説明

前方監視MM波地形回避レーダを有するレーダ高度計

レーダ信号を送信するための送信器(12)と、反射レーダ信号を受信するための受信器と、送信器および受信器の一方または両方に結合された少なくとも1つのアンテナ(20、24)とを含むレーダ高度計(10)について述べる。高度計はまた、走査運動で運動するように構成された前向きミリメートル波(MMW)アンテナ(34)、MMWアンテナ、送信器、および受信器に結合された周波数アップ/ダウンコンバータ(18)、ならびにレーダ信号プロセッサ(30)を含む。コンバータは、MMWアンテナを介して送信するために、送信器から受け取った周波数をMMW周波数にアップコンバートし、受信された周波数を、受信器に出力されるレーダ周波数にダウンコンバートする。レーダ信号プロセッサは、MMWアンテナの走査運動を制御し、走査運動の一部分についてアンテナ部で受信された信号を処理し、走査運動の他の部分についてMMWアンテナ部で受信された信号を処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にレーダ高度計に関し、より詳細には、前方障害物回避機能を有するレーダ高度計に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の飛行のあらゆる段階における航空機の適正な航行は、通過しつつある地形を決定する能力、さらにその航空機の位置を決定する能力に大いに基づいている。この点について、計装(instrumentation)、レーダシステム、特にレーダ高度計が、正確な電子地形図と組み合わせて使用される。レーダ高度計は、地図上で物体の高さと場所を提供する電子地形図と共に、飛行と、その航空機のために飛行経路を計画する際に役立つ。
【0003】
レーダ高度計は、一般に航空機内で実装される。レーダ高度計は、一般に、電磁エネルギーのパルスを規則的な間隔でアンテナに印加するための送信器を含み、次いでアンテナは、そのエネルギーを送信ビームの形態で地表に向かって放射する。レーダからの送信ビームは、送信ビームを反射する領域(たとえば、地面)を「照明する」と言われることがある。
【0004】
レーダ高度計はさらに、戻りパルス、エコー、または戻り信号と呼ばれることがある反射パルスを受信する信号受信器を含む。戻りパルスは、受信アンテナ部で受信され、地表から反射された送信ビームを構成する。いくつかのレーダ高度計は送受信用に単一のアンテナを使用することが知られている。送信されたパルスと、その関連する戻りパルスとの間の時間間隔を測定するための閉ループサーボトラッカもまた、レーダ高度計の一部を形成する。送信パルスと戻りパルスとの間の時間間隔は、送信パルスを反射している地面上で最も高い物体の上方の航空機の高度に直接関係する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、非常に低い高度で飛行したとき、飛行経路内において、その航空機の正面にあるいくつかの地形の特徴は、検出することができないおそれがある。周知の航空機レーダ高度計は、概して、航空機飛行経路の正面にある物体を検出しない。諸例には、たとえば高い建築物、または崖の側部が含まれる。
【0006】
したがって、レーダ高度計を備える航空機は高度を決定することができるが、その航空機は、概して、たとえばコストのかかる走査レーザレーダをも備えていない限り、その正面にある物体を認識することができない。そのような走査レーザレーダは、コストがかかること、また飛行体にとって常に問題である比較的重いことに加えて、たとえば雨、雪、霧、粉塵、煙のうち1つまたは複数に遭遇したとき効果がないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、レーダ信号を地面に向かって送信するための送信器と、地面から反射レーダ信号を受信するための受信器と、送信器および受信器の一方または両方に結合された少なくとも1つの高度計アンテナとを備えるレーダ高度計が提供される。レーダ高度計はまた、走査運動で運動するように構成された前向きミリメートル波(MMW)アンテナと、MMWアンテナ、送信器、および受信器に結合された周波数アップ/ダウンコンバータとを備える。コンバータは、送信器から受け取った周波数をMMW周波数にアップコンバートし、そのMMW周波数をMMWアンテナに出力し、また、MMWアンテナ部で受信された周波数をレーダ周波数にダウンコンバートし、そのレーダ周波数を受信器に出力する。レーダ高度計はまた、送信器、受信器、およびMMWアンテナに結合されたレーダ信号プロセッサを備える。プロセッサは、MMWアンテナからの送信の走査運動を制御し、走査運動の一部分について高度計アンテナ部で受信された信号を処理し、走査運動の他の部分についてMMWアンテナ部で受信された信号を処理する。
【0008】
他の態様では、前方障害物通知を提供するようにレーダ高度計を動作させる方法が提供される。高度計は、前向きミリメートル波(MMW)アンテナと、レーダ高度計の処理回路およびMMWアンテナに結合された周波数アップ/ダウンコンバータと、処理回路に結合された高度計送信アンテナおよび受信アンテナとを備える。本方法は、水平部分と、水平部分の端部の方向転換(turnaround)部分とを有する走査運動で、MMWアンテナからの送信を運動させること、走査運動の水平部分中に、MMWアンテナ部で信号を送信、受信、および処理すること、ならびに、走査運動の方向転換部分中に、高度計送信アンテナおよび受信アンテナ部で信号を送信、受信、および処理することを含む。
【0009】
他の態様では、前方障害物警告ユニットを備えるレーダ高度計が提供される。前方障害物警告ユニットは、互いに結合された周波数アップ/ダウンコンバータとミリメートル波(MMW)アンテナとを備える。MMWアンテナは、レーダ高度計の送信器部で発生された、周波数アップ/ダウンコンバータから受け取った信号を送信する。周波数アップ/ダウンコンバータは、MMWアンテナから信号を受け取り、周波数を下げ、周波数が下げられた信号をレーダ高度計の受信器に渡す。
【0010】
他の態様では、前方障害物警告機能をレーダ高度計内に組み込むための方法が提供される。レーダ高度計は、前向きミリメートル波(MMW)アンテナを周波数アップ/ダウンコンバータに結合するサーキュレータを含む前方障害物警告ユニットであって、それぞれの送信スイッチおよび受信スイッチを介してレーダ高度計の送信器および受信器に結合される前方障害物警告ユニットを含む。送信器および受信器はまた、高度計機能のために、送信スイッチおよび受信スイッチを介して、少なくとも1つのレーダアンテナに結合される。本方法は、レーダ高度計のプロセッサを使用して、MMWアンテナからの送信の位置を制御すること、MMWアンテナ部で受信されたレーダ戻りを処理し、前方障害物に対する範囲を決定すること、および、レーダ高度計アンテナ部で受信されたレーダ戻りを処理し、高度を決定することを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
前方障害物回避機能を実現するレーダ高度計について本明細書で述べる。一実施形態では、レーダ高度計は、当技術分野で周知のように、レーダ高度計アンテナからの送信およびレーダ高度計アンテナ部で受信された反射に基づいてダウンルッキング高度機能を実現する。高度計はまた、前向きミリメートル波(MMW)アンテナからの送信、および同アンテナ部で受信された反射に基づく前方地形または障害物警告機能を含む。レーダ高度計は、著しい追加の信号処理機能をレーダ高度計に追加することなしに前方警告機能を実現する。
【0012】
図1は、上述の前方障害物回避機能を組み込むレーダ高度計10の一実施形態を示すブロック図である。レーダ高度計10は、送信器12と、受信器14とを含む。一実施形態では、送信器12の出力は、送信スイッチ16を介して、周波数アップ/ダウンコンバータ18、または高度計機能の一部としてパルスを地面に向かって送信する送信アンテナ20のうち一方に経路指定される。受信器14は、受信器スイッチ22からその入力を受け取り、受信器スイッチ22は、周波数アップ/ダウンコンバータ18と、レーダ高度計機能の別の一部として送信アンテナ20から生じた、地面から反射されたレーダパルスを受信する受信アンテナ24との間で切り替える。
【0013】
さらに、送信器12は、レーダプロセッサ30から生じるパルス変調および位相変調データを受け取る。受信器14は、アンテナ18部で受信されたレーダ戻りデータをレーダプロセッサ30に転送する。レーダプロセッサ30は、それが設置されている飛行体の高度を決定し、その高度データを、ディスプレイ、および飛行体の航空電子工学システム内で高度データを使用する他の機能に直接または間接に転送する。
【0014】
上述のように、レーダ高度計10は、それぞれの送信スイッチ16および受信器スイッチ22を介して送信器12および受信器14に共に結合される周波数アップ/ダウンコンバータ18を含む。周波数アップ/ダウンコンバータ18はまたサーキュレータ32に結合され、サーキュレータ32はさらに、ミリメートル波(MMW)アンテナ34に結合される。サーキュレータ32は、そのアンテナポート36部で生じるエネルギーをその受信ポート38に、また、その送信ポート40部で生じるエネルギーをアンテナポート36に循環させ、単一のアンテナで送受信することを可能にする。周波数アップ/ダウンコンバータ18は、受信されたMMW周波数信号を、レーダ高度計10の受信器14の動作周波数にダウンコンバートし、また、レーダ高度計10の送信器12からの送信信号を、送信するためにMMW周波数にアップコンバートする。レーダプロセッサ30は、典型的にはデータフォーマッタ(図示せず)を介して、たとえば飛行体の高度および速度に関係するデータを提供する、飛行体内の慣性航法システム(INS)からデータを受信する。さらに、レーダプロセッサ30は、ミリメートル波アンテナ34からアンテナ位置42を受信し、アンテナ位置42は、閉ループ走査制御サーボ44内でフィードバックとして使用される。
【0015】
動作時には、レーダ高度計10は、周知のレーダ高度計の送信、受信、およびその関連信号処理機能を、サーキュレータ32および周波数アップ/ダウンコンバータ18を介してミリメートル波アンテナ34と組み合わせ、前方障害物回避機能を実現する。一実施形態では、MMWアンテナ34およびサーキュレータ32は、周波数アップ/ダウンコンバータ18と共に、少なくとも部分的には、その送信ビームを(図3に関連してさらに述べる)ラスタ走査運動で運動させることにより、20度×50度の視野を実現する。ラスタ走査運動は、レーダプロセッサ30を介して実現されるアンテナ位置決め機能、ならびに送信スイッチ16および受信器スイッチ22を介した、前方障害物回避機能とレーダ高度計機能との切替えを介して制御される。前方障害物回避機能は、やはりレーダプロセッサ30を介して、走査制御機能によってさらに制御される。
【0016】
さらに、レーダ高度計10は、電圧制御発振器(VCO)50、クロック52、シーケンサ58、中間周波数(IF)増幅器−フィルタ62、デジタイザ64、メモリ66を含む。
【0017】
送信器12は、送信スイッチ16を介して、アンテナ20を経て地面に向かってRFエネルギーのパルスを送信する。RFエネルギーは、シーケンサ58によって生成されたパルス圧縮2相符号化フォーマットを用いて変調され、被変調レーダ信号となる。送信器12の出力電力は、プロセッサ30によって閉ループの形で制御される。送信器12の出力電力は、低い検出確率に対して、プロセッサ30によって最小限に抑えられる。
【0018】
アンテナ24は、地面から反射された被変調レーダ信号を受信する。受信された信号は、受信器スイッチ22を介して経路指定され、受信器14によって増幅されIFにミックスダウンされ、さらにIF増幅器−フィルタ62によって増幅され帯域制限される。デジタイザ64は、受信された信号をデジタル化し、デジタル化されたサンプルをメモリ66に出力する。
【0019】
シーケンサ58は、(プロセッサ30によって決定され)、内部範囲ライン上でシーケンサ58に通信された)現在の高度遅延に対応する地面戻りサンプルを選択し、選択されたサンプルをメモリ66からプロセッサ30にシフトする。次いで、プロセッサ30は、サンプルの次の集合を範囲内で近づけるべきか、それとも遠ざけるべきか判定し、新しい内部範囲コマンドを生成する。その結果、閉ループ高度トラッキングサーボとなり、それにより、高度が変化したとき、プロセッサ30は、シーケンサ58にフィードバックされる内部範囲コマンドを変更するために使用される、ある程度の範囲トラッキングエラーを生成する。プロセッサ30は、その内部範囲から出力高度を生成する。
【0020】
周波数アップ/ダウンコンバータ18は、送信スイッチ16を介して送信器12に、また受信器スイッチ22を介して受信器14に結合される。MMWアンテナ34の動作は、たとえばプロセッサ30に対する結合を介して、アンテナ位置決めデータ42、および走査制御機能44を介して制御される。一実施形態では、周波数アップ/ダウンコンバータ18は、約4.3GHzで送信器12から生じるレーダ信号(RFエネルギー)を受信し、そのエネルギーを、MMWアンテナ34によって送信される、約35GHzのミリメートル波周波数にアップコンバートする。そのような送信は、物体によって反射させ、その後でMMWアンテナ34によって受信することができる。周波数アップ/ダウンコンバータ18は、約35GHzでMMWアンテナ34によって受信されたRFエネルギーを取り、受信器14に出力される、約4.3GHzでのレーダ信号にダウンコンバートする。サーキュレータ32は、周波数アップ/ダウンコンバータ18の送信ポート40からの送信信号をMMWアンテナ34に、またMMWアンテナ34によって受信された信号を周波数アップ/ダウンコンバータ18の受信ポート38に向けて送るように機能する。
【0021】
前方障害物回避機能を組み込むレーダ高度計の他の実施形態(図示せず)では、高度計の送受信機能用に単一のアンテナを使用することができるようにサーキュレータ(図示せず)が使用される。その実施形態では、サーキュレータは、送信器12から(送信器スイッチ16を介して)出力を受信し、その信号を、レーダパルスを送信するために単一のアンテナに送る。サーキュレータはまた、単一のアンテナ部で受信された反射パルスを受け取り、それらの信号を(受信器スイッチ22を介して)受信器12に向けて送る。したがって、サーキュレータは、送信器12および受信器14に共に結合され、さらに、単一のアンテナを送信モードと受信モードとの間で交互に入れ替えるように構成される。
【0022】
図3は、(図1に示されている)MMWアンテナ34のための走査パターンの、1つの可能な実施形態の図である。図の実施形態では、MMWアンテナ34は、その送信ビーム100をラスタ走査運動で運動させることにより、(仰角で)20度×(方位角で)50度の視野を実現する。総称して走査の方向転換部分と呼ばれるが、水平走査104の端部102で、また走査のフライバック部分106中に、レーダ高度計10内の前方障害物回避機能は、たとえばレーダプロセッサ30によってオフにされ、高度計機能が始動される。ひとたび高度計機能が完了し、MMWアンテナ34が再び水平で走査しつつあると、レーダ高度計処理は中止され、上述の前方測距機能が再び始動される。
【0023】
特定の一実施形態では、総称して前方障害物警告ユニットと呼ばれる周波数アップ/ダウンコンバータ18、サーキュレータ32、MMWアンテナ34の走査性能は、約2.6度のアンテナビーム幅を含む。
【0024】
図4は、上述の走査運動を実現するMMWアンテナ34の一実施形態を示す。MMWアンテナ34は、送信要素130と、送信要素130からの信号を反射するためのパラボラ反射器132と、パラボラ反射器132から反射された信号を反射する反射ツイストプレート134とを含む。反射ツイストプレート134は、反射信号を上述の走査運動で反射させるために、2つの回転軸で運動可能である。一実施形態では、反射ツイストプレート134は、反射ツイストプレート134から反射された信号136が、約垂直20度、水平50度の視野を実現するように運動可能である。反射ツイストプレート134の運動は、(図1に示されている)シーケンサ58および(図1に示されている)レーダプロセッサ30の一方または両方によって、上述のアンテナ位置決めデータおよび走査制御機能を提供することにより制御される。
【0025】
前方障害物警告ユニットの動作により、適度な低コストで前方障害物回避機能が実現される。さらに、レーダ高度計10を動作させる方法が提供される。本方法は、水平部分と、水平部分の端部の方向転換部分とを有する走査運動で、MMWアンテナ34からの送信を運動させることを含む。さらに、本方法は、走査運動の水平部分中に、MMWアンテナ34部で信号を送信、受信、および処理することを含む。信号は、走査運動の方向転換部分中に、高度計送信アンテナ20および受信アンテナ24部でそれぞれ送信、受信、および処理される。
【0026】
上述のように、本方法は、MMWアンテナ34からの送信をラスタ走査運動で運動する機能を含み、ラスタ走査の方向転換部分により走査運動に垂直成分がもたらされる。動作時には、信号が、レーダ送信器から周波数アップ/ダウンコンバータ18部で受け取られ、そこでその信号はMMW周波数にアップコンバートされ、その後で、送信するためにMMWアンテナ34に出力される。送信されたMMW信号は、物体から反射した後で、MMWアンテナ34部で受信され、周波数アップ/ダウンコンバータ18に転送され、そこでレーダ周波数信号にダウンコンバートされる。次いで、そのレーダ周波数信号は、レーダ受信器に送られる。レーダ高度計内におけるミリメートル波周波数での上述の前方障害物警告ユニットの動作は、あらゆる天候条件での実行を可能にし、レーダ高度計内で実装するために比較的コストがかからない。
【0027】
本方法はまた、単一のアンテナをサーキュレータを介して送信モードと受信モードの間で切り替え、高度計機能を実現するレーダ高度計にも適用可能であるが、そのような高度計は、特定の動作条件に制限される。サーキュレータまたは他の送信/受信スイッチを介した単一のレーダアンテナのタイムシェアリング送受信機能は、所望の最小レーダ範囲機能が0よりいくらか大きく、送信パルス幅に直接依存する場合に使用することができる。たとえば、(レーダ送信が約6.1m(20フィート)移動するのにかかる時間に対応する)40ナノ秒のパルス幅は、信号安定時間を考慮したとき、高度計範囲を約6.1m(20フィート)(送信と反射についてそれぞれ6.1m(20フィート))に制限する。しかし、航空機、特にヘリコプタは、高度計機能を0フィートまで使用し、したがって、高度機能のために別々の送信アンテナおよび受信アンテナが使用される。
【0028】
飛行のための前方障害物機能は、明らかな理由で0フィートの範囲まで使用することはできない。ヘリコプタ応用例については、約9.14m(30フィート)の範囲が、最小の使用可能な前方障害物警告範囲である。したがって、上述のようにサーキュレータを用いた単一のアンテナを使用し、前方障害物警告を実現しコストと重量を節約することができる。
【0029】
本発明について様々な、具体的な実施形態によって述べたが、本発明は、特許請求の範囲の精神および範囲内で修正して実施することができることを、当業者なら理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】前方障害物回避機能を組み込むレーダ高度計のブロック図である。
【図2】前方障害物回避機能のためのアンテナ走査パターンの図である。
【図3】図2の走査パターンを実現することが可能なアンテナ組立体の一実施例の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダ信号を地面に向かって送信するための送信器(12)と、
地面から反射レーダ信号を受信するための受信器(14)と、
前記送信器および前記受信器のうち少なくとも1つに結合された少なくとも1つの高度計アンテナ(20、24)と、
走査運動で運動する送信を提供するように構成された前向きミリメートル波(MMW)アンテナ(34)と、
前記MMWアンテナ、前記送信器、および前記受信器に結合され、前記送信器から受け取った受け取った周波数をMMW周波数にアップコンバートし、前記MMW周波数を前記MMWアンテナに出力し、また、前記MMWアンテナ部で受信された周波数をレーダ周波数にダウンコンバートし、前記レーダ周波数を前記受信器に出力する周波数アップ/ダウンコンバータ(18)と、
前記送信器、前記受信器、および前記MMWアンテナに結合され、前記MMWアンテナからの送信の前記走査運動を制御し、高度計機能のために前記走査運動の一部分について前記高度計アンテナ部で受信された信号を処理し、前記走査運動の他の部分について前記MMWアンテナ部で受信された信号を処理し、前方障害物警告機能を実現するレーダ信号プロセッサ(30)とを備えるレーダ高度計(10)。
【請求項2】
前記MMWアンテナ(34)からの送信の前記走査運動が、方向転換部分(102、106)を含むラスタ走査運動である、請求項1に記載のレーダ高度計(10)。
【請求項3】
前記高度計アンテナ(24)部で受信された信号が、前記MMWアンテナ(34)からの送信の前記ラスタ走査運動の方向転換部分(102、106)中に処理される、請求項2に記載のレーダ高度計(10)。
【請求項4】
前記MMWアンテナ(34)からの送信の前記ラスタ走査運動の方向転換部分(102、106)中に、信号が前記高度計アンテナ(20)から送信される、請求項2に記載のレーダ高度計(10)。
【請求項5】
前記走査運動を実現するために、前記MMWアンテナ(34)が、送信要素(130)と、前記送信要素からの信号を反射するためのパラボラ反射器(132)と、前記パラボラ反射器から反射された信号を反射し、前記反射信号を走査運動で反射させるために運動可能である反射ツイストプレート(134)とを備える、請求項1に記載のレーダ高度計(10)。
【請求項6】
前記送信器(12)を、前記高度計アンテナ(20)および前記周波数アップ/ダウンコンバータ(18)のうちの1つに交互に結合する送信スイッチ(16)と、
前記受信器(14)を、前記高度計アンテナ(24)および前記周波数アップ/ダウンコンバータのうちの1つに交互に結合する受信器スイッチ(22)とをさらに備える、請求項1に記載のレーダ高度計(10)。
【請求項7】
前方障害物通知を提供するようにレーダ高度計(10)を動作させる方法であって、前記高度計が、前向きミリメートル波(MMW)アンテナ(34)と、前記レーダ高度計の処理回路および前記MMWアンテナに結合された周波数アップ/ダウンコンバータ(18)と、前記処理回路に結合された高度計送信アンテナおよび受信アンテナ(20、24)とを含み、
水平部分(104)と、前記水平部分の端部の方向転換部分(102、106)とを有する走査運動で、前記MMWアンテナからの送信を運動させるステップと、
前方障害物の警告を実現するために、前記走査運動の前記水平部分中に、前記MMWアンテナ部で信号を送信、受信、および処理するステップと、
高度計機能を実現するために、前記走査運動の前記方向転換部分中に、前記高度計送信アンテナおよび受信アンテナ部で信号を送信、受信、および処理するステップとを含む方法。
【請求項8】
前記MMWアンテナ(34)を走査運動で運動させるステップが、前記MMWアンテナをラスタ走査運動で運動させるステップを含み、前記方向転換部分(102、106)が前記走査運動に垂直成分をもたらす、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記レーダ高度計(10)が送信器(12)を含み、前記MMWアンテナ(34)部で信号を送信、受信、および処理するステップが、
前記送信器からの信号を前記周波数アップ/ダウンコンバータ(18)部で受け取るステップと、
前記受信された信号をMMW周波数信号にアップコンバートするステップと、
前記MMW周波数信号を前記MMWアンテナに出力するステップとを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記レーダ高度計(10)が受信器(14)を含み、前記MMWアンテナ(34)部で信号を送信、受信、および処理するステップが、
MMW周波数信号を前記MMWアンテナ部で受信するステップと、
前記受信されたMMW周波数信号を前記周波数アップ/ダウンコンバータ(18)に転送するステップと、
前記MMW周波数信号をレーダ周波数信号にダウンコンバートするステップと、
前記レーダ周波数信号を前記受信器に出力するステップとを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記レーダ高度計(10)が、前記周波数アップ/ダウンコンバータ(18)を前記MMWアンテナ(34)に結合するサーキュレータ(32)を含み、前記受信されたMMW周波数信号を前記周波数アップ/ダウンコンバータに転送するステップが、
前記MMW周波数信号を前記サーキュレータ部で受け取るステップと、
前記MMW周波数信号を前記周波数アップ/ダウンコンバータに渡すステップとを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記高度計(10)が、反射パラボラ反射器(132)と反射ツイストプレート(134)とをさらに含み、前記MMWアンテナ(34)部で信号を送信、受信、および処理するステップが、
前記MMWアンテナから信号を前記パラボラ反射器に向かって送信するステップと、
前記パラボラ反射器から前記信号を前記反射ツイストプレートに向かって反射するステップと、
前記信号を走査パターンで反射させるために、前記反射ツイストプレートを運動するステップとを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
周波数アップ/ダウンコンバータ(18)と、
前記コンバータに結合され、前記周波数アップ/ダウンコンバータから受け取った信号を送信するように構成されたミリメートル波(MMW)アンテナ(34)であって、前記周波数アップ/ダウンコンバータが前記レーダ高度計の送信器(12)から信号を受け取るように構成され、前記MMWアンテナがさらに、受信された信号を前記周波数アップ/ダウンコンバータに渡すように構成され、前記周波数アップ/ダウンコンバータがさらに、前記レーダ高度計の受信器(14)に信号を出力するように構成された、MMWアンテナとを備える前方障害物警告ユニットを備えるレーダ高度計(10)。
【請求項14】
前記ユニットが、
高度計送信器(12)の出力を高度計送信アンテナ(20)と前記周波数アップ/ダウンコンバータ(18)との間で切り替えるように構成された送信スイッチ(16)と、
高度計受信器(14)の入力を高度計受信アンテナ(24)と前記周波数アップ/ダウンコンバータ(18)との間で切り替えるように構成された受信スイッチ(22)とを備える、請求項13に記載のレーダ高度計(10)。
【請求項15】
前記前方障害物警告ユニットが、前記MMWアンテナ(134)から送信された信号をラスタ走査パターンで反射するように運動する反射ツイストプレート(134)をさらに備える、請求項13に記載のレーダ高度計(10)。
【請求項16】
前記前方障害物警告ユニットが、前記ラスタ走査パターンの垂直部分(102、106)中に非活動状態となり、前記ラスタ走査パターンの水平部分(104)中に活動状態となるように構成される、請求項15に記載のレーダ高度計(10)。
【請求項17】
前方障害物警告機能をレーダ高度計(10)内に組み込むための方法であって、前記レーダ高度計が、前向きミリメートル波(MMW)アンテナ(34)を周波数アップ/ダウンコンバータ(18)に結合するサーキュレータ(32)を含む、またそれぞれの送信スイッチおよび受信スイッチ(16、22)を介して前記レーダ高度計の送信器(12)および受信器(14)に結合される前方障害物警告ユニットを含み、前記送信器および受信器もまた、高度計機能のために前記送信スイッチおよび受信スイッチを介して少なくとも1つのレーダアンテナ(20、24)に結合され、
前記MMWアンテナからの送信の位置を、前記レーダ高度計のプロセッサ(30)を使用して制御するステップと、
前記MMWアンテナ部で受信されたレーダ戻りを処理し、前方の物体に対する範囲を決定するステップと、
前記少なくとも1つのレーダアンテナ部で受信されたレーダ戻りを処理し、高度を決定するステップとを含む方法。
【請求項18】
前記MMWアンテナ(34)の位置を制御するステップが、前記MMWアンテナからの送信をラスタ走査運動で運動させるように前記プロセッサ(30)をプログラムするステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記MMWアンテナ(34)部で受信されたレーダ戻りを処理するステップが、前記ラスタ走査運動の水平部分(104)中に前記MMWアンテナ部で受信された戻りを処理するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記レーダアンテナ(24)部で受信されたレーダ戻りを処理するステップが、前記MMWアンテナ(34)の前記ラスタ走査運動の方向転換部分(102、106)中に前記レーダアンテナ部で受信された戻りを処理するステップを含む、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−500858(P2007−500858A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533653(P2006−533653)
【出願日】平成16年6月9日(2004.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/018343
【国際公開番号】WO2005/001509
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】