説明

制御装置、複合機、プログラム、記録媒体

【課題】本来形成されるべき画像とは大幅に異なる画像が形成されてしまうことを抑制する。
【解決手段】制御装置1は、互いに異なる色成分の複数のトナーを用いてシート上に画像を形成する画像形成処理を行うプリンタ4を制御するものである。制御装置1は、残量不足になっているトナーを特定し(S11)、印刷対象の画像において前記残量不足のトナーを色成分とする領域を色不足領域として特定する(S31)。また、制御装置1は、色不足領域の色を、残量不足のトナー以外のトナーのみを用いて生成可能な色に変更する(S32)。さらに、制御装置1は、S32にて色の変更された色不足領域と当該色不足領域に隣接する隣接領域との識別が可能になっているか否かを判定する(S33)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに基づいてカラー画像の形成(印刷)を行う画像形成装置を制御する制御装置、前記画像形成装置および前記制御装置を備える複合機に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置(カラー画像形成装置)においては、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各々の色成分の色材(トナーまたはインク)を減法混色することによって様々な色を生成しているが、画像形成装置の使用状況によっては特定の色成分の色材のみ減少速度が速い場合がある。そして、特定色の色成分の色材の残量が不足すると(残量ゼロまたは残量が少量)、カラー画像の形成(印刷)を行えない。また、ブラックの色材の残量が不足している場合はモノクロの画像形成が行えなくなる。この場合、残量が不足している色成分の色材のカートリッジの交換をしなければ画像形成を行えず、至急なケースに対応できないことがあった。これに対し、各色成分の色材のうち、ある色成分の色材の残量が不足している場合、残量が不足している色成分以外の色成分の色材だけで画像を形成する代替色処理が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−114591号公報(公開日:2004年04月15日)
【特許文献2】特開2004−276335号公報(公開日:2004年10月07日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷対象となる画像において本来は残量不足の色成分の色材を用いて生成されるべき画像領域を色不足領域とすると、前記代替色処理が行われる場合、残量不足の色成分以外の色成分の色材だけで色不足領域が形成されることになる。したがって、前記代替色処理が行われると、印刷出力された画像において前記色不足領域と隣接領域(色不足領域に隣接しており、代替色処理を行うか否かに拘わらず残量不足の色成分以外の色成分の色材のみから生成される画像領域)との区別がつかなくなる場合があり、本来印刷されるべき画像とは大幅に異なる画像が印刷されてしまうという不都合が生じる可能性がある。
【0005】
本発明は、ある色成分の色材の残量が不足している場合に代替色処理によって画像形成を行う場合において、本来形成されるべき画像とは大幅に異なる画像が形成されてしまうことを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、互いに異なる色成分の複数の色材を用いてシート上に画像を形成する画像形成処理を行う画像形成装置を制御する制御装置において、前記複数の色材のうち残量不足が生じている色材がある場合、残量不足になっている色材を特定する残量不足特定部と、前記画像を示す画像データに基づき、前記画像において前記残量不足の色材を色成分とする領域を色不足領域として特定する色不足領域特定部と、前記色不足領域の色を、前記残量不足の色材以外の色材のみを用いて生成可能な色に変更する色変更部と、前記画像データに基づき、前記色変更部にて色の変更された場合の前記色不足領域と当該色不足領域に隣接する隣接領域との識別が可能になっているか否かを判定する判定部とを有することを特徴とする。本願発明の構成によれば、前記色変更部にて色の変更された場合の色不足領域と前記隣接領域との識別が可能でないと判定された場合、前記色不足領域の色が変更された画像の画像形成処理を中止するか、または前記判定の結果を利用者に通知することによって当該画像形成処理のキャンセルの指示入力を利用者に促せば、本来形成されるべき画像とは大幅に異なる画像が形成されてしまうことを抑制できるという効果を奏する。
【0007】
本発明の制御装置において、前記判定部は、(a)前記色変更部にて色が変更された場合の前記色不足領域の色と前記隣接領域の色との色度差が第1閾値以上であり、且つ、前記色変更部にて色が変更された場合の前記色不足領域の色と前記隣接領域の色との明度差が第2閾値以上である場合、前記色不足領域と前記隣接領域との識別が可能と判定し、(b)前記色度差が第1閾値未満の場合および前記明度差が第2閾値未満の場合のうちのいずれかの場合、前記色不足領域と前記隣接領域との識別が不可能と判定するようになっていてもよい。これにより、前記色変更部にて色の変更された前記色不足領域と当該色不足領域に隣接する隣接領域との識別が可能になっているか否かを高精度で判定することが可能である。
【0008】
また、本発明の制御装置において、前記色変更部は、前記色不足領域の色を、前記残量不足の色材以外の色材から生成可能な色の範囲を示した色域において前記隣接領域の色から最も離れた位置にある色に変更するようになっていてもよい。これにより、前記色不足領域の色を、残量不足の色材以外の色材から生成可能な色のうち前記色不足領域と前記隣接領域との区別がつく可能性が高い色に変更できるという効果を奏する。
【0009】
また、本発明の制御装置において、前記色変更部は、前記残量不足の色材以外の色材から生成可能な色の中から所望色を利用者に選択させるための画像を表示装置に表示し、前記色不足領域の色を利用者に選択された所望色に変更するようになっていてもよい。これにより、前記色不足領域の色を、残量不足の色材以外の色材から生成可能な色のうち利用者の所望色に変更できるという効果を奏する。
【0010】
さらに、本発明の制御装置は、前記色不足領域と前記隣接領域との識別が可能であると前記判定部に判定された場合、前記色不足領域の色が前記色変更部に変更された後の画像の画像形成処理を前記画像形成装置に行わせ、前記色不足領域と前記隣接領域との識別が不可能と前記判定部に判定された場合、前記色不足領域の色が前記変更部に変更された後の画像の画像形成処理を中止する印刷制御部を有していてもよい。これにより、前記色変更部にて色の変更された色不足領域と前記隣接領域との識別が可能でないと判定された場合、前記残量不足領域の色が前記変更部に変更された後の画像の画像形成処理を強制的に中止することになる。
【0011】
また、本発明の制御装置は、前記画像形成処理の実行の最終指示を受け付ける前に、前記判定部による判定結果を表示装置に表示させる判定結果通知部を有していてもよい。これにより、前記色不足領域と前記隣接領域との識別が不可能であると判定された場合、この判定の結果を利用者に通知することにより、画像形成処理(前記色不足領域の色が前記色変更部に変更された後の画像の印刷)のキャンセルを利用者に促すことができる。
【0012】
さらに、本発明の制御装置において、前記判定結果通知部は、前記画像形成処理の最終指示を受け付ける前に、前記色不足領域の色が前記変更部に変更された色になるように補正された画像のプレビューを表示装置に表示させるようになっていてもよい。この構成では、前記判定部による判定結果に誤りがあっても、利用者にプレビューを確認させることで利用者が誤った判定結果を鵜呑みにしてしまうことを抑制できる。
【0013】
また、本発明は、前記の制御装置と前記画像形成装置とを有する複合機であってもよい。さらに、上記制御装置は、コンピュータによって実現されてもよく、この場合には、コンピュータを上記各部として機能させるプログラム、および、このプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、本来形成されるべき画像とは大幅に異なる画像が形成されてしまうことを抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態の画像形成システムを示すブロック図である。
【図2】本実施形態の複写ジョブの流れを示すフローチャートである。
【図3】本実施形態の印刷ジョブの流れを示すフローチャートである。
【図4】本実施形態の代替色処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図5】代替色処理の変形例の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態において代替色処理の対象となる画像(ポスター)の一例を示す図である。
【図7】利用者に色を選択させるための色選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態の画像形成システムを示すブロック図である。図1に示すように、画像形成システム100は、複合機30と、通信ネットワーク(例えばLAN)を介して複合機30に接続されている端末50とを有している。
【0017】
本実施形態の複合機30は、画像形成ジョブ、スキャンジョブ、ファクシミリ送信ジョブ、ファクシミリ受信ジョブ等を行う多機能複合機である。なお、画像形成ジョブには、端末50から複合機30に送られた画像データの画像をシート(用紙)に印刷(形成)する印刷ジョブと、複合機30に備えられているスキャナにて生成された画像データの画像をシートに印刷(形成)する複写ジョブとがある。
【0018】
端末50は、複合機30に対応するプリンタドライバがインストールされているパーソナルコンピュータである。つまり、端末50の利用者は、端末50を用いて複合機30に備えられるプリンタ4を制御し、プリンタ4に画像を形成させることが可能である。
【0019】
複合機30は、図1に示すように、制御装置1、ASIC2、スキャナ3、プリンタ4、ネットワーク通信部5、残量検知部6、表示装置7、操作部8を備えている。
【0020】
制御装置1は、複合機30が有する各ハードウェアを統括的に制御する機能を有し、且つ画像データに対して画像処理を実行する機能も有するコンピュータである。具体的に、制御装置1は、プロセッサとRAM(Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)とハードディスクとを有している。そして、制御装置1は、ROMやハードディスク等の記録媒体に格納されているプログラムを実行することによって、複合機30が有している各ハードウェアを制御し、また画像処理を実現するようになっている。また、前記のハードディスクは、複合機30にて扱われる画像データや各種データを保存する記憶領域として機能し、前記のRAMは処理中の各種データを記憶する記憶領域として機能する。
【0021】
スキャナ3は、CCD(Charge Coupled Device)ラインセンサによって原稿から画像データを読み取る画像読取装置である。
【0022】
ASIC(application specific integrated circuit)2は、スキャナ3にて読み取られた画像データまたは端末50から送られてきた画像データを入力し、入力した画像データに画像処理を施す集積回路である。
【0023】
プリンタ4は、電子写真方式の画像形成装置である。具体的に、プリンタ4は、ASIC2にて画像処理の施された画像データを受け取り、この画像データに基づいてC,M,Y,Kの各色成分のトナーを用いてシートにフルカラー画像を形成(印刷)するものである。また、図示しないが、プリンタ4は、C(シアン)のトナーを収納するシアントナーカートリッジと、M(マゼンタ)のトナーを収納するマゼンタトナーカートリッジと、Y(イエロー)のトナーを収納するイエロートナーカートリッジと、K(ブラック)のトナーを収納するブラックトナーカートリッジとを備えている。
【0024】
ネットワーク通信部5は、通信ネットワークを介して端末50との間で各種情報や画像データの送受信を行う通信インターフェイスである。残量検知部6は、各色成分のトナーカートリッジ毎に備えられる残量センサを有しており、各色成分のトナーカートリッジ毎に、トナー残量を示す残量信号を出力するようになっている。
【0025】
表示装置7は、ユーザーに各種情報を表示する装置であり、液晶表示装置または有機ELディスプレィ装置からなるものである。また、本実施形態の表示装置7はタッチパネルに覆われている。操作部8は、前記のタッチパネルと図示しないキーボードとからなるものであり、ユーザーが複合機30を操作するための各種コマンドを入力するためのインターフェイスとして機能するものである。
【0026】
つぎに、端末50について説明する。端末50は、ネットワーク通信部11、制御装置12、表示装置13、操作部14を備えている。ネットワーク通信部11は、通信ネットワークを介して複合機30との間で制御情報や画像データの送受信を行う通信インターフェイスとして機能するものである。
【0027】
制御装置12は、プロセッサとRAMとROMとハードディスクを有する汎用コンピュータであり、複合機30および複合機30がプリンタ4を制御する情報処理装置である。制御装置12には、印刷ジョブにおいて印刷対象となる画像を作成または処理するための各種アプリケーションと、OS(Operating System)と、プリンタドライバとがインストールされている。つまり、利用者が制御装置12のプリンタドライバを立ち上げて印刷実行命令を入力すると、印刷対象の画像の画像データが端末50から複合機30へ送信され、当該画像が複合機30のプリンタ4にて印刷されるようになっている。
【0028】
以上示した画像形成システム100において、複写ジョブでは、まず、スキャナ3が原稿からR(赤),G(緑),B(青)の画像データを読み取るようになっている。スキャナ3にて読み取られたR,G,Bの画像データは、ASIC2において画像処理を施され、C,M,Y,Kの画像データに変換される。その後、C,M,Y,Kの画像データはプリンタ4に入力される。そして、プリンタ4は入力した画像データに応じた画像をシートに形成(印刷)するようになっている。
【0029】
これに対し、印刷ジョブでは、まず、端末50のプリンタドライバが起動し、利用者が印刷実行命令(印刷指示)を入力すると、印刷対象となる画像に応じたC,M,Y,Kの画像データが端末50から複合機30へ送信される。このC,M,Y,Kの画像データは、複合機30に受信されるとASIC2にて画像処理が施され、その後プリンタ4に入力される。そして、プリンタ4は入力した画像データに応じた画像をシートに形成(印刷)する。
【0030】
つぎに、本実施形態の複写ジョブおよび印刷ジョブの各々について処理の流れを詳細に説明する。まずは、図2のフローチャートを用いて複写ジョブの流れを説明する。
【0031】
(複写ジョブについて)
まず、複写ジョブの開始命令が入力されると、制御装置1は、原稿の画像の画像データの読み取りをスキャナ3に行わせる(S1)。
つぎに、制御装置1は、残量検知部6から出力される残量信号に基づいて、残量不足検出処理を行う(S2)。この残量不足検出処理とは、各色成分のトナーのうち残量不足が生じている色成分のトナーの有無の判定処理と、残量不足になっている色成分の特定処理とを指す。なお、S2において、制御装置1は、各色成分のトナーカートリッジ毎に、残量信号の示す残量値と閾値とを対比している。そして、制御装置1は、残量信号の残量値が閾値以下になっている色成分のトナーについては残量不足が生じていると判定する。これに対し、制御装置1は、残量信号の残量値が閾値を超えている色成分のトナーについては残量不足が生じていないと判定する。
【0032】
S2において残量不足が生じている色成分のトナーが無いと判定された場合(S3にてNO)、制御装置1は、スキャナ3にて読み取られた画像データをASIC2にてC,M,Y,Kの画像データに変換した上でプリンタ4に入力し、プリンタ4に当該画像データに基づく画像形成処理を行わせる(S11)。
【0033】
S2において残量不足が生じている色成分のトナーがあるものの黒以外の色成分で残量不足が生じていないと判定された場合(つまり残量不足の色成分が黒のみと判定された場合)、制御装置1は、スキャナ3にて読み取られた画像データをASIC2にC,M,Y,Kの画像データに変換させた上でプリンタ4に入力し、プリンタ4に当該画像データに基づく画像形成処理を行わせる(S3にてYES,S4にてNO,S11)。なお、この場合、黒画像(グレーの画像)は、C,M,Yを混色することによって形成される。
【0034】
これに対し、S2において黒以外の色成分で残量不足が生じている色成分のトナーがあると特定された場合(S3にてYES,S4にてYES)、制御装置1は、残量不足が生じている色成分を示す警告画像を表示装置7に表示させることで、当該色成分の残量不足が生じている事を利用者に警告する(S5)。また、前記の警告画像には、代替色処理,白黒画像形成,画像形成中止のいずれかの選択を利用者に促す画像(UI)が示されている。
【0035】
ここで、利用者が画像形成中止の選択を示すコマンドを入力した場合(S6にてNO,S7にてNO,S10にてYES)、制御装置1は、プリンタ4に画像形成を行わせることなく複写ジョブを中断し、処理を終了する。また、利用者が白黒画像形成の選択を示すコマンドを入力した場合(S6にてNO,S7にてYES)、制御装置1は、スキャナ3にて読み取られた画像データをASIC2にKの画像データに変換させ(S9)、Kの画像データをプリンタ4に入力し、プリンタ4に当該画像データに基づく画像形成処理を行わせる(S11)。これにより、シート上に白黒画像が形成されることになる。このように、ある色成分のトナーの残量不足が生じていてフルカラー画像の形成ができない場合、フルカラー画像の代わりに白黒画像の形成をオプションとして追加することにより、白黒画像の形成でも構わないと考える利用者のニーズに応えることができる。
【0036】
また、利用者が代替色処理の選択を示すコマンドを入力した場合、制御装置1は、画像データに対して代替色処理を実行するようになっている(S6にてYES,S8)。ここで、代替色処理とは、印刷対象となる画像のうち、残量不足のトナーを色成分とする領域を色不足領域とする場合、色不足領域の色を残量不足の色成分以外の色成分のトナーのみを用いて生成可能な色に変更する処理を指す。つまり、代替色処理とは、色不足領域の色が残量不足の色成分のトナー以外のトナーのみを用いて生成可能な色になるように画像データを補正する処理を指す。ここで、代替色処理の詳細については後に詳述する。
【0037】
S8の後、制御装置1は、代替色処理によって補正された画像データをプリンタ4に入力し、プリンタ4に当該画像データに基づく画像形成処理を行わせる(S11)。
【0038】
(印刷ジョブについて)
つぎに、図3のフローチャートを用いて印刷ジョブの流れを説明する。まず、利用者が端末50のプリンタドライバを立ち上げると、端末50の制御装置12は、複合機30と通信を行い、残量検知部6から出力される残量信号を取得して残量不足検出処理を行う(S11)。この残量不足検出処理は、図2のS2で行われるものと同様であるため、その説明を省略する。
【0039】
S11において残量不足が生じている色成分のトナーが無いと判定された場合(S12にてNO)、制御装置12は、通常の操作画面(プリンタ操作画面)を表示装置13に表示させる(S14)。また、残量不足が生じている色成分のトナーがあるものの黒以外の色成分で残量不足が生じていないと判定された場合(S13にてNO)、つまり残量不足の色成分が黒のみと判定された場合、制御装置12は、S12にてNOの時と同様に通常の操作画面を表示装置13に表示させる(S14)。
【0040】
S14の操作画面の表示中に利用者が印刷指示を入力すると(S15にてYES)、制御装置12は、C,M,Y,Kの画像データを複合機30に送信し、当該画像データに基づいた画像形成処理を複合機30に行わせる(S22)。なお、黒のみが残量不足である場合、黒画像は、C、M、Yを混色して形成される。
【0041】
また、S11において黒以外の色成分で残量不足が生じている色成分のトナーが特定された場合(S12にてYES,S13にてYES)、制御装置12は、残量不足発生と残量不足になっている色成分とを示す警告メッセージを含む操作画面を表示装置13に表示させる(S16)。なお、S16にて表示される操作画面には、代替色処理,白黒画像形成,画像形成中止のいずれかの選択を利用者に促す画像が示されている。
【0042】
S16の操作画面の表示中に利用者が画像形成中止の選択を示すコマンドを入力した場合、制御装置12は、複合機30に画像データを送信することなく印刷ジョブを中断し、処理を終了する(S17にてNO,S18にてNO,S19にてYES)。
【0043】
S16の操作画面の表示中に利用者が白黒画像形成の選択を示すコマンドを入力した場合(S17にてNO,S18にてYES)、制御装置12は、印刷用の画像データをKの画像データに変換し(S21)、Kの画像データを複合機30に送信し、当該画像データに基づく画像形成処理を複合機30に行わせる(S22)。
【0044】
S16の操作画面の表示中に利用者が代替色処理の選択を示すコマンドを入力した場合、制御装置12は、画像データに対して代替色処理を実行するようになっている(S17にてYES,S20)。そして、S20の後、制御装置12は、代替色処理によって補正された画像データを複合機30に送信し、複合機30に当該画像データに基づく画像形成処理を行わせる(S22)。
【0045】
(代替色処理について)
つぎに、図2のS8の代替色処理について図4のフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、本実施形態において代替色処理の対象となる画像を図6に示す。図6に示す画像は、互いに色の異なる複数のベタ画像(文字画像,下地)からなるポスターである。図6のポスターは、緑色のベタ画像からなる「A」という文字画像60と、黄緑色のベタ画像からなる「B」という文字画像61と、赤色のベタ画像からなる「C」という文字画像62と、文字画像60〜62の各々に隣接しており黄色のベタ画像からなる下地63とから構成される。
【0046】
まず、利用者が代替色処理を選択すると、制御装置1は、スキャナ3にて読み取られた画像データをASIC2にてC,M,Y,Kの画像データに変換し、この画像データに対して領域特定処理を行う(S31)。ここで、領域特定処理とは、C,M,Y,Kの画像データの示す画像(印刷対象となる画像)において、残量不足のトナーを色成分とする画像領域を色不足領域として特定し、且つ、隣接領域(色不足領域に隣接しており、代替色処理を行うか否かに拘わらず残量不足の色成分以外の色成分のトナーのみから生成される画像領域)を特定する処理を指す。例えば、イエローおよびシアンの残量は不足していないが、マゼンタの残量が不足している場合、図6の画像のうち、マゼンタトナーを用いて生成される文字画像62が色不足領域となり、文字画像62に隣接しておりマゼンタトナー以外のトナーにて生成される下地63が隣接領域となる。
【0047】
つぎに、制御装置1は、色不足領域について色変更処理を行う(S32)。ここで、色変更処理とは、色不足領域の色を、残量不足となっている色成分以外の色成分のトナーのみを用いて生成可能な色に変更する処理を指す。以下、本実施形態の色変更処理について詳細に説明する。
まず、制御装置1は、残量不足のトナー以外のトナーから生成可能な色域を示す色域データを生成する。そして、制御装置1は、この色域データにおいて、前記隣接領域の色から最も離れた色を選択し、色不足領域の色を、前記のようにして選択した色に変更する。例えば、図6の画像において、色不足領域(文字画像62)の隣接領域は下地63であり、前記色域データにおいて下地63の色(イエロー)から最も離れた色が色変更処理後の色として選択されることになる。
なお、図6の例では1つの色不足領域(文字画像62)に対して隣接領域(下地63)が1つであるが、1つの色不足領域に対して互いに異なる色の複数の隣接領域が存在することも想定される。このような場合、制御装置1は、複数の隣接領域の各々について、色域データ上で最も離れた色を特定する。そして、制御装置1は、特定した各色のうち、全ての隣接領域からの距離の和が最も大きい色を特定し、不足色領域の色を、前記のようにして特定した色に変更する。例えば、ある色不足領域に対して隣接領域A〜Cが存在する場合、まず、隣接領域Aから最も離れている色aと、隣接領域Bから最も離れている色bと、隣接領域Cから最も離れている色cとが選択される。その後、色a〜色cの各々について、隣接領域Aからの距離と隣接領域Bからの距離と隣接領域Cからの距離との和が求められる。そして、色a〜色cのうち、求められた和の最も大きな色が色変更処理後の不足色処理の色とされる。
【0048】
以上のようにして色変更処理を行うことにより、色不足領域の色を、残量不足のトナー以外のトナーから生成可能な色のうち隣接領域との区別がつく可能性が高い色に変更できる。
【0049】
S32の後、制御装置1は色判定処理を行う(S33)。色判定処理とは、印刷対象の画像を示す画像データと色変更処理の結果とに基づき、S32の色変更処理にて色の変更された色不足領域と隣接領域との識別が可能になっているか否かを判定する処理である。具体的に、制御装置1は、色変更処理にて色の変更された後の色不足領域の色と隣接領域の色との色度差が第1閾値以上であり、且つ、色変更処理にて色の変更された後の色不足領域の色と前記隣接領域の色との明度差が第2閾値以上である場合、色変更処理にて色の変更された色不足領域と隣接領域との識別が可能であると判定する。これに対し、制御装置1は、前記色度差が第1閾値未満の場合および前記明度差が第2閾値未満の場合のうちのいずれかの場合、前記色不足領域と前記隣接領域との識別が不可能と判定する。
【0050】
制御装置1は、前記色不足領域と前記隣接領域との識別が不可能と判定した場合(S33にてNO)、プリンタ4に画像形成処理を行わせることなくジョブを中断し、処理を終了する(S35)。これに対し、制御装置1は、前記色不足領域と前記隣接領域との識別が可能と判定した場合(S33にてYES)、前記色不足領域の色が色変更処理によって変更された色になるように画像データを補正し(S34)、代替色処理を終了する。そして、前述したように、制御装置1は、代替色処理によって補正された画像データをプリンタ4に入力し、プリンタ4に当該画像データに基づく画像形成処理を行わせる(S22)。
【0051】
これにより、ある色成分のトナーの残量が不足しており、入力画像において残量不足の色成分を用いる領域(色不足領域)があったとしても、当該色不足領域の色を、残量不足の色成分以外の色成分のトナーのみから生成可能な色に変換することにより、前記入力画像の印刷を行うことが可能になる。また、以上の処理によれば、S32において色変更処理の行われた後の色不足領域の色と隣接領域の色とが近似していて色不足領域の識別が不可能である場合、S33において識別不可能と判定されて印刷が行われないようになっている。それゆえ、本来形成されるべき画像とは大幅に異なる画像が印刷されてしまうことを抑制できるという効果を奏する。
【0052】
なお、以上にて説明した図4の代替色処理は図2のS8の詳細を示したものであるが、図3のS20の代替色処理もS8の代替色処理と処理内容が同様である。つまり、図3のS20の代替色処理においても図4の処理と同様の処理が行われる。それゆえ、以下では図3のS20の代替色処理についての詳細な説明は省略する。但し、図2のS8では制御装置1が図4の処理を行うが、図3のS20では制御装置12が図4の処理を行うことになる。また、図2のS8の代替色処理の場合は、スキャナ3にて読み取られた画像データをS31においてASIC2にてC,M,Y,Kの画像データに変換しているが、図3のS20の代替色処理の場合はそのような変換を行わずに印刷対象のC,M,Y,Kの画像データに対して領域特定処理が行われる。
【0053】
以上示したように、制御装置1・12は、互いに異なる色成分の複数のトナー(色材)を用いてシートに画像を形成するプリンタ(画像形成装置)4を制御するものである。そして、制御装置1・12は、前記複数のトナーのうち残量不足が生じているトナーがある場合に残量不足になっているトナーを特定する残量不足特定部としての機能と、前記画像において前記残量不足のトナーを色成分とする領域を色不足領域として特定する色不足領域特定部としての機能と、前記色不足領域の色を前記残量不足のトナー以外のトナーのみを用いて生成可能な色に変更する色変更部としての機能と、色の変更された色不足領域と当該色不足領域に隣接する隣接領域との識別が可能になっているか否かを判定する判定部としての機能とを有している。さらに、制御装置1・12は、前記色不足領域と前記隣接領域との識別が可能であると判定した場合、前記色不足領域の色を変更した後の画像の画像形成処理をプリンタ4に行わせ、前記色不足領域と前記隣接領域との識別が不可能であると判定した場合、前記色不足領域の色を変更した後の画像の画像形成処理を中止する印刷制御部としての機能を有している。これにより、色が変更された後の色不足領域と前記隣接領域との識別が可能でない場合、前記色不足領域の色が変更された後の画像の画像形成処理が強制的に中止されることになる。それゆえ、本来形成されるべき画像とは大幅に異なる画像が形成されてしまうことを抑制できる。
【0054】
(変形例)
図4の代替色処理ではS32において制御装置1が色不足領域の色を選択するようになっているが、色不足領域の色を利用者に選択させる形態であってもよい。以下では、この形態を適用した代替色処理について図5のフローチャートに基づいて説明する。なお、図5は、図4と同様、図2のS8のサブルーチンである。
【0055】
図5のS41の処理は図4のS31と同様の処理であるため、S41の説明を省略する。S41の領域特定処理が行われた後、制御装置1は色選択画面を表示装置7に表示させる(S42)。色選択画面とは、残量不足になっているトナーの色成分以外の色成分のトナーのみを用いて生成可能な色の中から所望色を利用者に選択させるための画像である。この色選択画面の一例を図7に示す。図7の色選択画面では、残量不足のトナー以外のトナーから生成可能な色を示したカラーパレット70を表示し、カラーパレット70に示される各色のなかから所望色が選択されるようになっている。利用者が、カラーパレット70に示される各色のうち所望色の候補にカーソルを合わせると、符号71の位置に所望色の候補が表示されるようになっている。そして、利用者がOKボタンを押すと、当該候補が所望色として選択されることになる。
【0056】
利用者が所望色を選択すると(S43にてYES)、制御装置1は、色不足領域の色を所望色に変更した上で色判定処理を行う(S44)。S44の色判定処理はS33の色判定処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0057】
制御装置1は、S44において色不足領域と前記隣接領域との識別が不可能と判定した場合(S44にてNO)、図4の代替色処理と同様、プリンタ4に画像形成処理を行わせることなくジョブを中断し(S45)、処理を終了する。これに対し、制御装置1は、S44において前記色不足領域と前記隣接領域との識別が可能と判定した場合(S44にてYES)、前記色不足領域の色が利用者に選択された色になるように画像データを補正し(S46)、代替色処理を終了する。
【0058】
以上の変形例によれば、制御装置1は、残量不足のトナー以外のトナーのみを用いて生成可能な色の中から所望色を利用者に選択させるための画像を表示装置7に表示し、前記色不足領域の色を利用者に選択された所望色に変更する色変更部としての機能を有している。これにより、色不足領域の色を、残量不足のトナー以外のトナーから生成可能な色のうち利用者の所望色に変更できる。また、仮に利用者の所望色と前記隣接領域の色とが近似していて色不足領域の識別が不可能であっても、S44において識別不可能と判定されて印刷が行われないようになっている。それゆえ、本来形成されるべき画像とは大幅に異なる画像が印刷されてしまうことを抑制できるという効果を奏する。なお、図5の代替色処理は、複写ジョブにおいて制御装置1が実行可能になっているだけではなく、印刷ジョブにおいて制御装置12も実行可能である。
【0059】
また、以上示した図4,図5の代替色処理によれば、残量不足のトナー以外のトナーのみを用いて生成可能な色の中から、色不足領域の色が選択されることになるが、黒(K)のトナーが残量不足になっていない場合、残量不足ではない黒以外の色成分のトナーと黒のトナーとを混色して生成される色からも色不足領域の色を選択できるようになっている。これにより幅広い色彩の選択が可能になる。例えば、マゼンタのトナーが残量不足であって、イエローのトナー、シアンのトナー、黒のトナーの残量が足りている場合、イエローとシアンとから青を生成することはできないが、シアンと黒とを混色することで青に近似する色を生成できる。
【0060】
また、以上示した図2〜図5の代替色処理では、色判定処理において前記色不足領域と前記隣接領域との識別が可能であると判定された場合は画像形成処理を行い、色判定処理において前記色不足領域と前記隣接領域との識別が不可能であると判定された場合は画像形成処理を中止するようになっている。これに対し、代替色処理が選択された場合、制御装置1は、画像形成処理の実行の最終指示を受け付けないとプリンタ4に画像形成処理を実行させないようにし、色判定処理の判定結果を表示装置7に表示した後に前記最終指示または画像形成処理のキャンセル指示を受け付け可能になる形態であっていてもよい。つまり、制御装置1・12は、画像形成処理の実行の最終指示を受け付ける前に色判定処理の判定結果を表示装置に表示させる判定結果通知部としての機能を有していてもよい。これにより、前記色不足領域と前記隣接領域との識別が不可能であると判定された場合、この判定の結果を利用者に通知することにより、画像形成処理(前記色不足領域の色が前記色変更部に変更された後の画像の印刷)のキャンセルを利用者に促すことができる。それゆえ、本来形成されるべき画像とは大幅に異なる画像が形成されてしまうことを抑制できるという効果を奏する。なお、制御装置12および表示装置13に対しても当該形態の適用が可能である。
【0061】
また、制御装置1は、前記色判定処理の判定結果の他、前記色不足領域の色が図4のS32または図5のS43にて選択された色になるように補正された画像のプレビューを表示装置7に表示した後に前記最終指示または画像形成処理のキャンセル指示を受け付け可能になる形態であってもよい。つまり、制御装置1は、画像形成処理の最終指示を受け付ける前に、前記色不足領域の色が図4のS32または図5のS43にて選択された色になるように補正された画像のプレビューを表示装置に表示させる機能を有する。これにより、画像形成処理を行う前に、色不足領域の色が図4のS32または図5のS43にて選択された色になるように補正された画像の適否を利用者自身に判断させることが可能になる。
【0062】
また、C,M,YのトナーのうちのいずれかとKのトナーとが残量不足の場合、白黒画像を形成できないので、シングルカラーモードを選択可能にしてもよい。ここで、シングルカラーモードとは、残量不足ではない色成分のうち、利用者に選択された色成分のみからなる単色画像を形成するモードである。
【0063】
なお、本実施形態の代替色処理は、図6に示すような、互いに色の異なる複数のベタ画像(文字画像,下地)からなる画像(ポスター等)に好適であり、連続する画素毎で色が異なるような写真画像には適さない。このような写真画像の場合、前記色不足領域の周囲には互いに色の異なる画素が多数隣接することになり、S32の処理の実現が困難になるからである。
【0064】
また、本実施形態のプリンタ4は電子写真方式の画像形成装置であるが、インクジェット式の画像形成装置をプリンタ4としてもよい。
【0065】
本実施形態は、コンピュータに処理を実行させるためのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、制御装置1,12の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録するものとすることもできる。この結果、上記プログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。なお、マイクロコンピュータに処理を行われるために図示していないメモリ、例えばROMのようなものそのものをプログラムメディアとしてもよいし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置がプログラムメディアとして設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能になっている形態でもよい。
【0066】
いずれの場合においても、格納されているプログラムコードはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であっても良いし、あるいは、いずれの場合もプログラムコードを読み出し、読み出されたプログラムコードは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムコードが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0067】
また、上記記録媒体は、本体と分離可能に構成される記録媒体であってもよく、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等の半導体メモリ系を含めた固定的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。
【0068】
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成である場合、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードするように流動的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。なお、このように通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。
【0069】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、電子写真方式またはインクジェット方式の印刷装置、この印刷装置を有する複合機、この印刷装置を制御するコンピュータに利用できる。
【符号の説明】
【0071】
1・12 制御装置(残量不足特定部、色不足領域特定部、色変更部、判定部、印刷制御部、判定結果通知部)
4 プリンタ(画像形成装置)
7・13 表示装置
30 複合機


【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる色成分の複数の色材を用いてシート上に画像を形成する画像形成処理を行う画像形成装置を制御する制御装置において、
前記複数の色材のうち残量不足が生じている色材がある場合、残量不足になっている色材を特定する残量不足特定部と、
前記画像を示す画像データに基づき、前記画像において前記残量不足の色材を色成分とする領域を色不足領域として特定する色不足領域特定部と、
前記色不足領域の色を、前記残量不足の色材以外の色材のみを用いて生成可能な色に変更する色変更部と、
前記画像データに基づき、前記色変更部にて色の変更された場合の前記色不足領域と当該色不足領域に隣接する隣接領域との識別が可能になっているか否かを判定する判定部とを有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記判定部は、(a)前記色変更部にて色が変更された場合の前記色不足領域の色と前記隣接領域の色との色度差が第1閾値以上であり、且つ、前記色変更部にて色が変更された場合の前記色不足領域の色と前記隣接領域の色との明度差が第2閾値以上である場合、前記色不足領域と前記隣接領域との識別が可能と判定し、(b)前記色度差が第1閾値未満の場合および前記明度差が第2閾値未満の場合のうちのいずれかの場合、前記色不足領域と前記隣接領域との識別が不可能と判定することを特徴とする請求項1の制御装置。
【請求項3】
前記色変更部は、
前記色不足領域の色を、前記残量不足の色材以外の色材から生成可能な色の範囲を示した色域において前記隣接領域の色から最も離れた位置にある色に変更することを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記色変更部は、
前記残量不足の色材以外の色材から生成可能な色の中から所望色を利用者に選択させるための画像を表示装置に表示し、前記色不足領域の色を利用者に選択された所望色に変更することを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記色不足領域と前記隣接領域との識別が可能であると前記判定部に判定された場合、前記色不足領域の色が前記色変更部に変更された後の画像の画像形成処理を前記画像形成装置に行わせ、前記色不足領域と前記隣接領域との識別が不可能と前記判定部に判定された場合、前記色不足領域の色が前記変更部に変更された後の画像の画像形成処理を中止する印刷制御部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記画像形成処理の実行の最終指示を受け付ける前に、前記判定部による判定結果を表示装置に表示させる判定結果通知部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記判定結果通知部は、前記画像形成処理の最終指示を受け付ける前に、前記色不足領域の色が前記変更部に変更された色になるように補正された画像のプレビューを表示装置に表示させることを特徴とする請求項6に記載の印刷制御装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の制御装置と前記画像形成装置とを有することを特徴とする複合機。
【請求項9】
コンピュータを請求項1から7のいずれか1項に記載の制御装置の各部として機能させるプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−223412(P2011−223412A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91662(P2010−91662)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】