説明

凍結用材料および地盤凍結工法

【課題】 高い流動性および熱伝導率を有するとともに、凍結時に放出される水の凍結潜熱が少なくなることにより、地盤などの凍結対象を短時間で凍結させることができる凍結用材料およびこの凍結用材料を用いた地盤凍結工法を提供する。
【解決手段】 地盤凍結工法を行う際、ボーリング孔Hに挿入された凍結管1内に循環供給されるブラインの冷熱を地盤に伝熱する伝熱部2を形成する。伝熱部2を形成する材料として、凍結用材料が用いられる。凍結用材料は、土質系の粉体材料を基材とし、この基材と、この基材よりも熱伝導性の高い金属や炭素繊維などの高熱伝導性材料とが液体に混合され、さらに、高熱伝導性材料を液体中で分散させ流動性を増加させる分散剤が混合されてなる構成原料を練り混ぜて形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結用材料および地盤凍結工法に係り、特に、地盤を凍結させる際に用いる凍結用材料およびこの凍結用材料を用いて、地盤に埋設した鋼管の周囲やシールドトンネル、さらにはパイプルーフなどの周囲を凍結させる際の地盤凍結工法に関する。
【背景技術】
【0002】
シールド掘進機の発進や到達、トンネルからの非開削拡幅、トンネルや立坑の地中接続などを行う際には、地盤を凍結させる地盤凍結工法が用いられることがある。地盤凍結工法では、凍土の形成に要する時間(日数)短縮することが工期短縮のために求められる。
【0003】
凍結時間の短縮を図った地盤凍結工法として、たとえば特開平6−136738号公報に開示された地盤凍結工事方法がある。この地盤凍結工事方法は、凍土化地点の地表面下掘削空間を設け、この掘削空間に冷却体および高熱伝導率をもつ流動体、たとえば金属粉を含む汚泥を注入充填し、冷熱エネルギーを給送して、掘削地盤の壁部に至る範囲一帯を凍結するというものである。また、凍結処理を行う際の熱伝導性材料としては、特開昭61−275383号公報に開示されているように、アルミニウム、鉄、銅などの粉末が知られている。さらに、特開平2−157397号公報に開示されるように、シールドトンネルの裏込め材に凍結促進材として金属片を混入させる方法が知られている。
【特許文献1】特開平6−136738号公報
【特許文献2】特開昭61−275383号公報
【特許文献3】特開平2−157397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、高熱伝導率をもつ流動体として、金属粉を含む汚泥や金属片を含む裏込め材を用いる場合、金属粉や金属片の流動性が低いことから、流動性を高めるために水などの液体や粘土を大量に含ませることが必要となる。このため、金属粉や金属片が高い熱伝導性を有しているに係わらず、汚泥中における金属の占有率を高めることができず、高い熱伝導性を発揮させるのが困難であるという問題があった。また、液体として水を大量に含ませた場合、凍結時に放出される水の潜熱が大きく、場合によっては原地盤よりも大きくなってしまうことがある。このような場合には凍結を促進させるどころか、却って地盤凍結を阻害することになるという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、高い流動性および熱伝導率を有するとともに、凍結時に放出される水の凍結潜熱が少なくなることにより、地盤などの凍結対象を短時間で凍結させることができる凍結用材料およびこの凍結用材料を用いた地盤凍結工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明に係る凍結用材料は、冷熱源からの冷熱を凍結対象領域に凍結対象領域を凍結するにあたり、冷熱源からの冷熱を凍結対象領域に供給する冷媒となる凍結用材料であって、基材と、基材よりも熱伝導性が高い高熱伝導性材料と、が液体に混合され、さらに、粉末材料を液体中で分散させ流動性を増加させる分散剤と、を構成原料とし、構成原料を練り混ぜて形成されているものである。
【0007】
本発明に係る凍結用材料は、基材と、基材よりも熱伝導性が高い熱伝導性材料とが液体に混合されている。この液体の作用により、高い流動性を発揮する。また、液体のみで流動性を高めるためには、液体を大量に混合させなければならず、熱伝導性材料による高い熱伝導性を発揮しにくいことになる。さらには、単位体積あたりに占める液体の凍結潜熱が増加するので、凍結促進効果を高めることができない。ここで、本発明に係る凍結用材料では、さらに分散剤を混合させている。分散剤は、基材を液体中で分散させて流動性を増す効果があることから、この分散剤を混合させることにより、液体の含有量を増加させることなく流動性の向上を図ることができる。したがって、液体の含有量を増やすことなく流動性を発揮させることができるので、熱伝導性材料の高い凍結促進性能を活かしながら、高い流動性を発揮させることができる。したがって、地盤などの凍結対象域を短時間で凍結させることができる。
【0008】
ここで、基材は、自然鉱物由来材料および人工非水溶性材料のうちの少なくとも一方であり、粉末状または粒状とされている態様とすることができる。これらの自然鉱物由来材料や人工非水溶性材料を粉末状または粒状の態様とすることにより、基材として好適に用いられる。
【0009】
また、高熱伝導性材料は、金属または炭素である態様とすることができる。金属やまたは炭素は高い熱伝導性を有することから、高熱伝導性材料は、金属製または炭素製である態様とするのが好適である。
【0010】
さらに、分散剤は、減水剤および遅延剤のうちの少なくとも一方である態様とすることができる。これらの分散剤を用いることにより、液体の量が少ない場合でも、高い流動性を発揮させることができる。
【0011】
また、構成原料に水硬性固化材が混合されている態様とすることもできる。水硬性固化材が混合されていることにより、流動して高熱伝導性材料が拡散された後、水硬性固化材が固化して高い熱伝導性を均一に発揮させることができる。また、この凍結用材料の流動性は、施工時、すなわち地中への注入時に必要であるが、その後は必要でなく、かえって地盤や構造物の変形を促すことになるので、流動性が消失するのが好適となる。この点、水硬性固化材を混合することにより、施工後における流動性を消失させることができ、地盤や構造物の変形を防止することができる。
【0012】
さらに、構成原料に増粘剤が混合されている態様とすることができる。このように、増粘剤が含まれていることにより、粘性が増加させる。この粘性の増加により、高熱伝導性材料の沈降に伴う材料分離や地下水の流入による希釈を防止することができ、好適に高熱伝導性材料を分散させることができる。
【0013】
また、高熱伝導性材料が、粉末状、粒状、繊維状、および箔状のうちの少なくとも一つとされている態様とすることができる。高熱伝導性材料が粉末状、粒状、繊維状、または箔状であることで、より高い熱伝導性を発揮させることができる。
【0014】
他方、上記課題を解決した本発明に係る地盤凍結工法は、上記の凍結用材料を用いて地盤を凍結することにより凍結地盤を形成するものである。
【0015】
このように、上記の凍結用材料は、地盤を凍結する地盤改良工法に好適に用いることができる。以下の地盤凍結工法において、短時間で地盤を凍結させることができるので、工期の短縮に貢献することができる。
【0016】
ここで、地盤凍結工法として、凍結対象地盤に凍結管を挿入し、凍結管の周囲に凍結用材料を充填し、凍結管にブラインを流通させて、凍結対象地盤を凍結して凍結地盤を形成する態様とすることができる。
【0017】
また、凍結管が非磁性体材料からなるとともに、高熱伝導性材料が磁性体金属からなり、凍結管の周囲に凍結用材料を充填した後、凍結管内に磁力発生手段を挿入して、高熱伝導性材料に磁力を作用させる態様とすることもできる。このように、高熱伝導性材料に磁力を作用させることにより、凍結管の外周面に高熱伝導性材料を誘導することができるので、さらに効率よく地盤を凍結させることができる。
【0018】
さらに、シールド機本体に取り付けられたカッタによって地盤を掘削して掘進するシールド工法におけるカッタから掘進方向に交差する方向に突出するコピーカッタで地盤を余掘りして形成された余掘り部に熱伝導性材料を充填し、熱伝導性材料に冷熱を供給して、熱伝導性材料が充填された空間の周囲の地盤を凍結させる態様とすることもできる。
【0019】
また、シールド機本体に取り付けられたカッタによって地盤を掘削して掘進するシールド工法におけるシールド機本体が通過して形成された掘削領域で組み立てられたセグメントと地盤との間に裏込め材を注入する際に、裏込め材として熱伝導性材料が用いられ、裏込め材が注入された後、熱伝導性材料に冷熱を供給して、熱伝導性材料が充填された空間の周囲の地盤を凍結させる態様とすることもできる。
【0020】
さらに、地盤内を推進掘削機で掘進して形成された領域に推進管を推進するにあたり、推進掘削機に取り付けられたコピーカッタで推進管と地盤との間に形成された余掘り部に熱伝導性材料を充填し、熱伝導性材料に冷熱を供給して、熱伝導性材料が充填された空間の周囲の地盤を凍結させる態様とすることもできる。
【0021】
そして、地盤内を推進掘削機で掘進して形成された領域に推進管を推進するにあたり、推進管の外周から地盤に注入する滑材として、熱伝導性材料を用いて、推進管が推進された後、推進管と地盤との間に熱伝導性材料を残存させ、推進管と地盤との間の残存する熱伝導性材料に冷熱を供給して地盤を凍結させる態様とすることもできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る凍結用材料および地盤凍結工法によれば、高い流動性および熱伝導率を有するとともに、凍結時に放出される水の凍結潜熱が少なくなることにより、地盤などの凍結対象を短時間で凍結させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する部分については同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。図1(a)は、地盤凍結工法が行われる地盤の平面図、(b)はその側断面図である。
【0024】
図1に示すように、地盤凍結工法では、凍結対象地盤となる地盤Gを凍結するにあたり、ボーリング孔Hを掘削した後、このボーリング孔Hに凍結管1を配管し、凍結管1内に冷熱源となるブラインを循環供給する。凍結管1は、内管1Aと外管1Bとを備える二重管であり、内管1Aにブラインを供給し、内管1A内から外管1B内を流通して、排出口から排出される。このブラインの循環供給を行うことにより、ブラインの冷熱が地盤Gに伝熱されて地盤Gが凍結させられる。
【0025】
また、ボーリング孔Hの内壁面と凍結管1との間には、凍結用材料が充填された熱伝導部2が形成されている。熱伝導部2は、凍結管1を埋設するために形成したボーリング孔Hに凍結管1を配設した後、凍結管1の周囲に残る余掘り部に凍結用材料を充填することによって形成されている。この凍結用材料は、基材と高熱伝導性材料とが水に混合され、さらに分散剤が混合された構成原料を練り混ぜることによって形成されている。本実施形態では、基材として土質材料、高熱伝導性材料として金属粉が用いられている。また、構成原料には、このほか増粘剤および水硬性固化材などが適宜混合されている。
【0026】
基材としては、粉末状または粒状の自然鉱物由来材料や人工非水溶性材料が用いられる。自然鉱物由来材料としては、土質材料、たとえばシルト、土、石灰石(炭酸カルシウム)の微粉末などを用いることができる。また、人工非水溶性材料としては、ガラスビーズ、高炉スラグ、石炭灰、硫酸バリウム(BaSO:バライト)などを用いることができる。もちろん、これらの材料を混合して用いることもできる。
【0027】
高熱伝導性材料としては、金属や炭素(カーボン)などを用いることができ、金属としては、アルミニウム、銅、鉄などを挙げることができる。また、高熱伝導性材料は、粉末状、粒状、繊維状、または箔状として用いるのが好適である。粉末状、粒状、繊維状、または箔状とすることにより、熱伝導性をより高めることができる。
【0028】
分散剤としては、コンクリート用化学混和剤の減水剤や遅延剤(遅延効果を有する薬剤)を用いることができる。具体的には、減水剤としては、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、さらに具体的には、リグニンスルホン酸またはその塩、オキシカルボン酸またはその塩、糖類などを用いることができる。さらには、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリカルボン酸、ポリアルキルスルホン酸、芳香族アミノスルホン酸、およびこれらの誘導体または塩などを挙げることができる。そのほか、分散材として遅延効果を有する薬剤、たとえばオキシカルボン酸またはその塩、ホスホン酸誘導体またはその塩、糖類またはその誘導体などを用いることができる。
【0029】
水硬性固化材としては、ポルトランドセメント、混合セメント、特殊セメント、高炉スラグ粉末、生石灰、消石灰などを用いることができる。また、増粘剤としては、非イオン性水溶液セルロースエーテル、水溶性ポリアクリルアミド、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ソーダ、キサンタンガム、グアガムなどを用いることができる。
【0030】
この凍結用性材料は、土質材料に液体である水を加え、さらに金属粉、分散剤、および普通ポルトランドセメントを混合してなり、固化するまでの間は流動性を維持している。ここで、土質材料と金属粉とが大量に含まれているため、液体の流動性が懸念されるが、分散剤が含まれていることにより、高い流動性を確保することができる。その結果、高い熱伝導性を有する金属粉を熱伝導部2に均等に配置することができる。
【0031】
次に、地盤Gを凍結させる手順について説明する。地盤Gの凍結を行う際には、まず、凍結管1を地盤Gに埋設するとともに、凍結管1の周囲に熱伝導部2を形成する。熱伝導部2をボーリング孔H内に形成する際には、ボーリング孔H内に凍結管1を配管するとき、ボーリング孔Hの開口部に凍結管1の開口部を位置し、凍結管1にブラインを循環供給するための供給口をボーリング孔Hの開口部に配置する。こうしてボーリング孔Hに凍結管1を配管したら、凍結管1を配管したボーリング孔Hの余掘り部となるボーリング孔Hと凍結管1との間に流動性を有する状態にある凍結用材料を流入する。このとき、凍結用材料は高い比重と流動性を有していることから、ボーリング孔Hと凍結管1との間に充填され、両者の間の隙間を非常に少ない状態としている。その後、時間の経過とともに凍結用材料が固化し、熱伝導部2が形成される。
【0032】
熱伝導部2が形成されたら、凍結管1内にブラインを循環供給して地盤Gの凍結を開始する。地盤Gを凍結するにあたり、凍結管1内にブラインを循環供給すると、ブラインの冷熱が熱伝導部2を介して地盤Gに伝熱される。ここで、熱伝導部2には、熱伝導率が高い金属粉が混入された熱伝導性材料によって形成されているので、ブラインの冷熱を効率よく地盤Gに伝達することができる。したがって、地盤Gを効率よく凍結させることができ、凍結管1の径を大きくする場合と同等の冷却効果を得ることができる。
【0033】
また、上記実施形態では、ボーリング孔Hの余掘り部に凍結用材料を充填して熱伝導部を形成したが、図2に示すように、離間して形成された複数のボーリング孔H同士の間に、凍結用材料を注入して、さらに熱伝導効率を高めることもできる。
【0034】
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。図3は、第二の実施形態に係る地盤凍結工法が行われる地盤の側断面図である。
【0035】
図3に示すように、本実施形態に係る地盤凍結工法では、上記第一の実施形態と同様、凍結対象地盤となる地盤Gを凍結するにあたり、ボーリング孔Hを掘削した後、このボーリング孔Hに凍結管1を配管し、凍結管1内にブラインを循環供給する。このブラインの循環供給を行うことにより、ブラインの冷熱が地盤Gに伝熱されて地盤Gが凍結させられる。また、ボーリング孔Hの内壁面と凍結管1との間には、凍結用材料が充填された熱伝導部2が形成されており、熱伝導部2を介して凍結管1内に循環するブラインの冷熱が地盤Gに伝熱される。
【0036】
熱伝導部2に充填される凍結用材料は、第一の実施形態と同様のものであるが、高熱伝導性材料としては、鉄やニッケルなどの磁性体である金属、ここでは鉄粉が用いられている。また、凍結管1としては、非磁性体金属であるオーステナイト系ステンレス製のものが用いられている。また、他のステンレス製のものを用いることもできる。さらに、本実施形態では、地盤凍結を行う前段階として熱伝導部2を形成する際に、凍結管1の周囲の余掘り部に凍結用材料を充填した後、図3に示すように、磁力発生手段である電磁石3をロープ4によって複数連結させて、凍結管1内に挿入されている。このロープ4を介して電磁石3に通電して磁力を発生させる。
【0037】
次に、地盤Gを凍結させる手順について説明する。地盤Gの凍結を行う際には、上記第一の実施形態と同様、まず、凍結管1を地盤Gに埋設するとともに、凍結管1の周囲に熱伝導部2を形成する。ここで、本実施形態では、熱伝導部2を形成するにあたり、凍結管1の周囲の余掘り部に凍結用材料を充填した後、凍結用材料が固化するまでの間、凍結管1内の深さ方向に沿って複数の電磁石3に電気を通電して磁力を発生させる。
【0038】
電磁石3から磁力が発生されると、電磁石3から発生する磁力が磁力線Mとして線状に形成される。凍結管1としては、非磁性体のオーステナイト系ステンレスが用いられていることから、電磁石3から発生した磁力は、凍結管1を抜けて凍結用材料内の鉄粉に影響を与える。このため、凍結用材料内の鉄粉は、電磁石3から発生する磁力が凍結管1に対して垂直な方向を主体とした磁力線Mとして線状に形成され、この磁力線Mに沿って冷熱を伝達したい向きである凍結管に直交する方向に連続的に鉄粉が配列され、鉄粉同士が接した状態となるので、上記第一の実施形態のように、鉄粉同士が接触しない状態よりも熱伝導部2の伝熱性が向上し、凍結効率を向上させることができる。
【0039】
熱伝導部2を形成した後は、上記第一の実施形態と同様、凍結管1内にブラインを循環供給して地盤Gの凍結を開始する。地盤Gを凍結するにあたり、凍結管1内にブラインを循環供給すると、ブラインの熱が熱伝導部2を介して地盤Gに伝熱される。ここで、熱伝導部2には、熱伝導率が高い鉄粉が混入された熱伝導性材料によって形成されており、かつ鉄粉同士が線状に連続した状態で配列されているので、ブラインの熱を効率よく地盤Gに伝達することができる。したがって、地盤Gを効率よく凍結させることができ、凍結管1の径を大きくする場合と同等の冷却効果を得ることができる。
【0040】
なお、上記第二の実施形態では、磁力発生手段として電磁石を用いているが、永久磁石などを用いることもできる。ただし、電磁石を用いることにより、必要な磁力を容易に生じさせることができるので、凍結管1内に電磁石を挿入したり、凍結管1内から撤去したりする作業を行う際に、磁力を発生させないようにするなど取り扱いが容易となる。また、電磁石3をロープで連結しているが、ロッドなどを用いて連結することもできる。さらに、凍結地盤に冷熱をより多く必要とする部分が予め分かる場合などには、磁石の配置を調整することにより、冷熱を多く伝熱することができる位置を必要に応じて配分することもできる。
【0041】
また、凍結用材料が固化するまでの過程で、磁力発生手段を上下方向や円周方向に揺り動かしたり、凍結管1に振動や打撃などを加えたりすることにより、凍結用材料内において、凍結用材料における粘性抵抗に抗して鉄粉が配列し易くなるようにすることができる。また、凍結用材料の粘性により、磁力の作用が停止した後も鉄粉の配列の乱れは大きくはないが、固化材の強度が発現されるまでの間、磁力を作用させることにより、さらに確実に鉄粉の配列を維持することができる。
【0042】
さらに、凍結管1としてステンレス管を用いていることから、耐腐食性にも優れ、防錆塗装が不要となるので、凍結管1を鉄粉と直接接触させることができる。したがって、伝熱効率をさらに高くすることができる。
【0043】
続いて、本発明の第三の実施形態について説明する。本実施形態では、シールド掘進機で掘削して形成したシールドトンネルの周囲、たとえばシールド掘進機の前部の周囲における地盤の凍結を行う。図4(a)は、地盤凍結工法が行われるシールド掘進機の正面図、(b)はその断面図である。
【0044】
図4に示すように、シールド掘進機10は、円筒状のシールド機本体11を備えており、シールド機本体11の前方位置には、切羽を切削するカッタ12が設けられている。カッタ12は、正面視した形状が略円形状をなすカッタ本体12Aにカッタ刃12Bが複数取り付けられて構成されており、カッタ本体12Aの側方には、カッタ本体の周方向に延出可能なコピーカッタ13が設けられている。このカッタ12によってトンネルを掘削するとともに、適宜の箇所において、コピーカッタ13によってトンネルの周囲の余掘りを行う。
【0045】
カッタ12の後方には、隔壁14が設けられ、カッタ12と隔壁14との間には泥水または加泥材が充填されたチャンバCが形成されている。隔壁14の後部には、カッタ12を駆動するモータ15や、チャンバCと連通する送泥管16および排泥管17などが設けられている。さらにその後方には、セグメントSに反力を取って前進するためのシールドジャッキ18が設けられている。また、シールド機本体11と組み立てられたセグメントSとがラップする部位には、テールブラシTが設けられており、テールブラシTよりも後方には、裏込め注入装置19が設けられている。この裏込め注入装置19によって、テールブラシTの後方における地盤GとセグメントSとの間に裏込め注入を行う。ここで、裏込め材として凍結用材料が用いられる。
【0046】
また、カッタ12におけるカッタ本体12Aの側部には、充填材吐出口12Cが設けられている。充填材吐出口12Cには、図示しない充填材供給装置が接続されており、充填材供給装置から充填材吐出口12Cに充填材が供給される。この充填材は、コピーカッタ13で拡幅形成された余掘り部に充填される。ここでの充填材として、凍結用材料が用いられる。さらに、シールド機本体11の前方位置には、ブラインが循環供給される図示しない貼付凍結管が設けられている。この貼付凍結管にブラインを循環供給することにより、ブラインの冷熱が余掘り部に充填された凍結用材料に伝熱され、図4(b)に示す熱伝導部2が形成される。
【0047】
続いて、本実施形態に係る地盤凍結方法の手順について説明する。本実施形態では、シールドトンネルを2方向から掘進し、2つのシールドトンネルを地中で接合する際における接合部位の地盤を凍結対象地盤とする。シールドトンネルの接合部位に到達する前は、コピーカッタ13を伸出させることなく、カッタ12による掘削によって掘進を進行する。やがて、シールドトンネルの接合部近傍に到達すると、コピーカッタ13を伸出させ、余掘り部を形成する。それからさらに掘削を進行して、図4(b)に示すようにシールドトンネルの接合位置に到達する。コピーカッタ13を伸出させた状態での伸進を行っている間、充填材吐出口12Cからは充填材を吐出し、余掘り部に充填材を充填する。
【0048】
ここで、本実施形態では、充填材として凍結用材料を用い、余掘り部には凍結用材料が充填される。熱伝導部2が形成されたら、シールド機本体11における貼付凍結管にブラインを供給する。貼付凍結管にブラインを供給することにより、ブラインの冷熱が熱伝導部2を介して地盤に伝熱される。こうして、シールドトンネルを接合する際におけるシールド掘進機10の周囲の地盤Gを凍結させる。
【0049】
このとき、熱伝導部2を形成する際に用いられる充填材として凍結用材料が用いられている。凍結用材料には、熱伝導率が高い金属粉が混入された熱伝導性材料によって形成されているので、ブラインの冷熱を効率よく地盤Gに伝達することができる。したがって、凍結地盤を短時間で形成することができ工期の短縮に寄与することができる。
【0050】
続いて、本発明の第四の実施形態について説明する。本実施形態では、シールド掘進機で掘削して形成したシールドトンネルにおけるセグメントと地盤との間に充填される裏込め注入材として凍結用材料が用いられる。また、凍結用材料には、水硬性固化材が混合されている。図5(a)は、地盤凍結工法が行われるシールド掘進機の正面図、(b)はその断面図である。シールド掘進機の構成は、上記第三の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0051】
続いて、本実施形態に係る地盤凍結方法の手順について説明する。シールド掘進機10によるシールドトンネルの掘削を行う際には、掘削したトンネルに沿ってセグメントを組み立てる。このとき、トンネルの周囲を安定させるために裏込め注入装置によって地盤とセグメントとの間に裏込め注入材Uを充填する。ここで、本実施形態では、シールドトンネルにおける将来的に周囲の地盤を凍結させる必要性が生じる可能性がある部位について、裏込め注入材Uとして凍結用材料を用いている。「シールドトンネルにおける将来的に周囲の地盤を凍結させる必要性が生じる可能性がある部位」としては、既設のシールドトンネルの側方から新設のシールドトンネルを掘進し、既設のシールドトンネルと新設のシールドトンネルとの接合予定部位などを挙げることができる。先行して施工するシールドの裏込め注入材Uとして凍結用材料を充填し、熱伝導部2を形成しておいた後、既設シールドの側方から別のシールドを到達させる。
【0052】
その後、新設のシールドトンネルとの接合が行われる際に、その接合部で本実施形態に係る接合地盤凍結工法が適用される。地盤を凍結させる前提として、既にシールドトンネル同士の接合部位には、裏込め注入材Uとして凍結用部材が充填されている。この状態から、裏込め注入材Uとして凍結用部材が充填されている位置のセグメントSに内蔵された埋め込み凍結管もしくはセグメントSに接してトンネル内に設置された貼付凍結管にブラインを循環供給する。凍結管にブラインを循環供給すると、熱伝導部2を介して、接合部の周囲の地盤が凍結する。このとき、熱伝導部2には、熱伝導率が高くかつ凍結潜熱の放出が少ない熱伝導性材料によって形成されているので、ブラインの熱を効率よく地盤Gに伝達することができる。したがって、凍結地盤を短時間で形成することができ工期の短縮に寄与することができる。
【0053】
次に、本発明の第五の実施形態について説明する。本実施形態では、たとえばパイプルーフ工法で用いられる推進管を推進させる際の推進管の周囲における地盤の凍結を行う。図6(a)は、パイプルーフ工法に用いられる推進掘進機の正面図、(b)はその断面図、図7はシールドトンネル間に埋設される推進管の断面図、図8はシールドトンネルにおける推進管の発進部の拡大側面図、図9は図7のIX-IX線断面図である。
【0054】
パイプルーフ工法の概要を簡単に説明すると、たとえば2本のシールドトンネルを並行して掘進し、これらのシールドトンネルの中間部に山止め工として複数の推進管を掛け渡し、その内側を掘削して中間部を拡幅するものである。
【0055】
図6に示すように、推進管20の先端部は、推進掘削機本体の外殻を兼ねている。推進管20は、掘削が進行するにしたがって順次後方に連結管が継ぎ足される。推進管本体21の先頭部分には、推進掘削機22が設けられている。推進掘削機22は、一方のシールドトンネルから他方のシールドトンネルに向けて発進する。この推進掘削機22によって、図7に示す2つのシールドトンネルT1,T2の中間部を掘進する。
【0056】
推進掘削機22には、カッタ23が設けられている。カッタ23は、正面視した形状が略円形をなすカッタ本体24と、カッタ本体24に取り付けられたカッタ刃25を有している。カッタ本体24には、カッタ本体24の半径方向に沿って延出するコピーカッタ26が設けられている。コピーカッタ26を延出させて掘進を行うことにより、推進管20の周囲に余掘り部が形成される。
【0057】
推進管20では、推進掘削機22によって地盤を掘削するとともに、一方のシールドトンネルから推進管20を押し出すことにより、推進管20による掘進を行う。また、一方のシールドトンネルから推進管20を押し出す方向を調整することにより、推進管20の掘進方向を調整する。
【0058】
また、図8に示すように、発進側シールドトンネルT1のセグメントにおける推進管20の発進部には、凍結管27が設けられている。同様に、図示はしないが、到達側シールドトンネルT2のセグメントにおける推進管20の到達部にも凍結管が設けられている。発進側シールドトンネルT1のセグメントにおける推進管20の発進部および到達側シールドトンネルT2のセグメントにおける推進管20の到達部には、シールドトンネルT1,T2を形成する際のシールド掘進機によって、あらかじめ余掘り部が形成されているとともに、この余掘り部に充填材が充填されて熱伝導部2が形成されている。この充填材としては、凍結用材料が用いられている。
【0059】
さらに、図9に示すように、推進管20の掘進が進み、コピーカッタ26で掘削され、推進管20と地盤Gとの間に形成される余掘り部には、熱伝導部2が形成される。推進掘削機22には、余掘り部に充填される充填材を吐出する充填材吐出部が形成されている。本実施形態において、余掘り部に充填されて熱伝導部を形成する充填材として凍結用材料が用いられている。
【0060】
次に、本実施形態に係る地盤凍結方法の手順について説明する。本実施形態では、まず、図示しないシールド掘進機で掘進された図7に示すシールドトンネルT1、T2のうち、発進側シールドトンネルT1の発進部から、図7に示す推進管20の推進掘削機22を発進させて、推進管20をシールドトンネルT1,T2の間に掛け渡す。
【0061】
推進管20の掘進を進行させて、シールドトンネルT1とT2との間に推進管20を掛け渡す過程において、推進掘削機22では、コピーカッタ26を延出させて推進管20の周囲に余掘り部を形成する。この余掘り部に順次充填材を充填していき、さらに推進管の推進を続ける。推進掘削機22が通過した後に、推進管本体21が埋設され、推進管本体21の周囲に余掘り部が形成され、余掘り部に充填材が充填された状態となる。
【0062】
推進管20の推進が完了した後は、推進管20の周囲の地盤を凍結させて止水山止め部材としての凍結領域を形成する。凍結領域を形成する際には、図9に示すように、推進管20の内壁面に沿わせて凍結管28を配置し、推進管20内をモルタルによって充填する。それから、凍結管28にブラインを循環供給して、推進管20の周囲の地盤を凍結させる。ここで、本実施形態では、余掘り部2の充填材として凍結用材料を用い、余掘り部には凍結用材料が充填されている。止水山止め部材としての凍結領域を形成するための凍結用材料には、熱伝導率が高い金属繊維が混入された熱伝導性材料によって形成されているので、ブラインの熱を効率よく地盤Gに伝達することができる。したがって、凍結地盤を短時間で形成することができ工期の短縮に寄与することができる。
【0063】
また、凍結管28にブラインを循環供給して推進管20の周囲の地盤を凍結させ、止水山止め部材としての凍結領域を形成すると同時に、発進側シールドトンネルT1および到達側シールドトンネルT2のセグメント埋め込み凍結管27にもブラインを循環供給する。このように、セグメント埋め込み凍結管27にもブラインを供給することにより、止水山止め領域と発進側シールドトンネルT1との接合部および止水山止め領域と到達側シールドトンネルT2との接合部においても、凍結用部材が充填されたシールド掘進機による余掘り部の周囲地盤を短期間で凍結させることができる。
【0064】
また、充填材として凍結用材料が用いられている。凍結用材料には、熱伝導率が高い金属粉が混入された熱伝導性材料によって形成されているので、ブラインの熱を効率よく地盤Gに伝達することができる。したがって、凍結地盤を短時間で形成することができ工期の短縮に寄与することができる。
【0065】
続いて、本発明の第六の実施形態について説明する。本実施形態では、推進管で地盤を掘削する際における滑材として凍結用材料が用いられる。図10(a)は、地盤凍結工法が行われる推進管の正面図、(b)はその断面図である。推進管の構成は、上記第五の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0066】
図10に示すように、推進管20では、推進管20の掘進を行うにあたり、推進管20と地盤Gとの間に、滑材Jを推進管20に設けられた注入口から地盤側へ注入して、推進管20の掘削を円滑に行うようにしている。この滑材Jとして、凍結用材料を用いることにより、推進管20の周囲の地盤Gを凍結させる際に、ブラインの熱を効率よく地盤Gに伝達することができる。したがって、凍結地盤を短時間で形成することができ工期の短縮に寄与することができる。
【0067】
また、本実施形態に係る凍結用材料を用いた場合の効果について実験を行った例について説明する。この実験では、第一の実施形態におけるΦ50のボーリング孔の周囲に凍結地盤を形成するにあたり、形成される凍結地盤の厚さ(凍結地盤厚)およびその凍結厚に到達するまでの時間について測定を行った。実験では、本発明例および比較例のいずれにおいても、ボーリング孔Hに配管された凍結管1に、同条件でブラインを循環供給し、凍結対象領域を凍結させて凍結地盤を形成した。このときの地盤条件は水で飽和した標準砂であり、容積含水率は約40%であった。また、本発明例では、余掘り部に充填して熱伝導部2を形成する凍結用材料として、金属粉および分散剤が混合されたものを用いた。また、比較例では、熱伝導部2を形成することなく凍結地盤を形成した。その結果を図11および表1に示す。また、本発明例における熱伝導性材料の配合を表2に示す。
【0068】
【表1】

【0069】
【表2】

【0070】
図11から分かるように、本発明例に係る凍結用材料を用いた場合では、比較例に係る凍結用材料を用いた場合よりも、いずれの凍土厚に達するまでの時間を比較しても、その凍土厚に達するまでの時間が短時間で済むこと結果となった。このことから、本発明に係る凍結用材料では、地盤を短時間で凍結させることができることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】(a)は、地盤凍結工法が行われる地盤の平面図、(b)はその側断面図である。
【図2】(a)は、他の態様に係る地盤凍結工法が行われる地盤平面図、(b)はその側断面図である。
【図3】地盤凍結工法が行われる地盤の側断面図である。
【図4】(a)は、地盤凍結工法が行われるシールド掘進機の正面図、(b)はその断面図である。
【図5】(a)は、他の態様の地盤凍結工法が行われるシールド掘進機の正面図、(b)はその断面図である。
【図6】(a)は、パイプルーフ工法に用いられる推進管の正面図、(b)はその断面図である。
【図7】シールドトンネル間に埋設される推進管の断面図である。
【図8】図7における推進管発進部の拡大側面図である。
【図9】図7のIX-IX線断面図である。
【図10】他の態様に係る地盤凍結工法が行われる推進管の正面図、(b)はその断面図である。
【図11】本発明例に係る凍結用材料を用いた場合と、比較例に係る凍結用材料を用いた場合の凍土厚とその凍土厚に到達するまでの凍結時間を示すグラフである。
【符号の説明】
【0072】
1…凍結管
2…熱伝導部
3…電磁石
4…ロープ
10…シールド掘進機
11…シールド機本体
12…カッタ
12A…カッタ本体
12B…カッタ刃
12C…充填材吐出口
13…コピーカッタ
14…隔壁
15…モータ
16…送泥管
17…排泥管
18…シールドジャッキ
19…注入装置
20…推進管
22…推進掘削機
23…カッタ
24…カッタ本体
25…カッタ刃
26…コピーカッタ
27,28…凍結管
C…チャンバ
G…地盤
H…ボーリング孔
J…滑材
M…磁力線
S…セグメント
U…裏込め注入材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷熱源からの冷熱を凍結対象領域に前記凍結対象領域を凍結するにあたり、前記冷熱源からの冷熱を前記凍結対象領域に供給する冷媒となる凍結用材料であって、
基材と、前記基材よりも熱伝導性が高い高熱伝導性材料と、が液体に混合され、さらに、前記粉末材料を前記液体中で分散させ流動性を増加させる分散剤と、を構成原料とし、
前記構成原料を練り混ぜて形成されていることを特徴とする凍結用材料。
【請求項2】
前記基材は、自然鉱物由来材料および人工非水溶性材料のうちの少なくとも一方であり、粉末状または粒状とされている請求項1に記載の凍結用材料。
【請求項3】
前記高熱伝導性材料は、金属または炭素である請求項1または請求項2記載の凍結用材料。
【請求項4】
前記分散剤は、減水剤および遅延剤のうちの少なくとも一方である請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の凍結用材料。
【請求項5】
前記構成原料に水硬性固化材が混合されている請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の凍結用材料。
【請求項6】
前記構成原料に増粘剤が混合されている請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項に記載の凍結用材料。
【請求項7】
前記高熱伝導性材料が、粉末状、粒状、繊維状、および箔状のうちの少なくとも一つとされている請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項に記載の凍結用材料。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のうちのいずれか1項に記載の凍結用材料を用いて地盤を凍結することにより凍結地盤を形成する地盤凍結工法。
【請求項9】
凍結対象地盤に凍結管を挿入し、
前記凍結管の周囲に前記凍結用材料を充填し、
前記凍結管にブラインを流通させて、前記凍結対象地盤を凍結して凍結地盤を形成する請求項8に記載の地盤凍結工法。
【請求項10】
前記凍結管が非磁性体材料からなるとともに、前記高熱伝導性材料が磁性体金属からなり、
前記凍結管の周囲に前記凍結用材料を充填した後、
前記凍結管内に磁力発生手段を挿入して、前記高熱伝導性材料に磁力を作用させる請求項9に記載の地盤凍結工法。
【請求項11】
シールド機本体に取り付けられたカッタによって地盤を掘削して掘進するシールド工法における前記カッタから前記掘進方向に交差する方向に突出するコピーカッタで地盤を余掘りして形成された余掘り部に前記熱伝導性材料を充填し、
前記熱伝導性材料に冷熱を供給して、前記熱伝導性材料が充填された空間の周囲の地盤を凍結させる請求項8に記載の地盤凍結工法。
【請求項12】
シールド機本体に取り付けられたカッタによって地盤を掘削して掘進するシールド工法における前記シールド機本体が通過して形成された掘削領域で組み立てられたセグメントと地盤との間に裏込め材を注入する際に、前記裏込め材として前記熱伝導性材料が用いられ、
前記裏込め材が注入された後、前記熱伝導性材料に冷熱を供給して、前記熱伝導性材料が充填された空間の周囲の地盤を凍結させる請求項8に記載の地盤凍結工法。
【請求項13】
地盤内を推進掘削機で掘進して形成された領域に推進管を推進するにあたり、前記推進掘削機に取り付けられたコピーカッタで前記推進管と地盤との間に形成された余掘り部に前記熱伝導性材料を充填し、
前記熱伝導性材料に冷熱を供給して、前記熱伝導性材料が充填された空間の周囲の地盤を凍結させる請求項8に記載の地盤凍結工法。
【請求項14】
地盤内を推進掘削機で掘進して形成された領域に推進管を推進するにあたり、前記推進管の外周から地盤に注入する滑材として、前記熱伝導性材料を用いて、前記推進管が推進された後、前記推進管と地盤との間に前記熱伝導性材料を残存させ、
推進管と地盤との間の残存する前記熱伝導性材料に冷熱を供給して地盤を凍結させる請求項8に記載の地盤凍結工法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2008−69246(P2008−69246A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−248506(P2006−248506)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【Fターム(参考)】