説明

分析物認識素子を使用する無線周波数センサ

無線式センサが提供される。センサは、基板を有する無線識別タグを備え、無線識別タグは、関連する電磁場を発生する。センサは、基板と機能的に連携する分析物認識素子をさらに含み、分析物認識素子は、目標分析物、及び分析物認識素子に連結された信号増幅体と結合することができ、信号増幅体は、目標分析物が存在する場合の電磁場の変化を促進する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセンサに関し、より詳細には、無線式化学センサ、物理センサ、又は生物センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線識別(RFID:radio frequency identification)タグが、資産追跡に使用されている。例えば、RFIDタグは、物体をある位置から取り除いたこと、及びその物体をその位置で戻したことを追跡するために使用することができる。RFIDタグは、バイオメトリックリーダと組み合わされてきた。そのようなRFID回路は、生体信号及びRFID信号の両方を処理するために、ある機能ブロックを使用する。RFIDタグは、唯一の番号を有することができ、これらの識別番号を、タグが付けられている物品に関する情報と共に読み取るために使用されうる。また、RFIDタグは、容器及び荷物が許可なく開かれたことを検出するために使用される。RFIDタグは、郵便切手及び他の郵送ラベル、衣料品、並びに多くの他の物品など、多様な物品に含まれうる。近年、RFIDシステムは、RFID式温度センサなど、無線センシング用途に適用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2008/005823号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
RFIDタグの上記及び他の特性を使用し、化学的、生物学的及び物理学的種を検出することができるセンサを形成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、無線式センサが提供される。センサは、基板を有する無線識別タグを備え、無線識別タグは、関連する電磁場を発生する。センサは、基板と機能的に連携する分析物認識素子をさらに含み、分析物認識素子は、目標分析物、及び分析物認識素子に連結された信号増幅体と結合することができ、信号増幅体は、目標分析物の存在する場合の電磁場の変化を促進する。
【0006】
別の実施形態では、無線式センサが提供される。センサは、無線識別タグを備える基板を含み、無線識別タグは、アンテナと、基板上に配置され、アンテナと機能的に連携する一対の電極とを備え、一対の電極はセンシング領域を画定する。センサは、一対の電極の電磁場の中に配置され、目標分析物が分析物認識素子と結合していることを表す電気信号を生成することができる、分析物認識素子をさらに含む。
【0007】
さらに別の実施形態では、検出システムが提供される。検出システムは、試料を送出するための試料送出ユニットと、試料内に存在する分析物に対する結合事象に応答して電気信号を生成するための無線式センサとを備える。無線式センサは、無線識別タグを有する基板と、基板と機能的に連携する分析物認識素子とを備え、分析物認識素子は、電磁場が存在する場合に目標分析物と結合することができる。検出システムは、電気信号を表示するための表示装置をさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本技術の実施形態による無線式センサの一例の上面図である。
【図2】図1の無線式センサの一部の断面図である。
【図3】本技術の実施形態による無線式センサの別の一例の上面図である。
【図4】本技術の実施形態による、立体配置分析物認識素子を使用する無線式センサの概略図である。
【図5】本技術の実施形態による、立体配置分析物認識素子を使用する無線式センサの概略図である。
【図6】本技術の実施形態による、交換可能な信号増幅体を使用する無線式センサの概略図である。
【図7】本技術の実施形態による、交換可能な信号増幅体を使用する無線式センサの概略図である。
【図8】本技術の実施形態による、交換可能な分析物認識素子及び信号増幅体を使用する無線式センサの概略図である。
【図9】本技術の実施形態による、交換可能な分析物認識素子及び信号増幅体を使用する無線式センサの概略図である。
【図10】コアシェル構造を有する信号増幅体の概略図である。
【図11】水の試料、及びBaTiO3を有する水の試料に対する、パラメータFpのセンサ応答を示すグラフ表示である。
【図12】水の試料、及びBaTiO3を有する水の試料に対する、パラメータF1のセンサ応答を示すグラフ表示である。
【図13】水の試料、及びBaTiO3を有する水の試料に対する、パラメータF2のセンサ応答を示すグラフ表示である。
【図14】水の試料、及びBaTiO3を有する水の試料に対する、パラメータZpのセンサ応答を示すグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の上記その他の特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明を、添付の図面を参照して読めば、より深く理解されるであろう。図面を通して、同じ記号は同じ部品を表す。
【0010】
本技術の実施形態は、基板を有する無線識別(RFID)タグを備える無線式センサに関し、無線識別タグは、関連する電磁場を発生する。無線式センサは、基板と機能的に連携する分析物認識素子をさらに含み、分析物認識素子は目標分析物と結合することができる。ある実施形態では、センサは、2つ以上の分析物認識素子を含むことができる。センサは、分析物認識素子に連結された信号増幅体をさらに含み、信号増幅体は、目標分析物が存在する場合の電磁場の望ましい変化を促進する。
【0011】
本明細書で使用されるように、用語「分析物認識素子」は、タンパク質、細胞、薬物、ウイルス、小分子、又は分子イオンなど、目標分析物を結合するように構成された自然又は人工のレセプタのことを言う。分析物認識素子は、分析物認識素子が目標分析物を結合することを可能にするために、試験管内で開発されうる。一例では、分析物認識素子は、DNA又はRNA系配列を含むことができる。一実施形態では、分析物認識素子はアプタマーを含む。アプタマーの非限定的な例は、RNAアプタマー、DNAアプタマーを含む。一実施形態では、アプタマーは、プロセスを強めるか、始動/駆動するための改変アプタマーであってもよい。一例では、アプタマーは、例えば、酵素的役割を認識機能と結びつける、触媒作用を有することができる。
【0012】
従来のセンサでは、抗体及び酵素など、自然のレセプタが、目標分析物を識別するために使用される。しかし、アプタマーは、目標分析物に対する高い特異性及び親和性など、いくつかの利点を提供することができる。また、小分子から大きなタンパク質さらには細胞に及ぶ所与の目標に対して、試験管内でアプタマーを選択することができ、その結果、広範囲のアプタマー系センサを開発することを可能にする。加えて、アプタマーは、高い再現性及び純度で合成されうる。多様なアプタマーが市販されており、又は、低コストの方法を使用して合成されうる。アプタマーは、タンパク質系抗体又は酵素に比べて化学的により安定であることが、理解されよう。加えて、目標が結合する際に立体配置変化を受けるアプタマーの機能が、センサの設計に柔軟性を与える。アプタマーは、化学反応及び/又は改変(固定化官能基など)をもたらすように修正されてもよい。
【0013】
ある実施形態では、分析物認識素子は立体配置要素であってもよく、すなわち、分析物認識素子は、目標分析物と相互作用する際に形を変えるように構成されてもよい。これらの実施形態では、信号増幅体の位置の変化が、検出可能な信号を発生する。
【0014】
図6〜図7に関して詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、部分的相補鎖が、信号増幅体及び分析物認識素子に連結されてもよい。これらの実施形態では、目標分析物が分析物認識素子と結合するときに、信号増幅体と共に部分的相補鎖が、分析物認識素子から切り離されうる。図8〜図9に関して詳細に説明するように、他の実施形態では、部分的相補鎖が、センサ及び分析物認識素子の表面に連結されてもよく、信号増幅体が、分析物認識素子に連結されてもよい。この実施形態では、目標分析物が分析物認識素子に付着するとき、信号増幅体と共に分析物認識素子が、部分的相補鎖から切り離されうる。一例では、部分的相補鎖は核酸を含んでよく、分析物認識素子はアプタマーを含んでよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、末端単位及び/又はリンカー単位若しくはスペーサー単位が、分析物認識素子をセンサの表面に連結させるために使用されてもよい。これらの実施形態では、末端単位及び/又はリンカー単位若しくはスペーサー単位が、分析物認識素子の一端に連結されてもよい。末端単位は、センサの表面との化学結合を形成するために使用され、その名前から明らかなように、リンカー単位は、末端とアプタマーとの間にリンクを提供する。末端単位の非限定的な例は、チオール、アミン、ビオチン、又はヒドロキシルであってもよい。一実施形態では、チオール(−SH)又はジスルフィド(−SSR)の末端は、リンカー及びアプタマーと共に使用されてもよい。一例では、チオール系末端は、平らな金メッキされた表面に対して使用されてもよく、ジスルフィド系末端は、表面に金のナノ粒子が存在する場合に使用されてもよい。他の実施形態では、センサは、分析物認識素子の一端に連結された官能基を含んでよい。これらの実施形態では、官能基は、分析物認識素子が基板の表面と結合するのを促進することができる。
【0016】
基板の表面の選択は、センサの設計に左右されうることが、理解されよう。センサ基板の非限定的な例は、ガラス、石英、シリカ、ケイ素、高抵抗ケイ素、高分子、カプトン、液晶高分子、テレフタル酸ポリエチレン高分子、金属酸化物、酸化チタン(TiO2)、アルミナ(Al23)、フォトレジスト、フォトポリマー、及び任意の他の基板である。さらに、これらの基板は、薄いオーバレイヤ被覆(overlayer coating)で分析物認識素子がより良好に表面に付着するように、また、高度に導電性の流体の中でセンサがより良好な性能を有するように、修正されうる。分析物認識素子が表面に付着するのを強めるためのオーバレイヤ被覆の非限定的な例は、酸化ケイ素、チオール被覆、その他を含む。高度に導電性の流体の中でセンサが強められた性能を有するためのオーバレイヤ被覆の非限定的な例は、フォトポリマー、酸化ケイ素、チオール被覆、その他を含むことができる。
【0017】
ある実施形態では、多種多様な市販のRFIDタグが、無線式センサに適用されうる。これらのタグは、約125kHzから約2.4GHzまで、及び約5.8GHzまでの範囲の異なる周波数で動作する。適切なタグは、Texas Instruments、TagSys、Digi Key、Fujitsu、Amtel、Hitachi、その他など、異なる供給者及び販売者から入手可能である。適切なタグは、パッシブモード、セミパッシブモード及びアクティブモードで動作することができる。パッシブRFIDタグは、動作のために電源(例えば、バッテリ)を必要としないが、セミパッシブRFIDタグ及びアクティブRFIDタグは、それらの動作を、基板上の電源を使用することに依拠する。RFIDタグはディジタルIDを有し、RFIDタグのアンテナ回路の周波数応答が、複素インピーダンスの実部と虚部とを有する複素インピーダンスとして測定されうる。センシング膜又は保護膜がタグ上に張り付けられ、複素インピーダンスが、結果として得られたセンサの近傍の環境の関数として測定される。そのようなセンサは、「Chemical and biological sensors,systems and methods based on radio frequency identification」と題する米国特許出願第11/259,710号公報、及び米国特許出願第11/259,711号公報に記載されるように製作される。
【0018】
また、RFIDタグは、信号を受信し、増幅し、異なる周波数で再送信する自動装置であるトランスポンダであってもよい。さらに、RFIDタグは、予め定義された受信信号に応答して所定のメッセージを送信する、別の種類のトランスポンダであってもよい。このRFIDタグは、参照により本明細書に組み込まれる、2005年10月26日に出願した「Modified RF Tags and their Aplications for Multiplexed Detection」と題する米国特許出願第11/259,710号公報、及び2005年10月26日に出願した「Multivariate Methods of Chemical and Biological Detection Using Radio−Frequency Identification Tags」と題する米国特許出願第11/259,711号公報に記載されるタグのうちの1つ以上を含むことができるが、限定はされない。一実施形態では、タグは、タグに関連するメモリチップへのアナログ入力を有する。別の実施形態では、タグは、関連するメモリチップを持たない。この実施形態では、センサは、メモリチップを有するセンサに使用される製作技術に類似の製作技術を使用して製作されうる。一実施形態では、別個の化学センサ、生物センサ又は物理センサが、RFIDタグのメモリチップのアナログ入力に接続される。別の実施形態では、1つ以上の化学センサ、生物センサ又は物理センサは、RFIDタグのメモリチップの一体部分であり、タグのセンサ部は、メモリチップ自体を製作するプロセスの間に製作されたものである。RFIDタグのメモリチップは、知られている、集積回路製作プロセス及び有機エレクトロニクス製作プロセスを使用して製作される。RFIDタグは、メモリチップ及びアンテナを含むことができる。アンテナは、電極から成る。一例では、アンテナは、同心電極を有する平面コイルとして形成される。
【0019】
RFIDタグは、検出可能な電気信号、例えば、目標分析物が分析物認識素子と結合していることを表す、抵抗の変化、キャパシタンスの変化、若しくはインピーダンスの変化、又はそれらの組合せ、を生成することができる。アプタマーが分析物認識素子として使用される場合は、アプタマーは、センサを一体化するためにセンシング領域上に固定されてもよい。一例では、アプタマーは、センシング領域の表面に共有結合されて(covalently linked)よい。
【0020】
ある実施形態では、RFIDタグの関連する電磁場は、大部分は、同心電極間に発生される。電極間に配置されるギャップが、センシング領域として画定される。電極は、アンテナの一部である。ある実施形態では、分析物認識素子は、RFIDタグの一部に連結されてもよく、それにより、分析物認識素子は、一対の電極に密接して、又は一対の電極で画定されるセンシング領域内に、配置される。一実施形態では、一対の電極は、RFIDタグの基板上に配置され、RFIDタグのアンテナに連結される。別の実施形態では、アンテナの一部が、一対の電極として作用するように構成される。電極の非限定的な例は、互いにかみ合う電極、又は電極コイルを含むことができる。ある実施形態では、電極間の間隔は、約1マイクロメートルから約1000マイクロメートルの範囲内にあってもよい。これらの実施形態では、電極は、微小規模の電極フィーチャを含むことができる。本明細書で使用されるように、用語「電極フィーチャ」は、電極の寸法、又は電極上に存在する任意の他の構成(formation)若しくは構造(structure)のことを言う。電極がナノスケールの電極フィーチャを含むことができるいくつかの実施形態では、電極間の間隔は、約1ナノメートルから約1000ナノメートルの範囲内にあってもよい。
【0021】
一実施形態では、第1の電極若しくは第2の電極又は両方の電極が、連続面を有してもよい。例えば、第1若しくは第2の電極は、長方形、正方形、円、又は任意の他の幾何学的形状を形成する、連続的な電気伝導線であってもよい。別の実施形態では、第1及び/又は第2の電極は、不連続面を有してもよい。例えば、第1若しくは第2の電極は、格子などの模様のある表面か、貫通穴であってもなくてもよい穴を有する表面か、隆起する構造を有する表面か、又はそれらの組合せを有してもよい。さらに、第1及び第2の電極は、同じか又は異なる種類の表面を有してもよい。電極は、定められた電気的性質を有する電流を送ることができる電極材料で形成されてもよい。電極材料の非限定的な例は、銅、アルミニウム、金、銀、他などの金属、銅合金(例えば、黄銅、青銅)、アルミニウム合金、金合金、ドープ導電性高分子(例えば、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン)などの合金、カーボンナノチューブ、カーボン粒子、導電性インク、他を含む。
【0022】
一実施形態では、アンテナ構造の抵抗は、約0.5オームから100オーム未満の範囲内であってもよい。一実施形態では、電極材料の電気抵抗は、約100オーム未満である。別の実施形態では、電極材料の電気抵抗は、約50オーム未満、又は約0.5オーム未満である。ある実施形態では、ギャップは、電極材料を実質的に含まない。ギャップは、ギャップセンサの周りの化学的、生物学的及び/又は物理学的な変化を検出するためのセンシング材料を含んでよい。一実施形態では、センシング材料は、センシング領域上に被覆されてもよい。別の実施形態では、センシング材料は、例えば、センシング材料が試料に付加された場合、又はもともと試料の中に存在する場合に、センシング領域の近傍に存在することができる。
【0023】
ある実施形態では、結合面、すなわち目標分析物が結合する分析物認識素子の表面は、再生されうる。すなわち、目標分析物は、結合面から部分的に又は完全に除去されうる。再生は、分析物認識素子を劣化させることなく、目標分析物と分析物認識素子との間の化学結合だけを乱す(perturb)ことが望ましい。再生は、検出媒体の温度を変えること、高濃度の食塩水を使用すること、媒体のpHを変えること、例えば媒体を酸性から塩基性に、又はその反対に変えること、尿素又はグアニジン塩基塩などだが限定はされないカオトロピック試薬を使用すること、ドデシル硫酸ナトリウムなどだが限定はされない界面活性剤を使用すること、EDTAなどのキレート剤を使用すること、或いは上述の再生剤又は再生システムのうちの2つ以上の組合せによって達成されうる。
【0024】
ある実施形態では、信号増幅体が電極の電場と相互作用するとき、信号増幅体の位置の変化が、検出可能なセンサ信号を生成する。このように、信号増幅体は、信号増幅体の誘電率(permittivity or dielectric constant)が検出媒体の誘電率と実質的に異なるように選択されうる。信号増幅体と検出媒体との誘電率のこの違いが、センサによって生成される電気信号を強める。信号増幅体の誘電率は、検出媒体の誘電率より小さくても大きくてもよい。本明細書で使用されるように、検出媒体という用語は、目標分析物を有する媒体のことを言い、無線式センサは、検出媒体内に配置されても配置されなくてもよい。一実施形態では、信号増幅体の誘電率は、検出媒体の誘電率の約1/10未満であってもよい。一方、他の実施形態では、信号増幅体の誘電率は、検出媒体の誘電率の約10倍超であってもよい。
【0025】
ある実施形態では、信号増幅体の寸法は、約0.1ナノメートルから約10,000ナノメートルの範囲内にあってもよい。いくつかの実施形態では、信号増幅体は、ナノ粒子、ナノタグ、灰チタン石、金属粒子、金属ナノ粒子、高分子粒子、量子ドット、ナノデバイス、コアシェル構造、又はそれらの組合せを含んでよい。灰チタン石の非限定的な例は、BaTiO3、BaTiSnO3、Cu3Ti412、若しくはCa2Nb412、又はそれらの組合せを含んでよい。一実施形態では、灰チタン石のナノ粒子は、信号増幅体として使用されてもよい。一実施形態では、ナノデバイスは、ナノカンチレバー、ナノ電界効果トランジスタ、他のうちの1つ以上を含んでよい。他の実施形態では、信号増幅体は、コアシェル構造を含んでよい。一実施形態では、コアシェル構造は、シランで被覆された酸化鉄材料のコアを含んでよい。一実施形態では、信号増幅体は高分子材料を含んでよい。例えば、ナノタグは、高分子ナノスフェアを含んでよい。ポリスチレンなどの高分子材料は、約80の誘電率を有する水など、一般に使用される検出媒体に比べて、約2.5の低誘電率を有することが、理解されよう。また、高分子材料の粒子は、異なる寸法で利用されてもよい。例えば、約15ナノメートルから約50ナノメートルの範囲内の寸法を有する高分子の粒子が、センサ内で使用されてもよい。一方、約50ナノメートル超の寸法を有する大きな高分子の粒子は、アビジン、ストレプトアビジン、又はビオチンのうちの1つ以上でカルボキシル化されアミノ化されるなどであるが限定はされない官能基を使用することができる。
【0026】
ある実施形態では、信号増幅体は、コアシェル構造を含む。これらの実施形態では、シェルは、コアの表面で欠陥が成長するのを縮小させることができる。さらに、シェルは、コア材料の結晶構造及び表面の純度を安定させるのを支援することができる。汚染されたコアの表面は、信号増幅体の誘電特性の損失成分(loss component)の増加につながる可能性がある。一実施形態では、センサは、コアとシェルとが異なる誘電率を有するコアシェル構造を含むセンシング材料を含む。
【0027】
コア内で使用される材料の非限定的な例は、BaTiO3、BaTiSnO3、Cu3Ti412、Ca2Nb412、又はそれらの組合せなど、灰チタン石を含んでよい。一実施形態では、コアの直径は、約1ナノメートルから約100,000ナノメートルの範囲内であってもよい。別の実施形態では、コアの直径は、約2ナノメートルから約50,000ナノメートルの範囲内であってもよい。別の実施形態では、コアの直径は、約3ナノメートルから約20,000ナノメートルの範囲内であってもよい。
【0028】
シェル材料の非限定的な例は、ケイ酸塩、リン酸塩、有機高分子、無機高分子、又はそれらの組合せを含んでよい。シェルの厚さは、約1単分子層(monolayer)から約10,000単分子層の範囲内であってもよい。別の実施形態では、シェルの厚さは、約2単分子層から約5,000単分子層の範囲内であってもよい。別の実施形態では、シェルの厚さは、約2単分子層から約2,000単分子層の範囲内であってもよい。
【0029】
一実施形態では、シェルは、液体の前駆体を使用することによってコア粒子の表面に形成され、前駆体は、粒子のコアの表面にさらに沈着する(precipitate)。
【0030】
一実施形態では、コアシェル粒子は、高誘電率のコアを有する。例えば、コアは、SrTi1-xCuyx3、ここで1<x<0及び1<y<0、などであるが限定されない半導体強誘電材料で作られてもよい。一実施形態では、x及びyは、約0.0001原子百分率から約0.099原子百分率の範囲内であってもよい。別の実施形態では、x及びyは、約0.001原子百分率から約0.05原子百分率の範囲内であってもよい。一実施形態では、粒子のシェルは、高誘電率を有する。例えば、シェルは、SrTi1-2x(Cuxx)O3材料などであるが限定されない材料で作られてもよい。一実施形態では、銅とタングステンとの組合せが、銅とニオビウム、又は銅とタンタルとの組合せで部分的に又は完全に置き換えられてもよい。一実施形態では、0.001≦x≦0.10である。別の実施形態では、0.005≦x≦0.05である。
【0031】
一実施形態では、信号増幅体は、分子認識素子の表面に結合されてもよい。一実施形態では、分析物認識素子は、分析物認識素子が信号増幅体に付着するのを促進する、1つ以上の官能基を有することができる。そのような官能基の非限定的な例は、チオール基、アミン基及びビオチン基を含んでよい。
【0032】
一実施形態では、センサの表面は、金属又は高分子であってもよい。別の実施形態では、センサの表面は、ケイ酸塩又はシリコーンを含んでよい。信号増幅体は、分析物認識素子と共有結合されて(be covalently attached)よい。例えば、共有結合は、信号増幅体の一端に官能基を有し、かつ分析物認識素子上に、適合する官能基を有することによって、実施されうる。信号分析物認識素子の共有結合は、生分子、例えば雑種形成(hybridization)検出のための核酸、を付着させるために以前に開発された標準的な化学的手法を使用してなされうる。例えば、その表面にビオチン官能基を有する信号増幅体は、分析物認識素子がアビジン又はその誘導体の1つを有するとき、分析物認識素子に付着されうる。
【0033】
一例では、検出媒体が水性の媒体である場合、すなわち媒体の誘電率(ε)が約80である場合、信号増幅体は、約800から約10,000の範囲内の誘電率(ε)を有してもよい。約1,000から約10,000の範囲内の誘電率を有する信号増幅体として使用されうるナノ粒子の非限定的な例は、BaTiO3、BaTiSnO3、Cu3Ti412、Ca2Nb412、又はそれらの組合せなど、灰チタン石を含む。或いは、水と比較して低い誘電率を有する材料が、同様に、信号増幅体として使用されてもよい。そのような信号増幅体の例は、約2.5の誘電率(ε)を有するポリスチレンナノスフェアなど、高分子ナノスフェアを含む。
【0034】
一例では、検出媒体が空気媒体である場合、すなわち媒体の誘電率(ε)が約1である場合、信号増幅体は、約800から約10,000の範囲内の誘電率(ε)を有してもよい。約1,000から約10,000の範囲内の誘電率を有する信号増幅体として使用されうるナノ粒子の非限定的な例は、BaTiO3、BaTiSnO3、Cu3Ti412、Ca2Nb412、又はそれらの組合せなど、灰チタン石を含む。空気中のセンサの動作は、水と信号増幅体との間の、誘電率間の差に比べて、空気と信号増幅体との間の、誘電率間の差の方が大きいため、改良された性能をもたらす。そのような空気中の動作の非限定的な例は、分析物認識の後でセンサを乾燥させることによってもたらされる。
【0035】
信号増幅体が、約100から約10,000の範囲内の、より高い誘電率を有する実施形態では、信号増幅体の寸法は、約5ナノメートルから約30ナノメートルの範囲内にあってもよい。約100から約10000の範囲内の誘電率を有し、約5ナノメートルから約30ナノメートルの寸法範囲内で利用されうる信号増幅体の非限定的な例は、灰チタン石ナノ粒子、二酸化チタンを含んでよい。そのようなナノ粒子は、多様な機能性表面(functional surface)(アミノ酸(amino)、カルボキシルなど)を有するものが、市販されている。
【0036】
いくつかの実施形態では、信号増幅体は、分析物認識素子と、交換可能に連結されうる。すなわち、分析物認識素子に連結された信号増幅体は、目標分析物が分析物認識素子に接近すると、分析物認識素子から切り離され、続いて、目標分析物が、分析物認識素子から信号増幅体と入れ替わることができる。他の実施形態では、信号増幅体は、分析物認識素子の部分的相補鎖と、交換可能に連結されてもよい。すなわち、図6及び図7に示すように、部分的相補鎖に連結された信号増幅体は、目標分析物が分析物認識素子に接近すると分析物認識素子から切り離され、続いて、目標分析物が、分析物認識素子から信号増幅体と入れ替わることができる。
【0037】
ある実施形態では、無線式センサは、無線式センサ上に配置されたセンシング材料又はセンシング膜を含んでよい。本明細書で使用されるように、用語「センシング材料及びセンシング膜」は、センサ上に堆積され、環境と相互作用する際に、センサ応答に予測可能で再現可能な影響を及ぼす機能を実施する材料のことを言う。センシング材料の例は、ナノワイヤ、ナノファイバ、ナノ粒子、機能性添加物を有する材料、ドープした共役高分子、無機材料、有機材料、高分子材料、生物材料、生細胞、生体分子レセプタ、抗体、核酸、アプタマー、並びに、ギャップセンサの周囲における化学的、生物学的、及び/又は物理学的変化に際して抵抗、インダクタンス、及び/又はキャパシタンスに検出可能な変化を生成する、任意の他の知られているセンシング材料及びそれらの組合せを含んでよい。一実施形態では、センシング材料は、センシング領域上に被覆されてもよい。別の実施形態では、センシング材料は、例えば、センシング材料が試料に付加された場合、又はもともと試料の中に存在する場合に、センシング領域の近傍に存在することができる。典型的なセンサ膜は、高分子、有機、無機、生物学的、複合体、又はナノ複合体の膜を含んでよく、その膜は、それが入れられる溶液に基づいてその電気特性を変える。センサ膜は、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)などのヒドロゲル、Nafionなどのスルホネート高分子、シリコーン接着剤などの接着剤高分子、ゾル−ゲル膜などの無機膜、カーボンブラック−ポリイソブチレン膜などの複合体膜、カーボンナノチューブ−Nafion膜、金ナノ粒子−ヒドロゲル膜、エレクトロスパン高分子ナノファイバ、金属ナノ粒子水素膜エレクトロスパン無機ナノファイバ、エレクトロスパン複合体ナノファイバなどのナノ複合体膜、及び任意の他のセンサ材料であってもよいが限定されない。
【0038】
ある実施形態では、無線式センサが、検出システムに使用されてもよい。検出システムは、試料を無線式センサに送出するための試料送出ユニットと、結合事象を表す電気信号を表示するためのモニタなどの表示装置とを含んでよい。
【0039】
本技術の無線式センサは、タンパク質、酵素(トロンビン、リゾチームなど)、ペプチド、抗体、オリゴペプチド、微生物、芽胞、ウイルス、分子又は分子イオンの検出などの用途に使用されてもよい。一実施形態では、センサは、病気を検出するために、患者の血流を検査することが必要な用途に使用されてもよい。また、センサは、病気に関連する微量のタンパク質若しくはペプチド、及び他の分子の検出を必要とする、病気の早期発見に使用されてもよい。また、センサは、例えば、生体標識の多分析物検出に使用されてもよい。生体標識の非限定的な例は、タンパク質及びDNAを含んでよい。センサは、周囲の空気、携行する水、産業用の水、自然環境の貯水池、をモニタするために使用されてもよい。
【0040】
次に図1を参照すると、無線式センサ10が示される。図2は、図1のセンサ10の、右半分又は左半分の部分の投影の拡大図である。センサ10は、基板14を有する無線識別タグ12と、アンテナ16と、メモリチップ21とを使用する。図示の実施形態では、アンテナ16は、同心電極20を有する平面コイルとして形成される。さらに、無線識別タグ12は、一対の同心電極20のそれぞれの間に形成された、関連する電磁場18を含む。さらに、一対の電極20の間の空間が、センシング領域19を画定する。分析物認識素子22は、センシング領域19内に存在してもよく、基板14に機能的に連携してもよい。分析物認識素子22は、目標分析物と結合することができる。図示の実施形態では、分析物認識素子22は、分析物認識素子22の一端に存在する官能基24を介して基板14に連結される。さらに、分析物認識素子22のそれぞれは、他端で連結される信号増幅体26を有する。図示はしないが、基板14は、その上に配置されたセンシング膜を含んでよい。
【0041】
図3で示される実施形態では、無線式センサ30は、センシング領域32を含む。図示のように、RFIDタグ40のアンテナ38の巻線34と36とが隣り合った部分が、一対の電極として作用し、センシング領域32を画定するように、構成されてもよい。RFIDタグ40は、メモリチップ42をさらに含む。分析物認識素子44は、官能基48を使用することによって、センシング領域32の少なくとも一部に連結されうる。その結果、信号増幅体46が、分析物認識素子44の自由端に連結されうる。図示はしないが、代替として、信号増幅体46は、分析物認識素子44の自由端以外の、分析物認識素子44の任意の他の点に連結されてもよい。
【0042】
図4は、RFIDタグ(図示せず)の基板54上に配置された一対の電極52を使用する無線式センサ50を示す。一対の電極52が電圧源(図示せず)に連結されると、一対の電極52は、主に、一対の電極52で画定されるセンシング領域58内に、電磁場56を生成する。さらに、分析物認識素子60は、官能基であってもよい末端62を使用することによって、センシング領域58の一部に連結される。また、信号増幅体64は、分析物認識素子60に連結される。図5に示すように、分析物認識素子60は立体配置要素であり、目標分析物66を受ける際に、分析物認識素子60は、異なる形状を得るように順応する。分子認識素子60の順応によって引き起こされた、信号増幅体64の位置の変化が、検出可能な電気信号を生成する。
【0043】
図6〜図7は、目標分析物を分析物認識素子と結合させる代替の手法を示す。図6で示す実施形態では、センサ70は、RFIDタグの基板74上の一対の電極72を使用する。一対の電極72は、センシング領域78内に電磁場76を生成する役割を担う。分子認識素子80は、末端基82を介してセンシング領域78に連結される。さらに、分析物認識素子80は、相補鎖86を使用して信号増幅体84に連結される。図7に示すように、信号増幅体84と共に相補鎖86が、目標分析物88で置き換えられる。信号増幅体84が消滅することで、目標分析物が分子認識素子80と化学結合したことを示唆する、検出可能な電気信号が生成される。本明細書で使用されるように、用語「消滅(disappearance)」は、知られている方法で、例えば、洗浄段階を働かせることで、個々の部分を除去することを言う。
【0044】
図8〜図9は、目標分析物を分析物認識素子と結合させる代替の手法を示す。図8で示す実施形態では、センサ71は、RFIDタグの基板75上の一対の電極73を使用する。一対の電極73は、センシング領域79内に電磁場77を生成する役割を担う。分析物認識素子81は、部分的相補鎖83を介してセンシング領域79に連結される。さらに、分析物認識素子81は、信号増幅体85に連結される。図9に示すように、目標分析物87が分析物認識素子81と結合すると、信号増幅体85と共に分析物認識素子81が、部分的相補鎖83から切り離される。分析物認識素子81及び信号増幅体85が消滅することで、目標分析物が分析物認識素子81と化学結合したことを示唆する、検出可能な電気信号が生成される。
【0045】
図10は、コアシェル構造90を有する信号増幅体の一例を示す。図示の実施形態では、コア92が、シェル94で取り囲まれる。コア92は、単一の材料で作られてもよく、又は2つ以上の材料を含んでよい。シェル94は、コア92が試料に対して露出しないように、コア92を取り囲む。コア92及びシェル94の材料は、異なる誘電率を有してもよい。コア92又はシェル94のいずれか一方が、他方より高い誘電率を有してもよい。分析物認識素子98が、信号増幅体であるコアシェル構造90の表面96に付着する。信号増幅体90は、分析物認識素子98と共有結合されてもよい。例えば、共有結合は、信号増幅体の一端に官能基を有し、かつ分析物認識素子98上に、適合する官能基を有することによって、実施されうる。分析物認識素子の共有結合は、生分子、例えば雑種形成検出のための核酸、を付着させるために以前に開発された標準的な化学的手法を使用してなされうる。例えば、その表面にビオチン官能基を有する信号増幅体90は、分析物認識素子がアビジン又はその誘導体の1つを有するとき、分析物認識素子に付着されうる。分析物認識素子が信号増幅体に付着するのを促進する、分析物認識素子上の官能基の非限定的な例は、チオール基、アミン基、及びビオチン基を含む。
【0046】
実施例
RFIDセンサが、Texas InstrumentsのRFIDタグを使用して製作された。無線式センサの複素インピーダンスの測定が、LabVIEWを使用するコンピュータ制御のもとで、ネットワークアナライザ(Model E5062A、Agilent Technologies,Inc.Santa Clara、CA)を用いて実施された。ネットワークアナライザが、関心のある範囲にわたって周波数をスキャンし、RFIDセンサから複素インピーダンス応答を収集するために使用された。2つの試料が、RFIDセンサ応答を試験するために利用可能であった。1つの試料は、20mLのガラス製の薬瓶に入った約3cm3の水道水であった。もう1つの試料は、平均のナノ粒子寸法が200nmで誘電率(ε)が1000の、約3cm3のBaTiO3であった。この試料も同様に、20mLのガラス製の薬瓶の中にあった。図11〜図14は、時間(横座標106)に対してプロットされた、Fp、F1、F2、及びZpそれぞれの異なる4種類のセンサ応答(縦座標104)を示す。図11〜図14において、基準線の応答108、114、120及び126は、それぞれ、空気中のRFIDセンサ応答から得られる。
【0047】
図11はFpのセンサ応答を表し、110の部分が水試料の試料応答を表し、112の部分がBaTiO3ナノ粒子の試料応答を表す。同様に、図12はF1のセンサ応答を表し、116の部分が水試料の試料応答を表し、118の部分がBaTiO3ナノ粒子の試料応答を表す。図13はF2のセンサ応答を表し、122の部分が水試料の試料応答を表し、124の部分がBaTiO3ナノ粒子の試料応答を表す。一方、図14では、Zpのセンサ応答が示され、128の部分が水試料の試料応答を表し、130の部分がBaTiO3ナノ粒子の試料応答を表す。
【0048】
本発明のほんのいくつかの特徴が、本明細書で示され説明されたが、多くの改変及び変更を、当業者は想起するであろう。それゆえ、添付の特許請求の範囲は、本発明の範囲に入るすべてのそのような改変及び変更を包含することを目的とすることを、理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を有し、関連する電磁場を発生する、無線識別タグと、
前記基板と機能的に連携し、目標分析物と結合することができる、分析物認識素子と、
前記分析物認識素子に連結され、前記目標分析物が存在する場合の電磁場の変化を促進する、信号増幅体と
を備える、無線式センサ。
【請求項2】
前記信号増幅体が、ナノ粒子、ナノタグ、灰チタン石粒子、金属粒子、金属ナノ粒子、高分子粒子、量子ドット、ナノデバイス、又はそれらの組合せを含む、請求項1記載の無線式センサ。
【請求項3】
前記ナノタグの寸法が、約0.1ナノメートル〜約10,000ナノメートルの範囲内にある、請求項2記載の無線式センサ。
【請求項4】
前記信号増幅体がコアシェル構造を備える、請求項1記載の無線式センサ。
【請求項5】
前記信号増幅体の誘電率が、検出媒体の前記誘電率の約1/10未満であるか、又は、前記信号増幅体の前記誘電率が、前記検出媒体の前記誘電率の約10倍超である、請求項1記載の無線式センサ。
【請求項6】
前記分析物認識素子がアプタマーである、請求項1記載の無線式センサ。
【請求項7】
前記分析物認識素子が、目標分析物と相互作用する際に形状を変えるように構成された立体配置要素である、請求項1記載の無線式センサ。
【請求項8】
無線識別タグを備えた基板であって、前記無線識別タグがアンテナを備えている基板と、
前記基板上に、前記アンテナと機能的に連携して配置された一対の電極であって、センシング領域を画定する、一対の電極と、
前記一対の電極の電磁場内に配置された分析物認識素子であって、目標分析物が分析物認識素子と結合していることを表す電気信号を生成することができる、分析物認識素子と
を備える無線式センサ。
【請求項9】
前記センシング領域がセンシング材料を備え、前記センシング材料が分析物認識素子を備える、請求項23記載の無線式センサ。
【請求項10】
試料を送出するための試料送出ユニットと、
前記試料の中に存在する分析物に対する結合事象に応答して電気信号を生成するための無線式センサであって、
無線識別タグを備える基板と、
前記基板と機能的に連携し、電磁場が存在する場合に目標分析物と結合することができる、分析物認識素子とを備える、無線式センサと、
前記電気信号を表示するための表示装置と
を備える、検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2012−510617(P2012−510617A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538590(P2011−538590)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【国際出願番号】PCT/SE2009/051346
【国際公開番号】WO2010/064976
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】