説明

再剥離性圧着記録用紙

【課題】 耐UV性能および印刷・印字性能に加えて、180℃で30分の熱負荷に耐える耐熱性能を有する再剥離性圧着記録用紙の提供。
【解決手段】感圧接着剤組成物が、共役ジエン系単量体とエチレン系不飽和単量体を乳化重合させて得られたものであり、そのゲル分が50%以下で、かつそのガラス転移温度(Tg)が−50未満〜−80℃である共重合体のラテックスと、アルカン酸ビニルとエチレンとのアルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンの存在下でエチレン性不飽和単量体のシード重合によって得られるエチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンを、固形分重量比1:9〜9:1で混合した感圧接着剤組成物100重量部(固形分)と、微粒子充填剤30〜200重量部(固形分)を含有することを特徴とする再剥離性圧着記録用紙によって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐酸化劣化性能、耐熱性能、耐UV性能、耐ブロッキング性能、印刷性能、印字性能及び圧着性能に優れ、空気中に放置されたり、加熱されたり、紫外線(UV)を照射されたりしても接着力が低下しにくい再剥離性圧着記録用紙の提供である。
【背景技術】
【0002】
近年、銀行、クレジット会社、保険会社、官庁等から各個人宛に貯金、残金状況等個人情報を通知する手段として、親展はがきが普及している。親展はがきは基材に感圧接着剤を塗布した後、共通情報はオフセット印刷、グラビア印刷等で行い(酸化重合インキタイプ、UV硬化型インキタイプ)、個人情報はレーザービーム方式、インクジェット(IJ)方式等で印刷した後、印刷面同士を適度の圧力を加えることで接着させ、各個人に郵送された後、再剥離することで情報を得ることができる。
【0003】
従来、感圧接着剤には、主にメタクリル酸メチルグラフト共重合天然ゴム系接着剤が主に使用されてきたが、耐紫外線(UV)性能、耐湿性能、耐熱性能に劣る為、オフセット印刷時のUV照射により接着力が低下し、また黄変化、接着力の低下、硬化に代表されるように経時的に劣化する(以下老化現象という)ものであり、その性能変化は著しい。そのため郵送中等に自然に剥離し第3者の目に情報がふれ、親展はがきとしての本来の機能を果たさなくなる問題があった。そこで接着性能を改善するため、天然ゴム系接着剤の代替として安定性が高いスチレン−ブタジエンゴム(SBR)系樹脂やエチレン−酢酸ビニル系樹脂を接着剤として用いることが提案されている。(特許文献1〜3参照)
しかしSBR系接着剤は、天然ゴム系接着剤よりも安定性は高いが、欠点として、オフセット印刷時のUV照射をする際に分子中の不飽和結合が壊される為に分子構造が変化し接着性能等が低下する等の問題がある。またSBR系接着剤は親水性が低い為に、配合量が増加するとIJ適性が低下する問題もある。
【0004】
エチレン−酢酸ビニル系接着剤は、耐UV性能やIJ適性には優れているが、欠点として、工程上の加熱により接着性能が低下したり、オフセット印刷工程において使用されるインキの成分が、樹脂中の未反応アクリルモノマーと反応しやすいため、圧着を行った際に印刷された部分のインキが反対面の塗工層と反応して転写を生じてしまう為に、内容が読みにくくなったりする等の問題がある。さらにエチレン−酢酸ビニル接着剤は耐水性が劣るという問題がある為、湿度による水分によって経時で剥離強度が低下する等の問題がある。
【0005】
本発明者は、特願2004−306721号において、−50℃〜0℃のガラス転移温度(Tg)のスチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン(SBRラテックス)と、下記一般式で表されるアルカン酸ビニル及びエチレンの共重合体エマルジョンの存在下で、エチレン性不飽和単量体のシード重合によって得られるエマルジョンとを固形分重量比0.5:9.5〜7:3で混合した接着剤基材と、微粒子充填剤を含有することを特徴とする再剥離性圧着記録用紙を提案している:

| ‖
−C−C−O−CH=CH


(式中、R、R及びRは、それらの合計の炭素数が6以上の直鎖のアルキル基であって少なくとも1つはメチル基を表す。)
この再剥離性圧着記録用紙は、耐UV性能に加えて印刷・印字性能も優れており、140℃で30分の熱負荷に耐える程度の耐熱性能を有している。しかし、最近、180℃で30分の熱負荷に耐える再剥離性圧着記録用紙が要求されてきている。
【特許文献1】特開2000−318353号公報(0001、0008〜0025段落)
【特許文献2】特開2001−335762号公報(0001、0006〜0033段落)
【特許文献3】特開2003−160764号公報(0001、0007〜0015段落)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、従来の問題を解決し、耐UV性能および印刷・印字性能に加えて、180℃で30分の熱負荷に耐える耐熱性能を有する再剥離性圧着記録用紙を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記の課題を解決する為に鋭意研究を行った結果、常温、常圧では粘着性、接着性を示さず、加圧時に接着性を示し、圧着後に剥離可能である感圧接着剤層を少なくとも片面に有する再剥離性圧着記録用紙において、前記感圧接着剤組成物が、共役ジエン系単量体とエチレン系不飽和単量体を乳化重合させて得られたものであり、そのトルエン不溶分(以下、「ゲル分」という。)が50%以下で、かつそのガラス転移温度(Tg)が−50未満〜−80℃である共重合体ラテックスと、下記一般式で表されるアルカン酸ビニルとエチレンとのアルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンの存在下でエチレン性不飽和単量体のシード重合によって得られるエチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンを、固形分重量比1:9〜9:1で混合した感圧接着剤組成物100重量部(固形分)と、微粒子充填剤30〜200重量部(固形分)を含有することを特徴とする再剥離性圧着記録用紙によって解決されることを見出した。
【0008】

| ‖
−C―C−O−CH=CH


(式中、R、R及びRは、それらの合計の炭素数が6以上の直鎖のアルキル基であって少なくとも1つはメチル基を表す)
【発明の効果】
【0009】
この様な構成を有する感圧接着剤組成物は剥離強度、ブロッキング性、印刷適性、印字適性などに優れた効果を奏しそして180℃で30分の熱負荷に耐える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明について更に詳しく説明する。即ち本発明の再剥離性圧着記録用紙は、感圧接着剤組成物について、共役ジエン系単量体とエチレン系不飽和単量体を乳化重合させて得られたものであり、そのゲル分が50%以下で、かつそのガラス転移温度(Tg)が−50未満〜−80℃であることを特徴とする共重合体ラテックスと、アルカン酸ビニル及びエチレンのアルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンの存在下でエチレン性不飽和単量体のシード重合によって得られるエチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンを、固形分重量比1:9〜9:1で混合した感圧接着剤組成物100重量部(固形分)と、微粒子充填剤30〜200重量部(固形分)を含有することで優れた再剥離性圧着記録用紙を得ることが可能になった。
【0011】
また、該感圧接着剤組成物中の共重合体ラテックス:エチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンの比率が固形分重量比1:9〜9:1、好ましくは2:8〜8:2であることで、上記諸特性の改良効果をより確実にすることができる。
【0012】
本発明の感圧接着剤組成物の共重合体ラテックスに用いられる共役ジエン系単量体としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン等を挙げることができる。これらの共役ジエン系単量体は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。本発明においては、特に、1,3−ブタジエンが好ましく用いられる。本発明において用いるエチレン系不飽和単量体としては、スチレン,α−メチルスチレン,ビニルトルエン,p−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル等のエチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸や、それらの無水物;マレイン酸メチル、イタコン酸メチル等のジカルボン酸のモノエステル、即ち、エチレン系不飽和カルボン酸の半エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のエチレン系不飽和カルボン酸アミド化合物;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシンアルキル等の不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステル化合物;メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2―ビニルピリジン等のエチレン系不飽和アミン;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類等を挙げることができる。エチレン系不飽和単量体は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
【0013】
本発明の感圧接着剤組成物において用いられる共重合体ラテックスの共重合体のTgは−50未満〜−80℃が好ましい。Tgが−50℃以上だと剥離強度が減少する為、共重合体ラテックスがむしろ接着力を阻害する方に作用する。接着力が阻害された場合、接着性能を発現する為に圧着時に大きな圧力を必要とするが、これにより印刷部分のインキが対向面の塗工層に取られる原因となり、その結果対向面へのインキ転写が生じてしまう恐れがあり好ましくない。またTgが−80℃より低いとオフセット印刷において塗工層が脱落しやすくなるだけでなく耐熱性の悪化やブロッキングの原因にもなる。
【0014】
本発明の共重合体ラテックスは乳化重合で得られる。本発明の共重合体ラテックスの製造方法においては、従来より知られている乳化重合の方法、すなわち、例えば、水のような水性媒体中に単量体混合物、重合開始剤、界面活性剤および重合連鎖移動剤等を適宜加えて乳化重合が行われる。
【0015】
ここに、重合開始剤は、特に制限されるものではなく、過硫酸カリウム,過硫酸ナトリウム,過硫酸アンモニウム等の無機系過硫酸塩;クメンハイドロパーオキサイド,ベンゾイルパーオキサイド,イソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機系過酸化物;アゾイソブチロニトリル等のアゾ系の開始剤等を用いることができる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。特に、本発明において、上記した重合開始剤は、重亜硫酸ナトリウム,硫酸第1鉄、アスコルビン酸、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等の還元剤と組み合わせてなるいわゆるレドックス系重合開始剤として使用することが好ましい。さらに、重合開始剤として有機系過酸化物と還元剤を組み合わせたレドックス系重合開始剤が好ましい。
【0016】
本発明の共重合体ラテックスの製造方法において、重合開始剤の使用量は、全単量体100重量部当たりに、通常、0.01〜5重量部程度であり、好ましくは、0.03〜3重量部程度である。還元剤を使用する場合は、還元剤の使用量が重合開始剤の使用量に対して0.1〜3倍の範囲、好ましくは0.2〜2倍の範囲になる様にする。本発明に用いられる界面活性剤としては、例えば、オレイン酸塩、ステアリン酸塩、ロジン酸塩等のカルボン酸塩を有する界面活性剤;アルキルりん酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルエステル等のノニオン系界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルベタインの塩等のアルキルベタイン型の塩;ラウリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリジンの塩等のアミノ酸型などの両性界面活性剤を挙げることができる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
本発明に用いられる重合連鎖移動剤も、特に制限されるものではなく、例えば、ヘキシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素;メルカプト酢酸2−エチルヘキシルエステル、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、メルカプトプロピオン酸トリデシルエステル等のメルカプトカルボン酸アルキルエステル;メルカプト酢酸メトキシブチルエステル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチルエステル等のメルカプトカルボン酸アルコキシアルキルエステル;オクタン酸2−メルカプトエチルエステル等のカルボン酸メルカプトアルキルエステル;及びα−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、アニソール、アリルアルコール等を挙げることができる。
【0018】
これらの重合連鎖移動剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。本発明においては、アルキルメルカプタン類、四塩化炭素、オクタン酸2−メルカプトエチルエステル、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン等が好ましく用いられる。本発明において、これら重合連鎖移動剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、通常、0〜5重量部、好ましくは、0〜3重量部である。本発明における単量体混合物、重合開始剤、界面活性剤や重合連鎖移動剤の添加方法は、一括添加方式、分割添加方式、連続添加方式あるいはこれらの組み合わせのいずれでもよい。また分割添加方式の場合、単量体混合物、重合開始剤、界面活性剤や重合連鎖移動剤の組成と使用量を各段階で変化させてもよい。連続添加方式の場合も、単量体混合物、重合開始剤、界面活性剤や重合連鎖移動剤の組成と使用量を添加時間とともに連続的に、または断続的に変化させてもよい。また、本発明の方法においては、必要に応じて、乳化重合をエチレンジアミン四酢酸ナトリウム等のキレート剤、ポリアクリル酸ナトリウム、ナフタレン−ホルマリン縮合物のスルホン酸塩等の分散剤やピロりん酸カリウム、ピロりん酸ナトリウム、りん酸三ナトリウム、りん酸水素二ナトリウム、トリポリりん酸ナトリウム等の無機塩等の存在下に行ってもよい。
【0019】
また、共重合体ラテックスのゲル分(トルエン不溶分)は、水濡れ後の接着強度、接着性、耐熱性、耐候性、保存安定性、耐ブロッキング性等を損なわない範囲であればよく、例えば、50重量%以下、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下である。このようにして、本発明によって得られる共重合体ラテックスは、感圧接着剤基材として好適に用いることができる。
【0020】
本発明の感圧接着剤組成物において用いられる、化1で示されるアルカン酸ビニルとエチレンを共重合したアルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンの存在下でエチレン性不飽和単量体をシード重合して得た水性エマルジョン(エチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョン)は、化1で示すような直鎖のアルキル基を有することで、耐水性、接着性に優れる。そのため接着剤として使用した場合、湿度に対する劣化が少なく、低温時の剥離力に優れる。
【0021】
アルカン酸ビニルとエチレンとのアルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンは、通常の乳化重合によって得られる。安定化剤は特に限定されないが水溶性高分子を用いることが好ましい。ノニオン性乳化剤等は湿度によって経時で剥離強度が低下するため好ましくない。水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらは、単独使用でも相互の併用でも構わない。
【0022】
アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンの製造ではアルカン酸ビニルおよびエチレンの他に、共重合可能なエチレン性不飽和単量体を併用できる。この場合に使用できるエチレン性不飽和単量体には例えば、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。さらには、必要に応じて架橋性単量体を使用することもできる。例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミドに代表されるメチロール基含有(メタ)アクリルアミド類やアリル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート等の多官能ビニル化合物が挙げられる。アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンをシードとして、エチレン性不飽和単量体をシード重合することで、更に接着力を向上させることができる。
【0023】
シード重合に使用できるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸等が挙げられ、これら単量体は単独または2種以上共重合しても良い。
【0024】
本発明で使用されるエチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンは、アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンの共重合体にエチレン性不飽和単量体を膨潤含有させた後、シード重合法によりラジカル重合を行うことによって得られる。アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンの共重合体にエチレン性不飽和単量体を膨潤含有させた後、ラジカル重合を行う際に使用される重合開始剤は、特に限定されないが、膨潤含有させるエチレン性不飽和単量体に溶解させて使用する場合は、油溶性重合開始剤が好ましい。具体的には、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド等が挙げられる。水溶性が高い重合開始剤である過硫酸塩類や水溶性アゾ系開始剤を用いた場合、被膨潤粒子内部に開始剤ラジカルやオリゴマーラジカルが存在もしくは進入しにくく、円滑な重合を行うことが困難である。
【0025】
場合に応じて重合開始剤とともに還元剤を使用できる。還元剤としては、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラート金属塩等の還元性有機化合物やチオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物が挙げられる。
【0026】
アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンの共重合体のTgは、−20〜20℃が好ましい。20℃より高いと十分な剥離力が得られず、−20℃未満では耐ブロッキング性能が劣り好ましくない。このアルカン酸ビニル・エチレン共重合体エマジョンの存在下にシード重合によりエチレン性不飽和単量体を重合してエチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン共重合体を得る。エチレン性不飽和単量体の重合体のTgは、−50〜20℃で好ましくは−30〜0℃である。Tgが−50℃より低いと耐ブロッキング性が低下し、20℃より高いと接着力が低下するため好ましくない。
【0027】
アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンの存在下でエチレン性不飽和単量体を共重合することで、耐熱性が飛躍的に向上することを見出した。エチレン性不飽和単量体として酢酸ビニルを使用すると、エチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン共重合体の耐熱性が優れているため、アルカン酸ビニル・エチレン水性エマルジョン存在下で酢酸ビニルを重合することで耐熱性が特に向上できる。しかし酢酸ビニルのポリマーはTgが30℃と高く接着力が低下するため、更に酢酸ビニル以外のエチレン性不飽和単量体も共重合させることで、耐湿性、耐熱性、接着性を飛躍的に向上できることを見出した。従ってエチレン性不飽和単量体として酢酸ビニルを使用する場合には、他のエチレン性不飽和単量体も使用するのが好ましい。
【0028】
アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンの共重合体粒子に膨潤含有させる酢酸ビニルは、アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンの固形分100重量部に対して5〜50重量部であり、好ましくは、10〜30重量部である。5重量部未満の場合、耐熱性向上の効果が少なく、50重量部を超えると、剥離力が低下し好ましくない。
【0029】
更にエチレン性不飽和単量体は、アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンの固形分100重量部に対し10〜50重量部であり、好ましくは10〜30重量部である。5重量部未満の場合は、接着力の向上が認められず、50重量部を超えると、耐ブロッキング性が低下し好ましくない。エチレン性不飽和単量体の重合体のTgは、−50〜20℃で好ましくは−30〜0℃である。
【0030】
アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンにアクリルアミドを共重合することで、エマルジョンの安定性が向上するため、安定化剤として使用している水溶性高分子等の使用量を減らすことができる。安定化剤に使用する水溶性高分子等は耐湿性を低下させるため、使用量は極力少ない方が好ましい。安定化剤として水溶性高分子等がアルカン酸ビニル・エチレン共重合樹脂100重量部に対し10重量部以上は必要で、それ以下では重合時の安定性、保存安定性等が悪く好ましくない。アクリルアミドを共重合することで、安定性が飛躍的に向上し、安定化剤の使用量をアルカン酸ビニル・エチレン共重合樹脂100重量部に対し2重量部まで減量しても、重合安定性、保存安定性を向上でき、そのことにより耐湿性が更に向上することを見出した。アクリルアミドの使用量は、アルカン酸ビニル・エチレン共重合樹脂に対し1〜5重量部で1重量部未満では効果がなく、5重量部を超えると重合が困難であるため好ましくない。
【0031】
これらの接着剤基材には、必要に応じて粘着付与剤(テルペンフェノール樹脂、ポリブテン樹脂、ロジンエステル樹脂、石油樹脂)の公知のものの中から一種または二種以上を使用することができる。
【0032】
共重合体ラテックスとエチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンとの配合割合は、固形分重量比で1:9〜9:1が望ましい。この混合比の範囲を外れると、それぞれの特徴が感圧接着剤層に大きく影響を与えることになる。すなわちエチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン水性エマルジョンのようなアクリル系共重合体を含有する接着剤が過多の場合には、この種の接着剤の欠点で熱による接着力の劣化や、圧着物を剥がす際の対向面へのインキ転写が生じやすくなる。逆に共重合体ラテックスが過多である場合には、この種の接着剤の欠点であるUV照射による接着力の劣化や、フェザリング等のIJ適性の悪化が顕著に現れるため、これら該接着剤の混合比の調節が重要である。
【0033】
本発明における微粒子充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、合成ゼオライト、水酸化アルミニウム、クレー、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、タルク、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、澱粉粒子、球状アクリル樹脂、球状メタクリル樹脂、球状ポリエチレン、尿素ホルマリン樹脂等の公知のものの中から一種または二種以上を使用することができる。
【0034】
本発明において感圧接着剤組成物100重量部に対して微粒子充填剤を30〜200重量部使用する。微粒子充填剤の使用量が感圧接着剤組成物100重量部に対して30重量部より少ないと耐ブロッキング性が悪く好ましくない。また200重量部より多いと剥離強度が低下し好ましくない。
【0035】
本発明に使用される再剥離性圧着記録用紙の基材シートは、紙、布、不織布、紙の上に樹脂フィルムをラミネートしたシート、フィルムシート等の公知のものの中から適宜選択して使用することができる。
【0036】
また、感圧接着剤組成物中には、必要に応じて、分散剤、消泡剤、界面活性剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防黴剤、消臭剤、耐水化剤、蛍光増白剤等の添加剤を添加することができる。
【0037】
上記感圧接着剤組成物は、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ダイコーター等の一般的なコーターによって塗工されるが、塗工量は乾燥重量で3〜15g/mの範囲で調整されるのが望ましい。塗工量を上記範囲に限定した理由は、3g/m未満では印字品位や印刷上がりなどの視感的な面で劣り、更に剥離強度が低下し、好ましくないためである。また、塗工量が15g/mを越えると、印字品位や印刷上がりなどの視感的な見栄えは向上するが、経済的な面から実用性が劣り、筆記性が乏しく、紙粉が発生しやすく、好ましくない。
【0038】
本発明を以下の実施例、比較例により説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例の重量部数(部)は、全て固形分換算での数値で示すものとする。
「共重合体ラテックスの製造方法」
(製造例1)
窒素で内部を置換した5L反応釜に、ブタジエン75部,スチレン25部,クメンヒドロペルオキシド1部,イオン交換水300部,りん酸三ナトリウム塩0.5部、四酢酸ナトリウム0.2部を仕込み、撹拌しながら、20℃にて反応した。重合転化率が65%に達した時点で重合停止剤を添加して反応を止めた。水酸化カリウムを用いて、pH10に調整した。次いで、反応混合物に水蒸気を吹き込み、未反応単量体を除去した後、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル10部を添加し、目的とする共重合体ラテックスを得た。この共重合体ラテックスのゲル分は10%であり、共重合体のガラス転移温度(Tg)は−57℃である。
「エチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン共重合水性エマルジョンの製造方法」
(製造例2)
イオン交換水200部に部分ケン化ポリビニルアルコール(ケン化度88、重合度500)10部を分散させて加熱溶解し、1Lの高圧反応釜に仕込んだ。エチレンで釜内の空気を置換した後、エチレン圧を3.9MPaに調整し、攪拌しながら65℃に昇温した。VV−9(アルカン酸ビニルモノマー、シェル社製、炭素数9)407部を20%部分ケン化ポリビニルアルコール(ケン化度88、重合度500)溶液250部で乳化し、2%の過硫酸アンモニウム水溶液40部及び2%の重亜硫酸ナトリウム20部を釜内に5時間で滴下し反応を行った。その後2時間65℃に保った後、イオン交換水120部を反応釜にフィードした後、ブチルアクリレート50部、5%t−ブチルペルオキシド水溶液10部、3%重亜硫酸ナトリウム10部を1時間で滴下し、1時間65℃に保った後、冷却し反応を終了した。得られたエマルジョンの不揮発分は50.5%であった。エマルジョン状態の得られたコア−シェル型共重合体のコア部(アルカン酸ビニル・エチレン共重合体)のTgは−22℃でありそしてシェル部(ブチルアクリレート重合体)のTgは−9℃である。
【実施例1】
【0039】
製造例1で得られた共重合体ラテックス50部、製造例2で得られたアルカン酸ビニル・エチレン水性エマルジョン50部を接着剤基材とし、微粒子充填剤として非晶質シリカ(水澤化学工業社製、ミズカシルP−78A)120部を配合して本発明の目的とする感圧接着剤組成物を得た。次にこの感圧接着剤組成物を127.9g/mの上質紙に塗工量が7g/m(乾燥重量)になるように塗工して再剥離性圧着記録用紙を得た。これを実施例1とした。
【0040】
得られた再剥離性圧着記録用紙について剥離強度試験、印刷適性試験、ノンインパクトプリンティング(NIP)適性試験、IJ適性試験、ブロッキング性試験、インキ転写性試験、耐UV試験、耐熱試験で評価した。
【実施例2】
【0041】
実施例1の感圧接着剤組成物で共重合体ラテックスの配合部数を20部、エチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン水性エマルジョンを80部、非晶質シリカの配合部数を200部に変更した以外は、実施例1と同様にして再剥離性圧着記録用紙を作成し、これを実施例2とした。
【実施例3】
【0042】
実施例2の感圧接着剤組成物で非晶質シリカの配合部数を30部に変更した以外は、実施例2と同様にして再剥離性圧着記録用紙を作成し、これを実施例3とした。
【実施例4】
【0043】
実施例2の感圧接着剤組成物で共重合体ラテックスの配合部数を80部、エチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン水性エマルジョンを20部に変更した以外は、実施例2と同様にして再剥離性圧着記録用紙を作成し、これを実施例4とした。
【実施例5】
【0044】
実施例4の感圧接着剤組成物で非晶質シリカの配合部数を30部に変更した以外は、実施例4と同様にして再剥離性圧着記録用紙を作成し、これを実施例5とした。
【比較例1】
【0045】
実施例1の感圧接着剤組成物で接着剤基材をメタクリル酸メチルグラフト共重合天然ゴムラテックスに変更した以外は、実施例1と同様にして再剥離性圧着記録用紙を作成し、これを比較例1とした。
【比較例2】
【0046】
実施例1の感圧接着剤組成物で非晶質シリカの配合部数を250部に変更した以外は、実施例1と同様にして再剥離性圧着記録用紙を作成し、これを比較例2とした。
【比較例3】
【0047】
実施例1の感圧接着剤組成物で非晶質シリカの配合部数を20部に変更した以外は、実施例1と同様にして再剥離性圧着記録用紙を作成し、これを比較例3とした。
【比較例4】
【0048】
実施例1の感圧接着剤組成物で共重合体ラテックスの配合部数を100部、エチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン水性エマルジョンを0部に変更した以外は、実施例1と同様にして再剥離性圧着記録用紙を作成し、これを比較例4とした。
【比較例5】
【0049】
実施例1の感圧接着剤組成物で共重合体ラテックスの配合部数を0部、エチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン水性エマルジョンを100部に変更した以外は、実施例1と同様にして再剥離性圧着記録用紙を作成し、これを比較例5とした。
【0050】
以上の実施例、比較例で得られた再剥離性圧着記録用紙を下記試験方法に従って諸特性の評価を行なった。
【0051】
剥離強度試験:幅100mm、長さ100mmに裁断し、塗工面同士を重ね合わせてドライシーラー(プレッスルエコノ:トッパン・フォームズ株式会社製)を用いて加圧接着した。次にこの試料の幅方向中央部を25mm幅に断裁して、23℃、50%R.H環境下でストログラフM−1型(東洋精機製作所製)で速度300m/分、剥離(T型剥離)強度で剥離してその抵抗値を平均化して剥離強度gf/25mmを求める。◎:100〜150gf/25mm、○:50〜100gf/25mm未満、△:20〜50 gf/25mm未満、×:0〜20 gf/25mm未満、◎と○は実用レベルの剥離強度を示し、△と×は実用に耐えないレベルを示す。以下いずれも、◎は特に優れた性能を、○は実用レベルの性能を、△は実用に不足する性能をそして×は実用に耐えない低レベルの性能を示す。
【0052】
印刷適性試験:RI−3型印刷適性試験機(明製作所製)を使用してインキ濃度、耐刷力等を目視により観察し評価を行った。インキによる塗工層剥け、紙剥けなどが全くないものから◎、○、△、×とした。
【0053】
ノンインパクトプリンティング(NIP)印字適性試験:レーザービームプリンター(Canon社製、LASER SHOT LBP−950)を用いてテスト印字パターン(文字、線、ベタ)を印字し、視感で評価した。鮮明な画像、印字が得られたものから◎、○、△、×とした。
【0054】
インクジェット(IJ)印字適性試験:インクジェットプリンター(ヒューレットパッカード社製 HP DeskJet560J)のインクカートリッジにサイテックス1036黒インクを注入し、テスト印字パターン(文字、線、ベタ)を印字し、視感で評価した。鮮明な画像、印字が得られたものから◎、○、△、×とした。
【0055】
ブロッキング適性試験:両面塗工した試料を重ね合わせ、500g/cmの圧力を加えつつ、23℃、50%RH環境下で所定荷重をかけて放置し、24時間後に手で剥がし、評価した。◎:ブロッキングが全く発生していない、○:ブロッキングがほとんど発生していない、△:少しブロッキングが発生している、×:完全にブロッキングしている。
【0056】
インキ転写性試験:RI−3型印刷適性試験機(明製作所製)を使用して印刷し、乾燥させたものを、前記剥離強度試験に準じて、剥離(T型剥離)強度が40gf/25mmになるように圧着。その後剥がしたものについて、インキの転写の程度を視感で評価した。転写のないものから◎、○、△、×とした。
【0057】
耐UV適性試験:試料を、アイグラフィック製メタルハライドランプを使用して、57mJ/cm2 の紫外線(UV)を照射した後に上記のようにして剥離(T型剥離)強度を測定する。◎:剥離強度が85〜100%保持、○:剥離強度が60〜85%未満保持、△:剥離強度が45〜60%未満保持、×:剥離強度が45%未満。
【0058】
耐熱適性試験:試料を、180℃に予熱したステンレス板に挟み、30分放置した後に上記のようにして剥離(T型剥離)強度を測定する。◎:剥離強度が85〜100%保持、○:剥離強度が60〜85%未満保持、△:剥離強度が45〜60%未満保持、×:剥離強度が45%未満。
【0059】
実施例1〜5及び比較例1〜5で作成した再剥離性圧着記録用紙の、各試験結果を下記表1に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
表1からもわかる通り、実施例1〜5の本発明の再剥離性圧着記録用紙は、剥離強度、ブロッキング性、印刷適性、印字適性に加えて紫外線照射及び180℃で30分の熱負荷に耐え熱による剥離強度劣化が小さいなど優れた効果を奏する。
【0062】
これに対して、接着剤が従来技術のメタクリル酸メチルグラフト共重合体天然ゴムラテックスである比較例1の場合には、再剥離性圧着記録用紙の耐UV適性、耐熱適性がない。接着剤組成物の接着剤が共重合体ラテックスだけである比較例4の場合には、NIP適性、ブロッキング適性、耐UV適性が不足しており、実用に耐えない。また接着剤組成物の接着剤がエチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンだけである比較例5の場合には、対向面にインキ転写の発生や耐熱適性が無い為、実用に耐えない。
【0063】
本発明に係わる再剥離性圧着記録用紙は感圧接着剤組成物が、共役ジエン系単量体とエチレン系不飽和単量体を乳化重合させて得られたものであり、そのゲル分が50%以下で、かつそのガラス転移温度(Tg)が−50未満〜−80℃である共重合体のラテックスと、下記一般式で表されるアルカン酸ビニルとエチレンとのアルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンの存在下でエチレン性不飽和単量体のシード重合によって得られるエチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンを、固形分重量比1:9〜9:1で混合した感圧接着剤組成物100重量部(固形分)と、微粒子充填剤30〜200重量部(固形分)を含有することにより、紫外線照射及び180℃で30分の熱負荷に耐え熱による剥離強度劣化が無い再剥離性圧着記録用紙を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
常温、常圧では粘着性、接着性を示さず、加圧時に接着性を示し、圧着後に剥離可能である感圧接着剤層を少なくとも片面に有する再剥離性圧着記録用紙において、前記感圧接着剤組成物が、共役ジエン系単量体とエチレン系不飽和単量体を乳化重合させて得られたものであり、そのゲル分が50%以下で、かつそのガラス転移温度(Tg)が−50未満〜−80℃である共重合体のラテックスと、下記一般式で表されるアルカン酸ビニルとエチレンとのアルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンの存在下でエチレン性不飽和単量体のシード重合によって得られるエチレン性不飽和単量体−アルカン酸ビニル・エチレン共重合体水性エマルジョンを、固形分重量比1:9〜9:1で混合した感圧接着剤組成物100重量部(固形分)と、微粒子充填剤30〜200重量部(固形分)を含有することを特徴とする再剥離性圧着記録用紙。

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−C―C−O−CH=CH


(式中、R、R及びRは、それらの合計の炭素数が6以上の直鎖のアルキル基であって少なくとも1つはメチル基を表す)

【公開番号】特開2006−249632(P2006−249632A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−71503(P2005−71503)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(000241810)北越製紙株式会社 (196)
【Fターム(参考)】