説明

切換弁

【課題】苛酷な条件下での使用でも高度な信頼性が得られる切換弁を提供する。
【解決手段】切換弁10に、複数の出口ポート20Aを有する上部胴部14、及び入口ポート18を有する下部胴部ハウジング16が設けられる。切換弁は、入口ポートを複数の出口ポートの一つに選択的に連通するために、切換弁胴部12内で回転し得るボール部材22を備える。ボールは弁棒28により回され、この弁棒はアクチュエーターユニット30により駆動することができる。上部胴部は、ボールの外面38とシール結合する実質的にドーム状のシート面40を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体の方向を弁から複数の流体出口の中の選ばれた一つへと向けるのに通常使用される型の切換弁に関する。特に本発明は苛酷な条件の用途に適した高度の信頼性をもつ切換弁に関する。
【背景技術】
【0002】
切換弁は、上手の流体を切換弁から出る複数の下手のラインの一つへ向かわせるために種々の工業的な用途にここ数十年に亙って使用されてきた。従来の切換弁は一般に二つの基本的な設計、即ち(1)プラグ弁要素の設計、またはベローをもったボール弁の設計のうちのの一つを使用してきた。
【0003】
プラグ要素を使用する切換弁は、特にこれを苛酷な条件で使用される自動化された装置の用途に使用した場合、あまり信頼性をもっていないことが証明されている。プラグ要素を持ち上げて回転させ弁を操作する場合、プラグ要素と弁座との間に粒状の物体が捕捉されることがしばしば起こり、これによって弁座が損傷を受け、従って漏洩の起こる傾向が増加する。典型的なポート付きのプラグ弁はそれが連結されているパイプの流れを完全には処理することができず、自動化は困難である。従って苛酷な条件での自動化された用途に使用する場合、一般的にはボール要素切換弁の方がプラグ要素切換弁に比べて好適である。切換弁が通常使用される苛酷な条件での用途は例えばコークス化を行う場合であり、この際炭化水素を切換弁によって上手の供給源から下手にある複数のラインへと切り換えて流す。弁をこのような型の操作に使用する場合、当業界の専門家は高度の信頼性を要求する。何故ならば、炭化水素からつくられたコークスが弁の内部の可動部材に付着して汚す傾向があるからである。当業界の専門家にとっては他の型の苛酷な条件における用途も明らかであろう。
【0004】
ベローが付いたボール型の従来の切換弁がもつ重大な問題は、この弁が複雑なことである。このような弁は通常ボール・アセンブリーおよび弁座、スリーブ、ベロー、挿入ガスケット、および複数の出口に付属したインサートを含む最大16個にのぼる内部部材をもっている。各ベローは弁の胴部と個々の弁座との間を密封し、ボールと係合して密封を行うようにシートを偏倚させる。部材の数が複数であると、1個またはそれ以上のこれらの部材が損傷することにより弁が損傷する機会が増加する。弁のこの設計では、別のベローを使用して各出口に隣接した弁座を充填し、バランスを採ってボールを弁の胴部の中心に配置する。ベロー・アセンブリーは通常ベローと弁座との間に熔接部を含み、このアセンブリーは系にかかる過大な圧力によってベローが損傷するのを防ぐためのバランスが採られたパージ(purge)圧力に依存している。弁がパージ圧力を失うと、ベローは変形して弁が永久に損傷する可能性がある。
【0005】
ボール型の従来の切換弁に関わる他の問題は、弁の保守費用が高いことである。1個のボールと複数のベローをもった通常の切換弁を分解するためには、スリーブからベローへ至る熔接部を切断し、適切な場所に新しいスリーブを熔接しなければならない。種々の苛酷な条件での用途では通常これらの機素に対しクロム−モリブデン材料(chrome−moly material)が使用されるから、熔接操作は困難であり、亀裂の傾向を最低限度に抑制するためには応力を緩和する必要がある。さらにベロー・アセンブリーに対し極端に薄い材料を使用する必要があるから、高い引っ張り特性および降伏特性をもった材料を選ぶように注意しなければならない。従ってベロー・アセンブリーの材料は高価になり、材料が薄いために実際に使用する際弁の試験および使用時の完全な評価が制限される。
【0006】
1個のボール要素および複数のベローを使用する従来の切換弁に関するさらに他の問題は、ベローの設計のために弁を通る材料が蓄積し、弁の操作に悪影響を及ぼすことである。此のような蓄積が起こる区域が複数存在するという観点から、通常のボール型の切換弁には複数の抜取り用の(purge)ポートが備えられている。従ってこれらの区域に固体分が蓄積するのを最低限度に抑制するために多くの時間と費用が必要とされる。
【0007】
一つの出口から他の出口へと流体の流れを切り換えるために心棒を回転させて従来の切換弁のボールのポートを動かす際、ボールの周りのキャビティーは処理流に露出される。また、ボールが回転する際、キャビティーからの放出物がボールの孔全部に排出され、これによって抜取り用の水蒸気は無制限に流出し、その消費量が大きくなる。このような水蒸気の損失はコスト高の原因となり、また工程材料が侵入して弁が動かなくなる可能性があり、両方ともこの型の設計の重大な問題となる。
【0008】
当業界の専門家には、少なくとも2個、しばしば3個の出口ポートを有する切換弁は、その設計および操作に関し、単一の入口ポートおよび単一の出口ポートをもった従来の遮断弁或いは制御弁に比べ独特の問題を提示することが理解されている。本発明によれば従来法の欠点が克服され、ボール要素を使用する改良された切換弁が提供される。本発明の切換弁は極めて信頼性があり、苛酷な条件における用途に特に適している。
【発明の開示】
【0009】
(本発明の要約)
ボール部材を有する改良された切換弁は苛酷な条件での用途に適している。好適具体化例においては、ボール部材は入ってくる流体の方向を複数の出口の選ばれた一つへと向け、胴入口ポートと複数の胴出口ポートの選ばれた一つの間の流体の連絡を制御するために、該ボール部材は弁棒によって弁の胴部の内部で回転することができる。弁棒の回転を作動させるためには適当なアクチュエータが推奨される。弁の胴部は弁の胴部と一体となり各複数の胴部出口ポートの周りの周辺部に間隔をおいて配置された弁座を規定している。胴部入口ポートの近傍に取り付けられた皿(Belleville)ばねまたは他の偏倚部材は、弁座を密封する係合を行うための偏倚力を及ぼす。
【0010】
本発明の目的は簡単で可動部材を殆どもたない設計により利点が得られる改良された切換弁を提供することである。本発明の弁では、もし存在したとしても弁座後方のキャビティー(behind−the−seat cavity)が殆ど無いかたい弁座面を提供するために、弁の胴部と一体となった弁座が使用される。弁座面と係合して連続的な密封を行うために、皿ばねまたは他の偏倚部材がボールを偏倚させる。この際偏倚部材は弁の流体入口ポートの周りに周辺部に配置されている。
【0011】
本発明の特徴は、本発明のボール弁には胴部入口ポートの中心軸に対し125°〜155°の角度をなした中心軸をそれぞれ有する出口ポートをが使用され、これによって入口ポートと各出口ポートとの間で90°の角度を使用する従来のボール弁に比べ改善された流量が得られる点である。この設計によリ流動条件下において弁を通る圧力低下を減少させることによって弁の性能の改善が得られる。それぞれ個別的な出口ポートに付属した複数の偏倚部材を使用する代わりに単一の偏倚部材を用いることによって偏倚部材の材料の厚さを増加させ、高価な材料ではなくて通常の材料から偏倚部材を製造することができる。一具体化例においては、切換弁には弁の胴部のそれぞれ3個の出口ポートの僅か2倍の直径をもったボールを使用する。ベローを含まないボール型の切換弁を使用することにより、弁の信頼性は増加する。また本発明の切換弁は、ベロー付きの従来の切換弁に比べ、屑状の材料が蓄積し得る弁の内部のキャビティーの数が減少し、これによって信頼性をもった弁の操作に必要な抜取り操作を減少させることができる。弁の胴部につくられた弁座
は、それが弁の胴部の内部で回転する際、ボールに対しクリーニングを行う力を及ぼし、ボールの表面から屑状の材料を除去する。弁の胴部に一体となった弁座を取り付けることにより、試験期間中或いは実際の使用時における完全な使用評価を行う際の損傷の可能性が実質的に除去される。
【0012】
本発明の著しい利点は、コークス化の工程に使用するような苛酷な条件での使用において、信頼性をもって使用できる点である。弁を通る流体によって運ばれるコークスまたは他の固体汚染物質が弁のキャビティーの内部に蓄積する傾向はない。ボールが回転する際、ボールの周りのキャビティーが工程材料に露出されることは決してなく、従って工程材料が関与することもない。これによって抜取り用の水蒸気を含ませることができ、またそれが排気流の孔の中に放出されることはく、従って抜取り用の流体の消費を節約することができる。
【0013】
本発明の以上の目的および他の目的並びに利点は、添付図面を参照して行う以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0014】
好ましい実施例の詳細な説明
図1は、本発明による切換弁10の断面を示す。この切換弁の主構成要素は、上部ハウジング14と下部ハウジング16とを備えている胴部12を含む。上下のハウジングは、円周方向で間隔を空けて配された複数のボルト17により互いに固定されることが好都合である。下部ハウジングは入口ポート18を有し、そして上部ハウジングは3個の出口ポート20A、20B及び20Cを持つ。本技術の熟練者は、この切換弁が複数の出口ポートを持ち得ることを認める。ここに説明される実施例は3個の出口ポートを有し示されるが、この切換弁は3個以上又は3個以下の出口ポートを持つこともできる。本発明により、円周方向で120゜の間隔を空けられた3個のポート20A、20B及び20Cを上部ハウジングに設けることができる。本技術の熟練者は、用語「上部」及び「下部」が単に説明の便宜のためであり本発明を限定しないことを認めるであろう。用語「下部ハウジング」及び「上部ハウジング」は、それぞれ「入口ハウジング」及び「出口ハウジング」と呼ぶこともできる。
【0015】
切換弁ボール22は入口ポート24と出口ポート26とを有し、図1に示される出口ポート26は胴部の出口ポート20Aと連通している。従って、ボール22は、胴部12内のボール22の回転方向位置に応じて、流体を入口ポートと3個の出口ポート20A、20B及び20Cの選択されたものとの間に向ける。ボールは適切な弁棒28により回転され、この弁棒は、好ましい実施例においては通常のアクチュエーターユニット30により駆動される。弁棒28は、ボールの入口ポート24からボールの中心の半径方向反対側に間隔を空けて置かれる。本発明は動力式アクチュエーターユニットを有する切換弁より便益を得るによく適する。本発明の概念により、以下説明されるように弁内での汚染物蓄積の可能性が小さいため、特にアクチュエーターの寸法合わせのための所要の安全係数を小さくなし得るので、従来技術の多くの切換弁と比べてアクチュエーターユニット30の大きさを小さくすることができる。本発明に従って流体をある出口ポートから他の出口ポートに向けるためにボール22が回されたとき、回転弁棒28と上部ハウジング14との間をシールするために、弁棒28は、グランドフランジ34とシール部材36とを有する通常のパッキンググランドにより上部ハウジング14に対してシールされる。シール部材36は、グラフォイル(Grafoil、商標名)材料の間で間隔を空けられた複数のランタンリングと押出し防止リングとを備えることができる。本発明の切換弁は、シール部材36を通過するいかなる漏洩も検出するために上部ハウジングに1個又は複数個の漏洩検出ポート190を持つことができる。かかる漏洩検出ポートにより、シール部材36を交換すべきときを容易に決定でき、また以下説明されるように逃がし流体の噴出用としても使うことができる。
【0016】
本発明により、上部ハウジング14の一般にドーム状の上面40と組み合って結合するために、入口ポート24と半径方向反対側のボール22の外面38が設けられる。図3に示されるように、ボールの外側シール面38と上部ハウジングのシート面40との間に実質的な面接触が意図的に設けられる。ボール22は、ボールの上面40とは半径方向反対側に間隔を空けられたボールの半径方向下方部分46と組み合うための上面44を持った環状の案内部材42により、入口ポート24と半径方向反対向きに押し付けられる。中心合わせ用部材又は案内部材42は強制用部材48により面46に向かって押され、この部材48は、好ましくは皿ばねであって、案内部材42の下面と組み合う環状の上面50及び下部ハウジング16と組み合う環状の下面52を持った理想的には単一巻回型又はワッシャー型の皿ばねである。従って、強制用部材48は、胴部の入口ポート18の中心とボールの中心との間を通過して入口ポート24の半径方向反対側のボールの上面に向かう作用線で力を指向させる。皿ばね48の上面50はボールとの金属接触面を実質的に提供し、一方、下面52は下部ハウジング16を実質的にシールすることにより同じ機能を提供する。本技術の熟練者は、皿ばね48と案内部材42とによって、空洞部54がポート18と24との間を通過する流体から実質的にシールされることを認めるであろう。
【0017】
本発明の一実施例により、切換弁10は、切換弁の作動に悪影響を与える傾向のある汚染物を有する流体を輸送する。切換弁がコークス化(coking)作業のための流体を輸送する応用例においては、コークスは切換弁のポート内で固まろうとしその作業に悪い影響を与える。かなり少ない量でありかつ本発明の設計が従来技術の切換弁と比べて空洞部54におけるコークスの悪影響を小さくするとは言え、ある種のコークス材料が皿ばね48を上向きに通過して空洞部54に入る可能性がある。以下説明されるように、理想的には、環状の空洞部54内に接線方向に蒸気を噴射するために蒸気噴出管路も設けられる。
【0018】
図2は、図1に示された位置における切換弁を通る断面図である。ただし、断面は切換弁の構造をよく理解するために変更されている。従って、図2の断面は、出口ポート20Aの中心を通る右側から出発し、次いで下向きに下がり、更にシート面40の輪郭に従い、次いで以下説明される弁棒逃がし管路194を通って上方に左側に出る。弁棒28は、非円柱状の下方端部54、この場合は長方形断面を有し、ボール22の同様な開口と組み合って、ボール22と弁棒28とを回転方向で相互に連結する。皿ばね48により提供される上向きの力は、ハウジング14の上のシート面40により吸収される。シート面40は、バネ48又はボールにおける流体圧力のためにボール22に作用する全ての上向きの力に抵抗するように設計される。弁棒28はフランジ部材55を有し、これが弁棒における圧力に抵抗して弁棒を胴部部材14内に保持し、従って弁棒は弁内の流体圧力により吹き飛ばされない。
【0019】
図4は、図1に示されたシール部材56を示す。部材56は、上部ハウジング14の下面58と下部ハウジング16の上面60との間をシールするように意図される。シール56は、流体が、先に説明されたようにボルト17により互いに固定された面58と60とにより定められたフランジ間を通過して切換弁を通って流れることを防ぐためのシールを提供するように意図される。ボール22の外面38と気密に組み合っている上部ハウジング14のシート面40のリング状の下方端部面70により汚染物の空洞部62内への「下向き」の通過は防止されるため、シール56は、上方の環状空洞部62と下方の環状空洞部64と間をシールするようには意図されない。図1に示されるように、下方の環状空洞部64は上述の空洞部54と連通している。図3は円周方向で間隔を空けられたねじ穴66を示し、その各は、上部ハウジングを下部ハウジングに固定するために図1に示されたボルト17の1個を受け入れるように形成される。
【0020】
再び図1を参照すると、上部ハウジング14と下部ハウジング16との両者は、円周方向で間隔を空けられた複数のねじ穴21を設けることができる。これらねじ穴は、適切な流体管路(図示せず)の端部から固定用部材を受け入れるために設けられる。管路は上部ハウジング14の3個の出口の各、即ち20A、20B及び20Cに連結され、また下部ハウジング16の入口ポート18に同様に連結される。切換弁の上下のハウジングに流体管路の端部を固定するための通常の種々の機構が本技術熟練者に知られ、そして選定された固定用部材の特定の形式及びそれぞれの流体管路と胴部12との間を封鎖するシール手段の形式とは、本発明の概念にとって特別重要ではない。
【0021】
本発明の特定な一特徴は、この切換弁の設計により得られる単純性である。本発明の切換弁10は、従来技術の切換弁と比較して非常に少ない内部部品を持つ。切換弁組立体は、ボール内における望ましいシール結合を提供するために従来技術の切換弁にしばしば設けられるベロウズ組立体を持たない。ボール22の外面38と上部ハウジング14のドーム状の上面40との間のシールは、1個の皿ばね48により提供される強制力の結果として得られる。従って、本発明による強制力弁の設計により、胴部出口の各の周りの信頼し得る封鎖を達成するために多数の部品は不必要である。大面積のシール面を提供することにより、コークス粒子を形成し勝ちの弁の内部の多数の空洞部が最小にされる。好ましくは、ボール22の上方部分は、入口ポート24と半径方向反対側にある。即ち上部ハウジングから複数の出口ポートを除いた残りの、シール56の上方のリング状部分70及び弁棒フランジ55を受け入れるために与えられた円柱状の面78に隣接したボール22の頂部との間の間隔を空けられた部分が、大面積のシール面として提供される。ボール22は、皿ばね48により、3個の出口ポートの各を取り巻く大面積のシートに向かう負荷が加えられ、これはベロウズ設計を有する従来技術の切換弁に勝る大きな長所を持つ。この設計により、ばね48の厚さをベロウズ設計のそれより大きくすることができ、かつバネのための特別でかつ高価な材料が避けられる。単一の強制用部材と大きい弁座面積とによるボールと弁胴部との間の封鎖を達成することによりかなりの強制力を提供することができる。
【0022】
本発明の弁は、弁10の内部の空洞部から逃がすための1個又は複数個の逃がしポートも備えることが好ましい。図1及び2に示されるように、例示の切換弁は、パッキング逃がし管路190、弁棒逃がし管路194及びシート逃がし管路192を備え、これら各流路は上部ハウジングに設けられる。シート逃がし管路192は、シート56に隣接した空洞部との連絡を提供する。3個の接線方向の逃がし管路192A、192B及び192Cが希望の弁棒逃がしを許す。ベロウズ設計の切換弁とは異なり、本発明の設計は、強制用ばねの故障を防ぐために逃がし圧力の存在に関係しない。逃がし圧力が失われたときは、弁は、その作動寿命を少しも譲らずになお作動するであろう。理想的には、逃がしは連続的に流れる逃がし流でなくて正の圧力である。従って、逃がしはコークス粒子がボールの底の周りの空洞部に入ることを防ぐように正の圧力を提供する。ボール22が回転すると、空洞からの逃がしは、入口ポート24と出口ポート26との間を伸びているボールの穴全体の中に出ず、これにより、典型的に蒸気である逃がし用流体の消費量の相当な節約が達成される。これは、また一般にドーム状の大面積のシート面40の別の利点でもある。弁は、蒸気の消費量を最小にすると同時に弁の寿命を最適化するように1個又は複数の逃がしポートを備えることができる。
【0023】
本発明の設計は、粒子の蓄積されるボール弁内部の空虚部の数を最小にする。図1に示されるように、ただ1個のの環状空洞部54だけが設けられ、この空洞部は周期的に逃がしを行われる。先に注意されたように、シール部材56はボール22とのシール結合を提供しないため、空洞部54は、図1に示されるように空洞部62及び64と連通している。この設計は、粒子形成の可能性が減らされるため、ボールを回転させるためにアクチュエーターユニット30からの出力される所要トルクを減らすことができる。
【0024】
本発明の一特徴は、弁ハウジング内のボールの回転位置とは無関係に、切換弁を通る流れが完全に閉鎖されることである。通常、流体は複数の出口ポートの一つから流れる。弁からの選択された排出ポートを変更するためにボールが回されたときでも、1個又は2個の出口ポートがボール出口ポート26に少なくも部分的に曝される。従って、ボールが回されるとき、切換弁が一時的にこれを通る流れを完全に遮断したとしても、切換弁より上流のプロセス作業は悪影響を受けない。
【0025】
上に説明されたように、ボール22は、上部ハウジング14のシート面40の大面積に押し付けられる。入口ポート24の半径方向反対側のボールの上方部分と連続的なシール結合のために、この大きなシート面が提供される。従って、ボールはレース内の軸受けとよく似た方法でシート面40内に押される。これが、シート面40に間するボールの浮き又は横向きの負荷なしに回転のみを許して望ましい。ボール22が回ると、ばね荷重がボールと実質的なシール面40との間の清掃作用を確保する。ばねの力はボールを通過する汚染物の接着力より大きく、従って弁は自己清掃をする。更に、上部ハウジングの流体受け入れポートを定めている上部ハウジング14の縁184は、清掃作用を提供するように好ましくは鋭くてかつボールとの組合位置においてボールの外面と実質的に直角である。ボール入口ポート24の縁186は、かかる清掃作用を与える必要がないので僅かに丸みを付けることができる。
【0026】
本発明の特別な特徴は、ボール内のポート24と26との間の一様直径の流路の直径がボール22の直径と比べてかなり大きいことである。本発明により、切換弁は、ボールの直径が僅か406.4mm(16インチ)で直径203.2mm(8インチ)のポートを設けることができる。これが、回転すべきボール部材の重量減少に対応した弁の製造に関する大きな費用の節減、及び利点を生む。本発明により、ボール直径は、好ましくはボールを通る一様な流路の直径の2.5倍より大きくなく、好ましくは2.2倍より小さい。
【0027】
図1に示されたボール22は、望ましくは、45゜(135゜)の流路角度を有し、これにより、回転可能なボールの入口ポートと出口ポートとの間の90゜の角度を使う形式のボール弁と比べて、ボール弁を横切る圧力低下の大きな救済が得られる。本発明の切換弁のボールの入口流路の中心線180は、好ましくは、ボールの出口流路の中心線182に関して125゜から155゜の角度が付けられる。この選定された角度により、ボール直径がボール内の流路と比べて相当に小さくされ、同時に強制用部材48がボール外面38と上部胴部14のシート面40との間のシール結合を維持するための希望の上向きの力を連続的に提供する設計を生む。また、この角度125゜を小さくすると弁を通る圧力低下が大きくなる結果を生ずるであろう。中心線180と182との間の角度が125゜以下に下げられると、皿ばねにより得られる軸方向の負荷が、胴部面38とシート面40との間の信頼し得る封鎖を提供するに不十分となる。一方、この角度が155゜を越して大きくなると、選定された出口ポートにだけ流体を流し出せるための上部ハウジングの出口ポート間の所要間隔を与えるためと、同時に弁棒を囲む上部ハウジングのシート領域のための希望の間隙を提供するために胴部直径を増加させねばならず望ましくない。従って、皿ばねからの信頼し得る力を維持し、同時に胴部直径を望ましく最小化するためには、125゜から155゜の範囲が望ましく、135゜が好ましい。
【0028】
シート面40は上部胴部14に一体に機械加工され、これにより弁内で汚染物が蓄積される空虚部又は通路の数を大きく減らすことができる。図示された実施例のこのシート面は上部ハウジング24の材料より形成され同質であるが、シート面を複数の押込み又は溶接されたシートより構成し、各シートがそれぞれの出口ポートの周りのシールを提供するようにすることができる。複数のシートは、一緒になって図示されたような一体式のシート設計の方法で機能することができる。シートが定位置に処理され又は溶接された場合は
、これらは要すれば置換することができる。この変更された設計が使用された場合でも、複数のシートの間の円周方向で間隔を空けられた湾曲面の区域はボールのシール面と組み合うために間隔を空けられ、これにより汚染物が蓄積されて切換弁の作動に悪影響を与えるシート間の隙間を無くし又は少なくも最小にすることができる。一体式のシート設計は、弁の構成要素を破損させる可能性なしに、シートに種々のコードにより要求される静水圧試験を行うことを許す。従来技術の多くの切換弁は「デレーティング」を必要とする形式のものである。従来技術の切換弁の弁内部構成要素の破損を防ぐためにコード標準の変更が要求される。本発明の切換弁は全コードレーティングに対して設計することができる。ボール22の外面と上部胴部14のシート面40との間の極めて信頼できるシート面を、面を顕微鏡的に摩耗させるメイトラッピング(mate lappingu)技法により提供することができる。
【0029】
ボールと組み合う縁を提供するポート20A、20B及び20Cの縁は、ボールとシートとの間に希望のスクレイピング作用を実質的に与えるために上述のように角度を付けることができる。各縁は、ボールのシート面に対して実質的に直角であるような方法で「鋭く」され、このため、ボールの回転が、回転中に弁を清掃する。
【0030】
ボールの外面38はには、汚染物が弁の内部空虚部を満たして信頼し得るシールに悪影響を与えることを防ぐために、上部胴部14と協動するように非常に硬いコーティングを設けることができる。胴部22の外面を硬化させるために種々のプロセスを使うことができる。ハウジング14の内面40を硬化せさせるための同様の技術を使うことができる。これらの面に対的に適切な材料硬化技術は、電解コーティング、拡散コーティング、高速酸素燃料(HVOF)コーティング、及び噴霧・熔融コーティングを含むことができる。
【0031】
胴部14に関する弁棒28の回転方向位置の容易な決定のために作業者が従うための種々の機構を設け、これにより入口ポート18から流すように開かれる上部胴部14の特定の出口ポートを作業者に知らせることができる。ボールの位置及びそのときに「開かれる」対応する出口ポートを示すために矢印又はその他のマークを弁棒に設けることができる。特定の位置において、胴部12に関するボール22に回転を停止させるために種々の形式のラグ機構を設けることもできる。
【0032】
本発明の好ましい実施例が詳細に図示されたが、本技術熟練者により、好ましい実施例のその他の変更及び適用が生ずるであろうことが明らかである。かかる変更及び適用は、請求項により定義される本発明の精神及び範囲内であることを理解すべきである。
【0033】
以下に本発明の主な特徴と態様を列挙する。
【0034】
1. 入ってくる流体の方向を複数の出口の選ばれた一つへと向ける弁において、該弁は
一つの胴部入口ポートおよび複数の胴部出口ポートを含む弁の胴部であって、複数の胴部出口ポートの各々の周りの周辺部に間隔をおいて配置されている該弁の胴部と一体となった弁座を規定している弁の胴部、
該弁の胴部の内部で動くことができ、流体を胴部の複数の出口ポートの選ばれた一つの方向に向けるボール部材であって、複数の胴部出口ポートの1個またはそれ以上と選ばれた流体的な連絡を行うために該胴部入口ポートおよび一つのボールの出口と流体的に連絡しているボールの入口をもっているボール部材、
弁の胴部の内部でボール部材を回転させるための該弁の胴部に対して回転し得る弁棒、および
胴部入口ポートに隣接して配置され、弁座と係合して密封を行うためにボール部材に偏倚力を及ぼす偏倚部材を具備していることを特徴とする弁。
【0035】
2. 該偏倚部材は該胴部入口ポートの周りを取り囲む皿ばねであることを特徴とする1記載の弁。
【0036】
3. 偏倚部材からボール部材へ均一な偏倚力を伝達するために、該皿ばねとボール部材との間で間隔をおいて配置された環状の案内部材を具備していることを特徴とする2記載の弁の胴部。
【0037】
4. 該皿ばねは弁の胴部と周辺部で係合した環状のエッジ面および該案内部材と周辺部で係合している相対する環状のエッジ面を有する環状のワッシャーを具備し、該環状のワッシャーは該ボール部材の外側および弁座と環状の案内部材との間において弁の胴部の内部にあるキャビティーから胴の入口ポートを少なくとも実質的に密封していることを特徴とする3記載の弁の胴部。
【0038】
5. 該弁の胴部は少なくとも3個の胴部出口ポートを含んでいることを特徴とする1記載の弁。
【0039】
6. 胴部出口ポートの各々は胴部入口ポートの中心軸に対し125°〜155°の角度をなす中心軸をもっていることを特徴とする1記載の弁。
【0040】
7. 弁の胴部はボール部材が弁の胴部に対して回転する際ボール部材と滑って係合するための胴部出口ポートの少なくとも一つの近傍にあるナイフ・エッジを含み、該ナイフ・エッジはボール部材の隣接した外側面に対し約90°の角度をなしていることを特徴とする1記載の弁。
【0041】
8. 弁座の弁座面は少なくともRc 60のかたさをもっていることを特徴とする1記載の弁。
【0042】
9. 弁座の弁座面は電解被膜、拡散被膜、HVOF被膜、および噴霧融合被膜から成る群から選ばれることを特徴とする8記載の弁。
【0043】
10. 弁の胴部とボール部材との間および弁棒とボール部材との間のキャビティーの中に抜取り用の流体を通すための弁の胴部を通って延びた複数の抜取り用ポートをさらに具備していることを特徴とする1記載の弁。
【0044】
11. 入ってくる流体の方向を複数の出口の選ばれた一つの方へ向ける弁において、該弁は
一つの胴部入口ポートおよび複数の胴部出口ポートを含む弁の胴部であって、複数の胴部出口ポートの各々の周りの周辺部に間隔をおいて配置されている該弁の胴部と一体となった弁座を規定し、また胴部出口ポートの各々は胴部入口ポートの中心軸に対し125°〜155°の角度をなした中心軸をもっている弁の胴部、
該弁の胴部の内部で動くことができ、流体を胴部の複数の出口ポートの選ばれた一つの方向に向けるボール部材であって、複数の胴部出口ポートの1個またはそれ以上と選ばれた流体的な連絡を行うために該胴部入口ポートおよび一つのボールの出口と流体的に連絡しているボールの入口をもっているボール部材、
弁の胴部の内部でボール部材を回転させるために該弁の胴部に対して回転することができ、ボール部材の中心に関しボールの入口に対して半径方向の反対側に配置されている弁棒、
胴部の入口ポートに隣接して配置され、弁座と係合して密封を行うためにボール部材を偏倚させる胴部入口ポートの周りに配置された皿ばね、および
偏倚部材からボール部材へ均一な偏倚力を伝達するために該皿ばねとボール部材との間で間隔をおいて配置された環状の案内部材を具備していることを特徴とする弁。
【0045】
12. 該弁座は胴部出口ポートの各々を取り囲むか、または胴部入口ポートと複数の胴部出口ポートの各々との間に間隔をおいて配置された周辺部から弁棒を受けるための胴部入口ポートの反対側にある位置まで延びた弁座面を有し、胴部出口ポートの少なくとも一つは弁の胴部の内部にあるボール部材の回転位置に無関係にボールの出口と流体的に連絡していることを特徴とする11記載の弁。
【0046】
13. 該皿ばねは弁の胴部と周辺部で係合した環状のエッジ面および該案内部材と周辺部で係合している相対する環状のエッジ面を有する環状のワッシャーを具備し、該環状のワッシャーは該ボール部材の外側および弁座と環状の案内部材との間において弁の胴部の内部にあるキャビティーから胴の入口ポートを少なくとも実質的に密封していることを特徴とする11記載の弁の胴部。
【0047】
14. 弁の胴部はボール部材が弁の胴部に対して回転する際ボール部材と滑って係合するための胴部出口ポートの少なくとも一つの近傍にあるナイフ・エッジを含み、該ナイフ・エッジはボール材の隣接した外側面に対し約90°の角度をなしていることを特徴とする11記載の弁。
【0048】
15. 弁の胴部はそれぞれボール部材の回転位置の関数として切換弁から少なくとも3個の出口ポートの選ばれた一つを通して流体を通すための少なくとも3個の出口ポートを有し、
該ボール部材は該ボール部材を通りボールの入口とボールの出口との間に延びた流体経路の均一な直径の2.5倍よりも小さい寸法をもっていることを特徴とする11記載の弁。
【0049】
16. 複数の出口、1個の胴部入口ポートと複数の胴部出口ポートを有する弁の胴部、流体の方向を複数の胴部出口ポートの選ばれた一つの方へ向けるための、該弁の胴部の内部で動くことができ複数の胴部出口ポートの一つまたはそれ以上と連続的に流体的な連絡をしているボールの入口を有するボール部材、および弁の胴部の内部でボール部材を回転させるための弁の胴部に対して回転し得る弁棒を有する弁の胴部の内部で動き得るボール部材を密封する方法において、該方法は
弁の胴部と一体となり複数の胴部出口ポートの各々の周りで周辺部に間隔をおいて配置された弁の密封部をつくり、
胴部入口ポートから遠ざかり複数の胴部出口ポートの各々の方へとボール部材を偏倚させてボール部材を弁座と各複数の胴部出口ポートの周りで密封することを特徴とする方法。
【0050】
17. さらに、ボール部材を偏倚させるために、胴部入口ポートの周りにおいて周辺部に偏倚部材を位置させることを特徴とする16記載の方法。
【0051】
18. さらに、該偏倚部材からボール部材へ均一な偏倚力を伝達するために、該偏倚部材とボール部材との間に環状の案内部材を備えることを特徴とする17記載の方法。
【0052】
19. さらに、各胴部出口ポートの中心出口軸が胴部入口ポートの中心軸に関して125°〜155°をなすように配置することを特徴とする16記載の方法。
【0053】
20. さらに、アクチュエータ・ユニットを作動させて弁の胴部の内部でボール部材を回転させることを特徴とする16記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明による切換弁を示している側方断面図である。
【図2】図1に示された位置における切換弁を通る断面図であるが、断面ハシート面の輪郭に従うように変更される。
【図3】切換弁胴部の上部ハウジングの底視図である。
【図4】上部切換弁ハウジングと下部切換弁ハウジングとの間をシールするための適切な機構の詳細図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入ってくる流体の方向を複数の出口の選ばれた一つへと向ける弁において、該弁は
一つの胴部入口ポートおよび複数の胴部出口ポートを含む弁の胴部であって、複数の胴部出口ポートの各々の周りの周辺部に間隔をおいて配置されている該弁の胴部と一体となった弁座を規定している弁の胴部、
該弁の胴部の内部で動くことができ、流体を胴部の複数の出口ポートの選ばれた一つの方向に向けるボール部材であって、胴部入口ポートと連続的に流体的に連絡しているボールの入口および複数の胴部出口ポートの1個またはそれ以上と選択的に流体的な連絡を行うためのボールの出口をもっているボール部材、
弁の胴部の内部でボール部材を回転させるための該弁の胴部に対して回転し得る弁棒、および
胴部入口ポートに隣接して配置され、弁座と係合して密封を行うためにボール部材に偏倚力を及ぼす偏倚部材を具備していることを特徴とする弁であって、
該弁の胴部は少なくとも3個の胴部出口ポートを含んでいることを特徴とする、
上記弁。
【請求項2】
胴部出口ポートの各々は胴部入口ポートの中心軸に対し125°〜155°の角度をなす中心軸をもっていることを特徴とする請求項1記載の弁。
【請求項3】
弁の胴部はボール部材が弁の胴部に対して回転する際ボール部材と滑って係合するための胴部出口ポートの少なくとも一つの近傍にあるナイフ・エッジを含み、該ナイフ・エッジはボール部材の隣接した外側面に対し約90°の角度をなしていることを特徴とする請求項1記載の弁。
【請求項4】
弁座の弁座面は少なくともRc 60のかたさをもっていることを特徴とする請求項1記載の弁。
【請求項5】
弁座の弁座面は電解被膜、拡散被膜、HVOF被膜、および噴霧融合被膜から成る群から選ばれることを特徴とする請求項4記載の弁。
【請求項6】
弁の胴部とボール部材との間および弁棒とボール部材との間のキャビティーの中に抜取り用の流体を通すための弁の胴部を通って延びた複数の抜取り用ポートをさらに具備していることを特徴とする請求項1記載の弁。
【請求項7】
入ってくる流体の方向を複数の出口の選ばれた一つの方へ向ける弁において、該弁は
一つの胴部入口ポートおよび複数の胴部出口ポートを含む弁の胴部であって、複数の胴部出口ポートの各々の周りの周辺部に間隔をおいて配置されている該弁の胴部と一体となった弁座を規定し、また胴部出口ポートの各々は胴部入口ポートの中心軸に対し125°〜155°の角度をなした中心軸をもっている弁の胴部、
該弁の胴部の内部で動くことができ、流体を胴部の複数の出口ポートの選ばれた一つの方向に向けるボール部材であって、複数の胴部出口ポートの1個またはそれ以上と選ばれた流体的な連絡を行うために該胴部入口ポートおよび一つのボールの出口と流体的に連絡しているボールの入口をもっているボール部材、
弁の胴部の内部でボール部材を回転させるために該弁の胴部に対して回転することができ、ボール部材の中心に関しボールの入口に対して半径方向の反対側に配置されている弁棒、
胴部の入口ポートに隣接して配置され、弁座と係合して密封を行うためにボール部材を偏倚させる胴部入口ポートの周りに配置された皿ばね、および
偏倚部材からボール部材へ均一な偏倚力を伝達するために該皿ばねとボール部材との間
で間隔をおいて配置された環状の案内部材を具備していることを特徴とする弁であって、
弁の胴部はボール部材が弁の胴部に対して回転する際ボール部材と滑って係合するための胴部出口ポートの少なくとも一つの近傍にあるナイフ・エッジを含み、該ナイフ・エッジはボール材の隣接した外側面に対し約90°の角度をなしていることを特徴とする、
上記弁。
【請求項8】
弁の胴部はそれぞれボール部材の回転位置の関数として切換弁から少なくとも3個の出口ポートの選ばれた一つを通して流体を通すための少なくとも3個の出口ポートを有し、
該ボール部材は該ボール部材を通りボールの入口とボールの出口との間に延びた流体経路の均一な直径の2.5倍よりも小さい寸法をもっていることを特徴とする請求項7記載の弁。
【請求項9】
複数の出口、1個の胴部入口ポートと複数の胴部出口ポートを有する弁の胴部、流体の方向を複数の胴部出口ポートの選ばれた一つの方へ向けるための、該弁の胴部の内部で動くことができ複数の胴部出口ポートの一つまたはそれ以上と連続的に流体的な連絡をしているボールの入口を有するボール部材、および弁の胴部の内部でボール部材を回転させるための弁の胴部に対して回転し得る弁棒を有する弁の胴部の内部で動き得るボール部材を密封する方法において、該方法は
弁の胴部と一体となり複数の胴部出口ポートの各々の周りで周辺部に間隔をおいて配置された弁の密封部をつくり、
胴部入口ポートから遠ざかり複数の胴部出口ポートの各々の方へとボール部材を偏倚させてボール部材を弁座と各複数の胴部出口ポートの周りで密封することを特徴とし、
さらに、各胴部出口ポートの中心出口軸が胴部入口ポート
の中心軸に関して125°〜155°をなすように配置することを特徴とする、
上記方法。
【請求項10】
さらに、アクチュエータ・ユニットを作動させて弁の胴部の内部でボール部材を回転させることを特徴とする請求項9記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−286398(P2008−286398A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−159564(P2008−159564)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【分割の表示】特願2000−570484(P2000−570484)の分割
【原出願日】平成11年9月15日(1999.9.15)
【出願人】(507013671)タイコ・バルブズ・アンド・コントロールズ・インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】