分散型電源システム及びその構成決定方法及びそのプリント基板パターンの確定方法
【課題】プリント基板をリメイクすることなく複数のシステム構成を選択することを可能にする。
【解決手段】第1〜第N(N=2,3,・・・)の中間バス12−1,12−2と、第1の中間バス12−1に所定のDC電圧を出力する主電源部11と、第1〜第Nの中間バス12−1,12−2の電圧をそれぞれ入力して所定のDC電圧を出力する第1〜第Nの分散電源部13,(140,150)と、中間バス12−2を中間バス12−1と分散電源部分散電源部13の出力とに選択接続するためのスイッチ手段JP1,JP2と、を備えている。
【解決手段】第1〜第N(N=2,3,・・・)の中間バス12−1,12−2と、第1の中間バス12−1に所定のDC電圧を出力する主電源部11と、第1〜第Nの中間バス12−1,12−2の電圧をそれぞれ入力して所定のDC電圧を出力する第1〜第Nの分散電源部13,(140,150)と、中間バス12−2を中間バス12−1と分散電源部分散電源部13の出力とに選択接続するためのスイッチ手段JP1,JP2と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子機器内に設けられる分散型電源システム、該システムの構成決定方法及びそのプリント基板パターンの確定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器では、電源システムとして分散型電源システムを採用することが多い。特許文献1の図5には、この分散型電源システムの一例が示されている。この分散型電源システムは、複数の電源電圧を中間バスに出力する絶縁型電源と、それぞれスイッチャ回路を介して上記中間バスに接続される複数の非絶縁型電源とを有する。
各非絶縁型電源に係るスイッチャ回路は、対応する切り換え回路によってそれぞれ制御される。すなわち、切り換え回路は、対応する非絶縁型電源の出力電圧に基づき、その非絶縁電源の変換効率が最適となる電源電圧を上記中間バスにおける複数の電源電圧の中から決定し、その決定した電源電圧が当該非絶縁電源に入力されるようにスイッチャ回路を切り換える。
したがって、この分散型電源システムによれば、各非絶縁電源の電力変換効率を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−148473号公報(図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記分散型電源システムによって給電される負荷の中に、低電圧・大電流化された負荷(例えば、低電圧・大電流化されたCPUなどのLSI)が含まれている場合、その負荷とその負荷に接続される非絶縁型電源との間の配線に大電流が流れるので、その配線による影響(抵抗、インダクタンス成分の影響)を無視できなくなる。
そこで、上記の影響を低減するために、上記低電圧・大電流化された負荷に適用される非絶縁型電源を該負荷にできるだけ接近して配設することが実施されている(POL=Point of Loadと呼ばれている)。この場合、上記非絶縁型電源は、上記負荷が実装されたプリント基板上に設けられる。
【0005】
図5A,図5B及び図6A〜図6Cは、低電圧・大電流化された負荷を含む分散型電源システムの構成例を示している。
図5Aに示す分散型電源システム1Aは、交流入力(AC100/200V)あるいは直流入力(通信機器用のDC48V、工業機器用のDC24V等)を5VのDC電圧に降圧する絶縁型電源11と、この絶縁型電源11の出力に接続された中間バス12と、該中間バス12の電圧5Vをそれぞれ3.3V,1.5V及び1.2VのDC電圧に降圧する非絶縁型電源13,14及び15とを備えている。中間バス12には負荷16が接続され、また、非絶縁型電源13,14及び15の出力には、負荷17,18及び19がそれぞれ接続されている。
この分散型電源システム1Aでは、負荷18,19が低電圧・大電流化されている。そこで、この負荷18,19に接続される非絶縁型電源14,15は、該負荷18,19が実装された図示していないプリント基板上にそれぞれPOL配置されている。
【0006】
図5Bに示す分散型電源システム1Bは、絶縁型電源11の出力に接続された第1の中間バス20と、この第1の中間バス20の電圧5Vを3.3VのDC電圧に降圧変換する非絶縁型電源21と、該非絶縁型電源21の出力に接続された第2の中間バス22と、この中間バス22の電圧3.3Vをそれぞれ1.5V,1.2VのDC電圧に降圧変換する非絶縁型電源23,24とを備えている。
第1の中間バス20には負荷16が、第2の中間バス22には負荷17が、非絶縁型電源23の出力には負荷18が、また、非絶縁型電源24の出力には負荷19がそれぞれ接続されている。そして、非絶縁型電源23,24は、低電圧・大電流化された負荷18,19に対してそれぞれPOL配置されている。
【0007】
図6Aに示す分散型電源システム2Aは、交流入力あるいは直流入力を12VのDC電圧に降圧変換する絶縁型電源31と、この絶縁型電源31の出力に接続された中間バス32と、該中間バス32の電圧12Vをそれぞれ5V,3.3V,1.5V及び1.2VのDC電圧に降圧する非絶縁型電源33,34,35及び36とを備えている。中間バス32には負荷37が接続され、また、非絶縁型電源33,34,35及び36の出力には、負荷38,39,40及び41がそれぞれ接続されている。
負荷40,41は、低電圧・大電流化されている。そこで、非絶縁型電源35,36は、負荷40,41が実装された図示していないプリント基板上にそれぞれPOL配置されている。
【0008】
図6Bに示す分散型電源システム2Bは、絶縁型電源31の出力に接続された第1の中間バス42と、この第1の中間バス42の電圧12Vを5VのDC電圧に降圧する非絶縁型電源33と、該非絶縁型電源33の出力に接続された第2の中間バス44と、この中間バス44の電圧5Vをそれぞれ3.3V,1.5V及び1.2VのDC電圧に降圧する非絶縁型電源45,46及び47とを備えている。
第1の中間バス42及び第2の中間バス44には、それぞれ負荷37及び負荷38が接続され、非絶縁型電源45,46及び47の出力にはそれぞれ負荷39,40及び41が接続されている。そして、非絶縁型電源46,47は、低電圧・大電流化された負荷40,41に対してそれぞれPOL配置されている。
【0009】
図6Cに示す分散型電源システム2Cは、絶縁型電源31の出力に接続された第1の中間バス48と、この第1の中間バス48の電圧12Vをそれぞれ5V,3.3VのDC電圧に降圧する非絶縁型電源33,34と、この非絶縁型電源34の出力に接続された第2の中間バス49と、この中間バス49の電圧3.3Vをそれぞれ1.5V,1.2VのDC電圧に降圧する非絶縁型電源50,51とを備えている。
第1の中間バス48には負荷37が、非絶縁型電源33の出力には負荷38が、第2の中間バス49には負荷39が、非絶縁型電源50には負荷40が、非絶縁型電源51には負荷41がそれぞれ接続されている。そして、非絶縁型電源50,51は、低電圧・大電流化された負荷40,41に対してそれぞれPOL配置されている。
【0010】
図5A、図5Bの分散型電源システム1A,1Bは、電源の数(4台)において共通するものの、それぞれメリットとデメリットが存在する。図6A〜図6Cに示す分散型電源システム2A〜2Cも同様である。
ここでは、分散型電源システム2A〜2Cを例として、そのメリットとデメリットについて説明する。
分散型電源システム2Aは、1つの中間バス32を用いた構成(1段構成)によってDC1.5VとDC1.2Vを得ている。これに対して、分散型電源システム2Bおよび分散型電源システム2Cは、それぞれ2つの中間バス42,44および48,49を用いた構成(2段構成)によってDC1.5VとDC1.2Vを得ている。
上記のように、分散型電源システム2Aは構成段数が分散型電源システム2Bおよび2Cよりも少ないので、DC1.5VとDC1.2Vを分散型電源システム2Bおよび2Cよりも変換ロスが少ない状態で得ることができるというメリットを有する。
【0011】
図7は、分散型電源システム2Aによって12Vを12V→1.5Vという形態で変換(1段構成による変換)した場合の電力変換効率と、分散型電源システム2Bによって12V→5V→1.5Vという形態で変換(2段構成による変換)した場合の電力変換効率とをそれぞれ例示したものである。なお、図7の横軸は分散型電源システム2Aの非絶縁型電源35及び分散型電源システム2Bの非絶縁型電源46の出力電流(負荷電流)である。
図7から明らかなように、負荷電流が300mA〜500mAのときの電力変換効率は、1段構成の分散型電源システム2Aの方が2段構成の分散型電源システム2Bよりも4%程度高い。
【0012】
以上から明らかなように、電力変換効率という観点からすると、分散型電源システム2Aの方が分散型電源システム2Bよりも優れている。しかし、分散型電源システムが使用される機器のEMC(Electro-Magnetic Compatibility)性能を改善するという点では、分散型電源システム2Aよりも分散型電源システム2Bの方が優れている。
すなわち、分散型電源システム2Aの中間バス32における12Vの電圧には、絶縁型電源31からの進入ノイズ成分が多く含まれている可能性がある。したがって、この12Vの電圧を1台の非絶縁型電源36によって例えば1.2Vの電圧に降圧変換した場合、ノイズに対するフィルタリングが十分になされず、そのため、その電圧に含まれるノイズによって負荷41を誤動作させるリスクを伴うことになる。
【0013】
図8及び図9は、それぞれ上記分散型電源システム2A及び2Bの1.2V出力に含まれる周波数0.1〜10.1MHzのノイズを例示したものである。
図8に示すように、1段構成の分散型電源システム2Aの場合には、非絶縁型電源36のスイッチングノイズ(300kHzの基本波によるノイズ成分と、この基本波の高調波によるノイズ成分)が観測され、その最大値は約44dBμVである。一方、2段構成の分散型電源システム2Bの場合には、前段の非絶縁型電源33の300kHzのスイッチングノイズ成分が後段の非絶縁型電源47によってフィルタリングされるため、図9に示すように、主として該電源47のスイッチングノイズ成分(2.4MHzの基本波によるノイズ成分)が観測され、その最大値は約33dBμVである。すなわち、2段構成にすれば、1段構成の場合に比べてノイズレベルが10dB以上も低くなって、負荷41側でのS/N比が改善される。
【0014】
以上の説明から明らかなように、図5A,5Bに示す分散型電源システム1A,1B及び図6A,6B,6Cに示す分散型電源システム2A,2B,2Cには、メリットとデメリットが存在する。そこで、これらの分散型電源システムの設計時には、電力変換効率、開発期間、コスト及びEMC性能等を総合的に考慮する必要がある。その場合、実際には、試作→評価→問題点→対策というように、カットアンドトライ的な手順を経て最適な結論を導き出すことが多い。
通常、試作後の評価で問題が発見されると、その問題についての原因・対策が見極められる。そして、その対策として、プリント基板をリメイクすることが必要になった場合、プリント基板のアートワーク、基板作製のための手配、実装部品の手配、部品実装などのために1ヶ月以上の期間を要し、しかも、これにかかる費用が数100万円のオーダになることがある。
【0015】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記のトレードオフの課題に対する改善策を提案して、機器の開発期間短縮、コストアップ抑制ならびにEMC性能を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、第1〜第N(N=2,3,・・・)の中間バスと、前記第1の中間バスに所定のDC電圧を出力する主電源部と、前記第1〜第Nの中間バスの電圧をそれぞれ入力して所定のDC電圧を出力する第1〜第Nの分散電源部と、前記第2〜第Nの中間バスをそれぞれ前記第1〜第N−1の中間バスと前記第1〜第N−1の分散電源部の出力とに選択接続するためのスイッチ手段と、をプリント基板に配設した分散型電源システムを提供する。この分散型電源システムによれば、プリント基板をリメイクすることなく各分散電源部の接続形態を変更することができる。
【0017】
前記スイッチ手段は、前記第1〜第N−1の中間バスと前記第2〜第Nの中間バスとの間にそれぞれ介在される第1のスイッチ素子と、前記第1〜第N−1の分散電源部の出力と前記第2〜第Nの中間バスとの間にそれぞれ介在される第2のスイッチ素子とによって構成することができる。
前記第1、第2のスイッチ素子としては、例えば、低抵抗体が使用される。その場合、その抵抗体の実装/非実装によって前記スイッチ手段の接続形態が変化されることになる。
前記第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子としてそれぞれ低抵抗体および低オン抵抗ダイオードを使用しても良い。その場合、前記抵抗体の実装/非実装によって前記スイッチ手段の接続形態が変化されることになる。
前記第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子としてそれぞれMOSFETおよび低オン抵抗ダイオードを使用しても良い。その場合、前記MOSFETのオンオフ制御によって前記スイッチ手段の接続形態を変化させることができる。
前記第1、第2のスイッチ素子としてそれぞれMOSFETを使用することも可能である。その場合、前記MOSFETのオンオフ制御によって前記スイッチ手段の接続形態を変化させることができる。
【0018】
本発明の実施形態では、前記主電源部として絶縁型の電源を使用し、前記各分散電源部として非絶縁型の電源を使用している。また、本発明の実施形態では、前記第1〜第Nの分散電源部の内、低電圧・大電流化された負荷への給電を行う分散電源部がPOL配置されている。
前記スイッチ手段をUSBポート接続確認信号に基づいて切り替え動作させる制御手段を更に備えることができる。この場合、USBポート接続時にそれに対応したシステム構成を自動的に設定することが可能になる。
【0019】
本発明は、第1〜第N(N=2,3,・・・)の中間バスと、前記第1の中間バスに所定のDC電圧を出力する主電源部と、前記第1〜第Nの中間バスの電圧をそれぞれ入力して所定のDC電圧を出力する第1〜第Nの分散電源部と、前記第2〜第Nの中間バスをそれぞれ前記第1〜第N−1の中間バスと前記第1〜第N−1の分散電源部の出力とに選択接続するためのスイッチ手段と、をプリント基板に配設した分散型電源システムを使用し、前記スイッチ手段の切り替え接続によって最終的なシステム構成を決定する分散型電源システムの構成決定方法を提供する。
本発明によれば、プリント基板をリメイクすることなく各分散電源部の接続形態を変更して、望ましい最終的なシステム構成を決定することができる。
【0020】
更に、本発明は、第1〜第N(N=2,3,・・・)の中間バスと、前記第1の中間バスに所定のDC電圧を出力する主電源部と、前記第1〜第Nの中間バスの電圧をそれぞれ入力して所定のDC電圧を出力する第1〜第Nの分散電源部と、前記第2〜第Nの中間バスをそれぞれ前記第1〜第N−1の中間バスと前記第1〜第N−1の分散電源部の出力とに選択接続するためのスイッチ手段と、をプリント基板に配設した分散型電源システムを使用するプリント基板のパターン確定方法であって、前記スイッチ手段の切り替え接続によって最終的なシステム構成を決定するステップと、前記最終的なシステム構成を実現する配線パターンを量産品のプリント基板パターンとして確定するステップと、を含むプリント基板パターン確定方法を提供する。
本発明によれば、プリント基板をリメイクすることなく望ましい最終的なシステム構成が決定され、その最終的なシステム構成を実現する配線パターンが量産品のプリント基板パターンとして確定される。
【発明の効果】
【0021】
本発明の係る分散型電源システムによれば、プリント基板をリメイクすることなく複数のシステム構成を選択することが可能になるので、製品開発に要する時間の短縮と労力の低減を図ることができる。
また、本発明に係る分散型電源システムの構成決定方法によれば、プリント基板をリメイクすることなく各分散電源部の接続形態を変更して、望ましい最終的なシステム構成を決定することができる。
更に、本発明に係るプリント基板パターン確定方法によれば、プリント基板をリメイクすることなく望ましい最終的なシステム構成を決定し、その最終的なシステム構成を実現する配線パターンを量産品のプリント基板パターンとして確定することができる。
なお、量産時には、試作時に判明した性能にすぐれたシステム構成を実現する量産向けのプリント基板を作成することになるが、試作時に用いたプリント基板がコスト的な観点等からみて量産にも対応できるものである場合には、そのプリント基板を量産用として活用することができ、その場合、より迅速な製品化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る分散型電源システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】CMOSロジック負荷を接続した場合の3.3V電源ラインのスペクトラムの一例を示す波形図である。
【図3】CMOSロジック負荷を接続した場合の3.3V電源ラインのスペクトラムの他の例を示す波形図である。
【図4】本発明に係る分散型電源システムの他の実施形態を示すブロック図である。
【図5A】分散型電源システムの第1の構成例を示すブロック図である。
【図5B】分散型電源システムの第2の構成例を示すブロック図である。
【図6A】分散型電源システムの第3の構成例を示すブロック図である。
【図6B】分散型電源システムの第4の構成例を示すブロック図である。
【図6C】分散型電源システムの第5の構成例を示すブロック図である。
【図7】図6Aの分散型電源システムの電力変換効率と図6Bの分散型電源システムの電力変換効率とを例示したグラフである。
【図8】図6Aの分散型電源システムの1.2V出力に含まれる周波数0.1〜10.1MHzのノイズを例示したグラフである。
【図9】図6Bの分散型電源システムの1.2V出力に含まれる周波数0.1〜10.1MHzのノイズを例示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る分散型電源システムの一実施形態を示すブロック図である。なお、図1においては、図5A,図5Bに示す要素と同一の要素に同一の符号を付して、それについての詳細な説明を省略する。
この実施形態に係る分散型電源システム1は、絶縁型電源11と、この絶縁型電源11の出力に接続された中間バス12−1と、該中間バス12−1に接続された非絶縁型電源13と、スイッチ素子JP1を介して中間バス12−1に接続された中間バス12−2と、非絶縁型電源3の出力と中間バス12−2との間に介在させたスイッチ素子JP2と、中間バス12−2に接続された非絶縁型電源140,150とを備えている。
【0024】
非絶縁型電源140は、3.3Vあるいは5VのDC入力電圧を1.5VのDC電圧に降圧するように構成され、また、非絶縁型電源150は、3.3Vあるいは5VのDC入力電圧を1.2VのDC電圧に降圧するように構成されている。
絶縁型電源11の出力には負荷16が、非絶縁型電源13の出力には負荷17が、非絶縁型電源140の出力には負荷18が、また、非絶縁型電源150の出力には負荷19がそれぞれ接続されている。そして、これらの負荷の内、負荷18,19は低電圧・大電流化されている。
【0025】
主電源部としての絶縁型電源11、分散電源部としての非絶縁型電源13,140,150及び負荷17〜19は、いずれも図示していないプリント基板に実装されている。中間バス12−1,12−2やその他の接続線路も上記プリント基板にプリント形成されている。そして、低電圧・大電流化された負荷18,19への給電を行う非絶縁型電源140,150は、これらの負荷18,19に対してそれぞれPOL(Point of Load)配置されている。
【0026】
スイッチ素子JP1は、中間バス12−1と中間バス12−2とを離接するために設けられ、また、スイッチ素子JP2は、非絶縁型電源13の出力と中間バス12−2とを離接するために設けられている。
この実施形態に係る分散型電源システム1において、スイッチ素子JP1をオンし、スイッチ素子JP2をオフさせれば、中間バス12−1が中間バス12−2に接続されるとともに、該中間バス12−2が非絶縁型電源13の出力から切り離される。この場合、図5Aに示す分散型電源システム1Aの構成と同等な構成(1段構成)が実現されることになる。前述したように、この構成は、電力変換効率という観点で有利である。
【0027】
一方、素子JP1をオフし、素子JP2をオンさせれば、中間バス12−1が中間バス12−2から切り離されるとともに、該中間バス12−2が非絶縁型電源13の出力に接続される。この場合、図5Bに示す分散型電源システム1Bの構成と同等な構成(2段構成)が実現されることになる。前述したように、この構成は、EMC(Electro-Magnetic Compatibility)性能を向上するという観点で有利である。
【0028】
このように、この実施形態に係る分散型電源システム1によれば、プリント基板をリメイクすることなしに、図5Aに示す分散型電源システム1Aの構成と図5Bに示す分散型電源システム1Bの構成とを実現することができるので、それらの構成のうちのいずれが製品化に適しているかを判断することが容易になる。この結果、製品開発に要する時間の短縮と労力の低減を図ることができる。
【0029】
以下のa)〜c)は、スイッチ素子JP1,JP2の種類および使用態様を例示したものである。
a)スイッチ素子JP1,JP2として低抵抗体を使用する。この場合、この低抵抗体の実装/非実装の選択によって本実施形態に係る分散型電源システム1の構成が変更される。すなわち、スイッチ素子JP1としての低抵抗体の実装(JP1オン)と、スイッチ素子JP2としての低抵抗体の非実装(JP2オフ)とにより図5Aに示す構成が実現され、また、スイッチ素子JP1としての低抵抗体の非実装(JP1オフと)、スイッチ素子JP2としての低抵抗体の実装(JP2オン)とにより図5Bに示す構成が実現される。
【0030】
b)スイッチ素子JP1として低抵抗体を使用し、スイッチ素子JP2として、アノードが非絶縁型電源13の出力に接続されカソードが中間バス12−2に接続された低オン抵抗ダイオードを使用する。この場合、低抵抗体の実装/非実装の選択によって分散型電源システム1の構成が変更される。すなわち、スイッチ素子JP1としての低抵抗体の実装により、該スイッチ素子JP1がオンするとともに、スイッチ素子JP2としての低オン抵抗ダイオードがオフ(逆阻止状態)するので、図5Aに示す構成が実現される。また、スイッチ素子JP1としての低抵抗体の非実装により、該スイッチ素子JP1がオフするとともに、スイッチ素子JP2としての低オン抵抗ダイオードがオンするので、図5Bに示す構成が実現される。
【0031】
c)スイッチ素子JP1としてMOSFETを使用し、スイッチ素子JP2として、アノードが非絶縁型電源13の出力に接続されカソードが中間バス12−2に接続された低オン抵抗ダイオードを使用する。この場合、図示していない制御回路によるMOSFETのオン/オフ制御によって分散型電源システム1の構成が変更される。すなわち、スイッチ素子JP1としてのMOSFETをオンさせることにより、スイッチ素子JP2としての低オン抵抗ダイオードがオフ(逆阻止状態)するので、図5Aに示す構成が実現される。また、スイッチ素子JP1としてのMOSFETをオフさせることにより、スイッチ素子JP2としての低オン抵抗ダイオードがオンするので、図5Bの構成が実現される。
【0032】
d)スイッチ素子JP1,JP2として共にMOSFETを使用する。この場合、図示していない制御回路による各MOSFETのオン/オフ制御によって分散型電源システム1の構成が変更される。すなわち、スイッチ素子JP1としてのMOSFETをオン、スイッチ素子JP2としてのMOSFETをオフさせることにより、図5Aに示す構成が実現される。また、スイッチ素子JP1としてのMOSFETをオフ、スイッチ素子JP2としてのMOSFETをオンさせることにより、図5Bの構成が実現される。なお、上記制御回路は、各MOSFETが同時にオンすることが回避されるように構成される。
【0033】
上記a)、b)では、上記2つのシステム構成のどちらかを低抵抗体の実装/非実装で選択するので、試作時に性能にすぐれたシステム構成が判明した場合、その試作に使用したプリント基板をそのまま量産用基板として活用することも可能である。
一方、b)の手法において低オン抵抗ダイオードの機能を配線パターンの有無で置き換える場合およびc),d)の手法は、低オン抵抗ダイオードやMOSFETによって選択されたシステム構成が実現されるようにプリント基板の配線パターンを作成することになる。しかし、これ以外の配線パターンを変更しないことにより、電力変換効率およびEMC性能に関する再評価を不要とすることができ、短時間で量産用基板を作成することができる。
また、c),d)の手法によれば、この実施形態に係る分散型電源システム1が組込まれる機器の動作条件に応じてシステム構成を自動変更することが可能である。例えば、本実施形態の分散型電源システム1が組込まれたパソコン等の機器にUSBポート(Aタイプ;ホスト)が付いている場合には、USBケーブルをこのUSBポートに接続した場合に発生する認識信号に基づいてこの分散型電源システム1の構成を自動的に変更することができる。
【0034】
すなわち、手法c)では、USBケーブルの未接続時にスイッチ素子JP1としてのMOSFETがオンされ、USBケーブルの接続時に、上記認識信号に基づいて該MOSFETがオフされる。また、手法d)では、USBケーブルの未接続時にスイッチ素子JP1としてのMOSFETがオンされるとともにスイッチ素子JP2としてのMOSFETがオフされ、USBケーブルの接続時に、上記認識信号に基づいて上記各MOSFETの状態が切り替えられる。
この結果、USBケーブルの未接続時には、電力変換効率を優先した図5Aの構成で分散型電源システム1が稼動され、USBケーブルの接続に伴ってEMI(electro-magnetic interference)の抑制に有効な図5Bの構成で分散型電源システム1が稼動することになる。
【0035】
USBは、5V,0Vのバスパワーと差動対の信号線から成り立っているので、その電源ラインからの放射(EMI)も十分考えられる。
図2及び図3は、一般的に電源ラインのノイズがどのようになっているかを説明するために、負荷17として50MHzクロックで動作するCMOSロジック負荷を接続した場合の3.3V電源ラインのスペクトラムを例示したものである。
図2に示すように、0.1〜10.1MHzの周波数範囲には、電源ノイズ成分(最大48dBμV)が観測され、また、図3の1〜251MHzの周波数範囲には、上記50MHzクロックに基づくノイズ成分(最大56dBuV)が観測される。つまり、上記3.3V電源ラインには、電源ノイズ成分の外に負荷側から侵入したクロックノイズ成分も存在する。このことから、ノイズに関しては、電源側から負荷側に伝送されるだけでなく、負荷側から電源側にも伝送されるという点(単方向でなく双方向)を視野に入れておく必要がある。
【0036】
前述したように、USBケーブルの接続時にスイッチ素子JP1をオフ、JP2をオンさせるように該スイッチ素子JP1、JP2の制御プログラムを作成しておけば、このUSBケーブルの接続時に非絶縁型電源13と非絶縁型電源140がカスケード接続されるとともに、非絶縁型電源13と非絶縁型電源150がカスケード接続されるので、非絶縁型電源13のフィルタリング作用により、非絶縁型電源140,150の電源ノイズ成分及び非絶縁型電源140,150に接続されている低電圧・大電流化された負荷18,19の動作に起因する高周波クロックノイズ成分が中間バス12−1(すなわち、USBのバスパワー)に伝達されるのを抑制することが可能となる。これは、コストアップ要因となるプリント基板へのEMI対策部品の追加や機器外部のUSBケーブルへのフェライトコアの装着等が不要になるという利点をもたらす。
【0037】
ところで、上記手法a)、b)を採用する場合には、スイッチ素子JP1の非実装時に中間バス12-1の一部がオープン配線部となって、ノイズ送受アンテナとして機能する恐れがある。また、手法a)を採用する場合において、スイッチ素子JP2の非実装時には、非絶縁型電源13の出力側から延びる3.3Vラインの一部がオープン配線部となって、同様にノイズ送受アンテナとして機能する恐れがある。そこで、上記各オープン配線部は、いわゆるデカップリングコンデンサ(図示せず)を接続して終端処理を施すことが望ましい。
なお、手法c)、d)を採用する場合には、電源IC内部にMOSFETやダイオードを取り込むこと、つまり、外付け部品のない状態で実現することも可能である。
【0038】
図4は、本発明に係る分散型電源システムの他の実施形態を示すブロック図である。なお、この図4においては、図6A〜図6Cに示す要素と同一の要素に同一の符号を付して、それについての詳細な説明を省略する。
この実施形態に係る分散型電源システム2は、絶縁型電源31と、この絶縁型電源31の出力に接続された中間バス32−1と、該中間バス32−1に接続された非絶縁型電源33と、スイッチ素子JP1を介して中間バス32−1に接続された中間バス32−2と、非絶縁型電源33の出力と中間バス32−2との間に介在させたスイッチ素子JP2と、中間バス32−2に接続された非絶縁型電源340と、スイッチ素子JP3を介して中間バス32−2に接続された中間バス32−3と、非絶縁型電源340の出力と中間バス32−3との間に介在させたスイッチ素子JP4と、中間バス32−3に接続された非絶縁型電源350,360とを備えている。
【0039】
非絶縁型電源340は、5Vあるいは12VのDC入力電圧を3.3VのDC電圧に降圧するように、非絶縁型電源350は、3.3Vあるいは5Vまたは12VのDC入力電圧を1.5VのDC電圧に降圧するように、また、非絶縁型電源360は、3.3Vあるいは5Vまたは12VのDC入力電圧を1.2VのDC電圧に降圧するようにそれぞれ構成されている。
絶縁型電源31の出力には負荷37が、非絶縁型電源33の出力には負荷38が、非絶縁型電源340の出力には負荷39が、また、非絶縁型電源350の出力には負荷40が、非絶縁型電源360の出力には負荷41がそれぞれ接続されている。そして、これらの負荷の内、負荷40,41は低電圧・大電流化されている。
【0040】
主電源部としての絶縁型電源31、分散電源部としての非絶縁型電源33,340,350,360及び負荷37〜41は、いずれも図示していないプリント基板に実装されている。中間バス32−1〜32−3やその他の接続線路も上記プリント基板にプリント形成されている。そして、低電圧・大電流化された負荷40,41への給電を行う非絶縁型電源350,360は、これらの負荷40,41に対してそれぞれPOL配置されている。
【0041】
スイッチ素子JP1は、中間バス32−1と中間バス32−2とを離接するために設けられ、また、スイッチ素子JP2は、非絶縁型電源33の出力と中間バス32−2とを離接するために設けられている。スイッチ素子JP3は、中間バス32−2と中間バス32−3とを離接するために設けられ、さらに、スイッチ素子JP4は、非絶縁型電源340の出力と中間バス32−3とを離接するために設けられている。
【0042】
この実施形態に係る分散型電源システム2において、スイッチ素子JP1,JP3をオンさせ、スイッチ素子JP2,JP4をオフさせると、図6Aに示す分散型電源システム2Aの構成と同等な構成(1段構成)が実現されることになる。前述したように、この構成は、電力変換効率という観点で有利である。
また、素子JP1,JP4をオフさせ、素子JP2,JP3をオンさせれば、図6Bに示す分散型電源システム2Bの構成と同等な構成(2段構成)が実現され、更に、素子JP1,JP4をオンさせ、素子JP2,JP3をオフさせれば、図6Cに示す分散型電源システム2Cの構成と同等な構成(2段構成)が実現されることになる。前述したように、この構成は、EMC(Electro-Magnetic Compatibility)性能を向上するという観点で有利である。
【0043】
このように、この実施形態に係る分散型電源システム2によれば、プリント基板をリメイクすることなしに、図6A、図6B及び図6Cに示す分散型電源システムを構成することが可能である。
なお、この実施形態においては、スイッチ素子JP1〜JP4として例えば以下の素子が使用される。
a)スイッチ素子JP1〜JP4として低抵抗体を使用する。スイッチ素子JP1(JP2〜JP4)のオン、オフは、低抵抗体の実装、非実装にそれぞれ対応する。
b)スイッチ素子JP1,JP3として低抵抗体を使用し、スイッチ素子JP2,JP4として低オン抵抗ダイオードを使用する。この場合、スイッチ素子JP2としての低オン抵抗ダイオードは、アノードが非絶縁型電源33の出力に接続され、カソードが中間バス32−2に接続される。また、スイッチ素子JP4としての低オン抵抗ダイオードは、アノードが非絶縁型電源340の出力に接続され、カソードが中間バス32−3に接続される。
c)スイッチ素子JP1,JP3としてMOSFETを使用し、スイッチ素子JP2,JP4として低オン抵抗ダイオードを使用する。この場合、スイッチ素子JP2、JP4としての低オン抵抗ダイオードの接続は、上記b)と同じである。
d)スイッチ素子JP1〜JP4としてMOSFETを使用する。
c)、d)では、図示していない制御回路によって各MOSFETがオン/オフ制御される。そして、d)に適用される制御回路は、スイッチ素子JP1,JP2としてのMOSFETが同時にオンすることが回避されるように、また、スイッチ素子JP3,JP4としてのMOSFETが同時にオンすることが回避されるように構成される。
【0044】
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形態様を含み得るものである。すなわち、上記各実施形態における絶縁型電源11,31、非絶縁型電源13,33,140,150,340,350,360は、いずれもスイッチングレギュレータとしての構成を有しているが、これらの電源のすべて、あるいは、いくつかにリニアレギュレータとしての構成をもたすことも可能である。
また、図4に示した実施形態においては、必要に応じて、スイッチ素子JP1,JP3をオフさせ、素子JP2,JP4をオンさせることも可能である。この場合、3段構成による12V→5V→3.3V→1.5V(1.2V)という変換が実現される。
なお、スイッチ素子の数は変換する電圧の数に応じて更に増加することも可能である。
【符号の説明】
【0045】
1,2 分散型電源システム
11,31 絶縁型電源
12-1,12−2,32−1〜32−3 中間バス
13,33,140,150,340〜360 非絶縁型電源
16〜19,37〜41 負荷
JP1〜JP4 スイッチ素子
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子機器内に設けられる分散型電源システム、該システムの構成決定方法及びそのプリント基板パターンの確定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器では、電源システムとして分散型電源システムを採用することが多い。特許文献1の図5には、この分散型電源システムの一例が示されている。この分散型電源システムは、複数の電源電圧を中間バスに出力する絶縁型電源と、それぞれスイッチャ回路を介して上記中間バスに接続される複数の非絶縁型電源とを有する。
各非絶縁型電源に係るスイッチャ回路は、対応する切り換え回路によってそれぞれ制御される。すなわち、切り換え回路は、対応する非絶縁型電源の出力電圧に基づき、その非絶縁電源の変換効率が最適となる電源電圧を上記中間バスにおける複数の電源電圧の中から決定し、その決定した電源電圧が当該非絶縁電源に入力されるようにスイッチャ回路を切り換える。
したがって、この分散型電源システムによれば、各非絶縁電源の電力変換効率を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−148473号公報(図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記分散型電源システムによって給電される負荷の中に、低電圧・大電流化された負荷(例えば、低電圧・大電流化されたCPUなどのLSI)が含まれている場合、その負荷とその負荷に接続される非絶縁型電源との間の配線に大電流が流れるので、その配線による影響(抵抗、インダクタンス成分の影響)を無視できなくなる。
そこで、上記の影響を低減するために、上記低電圧・大電流化された負荷に適用される非絶縁型電源を該負荷にできるだけ接近して配設することが実施されている(POL=Point of Loadと呼ばれている)。この場合、上記非絶縁型電源は、上記負荷が実装されたプリント基板上に設けられる。
【0005】
図5A,図5B及び図6A〜図6Cは、低電圧・大電流化された負荷を含む分散型電源システムの構成例を示している。
図5Aに示す分散型電源システム1Aは、交流入力(AC100/200V)あるいは直流入力(通信機器用のDC48V、工業機器用のDC24V等)を5VのDC電圧に降圧する絶縁型電源11と、この絶縁型電源11の出力に接続された中間バス12と、該中間バス12の電圧5Vをそれぞれ3.3V,1.5V及び1.2VのDC電圧に降圧する非絶縁型電源13,14及び15とを備えている。中間バス12には負荷16が接続され、また、非絶縁型電源13,14及び15の出力には、負荷17,18及び19がそれぞれ接続されている。
この分散型電源システム1Aでは、負荷18,19が低電圧・大電流化されている。そこで、この負荷18,19に接続される非絶縁型電源14,15は、該負荷18,19が実装された図示していないプリント基板上にそれぞれPOL配置されている。
【0006】
図5Bに示す分散型電源システム1Bは、絶縁型電源11の出力に接続された第1の中間バス20と、この第1の中間バス20の電圧5Vを3.3VのDC電圧に降圧変換する非絶縁型電源21と、該非絶縁型電源21の出力に接続された第2の中間バス22と、この中間バス22の電圧3.3Vをそれぞれ1.5V,1.2VのDC電圧に降圧変換する非絶縁型電源23,24とを備えている。
第1の中間バス20には負荷16が、第2の中間バス22には負荷17が、非絶縁型電源23の出力には負荷18が、また、非絶縁型電源24の出力には負荷19がそれぞれ接続されている。そして、非絶縁型電源23,24は、低電圧・大電流化された負荷18,19に対してそれぞれPOL配置されている。
【0007】
図6Aに示す分散型電源システム2Aは、交流入力あるいは直流入力を12VのDC電圧に降圧変換する絶縁型電源31と、この絶縁型電源31の出力に接続された中間バス32と、該中間バス32の電圧12Vをそれぞれ5V,3.3V,1.5V及び1.2VのDC電圧に降圧する非絶縁型電源33,34,35及び36とを備えている。中間バス32には負荷37が接続され、また、非絶縁型電源33,34,35及び36の出力には、負荷38,39,40及び41がそれぞれ接続されている。
負荷40,41は、低電圧・大電流化されている。そこで、非絶縁型電源35,36は、負荷40,41が実装された図示していないプリント基板上にそれぞれPOL配置されている。
【0008】
図6Bに示す分散型電源システム2Bは、絶縁型電源31の出力に接続された第1の中間バス42と、この第1の中間バス42の電圧12Vを5VのDC電圧に降圧する非絶縁型電源33と、該非絶縁型電源33の出力に接続された第2の中間バス44と、この中間バス44の電圧5Vをそれぞれ3.3V,1.5V及び1.2VのDC電圧に降圧する非絶縁型電源45,46及び47とを備えている。
第1の中間バス42及び第2の中間バス44には、それぞれ負荷37及び負荷38が接続され、非絶縁型電源45,46及び47の出力にはそれぞれ負荷39,40及び41が接続されている。そして、非絶縁型電源46,47は、低電圧・大電流化された負荷40,41に対してそれぞれPOL配置されている。
【0009】
図6Cに示す分散型電源システム2Cは、絶縁型電源31の出力に接続された第1の中間バス48と、この第1の中間バス48の電圧12Vをそれぞれ5V,3.3VのDC電圧に降圧する非絶縁型電源33,34と、この非絶縁型電源34の出力に接続された第2の中間バス49と、この中間バス49の電圧3.3Vをそれぞれ1.5V,1.2VのDC電圧に降圧する非絶縁型電源50,51とを備えている。
第1の中間バス48には負荷37が、非絶縁型電源33の出力には負荷38が、第2の中間バス49には負荷39が、非絶縁型電源50には負荷40が、非絶縁型電源51には負荷41がそれぞれ接続されている。そして、非絶縁型電源50,51は、低電圧・大電流化された負荷40,41に対してそれぞれPOL配置されている。
【0010】
図5A、図5Bの分散型電源システム1A,1Bは、電源の数(4台)において共通するものの、それぞれメリットとデメリットが存在する。図6A〜図6Cに示す分散型電源システム2A〜2Cも同様である。
ここでは、分散型電源システム2A〜2Cを例として、そのメリットとデメリットについて説明する。
分散型電源システム2Aは、1つの中間バス32を用いた構成(1段構成)によってDC1.5VとDC1.2Vを得ている。これに対して、分散型電源システム2Bおよび分散型電源システム2Cは、それぞれ2つの中間バス42,44および48,49を用いた構成(2段構成)によってDC1.5VとDC1.2Vを得ている。
上記のように、分散型電源システム2Aは構成段数が分散型電源システム2Bおよび2Cよりも少ないので、DC1.5VとDC1.2Vを分散型電源システム2Bおよび2Cよりも変換ロスが少ない状態で得ることができるというメリットを有する。
【0011】
図7は、分散型電源システム2Aによって12Vを12V→1.5Vという形態で変換(1段構成による変換)した場合の電力変換効率と、分散型電源システム2Bによって12V→5V→1.5Vという形態で変換(2段構成による変換)した場合の電力変換効率とをそれぞれ例示したものである。なお、図7の横軸は分散型電源システム2Aの非絶縁型電源35及び分散型電源システム2Bの非絶縁型電源46の出力電流(負荷電流)である。
図7から明らかなように、負荷電流が300mA〜500mAのときの電力変換効率は、1段構成の分散型電源システム2Aの方が2段構成の分散型電源システム2Bよりも4%程度高い。
【0012】
以上から明らかなように、電力変換効率という観点からすると、分散型電源システム2Aの方が分散型電源システム2Bよりも優れている。しかし、分散型電源システムが使用される機器のEMC(Electro-Magnetic Compatibility)性能を改善するという点では、分散型電源システム2Aよりも分散型電源システム2Bの方が優れている。
すなわち、分散型電源システム2Aの中間バス32における12Vの電圧には、絶縁型電源31からの進入ノイズ成分が多く含まれている可能性がある。したがって、この12Vの電圧を1台の非絶縁型電源36によって例えば1.2Vの電圧に降圧変換した場合、ノイズに対するフィルタリングが十分になされず、そのため、その電圧に含まれるノイズによって負荷41を誤動作させるリスクを伴うことになる。
【0013】
図8及び図9は、それぞれ上記分散型電源システム2A及び2Bの1.2V出力に含まれる周波数0.1〜10.1MHzのノイズを例示したものである。
図8に示すように、1段構成の分散型電源システム2Aの場合には、非絶縁型電源36のスイッチングノイズ(300kHzの基本波によるノイズ成分と、この基本波の高調波によるノイズ成分)が観測され、その最大値は約44dBμVである。一方、2段構成の分散型電源システム2Bの場合には、前段の非絶縁型電源33の300kHzのスイッチングノイズ成分が後段の非絶縁型電源47によってフィルタリングされるため、図9に示すように、主として該電源47のスイッチングノイズ成分(2.4MHzの基本波によるノイズ成分)が観測され、その最大値は約33dBμVである。すなわち、2段構成にすれば、1段構成の場合に比べてノイズレベルが10dB以上も低くなって、負荷41側でのS/N比が改善される。
【0014】
以上の説明から明らかなように、図5A,5Bに示す分散型電源システム1A,1B及び図6A,6B,6Cに示す分散型電源システム2A,2B,2Cには、メリットとデメリットが存在する。そこで、これらの分散型電源システムの設計時には、電力変換効率、開発期間、コスト及びEMC性能等を総合的に考慮する必要がある。その場合、実際には、試作→評価→問題点→対策というように、カットアンドトライ的な手順を経て最適な結論を導き出すことが多い。
通常、試作後の評価で問題が発見されると、その問題についての原因・対策が見極められる。そして、その対策として、プリント基板をリメイクすることが必要になった場合、プリント基板のアートワーク、基板作製のための手配、実装部品の手配、部品実装などのために1ヶ月以上の期間を要し、しかも、これにかかる費用が数100万円のオーダになることがある。
【0015】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記のトレードオフの課題に対する改善策を提案して、機器の開発期間短縮、コストアップ抑制ならびにEMC性能を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、第1〜第N(N=2,3,・・・)の中間バスと、前記第1の中間バスに所定のDC電圧を出力する主電源部と、前記第1〜第Nの中間バスの電圧をそれぞれ入力して所定のDC電圧を出力する第1〜第Nの分散電源部と、前記第2〜第Nの中間バスをそれぞれ前記第1〜第N−1の中間バスと前記第1〜第N−1の分散電源部の出力とに選択接続するためのスイッチ手段と、をプリント基板に配設した分散型電源システムを提供する。この分散型電源システムによれば、プリント基板をリメイクすることなく各分散電源部の接続形態を変更することができる。
【0017】
前記スイッチ手段は、前記第1〜第N−1の中間バスと前記第2〜第Nの中間バスとの間にそれぞれ介在される第1のスイッチ素子と、前記第1〜第N−1の分散電源部の出力と前記第2〜第Nの中間バスとの間にそれぞれ介在される第2のスイッチ素子とによって構成することができる。
前記第1、第2のスイッチ素子としては、例えば、低抵抗体が使用される。その場合、その抵抗体の実装/非実装によって前記スイッチ手段の接続形態が変化されることになる。
前記第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子としてそれぞれ低抵抗体および低オン抵抗ダイオードを使用しても良い。その場合、前記抵抗体の実装/非実装によって前記スイッチ手段の接続形態が変化されることになる。
前記第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子としてそれぞれMOSFETおよび低オン抵抗ダイオードを使用しても良い。その場合、前記MOSFETのオンオフ制御によって前記スイッチ手段の接続形態を変化させることができる。
前記第1、第2のスイッチ素子としてそれぞれMOSFETを使用することも可能である。その場合、前記MOSFETのオンオフ制御によって前記スイッチ手段の接続形態を変化させることができる。
【0018】
本発明の実施形態では、前記主電源部として絶縁型の電源を使用し、前記各分散電源部として非絶縁型の電源を使用している。また、本発明の実施形態では、前記第1〜第Nの分散電源部の内、低電圧・大電流化された負荷への給電を行う分散電源部がPOL配置されている。
前記スイッチ手段をUSBポート接続確認信号に基づいて切り替え動作させる制御手段を更に備えることができる。この場合、USBポート接続時にそれに対応したシステム構成を自動的に設定することが可能になる。
【0019】
本発明は、第1〜第N(N=2,3,・・・)の中間バスと、前記第1の中間バスに所定のDC電圧を出力する主電源部と、前記第1〜第Nの中間バスの電圧をそれぞれ入力して所定のDC電圧を出力する第1〜第Nの分散電源部と、前記第2〜第Nの中間バスをそれぞれ前記第1〜第N−1の中間バスと前記第1〜第N−1の分散電源部の出力とに選択接続するためのスイッチ手段と、をプリント基板に配設した分散型電源システムを使用し、前記スイッチ手段の切り替え接続によって最終的なシステム構成を決定する分散型電源システムの構成決定方法を提供する。
本発明によれば、プリント基板をリメイクすることなく各分散電源部の接続形態を変更して、望ましい最終的なシステム構成を決定することができる。
【0020】
更に、本発明は、第1〜第N(N=2,3,・・・)の中間バスと、前記第1の中間バスに所定のDC電圧を出力する主電源部と、前記第1〜第Nの中間バスの電圧をそれぞれ入力して所定のDC電圧を出力する第1〜第Nの分散電源部と、前記第2〜第Nの中間バスをそれぞれ前記第1〜第N−1の中間バスと前記第1〜第N−1の分散電源部の出力とに選択接続するためのスイッチ手段と、をプリント基板に配設した分散型電源システムを使用するプリント基板のパターン確定方法であって、前記スイッチ手段の切り替え接続によって最終的なシステム構成を決定するステップと、前記最終的なシステム構成を実現する配線パターンを量産品のプリント基板パターンとして確定するステップと、を含むプリント基板パターン確定方法を提供する。
本発明によれば、プリント基板をリメイクすることなく望ましい最終的なシステム構成が決定され、その最終的なシステム構成を実現する配線パターンが量産品のプリント基板パターンとして確定される。
【発明の効果】
【0021】
本発明の係る分散型電源システムによれば、プリント基板をリメイクすることなく複数のシステム構成を選択することが可能になるので、製品開発に要する時間の短縮と労力の低減を図ることができる。
また、本発明に係る分散型電源システムの構成決定方法によれば、プリント基板をリメイクすることなく各分散電源部の接続形態を変更して、望ましい最終的なシステム構成を決定することができる。
更に、本発明に係るプリント基板パターン確定方法によれば、プリント基板をリメイクすることなく望ましい最終的なシステム構成を決定し、その最終的なシステム構成を実現する配線パターンを量産品のプリント基板パターンとして確定することができる。
なお、量産時には、試作時に判明した性能にすぐれたシステム構成を実現する量産向けのプリント基板を作成することになるが、試作時に用いたプリント基板がコスト的な観点等からみて量産にも対応できるものである場合には、そのプリント基板を量産用として活用することができ、その場合、より迅速な製品化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る分散型電源システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】CMOSロジック負荷を接続した場合の3.3V電源ラインのスペクトラムの一例を示す波形図である。
【図3】CMOSロジック負荷を接続した場合の3.3V電源ラインのスペクトラムの他の例を示す波形図である。
【図4】本発明に係る分散型電源システムの他の実施形態を示すブロック図である。
【図5A】分散型電源システムの第1の構成例を示すブロック図である。
【図5B】分散型電源システムの第2の構成例を示すブロック図である。
【図6A】分散型電源システムの第3の構成例を示すブロック図である。
【図6B】分散型電源システムの第4の構成例を示すブロック図である。
【図6C】分散型電源システムの第5の構成例を示すブロック図である。
【図7】図6Aの分散型電源システムの電力変換効率と図6Bの分散型電源システムの電力変換効率とを例示したグラフである。
【図8】図6Aの分散型電源システムの1.2V出力に含まれる周波数0.1〜10.1MHzのノイズを例示したグラフである。
【図9】図6Bの分散型電源システムの1.2V出力に含まれる周波数0.1〜10.1MHzのノイズを例示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る分散型電源システムの一実施形態を示すブロック図である。なお、図1においては、図5A,図5Bに示す要素と同一の要素に同一の符号を付して、それについての詳細な説明を省略する。
この実施形態に係る分散型電源システム1は、絶縁型電源11と、この絶縁型電源11の出力に接続された中間バス12−1と、該中間バス12−1に接続された非絶縁型電源13と、スイッチ素子JP1を介して中間バス12−1に接続された中間バス12−2と、非絶縁型電源3の出力と中間バス12−2との間に介在させたスイッチ素子JP2と、中間バス12−2に接続された非絶縁型電源140,150とを備えている。
【0024】
非絶縁型電源140は、3.3Vあるいは5VのDC入力電圧を1.5VのDC電圧に降圧するように構成され、また、非絶縁型電源150は、3.3Vあるいは5VのDC入力電圧を1.2VのDC電圧に降圧するように構成されている。
絶縁型電源11の出力には負荷16が、非絶縁型電源13の出力には負荷17が、非絶縁型電源140の出力には負荷18が、また、非絶縁型電源150の出力には負荷19がそれぞれ接続されている。そして、これらの負荷の内、負荷18,19は低電圧・大電流化されている。
【0025】
主電源部としての絶縁型電源11、分散電源部としての非絶縁型電源13,140,150及び負荷17〜19は、いずれも図示していないプリント基板に実装されている。中間バス12−1,12−2やその他の接続線路も上記プリント基板にプリント形成されている。そして、低電圧・大電流化された負荷18,19への給電を行う非絶縁型電源140,150は、これらの負荷18,19に対してそれぞれPOL(Point of Load)配置されている。
【0026】
スイッチ素子JP1は、中間バス12−1と中間バス12−2とを離接するために設けられ、また、スイッチ素子JP2は、非絶縁型電源13の出力と中間バス12−2とを離接するために設けられている。
この実施形態に係る分散型電源システム1において、スイッチ素子JP1をオンし、スイッチ素子JP2をオフさせれば、中間バス12−1が中間バス12−2に接続されるとともに、該中間バス12−2が非絶縁型電源13の出力から切り離される。この場合、図5Aに示す分散型電源システム1Aの構成と同等な構成(1段構成)が実現されることになる。前述したように、この構成は、電力変換効率という観点で有利である。
【0027】
一方、素子JP1をオフし、素子JP2をオンさせれば、中間バス12−1が中間バス12−2から切り離されるとともに、該中間バス12−2が非絶縁型電源13の出力に接続される。この場合、図5Bに示す分散型電源システム1Bの構成と同等な構成(2段構成)が実現されることになる。前述したように、この構成は、EMC(Electro-Magnetic Compatibility)性能を向上するという観点で有利である。
【0028】
このように、この実施形態に係る分散型電源システム1によれば、プリント基板をリメイクすることなしに、図5Aに示す分散型電源システム1Aの構成と図5Bに示す分散型電源システム1Bの構成とを実現することができるので、それらの構成のうちのいずれが製品化に適しているかを判断することが容易になる。この結果、製品開発に要する時間の短縮と労力の低減を図ることができる。
【0029】
以下のa)〜c)は、スイッチ素子JP1,JP2の種類および使用態様を例示したものである。
a)スイッチ素子JP1,JP2として低抵抗体を使用する。この場合、この低抵抗体の実装/非実装の選択によって本実施形態に係る分散型電源システム1の構成が変更される。すなわち、スイッチ素子JP1としての低抵抗体の実装(JP1オン)と、スイッチ素子JP2としての低抵抗体の非実装(JP2オフ)とにより図5Aに示す構成が実現され、また、スイッチ素子JP1としての低抵抗体の非実装(JP1オフと)、スイッチ素子JP2としての低抵抗体の実装(JP2オン)とにより図5Bに示す構成が実現される。
【0030】
b)スイッチ素子JP1として低抵抗体を使用し、スイッチ素子JP2として、アノードが非絶縁型電源13の出力に接続されカソードが中間バス12−2に接続された低オン抵抗ダイオードを使用する。この場合、低抵抗体の実装/非実装の選択によって分散型電源システム1の構成が変更される。すなわち、スイッチ素子JP1としての低抵抗体の実装により、該スイッチ素子JP1がオンするとともに、スイッチ素子JP2としての低オン抵抗ダイオードがオフ(逆阻止状態)するので、図5Aに示す構成が実現される。また、スイッチ素子JP1としての低抵抗体の非実装により、該スイッチ素子JP1がオフするとともに、スイッチ素子JP2としての低オン抵抗ダイオードがオンするので、図5Bに示す構成が実現される。
【0031】
c)スイッチ素子JP1としてMOSFETを使用し、スイッチ素子JP2として、アノードが非絶縁型電源13の出力に接続されカソードが中間バス12−2に接続された低オン抵抗ダイオードを使用する。この場合、図示していない制御回路によるMOSFETのオン/オフ制御によって分散型電源システム1の構成が変更される。すなわち、スイッチ素子JP1としてのMOSFETをオンさせることにより、スイッチ素子JP2としての低オン抵抗ダイオードがオフ(逆阻止状態)するので、図5Aに示す構成が実現される。また、スイッチ素子JP1としてのMOSFETをオフさせることにより、スイッチ素子JP2としての低オン抵抗ダイオードがオンするので、図5Bの構成が実現される。
【0032】
d)スイッチ素子JP1,JP2として共にMOSFETを使用する。この場合、図示していない制御回路による各MOSFETのオン/オフ制御によって分散型電源システム1の構成が変更される。すなわち、スイッチ素子JP1としてのMOSFETをオン、スイッチ素子JP2としてのMOSFETをオフさせることにより、図5Aに示す構成が実現される。また、スイッチ素子JP1としてのMOSFETをオフ、スイッチ素子JP2としてのMOSFETをオンさせることにより、図5Bの構成が実現される。なお、上記制御回路は、各MOSFETが同時にオンすることが回避されるように構成される。
【0033】
上記a)、b)では、上記2つのシステム構成のどちらかを低抵抗体の実装/非実装で選択するので、試作時に性能にすぐれたシステム構成が判明した場合、その試作に使用したプリント基板をそのまま量産用基板として活用することも可能である。
一方、b)の手法において低オン抵抗ダイオードの機能を配線パターンの有無で置き換える場合およびc),d)の手法は、低オン抵抗ダイオードやMOSFETによって選択されたシステム構成が実現されるようにプリント基板の配線パターンを作成することになる。しかし、これ以外の配線パターンを変更しないことにより、電力変換効率およびEMC性能に関する再評価を不要とすることができ、短時間で量産用基板を作成することができる。
また、c),d)の手法によれば、この実施形態に係る分散型電源システム1が組込まれる機器の動作条件に応じてシステム構成を自動変更することが可能である。例えば、本実施形態の分散型電源システム1が組込まれたパソコン等の機器にUSBポート(Aタイプ;ホスト)が付いている場合には、USBケーブルをこのUSBポートに接続した場合に発生する認識信号に基づいてこの分散型電源システム1の構成を自動的に変更することができる。
【0034】
すなわち、手法c)では、USBケーブルの未接続時にスイッチ素子JP1としてのMOSFETがオンされ、USBケーブルの接続時に、上記認識信号に基づいて該MOSFETがオフされる。また、手法d)では、USBケーブルの未接続時にスイッチ素子JP1としてのMOSFETがオンされるとともにスイッチ素子JP2としてのMOSFETがオフされ、USBケーブルの接続時に、上記認識信号に基づいて上記各MOSFETの状態が切り替えられる。
この結果、USBケーブルの未接続時には、電力変換効率を優先した図5Aの構成で分散型電源システム1が稼動され、USBケーブルの接続に伴ってEMI(electro-magnetic interference)の抑制に有効な図5Bの構成で分散型電源システム1が稼動することになる。
【0035】
USBは、5V,0Vのバスパワーと差動対の信号線から成り立っているので、その電源ラインからの放射(EMI)も十分考えられる。
図2及び図3は、一般的に電源ラインのノイズがどのようになっているかを説明するために、負荷17として50MHzクロックで動作するCMOSロジック負荷を接続した場合の3.3V電源ラインのスペクトラムを例示したものである。
図2に示すように、0.1〜10.1MHzの周波数範囲には、電源ノイズ成分(最大48dBμV)が観測され、また、図3の1〜251MHzの周波数範囲には、上記50MHzクロックに基づくノイズ成分(最大56dBuV)が観測される。つまり、上記3.3V電源ラインには、電源ノイズ成分の外に負荷側から侵入したクロックノイズ成分も存在する。このことから、ノイズに関しては、電源側から負荷側に伝送されるだけでなく、負荷側から電源側にも伝送されるという点(単方向でなく双方向)を視野に入れておく必要がある。
【0036】
前述したように、USBケーブルの接続時にスイッチ素子JP1をオフ、JP2をオンさせるように該スイッチ素子JP1、JP2の制御プログラムを作成しておけば、このUSBケーブルの接続時に非絶縁型電源13と非絶縁型電源140がカスケード接続されるとともに、非絶縁型電源13と非絶縁型電源150がカスケード接続されるので、非絶縁型電源13のフィルタリング作用により、非絶縁型電源140,150の電源ノイズ成分及び非絶縁型電源140,150に接続されている低電圧・大電流化された負荷18,19の動作に起因する高周波クロックノイズ成分が中間バス12−1(すなわち、USBのバスパワー)に伝達されるのを抑制することが可能となる。これは、コストアップ要因となるプリント基板へのEMI対策部品の追加や機器外部のUSBケーブルへのフェライトコアの装着等が不要になるという利点をもたらす。
【0037】
ところで、上記手法a)、b)を採用する場合には、スイッチ素子JP1の非実装時に中間バス12-1の一部がオープン配線部となって、ノイズ送受アンテナとして機能する恐れがある。また、手法a)を採用する場合において、スイッチ素子JP2の非実装時には、非絶縁型電源13の出力側から延びる3.3Vラインの一部がオープン配線部となって、同様にノイズ送受アンテナとして機能する恐れがある。そこで、上記各オープン配線部は、いわゆるデカップリングコンデンサ(図示せず)を接続して終端処理を施すことが望ましい。
なお、手法c)、d)を採用する場合には、電源IC内部にMOSFETやダイオードを取り込むこと、つまり、外付け部品のない状態で実現することも可能である。
【0038】
図4は、本発明に係る分散型電源システムの他の実施形態を示すブロック図である。なお、この図4においては、図6A〜図6Cに示す要素と同一の要素に同一の符号を付して、それについての詳細な説明を省略する。
この実施形態に係る分散型電源システム2は、絶縁型電源31と、この絶縁型電源31の出力に接続された中間バス32−1と、該中間バス32−1に接続された非絶縁型電源33と、スイッチ素子JP1を介して中間バス32−1に接続された中間バス32−2と、非絶縁型電源33の出力と中間バス32−2との間に介在させたスイッチ素子JP2と、中間バス32−2に接続された非絶縁型電源340と、スイッチ素子JP3を介して中間バス32−2に接続された中間バス32−3と、非絶縁型電源340の出力と中間バス32−3との間に介在させたスイッチ素子JP4と、中間バス32−3に接続された非絶縁型電源350,360とを備えている。
【0039】
非絶縁型電源340は、5Vあるいは12VのDC入力電圧を3.3VのDC電圧に降圧するように、非絶縁型電源350は、3.3Vあるいは5Vまたは12VのDC入力電圧を1.5VのDC電圧に降圧するように、また、非絶縁型電源360は、3.3Vあるいは5Vまたは12VのDC入力電圧を1.2VのDC電圧に降圧するようにそれぞれ構成されている。
絶縁型電源31の出力には負荷37が、非絶縁型電源33の出力には負荷38が、非絶縁型電源340の出力には負荷39が、また、非絶縁型電源350の出力には負荷40が、非絶縁型電源360の出力には負荷41がそれぞれ接続されている。そして、これらの負荷の内、負荷40,41は低電圧・大電流化されている。
【0040】
主電源部としての絶縁型電源31、分散電源部としての非絶縁型電源33,340,350,360及び負荷37〜41は、いずれも図示していないプリント基板に実装されている。中間バス32−1〜32−3やその他の接続線路も上記プリント基板にプリント形成されている。そして、低電圧・大電流化された負荷40,41への給電を行う非絶縁型電源350,360は、これらの負荷40,41に対してそれぞれPOL配置されている。
【0041】
スイッチ素子JP1は、中間バス32−1と中間バス32−2とを離接するために設けられ、また、スイッチ素子JP2は、非絶縁型電源33の出力と中間バス32−2とを離接するために設けられている。スイッチ素子JP3は、中間バス32−2と中間バス32−3とを離接するために設けられ、さらに、スイッチ素子JP4は、非絶縁型電源340の出力と中間バス32−3とを離接するために設けられている。
【0042】
この実施形態に係る分散型電源システム2において、スイッチ素子JP1,JP3をオンさせ、スイッチ素子JP2,JP4をオフさせると、図6Aに示す分散型電源システム2Aの構成と同等な構成(1段構成)が実現されることになる。前述したように、この構成は、電力変換効率という観点で有利である。
また、素子JP1,JP4をオフさせ、素子JP2,JP3をオンさせれば、図6Bに示す分散型電源システム2Bの構成と同等な構成(2段構成)が実現され、更に、素子JP1,JP4をオンさせ、素子JP2,JP3をオフさせれば、図6Cに示す分散型電源システム2Cの構成と同等な構成(2段構成)が実現されることになる。前述したように、この構成は、EMC(Electro-Magnetic Compatibility)性能を向上するという観点で有利である。
【0043】
このように、この実施形態に係る分散型電源システム2によれば、プリント基板をリメイクすることなしに、図6A、図6B及び図6Cに示す分散型電源システムを構成することが可能である。
なお、この実施形態においては、スイッチ素子JP1〜JP4として例えば以下の素子が使用される。
a)スイッチ素子JP1〜JP4として低抵抗体を使用する。スイッチ素子JP1(JP2〜JP4)のオン、オフは、低抵抗体の実装、非実装にそれぞれ対応する。
b)スイッチ素子JP1,JP3として低抵抗体を使用し、スイッチ素子JP2,JP4として低オン抵抗ダイオードを使用する。この場合、スイッチ素子JP2としての低オン抵抗ダイオードは、アノードが非絶縁型電源33の出力に接続され、カソードが中間バス32−2に接続される。また、スイッチ素子JP4としての低オン抵抗ダイオードは、アノードが非絶縁型電源340の出力に接続され、カソードが中間バス32−3に接続される。
c)スイッチ素子JP1,JP3としてMOSFETを使用し、スイッチ素子JP2,JP4として低オン抵抗ダイオードを使用する。この場合、スイッチ素子JP2、JP4としての低オン抵抗ダイオードの接続は、上記b)と同じである。
d)スイッチ素子JP1〜JP4としてMOSFETを使用する。
c)、d)では、図示していない制御回路によって各MOSFETがオン/オフ制御される。そして、d)に適用される制御回路は、スイッチ素子JP1,JP2としてのMOSFETが同時にオンすることが回避されるように、また、スイッチ素子JP3,JP4としてのMOSFETが同時にオンすることが回避されるように構成される。
【0044】
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形態様を含み得るものである。すなわち、上記各実施形態における絶縁型電源11,31、非絶縁型電源13,33,140,150,340,350,360は、いずれもスイッチングレギュレータとしての構成を有しているが、これらの電源のすべて、あるいは、いくつかにリニアレギュレータとしての構成をもたすことも可能である。
また、図4に示した実施形態においては、必要に応じて、スイッチ素子JP1,JP3をオフさせ、素子JP2,JP4をオンさせることも可能である。この場合、3段構成による12V→5V→3.3V→1.5V(1.2V)という変換が実現される。
なお、スイッチ素子の数は変換する電圧の数に応じて更に増加することも可能である。
【符号の説明】
【0045】
1,2 分散型電源システム
11,31 絶縁型電源
12-1,12−2,32−1〜32−3 中間バス
13,33,140,150,340〜360 非絶縁型電源
16〜19,37〜41 負荷
JP1〜JP4 スイッチ素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1〜第N(N=2,3,・・・)の中間バスと、
前記第1の中間バスに所定のDC電圧を出力する主電源部と、
前記第1〜第Nの中間バスの電圧をそれぞれ入力して所定のDC電圧を出力する第1〜第Nの分散電源部と、
前記第2〜第Nの中間バスをそれぞれ前記第1〜第N−1の中間バスと前記第1〜第N−1の分散電源部の出力とに選択接続するためのスイッチ手段と、
をプリント基板に配設したことを特徴とする分散型電源システム。
【請求項2】
前記スイッチ手段は、前記第1〜第N−1の中間バスと前記第2〜第Nの中間バスとの間にそれぞれ介在される第1のスイッチ素子と、前記第1〜第N−1の分散電源部の出力と前記第2〜第Nの中間バスとの間にそれぞれ介在される第2のスイッチ素子とによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の分散電源型システム。
【請求項3】
前記第1、第2のスイッチ素子としてそれぞれ低抵抗体が使用され、前記各抵抗体の実装/非実装によって前記スイッチ手段の接続形態が変化されることを特徴とする請求項2に記載の分散型電源システム。
【請求項4】
前記第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子としてそれぞれ低抵抗体および低オン抵抗ダイオードが使用され、前記抵抗体の実装/非実装によって前記スイッチ手段の接続形態が変化されることを特徴とする請求項2に記載の分散型電源システム。
【請求項5】
前記第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子としてそれぞれMOSFETおよび低オン抵抗ダイオードが使用され、前記MOSFETのオンオフ制御によって前記スイッチ手段の接続形態が変化されることを特徴とする請求項2に記載の分散型電源システム。
【請求項6】
前記第1、第2のスイッチ素子としてそれぞれMOSFETが使用され、前記各MOSFETのオンオフ制御によって前記スイッチ手段の接続形態が変化されることを特徴とする請求項2に記載の分散型電源システム。
【請求項7】
前記主電源部として絶縁型の電源を使用し、前記各分散電源部として非絶縁型の電源を使用したことを特徴とする請求項1に記載の分散型電源システム。
【請求項8】
前記第1〜第Nの分散電源部の内、低電圧・大電流化された負荷への給電を行う分散電源部がPOL配置されていることを特徴とする請求項1に記載の分散型電源システム。
【請求項9】
前記スイッチ手段をUSBポート接続確認信号に基づいて切り替え動作させる制御手段を更に備えることを特徴とする請求項5または6に記載の分散型電源システム。
【請求項10】
第1〜第N(N=2,3,・・・)の中間バスと、
前記第1の中間バスに所定のDC電圧を出力する主電源部と、
前記第1〜第Nの中間バスの電圧をそれぞれ入力して所定のDC電圧を出力する第1〜第Nの分散電源部と、
前記第2〜第Nの中間バスをそれぞれ前記第1〜第N−1の中間バスと前記第1〜第N−1の分散電源部の出力とに選択接続するためのスイッチ手段と、
をプリント基板に配設した分散型電源システムを使用し、
前記スイッチ手段の切り替え接続によって最終的なシステム構成を決定することを特徴とすることを分散型電源システムの構成決定方法。
【請求項11】
第1〜第N(N=2,3,・・・)の中間バスと、
前記第1の中間バスに所定のDC電圧を出力する主電源部と、
前記第1〜第Nの中間バスの電圧をそれぞれ入力して所定のDC電圧を出力する第1〜第Nの分散電源部と、
前記第2〜第Nの中間バスをそれぞれ前記第1〜第N−1の中間バスと前記第1〜第N−1の分散電源部の出力とに選択接続するためのスイッチ手段と、
をプリント基板に配設した分散型電源システムを使用するプリント基板のパターン確定方法であって、
前記スイッチ手段の切り替え接続によって最終的なシステム構成を決定するステップと、
前記最終的なシステム構成を実現する配線パターンを量産品のプリント基板パターンとして確定するステップと、
を含むことを特徴とすることを分散型電源システムのプリント基板パターン確定方法。
【請求項1】
第1〜第N(N=2,3,・・・)の中間バスと、
前記第1の中間バスに所定のDC電圧を出力する主電源部と、
前記第1〜第Nの中間バスの電圧をそれぞれ入力して所定のDC電圧を出力する第1〜第Nの分散電源部と、
前記第2〜第Nの中間バスをそれぞれ前記第1〜第N−1の中間バスと前記第1〜第N−1の分散電源部の出力とに選択接続するためのスイッチ手段と、
をプリント基板に配設したことを特徴とする分散型電源システム。
【請求項2】
前記スイッチ手段は、前記第1〜第N−1の中間バスと前記第2〜第Nの中間バスとの間にそれぞれ介在される第1のスイッチ素子と、前記第1〜第N−1の分散電源部の出力と前記第2〜第Nの中間バスとの間にそれぞれ介在される第2のスイッチ素子とによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の分散電源型システム。
【請求項3】
前記第1、第2のスイッチ素子としてそれぞれ低抵抗体が使用され、前記各抵抗体の実装/非実装によって前記スイッチ手段の接続形態が変化されることを特徴とする請求項2に記載の分散型電源システム。
【請求項4】
前記第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子としてそれぞれ低抵抗体および低オン抵抗ダイオードが使用され、前記抵抗体の実装/非実装によって前記スイッチ手段の接続形態が変化されることを特徴とする請求項2に記載の分散型電源システム。
【請求項5】
前記第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子としてそれぞれMOSFETおよび低オン抵抗ダイオードが使用され、前記MOSFETのオンオフ制御によって前記スイッチ手段の接続形態が変化されることを特徴とする請求項2に記載の分散型電源システム。
【請求項6】
前記第1、第2のスイッチ素子としてそれぞれMOSFETが使用され、前記各MOSFETのオンオフ制御によって前記スイッチ手段の接続形態が変化されることを特徴とする請求項2に記載の分散型電源システム。
【請求項7】
前記主電源部として絶縁型の電源を使用し、前記各分散電源部として非絶縁型の電源を使用したことを特徴とする請求項1に記載の分散型電源システム。
【請求項8】
前記第1〜第Nの分散電源部の内、低電圧・大電流化された負荷への給電を行う分散電源部がPOL配置されていることを特徴とする請求項1に記載の分散型電源システム。
【請求項9】
前記スイッチ手段をUSBポート接続確認信号に基づいて切り替え動作させる制御手段を更に備えることを特徴とする請求項5または6に記載の分散型電源システム。
【請求項10】
第1〜第N(N=2,3,・・・)の中間バスと、
前記第1の中間バスに所定のDC電圧を出力する主電源部と、
前記第1〜第Nの中間バスの電圧をそれぞれ入力して所定のDC電圧を出力する第1〜第Nの分散電源部と、
前記第2〜第Nの中間バスをそれぞれ前記第1〜第N−1の中間バスと前記第1〜第N−1の分散電源部の出力とに選択接続するためのスイッチ手段と、
をプリント基板に配設した分散型電源システムを使用し、
前記スイッチ手段の切り替え接続によって最終的なシステム構成を決定することを特徴とすることを分散型電源システムの構成決定方法。
【請求項11】
第1〜第N(N=2,3,・・・)の中間バスと、
前記第1の中間バスに所定のDC電圧を出力する主電源部と、
前記第1〜第Nの中間バスの電圧をそれぞれ入力して所定のDC電圧を出力する第1〜第Nの分散電源部と、
前記第2〜第Nの中間バスをそれぞれ前記第1〜第N−1の中間バスと前記第1〜第N−1の分散電源部の出力とに選択接続するためのスイッチ手段と、
をプリント基板に配設した分散型電源システムを使用するプリント基板のパターン確定方法であって、
前記スイッチ手段の切り替え接続によって最終的なシステム構成を決定するステップと、
前記最終的なシステム構成を実現する配線パターンを量産品のプリント基板パターンとして確定するステップと、
を含むことを特徴とすることを分散型電源システムのプリント基板パターン確定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−10523(P2011−10523A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153940(P2009−153940)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】
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