説明

出発時刻を与えるナビゲーションシステム及び方法

処理リソース(202)と出力デバイス(206)を備えるナビゲーションシステムであって、処理リソース(202)は、目的地を表す目的地データを受信し、目的地への予想移動時間を決定し、目的地への予想移動時間に依存して出発時刻を決定するように構成されており、出力デバイス(206)は、ユーザへと出発時刻を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナビゲーションシステム及び方法、並びにこのようなシステム及び方法のユーザへの出発時刻の準備に関する。本発明は特に、可搬ナビゲーションデバイスを含むナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばGPS(全地球測位システム)信号の受信及び処理機能を有するポータブルナビゲーションデバイス(PND)のような可搬コンピュータティングデバイスは、乗物搭載型ナビゲーションシステム又は自動車以外の乗物のナビゲーションシステムとしてよく知られており、また広く使用されている。
【0003】
一般論として、最新のPNDは、プロセッサと、メモリ(揮発性及び不揮発性の少なくとも一方、そして普通は両方)と、このメモリ内に格納された地図データとを備える。このプロセッサとメモリは、協力して実行環境を提供し、この環境の中でソフトウェアのオペレーティングシステムが立ち上がりうる。また、よくあることだが、1つ以上の付加的なソフトウェアプログラムが提供されていて、PNDの機能を制御可能にするとともに、種々の他の機能を提供可能にしている。
【0004】
通常これらのデバイスは、ユーザによるデバイスの操作及び制御を可能にする1つ以上の入力インタフェースと、それを用いてユーザに情報を中継しうる1つ以上の出力インタフェースとをさらに備える。出力インタフェースの具体例には、画像表示装置及び可聴出力用のスピーカを含む。入力インタフェースの具体例には、デバイスのオン/オフ操作又は他の機能を制御するための1つ以上の物理的ボタン(このボタンは必ずしもそれ自体をデバイス上に設置する必要はなく、デバイスを乗物に組み込む場合、ステアリングホイール上に設置できよう)と、ユーザの音声を検出するマイクとを含む。ある特定の構成では、出力インタフェースディスプレイが、(接触感応オーバレイ又は他の手段を用いて)接触感応ディスプレイとして構成され、ユーザが触れることによりデバイスを操作しうる入力インタフェースを追加で提供してもよい。
【0005】
この種のデバイスは、1つ以上の物理的接続インタフェースもたいてい有し、このインタフェースを用いて、デバイスは、電力及び状況に応じてデータ信号を送受信しうる。また、状況に応じて1つ以上の無線送信器/受信器も有し、例えばBluetooth、WiFi、Wi−MAX、GSM、UMTSなどのセルラ通信ならびに他の信号及びデータのネットワークを通じた通信を可能にする。
【0006】
この種のPNDは、GPSアンテナも有し、このGPSアンテナを用いて位置データを含む衛星放送信号を受信し、続いてそれを処理して、このデバイスの現在位置を測定することができる。
【0007】
PNDはまた、電子ジャイロスコープ及び電子加速度計も有してもよく、これらが作り出す信号を処理して、現在の角加速度及び線加速度を測定でき、さらにはGPS信号から導出される位置情報とともに処理して、このデバイスひいてはデバイスが搭載されている乗物の速度及び相対変位を測定できる。通常このような特徴は、乗物搭載型のナビゲーションシステムが最もよく備えるが、もしこのような特徴を備えるのが都合良いなら、PNDにも備えられてもよい。
【0008】
このようなPNDの有用性は、第1の場所(通常は出発地点又は現在位置)と第2の場所(通常は目的地点)との間の経路を決定する能力に主に現れる。これらの場所は、デバイスのユーザが多種多様の異なる方法のいずれかで、例えば郵便番号、住所、事前格納済みの「周知」の目的地(有名な場所、公共の場所(運動場又はスイミングプール等)及び他の主要な場所等)、及びお気に入りの場所又は最近訪問した目的地などで入力しうる。
【0009】
PNDは、乗物のダッシュボード又はフロントガラスに取りつけられてもよいが、乗物無線のオンボードコンピュータの一部として、又はそれどころか乗物自体の制御システムの一部としても形成されてもよい。ナビゲーションデバイスはまた、PDA(携帯情報端末)、メディアプレーヤ、移動電話機又は同種のものなどのハンドヘルドシステムの一部でもよい。この場合には、ハンドヘルドシステムの通常の機能が、経路計算と計算した経路に沿ってのナビゲーションとの両方を実行するソフトウェアをデバイスにインストールすることによって拡張される。
【0010】
計算経路に沿ったナビゲーション中、このようなPNDが視覚命令及び/又は可聴命令を提供し、選択した経路に沿って経路の終点すなわち所望の目的地点までユーザを案内するのが普通である。またPNDが、ナビゲーション中に地図情報を画面上に表示するのも一般的であり、その情報は画面上で定期的に更新されて、表示される地図情報がデバイスの現在位置を表し、それ故、ユーザの現在位置又はデバイスが車内でのナビゲーションに使用されている場合はユーザの乗物の現在位置を表す。
【0011】
画面上に表示されるアイコンは、通常はデバイスの現在位置を示し、このデバイスの現在位置の付近の現在及び周辺の道路の地図情報の中心に配置され、他の地図機能も表示される。また、ナビゲーション情報は、任意的に、表示された地図情報の上、下又は片側に、ステータスバーで表示されてもよく、ナビゲーション情報の例には、次の道路変更までにユーザが現在の道路で走る必要のある距離を含み、場合によりその道路変更の特徴が、例えば左折又は右折などの道路変更の特定のタイプを示唆するさらなるアイコンによって表される。ナビゲーション機能はまた、ユーザを経路に沿って案内しうる可聴命令の内容、期間及びタイミングも決定する。
【0012】
経路計算機能及びナビゲーション機能は、PNDの総合的な有用性の基本であるが、純粋に情報表示又は「フリードライビング」のためにデバイスを使用することも可能である。フリードライビングでは、現在のデバイス位置に関連する地図情報だけを表示し、デバイスは経路を全く計算せず、ナビゲーションも行わない。このような動作モードは、ユーザが移動を望む経路を既に知っており、ナビゲーション補助を必要としないときに、たいてい適用される。
【0013】
上述のタイプのデバイス、例えばTomTom International B.V.が製造販売する920Tモデルは、ユーザがある位置から別の位置まで移動するのを可能にする信頼できる手段を提供する。ユーザがナビゲートしようとしている目的地への経路にユーザが慣れていない場合に、このようなデバイスは非常に有用である。
【0014】
しかしながら一般的に、時間通りに予定された目的地にいるためには、ユーザは自分自身で、テレビ及びインターネットなどのメディアを介して道路状況を確認し、いつ出発するのかを推定しなければならない。この推定は、一般的には交通渋滞、道路工事、及び道路閉鎖のような道路混雑についての情報に基づく。
【0015】
どのぐらい移動に時間がかかるかを運転者自身が推定することを補助する情報は、多くのサービスから入手可能である。テレビの文字多重放送は、高速道路上での交通渋滞及び道路工事による混雑及び交通遅滞についての情報を示す。交通の問題に関して、モバイルデバイスにテキストメッセージを送るサービスも存在する。以前にユーザが進入した特定の道路について、モバイルデバイスにテキストメッセージを送る課金サービスもまた存在する。混雑に関する情報を提供するインターネットサービスが利用可能である。これらのサービスは、インターネットへのモバイルアクセスによって、モバイルデバイスにとって利用可能である。
【0016】
しかしながら、上の段落で言及されたソースから入手可能な情報は雑なものであって不正確又は古いものであるかもしれず、このようなソースは一般的な情報サービスを提供するものとしてのみ考えられうる。適切な出発時刻を推定する現在の方法はこのように、しばしば雑なデータの人間による荒い解釈の結果である。
【0017】
出発時刻の推定を与える他の方法又はシステムが望まれている。
【発明の概要】
【0018】
本発明の第1の態様によれば、処理リソースと出力デバイスを備えるナビゲーションシステムであって、
前記処理リソースは、
目的地を表す目的地データを受信し、
前記目的地への予想移動時間を決定し、
前記目的地への前記予想移動時間に依存して出発時刻を決定する
ように構成されており、
前記出力デバイスは、ユーザへと前記出発時刻を与える、ナビゲーションシステムが提供される。
【0019】
前記システムは、可搬ナビゲーションデバイスを備えてもよく、前記処理リソースと前記出力デバイスとのうちの少なくとも一方が前記可搬ナビゲーションデバイスに含まれる。
【0020】
前記処理リソースは、前記現在時刻を監視し、前記現在時刻と前記出発時刻との間の比較に依存して警告信号を与えるように構成されていてもよい。
【0021】
前記出力デバイスは、前記警告信号に依存してユーザへと音声出力と視覚出力とのうちの少なくとも一方を与えるように構成されていてもよい。
【0022】
前記処理リソースは所望の到着時刻を受信するように構成されてもよく、予想移動時間の前記決定と出発時刻の前記決定とのうちの少なくとも一方は、前記所望の到着時刻に依存して行われてもよい。
【0023】
前記処理リソースは、少なくとも1つのユーザデバイスからユーザ・スケジュール・データを受信し、前記ユーザ・スケジュール・データから、目的地データと所望の到着時刻との少なくとも一方を取得するように構成されていてもよい。
【0024】
前記ユーザ・スケジュール・データは予定データ又はカレンダーデータを含んでいてもよく、例えばユーザ・スケジュール・アプリケーションから取得されてもよい。前記ユーザ・スケジュール・データはさらに出発位置を含んでいてもよい。前記システムは、可搬ナビゲーションデバイスから前記ユーザデバイスへとユーザ・スケジュール・データを与えるように構成されていてもよい。前記ユーザデバイスと可搬ナビゲーションデバイスとは、同期されてもよい。
【0025】
前記処理リソースは、ありうる経路のそれぞれについての前記目的地への予想移動時間に依存して、前記複数のありうる経路の中から経路を選択するように構成されていてもよい。
【0026】
前記処理リソースは、前記目的地への複数のありうる経路のそれぞれについて、当該経路についての前記予想移動時間の予想される信頼性を示す尺度を判定するように構成されていてもよい。前記処理リソースは、前記経路についての前記信頼性の尺度に依存して経路を選択するように構成されていてもよい。経路についての前記信頼性の尺度は、前記経路についての過去の速度データの変動を含んでいてもよい。このように前記処理リソースは、移動時間の前記予想された信頼性に依存して経路を選択するように構成されていてもよい。必ずしも最速の経路ではない、最も安全又は最も信頼性のある経路が選択されてもよい。
【0027】
前記処理リソースは、予定の重要度を示す予定重要度パラメータに依存して経路を選択するように構成されていてもよい。前記予定重要度パラメータが所定の閾値よりも大きい値を有する場合、前記処理リソースは所定の閾値を超える予想された信頼性を有するこれらの経路群から経路を選択するように構成されていてもよい。
【0028】
経路についての予想移動時間の前記予想された信頼性は、前記経路についての過去の移動データと現在の移動データとの少なくとも一方に依存して決定されてもよい。予想移動時間の前記予想された信頼性は、平均速度データの1以上の変動に依存して決定されてもよい。
【0029】
前記処理リソースは、前記出発時刻にオフセット時間を加え、又は前記出発時刻からオフセット時間を引くように構成されていてもよい。
【0030】
前記処理リソースは、予想移動時間の前記決定と、出発時刻の前記決定と、前記目的地への経路の選択と、オフセット時間の選択と、のうちの少なくとも1つを、少なくとも1つの制約に依存して行うように構成されていてもよい。
【0031】
前記少なくとも1つの制約は、前記目的地への移動時間を最適化するという要件と、要求される到着時刻までに到着するという要件とを含んでいてもよい。前記少なくとも1つの制約は、少なくとも1つの時間ウィンドウ内で出発と到着とのうちの少なくとも一方をするという要件を含んでいてもよい。
【0032】
前記処理リソースは移動データを受信するように構成されていてもよく、及び/又は、前記予想移動時間の前記決定は、前記移動データに依存して行われてもよい。前記移動データは、前記選択された経路又は前記選択された経路の一部に沿っての過去の移動を表してもよい。前記移動データは、例えば過去の移動データのような測定された移動データと現在の移動データとの少なくとも一方を含んでいてもよく、及び/又は予想移動データを含んでいてもよい。前記現在の移動データ、前記過去の移動データ、及び前記予想移動データのそれぞれは、交通データと気象データと事象データとのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0033】
前記処理リソースは、前記現在時刻に依存して、予想される移動時間の決定において、過去の移動データと現在の移動データとの少なくとも一方の前記使用を変更するように構成されていてもよい。
【0034】
予想移動時間の決定における過去の移動データと現在の移動データと予想移動データとのうちの少なくとも1つの前記使用は、定期的に、及び/又は移動データの受信に依存して、前記現在時刻と予想出発時刻若しくは推定出発時刻との間の差に依存して選択されてもよい。
【0035】
前記システムはさらに、目的地の位置と、所望の到着時刻と、オフセット時間と、出発位置とのうちの少なくとも1つのユーザ入力のための、ユーザ入力デバイスを備えていてもよい。
【0036】
前記処理リソースは出発時刻の前記決定を更新するように構成されていてもよく、出発時刻の前記決定を更新するように構成されていてもよい。
【0037】
本発明の他の独立な態様において、
ナビゲーション装置の動作方法であって、
前記ナビゲーション装置において目的地の位置を示す目的地データを受信する工程と、
前記目的地への予想移動時間を決定する工程と、
前記目的地への前記予想移動時間に依存して出発時刻を決定する工程と、
前記出発時刻をユーザに対して与える工程と、
を含む方法が提供される。
【0038】
本発明のさらなる独立な態様において、
出発時刻を格納するメモリと、
前記現在時刻を監視し、前記現在時刻と前記出発時刻との間の比較に依存して警告信号を与える処理リソースと、
前記警告信号に依存してユーザへと出力を与える出力デバイスと、
を備える可搬ナビゲーション装置が提供される。
【0039】
本発明の他の独立な態様において、特許請求された又は本明細書に記載された方法を実行するために実行可能なコンピュータ読み取り可能な命令を含む、コンピュータプログラム製品が提供される。
【0040】
本システムの1つの動作モードにおいて、処理リソースはユーザがどこにいるのか(ソース)についての情報を有する。ユーザは、ユーザがどこに行きたいか(目的地)と、ユーザがいつそこにいたいか(到着地時刻)とを入力することができる。移動データは、他のシステム又はソースから取得されてもよい。処理リソースは、現在の移動時間を考慮して、ソースから目的地への最速の経路を計算するように構成されていてもよい。処理リソースはまた、最速の経路についての合計移動時間を計算するように構成されていてもよい。処理リソースはまた、目的地時刻から合計移動時間及びマージンを引くように構成されていてもよく、これが「出発する時刻」である。処理リソースは、現在時刻が出発する時刻に近い又は一致する場合、ユーザに出発する時刻を通知するように構成されていてもよい。
【0041】
ユーザがどこに行きたいか及びユーザがいつそこにいたいかはまた、ユーザの個人情報管理ソフトウェア(例えば、Microsoft Outlook、Google Calendar)から処理リソースへと与えられてもよい。
【0042】
処理リソースはモバイルデバイスと統合されてもよく、このモバイルデバイスは正確に測定された移動時間を得るために他のデバイス又はシステムと空間を介して通信してもよい。ユーザは、デバイスから通知を得るために、デバイスと対話してもよい。通知は、音声通知と映像通知とのうちの少なくとも一方であってもよい。デバイスとのユーザ対話はまた、予定イベントを提供するかもしれない、ユーザの個人情報管理システム(例えばMicrosoft Outlook又はGoogle Calendar)への接続を介して行われてもよい。このシステムは任意の道路ユーザ又は他の旅行者によって用いられてもよく、ビジネス旅行を計画する際又はビジネスの予定への移動を計画する際に特に有用でありうる。このシステムはまた、業務運転手及び配送サービスによって用いられてもよい。例えば、車隊管理システムはGPSシステ及び配達時刻の契約と詳細を用い、位置は通常中央データベースに格納されている。このシステムは、特定の配達についての出発する選択されたユーザに対して出発の警告を与えるために、このデータベース及びユーザデバイスと協働するように構成されることができる。同様にこのシステムは、例えば所望の目的地に所望の時間に到着するように(例えば航空便又は列車のために到着するように)、運転手又は至急便に顧客を拾う出発時刻を警告するために、タクシー会社によって用いられてもよい。この警告は、業務車両運転手(例えばタクシー、バス、又はトラックの運転手)と、発車係との少なくとも一方に与えられてもよい。
【0043】
本発明のある態様における任意の特徴は、任意の適切な組み合わせにおいて、本発明の他の態様に適用されてもよい。特に、装置の特徴は方法の特徴に適用されてもよく、方法の特徴が装置の特徴に適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明の少なくとも1つの実施形態が、単純に例として、添付の図面を参照してこれから説明される。
【0045】
【図1】ナビゲーションデバイスによって利用可能な全地球測位システム(GPS)の例として役立つ一部の概略図である。
【図2】ナビゲーションデバイスとサーバとの間の通信のための通信システムの概略図である。
【図3】図2のナビゲーションデバイス又は任意の他の適したナビゲーションデバイスの電子構成要素の概略図である。
【図4】ナビゲーションデバイスの取り付けとドッキングとのうちの少なくとも一方の構成の概略図である。
【図5】図3のナビゲーションデバイスによって採用されるアーキテクチャスタックの概略表現である。
【図6】移動の出発時刻をユーザに通知することができるシステムの概略図である。
【図7】図6のシステムの動作においてディスプレイ上でユーザへと表示される画面を表す図である。
【図8】メインメニューの図である。
【図9】交通警告メニューの図である。
【図10】ユーザによる目的地入力のためのメニューの図である。
【図11】ユーザによる目的地入力のためのメニューの図である。
【図12a】ユーザによる目的地入力のためのメニューの図である。
【図12b】ユーザによる目的地入力のためのメニューの図である。
【図12c】ユーザによる目的地入力のためのメニューの図である。
【図13】ユーザによる出発位置入力のためのメニューの図である。
【図14】ユーザによる出発位置入力のためのメニューの図である。
【図15】予約画面の図である。
【図16】出発警告処理の概要を表すフローチャートである。
【図17】オフセット時間の入力、表示、及び修正のための画面の図である。
【図18】警告設定メニューの図である。
【図19】陰影によって示される平均速度を有する交通ネットワークの一部分の概略図である。
【図20】交通ネットワークのある区間についての、時刻と曜日の関数としての平均速度のグラフである。
【図21】出発警告処理の概要を表すフローチャートである。
【図22】予約リスト画面の図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
下記の説明全体を通して、類似の要素には同じ参照番号が使用される。
【0047】
本発明の実施形態は、PNDに関連付けられた形で説明される。しかし、本発明はPNDに限定されるものではなく、任意の処理デバイスに普遍的に適用できることは明らかである。したがって本発明によるナビゲーションデバイスは、PND、自動車のような乗り物、又は経路計画及びナビゲーションソフトウェアを実行する可搬パーソナル混ピュータ(PC)、移動電話、又はパーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)などのような携帯コンピューティング資源などとしてデバイスが実現されるか否かに関わらず、任意の形式の経路計画及びナビゲーションデバイスを(限定されることなく)含むことが意図されている。
【0048】
ある地点からもう1つの地点までをナビゲートするためでなく、単純にある場所の視覚的情報がほしい場合などに本発明が用いられることは下記の説明によって明らかになる。そのような場合は、ユーザによって選択された「目的地」は、ユーザがナビゲーションを開始することを望む対応する出発位置を有する必要はなく、したがって本明細書における「目的地」位置又は「目的地」ビューに対する言及は、経路の生成や「目的地」への移動が必要であること、又は実際、目的地が存在することが対応する出発点の指定が必要であること、を意味するものとして解釈されるべきではない。
【0049】
上記のことを念頭において、図1のGPS及び類似するものは様々な目的に用いられる。一般的に、GPSは衛星無線に基づいたナビゲーションシステムであり、連続的な位置、速度、時間、及び場合によっては制限されない数のユーザの道案内情報を決定することが可能である。以前はNAVSTARという名前で知られていたGPSは、非常に正確な軌道で地球周りを回っている複数の人工衛星を含む。これらの正確な軌道に基づいて、GPS人工衛星は自らの位置を任意の数の受信ユニットに中継することができる。
【0050】
GPSシステムは、GPSデータを受信するように装備されたデバイスがGPS人工衛星の信号を探して無線周波数をスキャンし始めると実施される。GPS人工衛星から無線信号を受信すると、デバイスは複数の周知方法の1つの方法で該人工衛星の正確な位置を決定する。デバイスはほとんどの場合、3つ以上の異なる人工衛星の信号を得るまで無線信号のスキャンを続ける(他の三角測量方法を用いると、位置は2つの信号でも決定することができるが、一般的には行われない)。幾何学的な三角測量を実行する際には、受信器は3つの既知の位置を用いて、人工衛星に対する自らの2次元位置を決定する。これは周知の方法で可能である。更に、4つ目の人工衛星の信号を得ると、同じ幾何学的な計算を用いて周知の方法で受信器の3次元の位置を計算することが可能となる。位置及び速度データは制限されていない数のユーザによってリアルタイムで継続的に更新できる。
【0051】
図1に示されているように、GPSシステム100は地球104の周りを回る複数の人工衛星102を備える。GPS受信器106はスペクトラム拡散GPS衛星データ信号108を複数の人工衛星102から受信する。スペクトラム拡散データ信号108は各人工衛星102から継続的に発信され、発信された夫々のスペクトラム拡散データ信号108はデータストリームと該データストリームが由来する特定の人工衛星102が識別できる情報とを含む。一般的にGPS受信器106は、2次元の位置を計算するために少なくとも3つの人工衛星102から来るスペクトラム拡散データ信号108を必要とする。4つ目のスペクトラム拡散データ信号を受信すると、GPS106は周知方法を用いて3次元の位置を計算することが可能になる。
【0052】
図2に示された、GPS受信器106を備える、又はGPS受信器106につながっているナビゲーションデバイス200は、移動電話、PDA及び/又は移動電話機能を持つ任意のデバイスのようなモバイルデバイス(不図示)を介して、「モバイル」または電気通信ネットワークのネットワークハードウェアとのデータセッションを成立させることが必要に応じて可能であり、例えばBluetooth技術を用いたデジタル接続のようなデジタル接続を成立させる。その後、モバイルデバイスはネットワークプロバイダを介して(例えばインターネットを介して)サーバ150とネットワーク接続を成立させることができる。したがって、“モバイル”ネットワーク接続はナビゲーションデバイス200(このデバイスは単独で及び/又は車両の中で移動するため「モバイル」であり得、多くの場合モバイルである)とサーバ150との間で成立でき、「リアルタイム」または少なくとも「最新」である情報のゲートウェイを提供する。
【0053】
モバイルデバイスと、サーバ150のような異なるデバイスとの間に(サービスプロバイダを介して)例えばインターネットを用いてネットワーク接続を成立させることは周知の方法で実行することができる。この点において、任意の数の適切なデータ通信プロトコル(例えばTCP/IP層プロトコル)も用いることができる。更に、モバイルデバイスはCDMA2000,IEEE802.11,a/b/c/g/nなどの任意の数の通信スタンダードも用いることができる。
【0054】
したがって、インターネット接続が用いられることが理解でき、該インターネット接続は、例えばデータ接続、ナビゲーションデバイス200に内在する移動電話または移動電話機能を介して得られる。
【0055】
図示されていないが、ナビゲーションデバイス200はもちろん移動電話機能を内蔵し得る(例えばアンテナを含むか、又は任意的にナビゲーションデバイス200の内部アンテナを使用することを含む)。ナビゲーションデバイス200に内蔵された移動電話機能は内部の部品及び/又は挿入式カード(例えば、加入者識別モジュール(SIM)カード)を含み得、必要な移動電話機能及び/又はアンテナなどを含む。したがって、ナビゲーションデバイス200に内蔵された移動電話機能はナビゲーションデバイス200とサーバ150との間で、他のモバイルデバイスと同様にネットワーク接続を成立させることができる。
【0056】
電話の設定には、常に変化する携帯電話のモデル、メーカなどと正しく対応できるようにBluetooth対応のナビゲーションデバイスを使い得、また、例えばモデル/メーカごとの具体的な設定をナビゲーションデバイス200側に保存しておくことが可能である。この情報のために保存されたデータは更新することができる。
【0057】
図2には、ナビゲーションデバイス200が一般的な(generic)通信チャネル152を介してサーバ150とつながっている様子が示されており、該チャネル152は数多くの異なる構成のどれを用いても実施できる。通信チャネル152は一般的にナビゲーションデバイス200とサーバ150とをつなげる、伝播媒体またはパス(Path)を表す。サーバ150及びナビゲーションデバイス200は、その間に通信チャネル152が成立されたとき通信が可能になる(そのような接続はモバイルデバイスを介するデータ接続、パソコンでインターネットを介する直接接続などであり得る)。
【0058】
通信チャネル152は特定の通信技術に限定されるものではない。更に、通信チャネル152は1つの通信技術に限定されるものではない。つまり、チャネル152は様々な技術を用いる複数の通信リンクを含み得る。例えば、通信チャネル152は電気的、光学的、及び/又は電磁気的な通信などのための通路を提供するように構成され得る。したがって、通信チャネル152は以下のもの及びその組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない:電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブルなどの導電体、光ファイバ・ケーブル、変換器、無線周波数(RF)、大気、空間など。更に、通信チャネル152はルータ、リピータ、バッファ、送信器、受信器などの中間デバイスを含み得る。
【0059】
1つの例示的な構成では、通信チャネル152は電話及びコンピュータネットワークを含む。更に、通信チャネル152は、赤外線通信、マイクロ波周波数通信のような無線周波数通信などのワイヤレス通信を提供し得る。更に、通信チャネル152は、人工衛星通信も可能である。
【0060】
通信チャネル152を介して発信される通信信号には、ある通信技術に必要又は好ましい信号を含むが、これらに限定されない。例えば、信号は時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)などの移動体通信技術を用いるように構成され得る。デジタル及びアナログの両方の信号が通信チャネル152を介して送信され得る。これらの信号は通信技術に応じて調節、暗号化、及び/又は圧縮された信号であり得る。
【0061】
サーバ150は、図示されていない要素に加えて、メモリ156に接続され、さらに有線又は無線接続158によって大容量データ保存デバイス160に動作可能なように接続された、プロセッサ154を備える。大容量保存デバイス160にはナビゲーションデータ及びマップ情報が保存されており、サーバ150とは別個のデバイスであり得、又はサーバ150の中に含まれ得る。プロセッサ154はさらに送信器162及び受信器164に動作可能なように接続されており、通信チャネル152を介してナビゲーションデバイス200との情報の送受信を行う。送受信された信号はデータ、通信、及び/又は他の伝播された信号であり得る。送信器162及び受信器164は、ナビゲーションシステム200の通信構成に使用された通信要件及び通信技術に応じて選択または設計され得る。更に、送信器162及び受信器164の機能は、1つの送受信器に合体され得る。
【0062】
上記のように、ナビゲーションデバイス200は、通信チャネル152を介してサーバとの通信が可能であり、通信チャネル152を介して送信器166及び受信器168を用いて信号及び/又はデータを送受信する。これらのデバイスはサーバ150以外のデバイスとの通信にも用いられ得る。更に、送信器166及び受信器168は、ナビゲーションデバイス200の通信構成に使用された通信要件及び通信技術に応じて選択または設計され、送信器166及び受信器168の機能は図2に関連付けて上記に説明されているように1つの送受信器に合体され得る。もちろん、ナビゲーションデバイス200は他のハードウェア及び/又は機能的部品を備えており、これらは後で詳細に説明される。
【0063】
サーバメモリ156に保存されたソフトウェアはプロセッサ154に命令を提供し、サーバ150がナビゲーションデバイス200にサービスを提供できるようにする。サーバ150によって提供される1つのサービスは、ナビゲーションデバイス200からのリクエストを処理することと、ナビゲーションデータを大容量データ保存装置160からナビゲーションデバイス200に送信することとを含む。サーバ150によって提供できるもう1つのサービスは、希望されるアプリケーションのために様々なアルゴリズムを用いてナビゲーションデータを処理することと、これらの計算の結果をナビゲーションデバイス200に送信することとを含む。
【0064】
サーバ150は、ナビゲーションデバイス200が無線チャネルを介してアクセスできる遠隔のデータ・ソースである。サーバ150は、ローカルエリア・ネットワーク(LAN),広域ネットワーク(WAN),仮想プライベート・ネットワーク(VPN)などに含まれるネットワークサーバを含み得る。
【0065】
サーバ150はデスクトップまたはノートブックのようなパソコンを含み得、通信チャネル152はパソコンとナビゲーションデバイス200とを接続させるケーブルであり得る。代わりに、パソコンをナビゲーションデバイス200とサーバ150との間において接続させ、サーバ150とナビゲーションデバイス200との間にインターネット接続を成立させるようにし得る。
【0066】
ナビゲーションデバイス200には情報ダウンロードを介してサーバ150から情報が提供され得、該情報は定期的に自動的に、またはユーザがナビゲーションデバイス200をサーバに接続させた際に更新され得、及び/又は、例えば無線モバイル接続デバイス及びTCP/IP接続を介して、サーバ150とナビゲーションデバイス200との間でより継続的で頻繁に接続が成立される場合はよりダイナミックに更新され得る。多くの動的な計算を処理するためには、サーバ150にあるプロセッサ154を用いてその大半を処理することができるが、ナビゲーションデバイス200のプロセッサ(図2には不図示)も大量の処理や計算を行うことができ、多くの場合はサーバ150への接続と関係なくそのような作業が可能である。
【0067】
図3を参照すると、ナビゲーションデバイス200のブロック図はナビゲーションデバイス200の全ての構成要素が含まれているのではなく、いくつかの例示的な部品を示していることが明らかである。ナビゲーションデバイス200はハウジングの中に配置されている(不図示)。ナビゲーションデバイス200は、例えば上記のプロセッサ202を備える処理リソースを含み、プロセッサ202は入力デバイス204及び表示画面206のような表示デバイスに連結されている。本明細書では単数の入力デバイス204に対して言及がなされているが、入力デバイス204は任意の数の入力デバイスを表し、キーボードデバイス、音声入力デバイス、タッチパネル及び/又は他の周知の情報入力デバイスを含み得ることを、当業者は理解するはずである。同様に、表示画面206は任意の表示画面であり得、例えば液晶表示(LCD)などを含み得る。
【0068】
ある構成では、入力デバイス204の1つの態様であるタッチパネルと表示画面206とは、入力兼表示デバイスを与えるように一体化されており、一体化された入力兼表示デバイスは(直接入力、メニュー選択などを介した)情報の入力及び情報の表示の両方を可能にするタッチパッドまたはタッチスクリーン入力250(図4)を含み、これによってユーザは表示画面206の一部をタッチすることだけで、表示された複数の選択肢の1つを選択したり、複数のバーチャル或いは“ソフト”ボタンを押すことが可能となる。これに関しては、プロセッサ202は、タッチスクリーンとともに作動するグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)をサポートする。
【0069】
ナビゲーションデバイス200において、プロセッサ202は接続210を介して入力デバイス204に動作可能なように接続され、入力デバイス204からの入力情報を受信することができ、さらには少なくとも1つの表示画面206及び出力デバイス208に夫々の出力接続212を介して情報を出力するように接続されている。ナビゲーションデバイス200は、例えば音声出力デバイス(例えばスピーカ)などの出力デバイス208を備え得る。出力デバイス208は、ナビゲーションデバイス200のユーザに音声情報を生成できるように、入力デバイス204も同様にマイク及び音声入力指示を受け取るソフトウェアを含むことができることが同様に理解されるはずである。更に、ナビゲーションデバイス200は追加的な入力デバイス204及び/又は出力デバイスを備え得、例えば音声入力/出力デバイスを備え得る。
【0070】
プロセッサ202は接続216を介してメモリ214に動作可能なように接続されており、接続220を介して入力/出力(I/O)ポート218と情報を送受信できるように構成されており、I/Oポート218はナビゲーションデバイス200の外部デバイスであるI/Oデバイス222に接続可能である。外部I/Oデバイス222は、イヤピースのような外部聴取デバイスを含み得るが、これに限定されない。I/Oデバイス222への接続は有線又は無線を介する任意の外部デバイスへの接続であり得、例えばハンズフリー操作及び/又は音声作動を可能にするカーステレオユニットへの接続、イヤピースやヘッドフォンへの接続、及び/又は携帯電話への接続などがあり、携帯電話への接続はナビゲーションデバイス200とインターネット又は他の任意のネットワークとの接続を成立させるために用いられ、及び/又はインターネットまたは他のネットワークを介してサーバへの接続を成立させるために用いられ得る。
【0071】
図3は、接続226を介する、プロセッサ202とアンテナ/受信器224との間の動作可能接続をさらに示しており、アンテナ/受信器224は例えばGPSアンテナ/受信器でありえる。参照番号224で指定されたアンテナ及び受信器は、説明のために概略的に1つとしてあらわしているが、アンテナ及び受信器は異なる位置に配置される部品であり得、アンテナは例えばGPSパッチアンテナ又はらせん状のアンテナであり得る。
【0072】
当業者であれば、図3に示された電子部品は1つ以上の電源(不図示)によって従来のように電力が供給されることは明らかである。当業者には明らかであるように、図3に示された部品の異なる配置も考えられる。例えば、図3に示された部品は、有線及び/又は無線の通信及びそのようなものによってお互いに通信し得る。したがって、ここに説明されるナビゲーションデバイス200は可搬又はハンドヘルドのナビゲーションデバイス200であり得る。
【0073】
さらに、図3の携帯又はハンドヘルド・ナビゲーションデバイス200は、周知の様式で自転車、オートバイ、車、又はボートのような乗り物につなげる、又は「ドッキング」させることができる。そのようなナビゲーションデバイス200は、携帯又はハンドヘルド使用のためドッキング位置から取り外すことができる。
【0074】
図4を参照すると、ナビゲーションデバイス200は、一体化された入力兼表示デバイス206及び図2に示されたほかの部品(内部GPS受信器224、マイクロプロセッサ202、電源(不図示)、メモリシステム214などを含むが、これらに限定されない)を含む1つのユニットであり得る。
【0075】
ナビゲーションデバイス200は、アーム252に固定され得、アーム252は乗り物のダッシュボード/窓などに吸着カップ254を用いて固定され得る。このアーム252は、ナビゲーションデバイス200がドッキングされ得るドッキングステーションの一例である。ナビゲーションデバイス200は、例えばアーム252にカチッとはまるような結合でドッキング又は結合され得る。すると、ナビゲーションデバイス200はアーム252に対して回転可能になり得る。ナビゲーションデバイス200とドッキングステーションとの結合を分離させるためには、例えば、ナビゲーションデバイス200のボタンを押すことで外れるようにし得る。ナビゲーションデバイス200とドッキングステーションとの結合及び分離に適している構成は、当業者には周知である。
【0076】
図5を参照すると、プロセッサ202及びメモリ214はお互いに協力して、ナビゲーションデバイス200の機能的ハードウェア部品280と、デバイスによって実行されるソフトウェアとの間のインタフェースとして機能するBIOS(Basic Input/Output System)を支持する。次に、プロセッサ202はメモリ214からオペレーティングシステム284をロードし、(上述されたルート計画機能及びナビゲーション機能のいくつか又は全てを実行する)アプリケーションソフト286が実行できるような環境を整える。アプリケーションソフト286は、マップの表示、ルート計画、ナビゲーション機能及び他の関連する機能などのナビゲーションデバイスの中心的な機能をサポートするGUIを含む、操作環境を提供する。この点において、アプリケーションソフト286の一部はビュー生成モジュール288を備える。
【0077】
ユーザが所望の到着時刻に所望の目的地に到着することを可能とする適切な出発時刻を推定するように構成された本システムの実施形態が、図6に示される。
【0078】
本実施形態は、例えばユーザの自宅に存在するローカルサーバ又はプラットフォーム300に関連づけられたドッキングステーションに結合可能である、ナビゲーションデバイス200を含む。ローカルサーバ又はプラットフォーム300は引き続いて、インターネット接続を介してサーバ150へと接続される。
【0079】
ナビゲーションデバイス200はまた警告器308に接続され、さらにユーザデバイス306、この場合はモバイル電話に、デジタル接続、この場合はBluetooth(登録商標)接続を介して接続可能である。
【0080】
動作時に、ドッキングステーションへのナビゲーションデバイス200のドッキングはナビゲーションデバイス200の充電と、ナビゲーションデバイス200とローカルサーバ又はプラットフォーム300との間で、並びにローカルサーバを介するナビゲーションデバイスとサーバ150との間で、データを送ることを可能とする。データはまた、図2に関連して上述されたように、ユーザデバイス306を介してナビゲーションデバイス200とサーバ150との間で送られてもよい。
【0081】
ユーザがナビゲーションデバイス200の電源を入れる時、デバイス200はGPS位置を取得し、(既知の方法で)ナビゲーションデバイス200の現在位置を計算する。ユーザはすると、図7に示されるように、ナビゲーションデバイス200が位置すると判定されたその場所の周囲を疑似3次元で示すディスプレイ310を提示され、ディスプレイ310の、その場所の周囲の下の領域314には、一連の制御メッセージ及びステータスメッセージが示される。
【0082】
その場所の周囲の表示302に触れることにより、ナビゲーションデバイス200は、これを用いてユーザがナビゲートすることを望む目的地を入力することができ、及びナビゲーションデバイス200の制御又はディスプレイ310上のデータ表示の制御に関係する様々な他の機能を実行することができる、(図8に示されるように)アイコンによって表される一連のバーチャルボタン又はソフトボタンを表示するように切り替わる。
【0083】
ボタンのうちの1つ320は、交通警告機能に関連することがわかるだろう。交通警告機能は、ユーザが訪れることを計画している場所と、所望の又は必要とされる到着時刻とを表す、目的地データの入力を可能とする。
【0084】
もし交通警告ボタン320がユーザによって押されたならば、図9に示されるさらなる一連のボタンがディスプレイ310に表示される。これらのボタンは、予定を見る(view appointment)ボタン330、予定追加(add appointment)ボタン332、電話からの予定コピー(copy appointment from phone)ボタン334、及び警告設定(set alarm preferences)ボタン336である。
【0085】
予定追加ボタン332が押された場合、図10、図11、及び図12a−12cに示される、内部リンクされた一連のユーザ入力画面が、ユーザによってアクセスされうる。ユーザ入力画面は、ユーザが目的地を入力することを可能とする。目的地は、住所として入力され、又は興味のある点(point of interest)、お気に入りの目的地、又は最近の目的地のリストから選択されることができ、あるいは目的地は図10に示されるボタンを用いて選択されうるさらなる入力画面を介してユーザの自宅の住所として設定されることができる。図11及び図12a−12cは、通り及び家屋番号(この例では75 Johanna Westerdijkplein,Gravenhage)に基づく住所をユーザが入力する例を表す。住所はまた、図11に示されるボタンによって示されるように、町の中心の位置、郵便番号、横断歩道若しくは交差点として、又はユーザによる口頭の命令を介して、入力されうる。
【0086】
ユーザ入力画面はまた、選択された目的地への移動についての開始点をユーザが入力することを可能とする。開始点を入力するためのユーザ入力画面は目的地を入力するために用いられるものと同等であり、ユーザ入力画面の例は図13及び図14に示される。ユーザが出発点を入力しない場合、現在位置が出発点として用いられる。一般的に、現在位置は変化しうるため、このことは移動時間及び出発が引き続いて、定期的に及び/又はナビゲーションデバイス200の位置の変化に応じて再計算されるべきであることを要求する。
【0087】
ユーザはまた、さらなるユーザ入力画面(不図示)を用いて、目的地への所望の到着時刻を入力することが可能である。所望の到着時刻及び目的地は、ナビゲーションデバイス200のメモリ214に格納される。
【0088】
ナビゲーションデバイス200のプロセッサ202は、目的地への経路を選択し、ユーザが所望の到着時刻までに目的地に到着することが可能となるはずである、この目的地への移動についての出発時刻を決定するように構成される。
【0089】
プロセッサ202は、既知の技術を用いて、目的地への可能な経路のセットをあらかじめ選択し、そして目的地への予想移動時間を計算する。既定の動作モードにおいては、プロセッサ202はそしてもっとも短い予想移動時間を与える経路を選択し、そして出発時刻を計算する。出発時刻は、所望の到着時刻から、予想移動時間と追加のオフセット時間とを引くことによって計算される。
【0090】
出発時刻は、出発位置ともに、メモリ214に予定として格納される。それぞれの格納された予定は、図15に示されるように、予定画面350上でユーザが見るこができ、この画面は図9に示される予定を見るボタン330を介してアクセスされうる。
【0091】
プロセッサ202は内部の時計(不図示)を用いて現在時刻を監視し、現在時刻が格納された出発時刻に一致する場合、プロセッサ202は警告信号を生成し、可聴警告と視覚警告との少なくとも一方をユーザに対して生成する警告器308にこの警告信号を渡す。代わりに又は追加として、ディスプレイを点滅させることとユーザに対して出発メッセージを表示することとの少なくとも一方のために、警告信号はディスプレイ310に渡されてもよい。出発時刻はまた、継続的に、定期的に、又はユーザの命令に基づいて、出発時刻に先立ってディスプレイ310に表示されうる。1つの動作モードにおいて、例えば「あなたはこの先x分以内に出発すべきです」というような、出発時刻へのカウントダウンが表示される。
【0092】
オフセット時間には、経路上で生じうる任意の予期しない遅延を補償すること、出発のためにユーザ自身が準備する時間を与えること、及びいくつかの状況においてユーザが所望の到着時刻よりも少し先に到着することを可能とすること、が意図されている。オフセット時刻は規定値、例えば15分間にあらかじめ設定されているが、ユーザは図17に示される入力画面360を介してオフセット時間を変更することができる。入力画面360は、図18に示される警告設定(set alarm preferences)画面362の出発時刻マージン変更(change departure margin)ボタン364を介してアクセスされてもよく、そしてこの警告設定画面362は図9に示される警告設定ボタン336を介してアクセスされてもよい。警告設定画面362はまた、機能は以下でより詳細に説明される、出発位置変更(change departure location)ボタン336と、予定同期設定(agenda sync preferences)ボタン368を含む。
【0093】
本実施形態の変形例として、複数の異なるオフセット時間が与えられてもよく、このことは複数の出発時刻又はプレ出発時刻という結果となり、現在時刻がそれぞれの出発時刻又はプレ出発時刻に一致すると、例えば可聴警告を伴う「15分間で出発」「5分間で出発」「すぐに出発」などの異なるメッセージ又は信号がユーザに与えられる。
【0094】
出発通知処理の1つの例において、ユーザがマージン分間だけのマージンをもって最速の経路を用いて車で位置Bに移動して時刻xに位置Bにいたいことをプロセッサ202に通知するデータを、ユーザは入力する。この例においてマージン時間は、出発メッセージの発行と計算された出発時刻との間の、ユーザが所望する時間ギャップを特定する。プロセッサ202は、交通情報及びユーザの位置Aを継続的に監視し、移動時間及び出発時刻を計算し、「時刻xに位置Bにいる予定、位置Aから、車を用いて、最速の経路を用いる、現在の移動時間はNで、せいぜいマージン時間をもって、時刻Mに出発すべきである」(ここで、M=X−Nである)ことを述べる出力メッセージを、出発時刻とマージンとに基づいて適切な時にユーザに対して与える。
【0095】
本実施形態において動作の1つのモードとして行われる出発警告処理が、概要として図16のフローチャートに示されている。本実施形態は、時間通りに意図された目的地に着くために、移動を計画し、出発する時間になった時に自動的に通知を得ることができる。
【0096】
ある経路又はそれぞれの経路についての予想移動時間が、1以上の速度/距離データ(予想データとしても呼ばれる)と、過去の移動データと、現在の移動データとに依存して計算される。
【0097】
特定の経路についての速度/距離計算は、経路のそれぞれの区間(例えば、連続する結節点又は交差点の間の一続きの道路のそれぞれ)の長さを取得し、その区間について道路タイプに応じた予想移動速度(例えば、小規模な都市道路については30km/時、主要な都市道路については60km/時、自動車道路については90km/時)を割り当て、及び、それぞれの区間についての長さ及び予想速度に基づくこの経路のそれぞれの区間についての予想移動時間を合計する。もちろん、上の段落で述べられたものよりも多くの道路カテゴリが与えられてもよく、それぞれのカテゴリについて異なる予想速度が与えられてもよい。さらに、予想速度は時刻、気象状況、及び遅延を起こしうる交通の問題若しくは事象のうちの少なくとも1つに応じて変動しうる。経路についての予想移動時間はすると、予想速度及び任意の予想遅延に従って決定される。
【0098】
実際には、速度は道路間で異なることがわかっている。例えば、移動ネットワークの一部分370が図19に概略的に示されており、平日の特定の時刻における平均速度が陰影レベルによって示されている。区間376の速度制限(50km/時)と同じ又はより速い速度制限(50km/時又は70km/時)を区間372,374は有するにもかかわらず、区間372,374についての平均速度は、区間376についての平均速度よりも遅い。この場合平均速度の変動は、例えば図に示される回り道及び交通信号のようなさらなる道路特徴の存在のためでありうる。実際平均速度は、特定の道路の利用レベルのような他の要素に基づいて変動しうる。
【0099】
交通ネットワークの異なる区間について見出されうる速度の変動を鑑みて、交通ネットワークのそれぞれの区間について実際に測定された平均速度データを含む過去の移動データは、正確な速度推定を与えうる。平均速度データは時刻及び曜日の関数として与えられる。交通ネットワークの1つの区間についての時刻及び異なる曜日の関数としての平均速度のプロットの例が、図20に示される。過去の移動データは、PNDのユーザによって記録された匿名のGPSデータから取得されうる。通常このようなGPSデータはそれぞれのPNDによって5秒ごとに記録され、後にPNDがホームプラットフォーム(例えば図6に示されるローカルサーバ又はプラットフォーム300)にドッキングされた時に、(匿名で、ユーザからの許可を条件として)インターネットを介してサーバへと送り返される。本明細書で説明される実施形態の場合、過去のデータは、TomTom IQ Routes(RTM)システムで用いられる、過去のスピードプロファイルを含む。いくつかの場合、過去の移動データは経路の特定の部分について利用可能ではないかもしれない。このような場合、過去のデータと予想データとが混合されたものが用いられることができ、予想データは利用可能な過去の移動データが存在しない経路の部分について用いられる。
【0100】
現在の移動データは、現在の移動状況の表示を与える。本明細書に説明される例において、現在の移動データは、短い最近の時刻ウィンドウ(例えば最近の1時間のうちの30分間のウィンドウ)上で集められた、交通ネットワークの異なる区間についての平均速度データを含む。平均速度データは、例えばTomTom HDTrafic(RTM)システムを用いる、登録されたPNDユーザに関連するモバイル電話から得られた、匿名のGPSデータから得られうる。現在の移動データはまた、気象若しくは他の環境状況、又はそれぞれが交通速度に変動を起こしうる道路工事又は事象に関する警告データ、に関連するデータを含んでもよい。
【0101】
図6の実施形態において、現在の移動データ及び過去の移動データはサーバ150に格納され、通信チャネル152を介して、又は(ナビゲーションデバイス200がドッキングされている場合には)ローカルサーバ若しくはプラットフォーム300を介して、ナビゲーションデバイス200に与えられる。現在の移動データは更新され、ローカルサーバ若しくはプラットフォーム300と、ナビゲーションデバイスとの少なくとも一方に、定期的に与えられる。
【0102】
動作の1つのモードにおいて、予想移動時間を計算するために本実施形態によって用いられるデータは、現在時刻、及び現在時刻と出発しそうな時刻との間の差に応じて、選択される。
【0103】
例えば、現在時刻が、出発しそうな時刻よりも著しく先である(例えば12時間以上)場合には、その曜日及び出発しそうな時刻についての平均速度を含む過去のデータが、経路についての移動時間を計算するために用いられる。もし過去の移動時間が経路の特定の区間について利用可能ではないならば、その区間についての移動時間は予想データを用いて計算される。ある変形例において、最初の出発時刻計算が、最初の移動時間及び最初の出発しそうな時刻を計算するために標準的速度/距離データを用いて行われ、この最初の出発しそうな時刻は、用いられる特定の時刻についての過去の平均速度データを選択するために用いられ、選択された過去の平均速度データを用いて繰り返し手順によって移動時間が再計算される。
【0104】
出発時刻が近づくと、現在の移動データはより重要になる。計算された出発時刻が所定の閾値(例えば現在の時刻から2時間以内)以内である場合、移動時間及び出発時刻は、現在の移動データに応じて再計算される。移動時間及び出発時刻はそして出発時刻まで、定期的に又は新しい移動データを受け取った際に、再計算される。この再計算手順は、最速の又はそうでなければ最適の経路は移動状況に応じて変化するかもしれないため、通常はそれぞれの経路についての移動時間の再計算と、(ユーザが特定の経路を選択していない限り)用いられる経路の再選択とを含む。このように目的地への経路は、(リアルタイムに測定された又は予想された)移動時間遅延に基づいて変化しうる。移動データは全ての経路について監視され、又は出発点と目的地との間の選択された主要ルート内の経路について監視される。警告信号の生成はこのように、目的地への選択された経路を用いた、及び目的地への代替となる可能性がある経路を用いた、到着の推定時刻に基づきうる。
【0105】
移動データに応じて経路、予想移動時間、及び出発時間が更新される動作モードが、概略として、図21のフローチャートに示される。
【0106】
ユーザ・スケジュール情報は、ユーザデバイス306から受信されてもよいし、ユーザ入力画面を介した入力によって受信されてもよい。例えばナビゲーションデバイスは、Bluetooth又は他の通信プロトコルを介してユーザデバイス306と通信することができ、これによりナビゲーションデバイス200とユーザデバイスとの間のデータ転送を可能とする。図6に示されるユーザデバイス306はモバイル電話であるが、ユーザデバイス306はたとえば、個人情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、又は適した通信プロトコルで動作する任意の他の形式のユーザデバイスであってもよい。
【0107】
ユーザは、図9の交通警告メニュー画面の、電話からの予定コピーボタン334を操作することによって得られたユーザ選択画面(不図示)を介して、予定又は他のスケジュールデータを、モバイル電話又は他のユーザデバイスから選択することができる。ボタン334の操作は、登録されたユーザデバイス(これは、警告設定ボタン336の操作を介して得られるユーザ入力画面を介して登録されうる)のリストを表示させる。ユーザは1以上の登録されたユーザデバイスを選択し、選択されたユーザデバイスからナビゲーションデバイス200へと全ての予定データ若しくは他のスケジュールデータをダウンロードし、又は特定の予定データ若しくは他のスケジュールデータを選択して選択されたユーザデバイス306からナビゲーションデバイス200へとダウンロードする。
【0108】
図6の実施形態において、ナビゲーションデバイスはLinuxオペレーティングシステムにおいて動作し、ユーザデバイスで動作するOutlook及びGoogle Calendarアプリケーションからデータを同期することができる。しかしながら、ナビゲーションデバイスは任意の適したユーザ・スケジュール・アプリケーションとデータを同期するように構成されていてもよい。
【0109】
ダウンロードされた予定は、図22に示される予定リスト画面を用いて、ユーザによって見られることができ、修正されることができる。図22に示される例において、目的地データはナビゲーションデバイス200によって認識された目的地と一致せず、ユーザはこの目的地を修正しなければならない。ユーザはまた、予定時刻、又は予定についての所望の到着時刻を予定リスト画面を介して修正すること、及び出発位置を入力することができる。一度予定がダウンロードされ認識されると、プロセッサ202は予定位置への経路を決定し、出発時刻を決定し、図6〜21に関連して上述された出発警告を与える。
【0110】
予定データはまたナビゲーションデバイス200からユーザデバイス306へと転送されうる。このように、予定又は他のスケジュール若しくはカレンダーデータが、ナビゲーションデバイス200とユーザデバイス306との間で同期されうる。計算された出発時刻はまた、ユーザデバイス306に転送されうる。予定又は他のスケジュールデータの一貫した取り扱いを保証するために、それぞれの予定又は他のスケジュールのエントリのそれぞれには、一意の識別子が与えられる。さらに、エントリが格納されているデバイスを識別するデバイス識別子が、それぞれの予定又は他のスケジュールエントリに関連づけられる。
【0111】
図6〜22に関連して上述された動作モードにおいて、選択された目的地への経路は、最短の移動時間を持つ経路である。代わりの動作モードにおいて、経路の選択、移動時間と出発時刻との決定、及びオフセット時間の選択のうちの少なくとも1つに、さらなる制約が適用される。
【0112】
例えばいくつかの状況において、例えば予定が特に重要である場合又は飛行機、電車、又は他の計画された輸送機関に乗るためにユーザが移動している場合、到着時刻の信頼性は移動速度よりも重要である。このような状況において、それぞれの可能な経路について予想移動時間の予想される信頼性に応じて、プロセッサ202によって経路(及びそれに従って計算された出発時刻)が選択されてもよい。プロセッサ202はまた、このような状況においては通常よりも長いオフセット時間を選択してもよい。
【0113】
予想される移動時間の信頼性は、過去の移動データから判定される。例えば、交通ネットワークのそれぞれの区間についての測定された過去の速度データの変動は過去の移動データから得られることができ、信頼性の尺度として用いられうる。特定の経路の信頼性はまた、現在の移動データと事象データとの少なくとも一方に応じて修正されうる。例えば、一日のより早くに、通常なら信頼性のある経路上で交通の流れの問題が存在していることを現在の移動データが示したならば、その経路の信頼性は一時的に(例えば次の日まで)下げられることができる。目的地へのありうる経路に沿った過去の速度データに基づいて、時間通りに到着するための最も安全な経路を、ユーザは選択することができる。最も安全な経路は通常、速度の変動が最も少なく、それゆえ遅延を与えるリスクが最も少ない経路である。
【0114】
ユーザは、予定が高い重要度であるか否かを特定することができ、この場合プロセッサ202は、所定の閾値よりも高い信頼性レベルを有する経路群のみから、経路を選択する。
【0115】
他の動作モードにおいては、正確な目的地での所望の到着時刻を選択する代わりに、ユーザが出発又は到着することを望む時刻ウィンドウをユーザが特定することができ、するとプロセッサ202は出発時刻ウィンドウ内の出発時刻を選択し、又は到着時刻ウィンドウ内での予想される到着を与えるように出発時刻を選択する。
【0116】
プロセッサ202は、過去の又は現在の移動データに基づいて移動時間を最適化するために、出発時刻を選択してもよい。例えば図20から、図20の対象である区間についての平均速度が他の時刻よりも速い時刻がそれぞれの日に存在することがわかるだろう。単純な例において、ユーザが経路の一端から他端へと移動することを望み、特定された出発又は到着時刻ウィンドウが例えば月曜日の朝の午前8時から午後12時までの間である場合、午前10時30分ごろの出発時間を、その時刻に予想移動速度が最も速いと予想されるであろう(そして移動時間が最も短いと予想されるであろう)から、プロセッサ202は選択するだろう。他の例において、全ての時間又は曜日をカバーする出発又は到着時刻ウィンドウをユーザが特定した場合、プロセッサ202は日曜日の朝の午前2時頃の出発時刻を選択するだろう。
【0117】
実際にはほとんどの移動は複数の区間を含み、そのような場合プロセッサ202はそれぞれの区間についての過去の移動データを処理し、最適化された予想移動時間の経路及び出発時刻を計算するために通常は2以上の経路を考慮するだろう。
【0118】
図6〜22に関連して上述された実施形態において、ナビゲーションデバイス200のプロセッサ202は、出発時刻及び出発通知に関する処理動作を行う。この実施形態の変形例において、ローカルサーバ又はプラットフォーム300とサーバ150との少なくとも一方によって、単独で又はナビゲーションデバイス200と共同して、処理は行われる。結果として得られる出発時刻を示す出発時刻データは、サーバ150とローカルサーバ又はプラットフォーム300との少なくとも一方からナビゲーションデバイス200へと、リンク152を介して又はローカルサーバ又はプラットフォーム300を介して転送される。ナビゲーションデバイス200はそして現在時刻を監視し、現在時刻の一致と出発時刻との間の比較に応じて警告信号を生成する。
【0119】
上述の実施形態において、移動時間及び出発時刻は車での移動について決定された。この実施形態の変形例においては、例えばトラック、バス、自転車、又は徒歩での移動のような他の形の輸送機関を、ユーザが条件として挙げることもまた可能である。プロセッサ202は、こうして条件として挙げられた形の輸送機関に応じて、予想速度を、ゆえに移動時間及び出発時刻を調整するように構成される。サイクリング又は徒歩での移動の場合、過去の又は現在の移動データに基づく計算の代わりに、基本的な距離/速度の計算が行われてもよい。バス又はトラックでの移動の場合、車での移動と比較して予想される速度減少を補償するために、移動時間及び出発時刻の計算に用いられる速度がオフセット量又は係数(factor)だけ減らされることができる。
【0120】
説明された実施形態は、正確に測定された、現在の移動時間及び現在の道路状況に基づいて、移動を計画する能力を提供することができる。これらの実施形態は、現在の交通情報を与えられた時に、特定の時刻に意図された目的地に到着するように、出発する時刻において通知を提供することができる。
【0121】
本発明の種々の態様及び実施形態についてこれまで説明してきたが、本発明の範囲が本明細書に記載の特定の構成に限定されず、代わりに添付の特許請求項の範囲内に入るすべての構成ならびにそれへの修正及び変更を包含するように拡張されることは理解されるであろう。
【0122】
例えば、本発明は可搬ナビ―ションデバイスとして例示されうるが、経路計画機能及びナビゲーション機能は適切なソフトウェアを実行するデスクトップコンピュータティング資源又はモバイルコンピュータティング資源によって提供されてもよい。例えばロイヤル・オートモービル・クラブ(RAC)は、http://www.rac.co.ukにおいて、オンライン経路計画機能及びナビゲーション機能を提供し、この機能においてユーザは開始点と目的地とを入力することができ、するとユーザのコンピューティング資源が通信しているサーバは、経路を計算し(その態様はユーザによって指定されうる)、地図を生成し、選択された開始点から選択された目的地へとユーザを誘導するための網羅的なナビゲーション指示のセットを生成する。
【0123】
前述の詳細説明で記載の実施形態はGPSに言及しているが、ナビゲーションデバイスは、GPSの代替として(又は実際にはGPSに加えて)、どんな種類の位置検出技術を利用してもよいことに注目すべきである。例えば、ナビゲーションデバイスは、欧州ガリレオシステムなどの他の全地球ナビゲーションシステムの使用を活用してもよい。同様に、ナビゲーションデバイスは、衛星を基礎にしたものに限定されず、地上ビーコン又はデバイスにその地理的位置を測定可能にさせる任意の他の種類のシステムを使用して直ちに機能できよう。
【0124】
本発明の代わりの実施形態は、例えばディスケット、CD−ROM、ROM、若しくは固定ディスクのような有形データ記録媒体に格納された一連のコンピュータ命令である、コンピュータシステムとともに用いるためのコンピュータプログラム製品として実現されることができ、あるいは、有形媒体又は例えばマイクロ波若しくは赤外線のような無線媒体を介して送信されるコンピュータデータ信号として実現されることができる。一連のコンピュータ命令は上述の機能の全て又は一部を構成していてもよく、また、半導体メモリデバイス、磁気メモリデバイス、光学メモリデバイス又は他のメモリデバイスのような、揮発性又は不揮発性の、任意のメモリデバイスに格納されることができる。
【0125】
好ましい実施形態はソフトウェアを用いてある種の機能を実施するが、その機能はハードウェアだけで(例えば、1つ以上のASIC(アプリケーション固有集積回路)を用いて)、又は実際にはハードウェアとソフトウェアの混合で同様に実施できることも、当業者は十分に理解するであろう。このような状況から、本発明の範囲は、ソフトウェアでの実施だけに限定されると解釈されるべきでない。
【0126】
本発明は単なる例を用いて上述され、細部の変形は本発明の範囲内でなされうることが理解されるだろう。
【0127】
詳細な説明並びに(適切な場合には)請求の範囲及び図面で開示されたそれぞれの特徴は、独立して与えられてもよいし、任意の適切な組み合わせで与えられてもよい。
【0128】
最後に、添付の特許請求項は、本明細書に記載の特徴の特定の組み合わせで記載されているが、本発明の範囲は、これ以降に請求する特定の組み合わせに限定されず、代わりに特定の組み合わせが今回添付の特許請求の範囲内に具体的に列挙されているか否かにかかわらず、本明細書に開示の特徴又は実施形態のどんな組み合わせも包含するように拡張されることにも注目すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理リソース(202)と出力デバイス(206)を備えるナビゲーションシステムであって、
前記処理リソース(202)は、
目的地を表す目的地データを受信し、
前記目的地への予想移動時間を決定し、
前記目的地への前記予想移動時間に依存して出発時刻を決定する
ように構成されており、
前記出力デバイス(206)は、ユーザへと前記出発時刻を与えることを特徴とする、ナビゲーションシステム。
【請求項2】
可搬ナビゲーションデバイスを備え、前記処理リソースと前記出力デバイスとのうちの少なくとも一方は前記可搬ナビゲーションデバイスに含まれていることを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記処理リソースは、現在時刻を監視し、前記現在時刻と前記出発時刻との間の比較に依存して警告信号を与えるように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記処理リソースは所望の到着時刻を受信するように構成され、予想移動時間の前記決定と出発時刻の前記決定とのうちの少なくとも一方は、前記所望の到着時刻に依存して行われることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記処理リソースは、少なくとも1つのユーザデバイスからユーザ・スケジュール・データを受信し、
前記ユーザ・スケジュール・データから、目的地データと所望の到着時刻との少なくとも一方を取得するように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記処理リソースは、ありうる経路のそれぞれについての前記目的地への予想移動時間に依存して、前記複数のありうる経路の中から経路を選択するように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至5の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記処理リソースは、前記目的地への複数のありうる経路のそれぞれについて、当該経路についての前記予想移動時間の予想される信頼性を示す尺度を判定し、前記経路についての前記信頼性の尺度に依存して経路を選択するように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至6の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記処理リソースは、前記出発時刻にオフセット時間を加え、又は前記出発時刻からオフセット時間を引くように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至7の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記処理リソースは、予想移動時間の前記決定と、出発時刻の前記決定と、前記目的地への経路の選択と、オフセット時間の選択と、のうちの少なくとも1つを、少なくとも1つの制約に依存して行うように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至8の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの制約は、前記目的地への移動時間を最適化するという要件と、要求される到着時刻までに到着するという要件とを含むことを特徴とする、請求項9に記載のナビゲーションシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの制約は、少なくとも1つの時間ウィンドウ内で出発と到着とのうちの少なくとも一方をするという要件を含むことを特徴とする、請求項9又は10に記載のナビゲーションシステム。
【請求項12】
前記処理リソースは移動データを受信するように構成され、
前記予想移動時間の前記決定は、前記移動データに依存して行われることを特徴とする、請求項1乃至11の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項13】
前記移動データは、過去の移動データと現在の移動データとの少なくとも一方を含むことを特徴とする、請求項12に記載のナビゲーションシステム。
【請求項14】
前記処理リソースは、現在時刻に依存して、予想される移動時間の決定において、過去の移動データと現在の移動データとの少なくとも一方の使用を変更するように構成されていることを特徴とする、請求項13に記載のナビゲーションシステム。
【請求項15】
前記現在の移動データは、交通データと気象データとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項13又は14に記載のナビゲーションシステム。
【請求項16】
前記処理リソースは、出発時刻の前記決定を更新するように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至15の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項17】
前記処理リソースは、定期的に、及び/又は移動データの受信に依存して、出発時刻の前記決定を更新するように構成されていることを特徴とする、請求項16に記載のナビゲーションシステム。
【請求項18】
ナビゲーション装置(200)の動作方法であって、
前記ナビゲーション装置(200)において目的地の位置を示す目的地データを受信する工程と、
前記目的地への予想移動時間を決定する工程と、
前記目的地への前記予想移動時間に依存して出発時刻を決定する工程と、
前記出発時刻をユーザに与える工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
出発時刻を格納するメモリ(214)と、
現在時刻を監視し、前記現在時刻と前記出発時刻との間の比較に依存して警告信号を与える処理リソース(202)と、
前記警告信号に依存してユーザへと出力を与える出力デバイス(206)と、
を備えることを特徴とする可搬ナビゲーション装置(200)。
【請求項20】
請求項18に記載の方法を実現するために実行可能なコンピュータ読み取り可能な命令を含む、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図16】
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【図21】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図22】
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【公表番号】特表2012−506539(P2012−506539A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532502(P2011−532502)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【国際出願番号】PCT/EP2008/064324
【国際公開番号】WO2010/045975
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.Linux
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】