説明

制御放出組成物

クリーニング組成物、パーソナルケア製品、家庭用ケア製品又は布地処理組成物からの、芳香物質、日焼け防止剤、ビタミン、薬物、殺生剤、有害生物駆除剤、触媒及び清涼剤のような活性材料の放出を制御するための、上記活性材料及びワックス状シリコーン材料のブレンドを含む組成物。本発明は、上記活性材料及びワックス状シリコーン材料のブレンドが、第四アンモニウム分子中に少なくとも1つのエステル結合基を含有するエステルクアット第四アンモニウム材料である陽イオン性界面活性剤、又はそれぞれが少なくとも炭素数12を有する少なくとも2つのアルキル鎖を含有する第四アンモニウム材料である陽イオン性界面活性剤を含む水中油型エマルジョンの分散相として存在することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケア製品(例えば、ヘアシャンプー並びに身体洗浄用の石鹸及びシャワージェル)中、他のパーソナルケア製品(例えば、制汗剤又はデオドラント)中、洗浄用組成物(例えば、洗濯洗剤、硬質表面クリーナー又は拭取り用布)中、他の家庭用ケア製品(例えば、研磨剤又はエアフレッシュナー)中、又は織物処理組成物(例えば、織物柔軟剤又は回転式乾燥機シート)中への取り込みに適した活性材料の制御放出のための組成物及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
制御放出が望ましい活性材料の1つのタイプは、芳香物質組成物である。芳香物質は、洗剤及び他の洗浄用製品中に頻繁に取り込まれ、洗浄用製品の使用中に心地よい香りを提供し、また洗浄用製品中に存在する石鹸又は他の界面活性剤の固有の臭いを隠す。芳香物質は概して、様々な揮発性の芳香性化合物の複雑な混合物である。洗浄用組成物中での貯蔵時に、香料及び芳香物質は、組成物中の他の構成成分との相互作用及び/又は反応により変化し得る。芳香性化合物は、特に知覚鮮度(perceived freshness)と関連することが多いほとんどの揮発性の化合物は、それらの揮発性の性質に起因して、時間とともに消散する傾向にある。さらに、使用時、例えば洗濯洗剤による織物の洗浄中、同様に香料のほとんどが、洗浄サイクル中に水相中へ失われる。芳香物質を含有する洗剤で洗濯した織物が芳香物質の心地よい香りを有するべきであるように、芳香物質は、洗浄用組成物中での貯蔵後も残存し、同様に洗浄プロセス後も残存し、且つ織物上に堆積すべきであることが望ましいと認識されている。
【0003】
さらに、例えば織物又は毛髪若しくは皮膚などの標的の表面に吸着されてしまうと、芳香物質は非常に急速に消散する傾向がある。したがって、一度、持続性遅延放出を織物上に適用することで香料及び芳香物質の貯蔵安定性、用途における送達、及び長く続く効果を改良する必要がある。
【0004】
芳香物質組成物を保護する様々な方法が提唱されている。国際公開第98/41607号パンフレットに記載されるように、香料はゼオライトなどの多孔質キャリヤと混合されてから、洗濯洗剤に取り込まれる前に、例えば糖誘導体などの保護バリヤでコーティングされてもよい。米国特許第4973422号明細書は、アクリル樹脂及びセルロースエステルを含むpH感受性コーティングで香料粒子を封入することを記載している。国際公開第98/28936号パンフレットは、疎水性ポリアクリレートから製造されたポリマービーズの水性スラリーと香料とを混合することを記載しており、ポリビニルアルコールをビーズ表面に吸着させて堆積を改良することができる。国際公開第00/02981号パンフレットは、長期間にわたる活性成分の放出を得るために香料成分をアミンと反応させることを記載している。
【0005】
米国特許第6050129号明細書は、エアフレッシュナーで使用される芳香物質の拡散率、香気特性及び香気強度を試験する方法に関し、香料をカンデリラワックス又はカルナウバワックスなどの疎水性ワックスと混合し、好ましくは陽イオン性界面活性剤と共に混合物を水中に乳化させて、シャンプー/コンディショナーなどのヘアケア組成物中で使用するための長く続く芳香物質組成物を形成することを記載している。
【0006】
国際公開第01/25389号パンフレットは、芳香粒子を含む家庭内ケア製品について記載している。粒子は、芳香物質組成物及び融点が少なくとも10℃のワックス状のシリコーンポリマーを含む。シリコーンポリマー中の少なくとも20%のシリコーン原子は、炭素数16以上の置換基を有する。国際公開第03/082356号パンフレットは、芳香組成物及びワックス状シリコーンが、エマルジョンを形成するように、水中でイオン解離が可能な塩の少なくとも0.1モル濃度の水溶液を含む連続相中に分散される改良を提唱している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、クリーニング組成物、パーソナルケア製品、家庭用ケア製品又は布地処理組成物からの、芳香物質、日焼け防止剤、ビタミン、薬物、殺生剤、有害生物駆除剤、触媒及び清涼剤から選択される活性材料の放出を制御するための組成物は、活性材料及びワックス状シリコーン材料のブレンド含み、上記活性材料及びワックス状シリコーン材料のブレンドは、第四アンモニウム分子中に少なくとも1つのエステル結合基を含有するエステルクアット第四アンモニウム材料である陽イオン性界面活性剤、又はそれぞれが少なくとも炭素数12の少なくとも2つのアルキル鎖を含有する第四アンモニウム材料である陽イオン性界面活性剤を含む水中油型エマルジョンの分散相として存在することを特徴とする。
【0008】
クリーニング組成物、パーソナルケア製品、家庭用ケア製品又は布地処理組成物からの、芳香物質、日焼け防止剤、ビタミン、薬物、殺生剤、有害生物駆除剤、触媒及び清涼剤から選択される活性材料の放出を、上記クリーニング組成物、パーソナルケア製品、家庭用ケア製品又は布地処理組成物へ上記活性材料を添加する前に上記活性材料及びワックス状シリコーン材料をブレンドすることにより制御する本発明の方法では、上記ワックス状シリコーン材料及び上記活性材料は、水中油型エマルジョンを形成するように、水、及び第四アンモニウム分子中に少なくとも1つのエステル結合基を含有するエステルクアット第四アンモニウム材料である陽イオン性界面活性剤、又はそれぞれが少なくとも炭素数12を有する少なくとも2つのアルキル鎖を含有する第四アンモニウム材料である陽イオン性界面活性剤と乳化される。
【0009】
活性材料の一例は、芳香物質組成物である。芳香物質組成物は、固体又は液体であってもよく、単一芳香性化合物又は天然香油であってもよく、或いは芳香性化合物及び/又は天然油の混合物であってもよい。このような天然油及び芳香性化合物の例は、国際公開第01/25389号パンフレットに記載されており、これらの天然油及び芳香性化合物は、特に家庭用途又はパーソナル用途用の洗浄用組成物での使用に、或いはエアフレッシュナーに適したものである。芳香物質組成物は、スキンクリーム、シャンプー又は顔用クリームのようなパーソナルケア製品中に取り込むための香料であってもよく、或いは例えば食品又は食品包装に適用される風味化合物又は香気化合物であってもよい。風味化合物、例えばストロベリーエッセンスのような果実フレーバーは、玩具又は他の物体に適用させることもできる。或いは、芳香物質組成物は、芳香物質化合物の反応生成物のような化学的に保護された芳香物質化合物を含み得る。
【0010】
制御放出組成物中に取り込むことができる活性材料の代替的なタイプは、日焼け防止剤組成物である。日焼け防止剤の例としては、約290〜320ナノメーター(UV−B領域)の紫外線を吸収するもの(例えば、パラアミノ安息香酸誘導体及びメトキシケイ皮酸オクチル又はp−メトキシケイ皮酸2−エトキシエチルのようなケイ皮酸エステル)、及び320〜400ナノメーター(UV−A領域)の範囲の紫外線を吸収するもの(例えば、ベンゾフェノン及びブチルメトキシジベンゾイルメタン)が挙げられる。本発明において活性材料として使用され得る日焼け防止剤化学物質のさらなる例としては、アントラニル酸メンチル、サリチル酸ホモメンチル、p−アミノ安息香酸グリセリル、p−アミノ安息香酸イソブチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、安息香酸エチルの4−モノ及び4−ビス(3−ヒドロキシ−プロピル)アミノ異性体、並びにp−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルが挙げられる。本発明は、ジベンゾイルメタンに由来する遮断剤の一群、より詳細には4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(これらは、吸収の高い固有の力を有効に有する)を含む親油性遮断剤に特に適用可能である。これらのジベンゾイルメタン誘導体は、UV−A活性な遮断剤として既知であり、特に欧州特許出願EP−A−0,114,607号に記載されている。4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンは、商品名「Parsol 1789」でGivaudanより販売されている。本発明により好ましい別のジベンゾイルメタン誘導体は、「Eusolex 8020」という名でMerckより販売されている4−イソプロピルジベンゾイルメタンである。液体親油性遮断剤であるオクトクリレンは、UV−B範囲でのその活性で知られており、商品名「Uvinul N 539」でBASFより販売されている。本発明で使用することができる別の親油性(又は脂溶性)遮断剤は、p−メチルベンジリデンショウノウであり、これは、UV−B吸収体として既知であり、商品名「Eusolex 6300」でMerckより販売されている。或いは、日焼け防止剤は、親水性遮断剤、例えば欧州特許出願公開第678,292号明細書に記載されるものの1つ又はそれ以上、特に商品名Mexoryl SXで既知のベンゼン−1,4−[ジ(3−メチリデンショウノウ−10−スルホン酸)]のような3−ベンジリデン−2−ショウノウスルホン酸誘導体、或いはベンゾフェノンのスルホン酸誘導体又は2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸(例えば、商品名「Eusolex 232」でMerckより販売されているもの)、ベンゼン−1,4−ジ(ベンズイミダゾール−2−イル−5−スルホン酸)又はベンゼン−1,4−ジ(ベンズオキサゾール−2−イル−5−スルホン酸)であり得る。
【0011】
制御放出組成物中に取り込むことができる活性材料の代替的なタイプは、ビタミン組成物である。ビタミンは、健康及び良い生活状態を維持するためにヒト(及び他の生物)用の食事の摂取部分でなくてはならない有機化合物の種類である。ビタミンによっては、局所塗布されると有益な効果を有するものもあり、この理由で各種パーソナルケア配合物中の好ましい成分であり、パーソナルケア配合物中では、ビタミンは、配合物を皮膚又は毛髪に塗布した後に徐々に放出されるべきであることが望ましい。
【0012】
ビタミンは、多種多様な異なる有機化合物(例えば、アルコール、酸、ステロール及びキノン)を含む。ビタミンは、2つの溶解性群:脂溶性ビタミン及び水溶性ビタミンに分類することができる。パーソナルケア配合物中で有用な脂溶性ビタミンとしては、レチノール(ビタミンA)、エルゴカルシフェロール(ビタミンD)、コレカルシフェロール(ビタミンD)、フィトナジオン(ビタミンK)及びトコフェロール(ビタミンE)が挙げられる。パーソナルケア配合物中で有用な水溶性ビタミンとしては、アスコルビン酸(ビタミンC)、チアミン(ビタミンB)、ナイアシン(ニコチン酸)、ナイアシンアミド(ビタミンB)、リボフラビン(ビタミンB)、パントテン酸(ビタミンB)、ビオチン、葉酸、ピリドキシン(ビタミンB)及びシアノコバラミン(ビタミンB12)が挙げられる。本発明は、脂溶性ビタミンの制御放出を付与するのに特に有用であるが、幾つかの水溶性ビタミンの制御放出も付与することができる。制御放出を付与するためにワックス状ポリシロキサンとブレンドしたビタミンの例は、ビタミンA及びビタミンEである。
【0013】
パーソナルケア組成物中で使用されるビタミンの多くは、本質的に不安定であり、したがって保存安定性のパーソナルケア組成物の調製において困難性を提示する。ビタミンの不安定性は、通常それらの酸化に対する感受性に関連する。この理由で、ビタミンは、パーソナルケア配合物中でより安定な様々な誘導体に変換されることが多い。これらのビタミン誘導体は、安定性の改善のほかに、他の利点を提供する。ビタミン誘導体はある特定の種類のパーソナルケア配合物に、より用いられやすくなり得る。例えば、脂溶性ビタミンは、誘導体化されて、水性配合物へより取り込まれやすい水溶性物質を生じることができる。レチノール及びトコフェロールは、スキンケア組成物中で特に有用な2つの脂溶性ビタミンであり、したがってパーソナルケア組成物中に使用されるこれらの2つのビタミンの多くの異なる誘導体が存在する。レチノール誘導体としては、パルミチン酸レチニル(パルミチン酸ビタミンA)、酢酸レチニル(酢酸ビタミンA)、リノール酸レチニル(リノール酸ビタミンA)、及びプロピオン酸レチニル(プロピオン酸ビタミンA)が挙げられる。トコフェロールの誘導体としては、酢酸トコフェリル(酢酸ビタミンE)、リノール酸トコフェリル(リノール酸ビタミンE)、コハク酸トコフェリル(コハク酸ビタミンE)、トコフェレス(tocophereth)−5、トコフェレス−10、トコフェレス−12、トコフェレス−18、トコフェレス−50(エトキシル化ビタミンE誘導体)、PPG−2トコフェレス−5、PPG−5トコフェレス−2、PPG−10トコフェレス−30、PPG−20トコフェレス−50、PPG−30トコフェレス−70、PPG−70トコフェレス−100(プロポキシル化ビタミンE誘導体及びエトキシル化ビタミンE誘導体)、及びリン酸トコフェリルナトリウムが挙げられる。本発明は、これらのビタミン誘導体の制御放出を付与するのに使用することができる。パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルグルコシド、テトライソパルミチン酸アスコルビル及びアスコルビン酸テトラヘキサデシルのようなアスコルビン酸(ビタミンC)の誘導体もまた、同じ化合物中に2つの異なるビタミンを取り込んでいるビタミン誘導体(例えば、マレイン酸アスコルビルトコフェリル、リン酸アルコルビルトコフェリルカリウム又はニコチン酸トコフェリル)と同様に、活性材料として使用することができる。
【0014】
制御放出組成物中に取り込むことができる活性材料のさらに代替的なタイプは、殺生剤である(例えば、細菌分解に対する組成物の長期にわたる保護を付与する、或いは組成物を塗布した基剤への長期にわたる殺生効果を付与する)。活性材料はまた、有害生物駆除剤、例えば昆虫駆除剤、又はげっ歯類用の駆除剤、若しくは任意の動物(ネコ又はイヌを含む)用の駆除剤であり得る。昆虫駆除剤パーソナルケア製品は、例えばクリーム、スティック又はスプレーの形態であってよく、パーソナルケア製品からの昆虫駆除剤の制御放出は、製品を皮膚に塗布した後に必要とされる。
【0015】
制御放出組成物中に取り込むことができる活性材料のさらに代替的なタイプは、触媒、例えばコーティング又は接着剤中の硬化用触媒であり、ここでは制御放出は、急速すぎる硬化ではなく、綿密な硬化を付与するのに有利である。このような触媒の一例は、エポキシ樹脂組成物用の硬化剤として使用される脂肪アミンである。
【0016】
本発明はまた、メントール又は国際公開第96/19119号パンフレットに記載される他の清涼剤のような清涼剤(皮膚に冷却感を与える物質)の制御放出を付与するのに使用することができる。清涼剤及びワックス状ポリシロキサン物質のブレンドは、組成物を皮膚に塗りつける場合に清涼剤の持続放出を付与するように、スキンケア組成物中に取り込むことができる。本発明はまた、経皮送達により薬物を投与するために皮膚に塗布される組成物からの薬物(医薬的に活性な物質)の制御放出を付与するのに使用することができる。
【0017】
本発明は、疎水性親油性活性材料がワックス状シリコーンと容易に混和性であり、且つワックス状シリコーンとのブレンドからあまり容易に放出されないため、疎水性親油性活性材料に特に適用可能であるが、本発明はまた、親水性活性材料の制御放出を付与するのにも効果的である。ただし、これらの親水性活性材料は、水中で高い溶解性を有する程ではないことを条件とする。
【0018】
ワックス状シリコーン材料は好ましくは、12又はそれ以上の炭素数を有する炭化水素置換基を含有するポリシロキサンである。ポリシロキサンは好ましくは、メチルアルキルシロキサンユニット((CH3)(R’)SiO2/2)(式中、R’は、12個又はそれ以上、好ましくは16〜100の炭素数を有する長鎖アルキル基である)を、任意にジメチルシロキサンユニット又は式((CH3)(R”)SiO2/2)(式中、R”は、炭素数1〜11を有するアルキル基(例えば、エチル)、2−シクロヘキシルエチルのようなシクロアルキル基、ハロアルキル基、フェニルのようなアリール基或いは2−フェニルプロピル、2−フェニルエチル又は2−(t−ブチルフェニルエチル)のようなアラルキル基である)とを一緒に含むポリジオルガノシロキサンである。上記シロキサンユニットのメチル基は、望ましい場合にはエチル又は別の低級アルキル基で置換することができる。長鎖アルキル基R’は、任意にアミノ基、アミド基、アルコール基、アルコキシ基又はエステル基のような極性置換基で置換することができる。好ましくは、ポリシロキサン中のケイ素原子の少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも50%は、炭素数16〜100、最も好ましくは炭素数20〜45、特に炭素数26〜30を有するアルキル置換基を有する。ポリシロキサンは、直鎖状であってもよく、或いは分岐状であってもよく、例えばポリシロキサンは、CH3SiO3/2ユニット又はR’SiO3/2ユニットを含有してもよい。或いは、ポリシロキサンは、環状、例えば4個又は5個のメチルアルキルシロキサンユニットを含有するシクロポリシロキサンであってもよく、ここで上記アルキル基は、炭素数16〜100、最も好ましくは炭素数20〜36を有する。ワックス状シリコーンのブレンド、例えばワックス状シクロポリシロキサンと直鎖状ワックス状シリコーンとのブレンドを使用することができる。ワックス状シリコーンは好ましくは、10〜200℃、最も好ましくは30〜80℃の範囲の融点を有する。
【0019】
ワックス状ポリシロキサンは、有機(ケイ素非含有)ワックス、例えば微晶ワックス、パラフィンワックス又はそれらの混合物、長鎖脂肪酸又はトリグリセリドのようなそれらのワックス状エステル、或いは長鎖脂肪アルコール、脂肪アミン、脂肪アミド、エトキシル化脂肪酸又は脂肪アルコール、長鎖アルキルフェノール又はポリエチレンワックスとブレンドすることができる。
【0020】
ワックス状シリコーンは、液体シリコーン、例えばポリジオルガノシロキサン、分枝状液体ポリシロキサン、シリコーンポリエーテルコポリマー又はアミノポリシロキサンと混合させることができる。特に好ましい液体ポリシロキサンは、アルキル基(例えば、メチル)のほかに、アリール基(例えば、フェニル基)又はアラルキル基(例えば、ベンジル基、2−フェニルエチル基又は2−フェニルプロピル基)を含有するものである。液体ポリジオルガノシロキサンは、直鎖状又は環状であってもよく、テトラ(2−フェニルプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキサンが好ましい場合がある。液体ポリシロキサンは、官能基を含有することができ、例えば液体ポリシロキサンは、直鎖状ポリジオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)中の末端シラノール基のような水酸基、ケイ素に結合されたメトキシ、エトキシ又はプロポキシのようなアルコキシ基、或いはケイ素に結合された有機基において置換されたアミノ、アミド、アルコール又はアルコキシ基を含有することができる。ワックス状ポリシロキサン及び液体シリコーンのワックス状疎水性混合物は、好ましくは固体であり、それは例えば好ましくは、10〜200℃の範囲の融点を有するが、或いは粘性液体であってもよい。液体シリコーンは、特にワックス状シリコーン及び液体シリコーンのブレンドが10℃で固体である場合、例えば、ワックスの重量に基づいて最大100%以上(例えば、最大200%又は300%)で使用することができるが、液体シリコーンは使用する場合、ワックスの重量に基づいて、好ましくは1〜60%、最も好ましくは10〜30%で存在する。有機液体、例えば流動パラフィン又はナフテン系油は、それが活性材料及びワックス状シリコーンのブレンドと適合性である場合に、代替的に又は付加的に使用することができる。
【0021】
或いは、ワックス状シリコーン材料は、ポリシロキサン流体、例えば上述のような直鎖状ポリジオルガノシロキサンと有機ワックスとのブレンドであり得る。有機ワックスは、例えば微晶ワックス、パラフィンワックス又は又はそれらの混合物、長鎖脂肪酸又はトリグリセリド(例えば、トリステアリン酸グリセリル)、ヘキサデカン酸オクタデシルのようなモノエステル、ジステアリン酸エチレングリコールのようなジエステル又はテトラステアリン酸ペンタエリスリトール(pentaeryhthritol)のようなテトラエステルのようなそれらのワックス状エステル、或いは長鎖脂肪アルコール、長鎖脂肪アミン、長鎖脂肪アミド、エトキシル化脂肪酸又は脂肪アルコール、長鎖アルキルフェノール又はポリエチレンワックスであり得る。概して、脂肪酸、アルコール、アミン又はアミドの長鎖は、少なくとも炭素数12、好ましくは少なくとも炭素数16のアルキル基である。ポリシロキサン流体及び有機ワックスのワックス状シリコーン材料ブレンドは好ましくは、10〜200℃の範囲の融点を有する固体である。ポリシロキサン流体は、有機ワックスに基づいて、最大100%、或いはさらにはそれ以上で使用することができるが、好ましくは、ワックスの重量に基づいて、1〜60%、最も好ましくは10〜30%で存在する。
【0022】
ワックス状シリコーン材料(使用される任意の液体シリコーンを含む)と活性材料との重量比は、一般的に1:5〜20:1の範囲である。この比は、活性材料の性質に応じて様々であり、例えば、高揮発性香料ミックスは、日焼け防止剤又はより揮発性が低い香味物質若しくは芳香物質よりも、制御された送達を付与するのにより多くのワックスを必要とし得る。
【0023】
エマルジョンは、活性材料及びワックス状シリコーン、並びに使用する場合には液体シリコーンとのブレンドを融解し、そして少なくとも1つのエステルクアット界面活性剤を用いて連続水相中でそのブレンドを乳化させることにより利便性よく形成することができる。或いは、エマルジョンは、活性材料が存在しない状態で少なくとも1つのエステルクアット界面活性剤を用いて、連続水相中でワックス状シリコーンを乳化させることによって製造することもできる。活性材料、例えば芳香物質組成物又は日焼け防止剤組成物は後でエマルジョンに添加され、次にワックス状シクロポリシロキサンの融点よりも高温に加熱され、好ましくは、少なくとも10分、例えば30〜60分の間この温度で放置され、活性材料が疎水性ワックス状ポリシロキサンの液滴内に拡散するのを可能にする。
【0024】
陽イオン性界面活性剤は好ましくは、第四アンモニウム分子中に少なくとも1つのエステル結合基を含有するエステルクアット第四アンモニウム材料である。好ましいエステルクアットは、少なくとも1つのエステル結合を含有する1個、2個又は3個のより高分子量の基(例えば、炭素数12〜22の基)、及び3個、2個又は1個のより低分子量のアルキル基を含有する第四アンモニウム部分を含む。このようなエステルクアット、例えば1,2−ビス(硬化タロウオイルオキシ)−3−トリメチルアンモニウム−プロパンクロリド及び/又は1−硬化タロウオイルオキシ−2−ヒドロキシ−3−トリメチルアンモニウム−プロパンクロリド、ジ(タロウオイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロリド又はジ(タロウオイルオキシエチル)メチルヒドロキシエチルメトスルフェートは、米国特許第4137180号明細書に記載されている。本発明者らは、活性材料及びワックス状シロキサン材料のエマルジョンにおけるエステルクアット界面活性剤の使用が、制御された送達、例えば家庭洗濯で使用されるすすぎサイクル柔軟剤中の芳香物質の制御された送達を付与するのに必要とされるシリコーンワックスのレベルを低減し得ることを見出した。例えば、芳香物質の最適な制御された送達を付与するのに必要な芳香物質に対するシリコーンワックスの比が半減され得る。第四アンモニウム分子中に少なくとも2つのエステル結合基を含有するエステルクアットは、特に効果的である。
【0025】
或いは、陽イオン性界面活性剤は、それぞれが少なくとも炭素数12、好ましくは炭素数12〜22を有する少なくとも2つのアルキル鎖を含有する第四アンモニウム材料、例えばジメチルジ(長鎖アルキル)アンモニウムクロリドであり得る。
【0026】
本発明の1つの好ましい形態では、エマルジョンの連続相は、水中でイオン解離が可能な塩の少なくとも0.1モル濃度の水溶液を含む。本発明者らは、連続相の高イオン強度が、連続相とワックス状シリコーンマトリクスとの間の分配計数を増大させ、その結果、活性材料が、連続相へ拡散せずにワックス相に留まる傾向にあることを見出した。
【0027】
連続相中に存在する塩は、例えばアルカリ金属、アンモニウム又はアルカリ土類金属塩であり得る。塩は、塩化物、硫酸塩又はリン酸塩のような無機塩であり得るが、好ましくは有機塩、特に酢酸塩又はプロピオン酸塩のようなカルボン酸塩(例えば、酢酸ナトリウム)である。塩は、高分子電解質であり得る。塩は好ましくは、界面活性剤特性を有さず、概して、塩は、極性基で置換された炭素数8又はそれ以上の鎖を有する任意の有機基を含有すべきでない。エマルジョンの連続相を形成する水溶液中の塩の濃度は、好ましくは少なくとも0.1M(モル)、より好ましくは少なくとも1M、最大5又は10Mである。高分子電解質の塩の場合、その濃度は、塩の非高分子イオンの濃度として測定される。
【0028】
エマルジョンは、エステルクアットでない別の界面活性剤をさらに含むことができる。さらなる界面活性剤は、陽イオン性、陰イオン性、非イオン性又は両性界面活性剤であり得る。陽イオン性界面活性剤は、表面で、特に繊維上へ吸着するそれらの傾向のため、さらなる界面活性剤として好ましい場合がある。
【0029】
活性材料の制御放出用組成物は、種々の形態で製造することができる。芳香物質の場合の例として、或る用途では、制御放出芳香物質エマルジョンは、クリーニング組成物又は化粧料組成物と単に混合しただけのものであり得る。制御放出芳香物質組成物は、微粒状形態で製造されたものでもよく、これは、粉末洗剤などの固形クリーニング製品とのブレンドに好ましい場合がある。上記のようなエマルジョンを、微粒状固体担体上に堆積させることもでき、噴霧乾燥することもできる。好適な固体担体の例としては、ソーダ灰(炭酸ナトリウム)、ゼオライト及び他のアルミノシリケート又はケイ酸塩、例えばケイ酸マグネシウム、リン酸塩、例えば粉末状又は顆粒状のトリポリリン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、顆粒状又は天然のでんぷん並びにクレイが挙げられる。
【0030】
担体の粒子は、好ましくは、凝集した顆粒を製造する顆粒化プロセスでの処理中に混ぜ合わせる。好ましい一プロセスでは、粒子は、鉛直方向の連続ハイシェアミキサー(continuous high shear mixer)内で攪拌され、ここで、芳香物質の制御放出用組成物のエマルジョンが粒子上に噴霧される。顆粒化プロセスを改良する必要がある場合は、エマルジョンを、例えば水、溶融ポリエチレングリコール、又は高分子電解質の水溶液で希釈することができる。このようなミキサーの一例は、Hosokawa Schugiによって提供されるFlexomixミキサーである。噴霧及び混合により、凝集された顆粒が製造される。例えば、ピンミキサー又はパドルミキサー、プロシェアミキサー、ツインカウンター回転パドルミキサー、又は回転円筒型容器内の高剪断ミキシングアームを含むインテンシブミキサーなどの水平型ミキサーを代替的なミキサーとして使用してもよい。或いはまた、流動床コーティング手順を使用してもよい。有利な点として、混合による顆粒化プロセスの後に連続な流動床において冷却及び乾燥を実行することができる。
【0031】
連続相が高分子電解質塩の水溶液であるエマルジョンから生成した顆粒の場合、例えば高分子電解質とは反対の電荷のポリマーなどの材料によって、顆粒をポストコーティングすることができる。エマルジョンの連続相中の塩が陽イオン高分子電解質塩の場合、例えば、陰イオン高分子電解質によって顆粒をポストコーティングすることができる。このようなポストコーティングは、後で顆粒の存在下で洗浄又はすすぎが行われる織物への香料の堆積を改善することができる。
【0032】
本発明のプロセスにより、香料含量が15重量%まで、例えば8〜12重量%の顆粒を容易に製造することができる。本発明のエマルジョンは、30又は40重量%まで、又は50重量%もの香料含量を有し得る。
【0033】
芳香粉末クリーニング製品を製造するための本発明による代替的なプロセスでは、例えば、上記のエマルジョンを洗剤粉末組成物上に噴霧することによって、エマルジョンを粉末クリーニング製品上に堆積させ、続いて乾燥させる。
【0034】
芳香液体クリーニング製品、例えば、液体洗濯洗剤、家庭用クリーニング製品、織物用柔軟剤、ヘアシャンプー、身体洗浄用の石鹸若しくはシャワージェル、又はロールオン式デオドラント若しくはスプレー式デオドラントを製造するための本発明によるプロセスでは、上記のエマルジョンを、液体クリーニング製品中に分散するか、或いは芳香物質組成物及びワックス状シロキサン物質のブレンドを、液体クリーニング製品中で乳化させることができる。ゲル形態のクリーニング製品又はパーソナルケア製品、例えば、スティック状デオドラントを製造する場合、ゲル化する前に、上記のエマルジョンを、製品が液状であるときにその中に取り込ませることができ、又は、芳香物質組成物、ワックス状シリコーン及び液体シリコーンのブレンドを、製品が液状であるときにその中で乳化させることができる。上記エマルジョンを織物物質に含浸させることにより、回転式乾燥機シートを製造することができる。
【0035】
本発明の織物処理組成物は、革又は紙並びに天然又は合成繊維織物物質(例えば、織布、不織布又は編地)を含む繊維状物質を処理するための任意の組成物であってもよい。上記の回転式乾燥機シートのほかに、芳香物質の放出は、織物柔軟剤、織物及び衣類仕上げ用組成物、革仕上げ用組成物又はパーソナル若しくは家庭用洗浄用途のティッシュペーパーから制御され得る。メントール又はショウノウのような薬物(医薬的に活性な物質)の放出は、ハンカチーフ又はティッシュから制御され得る。
【0036】
或いは、本発明の遅延放出芳香物質エマルジョンは、基材に被覆剤として塗布し、表面からの香料の持続性放出を付与することができる。
【0037】
活性材料が日焼け防止剤組成物である場合、制御放出組成物は、例えば上述のようにエマルジョンの形態で調製することができる。続いて、エマルジョンをスキンケア又は他の化粧料組成物へ、或いは織物ケア組成物へ混合させることができる。例えば、親油性遮断剤(複数可)は、組成物の総重量の0.5〜30%、好ましくは0.5〜20%で、本発明によるスキンケア組成物中に存在することができる。親水性遮断剤(複数可)は、組成物の0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%で、スキンケア組成物中に存在することができる。スキンケア組成物は、コーティング又は非コーティング酸化金属の顔料、好ましくはナノ顔料(平均一次粒径、一般的に5nm〜100nm、好ましくは10〜50nm)(例えば、酸化チタン(非晶質、或いはルチル型及び/又はアナタース型で結晶化)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムのナノ顔料)をさらに含有することができ、これらはすべて、UV照射を物理的に阻止すること(反射及び/又は散乱)により作用する光防護剤である。酸化金属顔料のコーティング剤の例は、アルミナ及び/又はステアリン酸アルミニウム、及びシリコーンである。
【0038】
洗濯洗剤中にUV吸収日焼け防止剤を取り込むことの利点は、スイスのモントルーで2002年10月13日〜17日の5th World Conference on Detergentsで紹介された「Sun Protection via Laundry Products」という表題のM.Schaumann他による論文に記載されている。織物のUV透過率は、このような洗剤中で洗浄することにより低減される。日焼け防止剤は、織物上へ堆積されるように、洗浄用組成物中での貯蔵後も残存し、且つ洗浄サイクル中に水相中に失われるべきではないことが望ましい。日焼け防止剤を本発明によるワックス状シリコーンとブレンドし、乳化することにより、織物上へ堆積される日焼け防止剤の比率が増加する。
【実施例】
【0039】
本発明は、以下の実施例により説明される。
(実施例1)
シリコーンワックスは、オレフィン混合物(C26〜C45アルキル鎖長)をテトラメチルシクロテトラシロキサンと反応させて、環状ポリ(メチルアルキルシロキサン)ワックスを形成することにより調製された。
【0040】
水性増粘溶液は、キサンタンガム(Keltrol RD(商標))3.51g及びヒドロキシエチルセルロース(Natrosol 250 LR(商標))9.66gを、脱塩水382.64g中に分散させること、並びにソルビン酸0.69g、安息香酸1.36g及び硫酸の10%溶液3.15gを添加することにより調製された。
【0041】
前記増粘溶液59.5g、エステルクアット陽イオン性界面活性剤(Tetranyl L1/90(商標))30g、Arquad 16−29(商標、エステルクアットでない陽イオン性界面活性剤)33g及び環状ポリ(メチルアルキルシロキサン)ワックス64gを攪拌反応器へ入れて、80℃に加熱して、水中油型エマルジョンを形成した。続いて、高揮発性香料ミックス15.8gをエマルジョンへ添加した。20分後、加熱を停止した。最終的に、増粘溶液37.5g、続いて脱塩水129gを添加した。生成物は、重量比1:4の香料及びワックスのブレンドのエマルジョンであった。
【0042】
(比較例1)
前記増粘溶液47g、Volpo(商標)S2 4.5g及びVolpo S20エトキシル化ステアリルアルコール非イオン性界面活性剤3.9g、塩化ナトリウム14.3g、Arquad 16−29 26g、並びに実施例1のシリコーンワックス57.4gを攪拌反応器へ供給して、80℃へ加熱した。続いて、高揮発性香料ミックス14.42gを添加した。20分後、加熱を停止した。最終的に、増粘溶液31g、続いて脱塩水104gを添加して、重量比1:4の香料及びワックスのブレンドのエマルジョンを形成した。
【0043】
(比較例2)
前記増粘溶液62.6g、Volpo S2 6g及びVolpo S20 5g、塩化ナトリウム18.6g、Arquad 16−29 34.5g、並びにシリコーンワックス84.5gを攪拌反応器へ入れて、80℃に加熱した。続いて、高揮発性香料ミックス11.08gを添加した。20分後、加熱を停止した。最終的に、増粘溶液41g、続いて脱塩水137gを添加して、重量比1:7.6の香料及びワックスのブレンドのエマルジョンを形成した。
【0044】
実施例1のエマルジョン並びに比較例1及び比較例2のエマルジョンをそれぞれ、柔軟剤中で3%香料に相当するレベルで、すすぎサイクルの繊維柔軟剤中に組み込んだ。それらを、4枚のテリー織タオル及び5枚の枕カバーを入れた前入れ式洗濯機、Miele934で評価した。40℃での主要洗浄用に、洗剤粉末30g及び水17リットルを使用した。柔軟剤は、すすぎ中に組み込んだ。自然乾燥後、タオルの香りを8日間追跡した。
【0045】
比較例2は、比較例1よりも8日間の試験中により強烈な香りを付与することが分かり、エステルクアットの非存在下では、1/7.6の香料/ワックスが、1/4比のものよりも芳香物質放出のより良好な制御を提供することを実証した。しかし、実施例1は、比較例2よりも8日間にわたってより持続性の香りを付与した。このことは、エステルクアットの使用により、香料の放出を制御するのに必要とされるシリコーンワックスのレベルを有意に低減することが可能であることを実証する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーニング組成物、パーソナルケア製品、家庭用ケア製品又は布地処理組成物からの、芳香物質、日焼け防止剤、ビタミン、薬物、殺生剤、有害生物駆除剤、触媒及び清涼剤から選択される活性材料の放出を制御するための、該活性材料及びワックス状シリコーン材料のブレンドを含む組成物であって、前記活性材料及びワックス状シリコーン材料のブレンドは、第四アンモニウム分子中に少なくとも1つのエステル結合基を含有するエステルクアット第四アンモニウム材料である陽イオン性界面活性剤を含む水中油型エマルジョンの分散相として存在することを特徴とする、活性材料の放出を制御するための組成物。
【請求項2】
前記ワックス状シリコーン材料が、ケイ素原子の少なくとも20%が炭素数16〜100のアルキル置換基を有するポリシロキサンであることを特徴とする、請求項1に記載の活性材料の放出を制御するための組成物。
【請求項3】
前記ワックス状シリコーン及び前記活性材料が、前記ワックス状シリコーンと相溶性の液体シリコーンとブレンドされることを特徴とする、請求項1に記載の活性材料の放出を制御するための組成物。
【請求項4】
前記ワックス状シリコーン材料が、ポリシロキサン流体と有機ワックスとのブレンドであることを特徴とする、請求項1に記載の活性材料の放出を制御するための組成物。
【請求項5】
前記水中油型エマルジョンの連続相が、水中でイオン解離が可能な塩の少なくとも0.1モル濃度の水溶液を含むことを特徴とする、請求項1に記載の活性材料の放出を制御するための組成物。
【請求項6】
前記陽イオン性界面活性剤が、少なくとも1つのエステル結合を含有する炭素数12〜22の1個、2個又は3個の基、及び3個、2個又は1個のより低分子量のアルキル基を含有するエステルクアット第四アンモニウム材料であることを特徴とする、請求項1に記載の活性材料の放出を制御するための組成物。
【請求項7】
前記陽イオン性界面活性剤が、前記第四アンモニウム分子中に少なくとも2つのエステル結合基を含有するエステルクアット第四アンモニウム材料であることを特徴とする、請求項1に記載の活性材料の放出を制御するための組成物。
【請求項8】
前記陽イオン性界面活性剤が、エステルクアットであり、前記エマルジョンが、エステルクアットでなく、また非イオン性界面活性剤でもない別の陽イオン性界面活性剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の活性材料の放出を制御するための組成物。
【請求項9】
クリーニング組成物、パーソナルケア製品、家庭用ケア製品又は布地処理組成物からの、芳香物質、日焼け防止剤、ビタミン、薬物、殺生剤、有害生物駆除剤、触媒及び清涼剤から選択される活性材料の放出を、前記クリーニング組成物、パーソナルケア製品、家庭用ケア製品又は布地処理組成物へ前記活性材料を添加する前に該活性材料及びワックス状シリコーン材料をブレンドすることにより制御する方法であって、前記ワックス状シリコーン材料及び前記活性材料が、油中水型エマルジョンを形成するように、水及び第四アンモニウム分子中に少なくとも1つのエステル結合基を含有するエステルクアット第四アンモニウム材料である陽イオン性界面活性剤と乳化することを特徴とする、活性材料の放出を制御する方法。

【公表番号】特表2007−531829(P2007−531829A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504974(P2007−504974)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/006501
【国際公開番号】WO2005/102261
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】