説明

写真冊子注文受付機及び写真冊子注文受付プログラム

【課題】拡大された撮影画像が点在した美観的に優れた写真冊子を簡単に注文できる写真冊子注文受付技術を提供する。
【解決手段】本文頁シート毎の通常寸法撮影画像と拡大寸法撮影画像の割付枚数を規定する写真冊子形式を選択する写真冊子形式選択部22と、割付用撮影画像を選択する割付用撮影画像選択部23と、割付用撮影画像のうちの通常寸法撮影画像と拡大寸法撮影画像とを管理する割付用撮影画像管理部と、選択された形式の写真冊子のためのテンプレートの画像枠に撮影画像を割り当てる割付制御部30とが備えられている。割付制御部30は、本文頁シートの頁順に設定されるテンプレートに対する割付用撮影画像の所定順序での割付処理において、設定されたテンプレートに拡大寸法画像枠が存在しない場合には拡大寸法画像枠が存在するテンプレートが設定されるまで一時的に拡大寸法撮影画像の割付処理を待機させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された複数コマの撮影画像を複数枚の頁シートに割り付けることにより制作される写真冊子の注文のための写真冊子注文受付技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラで取得した撮影コマ画像(以下単に撮影画像と称する)は、DP店で1つの撮影画像毎に一枚の写真プリントとしてプリント出力され、これらの写真プリントを数枚まとめて1ページの台紙に貼り付けられ、写真アルバム(写真冊子)が作成されていた。最近は、写真プリント用のプリント出力機がデジタル化されており、一枚の写真プリントシートに複数の撮影画像を形成することで写真冊子を制作する技術も報告されている(例えば、特許文献1参照)。さらには、インクジェット方式のプリント出力機などでは、写真プリントシートの裏表に撮影画像を形成することが可能となり、写真プリントシートのみで表紙、本文頁、裏表紙を作製することも可能となっている。
また、店頭で接客サービスを受けながら写真プリントの注文を行うという従来の方法に代えて、写真プリントの注文をプリント注文者が自ら写真プリントの作製枚数情報を含む写真プリントの作製条件をモニタに表示されている操作案内を見ながら入力するプリント注文受付端末装置も普及している(例えば、特許文献2参照)。このプリント注文受付端末装置は、プリント注文者が入力操作する入力操作部と、その入力操作部への入力操作時の操作案内を表示するモニタと、前記作製条件の入力情報に基づいて写真プリント作製料金を計算する料金計算部と、写真プリントの作製注文の受付けを制御するプリント注文制御部とが備えられ、写真プリント装置による前記作製条件での写真プリントの作製を指示するように構成されている。これによりDP店では接客コストを低減することができる。
このような接客サービスを伴わない写真プリント注文のさらに別な形態として、注文者と写真プリントの作製者である写真プリント受注者がネットワークで結ばれており、ネットワークを通じて写真注文が行われる写真注文受付システムも知られている(例えば、特許文献3参照)。この写真注文受付システムでは、センターサーバと該センターサーバとネットワークを介して通信可能に接続された撮影者が利用する撮影者端末と注文者が利用する注文者端末とがシステムを構築しており、写真プリント注文の自在性を高めている。さらに、注文者が予め注文の前に手ブレ等の失敗画像を消去したり、撮影者が自分の意図した画像と違う部分を補正したりすることも可能にしている。
【0003】
特許文献1から知られているような写真冊子は個人的な写真集の制作であり、単に撮影画像を羅列するのではなく、台紙の模様も個性的なものが選ばれ、さらに拡大された撮影画像(引き伸ばし大判写真)を入れることによりメリハリのきいた美観に優れた体裁を作り出す必要がある。
また、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話等で採用されている半導体メモリなどの記録メディアの記録容量が年々巨大化しており、撮影によって取得され記録される撮影画像のコマ数は数百を越えることも珍しくはない。そのような記録メディアを用いて、特許文献2から知られているようなキオスク端末とも呼ばれているセルフサービスの写真冊子注文受付機や、特許文献3から知られているような、ユーザパソコンにインストールされる写真冊子注文受付プログラムを通じて写真冊子作成を行うサービスを行う場合、処理対象となる撮影画像のコマ枚数が多くなると、これまではない問題が生じる。例えば、そのようなサービスにおいては、必ずしも機器操作に慣れていない人が、写真冊子の台紙として機能するテンプレートを選択し、そのテンプレートに設けられている画像割付枠に撮影画像を割り付けていく作業を行うのはかなりの負担となる。特に、割り付けられる撮影画像の枚数が多数となると、作業の面倒さからそのような注文を断念する可能性が高くなる。
【0004】
このような問題を解決するために、撮影画像のテンプレートへの割付処理を自動化する画像レイアウト編集処理装置も提案されている(例えば、特許文献4参照)。この処理装置は、複数の対象画像が表示される対象画像表示手段と、予め枠順位が設定された複数の画像枠が配列されたテンプレートを表示するテンプレート表示手段と、表示された対象画像を指示する画像指示手段と、前記画像指示手段により指示された対象画像に対してその指示順序に従って優先的に割付順位を設定するとともに、前記画像指示手段により指示されなかった対象画像に対して前記対象画像表示手段による表示順に割付順位を設定する割付順位設定手段と、前記割付順位設定手段により設定された割付順位に従って前記枠順位に対象画像を割り付けたプリントデータを生成するプリントデータ生成手段とを備えている。つまり、前もってテンプレートに設けられた複数の画像枠と、割り付けられる撮影画像に割付順位を設定しておくことで、その割付順位に基づいて撮影画像がテンプレートの画像枠に自動的に割り付けられる。しかしながら、やはり機器操作に慣れていない一般の人に、そのような割付順位を設定させる操作は、特に割り付けられる撮影画像の枚数が多い場合、その負担は大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−249799号公報(段落番号〔0036〕−〔0039〕、図7)
【特許文献2】特開2008−9239号公報(段落番号〔0001〕−〔0006〕、図1)
【特許文献3】特開2008−249799号公報(段落番号〔0001〕−〔0020、図1)
【特許文献4】特開2006‐150654号公報(段落番号〔0006〕〔0007〕〔0048〕−〔0063〕、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記実情に鑑み、本発明の目的は、拡大された撮影画像が点在する美観的に優れた写真冊子を割付コマ数が多くても簡単に注文できる写真冊子注文受付技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
通常寸法撮影画像または拡大寸法撮影画像あるいはその両方の撮影画像が割り付けられる、複数枚の本文頁シートを含む写真冊子のための写真冊子注文受付機において、上記目的を達成するため、本発明による写真冊子注文受付機は、前記本文頁シート毎の前記通常寸法撮影画像と前記拡大寸法撮影画像の割付枚数を規定する写真冊子形式を選択する写真冊子形式選択部と、前記選択された形式の写真冊子に割り付ける割付用撮影画像を選択する割付用撮影画像選択部と、前記割付用撮影画像のうちで前記通常寸法撮影画像として選択された撮影画像を管理するとともに前記割付用撮影画像のうちで前記拡大寸法撮影画像として選択された撮影画像を管理する割付用撮影画像管理部(通常画像管理部と拡大画像管理部)、前記選択された形式の写真冊子のための複数のテンプレートからなるテンプレートセットを管理するテンプレート管理部と、前記テンプレートの通常寸法画像枠に前記通常寸法撮影画像を割り当てるとともに拡大寸法画像枠に前記拡大寸法撮影画像を割り当てる割付制御部とを備え、前記割付制御部が、本文頁シートの頁順に設定される前記テンプレートに対する前記割付用撮影画像の所定順序での割付処理において、設定されたテンプレートに拡大寸法画像枠が存在しない場合には拡大寸法画像枠が存在するテンプレートが設定されるまで一時的に拡大寸法撮影画像の割付処理を待機させることを特徴としている。
【0008】
この写真冊子注文受付機による写真冊子注文処理では、上記特徴により、顧客が写真冊子に割り付けるために選択した撮影画像のなかで、特に拡大したい(引き伸ばしたい)撮影画像を拡大寸法撮影画像として選択しておくだけで、あとは、割付制御部が予め選択されているテンプレートセットに含まれている各本文頁シートに対応するテンプレートを順次設定しながら、撮影画像をテンプレートに設けられている画像枠に割り付け、最終的に顧客が所望する写真冊子を制作するためのプリントデータを含む注文情報を作成する。割付処理において、拡大寸法撮影画像は割付処理対象となっているテンプレートの画像枠が拡大寸法撮影画像用の拡大寸法画像枠となるまで、その割り付けが一時的に待機させられる。このような簡単な割付アルゴリズムにより、撮影画像が所定の順番でしかも予め選択された形式の写真冊子に規定されている拡大寸法撮影画像の配置場所に割り付けられる。つまり、この写真冊子注文処理では、顧客は写真冊子に割り付けるために選択した撮影画像のなかで、拡大したい撮影画像さえ選択すれば、拡大された撮影画像が点在した美観的に優れた写真冊子を簡単に注文することができる。
【0009】
格納されているテンプレートセットの種類が限られていると、選択されたテンプレートセットに含まれている、各本文頁シートに対応するテンプレートの枚数や、そこに設けられている拡大寸法画像枠の個数が、必ずしも、顧客の選択した撮影画像のコマ数や拡大寸法撮影画像のコマ数と対応しない場合がある。そのようなケースに対して、本発明では次の2つの対処策が提案される。その一つが、前記テンプレートセットに含まれているテンプレートに存在する拡大寸法画像枠の個数が前記選択された前記拡大寸法撮影画像のコマ数を超えている場合は、未割付の前記通常寸法撮影画像を強制的に前記拡大寸法撮影画像とする構成である。他の一つが、前記テンプレートセットに含まれているテンプレートに存在する拡大寸法画像枠の個数が前記選択された前記拡大寸法撮影画像のコマ数を下回っている場合は、前記拡大寸法撮影画像の割り付けが可能となるテンプレートを強制的に設定する構成である。このような構成により、用意されているテンプレートセットの種類の限られていても、拡大撮影画像が点在する写真冊子の割付処理が可能となる。
【0010】
割付処理における、割付用撮影画像の割付順を撮影日時順とすれば、制作された写真冊子に配置された撮影画像は、拡大寸法撮影画像に関しては多少のずれが生じるかもしれないとしても、実質的には撮影日時順に並ぶことになり、特に記録写真としては好適な形態となる。
【0011】
また、写真冊子の制作目的によっては、特定のテーマ別で区分けしたいという要求も考えられる。従って、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記割付処理における前記割付用撮影画像の所定順序は、特定の撮影シーン別に区切られた順序である。特定の撮影シーンの玲としては、撮影場所によって規定される撮影シーン、人物の顔が大きな面積を占めているポートレート撮影シーン、たくさんの顔が分布している集合写真撮影シーンなどが挙げられる。撮影画像を撮影シーン別に自動的にグループ化するための具体的な方法としては、エグジフ(Exif:Exchangeable Image File Format)情報などを利用して撮影画像を時刻別や場所別にグループ化する方法、顔検出プログラムを利用して撮影画像中の人物顔のサイズや数から撮影画像をグループ化する方法が挙げられる。また、マニュアルでグループ化する方法としては、最初に、顧客が記録メディアに記録されている撮影画像からプリント候補撮影画像を選択する際に撮影シーンの区分けを設定する方法が挙げられる。
【0012】
また、本発明では、上述した写真冊子注文受付機における注文処理をコンピュータによって実現させる写真冊子注文受付プログラム自体も権利範囲としている。そのような、写真冊子注文受付プログラムは、通常寸法撮影画像または拡大寸法撮影画像あるいはその両方の撮影画像が割り付けられる、複数枚の本文頁シートを含む写真冊子の注文を受け付けるために、前記本文頁シート毎の前記通常寸法撮影画像と前記拡大寸法撮影画像の割付枚数を規定する写真冊子形式を選択する写真冊子形式選択機能と、前記選択された形式の写真冊子に割り付ける割付用撮影画像を選択する割付用撮影画像選択機能と、前記割付用撮影画像のうちで前記通常寸法撮影画像として選択された撮影画像を管理するとともに前記割付用撮影画像のうちで前記拡大寸法撮影画像として選択された撮影画像を管理する割付用撮影画像管理機能と、前記選択された形式の写真冊子のための複数のテンプレートからなるテンプレートセットを管理するテンプレート管理機能と、前記テンプレートの通常寸法画像枠に前記通常寸法撮影画像を割り当てるとともに拡大寸法画像枠に前記拡大寸法撮影画像を割り当てるとともに、その際、本文頁シートの頁順に設定される前記テンプレートに対する前記割付用撮影画像の所定順序での割付処理において、設定されたテンプレートに拡大寸法画像枠が存在しない場合には拡大寸法画像枠が存在するテンプレートが設定されるまで一時的に拡大寸法撮影画像の割付処理を待機させる割付制御機能とをコンピュータに実現させる。当然ながら、この写真冊子注文受付プログラムも上記写真冊子注文受付機で述べたすべての作用効果を得ることができる。さらに上述した写真冊子注文受付機において述べた好適な付加的機能を組み込むことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明における写真冊子注文処理の流れを模式的に示すチャート図である。
【図2】割付制御の流れを図解説明しているチャート図である。
【図3】本発明による写真冊子注文受付機の実施形態の1つにおける機能ブロック図である。
【図4】注文条件入力画面の一例としての冊子種類選択画面を示す模式図である。
【図5】プリント候補撮影画像選択画面の一例を示す模式図である。
【図6】別実施形態でのプリント候補撮影画像選択画面の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1と図2は、本発明に係る写真冊子注文受付機の好適な実施の形態における写真冊子注文処理を模式的に示すチャート図、特に図2撮影画像をテンプレートが画像枠に割り付ける割付制御の流れを図解説明しているチャート図である。図3は、そのような好適な実施の形態の1つにおける写真冊子注文受付機の機能ブロック図である。この実施の形態では、写真冊子注文受付機は、DPショップなどの写真サービス店やコンビニエンスストア等の店頭に設置されるセルフサービス式注文受付機である。この注文受付機では、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話を利用して取得され、フラッシュメモリなどの記録メディアに記録された大量の撮影画像から選択されたプリント候補撮影画像が写真冊子の構成要素である頁シートに適切に割り付けられることにより、写真冊子制作用プリントデータが生成され、プリント出力機に転送される。各種操作は、モニタに表示される注文受付処理に関する各種の情報に案内されながら、モニタ10に装備された操作入力デバイスとしてのタッチパネル11を通じて、実質的に顧客によるセルフサービスで行われる。この注文受付機には、基本的にはコンピュータプログラムで実現される種々の機能を有するコントロールユニット2が組み込まれている。
【0015】
写真冊子制作の注文を行う顧客は、モニタ10に表示されているスタート画面を見ながらタッチパネル11を通じて操作して、注文処理をスタートさせる。モニタ10に表示される写真冊子形式選択画面を通じて所望の写真冊子形式を選択し、必要に応じて冊子サイズ(プリントサイズ)や本文頁シート枚数、場合によっては本文頁シートにおいて割り付けられる撮影画像の最大コマ数などを設定する(#01)。
【0016】
このような写真冊子形式を選択するためにモニタ20に表示される写真冊子形式選択画面の一例が図4に示されている。ここでは写真冊子の体裁、及び体裁毎のシートサイズと冊子頁数(表紙と裏表紙を含めた本文頁シートの枚数で表すことも可能)が設定可能となっている。この写真冊子形式選択画面では図示されていないが、選択された写真冊子形式に対応する料金も表示される。また、写真冊子の体裁、シートサイズ、冊子頁数の少なくともいずれか1つを設定した状態で料金を設定することで、未設定の注文条件が自動設定されるようなモードを採用することも可能である。また、写真冊子形式選択画面で予め料金を設定することなく、撮影画像の割付処理状況によって自動的に料金を算出することも可能である。例えば、設定された注文条件に基づいて行う、割付処理の初期の段階途中で、顧客が想定する残りの割付撮影画像コマの数の希望を改めて確認し、その希望個数から自動算出する料金を自動設定する形であってよい。
【0017】
写真冊子形式選択画面を通じての制作を希望する写真冊子形式の選択は写真冊子形式選択部22によって行われ、写真冊子形式選択部22によって生成された注文写真冊子を既定する注文条件情報は、割付用画像選択部23やテンプレート管理部24に送られる(#02、#03)。
【0018】
割付用画像選択部23に注文条件情報が与えられると、顧客に記録メディアをメディアリーダ12に投入することを促す。顧客が、写真冊子にしたい撮影画像を記録している記録メディアを注文受付機のメディアリーダ12に投入することで、記録メディアから撮影画像が入力画像処理部21を通じてワーキングメモリ20に転送される。ワーキングメモリ20に展開された全ての撮影画像から画像選択画面を通じてプリント候補撮影画像を選択する撮影画像選択処理が行われる(#04)。写真冊子に掲載される撮影画像であるプリント候補撮影画像を選択するプリント候補撮影画像選択画面の一例が図5に示されている。この画像選択画面には、この注文受付機のメディアリーダ12に投入された記録メディアに記録されている全撮影画像のサムネイル画像がスクロール表示されるので、顧客はその中から、今回の写真冊子に割り付けることを希望する撮影画像をクリック等で選択する。選択された撮影画像には、それ以外の撮影画像と区別するため、マーカや外枠線などが付加される。その際に、撮影画像の引き伸ばし、つまり拡大寸法撮影画像として写真冊子に割り付けたいプリント候補撮影画像に対しては、適当な操作、例えばダブルクリックなどにより、拡大寸法撮影画像として選択設定される。ここでは、拡大寸法撮影画像以外のプリント候補撮影画像を、拡大寸法撮影画像との区別が必要な場合には、通常寸法撮影画像と呼ぶことにする。なお、図5の画面図では、拡大寸法撮影画像は、プリント候補撮影画像を示す太線の外枠線のさらに外側に描画された点線の外枠線によって区別されている。このように、プリント候補撮影画像を、通常寸法撮影画像と拡大寸法撮影画像とに分けて管理するために、割付用画像選択部23には、通常画像管理部23aと拡大画像管理部23bとが含まれている。拡大画像管理部23bは拡大寸法撮影画像を通常寸法撮影画像と区別するために拡大寸法撮影画像に識別コードを付与する。なお、記録メディアに記録されている全撮影画像が割り付け対象となることもあるので、プリント候補撮影画像選択画面が表示される前に、全選択または部分選択かを選ぶ画面が表示され、全選択が選ばれると、この撮影画像選択処理は拡大寸法撮影画像の選択処理となる。
【0019】
写真冊子形式選択部22から注文条件情報を受け取ったテンプレート管理部24は、それに適合するテンプレートセットをテンプレート格納部25から読み出し、そのテンプレートセットを構成するテンプレートを順次ワーキングメモリ20に展開する。なお、各テンプレートには1つ以上の画像枠が設けられており、その画像枠として通常寸法撮影画像のための通常寸法画像枠と拡大寸法撮影画像のための拡大寸法画像枠とが混在している。
【0020】
次に、テンプレート管理部24によってワーキングメモリ20に順次展開されていくテンプレート(A、B、C、・・・・)の画像枠に、同様にワーキングメモリ20に展開されている通常寸法撮影画像または拡大寸法撮影画像を割り付けていく割付制御部30の動作を、図2を用いて説明する。
【0021】
図2の図示されている例では、プリント候補撮影画像の内、コマ番号2と5が拡大寸法撮影画像として選択されており、テンプレートA、C、Eがそれぞれ2つの通常寸法画像枠を有し、テンプレートBが1つの通常寸法画像枠と1つの拡大寸法画像枠を有し、テンプレートDが1つの拡大寸法画像枠を有していることとなっている。
【0022】
(ステップ#A:テンプレートAに対するプリント候補撮影画像の割付処理)
最初の割付候補となるコマ番号1は通常寸法撮影画像であり、テンプレートAの1つ目の画像枠は通常寸法画像枠なので、そのまま割り付けが行われる(#A1)。次の割付候補となるコマ番号1は拡大寸法撮影画像であり、テンプレートAの2つ目の画像枠は通常寸法画像枠なので、割付不一致となる。このため、この拡大寸法撮影画像の割付処理をひとまず待機させておき、当該拡大寸法撮影画像には待機を示す識別コードを付与する。図2では、その拡大寸法撮影画像は二重枠線で示されおり、さらに割付を待機された拡大寸法撮影画像は薄い塗りつぶしで示されている。割付制御部30は、次の割付候補をチェックする。次の割付候補となるコマ番号3は通常寸法撮影画像なので、この通常寸法撮影画像がテンプレートAの2つ目の画像枠に割り付けられる(#A3)。
【0023】
(ステップ#B:テンプレートBに対するプリント候補撮影画像の割付処理)
テンプレート管理部24によって送り出されてきたテンプレートBの1つ目の画像枠は通常寸法画像枠なので、待機しているコマ番号2をもつ拡大寸法撮影画像はそのまま待機させておき、次の割付候補となるコマ番号4をチェックする。このコマ番号4をもつ割付候補は通常寸法撮影画像であるので、そのままテンプレートBの1つ目の画像枠への割り付けが行われる(#B1)。テンプレートBの2つ目の画像枠は拡大寸法画像枠なので、この拡大寸法画像枠に、ステップ#Aにおいて待機したコマ番号2をもつ拡大寸法撮影画像が割り付けられる(#B2)。
【0024】
(ステップ#C:テンプレートCに対するプリント候補撮影画像の割付処理)
最初の割付候補となるコマ番号5は拡大寸法撮影画像であり、テンプレートCの1つ目の画像枠は通常寸法画像枠なので、割付不一致となる。このため、この拡大寸法撮影画像の割付処理をひとまず待機させておき、当該拡大寸法撮影画像には待機を示す識別コードを付与する(#C1)。次の割付候補となるコマ番号6は通常寸法撮影画像なので、この通常寸法撮影画像がテンプレートCの1つ目の画像枠に割り付けられる(#C2)。次の割付候補となるコマ番号7も通常寸法撮影画像で、テンプレートCの2つ目の画像枠も通常寸法画像枠なので、このコマ番号7の撮影画像はテンプレートCの2つ目の画像枠に割り付けられる(#C3)。
【0025】
(ステップ#D:テンプレートDに対するプリント候補撮影画像の割付処理)
次のテンプレートDは、1つの拡大寸法画像枠のみを有するテンプレートなので、この拡大寸法画像枠に、ステップ#Cにおいて待機したコマ番号5をもつ拡大寸法撮影画像が割り付けられる(#D1)。
【0026】
(ステップ#E:テンプレートEに対するプリント候補撮影画像の割付処理)
次の割付候補となるコマ番号8は通常寸法撮影画像で、テンプレートEの1つ目の画像枠も通常寸法画像枠なので、コマ番号8の撮影画像がテンプレートEの1つ目の画像枠に割り付けられる(#E1)。さらに、次の割付候補となるコマ番号9も通常寸法撮影画像で、テンプレートEの2つ目の画像枠も通常寸法画像枠なので、このコマ番号9の撮影画像はテンプレートEの2つ目の画像枠に割り付けられる(#E2)。
【0027】
このようにして、数十頁から百頁を超える頁数分のテンプレートにプリント候補撮影画像が順次割り付けられる。全てのプリント候補撮影画像が割り付けられると、この割付情報に基づいてプリントデータ生成部41が、最終的に写真冊子を構成する各頁シートを出力するプリント出力機100のためのプリントデータを生成する。プリントデータ生成部41で生成されたプリントデータは、LANやインターネットなどのWANを介してプリント出力機100へ伝送される。なお、最終的なプリントデータが生成される前に、画像処理部40が、割り付けられた撮影画像、及び台紙としてのテンプレートの画像データに対して、解像度変換、濃度変換、拡大縮小処理、各種フィルタ処理、合成処理などを行う。
【0028】
選択したテンプレートセットに含まれているテンプレートの枚数等に自在性が与えられている場合では、上述した割付処理の最終段階において、テンプレートセットに含まれているテンプレートに存在する拡大寸法画像枠の個数が選択された拡大寸法撮影画像のコマ数を超えるという事態が生じる。そのような事態が生じた場合には、未割付の通常寸法撮影画像を強制的に拡大寸法撮影画像とするという緊急避難的な処理を追加しておくと好都合である。また前記テンプレートセットに含まれているテンプレートに存在する拡大寸法画像枠の個数が拡大寸法撮影画像のコマ数を下回るという状況が生じる。そのような事態に対処するためには、拡大寸法撮影画像の割り付けが可能となるテンプレートを順番を変更してでも強制的に読み出して設定する緊急避難的な処理を追加しておくとよい。
【0029】
以上の説明には触れられていなかったが、コントロールユニット2には、GUI50が構築されている。GUI50は、顧客に対するモニタ画面上での各種の情報の表示にグラフィックを用い、その操作入力をタッチパネルと組み合わせて行うためのユーザインターフェースを作り出す。
【0030】
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施の形態では、本発明による写真冊子注文受付機は、DPショップなどの写真サービス店やコンビニエンスストア等の店頭に設置されるセルフサービス式注文受付機として適用されていたが、本発明による写真冊子注文受付プログラムをインストールすることにより顧客のパソコンを上記のような写真冊子注文受付機として機能させることも可能である。
(2)
上述した実施の形態では、プリント候補撮影画像選択画面を通じてのプリント候補撮影画像の選択においては、プリント候補撮影画像選択画面にスクロール表示される撮影画像は、コマ番号順、つまり撮影日時順に並べられていた。従って、割付処理においても、その順番で順次テンプレートに割り付けられていた。しかしながら、特定のテーマ別で区分けした写真冊子を制作したい場合では、そのようなテーマ別、つまり、撮影シーン別に区分けされた順序で割り付ける必要がある。例えば図6に例示するように、プリント候補撮影画像選択画面における撮影画像の表示を、撮影シーン別にグループ化して行うとよい。グループ化される撮影シーンの種類としては、時刻別や場所別といった撮影条件によって規定される撮影シーン、人物の顔が大きな面積を占めているポートレートやたくさんの顔が分布している集合写真といった被写体によって規定される撮影シーンなどが適している。上記のような撮影画像のグループ化を自動的に行うためには、エグジフ(Exif:Exchangeable Image File Format)情報などや検出プログラムを利用して撮影画像中の人物顔のサイズや数などの情報を利用することができる。前者の場合、撮影画像を時刻別や場所別にグループ化することができるし、後者の場合撮影画像をポートレートまたは非ポートレートといった区別でグループ化することができる。また、マニュアルでグループ化する場合には、最初に、顧客が記録メディアに記録されている撮影画像からプリント候補撮影画像を選択する際に撮影シーンの区分けを設定するとよい。
【符号の説明】
【0031】
2:コントロールユニット
10:モニタ
11:タッチパネル
21:入力画像処理部
22:写真冊子形式選択部
23:割付用撮影画像選択部
23a:通常画像管理部
23b:拡大画像管理部
24:テンプレート管理部
30:割付制御部
41:プリントデータ生成部
100:プリント出力機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常寸法撮影画像または拡大寸法撮影画像あるいはその両方の撮影画像が割り付けられる、複数枚の本文頁シートを含む写真冊子のための写真冊子注文受付機であって、
前記本文頁シート毎の前記通常寸法撮影画像と前記拡大寸法撮影画像の割付枚数を規定する写真冊子形式を選択する写真冊子形式選択部と、前記選択された形式の写真冊子に割り付ける割付用撮影画像を選択する割付用撮影画像選択部と、前記割付用撮影画像のうちで前記通常寸法撮影画像として選択された撮影画像を管理するとともに前記割付用撮影画像のうちで前記拡大寸法撮影画像として選択された撮影画像を管理する割付用撮影画像管理部、前記選択された形式の写真冊子のための複数のテンプレートからなるテンプレートセットを管理するテンプレート管理部と、前記テンプレートの通常寸法画像枠に前記通常寸法撮影画像を割り当てるとともに拡大寸法画像枠に前記拡大寸法撮影画像を割り当てる割付制御部とを備え、
前記割付制御部が、本文頁シートの頁順に設定される前記テンプレートに対する前記割付用撮影画像の所定順序での割付処理において、設定されたテンプレートに拡大寸法画像枠が存在しない場合には拡大寸法画像枠が存在するテンプレートが設定されるまで一時的に拡大寸法撮影画像の割付処理を待機させる写真冊子注文受付機。
【請求項2】
前記テンプレートセットに含まれているテンプレートに存在する拡大寸法画像枠の個数が前記選択された前記拡大寸法撮影画像のコマ数を超えている場合は、未割付の前記通常寸法撮影画像を強制的に前記拡大寸法撮影画像とする請求項1に記載の写真冊子注文受付機。
【請求項3】
前記テンプレートセットに含まれているテンプレートに存在する拡大寸法画像枠の個数が前記選択された前記拡大寸法撮影画像のコマ数を下回っている場合は、前記拡大寸法撮影画像の割り付けが可能となるテンプレートを強制的に設定する請求項1に記載の写真冊子注文受付機。
【請求項4】
前記割付処理における前記割付用撮影画像の所定順序は撮影日時順である請求項1から3のいずれか一項に記載の写真冊子注文受付機。
【請求項5】
前記割付処理における前記割付用撮影画像の所定順序は、特定の撮影シーン別に区切られた順序である請求項1から3のいずれか一項に記載の写真冊子注文受付機。
【請求項6】
通常寸法撮影画像または拡大寸法撮影画像あるいはその両方の撮影画像が割り付けられる、複数枚の本文頁シートを含む写真冊子のための写真冊子注文プログラムであって、
前記本文頁シート毎の前記通常寸法撮影画像と前記拡大寸法撮影画像の割付枚数を規定する写真冊子形式を選択する写真冊子形式選択機能と、前記選択された形式の写真冊子に割り付ける割付用撮影画像を選択する割付用撮影画像選択機能と、
前記割付用撮影画像のうちで前記通常寸法撮影画像として選択された撮影画像を管理するとともに前記割付用撮影画像のうちで前記拡大寸法撮影画像として選択された撮影画像を管理する割付用撮影画像管理機能と、前記選択された形式の写真冊子のための複数のテンプレートからなるテンプレートセットを管理するテンプレート管理機能と、前記テンプレートの通常寸法画像枠に前記通常寸法撮影画像を割り当てるとともに拡大寸法画像枠に前記拡大寸法撮影画像を割り当てるとともに、その際、本文頁シートの頁順に設定される前記テンプレートに対する前記割付用撮影画像の所定順序での割付処理において、設定されたテンプレートに拡大寸法画像枠が存在しない場合には拡大寸法画像枠が存在するテンプレートが設定されるまで一時的に拡大寸法撮影画像の割付処理を待機させる割付制御機能とをコンピュータに実現させる写真冊子注文受付プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−78005(P2011−78005A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229711(P2009−229711)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】