説明

前面電極を有する半導体太陽電池及びその製造方法

【課題】高い光収率効果を得ることができる太陽電池及びその形成方法を提供する。
【解決手段】本発明の太陽電池は、光受容表面及びP−N整流接合を有する基板を含む。前記P−N整流接合は、前記基板に提供される第1導電型(例えば、P型)のベース領域及び前記ベース領域と前記光受容表面との間に延長される第2導電型の半導体層を含む。前記半導体層を貫通して前記ベース領域に延長するトレンチがまた提供される。第1及び第2電極は、前記光受容表面付近に提供される。第1電極が前記半導体層に電気的に接続され、第2電極は、前記トレンチの下部に隣接する前記ベース領域に電気的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池及びその製造方法に関し、より詳細には、半導体太陽電池及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、太陽エネルギ(例えば、太陽光)を電気に変換する素子である。太陽電池は、多くの適用形態がある。個別のセルは、小さな機構に電力を供給する用途に使われることができ、セルの大きいアレイ(例えば、光電池(photovoltaic)アレイ)は、動力網からの電力が得られない状況で特に有用となる再生可能エネルギの形態を生産することに使われることができる。太陽電池アレイは、現在グリッド基盤の電気システムのために開発されている。
【0003】
太陽電池は、基板に入射される光の吸収によって基板(例えば、半導体基板)内で電子−正孔対を形成することによって作動する。光子が吸収される際、前記基板の結晶格子内の電子にそのエネルギを供給する。一般的に、このような電子は、結晶格子の価電子帯に存在して、周辺原子の間に共有結合に強く拘束される。前記光子によって電子に供給されたエネルギは、前記電子を結晶格子の伝導帯に励起して、前記基板内で自由に移動させることに充分なものでありうる。その電子が以前に属していた共有結合は、“正孔(hole)”として知られている、一つの少ない電子を有する。不足している共有結合の存在は、隣接する原子の結合された電子が“正孔”に移動することを可能にし、異なる正孔を残して、このようにして正孔は格子を通じて移動することができる。基板内で電子及び正孔のこのような移動は、太陽電池に接続された負荷を横切るdc電圧を形成することに利用されることができる。
【0004】
特に、P−N接合で形成されるビルトイン電場は、電子−正孔対の電子と正孔を各々n型半導体領域及びp型半導体領域に移動させることに充分なものでありうる。p−n接合及び半導体基板の対向する表面上の一対の電極を利用する太陽電池の一例が特許文献1及び 特許文献2に開示されている。太陽電池の他の例は、特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許4、726、850号明細書
【特許文献2】米国特許4、748、130号明細書
【特許文献3】米国特許7、335、555号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高い光収率効果を得ることができる太陽電池を提供することにある。
【0007】
本発明の他の課題は、高い光収率効果を得ることができる太陽電池を形成する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明の実施形態による太陽電池は、光受容表面と、P−N整流接合を有する基板とを含む。前記P−N整流接合は、前記基板に提供される第1導電型(例えば、P型)のベース領域と、前記ベース領域と前記光受容表面との間に延長される第2導電型の半導体層とを含む。前記半導体層を貫通して前記ベース領域に延長するトレンチがまた提供される。第1及び第2電極は、前記光受容表面附近に提供される。第1電極が前記半導体層に電気的に接続され、第2電極は、前記トレンチの下部に隣接する前記ベース領域に電気的に接続される。
【0009】
本発明の追加的な実施形態によると、太陽電池は、前記第2電極と前記第2導電型の半導体基板との間に延長して、その間に電気的な絶縁性を提供する電気的に絶縁なトレンチ側壁スペーサが前記トレンチの側壁上に追加に提供されることができる。又、前記第2導電型の半導体層は、単結晶シリコンに比べて互いに異なるバンドギャップを有する非晶質シリコン層でありうる。特に、前記第2導電型の半導体層は、前記基板とヘテロ接合を形成する非晶質シリコン層でありうる。このような実施形態による太陽電池は、前記第2導電型の半導体層と前記ベース領域との間に延長する第2導電型の境界層を含むことができる。前記第2導電型の境界層は、前記第2導電型の半導体層と非整流ヘテロ接合を形成することができ、前記ベース領域とP−N整流接合を形成することができる。
【0010】
本発明のまた他の実施形態は、前記光受容表面上に反射防止層をさらに含む。前記光受容表面は、局部的な凹凸がある不規則的な表面形状を有する。特に前記非整流ヘテロ接合は、非平坦な接合形状を有することができ、前記光受容表面は、前記非整流ヘテロ接合の非平坦な接合形状と類似の不規則的な表面形状を有することができる。又、前記非整流ヘテロ接合は、第1非平坦接合形状を有し、前記整流接合は、前記第1非平坦接合形状と類似している第2非平坦接合形状を有することができる。
【0011】
本発明の追加的な実施形態は、太陽電池を形成する方法を含む。この方法のうち、いくつかは第1導電型(例えば、n型)のベース領域を有する半導体基板上に第2導電型(例えば、p型)の半導体層を形成する段階を含む。前記第2導電型の半導体層を通じて前記ベース領域に延長する第1トレンチが形成される。前記第1トレンチを形成する段階において、前記第2導電型の半導体層上に反射防止層を形成する段階が先行される。前記第1トレンチの側壁上にトレンチ側壁スペーサが形成される。前記第1及び第2トレンチは、前記基板を横切って延長するストライプ型でありうる。前記第2トレンチは、前記ベース領域に電気的に接続された第1電極で満たされる。前記第2トレンチを満たす段階において、前記第2トレンチの下部及び側壁に第1導電型不純物を注入する段階が先行されることができる。第2電極は、また前記第2導電型の半導体層と接触して形成されることができる。前記第2電極は、前記第1トレンチの外部及び/又は内部に形成されることができる。本発明のいくつかの実施形態によると、第1トレンチを形成する段階において、前記ベース領域に第2導電型の境界層を形成する段階が先行されることができる。前記境界層は、前記半導体層から前記ベース領域に複数の第2導電型の不純物を拡散することによって、前記ベース領域に第2導電型の境界層を形成して、それによって前記ベース領域の一部が第1導電型から第2導電型に転換されて形成されることができる。前記境界層は、非晶質シリコンを含むことができる前記半導体層と非整流ヘテロ接合を形成することができる。前記半導体層は、前記基板の表面上にインシチュ(in−situ)ドーピングされた非晶質シリコン層を蒸着して形成されることができる。前記表面は、局部的な凹凸が形成された不規則な表面形状を有することができる。
【0012】
本発明の追加的な実施形態による太陽電池の形成方法は、表面に局部的な凹凸を形成するために第1導電型のベース領域を有するシリコンウエハの表面を形成する段階を含む。前記表面が形成された後、前記形成された表面上にインシチュドーピングされた第2導電型の非晶質シリコン層が蒸着されることができて、それによって前記表面と凹凸が形成された整流ヘテロ接合を形成する。前記非晶質シリコン層は、約1019cm−3から約1021cm−3の範囲のドーピング濃度を有することができる。その後、第2導電型の境界層は、前記非晶質シリコン層から前記ベース領域に、複数の第2導電型の不純物を拡散することによって前記ベース領域に第2導電型の境界層を形成して、それによって前記ベース領域の一部が第1導電型から第2導電型に転換されることによって形成されることができる。その後、トレンチは、前記非晶質シリコン層と前記境界層を貫通して前記ベース領域に延長されるように形成されることができる。第1及び第2電極が形成される。前記第1電極は、前記非晶質シリコン層に電気的に接続され、前記第2電極は、前記トレンチの下部附近の前記ベース領域に電気的に接続される。本発明のいくつかの実施形態において、前記第1及び第2電極を形成する段階は、前記トレンチの下部に第2電極を形成する段階と、電気的絶縁分離層で前記第2電極を覆った後に前記トレンチの上部附近に第1電極を形成する段階とを含む。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態において、凹凸を形成する段階は、エッチング液に表面を露出して、追加的なエッチングに対して局部的なエッチングマスクとして作用する残余物を形成するように前記半導体ウエハの表面をエッチングする段階を含む。特に、表面に凹凸を形成する段階は、塩素及び弗素を含む乾式エッチング液に表面を露出することを含む。特に、前記乾式エッチング液は、低圧工程チャンバで塩素Cl、酸素O及びSFソースガスの組合によって形成されることができる。
【0014】
本発明の追加的な実施形態によって、境界層を形成する段階は、約500℃から約900℃の範囲の温度で、第2導電型の非晶質シリコン層を熱処理して約500Åから約2000Åの範囲で所望の厚さを有する境界層を形成することを含む。特に、トレンチを満たす段階は、前記半導体基板の表面に複数の交差する溝を形成してグリッド型トレンチを形成する段階を含む。前記グリッド型トレンチは、前記シリコンウエハの周辺部近辺に最外部のリング形トレンチを含む。前記第1電極を形成する段階は、前記第1電極の一部及びリング形トレンチ内の電気的絶縁分離層の一部を選択的に除去して、それによって前記第2電極を露出する段階を含む。
【発明の効果】
【0015】
上述のように、本発明によると、高い光収率効果を得ることができる太陽電池を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池の断面図である。
【図2】図1の太陽電池のA部分の拡大断面図である。
【図3】本発明の実施形態による集積回路太陽電池を形成する方法を示す図1の中間構造の断面図である。
【図4】本発明の実施形態による集積回路太陽電池を形成する方法を示す図1の中間構造の断面図である。
【図5】本発明の実施形態による集積回路太陽電池を形成する方法を示す図1の中間構造の断面図である。
【図6】本発明の実施形態による集積回路太陽電池を形成する方法を示す図1の中間構造の断面図である。
【図7】本発明の実施形態による集積回路太陽電池を形成する方法を示す図1の中間構造の断面図である。
【図8】本発明の実施形態による集積回路太陽電池を形成する方法を示す図1の中間構造の断面図である。
【図9】本発明の実施形態による集積回路太陽電池を形成する方法を示す図1の中間構造の断面図である。
【図10A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池の平面図である。
【図10B】図10Aの集積回路太陽電池のI−I’線に沿った断面図である。
【図11】図10Bの太陽電池のA部分の拡大断面図である。
【図12A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池の平面図である。
【図12B】図12Aの集積回路太陽電池のI−I’線に沿った断面図である。
【図12C】図12Aの集積回路太陽電池のI−I’線に沿った他の断面図である。
【図13A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池の平面図である。
【図13B】図13Aの集積回路太陽電池のI−I’線に沿った断面図である。
【図14A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池を形成する方法を示す中間構造の平面図である。
【図14B】図14Aの中間構造の断面図である。
【図15A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池を形成する方法を示す中間構造の平面図である。
【図15B】図15Aの中間構造の断面図である。
【図16A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池を形成する方法を示す中間構造の平面図である。
【図16B】図16Aの中間構造の断面図である。
【図17A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池を形成する方法を示す中間構造の平面図である。
【図17B】図17Aの中間構造の断面図である。
【図18A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池を形成する方法を示す中間構造の平面図である。
【図18B】図18Aの中間構造の断面図である。
【図19A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池を形成する方法を示す中間構造の平面図である。
【図19B】図19Aの中間構造の断面図である。
【図20A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池を形成する方法を示す中間構造の平面図である。
【図20B】図20Aの中間構造の断面図である。
【図21A】図12A及び図12Cによって示した本発明の実施形態による集積回路太陽電池を形成する各々の方法を示す中間構造の平面図である。
【図21B】図21Aの中間構造のI−I’線に沿った断面図である。
【図22A】図12A及び図12Cによって示した本発明の実施形態による集積回路太陽電池を形成する各々の方法を示す中間構造の平面図である。
【図22B】図22Aの中間構造のI−I’線に沿った断面図である。
【図23A】図12A及び図12Cによって示した本発明の実施形態による集積回路太陽電池を形成する各々の方法を示す中間構造の平面図である。
【図23B】図23Aの中間構造のI−I’線に沿った断面図である。
【図24A】本発明の実施形態に他の集積回路太陽電池を形成する各々の方法を示す中間構造の平面図である。
【図24B】図24Aの中間構造のI−I’線に沿った断面図である。
【図25A】本発明の実施形態に他の集積回路太陽電池を形成する各々の方法を示す中間構造の平面図である。
【図25B】図25Aの中間構造のI−I’線に沿った断面図である。
【図26】本発明の実施形態による集積回路太陽電池を使用することができる光電池システムのブロック図である。
【図27A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池の平面図である。
【図27B】図27Aの太陽電池実施形態のI−I’線に沿った断面図である。
【図28A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池の平面図である。
【図28B】図28Aの太陽電池実施形態のI−I’線に沿った断面図である。
【図29A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池の平面図である。
【図29B】図29Aの太陽電池実施形態のI−I’線に沿った断面図である。
【図30A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池の平面図である。
【図30B】図30Aの太陽電池実施形態のI−I’線に沿った断面図である。
【図31A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池の平面図である。
【図31B】図31Aの太陽電池実施形態のI−I’線に沿った断面図である。
【図32A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池の平面図である。
【図32B】図32Aの太陽電池実施形態のI−I’線に沿った断面図である。
【図33】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池の平面図である。
【図34A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池の平面図である。
【図34B】図34Aの太陽電池実施形態のI−I’線に沿った断面図である。
【図34C】図34Aの太陽電池実施形態のII−II’線に沿った断面図である。
【図35】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池の平面図である。
【図36A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池の平面図である。
【図36B】図36Aの太陽電池実施形態のI−I’線に沿った断面図である。
【図37A】本発明の一実施形態による集積回路太陽電池の平面図である。
【図37B】図37Aの太陽電池実施形態のI−I’線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図を参照して本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、ここで説明される実施形態に限定されずに他の形態に具体化されうる。却って、ここで紹介される実施形態は、開示された内容が徹底して完全されるように、そして当業者に本発明の思想が十分に伝えられることができるようにするために提供されることである。 明細書全体にかける同一の参照番号に表示された部分は同一の構成要素を示す。
【0018】
又、層が異なる層、又は基板“上”にあると言及される場合に、それは異なる層、又は基板上に直接形成される、或いはこれらの間に第3の層が介在されうる。又、図面で、層及び領域の厚さは、明確性のために誇張された。又、“第1”、“第2”及び“第3”のような用語は、本発明の多様な実施形態において多様な領域及び層を説明するために使われることであり、前記領域と層は、このような用語によって制限されない。このような用語は、一つの領域又は層と異なる領域又は層とを区別するために使われる。従って、一実施形態で“第1層”と言及されることが他の実施形態では“第2層”と言及されうる。
【0019】
図1乃至図2を参照して、本発明の実施形態による太陽電池は、光受容表面を有する上部面と前記上部面に対向して延長する下部面を有する基板を含むことができる。前記基板は、第1導電型不純物(例えば、p型不純物)にドーピングされうる半導体基板領域110を含んで示される。特に、前記基板領域110は、以下に説明される図3乃至図9によって示される半導体工程段階を経ったp型単結晶シリコンウエハから形成されることができる。前記基板は、前記基板領域110上に延長する第2導電型(例えば、n型)の半導体層120をまた含むことができる。前記第2導電型の半導体層120の上部面は、光受容表面に作動することができ、前記光受容表面上には、反射防止層131が形成されることができる。前記反射防止層131の目的は、前記光受容表面から離れる入射光の反射を減らすことによって、光受容効率を高めることでありうる。
【0020】
図1の“A”領域に表示され、図2に詳細に示しているように、前記基板領域110は、第1導電型(例えば、p型)のベース領域110bと、前記ベース領域110bとP−N整流接合を形成する第2導電型の境界層110aとを含む。以下、より詳細に記述されるように、前記境界層110aは、前記第2導電型の半導体層120から前記ベース領域110bに十分な量の不純物(例えば、n型不純物)を拡散させて形成され、それによって前記ベース領域110bの一部を第1導電型から第2導電型に転換する。
【0021】
前記境界層110a及び前記第2導電型の半導体層120は、第2導電型の電気的導電領域122を共同に形成することができる。又、前記第2導電型の半導体層120は、非晶質シリコン層に形成されることができ、前記境界層110aと非整流ヘテロ接合を形成する。このようなヘテロ接合は、P−N接合近くの電子−正孔対を形成するために捕獲される波長の範囲を増加させることによって、ホモ接合に比べて高い光受容効率を維持することに有利的である。前記半導体層120は相対的に高くドーピングされた層であり、例えば約1019cm−3から約1021cm−3の範囲のドーピング濃度の第2導電型(例えば、リン)を有するインシチュドーピングされた半導体層のように形成されうる。前記境界層110aの厚さは、前記P−N接合周辺の望ましくない電子−正孔の再結合を減らすことによって太陽電池の効率を増加させるように選択される。不充分な厚さの境界層110aは、前記境界層110aと前記第2導電型の半導体層120との間のヘテロ接合でのインタフェース欠陥によってもたらされる相対的に高い程度の電子−正孔の再結合に関連されうる。又、厚さが過度な境界層110aは、前記P−N接合周囲の広い空乏領域(depletion region)を横切る過度なキャリア移動によってもたらされる相対的に高い電子−正孔の再結合によって制限されうる。このような考慮に基づいて、約500Åから約2000Å範囲の厚さを有する境界層110aは、与えられた半導体物質で電子−正孔の再結合を減らして高い程度の光収率効果を得ることができる。
【0022】
前記第2導電型の半導体層120上に配置されることができる前記反射防止層131は、太陽電池の作動の間に光受容表面に入射される望ましい光の波長をλとする際、光吸収効率を高めるために約λ/4の厚さを有することができる。又、前記反射防止層131は、酸化シリコン層及び窒化シリコン層を含む層のように多層構造に形成されることができる。前記太陽電池の光受容効率を増加させることに加えて、前記反射防止層131は、その下の前記太陽電池の光受容表面を保護し、電気的保護膜を提供することができる。
【0023】
続いて、図2を参照すると、前記第2導電型の半導体層120と前記反射防止層131との間の界面に示した光受容表面は、局部的な凹凸が形成された不規則な表面形状を有するように形成されることができる。このような不規則な表面形状は、前記反射防止層131の表面に示した複数の離隔されたピラミッド形突出部に形成されうる。特に、前記第2導電型の半導体層120と前記境界層110aとの間の非整流ヘテロ接合は、非平坦な接合形状を有することができ、前記光受容表面は、前記非整流ヘテロ接合の非平坦な接合形状と類似である形状の不規則な表面形成を有することができる。尚、前記非整流ヘテロ接合は、第1非平坦接合形状を有することができ、前記境界層110aと前記ベース領域110bとの間の整流接合は、前記第1非平坦接合形状の形状と類似である第2非平坦接合形状を有することができる。
【0024】
図1の太陽電池は、前記光受容表面上に配置された一対の電極をさらに含む。前記一対の電極は、前記ベース領域110bと電気的に接続される第1電極141と前記第2導電型の半導体層120と電気的に接続された第2電極143に示される。前記電極は、前記光受容表面に陰影(shading)損失を減らす相対的に狭い幅を有するストライプ(stripe)型電極でありうる。前記第1電極141及び第2電極143は、アルミニウムAl、銅Cu、ニッケルNi、タングステンW、チタンTi、窒化チタンTiN、窒化タングステンWNで構成されたグループから選択された少なくとも一つ以上の金属で形成されうる。前記電極141、143はまた、金属シリサイド層及び/又はTi/TiN/Al又はTi/TiN/Wのような多層導電体を含む。
【0025】
前記第2導電型の半導体層120を貫通して前記ベース領域110bに延長するトレンチ116が提供される。以下、より詳細に説明されるように、前記トレンチ116は、上部ストライプ型トレンチ113と上部トレンチ113の下部を通して延長する下部ストライプ型トレンチ114とで形成されることができる。前記下部トレンチ114は、例えば、約0.3マイクロメータから約1マイクロメータ範囲の幅を有することができ、前記基板を横切って延長するストライプ又はそれと類似である形状を有することができる。前記上部トレンチ113の側壁には、一例として酸化物及び/又は窒化物絶縁層で形成されうる電気的に絶縁される側壁スペーサ115を整列配置することができる。前記側壁スペーサ115は、前記第2導電型の半導体層120から前記第1電極141を電気的に絶縁させる。又、相対的に高くドーピングされた第1導電型の不純物領域117は、前記下部トレンチ114内で、前記ベース領域110bと前記第1電極141との間の直列抵抗を減らすように形成されうる。前記不純物領域117は、一例として約0.3マイクロメータの厚さを有することができる。図示されたように、相対的に浅いトレンチ/リセス118が前記半導体層120内に形成され、前記第2電極143に満たされうる。
【0026】
図3乃至図9は、図1乃至図2の太陽電池を形成する方法を含む本発明の追加的な実施形態を示す。図3に示したように、このような方法は、第1導電型の不純物(例えば、硼素B)を前記基板110の対向する前面及び後面に注入した後、前記基板110を熱処理して、前記注入された不純物を活性化して第1導電型の半導体基板110(例えば、P型ウエハ)に第1導電型(例えば、P型)のBSF領域111(back side field)を形成する追加的な段階を含むことができる。その後、図4に示したように、前記基板110の前面(front surface)に、複数の凹凸を発生させて非平坦に形成されうる。前記前面のこのような凹凸は、ピラミッド又はこれと類似である構造112を有するように図示されており、プラズマエッチング、機械的スクライビング(scribing)、フォトリソグラフィ及び化学的エッチングのような通常的な技術を使用して形成されることができる。例えば、酸化層(図示せず)が前記基板110の前面上に犠牲層として形成されることができ、パターン化されたフォトレジスト(図示せず)をエッチングマスクとして使用してフォトリソグラフィ方式にパターン化させることができる。前記基板110の前面は、その後パターン化された犠牲層をエッチングマスクとして利用してエッチングさせることができる。このような工程の間に、前記基板110の前面上の何れのBSF領域111も通例的に除去される。
【0027】
図5を参照して、非晶質半導体層120が前記基板110の非平坦な前面上に形成される。前記非晶質半導体層120は、第2導電型(例えば、N型)で高くドーピングされた(例えば、インシチュドーピングされた)層でありうる。特に、前記非晶質半導体層120内の第2導電型ドーピング濃度は、約1019cm−3から約1021cm−3の範囲でありうる。数百オングストロームから約1000Åの範囲、特に約600Åの厚さを有することができる前記非晶質半導体層120は、多様な技術で提供されることができる。このような技術は、PECVD(Plasma enhanced chemical vapor deposition)又はシラン(silane)及び水素ガスを利用する低圧CVDを含む。特に、インシチュドーピングされた非晶質半導体層120は、シランSiH、ホスフィンPH及び水素ガスを利用するCVDで形成されることができる。
【0028】
続いて、図5を参照して、第2導電型の境界層110aが形成される。前記境界層110aは、第2導電型不純物を前記非晶質半導体層120から前記基板110に拡散させて形成され、それによって第1導電型のベース領域110bとP−N整流接合を形成する。このような第2導電型不純物の拡散は、前記基板110のアニーリング(annealing)によって実行されうる。前記P−N整流接合周囲の望ましくない電子−正孔の再結合を減らして太陽電池効率を増加させるために、前記アニーリングは、境界層110aが約500Åから約2000Å範囲の厚さを有するように充分な温度及び充分な持続時間との間で実行されることができる。本発明のいくつかの実施形態によると、前記非晶質半導体層120表面の非平坦さは、前記非晶質半導体層120上にHSG(hemispherical silicon grain)層を成長させることにより増加され、それによって太陽電池の光受容効率を増加させることができる。これの代わりに、荒い表面構造を有して電気的に導電性があり、光学的に透明な層(例えば、ZnO層)が前記非晶質半導体層120上に提供されることができる。
【0029】
図6乃至図7に示したように、反射防止層131が前記非晶質半導体層120上に形成される。前記反射防止層131は、PECVDのような通常的な蒸着技術で前記非晶質半導体層120の上部に一つ以上の電気的な絶縁層(例えば、SiO、SiN)を提供して形成されることができる。光受容効率を増加させるために、前記反射防止層131は、太陽電池が作動する間、光受容表面に入射される望ましい光の波長をλとする際、約λ/4の厚さを有することができる。その後、フォトリソグラフィエッチング段階(例えば、乾式エッチング)が前記非晶質半導体層120及び前記境界層110aを貫通して前記ベース領域110bに延長する相対的に狭いストライプ型の第1トレンチ113を形成するために実行される。本発明のいくつかの実施形態によって、前記ストライプ型の第1トレンチ113は、約1マイクロメータ以下の幅を有することができる。例えば、前記ストライプ型トレンチは、約0.3マイクロメータの幅を有することができる。
【0030】
側壁絶縁スペーサ115が前記第1トレンチ113の側壁上に形成される。前記側壁絶縁スペーサ115は、SiO層又はSiN層又は複数の絶縁層の複合体で形成されることができる。前記側壁絶縁スペーサ115は、前記第1トレンチ113に電気的な絶縁層をコーンフォーマルに(conformally)形成し、前記第1トレンチ113の下部が露出される際まで前記形成された層を非等方にエッチバック(etch−back)して形成されることができる。電気的な絶縁層をコーンフォーマルに蒸着するこの段階は、前記基板110の下部面上に保護絶縁層132を形成する段階を含むことができる。
【0031】
図8を参照すると、前記第1トレンチ113の下部は、第1マスク(図示せず)及び前記側壁絶縁スペーサ115をエッチングマスクに使用してよりエッチングされることができる。このようなエッチング段階は、実質的に前記ベース領域110bに延長する延長トレンチ114の形成をもたらす。第1トレンチ及び延長トレンチ114は、前記側壁絶縁スペーサ115によって覆われている上部側壁を有する多段階トレンチ116を共に形成することができる。前記延長トレンチ114の形成段階後に、前記延長トレンチ114の下部及び側壁に第1導電型不純物(例えば、P型不純物)を選択的に注入して相対的に高くドーピングされた不純物領域117を形成する段階を進行することができる。その後、図9に示したように、反射防止層131を貫通して非晶質シリコン層120まで延長する相対的に浅い第2トレンチ118をエッチングするエッチング段階が実行される。前記第2トレンチ118は、前記P−N整流接合より薄く形成される。その後、図1に示したように前記多重レベルトレンチ116及び前記第2トレンチ118は、各々第1及び第2電極141、143で満たされる。前記第1及び第2電極141、143は、金属層の蒸着及びパターニングによって形成されることができる。前記金属層は、アルミニウムAl、銅Cu、ニッケルNi、タングステンW、チタンTi、窒化チタンTiN、窒化タングステンWN及びこのような金属のシリサイドで構成されたグループから選択された一つ以上で形成されることができる。特に、本発明のいくつかの実施形態によると、前記金属層は、Ti/TiN/Al又はTi/TiN/W層でありうる。前記第1及び第2電極141、143の形成後に、水素を含む雰囲気で、前記電極をアニーリングする段階を実行することができる。このような水素アニーリングは、前記基板内でN型不純物を活性化して、電子の移動性を高めて、また前記基板表面の欠陥を修復して作動の間に漏洩電流を減らすように実行されることができる。
【0032】
図10A〜図10B及び図11を参照すると、第1導電型(例えば、P型)のベース領域1111を有する半導体基板1110(例えば、単結晶半導体(例えば、シリコン)ウエハ)に形成されている本発明の追加的な実施形態による太陽電池が示される。図10B及び図11において“A”領域で表示されたように、前記基板1110は、前記基板1110の上部光受容表面からの入射光が反射されることを減らして、太陽電池の光受容効率を増大させるように構成されたテクスチャード加工された(textured)表面を含むことができる。非平坦な形状を有するP−N整流接合が第2導電型(例えば、N型)の境界層1113と前記ベース領域1111間に提供される。約1019cm−3から約1021cm−3の範囲のN型ドーピング濃度を有する前記境界層1113は、相対的に高くドーピングされた半導体層1114(例えば、N非晶質シリコン層)から第2導電型の不純物(例えば、リンP)を拡散して前記ベース領域1111内に形成させることができる。前記境界層1113の厚さは、前記P−N接合周囲の電子−正孔の望ましくない再結合を減らして太陽電池の効率を増加させるように選択されることができる。
【0033】
不充分な厚さの境界層1113は、前記境界層1113と前記第2導電型の半導体層1114との間のヘテロ接合でのインタフェースの欠陥によってもたらされる相対的に高い程度の電子−正孔の再結合に関連されうる。又は、過度な厚さの境界層1113は、前記P−N接合周囲の広い空乏領域(depletion region)を横切る過度なキャリア移動によってもたらされる相対的に高い電子−正孔再結合によって制限されうる。このような考慮に基づいて、約500Åから約2000Å範囲の厚さを有する境界層1113は、電子−正孔再結合を減らして高い程度の光収率効果を得ることができる。
【0034】
尚、前記境界層1113と前記第2導電型の半導体層1114との間のヘテロ接合は、捕獲することができる波長の範囲を増加させて前記P−N接合周囲の電子−孔対の発生を増加させることによって、ホモ接合に比べて高い光受容効率を得ることに有利でありえる。図10A〜図10B及び図11は、前記第2導電型の半導体層1114上に反射防止層1141を含むことを示している。前に説明されたように、前記反射防止層1141は、入射光の波長に比例する厚さを有することができる。例えば、前記反射防止層1141は、前記太陽電池の光受容表面上に入射される望ましい光の波長をλとする際、約λ/4の厚さを有することができる。酸化シリコン層、窒化シリコン層、又は酸化シリコンと窒化シリコンの多重層で形成されることができる前記反射防止層1141は、また前記太陽電池に電気的及び物理的な不動化(passivation)及び保護を提供することができる。
【0035】
交差するトレンチ1121、1123の2次元アレイ及びリング形の外部“エッジ”トレンチ1125を含むトレンチ1120が前記基板1110に形成される。図10Aの太陽電池のI−I’線に沿った断面図である10Bに示したように、前記トレンチ1120は、前記反射防止層1141、前記第2導電型の半導体層1114及び前記境界層1113を完全に貫通して延長する。前記トレンチ1121、1123は、入射光の陰影損失を減らすために約1マイクロメータ又はそれ以下(例えば、0.3マイクロメータ)の幅“W”を有することができる。しかし、前記“エッジ”トレンチ1125は、低い抵抗の接触及びワイヤ接続のために十分に広いことができる(例えば、“Wa”>“W”)。前記トレンチ1121、1123は、前記境界層1113と前記ベース領域1111との間の前記P−N整流接合より十分に深いことができ、従ってトレンチ電極1131、1131aと前記ベース領域1111との間に十分に低い抵抗接触が形成されることができる。
【0036】
図10Bに示したように、第1導電型の不純物領域1115が選択的な注入及び不純物活性化技術の組合せを利用して、前記トレンチ1120の下部及び側壁に提供することができる。前記不純物領域1115は、前記ベース領域1111の第1導電型のドーピング濃度を超過する第1導電型ドーピング濃度を有する。当業者に理解されるように、前記不純物領域1115は、前記ベース領域1111から電流受容を増大させるBSF(back surface field)領域に作用することができる。
【0037】
図10A乃至図10Bは、また前記太陽電池の前面(即ち、光受容面)上に、第1及び第2電極を含むことを示している。前記第1電極1131、1131aは、前記トレンチ1120の下部附近に延長されるように示され、前記不純物領域1115及び/又はベース領域1111とオーム接触を形成する。前記トレンチ1120内及び前記第1電極1131、1131a上に電気的な絶縁層1135(例えば、酸化シリコン)が提供される。又、前記第2電極1133、1133aが、図示したように電気的な絶縁層1135上に提供される。前記第2電極1133、1133aは、前記第2導電型の半導体層1114とオーム接触を形成することができ、前記反射防止層1141の上部面上に延長することができる。前記第2電極1133の幅であるW2は、前記トレンチ1121、1123の幅である“W”より大きいことができる。電気的な絶縁層1135は、示したように、境界層1113と前記第2導電型の半導体層1114との間の界面より低い上部面を有することができる。
【0038】
電気的な接触(例えば、ワイヤ接続)が半導体基板1110の周辺部のエッジ開口1119附近の前記第1電極1131a及び図10Aに示したように前記周辺部周囲の円弧型の部分に延長する前記第2電極1133aに提供されることができる。特に、円弧型の開口は、前記第2電極1133a及び下部の電気的な絶縁層1135内に形成されることができ、それによってリング形“エッチ”トレンチ1125の下部附近の前記第1電極1131aの上部面を露出することができる。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態によると、前記第1電極1131、1131a及び前記第2電極1133、1133aは、アルミニウムAl、銅Cu、ニッケルNi、タングステンW、チタンTi、窒化チタンTiN、窒化タングステンWN及び金属シリサイド及び前記電気的な導電物質の組合せを含むグループから選択された少なくとも一つ以上の物質に形成されることができる。例えば、前記第1電極1131、1131a及び前記第2電極1133、1133aは、Ti/TiN/Al又はTi/TiN/Wのような多層導電体を含む。又、前記第1電極1131、1131aは、P型半導体電極に形成されることができ、前記第2電極1133、1133aは、N型半導体電極に形成されることができる。
【0040】
本発明のまた他の実施形態による太陽電池が図12A〜図12Cに示す。特に、図12A〜図12Bの太陽電池の実施形態は、図10A〜図10Bの太陽電池の実施形態と類似である。しかし、図10A〜図10Bの前記第2電極1133に対する前記反射防止層1141の位置が修正された。特に、図12A〜図12Bに示したように、前記反射防止層1141は、前記基板1110の周辺部エッジに対して、相対的に内側である前記第2電極1133及び境界層1113の部分を覆うブランケット(blanket)層として形成されうる。又、図12Cは、前記反射防止層1141と前記境界層1113との間に提供される光学的に透明で、電気的に導電性である層(以下、透明導電層)1137を含む本発明の実施形態を示す。本実施形態で、前記第2電極1133が透明導電層1137の上部上に直接的に延長するようにパターン化されうる。このような方法で、前記透明導電層1137は、前記第2電極1133と前記境界層1113との間に流れる(図示していないが、前記第2導電型の半導体層1114を通じて)電流の均一な流れを促進させる低い抵抗層として作動することができる。前記透明導電層1137は、インジウム錫酸化物層、又は亜鉛酸化物ZnO層で形成されることができる。しかし、他の光学的透明物質がまた使われることができる。前記透明導電層1137の表面形状も相対的に荒くて、前記太陽電池の光受容効率を高めることができる。
【0041】
本発明の追加的な実施形態において、図10A〜図10Cの前記太陽電池の実施形態は、図13A〜図13Bの太陽電池の実施形態で示したように修正されることができる。特に、図13A〜図13Bの太陽電池の実施形態は、前記第2電極1133のパターニングを変更して前記第2電極1133の上部面が前記反射防止層1141と平坦な面を形成することができる。このような平坦な表面形状は、前記反射防止層1141と平坦面を形成するように前記第2電極1133を平坦化して形成されることができる。又、前記第2電極1133のエッチ部分がリング形の延長部1133bで提供されることができる。前記延長部1133bは、前記第1電極1131bの表面を露出する前記半導体基板1110の周辺部で円形の第2エッチ領域1119bを形成する。前記円形の第2エッチ領域1119bは、幅“Wa”より小さな幅を有する。前記リング形の延長部1133b及び前記第2電極1131bの露出された表面は、太陽によって生成された電流を負荷(load)(図示せず)又は光電池(photovoltaic)システム(例えば、図26)に供給する外部電極(例えば、ワイヤ接続(図示せず))のための接点を提供する。
【0042】
本発明の追加的な実施形態による太陽電池を形成する方法が、図14A〜図20Aに示されている。図14B〜図20Bは、中間構造である図14A〜図20AのI−I’線に沿った断面図である。特に、図14A〜図14Bは、境界層1113の形成を示し、いくつかの実施形態において第1導電型(例えば、P型)の前記ベース領域1111上に第2導電型(例えば、N型)の境界層1113と第2導電型の半導体層1114(例えば、高くドーピングされた非晶質シリコン層、図示せず)の組合せを示す。前記境界層1113及び前記第2導電型の半導体層1114は、図10A〜図10B及び図11を参照して前に説明されたように形成されて、P−N整流接合を形成することができる。図11に示したように、前記半導体基板1110の第1表面は、テクスチャード加工された表面形状を有することができる。
【0043】
図15A〜図15Bを参照すると、反射防止層1141が前記太陽電池の光受容効率を増加させるために境界層1113上に形成される。酸化シリコン層、窒化シリコン層、又はこれらの組合せでありうる前記反射防止層1141は、PECVDのような工程技術を利用して形成されることができる。前記反射防止層1141は、また通常的な反射防止コーティング(ARC:anti−reflecting coating )層を利用して形成されることができる。図16A〜図16Bは、前記反射防止層1141上にフォトレジスト層1143の蒸着を示す。前記フォトレジスト層1143は、開口1143a、1143bを形成するためにフォトリソグラフィ技術でパターニングされることができる。前記開口は、図16Aに示したように、交差する開口の交差グリッド(grid)を提供することができる。前記フォトレジスト層1143は、また前記リング形エッジ開口1119を形成するようにパターン化されることができる。
【0044】
図17A〜図17Bを参照すると、パターニングされたフォトレジスト層1143をエッチングマスクに利用して、前記半導体基板1110内にトレンチのアレイ及びリング形エッチトレンチ1125を形成するための選択的なエッチング段階が実行される。前記トレンチは、共に2次元的なグリッドトレンチ1120で示される。特に、交差するトレンチの配列(即ち、2次元グリッド)を共に形成する複数の第1トレンチ1121及び複数の第2トレンチ1123は、前記反射防止層1141及び前記境界層1113を完全に貫通して延長されるように形成され、第1導電型の前記ベース領域1111にまで延長する。本発明のいくつかの実施形態によると、前記トレンチは、前記半導体基板1110の厚さの約2/3の深さを有することができる。図10Bを参照して前記に説明されたように、前記トレンチ1121、1123は、最大約1マイクロメータの厚さを有するが、通常的に例えば、約0.3マイクロメータの薄い厚さを有する。
【0045】
図18A〜図18Bは、前記トレンチ1121、1123及び1125の下部に隣接する第1導電型の不純物領域1115を形成することを示す。前記不純物領域1115は、第1導電型不純物(例えば、硼素)を前記反射防止層1141及び/又はパターン化されたフォトレジスト層1143を注入マスクとして利用して前記グリッドトレンチ1120の側壁及び下部に注入させて形成されることができる。本発明のいくつかの実施形態において、前記第1導電型の不純物の注入は、前記ベース領域1111に比べて高い第1導電型の不純物濃度を有する不純物領域1115を形成するのに充分なエネルギ及び量で実行される。このような注入段階以後、電気的な導電性のブランケット層(図示せず)が前記反射防止層1141上及び前記グリッドトレンチ1120内に蒸着されることができる。前記電気的な導電性のブランケット層は、アルミニウムAl、銅Cu、ニッケルNi、タングステンW、チタンTi、窒化チタンTiN、窒化タングステンWN及び金属シリサイド及びこのような電気的な伝導性物質の組合せを有するグループから選択された少なくとも一つ以上の金属で形成されることができる。特に、電気的な伝導性のブランケット層は、Ti/TiN/Al又はTi/TiN/Wの複合体で形成されることができる。前記ブランケット層は、その後、前記トレンチ1121、1123、1125の下部に前記第1電極1131を画定するようにパターニングされる。このようなブランケット層のパターニングは、前記ブランケット層の一部を選択的にエッチバックする非等方エッチング段階に実行されることができる。前記非等方エッチング段階の間に、前記反射防止層1141は、エッチング防止層として作用することができる。図示したように、前記第1電極1131は、前記ベース領域1111と前記境界層1113との間のP−N接合界面より低い上部表面(前記グリッドトレンチ1120内)を有することができる。
【0046】
続いて、図18A〜図18Bを参照すると、ブランケット絶縁層(図示せず)が、前記反射防止層1141上に、そして前記グリッドトレンチ1120内に蒸着されることができる。酸化シリコンと同一の層間絶縁物質で形成されることができる前記ブランケット絶縁層は、その後、前記グリッドトレンチ1120内に画定されるように選択的にエッチバックされて絶縁層1135を形成する。前記エッチバック段階は、フォトリソグラフィ工程なしに実行されることができる。例えば、非等方エッチング段階は、前記反射防止層1141をエッチング防止層として利用して実行されることができる。エッチバック後、前記絶縁層1135は、図示したように、前記境界層1113の上部面より低い上部面を有することができる。
【0047】
図19A〜図19Bを参照すると、他の電気的な導電層(図示せず)が前記反射防止層1141上に、そして前記絶縁層1135上にコーンフォーマルにブランケット層に蒸着される。上述のように、前記電気的な導電層は、アルミニウムAl、銅Cu、ニッケルNi、タングステンW、チタンTi、窒化チタンTiN、窒化タングステンWN及び金属シリサイド及びこのような電気的な導電物質の組合せで構成されたグループで選択された物質で形成されることができる。フォトレジスト層(図示せず)が前記電気的な導電層上に蒸着され、フォトレジストマスク1144でパターニングされることができる。その後、前記フォトレジストマスク1144は、前記第2電極1133を形成するエッチング段階で利用されることができる。前記第2電極1133の形成工程の間、前記エッジ領域1119の少なくとも一部がハードマスク1146で覆われ、図10Aに示したように前記基板1110の周辺部附近に第2電極1133aを形成することができる。前記エッチ領域1119内の前記絶縁層1135の一部は、フォトレジストマスク1144及び前記ハードマスク1146によって図19Bに示したように露出されることができる。
【0048】
図20A〜図20Bを参照すると、前記フォトレジストマスク1144と前記ハードマスク1146が除去され、他のフォトレジスト層(図示せず)で形成することができる。前記フォトレジスト層は、その後、他のフォトレジストマスク1145を形成するようにパターニング(例えば、湿式エッチングを利用して)することができる。その後、前記絶縁層1135の露出された部分を選択的に除去して、前記絶縁層1135下にあり、前記半導体基板1110の周辺部附近に延長する前記第1電極1131aの部分を露出するように乾式エッチング段階が実行される。前記第1電極1131aの露出された部分は、外部ワイヤ(例えば、ワイヤボンディング)接続の接点になりうる。
【0049】
図21A〜図23A及び図21B〜図23Bは、本発明の方法の実施形態を追加に示す。特に、図21A〜図21Bは、前記境界層1113上に光学的に透明である導電層1137を含むことを示す。その後、図22A〜図23A、図22B〜図23B、図12A及び図12Cに示したように反射防止層1141が前記基板1110上にコーンフォーマルに形成されることができる。パターニングされたフォトレジスト層1147は、図23A〜図23Bに示したように前記反射防止層1141上に形成される。その後、前記パターニングされたフォトレジスト層1147は、前記反射防止層1141の露出された部分、及び前記透明導電層1137を選択的にエッチバックする工程の間にマスクとして使われることができ、それによって、前記基板1110の周辺部附近で前記第1電極1131aの一部を露出する。その後、前記パターニングされたフォトレジスト層1147は、図12Cに示したように除去される。
【0050】
本発明の追加的な実施形態によると、図13A〜図13Bの太陽電池の実施形態は、図24A〜図25A、図24B〜図25Bに示した段階を利用して形成されることができる。例えば、前記太陽電池の形成方法は、前記第2電極をパターニングして、前記第2電極1133の上部表面が前記反射防止層1141と平坦面を形成するような修正された段階を含むことができる。このような平坦面形状は、前記第2電極1133を図24Bに示したように、前記反射防止層1141と水平を形成するように平坦化して達成することができる。
【0051】
前記第2電極1133のエッジ部分は、リング形の延長部1133bで提供されることができる。図13Bに示したように前記延長部1133bは、前記第1電極1131bの表面を露出する前記半導体基板1110の周辺部で円形の第2エッジ領域1119bを画定する。前記円形の第2エッジ領域1119bは、図10Bに示した幅“Wa”より小さな幅を有する。前記円形の第2エッジ領域1119bは、図25A〜図25Bに示したように前記第2電極1133と前記反射防止層1141が水平をなす表面上に、パターニングされたフォトレジスト層1149を形成することで提供されることができる。その後、図13A〜図13Bに示したように、前記第2電極1133の露出された部分とその下の前記絶縁層1135の部分が選択的に除去されて前記第1電極1131bの狭い上部面が露出されることができる。図13A〜図13Bの前記太陽電池の実施形態は、前記第2電極1133と前記境界層1113との間の総接触面積を増加させることによって図10A〜図10Bに示した太陽電池の実施形態に比べて、より高い効率を潜在的に提供する。
【0052】
図26を参照すると、本発明の太陽電池の実施形態が示される。上述した本発明の太陽電池の実施形態は、太陽電池アレイ3000から電力が供給された電力制御ネットワーク4000内で使用しうる。図示したように、各々の太陽電池アレイ3000は、複数の太陽電池モジュール2000で構成され、前記太陽電池モジュール2000は、太陽電池1000のアレイを含む。このような方法で、個別の太陽電池1000から供給される相対的に低い電圧及び/又は電流は、他の太陽電池1000から供給される電圧及び/又は電流と結合されて相対的に大きい電力源を発生させる。前記電力制御ネットワーク4000は、入力装置4100と、電力格納装置4200と、充電/放電制御器4300と、システム制御器4400とを含むことに示している。前記システム制御器4400は、前記電力格納装置4200、前記充電/放電制御器4300、電力管理システム(PCS: power conditioning system)4120及び前記グリッド接続システム4140を制御する。前記出力装置4100は、PCS4120と、グリッド接続システム4140とを含むことができる。前記PCS4120は、前記太陽電池アレイ3000からの直流DCを交流ACに変換するインバータでありうる。前記グリッド接続システム4140は、外部電力システム5000に接続されることができる。前記充電/放電制御器4300は、前記太陽電池アレイ3000から発生される出力が前記外部電力システム5000に伝えられる電力を超過する場合、超過されるエネルギを前記電力格納装置4200に伝達するように作動する。又、前記充電/放電制御器4300は、前記太陽電池アレイ3000から発生される出力が前記外部電力システム5000の要求に対して不足している場合、前記電力格納装置4200からエネルギを受けるように作動する。
【0053】
上述した本発明の実施形態は、太陽電池の表面に受容される入射光に対応する電荷キャリアの高効率収集のための多様な電極形態、及びパターンを有するように製作されることができる。例えば、図27Aは、本発明の追加的な実施形態による集積回路の太陽電池2700の平面図であり、図27Bは、図27Aの太陽電池2700のI−I’線に沿った断面図である。このような図面に示したように、前記太陽電池2700は、上部面電極2708によって囲まれて、N型導電性を有することができる第2導電型領域2710(四角領域に示す)の2次元アレイを含む。前記第2導電型領域2710は、P型導電性を有することができる基板領域2702と各々P−N整流接合を形成する。前記P型基板領域2702への電気的な接触が、図27Bに示したようにメッシュ(mesh)形トレンチの下部に位置されるトレンチ内部電極2704によってなされることができる。前記メッシュ型の上部面電極2708は、介在されるトレンチ内部の電気的な絶縁層2706(例えば、酸化シリコン)によって前記トレンチ内部電極2704から電気的に隔離される。前記トレンチ内部の電気的な絶縁層2706は、その上に上部面電極2708及びN型領域2710が形成された前記基板領域2702の上部と平坦面を形成することができる。
【0054】
図28Aは、本発明の追加的な実施形態による集積回路太陽電池2800の平面図であり、図28Bは、図28Aの太陽量電池のI−I’線に沿った断面図である。図28Aの平面図に示したように、前記太陽電池2800は、図27の太陽電池2700と類似しているが、トレンチ内部電極2804(例えば、図28Bを参考)が前記太陽電池2800の最上部の光受容表面まで延長されることが示される。特に、図28Bは、基板領域2802と各々P−N整流接合を形成する複数のN型領域2810を有するP型基板領域2802を示す。複数の上部面電極2808を利用してN型領域2810に電気的な接触が行われ、前記太陽電池2800を横切って平行に延長するストライプ型電極で示された前記トレンチ内部電極2804によってP型基板領域2802に電気的な接触が行われる。図28Bにも示したように、前記トレンチ内部電極2804及び前記上部面電極2808は、前記太陽電池2800の光受容表面附近に延長する電気的な絶縁層2806によって電気的に相互絶縁される。前記上部面電極2808は、前記上部面電極2808下部に提供された電気的な絶縁スペーサ2809によって前記基板領域2802と電気的に絶縁される。
【0055】
図29Aは、本発明の追加的な実施形態による集積回路太陽電池2900の平面図であり、図29Bは、図29Aの太陽電池2900のI−I’線に沿った断面図である。図29A〜図29Bに示したように、前記太陽電池2900は、図28A〜図28Bの太陽電池の実施形態と類似している。しかし、電気的な絶縁層2906はトレンチ内部電極2904上部の対向する側面上の基板領域2902の内に移動した。上部面電極2908は、前記電気的な絶縁層2906の上部面上に提供され、これは図29BのN型領域2910を図28Bの前記N型領域より大きくすることができる。従って、図29A〜図29Bの太陽電池の実施形態は、図28A〜図28Bの太陽電池の実施形態より相対的に高い光受容効率を有することができる。図29A〜図29Bの前記太陽電池の実施形態は、図示したように、前記N型領域2910上及び隣接する前記電極2908の間の空間にコーンフォーマルに提供される光学的に透明である絶縁層2912を含むことができ、それによって平らな表面形状が前記太陽電池2900の光受容表面附近に提供されることができる。
【0056】
図30Aは、本発明の追加的な実施形態による集積回路の太陽電池3000の平面図であり、図30Bは、図30Aの太陽電池3000のI−I’線に沿った断面図である。図30A〜図30Bに示したように、トレンチ内部電極3004は、前記太陽電池3000の光受容表面を横切って平行したストライプ形態で延長する。前記トレンチ内部電極3004の各々は、前記基板領域3002に電気的に接続され、各々の絶縁スペーサ3006によってN型領域3010から電気的に絶縁される。前記N型領域3010は、下部の基板領域3002と各々P−N接合を形成して上部面電極3008と電気的に接続される。電気的絶縁スペーサ3009は、下部の基板領域3002から前記電極3008を絶縁させるために、前記上部面の電極3008の下に提供される。
【0057】
図31Aは、本発明の追加的な実施形態による集積回路の太陽電池3100の平面図であり、図31Bは、図31Aの太陽電池3100のI−I’線に沿った断面図である。前記太陽電池3100は、図示したように四角形のN型領域3110の2次元アレイを有し、前記N型領域3110がメッシュ型の上部面電極3108によって囲まれた基板領域3102を含む。前記上部面電極3108は、図示したように電気的な絶縁スペーサ3109によって前記基板領域3102から分離されて絶縁される。ストライプ型トレンチ内部電極3104は、図31Bに示したように各トレンチの下部附近に提供される。前記トレンチ内部電極3104は、前記基板領域3102に電気的に接続される。電気的な絶縁スペーサ3106は、前記トレンチ内部電極3104と前記N型領域3110との間に提供される。前記基板領域3102(例えば、シリコンウエハ)の周辺部に接続されるワイヤ接続(図31A〜図31Bに図示せず)を利用して前記トレンチ内部電極3104に外部制御が行われることができる。
【0058】
図32Aは、本発明の追加的な実施形態による集積回路太陽電池3200の平面図であり、図32Bは、図32Aの太陽電池3200のI−I’線に沿った断面図である。前記太陽電池3200は、その上に四角形N型領域3210の2次元アレイを有する基板領域3202を含み、前記四角形N型領域3210は、前記基板領域3202とP−N接合を形成する。複数の平行したストライプ型のトレンチ内部電極3208が各トレンチに提供される。前記トレンチ内部電極3208は、その上に配置されたN型領域3210と電気的に接続される。しかし、示したように、トレンチの下部及び側壁に沿って延長する電気的な絶縁ライナ(liners)3209によって周囲の基板領域3202と電気的に絶縁される。前記基板領域3202に電気的に接続される複数の平行ストライプ型電極3204がまた示したように相応するトレンチに提供される。前記太陽電池3200の光受容表面附近に延長する前記電極3204は、電気的な絶縁スペーサ3206(例えば、酸化物スペーサ)によってN型領域3210のアレイから電気的に絶縁される。
【0059】
図33は、図31A〜図31Bの実施形態3100と類似している本発明の他の実施形態による集積回路太陽電池3300の平面図である。前記太陽電池3300は、図示したように四角形のN型領域3310の2次元アレイを含み、前記N型領域3310がメッシュ型上部面電極3308によって囲まれている。平行ストライプ型トレンチ内部電極3304は、各トレンチの下部(図33に図示せず)附近に提供される。しかし、図31A〜図31Bの太陽電池とは違い、前記平行ストライプ型トレンチ内部電極3304は、図31A〜図31Bの前記電極3104に比べて傾斜して延長する。
【0060】
図34Aは、本発明の追加的な実施形態による集積回路太陽電池3400の平面図であり、図34Bは、図34Aの太陽電池3400のI−I’線に沿った断面図であり、図34Cは、図34Aの太陽電池3400のII−II’線に沿った断面図である。従って、図34B〜図34Cに示したように、トレンチ内部電極3404の交差するグリッドがP型基板領域3402内に埋立されている。前記P型基板領域3402は、四角形N型領域3410と各々P−N整流接合を形成する。前記N型領域3410と電気的に接続したメッシュ型電極3408が提供される。前記メッシュ型電極3408は、電気的な絶縁スペーサ3409(例えば、二酸化硅素スペーサ)によって前記基板領域3402と電気的に絶縁される。図35は、図34A〜図34Cの実施形態と類似している本発明の追加的な実施形態による集積回路太陽電池3500の平面図である。示したように、傾斜したトレンチ内部電極3504の交差するグリッドは、四角形N型領域3510のアレイと各々P−N接合を形成するP型基板領域内に埋立される。前記N型領域3510と電気的に接続されたメッシュ型電極3508が提供される。
【0061】
図36Aは、本発明の追加的な実施形態による集積回路太陽電池3600の平面図であり、図36Bは、図36Aの太陽電池3600のI−I’線に沿った断面図である。図36A〜図36Bに示したように、複数の相対的に薄いストライプ型電極3608は、下部の基板領域3602(例えば、P型)とP−N接合を形成する複数のストライプ型N型領域3610と並んで太陽電池3600の光受容表面上に提供される。前記電極3608は、電気的な絶縁スペーサ3609(例えば、酸化物スペーサ)によって下部の前記基板領域3602と電気的に絶縁される。図36A〜図36Bは、前記N型領域3610及び前記ストライプ型電極3608と平行に延長するトレンチ内部電極3604を示す。前記基板領域3602と電気的に接続された前記電極3604は、電気的な絶縁スペーサ3606によって隣接N型領域3610から電気的に絶縁される。
【0062】
図37Aは、本発明の追加的な実施形態による集積回路太陽電池3700の平面図であり、図37Bは、図37Aの太陽電池3700のI−I’線に沿った断面図である。図37A〜図37Bに示したように、複数の相対的に薄いストライプ型電極3708が前記太陽電池3700の光受容表面上に提供される。各々の電極3708は、下部の基板領域3702(例えば、P型)と各々P−N接合を形成する一対のストライプ型N型領域3710との間に介在される。前記電極3708は、電気的な絶縁スペーサ3709(例えば、酸化物スペーサ)によって前記下部基板領域3702から電気的に絶縁される。図37A〜図37Bは、前記N型領域3710及び前記ストライプ型電極3708と平行に延長するトレンチ内部電極3704を示す。前記基板領域3702に電気的に接続された前記電極3704は、電気的な絶縁スペーサ3706によって、隣接するN型領域3710から電気的に絶縁される。
【0063】
図面と明細書で、本発明の特に望ましい実施形態が開示され、特定用語が使われたが、これは一般的で説明的な意味のみで使われ、請求項によって示される本発明の範囲を制限する目的には使われない。
【符号の説明】
【0064】
110 基板領域
110b ベース領域
110a 境界層
111 BSF領域
113 上部トレンチ
114 下部トレンチ
116 多重レベルトレンチ
118 第2トレンチ
120 第2導電型の半導体層
131 反射防止層
132 保護絶縁層
141 第1電極
143 第2電極
115 側壁スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光受容表面及びP−N整流接合を有する基板と、
前記P−N整流接合は、前記基板に提供される第1導電型のベース領域及び前記ベース領域と前記光受容表面との間に延長される第2導電型の半導体層と、を含み、
前記第2導電型の半導体層を貫通して前記第1導電型のベース領域に延長するトレンチと、
前記トレンチの下部附近で前記第1導電型のベース領域に電気的に接続される第1電極と、
前記第2導電型の半導体層上の透明導電層と、
前記第2導電型の半導体層及び前記透明導電層に電気的に接続される第2電極と、を含むことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
前記透明導電層は、亜鉛酸化物と、インジウム錫酸化物と、これの組合せからなる群から選択された材料を備えていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記第2電極は、前記トレンチに延長し、前記第2導電型の半導体層の側壁及び前記透明導電層の側壁と接触することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記透明伝導層上に反射防止層を追加に備えていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記反射防止層は、前記第2電極を覆っていることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池。
【請求項6】
光受容表面及びP−N整流接合を有する基板と、
前記P−N整流接合は、前記基板に提供される第1導電型のベース領域及び前記ベース領域と前記光受容表面との間に延長される第2導電型の半導体層と、を含み、
前記第2導電型の半導体層を貫通して前記第1導電型のベース領域に延長するトレンチと、
前記トレンチの下部附近で前記第1導電型のベース領域に電気的に接続される第1電極と、
前記光受容表面上の反射防止層と、
前記第2導電型の半導体層に電気的に接続される第2電極と、を含み、
前記第2電極は、前記反射防止層の上部表面と平坦面を形成する平坦な上部表面を有していることを特徴とする太陽電池。
【請求項7】
第1導電型のベース領域を有するシリコンウエハの表面を局部的な凹凸を形成するように表面処理する段階と、
インシチュドーピングされた第2導電型の非晶質シリコン層を前記処理された表面上に形成し、それによって表面処理された整流ヘテロ接合を形成する段階と、
前記非晶質シリコン層から前記ベース領域に、複数の第2導電型不純物を拡散させ、それによって前記ベース領域の一部を第1導電型から第2導電型に変換して、前記ベース領域に第2導電型の境界層を形成する段階と、
前記非晶質シリコン層及び前記境界層を貫通して前記ベース領域に延長するトレンチを形成する段階と、
前記非晶質シリコン層に電気的に接続された第1電極を形成する段階と、
前記トレンチ下部近辺の前記ベース領域に電気的に接続される第2電極を形成する段階と、を含むことを特徴とする太陽電池の形成方法。
【請求項8】
前記表面処理する段階は、エッチング液に露出して前記シリコンウエハの表面をエッチングして前記表面上に残余物を形成し、これを追加的なエッチングに対して局部的なエッチングマスクとして利用する段階を備えていることを特徴とする請求項7に記載の太陽電池の形成方法。
【請求項9】
前記表面処理する段階は、塩素及び弗素を含む乾式エッチング液に前記表面を露出する段階を備えていることを特徴とする請求項8に記載の太陽電池の形成方法。
【請求項10】
前記ベース領域に第2導電型の境界層を形成する段階は、約500Åから約2000Åの範囲の厚さを有する境界層を形成する段階を備えていることを特徴とする請求項7に記載の太陽電池の形成方法。
【請求項11】
前記ベース領域に第2導電型の境界層を形成する段階は、約500℃から約900℃の間の温度範囲で前記非晶質シリコン層をアニーリングする段階を備えていることを特徴とする請求項10に記載の太陽電池の形成方法。
【請求項12】
インシチュドーピングされた非晶質シリコン層を形成する段階は、約1019cm−3から約1021cm−3の範囲のドーピング濃度を有する第2導電型のインシチュドーピングされた非晶質シリコン層を堆積する段階を備えていることを特徴とする請求項10に記載の太陽電池の形成方法。
【請求項13】
インシチュドーピングされた非晶質シリコン層を形成する段階は、低圧CVD技術を利用して第2導電型のインシチュドーピングされた非晶質シリコン層を形成する段階を備えていることを特徴とする請求項10に記載の太陽電池の形成方法。
【請求項14】
第2電極を形成する段階は、前記トレンチの下部に第2電極を蒸着する段階を備え、
第1電極を形成する段階は、前記トレンチの上部附近に第1電極を蒸着する段階を備えていることを特徴とする請求項7に記載の太陽電池の形成方法。
【請求項15】
第1電極を形成する段階は、前記トレンチの側壁の間に延長する電気的な絶縁分離層で前記第2電極を覆う段階が先行されることを特徴とする請求項14に記載の太陽電池の形成方法。
【請求項16】
トレンチを形成する段階は、前記シリコンウエハを横切って延長する複数の交差する溝を有するグリッド型トレンチを形成する段階を備えていることを特徴とする請求項14に記載の太陽電池の形成方法。
【請求項17】
前記グリッド型トレンチは、前記シリコン基板の周囲部附近で最外部のリング型トレンチを含み、
前記第1電極を形成する段階は、続いて、前記リング型トレンチ内の前記第1電極の一部及びその下部の電気的な絶縁分離層を選択的に除去して前記第2電極を露出させる段階を備えていることを特徴とする請求項14に記載の太陽電池の形成方法。
【請求項18】
前記リング型トレンチ内の前記第2電極の露出された部分に、複数のワイヤ結合を形成する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項17に記載の太陽電池の形成方法。
【請求項19】
前記トレンチの下部に第2電極を形成する段階は、前記トレンチの下部に第1導電型の不純物を注入する段階が先行されることを特徴とする請求項17に記載の太陽電池の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29A】
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【図29B】
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【図30A】
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【図30B】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32A】
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【図32B】
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【図33】
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【図34A】
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【図34B】
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【図34C】
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【図35】
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【図36A】
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【図36B】
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【図37A】
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【図37B】
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【公開番号】特開2009−278102(P2009−278102A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−116800(P2009−116800)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】