制御システムコントローラ
【課題】内部システムエラーが発生した場合においても、安全にシステムが停止できるデータを生成し、接続されているデバイスに送信する制御システムコントローラを提供する。
【解決手段】制御システムコントローラ10は、通信処理部30、40と、制御処理部20とを備え、通信処理部は、第一の送信データメモリ301、401と、異常検出処理部304、404と、第二の送信データメモリ302、402と、送信データ生成処理部306、406とを有している。異常検出処理部が、第一の送信データメモリの制御処理部からの送信データの更新の異常を検出したときに、送信データ生成処理部は、第二の送信データメモリに記憶されているデータに基づき、異常検出時の送信データを生成し、通信処理部により、接続されているデバイスに異常検出時の送信データを送信する。異常検出時の送信データは、駆動用デバイスのサーボモータの回転速度を徐々に減少させる。
【解決手段】制御システムコントローラ10は、通信処理部30、40と、制御処理部20とを備え、通信処理部は、第一の送信データメモリ301、401と、異常検出処理部304、404と、第二の送信データメモリ302、402と、送信データ生成処理部306、406とを有している。異常検出処理部が、第一の送信データメモリの制御処理部からの送信データの更新の異常を検出したときに、送信データ生成処理部は、第二の送信データメモリに記憶されているデータに基づき、異常検出時の送信データを生成し、通信処理部により、接続されているデバイスに異常検出時の送信データを送信する。異常検出時の送信データは、駆動用デバイスのサーボモータの回転速度を徐々に減少させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システムコントローラに係り、特に、システムエラーが生じたときに、接続された駆動用デバイスを安全に停止させる用途に用いて好適な制御システムコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
産業用に広く使われている駆動システムとして、システムコントローラに、サーボアンプとサーボモータを接続する構成が広く知られている。例えば、特許文献1には、システムコントローラが、数値制御装置であり、各々の通信ラインに、サーボアンプとサーボモータが複数接続される制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−339358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には、システムコントローラとしての数値制御装置と、その数値制御装置に接続されているサーボアンプ間における通信異常時、およびその数値制御装置内のシステムエラー時におけるサーボアンプの制御について記載されている。
【0005】
この特許文献1では、エラーが発生した場合に、「複数のシリアルバスに接続されるサーボアンプで駆動されるサーボモータの制御において、通信異常が発生したシリアルバスに接続されるサーボアンプへの出力を0」とすると記載されている(要約等)。
【0006】
しかしながら、特許文献1のサーボモータ制御システムでは、システムエラーが発生したときには、CPU2からシステム通信回路3への制御データが更新されないので、通信データを停止するか、サーボアンプへの出力を0にするかの選択しかできない。このようなシステムコントローラでは、内部システムエラー時には、サーボアンプで駆動しているサーボモータの制御ができないため、急停止や減速停止といった安全のために必要な制御をおこなうことができない。
【0007】
また、このサーボモータ制御システムでは、システムエラー時に、サーボアンプにより駆動しているサーボモータと入出力制御による周辺機器との同期がとれないため、周辺装置の位置によっては、機械やワークを破壊してしまい、システム全体を安全に停止することはできないという問題点もある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、駆動用デバイスを含む制御システムを制御するための制御システムコントローラにおいて、内部システムエラーが発生した場合においても、安全にシステムが停止できるデータを生成し、接続されているデバイスに送信できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の制御システムコントローラは、通信ラインを介して接続されるデバイスとのデータの送受信をおこなう通信処理部と、接続されるデバイスへの送信データを生成する制御処理部とを備えており、通信処理部は、制御処理部から送られる送信データを記憶する第一の送信データメモリと、第一の送信データメモリにおける送信データの更新の異常を検出する異常検出処理部と、異常検出時の送信データを生成するためのデータを記憶する第二の送信データメモリと、異常検出時に異常時用の送信データを生成する送信データ生成処理部とを有している。
【0010】
そして、異常検出処理部が、第一の送信データメモリにおける制御処理部からの送信データの更新の異常を検出したときに、送信データ生成処理部は、第二の送信データメモリに記憶されているデータに基づき、異常検出時の送信データを生成し、通信処理部により、接続されているデバイスに異常検出時の送信データを送信する。
【0011】
ここで、接続されているデバイスは、例えば、サーボモータを含むサーボ系の駆動用デバイスであり、異常検出時には、サーボモータの回転速度を徐々に減少させていくよう制御する送信データを生成する。また、異常検出時には、正常時のトルク制限よりも小さなトルク制限の送信データを生成する。
【0012】
また、接続されているデバイスは、例えば、サーボモータを含むサーボ系の駆動用デバイスと、それに同期して動作する入出力デバイスであるとき、駆動用デバイスと同期した生成データを生成する。
【0013】
これにより、例えば、内部システムエラー時、サーボアンプに対しては、減速停止コマンドデータまたは、滑らかに減速停止可能な速度指令値を送信して、システムを安全に停止することを可能とする。また、システムエラー発生時、サーボモータによるワークの移動方向上から、即座に周辺装置を退避するデータを送信することにより、ワークと機械の接触を回避することを可能とする。
【0014】
この構成によれば、制御システムコントローラ内部システムエラー時に、接続されている駆動用デバイスを安全に減速することができ、また、周辺装置と駆動用デバイスの同期をとりながら安全に停止することができる。また、本発明は、従来の構成からメモリと簡単な処理部のみを追加することにより、実現することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、駆動用デバイスを含む制御システムを制御するための制御システムコントローラにおいて、内部システムエラーが発生した場合においても、安全にシステムが停止できるデータを生成し、接続されているデバイスに送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る制御システム全体の構成図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る制御システムコントローラ10の構成図である。
【図3】制御システムコントローラ10が駆動用デバイス50を制御するときの様子を示す図である。
【図4】制御システムコントローラ10と駆動用デバイス50間でやりとりされる通信フレームのフォーマットを示す図である。
【図5】データコントロールテーブル700とデータテーブル701の一例を示す図である。
【図6】データコントロールテーブル700とデータテーブル701より生成される通信フレームのデータ部の一例を示した図である。
【図7】制御システムコントローラのシステムエラーに関する処理を示すフローチャートである。
【図8】送信データ生成処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第二の実施形態に係る制御システム全体の構成図である。
【図10】制御システムコントローラ10が駆動用デバイス50、出力用デバイス61、出力用デバイス62を制御するときの様子を示す図である。
【図11】制御システムコントローラ10と駆動用デバイス60、出力用デバイス61、出力用デバイス62、入力用デバイス63間でやりとりされる通信フレームのフォーマットを示す図である。
【図12】データコントロールテーブル1000とデータテーブル1001の一例を示す図である。
【図13】データコントロールテーブル1000とデータテーブル1001より生成される通信フレームのデータ部の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る各実施形態を、図1ないし図13を用いて説明する。
【0018】
〔実施形態1〕
以下、本発明に係る第一の実施形態を、図1ないし図8を用いて説明する。
【0019】
本実施形態では、駆動用デバイスとしてサーボ系が接続された制御システムであって、制御システムコントローラ内のシステムエラー発生時に、サーボモータを安全な減速停止を実施することのできる制御システムコントローラの例について説明する。
【0020】
先ず、図1および図2を用いて本発明の第一の実施形態に係る制御システムの構成について説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る制御システム全体の構成図である。
図2は、本発明の第一の実施形態に係る制御システムコントローラ10の構成図である。
【0021】
本実施形態の制御システムは、図1に示されるように、制御システムコントローラ10の通信ライン1に駆動用デバイス50が接続されており、通信ライン2に入出力用デバイス51が接続されている。
【0022】
駆動用デバイスは、例えば、サーボアンプとサーボモータで構成されたサーボ系であり、入出力用デバイスは、通信ライン1に接続されている駆動用デバイスは別個に制御されるデバイスであり、例えば、エアシリンダやエアバルブ、センサなどである。
【0023】
制御システムコントローラ10は、制御処理部20と、各々の通信ライン毎に設けられる通信制御部30、40から構成される。
【0024】
制御処理部20は、接続されるデバイスを制御するための送信データを生成する機能を有する。通信制御部30、40は、各々通信ライン1、2に接続されている接続デバイスにデータを送信し、その接続デバイスからデータを受信する機能を有する。この通信制御部は、制御処理部20とバスで接続されており、通信ライン毎に複数実装可能である。
【0025】
次に、通信制御部の内部構成について説明する。ここでは、通信ライン1に接続されている通信制御部30を例にとり説明することにする。通信ライン2に接続されている通信制御部40も同様である。制御システムコントローラが正常に動作しているときには、送信データは、制御処理部20から送信データメモリA301に定周期で更新される。定周期の更新されていることは、異常検出処理部304により監視してその異常を判定する。制御処理部20から送信データメモリA301に送信データが定周期で更新されている場合には、通信制御部30は、送信データメモリA301内のデータを送受信処理部305に転送する。
【0026】
送信データメモリA301に送信データが定周期で更新されていない場合には、送信データ生成処理部306が、異常時用の送信データを生成するためのデータを、送信データメモリB302から取得して、送信データを生成し、送受信処理部305に転送する。異常時用の送信データを生成するためのデータのデータ構造と、それから送信データを生成する処理については、後に説明する。
【0027】
送信データメモリB302に格納されている異常時用の送信データを生成するためのデータは、電源投入時または各運転状態にあわせて、制御処理部20から予め設定しておく。送受信処理部305は、異常検出処理部304により転送された送信データから送信する通信フレーム(後述、以下「送信フレーム」ともいう)を生成し、接続デバイスへ送信し、接続デバイスから戻ってきたデータを受信データメモリ303に転送する。
【0028】
次に、図3を用いて駆動用デバイス50の制御のモデルについて説明する。
図3は、制御システムコントローラ10が駆動用デバイス50を制御するときの様子を示す図である。ここで、図3(a)が、制御システムコントローラ10から駆動用デバイス50に与える指令速度と時間の関係を表しおり、図3(b)が、サーボモータの通電状態を示している。
【0029】
本実施形態では、図1に示されるように、通信ライン1を介して駆動用デバイス50として、サーボアンプとサーボモータが接続されており、このサーボモータにより、重量物の搬送するモデルを考える。通常時は、運転パターン500となり、時間toでモータ通電状態になってから定速度voになり、やがて減速停止する。
【0030】
ここで、搬送中の時間t1にシステムエラーが発生した場合には、従来技術の駆動用デバイスへの出力を0にする制御では、減速パターン501となり、時間t2で速度が0になる。
【0031】
本実施形態では、搬送中の時間t1にシステムエラーが発生した場合には、本実施形態では、減速パターン502に示されるように制御システムコントローラ10から駆動用デバイス50を通信フレームを送信する送信周期500回分たったとき(時間t3)で、速度voから0に減速するように制御する。そして、一定の通信周期(図3では、499回分)たった時間t4に、モータを非通電状態にする。ここで、一定の通信周期の後に、モータを非通電状態とするのは、制御システムコントローラ10が指令を与えてから駆動用デバイス50が動作するにはある程度タイムラグがあるためと、システムに負荷をかけないように、ある程度余裕をもってモータの通電を制御するためである。
【0032】
このように、従来技術では、急停止してしまい、ワークや機械に急激な負荷がかかるが、本実施形態では、システムエラー発生から通信周期500回たった時間t3で減速停止し、その後、通信周期499回たった時間t4にモータ非通電状態となっており、異常時においても急停止せず、緩やかに安全に停止することができる。
【0033】
次に、図4ないし図6を用いて、本発明の第一の実施形態に係る制御システムで用いられるデータ構造について説明する。
図4は、制御システムコントローラ10と駆動用デバイス50間でやりとりされる通信フレームのフォーマットを示す図である。
図5は、データコントロールテーブル700とデータテーブル701の一例を示す図である。
図6は、データコントロールテーブル700とデータテーブル701より生成される通信フレームのデータ部の一例を示した図である。
【0034】
通信フレーム600は、図4(a)に示されるフォーマットを有し、制御システムコントローラ10から駆動用デバイス50に送信されるフレームである。通信フレーム601は、図4(b)に示されるフォーマットを有し、制御システムコントローラ10が駆動用デバイス50から受信するフレームである。
【0035】
通信フレーム600は、ヘッダ、データ、CRCのフィールド構成よりなる。ヘッダは、通信フレームとしての管理情報を格納する。CRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)は、通信フレームのエラーを検出するためのコードである。
【0036】
通信フレーム600のデータは、サーボコントロールデータ、サーボ速度指令、サーボ正転側トルク制限、サーボ逆転側トルク制限のフィールド構成よりなる。
【0037】
サーボコントロールデータは、サーボ系である駆動用デバイス50に与える指令を示すデータである。例えば、値が1のとき、サーボモータ通電、値が0のとき、サーボモータ非通電とする。
【0038】
サーボ速度指令は、サーボモータの速度を指定するデータである。
【0039】
サーボ正転側トルク制限は、サーボモータに過負荷を与えないようにするためのモータの回転を強めるときのトルクの制限を示すデータである。サーボアンプは、サーボモータにこれ以上のトルクがかからないようにサーボモータへの電流を制限する。
【0040】
サーボ逆転側トルク制限は、サーボモータに過負荷を与えないようにするためのモータの回転を弱めるときのトルクの制限を示すデータである。サーボアンプは、サーボモータにこれ以上のトルクがかからないようにサーボモータへの電流を制限する。
【0041】
通信フレーム601は、ヘッダ、データ、CRCのフィールド構成よりなる。ヘッダと、CRCの意味は、通信フレーム600と同様である。
【0042】
通信フレーム601のデータは、サーボスーテタスデータ、サーボ現在速度、サーボ現在位置のフィールド構成よりなる。
【0043】
サーボスーテタスデータは、サーボ系である駆動用デバイス50の現在の状態を示すデータである。
【0044】
サーボ現在速度指令は、サーボモータの現在の速度を示すデータである。
【0045】
サーボ現在位置は、サーボモータの現在の位置を示すデータである。
【0046】
データコントロールテーブル700と、データテーブル701は、図2に示された送信データメモリB302に予め設定されているテーブルであり、システムエラー発生したときには、送信データ生成処理部は、この両者を組み合わせて、通信フレームのデータを生成する。
【0047】
データコントロールテーブル700は、通信フレームの送信データを作成するときの制御の仕方を表すテーブルであり、図5(a)に示されるように、開始フレーム番号、終了フレーム番号、データオフセット、データサイズ、送信種別、データ数のフィールド構成よりなる。
【0048】
開始フレーム番号と終了フレーム番号は、データテーブル701のフレーム番号に対応しており、データテーブル701の開始フレーム番号と終了フレーム番号間のフレーム番号の示されるフレームに対して、同じ処理をすることを示している。データオフセット、データサイズは、図4(a)に示された通信フレーム600のフォーマットのデータ部におけるデータオフセットとデータサイズに値を格納することを示している。
【0049】
送信種別は、データテーブル701上のデータを加工する方法を示すものであり、「メモリ送信」、「減算」、「保持」を設定可能とする。
【0050】
送信種別が「メモリ送信」のときは、該当するフレーム番号のデータオフセット、データサイズに示されたエリアの値をそのまま用いる。
【0051】
送信種別が「減算」のときは、正常時の最新送信データから、項目データ数で割った値を一つずつ減算したデータを生成して、該当するフレーム番号のデータオフセット、データサイズに示されたエリアに格納する。
【0052】
送信種別が「保持」のときは、該当するフレーム番号のデータオフセット、データサイズに示されたエリアの異常発生前の正常時最終送信データを用いる。
【0053】
データ数は、送信種別が「減算」のときに用いられるパラメタである。
【0054】
データテーブル701は、通信フレームを作成するときのデータの元になるテーブルであり、図5(b)に示されるように、フレーム番号、送信データオフセット[0]〜[7]のフィールド構成よりなる。
【0055】
フレーム番号は、連番になっており、フレーム番号1から順番に、送信される通信フレームのためのデータを生成する。
【0056】
送信データオフセット[0]〜[7]は、図4に示された通信フレームのデータ部のバイト位置に対応している。
【0057】
次に、図6を用いてデータコントロールテーブル700とデータテーブル701より生成される通信フレームのデータ部の具体例について説明する。
【0058】
ここで、本実施形態の制御システムは、システムエラー時に定速度で駆動用デバイス50のサーボモータが運転しているものとし、システムエラー発生前の正常時の最終送信フレームのデータの値は、サーボコントロールデータが「モータ通電(1)」、サーボ速度指令が「500rpm」、サーボ正転側トルク制限が「200%」、サーボ逆転側トルク制限が「200%」であるとする。
【0059】
フレーム番号1〜999までのサーボコントロールデータは、データコントロールテーブル700の第一番目のエントリーが「保持」になっており、システムエラー発生前の正常時の最終送信フレームのサーボコントロールデータが「モータ通電(1)」になっているので、生成する通信フレームのサーボコントロールデータは、この値が格納される。
【0060】
そして、フレーム番号1000のサーボコントロールデータは、データコントロールテーブル700の第二番目のエントリーの送信種別が「メモリ送信」になっているので、該当するデータテーブル701の値により「モータ非通電(0)」となる。
【0061】
次に、フレーム番号1〜500までのサーボ速度指令としては、データコントロールテーブル700の第三番目のエントリーが送信種別が「減算」、データ数「500」になっており、システムエラー発生前の正常時の最終送信フレームのサーボ速度指令が「500rpm」になっているので、システムエラー発生前の正常時の最終送信フレームのサーボ速度指令の速度から、一定の値を順次引いた速度を、生成する通信フレームのサーボ速度指令に格納する。
【0062】
具体的には、以下の(式1)によって、サーボ速度指令を計算する。
生成データ=前回送信データ−(正常時最終送信データ/データ数) …(式1)
これにより、フレーム番号1のサーボ速度指令は「499」、フレーム番号2のサーボ速度指令は「498」、…、フレーム番号499のサーボ速度指令は「1」、フレーム番号500のサーボ速度指令は「0」となる。このサーボ速度指令の値は、図3に示した減速パターン502に対応するものである。
【0063】
これ以降のフレーム番号501〜1000までのサーボ速度指令としては、データコントロールテーブル700の第四番目のエントリーが送信種別が「メモリ演算」になっており、該当するデータテーブル701の値が「0」になっているので、0とする。
【0064】
このようにサーボコントロールデータとサーボを設定するのは、駆動用デバイス50のサーボモータが運転してるときには、その状態をしばらく維持して運転して、速度を徐々に落として安全に停止するためである。
【0065】
次に、フレーム番号1〜998までのサーボ正転側トルク制限は、データコントロールテーブル700の第五番目のエントリーが「メモリ送信」になっており、該当するデータテーブル701の値が「10%」になっているので、この値が設定される。同様に、フレーム番号999のサーボ正転側トルク制限は、該当するデータテーブル701の値の「5%」が設定され、フレーム番号1000のサーボ正転側トルク制限は、該当するデータテーブル701の値の「0%」が設定される。
【0066】
これは、システムに異常がおこったときには、トルク制限を厳しくするものである。
【0067】
サーボ逆転側トルク制限も、データコントロールテーブル700の第六番目のエントリーにより、同様に設定される。
【0068】
次に、図7および図8を用いて、本発明の第一の実施形態に係る制御システムコントローラの処理について説明する。
図7は、制御システムコントローラのシステムエラーに関する処理を示すフローチャートである。
図8は、送信データ生成処理を示すフローチャートである。
【0069】
先ず、送信データメモリA301における制御処理部20からの更新の有無を判定する(ステップS101)。
【0070】
制御処理部20からデータ更新がある場合には、更新周期チェック用カウンタをクリアし(ステップS106)、制御処理部20から更新された送信データメモリAから正常時用データを送受信データ処理部305へ転送する(ステップS107)。
【0071】
制御処理部20からデータ更新がない場合には、更新周期チェック用カウンタをインクリメントとする(ステップS102)。
【0072】
そして、更新周期チェック用カウンタが異常しきい値を超過しているか否かを判定し(ステップS103)、超過していない場合には、ステップS101に戻る。超過している場合には、送信データ生成処理306が送信データ生成処理により、異常時用データを生成する(ステップS104)。送信データ生成処理は、後に詳細に説明する。
【0073】
そして、生成したデータを送受信データ処理部305に転送し(ステップS105)、処理を終了する。
【0074】
次に、図7の送信データ生成処理S104について詳細に説明する。。
【0075】
送信データ生成処理S104は、送信データ生成処理部306により、図5に示されたデータコントロールテーブル700、データテーブル701からシステムエラー発生後に、送信する通信フレームの送信データを生成する処理である。
【0076】
送信データ生成処理部306は、送信される通信フレームの順にデータを構成していく。
【0077】
先ず、図5(a)のデータコントロールテーブル700から、該当フレーム番号における該当データの送信種別を判定し(ステップS201)、「メモリ送信」であれば、図5(b)のデータテーブル701から該当するフレーム番号および該当データ(データオフセット、データサイズで示される)を取得し、該当位置の送信データを構成する(ステップS202)。
【0078】
該当フレーム番号における該当データの送信種別判定(ステップS201)で、送信種別が「メモリ送信」でない場合、送信種別を判定し(ステップS206)、「減算」であれば、前回送信データと正常時最終送信データを取得し(ステップS207)、正常時最終データを図5(a)のデータコントロールテーブル700にあるデータ数で除算した値を、前回送信データから減算し、算出された値を生成データとし(ステップS208)、生成データから送信データを構成する(ステップS209)。
【0079】
該当フレーム番号における該当データの送信種別判定(ステップS206)で送信種別が「減算」でない場合は、送信種別が「保持」になるので、正常時最終データの該当位置とサイズのデータを取得し、送信データを更新する(ステップS210)。ステップS202、または、ステップS209、ステップS210実施後、一通信フレーム分の送信データを構成完了したか判定し(ステップS203)、まだ構成完了してない場合には、生成データオフセットをインクリメントし(ステップS205)、ステップS201に戻り、順次ステップS201から処理を実行する。フレーム分送信データを構成完了したか判定(ステップS203)で、完了している場合には、次に送信する通信フレームをカウントするためのフレーム番号をインクリメントする(ステップS204)。
【0080】
そして、データコントロールテーブル700に規定された全ての通信フレームのフレームの生成を完了したかを判定し、完了してないときには、ステップS201に戻り、順次ステップS201から処理を実行し、完了したときには、処理を終了する。
【0081】
以上のように、本実施形態では、図5に示されたデータコントロールテーブル700、データテーブル701の二つのテーブルデータを用いることにより、駆動用デバイス50に対して、システムエラー発生から通信周期500回分で、減速停止し、1000回目で、モータ非通電状態となるデータを送信する。また、トルク制限値を、システムエラー発生から、10%程度と低い値に設定することにより、万が一ワークと装置が接触した場合に、破壊せず停止することができる。
【0082】
〔実施形態2〕
以下、本発明に係る第一の実施形態を、図9ないし図13を用いて説明する。
【0083】
第一の実施形態では、通信ライン1に駆動用デバイス50が接続され、通信ライン2に入出力用デバイス51が接続されたシステムで、通信ライン1に接続された通信処理部30でエラーがおこったときの制御の例を説明した。
【0084】
本実施形態では、一つの通信ライン1に駆動用デバイス50と、周辺機器として入力用デバイス、出力用デバイスが接続されており、制御システムコントローラ内のシステムエラー発生時に周辺機器と駆動用デバイスを同期させることで、駆動用デバイスと周辺機器との干渉を回避するなど、システム全体として安全に停止することが可能な制御システムを説明する。
【0085】
本実施形態は、モータの電磁石形成などのために、電線をワークに巻きつけて、巻線を形成し、システムの制御により電線を巻き終えると切断することのできる制御システムである。
【0086】
先ず、図9を用いて本発明の第二の実施形態に係る制御システムの構成について説明する。
図9は、本発明の第二の実施形態に係る制御システム全体の構成図である。
【0087】
本実施形態の制御システムは、図9に示されるように、制御システムコントローラ10の通信ライン1に駆動用デバイス60、出力用デバイス61、出力用デバイス62、入力用デバイス63が接続されている。
【0088】
駆動用デバイス60は、サーボアンプとサーボモータからなるサーボ系であり、電線を巻く動力となるデバイスである。
【0089】
出力用デバイス61は、電線をカットするエアシリンダである。エアシリンダの先端部には、切断刃が取り付けられており、制御システムコントローラ10からの電線切断指令により、図示しなかったが、可動部のピストンが一往復して、電線を切断するようになっている。
【0090】
出力用デバイス62は、インデックステーブルである。インデックステーブルは、電線の巻き位置を記憶するための装置である。
【0091】
入力用デバイス63は、センサである。センサは、電線の巻き取り状態を検知する。
【0092】
また、本実施形態に係る制御システムコントローラ10の構成は、第一の実施形態の図2で示したものと同様である。
【0093】
次に、図10を用いて駆動用デバイス60の制御のモデルについて説明する。
図10は、制御システムコントローラ10が駆動用デバイス50、出力用デバイス61、出力用デバイス62を制御するときの様子を示す図である。
【0094】
ここで、図10(a)が、制御システムコントローラ10から駆動用デバイス60に与える指令速度と時間の関係を表しおり、図10(b)が、出力用デバイス61の運転状態、図10(c)が、出力用デバイス62の運転状態を示している。
【0095】
この制御システムは、図9に示した構成により、サーボ系である駆動用デバイス60により、電線をワークに巻きつけ、巻きつけを完了したときに、エアシリンダ(出力デバイス61)により電線を切断し、ワークの載っているインデックステーブル(出力デバイス62)を回転させる巻き線システムである。
【0096】
本実施形態でも、図9に示されるように、通信ライン1を介して駆動用デバイス60として、サーボアンプとサーボモータが接続されており、このサーボモータの回転により、電線をワークに巻きつける。通常時は、運転パターン800となり、システムシステムエラーが発生した場合には、減速パターン805に示されるように制御システムコントローラ10から駆動用デバイス60を通信フレームを送信する一定の回数分の送信周期がたったとき減速するように制御する。この制御は、第一の実施形態と同様の考えに基づくものである。
【0097】
通常時のシステムの運行では、図10(b)に示されるように、エアシリンダにより電線をきる運転パターン801、図10(c)に示されるように、インデックステーブルを回転する運転パターン802となる。
【0098】
電線を巻いている最中に、システムエラーが発生した場合(タイミング804)、従来技術では、システムエラー時に、周辺機器と駆動用デバイスの同期を取りながら安全に停止をすることができないため、電線を切断せずにサーボモータを停止することになり、このような場合には、電線がワークに絡まり、復旧に時間がかかってしまう可能性がある。
【0099】
本実施形態では、システムエラー発生後、制御システムコントローラから、出力用デバイス61(エアーシリンダ)に対して、すぐに電線切断を指令を与え(運転パターン806)、駆動用デバイス(サーボ系)に対して、減速指令を与えて(運転パターン805)、出力用デバイス62(インデックステーブル)に対して、インデックステーブル回転指令を与える(運転パターン807)。このように、システムエラーが発生しても、動作をシーケンシャルに実施することができ、上述の問題を解決することができる。
【0100】
次に、図11ないし図13を用いて、本発明の第二の実施形態に係る制御システムで用いられるデータ構造について説明する。
図11は、制御システムコントローラ10と駆動用デバイス60、出力用デバイス61、出力用デバイス62、入力用デバイス63間でやりとりされる通信フレームのフォーマットを示す図である。
図12は、データコントロールテーブル1000とデータテーブル1001の一例を示す図である。
図13は、データコントロールテーブル1000とデータテーブル1001より生成される通信フレームのデータ部の一例を示した図である。
【0101】
通信フレーム900は、図11(a)に示されるフォーマットを有し、制御システムコントローラ10から駆動用デバイス60、出力用デバイス61、出力用デバイス62に送信されるフレームである。通信フレーム901は、図11(b)に示されるフォーマットを有し、制御システムコントローラ10が駆動用デバイス60、入力用デバイス63から受信するフレームである。
【0102】
通信フレーム900は、ヘッダ、データ、CRCのフィールド構成よりなる。ヘッダと、CRCのフィールドは、第一の実施形態の図4(a)と同様である。
【0103】
通信フレーム900のデータは、サーボコントロールデータ、サーボ速度指令、エアシリンダ制御情報、インデックステーブル制御情報のフィールド構成よりなる。
【0104】
サーボコントロールデータは、サーボ系である駆動用デバイス60に与える指令を示すデータである。例えば、値が1のとき、サーボモータ通電、値が0のとき、サーボモータ非通電とする。
【0105】
サーボ速度指令は、サーボモータの速度を指定する。
【0106】
なお、ここでは、第一の実施形態のように、サーボ正転側トルク制限とサーボ逆転側トルク制限のフィールドはないが、これらをデータの領域に含めることも可能である。
【0107】
エアシリンダ制御情報は、出力用デバイス61のエアシリンダに与える指令を示すデータであり、例えば、値が1のとき、電線切断、値が0のとき、指令なしとする。
【0108】
インデックステーブル制御情報は、出力用デバイス62のインデックステーブルに与える指令を示すデータであり、例えば、値が1のとき、インデックステーブル回転、値が0のとき、指令なしとする。
【0109】
通信フレーム901は、ヘッダ、データ、CRCのフィールド構成よりなる。ヘッダと、CRCの意味は、通信フレーム900と同様である。
【0110】
通信フレーム901のデータは、サーボスーテタスデータ、サーボ現在速度、サーボ現在位置、センサ入力情報のフィールド構成よりなる。
【0111】
サーボスーテタスデータは、サーボ系である駆動用デバイス60の現在の状態を示すデータである。
【0112】
サーボ現在速度指令は、サーボモータの現在の速度を示すデータである。
【0113】
サーボ現在位置は、サーボモータの現在の位置を示すデータである。
【0114】
センサ入力情報は、巻き線の巻き取り状態をセンサで検知した情報を示すデータである。
【0115】
データコントロールテーブル1000と、データテーブル1001は、図2に示された送信データメモリB302に予め設定されているテーブルであり、システムエラー発生したときには、送信データ生成処理部は、この両者を組み合わせて、通信フレームのデータを生成することは、第一の実施形態と同様である。
【0116】
データコントロールテーブル1000は、通信フレームを作成するときの制御の仕方を表すテーブルであり、図12(a)に示されるように、開始フレーム番号、終了フレーム番号、データオフセット、データサイズ、送信種別、データ数のフィールド構成よりなることは、第一の実施形態の図5(a)で示したデータコントロールテーブル700と同様であり、各フィールドの意味も同様である。
【0117】
データテーブル1001は、通信フレームを作成するときのデータの元になるテーブルであり、図12(b)に示されるように、フレーム番号、送信データオフセット[0]〜[7]のフィールド構成よりなることは、第一の実施形態の図5(b)で示したデータテーブル1001と同様であり、各フィールドの意味も同様である。
【0118】
次に、図13を用いて、データコントロールテーブル1000とデータテーブル1001より生成される通信フレームのデータ部の具体例について説明する。
【0119】
ここで、本実施形態の制御システムは、システムエラー時に定速度で駆動用デバイス50のサーボモータが運転しているものとし、システムエラー発生前の正常時の最終送信フレームのデータの値は、サーボコントロールデータが「モータ通電(1)」、サーボ速度指令が「500rpm」であるとする。
【0120】
フレーム番号1〜550までのサーボコントロールデータは、データコントロールテーブル1000の第一番目のエントリーが「保持」になっており、システムエラー発生前の正常時の最終送信フレームのサーボコントロールデータが「モータ通電(1)」になっているので、生成する通信フレームのサーボコントロールデータは、この値が格納される。
【0121】
そして、フレーム番号551〜1000のサーボコントロールデータは、データコントロールテーブル1000の第二番目のエントリーの送信種別が「メモリ送信」になっているので、該当するデータテーブルの値により「モータ非通電(0)」となる。
【0122】
次に、フレーム番号1〜500までのサーボ速度指令としては、データコントロールテーブル1000の第三番目のエントリーが送信種別が「減算」、データ数「500」になっており、システムエラー発生前の正常時の最終送信フレームのサーボ速度指令が「500rpm」になっているので、システムエラー発生前の正常時の最終送信フレームのサーボ速度指令の速度から、一定の値を順次引いた速度を、生成する通信フレームのサーボ速度指令に格納する。
【0123】
具体的には、上述の(式1)によって、サーボ速度指令を計算し、第一の実施形態と同様に、フレーム番号1のサーボ速度指令は「499」、フレーム番号2のサーボ速度指令は「498」、…、フレーム番号499のサーボ速度指令は「1」、フレーム番号500のサーボ速度指令は「0」となる。このサーボ速度指令の値は、図10に示した減速パターン805に対応するものである。
【0124】
これ以降のフレーム番号501〜1000までのサーボ速度指令としては、データコントロールテーブル700の第四番目のエントリーが送信種別が「メモリ演算」になっており、該当するデータテーブル701の値が「0」になっているので、0とする。
【0125】
本実施形態では、サーボ速度指令「0」を与えた後の50フレーム後にモータ非通電指令が与えられるようにしている。
【0126】
次に、フレーム番号1〜1000までのエアシリンダ制御情報としては、データコントロールテーブル1000の第五番目のエントリーの送信種別が「メモリ送信」になっているので、該当するデータテーブルの値のフレーム番号1〜3の値により「電線切断」の指令がエアシリンダに送られる。これは、システムエラーが起こったときには、電線の巻き取りの異常をできるだけ防止するために、すぐに巻き線を切断することを意味する。
【0127】
次に、フレーム番号1〜1000までのインデックステーブル制御情報としては、データコントロールテーブル1000の第六番目のエントリーの送信種別が「メモリ送信」になっているので、該当するデータテーブルの値のフレーム番号550〜552の値により「インデックステーブル回転」の指令がインデックステーブルに送られる。これは、モータが非通電にしたときの最終的な電線の巻き位置を記憶するためである。
【0128】
なお、本発明の第二の実施形態に係る制御システムコントローラの処理は、図7および図8により説明した第一の実施形態に係る制御システムコントローラの処理と同様である。
【0129】
上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0130】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【符号の説明】
【0131】
10…制御システムコントローラ
20…制御処理部
30,40…通信制御部
301,401…送信データメモリA
302,402…送信データメモリB
303,403…受信データメモリ
304,404…異常検出処理部
305,405…送受信処理部
306,406…送信データ生成処理部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システムコントローラに係り、特に、システムエラーが生じたときに、接続された駆動用デバイスを安全に停止させる用途に用いて好適な制御システムコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
産業用に広く使われている駆動システムとして、システムコントローラに、サーボアンプとサーボモータを接続する構成が広く知られている。例えば、特許文献1には、システムコントローラが、数値制御装置であり、各々の通信ラインに、サーボアンプとサーボモータが複数接続される制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−339358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には、システムコントローラとしての数値制御装置と、その数値制御装置に接続されているサーボアンプ間における通信異常時、およびその数値制御装置内のシステムエラー時におけるサーボアンプの制御について記載されている。
【0005】
この特許文献1では、エラーが発生した場合に、「複数のシリアルバスに接続されるサーボアンプで駆動されるサーボモータの制御において、通信異常が発生したシリアルバスに接続されるサーボアンプへの出力を0」とすると記載されている(要約等)。
【0006】
しかしながら、特許文献1のサーボモータ制御システムでは、システムエラーが発生したときには、CPU2からシステム通信回路3への制御データが更新されないので、通信データを停止するか、サーボアンプへの出力を0にするかの選択しかできない。このようなシステムコントローラでは、内部システムエラー時には、サーボアンプで駆動しているサーボモータの制御ができないため、急停止や減速停止といった安全のために必要な制御をおこなうことができない。
【0007】
また、このサーボモータ制御システムでは、システムエラー時に、サーボアンプにより駆動しているサーボモータと入出力制御による周辺機器との同期がとれないため、周辺装置の位置によっては、機械やワークを破壊してしまい、システム全体を安全に停止することはできないという問題点もある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、駆動用デバイスを含む制御システムを制御するための制御システムコントローラにおいて、内部システムエラーが発生した場合においても、安全にシステムが停止できるデータを生成し、接続されているデバイスに送信できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の制御システムコントローラは、通信ラインを介して接続されるデバイスとのデータの送受信をおこなう通信処理部と、接続されるデバイスへの送信データを生成する制御処理部とを備えており、通信処理部は、制御処理部から送られる送信データを記憶する第一の送信データメモリと、第一の送信データメモリにおける送信データの更新の異常を検出する異常検出処理部と、異常検出時の送信データを生成するためのデータを記憶する第二の送信データメモリと、異常検出時に異常時用の送信データを生成する送信データ生成処理部とを有している。
【0010】
そして、異常検出処理部が、第一の送信データメモリにおける制御処理部からの送信データの更新の異常を検出したときに、送信データ生成処理部は、第二の送信データメモリに記憶されているデータに基づき、異常検出時の送信データを生成し、通信処理部により、接続されているデバイスに異常検出時の送信データを送信する。
【0011】
ここで、接続されているデバイスは、例えば、サーボモータを含むサーボ系の駆動用デバイスであり、異常検出時には、サーボモータの回転速度を徐々に減少させていくよう制御する送信データを生成する。また、異常検出時には、正常時のトルク制限よりも小さなトルク制限の送信データを生成する。
【0012】
また、接続されているデバイスは、例えば、サーボモータを含むサーボ系の駆動用デバイスと、それに同期して動作する入出力デバイスであるとき、駆動用デバイスと同期した生成データを生成する。
【0013】
これにより、例えば、内部システムエラー時、サーボアンプに対しては、減速停止コマンドデータまたは、滑らかに減速停止可能な速度指令値を送信して、システムを安全に停止することを可能とする。また、システムエラー発生時、サーボモータによるワークの移動方向上から、即座に周辺装置を退避するデータを送信することにより、ワークと機械の接触を回避することを可能とする。
【0014】
この構成によれば、制御システムコントローラ内部システムエラー時に、接続されている駆動用デバイスを安全に減速することができ、また、周辺装置と駆動用デバイスの同期をとりながら安全に停止することができる。また、本発明は、従来の構成からメモリと簡単な処理部のみを追加することにより、実現することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、駆動用デバイスを含む制御システムを制御するための制御システムコントローラにおいて、内部システムエラーが発生した場合においても、安全にシステムが停止できるデータを生成し、接続されているデバイスに送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る制御システム全体の構成図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る制御システムコントローラ10の構成図である。
【図3】制御システムコントローラ10が駆動用デバイス50を制御するときの様子を示す図である。
【図4】制御システムコントローラ10と駆動用デバイス50間でやりとりされる通信フレームのフォーマットを示す図である。
【図5】データコントロールテーブル700とデータテーブル701の一例を示す図である。
【図6】データコントロールテーブル700とデータテーブル701より生成される通信フレームのデータ部の一例を示した図である。
【図7】制御システムコントローラのシステムエラーに関する処理を示すフローチャートである。
【図8】送信データ生成処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第二の実施形態に係る制御システム全体の構成図である。
【図10】制御システムコントローラ10が駆動用デバイス50、出力用デバイス61、出力用デバイス62を制御するときの様子を示す図である。
【図11】制御システムコントローラ10と駆動用デバイス60、出力用デバイス61、出力用デバイス62、入力用デバイス63間でやりとりされる通信フレームのフォーマットを示す図である。
【図12】データコントロールテーブル1000とデータテーブル1001の一例を示す図である。
【図13】データコントロールテーブル1000とデータテーブル1001より生成される通信フレームのデータ部の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る各実施形態を、図1ないし図13を用いて説明する。
【0018】
〔実施形態1〕
以下、本発明に係る第一の実施形態を、図1ないし図8を用いて説明する。
【0019】
本実施形態では、駆動用デバイスとしてサーボ系が接続された制御システムであって、制御システムコントローラ内のシステムエラー発生時に、サーボモータを安全な減速停止を実施することのできる制御システムコントローラの例について説明する。
【0020】
先ず、図1および図2を用いて本発明の第一の実施形態に係る制御システムの構成について説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る制御システム全体の構成図である。
図2は、本発明の第一の実施形態に係る制御システムコントローラ10の構成図である。
【0021】
本実施形態の制御システムは、図1に示されるように、制御システムコントローラ10の通信ライン1に駆動用デバイス50が接続されており、通信ライン2に入出力用デバイス51が接続されている。
【0022】
駆動用デバイスは、例えば、サーボアンプとサーボモータで構成されたサーボ系であり、入出力用デバイスは、通信ライン1に接続されている駆動用デバイスは別個に制御されるデバイスであり、例えば、エアシリンダやエアバルブ、センサなどである。
【0023】
制御システムコントローラ10は、制御処理部20と、各々の通信ライン毎に設けられる通信制御部30、40から構成される。
【0024】
制御処理部20は、接続されるデバイスを制御するための送信データを生成する機能を有する。通信制御部30、40は、各々通信ライン1、2に接続されている接続デバイスにデータを送信し、その接続デバイスからデータを受信する機能を有する。この通信制御部は、制御処理部20とバスで接続されており、通信ライン毎に複数実装可能である。
【0025】
次に、通信制御部の内部構成について説明する。ここでは、通信ライン1に接続されている通信制御部30を例にとり説明することにする。通信ライン2に接続されている通信制御部40も同様である。制御システムコントローラが正常に動作しているときには、送信データは、制御処理部20から送信データメモリA301に定周期で更新される。定周期の更新されていることは、異常検出処理部304により監視してその異常を判定する。制御処理部20から送信データメモリA301に送信データが定周期で更新されている場合には、通信制御部30は、送信データメモリA301内のデータを送受信処理部305に転送する。
【0026】
送信データメモリA301に送信データが定周期で更新されていない場合には、送信データ生成処理部306が、異常時用の送信データを生成するためのデータを、送信データメモリB302から取得して、送信データを生成し、送受信処理部305に転送する。異常時用の送信データを生成するためのデータのデータ構造と、それから送信データを生成する処理については、後に説明する。
【0027】
送信データメモリB302に格納されている異常時用の送信データを生成するためのデータは、電源投入時または各運転状態にあわせて、制御処理部20から予め設定しておく。送受信処理部305は、異常検出処理部304により転送された送信データから送信する通信フレーム(後述、以下「送信フレーム」ともいう)を生成し、接続デバイスへ送信し、接続デバイスから戻ってきたデータを受信データメモリ303に転送する。
【0028】
次に、図3を用いて駆動用デバイス50の制御のモデルについて説明する。
図3は、制御システムコントローラ10が駆動用デバイス50を制御するときの様子を示す図である。ここで、図3(a)が、制御システムコントローラ10から駆動用デバイス50に与える指令速度と時間の関係を表しおり、図3(b)が、サーボモータの通電状態を示している。
【0029】
本実施形態では、図1に示されるように、通信ライン1を介して駆動用デバイス50として、サーボアンプとサーボモータが接続されており、このサーボモータにより、重量物の搬送するモデルを考える。通常時は、運転パターン500となり、時間toでモータ通電状態になってから定速度voになり、やがて減速停止する。
【0030】
ここで、搬送中の時間t1にシステムエラーが発生した場合には、従来技術の駆動用デバイスへの出力を0にする制御では、減速パターン501となり、時間t2で速度が0になる。
【0031】
本実施形態では、搬送中の時間t1にシステムエラーが発生した場合には、本実施形態では、減速パターン502に示されるように制御システムコントローラ10から駆動用デバイス50を通信フレームを送信する送信周期500回分たったとき(時間t3)で、速度voから0に減速するように制御する。そして、一定の通信周期(図3では、499回分)たった時間t4に、モータを非通電状態にする。ここで、一定の通信周期の後に、モータを非通電状態とするのは、制御システムコントローラ10が指令を与えてから駆動用デバイス50が動作するにはある程度タイムラグがあるためと、システムに負荷をかけないように、ある程度余裕をもってモータの通電を制御するためである。
【0032】
このように、従来技術では、急停止してしまい、ワークや機械に急激な負荷がかかるが、本実施形態では、システムエラー発生から通信周期500回たった時間t3で減速停止し、その後、通信周期499回たった時間t4にモータ非通電状態となっており、異常時においても急停止せず、緩やかに安全に停止することができる。
【0033】
次に、図4ないし図6を用いて、本発明の第一の実施形態に係る制御システムで用いられるデータ構造について説明する。
図4は、制御システムコントローラ10と駆動用デバイス50間でやりとりされる通信フレームのフォーマットを示す図である。
図5は、データコントロールテーブル700とデータテーブル701の一例を示す図である。
図6は、データコントロールテーブル700とデータテーブル701より生成される通信フレームのデータ部の一例を示した図である。
【0034】
通信フレーム600は、図4(a)に示されるフォーマットを有し、制御システムコントローラ10から駆動用デバイス50に送信されるフレームである。通信フレーム601は、図4(b)に示されるフォーマットを有し、制御システムコントローラ10が駆動用デバイス50から受信するフレームである。
【0035】
通信フレーム600は、ヘッダ、データ、CRCのフィールド構成よりなる。ヘッダは、通信フレームとしての管理情報を格納する。CRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)は、通信フレームのエラーを検出するためのコードである。
【0036】
通信フレーム600のデータは、サーボコントロールデータ、サーボ速度指令、サーボ正転側トルク制限、サーボ逆転側トルク制限のフィールド構成よりなる。
【0037】
サーボコントロールデータは、サーボ系である駆動用デバイス50に与える指令を示すデータである。例えば、値が1のとき、サーボモータ通電、値が0のとき、サーボモータ非通電とする。
【0038】
サーボ速度指令は、サーボモータの速度を指定するデータである。
【0039】
サーボ正転側トルク制限は、サーボモータに過負荷を与えないようにするためのモータの回転を強めるときのトルクの制限を示すデータである。サーボアンプは、サーボモータにこれ以上のトルクがかからないようにサーボモータへの電流を制限する。
【0040】
サーボ逆転側トルク制限は、サーボモータに過負荷を与えないようにするためのモータの回転を弱めるときのトルクの制限を示すデータである。サーボアンプは、サーボモータにこれ以上のトルクがかからないようにサーボモータへの電流を制限する。
【0041】
通信フレーム601は、ヘッダ、データ、CRCのフィールド構成よりなる。ヘッダと、CRCの意味は、通信フレーム600と同様である。
【0042】
通信フレーム601のデータは、サーボスーテタスデータ、サーボ現在速度、サーボ現在位置のフィールド構成よりなる。
【0043】
サーボスーテタスデータは、サーボ系である駆動用デバイス50の現在の状態を示すデータである。
【0044】
サーボ現在速度指令は、サーボモータの現在の速度を示すデータである。
【0045】
サーボ現在位置は、サーボモータの現在の位置を示すデータである。
【0046】
データコントロールテーブル700と、データテーブル701は、図2に示された送信データメモリB302に予め設定されているテーブルであり、システムエラー発生したときには、送信データ生成処理部は、この両者を組み合わせて、通信フレームのデータを生成する。
【0047】
データコントロールテーブル700は、通信フレームの送信データを作成するときの制御の仕方を表すテーブルであり、図5(a)に示されるように、開始フレーム番号、終了フレーム番号、データオフセット、データサイズ、送信種別、データ数のフィールド構成よりなる。
【0048】
開始フレーム番号と終了フレーム番号は、データテーブル701のフレーム番号に対応しており、データテーブル701の開始フレーム番号と終了フレーム番号間のフレーム番号の示されるフレームに対して、同じ処理をすることを示している。データオフセット、データサイズは、図4(a)に示された通信フレーム600のフォーマットのデータ部におけるデータオフセットとデータサイズに値を格納することを示している。
【0049】
送信種別は、データテーブル701上のデータを加工する方法を示すものであり、「メモリ送信」、「減算」、「保持」を設定可能とする。
【0050】
送信種別が「メモリ送信」のときは、該当するフレーム番号のデータオフセット、データサイズに示されたエリアの値をそのまま用いる。
【0051】
送信種別が「減算」のときは、正常時の最新送信データから、項目データ数で割った値を一つずつ減算したデータを生成して、該当するフレーム番号のデータオフセット、データサイズに示されたエリアに格納する。
【0052】
送信種別が「保持」のときは、該当するフレーム番号のデータオフセット、データサイズに示されたエリアの異常発生前の正常時最終送信データを用いる。
【0053】
データ数は、送信種別が「減算」のときに用いられるパラメタである。
【0054】
データテーブル701は、通信フレームを作成するときのデータの元になるテーブルであり、図5(b)に示されるように、フレーム番号、送信データオフセット[0]〜[7]のフィールド構成よりなる。
【0055】
フレーム番号は、連番になっており、フレーム番号1から順番に、送信される通信フレームのためのデータを生成する。
【0056】
送信データオフセット[0]〜[7]は、図4に示された通信フレームのデータ部のバイト位置に対応している。
【0057】
次に、図6を用いてデータコントロールテーブル700とデータテーブル701より生成される通信フレームのデータ部の具体例について説明する。
【0058】
ここで、本実施形態の制御システムは、システムエラー時に定速度で駆動用デバイス50のサーボモータが運転しているものとし、システムエラー発生前の正常時の最終送信フレームのデータの値は、サーボコントロールデータが「モータ通電(1)」、サーボ速度指令が「500rpm」、サーボ正転側トルク制限が「200%」、サーボ逆転側トルク制限が「200%」であるとする。
【0059】
フレーム番号1〜999までのサーボコントロールデータは、データコントロールテーブル700の第一番目のエントリーが「保持」になっており、システムエラー発生前の正常時の最終送信フレームのサーボコントロールデータが「モータ通電(1)」になっているので、生成する通信フレームのサーボコントロールデータは、この値が格納される。
【0060】
そして、フレーム番号1000のサーボコントロールデータは、データコントロールテーブル700の第二番目のエントリーの送信種別が「メモリ送信」になっているので、該当するデータテーブル701の値により「モータ非通電(0)」となる。
【0061】
次に、フレーム番号1〜500までのサーボ速度指令としては、データコントロールテーブル700の第三番目のエントリーが送信種別が「減算」、データ数「500」になっており、システムエラー発生前の正常時の最終送信フレームのサーボ速度指令が「500rpm」になっているので、システムエラー発生前の正常時の最終送信フレームのサーボ速度指令の速度から、一定の値を順次引いた速度を、生成する通信フレームのサーボ速度指令に格納する。
【0062】
具体的には、以下の(式1)によって、サーボ速度指令を計算する。
生成データ=前回送信データ−(正常時最終送信データ/データ数) …(式1)
これにより、フレーム番号1のサーボ速度指令は「499」、フレーム番号2のサーボ速度指令は「498」、…、フレーム番号499のサーボ速度指令は「1」、フレーム番号500のサーボ速度指令は「0」となる。このサーボ速度指令の値は、図3に示した減速パターン502に対応するものである。
【0063】
これ以降のフレーム番号501〜1000までのサーボ速度指令としては、データコントロールテーブル700の第四番目のエントリーが送信種別が「メモリ演算」になっており、該当するデータテーブル701の値が「0」になっているので、0とする。
【0064】
このようにサーボコントロールデータとサーボを設定するのは、駆動用デバイス50のサーボモータが運転してるときには、その状態をしばらく維持して運転して、速度を徐々に落として安全に停止するためである。
【0065】
次に、フレーム番号1〜998までのサーボ正転側トルク制限は、データコントロールテーブル700の第五番目のエントリーが「メモリ送信」になっており、該当するデータテーブル701の値が「10%」になっているので、この値が設定される。同様に、フレーム番号999のサーボ正転側トルク制限は、該当するデータテーブル701の値の「5%」が設定され、フレーム番号1000のサーボ正転側トルク制限は、該当するデータテーブル701の値の「0%」が設定される。
【0066】
これは、システムに異常がおこったときには、トルク制限を厳しくするものである。
【0067】
サーボ逆転側トルク制限も、データコントロールテーブル700の第六番目のエントリーにより、同様に設定される。
【0068】
次に、図7および図8を用いて、本発明の第一の実施形態に係る制御システムコントローラの処理について説明する。
図7は、制御システムコントローラのシステムエラーに関する処理を示すフローチャートである。
図8は、送信データ生成処理を示すフローチャートである。
【0069】
先ず、送信データメモリA301における制御処理部20からの更新の有無を判定する(ステップS101)。
【0070】
制御処理部20からデータ更新がある場合には、更新周期チェック用カウンタをクリアし(ステップS106)、制御処理部20から更新された送信データメモリAから正常時用データを送受信データ処理部305へ転送する(ステップS107)。
【0071】
制御処理部20からデータ更新がない場合には、更新周期チェック用カウンタをインクリメントとする(ステップS102)。
【0072】
そして、更新周期チェック用カウンタが異常しきい値を超過しているか否かを判定し(ステップS103)、超過していない場合には、ステップS101に戻る。超過している場合には、送信データ生成処理306が送信データ生成処理により、異常時用データを生成する(ステップS104)。送信データ生成処理は、後に詳細に説明する。
【0073】
そして、生成したデータを送受信データ処理部305に転送し(ステップS105)、処理を終了する。
【0074】
次に、図7の送信データ生成処理S104について詳細に説明する。。
【0075】
送信データ生成処理S104は、送信データ生成処理部306により、図5に示されたデータコントロールテーブル700、データテーブル701からシステムエラー発生後に、送信する通信フレームの送信データを生成する処理である。
【0076】
送信データ生成処理部306は、送信される通信フレームの順にデータを構成していく。
【0077】
先ず、図5(a)のデータコントロールテーブル700から、該当フレーム番号における該当データの送信種別を判定し(ステップS201)、「メモリ送信」であれば、図5(b)のデータテーブル701から該当するフレーム番号および該当データ(データオフセット、データサイズで示される)を取得し、該当位置の送信データを構成する(ステップS202)。
【0078】
該当フレーム番号における該当データの送信種別判定(ステップS201)で、送信種別が「メモリ送信」でない場合、送信種別を判定し(ステップS206)、「減算」であれば、前回送信データと正常時最終送信データを取得し(ステップS207)、正常時最終データを図5(a)のデータコントロールテーブル700にあるデータ数で除算した値を、前回送信データから減算し、算出された値を生成データとし(ステップS208)、生成データから送信データを構成する(ステップS209)。
【0079】
該当フレーム番号における該当データの送信種別判定(ステップS206)で送信種別が「減算」でない場合は、送信種別が「保持」になるので、正常時最終データの該当位置とサイズのデータを取得し、送信データを更新する(ステップS210)。ステップS202、または、ステップS209、ステップS210実施後、一通信フレーム分の送信データを構成完了したか判定し(ステップS203)、まだ構成完了してない場合には、生成データオフセットをインクリメントし(ステップS205)、ステップS201に戻り、順次ステップS201から処理を実行する。フレーム分送信データを構成完了したか判定(ステップS203)で、完了している場合には、次に送信する通信フレームをカウントするためのフレーム番号をインクリメントする(ステップS204)。
【0080】
そして、データコントロールテーブル700に規定された全ての通信フレームのフレームの生成を完了したかを判定し、完了してないときには、ステップS201に戻り、順次ステップS201から処理を実行し、完了したときには、処理を終了する。
【0081】
以上のように、本実施形態では、図5に示されたデータコントロールテーブル700、データテーブル701の二つのテーブルデータを用いることにより、駆動用デバイス50に対して、システムエラー発生から通信周期500回分で、減速停止し、1000回目で、モータ非通電状態となるデータを送信する。また、トルク制限値を、システムエラー発生から、10%程度と低い値に設定することにより、万が一ワークと装置が接触した場合に、破壊せず停止することができる。
【0082】
〔実施形態2〕
以下、本発明に係る第一の実施形態を、図9ないし図13を用いて説明する。
【0083】
第一の実施形態では、通信ライン1に駆動用デバイス50が接続され、通信ライン2に入出力用デバイス51が接続されたシステムで、通信ライン1に接続された通信処理部30でエラーがおこったときの制御の例を説明した。
【0084】
本実施形態では、一つの通信ライン1に駆動用デバイス50と、周辺機器として入力用デバイス、出力用デバイスが接続されており、制御システムコントローラ内のシステムエラー発生時に周辺機器と駆動用デバイスを同期させることで、駆動用デバイスと周辺機器との干渉を回避するなど、システム全体として安全に停止することが可能な制御システムを説明する。
【0085】
本実施形態は、モータの電磁石形成などのために、電線をワークに巻きつけて、巻線を形成し、システムの制御により電線を巻き終えると切断することのできる制御システムである。
【0086】
先ず、図9を用いて本発明の第二の実施形態に係る制御システムの構成について説明する。
図9は、本発明の第二の実施形態に係る制御システム全体の構成図である。
【0087】
本実施形態の制御システムは、図9に示されるように、制御システムコントローラ10の通信ライン1に駆動用デバイス60、出力用デバイス61、出力用デバイス62、入力用デバイス63が接続されている。
【0088】
駆動用デバイス60は、サーボアンプとサーボモータからなるサーボ系であり、電線を巻く動力となるデバイスである。
【0089】
出力用デバイス61は、電線をカットするエアシリンダである。エアシリンダの先端部には、切断刃が取り付けられており、制御システムコントローラ10からの電線切断指令により、図示しなかったが、可動部のピストンが一往復して、電線を切断するようになっている。
【0090】
出力用デバイス62は、インデックステーブルである。インデックステーブルは、電線の巻き位置を記憶するための装置である。
【0091】
入力用デバイス63は、センサである。センサは、電線の巻き取り状態を検知する。
【0092】
また、本実施形態に係る制御システムコントローラ10の構成は、第一の実施形態の図2で示したものと同様である。
【0093】
次に、図10を用いて駆動用デバイス60の制御のモデルについて説明する。
図10は、制御システムコントローラ10が駆動用デバイス50、出力用デバイス61、出力用デバイス62を制御するときの様子を示す図である。
【0094】
ここで、図10(a)が、制御システムコントローラ10から駆動用デバイス60に与える指令速度と時間の関係を表しおり、図10(b)が、出力用デバイス61の運転状態、図10(c)が、出力用デバイス62の運転状態を示している。
【0095】
この制御システムは、図9に示した構成により、サーボ系である駆動用デバイス60により、電線をワークに巻きつけ、巻きつけを完了したときに、エアシリンダ(出力デバイス61)により電線を切断し、ワークの載っているインデックステーブル(出力デバイス62)を回転させる巻き線システムである。
【0096】
本実施形態でも、図9に示されるように、通信ライン1を介して駆動用デバイス60として、サーボアンプとサーボモータが接続されており、このサーボモータの回転により、電線をワークに巻きつける。通常時は、運転パターン800となり、システムシステムエラーが発生した場合には、減速パターン805に示されるように制御システムコントローラ10から駆動用デバイス60を通信フレームを送信する一定の回数分の送信周期がたったとき減速するように制御する。この制御は、第一の実施形態と同様の考えに基づくものである。
【0097】
通常時のシステムの運行では、図10(b)に示されるように、エアシリンダにより電線をきる運転パターン801、図10(c)に示されるように、インデックステーブルを回転する運転パターン802となる。
【0098】
電線を巻いている最中に、システムエラーが発生した場合(タイミング804)、従来技術では、システムエラー時に、周辺機器と駆動用デバイスの同期を取りながら安全に停止をすることができないため、電線を切断せずにサーボモータを停止することになり、このような場合には、電線がワークに絡まり、復旧に時間がかかってしまう可能性がある。
【0099】
本実施形態では、システムエラー発生後、制御システムコントローラから、出力用デバイス61(エアーシリンダ)に対して、すぐに電線切断を指令を与え(運転パターン806)、駆動用デバイス(サーボ系)に対して、減速指令を与えて(運転パターン805)、出力用デバイス62(インデックステーブル)に対して、インデックステーブル回転指令を与える(運転パターン807)。このように、システムエラーが発生しても、動作をシーケンシャルに実施することができ、上述の問題を解決することができる。
【0100】
次に、図11ないし図13を用いて、本発明の第二の実施形態に係る制御システムで用いられるデータ構造について説明する。
図11は、制御システムコントローラ10と駆動用デバイス60、出力用デバイス61、出力用デバイス62、入力用デバイス63間でやりとりされる通信フレームのフォーマットを示す図である。
図12は、データコントロールテーブル1000とデータテーブル1001の一例を示す図である。
図13は、データコントロールテーブル1000とデータテーブル1001より生成される通信フレームのデータ部の一例を示した図である。
【0101】
通信フレーム900は、図11(a)に示されるフォーマットを有し、制御システムコントローラ10から駆動用デバイス60、出力用デバイス61、出力用デバイス62に送信されるフレームである。通信フレーム901は、図11(b)に示されるフォーマットを有し、制御システムコントローラ10が駆動用デバイス60、入力用デバイス63から受信するフレームである。
【0102】
通信フレーム900は、ヘッダ、データ、CRCのフィールド構成よりなる。ヘッダと、CRCのフィールドは、第一の実施形態の図4(a)と同様である。
【0103】
通信フレーム900のデータは、サーボコントロールデータ、サーボ速度指令、エアシリンダ制御情報、インデックステーブル制御情報のフィールド構成よりなる。
【0104】
サーボコントロールデータは、サーボ系である駆動用デバイス60に与える指令を示すデータである。例えば、値が1のとき、サーボモータ通電、値が0のとき、サーボモータ非通電とする。
【0105】
サーボ速度指令は、サーボモータの速度を指定する。
【0106】
なお、ここでは、第一の実施形態のように、サーボ正転側トルク制限とサーボ逆転側トルク制限のフィールドはないが、これらをデータの領域に含めることも可能である。
【0107】
エアシリンダ制御情報は、出力用デバイス61のエアシリンダに与える指令を示すデータであり、例えば、値が1のとき、電線切断、値が0のとき、指令なしとする。
【0108】
インデックステーブル制御情報は、出力用デバイス62のインデックステーブルに与える指令を示すデータであり、例えば、値が1のとき、インデックステーブル回転、値が0のとき、指令なしとする。
【0109】
通信フレーム901は、ヘッダ、データ、CRCのフィールド構成よりなる。ヘッダと、CRCの意味は、通信フレーム900と同様である。
【0110】
通信フレーム901のデータは、サーボスーテタスデータ、サーボ現在速度、サーボ現在位置、センサ入力情報のフィールド構成よりなる。
【0111】
サーボスーテタスデータは、サーボ系である駆動用デバイス60の現在の状態を示すデータである。
【0112】
サーボ現在速度指令は、サーボモータの現在の速度を示すデータである。
【0113】
サーボ現在位置は、サーボモータの現在の位置を示すデータである。
【0114】
センサ入力情報は、巻き線の巻き取り状態をセンサで検知した情報を示すデータである。
【0115】
データコントロールテーブル1000と、データテーブル1001は、図2に示された送信データメモリB302に予め設定されているテーブルであり、システムエラー発生したときには、送信データ生成処理部は、この両者を組み合わせて、通信フレームのデータを生成することは、第一の実施形態と同様である。
【0116】
データコントロールテーブル1000は、通信フレームを作成するときの制御の仕方を表すテーブルであり、図12(a)に示されるように、開始フレーム番号、終了フレーム番号、データオフセット、データサイズ、送信種別、データ数のフィールド構成よりなることは、第一の実施形態の図5(a)で示したデータコントロールテーブル700と同様であり、各フィールドの意味も同様である。
【0117】
データテーブル1001は、通信フレームを作成するときのデータの元になるテーブルであり、図12(b)に示されるように、フレーム番号、送信データオフセット[0]〜[7]のフィールド構成よりなることは、第一の実施形態の図5(b)で示したデータテーブル1001と同様であり、各フィールドの意味も同様である。
【0118】
次に、図13を用いて、データコントロールテーブル1000とデータテーブル1001より生成される通信フレームのデータ部の具体例について説明する。
【0119】
ここで、本実施形態の制御システムは、システムエラー時に定速度で駆動用デバイス50のサーボモータが運転しているものとし、システムエラー発生前の正常時の最終送信フレームのデータの値は、サーボコントロールデータが「モータ通電(1)」、サーボ速度指令が「500rpm」であるとする。
【0120】
フレーム番号1〜550までのサーボコントロールデータは、データコントロールテーブル1000の第一番目のエントリーが「保持」になっており、システムエラー発生前の正常時の最終送信フレームのサーボコントロールデータが「モータ通電(1)」になっているので、生成する通信フレームのサーボコントロールデータは、この値が格納される。
【0121】
そして、フレーム番号551〜1000のサーボコントロールデータは、データコントロールテーブル1000の第二番目のエントリーの送信種別が「メモリ送信」になっているので、該当するデータテーブルの値により「モータ非通電(0)」となる。
【0122】
次に、フレーム番号1〜500までのサーボ速度指令としては、データコントロールテーブル1000の第三番目のエントリーが送信種別が「減算」、データ数「500」になっており、システムエラー発生前の正常時の最終送信フレームのサーボ速度指令が「500rpm」になっているので、システムエラー発生前の正常時の最終送信フレームのサーボ速度指令の速度から、一定の値を順次引いた速度を、生成する通信フレームのサーボ速度指令に格納する。
【0123】
具体的には、上述の(式1)によって、サーボ速度指令を計算し、第一の実施形態と同様に、フレーム番号1のサーボ速度指令は「499」、フレーム番号2のサーボ速度指令は「498」、…、フレーム番号499のサーボ速度指令は「1」、フレーム番号500のサーボ速度指令は「0」となる。このサーボ速度指令の値は、図10に示した減速パターン805に対応するものである。
【0124】
これ以降のフレーム番号501〜1000までのサーボ速度指令としては、データコントロールテーブル700の第四番目のエントリーが送信種別が「メモリ演算」になっており、該当するデータテーブル701の値が「0」になっているので、0とする。
【0125】
本実施形態では、サーボ速度指令「0」を与えた後の50フレーム後にモータ非通電指令が与えられるようにしている。
【0126】
次に、フレーム番号1〜1000までのエアシリンダ制御情報としては、データコントロールテーブル1000の第五番目のエントリーの送信種別が「メモリ送信」になっているので、該当するデータテーブルの値のフレーム番号1〜3の値により「電線切断」の指令がエアシリンダに送られる。これは、システムエラーが起こったときには、電線の巻き取りの異常をできるだけ防止するために、すぐに巻き線を切断することを意味する。
【0127】
次に、フレーム番号1〜1000までのインデックステーブル制御情報としては、データコントロールテーブル1000の第六番目のエントリーの送信種別が「メモリ送信」になっているので、該当するデータテーブルの値のフレーム番号550〜552の値により「インデックステーブル回転」の指令がインデックステーブルに送られる。これは、モータが非通電にしたときの最終的な電線の巻き位置を記憶するためである。
【0128】
なお、本発明の第二の実施形態に係る制御システムコントローラの処理は、図7および図8により説明した第一の実施形態に係る制御システムコントローラの処理と同様である。
【0129】
上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0130】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【符号の説明】
【0131】
10…制御システムコントローラ
20…制御処理部
30,40…通信制御部
301,401…送信データメモリA
302,402…送信データメモリB
303,403…受信データメモリ
304,404…異常検出処理部
305,405…送受信処理部
306,406…送信データ生成処理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ラインを介して接続されるデバイスの制御をおこなう制御システムコントローラにおいて、
接続されるデバイスへの送信データを生成する制御処理部と、
前記デバイスとのデータの送受信をおこなう通信処理部とを備え、
前記通信処理部は、
前記制御処理部から送られる送信データを記憶する第一の送信データメモリと、
前記第一の送信データメモリにおける送信データの更新の異常を検出する異常検出処理部と、
異常検出時の送信データを生成するためのデータを記憶する第二の送信データメモリと、
異常検出時に異常時用の送信データを生成する送信データ生成処理部とを有し、
前記異常検出処理部が、前記第一の送信データメモリにおける制御処理部からの送信データの更新の異常を検出したときに、前記送信データ生成処理部は、前記第二の送信データメモリに記憶されているデータに基づき、異常検出時の送信データを生成し、前記通信処理部により、前記デバイスに異常検出時の送信データを送信することを特徴とする制御システムコントローラ。
【請求項2】
前記通信ラインを介して接続されるデバイスが駆動用デバイスの場合に、前記送信データ生成処理部は、前記第二の送信データメモリに記憶されたデータを演算して、前記駆動用デバイスへの送信データを生成することを特徴とする請求項1記載の制御システムコントローラ。
【請求項3】
前記駆動用デバイスが、サーボモータを含むサーボ系であり、
前記異常検出時の送信データとして、前記サーボモータの回転速度を含み、
前記回転速度を、徐々に減少させていくことを特徴とする請求項2記載の制御システムコントローラ。
【請求項4】
前記駆動用デバイスが、サーボモータを含むサーボ系であり、
前記異常検出時の送信データとして、前記サーボモータのトルク制限を含み、
前記トルク制限を、正常時の送信データにおける前記サーボモータのトルク制限よりも小さくすることを特徴とする請求項2記載の制御システムコントローラ。
【請求項5】
前記通信ラインを介して接続されるデバイスが駆動用デバイスおよび入出力用デバイスの場合に、
前記送信データ生成処理部は、前記第二の送信データメモリに記憶されたデータを演算して、前記駆動用デバイスへの送信データを生成し、かつ、前記駆動用デバイスに同期して動作する前記入出力用デバイスへの送信データを生成することを特徴とする請求項1記載の制御システムコントローラ。
【請求項1】
通信ラインを介して接続されるデバイスの制御をおこなう制御システムコントローラにおいて、
接続されるデバイスへの送信データを生成する制御処理部と、
前記デバイスとのデータの送受信をおこなう通信処理部とを備え、
前記通信処理部は、
前記制御処理部から送られる送信データを記憶する第一の送信データメモリと、
前記第一の送信データメモリにおける送信データの更新の異常を検出する異常検出処理部と、
異常検出時の送信データを生成するためのデータを記憶する第二の送信データメモリと、
異常検出時に異常時用の送信データを生成する送信データ生成処理部とを有し、
前記異常検出処理部が、前記第一の送信データメモリにおける制御処理部からの送信データの更新の異常を検出したときに、前記送信データ生成処理部は、前記第二の送信データメモリに記憶されているデータに基づき、異常検出時の送信データを生成し、前記通信処理部により、前記デバイスに異常検出時の送信データを送信することを特徴とする制御システムコントローラ。
【請求項2】
前記通信ラインを介して接続されるデバイスが駆動用デバイスの場合に、前記送信データ生成処理部は、前記第二の送信データメモリに記憶されたデータを演算して、前記駆動用デバイスへの送信データを生成することを特徴とする請求項1記載の制御システムコントローラ。
【請求項3】
前記駆動用デバイスが、サーボモータを含むサーボ系であり、
前記異常検出時の送信データとして、前記サーボモータの回転速度を含み、
前記回転速度を、徐々に減少させていくことを特徴とする請求項2記載の制御システムコントローラ。
【請求項4】
前記駆動用デバイスが、サーボモータを含むサーボ系であり、
前記異常検出時の送信データとして、前記サーボモータのトルク制限を含み、
前記トルク制限を、正常時の送信データにおける前記サーボモータのトルク制限よりも小さくすることを特徴とする請求項2記載の制御システムコントローラ。
【請求項5】
前記通信ラインを介して接続されるデバイスが駆動用デバイスおよび入出力用デバイスの場合に、
前記送信データ生成処理部は、前記第二の送信データメモリに記憶されたデータを演算して、前記駆動用デバイスへの送信データを生成し、かつ、前記駆動用デバイスに同期して動作する前記入出力用デバイスへの送信データを生成することを特徴とする請求項1記載の制御システムコントローラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−113473(P2012−113473A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261155(P2010−261155)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)
【Fターム(参考)】
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