説明

削岩制御方法、装置および弁

削岩制御方法、装置および弁。本方法において、回転用モータ(20)の両端に作用する圧力差を別個の給送調整弁(30)の調整に使用し、これに基づいて、給送調整弁は給送用制御弁の制御圧力を調整する。本装置は、別個の給送調整弁(30)を含み、この調整弁は、回転用モータ(20)の両端に作用する圧力差の影響を受けて、給送用制御弁(7)の制御圧力を調整する。この弁(30)は、別個の制動要素(39)を含み、この制動要素は、弁(30)のスプール(30a)が回転用モータ(20)の両端に作用する圧力差の影響を受けて通常位置から離間したとき、スプール(30a)が通常位置に戻るのを遅くする。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は、削岩制御方法に関するものであり、本方法は、削岩機の給送をドリルロッドの回転用モータの両端に作用する圧力差で制御して、回転抵抗が高まると、それに起因して回転用モータに作用する圧力差が所定の閾値を超えてから、給送用モータに供給する作動液の供給を制御する給送用制御弁のスプールを、給送動作が復帰動作に切り替わる位置まで動かすものである。本発明はまた、削岩制御装置に関するものであり、本装置は、打撃装置、回転用モータおよび給送用モータを備えた削岩機を含み、給送用モータは、削岩機とこれに連結されるドリルロッドとを被掘削物の方に押し出したり戻したりし、本装置はさらに、給送用モータに供給される作動液の供給を調整する給送用制御弁と、回転用モータに供給される作動液の供給を調整する回転用制御弁と、打撃装置、回転用モータおよび給送用モータに加圧した作動液を供給するための少なくとも1つの作動液ポンプとを含む。本発明はさらに、削岩を制御する比例調整弁に関するものであり、本調整弁は作動液圧で制御され、回転用モータの両端に作用する作動液の圧力差によってスプールを本調整弁内で移動させるための制御圧力面を両側に含むスプールと、加圧した作動液を本調整弁に給送したり、実質的に非加圧状態の作動液を本調整弁から除去したりする導管と、本調整弁で圧力が調整される作動液を本調整弁から導出する少なくとも1つの導管とを含む。
【0002】
現在の削岩では、数々の異なる要素および条件を考慮に入れて、設備を節約する効果的な掘削を実現している。また、例外的な場合に適用する種々の技術もある。このような技術として、例えば、いわゆる自動亀裂形成方式が挙げられ、この方式では、工具の回転用モータの作動液導管の圧力を掘削制御に利用する。回転用モータに作用する圧力を使用する開始点は、回転抵抗が大きくなるにつれてドリルビットが動かなくなる回数が増える点である。回転抵抗が増大すると、それに応じて回転用モータの作動液導管内の圧力が高まる。これを掘削状況の表示に用いてもよく、また、掘削動作の制御に用いてもよい。
【0003】
従来の技術では、回転用モータの作動液導管内の圧力の上昇を給送装置の作動液の圧力の制御に利用して、回転用モータの圧力が上昇すると、給送装置に供給される作動液の圧力を低下させる。従来の技術ではまた、圧力が一定の水準まで上昇した後、給送装置は、まで復帰動作に切り替わって回転用モータの作動液導管内の圧力が低下するのを待つ。この従来技術では、給送装置はその後すぐに給送動作に戻り、通常の給送速度が原因でドリルビットが先の問題点にぶつかると、回転抵抗ひいては回転用モータの作動液圧が再度増大して、給送装置の給送が遅くなり、給送装置は即座に復帰動作に切り替わってしまうことがある。この往復動作は、連続して数回、生ずることがある。公知の方式における問題点は、掘削状態および作動液の特性がさまざまであるため、作用およびその確実性もまた大幅に変化することである。
【発明の簡単な説明】
【0004】
本発明は、調整を信頼性および機能上良好に実現できる方法、装置および弁を提供することを目的とする。本発明の方法は、回転用モータの両端に作用する圧力差を利用して別の給送調整弁を制御し、調整弁は、給送用制御弁のスプールの各制御圧力面につながる別々の制御圧力導管を用いて給送用制御弁を制御するように構成され、圧力差が増大はしても閾値を下回ると、給送調整弁は、圧力差に応じて給送用制御弁を制御する制御圧力の圧力値を調整し、それに応じて、これらの制御圧力の影響を受ける給送用制御弁が給送用モータに供給される作動液の流速を低減させることを特徴とする。本発明の装置は、給送用制御弁が圧力差で制御される流量調整弁であり、回転用モータの両端に作用する回転用モータの作動液導管内の圧力差を給送用制御弁を制御するように接続することで、圧力差が大きくなるにつれて、給送用制御弁は給送用モータへの作動液の流れを減少させて、圧力差が所定の閾値を超えたら給送用モータへの作動液の流れを反対方向に切り替えて、給送用モータを復帰動作に切り替えることを特徴とする。本発明の弁は制動要素を含み、この制動要素はスプールが一方向に移動するときは自由な移動を可能とし、スプールが反対方向に移動しようとする場合にはスプールの動作を遅くさせることを特徴とする。
【0005】
本発明による方法の基本概念は、圧力差が大きくなると給送用モータに供給される作動液の流速が減速するように、給送用モータに供給される作動液の流速を、回転用モータの両端に作用する圧力差を用いて調整することで、給送を調整することである。また、本発明の実施例によると、回転用モータの両端に作用する圧力差の増大を受けて給送用モータが復帰動作に切り替わると、圧力差が小さくなるにつれ、それに応じて復帰工程から通常給送への戻りが遅くなる。
【0006】
本発明による装置の基本概念は、圧力差が大きくなると給送用モータの制御弁が給送用モータに供給される作動液の流量を減少させるように、回転用モータの流入導管と流出導管の間の圧力差を用いて制御される調整弁を、給送用モータの制御弁の制御圧力を制御するように接続することである。また、本発明の実施例によると、本装置は制動要素を含み、この制動要素は、給送用モータが復帰動作に切り替わって、給送用モータを給送動作に切り替えられる程度に圧力差が小さくなってから、給送動作の通常の給送動作値への復帰を遅くする。本発明による弁の基本概念は、弁スプールが通常の動作位置に移動するのを遅くする制動要素を含むことである。
【発明の実施例の詳細な説明】
【0007】
本発明を、添付図面を参照して詳細に述べる。
【0008】
この図は、本発明の実施例を流路系統図で概略的に示す。本図は、第1作動液ポンプ1を含み、このポンプは体積流を圧力制御するポンプである。ポンプ1は、打撃装置と給送用モータの両方に作動液を供給するものであり、作動液容器2から作動液を吸い出す。ポンプ1から、作動液が導管3を通って打撃制御弁4へと流れ、打撃動作時には、作動液導管5を通ってさらに打撃装置6へと流れる。打撃装置6から、作動液は作動液容器2に還流する。作動液はまた、ポンプ1から導管3を通って給送用制御弁7へと流れ、この弁から導管8を通って給送装置の給送用モータ9へと流れ、さらに、導管10を通って給送用制御弁7に戻り、この弁を介して作動液容器2に戻る。給送用モータは、それ自体公知の液圧作動モータか、またはそれ自体公知の液圧シリンダでよい。このどちらも、給送用モータと総称される。給送用制御弁7はいわゆる比例弁であり、この弁のスプール7aの位置は、弁スプール7aの両側にある圧力面に作用する圧力によって調整が可能である。したがって、作動液はスプール7aの位置に比例して弁を流れ、スプール7aが中央位置にあるときは、作動液は流れず、また、スプール7aが中央位置からどちらかの方向に変位すると、弁内の作動液の流れはスプールの変位に比例して増加する。弁スプール7aが中央位置から移動する方向に応じて、加圧された作動液はそれぞれ導管3から導管8へと接続され、また、導管10は作動液容器2に接続される。また、その逆の場合も同様である。こういった制御弁の構造および機能は、一般的にこのようなものとして知られ、当業者にとっては自明のことであるため、詳述は不要である。
【0009】
ポンプ1を制御するために、第1制御圧力導管11が打撃装置の作動液導管5からシャトル弁12を介してポンプ1の制御圧力導管13に接続されている。給送用モータの導管8および10は、シャトル弁14を介してさらに第2制御圧力導管15に接続され、また、シャトル弁12を介してさらにポンプ1の制御圧力導管13に接続されている。こうして、打撃機器の最大圧力、およびそれに対応する給送用モータの作動液導管の最大圧力によって、ポンプ1が供給する作動液の量、すなわち体積流を制御する。同様に、給送用モータ9の導管8と10のうち、圧力の大きい方がシャトル弁14を介して影響を及ぼすことができる。
【0010】
この図はまた、第2作動液ポンプ16を示し、このポンプは作動液を、導管17を介して回転用制御弁18に供給し、さらに、作動液導管19を介して回転用モータ20に供給する。回転用モータ20から、作動液は第2作動液導管21を経て弁18に戻り、この弁を通って作動液容器2に戻る。給送用制御弁7と同様に、回転用制御弁18は比例弁であり、給送用制御弁と同様の機能を果たす。
【0011】
回転と給送を制御するには、図に示されるステアリング弁22および23が必要である。流体結合に使用されるステアリング弁や他の弁を正常に機能させるには、適切な圧力の作動液をこれらの弁に供給しなければならない。そのために、ポンプ1の作動液導管3は、ここでは一例として、ポンプ1の別個の減圧弁24に接続されている。減圧弁24自体は作動液容器と接続され、弁24から伸びる作動液導管25は所定の圧力の作動液を収容し、この作動液はステアリング弁22および23の両方に供給される。
【0012】
回転ステアリング弁22は、2つの導管25および27によって回転用制御弁18に接続され、これらの導管が弁18のスプール18aの両制御圧力面に接続されている。回転を正転方向に導く導管26は、打撃制御弁4に作用するように接続され、回転制御圧力が所定の圧力値を超すと打撃装置6が回転と同時に作動するように切り替わる。通常状態とは逆の方向へ回転させるには、導管27を介して回転用制御弁18のスプール18aの反対側制御圧力面に回転用制御弁18の制御圧力を加えるよう切り替えて、回転方向を転換する。これは、各ドリルロッド間を切り離すのに利用する。
【0013】
給送ステアリング弁23も同様に、導管28および29を介して給送用制御弁7を制御するように接続されている。順方向給送時には、圧力差で制御される比例圧力調整弁である給送調整弁30に制御圧力を導管28を介して接続し、さらに導管31を介して給送用制御弁7のスプール7aの第1制御圧力面に接続する。給送用制御弁7のスプール7aは、圧力に比例して移動し、それに比例して、作動液が給送用モータ9に相応に流れるようにする。導管32は、給送用制御弁7の第2制御圧力面からシャトル弁33に伸び、シャトル弁33の一端は制御導管29に接続されて復帰動作を行い、シャトル弁33の他端は導管34を介して給送調整弁30に接続されている。給送調整弁30の第2導管は、作動液容器2に接続されている。
【0014】
回転用モータ20の導管19および21からは、制御導管35および36が給送調整弁30のスプール30aの両制御圧力面にそれぞれ作用するように接続されている。導管19および21はさらにシャトル弁37に接続され、この弁は回転用作動液ポンプ16の制御圧力導管38に接続されて、回転用モータの導管19および21に作用する最大圧力で、回転用ポンプ16の作動液の体積流を制御する。
【0015】
通常の掘削状況において、打撃時および回転中に、作動液圧は給送ステアリング弁23から給送調整弁30および導管31を介して、給送用制御弁7のスプール7aの第1制御圧力面に作用することができ、それによって、ポンプ1から給送装置9への通常給送に相当する作動液流を設定することができる。したがって、回転速度に要する分の標準圧の作動液流が、ポンプ16から導管17を介して、また回転用制御弁18および導管19を介して回転用モータに供給される。このとき、導管21には低い圧力がかかっていて、導管19の圧力はポンプ16の作動液の給送をシャトル弁37および導管38を通じて制御する。この場合、給送調整弁30は通常位置にあり、導管31にはステアリング弁23から圧力がかかり、また、かなり低い、ゼロに近い圧力が導管34および32にかかる。
【0016】
回転抵抗が大きくなるにつれ、回転用モータ20の両端の圧力差も大きくなり、その結果、それに応じて給送調整弁30に作用する圧力差も大きくなり、この弁のスプール30aはバネ30bに逆らって通常位置から移動する。実際には、圧力差にある所定の閾値があって、この閾値を超えると、スプール30aが移動可能となるのが望ましい。そのために、バネ30aの張りを調整して、所望の閾値を持たせるとよい。圧力差が増大した結果、導管31を介して給送用制御弁7のスプール7aの第1制御圧力面にかかる圧力は、差の増大に応じた割合で低下し、また、導管34、シャトル弁33および導管32を介して第2の制御圧力面、すなわち、給送用制御弁7のスプール7aの反対側の圧力面にかかる圧力は、同じ割合で大きくなる。この圧力差の変化によって、給送用制御弁7のスプール7aは、それに応じて中央位置に向かって移動し、給送用モータ9に供給される作動液の流速が低下する。それを受けて、給送速度も同様に低下する。回転抵抗が増大し続けると、給送調整弁30のスプール30aの位置も大きく変化する。その結果、導管31と32の圧力差がさらに減少し、給送用制御弁7のスプール7aはその中央位置にさらに接近する。このこと自体が、給送用モータ9に供給される作動液の流速を減速させ、さらに給送が遅くなる。
【0017】
回転抵抗が高まり続けると、ある時点で給送調整弁30のスプール30aは、導管31および32の圧力がほぼ同じになる位置に移動する。この場合、給送用制御弁7のスプール7aはほぼ中央に位置し、給送用モータ9への作動液の供給は、弱まるものの、順方向に行われる。その後、回転抵抗がさらに大きくなると所定の閾値を超えてしまい、給送調整弁30は、給送用制御弁7にかかる制御圧力を反対方向に切り替える。そこで、制御弁7のスプール7aは復帰動作方向に移動し、給送用モータ9が復帰動作に切り替わる。前述の第2の閾値を超えると、給送用モータに供給される作動液の流量が減少し、この第2の閾値は、復帰動作と給送動作の切替えを左右する閾値より小さい。
【0018】
復帰動作を受けて回転抵抗が低下すると、回転用モータ20の作動液導管19における圧力もそれに応じて低下し、導管19と21の間の圧力差が減少する。その結果、給送調整弁30のスプール30aは通常位置に向けて戻ることが可能となり、圧力差が再び閾値よりも低くなると、給送用制御弁7に作用する制御圧力は通常給送の状態になって、給送用モータ9は、制御弁7に制御されて、通常給送動作に切り替わる。
【0019】
この場合、給送動作が、通常の速度による順方向への給送動作に即座に切り替わると、回転抵抗が急に高まって次に減少するため、従来技術では前後への振子運動が生じるであろう。この振子運動を軽減するために、制動要素39が給送調整弁30のスプール30aに作用するように接続されている。この制動要素はピストン40を含み、このピストンはシリンダ41中を動く。ピストン40の両端は、回転用モータの導管19の圧力の作用を受ける。また、ピストン40の他端側には、ピストン40を給送調整弁30のスプール30aの方に押すためのバネ42が設けられている。ピストン40はさらに逆止弁43を含み、この弁を介して、作動液は調整弁30のスプール30a側からその反対側、すなわちピストン40のバネ42側に自由に流動できる。このピストンに代わって、逆止弁43を別の場所に設けることも当然ながら可能であり、例えば、シリンダ41のピストン40の両側の空間を接続する導管に設けてもよい。調整弁30のスプールが通常位置にある場合、ピストン40はスプールの影響を受けてバネ42に押し付けられる。回転用モータ30の両端の圧力差が大きくなると、調整弁30のスプールはピストン40から離れ、バネ42に押されたピストン40は、所定の位置、すなわち少なくともほぼ最低給送量分だけスプールの方へと動いて、調整弁30のスプール30aが大きな回転抵抗によって生じる圧力差の影響を受けてこの定位置にある間は、その所定位置に留まる。給送方向を変えるために、スプール30aをピストン40の最端位置から同方向にさらにある距離だけ動かしてもよい。回転抵抗が低下した結果、圧力が低下するため、調整弁30のスプール30aはピストン40の方へ戻る。スプール30aがピストン40に当たってピストン40をバネ42の方へ押し始めると、作動液はチョーク44を介してのみバネ側の空間に流出することができ、その結果、調整弁30に作用する導管35および36の圧力に関係なく、調整弁30のスプール30aは遅延をもって通常位置の方へ移動することができ、この遅延は、チョーク44の大きさを変更または調節することで調整可能である。同時に、給送速度も遅延をもって、急激にではなく増大する。
【0020】
本発明は、明細書および図面において一例としてのみ記載したが、決してこれに限定されるものではない。本質的なことは、削岩機の給送用モータの動作を回転用モータの両端に作用する圧力差に基づいて制御して、別個の調整弁によって、給送用制御弁の制御圧力および給送用モータに供給される作動液の流速を回転抵抗に比例して制御し、また、圧力差が所定値を超えた場合、給送動作を復帰動作に切り替えることである。図には、各機能用の個別の作動液ポンプ1および16と、複数の作動液容器2とが示されているが、実際には、これらすべての機能に要する作動液は、1つの共通の作動液ポンプから供給できるのが一般的であり、また作動液容器2は、普通、すべてのポンプおよび作動装置に共通のものである。実際には、さまざまな作動液ポンプを、図示のとおりに、あるいは他の公知の方法で、別々の流体接続に使用することも当然のことながら可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例を概略的に示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
削岩機における給送をドリルロッドの回転用モータの両端に作用する圧力差で制御して、回転抵抗が高まると、該回転抵抗に起因して前記回転用モータに作用する圧力差が所定の閾値を超えてから、給送用モータに供給される作動液の給送を制御する給送用制御弁のスプールを、給送動作が復帰動作に切り替わる位置まで動かす削岩制御方法において、該方法は、前記回転用モータの両端に作用する圧力差を利用して別個の給送調整弁を制御し、該調整弁は、前記給送用制御弁のスプールの制御圧力面につながる別々の制御圧力導管を用いて該給送用制御弁を制御するように配されて、前記圧力差が増大はしても前記閾値を下回るとき、前記給送調整弁が該圧力差に応じて前記給送用制御弁を制御する制御圧力の圧力値を調整して、それに応じて、該制御圧力の影響を受ける該給送用制御弁が前記給送用モータに供給される前記作動液の流速を低減させることを特徴とする削岩制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記回転用モータの両端に作用する圧力差は、該圧力差が前記閾値より小さい第2の閾値を超えると前記給送調整弁の制御を開始することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、前記回転抵抗によって生じる前記回転用モータの両端に作用する圧力差が前記閾値を再度下回り、前記給送用制御弁で制御される前記給送用モータが給送動作に切り替わると、該給送用制御弁の制御圧力の変更をその通常動作値に対して遅くすることで、給送動作速度の増加が緩やかになることを特徴とする方法。
【請求項4】
打撃装置、回転用モータおよび給送用モータを備えた削岩機を含み、該給送用モータは、該削岩機とこれに連結されるドリルロッドとを被掘削物体の方に押し出したり戻したりし、さらに、前記給送用モータに供給される作動液の給送を調整する給送用制御弁と、前記回転用モータに供給される作動液の給送を調整する回転用制御弁と、前記打撃装置、前記回転用モータおよび前記給送用モータに加圧した作動液を給送するための少なくとも1つの作動液ポンプとを含む削岩制御装置において、前記給送用制御弁は圧力差によって制御される流量調整弁であり、前記回転用モータの両端に作用する該回転用モータの作動液導管内の圧力差を前記給送用制御弁を制御するように接続して、該圧力差が大きくなるにつれて、該給送用制御弁は前記給送用モータへの作動液の流量を減少させ、前記圧力差が所定の閾値を超えたら該給送用モータへの作動液の流れを反対方向に切り替えて、前記給送用モータを復帰動作に切り替えることを特徴とする削岩制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の削岩制御装置において、該装置は前記圧力差で制御される比例圧力調整弁を含み、該調整弁に対して作動液導管が伸び、該調整弁から導管が作動液容器へと伸び、前記給送調整弁からは2つの制御圧力導管が前記給送用制御弁へと伸び、該調整弁に作用する圧力差の影響下で前記制御圧力導管の圧力を設定して、前記圧力差が前記所定の閾値を下回ると、第1の制御導管の圧力は実質的に前記調整弁に供給される作動液の圧力に、また第2の制御導管の圧力は実質的に前記作動液容器の圧力になるようにし、前記圧力差が大きくなると、該圧力差の増大に比例して第1の制御圧力導管の圧力が低下するようにし、それに対して第2の制御圧力導管の圧力は増大するようにして、これによって、前記圧力差の変化で前記給送用制御弁を対応して制御して、前記給送用モータに供給される作動液の流速を低減させ、前記回転用モータの両端に作用する前記圧力差が前記所定の閾値に達すると、前記制御圧力導管に小さな圧力差が生じ、これによって前記給送用モータに対する作動液の流量は最低量となり、前記圧力差がさらに大きくなると、第1の制御圧力導管の圧力は前記作動液容器の圧力値に近くなり、第2の制御圧力導管の圧力は前記調整弁に供給される作動液の圧力値に近くなり、その結果、前記給送用モータに供給される作動液の流れ方向が変化して、該給送用モータが復帰動作に切り替わることを特徴とする削岩制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の削岩制御装置において、前記給送調整弁は制動要素を含み、該要素は、回転抵抗が低減して前記回転用モータの両端に作用する圧力差が小さくなると、該調整弁のスプールが通常の動作位置に戻るのを遅くさせ、その結果、該調整弁から伸びる前記制御圧力導管の圧力の変化がその通常の圧力値に対して緩やかになり、それによって前記給送用モータに流れる作動液の速度の増加が遅延をもって生ずるように前記給送用制御弁を制御することを特徴とする削岩制御装置。
【請求項7】
作動液圧で制御され、スプールを含む比例調整弁であって、該スプールは、回転用モータの両端に作用する作動液の圧力差によって該スプールを該調整弁内で移動させるための制御圧力面を両側に含み、さらに、加圧した作動液を該調整弁に給送し、実質的に非加圧の作動液を該調整弁から除去する導管と、該調整弁で圧力が調整される前記作動液を該調整弁から引き出す少なくとも1つの導管とを含む削岩制御の比例調整弁において、該調整弁は制動要素を含み、該制動要素は前記スプールが一方向に移動するときは自由な移動を可能とし、該スプールが反対方向に移動しようとする場合には該スプールの動作を遅くさせることを特徴とする比例調整弁。
【請求項8】
請求項7に記載の調整弁において、前記制動要素は、シリンダ空間内を移動するピストンを含み、該ピストンは、前記スプールとは反対側に設けられたバネの影響を受け、前記制動要素はさらに、前記シリンダ空間のスプール側の部分から前記バネ側の部分へ前記作動液を実質的に無抵抗で流し、同じ経路を逆流するのを防止する逆止弁と、前記バネ側のシリンダ空間を前記スプール側のシリンダ空間と接続して前記作動液の流れを遅延させるチョークとを含むことを特徴とする調整弁。

【図1】
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【公表番号】特表2008−536029(P2008−536029A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505914(P2008−505914)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【国際出願番号】PCT/FI2006/050137
【国際公開番号】WO2006/108918
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(506286478)サンドビク マイニング アンド コンストラクション オサケ ユキチュア (70)
【氏名又は名称原語表記】SANDVIK MINING AND CONSTRUCTION OY
【Fターム(参考)】