制御装置、その制御方法、プログラム、及び記憶媒体
【課題】 下流側のユニットにおいて発生した異常の情報を上流側のユニットに迅速に伝達することができる制御装置を提供する。
【解決手段】 画像形成装置1の構成要素を機能別に分割して制御単位である複数の機能ユニットを形成し、機能ユニットの各ドライバユニット500が、インターフェース910を介して中継ボード300の備える整合手段を通じて接続される。中継ボード300は、インターフェース920を介して特定ユニット100に接続される。インターフェース910及び920は、ドライバユニット500において発生した異常の内容を示す異常情報を送信するための専用の通信線であるErrDataライン914及び924を夫々備える。
【解決手段】 画像形成装置1の構成要素を機能別に分割して制御単位である複数の機能ユニットを形成し、機能ユニットの各ドライバユニット500が、インターフェース910を介して中継ボード300の備える整合手段を通じて接続される。中継ボード300は、インターフェース920を介して特定ユニット100に接続される。インターフェース910及び920は、ドライバユニット500において発生した異常の内容を示す異常情報を送信するための専用の通信線であるErrDataライン914及び924を夫々備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、その制御方法、プログラム、及び記憶媒体に関し、特に、電子写真技術を用いたLBP(レーザビームプリンタ)や複写機、及び複写機のアプリケーションであるペーパーデッキ、フィニッシャー、並びにスタッカー等のシート搬送装置の制御装置、その制御方法、プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やシート搬送装置の従来の制御装置においては、メイン制御部にCPUを搭載し、装置における全ての制御をメイン制御部に集約し、メイン制御部が装置内の各ユニットを直接駆動する構成をとっていた。例えば、モータ駆動ユニットがメイン制御部から離れた位置にある場合、メイン制御部がモータを駆動する駆動信号を生成し、その信号を配線を介してモータ駆動ユニットに伝送し、この駆動信号によってモータ駆動ユニットを駆動していた。
【0003】
また、従来の制御装置として、複数のCPUを搭載する制御装置が考案されている(例えば、特許文献1参照)。この制御装置は、装置の各構成要素を機能別に分類し、夫々1つの制御単位として構成した複数ユニットを備える。これら複数のユニットの各々には、ユニットを制御するCPUが搭載されている。上記従来の制御装置は、ユニット間において多重通信を行い、ユニット間の制御の整合性を取りながら各ユニットを制御することにより、多重通信以外の接続線を低減できるようにしたものである。
【0004】
上記従来の制御装置は、上述のように、制御単位である各ユニット内にユニットを制御するためのCPUを備えており、各ユニット同士が信号の多重通信を行って、各ユニット間の制御の整合を取りながら対応するユニットの制御を行っている。このように、従来の制御装置においては、制御装置が搭載される装置(以下、本体装置と称する。)全体を制御するメイン制御ユニットを無くすこと等が考えられている。
【0005】
また、上述のような制御装置においては、シリアル通信線を介して接続された各ユニットにおいて異常が発生した場合、発生した異常状態を上流側のユニットに伝達することが必要である。これに関しては、上流側のユニットと下流側のユニットとを接続しているシリアル通信線を介して、下流側の異常を伝達する制御装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平8−297436号公報
【特許文献2】特開2003−309901
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の従来の制御装置においては、異常が発生していない通常時においてシリアル通信線を用いて制御情報等の通信情報の通信を行っており、異常時においてもこのシリアル通信線を用いて検知した異常情報を伝達している。このため、従来の制御装置においては、下流側のユニットにおいて異常を検知してすぐに、リアルタイムで上流側のユニットに異常の発生を伝達することができないという問題があった。すなわち、異常を検出した時点で他の通信情報が転送中である場合、この通信情報の転送が終了するまで異常情報を伝達することができないため、異常の発生から上流側のユニットが異常を検出するまでに遅延が生じてしまう。この様子を図22を用いて説明する。
【0007】
図22は、従来の制御装置における、下流側のユニットで異常が発生した場合に上流側のユニットにこの異常情報を転送する処理のタイミングチャートである。
【0008】
図22に示すように、下流側のユニットから上流側のユニットへの通常の通信情報(RxData)の送信中において、T_Errのタイミングで異常を検知した場合、この時点で行なわれている通信情報(RxData)の送信の終了を待ってから異常情報(RxData(Err))を送信する。このため、異常発生から異常情報(RxData(Err))の送信までにT_Delay分の遅延が生じてしまう。
【0009】
ここで、複写機においては、定着器の温度異常や紙搬送部での紙つまりなどの異常情報をリアルタイムに送信し、異常時の処理を迅速に行わなければならない。複写機において種々の問題が発生するからである。例えば、連続プリント中に紙搬送部で紙つまりが発生した場合、給紙部での給紙動作をすぐに停止しないと紙を無駄に消費してしまう。また、定着ヒータの温度異常が発生した場合、定着ヒータへの通電を停止すると共に、紙搬送部や給紙部のモータをすぐに停止しないと、上記と同様に紙を無駄に消費すると共に、紙搬送部での紙つまりを発生させ、更にはこれを悪化させ、これを取り除くのが困難になる場合もある。また、定着ヒータの異常時にメインの電源をシャットダウンする場合があるが、この場合にもエラーを迅速に検出できれば、シャットダウン前に必要な情報、例えばヒータの温度等をバックアップする時間を稼ぐことが可能である。
【0010】
以上説明したように、複写機においては下流側のユニットにおいて発生した異常の情報を上流側のユニットに迅速に伝達することが非常に重要である。
【0011】
本発明の目的は、下流側のユニットにおいて発生した異常の情報を上流側のユニットに迅速に伝達することができる制御装置、その制御方法、プログラム、及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の制御装置は、装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットを備え、該複数のユニットは各々、インターフェースと該インターフェースを介して他のユニットと通信する通信手段とを有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記複数のユニットを前記インターフェースを介して前記通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御する整合手段を有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記装置を制御する制御手段を有し、前記複数のユニットの前記インターフェースの少なくとも1つは該インターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信するための異常通信専用部を有することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の制御装置は、請求項1記載の制御装置において、前記整合手段を有するユニットは、複数の異なるインターフェースが接続可能であることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の制御装置は、請求項1又は2記載の制御装置において、前記整合手段を有するユニットは、前記整合手段を制御する整合制御手段を有することを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の制御装置は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置において、前記制御手段はCPUを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の制御装置は、請求項3又は4記載の制御装置において、前記整合制御手段はCPUを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の制御装置は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の制御装置において、前記整合手段は、該整合手段を有するユニットに接続される前記ユニットの情報を示すユニット情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする。
【0018】
請求項7記載の制御装置は、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の制御装置において、前記整合制御手段は、前記整合手段を有するユニットに接続される前記ユニットの情報を示すユニット情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする。
【0019】
請求項8記載の制御装置は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の制御装置において、前記通信手段はシリアル通信手段、パラレル通信手段、及びアナログ通信手段のいずれかであることを特徴とする。
【0020】
請求項9記載の制御装置は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の制御装置において、前記装置は画像形成装置、及び該画像形成装置に接続可能な装置であることを特徴とする。
【0021】
請求項10記載の制御装置は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の制御装置において、前記異常通信専用部は、前記異常が発生していない通常時には第1の値を送信し、前記異常が発生している異常時には第2の値を送信することを特徴とする。
【0022】
請求項11記載の制御装置は、請求項10記載の制御装置において、前記異常通信専用部が前記第2の値を送信する場合、上流側の前記ユニットが下流側の前記ユニットに前記異常の内容を示すエラーコードを要求することを特徴とする。
【0023】
請求項12記載の制御装置は、請求項10記載の制御装置において、前記異常通信専用部が前記第2の値を送信する場合、下流側の前記ユニットが上流側の前記ユニットに前記異常の内容を示すエラーコードを送信することを特徴とする。
【0024】
請求項13記載の制御装置は、請求項12記載の制御装置において、前記異常通信専用部は前記異常時ではない場合においても、定期的に前記第2の値を送信することを特徴とする。
【0025】
請求項14記載の制御装置は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の制御装置において、前記異常通信専用部は、前記異常が発生していない通常時には第1の値を送信し、前記異常が発生している異常時には当該異常の内容に応じたエラーコードを上流側の前記ユニットに送信することを特徴とする。
【0026】
請求項15記載の制御装置は、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の制御装置において、前記整合手段は、下流側の前記ユニットの各々から送信される前記異常情報を1つのシリアルコードに変換する変換手段を有することを特徴とする。
【0027】
請求項16記載の制御方法は、装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットを備え、該複数のユニットは各々、インターフェースと該インターフェースを介して他のユニットと通信する通信手段とを有し、前記複数のユニットの少なくとも1つのユニットは前記複数のユニットを前記インターフェースを介して前記通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御する整合手段を有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記装置を制御する制御手段を有し、前記複数のユニットの前記インターフェースの少なくとも1つは該インターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信するための異常通信専用部を有する、制御装置の制御方法であって、前記整合手段によって前記インターフェースを整合制御する整合ステップと、前記異常の発生時に前記異常通信専用部を介して前記異常情報を送信する異常情報送信ステップとを備えることを特徴とする。
【0028】
請求項17記載のプログラムは、装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットを備え、該複数のユニットは各々、インターフェースと該インターフェースを介して他のユニットと通信する通信手段とを有し、前記複数のユニットの少なくとも1つのユニットは前記複数のユニットを前記インターフェースを介して前記通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御する整合手段を有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記装置を制御する制御手段を有し、前記複数のユニットの前記インターフェースの少なくとも1つは該インターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信するための異常通信専用部を有する、制御装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記整合手段によって前記インターフェースを整合制御する整合モジュールと、前記異常の発生時に前記異常通信専用部を介して前記異常情報を送信する異常情報送信モジュールとを備えることを特徴とする。
【0029】
請求項18記載の記憶媒体は、装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットを備え、該複数のユニットは各々、インターフェースと該インターフェースを介して他のユニットと通信する通信手段とを有し、前記複数のユニットの少なくとも1つのユニットは前記複数のユニットを前記インターフェースを介して前記通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御する整合手段を有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記装置を制御する制御手段を有し、前記複数のユニットの前記インターフェースの少なくとも1つは該インターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信するための異常通信専用部を有する、制御装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムが、前記整合手段によって前記インターフェースを整合制御する整合モジュールと、前記異常の発生時に前記異常通信専用部を介して前記異常情報を送信する異常情報送信モジュールとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
請求項1記載の制御装置、請求項16記載の制御方法、請求項17記載のプログラム、及び請求項18記載の記憶媒体によれば、装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットの少なくとも1つが、整合手段により、複数のユニットをインターフェースを介して通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御し、インターフェースの少なくとも1つが、異常通信専用部により、このインターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信する。このため、インターフェースを介して上流側のユニットと下流側のユニットとの間において、下流側のユニットに異常が発生した場合には、インターフェースにおける通信状態に拘らず、異常通信専用部により異常情報をリアルタイムに上流側のユニットに送信することができる。従って、下流側のユニットの異常情報を上流側のユニットに迅速に伝達することができる。
【0031】
請求項10記載の制御装置によれば、異常通信専用部は、異常が発生していない通常時には第1の値を送信し、異常が発生している異常時には第2の値を送信する。このため、上流側のユニットは、異常通信専用部から送信される第2の値を検知することにより、下流側のユニットにおける異常の発生をリアルタイムに検知することができる。
【0032】
請求項11記載の制御装置によれば、異常通信専用部が第2の値を送信する場合、上流側のユニットが下流側のユニットに発生した異常の内容を示すエラーコードを要求する。このため、上流側のユニットは、エラーコードを受信してこのエラーコードから下流側のユニットの異常の内容を認識することにより、異常に対する適切な処理を行うことができる。また、エラーコードをシリアルデータで送信することにより、下流側のユニットで発生する異常の種類が多くなっても異常通信専用部の信号線を増やすことなく、全ての種類に対応したエラーコードを上流側のユニットに送信することができる。従って、異常通信専用部の汎用性を向上させることができる。
【0033】
請求項12記載の制御装置によれば、異常通信専用部が第2の値を送信する場合、下流側のユニットが上流側のユニットに異常の内容を示すエラーコードを送信する。これにより、上流側のユニットは、異常通信専用部から送信される第2の値を検知することにより、下流側のユニットに異常が発生したことをリアルタイムに検知することができると共に、このとき受信した情報が異常の内容を示すエラーコードであることを認識することができる。また、受信したエラーコードから下流側のユニットの異常の種類を認識することができ、異常に対する適切な処理を行うことができる。また、エラーコードをシリアルデータで送信することにより、下流側のユニットで発生する異常の種類が多くなっても異常通信専用部の信号線を増やすことなく、全ての種類に対応したエラーコードを上流側のユニットに送信することができる。従って、異常通信専用部の汎用性を向上させることができる。
【0034】
請求項13記載の制御装置によれば、異常通信専用部は異常時ではない場合においても、定期的に第2の値を送信する。これにより、異常通信専用部が故障していないことを定期的に確認することができる。このため、下流側のユニットに異常が発生した場合、上流側のユニットが、この異常の発生を見逃すこと防止することができる。
【0035】
請求項14記載の制御装置によれば、異常通信専用部は、異常が発生していない通常時には第1の値を送信し、異常が発生している異常時には当該異常の内容に応じたエラーコードを上流側のユニットに送信する。このため、上流側のユニットは、異常通信専用部から第1の値を受信した場合は、下流側のユニットに異常が発生していないことを認識することができる。一方、異常通信専用部からエラーコードを受信した場合は、下流側のユニットに異常が発生していることを認識することができる。加えて、受信したエラーコードから下流側のユニットの異常の内容を認識することができ、異常に対する適切な処理を行うことができる。また、エラーコードをシリアルデータで送信することにより、下流側のユニットで発生する異常の種類が多くなっても異常通信専用部の信号線を増やすことなく、全ての種類に対応したエラーコードを上流側のユニットに送信することができる。従って、異常通信専用部の汎用性を向上させることができる。
【0036】
請求項15記載の制御装置によれば、整合手段は、変換手段により下流側のユニットの各々から送信される異常情報を1つのシリアルコードに変換する。これにより、整合手段を有するユニットは、接続される複数の下流側のユニットで発生した異常状態を1つの通信線で上流側のユニットに送信することができる。加えて、整合手段を有するユニットは、下流側の複数のユニットにおいて同時に異常が発生した場合でも、1度の通信で異常情報を上流側のユニットに送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0038】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る制御装置を備える本体装置としての画像形成装置の要部断面図である。
【0039】
図1の画像形成装置1は、電子写真方式を採用しており、図1に示す光学系1Rにおいて原稿の画像を読み取り、画像出力部1Pにおいて光学系1Rで読み取った画像情報に基づいて画像を転写材Pに形成する。画像形成装置1は、更に、画像出力部1Pに本発明の制御装置が特に有効に適用することができる複数の画像形成部が並列に配設されている。また、画像形成装置1は、中間転写方式を採用したカラー画像出力装置である。
【0040】
図2は、画像形成装置1の光学系1Rの外略構成を示す断面図である。
【0041】
図2に示すように、光学系1Rにおいて、原稿照明ランプ1201によって照明された原稿台ガラス1203上に置かれた原稿1204の画像は、第1ミラー1205、第2ミラー1206、第3ミラー1207、及びレンズ1208を介してカラーCCD1209上に結像し、カラーCCD1209が原稿1204のラインイメージを読み取る。原稿照明ランプ1201と第1ミラー1205から構成される読み取り部1210は、図2中の矢印A方向に移動し、原稿1204のラインイメージを順次読み取る。その際、第2ミラー1206及び第3ミラー1207も矢印A方向に移動し、原稿面からカラーCCD1209までの距離(光路長)が一定となるように不図示の駆動系によって駆動される。
【0042】
次いで、図2に示す光学系1Rの構成によって原稿1204の原稿画像を読み取る手順を説明する。
【0043】
まず、ユーザによって、例えば不図示のコピーボタンが押下される等により、原稿読み取りのコマンドが入力されると、光学系1Rは、読み取り部1210を図2の配置(以下、ホームポジションと称する。)から不図示の駆動系により、図2中の矢印B方向に移動させ、読み取り位置をシェーディング補正板1211の真下に配置させる。次いで、光学系1Rは、原稿照明ランプ1201を点灯させ、シェーディング補正板1211を照明し、シェーディング補正板1211のラインイメージをミラー1205、ミラー1206、ミラー1207、及びレンズ1208を介してカラーCCD1209に導く。
【0044】
カラーCCD1209で読み取られたシェーディング補正版1211のラインイメージの画素毎の出力信号は不図示の画像処理回路によって、全ての画素の出力レベルが所定のレベルになるように補正される。この画像処理(シェーディング補正処理)によって、原稿照明ランプ1201の照度ムラ、レンズ1208の周辺光量落ち、カラーCCD1209の画素毎の感度ムラが補正され、原稿画像の読み取りムラが補正される。シェーディング補正処理が終了すると、読み取り部1210は、不図示の駆動系によりさらに矢印B方向に移動され、後述する流し読みウインドウ1212の直下に配置される。
【0045】
流し読みウインドウ1212の真下は原稿画像の読み取りスタート位置であり、この位置から不図示の駆動系は、矢印A方向に読み取り部1210を加速移動される。読み取り部1210は、読み取り位置が圧板1213に押さえ込まれて平面性が維持された原稿1204の先端部に達するまでに、所定の速度で等速駆動されるように制御される。
【0046】
読み取り部1210の読み取り位置が原稿1204の先端部に達すると、カラーCCD1209は原稿1204のラインイメージの読み取りを開始し、ラインイメージを順次読み取る。
【0047】
上記不図示の駆動系は、読み取り部1210を等速のまま矢印A方向に移動させ、原稿1204の終端まで読み取りが終了した後、読み取り部1210の駆動を停止する。次いで、この駆動系は、矢印B方向に読み取り部1210を移動させてホームポジションに戻し、一連の画像読み取り動作を終了して、次回の読み取りに備え待機する。
【0048】
以上が光学系1Rの基本的な画像読み取り動作についての説明であり、上述のように、光学系1Rにおいて画像読取が行われる。
【0049】
ところで、上述のような光学系1Rには、近年オートドキュメントフィーダ(ADF)が標準で装着されることも珍しくなくなってきている。ADFは、大量の原稿を自動的に連続交換する機能を有しており、ユーザが原稿を1枚1枚取り換える手間を省くことができ、複写時間を短縮することができる。
【0050】
以下、ADFを用いた光学系1Rにおける読み取り動作について図3を用いて説明する。図3は、ADFを用いた光学系1Rの概略構成を示す断面図である。図3の光学系1Rは、図2の光学系1Rに対して圧板1213がADF1300に置き換えられて装着されている点のみ異なる。
【0051】
図3の光学系1Rは、読み取り部1210がホームポジションに位置しているとき、ユーザによって、例えば不図示のコピーボタンが押下される等により、原稿読み取りのコマンドが入力されると画像読み取り動作を開始する。
【0052】
まず、不図示の駆動系及び不図示の画像処理回路が、図2で上述したシェーディング補正を実行した後、各構成要素が図3に示す配置になるよう各構成要素を移動し、読み取り部1210の位置を固定する。この位置は図2で説明したスタートポジションと同じ位置にあたる。スタートポジションには流し読みウインドウ1212が設けてあり、図3の光学系1Rにおいて実行するADF読取りの場合は、複数枚の原稿が給紙トレイ1301に載置される。読み取りが開始されると、原稿は1枚ずつ給紙ローラ1302及び1303によって給紙され、図3の矢印方向に回転する搬送ローラ1305によってガイド1304、1307、1306と搬送ローラ1305のスリットを通り、排紙トレイ1308に排出される。
【0053】
搬送ローラ1305の回転スピードは、読み取り倍率によって決定される。搬送ローラ1305によって搬送される原稿は、流し読みウインドウ1212を介して読み取り部1210によって画像が読み取られる。
【0054】
以上説明したように、図2又は図3の構成を有する光学系1Rによって読み取られた原稿のラインイメージデータは順次画像出力部1Pに送信され、画像出力部1Pによって、読み取られた画像が形成される。
【0055】
次いで、画像形成装置1の画像出力部1Pについて説明する。
【0056】
画像出力部1Pは大別して、図1に示す画像形成部10、給紙ユニット20、中間転写ユニット30、定着ユニット40、及び図4で後述する本実施の形態に係る制御装置80から構成される。画像形成部10には、4つのステーション10a,10b,10c,10dが並設されており、各ステーションの構成は互いに同一である。以下、個々のユニットについて詳しく説明する。
【0057】
画像形成部10は以下に述べるような構成になっている。像担持体としての感光ドラム11a,11b,11c,11dがその中心で軸支され、図1の矢印方向に回転駆動される。感光ドラム11a〜11dの外周面に対向して、その回転方向に順に、一次帯電器12a,12b,12c,12d、光学系の露光部13a,13b,13c,13d、折り返しミラー16a,16b,16c,16d、及び現像装置14a,14b,14c,14dが夫々配設されている。
【0058】
一次帯電器12a〜12dは、感光ドラム11a〜11dの表面に夫々均一な帯電量の電荷を与える。次いで、露光部13a〜13dは、記録画像信号に応じて変調した光線、例えばレーザービーム等の光線を折り返しミラー16a〜16dを介して感光ドラム11a〜11d上に夫々露光させることによって、そこに静電潜像を形成する。
【0059】
更に、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックといった4色の現像剤(以下、トナーと称する。)を夫々収納した現像装置14a〜14dによって上記静電潜像を顕像化する。次いで、顕像化された可視画像(現像像)を、中間転写体である中間転写ベルト31に画像転写領域Ta、Tb、Tc、Tdにおいて転写する。
【0060】
感光ドラム11a〜11dが回転して、画像転写領域Ta〜Tdを通過した下流で、クリーニング装置15a、15b、15c、15dにより、中間転写ベルト31に転写されずに感光ドラム11a〜11d上に残されたトナーを夫々掻き落としてドラム表面の清掃を行う。上述の処理により、各トナーによる画像形成が順次行われる。
【0061】
図1に示すように、給紙ユニット20は、カセット21a,21b、手差しトレイ27、ピックアップローラ22a,22b,26、給紙ローラ対23、給紙ガイド24、及びレジストローラ25a,25bから構成される。給紙ユニット20において、カセット21a、21bは転写材P(用紙)を収納し、ピックアップローラ22a,22b,26はカセット21a,21b内若しくは手差しトレイ27から転写材Pを一枚ずつ送り出す。また、給紙ローラ対23及び給紙ガイド24は、各ピックアップローラ22a、22b、26によって送り出された転写材Pをレジストローラ25a、25bまで搬送する。レジストローラ25a、25bは、画像形成部の画像形成タイミングに合わせて転写材Pを二次転写領域Teへ送り出す。
【0062】
次いで、中間転写ユニット30について詳細に説明する。中間転写ベルト31は、巻架ローラとして、中間転写ベルト31に駆動力を伝達する駆動ローラ32、中間転写ベルト31の回動に従動する従動ローラ33、ベルト31を挟んで二次転写領域Teに対向する二次転写対向ローラ34に巻架される。これらのうち駆動ローラ32と従動ローラ33との間に一次転写平面Aが形成される。駆動ローラ32は、金属ローラの表面に数mm厚のゴム(ウレタン又はクロロプレン)をコーティングしてベルト31とのスリップを防いでいる。駆動ローラ32はパルスモータ(不図示)によって図1の矢印B方向へ回転駆動される。
【0063】
一次転写平面Aは各画像形成部10a〜10dに対向しており、各感光ドラム11a〜11dが中間転写ベルト31の一次転写面Aに対向するように配されている。これにより、一次転写面Aに一次転写領域Ta〜Tdが位置することになる。各感光ドラム11a〜11dと中間転写ベルト31が対向する一次転写領域Ta〜Tdにおいて、中間転写ベルト31の裏側には、一次転写用帯電器35a〜35dが配置されている。
【0064】
また、中間転写ユニット30において、二次転写対向ローラ34に対向して二次転写ローラ36が配置され、二次転写ローラ36は中間転写ベルト31とのニップによって二次転写領域Teを形成する。二次転写ローラ36は中間転写ベルト31に対して適度な圧力で付勢されている。また、中間転写ベルト31上の二次転写領域Teの下流には、中間転写ベルト31の画像形成面をクリーニングするためのクリーニングブレード51、及び廃トナーを収納する廃トナーボックス52が設けられている。
【0065】
定着ユニット40は、図1に示すように、定着ローラ対41、ガイド43、内排紙ローラ44、及び外排紙ローラ45等から構成される。定着ローラ対41は、内部にハロゲンヒーター等の熱源を備えた定着ローラ41aと、そのローラ41aに加圧される定着ローラ41bとを備える。定着ローラ対41において、定着ローラ41bも内部に熱源を備える。尚、定着ローラ41bは内部に熱源を備えない場合もある。ガイド43は定着ローラ対41のニップ部へ転写材Pを導く。また、内排紙ローラ44及び外排紙ローラ45は、定着ローラ対41から排出されてきた転写材Pをさらに装置外部に導き出す。
【0066】
制御装置80は、図4で後述するように、制御部100を備え、制御部100は、上記各ユニット内の機構の動作を制御するためのCPU101、ドライバボード(基板)200等から構成される。画像出力部1Pにおいて、制御部100から画像形成動作開始信号が発せられると、選択された用紙サイズ等により選択される給紙段から転写材Pの給紙が開始される。
【0067】
次いで、画像出力部1Pの動作について説明する。
【0068】
制御部100から画像形成動作開始信号が発せられると、まずピックアップローラ22aにより、カセット21aから転写材Pが一枚ずつ送り出される。そして給紙ローラ対23によって転写材Pが給紙ガイド24の間を案内されてレジストローラ25a,25bまで搬送される。その時レジストローラ25a,25bは停止しており、転写材Pの先端はレジストローラ25a,25bのニップ部に突き当たる。その後、画像形成部10a〜10dが画像の形成を開始するタイミングに合わせてレジストローラ25a,25bが回転を始める。レジストローラ25a,25bの回転は、転写材Pと、画像形成部10において中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー画像とが、二次転写領域Teにおいて所定の位置で一致するようにそのタイミングが設定されている。
【0069】
一方、画像形成部10では、制御部100から画像形成動作開始信号が発せられると、前述した手順により中間転写ベルト31の回転方向B(図1)において、一番上流にある感光ドラム11d上に形成されたトナー像(現像像)が、高電圧が印加された一次転写用帯電器35dによって一次転写領域Tdにおいて中間転写ベルト31に一次転写される。
【0070】
一次転写されたトナー像は次の一次転写領域Tcまで搬送される。一次転写領域Tcでは画像形成部10d,10c間をトナー像が搬送される時間だけ遅延して画像形成が行われており、前トナー像の上にレジストレーション(画像位置)を合わせて次のトナー像が転写されることになる。一次転写領域Tb,Taにおいても画像形成部10b,10aによって同様の工程が繰り返され、結局4色のトナー像が中間転写ベルト31上に一次転写される。
【0071】
その後転写材Pが二次転写領域Teに進入、中間転写ベルト31に接触すると、転写材Pの通過タイミングに合わせて二次転写ローラ36に高電圧を印加させる。そして、前述した手順により中間転写ベルト31上に形成された4色のトナー像が転写材Pの表面に一括転写される。その後転写材Pは搬送ガイド43によって、定着ローラ対41のニップ部まで正確に案内される。そして定着ローラ対41の熱及びニップの圧力によってトナー画像が転写材P表面に定着される。その後、内外排紙ローラ44,45により搬送され、転写材Pは機外に排出される。
【0072】
この種の画像形成装置1においては、各感光ドラム11a〜11d間の機械的取り付け誤差、並びに各露光部13a〜13dによって発生するレーザービーム光の光路長誤差、光路変化、及びLEDの環境温度による反り等の理由により各感光ドラム11a〜11d上で形成された各カラー画像のレジストレーションのずれ、つまり色ずれ(レジずれ)が生じる場合がある。このレジずれを補正するために、この種の画像形成装置1においては、転写領域A面上で、すべての画像形成部10a〜10dの下流の位置であって、駆動ローラ32によってベルト31が折り返される前の位置に、レジずれを検知するレジセンサ60が設けられている。
【0073】
次いで、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の制御装置80について図4を参照して説明する。
【0074】
図4は、本発明の実施の形態に係る制御装置80の概略構成を示すブロック図である。図4は、本実施の形態に係る制御装置80の特徴部を示し、画像形成装置1の各構成要素を機能別に分類し、機能別の構成要素を各々1つの制御単位として構成したユニット(ボード)の構成を示す。
【0075】
制御装置80は、図4に示すように、CPUボードである制御部(特定ユニット)100と、DC負荷を駆動するドライバボード200を備える。特定ユニット100は、CPU101、ROM102、RAM103、及びASIC104から構成される。ドライバボード200は、ASCI201、及びモータM1を駆動するドライバ202を備える、センサS1の入力回路等のI/O回路とドライバ回路で構成されたドライバ基板である。
【0076】
上記特定ユニット100とドライバボード200は、ASIC104及びASIC201間で高速シリアル通信手段により夫々接続されている。本実施の形態においては、上述のように特定ユニット100とドライバボード200はASICを使用した高速シリアル通信をするものとしたが、特定ユニット100上のCPU101から直接ドライバボード200上のASIC201とシリアル通信する構成でもよい。
【0077】
また、図4に示すように、制御装置80は、整合手段を有する中継ボード300及びドライバユニット(ドライバ基板)500を備える。中継ボード300は複数の異なるユニットが接続可能なインターフェースを有する整合ユニットである。
【0078】
次いで、図5を参照して中継ボード300及びドライバユニット500の説明をする。図5は、中継ボード300及びドライバユニット500の概略構成を示すブロック図である。
【0079】
図5に示すように、中継ボード300は、複数の異なるドライバユニットが接続可能なインターフェースを有する整合ユニットであり、各ドライバユニットのI/Fと特定ユニットのI/Fとの差異を吸収して整合し、且つ各ドライバユニットの持つ特性に応じた細かな制御を可能にするためのユニットである。また、ドライバユニット500は、図1の画像形成装置1において、機能別に分類した各機能ユニットの駆動を行うためのユニットである。本実施の形態においては、画像形成装置1の構成要素を機能別に4つの機能ユニットに分類しており、ドライバユニット500aは給紙部(機能ユニット)のドライバユニットを、ドライバユニット500bは紙搬送部(機能ユニット)のドライバユニットを、ドライバユニット500cは両面搬送部(機能ユニット)のドライバユニットを、ドライバユニット500dは排紙部(機能ユニット)のドライバユニットを夫々想定している。画像形成装置1には他にも分類される機能ユニットがあるが、説明を簡単にするためにここでは省略する。
【0080】
まず、中継ボード300について説明する。中継ボード300は、図5に示すように、CPU301と、整合手段を備えるASIC302と、I/Fコネクタ310,311,312,313,314とを備える。CPU301は、ROM/RAMを内蔵した所謂1chipCPUであり、特定ユニット100とはコマンドのやり取りを行ったり、接続されるドライバユニットとはコマンドに対応した負荷制御等を行っている。また、CPU301は、後述するように、整合手段を制御する整合制御手段としても機能する。ASIC302は、CPU301とCPUバスで接続されており、各ドライバユニットとのI/F信号を生成している。I/Fコネクタ310は、特定ユニット100と接続するI/F部(コネクタ)であり、CPU301に接続されている。また、I/Fコネクタ310はシリアル方式によってデータの転送を行う。ASIC302において生成されるI/F信号はI/Fコネクタ311,312,313,314を介して入出力される。ASIC302において生成されるI/F信号は、各ドライバユニットに接続されている各負荷を駆動するための信号であり、シリアルI/Oによる接続となっている。I/Fコネクタ311,312,313,314は同一の構成を有する。
【0081】
次に、ドライバユニット500について、500aを代表として説明する。図5において、ドライバユニット500aは画像形成装置1の給紙部におけるドライバユニットであり、I/Fコネクタ501を介して中継ボード300のI/Fコネクタ311と接続されている。中継ボード300からのI/F信号はASIC502に入力される。更にASIC502はI/Fコネクタ504a,505aと接続されている。ASIC502は、中継ボード300から入力されたシリアル信号をパラレル変換し、その結果を各I/Fコネクタに出力するシリアル/パラレル(S/P)変換部506と、入力された信号をパラレル→シリアル変換して中継ボード300に送信するパラレル/シリアル(P/S)変換部507とを有する(図7参照)。また、ドライバユニット500aはID設定手段503を備え、ドライバユニット500aを認識可能にすべく設定されたID情報をASIC502を介して中継ボード300へ送信する機能も持つ。ここで、ID設定手段503としては、4ビットのDIPスイッチ等が適用される。尚、I/Fコネクタ501は、4つのドライバユニット500a〜500d全てにおいて共通である。また、ASIC502も4つのドライバユニット500a〜500d全てにおいて共通のものを使用している。
【0082】
次に、ドライバユニット500aにおける信号の流れについて説明する。中継ボード300との間で送受信するI/F信号は、図6(A),(B)に示すようなシリアル信号である。中継ボード300からドライバユニット500aに送信される信号(Tx)は16bitのシリアル信号である(図6(A)参照)。また、ドライバユニット500aから中継ボード300に送信される信号(Rx)は20ビットのシリアル信号である(図6(B)参照)。ドライバユニット500aでは受信したTx信号を各1bitの16ビットの信号からなるパラレル信号に変換している。この様子を図7に示す。
【0083】
図7に示すように、S/P変換部506がTx信号をパラレル変換したパラレル信号において、bit15〜12の4ビットのパラレル信号がドライバユニット500aに接続される負荷としてのステッピングモータ511の相信号に割り当てられる。また、上記パラレル信号において、bit11〜8の4ビットのパラレル信号がドライバユニット500aに接続される負荷としてのステッピングモータ512の相信号に割り当てられ、残りの8ビットのパラレル信号はリザーブとされている。
【0084】
一方、図7に示すように、P/S変換部507は、ID設定手段503から送信されるID情報信号の4ビットのパラレル信号を先頭に、センサ513の出力信号をbit15とし、残りの14ビットをリザーブとするパラレル信号を20ビットのシリアル信号にシリアル変換する。そしてASIC502は変換したシリアル信号をRx信号として中継ボード300に送信する。
【0085】
このようにして、ドライバユニット500aは、中継ボード300とドライバユニット500aのI/Fを実現している。ドライバユニット500b,500c,500dは、接続されている負荷、及びID設定手段503に設定されているID情報には違いがあるものの基本的な構造はドライバユニット500aと同一であるのでその説明は省略する。
【0086】
次に、中継ボード300が特定ユニット100からコマンドを受けて、ドライバユニット500を駆動する動作を図4,5を参照して具体的に説明する。
【0087】
また、中継ボード300には、ドライバユニット500のID情報の内容を示す情報が記憶されている。この情報は、CPU301のROM等の記憶装置や、ASIC302に記憶装置を設けてこの記憶装置に記憶するようにする。
【0088】
まず、画像形成装置1の電源を投入した直後の通信で、ドライバユニット500aのID情報をASIC502においてシリアル信号に変換し、中継ボード300に送信する。これにより、中継ボード300は、ASIC302において、I/Fコネクタ311に接続されているユニットが給紙部のドライバユニット500aであることを検知することができる。
【0089】
また、中継ボード300に他のドライバユニットが接続されている場合は、接続されたユニットのID情報を検出して、ASIC302において通信のチャンネルを切り換えることにより、各ドライバユニットに対して適切な制御を行うことができる。具体的には、I/Fコネクタ311〜314は全て共通の構成を有するので、どのドライバユニットも接続できるようになっており、ドライバユニットの接続状態によってはこのドライバユニットを適切に制御すことができないことが考えられる。しかしながら、中継ボード300は、上述のように接続されたドライバユニットのIDを認識し、認識したIDに応じてI/Fを制御して、ドライバユニットとの接続を切り換えることができる。このため、本制御装置80は、ドライバユニット500a〜500dがどのI/Fコネクタ311〜314に接続されているかに拘らず、接続されているドライバユニットを適切に制御することができる。このように、中継ボード300は、ドライバユニット500a〜500dがどのI/Fコネクタ311〜314に接続されても適切に動作するように構成されている。尚、中継ボード300の備えるI/Fコネクタは上述のI/Fコネクタ311〜314に限るものではなく、より多数のI/Fコネクタであってもよい。また、中継ボード300に接続されるユニットは、上述のドライバユニット500a〜500dに限らず、他のドライバユニットや種々のユニットであってもよく、接続されるユニットの数もこれに限るものではない。この場合においても、上述のように、中継ボード300は、接続されるI/Fコネクタに拘らず、接続される複数のユニットのIDに応じて、I/Fを制御して複数のユニットが適切に制御されるようにすることができる。
【0090】
次に、特定ユニット100から“給紙動作をする”という命令を受けた場合を例に中継ボード300の動作を説明する。
【0091】
中継ボード300上のCPU301には、給紙部のドライバユニット500aに接続されたモータ等の負荷を適正なタイミングで、且つ適正な駆動信号を与えて制御を行うためのプログラムが格納されている。この信号は、I/Fコネクタ311からシリアル信号として出力され、ドライバユニット500a上のI/Fコネクタ501を介してASIC502に入力される。このシリアル信号はASIC502でシリアル→パラレル変換され、I/Fコネクタ504a及び505aを介してステッピングモータ511及び512を夫々駆動させる。また、給紙動作を検出するためのセンサ513(図5参照)における検知信号はI/Fコネクタ505aを介してASIC502に入力される。ASIC502において、入力されたセンサ513の検出信号はパラレル→シリアル変換され、I/Fコネクタ501を介して中継ボード300に転送される。このように、ドライバユニット500aは、給紙動作における紙搬送のタイミングを中継ボード300に知らせている。
【0092】
上述の制御装置80の構成によれば、例えば、ステッピングモータ511を他のステッピングモータに変更した場合に、変更したモータの駆動方式の最適化といった微調整は、中継ボード300上のCPU301のプログラムを変更するのみで可能である。このため、画像形成装置1の構成の変更は、制御装置80全体に対して影響を与えることがない。また、本実施の形態においては、ドライユニット500aに接続されるモータをステッピングモータとしたが、ステッピングモータをDCモータに変えた場合も同様である。つまり、この場合でも、ドライバユニット500aのハードウェアと中継ボード300上のCPU301のプログラムを書き換えるのみで適切に画像形成装置1を作動させることができ、中継ボード300のハードウェアや特定ユニット100を変更する必要はない。給紙ユニットの構成が変更されてセンサが増加した場合等も同様である。また、画像形成装置1の構成変更に伴いドライバユニットが増加した場合でも、中継ボード300上のI/Fコネクタを増やし、CPU301におけるプログラムを変更するのみで対応できる。このように、本実施の形態に係る制御装置80によれば、本体装置の構成を変更しても装置全体の制御を司る特定ユニットに関してはハードウェア、ソフトウェアともに変更が一切必要ないので、制御装置80の汎用性の高めることが可能である。
【0093】
次いで、上述のように中継ボード300の整合手段において実行される、接続されたドライバユニットのID情報に応じたI/F制御処理について、中継ボード300及びドライバユニット500間の接続(図5参照)を例にして、図8を参照しながら説明する。
【0094】
図5で上述したように、中継ボード300にはCPU301が搭載されており、CPU301は、整合手段を制御する整合制御手段として機能する。また、中継ボード300にはASIC302が搭載されており、ASIC302は整合手段を備える。
【0095】
ASIC302は、特定ユニット100から入力されたパラレル信号をシリアル変換してシリアル信号に変換し、また、ドライバユニット500から入力されたシリアル信号をパラレル変換してパラレル信号に変換するパラ・シリ/シリ・パラ変換ブロック303を備える。また、パラ・シリ/シリ・パラ変換ブロック303には、ドライバユニット500a〜500dから夫々I/Fコネクタ311,312,313,314を介して、ID情報が入力される。このID情報を示す信号は、I/Fコネクタ311,312,313,314の各々の1番ピンに割り付けられている。
【0096】
また、ASIC302は、入出力信号をプログラマブルに接続や変更することが可能な接続/変更ブロック304を備える。整合制御手段であるCPU301は、ドライバユニット500a〜500dから受信したID情報に基づいて、ドライバユニット500a〜500dの接続するI/Fコネクタを判別し、接続/変更ブロック304によって入出力信号をプログラマブルに接続/変更する。具体的には、CPU301は、ドライバユニット500a〜500dから受信したID情報に基づいてドライバユニット500a〜500dの接続するI/Fコネクタを判別する。CPU301は、この判別結果に基づいて、接続/変換ブロック304を制御して、画像形成処理等における各コマンドを制御対象のドライバユニット500に対して適切に送信したり、各ユニット間の通信が適切に行われるようにしたり、ドライバユニット500から入力される信号を適宜変更して特定ユニット100に出力したりする。これにより、制御装置80は、種々のドライバユニット500(機能ユニット)が中継ボード300に接続されても本体装置全体を適切に制御することができる。
【0097】
また、本実施の形態においては、中継ボード300とドライバ基板500との間において、デジタル信号が入出力されるものとしたが、アナログ信号の有無に応じて、デジタル信号の入出力と同様に、CPU301は、アナログ信号に対してもI/F制御処理を行うことができる。具体的には、接続/変更ブロック304を例えばアナログスイッチを用いて構成することにより、CPU301は、ドライバユニット500a〜500dから受信したID情報に基づいてドライバユニット500a〜500dの接続するI/Fコネクタを判別し、アナログ入出力信号をプログラマブルに接続や変更することができる。
【0098】
図4に戻り、制御装置80は、中継ボードである高圧制御用整合ユニット400と、ドライバユニットである画像形成プロセスに用いられる高圧電源機能ユニット600とを備える。高圧制御用整合ユニット400は、高圧電源機能ユニット600を複数接続可能とするインターフェースを有する。以下、図9及び図10を用いて、高圧制御用整合ユニット400及び高圧電源機能ユニット600について詳細に説明する。
【0099】
図9は、図4の制御装置における高圧制御用整合ユニット400の概略構成を示すグロック図であり、図10は、図4の制御装置における高圧電源機能ユニット600の概略構成を示すブロック図である。
【0100】
高圧制御用整合ユニット400は、図9に示すように、通信制御ブロック401と、高圧動作制御ブロック402と、高圧安定化制御ブロック403と、接続コネクタ404a,404b,404c・・・404nと、マルチプレクサ405,406と、A/D変換手段407,408とを備える。
【0101】
通信制御ブロック401は、特定ユニット100との通信を行う。高圧動作制御ブロック402は、CPU等から構成されており、通信制御ブロック401を介して特定ユニット100から指令を受け取り、高圧制御用整合ユニット400に接続される高圧電源機能ユニット600の各動作をシーケンシャルに制御する。高圧安定制御ブロック403は、高圧動作制御ブロック402からのシーケンシャルな指令に応じて、各高圧電源機能ユニット600の出力信号を安定化制御する。接続コネクタ404a,404b,404c,・・・400nは、互いに同じ構成を有しており、機能が同じ或いは異なる高圧電源機能ユニットが一対一で夫々接続される。マルチプレクサ405,406は、各接続コネクタ404a,404b,404c,・・・400nから入力されるアナログ信号から所望の信号を選択すべく、所望の信号に対応する接続コネクタを選択する。A/D変換手段407,408は、マルチプレクサ405,406によって選択されたアナログ信号を夫々デジタル変換する。
【0102】
次に、上記構成を有する高圧制御用整合ユニット400における動作を説明する。
【0103】
先ず、通信制御ブロック401が、画像形成装置1全体の制御を司る特定ユニット100からカラーモードや印刷倍率、印刷用紙サイズ等の情報を含んだモード情報を受け取ると、高圧動作制御ブロック402にこのモード情報を伝達する。高圧動作制御ブロック402は、通信制御ブロック401からモード情報を受け取り、更にプリント開始信号を受け取ると、予め受け取ったモード情報に基づいたモード制御を各高圧電源機能ユニット600に行わせるように、高圧安定化制御ブロック403に対して逐次指令する。ここで、モード制御には印刷設定や印刷タイミング設定、期間設定等の制御が含まれる。
【0104】
一方、高圧安定化制御ブロック403は、マルチプレクサ405,406を制御して接続コネクタを選択する選択信号を時分割に切り換え、A/D変換手段407、408を制御して所望とするアナログ信号を取得する。そして、高圧安定化制御ブロック403は、取得した所望のアナログ信号の信号レベルを入手し、入手した信号レベルと上記受信したモード情報に基づいた設定値とを比較する。この比較結果に応じて高圧安定化制御ブロック403は、選択した高圧電源機能ユニットに対して出力制御用の駆動情報を出力する。
【0105】
上述のマルチプレクサ405,406の切り換え、信号レベルの入手、駆動情報の出力までの制御は、各高圧電源機能ユニットに対して所定間隔で繰り返される。このため、各高圧電源機能ユニットからの高圧信号は、所定の出力値に制御されることとなる。また、各高圧電源機能ユニットは前述の特定ユニット100からのモード情報に基づいて、所定の画像形成処理に従った出力動作で制御されるので、所望の画像形成が実行されることになる。
【0106】
次に、図10を用いて高圧電源機能ユニット600の構成の一例を説明する。
【0107】
高圧電源機能ユニット600は、図10に示すように、高圧ドライバ用コネクタ601と、駆動ブロック602と、変圧ブロック603と、信号平滑ブロック604と、電圧検出ブロック605と、電流検出ブロック606とを備える。
【0108】
高圧ドライバ用コネクタ601は、高圧制御用整合ユニット400に接続するためのコネクタである。駆動ブロック602は、高圧制御用整合ユニット400から送信されてくる駆動情報に基づいてスイッチング動作を行う。変圧ブロック603は、トランス等で構成されており、駆動ブロック602において発生した駆動信号を増幅する。信号平滑ブロック604は、変圧ブロック603で増幅された駆動信号を所定の極性に平滑化する。電圧検出ブロック605は、信号平滑ブロック604で直流化された電圧信号の電圧値をモニタする。電流検出ブロック606は、電圧検出ブロック605と同様に電圧信号の電流値をモニタする。
【0109】
また、高圧電源機能ユニット600は、信号平滑ブロック604で直流化された高圧信号が出力される出力端607と、上記高圧信号のリターン経路を構成する接地端608とを備える。
【0110】
次いで、上記構成を有する高圧電源機能ユニット600における動作を説明する。
【0111】
高圧電源機能ユニット600において、駆動ブロック602は、高圧制御用整合ユニット400から高圧ドライバ用コネクタ601を介してPWM信号等の形態の駆動情報を受信する。駆動ブロック602は、この駆動情報を受け取ると、受信した駆動情報に基づいたスイッチング動作によって所望とされる電力の駆動信号を生成する。変圧ブロック603は、駆動ブロック602で生成された所望の電力の駆動信号を受け、この駆動信号を電圧増幅した交流信号を出力する。平滑ブロック604は、変圧ブロック603から受信した電圧増幅された交流信号を予め定められた所定の極性に整流し、出力端607に直流信号として出力する。また、出力端607に出力される直流信号は、高圧制御用整合ユニット400内のA/D変換ブロック407又は408で変換可能な電圧レベルとなるように電圧検出ブロック605で分圧され、高圧ドライバ用コネクタ601を介して高圧制御用整合ユニット400に出力される。
【0112】
上述のように出力端607に出力された直流信号による負荷電流は、接続される負荷を通って接地端608に流入し、電流検出ブロック606を通過して平滑ブロック604、更には変圧ブロック603に戻される。この時、電流検出ブロック606はこの負荷電流を高圧制御用整合ユニット400内のA/D変換ブロック407又は408で変換可能な電圧レベルに加工し、高圧ドライバ用コネクタ601を介して高圧制御用整合ユニット400に送信する。
【0113】
上述の動作によれば、例えば、高圧制御用整合ユニット400内の各制御ブロックにより所望の定電圧の高圧直流電圧が要求された場合には、高圧制御用整合ユニット400内の各制御ブロックはマルチプレクサ405又は406を使って時分割で所望の高圧電源機能ユニット600の電圧検出信号を読み出す。この読み出した電圧検出信号に基づいて、高圧制御用整合ユニット400は、所定時間間隔で高圧電源機能ユニット600の駆動状態を切り換える。高圧制御用整合ユニット400及び高圧電源機能ユニット600において上述の制御を繰り返し実行することにより、選択した高圧電源機能ユニット600の出力電圧を所望の電圧値に制御することができる。
【0114】
また、図4に示すように、制御装置80は、レーザースキャナボード700やコントローラ800、リーダ部1Rを有する。コントローラ800は、リーダ部1Rや、ドライバボード200にコピースタートの指示等を行う。具体的には、コントローラ800は、リーダ部1RからI/F−Sを介して原稿画像のRGB信号を受信し、YMCK信号に変換して、コントローラ800のI/F−Vを介してレーザースキャナボード700に画像信号を転送する。また、コントローラ800は、I/F−Dを介してコピースタート等の指示をリーダ部1Rやドライバボード200のCPU101に送信する。
【0115】
ここで、本実施の形態における画像形成装置1は、外部構成として種々の外部装置を装着することができる。外部装置としては、例えば給紙用のペーパーデッキ等があり、以下に、外部装置として複数のペーパーデッキを装着した場合の画像形成装置の構成例について図11〜13を用いて説明する。尚、外部装置としてのペーパーデッキは、内部に複数の給紙ユニットを有し、各給紙ユニットはCPU又は中継ボードを有する。また、上記デッキにおいて、CPU又は中継ボードの構成は変更可能とする。また、説明を容易にするために外部装置として装着されるペーパーデッキは1つとする。
【0116】
図11は、外部構成として画像形成装置1に装着するペーパーデッキの第1の構成例を示す図である。
【0117】
本構成例のペーパーデッキは、図11に示すように、画像形成装置1の本体構成との通信線である本体構成通信線にペーパーデッキ入り口の1つのCPUがLAN構成を介して接続され、このCPUの傘下に各給紙ユニットを管理するCPUが配置される構成を有する。これにより、画像形成装置1本体は、ペーパーデッキ内の複数のCPUではなく、上記1つのCPUとの間で通信を行えばよい。このため、本構成は画像形成装置1本体側の負担を最も軽減することができる。尚、本構成例は、ペーパーデッキ内の複数CPUの構成について限定するものであって、画像形成装置1本体、LAN構成に接続されたCPU、及びこのCPUの傘下の各CPU間の通信形態を限定するものではない。また、本構成においては、LAN構成に接続されたCPUを中継ボードに変更してもよい。
【0118】
図12は、外部構成として画像形成装置1に装着するペーパーデッキの第2の構成例を示す図である。
【0119】
本構成例のペーパーデッキは、図12に示すように、各給紙ユニットを制御するCPUが互いに並列にLAN構成に接続され、LAN構成が本体構成通信線に接続される構成を有する。このため、本構成例によれば、ペーパーデッキ内の各CPUが直接画像形成装置1本体と通信することが可能であり、本体との高速通信を実現することができる。尚、本構成例は上記第1の構成例と同様に、ペーパーデッキ内の複数CPUの構成について限定するものであり、画像形成装置1本体及び各CPU間の通信形態を限定するものではない。また、本構成においては、各給紙ユニットのCPUを中継ボードに変更してもよい。
【0120】
図13は、外部構成として画像形成装置1に装着するペーパーデッキの第3の構成例を示す図である。
【0121】
本構成例のペーパーデッキは、図13に示すように、各ユニットを制御するCPUの内1つが本体構成通信線に接続されるLAN構成に接続され、このLAN構成に接続されるCPUが本体からの情報を各ユニット制御用のCPUに伝達する構成を有する。本構成においては、上記第1の構成例のように、LAN構成に接続されたCPUが他のCPUを支配する構成ではない。尚、本構成例は上記各構成例と同様に、ペーパーデッキ内の複数CPUの構成について限定するものであり、画像形成装置1本体及び各CPU間の通信形態を限定するものではない。また、本構成においては、各給紙ユニットのCPUを中継ボードに変更してもよい。
【0122】
また、外部構成として画像形成装置1に装着するペーパーデッキの構成として、上記第1の構成乃至第3の構成のいずれかの構成に選択的に変更可能な構成とすることが可能である。具体的には、画像形成装置1本体とLAN接続されるCPU、或いはペーパーデッキ内の各CPUが、末端の各給紙ユニットで発生するエラー等に対して、本体に通信するか、ペーパーデッキ内で解決するかを判断しつつ、上記3つの構成を適宜選択するように構成することも可能である。
【0123】
次に、本発明の実施の形態に係る制御装置が実行する異常情報の通信制御について説明する。
【0124】
図14は、図5における中継ボード300のI/Fコネクタ311〜314の各々とドライバユニット500のI/Fコネクタ501とを接続するインターフェース910の概略構造を示す図である。図14に示すように、インターフェース910は、左側が中継ボード300のI/Fコネクタに接続され、右側がドライバユニット500のI/Fコネクタに接続される。
【0125】
インターフェース910は、Vccライン911と、TxDataライン912と、RxDataライン913と、ErrDataライン914と、GNDライン915とを備える。Vccライン911は、中継ボード300からドライバユニット500へ電力を供給する電力供給線である。電力は図示しない電源ユニットより供給される。TxDataライン912は、シリアルインターフェースであり、中継ボード300からドライバユニット500へTx信号(TxData)(図6(a)参照)を送信するデータ転送線である。TxDataライン912は、中継ボード300のパラ・シリ/シリ・パラ変換ブロック303においてシリアル信号に変換されたドライバユニット500に接続された負荷、例えばモータ511等を駆動するための信号を送信する。RxDataライン913は、ドライバユニット500から中継ボード300へのRx信号(RxData)(図6(b)参照)を送信するデータ転送線である。RxDataライン913は、シリアル信号に変換された、ドライバユニット500のID情報やドライバユニット500に接続されているセンサ513の検出信号を送信する。
【0126】
ErrDataライン914は、ドライバユニット500において発生した異常を中継ボード300に報知するための異常通信専用の通信線であり、ドライバユニット500で発生した異常の内容を示す情報である異常情報(ErrData)をドライバユニット500から中継ボード300に送信する。具体的には、発生した異常状態毎に予め定義されたコード(エラーコード)を中継ボード300に転送している。エラーコードは、ドライバユニット500のP/S変換部507(図7参照)においてシリアル信号に変換されてからErrDataライン914を介して中継ボード300に転送される。例えば、以下に示すように、異常状態を示すエラーコードを4bitのシリアル信号として定義する。
【0127】
(1)モータ511を起動してから所定時間以内にセンサ513が給紙を検出しない異常が発生した場合のエラーコードとして「0001」を定義する。
【0128】
(2)紙がセンサ513の検出位置に所定時間以上滞留している異常が発生した場合のエラーコードとして「0010」を定義する。
【0129】
このようなエラーコードの内容を示すエラーコード情報は、CPU301のROM等の記憶装置に予め記憶させておく。
【0130】
また、インターフェース910において、GNDライン915は、中継ボード300とドライバユニット500との間をグランド接続する。
【0131】
次に、異常情報の通信制御について、図15(A)及び(B)を参照して説明する。
【0132】
図15(A)は、ドライバユニット500に異常が発生していない正常状態におけるインターフェース910通信状態の様子を示す図であり、図15(B)は、ドライバユニットに異常が発生した異常状態におけるインターフェース910の通信状態の様子を示す図である。
【0133】
正常状態においては、図15(A)に示すように、TxDataライン912は、所定の間隔で中継ボード300からドライバユニット500へ16bitのシリアルデータであるTxDataを送信している。RxDataライン913は、所定の間隔でドライバユニット500から中継ボード300へ20bitのシリアルデータであるRxDataを送信している。ドライバユニット500では異常が発生していないのでErrDataライン914の送信信号はHighレベルの信号(以下単に、Higt信号と称する)に固定されている。
【0134】
次に、ドライバユニットで異常が発生した場合の動作を説明する。
【0135】
図15(B)に示すように、タイミングT1においてドライバユニット500に異常が発生する場合においても、TxDataライン912及びRxDataライン913は、正常状態の場合と同様にTxData及びRxDataを夫々送信する。ErrDataライン914は、ドライバユニット500で異常が発生したタイミングT1において、ドライバユニット500から異常情報(ErrData)を中継ボード300に対して転送する。中継ボード300は、ErrDataライン914の送信情報が、High信号からErrDataに変化したことを検知すると、ドライバユニット500側で異常が発生したことを認識する。
【0136】
次いで、中継ボード300は、シリアルデータであるErrDataを受信することによりドライバユニット500で発生した異常の内容を認識することができる。例えば、ErrDataとして「0010」のシリアルデータをErrDataライン914から受信した場合、記憶装置に記憶されたエラーコード情報を検索することにより、ドライバユニット500aにおいて紙がセンサ513の検出位置に所定時間以上滞留している異常が発生したことを認識することができる。その後、後述するように、中継ボード300は、さらに上流の特定ユニット100にこの異常情報を転送する。特定ユニット100は、表示部に、「給紙部に紙が詰まっています」等の表示を行うことにより、ユーザに異常が発生したことを報知することができると共に、異常の内容、発生箇所、及び対処方法等を表示することにより、ユーザに異常の解除方法を報知することができる。
【0137】
次いで、特定ユニット100と中継ボード300とを接続するインターフェース920について図16を参照して説明する。図16は、図4における特定ユニット100と中継基板300のI/Fコネクタ310とを接続するインターフェース920の概略構造を示す図である。
【0138】
インターフェース920は、図14のインターフェース910と同様に、中継ボード300から特定ユニット100へ電力を供給するVccライン921と、特定ユニット100から中継ボード300へTxDataを送信するTxDataライン922と、中継ボード300から特定ユニット100へRxDataを送信するRxDataライン923と、GNDライン925とを備える。
【0139】
また、インターフェース920は、ドライバユニット500において発生した異常を中継ボード300から特定ユニット100に報知するための専用通信線であるErrDataライン924を備える。ErrDataライン924は、ErrDataライン914と同様に、正常時においてHigh信号を送信し、異常発生時において異常内容を示す異常情報(ErrData)を送信する。異常情報としてのエラーコードは、中継ボード300に接続されているドライバユニット500のいずれかにおいて異常が発生した場合に、中継ボード300から送信される。具体的には、上述のように、中継ボード300がインターフェース910のErrDataライン914を介して異常が発生したドライバユニット500から異常情報を受信すると、この情報を中継ボード300がErrDataライン924を介して特定ユニット100に送信する。また、中継ボード300から特定ユニット100に送信されるエラーコードの形式は、図17に示すように、中継ボード300に接続された各ドライバユニット500a〜500dから送信されるエラーコードを順番に並べたものとなる。中継ボード300から特定ユニット100に送信されるエラーコードにおいて、中継ボード300は、「0000」のシリアルデータを異常が発生していないドライバユニット500についてのエラーコードとする。例えば、ドライバユニット500aでエラーコード「0001」の異常が発生し、同時にドライバユニット500bでエラーコード「0101」の異常が発生し、ドライバユニット500c,500dは正常である場合、中継ボード300から特定ユニット100に対してErrDataとして「0001010100000000」という16bitのシリアルデータが送信される。特定ユニット100に送信するエラーコードは、例えば、中継ボード300のASIC302において生成される。
【0140】
特定ユニット100は、CPU101のROM等の記憶装置にエラーコードの内容を示すエラーコード情報を予め記憶しており、また、ドライバユニット500のID情報から中継ボード300に接続されているドライバユニット500を認識することができる。このため、特定ユニット100は、このエラーコードを受信することにより、どのドライバユニット500でどのような異常状態が発生したかを認識することが可能である。このため、上述したように、特定ユニット100は、表示部に、「給紙部に紙が詰まっています」等の表示を行うことにより、ユーザに異常が発生したことを報知することができると共に、異常の内容、発生箇所、及び対処方法等を表示することにより、ユーザに異常の解除方法を報知することができる。
【0141】
上述のように、本発明の第1の実施の形態に係る制御装置おいては、本体装置(画像形成装置1)の構成要素を機能別に分割して制御単位である複数の機能ユニットを形成し、機能ユニットの各ドライバユニット500が、インターフェース910を介して中継ボード300の備える整合手段を通じて接続される。また、中継ボード300は、インターフェース920を介して特定ユニット100に接続される。インターフェース910及び920は、ドライバユニット500において発生した異常の内容を示す異常情報を送信するための専用の通信線であるErrDataライン914及び924を夫々備える。
【0142】
この構成により、本実施の形態に係る制御装置によれば、ドライバユニット500と中継ボード300との間の通信状態に拘らず、ドライバユニット500は、異常が発生した場合に、ErrDataライン914を介して中継ボード500に異常情報をリアルタイムに送信することができる。また、中継ボード300と特定ユニット100との間の通信状態に拘らず、ドライバユニット500に異常が発生した場合に、中継ボード300は、ErrDataライン924を介して特定ユニット100に異常情報をリアルタイムに送信することができる。従って、下流側のユニットの異常情報を上流側のユニットに迅速に伝達することができる。これにより、異常に対するその後の処理を迅速に行なうことができる。
【0143】
本実施の形態に係る制御装置によれば、ドライバユニット500において異常が発生した場合、ErrDataライン914及び924の送信情報が、High信号からErrDataに切り換わる。このため、中継ボード300及び特定ユニット100は、夫々、ErrDataライン914及び924の送信情報が、High信号からErrDataに切り換わったことを検知することにより、ドライバユニット500における異常の発生をリアルタイムに検知することができる。また、中継ボード300及び特定ユニット100は、夫々、受信したエラーコードから下流側のドライバユニット500の異常の内容を認識することができ、異常に対する適切な処理を行うことができる。
【0144】
また、ErrDataライン914及び924の送信する異常情報(ErrData)としてのエラーコードをシリアルデータで送信するので、下流側のドライバユニット500で発生する異常の種類が多くなってもErrDataライン914及び/又は924の通信線を増やすことなく、全ての種類に対応したエラーコードを上流側の中継ボード300や特定ユニット100に送信することができる。従って、ErrDataライン914の汎用性を向上させることができる。
【0145】
本実施の形態に係る制御装置によれば、中継ボード300は、中継ボード300に接続された各ドライバユニット500から送信されるエラーコードを順番に並べて1つのシリアルコードに変換し、これをエラーコードとして特定ユニット100に送信する。これにより、中継ボード300は、下流側のドライバユニット500で発生した異常の内容を1つの通信線で上流側の特定ユニット100に送信することができる。加えて、中継ボード300は、下流側の複数のドライバユニット500において同時に異常が発生した場合でも、1度の通信で異常情報を上流側の特定ユニット100に送信することができる。
【0146】
また、本実施の形態に係る制御装置によれば、本体装置(画像形成装置1)内の構成要素を機能別に分類して形成される複数の機能ユニットの各ドライバユニット500が互いに通信可能になるように、各インターフェースが中継ボード300の整合手段により整合制御される。このため、本制御装置は、特定ユニット100及び中継ボード500の構成を変更することなく、制御する機能ユニットとして任意の機能ユニットを接続することができる。従って、本制御装置は、本体装置の機能ユニットを変更しても変更後の本体装置の制御装置として容易に流用することができる。具体的には、複数種類の本体装置間で、共通の中継ボードや特定ユニット、ドライバユニットの流用が容易となる。これにより、本体装置における機能ユニット毎の開発や、他の本体装置の機能ユニットの流用が容易となり、本体装置の開発効率の向上が図れると共に、本体装置トータルの開発費用を低減することができる。
【0147】
尚、本発明の第1の実施の形態においては、中継ボード300とドライバユニット500との間のインターフェース910の全てが、ErrDataライン914を備えるものとしたが、本発明はこれに限らず、中継ボード300とドライバユニット500との間のインターフェース910の少なくとも1つが、ErrDataライン914を備えるようにしてもよい。同様に、特定ユニット100と中継ボード300との間のインターフェース920の全てが、ErrDataライン924を備えるものに限らず、特定ユニット100と中継ボード300との間のインターフェース920の少なくとも1つが、ErrDataライン924を備えるようにしてもよい。
【0148】
また、本実施の形態に係る制御装置は、特定ユニット、中継ボード、及びドライバユニットを夫々個別に備えるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、本体装置のいずれか1つのドライバユニットが、特定ユニット及び/又は中継ボードを備えるものであってもよい。
【0149】
次いで、本発明の一実施例を図18を用いて説明する。図18は、本発明の実施の形態に係る制御装置の一実施例を示す図面である。本実施例においては、複写機の定着ヒータにおいて異常が発生した場合の異常情報通信制御の流れを具体的に説明する。
【0150】
図18において、複写機の定着部におけるヒータのヒータコントローラとしてのドライバユニット551がヒータの温度異常、例えば過昇温検知エラーを検出すると、ヒータコントローラ551は温度異常の検出と同時に、ErrDataライン914を介して、過昇温検知エラーを示す異常情報(ErrData)を定着部における中継ボード351に送信する。このとき、TxDataライン912及びRxDataライン913においては通常の通信が行なわれている。中継ボード351は、定着部のモータコントローラとしてのドライバユニット552に対してモータ停止信号を送信すると同時に、特定ユニット350に対して過昇温検知エラーの異常情報をErrDataライン924を使用して転送する。特定ユニット350は、過昇温検知エラーの異常情報を受信すると、これと同時に給紙部における中継ボード352に対して給紙動作の停止のコマンドを、紙搬送部の中継ボード353に対して紙搬送動作の停止のコマンドを送信する。次いで、各中継ボード352,353は、接続されたドライバユニット553,554,555を介してモータ等を停止させる。
【0151】
以上説明したように、下流のドライバユニットで発生した異常をリアルタイムで上流の中継ボード及び特定ユニットに伝達することによって、その後の処理を迅速に行なうことができる。本実施例においては、定着ヒータの温度異常を検出すると同時にその異常を上流の特定ユニット350に転送することができるので、複写機内の他の中継ボードで制御しているモータ等を迅速に停止することができる。従って、給紙部や紙搬送部での紙つまりを最小限に押さえることができる。
【0152】
次いで、本発明の第2の実施の形態について図19を参照して説明する。
【0153】
本実施の形態は、上述の第1の実施の形態に係る制御装置に対して、異常情報通信制御が異なる。以下、上記第1の実施の形態に係る制御装置と同じ構成部材には同一の符号を付して重複した説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0154】
ドライバユニット500が正常時の場合、図19に示すように、中継ボード300とドライバユニット500との間のインターフェース910において、ErrDataライン914は、所定の間隔(Tp)でLowレベルのパルス信号を送信する。これは、ErrDataライン914が正常に動作していることを中継ボード300が認識できるようにするためである。
【0155】
一方、タイミング(T1)において、ドライバユニット500で異常が発生した場合、上記第1の実施の形態と同様に、異常内容を示す異常情報(ErrData)としてのエラーコードを中継ボード300に転送する。本実施例では、このエラーコードを、中継ボード300からエラー解除の要求があるまで繰り返し転送し続ける。次いで、中継ボード300から、図19に示すタイミングで、TxDataライン912を介してエラー解除コマンドが送信されると、ドライバユニット500は、タイミング(T2)でエラー解除コマンドを認識し、エラーコードの送信を停止する。その後は正常状態の通信に戻り、ErrDataライン914は、所定間隔(Tp)でLowレベルのパルス信号を送信する。
【0156】
上述のように、本発明の第2の実施の形態に係る制御装置によれば、ErrDataライン914は、ドライバユニット500に異常が発生していない場合においても、定期的にLowレベルのパルス信号を送信する。これにより、中継ボード300は、ErrDataライン914が故障していないことを定期的に確認することができる。このため、下流側のドライバユニット500に異常が発生した場合、上流側の中継ボード300が、この異常の発生を見逃すこと防止することができる。
【0157】
次いで、本発明の第3の実施の形態について図20を参照して説明する。
【0158】
本実施の形態は、上述の第1の実施の形態に係る制御装置に対して、異常情報通信制御が異なる。以下、上記第1の実施の形態に係る制御装置と同じ構成部材には同一の符号を付して重複した説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0159】
図20に示すように、インターフェース910の通信は、ドライバユニット500の正常時においては、第1の実施の形態と同様である。ドライバユニット500において異常が発生すると、ErrDataライン914は、送信信号をHigh信号からLowレベルの信号(以下、Low信号と称する)に切り換え、RxDataライン913におけるデータ転送を中断して異常情報(ErrData)としてのエラーコードを中継ボード300に転送する。中継ボード300では、ErrDataライン914の送信信号がLow信号になっていることで、RxDataライン913で転送されているデータが異常情報としてのエラーコードであることを認識することが可能となる。エラーコードは、中継ボード300からのエラー解除コマンドを受信するまで繰り返し転送し続けられる。図20に示すタイミングで中継ボード300からTxDataライン912を介してエラー解除コマンドが送信されると、ドライバユニット500は、タイミング(T2)でエラー解除コマンドを認識し、ErrDataライン914の送信信号をLow信号からHigh信号に戻すと共に、RxDataライン913も通常の通信モードに移行する。
【0160】
上述のように、本発明の第3の実施の形態に係る制御装置によれば、ErrDataライン914の送信信号をHigh信号からLow信号に切り換えた場合、下流側のドライバユニット500が上流側の中継ボード300に異常の内容を示すエラーコードを送信する。これにより、ドライバユニット500は、ErrDataライン914から送信される送信信号のLow信号への切り換わりを検知することにより、ドライバユニット500に異常が発生したことをリアルタイムに検知することができると共に、このときRxDataライン913を介して受信した情報が異常の内容を示すエラーコードであることを認識することができる。
【0161】
次いで、本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0162】
本実施の形態は、上述の第1の実施の形態に係る制御装置に対して、異常情報通信制御における中継基板300のエラーコードの生成の仕方が異なる。以下、上記第1の実施の形態に係る制御装置と同じ構成部材には同一の符号を付して重複した説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0163】
本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様にErrDataライン914を介して送信されるドライバユニット毎のエラーコードを、中継ボード300がドライバユニット毎に再度定義しなおし、これを特定ユニット100に対して送信する。このように、本実施の形態は、エラーコードのビット数を減らすことを可能にするものである。
【0164】
例えば、中継ボード300はエラーコードを6bitのシリアルデータとして定義しなおす。具体的には、以下に示すように、ドライバユニット500aから受信した4bitのエラーコードに対しては、その先頭に「00」のコードを付加し、ドライバユニット500bから受信したエラーコードに対しては、その先頭に「01」のコードを付加し、ドライバユニット500cのエラーコードには「10」のコードを、ドライバユニット500dのエラーコードには「11」のコードを付加してエラーコードを再度定義する。
【0165】
(1)500aからのエラーコード「0001」 → 「000001」
(2)500bからのエラーコード「0101」 → 「010101」
(3)500cからのエラーコード「0011」 → 「100011」
(4)500dからのエラーコード「1011」 → 「111011」
例えば、ドライバユニット500cでエラーコード「0010」の異常が発生した場合、中継ボード300は、異常情報(ErrData)として「100010」のエラーコードを特定ユニット100に送信する。特定ユニット100は、受信したエラーコード(シリアルデータ)に基づいて、中継ボード300に接続された複数のドライバユニット500のうち、500cにおいてエラーコード「0010」の異常が発生したことを認識することができる。このエラーコードが例えば、「両面搬送部の入り口に紙が滞留している状態」と定義されている場合には、表示部にその旨の表示を行い、ユーザにその処置方法を指示することが可能となる。中継ボード300におけるエラーコードの再定義方法を規定するための情報は、例えば、CPU301の記憶装置に記憶されており、また、再定義されたエラーコードの内容を示す情報は、例えば、CPU101の記憶装置に記憶されている。
【0166】
上述のように、本発明の第4の実施の形態に係る制御装置によれば、中継ボード300が、受信した異常情報としてのエラーコードをドライバユニット500毎に再度規定しなおし、これを特定ユニットに送信するので、特定ユニット100に送信するエラーコードのデータ容量を低減させることができる。
【0167】
次いで、本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0168】
本実施の形態にかかる制御装置は、上述の第1の実施の形態に係る制御装置に対して、異常情報通信制御が異なる。以下、上記第1の実施の形態に係る制御装置と同じ構成部材には同一の符号を付して重複した説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0169】
本実施の形態に係る制御装置は、ドライバユニット500において発生する異常の内上流側に伝達すべき異常の種類が1種類しかないような場合、例えば、図5のドライバユニット500aにおけるモータ511の回転異常だけを検知できればよいような場合に最適なものである。送信すべき異常情報の種類が1種類しかないということは、異常情報をシリアルコードとして送信する必要がなく、ErrDataライン914の送信信号の値(レベル)を変更するだけでよい。
【0170】
図5におけるドライバユニット500aとのインターフェース910における動作の例を図21を参照して説明する。
【0171】
図21に示すように、TxDataライン912及びRxDataライン913は通常の通信を行っており、異常が発生していないので、ErrDataライン914の送信信号はHighレベルに保持されている。タイミング(T_Err)でドライバユニット500aに接続されたモータ511の回転異常が検出された場合、ドラバユニット500aはErrDataライン914の送信信号をLowレベルに切り換える。中継ボード300は、ドライバユニット500aからErrDataライン914を介して受信した異常情報(ErrData)がLow信号になったことを検出することにより、ユニット500aに接続されたモータ511の回転異常が発生したと認識することができる。
【0172】
上述のように、本発明の第5の実施の形態に係る制御装置によれば、検出すべき異常状態が少ない場合には、異常情報としてシリアル信号を使用せずに、単なるON/OFF信号を使用することにより、異常情報を生成する回路、及び異常情報を受信してその内容を認識する回路(もしくはソフトウェア)の構成を簡略化することができる。
【0173】
本発明の各実施の形態に係る制御装置は、画像形成装置1に利用されるものに限らず、例えば、電子写真技術を用いたLBPや複写機、及び複写機のアプリケーションであるペーパーデッキ、フィニッシャー、並びにスタッカー等のシート搬送装置等の制御装置としても利用することができる。
【0174】
上記各実施の形態に係る制御装置は、ドライバユニット500において異常が発生した場合に、下流側のドライバユニット500又は中継ボード300が夫々、ErrDataライン914又は924を介して、上流側の中継ボード300又は特定ユニット100にエラーコードを送信するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、ドライバユニット500において異常が発生した場合に、ErrDataライン914又は924の送信信号をLowレベルに切り換え、これに応じて上流側の中継ボード300又は特定ユニット100が、下流側のドライバユニット500又は中継ボード300に、エラーコードの送信を要求し、この要求に応じて下流側のドライバユニット500又は中継ボード300がErrDataライン914又は924を介して、上流側の中継ボード300又は特定ユニット100にエラーコードを夫々送信するようにしてもよい。
【0175】
尚、上記各実施の形態に係る制御装置は、特定ユニット、中継ボード、及びドライバユニットを夫々個別に備えるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、本体装置のいずれか1つのドライバユニットが、特定ユニット及び/又は中継ボードを備えるものであってもよい。
【0176】
また、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0177】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0178】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不
揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0179】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0180】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、次のプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】本発明の実施の形態に係る制御装置を備える本体装置としての画像形成装置の要部断面図である。
【図2】図1の画像形成装置における光学系の外略構成を示す断面図である。
【図3】ADFを用いた図2の光学系の概略構成を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】図4の制御装置の中継ボード及びドライバユニットの概略構成を示すブロック図である。
【図6】図5の中継ボードとドライバユニット間で送受信するI/F信号を示す図であり、図6(A)は中継ボードからドライバユニットに送信される信号を示す図であり、図6(B)はドライバユニットから中継ボードに送信される信号を示す図である。
【図7】ドライバユニットの構成を示すブロック図である。
【図8】中継ボードにおいて実行される接続されるユニットのIDに応じたI/Fの制御処理について説明するブロック図である。
【図9】図4の制御装置における高圧制御用整合ユニットの概略構成を示すブロック図である。
【図10】図4の制御装置における高圧電源機能ユニットの概略構成を示すブロック図である。
【図11】外部構成として図1の画像形成装置に装着するペーパーデッキの第1の構成例を示す図である。
【図12】外部構成として図1の画像形成装置に装着するペーパーデッキの第2の構成例を示す図である。
【図13】外部構成として図1の画像形成装置に装着するペーパーデッキの第3の構成例を示す図である。
【図14】図5における中継ボードのI/Fコネクタの各々とドライバユニットのI/Fコネクタとを接続するインターフェースの概略構造を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る制御装置の異常情報通信制御を説明する図であり、図15(A)は、ドライバユニットに異常が発生していない正常状態におけるインターフェース通信状態の様子を示す図であり、図15(B)は、ドライバユニットに異常が発生した異常状態におけるインターフェースの通信状態の様子を示す図である。
【図16】図4における特定ユニットと中継ボードとを接続するインターフェースの概略構造を示す図である。
【図17】中継ボードに接続された各ドライバユニットから送信されるエラーコードの概略構成を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る制御装置の一実施例を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る制御装置において実行される異常情報通信制御を説明する図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態に係る制御装置において実行される異常情報通信制御を説明する図である。
【図21】本発明の第5の実施の形態に係る制御装置において実行される異常情報通信制御を説明する図である。
【図22】従来の制御装置における、下流側のユニットで異常が発生した場合に上流側のユニットにこの異常情報を転送する処理のタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0182】
1 画像形成装置
10 画像形成部
20 給紙ユニット
30 中間転写ユニット
40 定着ユニット
80 制御装置
100,350 特定ユニット
300,351,352,353 中継ボード
500,551,552,553,554,555 ドライバユニット
910,920 インターフェース
912,922 TxDataライン
913,923 RxDataライン
914,924 ErrDataライン
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、その制御方法、プログラム、及び記憶媒体に関し、特に、電子写真技術を用いたLBP(レーザビームプリンタ)や複写機、及び複写機のアプリケーションであるペーパーデッキ、フィニッシャー、並びにスタッカー等のシート搬送装置の制御装置、その制御方法、プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やシート搬送装置の従来の制御装置においては、メイン制御部にCPUを搭載し、装置における全ての制御をメイン制御部に集約し、メイン制御部が装置内の各ユニットを直接駆動する構成をとっていた。例えば、モータ駆動ユニットがメイン制御部から離れた位置にある場合、メイン制御部がモータを駆動する駆動信号を生成し、その信号を配線を介してモータ駆動ユニットに伝送し、この駆動信号によってモータ駆動ユニットを駆動していた。
【0003】
また、従来の制御装置として、複数のCPUを搭載する制御装置が考案されている(例えば、特許文献1参照)。この制御装置は、装置の各構成要素を機能別に分類し、夫々1つの制御単位として構成した複数ユニットを備える。これら複数のユニットの各々には、ユニットを制御するCPUが搭載されている。上記従来の制御装置は、ユニット間において多重通信を行い、ユニット間の制御の整合性を取りながら各ユニットを制御することにより、多重通信以外の接続線を低減できるようにしたものである。
【0004】
上記従来の制御装置は、上述のように、制御単位である各ユニット内にユニットを制御するためのCPUを備えており、各ユニット同士が信号の多重通信を行って、各ユニット間の制御の整合を取りながら対応するユニットの制御を行っている。このように、従来の制御装置においては、制御装置が搭載される装置(以下、本体装置と称する。)全体を制御するメイン制御ユニットを無くすこと等が考えられている。
【0005】
また、上述のような制御装置においては、シリアル通信線を介して接続された各ユニットにおいて異常が発生した場合、発生した異常状態を上流側のユニットに伝達することが必要である。これに関しては、上流側のユニットと下流側のユニットとを接続しているシリアル通信線を介して、下流側の異常を伝達する制御装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平8−297436号公報
【特許文献2】特開2003−309901
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の従来の制御装置においては、異常が発生していない通常時においてシリアル通信線を用いて制御情報等の通信情報の通信を行っており、異常時においてもこのシリアル通信線を用いて検知した異常情報を伝達している。このため、従来の制御装置においては、下流側のユニットにおいて異常を検知してすぐに、リアルタイムで上流側のユニットに異常の発生を伝達することができないという問題があった。すなわち、異常を検出した時点で他の通信情報が転送中である場合、この通信情報の転送が終了するまで異常情報を伝達することができないため、異常の発生から上流側のユニットが異常を検出するまでに遅延が生じてしまう。この様子を図22を用いて説明する。
【0007】
図22は、従来の制御装置における、下流側のユニットで異常が発生した場合に上流側のユニットにこの異常情報を転送する処理のタイミングチャートである。
【0008】
図22に示すように、下流側のユニットから上流側のユニットへの通常の通信情報(RxData)の送信中において、T_Errのタイミングで異常を検知した場合、この時点で行なわれている通信情報(RxData)の送信の終了を待ってから異常情報(RxData(Err))を送信する。このため、異常発生から異常情報(RxData(Err))の送信までにT_Delay分の遅延が生じてしまう。
【0009】
ここで、複写機においては、定着器の温度異常や紙搬送部での紙つまりなどの異常情報をリアルタイムに送信し、異常時の処理を迅速に行わなければならない。複写機において種々の問題が発生するからである。例えば、連続プリント中に紙搬送部で紙つまりが発生した場合、給紙部での給紙動作をすぐに停止しないと紙を無駄に消費してしまう。また、定着ヒータの温度異常が発生した場合、定着ヒータへの通電を停止すると共に、紙搬送部や給紙部のモータをすぐに停止しないと、上記と同様に紙を無駄に消費すると共に、紙搬送部での紙つまりを発生させ、更にはこれを悪化させ、これを取り除くのが困難になる場合もある。また、定着ヒータの異常時にメインの電源をシャットダウンする場合があるが、この場合にもエラーを迅速に検出できれば、シャットダウン前に必要な情報、例えばヒータの温度等をバックアップする時間を稼ぐことが可能である。
【0010】
以上説明したように、複写機においては下流側のユニットにおいて発生した異常の情報を上流側のユニットに迅速に伝達することが非常に重要である。
【0011】
本発明の目的は、下流側のユニットにおいて発生した異常の情報を上流側のユニットに迅速に伝達することができる制御装置、その制御方法、プログラム、及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の制御装置は、装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットを備え、該複数のユニットは各々、インターフェースと該インターフェースを介して他のユニットと通信する通信手段とを有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記複数のユニットを前記インターフェースを介して前記通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御する整合手段を有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記装置を制御する制御手段を有し、前記複数のユニットの前記インターフェースの少なくとも1つは該インターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信するための異常通信専用部を有することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の制御装置は、請求項1記載の制御装置において、前記整合手段を有するユニットは、複数の異なるインターフェースが接続可能であることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の制御装置は、請求項1又は2記載の制御装置において、前記整合手段を有するユニットは、前記整合手段を制御する整合制御手段を有することを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の制御装置は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置において、前記制御手段はCPUを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の制御装置は、請求項3又は4記載の制御装置において、前記整合制御手段はCPUを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の制御装置は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の制御装置において、前記整合手段は、該整合手段を有するユニットに接続される前記ユニットの情報を示すユニット情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする。
【0018】
請求項7記載の制御装置は、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の制御装置において、前記整合制御手段は、前記整合手段を有するユニットに接続される前記ユニットの情報を示すユニット情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする。
【0019】
請求項8記載の制御装置は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の制御装置において、前記通信手段はシリアル通信手段、パラレル通信手段、及びアナログ通信手段のいずれかであることを特徴とする。
【0020】
請求項9記載の制御装置は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の制御装置において、前記装置は画像形成装置、及び該画像形成装置に接続可能な装置であることを特徴とする。
【0021】
請求項10記載の制御装置は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の制御装置において、前記異常通信専用部は、前記異常が発生していない通常時には第1の値を送信し、前記異常が発生している異常時には第2の値を送信することを特徴とする。
【0022】
請求項11記載の制御装置は、請求項10記載の制御装置において、前記異常通信専用部が前記第2の値を送信する場合、上流側の前記ユニットが下流側の前記ユニットに前記異常の内容を示すエラーコードを要求することを特徴とする。
【0023】
請求項12記載の制御装置は、請求項10記載の制御装置において、前記異常通信専用部が前記第2の値を送信する場合、下流側の前記ユニットが上流側の前記ユニットに前記異常の内容を示すエラーコードを送信することを特徴とする。
【0024】
請求項13記載の制御装置は、請求項12記載の制御装置において、前記異常通信専用部は前記異常時ではない場合においても、定期的に前記第2の値を送信することを特徴とする。
【0025】
請求項14記載の制御装置は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の制御装置において、前記異常通信専用部は、前記異常が発生していない通常時には第1の値を送信し、前記異常が発生している異常時には当該異常の内容に応じたエラーコードを上流側の前記ユニットに送信することを特徴とする。
【0026】
請求項15記載の制御装置は、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の制御装置において、前記整合手段は、下流側の前記ユニットの各々から送信される前記異常情報を1つのシリアルコードに変換する変換手段を有することを特徴とする。
【0027】
請求項16記載の制御方法は、装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットを備え、該複数のユニットは各々、インターフェースと該インターフェースを介して他のユニットと通信する通信手段とを有し、前記複数のユニットの少なくとも1つのユニットは前記複数のユニットを前記インターフェースを介して前記通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御する整合手段を有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記装置を制御する制御手段を有し、前記複数のユニットの前記インターフェースの少なくとも1つは該インターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信するための異常通信専用部を有する、制御装置の制御方法であって、前記整合手段によって前記インターフェースを整合制御する整合ステップと、前記異常の発生時に前記異常通信専用部を介して前記異常情報を送信する異常情報送信ステップとを備えることを特徴とする。
【0028】
請求項17記載のプログラムは、装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットを備え、該複数のユニットは各々、インターフェースと該インターフェースを介して他のユニットと通信する通信手段とを有し、前記複数のユニットの少なくとも1つのユニットは前記複数のユニットを前記インターフェースを介して前記通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御する整合手段を有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記装置を制御する制御手段を有し、前記複数のユニットの前記インターフェースの少なくとも1つは該インターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信するための異常通信専用部を有する、制御装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記整合手段によって前記インターフェースを整合制御する整合モジュールと、前記異常の発生時に前記異常通信専用部を介して前記異常情報を送信する異常情報送信モジュールとを備えることを特徴とする。
【0029】
請求項18記載の記憶媒体は、装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットを備え、該複数のユニットは各々、インターフェースと該インターフェースを介して他のユニットと通信する通信手段とを有し、前記複数のユニットの少なくとも1つのユニットは前記複数のユニットを前記インターフェースを介して前記通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御する整合手段を有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記装置を制御する制御手段を有し、前記複数のユニットの前記インターフェースの少なくとも1つは該インターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信するための異常通信専用部を有する、制御装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムが、前記整合手段によって前記インターフェースを整合制御する整合モジュールと、前記異常の発生時に前記異常通信専用部を介して前記異常情報を送信する異常情報送信モジュールとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
請求項1記載の制御装置、請求項16記載の制御方法、請求項17記載のプログラム、及び請求項18記載の記憶媒体によれば、装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットの少なくとも1つが、整合手段により、複数のユニットをインターフェースを介して通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御し、インターフェースの少なくとも1つが、異常通信専用部により、このインターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信する。このため、インターフェースを介して上流側のユニットと下流側のユニットとの間において、下流側のユニットに異常が発生した場合には、インターフェースにおける通信状態に拘らず、異常通信専用部により異常情報をリアルタイムに上流側のユニットに送信することができる。従って、下流側のユニットの異常情報を上流側のユニットに迅速に伝達することができる。
【0031】
請求項10記載の制御装置によれば、異常通信専用部は、異常が発生していない通常時には第1の値を送信し、異常が発生している異常時には第2の値を送信する。このため、上流側のユニットは、異常通信専用部から送信される第2の値を検知することにより、下流側のユニットにおける異常の発生をリアルタイムに検知することができる。
【0032】
請求項11記載の制御装置によれば、異常通信専用部が第2の値を送信する場合、上流側のユニットが下流側のユニットに発生した異常の内容を示すエラーコードを要求する。このため、上流側のユニットは、エラーコードを受信してこのエラーコードから下流側のユニットの異常の内容を認識することにより、異常に対する適切な処理を行うことができる。また、エラーコードをシリアルデータで送信することにより、下流側のユニットで発生する異常の種類が多くなっても異常通信専用部の信号線を増やすことなく、全ての種類に対応したエラーコードを上流側のユニットに送信することができる。従って、異常通信専用部の汎用性を向上させることができる。
【0033】
請求項12記載の制御装置によれば、異常通信専用部が第2の値を送信する場合、下流側のユニットが上流側のユニットに異常の内容を示すエラーコードを送信する。これにより、上流側のユニットは、異常通信専用部から送信される第2の値を検知することにより、下流側のユニットに異常が発生したことをリアルタイムに検知することができると共に、このとき受信した情報が異常の内容を示すエラーコードであることを認識することができる。また、受信したエラーコードから下流側のユニットの異常の種類を認識することができ、異常に対する適切な処理を行うことができる。また、エラーコードをシリアルデータで送信することにより、下流側のユニットで発生する異常の種類が多くなっても異常通信専用部の信号線を増やすことなく、全ての種類に対応したエラーコードを上流側のユニットに送信することができる。従って、異常通信専用部の汎用性を向上させることができる。
【0034】
請求項13記載の制御装置によれば、異常通信専用部は異常時ではない場合においても、定期的に第2の値を送信する。これにより、異常通信専用部が故障していないことを定期的に確認することができる。このため、下流側のユニットに異常が発生した場合、上流側のユニットが、この異常の発生を見逃すこと防止することができる。
【0035】
請求項14記載の制御装置によれば、異常通信専用部は、異常が発生していない通常時には第1の値を送信し、異常が発生している異常時には当該異常の内容に応じたエラーコードを上流側のユニットに送信する。このため、上流側のユニットは、異常通信専用部から第1の値を受信した場合は、下流側のユニットに異常が発生していないことを認識することができる。一方、異常通信専用部からエラーコードを受信した場合は、下流側のユニットに異常が発生していることを認識することができる。加えて、受信したエラーコードから下流側のユニットの異常の内容を認識することができ、異常に対する適切な処理を行うことができる。また、エラーコードをシリアルデータで送信することにより、下流側のユニットで発生する異常の種類が多くなっても異常通信専用部の信号線を増やすことなく、全ての種類に対応したエラーコードを上流側のユニットに送信することができる。従って、異常通信専用部の汎用性を向上させることができる。
【0036】
請求項15記載の制御装置によれば、整合手段は、変換手段により下流側のユニットの各々から送信される異常情報を1つのシリアルコードに変換する。これにより、整合手段を有するユニットは、接続される複数の下流側のユニットで発生した異常状態を1つの通信線で上流側のユニットに送信することができる。加えて、整合手段を有するユニットは、下流側の複数のユニットにおいて同時に異常が発生した場合でも、1度の通信で異常情報を上流側のユニットに送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0038】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る制御装置を備える本体装置としての画像形成装置の要部断面図である。
【0039】
図1の画像形成装置1は、電子写真方式を採用しており、図1に示す光学系1Rにおいて原稿の画像を読み取り、画像出力部1Pにおいて光学系1Rで読み取った画像情報に基づいて画像を転写材Pに形成する。画像形成装置1は、更に、画像出力部1Pに本発明の制御装置が特に有効に適用することができる複数の画像形成部が並列に配設されている。また、画像形成装置1は、中間転写方式を採用したカラー画像出力装置である。
【0040】
図2は、画像形成装置1の光学系1Rの外略構成を示す断面図である。
【0041】
図2に示すように、光学系1Rにおいて、原稿照明ランプ1201によって照明された原稿台ガラス1203上に置かれた原稿1204の画像は、第1ミラー1205、第2ミラー1206、第3ミラー1207、及びレンズ1208を介してカラーCCD1209上に結像し、カラーCCD1209が原稿1204のラインイメージを読み取る。原稿照明ランプ1201と第1ミラー1205から構成される読み取り部1210は、図2中の矢印A方向に移動し、原稿1204のラインイメージを順次読み取る。その際、第2ミラー1206及び第3ミラー1207も矢印A方向に移動し、原稿面からカラーCCD1209までの距離(光路長)が一定となるように不図示の駆動系によって駆動される。
【0042】
次いで、図2に示す光学系1Rの構成によって原稿1204の原稿画像を読み取る手順を説明する。
【0043】
まず、ユーザによって、例えば不図示のコピーボタンが押下される等により、原稿読み取りのコマンドが入力されると、光学系1Rは、読み取り部1210を図2の配置(以下、ホームポジションと称する。)から不図示の駆動系により、図2中の矢印B方向に移動させ、読み取り位置をシェーディング補正板1211の真下に配置させる。次いで、光学系1Rは、原稿照明ランプ1201を点灯させ、シェーディング補正板1211を照明し、シェーディング補正板1211のラインイメージをミラー1205、ミラー1206、ミラー1207、及びレンズ1208を介してカラーCCD1209に導く。
【0044】
カラーCCD1209で読み取られたシェーディング補正版1211のラインイメージの画素毎の出力信号は不図示の画像処理回路によって、全ての画素の出力レベルが所定のレベルになるように補正される。この画像処理(シェーディング補正処理)によって、原稿照明ランプ1201の照度ムラ、レンズ1208の周辺光量落ち、カラーCCD1209の画素毎の感度ムラが補正され、原稿画像の読み取りムラが補正される。シェーディング補正処理が終了すると、読み取り部1210は、不図示の駆動系によりさらに矢印B方向に移動され、後述する流し読みウインドウ1212の直下に配置される。
【0045】
流し読みウインドウ1212の真下は原稿画像の読み取りスタート位置であり、この位置から不図示の駆動系は、矢印A方向に読み取り部1210を加速移動される。読み取り部1210は、読み取り位置が圧板1213に押さえ込まれて平面性が維持された原稿1204の先端部に達するまでに、所定の速度で等速駆動されるように制御される。
【0046】
読み取り部1210の読み取り位置が原稿1204の先端部に達すると、カラーCCD1209は原稿1204のラインイメージの読み取りを開始し、ラインイメージを順次読み取る。
【0047】
上記不図示の駆動系は、読み取り部1210を等速のまま矢印A方向に移動させ、原稿1204の終端まで読み取りが終了した後、読み取り部1210の駆動を停止する。次いで、この駆動系は、矢印B方向に読み取り部1210を移動させてホームポジションに戻し、一連の画像読み取り動作を終了して、次回の読み取りに備え待機する。
【0048】
以上が光学系1Rの基本的な画像読み取り動作についての説明であり、上述のように、光学系1Rにおいて画像読取が行われる。
【0049】
ところで、上述のような光学系1Rには、近年オートドキュメントフィーダ(ADF)が標準で装着されることも珍しくなくなってきている。ADFは、大量の原稿を自動的に連続交換する機能を有しており、ユーザが原稿を1枚1枚取り換える手間を省くことができ、複写時間を短縮することができる。
【0050】
以下、ADFを用いた光学系1Rにおける読み取り動作について図3を用いて説明する。図3は、ADFを用いた光学系1Rの概略構成を示す断面図である。図3の光学系1Rは、図2の光学系1Rに対して圧板1213がADF1300に置き換えられて装着されている点のみ異なる。
【0051】
図3の光学系1Rは、読み取り部1210がホームポジションに位置しているとき、ユーザによって、例えば不図示のコピーボタンが押下される等により、原稿読み取りのコマンドが入力されると画像読み取り動作を開始する。
【0052】
まず、不図示の駆動系及び不図示の画像処理回路が、図2で上述したシェーディング補正を実行した後、各構成要素が図3に示す配置になるよう各構成要素を移動し、読み取り部1210の位置を固定する。この位置は図2で説明したスタートポジションと同じ位置にあたる。スタートポジションには流し読みウインドウ1212が設けてあり、図3の光学系1Rにおいて実行するADF読取りの場合は、複数枚の原稿が給紙トレイ1301に載置される。読み取りが開始されると、原稿は1枚ずつ給紙ローラ1302及び1303によって給紙され、図3の矢印方向に回転する搬送ローラ1305によってガイド1304、1307、1306と搬送ローラ1305のスリットを通り、排紙トレイ1308に排出される。
【0053】
搬送ローラ1305の回転スピードは、読み取り倍率によって決定される。搬送ローラ1305によって搬送される原稿は、流し読みウインドウ1212を介して読み取り部1210によって画像が読み取られる。
【0054】
以上説明したように、図2又は図3の構成を有する光学系1Rによって読み取られた原稿のラインイメージデータは順次画像出力部1Pに送信され、画像出力部1Pによって、読み取られた画像が形成される。
【0055】
次いで、画像形成装置1の画像出力部1Pについて説明する。
【0056】
画像出力部1Pは大別して、図1に示す画像形成部10、給紙ユニット20、中間転写ユニット30、定着ユニット40、及び図4で後述する本実施の形態に係る制御装置80から構成される。画像形成部10には、4つのステーション10a,10b,10c,10dが並設されており、各ステーションの構成は互いに同一である。以下、個々のユニットについて詳しく説明する。
【0057】
画像形成部10は以下に述べるような構成になっている。像担持体としての感光ドラム11a,11b,11c,11dがその中心で軸支され、図1の矢印方向に回転駆動される。感光ドラム11a〜11dの外周面に対向して、その回転方向に順に、一次帯電器12a,12b,12c,12d、光学系の露光部13a,13b,13c,13d、折り返しミラー16a,16b,16c,16d、及び現像装置14a,14b,14c,14dが夫々配設されている。
【0058】
一次帯電器12a〜12dは、感光ドラム11a〜11dの表面に夫々均一な帯電量の電荷を与える。次いで、露光部13a〜13dは、記録画像信号に応じて変調した光線、例えばレーザービーム等の光線を折り返しミラー16a〜16dを介して感光ドラム11a〜11d上に夫々露光させることによって、そこに静電潜像を形成する。
【0059】
更に、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックといった4色の現像剤(以下、トナーと称する。)を夫々収納した現像装置14a〜14dによって上記静電潜像を顕像化する。次いで、顕像化された可視画像(現像像)を、中間転写体である中間転写ベルト31に画像転写領域Ta、Tb、Tc、Tdにおいて転写する。
【0060】
感光ドラム11a〜11dが回転して、画像転写領域Ta〜Tdを通過した下流で、クリーニング装置15a、15b、15c、15dにより、中間転写ベルト31に転写されずに感光ドラム11a〜11d上に残されたトナーを夫々掻き落としてドラム表面の清掃を行う。上述の処理により、各トナーによる画像形成が順次行われる。
【0061】
図1に示すように、給紙ユニット20は、カセット21a,21b、手差しトレイ27、ピックアップローラ22a,22b,26、給紙ローラ対23、給紙ガイド24、及びレジストローラ25a,25bから構成される。給紙ユニット20において、カセット21a、21bは転写材P(用紙)を収納し、ピックアップローラ22a,22b,26はカセット21a,21b内若しくは手差しトレイ27から転写材Pを一枚ずつ送り出す。また、給紙ローラ対23及び給紙ガイド24は、各ピックアップローラ22a、22b、26によって送り出された転写材Pをレジストローラ25a、25bまで搬送する。レジストローラ25a、25bは、画像形成部の画像形成タイミングに合わせて転写材Pを二次転写領域Teへ送り出す。
【0062】
次いで、中間転写ユニット30について詳細に説明する。中間転写ベルト31は、巻架ローラとして、中間転写ベルト31に駆動力を伝達する駆動ローラ32、中間転写ベルト31の回動に従動する従動ローラ33、ベルト31を挟んで二次転写領域Teに対向する二次転写対向ローラ34に巻架される。これらのうち駆動ローラ32と従動ローラ33との間に一次転写平面Aが形成される。駆動ローラ32は、金属ローラの表面に数mm厚のゴム(ウレタン又はクロロプレン)をコーティングしてベルト31とのスリップを防いでいる。駆動ローラ32はパルスモータ(不図示)によって図1の矢印B方向へ回転駆動される。
【0063】
一次転写平面Aは各画像形成部10a〜10dに対向しており、各感光ドラム11a〜11dが中間転写ベルト31の一次転写面Aに対向するように配されている。これにより、一次転写面Aに一次転写領域Ta〜Tdが位置することになる。各感光ドラム11a〜11dと中間転写ベルト31が対向する一次転写領域Ta〜Tdにおいて、中間転写ベルト31の裏側には、一次転写用帯電器35a〜35dが配置されている。
【0064】
また、中間転写ユニット30において、二次転写対向ローラ34に対向して二次転写ローラ36が配置され、二次転写ローラ36は中間転写ベルト31とのニップによって二次転写領域Teを形成する。二次転写ローラ36は中間転写ベルト31に対して適度な圧力で付勢されている。また、中間転写ベルト31上の二次転写領域Teの下流には、中間転写ベルト31の画像形成面をクリーニングするためのクリーニングブレード51、及び廃トナーを収納する廃トナーボックス52が設けられている。
【0065】
定着ユニット40は、図1に示すように、定着ローラ対41、ガイド43、内排紙ローラ44、及び外排紙ローラ45等から構成される。定着ローラ対41は、内部にハロゲンヒーター等の熱源を備えた定着ローラ41aと、そのローラ41aに加圧される定着ローラ41bとを備える。定着ローラ対41において、定着ローラ41bも内部に熱源を備える。尚、定着ローラ41bは内部に熱源を備えない場合もある。ガイド43は定着ローラ対41のニップ部へ転写材Pを導く。また、内排紙ローラ44及び外排紙ローラ45は、定着ローラ対41から排出されてきた転写材Pをさらに装置外部に導き出す。
【0066】
制御装置80は、図4で後述するように、制御部100を備え、制御部100は、上記各ユニット内の機構の動作を制御するためのCPU101、ドライバボード(基板)200等から構成される。画像出力部1Pにおいて、制御部100から画像形成動作開始信号が発せられると、選択された用紙サイズ等により選択される給紙段から転写材Pの給紙が開始される。
【0067】
次いで、画像出力部1Pの動作について説明する。
【0068】
制御部100から画像形成動作開始信号が発せられると、まずピックアップローラ22aにより、カセット21aから転写材Pが一枚ずつ送り出される。そして給紙ローラ対23によって転写材Pが給紙ガイド24の間を案内されてレジストローラ25a,25bまで搬送される。その時レジストローラ25a,25bは停止しており、転写材Pの先端はレジストローラ25a,25bのニップ部に突き当たる。その後、画像形成部10a〜10dが画像の形成を開始するタイミングに合わせてレジストローラ25a,25bが回転を始める。レジストローラ25a,25bの回転は、転写材Pと、画像形成部10において中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー画像とが、二次転写領域Teにおいて所定の位置で一致するようにそのタイミングが設定されている。
【0069】
一方、画像形成部10では、制御部100から画像形成動作開始信号が発せられると、前述した手順により中間転写ベルト31の回転方向B(図1)において、一番上流にある感光ドラム11d上に形成されたトナー像(現像像)が、高電圧が印加された一次転写用帯電器35dによって一次転写領域Tdにおいて中間転写ベルト31に一次転写される。
【0070】
一次転写されたトナー像は次の一次転写領域Tcまで搬送される。一次転写領域Tcでは画像形成部10d,10c間をトナー像が搬送される時間だけ遅延して画像形成が行われており、前トナー像の上にレジストレーション(画像位置)を合わせて次のトナー像が転写されることになる。一次転写領域Tb,Taにおいても画像形成部10b,10aによって同様の工程が繰り返され、結局4色のトナー像が中間転写ベルト31上に一次転写される。
【0071】
その後転写材Pが二次転写領域Teに進入、中間転写ベルト31に接触すると、転写材Pの通過タイミングに合わせて二次転写ローラ36に高電圧を印加させる。そして、前述した手順により中間転写ベルト31上に形成された4色のトナー像が転写材Pの表面に一括転写される。その後転写材Pは搬送ガイド43によって、定着ローラ対41のニップ部まで正確に案内される。そして定着ローラ対41の熱及びニップの圧力によってトナー画像が転写材P表面に定着される。その後、内外排紙ローラ44,45により搬送され、転写材Pは機外に排出される。
【0072】
この種の画像形成装置1においては、各感光ドラム11a〜11d間の機械的取り付け誤差、並びに各露光部13a〜13dによって発生するレーザービーム光の光路長誤差、光路変化、及びLEDの環境温度による反り等の理由により各感光ドラム11a〜11d上で形成された各カラー画像のレジストレーションのずれ、つまり色ずれ(レジずれ)が生じる場合がある。このレジずれを補正するために、この種の画像形成装置1においては、転写領域A面上で、すべての画像形成部10a〜10dの下流の位置であって、駆動ローラ32によってベルト31が折り返される前の位置に、レジずれを検知するレジセンサ60が設けられている。
【0073】
次いで、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の制御装置80について図4を参照して説明する。
【0074】
図4は、本発明の実施の形態に係る制御装置80の概略構成を示すブロック図である。図4は、本実施の形態に係る制御装置80の特徴部を示し、画像形成装置1の各構成要素を機能別に分類し、機能別の構成要素を各々1つの制御単位として構成したユニット(ボード)の構成を示す。
【0075】
制御装置80は、図4に示すように、CPUボードである制御部(特定ユニット)100と、DC負荷を駆動するドライバボード200を備える。特定ユニット100は、CPU101、ROM102、RAM103、及びASIC104から構成される。ドライバボード200は、ASCI201、及びモータM1を駆動するドライバ202を備える、センサS1の入力回路等のI/O回路とドライバ回路で構成されたドライバ基板である。
【0076】
上記特定ユニット100とドライバボード200は、ASIC104及びASIC201間で高速シリアル通信手段により夫々接続されている。本実施の形態においては、上述のように特定ユニット100とドライバボード200はASICを使用した高速シリアル通信をするものとしたが、特定ユニット100上のCPU101から直接ドライバボード200上のASIC201とシリアル通信する構成でもよい。
【0077】
また、図4に示すように、制御装置80は、整合手段を有する中継ボード300及びドライバユニット(ドライバ基板)500を備える。中継ボード300は複数の異なるユニットが接続可能なインターフェースを有する整合ユニットである。
【0078】
次いで、図5を参照して中継ボード300及びドライバユニット500の説明をする。図5は、中継ボード300及びドライバユニット500の概略構成を示すブロック図である。
【0079】
図5に示すように、中継ボード300は、複数の異なるドライバユニットが接続可能なインターフェースを有する整合ユニットであり、各ドライバユニットのI/Fと特定ユニットのI/Fとの差異を吸収して整合し、且つ各ドライバユニットの持つ特性に応じた細かな制御を可能にするためのユニットである。また、ドライバユニット500は、図1の画像形成装置1において、機能別に分類した各機能ユニットの駆動を行うためのユニットである。本実施の形態においては、画像形成装置1の構成要素を機能別に4つの機能ユニットに分類しており、ドライバユニット500aは給紙部(機能ユニット)のドライバユニットを、ドライバユニット500bは紙搬送部(機能ユニット)のドライバユニットを、ドライバユニット500cは両面搬送部(機能ユニット)のドライバユニットを、ドライバユニット500dは排紙部(機能ユニット)のドライバユニットを夫々想定している。画像形成装置1には他にも分類される機能ユニットがあるが、説明を簡単にするためにここでは省略する。
【0080】
まず、中継ボード300について説明する。中継ボード300は、図5に示すように、CPU301と、整合手段を備えるASIC302と、I/Fコネクタ310,311,312,313,314とを備える。CPU301は、ROM/RAMを内蔵した所謂1chipCPUであり、特定ユニット100とはコマンドのやり取りを行ったり、接続されるドライバユニットとはコマンドに対応した負荷制御等を行っている。また、CPU301は、後述するように、整合手段を制御する整合制御手段としても機能する。ASIC302は、CPU301とCPUバスで接続されており、各ドライバユニットとのI/F信号を生成している。I/Fコネクタ310は、特定ユニット100と接続するI/F部(コネクタ)であり、CPU301に接続されている。また、I/Fコネクタ310はシリアル方式によってデータの転送を行う。ASIC302において生成されるI/F信号はI/Fコネクタ311,312,313,314を介して入出力される。ASIC302において生成されるI/F信号は、各ドライバユニットに接続されている各負荷を駆動するための信号であり、シリアルI/Oによる接続となっている。I/Fコネクタ311,312,313,314は同一の構成を有する。
【0081】
次に、ドライバユニット500について、500aを代表として説明する。図5において、ドライバユニット500aは画像形成装置1の給紙部におけるドライバユニットであり、I/Fコネクタ501を介して中継ボード300のI/Fコネクタ311と接続されている。中継ボード300からのI/F信号はASIC502に入力される。更にASIC502はI/Fコネクタ504a,505aと接続されている。ASIC502は、中継ボード300から入力されたシリアル信号をパラレル変換し、その結果を各I/Fコネクタに出力するシリアル/パラレル(S/P)変換部506と、入力された信号をパラレル→シリアル変換して中継ボード300に送信するパラレル/シリアル(P/S)変換部507とを有する(図7参照)。また、ドライバユニット500aはID設定手段503を備え、ドライバユニット500aを認識可能にすべく設定されたID情報をASIC502を介して中継ボード300へ送信する機能も持つ。ここで、ID設定手段503としては、4ビットのDIPスイッチ等が適用される。尚、I/Fコネクタ501は、4つのドライバユニット500a〜500d全てにおいて共通である。また、ASIC502も4つのドライバユニット500a〜500d全てにおいて共通のものを使用している。
【0082】
次に、ドライバユニット500aにおける信号の流れについて説明する。中継ボード300との間で送受信するI/F信号は、図6(A),(B)に示すようなシリアル信号である。中継ボード300からドライバユニット500aに送信される信号(Tx)は16bitのシリアル信号である(図6(A)参照)。また、ドライバユニット500aから中継ボード300に送信される信号(Rx)は20ビットのシリアル信号である(図6(B)参照)。ドライバユニット500aでは受信したTx信号を各1bitの16ビットの信号からなるパラレル信号に変換している。この様子を図7に示す。
【0083】
図7に示すように、S/P変換部506がTx信号をパラレル変換したパラレル信号において、bit15〜12の4ビットのパラレル信号がドライバユニット500aに接続される負荷としてのステッピングモータ511の相信号に割り当てられる。また、上記パラレル信号において、bit11〜8の4ビットのパラレル信号がドライバユニット500aに接続される負荷としてのステッピングモータ512の相信号に割り当てられ、残りの8ビットのパラレル信号はリザーブとされている。
【0084】
一方、図7に示すように、P/S変換部507は、ID設定手段503から送信されるID情報信号の4ビットのパラレル信号を先頭に、センサ513の出力信号をbit15とし、残りの14ビットをリザーブとするパラレル信号を20ビットのシリアル信号にシリアル変換する。そしてASIC502は変換したシリアル信号をRx信号として中継ボード300に送信する。
【0085】
このようにして、ドライバユニット500aは、中継ボード300とドライバユニット500aのI/Fを実現している。ドライバユニット500b,500c,500dは、接続されている負荷、及びID設定手段503に設定されているID情報には違いがあるものの基本的な構造はドライバユニット500aと同一であるのでその説明は省略する。
【0086】
次に、中継ボード300が特定ユニット100からコマンドを受けて、ドライバユニット500を駆動する動作を図4,5を参照して具体的に説明する。
【0087】
また、中継ボード300には、ドライバユニット500のID情報の内容を示す情報が記憶されている。この情報は、CPU301のROM等の記憶装置や、ASIC302に記憶装置を設けてこの記憶装置に記憶するようにする。
【0088】
まず、画像形成装置1の電源を投入した直後の通信で、ドライバユニット500aのID情報をASIC502においてシリアル信号に変換し、中継ボード300に送信する。これにより、中継ボード300は、ASIC302において、I/Fコネクタ311に接続されているユニットが給紙部のドライバユニット500aであることを検知することができる。
【0089】
また、中継ボード300に他のドライバユニットが接続されている場合は、接続されたユニットのID情報を検出して、ASIC302において通信のチャンネルを切り換えることにより、各ドライバユニットに対して適切な制御を行うことができる。具体的には、I/Fコネクタ311〜314は全て共通の構成を有するので、どのドライバユニットも接続できるようになっており、ドライバユニットの接続状態によってはこのドライバユニットを適切に制御すことができないことが考えられる。しかしながら、中継ボード300は、上述のように接続されたドライバユニットのIDを認識し、認識したIDに応じてI/Fを制御して、ドライバユニットとの接続を切り換えることができる。このため、本制御装置80は、ドライバユニット500a〜500dがどのI/Fコネクタ311〜314に接続されているかに拘らず、接続されているドライバユニットを適切に制御することができる。このように、中継ボード300は、ドライバユニット500a〜500dがどのI/Fコネクタ311〜314に接続されても適切に動作するように構成されている。尚、中継ボード300の備えるI/Fコネクタは上述のI/Fコネクタ311〜314に限るものではなく、より多数のI/Fコネクタであってもよい。また、中継ボード300に接続されるユニットは、上述のドライバユニット500a〜500dに限らず、他のドライバユニットや種々のユニットであってもよく、接続されるユニットの数もこれに限るものではない。この場合においても、上述のように、中継ボード300は、接続されるI/Fコネクタに拘らず、接続される複数のユニットのIDに応じて、I/Fを制御して複数のユニットが適切に制御されるようにすることができる。
【0090】
次に、特定ユニット100から“給紙動作をする”という命令を受けた場合を例に中継ボード300の動作を説明する。
【0091】
中継ボード300上のCPU301には、給紙部のドライバユニット500aに接続されたモータ等の負荷を適正なタイミングで、且つ適正な駆動信号を与えて制御を行うためのプログラムが格納されている。この信号は、I/Fコネクタ311からシリアル信号として出力され、ドライバユニット500a上のI/Fコネクタ501を介してASIC502に入力される。このシリアル信号はASIC502でシリアル→パラレル変換され、I/Fコネクタ504a及び505aを介してステッピングモータ511及び512を夫々駆動させる。また、給紙動作を検出するためのセンサ513(図5参照)における検知信号はI/Fコネクタ505aを介してASIC502に入力される。ASIC502において、入力されたセンサ513の検出信号はパラレル→シリアル変換され、I/Fコネクタ501を介して中継ボード300に転送される。このように、ドライバユニット500aは、給紙動作における紙搬送のタイミングを中継ボード300に知らせている。
【0092】
上述の制御装置80の構成によれば、例えば、ステッピングモータ511を他のステッピングモータに変更した場合に、変更したモータの駆動方式の最適化といった微調整は、中継ボード300上のCPU301のプログラムを変更するのみで可能である。このため、画像形成装置1の構成の変更は、制御装置80全体に対して影響を与えることがない。また、本実施の形態においては、ドライユニット500aに接続されるモータをステッピングモータとしたが、ステッピングモータをDCモータに変えた場合も同様である。つまり、この場合でも、ドライバユニット500aのハードウェアと中継ボード300上のCPU301のプログラムを書き換えるのみで適切に画像形成装置1を作動させることができ、中継ボード300のハードウェアや特定ユニット100を変更する必要はない。給紙ユニットの構成が変更されてセンサが増加した場合等も同様である。また、画像形成装置1の構成変更に伴いドライバユニットが増加した場合でも、中継ボード300上のI/Fコネクタを増やし、CPU301におけるプログラムを変更するのみで対応できる。このように、本実施の形態に係る制御装置80によれば、本体装置の構成を変更しても装置全体の制御を司る特定ユニットに関してはハードウェア、ソフトウェアともに変更が一切必要ないので、制御装置80の汎用性の高めることが可能である。
【0093】
次いで、上述のように中継ボード300の整合手段において実行される、接続されたドライバユニットのID情報に応じたI/F制御処理について、中継ボード300及びドライバユニット500間の接続(図5参照)を例にして、図8を参照しながら説明する。
【0094】
図5で上述したように、中継ボード300にはCPU301が搭載されており、CPU301は、整合手段を制御する整合制御手段として機能する。また、中継ボード300にはASIC302が搭載されており、ASIC302は整合手段を備える。
【0095】
ASIC302は、特定ユニット100から入力されたパラレル信号をシリアル変換してシリアル信号に変換し、また、ドライバユニット500から入力されたシリアル信号をパラレル変換してパラレル信号に変換するパラ・シリ/シリ・パラ変換ブロック303を備える。また、パラ・シリ/シリ・パラ変換ブロック303には、ドライバユニット500a〜500dから夫々I/Fコネクタ311,312,313,314を介して、ID情報が入力される。このID情報を示す信号は、I/Fコネクタ311,312,313,314の各々の1番ピンに割り付けられている。
【0096】
また、ASIC302は、入出力信号をプログラマブルに接続や変更することが可能な接続/変更ブロック304を備える。整合制御手段であるCPU301は、ドライバユニット500a〜500dから受信したID情報に基づいて、ドライバユニット500a〜500dの接続するI/Fコネクタを判別し、接続/変更ブロック304によって入出力信号をプログラマブルに接続/変更する。具体的には、CPU301は、ドライバユニット500a〜500dから受信したID情報に基づいてドライバユニット500a〜500dの接続するI/Fコネクタを判別する。CPU301は、この判別結果に基づいて、接続/変換ブロック304を制御して、画像形成処理等における各コマンドを制御対象のドライバユニット500に対して適切に送信したり、各ユニット間の通信が適切に行われるようにしたり、ドライバユニット500から入力される信号を適宜変更して特定ユニット100に出力したりする。これにより、制御装置80は、種々のドライバユニット500(機能ユニット)が中継ボード300に接続されても本体装置全体を適切に制御することができる。
【0097】
また、本実施の形態においては、中継ボード300とドライバ基板500との間において、デジタル信号が入出力されるものとしたが、アナログ信号の有無に応じて、デジタル信号の入出力と同様に、CPU301は、アナログ信号に対してもI/F制御処理を行うことができる。具体的には、接続/変更ブロック304を例えばアナログスイッチを用いて構成することにより、CPU301は、ドライバユニット500a〜500dから受信したID情報に基づいてドライバユニット500a〜500dの接続するI/Fコネクタを判別し、アナログ入出力信号をプログラマブルに接続や変更することができる。
【0098】
図4に戻り、制御装置80は、中継ボードである高圧制御用整合ユニット400と、ドライバユニットである画像形成プロセスに用いられる高圧電源機能ユニット600とを備える。高圧制御用整合ユニット400は、高圧電源機能ユニット600を複数接続可能とするインターフェースを有する。以下、図9及び図10を用いて、高圧制御用整合ユニット400及び高圧電源機能ユニット600について詳細に説明する。
【0099】
図9は、図4の制御装置における高圧制御用整合ユニット400の概略構成を示すグロック図であり、図10は、図4の制御装置における高圧電源機能ユニット600の概略構成を示すブロック図である。
【0100】
高圧制御用整合ユニット400は、図9に示すように、通信制御ブロック401と、高圧動作制御ブロック402と、高圧安定化制御ブロック403と、接続コネクタ404a,404b,404c・・・404nと、マルチプレクサ405,406と、A/D変換手段407,408とを備える。
【0101】
通信制御ブロック401は、特定ユニット100との通信を行う。高圧動作制御ブロック402は、CPU等から構成されており、通信制御ブロック401を介して特定ユニット100から指令を受け取り、高圧制御用整合ユニット400に接続される高圧電源機能ユニット600の各動作をシーケンシャルに制御する。高圧安定制御ブロック403は、高圧動作制御ブロック402からのシーケンシャルな指令に応じて、各高圧電源機能ユニット600の出力信号を安定化制御する。接続コネクタ404a,404b,404c,・・・400nは、互いに同じ構成を有しており、機能が同じ或いは異なる高圧電源機能ユニットが一対一で夫々接続される。マルチプレクサ405,406は、各接続コネクタ404a,404b,404c,・・・400nから入力されるアナログ信号から所望の信号を選択すべく、所望の信号に対応する接続コネクタを選択する。A/D変換手段407,408は、マルチプレクサ405,406によって選択されたアナログ信号を夫々デジタル変換する。
【0102】
次に、上記構成を有する高圧制御用整合ユニット400における動作を説明する。
【0103】
先ず、通信制御ブロック401が、画像形成装置1全体の制御を司る特定ユニット100からカラーモードや印刷倍率、印刷用紙サイズ等の情報を含んだモード情報を受け取ると、高圧動作制御ブロック402にこのモード情報を伝達する。高圧動作制御ブロック402は、通信制御ブロック401からモード情報を受け取り、更にプリント開始信号を受け取ると、予め受け取ったモード情報に基づいたモード制御を各高圧電源機能ユニット600に行わせるように、高圧安定化制御ブロック403に対して逐次指令する。ここで、モード制御には印刷設定や印刷タイミング設定、期間設定等の制御が含まれる。
【0104】
一方、高圧安定化制御ブロック403は、マルチプレクサ405,406を制御して接続コネクタを選択する選択信号を時分割に切り換え、A/D変換手段407、408を制御して所望とするアナログ信号を取得する。そして、高圧安定化制御ブロック403は、取得した所望のアナログ信号の信号レベルを入手し、入手した信号レベルと上記受信したモード情報に基づいた設定値とを比較する。この比較結果に応じて高圧安定化制御ブロック403は、選択した高圧電源機能ユニットに対して出力制御用の駆動情報を出力する。
【0105】
上述のマルチプレクサ405,406の切り換え、信号レベルの入手、駆動情報の出力までの制御は、各高圧電源機能ユニットに対して所定間隔で繰り返される。このため、各高圧電源機能ユニットからの高圧信号は、所定の出力値に制御されることとなる。また、各高圧電源機能ユニットは前述の特定ユニット100からのモード情報に基づいて、所定の画像形成処理に従った出力動作で制御されるので、所望の画像形成が実行されることになる。
【0106】
次に、図10を用いて高圧電源機能ユニット600の構成の一例を説明する。
【0107】
高圧電源機能ユニット600は、図10に示すように、高圧ドライバ用コネクタ601と、駆動ブロック602と、変圧ブロック603と、信号平滑ブロック604と、電圧検出ブロック605と、電流検出ブロック606とを備える。
【0108】
高圧ドライバ用コネクタ601は、高圧制御用整合ユニット400に接続するためのコネクタである。駆動ブロック602は、高圧制御用整合ユニット400から送信されてくる駆動情報に基づいてスイッチング動作を行う。変圧ブロック603は、トランス等で構成されており、駆動ブロック602において発生した駆動信号を増幅する。信号平滑ブロック604は、変圧ブロック603で増幅された駆動信号を所定の極性に平滑化する。電圧検出ブロック605は、信号平滑ブロック604で直流化された電圧信号の電圧値をモニタする。電流検出ブロック606は、電圧検出ブロック605と同様に電圧信号の電流値をモニタする。
【0109】
また、高圧電源機能ユニット600は、信号平滑ブロック604で直流化された高圧信号が出力される出力端607と、上記高圧信号のリターン経路を構成する接地端608とを備える。
【0110】
次いで、上記構成を有する高圧電源機能ユニット600における動作を説明する。
【0111】
高圧電源機能ユニット600において、駆動ブロック602は、高圧制御用整合ユニット400から高圧ドライバ用コネクタ601を介してPWM信号等の形態の駆動情報を受信する。駆動ブロック602は、この駆動情報を受け取ると、受信した駆動情報に基づいたスイッチング動作によって所望とされる電力の駆動信号を生成する。変圧ブロック603は、駆動ブロック602で生成された所望の電力の駆動信号を受け、この駆動信号を電圧増幅した交流信号を出力する。平滑ブロック604は、変圧ブロック603から受信した電圧増幅された交流信号を予め定められた所定の極性に整流し、出力端607に直流信号として出力する。また、出力端607に出力される直流信号は、高圧制御用整合ユニット400内のA/D変換ブロック407又は408で変換可能な電圧レベルとなるように電圧検出ブロック605で分圧され、高圧ドライバ用コネクタ601を介して高圧制御用整合ユニット400に出力される。
【0112】
上述のように出力端607に出力された直流信号による負荷電流は、接続される負荷を通って接地端608に流入し、電流検出ブロック606を通過して平滑ブロック604、更には変圧ブロック603に戻される。この時、電流検出ブロック606はこの負荷電流を高圧制御用整合ユニット400内のA/D変換ブロック407又は408で変換可能な電圧レベルに加工し、高圧ドライバ用コネクタ601を介して高圧制御用整合ユニット400に送信する。
【0113】
上述の動作によれば、例えば、高圧制御用整合ユニット400内の各制御ブロックにより所望の定電圧の高圧直流電圧が要求された場合には、高圧制御用整合ユニット400内の各制御ブロックはマルチプレクサ405又は406を使って時分割で所望の高圧電源機能ユニット600の電圧検出信号を読み出す。この読み出した電圧検出信号に基づいて、高圧制御用整合ユニット400は、所定時間間隔で高圧電源機能ユニット600の駆動状態を切り換える。高圧制御用整合ユニット400及び高圧電源機能ユニット600において上述の制御を繰り返し実行することにより、選択した高圧電源機能ユニット600の出力電圧を所望の電圧値に制御することができる。
【0114】
また、図4に示すように、制御装置80は、レーザースキャナボード700やコントローラ800、リーダ部1Rを有する。コントローラ800は、リーダ部1Rや、ドライバボード200にコピースタートの指示等を行う。具体的には、コントローラ800は、リーダ部1RからI/F−Sを介して原稿画像のRGB信号を受信し、YMCK信号に変換して、コントローラ800のI/F−Vを介してレーザースキャナボード700に画像信号を転送する。また、コントローラ800は、I/F−Dを介してコピースタート等の指示をリーダ部1Rやドライバボード200のCPU101に送信する。
【0115】
ここで、本実施の形態における画像形成装置1は、外部構成として種々の外部装置を装着することができる。外部装置としては、例えば給紙用のペーパーデッキ等があり、以下に、外部装置として複数のペーパーデッキを装着した場合の画像形成装置の構成例について図11〜13を用いて説明する。尚、外部装置としてのペーパーデッキは、内部に複数の給紙ユニットを有し、各給紙ユニットはCPU又は中継ボードを有する。また、上記デッキにおいて、CPU又は中継ボードの構成は変更可能とする。また、説明を容易にするために外部装置として装着されるペーパーデッキは1つとする。
【0116】
図11は、外部構成として画像形成装置1に装着するペーパーデッキの第1の構成例を示す図である。
【0117】
本構成例のペーパーデッキは、図11に示すように、画像形成装置1の本体構成との通信線である本体構成通信線にペーパーデッキ入り口の1つのCPUがLAN構成を介して接続され、このCPUの傘下に各給紙ユニットを管理するCPUが配置される構成を有する。これにより、画像形成装置1本体は、ペーパーデッキ内の複数のCPUではなく、上記1つのCPUとの間で通信を行えばよい。このため、本構成は画像形成装置1本体側の負担を最も軽減することができる。尚、本構成例は、ペーパーデッキ内の複数CPUの構成について限定するものであって、画像形成装置1本体、LAN構成に接続されたCPU、及びこのCPUの傘下の各CPU間の通信形態を限定するものではない。また、本構成においては、LAN構成に接続されたCPUを中継ボードに変更してもよい。
【0118】
図12は、外部構成として画像形成装置1に装着するペーパーデッキの第2の構成例を示す図である。
【0119】
本構成例のペーパーデッキは、図12に示すように、各給紙ユニットを制御するCPUが互いに並列にLAN構成に接続され、LAN構成が本体構成通信線に接続される構成を有する。このため、本構成例によれば、ペーパーデッキ内の各CPUが直接画像形成装置1本体と通信することが可能であり、本体との高速通信を実現することができる。尚、本構成例は上記第1の構成例と同様に、ペーパーデッキ内の複数CPUの構成について限定するものであり、画像形成装置1本体及び各CPU間の通信形態を限定するものではない。また、本構成においては、各給紙ユニットのCPUを中継ボードに変更してもよい。
【0120】
図13は、外部構成として画像形成装置1に装着するペーパーデッキの第3の構成例を示す図である。
【0121】
本構成例のペーパーデッキは、図13に示すように、各ユニットを制御するCPUの内1つが本体構成通信線に接続されるLAN構成に接続され、このLAN構成に接続されるCPUが本体からの情報を各ユニット制御用のCPUに伝達する構成を有する。本構成においては、上記第1の構成例のように、LAN構成に接続されたCPUが他のCPUを支配する構成ではない。尚、本構成例は上記各構成例と同様に、ペーパーデッキ内の複数CPUの構成について限定するものであり、画像形成装置1本体及び各CPU間の通信形態を限定するものではない。また、本構成においては、各給紙ユニットのCPUを中継ボードに変更してもよい。
【0122】
また、外部構成として画像形成装置1に装着するペーパーデッキの構成として、上記第1の構成乃至第3の構成のいずれかの構成に選択的に変更可能な構成とすることが可能である。具体的には、画像形成装置1本体とLAN接続されるCPU、或いはペーパーデッキ内の各CPUが、末端の各給紙ユニットで発生するエラー等に対して、本体に通信するか、ペーパーデッキ内で解決するかを判断しつつ、上記3つの構成を適宜選択するように構成することも可能である。
【0123】
次に、本発明の実施の形態に係る制御装置が実行する異常情報の通信制御について説明する。
【0124】
図14は、図5における中継ボード300のI/Fコネクタ311〜314の各々とドライバユニット500のI/Fコネクタ501とを接続するインターフェース910の概略構造を示す図である。図14に示すように、インターフェース910は、左側が中継ボード300のI/Fコネクタに接続され、右側がドライバユニット500のI/Fコネクタに接続される。
【0125】
インターフェース910は、Vccライン911と、TxDataライン912と、RxDataライン913と、ErrDataライン914と、GNDライン915とを備える。Vccライン911は、中継ボード300からドライバユニット500へ電力を供給する電力供給線である。電力は図示しない電源ユニットより供給される。TxDataライン912は、シリアルインターフェースであり、中継ボード300からドライバユニット500へTx信号(TxData)(図6(a)参照)を送信するデータ転送線である。TxDataライン912は、中継ボード300のパラ・シリ/シリ・パラ変換ブロック303においてシリアル信号に変換されたドライバユニット500に接続された負荷、例えばモータ511等を駆動するための信号を送信する。RxDataライン913は、ドライバユニット500から中継ボード300へのRx信号(RxData)(図6(b)参照)を送信するデータ転送線である。RxDataライン913は、シリアル信号に変換された、ドライバユニット500のID情報やドライバユニット500に接続されているセンサ513の検出信号を送信する。
【0126】
ErrDataライン914は、ドライバユニット500において発生した異常を中継ボード300に報知するための異常通信専用の通信線であり、ドライバユニット500で発生した異常の内容を示す情報である異常情報(ErrData)をドライバユニット500から中継ボード300に送信する。具体的には、発生した異常状態毎に予め定義されたコード(エラーコード)を中継ボード300に転送している。エラーコードは、ドライバユニット500のP/S変換部507(図7参照)においてシリアル信号に変換されてからErrDataライン914を介して中継ボード300に転送される。例えば、以下に示すように、異常状態を示すエラーコードを4bitのシリアル信号として定義する。
【0127】
(1)モータ511を起動してから所定時間以内にセンサ513が給紙を検出しない異常が発生した場合のエラーコードとして「0001」を定義する。
【0128】
(2)紙がセンサ513の検出位置に所定時間以上滞留している異常が発生した場合のエラーコードとして「0010」を定義する。
【0129】
このようなエラーコードの内容を示すエラーコード情報は、CPU301のROM等の記憶装置に予め記憶させておく。
【0130】
また、インターフェース910において、GNDライン915は、中継ボード300とドライバユニット500との間をグランド接続する。
【0131】
次に、異常情報の通信制御について、図15(A)及び(B)を参照して説明する。
【0132】
図15(A)は、ドライバユニット500に異常が発生していない正常状態におけるインターフェース910通信状態の様子を示す図であり、図15(B)は、ドライバユニットに異常が発生した異常状態におけるインターフェース910の通信状態の様子を示す図である。
【0133】
正常状態においては、図15(A)に示すように、TxDataライン912は、所定の間隔で中継ボード300からドライバユニット500へ16bitのシリアルデータであるTxDataを送信している。RxDataライン913は、所定の間隔でドライバユニット500から中継ボード300へ20bitのシリアルデータであるRxDataを送信している。ドライバユニット500では異常が発生していないのでErrDataライン914の送信信号はHighレベルの信号(以下単に、Higt信号と称する)に固定されている。
【0134】
次に、ドライバユニットで異常が発生した場合の動作を説明する。
【0135】
図15(B)に示すように、タイミングT1においてドライバユニット500に異常が発生する場合においても、TxDataライン912及びRxDataライン913は、正常状態の場合と同様にTxData及びRxDataを夫々送信する。ErrDataライン914は、ドライバユニット500で異常が発生したタイミングT1において、ドライバユニット500から異常情報(ErrData)を中継ボード300に対して転送する。中継ボード300は、ErrDataライン914の送信情報が、High信号からErrDataに変化したことを検知すると、ドライバユニット500側で異常が発生したことを認識する。
【0136】
次いで、中継ボード300は、シリアルデータであるErrDataを受信することによりドライバユニット500で発生した異常の内容を認識することができる。例えば、ErrDataとして「0010」のシリアルデータをErrDataライン914から受信した場合、記憶装置に記憶されたエラーコード情報を検索することにより、ドライバユニット500aにおいて紙がセンサ513の検出位置に所定時間以上滞留している異常が発生したことを認識することができる。その後、後述するように、中継ボード300は、さらに上流の特定ユニット100にこの異常情報を転送する。特定ユニット100は、表示部に、「給紙部に紙が詰まっています」等の表示を行うことにより、ユーザに異常が発生したことを報知することができると共に、異常の内容、発生箇所、及び対処方法等を表示することにより、ユーザに異常の解除方法を報知することができる。
【0137】
次いで、特定ユニット100と中継ボード300とを接続するインターフェース920について図16を参照して説明する。図16は、図4における特定ユニット100と中継基板300のI/Fコネクタ310とを接続するインターフェース920の概略構造を示す図である。
【0138】
インターフェース920は、図14のインターフェース910と同様に、中継ボード300から特定ユニット100へ電力を供給するVccライン921と、特定ユニット100から中継ボード300へTxDataを送信するTxDataライン922と、中継ボード300から特定ユニット100へRxDataを送信するRxDataライン923と、GNDライン925とを備える。
【0139】
また、インターフェース920は、ドライバユニット500において発生した異常を中継ボード300から特定ユニット100に報知するための専用通信線であるErrDataライン924を備える。ErrDataライン924は、ErrDataライン914と同様に、正常時においてHigh信号を送信し、異常発生時において異常内容を示す異常情報(ErrData)を送信する。異常情報としてのエラーコードは、中継ボード300に接続されているドライバユニット500のいずれかにおいて異常が発生した場合に、中継ボード300から送信される。具体的には、上述のように、中継ボード300がインターフェース910のErrDataライン914を介して異常が発生したドライバユニット500から異常情報を受信すると、この情報を中継ボード300がErrDataライン924を介して特定ユニット100に送信する。また、中継ボード300から特定ユニット100に送信されるエラーコードの形式は、図17に示すように、中継ボード300に接続された各ドライバユニット500a〜500dから送信されるエラーコードを順番に並べたものとなる。中継ボード300から特定ユニット100に送信されるエラーコードにおいて、中継ボード300は、「0000」のシリアルデータを異常が発生していないドライバユニット500についてのエラーコードとする。例えば、ドライバユニット500aでエラーコード「0001」の異常が発生し、同時にドライバユニット500bでエラーコード「0101」の異常が発生し、ドライバユニット500c,500dは正常である場合、中継ボード300から特定ユニット100に対してErrDataとして「0001010100000000」という16bitのシリアルデータが送信される。特定ユニット100に送信するエラーコードは、例えば、中継ボード300のASIC302において生成される。
【0140】
特定ユニット100は、CPU101のROM等の記憶装置にエラーコードの内容を示すエラーコード情報を予め記憶しており、また、ドライバユニット500のID情報から中継ボード300に接続されているドライバユニット500を認識することができる。このため、特定ユニット100は、このエラーコードを受信することにより、どのドライバユニット500でどのような異常状態が発生したかを認識することが可能である。このため、上述したように、特定ユニット100は、表示部に、「給紙部に紙が詰まっています」等の表示を行うことにより、ユーザに異常が発生したことを報知することができると共に、異常の内容、発生箇所、及び対処方法等を表示することにより、ユーザに異常の解除方法を報知することができる。
【0141】
上述のように、本発明の第1の実施の形態に係る制御装置おいては、本体装置(画像形成装置1)の構成要素を機能別に分割して制御単位である複数の機能ユニットを形成し、機能ユニットの各ドライバユニット500が、インターフェース910を介して中継ボード300の備える整合手段を通じて接続される。また、中継ボード300は、インターフェース920を介して特定ユニット100に接続される。インターフェース910及び920は、ドライバユニット500において発生した異常の内容を示す異常情報を送信するための専用の通信線であるErrDataライン914及び924を夫々備える。
【0142】
この構成により、本実施の形態に係る制御装置によれば、ドライバユニット500と中継ボード300との間の通信状態に拘らず、ドライバユニット500は、異常が発生した場合に、ErrDataライン914を介して中継ボード500に異常情報をリアルタイムに送信することができる。また、中継ボード300と特定ユニット100との間の通信状態に拘らず、ドライバユニット500に異常が発生した場合に、中継ボード300は、ErrDataライン924を介して特定ユニット100に異常情報をリアルタイムに送信することができる。従って、下流側のユニットの異常情報を上流側のユニットに迅速に伝達することができる。これにより、異常に対するその後の処理を迅速に行なうことができる。
【0143】
本実施の形態に係る制御装置によれば、ドライバユニット500において異常が発生した場合、ErrDataライン914及び924の送信情報が、High信号からErrDataに切り換わる。このため、中継ボード300及び特定ユニット100は、夫々、ErrDataライン914及び924の送信情報が、High信号からErrDataに切り換わったことを検知することにより、ドライバユニット500における異常の発生をリアルタイムに検知することができる。また、中継ボード300及び特定ユニット100は、夫々、受信したエラーコードから下流側のドライバユニット500の異常の内容を認識することができ、異常に対する適切な処理を行うことができる。
【0144】
また、ErrDataライン914及び924の送信する異常情報(ErrData)としてのエラーコードをシリアルデータで送信するので、下流側のドライバユニット500で発生する異常の種類が多くなってもErrDataライン914及び/又は924の通信線を増やすことなく、全ての種類に対応したエラーコードを上流側の中継ボード300や特定ユニット100に送信することができる。従って、ErrDataライン914の汎用性を向上させることができる。
【0145】
本実施の形態に係る制御装置によれば、中継ボード300は、中継ボード300に接続された各ドライバユニット500から送信されるエラーコードを順番に並べて1つのシリアルコードに変換し、これをエラーコードとして特定ユニット100に送信する。これにより、中継ボード300は、下流側のドライバユニット500で発生した異常の内容を1つの通信線で上流側の特定ユニット100に送信することができる。加えて、中継ボード300は、下流側の複数のドライバユニット500において同時に異常が発生した場合でも、1度の通信で異常情報を上流側の特定ユニット100に送信することができる。
【0146】
また、本実施の形態に係る制御装置によれば、本体装置(画像形成装置1)内の構成要素を機能別に分類して形成される複数の機能ユニットの各ドライバユニット500が互いに通信可能になるように、各インターフェースが中継ボード300の整合手段により整合制御される。このため、本制御装置は、特定ユニット100及び中継ボード500の構成を変更することなく、制御する機能ユニットとして任意の機能ユニットを接続することができる。従って、本制御装置は、本体装置の機能ユニットを変更しても変更後の本体装置の制御装置として容易に流用することができる。具体的には、複数種類の本体装置間で、共通の中継ボードや特定ユニット、ドライバユニットの流用が容易となる。これにより、本体装置における機能ユニット毎の開発や、他の本体装置の機能ユニットの流用が容易となり、本体装置の開発効率の向上が図れると共に、本体装置トータルの開発費用を低減することができる。
【0147】
尚、本発明の第1の実施の形態においては、中継ボード300とドライバユニット500との間のインターフェース910の全てが、ErrDataライン914を備えるものとしたが、本発明はこれに限らず、中継ボード300とドライバユニット500との間のインターフェース910の少なくとも1つが、ErrDataライン914を備えるようにしてもよい。同様に、特定ユニット100と中継ボード300との間のインターフェース920の全てが、ErrDataライン924を備えるものに限らず、特定ユニット100と中継ボード300との間のインターフェース920の少なくとも1つが、ErrDataライン924を備えるようにしてもよい。
【0148】
また、本実施の形態に係る制御装置は、特定ユニット、中継ボード、及びドライバユニットを夫々個別に備えるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、本体装置のいずれか1つのドライバユニットが、特定ユニット及び/又は中継ボードを備えるものであってもよい。
【0149】
次いで、本発明の一実施例を図18を用いて説明する。図18は、本発明の実施の形態に係る制御装置の一実施例を示す図面である。本実施例においては、複写機の定着ヒータにおいて異常が発生した場合の異常情報通信制御の流れを具体的に説明する。
【0150】
図18において、複写機の定着部におけるヒータのヒータコントローラとしてのドライバユニット551がヒータの温度異常、例えば過昇温検知エラーを検出すると、ヒータコントローラ551は温度異常の検出と同時に、ErrDataライン914を介して、過昇温検知エラーを示す異常情報(ErrData)を定着部における中継ボード351に送信する。このとき、TxDataライン912及びRxDataライン913においては通常の通信が行なわれている。中継ボード351は、定着部のモータコントローラとしてのドライバユニット552に対してモータ停止信号を送信すると同時に、特定ユニット350に対して過昇温検知エラーの異常情報をErrDataライン924を使用して転送する。特定ユニット350は、過昇温検知エラーの異常情報を受信すると、これと同時に給紙部における中継ボード352に対して給紙動作の停止のコマンドを、紙搬送部の中継ボード353に対して紙搬送動作の停止のコマンドを送信する。次いで、各中継ボード352,353は、接続されたドライバユニット553,554,555を介してモータ等を停止させる。
【0151】
以上説明したように、下流のドライバユニットで発生した異常をリアルタイムで上流の中継ボード及び特定ユニットに伝達することによって、その後の処理を迅速に行なうことができる。本実施例においては、定着ヒータの温度異常を検出すると同時にその異常を上流の特定ユニット350に転送することができるので、複写機内の他の中継ボードで制御しているモータ等を迅速に停止することができる。従って、給紙部や紙搬送部での紙つまりを最小限に押さえることができる。
【0152】
次いで、本発明の第2の実施の形態について図19を参照して説明する。
【0153】
本実施の形態は、上述の第1の実施の形態に係る制御装置に対して、異常情報通信制御が異なる。以下、上記第1の実施の形態に係る制御装置と同じ構成部材には同一の符号を付して重複した説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0154】
ドライバユニット500が正常時の場合、図19に示すように、中継ボード300とドライバユニット500との間のインターフェース910において、ErrDataライン914は、所定の間隔(Tp)でLowレベルのパルス信号を送信する。これは、ErrDataライン914が正常に動作していることを中継ボード300が認識できるようにするためである。
【0155】
一方、タイミング(T1)において、ドライバユニット500で異常が発生した場合、上記第1の実施の形態と同様に、異常内容を示す異常情報(ErrData)としてのエラーコードを中継ボード300に転送する。本実施例では、このエラーコードを、中継ボード300からエラー解除の要求があるまで繰り返し転送し続ける。次いで、中継ボード300から、図19に示すタイミングで、TxDataライン912を介してエラー解除コマンドが送信されると、ドライバユニット500は、タイミング(T2)でエラー解除コマンドを認識し、エラーコードの送信を停止する。その後は正常状態の通信に戻り、ErrDataライン914は、所定間隔(Tp)でLowレベルのパルス信号を送信する。
【0156】
上述のように、本発明の第2の実施の形態に係る制御装置によれば、ErrDataライン914は、ドライバユニット500に異常が発生していない場合においても、定期的にLowレベルのパルス信号を送信する。これにより、中継ボード300は、ErrDataライン914が故障していないことを定期的に確認することができる。このため、下流側のドライバユニット500に異常が発生した場合、上流側の中継ボード300が、この異常の発生を見逃すこと防止することができる。
【0157】
次いで、本発明の第3の実施の形態について図20を参照して説明する。
【0158】
本実施の形態は、上述の第1の実施の形態に係る制御装置に対して、異常情報通信制御が異なる。以下、上記第1の実施の形態に係る制御装置と同じ構成部材には同一の符号を付して重複した説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0159】
図20に示すように、インターフェース910の通信は、ドライバユニット500の正常時においては、第1の実施の形態と同様である。ドライバユニット500において異常が発生すると、ErrDataライン914は、送信信号をHigh信号からLowレベルの信号(以下、Low信号と称する)に切り換え、RxDataライン913におけるデータ転送を中断して異常情報(ErrData)としてのエラーコードを中継ボード300に転送する。中継ボード300では、ErrDataライン914の送信信号がLow信号になっていることで、RxDataライン913で転送されているデータが異常情報としてのエラーコードであることを認識することが可能となる。エラーコードは、中継ボード300からのエラー解除コマンドを受信するまで繰り返し転送し続けられる。図20に示すタイミングで中継ボード300からTxDataライン912を介してエラー解除コマンドが送信されると、ドライバユニット500は、タイミング(T2)でエラー解除コマンドを認識し、ErrDataライン914の送信信号をLow信号からHigh信号に戻すと共に、RxDataライン913も通常の通信モードに移行する。
【0160】
上述のように、本発明の第3の実施の形態に係る制御装置によれば、ErrDataライン914の送信信号をHigh信号からLow信号に切り換えた場合、下流側のドライバユニット500が上流側の中継ボード300に異常の内容を示すエラーコードを送信する。これにより、ドライバユニット500は、ErrDataライン914から送信される送信信号のLow信号への切り換わりを検知することにより、ドライバユニット500に異常が発生したことをリアルタイムに検知することができると共に、このときRxDataライン913を介して受信した情報が異常の内容を示すエラーコードであることを認識することができる。
【0161】
次いで、本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0162】
本実施の形態は、上述の第1の実施の形態に係る制御装置に対して、異常情報通信制御における中継基板300のエラーコードの生成の仕方が異なる。以下、上記第1の実施の形態に係る制御装置と同じ構成部材には同一の符号を付して重複した説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0163】
本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様にErrDataライン914を介して送信されるドライバユニット毎のエラーコードを、中継ボード300がドライバユニット毎に再度定義しなおし、これを特定ユニット100に対して送信する。このように、本実施の形態は、エラーコードのビット数を減らすことを可能にするものである。
【0164】
例えば、中継ボード300はエラーコードを6bitのシリアルデータとして定義しなおす。具体的には、以下に示すように、ドライバユニット500aから受信した4bitのエラーコードに対しては、その先頭に「00」のコードを付加し、ドライバユニット500bから受信したエラーコードに対しては、その先頭に「01」のコードを付加し、ドライバユニット500cのエラーコードには「10」のコードを、ドライバユニット500dのエラーコードには「11」のコードを付加してエラーコードを再度定義する。
【0165】
(1)500aからのエラーコード「0001」 → 「000001」
(2)500bからのエラーコード「0101」 → 「010101」
(3)500cからのエラーコード「0011」 → 「100011」
(4)500dからのエラーコード「1011」 → 「111011」
例えば、ドライバユニット500cでエラーコード「0010」の異常が発生した場合、中継ボード300は、異常情報(ErrData)として「100010」のエラーコードを特定ユニット100に送信する。特定ユニット100は、受信したエラーコード(シリアルデータ)に基づいて、中継ボード300に接続された複数のドライバユニット500のうち、500cにおいてエラーコード「0010」の異常が発生したことを認識することができる。このエラーコードが例えば、「両面搬送部の入り口に紙が滞留している状態」と定義されている場合には、表示部にその旨の表示を行い、ユーザにその処置方法を指示することが可能となる。中継ボード300におけるエラーコードの再定義方法を規定するための情報は、例えば、CPU301の記憶装置に記憶されており、また、再定義されたエラーコードの内容を示す情報は、例えば、CPU101の記憶装置に記憶されている。
【0166】
上述のように、本発明の第4の実施の形態に係る制御装置によれば、中継ボード300が、受信した異常情報としてのエラーコードをドライバユニット500毎に再度規定しなおし、これを特定ユニットに送信するので、特定ユニット100に送信するエラーコードのデータ容量を低減させることができる。
【0167】
次いで、本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0168】
本実施の形態にかかる制御装置は、上述の第1の実施の形態に係る制御装置に対して、異常情報通信制御が異なる。以下、上記第1の実施の形態に係る制御装置と同じ構成部材には同一の符号を付して重複した説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0169】
本実施の形態に係る制御装置は、ドライバユニット500において発生する異常の内上流側に伝達すべき異常の種類が1種類しかないような場合、例えば、図5のドライバユニット500aにおけるモータ511の回転異常だけを検知できればよいような場合に最適なものである。送信すべき異常情報の種類が1種類しかないということは、異常情報をシリアルコードとして送信する必要がなく、ErrDataライン914の送信信号の値(レベル)を変更するだけでよい。
【0170】
図5におけるドライバユニット500aとのインターフェース910における動作の例を図21を参照して説明する。
【0171】
図21に示すように、TxDataライン912及びRxDataライン913は通常の通信を行っており、異常が発生していないので、ErrDataライン914の送信信号はHighレベルに保持されている。タイミング(T_Err)でドライバユニット500aに接続されたモータ511の回転異常が検出された場合、ドラバユニット500aはErrDataライン914の送信信号をLowレベルに切り換える。中継ボード300は、ドライバユニット500aからErrDataライン914を介して受信した異常情報(ErrData)がLow信号になったことを検出することにより、ユニット500aに接続されたモータ511の回転異常が発生したと認識することができる。
【0172】
上述のように、本発明の第5の実施の形態に係る制御装置によれば、検出すべき異常状態が少ない場合には、異常情報としてシリアル信号を使用せずに、単なるON/OFF信号を使用することにより、異常情報を生成する回路、及び異常情報を受信してその内容を認識する回路(もしくはソフトウェア)の構成を簡略化することができる。
【0173】
本発明の各実施の形態に係る制御装置は、画像形成装置1に利用されるものに限らず、例えば、電子写真技術を用いたLBPや複写機、及び複写機のアプリケーションであるペーパーデッキ、フィニッシャー、並びにスタッカー等のシート搬送装置等の制御装置としても利用することができる。
【0174】
上記各実施の形態に係る制御装置は、ドライバユニット500において異常が発生した場合に、下流側のドライバユニット500又は中継ボード300が夫々、ErrDataライン914又は924を介して、上流側の中継ボード300又は特定ユニット100にエラーコードを送信するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、ドライバユニット500において異常が発生した場合に、ErrDataライン914又は924の送信信号をLowレベルに切り換え、これに応じて上流側の中継ボード300又は特定ユニット100が、下流側のドライバユニット500又は中継ボード300に、エラーコードの送信を要求し、この要求に応じて下流側のドライバユニット500又は中継ボード300がErrDataライン914又は924を介して、上流側の中継ボード300又は特定ユニット100にエラーコードを夫々送信するようにしてもよい。
【0175】
尚、上記各実施の形態に係る制御装置は、特定ユニット、中継ボード、及びドライバユニットを夫々個別に備えるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、本体装置のいずれか1つのドライバユニットが、特定ユニット及び/又は中継ボードを備えるものであってもよい。
【0176】
また、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0177】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0178】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不
揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0179】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0180】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、次のプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】本発明の実施の形態に係る制御装置を備える本体装置としての画像形成装置の要部断面図である。
【図2】図1の画像形成装置における光学系の外略構成を示す断面図である。
【図3】ADFを用いた図2の光学系の概略構成を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】図4の制御装置の中継ボード及びドライバユニットの概略構成を示すブロック図である。
【図6】図5の中継ボードとドライバユニット間で送受信するI/F信号を示す図であり、図6(A)は中継ボードからドライバユニットに送信される信号を示す図であり、図6(B)はドライバユニットから中継ボードに送信される信号を示す図である。
【図7】ドライバユニットの構成を示すブロック図である。
【図8】中継ボードにおいて実行される接続されるユニットのIDに応じたI/Fの制御処理について説明するブロック図である。
【図9】図4の制御装置における高圧制御用整合ユニットの概略構成を示すブロック図である。
【図10】図4の制御装置における高圧電源機能ユニットの概略構成を示すブロック図である。
【図11】外部構成として図1の画像形成装置に装着するペーパーデッキの第1の構成例を示す図である。
【図12】外部構成として図1の画像形成装置に装着するペーパーデッキの第2の構成例を示す図である。
【図13】外部構成として図1の画像形成装置に装着するペーパーデッキの第3の構成例を示す図である。
【図14】図5における中継ボードのI/Fコネクタの各々とドライバユニットのI/Fコネクタとを接続するインターフェースの概略構造を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る制御装置の異常情報通信制御を説明する図であり、図15(A)は、ドライバユニットに異常が発生していない正常状態におけるインターフェース通信状態の様子を示す図であり、図15(B)は、ドライバユニットに異常が発生した異常状態におけるインターフェースの通信状態の様子を示す図である。
【図16】図4における特定ユニットと中継ボードとを接続するインターフェースの概略構造を示す図である。
【図17】中継ボードに接続された各ドライバユニットから送信されるエラーコードの概略構成を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る制御装置の一実施例を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る制御装置において実行される異常情報通信制御を説明する図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態に係る制御装置において実行される異常情報通信制御を説明する図である。
【図21】本発明の第5の実施の形態に係る制御装置において実行される異常情報通信制御を説明する図である。
【図22】従来の制御装置における、下流側のユニットで異常が発生した場合に上流側のユニットにこの異常情報を転送する処理のタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0182】
1 画像形成装置
10 画像形成部
20 給紙ユニット
30 中間転写ユニット
40 定着ユニット
80 制御装置
100,350 特定ユニット
300,351,352,353 中継ボード
500,551,552,553,554,555 ドライバユニット
910,920 インターフェース
912,922 TxDataライン
913,923 RxDataライン
914,924 ErrDataライン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットを備え、
該複数のユニットは各々、インターフェースと該インターフェースを介して他のユニットと通信する通信手段とを有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記複数のユニットを前記インターフェースを介して前記通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御する整合手段を有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記装置を制御する制御手段を有し、前記複数のユニットの前記インターフェースの少なくとも1つは該インターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信するための異常通信専用部を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記整合手段を有するユニットは、複数の異なるインターフェースが接続可能であることを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記整合手段を有するユニットは、前記整合手段を制御する整合制御手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御手段はCPUを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記整合制御手段はCPUを備えることを特徴とする請求項3又は4記載の制御装置。
【請求項6】
前記整合手段は、該整合手段を有するユニットに接続される前記ユニットの情報を示すユニット情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記整合制御手段は、前記整合手段を有するユニットに接続される前記ユニットの情報を示すユニット情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記通信手段はシリアル通信手段、パラレル通信手段、及びアナログ通信手段のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記装置は画像形成装置、及び該画像形成装置に接続可能な装置であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記異常通信専用部は、前記異常が発生していない通常時には第1の値を送信し、前記異常が発生している異常時には第2の値を送信することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記異常通信専用部が前記第2の値を送信する場合、上流側の前記ユニットが下流側の前記ユニットに前記異常の内容を示すエラーコードを要求することを特徴とする請求項10記載の制御装置。
【請求項12】
前記異常通信専用部が前記第2の値を送信する場合、下流側の前記ユニットが上流側の前記ユニットに前記異常の内容を示すエラーコードを送信することを特徴とする請求項10記載の制御装置。
【請求項13】
前記異常通信専用部は前記異常時ではない場合においても、定期的に前記第2の値を送信することを特徴とする請求項12記載の制御装置。
【請求項14】
前記異常通信専用部は、前記異常が発生していない通常時には第1の値を送信し、前記異常が発生している異常時には当該異常の内容に応じたエラーコードを上流側の前記ユニットに送信することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項15】
前記整合手段は、下流側の前記ユニットの各々から送信される前記異常情報を1つのシリアルコードに変換する変換手段を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項16】
装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットを備え、該複数のユニットは各々、インターフェースと該インターフェースを介して他のユニットと通信する通信手段とを有し、前記複数のユニットの少なくとも1つのユニットは前記複数のユニットを前記インターフェースを介して前記通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御する整合手段を有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記装置を制御する制御手段を有し、前記複数のユニットの前記インターフェースの少なくとも1つは該インターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信するための異常通信専用部を有する、制御装置の制御方法であって、
前記整合手段によって前記インターフェースを整合制御する整合ステップと、
前記異常の発生時に前記異常通信専用部を介して前記異常情報を送信する異常情報送信ステップとを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項17】
装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットを備え、該複数のユニットは各々、インターフェースと該インターフェースを介して他のユニットと通信する通信手段とを有し、前記複数のユニットの少なくとも1つのユニットは前記複数のユニットを前記インターフェースを介して前記通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御する整合手段を有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記装置を制御する制御手段を有し、前記複数のユニットの前記インターフェースの少なくとも1つは該インターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信するための異常通信専用部を有する、制御装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記整合手段によって前記インターフェースを整合制御する整合モジュールと、
前記異常の発生時に前記異常通信専用部を介して前記異常情報を送信する異常情報送信モジュールとを備えることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットを備え、該複数のユニットは各々、インターフェースと該インターフェースを介して他のユニットと通信する通信手段とを有し、前記複数のユニットの少なくとも1つのユニットは前記複数のユニットを前記インターフェースを介して前記通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御する整合手段を有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記装置を制御する制御手段を有し、前記複数のユニットの前記インターフェースの少なくとも1つは該インターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信するための異常通信専用部を有する、制御装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記プログラムが、前記整合手段によって前記インターフェースを整合制御する整合モジュールと、前記異常の発生時に前記異常通信専用部を介して前記異常情報を送信する異常情報送信モジュールとを備えることを特徴とする記憶媒体。
【請求項1】
装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットを備え、
該複数のユニットは各々、インターフェースと該インターフェースを介して他のユニットと通信する通信手段とを有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記複数のユニットを前記インターフェースを介して前記通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御する整合手段を有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記装置を制御する制御手段を有し、前記複数のユニットの前記インターフェースの少なくとも1つは該インターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信するための異常通信専用部を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記整合手段を有するユニットは、複数の異なるインターフェースが接続可能であることを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記整合手段を有するユニットは、前記整合手段を制御する整合制御手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御手段はCPUを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記整合制御手段はCPUを備えることを特徴とする請求項3又は4記載の制御装置。
【請求項6】
前記整合手段は、該整合手段を有するユニットに接続される前記ユニットの情報を示すユニット情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記整合制御手段は、前記整合手段を有するユニットに接続される前記ユニットの情報を示すユニット情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記通信手段はシリアル通信手段、パラレル通信手段、及びアナログ通信手段のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記装置は画像形成装置、及び該画像形成装置に接続可能な装置であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記異常通信専用部は、前記異常が発生していない通常時には第1の値を送信し、前記異常が発生している異常時には第2の値を送信することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記異常通信専用部が前記第2の値を送信する場合、上流側の前記ユニットが下流側の前記ユニットに前記異常の内容を示すエラーコードを要求することを特徴とする請求項10記載の制御装置。
【請求項12】
前記異常通信専用部が前記第2の値を送信する場合、下流側の前記ユニットが上流側の前記ユニットに前記異常の内容を示すエラーコードを送信することを特徴とする請求項10記載の制御装置。
【請求項13】
前記異常通信専用部は前記異常時ではない場合においても、定期的に前記第2の値を送信することを特徴とする請求項12記載の制御装置。
【請求項14】
前記異常通信専用部は、前記異常が発生していない通常時には第1の値を送信し、前記異常が発生している異常時には当該異常の内容に応じたエラーコードを上流側の前記ユニットに送信することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項15】
前記整合手段は、下流側の前記ユニットの各々から送信される前記異常情報を1つのシリアルコードに変換する変換手段を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項16】
装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットを備え、該複数のユニットは各々、インターフェースと該インターフェースを介して他のユニットと通信する通信手段とを有し、前記複数のユニットの少なくとも1つのユニットは前記複数のユニットを前記インターフェースを介して前記通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御する整合手段を有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記装置を制御する制御手段を有し、前記複数のユニットの前記インターフェースの少なくとも1つは該インターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信するための異常通信専用部を有する、制御装置の制御方法であって、
前記整合手段によって前記インターフェースを整合制御する整合ステップと、
前記異常の発生時に前記異常通信専用部を介して前記異常情報を送信する異常情報送信ステップとを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項17】
装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットを備え、該複数のユニットは各々、インターフェースと該インターフェースを介して他のユニットと通信する通信手段とを有し、前記複数のユニットの少なくとも1つのユニットは前記複数のユニットを前記インターフェースを介して前記通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御する整合手段を有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記装置を制御する制御手段を有し、前記複数のユニットの前記インターフェースの少なくとも1つは該インターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信するための異常通信専用部を有する、制御装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記整合手段によって前記インターフェースを整合制御する整合モジュールと、
前記異常の発生時に前記異常通信専用部を介して前記異常情報を送信する異常情報送信モジュールとを備えることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
装置内の構成要素を機能別に分類して形成される複数のユニットを備え、該複数のユニットは各々、インターフェースと該インターフェースを介して他のユニットと通信する通信手段とを有し、前記複数のユニットの少なくとも1つのユニットは前記複数のユニットを前記インターフェースを介して前記通信手段により互いに通信可能にすべく各インターフェースを整合制御する整合手段を有し、前記複数のユニットの少なくとも1つは前記装置を制御する制御手段を有し、前記複数のユニットの前記インターフェースの少なくとも1つは該インターフェースを有するユニットにおける異常の発生を示す異常情報を送信するための異常通信専用部を有する、制御装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記プログラムが、前記整合手段によって前記インターフェースを整合制御する整合モジュールと、前記異常の発生時に前記異常通信専用部を介して前記異常情報を送信する異常情報送信モジュールとを備えることを特徴とする記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2007−72309(P2007−72309A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−261121(P2005−261121)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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