説明

円錐状に収束する光ガイドを備える発光ダイオードランプ

【課題】 従来技術の欠点を無くし、LED光源の自動車用途を広げることである。
【解決手段】 中心軸線18を備えるキャビティを画定する内側壁16により包囲されたベース部14を有する支持体12を含み、複数のLED光源20が内側壁16により支持され、全体的に、光を中心軸線18に配向するように方向付けされる。中心軸線18の周囲には中央部材22が位置決めされ、LED光源20から受けた光を途中で遮断し、次いで全体的に中心軸線18と平行な方向23に反射するべく形状付けられ且つ位置決めした第1反射面24を有する。各LED光源20に隣り合って位置付けた1つ以上の光学ガイド26が、光を中心部材22に向けて配向する内側反射面28を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件出願は2004年6月17日に提出された米国仮出願特許番号第60/580,411号の優先権を主張するものである。
本発明は光源に関し、詳しくは、発光ダイオード(単数あるいは複数のLED)を用いる光源に関し、更に詳しくは、自動車の、例えばヘッドライト、テールライト、ストップライト、フォグライト、方向指示器のような、自動車分野で使用される光源に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大抵の自動車用光源には白熱球の使用が関与される。白熱球は動作が良好で安価でもあるが寿命が比較的短く、使用されるフィラメントが細いために、当然ながら、振動を受けると破損する。
近年、自動車光源用途の幾つか、詳しくはストップランプはLEDに代替されつつある。これらの半導体光源の寿命範囲は100,000時間という驚くべきものであり、振動によって破損することもない。自動車用光源の用途をその他の範囲に拡げる、特には、光の放出を特定目的のために適切に制御することができれば斯界における発展が期待される。
【0003】
【特許文献1】米国仮出願特許番号第60/580,411号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の欠点を無くし、LED光源の自動車用途を広げることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一様相によれば、中心軸線を有するキャビティを画定する内側壁により包囲された、ベース部を有する支持体と、内側壁に支持され且つ全体的に光を中心軸線方向に配向するべく意図された複数のLED光源と、LED光源から受けた光を途中で遮るべく形状付けされ且つ位置決めされた第1反射面を備える中心部材と、を含むランプ構成部品が提供される。単一の光学部品に向けた複数のLED光源を使用することで、照射する光の色及び強度の優れた制御が可能となる。上記構成によれば、放熱を効率化するべくLED光源をヒートシンクに取り付けることも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図面を参照して本発明を詳しく説明するに、図1には本発明のランプ構成部品10が示され、中心軸線18を備えるキャビティを画定する内側壁16により包囲された、ベース部14を有する支持体12を含んでいる。複数のLED光源20が内側壁16により支持され、全体的に、光を中心軸線18に配向するように方向付けされている。中心軸線18の周囲には中心部材22が位置決めされ、LED光源20から受けた光を途中で遮断し、次いで全体的に中心軸線18と平行な方向23に反射するべく形状付けされ且つ位置決めされた第1反射面24を有している。
ランプ構成部品10には更に、各LED光源20に隣り合って位置付けた1つ以上の光学ガイド26が含まれる。各光学ガイド26は、光を中心部材22に向けて配向する内側反射面28を有する。
【0007】
ランプ構成部品10には、各LED光源20に隣り合って位置付けた1つ以上の光学ガイド26が含まれ、各光学ガイド26は光を中心部材22に向けて配向する反射面28を有している。光学ガイドは、各LED光源に隣り合う入口面30と、この入力面から離間され、LED光源及び内側反射面28からの光を第1反射面24に送る出口窓32とを備えた光伝達性の中実胴部27を有する。
【0008】
各光学ガイド26は個別のユニットであり得、あるいは図2に示すように、支持体12内に一度に嵌入させ得るような共成型ユニット形態の単一部材50として提供され得る。
【0009】
受けたLED光源からの光を番号33で示すように外側の第1反射面に向けて通過させる出口窓32には、第1反射面24の方向で光を収束させるためのレンズ34を設けることができる。
【0010】
図4を参照するに、中実胴部を備える前記光学ガイドの代替品が示される。各代替品では、各光学ガイドはLED光源20からの光を受けるための、各LED光源20に隣り合う入口開口30aを備えた中空の反射体36であり得、LED光源20からの光を出口窓32aに、次いで第1反射面24へと配向する内側反射面28aを有する。中空の反射体36は、光を番号33で示す方向でレンズ34に向けて外側に配向し、第1反射面24の方向で収束させるためにも用い得る。
【0011】
図5には更に他の実施例が示される。本実施例ではLED光源がベース部14に取り付けられ、中心軸線18と平行な第1方向に放出される光が、中心部材22を横断する方向に配向され、この光が再度、中心軸線18と平行な番号23で示す方向に方向変換される。本実施例ではサイドエミットLEDを使用することができる。
支持体12は、LED光源から発生する熱をランプ構成部品から離れた部分に伝達するものとして既知の放熱特徴部分を含む。
ここに開示された任意のあるいは全ての実施例において、光学要素40のスパン長は第1反射体22の軸方向投影図の範囲を跨ぐようなものである。光学要素は光ファイバー、レンズ、光パイプその他の、光配向媒体あるいは光増強用媒体であり得る。
【0012】
本発明の好ましい実施例では、LED光源20は、印刷回路基板であり得るキャリヤ44の内側面42に取り付けられ、光学ガイド26は、キャリヤ44に摺動自在に嵌着させ得る反射体50として実質的に共形成される。先に言及したように、反射体50を使用することで、各LED光源と、その光学ガイドとにおける整合作業が極めて簡略化される。
中心部材22の外側形態を適宜に選択することにより追加的な補強を施し得る。例えば、図6に示す中心部材22は純円錐形態のものであり得る。あるいは、図7に示す中心部材22aは多角形側面を有する円錐形態であり得、図8に示す中心部材22bはホタテ貝状の側面を有する多角形円錐形態のものであり得る。
【0013】
かくして、本発明によれば、自動車用途へのLED光源の使用を増長させるのみならず、その他の分野においても有用なランプ構成部品が提供される。複数のLED光源は多重カラーあるいは単一カラーのものであり得、LED光源から放出される光は、光をもっと複雑に用いることができるように形態を変化させた光学要素に差し向けられ得る。ランプ構成部品は効率的且つ製造コスト的に経済的である。LED光源には、その幅が広い故に、光を共通ビームに集約させる一方で良好な放熱が提供されるという追加的な利益もある。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例の概略断面図である。
【図2】図1の実施例の平面図である。
【図3】別態様における本発明の実施例の断面図である。
【図4】本発明の更に他の実施例の断面図である。
【図5】本発明の更に他の実施例の断面図である。
【図6】本発明と共に使用することのできる光学反射体の平面図である。
【図7】別態様における光学反射体の図6と類似の平面図である。
【図8】別態様における光学反射体の図6と類似の平面図である。
【符号の説明】
【0015】
10 ランプ構成部品
12 支持体
14 ベース部
18 中心軸線
20 LED光源
22 中心部材
24 第1反射面
26 光学ガイド
27 中実胴部
28 内側反射面
30 入口面
32 出口窓
40 光学要素
44 キャリヤ
50 反射体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線を有するキャビティを画定する内側壁により包囲された、ベース部を有する支持体と、内側壁に支持され且つ全体的に光を中心軸線方向に配向するべく意図された複数のLED光源と、LED光源から受けた光を途中で遮るべく形状付けされ且つ位置決めされた第1反射面を備える中心部材と、を含むランプ構成部品。
【請求項2】
各LED光源に隣り合って位置付けられた1つ以上の光学ガイドにして、光を中心部材に向けて配向する反射面を有する光学ガイドを更に含む請求項1のランプ構成部品。
【請求項3】
光学ガイドが光伝達性の中実胴部を有し、該中実胴部が、LED光源からの光を受けるための、各LED光源に隣り合う入口表面と、受けた光を配向するための内側反射面と、LED光源及び内側反射面からの光を中心部材の第1反射面に伝達する出口窓と、を有する請求項2のランプ構成部品。
【請求項4】
LED光源から受けた光を、外側の中心部材の第1反射面に向けて配向するように通過させる出口窓が、光を第1反射面の方向に収束させるレンズを有している請求項3のランプ構成部品。
【請求項5】
光学ガイドが、各LED光源からの光を受けるための、各該LED光源に隣り合う入口開口と、受けたLED光源からの光を配向するための内側反射面と、前記LED光源からの光及び前記内側反射面からの光を第1反射面に伝達するための出口窓と、を備えた中空の反射体である請求項2のランプ構成部品。
【請求項6】
中空の反射体が、外側の中心部材の第1反射面の方向に光を収束するレンズに向けて光を配向する請求項5のランプ構成部品。
【請求項7】
支持体がLED光源からの熱を伝導するための放熱用部分を含んでいる請求項1のランプ構成部品。
【請求項8】
第1反射面の軸線方向の突出部分を跨ぐ光学要素を更に含む請求項1のランプ構成部品。
【請求項9】
光学要素が光ファイバーである請求項8のランプ構成部品。
【請求項10】
光学要素がレンズである請求項8のランプ構成部品。
【請求項11】
光学要素が光パイプである請求項8のランプ構成部品。
【請求項12】
LED光源がキャリヤの内側面に取り付けられ、光学ガイドが、キャリヤに摺動自在に嵌着する反射体として実質的に共形成される請求項1のランプ構成部品。
【請求項13】
ランプ構成部品であって、
支持体により各支持された複数のLED光源にして、中心軸線の周囲に全体に環状に配列され且つ、光を前記中心軸線と平行方向に送るべく全体的に方向付けされたLED光源と、1つ以上の各LED光源から放出される光を途中で遮断し且つ該光を中心部材に向けて前記中心軸線を横断する方向に反射するべく位置決めされ且つ方向付けされた反射面を有する少なくとも1つの反射体とを含み、前記中心部材が、LED光源から受けた反射光を途中で遮断し且つ、該受けた反射光を前記中心軸線と平行な方向に全体的に反射させるべく形状付けされ且つ位置決めされた第1反射面を有しているランプ構成部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−4935(P2006−4935A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−175079(P2005−175079)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【出願人】(394001685)オスラム・シルバニア・インコーポレイテッド (68)
【Fターム(参考)】