説明

制御端子付き電子部品

【課題】検査治具の構成が簡単で、検査がしやすく、かつ確実に検査を行うことができ、
検査用の端子により検査しても、製品の品質に悪影響を受けることがない制御端子付き電
子部品を提供すること。
【解決手段】内部空間S1を有し、蓋体12により封止されるパッケージ11と、内部空
間S1に収容され、パッケージ11が封止された状態で、パッケージ11の外面に設けた
制御端子32と接続された内蔵部品15,16と、パッケージ11の実装面に形成された
実装端子とを備えており、制御端子32と、前記実装端子と接続された検査用端子31と
が、パッケージ11の実装面以外のひとつの面に向くように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動片と集積回路等の複数の部品をパッケージに内蔵した圧電デバイス
等の電子部品であって、パッケージ外面に内蔵部品の制御端子を備えた制御端子付き電子
部品の改良と、この電子部品を利用した携帯電話装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、圧電材料や、合成樹脂により形成したパッケージ内に、集積回路等の電
子部品(以下、「内蔵部品」という)を収容して、所定の基板上に面実装されるパッケー
ジ型の電子部品には、例えば、図48に示すようなものが使用されている。
図48において、電子部品1は、内部に図示しない空間を有するパッケージ2を備えて
いる。パッケージ2の内部空間には、図示しない内蔵部品が収容されており、この例では
、例えば、圧電振動片と、この圧電振動片に接続された集積回路が内蔵されている。この
パッケージ2には、上記内蔵部品を収容した後で、パッケージ2の上方開口を、蓋体3で
封止することで、圧電発振器を形成している。
【0003】
このような電子部品1では、面実装を実現するために、パッケージ2の底面には、実装
基板(図示せず)の所定のランド上に半田付けにより接続することで、実装基板を介して
、内蔵部品に駆動電圧を供給したり、内蔵備品から送られる信号を出力するための実装端
子4,4,4,4が形成されている。
また、パッケージ2には、実装端子4,4,4,4とは別に、外部から検査用のプロー
ブまたはピン等を当てて、集積回路等の内蔵部品の動作制御及び/または動作確認を行う
ために、制御端子5,5,5,5が設けられている。
これにより、電子部品1においては、実装端子4,4,4,4に、検査治具の一部であ
る給電または、信号出力用のピン6,6,6,6等を用いて、駆動電圧を供給したり、ま
たは内蔵部品から出力される信号を取得し、それと同時に、制御端子5,5,5,5に検
査治具の一部である検査用ピン7,7を当てて、検査を行うようになっている。
【0004】
また、図49に示す他の従来例に係る電子部品8では、パッケージ2の底面,すなわち
、実装端子4,4,4,4が設けられている面と同じ面に、制御端子5,5,5,5が設
けられている。
この場合にも、電子部品8においては、実装端子4,4,4,4に、検査治具の一部で
ある給電用のピン(図示せず)等を用いて、駆動電圧を供給したり、または内蔵部品から
出力される信号を取得し、それと同時に、制御端子5,5,5,5に検査治具の一部であ
る検査用ピン(図示せず)を当てて、検査を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−102869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図48で説明した従来の電子部品1では、実装端子4,4,4,4に、パッ
ケージ2の底面側から給電用のピン6,6,6,6を当接させると同時に、異なる方向か
ら、すなわち、パッケージ2の側面側から、制御端子5,5,5,5に検査治具である検
査用ピン7,7を当てる必要があり、このため、検査治具の構造が複雑になるという問題
がある。
【0007】
また、電子部品1が小型化されるにつれ、2つの問題が発生する。1つは、パッケージ
2の側面中央部分に制御端子5を配置するための凹部19の影響で、側面の強度が弱くな
り、パッケージ2にクラックが発生する危険がある。2つ目は、パッケージ2の低背化が
すすむと、電子部品1を実装基板のランド上に半田を用いて実装した際に、溶融した半田
が実装端子4だけでなく、制御端子5にも触れてしまう危険があり、電子部品1が正常に
動作しない場合がある。
【0008】
さらに、図49で説明した他の従来例に係る電子部品8では、図50に示すように、電
子部品8が実装基板9のランド9a,9a上に、半田9b,9bを介して、実装されると
、実装端子4,4,4,4が設けられている面と同じ面に、制御端子5,5,5,5が形
成されていることから、この場合にも、実装用の半田9b,9bの量が僅かに多いだけで
、実装端子4と制御端子5がショートされる危険がある。
特に、電子部品8の小型化が進むと、このようなショートの危険が高くなり、製品の品
質に影響する。このため、検査後において、制御端子5を絶縁層で覆う方法も考えられる
が、その分工程が多くなり、製造コストが上昇し、製造効率の低下を招くことになる。
【0009】
本発明の目的は、検査治具の構成が簡単で、検査がしやすく、かつ確実に検査を行うこ
とができ、検査用の端子を設けても、製品の品質に悪影響を受けることがない制御端子付
き電子部品と、このような電子部品を利用した携帯電話装置を提供することを目的とする

【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、第1の発明にあっては、内部空間を有し、蓋体により封止されるパッケー
ジと、前記内部空間に収容され、パッケージが封止された状態で、前記パッケージの外面
に設けた制御端子と接続された内蔵部品と、前記パッケージの実装面に形成された実装端
子とを備えており、前記制御端子と、前記実装端子と接続された検査用端子とが、前記パ
ッケージの前記実装面以外のひとつの面に向くように設けられている制御端子付き電子部
品により、達成される。
【0011】
第1の発明の構成によれば、この発明では、パッケージの実装面、すなわち、実装基板
に当接される面に設けられている実装端子と接続された検査用の端子を設けている。そし
て、制御端子と検査用端子が、ともにパッケージの前記実装面以外のひとつの面に向くよ
うに形成されている。
このため、制御端子も検査用端子も実装端子と異なる面に設けられているから、制御端
子付き電子部品が小型化されても、実装用の半田により実装基板と検査用端子及び/また
は制御端子が、実装端子に対して短絡されることがない。また、制御端子と検査用端子が
、その向きをそろえられている前記ひとつの面に対向して、向きを揃えた検査用のピンを
備える検査治具により、容易に検査することができる。したがって、検査治具の構成が単
純ですみ治具に要する費用を安価にできると共に、検査が迅速かつ確実に行える。
【0012】
第2の発明によれば、第1の発明の構成において、前記制御端子を介して前記内蔵部品
の動作制御及び/または動作確認がされるようにしたことを特徴とする。
【0013】
第3の発明によれば、第1または第2のいずれかの構成において、前記実装端子が、前
記内蔵部品に電圧を供給し、及び/または前記内蔵部品から前記パッケージ外部に信号を
入出力するようにしたことを特徴とする。
【0014】
第4の発明は、第1ないし第3の発明の構成において、前記内蔵部品が、圧電振動片と
、この圧電振動片に接続された集積回路とを含むことを特徴とする。
第4の構成によれば、パッケージに収容される内蔵部品として、圧電振動片と、この圧
電振動片に接続された集積回路が選択されると、第1の発明の作用効果を発揮できる圧電
発振器等の圧電デバイスを好適に形成することができる。
【0015】
第5の発明は、第1または第4の発明いずれかの構成において、前記ひとつの面が、前
記パッケージの前記実装面と反対の面に形成されていることを特徴とする。
第5の発明の構成によれば、パッケージには内部空間と連通した開放部もしくは開口が
あり、この部分が蓋体で塞がれる構成において、この蓋体が固定される面を前記1つの面
として、この面に、制御端子と検査用端子が、その向きをそろえられていると、パッケー
ジの実装面を下とした場合に、前記ひとつの面は、上面となるので、検査用のピンを当て
やすい方向とすることができる。また、パッケージ側面に制御端子を配置していないため
、側面中央部に凹部を形成する必要がない。よって、制御端子付き電子部品が小型化され
ても、パッケージ側面の強度を保つことができる。
【0016】
第6の発明は、第1ないし第5の発明のいずれかの構成において、前記パッケージが複
数の基板を積層すると共に、積層した基板の一部について、その内側の材料を除くことに
より、ひとつまたは複数の前記内部空間を形成するようにされており、前記複数の内蔵部
品として前記圧電振動片と前記集積回路とが、前記内部空間に収容されていて、かつ、前
記パッケージに固定された前記蓋体を挟んだ位置の両側の前記パッケージ上面に、前記制
御端子と、前記検査用端子とが形成されていることを特徴とする。
【0017】
第6の発明の構成によれば、パッケージ上端の蓋体周囲のスペースを有効に利用して前
記制御端子と、前記検査用端子とを形成できると共に、これらの端子がパッケージ端面に
高さをそろえて露出することになるので、検査用ピンの構成が一層簡単になり、検査もし
やすくなる。
また、前記圧電振動片と前記集積回路とを前記内部空間において、縦方向に配置するこ
とで、実装基板の実装面積を大きくとることなく、複数の内蔵部品をパッケージ内に収容
することができる。
さらに、前記内部空間をひとつの空間として、前記圧電振動片と前記集積回路と収容す
るようにすれば、内蔵部品の収容スペースを共通化する構成とすることができ、パッケー
ジの構成を単純化できる。
【0018】
第7の発明は、第6の発明の構成において、前記圧電振動片と前記集積回路とが、基板
を挟んで上下に分割された2つの空間とされた前記内部空間に収容されていることを特徴
とする。
第7の発明の構成によれば、前記内部空間が、基板を挟んで上下に分割された2つの空
間とすると、前記基板の両面側に電極を形成することで、圧電振動片と集積回路を、2つ
の各空間に収容する構造を実現でき、スペースの有効な利用ができる。また、圧電振動片
と集積回路を実装する空間が分離されるので、ノイズを遮蔽しやすい利点がある。
【0019】
第8の発明は、第6の発明の構成において、前記圧電振動片と前記集積回路とが、縦方
向に重ねた2つのパッケージ内にそれぞれ収容されており、下側パッケージが上側パッケ
ージよりも大きく形成されていて、上側パッケージの周縁より外側で、下側パッケージの
上面に前記制御端子と、前記検査用端子とが形成されていることを特徴とする。
第8の発明の構成によれば、前記圧電振動片と前記集積回路とが、異なるパッケージに
収容されてひとつの電子部品を構成することで、より一層ノイズの遮蔽効果がある。
【0020】
第9の発明は、第6の発明の構成において、前記圧電振動片と前記集積回路とが、縦方
向に重ねた2つのパッケージ内にそれぞれ収容されており、下側パッケージの外面には、
前記実装端子と電気的に接続された導体部が形成されていて、上側パッケージには、一部
が上側パッケージ上面に露出され、下側パッケージ前記導体部に弾性的に接触される導電
性の係止手段が設けられることで前記露出した箇所が前記検査用端子とされており、かつ
上側パッケージには、内部に収容した前記集積回路の制御端子が、パッケージ上面に露出
するように形成されていることを特徴とする。
【0021】
第9の発明の構成によれば、上側パッケージに集積回路を収容することで、上側パッケ
ージには、蓋体を設ける必要がなく、その分スペースを有効利用して、上面に制御端子を
設けることができる。また、この上側パッケージは、簡単な作業により係止手段を用いて
、簡単な作業で、下側パッケージに係止できる。この係止手段は導電性であり、一部が上
側パッケージ上面に露出され、しかも下側パッケージの導体部と接触されることで、上側
パッケージの上面に検査用端子も配置することを実現した巧みな構造とすることができる

【0022】
第10の発明は、第9の発明の構成において、前記上側パッケージは、前記係止手段の
一部を絶縁部材により覆うようにし、この絶縁部材に凹部を形成することにより露出した
前記係止手段を前記検査用端子としていることを特徴とする。第10の発明の構成によれ
ば、上側パッケージは、係止手段の一部を絶縁部材により覆うようにしている。このため
、係止手段が上側パッケージから外れてしまうことを防止できる。また、絶縁部材に凹部
を形成することにより露出した係止手段を検査用端子としている。これにより、検査用の
ピンを検査用端子に当てる際、凹部が検査用のピンを検査用端子まで案内して、確実に検
査を行える。
【0023】
第11の発明は、第6の発明の構成において、前記積層された基板の少なくとも最上段
の基板の周縁部に切り欠き部を形成し、この切り欠き部により露出する下段の基板の上面
に、前記制御端子と、前記検査用端子とが形成されていることを特徴とする。
第11の発明の構成によれば、最上段の基板は、蓋体が固定される。それより下段の基
板が形成する内部空間に圧電振動片が収容されることになるので、この下段の基板上で水
平に電極部を外側に引き回せば、前記制御端子を容易に設けられる。この場合、圧電振動
片に接続された前記電極部を延長したパッケージ外縁に近い箇所に相当する前記最上段の
基板の周縁部に切り欠き部を形成することで、前記制御端子が上方を向いて露出される。
したがって、前記下段の基板の上面に検査用端子を配置すれば、制御端子と検査用端子が
同じ高さに揃えられて、形成されることになる。
これにより、パッケージ上端に制御端子と検査用端子を形成する必要がなく、その分パ
ッケージを小型化できる。
【0024】
第12の発明は、第11の発明の構成において、前記パッケージが多角形の複数の基板
が積層されて形成されており、このパッケージの角部のパッケージ厚み方向に前記実装端
子と前記検査用端子とを接続する導体部を形成したことを特徴とする。
第12の発明の構成によれば、多角形のパッケージでは、その底面の角部に実装基板が
形成されるので、パッケージ角部の厚み方向に導体部を形成することで、検査用端子と実
装端子との接続が容易に実現できる。
【0025】
第13の発明は、第6の発明の構成において、前記積層された基板の少なくとも最上段
以外の基板の外縁部が他の基板よりも内側に位置する形状とされることで、前記パッケー
ジ側面に凹部を形成する凹部形成基板を有し、この凹部形成基板の下段となる基板の上面
に、前記制御端子と、前記検査用端子とが形成されていることを特徴とする。
第13の発明の構成によれば、最上段の基板は、蓋体が固定される。それより下段の基
板が形成する内部空間に圧電振動片が収容されることになるので、この下段の基板上で水
平に電極部を外側に引き回せば、前記制御端子を容易に設けられる。この場合、最上段以
外の基板の外縁部が他の基板よりも内側に位置する形状とされることで、前記パッケージ
側面に凹部を形成する凹部形成基板とされることで、前記凹部において、前記制御端子が
上方を向いて露出される。したがって、前記下段の基板の上面に検査用端子を配置すれば
、制御端子と検査用端子が同じ高さに揃えられて、形成されることになる。これにより、
パッケージ上端に制御端子と検査用端子を形成する必要がなく、その分パッケージを小型
化できる。そして、例えば、前記凹部内で、縦方向に旋回する検査用ピンを利用すること
により、容易に検査を行うことができる。
【0026】
第14の発明は、第4ないし第7の発明のいずれかの構成において、前記蓋体の露出さ
れた面に前記制御端子と、前記検査用端子とが形成されていることを特徴とする。
第14の発明の構成によれば、蓋体に前記制御端子と、前記検査用端子とが形成されて
いることにより、パッケージ側にこれらの端子を形成する必要がない分、パッケージを小
型に形成できる。
【0027】
第15の発明は、第14の発明の構成において、前記蓋体の前記制御端子と接続された
導体面と、前記検査用端子と接続された導体面が、蓋体の裏面に、それぞれ形成されてお
り、前記パッケージ端部の前記蓋体裏面の前記各導体面とそれぞれ接触する箇所に、前記
内蔵部品と接続されたパッケージ側導体面と、前記実装端子と接続されたパッケージ側導
体面とが形成されていることを特徴とする。
【0028】
第15の発明の構成によれば、蓋体表面側に制御端子及び検査用端子が形成されている
。各制御端子及び検査用端子のそれぞれ接続された導体面(蓋側導体面)は蓋体の裏面に
回り込んで形成されている。蓋側裏面の各導体面は、各制御端子及び検査用端子に対して
、それぞれ対応するパッケージ側の各導体面と接触する。これにより、蓋体に設けた制御
端子及び検査用端子と、パッケージ側との電気的接続を適切に実現することができる。
【0029】
第16の発明は、第15の発明の構成において、前記蓋体の前記制御端子と、前記検査
用端子の一部の形状が異形に形成されていることを特徴とする。
第16の発明の構成によれば、前記制御端子と、前記検査用端子の一部の形状が異形に
形成されている箇所を目印とすれば、制御端子及び検査用端子を形成した蓋体のパッケー
ジ側に対する方向性を位置決めして固定する際の適切な案内となる。
【0030】
第17の発明は、第15の発明の構成において、前記蓋体の前記制御端子及び前記検査
用端子は、それぞれの各端子の領域内に形成されたスルーホールによって、前記パッケー
ジ側に形成されたスルーホールとそれぞれ接続されており、このパッケージ側のスルーホ
ールが、前記内蔵部品と、前記実装基板とに接続されていることを特徴とする。
第17の発明の構成によれば、前記蓋体の前記制御端子及び前記検査用端子のスルーホ
ールと、パッケージスルーホールによって、蓋体に設けた制御端子及び検査用端子と、パ
ッケージ側との電気的接続を適切に実現することができる。
【0031】
第18の発明は、第17の発明の構成において、前記蓋体とパッケージとが導体金属製
のロウ材によって封止されており、前記蓋体の前記パッケージ側導体面と当接する箇所の
周囲には、前記導体金属製のロウ材が付着しないようにして設けた隔離部が形成されてい
ることを特徴とする。
第18の発明の構成によれば、パッケージと蓋体との封止に際して、導体金属製のロウ
材を使用する場合には、前記蓋体の前記パッケージ側導体面と当接する箇所の周囲には、
前記導体金属製のロウ材が付着しないようにして設けた隔離部が形成されていると、蓋体
裏面の各導体部どうしが短絡されることを有効に防止することができる。
【0032】
第19の発明は、第16ないし第18の発明のいずれかの構成において、前記蓋体を前
記パッケージに正しく固定した位置で、この蓋体の下の前記パッケージの前記導体面に近
接する位置に切り欠き部を設けて、前記切り欠き部から前記導体面の一部が露出するよう
にした目印用切り欠き部を備えることを特徴とする。
第19の発明の構成によれば、前記切り欠き部が、蓋体の封止固定の際に、蓋体を前記
パッケージ上に置いた場合に、前記目印用切り欠き部から露出するパッケージ側の導体面
が視認されることで、パッケージと蓋体との精密な位置合わせを行うことができる。
【0033】
第20の発明は、第18または第19の発明のいずれかの構成において、前記蓋体の裏
面のほぼ全面に、導体金属製のロウ材を適用したことを特徴とする。
第20の発明の構成によれば、広く適用された導体金属性のロウ材により、シールド作
用を発揮することができる。
【0034】
第21の発明は、第14ないし第20の発明のいずれかの構成において、前記蓋体の露
出された面に、グランド端子が設けられており、このグランド端子は、蓋体に形成したス
ルーホールと、このスルーホールにより接続されるパッケージ側スルーホールを介して、
パッケージ側グランド端子と接続されていることを特徴とする。
第21の発明の構成によれば、スルーホールを利用して、蓋体のグランド端子をパッケ
ージを介して、実装基板側に容易にグランド接続することができる。
【0035】
第22の発明は、第1ないし第5の発明のいずれかの構成において、前記パッケージが
複数の基板を積層すると共に、積層した基板の一部について、その内側の材料を除くこと
により、前記内部空間を形成するようにされており、前記パッケージの前記内部空間が水
平な方向に複数に分割されていて、水平に分割された各空間のひとつの空間内には、前記
集積回路が収容されて、樹脂モールドされ、他の空間内には、前記圧電振動片が収容され
て蓋体により封止されており、前記パッケージの前記蓋体が固定された面と同じひとつの
面で、前記ひとつの空間に対応する領域に、前記制御端子と、前記検査用端子とが形成さ
れていて、かつ、前記パッケージの前記水平に分割された各空間が、異なる面に向いて開
放されることにより、前記内蔵部品が異なる方向から収容される構成としたことを特徴と
する。
【0036】
第22の発明の構成によれば、パッケージが水平に分割された内部空間を備え、各分割
された内部空間に個々の内蔵部品を収容できるので、パッケージ内に複数の内蔵部品を収
容しても、パッケージの高さが増すことがなく、低背化を実現することができる。
また、蓋体が固定された同ひとつの面で、蓋体を避けて前記制御端子と、前記検査用端
子とを設けることができると共に、蓋体が固定された同じひとつの面で、前記ひとつの空
間に対応した領域は、開放されていないので、前記制御端子と、前記検査用端子を設ける
べき領域を広くとることができる。
【0037】
また、上記目的は、第23の発明にあっては、内部空間を有し、蓋体により封止される
パッケージと、前記内部空間に収容され、パッケージが封止された状態で、前記パッケー
ジの外面に設けた制御端子と接続されており、この制御端子を介して動作制御及び/また
は動作確認される集積回路を含む内蔵部品を備える圧電デバイスを利用した携帯電話装置
であって、前記圧電デバイスが、前記パッケージの実装面に形成され、前記内蔵部品に駆
動電圧を供給し、及び/または前記内蔵部品から前記パッケージ外部に信号を出力するた
めの実装端子を備えており、前記制御端子と、前記実装端子と接続された検査用端子とが
、前記パッケージの前記実装面以外のひとつの面に向くように設けられている圧電デバイ
スにより、制御用のクロック信号を得るようにした、携帯電話装置により、達成される。
【0038】
また、上記目的は、第24の発明にあっては、内部空間を有し、蓋体により封止したパ
ッケージと、前記内部空間に収容され、前記パッケージの外面に設けた制御端子と接続し
た内蔵部品と、前記パッケージの実装面に形成した実装端子とを備えた制御端子付き電子
部品の製造方法であって、前記パッケージを形成する際に、それぞれ内側に前記内部空間
を設けるようにして、対応する複数個の電子部品が連続するようにされたシート状の絶縁
材料を厚み方向に複数層積層し、前記複数個の電子部品どうしの境界となる位置に、前記
制御端子と前記実装端子と接続した検査用端子とを、前記実装端子以外のひとつの面に向
くようにして予め形成しておき、これら制御端子と検査用端子とを利用して、対応する1
つの電子部品に関する内蔵部品の調整及び/または検査を行った後、或いは、対応する複
数の電子部品に関する内蔵部品の調整及び/または検査を同時に行った後で、前記境界に
沿って、個々の電子部品が切断分離される、制御端子付き電子部品の製造方法により達成
される。
【0039】
第24の発明の構成によれば、制御端子と、実装端子と接続された検査用端子とを、パ
ッケージの前記実装面以外のひとつの面に向くようにして形成する。このため、第1の発
明と同様の原理により、検査用端子及び/または制御端子が、実装端子に対して短絡され
ることがない。また検査治具の構成が単純ですみ治具に要する費用を安価にできると共に
、検査が迅速かつ確実に行える。
また、パッケージを形成する際に、それぞれ内側に内部空間を設けるようにして、対応
する複数個の電子部品が連続するようにされたシート状の絶縁材料を厚み方向に複数層積
層し、複数個の電子部品どうしの境界となる位置に、制御端子と検査用端子とを予め形成
しておく。したがって、このような制御端子と検査用端子とを利用すれば、例えば、検査
用のピンを検査用端子に接触させて、隣接する複数の電子部品を同時に検査することもで
き、内蔵部品の調整検査を迅速に行える。
【0040】
また、上記目的は、第25の発明にあっては、内部空間を有し、蓋体により封止したパ
ッケージと、前記内部空間に収容した内蔵部品と、前記パッケージの実装面に形成した実
装端子とを備えた電子部品の製造方法であって、前記内蔵部品に接続した制御端子と、前
記実装端子に接続した検査用端子とを、前記実装面以外のひとつの外面に向くように設け
、前記制御端子および前記検査用端子を用いて前記内蔵部品を調整および検査した後、前
記パッケージの前記制御端子および前記検査用端子が設けられた領域を切断した、電子部
品の製造方法により達成される。
【0041】
第25の発明の構成によれば、内蔵部品に接続した制御端子と、実装端子に接続した検
査用端子とを、パッケージの実装面以外のひとつの面に向くように設ける。このため、第
1の発明と同様の原理により、電子部品が小型化されても、検査治具の構成が単純ですみ
治具に要する費用を安価にできると共に、検査が迅速かつ確実に行える。
また、制御端子および検査用端子を用いて内蔵部品が調整および検査した後、パッケー
ジの制御端子および検査用端子が設けられた領域を切断しているため、検査用端子と制御
端子とが、実装端子に対して短絡されることがなく、またパッケージを切断した分、電子
部品を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の電子部品の第1の実施形態の概略斜視図。
【図2】図1の電子部品の概略平面図。
【図3】図1の電子部品の概略側面図。
【図4】図1の電子部品の概略底面図。
【図5】図2のA−A線概略断面図。
【図6】本発明の電子部品の第1の実施形態の変形例1の概略斜視図。
【図7】図6の電子部品の概略平面図。
【図8】図6の電子部品の概略側面図。
【図9】図6の電子部品の概略底面図。
【図10】本発明の電子部品の第1の実施形態の変形例2の概略断面図。
【図11】本発明の電子部品の第1の実施形態の変形例3の概略断面図。
【図12】本発明の電子部品の第1の実施形態の変形例4の概略平面図。
【図13】本発明の電子部品の第1の実施形態の変形例4の概略側面図。
【図14】本発明の電子部品の第1の実施形態の変形例4の概略底面図。
【図15】図12のB−B線概略断面図。
【図16】本発明の電子部品の第2の実施形態の概略斜視図。
【図17】図16のC−C線概略断面図。
【図18】図16の電子部品の概略平面図。
【図19】図16の電子部品の概略側面図。
【図20】図16の電子部品の概略底面図。
【図21】本発明の電子部品の第2の実施形態の変形例の概略斜視図。
【図22】図21のD−D線概略断面図。
【図23】本発明の電子部品の第3の実施形態の概略斜視図。
【図24】図23の電子部品の分解斜視図。
【図25】図23の電子部品の検査方法を示す説明図。
【図26】本発明の電子部品の第3の実施形態の変形例の1を示す部分斜視図。
【図27】本発明の電子部品の第3の実施形態の変形例の2を示す斜視図。
【図28】図27の電子部品に係る製造方法について、特徴的な部分を示す概略斜視図。
【図29】図28のE−E線概略端面図。
【図30】図28の貫通孔に設けた検査用端子の配設パターンの変形例。
【図31】本発明の電子部品の第4の実施形態の概略斜視図。
【図32】図31の電子部品の検査方法を説明する概略側面図。
【図33】本発明の電子部品の第5の実施形態の蓋体をはずした状態の概略斜視図。
【図34】図33の電子部品の全体を示す概略斜視図。
【図35】図34の電子部品の蓋体の概略平面図。
【図36】図34の電子部品の蓋体の概略側面図。
【図37】図34の電子部品の蓋体の概略底面図。
【図38】本発明の電子部品の第6の実施形態の蓋体をはずした状態の概略斜視図。
【図39】図38の電子部品の全体を示す概略斜視図。
【図40】本発明の電子部品の第7の実施形態の蓋体をはずした状態の概略斜視図。
【図41】本発明の電子部品の第8の実施形態の概略平面図。
【図42】図41の電子部品の概略側面図。
【図43】図41の電子部品の概略底面図。
【図44】図41のC−C線概略断面図。
【図45】本発明の電子部品の第8の実施形態の変形例の概略断面図。
【図46】本発明の電子部品の第9の実施形態の概略平面図。
【図47】本発明の各実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図。
【図48】従来の制御端子付き電子部品の一例を示す概略斜視図。
【図49】従来の制御端子付き電子部品の他の例を示す概略斜視図。
【図50】図49の制御端子付き電子部品の実装状態を示す概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1ないし図5は、本発明の制御端子付き電子部品(以下、「電子部品」という)の第
1の実施の形態を示しており、図1はその概略斜視図、図2はその概略平面図、図3はそ
の概略側面図、図4はその概略底面図、図5は図2のA−A線概略断面図である。
これらの図において、電子部品10は、パッケージ11と、このパッケージの内部空間
S1に収容された複数の内蔵部品を備えており、内蔵部品は、この実施形態の場合には、
圧電振動片15と、集積回路16である。つまり、電子部品10は、この実施形態では、
圧電振動片15と、この圧電振動片15と接続された集積回路16を備える圧電発振器を
構成した例が示されている。
【0044】
電子部品10のパッケージ11は、例えば、セラミックグリーンシートを成形して焼結
した酸化アルミニウム質焼結体等を利用した複数の基板を積層して形成されている。複数
の各基板は、その内側に所定の孔を形成することで、積層した場合に内側に所定の内部空
間S1を形成するようにされている。
すなわち、パッケージ11は、全体として、図1に示されているように幾何学形状、例
えば矩形状に形成されている。このパッケージ11は、図5に示されているように、下か
ら順に、圧電材料の第1の基板21、第2の基板22、第3の基板23、第4の基板24
を積層して形成されており、各基板の内側の材料を除くことで形成した空間を上下に連通
するように、図5において階段状となるように一体化して、ひとつの内部空間S1を形成
している。
【0045】
パッケージ11の上端は、第4の基板24の内側が大きく除かれることで、開放されて
おり、開口11aとなっている。この開口11aは、蓋体12を固定するように塞がれて
いる。尚、図1及び図2では、理解の便宜のため、この蓋体12の一部が透明であるよう
に示して、パッケージ11内の構造が見えるようにされているが、蓋体12は完全な板状
であり、開口等を形成しているものではない。
【0046】
図5に示されているように、パッケージ11の内部空間S1の底面を形成する第1の基
板21の上面に設けた実装箇所には、集積回路16が固定されており、第2の基板22の
上面に例えば、金または金合金で形成した電極部17,17に対して金線16a,16a
等を用いてワイヤボンディングされている。
そして、この電極部17,17は、第3の基板23の上面に形成した電極部13,13
と一体化されており、この電極部13,13の上には、圧電振動片15がマウントされて
いる。
【0047】
圧電振動片15は、例えば水晶で形成されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム,
ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。本実施形態の場合、圧電振動片
15は、水晶の薄い矩形状の板体で形成された、所謂ATカット振動片であり、その表面
には、図示しない励振電極が形成されている。圧電振動片15は、このような形態以外に
も、マウント部である基部と、この基部から一方向に向けて、二股に別れて平行に延びる
一対の振動腕を備える、全体が音叉のような形状とされた、所謂、音叉型圧電振動片等が
利用されてもよい。
【0048】
圧電振動片15は、基端部15aが、導電性接着剤14を介して、電極部13に接合さ
れており、電極部13と電気的に接続されている。導電性接着剤14は、例えば、接合力
を発揮する接着剤成分としての合成樹脂剤に、銀製の細粒等の導電性の粒子を含有させた
ものである。
【0049】
この圧電振動片15がマウントされた電極部13は、図5に示すように、最上段の積層
基板である第4の基板24の上面まで引き回されて外部に露出され、図1及び図2に表れ
ているように、制御端子32が設けられている。この制御端子は、この実施形態では、パ
ッケージ11の上端の蓋体12を挟んで、両側の周縁部に2つずつ、全部で4つの制御端
子32,32,32,32とされている。これら4つの制御端子32,32,32,32
は、図1に示されているように、パッケージ11のひとつの面SUである上面に向いて、
形成されている。
【0050】
パッケージ11の底面25には、図4に示されているように、各角部に実装端子35,
35,35,35が形成されている。この実装端子35,35,35,35は、図示しな
い経路により、パッケージ11内の電極部17に接続されている。
【0051】
さらに、図5に示す実装端子35,35,35,35は、それぞれ、パッケージ11の
外壁面をパッケージ11の厚み方向に延びる溝または凹部に形成した、導体部34,34
,34,34により、パッケージ11の上端面まで引き回されている。
そして、パッケージ11の上端面の各角部には、図1及び図2に示されているように、
上記導体部34,34,34,34により、図5の各実装端子35,35,35,35に
接続された検査用端子31,31,31,31が設けられている。
したがって、これら検査用端子31,31,31,31も、実装端子35,35,35
,35が形成された底面25と反対面であるパッケージ11のひとつの面SUとしての上
面に向いて、形成されている。
【0052】
パッケージ11の開放された上端には、上述したように、ロウ材18を介して、蓋体1
2が接合されることにより、封止されている。蓋体12は、例えば、コバール等のパッケ
ージ11と熱膨張係数の近似した材料で形成することができる。
【0053】
本実施形態は以上のように構成されており、パッケージ11の実装面である底面25実
装端子35,35,35,35と接続された検査用端子31,31,31,31と制御端
子32,32,32,32が、ともにパッケージ11の上面SUに形成されている。この
ため、制御端子32,32,32,32も、検査用端子31,31,31,31も実装端
子35,35,35,35と異なる面に設けられているから、電子部品11が小型化され
ても、実装用の半田(図示せず)により実装基板(図示せず)と検査用端子31,31,
31,31も、あるいは制御端子32,32,32,32も、実装端子と短絡されること
がない。したがって、検査用の端子を設けても、製品の品質に悪影響を受けることがない

【0054】
また、制御端子32,32,32,32と検査用端子31,31,31,31が、とも
に、パッケージ11の上面SUに向かって露出されているので、向きを揃えた検査用のピ
ンを備える検査治具により、容易に検査することができる。したがって、検査治具の構成
が単純ですみ治具に要する費用を安価にできると共に、検査が迅速かつ確実に行える。
【0055】
特に、この実施形態では、パッケージ11には内部空間S1と連通した開放部もしくは
開口11aがあり、この部分が蓋体12で塞がれている。そして、この蓋体12が固定さ
れるパッケージ11の上面SUに、制御端子32,32,32,32と検査用端子31,
31,31,31が、その向きをそろえられて露出されている。このため、パッケージ1
1の実装面である底面25を下とした場合に、制御端子32,32,32,32と検査用
端子31,31,31,31に対しては、図1に示すように、パッケージ11の上方から
検査用のピン39,39,39,39,39,39,39,39を容易に当てることがで
きる。
【0056】
また、パッケージ11の内部空間S1内に、縦方向に沿って、圧電振動片15と集積回
路16とが配置されているから、複数の内蔵部品を収容していても、電子部品10全体と
して、実装基板の実装面積を大きくとることがない。
【0057】
また、図1及び図2に示されているように、この実施形態では、パッケージ11の上端
,すなわち、第4の基板24の上面の蓋体12周囲のスペースを有効に利用して、制御端
子32,32,32,32と検査用端子31,31,31,31とを形成できると共に、
これらの端子がパッケージ端面に高さをそろえて露出することになるので、検査用ピンの
構成が一層簡単になり、検査もしやすくなる。
さらに、この実施形態では、パッケージ11のひとつの内部空間S1内に、縦方向に沿
って、圧電振動片15と集積回路16とが配置されているから、内蔵部品の収容スペース
を共通化する構成とすることができ、パッケージ11の構成を単純化できる。
【0058】
図6ないし図9は、第1の実施形態の変形例1を示しており、図6はその概略斜視図、
図7はその概略平面図、図8はその概略側面図、図9はその概略底面図である。
これらの図において、図1ないし図8の電子部品10と同一の符号を付した箇所は共通
の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0059】
図6ないし図9において、変形例1に係る電子部品20は、電子部品10と比較すると
、導体部36の構成のみが異なっている。
すなわち、電子部品20においては、検査用端子31,31,31,31と、実装端子
35,35,35,35とを電気的に接続する導体部36,36,36,36は、パッケ
ージ11の四隅に縦方向に沿って形成されたキャスタレーションの表面に形成されている

このキャスタレーションは、各基板21,22,23,24を焼結後、パッケージに形
成された高融点のタングステン等からなるパターンに、NiあるいはAu等をメッキ形成
する際に、対応したメッキ液に、パッケージをつける場合、メッキすべき箇所の表裏にメ
ッキ液がまわりやすくするためのものである。また、この電子部品20を実装基板に実装
した際に、実装基板のランド(図示しない)と実装端子35の半田による接合強度を得る
ために、このキャスタレーションに導体をメッキし、この部分にも半田接合させることで
、上記接合強度を向上させることができる。
【0060】
そして、図示するように、基板の四隅の箇所に、1/4円の形状のキャスタレーション
が形成されるので、パッケージ11をつくる際に、第1ないし第4の基板21,22,2
3,24を図示するように重ねると、各基板21,22,23,24の四隅の1/4円の
形状のキャスタレーションが、パッケージ11の厚み方向に連続する。この連続するキャ
スタレーションを利用してその表面に導体金属による導体部36,36,36,36を形
成すれば、検査用端子31,31,31,31と、実装端子35,35,35,35との
接続構造を容易に形成することができる。
また、パッケージ31の四隅の角に導体部36を形成することにより、側面のパッケー
ジ壁厚が十分確保されるため、電子部品20の小型化が進んだ場合にも、パッケージ側面
の強度を保つことができる。
変形例1のその他の作用効果は、第1の実施形態と同様である。
【0061】
図10は、第1の実施形態の変形例2を示しており、図10において、図1ないし図8
の電子部品10と同一の符号を付した箇所は共通の構成であるから、重複する説明は省略
し、以下、相違点を中心に説明する。
図10において、電子部品30は、図1ないし図8の電子部品10と比べると、パッケ
ージ11を構成する積層基板の構造が異なっている。
【0062】
すなわち、電子部品30のパッケージ11を構成する第1の基板311と、第2の基板
312には異なる大きさに、内側の材料が除かれている。第3の基板313は内側の材料
を除かないで、孔のない基板とされており、第4の基板314は内側の材料が除かれてい
る。
これにより、第1の基板311と、第2の基板312の内側には、第1の内部空間S2
が形成され、第4の基板314の内側には、第2の内部空間S3が形成されている。第3
の基板313は、これら第1の内部空間S2と第2の内部空間S3を上下に区分する境界
を形成している。
【0063】
第1の内部空間S2には、集積回路16が第3の基板313の図において下面に対して
固定されており、金線16a,16aを用いて、電極部17,17に対してワイヤボンデ
ィングされている。電極部17は、電子部品10の場合と同様に制御端子32に接続され
ている。
さらに、内部空間S2には、合成樹脂33を充填することにより、樹脂モールドされて
いる。
第2の内部空間S3には、圧電振動片15が電極部13上に導電性接着剤13を介して
マウントされている。電極部13は、電子部品10の場合と同様に制御端子32に接続さ
れている。
【0064】
このように、変形例2によれば、内部空間が、基板を挟んで上下に分割された2つの空
間S2,S3とされている。そして、第3の基板313の両面側に電極13と電極17を
それぞれを形成することで、圧電振動片15と集積回路16を、第1の内部空間S2と第
2の内部空間S3の2つの各空間に収容する構造を実現でき、これらの内蔵部品を縦方向
に収容することで、実装スペースの有効な利用ができる。また、圧電振動片15と集積回
路16を実装する空間S2とS3が第3の基板313によって分離されるので、ノイズを
遮蔽しやすい利点がある。その他の作用効果は、電子部品10と同じである。
【0065】
図11は、第1の実施形態の変形例3を示しており、図11において、図1ないし図8
の電子部品10と同一の符号を付した箇所は共通の構成であるから、重複する説明は省略
し、以下、相違点を中心に説明する。
図11において、電子部品200は、図1ないし図8の電子部品10と比べると、パッ
ケージ11を第1のパッケージとして、さらに、第2のパッケージ201備える点が異な
っている。
【0066】
下側のパッケージである第1のパッケージ11は、電子部品10のパッケージ11と同
じ構造であり、その内部空間である第1の内部空間S4には、電子部品10の場合と同様
に、集積回路16が収容されている。
第1のパッケージ11の第4の基板24の開口11aには、第2のパッケージ201が
はめ込まれて、固定されている。
上側のパッケージである第2のパッケージ201は、図示されているように第1のパッ
ケージ11よりも小さく形成されている。この第2のパッケージ201は、例えば、2枚
の積層基板を利用して形成されており、第1の基板37の上に、内側の材料を除いた第2
の基板38が重ねられている。第2の基板38の内側に形成されている第2の内部空間S
5には、圧電振動片15が収容されており、この第2の基板38には、ロウ材18を介し
て蓋体12が固定されている。
【0067】
第1のパッケージ11の開口11aには、第2のパッケージ201がはめ込まれて固定
され、第1のパッケージ11と第2のパッケージ201は一体化されている。そして、大
きなサイズの第1のパッケージ11に、これよりも小さな第2のパッケージ201を重ね
たことにより、固定箇所の第2のパッケージ201の周縁より外側に、段部が形成され、
この上向きの段部であるひとつの面SUには、電子部品10と同様に、検査用端子31と
制御端子32が設けられている。したがって、この変形例3においても、検査用端子31
と制御端子32は、第1のパッケージ11の実装端子35,35が形成された実装面と反
対の面SUに向くように露出されている。
【0068】
第1の実施形態の変形例3は、以上のように構成されており、変形例2と同様に、内蔵
部品を縦方向に収容することで、実装スペースの有効な利用ができる。また、圧電振動片
15と集積回路16とが、異なるパッケージに収容されてひとつの電子部品200を構成
することで、より一層ノイズの遮蔽効果がある。
【0069】
図12ないし図15は、第1の実施形態の変形例4を示しており、図12はその概略平
面図、図13はその概略側面図、図14はその概略底面図、図15は図12のB−B線概
略断面図である。
これらの図において、図1ないし図8の電子部品10と同一の符号を付した箇所は共通
の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図12ないし図15において、変形例4に係る電子部品210は、電子部品10と比較
すると、主に、蓋体12を実装面側に配置し、内蔵部品である集積回路16をパッケージ
218の上面に配置した構成が異なっている。
【0070】
すなわち、電子部品210においては、図15に示されるように、パッケージ218は
、下から第1の基板218a、第2の基板218b、第3の基板218cを積層して形成
されており、第2の基板218bに所定の孔211を設けることで、内部空間S1が形成
されている。この内部空間S1内の最上段の基板である第3の基板218cには、電極部
13が下向きに設けられており、この電極部13に導電性接着剤14を用いて、下向きに
圧電振動片15が接続されている。
【0071】
パッケージ218の最下段の基板である第1の基板218aには、第2の基板218b
に設けた孔211よりも大きな孔212を設けることにより、段部213が形成されてい
る。そして、この段部213,213にロウ材18を適用して、第2の基板218bの開
口端面213,213が蓋体12により封止されるようになっている。また、パッケージ
218の第1の基板218aは、孔212を設けることにより下向きの開口端面215が
形成され、この開口端面215は蓋体12と同一あるいは下方に位置するように形成され
ている。そして、図14および図15に示されるように、この開口端面215の4隅に実
装端子35,35,35,35が設けられている。
この実装端子35,35,35,35は、図13に示されるように、導体部34,34
により、パッケージ218の上面SUまで引き回されて、図12に示されるパッケージ2
18の上面SUに設けられた検査用端子31,31,31,31と電気的に接続されてい
る。
【0072】
また、パッケージ218の上面SUには、図15に示されるように、集積回路16が配
置されている。この集積回路16は、導電性接着剤214,214を用いて圧電振動片1
5と電気的に接続されている。すなわち、第3の基板218cにはスルーホール217が
形成されており、このスルーホール217内には導通体219が充填されており、この導
通体219が圧電振動片15と接続された電極部13と電気的に接続されている。ここで
、導電性接着剤214をボンディングワイヤ等に置き換えてもよい。なお、集積回路16
は、非導電性の接着剤216により、パッケージ218の上面SUに固着するようになっ
ており、またコーティング(図示せず)等をすることにより絶縁されるようになっている

そして、パッケージ218の上面SUには、図12に示されるように、制御端子32,
32,32,32が配置されており、これらの制御端子32,32,32,32は、上面
SUを引き回されて、同一面SUに配設された集積回路16と電気的に接続されている。
なお、非導電性の接着剤216にて検査用端子31および制御端子32を覆ってしまい、
検査及び調整ができない恐れがあるため、図12のように接着剤216からある程度離れ
た部分に検査端子31および制御端子32が配置されることになる。しかし、集積回路1
6に対して電子部品210が小さい場合には、検査用端子31及び制御端子32が小さく
なってしまい、検査用のピンとの接触が十分に取れない場合がある。この場合には、検査
等を行った後に接着剤216を塗布するようにすれば、検査用端子31及び制御端子32
を接着剤216より離す必要がないため、検査用端子31及び制御端子32の端子面積を
大きくすることができる。また、接着剤216によって、検査及び調整後に検査用端子3
1及び制御端子32を覆うことができる。
【0073】
第1の実施形態の変形例4は以上のように構成されており、蓋体12を実装面側に配置
するようにして、集積回路16をパッケージ218の上面SUに設けることにより、同一
面SUに設けられた制御端子32,32,32,32と集積回路16とを容易に電気的に
接続することができる。
【0074】
図16ないし図20は、本発明の制御端子付き電子部品の第2の実施の形態を示してお
り、図16はその概略斜視図、図17は図16のC−C線概略断面図、図18はその概略
平面図、図19はその概略側面図、図20はその概略底面図である。尚、図17では、理
解の便宜のため、第1のパッケージ41の一部が透明であるように示して、第1のパッケ
ージ41内の構造が見えるようにされているが、第1のパッケージ41は透明体ではない

【0075】
これらの図において、図1ないし図8の電子部品10及び第1の実施形態の変形例の説
明と同一の符号を付した箇所は共通の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相
違点を中心に説明する。
第2の実施形態に係る電子部品40は、例えば、全体として、直方体形状,すなわち平
面視で、図18に示されているように、4角形状もしくは長方形状に形成されている。こ
の電子部品40は、上側となる第1のパッケージ41と、下側となる第2のパッケージ4
2を備えている。すなわち、第1のパッケージ41と、第2のパッケージ42は、図16
に示すように縦方向に重ねて固定されるようになっている。
【0076】
具体的には、図16及び図17に示すように、第1のパッケージ41は、集積回路16
を、例えばモールド樹脂などの絶縁部材により覆うようにしている。集積回路16は、図
17に示されているように、第1のパッケージ41の上面側を下にして固定されている。
一方、第1のパッケージ41の各角部には、導電性を備えて、かつバネ弾性を発揮する金
属により、検査端子31,31,31,31が形成されている。各検査端子31,31,
31,31は、パッケージ41の上面SUに露出する部分が端子として機能するとともに
、第1のパッケージ41の外側側面に沿って、それぞれ下方へ板バネ状に延長されて、係
止手段31a,31a,31a,31aを形成している。各係止手段31a,31a,3
1a,31aは、先端側が内方に向くように付勢されている。また、各検査端子31,3
1,31,31は、係止手段31a,31a,31a,31aと反対側の先端部31bが
絶縁部材により覆われており、第1のパッケージ41から抜けてしまわないようになって
いる。
そして、第1のパッケージ41内の集積回路16は、金線16a,16aによって、パ
ッケージ内部で、これら各検査用端子31,31,31,31と接続されている。
【0077】
また、第1のパッケージ41の上面SUの中央よりには、制御端子32,32,32,
32,432,432が露出されている。これら制御端子32,32,32,32,43
2,432についても、金線16b,16bによって、集積回路16と接続されている。
なお、制御端子32,32,32,32,432,432の内、制御端子432,432
については、検査用端子31と略同様の形状から構成された係止手段432aを形成して
いる。
【0078】
第2のパッケージ42の上には、蓋体12が固定されている。尚、図16では、理解の
便宜のため、蓋体12を通して、内部の構成を示している。そして、第2の内部空間S7
には、圧電振動片15が収容されており、第1の実施形態と同じようにマウントされてい
る。また、第2のパッケージ42の角部には、キャスタレーションが形成され、その上に
底面25の各実装端子35,35,35,35と接続された導体部36が設けられている
。なお、第2のパッケージ42の側面にもキャスタレーションが形成され、その上に、第
2のパッケージ42の内部配線により、電極部13と電気的に接続された導体部436が
設けられている。このようにして、集積回路16と圧電振動片15とは、第1のパッケー
ジ41の制御端子432,432及び第2のパッケージ42の導体部436を介して電気
的に接続されている。
【0079】
以上の構成において、図16に示されているように、第2のパッケージ42の上から第
1のパッケージ41を被せるように、矢印方向に移動させると、第2のパッケージ42の
上に第1のパッケージ41が重なり、各係止手段31a,31a,31a,31aは、第
2のパッケージ42の各導体部36に重なって内方に付勢する。
これにより、第1のパッケージ41が第2のパッケージ42に重ねた状態で固定される
と共に、各係止手段31a,31a,31a,31aは、第2のパッケージ42の導体部
36と電気的に接続される。
【0080】
本実施形態は以上のように構成されており、第1の実施形態と同様の作用効果を発揮す
るとともに、第1のパッケージ41に集積回路16を収容することで、第1のパッケージ
41には、蓋体を設ける必要がなく、その分スペースを有効利用して、上面SUに制御端
子を設けることができる。また、この第1のパッケージ41は、簡単な作業により係止手
段31a,31a,31a,31aを用いて、簡単な作業で、第2のパッケージ42に係
止できる。この係止手段31a,31a,31a,31aは導電性であり、一部が第1の
パッケージ41上面SUに露出され、しかも第2のパッケージ42の導体部36と接触さ
れることで、第1のパッケージ41の上面SUに検査用端子31,31,31,31を簡
単に形成することができるという巧みな構造とすることができる。
【0081】
図21および図22は、第2の実施の形態に係る変形例を示しており、図21はその概
略斜視図、図22は図21のD−D線概略断面図である。尚、図22では、理解の便宜の
ため、第1のパッケージ41の一部が透明であるように示して、第1のパッケージ41内
の構造が見えるようにされているが、第1のパッケージ41は透明体ではない。
これらの図において、図16ないし図20の電子部品40の説明と同一の符号を付した
箇所は共通の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図21および図22において、変形例に係る電子部品220は、電子部品40と比較す
ると、主に検査用端子31周辺の形状が異なっている。
【0082】
すなわち、電子部品220においては、第1のパッケージ41は、係止手段31a,3
1a,31a,31aが第1のパッケージ41から外れてしまわないように、係止手段3
1a,31a,31a,31aの一部(図22においては係止手段の第1のパッケージ4
1側の先端部)を絶縁部材により覆うようにしている。また、これらの図では、制御端子
432に接続されている係止手段432aについても、絶縁部材により覆われている。
そして、この第1のパッケージ41を形成する絶縁部材は、図22に示されるように、
上面に凹部222,222,222,222を形成して、絶縁部材により覆われた係止手
段31a,31a,31a,31aの一部を、第1のパッケージ41の上面SUに露出さ
せている。このようにして、第1のパッケージ41の上面SUに露出させた係止手段31
a,31a,31a,31aを、検査用端子31,31,31,31としている。
【0083】
本第2の実施形態の変形例は、以上のように構成されており、このため、検査用ピンを
検査用端子31,31,31,31に当てる際、凹部222,222,222,222が
検査用ピンを検査用端子31,31,31,31まで案内するガイドとなり、確実に検査
を行うことができる。
【0084】
図23ないし図25は、本発明の制御端子付き電子部品の第3の実施の形態を示してお
り、図23はその概略斜視図、図24はその概略分解斜視図、図25はその検査方法を説
明する概略斜視図である。
これらの図において、図1ないし図8の電子部品10及び第1の実施形態の説明と同一
の符号を付した箇所は共通の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中
心に説明する。
【0085】
第3の実施形態に係る電子部品50は、図23及び図24に示されているように、複数
の基板を積層してパッケージ11を形成している。このパッケージ11を形成するための
基板は、下から第1の基板51,第2の基板52,第3の基板53,第4の基板54であ
り、これらの基板の材料や構造は、第1の実施形態の積層基板と同じである。
【0086】
この電子部品50では、第1の実施形態と比較すると、検査用端子31,31,31,
31及び制御端子32,32,32,32が形成される箇所が異なっている。
図24に示されているように、第3の基板53において、その表面の左右端部に、これ
ら検査用端子31,31,31,31及び制御端子32,32,32,32が形成されて
いる。
すなわち、検査用端子と制御端子は、第3の基板53の上面の左右端部にそれぞれ同じ
形態で同じ数だけ設けられており、その片方、例えば左端側について説明すると、圧電振
動片15の接続されている電極部13,13は、そのまま内部空間S1から外側に延長さ
れて、延長端が並列的に並んだ制御端子32,32とされている。
【0087】
また、図示されているように検査用端子31,31は、第3の基板53の上面で、制御
端子32,32の外側にひとつずつ並んで設けられている。
この制御端子32,32は、パッケージ11の内方へ向かって第3の基板53の上面を
延長されており、一体に形成した電極部13,13とされている。この電極部13,13
には、導電性接着剤14,14を介して、圧電振動片15が接続されている。
検査用端子31,31は、第3の基板53の上面で、制御端子32,32の外側に配置
されており、内側がパッケージ11の内方へ延長され、途中で外側に90度向きを変えて
、外方へ向かって延びている。そして、検査用端子31,31の延長端は、パッケージ1
1の厚み方向に沿って、下から第1の基板51,第2の基板52,第3の基板53にわた
って形成された溝または凹部に設けた導体部34と接続されている。この導体部34は、
パッケージ11の底面に設けた図示しない実装端子(図4と同じ構造)と接続されている

【0088】
そして、パッケージ11の最上段の第4の基板54の周縁には、切り欠き部55,55
,55,55が形成されている。この切り欠き部55,55,55,55は下段の基板で
ある第3の基板53に形成された各端子部の位置に対応して設けられている。
【0089】
本実施形態は以上のように構成されており、第1の実施形態と同様の作用効果を発揮す
る。
図25に示すように、電子部品50に使用される検査用ピン59,59,59,59,
59,59,59,59は、全て同じ形状であり、第1の実施形態における検査用ピン3
9(図1参照)と比べると、端子にコンタクトされる先端が、フック状とされており、こ
のフック状の先端が、電子部品50の各切り欠き部55に入り込んで、位置決めされつつ
、対応する端子部に当接するようになっている。そして、各検査用ピン59は、ひとつの
面SUに対して、対向するように、全て一方向に揃えて検査することができる。
【0090】
このように、電子部品50は、第1の実施形態と共通する作用効果を発揮する他、以下
のような独自の作用を発揮する。
すなわち、電子部品50においては、最上段の基板54には、蓋体12が固定されてい
る。そして、下段の基板である第3の基板53が形成する内部空間S1に圧電振動片15
が収容されることになるので、この下段の基板53上で図示されているように、電極部1
3を外側に延長するだけで、制御端子32が容易に設けられる。しかも、最上段の基板で
ある第4の基板54の周縁部に切り欠き部55を形成することで、制御端子32がひとつ
の面SUの方向へ上方を向いて露出される。したがって、下段の基板である第3の基板5
3に制御端子32に並べて検査用端子31を配置すれば、制御端子32と検査用端子31
が同じ高さに揃えられて、形成されることになる。
これにより、パッケージ11上端,すなわち、第4の基板54の上面に制御端子32と
検査用端子31を形成する必要がなく、蓋体12の周囲の面積は小さくてよいので、その
分パッケージを小型化できる。
【0091】
図26は、第3の実施形態の第1の変形例を示しており、次の点以外は上述の説明によ
る構成と同じである。
この場合、第4の基板54に設けた切り欠き部55の内面に、対応する端子部と一体と
された導体部31b,31b,32b,32bを備えている。これにより、図25のよう
にして検査を行う場合、検査用ピン59が、導体部31b,31b,32b,32bに接
触することでも検査が可能であるから、検査がその分容易で、確実になる。
【0092】
図27は、第3の実施形態の第2の変形例に係る電子部品230である。
この図において、図23ないし図26に係る第3の実施形態およびその変形例と同一の
符号を付した箇所は共通の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心
に説明する。
本第3の変形例に係る電子部品230は、そのパッケージ11を構成する第1ないし第
4の基板51,52,53,54の側面に、キャスタレーション51a,52a,53a
,54aが設けられている。このキャスタレーション51a,52a,53a,54aの
うち、少なくとも第1の基板(実装端子側である最下段の基板)に設けられたキャスタレ
ーション51aを除いたキャスタレーション52a,53a,54aに制御端子32が設
けられている。また、本第3の変形例では、第4の基板54に設けられたキャスタレーシ
ョン54aが最も大きく形成されている。また、第1ないし第4の基板51,52,53
,54の角部にも、キャスタレーション51c,52c,53c,54cが設けられてお
り、このキャスタレーション51c,52c,53c,54cには、実装端子35と電気
的に接続される検査用端子31が設けられている。
【0093】
このような電子部品230は、次のように製造されて調整検査等されている。図28は
、電子部品230に係る製造方法の特徴的な部分を示す概略斜視図であり、電子部品23
0,230に対応するパッケージ11,11が一体となっている図である。すなわち、パ
ッケージ11,11は、複数のシート状の絶縁材料236,237,238,239を厚
み方向に積層し、これを切断して形成するようになっている。
【0094】
具体的には、例えば所謂セラミックグリーンシートを、一方向に長いテープ状に形成し
、これを製造しようとするパッケージ11の数に対応してカットしてシート状の絶縁材料
236,237,238,239を形成する。なお、絶縁材料236は複数の第1の基板
51を、絶縁材料237は複数の第2の基板52を、絶縁材料238は複数の第3の基板
53を、絶縁材料239は複数の第4の基板54を形成するベースとなる。
【0095】
次いで、シート状の絶縁材料236,237,238,239に、第1ないし第4の基
板に必要な構成(図24に示す内部空間S1を形成するための孔や電極部13,13等)
を、製造しようとする電子部品の数だけ形成する。
この際、シート状の絶縁材料236,237,238,239のそれぞれに、図28の
E−E線概略断面図である図29に示す貫通孔236a,237a,238a,239a
を、完成後の複数個の電子部品230,230どうしの境界となる位置(図28の切断線
CL)に、各パッケージ11,11に跨るようにして形成する。また、本第3の変形例で
は、絶縁材料239に形成した貫通孔239aを最も大きく形成している。これらの貫通
孔236a,237a,238a,239aは、各電子部品230,230を完成させた
場合に、図27に示す側面のキャスタレーション51a,52a,53a,54aとなる
。そして、これらの貫通孔のうち、複数の第1の基板51(実装端子側である最下段の基
板)を形成するための絶縁材料236に形成した貫通孔236aを除いた貫通孔237a
,238a,239aの内面に、導通可能な金属をメタライズなどして図29に示すよう
に制御端子32を設ける。
また、シート状の絶縁材料236,237,238,239のそれぞれに、図28に示
す切り欠き部234,234を、完成後の複数個の電子部品230,230どうしの境界
となる位置(図28の切断線CL)であって、各パッケージ11,11の角部となる位置
に、各パッケージ11,11を跨るようにして形成する。この切り欠き部234,234
は、各電子部品230,230を完成させた場合に、図27に示すキャスタレーション5
1c,52c,53c,54cとなる。そして、この切り欠き部234,234には、全
面に検査用端子31,31を設ける。
【0096】
次いで、絶縁材料236,237,238,239を積層した後、既に形成した複数の
内部空間S1内のそれぞれに内蔵部品15,16を収容固定して、蓋体12により封止す
る(図24参照)。その後、図28に示すように、検査用ピン39,39,39,39を
複数個の電子部品230,230どうしの境界(切断線CL)に沿うようにして降下させ
、制御端子32,32および検査用端子31,31に接触させる。そして、図28に示す
切断線CLに沿って切断分離し、パッケージ11,11を完成すると共に電子部品230
,230を完成する。
【0097】
本第3の実施形態の第2の変形例は以上のように構成されている。これにより対応する
複数個の電子部品が連続するようにされたシート状の絶縁材料を複数層積層した状態にお
いて、制御端子32,32および検査用端子31,31は、各電子部品230,230に
共通する端子となっているため、複数の電子部品230,230を同時に調整検査等する
ことができ、内蔵部品の調整検査等を迅速に行える。
また、絶縁材料239に形成した貫通孔239aは他の貫通孔236a,237a,2
38aよりも大きく形成されているため、絶縁材料236,237,238,239を積
層した状態において、図28に示すように、凹状となっている。したがって、この凹状が
検査用ピン39,39を制御端子32,32に案内して、確実に検査用ピン39,39を
制御端子32,32に接触させることができる。また、確実に検査用ピン39,39を制
御端子32,32に接触させることができれば、検査用端子31,31と制御端子32,
32の距離は決まっているので、検査用ピン39,39を検査用端子31,31に確実に
導くことができる。
【0098】
尚、図30(a)(b)(c)は、上述した貫通孔に設けた検査用端子31の配設パタ
ーンの変形例であり、これらの図に示されるように、隣接する完成前の各電子部品230
,230に共通する検査用端子31を形成することができれば、検査用端子31の配設パ
ターンは上述した配設パターンに限られない。
また、図28および図29は、作図の便宜上、2つの完成前の電子部品230,230
どうしの境界となる部分を拡大した図であるが、他にも複数の電子部品230,230・
・・が連続しており、制御端子32,32および検査用端子31,31は、隣接する各電
子部品230,230・・・に共通する端子となるように設けられている。
【0099】
図31及び図32は、本発明の制御端子付き電子部品の第4の実施の形態を示しており
、図31はその概略斜視図、図32はその検査方法を説明する概略側面図である。
これらの図において、図1ないし図8の電子部品10及び第1の実施形態の説明と同一
の符号を付した箇所は共通の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中
心に説明する。
【0100】
本実施形態の電子部品60は、パッケージの形態が異なる他、第3の実施形態と共通の
構造である。パッケージ61を構成する第1ないし第3の基板51,52,53の構造は
、第3の実施形態と同じであり、圧電振動片及び集積回路の収容構造や電極の設け方も同
じである。
電子部品60のパッケージ61では、第3の基板53の上に重ねられる基板が、第3の
実施形態よりも一枚多く、第4の基板64と第5の基板65を有している。少なくとも第
4の基板64は、内部空間を形成するように、内側の材料が除去されており、最上段の基
板である第5の基板65は、上記内部空間と連通する空間を有していてもよいし、内部空
間を形成しなくてもよい。
【0101】
この実施形態で特徴的なのは、蓋体12が固定されている最上段の基板である第5の基
板65の下段の基板である第4の基板64の外形が他の基板よりも小さくされることで、
凹部形成基板とされている点である。すなわち、第4の基板64の箇所には、外周が内側
に凹状となった凹部68が形成されている。
このため、この凹部68には、検査用端子31,31と制御端子32,32が、パッケ
ージ61上面SUに向かって露出されている。
【0102】
本実施形態は以上のように構成されており、検査の際には、図32に示されているよう
に、電子部品60の両側に配置された検査装置の検査用ピンの移動手段66,66が、電
子部品60に接近される。そして、矢印で示すように縦方向に回動される検査用ピン67
,67が電子部品60の両側に形成された凹部68,68内に入り込んで、各先端が、検
査用端子31及び制御端子32と接触される。
したがって、この実施形態の場合も、第1の実施形態と同様に、一方向に向いた検査用
ピン67,67により、容易に検査を行うことができるので、第1の実施形態と同様な作
用効果を発揮することができる。
【0103】
しかも、最上段の基板65は、図示されているように、蓋体12が固定され、それより
下段の基板が形成する内部空間に圧電振動片が収容されることになるので、この下段の基
板上で水平に電極部を外側に引き回せば、第3の実施形態と同様に、制御端子32を容易
に設けられる。この場合、最上段以外の基板64の外縁部が他の基板よりも内側に位置す
る形状とされることで、パッケージ65側面に凹部68を形成する凹部形成基板とされる
ことで、この凹部68において、制御端子32が上方を向いて露出される。したがって、
下段の基板53の上面に検査用端子31を配置すれば、制御端子32と検査用端子31が
同じ高さに揃えられて、形成されることになる。これにより、パッケージ65上端に制御
端子32と検査用端子31を形成する必要がなく、その分パッケージ65を小型化できる
。そして、例えば、前記凹部68内で、縦方向に旋回する検査用ピン67を利用すること
により、容易に検査を行うことができる。
この実施形態の場合、特に最上段の基板65には、第3の実施形態のように切り欠き部
さえ形成する必要がないので、蓋体12を固定できる最低の大きさがあれば済むことから
、電子部品60の平面的大きさをさらに小さくすることができる。
【0104】
図33ないし図34は、本発明の制御端子付き電子部品の第5の実施の形態を示してお
り、図33はその蓋体をはずした状態の概略斜視図、図34はその全体を示す概略斜視図
、図35は、その蓋体の概略平面図、図36はその蓋体の概略側面図、図37は、その蓋
体の概略底面図である。
これらの図において、図1ないし図8の電子部品10その他の実施形態の説明と同一の
符号を付した箇所は共通の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心
に説明する。
【0105】
図33において、本実施形態のパッケージ71の構造は、図24で説明したパッケージ
11の構造とほぼ同じであり、積層基板や内蔵部品についての説明は省略する。
第5の実施形態にかかる電子部品70において特徴的な点は、制御端子と検査用端子を
蓋体に形成したために、パッケージの大きさを最も小さく形成できる点である。
【0106】
図33に示されているように、パッケージ71は、平面視において、例えば、ほぼ長方
形状に形成されている。このパッケージ71の上端面75には、その外縁部に近い位置に
、パッケージ側導体部として、複数の電極部73が形成されている。そして、各電極部の
周囲を囲むように、導体を形成しない領域として絶縁部74が形成されている。
具体的には、パッケージ71側の導体面である電極部73は、長方形の各隅部と、各隅
部の中間位置で、長方形の各辺の中央近傍にそれぞれ図示のように形成されている。各隅
部に設けた電極部73は、図24の構造と同様にして、パッケージ内部を経由して、パッ
ケージ71側面にて縦方向に延びる各導体部34と接続されており、後述する蓋体76の
検査用端子と接続される。各隅部の中間、すなわち、長方形の各辺の中央付近に形成され
ている電極部73は、図24の第3の基板53の構成として説明したように、内蔵部品と
接続されて、引き回され、図24の場合とは異なり、最上段の基板72の上端面75に延
長して、図23のように形成されている。
【0107】
蓋体76は、ガラスのような非導電性の材料、もしくは圧電材料等により形成されてい
る。図33と図35に示すように、蓋体76の表面(上面)には、制御端子と、検査用端
子が複数形成されている。
具体的には、ほぼ長方形でなる蓋体76の各角部もしくは隅部には、それぞれ検査用端
子31,31,31,31が形成されており、各検査用端子31どうしの間の位置で、蓋
体76の外縁に沿って、制御端子32,32,32,32が形成されている。この各制御
端子と検査用端子の位置は、図33のように、パッケージ71に対して、蓋体76を固定
する位置に合わせた場合に、パッケージ71側の上述した対応する電極部73と位置合わ
せされるようになっている。
さらに、図33及び図35に示されているように、検査用端子31,31,31,31
及び制御端子32,32,32,32のうち、いずれかの端子部に異形部を設けている。
例えば、この実施形態の場合、図35の左下の検査用端子31の一部を他の端子部の形状
と異なる形状とした異形部31eを設けていることで、図33のように、パッケージ71
に蓋体76を固定する場合に、取付けに方向性を必要とする際、正しく位置合わせするた
めの案内とすることができる。
また、異形部31eは、電子部品70を実装基板(図示せず)に実装する場合にも取付
け方向を認識するための目印になる。
【0108】
また、蓋体76の各端子が形成された箇所の側面には切り欠き部がそれぞれ形成されて
いる(図35及び図36参照)。すなわち、蓋体76の検査用端子31,31,31,3
1の外縁には、それぞれ切り欠き部31c,31c,31c,31cが、蓋体76の制御
端子32,32,32,32の外縁には、それぞれ切り欠き部32c,32c,32c,
32cが、それぞれ形成されており、各切り欠き部の内面には、対応する端子と一体の導
電部が設けられている。
【0109】
さらに、図37に示すように、蓋体76の裏面には、斜線で示した領域77に、蓋体7
6のパッケージ71に対する接合に使用される導電性のロウ材が付着する封止しろが存在
する。このため、この封止しろから絶縁するため、上記切り欠き部31c,31c,31
c,31cの周囲に絶縁領域31d,31d,31d,31dが、上記切り欠き部32c
,32c,32c,32cの周囲に絶縁領域32d,32d,32d,32dが、それぞ
れ設けられている。
【0110】
そして、図34に示されているように、パッケージ71に蓋体76を固定すると、蓋体
76の上述した各切り欠き部31c,32cから、最上段の基板72上の各電極部73が
露出する。したがって、各切り欠き部31c,32cの内側に、導通用の半田等をもるこ
とで、パッケージ71側の各電極部と、蓋体76の各検査用端子31と各制御端子32が
電気的に接続され、蓋体76の上面をひとつの面SUとして、この上面SUに各検査用端
子31と各制御端子32が露出する構成が得られる。
【0111】
本実施形態は以上のように構成されており、図34の状態の電子部品70に対して、図
1の検査用ピン39と同様な検査手段を用いて、蓋体76上の各検査用端子31と各制御
端子32に接触させることで、容易に検査を行うことができるので、本実施形態も第1の
実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0112】
しかも、各検査用端子31と各制御端子32は、パッケージ71ではなく、蓋体76に
形成されるので、パッケージ71の上端面には、これらの端子を形成する領域を必要とし
ない。このため、パッケージ71は、蓋体76を固定できる最低の大きさがあれば済むこ
とから、電子部品60の平面的大きさを最も小さくすることができる。
【0113】
図38及び図39は、本発明の制御端子付き電子部品の第6の実施の形態を示しており
、図38はその蓋体をはずした状態の概略斜視図、図39はその全体を示す概略斜視図で
ある。
これらの図において、図33ないし図37で説明した電子部品70その他の実施形態の
説明と同一の符号を付した箇所は共通の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、
相違点を中心に説明する。
【0114】
図38において、本実施形態のパッケージ81の構造は、上述した電子部品70の構造
と同じであり、積層基板や内蔵部品についての説明は省略する。
第6の実施形態にかかる電子部品80において特徴的な点は、スルーホールを用いて、
端子と電極間の接続構造を形成した点である。
【0115】
図38において、パッケージ81の上端面の導体面である各電極部73の中心付近には
、パッケージの厚み方向に連続する貫通孔,すなわちスルーホール73bがそれぞれ形成
されている。これらのスルーホール73bは、図の右下に拡大して示すように、メタライ
ズ等により内面に導体を形成することによって、第3の基板53以下の電極部と、各電極
部73とを電気的に接続している。
また、図38のパッケージ81の上端面75において、斜線で示す領域75aは、蓋体
82を封止する際に、ロウ材が適用される領域であり、封止代である。
【0116】
蓋体82の各検査用端子31と各制御端子32にも、同様にして、スルーホール31f
と、スルーホール32fがそれぞれ形成されている。スルーホール31fと、スルーホー
ル32fは同じ構造である。例えば、スルーホール31fは、図の右上に拡大して示すよ
うに、メタライズ等により内面に導体を形成することによって、第3の基板53以下の電
極部と、各電極部73とを電気的に接続している。蓋体82の表面の端子部と、裏面の電
極部(図示せず)を電気的に接続している。
すなわち、蓋体82は、第5の実施形態の蓋体76とは異なり、表面側の各検査用端子
31と各制御端子32は、蓋体82の側面を介して裏側まで導体が形成されているわけで
はなく、切り欠き部を形成されていない。このため、各検査用端子31と各制御端子32
のそれぞれ裏側には、メタライズ等による導体面として蓋体裏面電極部を設けている。
また、電極部73を導通性のロウ材にすれば、蓋体82を封止することにより、電極部
73と蓋体82の各検査用端子31と各制御端子32が電気的に接続される。尚、スルー
ホール31内に導通性のペーストを塗布すれば、電極部73を導通性のロウ材にする必要
がなく、また、蓋体裏面電極部を形成する必要もない。
【0117】
また、蓋体82の各検査用端子31と各制御端子32のうち、少なくとも、ひとつの端
子である検査用端子31の外縁には、図39の右下に拡大して示すように、目印用切り欠
き部31gが形成されている。この目印用切り欠き部31gは、蓋体82をパッケージ8
1に対して、正しく位置決めした場合に、パッケージ側導体面である電極部73が露出す
るようになっている。
【0118】
本実施形態は以上のように構成されており、蓋体82の検査用端子31及び制御端子3
2のスルーホール31f,32fと、パッケージ側スルーホール73bによって、蓋体8
2に設けた検査用端子31と制御端子32と、パッケージ側との電気的接続を適切に実現
することができる。
これにより、本実施形態の第1の実施形態及び第5の実施形態と同様の作用効果を発揮
できる。しかも、第5の実施形態と比べると、切り欠き部に半田を適用する必要がない分
、電気的接続が容易となる。
【0119】
また、蓋体82に目印用切り欠き部31gを備えているので、蓋体82のパッケージ8
1に対する封止固定の際に、蓋体82をパッケージ81上に置いた場合に、目印用切り欠
き部31gから露出するパッケージ側の導体面73が視認されることで、パッケージ81
と蓋体82との精密な位置合わせを、容易に行うことができる。
【0120】
図40は、本発明の制御端子付き電子部品の第7の実施の形態の蓋体をはずした状態の
概略斜視図である。
図において、図38ないし図39で説明した電子部品80その他の実施形態の説明と同
一の符号を付した箇所は共通の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を
中心に説明する。
【0121】
図40において、本実施形態のパッケージ91の構造は、上述した電子部品70の構造
とほぼ同じであり、積層基板や内蔵部品についての説明は省略する。
第7の実施形態にかかる電子部品90において特徴的な点は、蓋体92によるシールド
構造を設けた点である。
【0122】
この電子部品90では、検査用端子31及び制御端子32を蓋体に設けることなく、パ
ッケージ91の最上段の第4の基板72の上端面に形成した電極部73をそのまま端子と
して利用している。図示されているように、パッケージ91の最上段の第4の基板72の
上端面に形成した電極部73は、第5及び第6の実施形態と同じであるから重複する説明
は省略する。
【0123】
蓋体92は、この場合、例えばセラミックス等の圧電材料を用いて形成された板体であ
り、上記パッケージ91の各電極部73が露出されるように、対応する箇所に切り欠き部
94をそれぞれ設けている。
さらに、この蓋体92の裏面の全面にシールド部98を形成している。シールド部98
は、蓋体92の裏面に、接合のためにAu−Snロウ材を被覆したものである。
【0124】
一方、この蓋体92と接合するために、パッケージ91の最上段の第4の基板72の上
端面には、メタライズ部96が形成されている。メタライズ部96は、図40の右下に拡
大して示すように、セラミックス製の第4の基板72の上端面の上に、例えば、タングス
テンまたはモリブデン96a、ニッケル96b、金96cを順次被覆して形成されている

そして、メタライズ部96には、切り欠き部96dを設けて、下の電極部73を露出さ
せている。電極部73とメタライズ部96との境界、例えば、切り欠き部96dの外縁の
形状に沿った形態で、隔離部97を形成している。隔離部97は、ロウ材98及びメタラ
イズ部96が下の電極部73に付着しないようにするためのものである。また、封止時の
ロウ材98よりも高い融点の材料で形成されている。例えば、ロウ材98がAu−Snの
場合、隔離部97は、絶縁材料の低融点ガラス、ロウ材98がAgロウの場合には、隔離
部97は、導電材料のタングステン等が用いられている。尚、隔離部97が導電材料の場
合、電極部73と隔離部97の間に絶縁領域を設ける必要がある。
【0125】
さらに、好ましくは、蓋体92表面のパッケージ91と重なるいずれかの位置に、電極
部を形成してグランド端子99を設ける。グランド端子99の中心付近には、スルーホー
ル99aを形成し、蓋体92をパッケージ91に固定した場合に、スルーホール99aと
重なる位置に、パッケージ側スルーホール93を形成する。このパッケージ側スルーホー
ル93は、パッケージ91の底面のグランド電極と接続する。
【0126】
本実施形態は以上のように構成されており、蓋体92をパッケージ91に固定した状態
で露出する各検査用端子31及び各制御端子32は、パッケージ91の上端面であるひと
つの面SUに向いて露出されるから、第1の実施形態と同様の作用効果を発揮することが
できる。
しかも、蓋体92の裏面のほぼ全面に、導電性のロウ材を利用したシールド部を形成し
ているので、ノイズの発生を効果的に防止できる。
【0127】
図41ないし図44は、本発明の制御端子付き電子部品の第8の実施の形態を示してお
り、図41はその概略平面図、図42はその概略側面図、図43はその概略底面図、図4
4は図41のC−C線概略断面図である。
これらの図において、図1ないし図8の電子部品10と同一の符号を付した箇所は共通
の構成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0128】
第8の実施形態に係る電子部品100は、そのパッケージ101が、一方向に長い形態
を示している。具体的には、パッケージ101は、図41において左右の方向に長い直方
体に形成された例を示している。図44に示されているように、パッケージ101は、下
から順に、第1の基板111、第2の基板112、第3の基板113を積層して形成した
ものである。そして、これらの積層した基板の一部について、その内側の材料を除くこと
により、内部空間を形成するようにされている。
【0129】
すなわち、第1の基板111は、その材料を除くことなく使用され、その上に重ねた第
2の基板112は、図44において、左右の2箇所の材料を除いた状態で積層され、その
上に重ねた第3の基板113も、左右の2箇所の材料を除いた状態で積層されている。こ
れにより、パッケージ101の内部が水平な方向に2つの空間S8,S9に分割されてい
る。
内部空間S8と内部空間S9は、パッケージ101の底面25と反対の面であるひとつ
の面SU側が開放されている。内部空間S8内には集積回路16が収容されている。この
内部空間S8の開口には、蓋体を固定することなく、モールド樹脂102が充填されてい
る。内部空間S9には、圧電振動片15が収容されており、この内部空間S9の開口は、
蓋体12を固定することにより封止されている。
【0130】
この実施形態では、パッケージ101が水平な方向に分割された内部空間S8,S9を
備え、各分割された内部空間S8,S9に個々の内蔵部品を収容できるので、パッケージ
101内に複数の内蔵部品を収容しても、パッケージ101の高さが増すことがなく、低
背化を実現することができる。
【0131】
パッケージ101の内部空間S8側の領域には、図41に示すように、検査用端子31
,31,31,31と制御端子32,32,32,32が集中的に配置されている。これ
らの端子とパッケージ側の電極との関係は、第1の実施形態と同じである。
これにより、本実施形態においても、検査用端子31,31,31,31と制御端子3
2,32,32,32が、パッケージ101のひとつの面SUに向いて露出されているの
で、第1の実施形態と同様の作用効果を発揮することができる。しかも、第1の実施形態
のように、蓋体を挟んで両側に各端子を設けるのでなく、パッケージ101の片側に、蓋
体12を避けて集中的に設けることができるので、その分検査用のピン(図示せず)の当
接作業等がしやすい。
【0132】
図45は、第8の実施形態に係る電子部品100の変形例である電子部品110の概略
断面図である。図45において、図44と同じ符号を付した箇所は同一の構成であるから
、重複する説明は省略する。
この電子部品110が、電子部品100と異なっている点は、第1の基板115、第2
の基板116、第3の基板117の内側の材料を除いた箇所を、電子部品100の積層基
板と異ならせることで、内部空間の設け方を変更している点である。
【0133】
これにより、図示するように、電子部品110のパッケージ120では、内部空間9の
開放部は、電子部品100の場合と同じひとつの面SU側であるが、内部空間S8の開放
部は、電子部品100の場合と異なり、ひとつの面SU側と反対の底面側となっている。
これにより、蓋体12が固定された同ひとつの面SUで、内部空間S8に対応した領域
が開放されていないので、検査用端子31,31,31,31と制御端子32,32,3
2,32を設けるべき領域を広くとることができる。その他の作用効果は、電子部品10
0の場合と同じである。
【0134】
図46は、本発明の第9の実施の形態に係る電子部品240の製造方法について、特徴
的な部分を示した概略平面図である。
この図において、図1ないし図8の電子部品10と同一の符号を付した箇所は共通の構
成であるから、重複する説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0135】
図46に係る電子部品240は、電子部品240を完成する直前の構成が、実装端子3
5,35,35,35の大きさが異なっている点を除いては、第1の実施形態に係る電子
部品10と略同様となっている。すなわち、この電子部品240において特徴的なところ
は、電子部品240を製造するにあたって、実装端子35,35,35を検査用端子31
,31,31,31よりも大きく形成しておく。そして、検査用端子31,31,31,
31および制御端子32,32,32,32を用いて内蔵部品15,16(図5参照)を
調整および検査する。その後、配設した実装端子35,35,35の一部を残すようにし
て、パッケージ11の検査用端子31,31,31,31および制御端子32,32,3
2,32が設けられた領域E,Eを、切断する。
【0136】
本第9の実施形態は以上のように構成され、このため、電子部品240を完成させた後
に不要となった検査用端子31,31,31,31および制御端子32,32,32,3
2を取り除くことができる。そして、検査用端子31,31,31,31および制御端子
32,32,32,32を取り除く際、パッケージ11の検査用端子31,31,31,
31および制御端子32,32,32,32が配設された領域E,Eを切断しているため
、パッケージ11を小型化できる。
【0137】
図47は、本発明の上述した各実施形態に係る電子部品としての圧電デバイス,特に圧
電発振器を利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図
である。
図において、マイクロフォン308により電気信号に変換された送信者の音声は、デモ
ジュレータ、コーデック部でデジタル変調され、送信部307においてRF(Radio
Frequency)帯に周波数変換後、アンテナを通して基地局(図示せず)に送信
される。また、基地局からのRF信号は受信部306において周波数変換語、デモジュレ
ータ、コーデック部において音声信号に変換され、スピーカー309から出力される。ま
た、CPU(Central Processing Unit)301は液晶表示装置
及びキーボードからなる入出力部302をはじめ、デジタル式携帯電話装置300の全体
の動作を制御していう。メモリ303はCPU301により制御される、RAM,ROM
からなる情報記憶手段であり、これらの中にはデジタル式携帯電話装置300の制御プロ
グラムや電話帳などの情報が格納されている。本発明の実施形態に係る圧電発振器が応用
されるものとして、例えばTCXO(Temperature Compensated
X’stal Oscillator:温度補償水晶発振器)305あるいはCPU3
01のクロック源である圧電発振器310がある。このTCXO305は周囲の温度変化
による周波数変動を小さくした圧電発振器であり、図47の受信部306や送信部307
の周波数基準源として携帯電話装置に広く利用されている。
このように、デジタル式携帯電話装置300のような電子機器に、上述した実施形態に
係る正確な検査を経た高品質な圧電デバイス10等を使用していることによって、品質の
良いデジタル式携帯電話装置を実現することができる。
【0138】
本発明は上述の実施形態に限定されない。各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わ
せたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
例えば、上述した実施形態において、内蔵部品を、圧電振動片及び集積回路として挙げ
ているが、この集積回路は抵抗、コンデンサ等の電子部品であっても良い。
【符号の説明】
【0139】
10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,110,200,
210,220,230,240…電子部品(圧電発振器)、11…パッケージ、12…
蓋体、15…圧電振動片、16…集積回路、31…検査用端子、32…制御端子、34,
36…導体部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を有し、蓋体により封止されるパッケージと、
前記内部空間に収容され、パッケージが封止された状態で、前記パッケージの外面に設
けた制御端子と接続された内蔵部品と、
前記パッケージの実装面に形成された実装端子と
を備えており、
前記制御端子と、前記実装端子と接続された検査用端子とが、前記パッケージの前記実
装面以外のひとつの面に向くように設けられている
ことを特徴とする、制御端子付き電子部品。
【請求項2】
前記制御端子を介して前記内蔵部品の動作制御及び/または動作確認がされるようにし
たことを特徴とする、請求項1に記載の制御端子付き電子部品。
【請求項3】
前記実装端子が、前記内蔵部品に電圧を供給し、及び/または前記内蔵部品から前記パ
ッケージ外部に信号を入出力するようにしたことを特徴とする、請求項1または2のいず
れかに記載の制御端子付き電子部品。
【請求項4】
前記内蔵部品が、圧電振動片と、この圧電振動片に接続された集積回路とを含むことを
特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の制御端子付き電子部品。
【請求項5】
前記ひとつの面が、前記パッケージの前記実装面と反対の面に形成されていることを特
徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の制御端子付き電子部品。
【請求項6】
前記パッケージが複数の基板を積層すると共に、積層した基板の一部について、その内
側の材料を除くことにより、ひとつまたは複数の前記内部空間を形成するようにされてお
り、
前記複数の内蔵部品として前記圧電振動片と前記集積回路とが、前記内部空間に収容さ
れていて、
かつ、前記パッケージに固定された前記蓋体を挟んだ位置の両側の前記パッケージ上面
に、前記制御端子と、前記検査用端子とが形成されていることを特徴とする、請求項1な
いし5のいずれかに記載の制御端子付き電子部品。
【請求項7】
前記圧電振動片と前記集積回路とが、基板を挟んで上下に分割された2つの空間とされ
た前記内部空間に収容されていることを特徴とする、請求項6に記載の制御端子付き電子
部品。
【請求項8】
前記圧電振動片と前記集積回路とが、縦方向に重ねた2つのパッケージ内にそれぞれ収
容されており、下側パッケージが上側パッケージよりも大きく形成されていて、上側パッ
ケージの周縁より外側で、下側パッケージの上面に前記制御端子と、前記検査用端子とが
形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の制御端子付き電子部品。
【請求項9】
前記圧電振動片と前記集積回路とが、縦方向に重ねた2つのパッケージ内にそれぞれ収
容されており、下側パッケージの外面には、前記実装端子と電気的に接続された導体部が
形成されていて、上側パッケージには、一部が上側パッケージ上面に露出され、下側パッ
ケージ前記導体部に弾性的に接触される導電性の係止手段が設けられることで前記露出し
た箇所が前記検査用端子とされており、かつ上側パッケージには、内部に収容した前記集
積回路の制御端子が、パッケージ上面に露出するように形成されていることを特徴とする
、請求項6に記載の制御端子付き電子部品。
【請求項10】
前記上側パッケージは、前記係止手段の一部を絶縁部材により覆うようにし、この絶縁
部材に凹部を形成することにより露出した前記係止手段を前記検査用端子としていること
を特徴とする、請求項9に記載の制御端子付き電子部品。
【請求項11】
前記積層された基板の少なくとも最上段の基板の周縁部に切り欠き部を形成し、この切
り欠き部により露出する下段の基板の上面に、前記制御端子と、前記検査用端子とが形成
されていることを特徴とする、請求項6に記載の制御端子付き電子部品。
【請求項12】
前記パッケージが多角形の複数の基板が積層されて形成されており、このパッケージの
角部のパッケージ厚み方向に前記実装端子と前記検査用端子とを接続する導体部を形成し
たことを特徴とする、請求項11に記載の制御端子付き電子部品。
【請求項13】
前記積層された基板の少なくとも最上段以外の基板の外縁部が他の基板よりも内側に位
置する形状とされることで、前記パッケージ側面に凹部を形成する凹部形成基板を有し、
この凹部形成基板の下段となる基板の上面に、前記制御端子と、前記検査用端子とが形成
されていることを特徴とする、請求項6に記載の制御端子付き電子部品。
【請求項14】
前記蓋体の露出された面に前記制御端子と、前記検査用端子とが形成されていることを
特徴とする、請求項4ないし7のいずれかに記載の制御端子付き電子部品。
【請求項15】
前記蓋体の前記制御端子と接続された導体面と、前記検査用端子と接続された導体面が
、蓋体の裏面に、それぞれ形成されており、前記パッケージ端部の前記蓋体裏面の前記各
導体面とそれぞれ接触する箇所に、前記内蔵部品と接続されたパッケージ側導体面と、前
記実装端子と接続されたパッケージ側導体面とが形成されていることを特徴とする、請求
項14に記載の制御端子付き電子部品。
【請求項16】
前記蓋体の前記制御端子と、前記検査用端子の一部の形状が異形に形成されていること
を特徴とする、請求項15に記載の制御端子付き電子部品。
【請求項17】
前記蓋体の前記制御端子及び前記検査用端子は、それぞれの各端子の領域内に形成され
たスルーホールによって、前記パッケージ側に形成されたスルーホールとそれぞれ接続さ
れており、このパッケージ側のスルーホールが、前記内蔵部品と、前記実装基板とに接続
されていることを特徴とする、請求項15に記載の制御端子付き電子部品。
【請求項18】
前記蓋体とパッケージとが導体金属製のロウ材によって封止されており、前記蓋体の前
記パッケージ側導体面と当接する箇所の周囲には、前記導体金属製のロウ材が付着しない
ようにして設けた隔離部が形成されていることを特徴とする、請求項17に記載の制御端
子付き電子部品。
【請求項19】
前記蓋体を前記パッケージに正しく固定した位置で、この蓋体の下の前記パッケージの
前記導体面に近接する位置に切り欠き部を設けて、前記切り欠き部から前記導体面の一部
が露出するようにした目印用切り欠き部を備えることを特徴とする、請求項16ないし請
求項18のいずれかに記載の制御端子付き電子部品。
【請求項20】
前記蓋体の裏面のほぼ全面に、導体金属製のロウ材を適用したことを特徴とする、請求
項18または請求項19のいずれかに記載の制御端子付き電子部品。
【請求項21】
前記蓋体の露出された面に、グランド端子が設けられており、このグランド端子は、蓋
体に形成したスルーホールと、このスルーホールにより接続されるパッケージ側スルーホ
ールを介して、パッケージ側グランド端子と接続されていることを特徴とする、請求項1
4ないし請求項20のいずれかに記載の制御端子付き電子部品。
【請求項22】
前記パッケージが複数の基板を積層すると共に、積層した基板の一部について、その内
側の材料を除くことにより、前記内部空間を形成するようにされており、
前記パッケージの前記内部空間が水平な方向に複数に分割されていて、水平に分割され
た各空間のひとつの空間内には、前記集積回路が収容されて、樹脂モールドされ、他の空
間内には、前記圧電振動片が収容されて蓋体により封止されており、前記パッケージの前
記蓋体が固定された面と同じひとつの面で、前記ひとつの空間に対応する領域に、前記制
御端子と、前記検査用端子とが形成されていて、
かつ、前記パッケージの前記水平に分割された各空間が、異なる面に向いて開放される
ことにより、前記内蔵部品が異なる方向から収容される構成としたことを特徴とする、請
求項1ないし5のいずれかに記載の制御端子付き電子部品。
【請求項23】
内部空間を有し、蓋体により封止されるパッケージと、
前記内部空間に収容され、パッケージが封止された状態で、前記パッケージの外面に設
けた制御端子と接続されており、この制御端子を介して動作制御及び/または動作確認さ
れる集積回路を含む内蔵部品を備える圧電デバイスを利用した携帯電話装置であって、
前記圧電デバイスが、
前記パッケージの実装面に形成され、前記内蔵部品に駆動電圧を供給し、及び/または
前記内蔵部品から前記パッケージ外部に信号を出力するための実装端子を備えており、
前記制御端子と、前記実装端子と接続された検査用端子とが、前記パッケージの前記実
装面以外のひとつの面に向くように設けられている圧電デバイスにより、制御用のクロッ
ク信号を得るようにした
ことを特徴とする、携帯電話装置。
【請求項24】
内部空間を有し、蓋体により封止したパッケージと、前記内部空間に収容され、前記パ
ッケージの外面に設けた制御端子と接続した内蔵部品と、前記パッケージの実装面に形成
した実装端子とを備えた制御端子付き電子部品の製造方法であって、
前記パッケージを形成する際に、
それぞれ内側に前記内部空間を設けるようにして、対応する複数個の電子部品が連続す
るようにされたシート状の絶縁材料を厚み方向に複数層積層し、
前記複数個の電子部品どうしの境界となる位置に、前記制御端子と前記実装端子と接続
した検査用端子とを、前記実装端子以外のひとつの面に向くようにして予め形成しておき

これら制御端子と検査用端子とを利用して、対応する1つの電子部品に関する内蔵部品
の調整及び/または検査を行なった後、或いは、対応する複数の電子部品に関する内蔵部
品の調整及び/または検査を同時に行なった後で、
前記境界に沿って、個々の電子部品が切断分離される
ことを特徴とする制御端子付き電子部品の製造方法。
【請求項25】
内部空間を有し、蓋体により封止したパッケージと、前記内部空間に収容した内蔵部品
と、前記パッケージの実装面に形成した実装端子とを備えた電子部品の製造方法であって

前記内蔵部品に接続した制御端子と、前記実装端子に接続した検査用端子とを、前記実
装面以外のひとつの外面に向くように設け、前記制御端子および前記検査用端子を用いて
前記内蔵部品を調整および検査した後、前記パッケージの前記制御端子および前記検査用
端子が設けられた領域を切断した
ことを特徴とする電子部品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【公開番号】特開2009−175155(P2009−175155A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108870(P2009−108870)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【分割の表示】特願2003−68345(P2003−68345)の分割
【原出願日】平成15年3月13日(2003.3.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】