側或いは低周波数側にシフトしても、良好にその振動を抑制することが可能となる。
【0046】
尚本実施形態においてオリフィス流路36の流路断面積Aに対してリーク流路42の流路断面積Bを同等とした時点で、リーク流路を設けたことによる効果はほぼ飽和し、それ以上リーク流路の流路断面積Bを大きくしても、減衰特性のブロード化の効果はそれ以上特に大きくはならない。
即ちリーク流路42の流路断面積Bを、オリフィス流路36の流路断面積Aと同等以上とすることによって、最大の減衰特性のブロード化の効果が得られる。
これはリーク流路42の流路断面積Bを、オリフィス流路36の流路断面積Aと同等以上とすることによって、オリフィス流路36に流れ込む液の量に対し、リーク流路42にリーク可能な量が多くなり、それ以上リーク量を多くしても効果の点でほぼ同等であることによる。
【0047】
また同様にリーク流路42に流入した液を副液室34に流入させることができれば、リーク開口は1つであっても2つであってもその効果の点でほぼ同等である。
一方リーク流路42の流路断面積Bを、オリフィス流路36の流路断面積Aよりも小さくした場合、その流路断面積Bを様々に変えることによってリーク量をコントロールすることができ、これによって減衰特性のピークのブロード化の程度を目的に応じて様々にコントロールすることができる。
【0048】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態の円筒形液封防振装置を各部品に分解して示す分解(一部切欠)斜視図である。
【図2】図1の円筒形液封防振装置の流路形成金具を外した状態で示す斜視図である。
【図3】同じ円筒形液封防振装置の一部切欠側面図である。
【図4】図3におけるウ−ウ断面図及びエ−エ断面図である。
【図5】同じ円筒形液封防振装置の側面断面図である。
【図6】同じ円筒形液封防振装置の底面図(外筒金具を除く)である。
【図7】同じ円筒形液封防振装置の減衰特性を従来例と比較して示す図である。
【図8】従来の円筒形液封防振装置の図である。
【図9】図8のア‐ア断面図及びイ−イ断面図である。
【符号の説明】
【0050】
10 円筒形液封防振装置
11 一体加硫成形品
12 外筒金具
14 内筒金具
16 ゴム弾性体
32 主液室
34 副液室
36 オリフィス流路
40 主開口
42 リーク流路
44 リーク開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)剛性の外筒部材及び内筒部材と
(b)それら外筒部材及び内筒部材間に介在するゴム弾性体と
(c)該ゴム弾性体内に互いに独立して設けられた主液室及び副液室と
(d)前記外筒部材の内周面と前記ゴム弾性体の該副液室側の外周面との間に、該外筒部材の内周に沿って周方向に形成され、前記主液室から副液室に若しくはその逆に、それら液室内に封入された液を流動させるオリフィス流路と
(e)該オリフィス流路の前記主液室側の端部を前端部、前記副液室側の端部を後端部としたとき、該オリフィス流路の後端部と該副液室とを連通させる副液室側の主開口と
(f)該オリフィス流路の後端部から更に周方向且つ後方向に延出形成され、前記主液室から該副液室に向う前記オリフィス流路内の液の一部を前記主開口を通過して後方にリークさせるリーク流路と
(g)前記主開口を通じて連通した前記副液室と同じ副液室に前記リーク流路を連通させ、該リーク流路にリークした液を該同じ副液室に流入させるリーク開口と
を有していることを特徴とする円筒形液封防振装置。
【請求項2】
請求項1において、前記オリフィス流路の流路断面積をA、前記リーク流路の流路断面積をBとしたときB≧Aであることを特徴とする円筒形液封防振装置。
【請求項3】
請求項1において、前記オリフィス流路の流路断面積をA、前記リーク流路の流路断面積をBとしたときB<Aであることを特徴とする円筒形液封防振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−97788(P2006−97788A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−284886(P2004−284886)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】