説明

前駆/幹細胞を動員するためのケモカインの組み合わせ

ケモカインレセプターCXCR4に結合する化合物を、CXCR2ケモカインGROβの修飾型を含むCXCR2ケモカインGROβと組み合わせて用いて動物被検体における前駆/幹細胞数を増加させる方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2004年8月13日に出願された米国仮特許出願第60/601,367号に関連する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、治療学及び医薬品化学分野に関する。より具体的には、本発明は併用療法を用いて前駆/幹細胞を動員する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
血球は、ヒトを含む動物の健康及び生存を維持することにおいて非常に重要な役割を果たす。白血球は、好中球、マクロファージ、好酸球及び好塩基球/マスト細胞、加えて免疫系のB及びT細胞を含む。白血球は、造血系を介して、コロニー刺激因子(colony stimulating factor)(CSF)、並びに造血組織中の幹細胞及び前駆細胞における各種サイトカインの反応により、絶えず交換される。これらの多数の増殖因子をコードするヌクレオチドシーケンスは、クローニングされ、配列決定されている。おそらく、これらのうち最も広く知られているのは、白血球及び前駆細胞の生成(末梢血幹細胞動員(peripheral blood stem cell mobilization))を刺激することにより化学療法の負の効果を妨げる際の使用に認可されている顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である。この因子の造血効果の議論が、例えば、米国特許第5,582,823号に認められ、これは、参照により本書に組み込まれる。
【0004】
いくつかの他の因子によって、ヒト及び動物被検体の両方における白血球及び前駆細胞が増加されると報告されている。これらの剤は、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−3(IL−3)、インターロイキン−8(IL−8)、PIXY−321(GM−CSF/IL−3融合タンパク質)、マクロファージ炎症性タンパク質、幹細胞因子(SCF)、トロンボポエチン、flt−3、ミエロポエチン、抗VLA4抗体、及び増殖関連発癌遺伝子を、単一の薬剤として又は組み合わせて含む(Dale, D., et al., Am. J. of Hematol. (1998), 57: 7-15;Rosenfeld, C., et al., Bone Marrow Transplantation (1997) 17: 179-183;Pruijt, J., et al., Cur. Op. in Hematol. (1999) 6: 152-158;Broxmeyer, H., et al., Exp. Hematol. (1995) 23: 335-340;Broxmeyer, et al., Blood Cells, Molecules and Disease (1998) 24: 14-30;Glaspy, J., et al., Cancer Chemother. Pharmacol. (1996) 38 (増補版(suppl)): S53-S57;Vadhan-Raj, S., et al., Ann. Intern. Med. (1997) 126: 673-681;King, A., et al., Blood (2001) 97: 1534-1542;Glaspy, J., et al., Blood (1997) 90: 2939-2951)。
【0005】
更に、キングら(King, A., et al., Blood (2001) 97: 1534-1542)は、組換えN末端4−アミノ酸切断型のヒトケモカインGROβ(SB−251353又はGarnocestimとしても知られている)が、G-CSFと組み合わせてSB−251353を投与した後に前駆細胞を動員することができ、好中球及び血小板も同時に動員されることを示した。SB−251353、GROα、GROβ、及びGROγ等のケモカインは、WO 94/29341号;WO 97/15594号;WO 99/26645号;WO 02/02132号;米国特許第6,080,398号;米国特許第6,399,053号;及び米国特許第6,447,766号において更に議論され、これらは全て、参照により本書に組み込まれる。
【0006】
SB−251353は、約7500Daの分子量をもつ塩基性ヘパリン結合タンパク質であり、特異的なCXCR2レセプター作用物質である(King, A., et al., J. Immunol. (2000) 164: 3774-3782、Hepburn, T., et al., Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, (2001) 298: 886-893)。GROβの他、CXCR2レセプターを介して作用する他のケモカインには、GROα、GROγ、GCP−2(顆粒球化学遊走タンパク質 2(granulocyte chemo-attractant protein 2))、IL−8、NAP−2(好中球活性化ペプチド 2(neutrophil activating peptide 2))、ENA−78(上皮細胞由来好中球活性化タンパク質 78(epithelial-cell derived neutrophil activating protein 78))、及びMGSAが含まれる。
【0007】
ケモカインレセプターCXCR4及びその天然リガンドであるストロマ細胞由来因子−1(SDF−1)は、血球の発生及び成熟のプロセスにおいて重要であると思われる。ここで、成熟血球細胞(mature blood cell)とは、骨髄を含む特定の造血組織に存在する造血前駆細胞(hematopoietic precursor cell)(始原細胞(progenitor cell))及び幹細胞に由来する(概説のためMaekawa, T., et al., Internal Med. (2000) 39: 90-100;Nagasawa, T., et al., Int. J. Hematol. (2000) 72: 408-411参照)。これは、CXCR4又はSDF−1ノックアウトマウスが造血欠陥(hematopoietic defect)を示すという報告によって立証されている(Ma, Q., et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA (1998) 95: 9448-6453;Tachibana, K., et al., Nature (1998) 393: 591-594;Zou, Y-R., et al., Nature (1998) 393: 595-599)。CD34+前駆細胞はCXCR4を発現し、化学遊走(chemoattraction)及び移植(engraftment)のため骨髄ストロマ細胞によって生成されるSDF−1を必要とするということ(Peled, A., et al., Science (1999) 283: 845-848)、並びにインビトロで、SDF−1は、CD34+細胞(Aiuti, A., et al., J. Exp. Med. (1997) 185: 111-120;Viardot, A., et al., Ann. Hematol. (1998) 77: 194-197)と前駆/幹細胞(Jo, D-Y., et al., J. Clin. Invest (2000) 105: 101-111)の両方にとって化学走性であることも知られている。SDF−1は、Tリンパ球(T-lymphocyte)及び単球(Bleul, C., et al., J. Exp. Med. (1996) 184: 1101-1109)、プロ及びプレBリンパ球(pro- and pre-B lymphocyte)(Fedyk, E. R., et al., J. Leukoc. Biol. (1999) 66: 667-673;Ma, Q., et al. Immunity (1999) 10: 463-471)、並びに巨核球(Hodohara, K., et al., Blood (2000) 95: 769-775;Riviere, C., et al., Blood (1999) 95: 1511-1523;Majka, M., et al., Blood (2000) 96: 4142-4151;Gear, A., et al., Blood (2001) 97: 937-945;Abi-Younes, S., et al., Circ. Res. (2000) 86: 131-138)を含むいくつかの他の、より関係付けられた(more committed)前駆細胞及び成熟血球にとって、CXCR4レセプターを介してシグナル伝達をする重要な化学遊走物質(chemoattractant)でもある。
【0008】
したがって、要約すると、SDF−1は、CXCR4レセプターを産生する細胞の位置決め及び分化を、これらの細胞が幹細胞(即ちCD34+である細胞)又は前駆細胞(ある特定の刺激に対する応答において特定された型のコロニーの形成をもたらすもの;CD34又はCD34でありうるもの)であろうと、ある程度、より分化された細胞であろうと制御することができる。
【0009】
最近、自家幹細胞移植(autologous stem cell transplantation)のために使用される末梢血前駆細胞のプールにおいて動員されるCD34+細胞の数に、かなり注目が集まっている。幹細胞移植は、細胞が健常ドナー、多くの場合には同胞から移植される場合には同種間(allogenic)として、又は細胞が患者から採取(収集)され化学療法後再注入される場合には自家性(autologous)として特徴づけられうる。幹細胞を採取する典型的な処置の間、患者又はドナーは、数日後に行われるアフェレーシス(除去療法)で細胞が目標レベルに達するまで幹細胞生成を刺激するために、4、5日連続して一日量のG−CSFを投与される。G−CSFの使用は、アフェレーシスの日にも続けられる。通常、かなりの数に上る患者が、細胞を目標レベルに到達させるため、繰り返しアフェレーシスセッションを必要とする。CD34+集団は、化学療法後の回復時間を改善する主原因であると考えられる成分であり、長期的移植及び造血の回復の原因となる可能性の高い細胞である(Croop, J. M., et al., Bone Marrow Transplantation (2000) 26: 1271-1279)。CD34+細胞が再移植されるメカニズムは、SDF−1のCXCR4発現細胞への走化作用によるものであろう(Voermans,C., Blood (2001) 97: 799-804;Ponomaryov, T., et al., J. Clin. Invest. (2000) 106: 1331-1339)。さらに最近、マウスにおいて成人造血幹細胞が、損傷を受けた心臓組織を修復することができることが明らかになった(Jackson, K., et al., J. Clin. Invest. (2001) 107: 1395-1402;Kocher, A., et al., Nature Med. (2001) 7: 430-436)。
【0010】
したがって、細胞の分化段階を決定し及び分化の制御におけるCXCR4レセプターの役割は極めて重要であると考えられる。1,1[1,4−フェニレン−ビス(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカンである化合物AMD3100は、それ自体で前駆細胞を動員するCXCR4拮抗物質として知られている(例えば、Hubel, K., et al., Supportive Cancer Therapy (2004) 1: 165-172参照。De Clercq, E., et al., Nat. Rev. Drug Discov. (2003) 2: 581-587引用。)。更に、PCT公報WO 00/45814号には、AMD3100を含む各種環状ポリアミン化合物により白血球数が増加されることが開示されている。PCT公報WO 03/011277号によって、AMD3100を含むそのような化合物が前駆/幹細胞を動員することが更に明らかにされている;また、AMD3100の、GM−CSF、IL−1、IL−3、IL−8、PIXY−321マクロファージ炎症性タンパク質、皮膚細胞因子(skin cell factor)、トロンボポエチン、増殖関連発癌遺伝子又は化学療法を含む各種の他の因子、或いは、一般に、抗生物質、ビタミン類、草本抽出物(herbal extract)、抗炎症物質、グルコース、解熱剤、鎮痛剤等の別の活性成分との組み合わせも記載されている。
【0011】
今、本願において、CXCR4拮抗物質のGROβの修飾型を含むGROβとの特定の組み合わせが、前駆細胞の動員において特に効果的であることが見出された。
【0012】
上記文献の引用は、上記の全てが関連する先行技術であると自認することを意図したものではない。これらの文献の日付についての全ての記載又は内容についての表示は、出願人にとって入手可能な情報に基づき、これらの文献の日付の正確さ又は内容について何ら承認するものではない。更に、本願中に参照した全ての文献は、参照により本書にそっくりそのまま組み込まれる。
【発明の開示】
【0013】
本発明は、前駆細胞及び/又は幹細胞の数が増加するよう動物被検体、特に獣医学的な被検体及びヒト被検体を治療する方法に関する。前記前駆細胞及び/又は幹細胞は、採取され、細胞移植に使用されてもよい。本発明の方法では、以下に記載されるある一定のポリアミン等のCXCR4レセプターの阻害剤がGROβの少なくとも1つの形態、即ちGROβそのもの又はその修飾型と組み合わせて用いられる。前記方法は、幹細胞移植、組織修復、の状況において、及び直接インビボで造血の刺激が望まれる状況において、有用である。
【0014】
明確に指示がない限り、用語「a」、「an」、及び「the」は単数形及び複数形の言及を含む。したがって、例えば、CXCR4拮抗物質についての言及は、1以上のCXCR4拮抗物質を含む。
【0015】
したがって、一つの視点において、本発明は、被検体において、前駆細胞及び/又は幹細胞を増加させる方法であって、前記方法は、前記被検体に、ある量の、以下に示される式(1)の化合物のようなCXCR4レセプターを阻害する化合物をGROβ及びその修飾型に代表される集団を構成する成分(member)と組み合わせて投与することを含む方法に関する。一つの形態において、骨髄細胞は、心筋の修復のために動員される。他の形態は、自家性又は同種間の被検体へのその後の移植のためのエキソビボ又はインビボでの細胞の動員を含む。
【0016】
したがって、本発明の方法はまた、細胞集団をエキソビボにてCXCR4阻害剤とGROβ又はその修飾型との組み合わせ物(併用物)で処理すること並びに前記処理した集団を適合性のある被検体に導入して末梢血において幹細胞及び/又は前駆細胞の数を増加させることも含む。同様に骨髄において白血球集団も増加する。
【0017】
別の視点において、本発明は、CXCR4拮抗物質及びGROβタンパク質を含む組み合わせ物であって、前記組み合わせは、末梢血又は骨髄において前駆細胞及び/又は幹細胞の数を増加させることができる組み合わせ物に関する。前記組み合わせ物は、混合物、溶液、又は医薬組成物であってもよい。別の視点において、本発明は、動物被検体における若しくはエキソビボ培養物における前駆細胞及び/又は幹細胞の増加をもたらすために使用するためのCXCR4阻害剤及びGROβケモカインを含む医薬組成物に関する。
【0018】
更に、本発明は、CXCR4拮抗物質及びGROβタンパク質を含む組み合わせ物、又はその医薬組成物の、末梢血又は骨髄において前駆細胞及び/又は幹細胞集団を増加させるための使用を提供する。本発明は、CXCR4拮抗物質及びGROβタンパク質を含む組み合わせ物、又はその医薬組成物の、末梢血又は骨髄において前駆細胞及び/又は幹細胞集団を増加させる医薬品の製造のための使用も提供する。更に、本発明は、末梢血又は骨髄において前駆細胞及び/又は幹細胞集団を増加させるための、CXCR4拮抗物質及びGROβタンパク質を含む化合物又は薬剤に関する。
【0019】
驚いたことに、式(1)の化合物等のCXCR4拮抗物質とGROβの修飾型を含むGROβとの組み合わせは、何れかの薬剤単独で必要とされるであろう時間又は日数に対して、短時間で−−1時間未満で、前駆及び幹細胞を顕著に動員することができる。
【0020】
本発明の方法において使用されるCXCR4拮抗物質は、式(1)の化合物:
Z−リンカー−Z’ (1)
によって例証される。
但し、Zは、2〜8個の窒素原子を含む9〜32員環の、任意に置換した環状ポリアミンであり、前記窒素原子は少なくとも2つの炭素原子により互いに隔てられ、前記複素環は任意に窒素以外の別のヘテロ原子を含んでもよく、及び/又は付加的な環系と縮合してもよく;
或いはZは、式

であってもよく;
Aは、少なくとも1つのNを含む単環式又は二環式縮合環系からなり、Bは、H又は1〜20原子の有機成分であり;
Z’は、前記Zによって規定されたのと同様の形態で表されてもよく、又はこれに代えて式
−N(R)−(CR−X
であり;
それぞれのRは、独立してH又は直鎖、分岐鎖又は環状アルキル(1−6C)であり、
nは、1又は2であり、
Xは芳香族複素環を含む芳香環であるか又はメルカプタンであり;
或いはZ’は、窒素含有複素環、又はそれぞれのRが前記規定されたのと同様であるNRであることが可能であり;
「リンカー(linker)」は1つの結合、アルキレン(1−6C)を表すか、或いはアリール、縮合アリール、及び/又はアルキレン鎖に含まれる酸素原子を含んでいてもよく、或いはケト基又は窒素若しくは硫黄原子を含んでもよい。
【0021】
CXCR4拮抗物資は、前記したように、好ましくは式(1)を有する化合物である。本発明は、被検体において、前駆細胞及び/又は幹細胞を増加させる方法であって、前記被検体に、ある量の、以下に示した式(1A)〜(1F)、(2A)〜(2B)、(3)、(3A)〜(3C)、(4)、(4A)〜(4C)、(5)、(6)、(6A)〜(6D)、(7)及び(8)の化合物のようなCXCR4レセプターを阻害する少なくとも1つの化合物をGROβ及びその修飾型に代表される集団を構成する少なくとも一つの成分と組み合わせて投与することを含む方法にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、前駆細胞及び/又は幹細胞を動員する或いは前駆細胞及び/又は幹細胞の増殖を増大させるCXCR4拮抗物質と、GROβタンパク質との特定の組み合わせに関する。前記組み合わせは、何れかの成分を単独で用いるよりも、かつ先に開示された組み合わせよりもかなり短期間でこのような刺激を達成することができる。幹細胞及び/又は前駆細胞の動員は、更に以下に記載するように、多数の状況において有用である。
【0023】
前記組み合わせは、被検体に直接投与されてもよいし、或いはエキソビボでの培養で細胞を処理するのに使用されてもよい。前記処理された細胞を、その後被検体、一般には、前記細胞が由来する被検体(自家移植)又は密接に関連している被検体(同種間移植)に投与することができる。前記組み合わせの必須要素(成分)のそれぞれは、前記クラスを構成する単一の成分として与えられてもよく、或いは混合物又は前記クラスを構成する複数の成分の他の組み合わせとして与えられてもよい。前記組み合わせの各成分(実際には、単一のクラス(種類)を代表する下位組み合わせ(sub-combination)を構成する各成分)を、独立して、同時に、同一経路で、又は同時に異なる経路で、又は異なる時間に同一若しくは異なる経路で、組み合わせの他のどの成分としても投与することができる。したがって、例えば、仮に二つの異なるCXCR4拮抗物質が使用される場合には、両方を同時に投与することができるが、両方を同時に投与しなくてもよく;両方を静脈投与することができるが、両方を静脈投与しなくてもよい。同様に、仮に二以上のGROβタンパク質が使用される場合には、これらを、やはり直前に記載した投与の各種タイプに付してもよい。同様のことは、CXCR4拮抗物質類を構成する成分及びGROβタンパク質類(GROβ protein class)を構成する成分の投与に適用される。組み合わせGROβタンパク質(又は複数のGROβタンパク質)及びCXCR4拮抗物質(又は複数のCXCR4拮抗物質)を、そのような各種プロトコルにしたがって、独立して又は同一の組成で、同様に投与してもよい。
【0024】
前記「GROβタンパク質(GROβ protein)」又は「GROβケモカイン(GROβ chemokine)」類(class)には、GROβそのもの並びにGROβの修飾型が含まれる。本書に更に記載したように、これらの修飾型は、切断及び多量体化されてもよく、アミノ酸置換体、欠失体又は挿入体を含んでもよく、或いはこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0025】
前記CXCR4拮抗物質は、好ましくは式(1)の化合物である。本発明において使用される他の好ましいCXCR4拮抗物質は、以下に示した式(1A)〜(1F)、(2A)〜(2B)、(3)、(3A)〜(3C)、(4)、(4A)〜(4C)、(5)、(6)、(6A)〜(6D)、(7)及び(8)の化合物である。
【0026】
式(1)の化合物は、CXCR4、すなわちT細胞指向性のHIV株の融合及び侵入に必要とされるコレセプター(共同受容体)の阻害を介してHIV複製を阻害し、また、天然リガンドであるケモカインSDF−1の結合及びこれによって誘導されるシグナル伝達も阻害する。如何なる理論にも縛られることを望まないが、SDF−1とCXCR4との結合を阻害する式(1)の化合物は、そのような阻害によって幹細胞及び/又は前駆細胞の増加をもたらす。血液中の幹細胞及び/又は前駆細胞を増加させることは、白血球減少症をもたらすプロトコル等、骨髄に不利な影響を及ぼすプロトコルの作用を軽減する治療に役立つ。これらは、化学療法及び放射線療法の公知の副作用である。式(1)の化合物は、骨髄移植の成功を高め、創傷治癒及び火傷治療を高め、更に損傷した器官組織の修復を助ける。それらの化合物は、また、白血病に蔓延している細菌感染症をも抑制する。WO03/011277号に記載されているように、式(1)の化合物は、他の動員性因子(mobilizing factor)との組み合わせの有り無しで、アフェレーシスを介してCD34+細胞を動員及び採取(収集)するのに使用される。採取された細胞は、幹細胞移植を必要とする治療に使用される。
【0027】
本願において使用される用語「前駆細胞(progenitor cell)」とは、ある一定の刺激に反応して、分化した造血又は骨髄細胞を形成することができる細胞をいう。前駆細胞の存在は、サンプル中の細胞が各種タイプのコロニー形成単位(colony-forming unit)、例えば、CFU−GM(顆粒球−マクロファージへのコロニー形成単位);CFU−GEMM(多分化能コロニー形成単位);BFU−E(赤血球バースト形成単位(burst-forming unit));HPP−CFC(高増殖能コロニー形成細胞(high proliferative potential colony-forming cells));又は公知のプロトコルを用いて培養で得ることができる他のタイプの分化したコロニー等を形成する能力によって評価することができる。
【0028】
本願において使用される「幹(stem)」細胞は、前駆細胞のより未分化の形態である。典型的には、そのような細胞は、多くの場合CD34に陽性である。しかしながら、いくつかの幹細胞はこのマーカーを含まない。これらのCD34+細胞は、蛍光標示式細胞分取(fluorescence activated cell sorting)(FACS)を用いて検定され、それによって、サンプル中のそれらの細胞の存在は、この技術を用いて評価される。
【0029】
一般に、CD34+細胞は、血中では低レベルで存在するにすぎないが、骨髄中では非常に多く存在する。内皮細胞及びマスト細胞等、他のタイプの細胞もこのマーカーを示しうるが、CD34は、幹細胞存在の指標と考えられる。
【0030】
いくつかの式(1)の化合物において、Z及びZ’は、参照により本書に組み込まれる米国特許第5,021,409号;第6,001,826号及び第5,583,131号に記載されているように、3〜5の窒素原子を含む9〜24Cを有する環状ポリアミン成分である。特に好ましいのは、別の芳香環若しくは芳香族複素環と縮合される及び/又は環に組み込まれる窒素原子以外のヘテロ原子を含むような環状ポリアミンを含む、1,5,9,13−テトラアザシクロヘキサデカン;1,5,8,11,14−ペンタアザシクロヘキサデカン;1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;1,5,9−トリアザシクロドデカン;及び1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン等である。これらのもの及び環状ポリアミンが縮合した別の環系又は1以上の別のヘテロ原子を含む形態は、参照により本書に組み込まれる米国特許第5,698,546号に記載されている。同様に好ましいのは、
3,7,11,17−テトラアザビシクロ(13.3.1)ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエン;
4,7,10,17−テトラアザビシクロ(13.3.1)ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエン;
1,4,7,10−テトラアザシクロテトラデカン;1,4,7−トリアザシクロテトラデカン;及び
4,7,10−トリアザビシクロ(13.3.1)ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエンである。
【0031】
Z’がZにおいて規定されたのと同様の環状ポリアミン以外のものである場合、その好ましい形態は、同様に参照により本書に組み込まれる米国特許第5,817,807号;第6,756,391号;第6,506,770号;及び第6,667,320号に示されている。Zが式

である形態
(但し、Aは、少なくとも1つのNを含む単環式又は二環式の縮合環系であり、Bは、H又は1〜20原子の有機成分である)
は、全て参照により本書に組み込まれる米国特許第6,734,191号;第6,750,348号;及び2001年9月17日に出願され、現在許可されている出願第09/957,682号;2001年9月17日に出願され、現在許可されている出願第09/957,654号に開示されている。
【0032】
前記リンカー成分の好ましい形態には、リンカーが1つの結合である形態、或いはリンカーがアルキレンであるか又はアルキレン、好ましくはメチレン成分に隣接した芳香族成分を含む形態が含まれる。好ましい連結(リンカー)基には、1,3−フェニレン、2,6−ピリジン、3,5−ピリジン、2,5−チオフェン、4,4’−(2,2’−ビピリミジン);及び2,9−(1,10−フェナントロリン)等のメチレンで囲まれた形態が含まれる。特に好ましいリンカーは、1,4−フェニレン−ビス−(メチレン)である。
【0033】
一つの視点において、本発明の方法において使用されるCXCR4は、式(1A)を有する化合物によって例証される場合がある:
V−CR−Ar−CRNR−(CR−Ar (1A)
但し、Vは、2以上の任意に置換した炭素原子により互いを離された2〜4の任意に置換したアミン窒素原子を含む9〜24員の置換した複素環であり、前記複素環は、縮合した芳香環又は芳香族複素環を任意に含み、
(a)前記複素環は、少なくとも一つのO又はSを含み、前記O又はSは、少なくとも2つの炭素原子により全ての隣接するヘテロ原子から離され、前記Sは、任意に酸化され、或いは
(b)前記環において少なくとも一つの炭素原子は、電子吸引性置換基によって置換され、或いは
(c)(a)及び(b)の両方
であり;
それぞれのRは、独立して、H又は1−6Cを含む直鎖、分岐鎖又は環状アルキルであり;
xは、0〜4であり;
Arは、置換していない若しくは置換した芳香族又は複素環式芳香族成分であり;
Arは、置換していない若しくは置換した芳香族又は複素環基である。
【0034】
上記式(1A)において、Vは、別のヘテロ原子が存在しない場合には、2−4N、好ましくは3−4Nを含んでもよい。Vの好ましい環の大きさは、9〜18員、より好ましくは12〜16員である。Vはまた、縮合した芳香環又は芳香族複素環、好ましくは1,2又は1,3又は1,4フェニレン或いは2,6又は2,5又は2,4又は2,3ピリジニレンを含んでもよい。縮合環は、例えば、2,5又は2,6ピリミジニレン或いは2,4又は2,3ピロリレンであってもよい。
【0035】
上記式(1A)において、環Vにおける少なくとも1つのCに存在する電子吸引性置換基は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボン酸、1−6Cのアルコールから形成したカルボキシル基を有するエステル、0−12Cのアミンから形成したアミド、スルホン酸又はスルフィン酸、エステル又はアミド、及びCF等であってもよい。好ましい電子吸引性置換基は、=O並びにハロ(ハロゲン)である。ハロゲンの例として、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、フッ素及び塩素が好ましい。
【0036】
上記式(1A)において、Arは、任意に置換した複素環基又は芳香族基であってもよい。芳香族基の例として、ベンゼン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン及びテトラヒドロナフタレンが挙げられるが、これらに限定されない。複素環基の例として、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される1〜4のヘテロ原子を含む5〜6−員の飽和、部分飽和、又は芳香族複素環が挙げられる。前記複素環は、ピリジン、キノリン、イソキノリン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、アザベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、フラン、ベンゾフラン、チアゾール、ベンゾチアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ピロール、インドール、インドリン、インダゾール、ピロリジン、ピロリドン、ピロリン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ピラゾール、チオフェン、イソキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、モルフォリン、チアモルフォリン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、ベンゾピラン、ジオキサン、ジチアン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロフラン、及びジヒドロチオフェン等であってもよい。複素環を含む窒素及び硫黄の酸化物もまた本発明に含まれる。
【0037】
Ar上の任意の置換基には、アルキル(1−6C)、アルケニル(1−6C)、アルキニル(1−6C)、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボン酸、1−6Cのアルコールから形成したカルボキシル基を有するエステル、0−12Cのアミンから形成したアミド、スルホン酸又はスルフィン酸、エステル又はアミド、OR、SR、NR、OCR、OOCR、NRCOR、任意に置換した芳香族又は複素環基、及びCF等が含まれる。但し、全てのRは、水素原子又は直鎖若しくは分岐鎖アルキル(1−6C)である。好ましい置換基には、アルキル、OR、NR、及びハロが含まれる。Arの好ましい形態には、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル及びイミダゾリルが含まれる。
【0038】
上記式(1A)において、Arは、二価のベンゼン、ピリジン、チオフェン、及びピリミジン等である5〜6員の芳香族系であってもよい。Arは、アルキル、アルケニル、ハロ、ニトロ、シアノ、CF、COOR、CONR、OCR、OOCR、NRCOR、OR、NR、SR(但し、Rは、H又はアルキル1−6Cである)、スルホン酸又はスルフィン酸、エステル類又はアミド類等により任意に置換されてもよい。Arの好ましい形態は、フェニレン、特に1,3及び1,4フェニレン、並びにピリジニレン、好ましくは2,6ピリジニレン、及び3,5ピリジニレンである。好ましい置換基は、アルキル、OR、NR及びハロである。
【0039】
更に、式(1A)の化合物において、それぞれのR基は、水素原子又は1−2Cのアルキル基、好ましくは水素原子であってもよい。窒素原子と共役(結合)されてもよいR基は、水素原子又は1−6Cのアルキル基、好ましくは直鎖アルキル1−3C、より好ましくはH又はメチルである。一つの形態において、1、2、3、4、及び5のR基は、メチル又はエチルであり、残りのR基は、水素原子である。
【0040】
一つの形態において、前記CXCR4拮抗物質は、式
V−CH−Ar−CHNR−CH−Ar
を有する。
但し、Vは、式(1A)において規定されたのと同様の複素環であり:
(a)前記複素環は、ハロ又は=Oで置換され;或いは
(b)前記複素環は、O又はSを含み;或いは
(C)(a)と(b)の両方
であり、
Arは、置換していない1,3又は1,4−フェニレンであり、Rは、H、メチル又はエチルであり、Arは、置換していないフェニル又はピリジニルである。xの好ましいい形態は、0〜2及び1〜2である。
【0041】
複素環Vは、少なくとも一つのフルオロ置換基によって置換される複素環において3N及び少なくとも一つの炭素原子を含んでもよい。R成分は、独立して水素原子又はメチルであってもよい。(CR基の数は、0〜4、0〜2、又は1〜2であってもよい。Ar成分は、1,3又は1,4−フェニレンであってもよい。Ar成分は、フェニル又はピリジルであってもよい。複素環Vは、12〜16員の複素環であってもよく、或いは環の構成要素としてO又はSを含んでもよい。複素環Vは、環の構成要素として酸化した硫黄を含んでもよい。一つの形態において、複素環Vにおける少なくとも一つの炭素原子は、=Oによって置換される。
【0042】
式(1A)の化合物、及びそのような化合物を合成する方法は、WO 01/44229号に記載され、これは参照により本書に組み込まれる。式(1A)の化合物、その医薬的に許容できる塩又はその金属複合体の例として:
N−[4−(11−フルオロ−1,4,7−トリアザシクロテトラデカニル)−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[4−(11,11−ジフルオロ−1,4,7−トリアザシクロテトラデカニル)−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[4−(1,4,7−トリアザシクロテトラデカン−2−オニル)−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[12−(5−オキサ−1,9−ジアザシクロテトラデカニル)−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[4−(11−オキサ−1,4,7−トリアザシクロテトラデカニル)−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[4−(11−チア−1,4,7−トリアザシクロテトラデカニル)−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[4−(11−スルホキソ−1,4,7−トリアザシクロテトラデカニル)−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[4−(11−スルホノ−1,4,7−トリアザシクロテトラデカニル)−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;又は
N−[4−(3−カルボキソ−1,4,7−トリアザシクロテトラデカニル)−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
別の視点において、本発明の方法において使用されるCXCR4化合物は、式(1B)を有する化合物によって例証される:
V−CR−Ar−CR−N(R)−(CR−R (1B)
但し、Vは、任意に置換した1,4,8,11−テトラアザシクロテトラ−デカニル、4,7,10,17−テトラアザビシクロ[13.3.1]ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエニル、1,4,7−トリアザシクロテトラ−デカニル、4,7,10−トリアザビシクロ[13.3.1]ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエニル、1,7−ジアザシクロテトラデカニル、又は4,10−ジアザビシクロ[13.31.1]ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエニル系であり;
〜Rは、同一でも又は異なっていてもよく、独立して水素原子又は直鎖、分岐鎖若しくは環状C1−6アルキルから選択され;
は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾリル、チオフェン−イル、チオフェニル、アミノベンジル、ピペリジニル、プリン、ピペラジニル、フェニルピペラジニル、又はメルカプタンであり;
Arは、アルキル、アリール、アミノ、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、カルボキシル及び/又はカルボキサミドと単一又は複数の位置で任意に置換したフェニレン環であり;
xは、1又は2である。
【0044】
上記式(1B)において、V成分は、ヒドロキシ、アルコキシ、チオール、チオアルキル、ハロゲン、ニトロ、カルボキシ、アミド、スルホン酸、及び/又はリン酸により任意に置換されてもよい。
【0045】
式(1B)の化合物、その医薬的に許容できる又はその金属複合体、並びにそのような化合物を合成する方法は、WO 00/02870号に記載され、これは参照により本書に組み込まれる。式(1B)を有する化合物の例として:
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラ−デカニル−1,4−フェニレンビス−(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラ−デカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−N−メチル−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラ−デカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−4−(アミノメチル)ピリジン;
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラ−デカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−3−(アミノメチル)ピリジン;
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラ−デカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−(2−アミノメチル−5−メチル)ピリジン;
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラ−デカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−(2−アミノエチル)ピリジン;
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラ−デカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)チオフェン;
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラ−デカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)メルカプタン;
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラ−デカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−アミノベンジルアミン;
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラ−デカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−4−アミノベンジルアミン;
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラ−デカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−4−(アミノエチル)イミダゾール;
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラ−デカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−ベンジルアミン;
N−[4−(1,4,7−トリアザシクロテトラ−デカニル)−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[7−(4,7,10,17−テトラアザビシクロ[13.3.1]ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエニル)−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[7−(4,7,10−トリアザビシクロ[13.3.1]ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエニル)−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[1−(1,4,7−トリアザシクロテトラ−デカニル)−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[4−[4,7,10,17−テトラアザビシクロ[13.3.1]ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエニル]−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[4−[4,7,10−トリアザビシクロ[13.3.1]ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエニル]−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]プリン;
1−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−4−フェニルピペラジン;
N−[4−(1,7−ジアザシクロテトラデカニル)−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;及び
N−[7−(4,10−ジアザビシクロ[13.3.1]ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエニル)−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
更に別の視点において、本発明の方法において使用されるCXCR4は、式(1C)を有する化合物によって例証される場合がある:
−CR10−Ar (1C)
但し、Vは、任意に置換した1,4,8,11−テトラアザシクロテトラ−デカニル又は4,7,10,17−テトラアザビシクロ[13.3.1]ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエニル系であり;
及びR10は、同一であっても異なっていてもよく、独立して水素原子又は直鎖、分岐鎖又は環状C1−6アルキル基から選択され;
Arは、電子供与性若しくは電子吸引性基及び/又は芳香族及び複素環基並びにそれらのアルキル誘導体と単一又は複数の位置で任意に置換した芳香環或いは複素環、並びに酸付加塩及び金属複合体である。
【0047】
上記式(1C)において、Arは、アルキル、アリール、アミノ、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、カルボキシル及び/又はカルボキサミドと任意に置換されてもよい。特定の形態では、Arは、アルコキシ、アルキル、又はハロゲンと任意に置換される。
【0048】
式(1C)を有する化合物、及びそれを合成する方法は、WO00/02870号に記載され、これは参照により本書に組み込まれる。式(1C)を有する化合物の例として:
1−[2,6−ジメトキシピリド−4−イル(メチレン)]−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1−[2−クロロピリド−4−イル(メチレン)]−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1−[2,6−ジメチルピリド−4−イル(メチレン)]−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1−[2−メチルピリド−4−イル(メチレン)]−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1−[2,6−ジクロロピリド−4−イル(メチレン)]−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1−[2−クロロピリド−5−イル(メチレン)]−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;及び
7−[4−メチルフェニル(メチレン)]−4,7,10,17−テトラアザビシクロ[13.3.1]ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエン
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
更に別の視点において、本発明の方法において使用されるCXCR4拮抗物質は、式(1D)を有する化合物によって例証される場合がある:
V−R−A−R’−W (1D)
但し、V及びWは、独立して、9〜32員環であり、当該環には2個以上の炭素原子により互いを離された3〜8個のアミン窒素原子を有し、且つこの環と縮合した1以上の芳香環又は芳香複素環を有する環状ポリアミン成分であり、
Aは、V及びWが、それらと縮合した1以上の芳香族又は複素環式芳香族成分を有するとき、当該環に組み込まれた窒素原子以外の別のヘテロ原子の有無にかかわりなく、芳香族又は複素環式芳香族成分であり、或いはAは、V及びWが、Aと縮合した1以上の芳香族又は複素環式芳香族成分を有しないで環に組み込まれた窒素原子以外の別のヘテロ原子を含むときに、芳香族又は複素環式芳香族成分であり、
R及びR’のそれぞれは、置換された若しくは置換されていないアルキレン鎖又はヘテロ原子を含む鎖であり、これらによって環状ポリアミンと成分Aとを隔てている。
【0050】
上記式(1D)において、R及びR’は、それぞれメチレンであってもよい。一つの例では、Aは、1,3−又は1,4−フェニレンである。別の例では、それぞれのV及びWは、環に炭素及び窒素原子のみを含む置換していない若しくは置換した三環式又は二環式の環系である。環系の一つは、3〜6のアミン窒素原子を有する10〜20員のポリアミン環系であってもよく、環系又は複数の環系は、縮合したベンジル又はピリジニル環系である。
【0051】
式(1D)を有する化合物、及びそのような化合物を合成する方法は、米国特許第5,698,546号に記載され、これは参照により本書に組み込まれる。これらの化合物には:
7,7’−[1,4−フェニレン−ビス(メチレン)]ビス−3,7,11,17−テトラアザビシクロ[13.3.1]ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエン;
7,7’−[1,4−フェニレン−ビス(メチレン)]ビス[15−クロロ−3,7,11,17−テトラアザビシクロ[13.3.1]ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエン];
7,7’−[1,4−フェニレン−ビス(メチレン)]ビス[15−メトキシ−3,7,11,17−テトラアザビシクロ[13.3.1]ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエン];
7,7’−[1,4−フェニレン−ビス(メチレン)]ビス−3,7,11,17−テトラアザビシクロ[13.3.1]ヘプタデカ−13,16−トリエン−15−オン;
7,7’−[1,4−フェニレン−ビス(メチレン)]ビス−4,7,10,17−テトラアザビシクロ[13.3.1]ヘプタデカ−1(17),13,15−トリエン;
8,8’−[1,4−フェニレン−ビス(メチレン)]ビス−4,8,12,19−テトラアザビシクロ[15.3.1]ノナデカ−1(19),15,17−トリエン;
6,6’−[1,4−フェニレン−ビス(メチレン)]ビス−3,6,9,15−テトラアザビシクロ[11.3.1]ペンタデカ−1(15),11,13−トリエン;
6,6’−[1,3−フェニレン−ビス(メチレン)]ビス−3,6,9,15−テトラアザビシクロ[11.3.1]ヘプタデカ−1(15),11,13−トリエン;及び
17,17’−[1,4−フェニレン−ビス(メチレン)]ビス−3,6,14,17,23,24−ヘキサアザトリシクロ[17.3.1.18,12]テトラコサ−1(23),8,10,12(24),19,21−ヘキサエン;
が含まれるがこれらに限定されない。
【0052】
更に別の視点において、本発明の方法において使用されるCXCR4拮抗物質は、式(1E)を有する化合物によって例証される場合がある:
Z−R−A−R’−Y (1E)
但し、Z及びYは、10〜15員環及び当該環に2以上の炭素原子により互いを離された3〜6アミン窒素原子を有する同一の環状ポリアミンであり、前記アミン窒素原子は唯一の環のヘテロ原子であり、
Aは、キノリン以外の芳香族又は複素環式芳香族成分であり、
R及びR’は、それぞれZ及びYの窒素原子と結合したメチレンであり、さもなければアミン窒素原子は置換されない。
【0053】
上記式(1E)において、それぞれの成分Z及びYは、14員環を有し当該環に4アミン窒素原子を有してもよい。式(1E)を有する化合物、及びそのような化合物を合成する方法は、米国特許第5,583,131号に記載され、これは参照により本書に組み込まれる。これらの化合物には:
1,1’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラ−アザシクロテトラデカン;
1,1’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラ−アザシクロテトラデカン(AMD 3100);
1,1’−[1,4−フェニレン−ビス−(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1,1’−[1,4−フェニレン−ビス−(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカンのビス−亜鉛又はビス−銅複合体;
1,1’−[3,3−ビフェニレン−ビス−(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
11,11’−[1,4−フェニレン−ビス−(メチレン)]−ビス−1,4,7,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1,11’−[1,4−フェニレン−ビス−(メチレン)]−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,4,7,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1,1’−[2,6−ピリジン−ビス−(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1,1−[3,5−ピリジン−ビス−(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1,1’−[2,5−チオフェン−ビス(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1,1’−[4,4−(2,2’−ビピリジン)−ビス−(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1,1’−[2,9−(1,10−フェナントロリン)−ビス−(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1,1’−[1,3−フェニレン−ビス−(メチレン)]−ビス−1,4,7,10−テトラアザシクロテトラデカン;
1,1’−[1,4−フェニレン−ビス−(メチレン)]−ビス−1,4,7,10−テトラアザシクロテトラデカン;
1’−[5−ニトロ−1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1,1’−[2,4,5,6−テトラクロロ−1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1,1’−[2,3,5,6−テトラ−フルオロ−1,4−フェニレンビス(メチレン)]ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1,1’−[1,4−ナフチレン−ビス−(メチレン)]ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1,1’−[1,3−フェニレンビス−(メチレン)]ビス−1,5,9−トリアザシクロドデカン;
1,1’−[1,4−フェニレン−ビス−(メチレン)]−1,5,9−トリアザシクロドデカン;
1,1’−[2,5−ジメチル−1,4−フェニレンビス−(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1,1’−[2,5−ジクロロ−1,4−フェニレンビス−(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
1,1’−[2−ブロモ−1,4−フェニレンビス−(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;及び
1,1’−[6−フェニル−2,4−ピリジンビス−(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン
が含まれるがこれらに限定されない。
【0054】
更に別の視点において、本発明の方法において使用されるCXCR4拮抗物質は、式(1F)を有する化合物によって例証される場合がある:
Z−(A)−Y (1F)
但し、Z及びYは、独立して9〜32員環及び当該環に3〜8アミン窒素原子を有する環状ポリアミンであり、
Aは、結合原子(linking atom)又は基であり、nは、0又は1〜6の整数である。
【0055】
上記式(1F)において、それぞれのZ及びY成分は、10〜24員環、又は12〜18員環であってもよい。それぞれのZ及びY成分は、また、環に4〜6のアミン窒素原子を有する。一つの例では、nは、0である。別の例では、Aは、メチレンである。
【0056】
式(1F)を有する化合物、及びそのような化合物を合成する方法は、米国特許第5,021,409号に記載され、これは参照により本書に組み込まれる。これらの化合物には:
2,2’−バイサイクラム(2,2'-bicyclam)、6,6’−バイサイクラム;
3,3’−(ビス−1,5,9,13−テトラアザ シクロヘキサデカン);
3,3’−(ビス−1,5,8,11,14−ペンタアザシクロヘキサデカン);
メチレン(又はポリメチレン)ジ−1−N−1−1,4,8,11−テトラアザ シクロテトラデカン;
3,3’−ビス−1,5,9,13−テトラアザシクロヘキサデカン;
3,3’−ビス−1,5,8,11,14−ペンタアザシクロヘキサデカン;
5,5’−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
2,5’−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
2,6’−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
11,11’−(1,2−エタンジイル)ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
11,11’−(1,2−プロパンジイル)ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
11,11’−(1,2−ブタンジイル)ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;
11,11’−(1,2−ペンタンジイル)ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン;及び
11,11’−(1,2−ヘキサンジイル)ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン
が含まれるがこれらに限定されない。
【0057】
別の視点において、本発明の方法において使用されるCXCR4拮抗物質は、式(2A)を有する化合物によって例証される場合がある:

(2A)
但し、Wは、窒素原子でありYは、何もとらない(void)か、又はWは、炭素原子でありY=Hであり;
〜Rは、同一でも又は異なっていてもよく、独立して水素原子又は直鎖、分岐鎖若しくは環状C1−6アルキルであり;
は、任意に置換した複素環基又は任意に置換した芳香族基であり;
Arは、電子供与性若しくは電子吸引性基と単一又は複数の非結合位置(non-linking positions)で任意に置換した芳香環又は芳香族複素環であり;
n及びn’は、独立して、0〜2であり;
Xは、式:

の基であり;
環Aは、任意に置換した飽和若しくは不飽和の5又は6−員環であり、Pは、任意に置換した窒素原子であり、環AにおいてPに加えて、全てのヘテロ原子は、Nであり;
環Bは、任意に置換した5〜7員環であり;
環A又は環Bは、任意の位置から基Vを介して基Wと結合され;
Vは、化学結合であるか、又はVは、(CHn”基(但し、n”=1〜2)であるか、又はVは、C=O基であり;
Zは、水素原子;任意に置換したC1−6アルキル基;任意に置換した芳香族又は複素環基;任意に置換したアミノ基;任意に置換したC1−6アルキルアミノ又はC3−7シクロアルキルアミノ基;及び置換したカルボニル基;又はそれらの医薬的に許容できる酸付加塩からなる群から選択され;
前記化合物は、任意の立体異性の形態にあってもよく、又はその立体異性の形態の混合物として存在してもよく;
環Bは、ベンゼン及び5〜7員のシクロアルキル環;並びにそれらの任意に置換した形態からなる群から選択される。
【0058】
上記式(2A)において、環Aは、ピリジン;ピリミジン;ピラジン;ピリダジン;トリアジン;ピペリジン;ピペラジン;イミダゾール;ピラゾール;又はトリアゾール、並びにその任意に置換した形態であってもよい。環Bは、シクロペンチル;シクロヘキシル;シクロヘプチル;シクロペンテニル;シクロヘキセニル;又はシクロヘプテニル、並びにその任意に置換した形態であってもよい。一つの形態において、環A及び環Bは、共に任意に置換したジヒドロキノリン又はテトラヒドロキノリンである。
【0059】
上記式(2A)において、環A及び環Bは、独立して、ハロゲン;ニトロ;シアノ;カルボン酸;任意に置換したアルキル、アルケニル又はシクロアルキル基;任意に置換した水酸(ヒドロキシル)基;任意に置換したチオール基;任意に置換したアミノ又はアシル基;任意に置換したカルボン酸塩、カルボキサミド又はスルホンアミド基;及び任意に置換した芳香族又は複素環基からなる群から選択される置換基と任意に置換される。一つの形態において、環A及び環Bにおける任意の置換基は、独立して任意に置換したアラルキル又はヘテロシクロアルキルであり、前記へテロシクロアルキルは、1〜4のヘテロ原子を含む5又は6員環である。例えば、任意に置換したアラルキル又はヘテロシクロアルキルは、フェニルC1−4アルキル;フェニルメチル(ベンジル);フェネチル;ピリジニルメチル;又はピリジニルエチルであってもよい。
【0060】
上記式(2A)において、Zは、任意に置換したC1−6アルキル基であってもよい。尚、前記C1−6アルキル基は、ハロゲン;ニトロ;シアノ;カルボン酸;任意に置換したアルキル、アルケニル又はシクロアルキル基;任意に置換した水酸基;任意に置換したチオール基;任意に置換したアミノ又はアシル基;任意に置換したカルボン酸塩、カルボキサミド又はスルホンアミド基;及び任意に置換した芳香族又は複素環基からなる群から選択される1以上の置換基と置換される。
【0061】
上記式(2A)において、Zは、任意に置換した芳香族又は複素環基或いは任意に置換した芳香族又は複素環基と任意に置換したC1−6アルキル基である。一つの形態において、Zは、任意に置換した芳香族又は複素環基と置換したC1−6アルキル基である。前記任意に置換した芳香族基は、ベンゼン;ナフタレン;ジヒドロナフタレン;及びテトラヒドロナフタレンからなる群から選択された置換基と置換されてもよい;尚、前記任意に置換した複素環は、窒素、酸素及び硫黄原子から選択される1〜4のヘテロ原子を含む5〜6−員の飽和、部分飽和、又は芳香族複素環である。前記複素環基は、ピリジン、キノリン、イソキノリン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、アザベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、フラン、ベンゾフラン、チアゾール、ベンゾチアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ピロール、インドール、インドリン、インダゾール、ピロリジン、ピロリドン、ピロリン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ピラゾール、チオフェン、イソキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、モルフォリン、チアモルフォリン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、ベンゾピラン、ジオキサン、ジチアン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロフラン、及びジヒドロチオフェンからなる群から選択される。前記複素環基は、また窒素又は硫黄のヘテロ原子を含んでもよい;尚、前記窒素又は硫黄のヘテロ原子は、任意に酸化物の形態にある。
【0062】
別の形態において、本発明の方法において使用されるCXCR4拮抗物質は、式(2B)を有する化合物であってもよい:

(2B)
但し、Wは、窒素原子でありYは、何もとらず(void);
〜Rは、同一でも又は異なっていてもよく、独立して水素原子又は直鎖、分岐鎖若しくは環状C1−6アルキルであり;
は、任意に置換した複素環基又は任意に置換した芳香族基であり;
Arは、電子供与性若しくは電子吸引性基と単一又は複数の非結合位置(non-linking positions)で任意に置換した芳香環又は芳香族複素環であり;
n及びn’は、独立して、0〜2であり;
Xは、式:

の基であり;
環Aは、任意に置換した飽和若しくは不飽和の5又は6−員環であり、Pは、任意に置換した窒素原子であり、環A又はBにおいて全てのヘテロ原子は、Nであり;
環Bは、任意に置換した5〜7員環であり;
環A又は環Bは、任意の位置から基Vを介して基Wと結合され;
Vは、化学結合であるか、又はVは、(CHn”基(但し、n”=1〜2)であるか、又はVは、C=O基であり;
Zは、水素原子;任意に置換したC1−6アルキル基;任意に置換した芳香族又は複素環基;任意に置換したアミノ基;任意に置換したC1−6アルキルアミノ又はC3−7シクロアルキルアミノ基;及び置換したカルボニル基;又はそれらの医薬的に許容できる酸付加塩からなる群から選択され;
前記化合物は、任意の立体異性の形態にあってもよく、又はその立体異性の形態の混合物として存在してもよい。
【0063】
上記式(2B)において、環Aは、ピリジン;ピリミジン;ピラジン;ピリダジン;トリアジン;ピペリジン;ピペラジン;イミダゾール;ピラゾール;又はトリアゾール、並びにその任意に置換した形態であってもよい。環Bは、ベンゼン又は5〜7−員のシクロアルキル環;及びその任意に置換した形態であってもよい。例えば、環Bは、シクロペンチル;シクロヘキシル;シクロヘプチル;シクロペンテニル;シクロヘキセニル;又はシクロヘプテニル、並びにその任意に置換した形態であってもよい。
【0064】
上記式(2B)において、環A及び環Bは、共に任意に置換したジヒドロキノリン又はテトラヒドロキノリンであってもよい。例えば、環A及び環Bは、独立して、ハロゲン;ニトロ;シアノ;カルボン酸;任意に置換したアルキル、アルケニル又はシクロアルキル基;任意に置換した水酸基;任意に置換したチオール基;任意に置換したアミノ又はアシル基;任意に置換したカルボン酸塩、カルボキサミド又はスルホンアミド基;及び任意に置換した芳香族又は複素環基からなる群から選択される置換基と任意に置換される。一つの例では、環A又は環Bにおける任意の置換基は、独立して任意に置換したアラルキル又はヘテロシクロアルキルであり、前記へテロシクロアルキルは、1〜4のヘテロ原子を含む5又は6員環である。前記任意に置換したアラルキル又はヘテロシクロアルキルは、フェニルC1−4アルキル;フェニルメチル(ベンジル);フェネチル;ピリジニル;ピリジニルメチル;及びピリジニルエチルからなる群から選択される。
【0065】
上記式(2B)において、Zは、任意に置換したC1−6アルキル基であってもよい。尚、前記C1−6アルキル基は、ハロゲン;ニトロ;シアノ;カルボン酸;任意に置換したアルキル、アルケニル又はシクロアルキル基;任意に置換した水酸基;任意に置換したチオール基;任意に置換したアミノ又はアシル基;任意に置換したカルボン酸塩、カルボキサミド又はスルホンアミド基;及び任意に置換した芳香族又は複素環基からなる群から選択される1以上の置換基と置換される。一つの例では、Zは、任意に置換した芳香族又は複素環基と置換したC1−6アルキル基である。
【0066】
別の例において、Zは、任意に置換した芳香族又は複素環基或いは任意に置換した芳香族又は複素環基と任意に置換したC1−6アルキル基である。例えば、前記任意に置換した芳香族基は、ベンゼン;ナフタレン;ジヒドロナフタレン;及びテトラヒドロナフタレンからなる群から選択された置換基と置換される;尚、前記任意に置換した複素環は、窒素、酸素及び硫黄原子から選択される1〜4のヘテロ原子を含む5〜6−員の飽和、部分飽和、又は芳香族複素環である。前記複素環基は、ピリジン、キノリン、イソキノリン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、アザベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、フラン、ベンゾフラン、チアゾール、ベンゾチアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ピロール、インドール、インドリン、インダゾール、ピロリジン、ピロリドン、ピロリン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ピラゾール、チオフェン、イソキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、モルフォリン、チアモルフォリン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、ベンゾピラン、ジオキサン、ジチアン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロフラン、又はジヒドロチオフェンであってもよい。他の例では、前記複素環基は、窒素又は硫黄のヘテロ原子を含む;尚、前記窒素又は硫黄のヘテロ原子は、任意に酸化物の形態にある。
【0067】
一つの形態において、前記CXCR4拮抗物質は、下記化合物からなる群から選択される化合物である:
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[b]ピリジン−7−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(1−ナフタレニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−[(2−ピリジニルメチル)アミノ]エチル]−N’−(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−[(1H−イミダゾール−2−イルメチル)アミノ]エチル]−N’−(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(1,2,3,4−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−[(1H−イミダゾール−2−イルメチル)アミノ]エチル]−N’−(1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−N’−(2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[(2−アミノ−3−フェニル)プロピル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(2−キノリニルメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(2−(2−ナフトイル)アミノエチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[(S)−(2−アセチルアミノ−3−フェニル)プロピル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[(S)−(2−アセチルアミノ−3−フェニル)プロピル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[3−((2−ナフタレニルメチル)アミノ)プロピル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−(S)−ピロリジニルメチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−(R)−ピロリジニルメチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[3−ピラゾリルメチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−ピロリルメチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−チオフェニルメチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−チアゾリルメチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−フラニルメチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−[(フェニルメチル)アミノ]エチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(2−アミノエチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−3−ピロリジニル−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−4−ピペリジニル−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−[(フェニル)アミノ]エチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(7−メトキシ−3,4−ジヒドロナフタレニル)−1−(アミノメチル)−4−ベンズアミド;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(6−メトキシ−3,4−ジヒドロナフタレニル)−1−(アミノメチル)−4−ベンズアミド;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−N’−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(8−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−N’−(8−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−N’−(8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフタレニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−7−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−7−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−[(2−ナフタレニルメチル)アミノ]エチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−(イソブチルアミノ)エチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−[(2−ピリジニルメチル)アミノ]エチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−[(2−フラニルメチル)アミノ]エチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(2−グアニジノエチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−[ビス−[(2−メトキシ)フェニルメチル]アミノ]エチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−[(1H−イミダゾール−4−イルメチル)アミノ]エチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−[(1H−イミダゾール−2−イルメチル)アミノ]エチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−(フェニルウレイド)エチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[[N”−(n−ブチル)カルボキサミド]メチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(カルボキサミドメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[(N”−フェニル)カルボキサミドメチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(カルボキシメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(フェニルメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(5,6−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン(臭化水素酸塩);
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(5−ニトロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[(1H)−5−アザベンズイミダゾール−2−イルメチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−[2−(2−ピリジニル)エチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(2−ベンズオキサゾリル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(トランス−2−アミノシクロヘキシル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(2−フェニルエチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(3−フェニルプロピル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N’−(トランス−2−アミノシクロペンチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−グリシンアミド;
N−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−(L)−アラニンアミド;
N−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−(L)−アスパルトアミド;
N−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−ピラジンアミド;
N−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−(L)−プロリンアミド;
N−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−(L)−リジンアミド;
N−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−ベンズアミド;
N−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−ピコリンアミド;
N’−ベンジル−N−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−尿素;
N’−フェニル−N−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−尿素;
N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[バクテリアピリジン−9−イル)−4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]ベンズアミド;
N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]ベンズアミド;
N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−N’−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[バクテリアピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−N’−(6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[バクテリアピリジン−7−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−N’−(1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−N’−[(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)メチル]−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−N’[(6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[バクテリアピリジン−7−イル)メチル]−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N−(2−メトキシエチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)ベンゼンジメタンアミン;
N−[(2,3−ジメトキシフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−N−[1−(N”−フェニル−N”−メチルウレイド)−4−ピペリジニル]−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−N−[N”−p−トルエンスルホニルフェニルアラニル)−4−ピペリジニル]−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−N−[1−[3−(2−クロロフェニル)−5−メチル−イソキサゾール−4−オイル]−4−ピペリジニル]−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[バクテリアピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(4−シアノフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[バクテリアピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(4−シアノフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(4−アセトアミドフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(4−フェノキシフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[バクテリアピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(1−メチル−2−カルボキサミド)エチル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(4−ベンジルオキシフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[バクテリアピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(チオフェン−2−イル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[バクテリアピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−(ベンジル)−3−ピロリジニル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[[1−メチル−3−(ピラゾール−3−イル)]プロピル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−(フェニル)エチル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(3,4−メチレンジオキシフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−ベンジル−3−カルボキシメチル−4−ピペリジニル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(3,4−メチレンジオキシフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(3−ピリジニルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[[1−メチル−2−(2−トリル)カルボキサミド]エチル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(1,5−ジメチル−2−フェニル−3−ピラゾリノン−4−イル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(4−プロポキシフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(1−フェニル−3,5−ジメチルピラゾリン−4−イルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1H−イミダゾール−4−イルメチル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(3−メトキシ−4,5−メチレンジオキシフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(3−シアノフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(3−シアノフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(5−エチルチオフェン−2−イルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(5−エチルチオフェン−2−イルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(2,6−ジフルオロフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(2,6−ジフルオロフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(2−ジフルオロメトキシフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−ジフルオロメトキシフェニルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(1,4−ベンゾジオキサン−6−イルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−N−[1−(N”−フェニル−N”−メチルウレイド)−4−ピペリジニル]−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−N−[N”−p−トルエンスルホニルフェニルアラニル)−4−ピペリジニル]−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−(3−ピリジンカルボキサミド)−4−ピペリジニル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−(シクロプロピルカルボキサミド)−4−ピペリジニル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−(1−フェニルシクロプロピルカルボキサミド)−4−ピペリジニル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(1,4−(ベンゾジオキサン−6−イルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−[3−(2−クロロフェニル)−5−メチル−イソキサゾール−4−カルボキサミド]−4−ピペリジニル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−(2−チオメチルピリジン−3−カルボキサミド)−4−ピペリジニル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(1−メチルピロール−2−イルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(3−メトキシ−4,5−メチレンジオキシフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(3−ピリジニルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[2−(N”−モルフォリノフェニル)メチル−1−シクロペンチル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(1−メチル−3−ピペリジニル)プロピル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−(ベンジル)−3−ピロリジニル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン
N−[[(1−フェニル−3−(N”−モルフォリノ)]プロピル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−(イソ−プロピル)−4−ピペリジニル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−(エトキシカルボニル)−4−ピペリジニル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(1−メチル−3−ピラゾリル)プロピル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−メチル−2−(N”,N”−ジエチルカルボキサミド)エチル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(1−メチル−2−フェニルスルホニル)エチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−メチル−2−[N”−(4−クロロフェニル)カルボキサミド]エチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(1−アセトキシインドール−3−イルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(3−ベンジルオキシ−4−メトキシフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(3−キノリルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(8−ヒドロキシ)−2−キノリルメチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−キノリニルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(4−アセトアミドフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1H−イミダゾリル−2−イルメチル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(3−キノリルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(2−チアゾリルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(4−ピリジニルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(5−ベンジルオキシ)ベンゾ[b]ピロール−3−イルメチル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(1−メチルピラゾール−2−イルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(4−メチル)−1H−イミダゾール−5−イルメチル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[[(4−ジメチルアミノ)−1−ナフタレニル]メチル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1,5−ジメチル−2−フェニル−3−ピラゾリノン−4−イルメチル]−N,N’−ビス(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−[(1−アセチル−2−(R)−プロリニル]−4−ピペリジニル]−N−[2−(2−ピリジニル)エチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−[2−アセトアミドベンゾイル−4−ピペリジニル]−4−ピペリジニル]−N−[2−(2−ピリジニル)エチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(2−シアノ−2−フェニル)エチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(N”−アセチルトリプトファニル)−4−ピペリジニル]−N−[2−(2−ピリジニル)エチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(N”−ベンゾイルバリニル)−4−ピペリジニル]−N−[2−(2−ピリジニル)エチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン(N-[(N'-benzoylvalinyl)-4-piperidinyl]-N-[2-(2-pyridinyl)ethyl]-N'-(2-pyridinylmethyl)-1,3-benzenedimethanamine);
N−[(4−ジメチルアミノフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(4−ピリジニルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−ブチル−4−ピペリジニル]−N−[2−(2−ピリジニル)エチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−ベンゾイル−4−ピペリジニル]−N−[2−(2−ピリジニル)エチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−(ベンジル)−3−ピロリジニル]−N−[2−(2−ピリジニル)エチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(1−メチル)ベンゾ[b]ピロール−3−イルメチル]−N−[2−(2−ピリジニル)エチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1H−イミダゾール−4−イルメチル]−N−[2−(2−ピリジニル)エチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−(ベンジル)−4−ピペリジニル]−N−[2−(2−ピリジニル)エチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメチル]−N−[2−(2−ピリジニル)エチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(2−フェニル)ベンゾ[b]ピロール−3−イルメチル]−N−[2−(2−ピリジニル)エチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(6−メチルピリジン−2−イル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
N−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イルメチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(2−メトキシフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(2−エトキシフェニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[b]ピリジン−9−イル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−(ベンジルオキシエチル)−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(2−エトキシ−1−ナフタレニル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
N−[(6−メチルピリジン−2−イル)メチル]−N’−(2−ピリジニルメチル)−N−(5,6,7,8−テトラヒドロ−8−キノリニル)−1,3−ベンゼンジメタンアミン;
1−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]グアニジン;
N−(2−ピリジニルメチル)−N−(8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−1,4−ベンゼンジメタンアミン;
1−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]ホモピペラジン;
1−[[3−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]ホモピペラジン;
トランス及びシス−1−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]−3,5−ピペリジンジアミン;
N,N’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ビス−4−(2−ピリミジル)ピペラジン;
1−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]−1−(2−ピリジニル)メチルアミン;
2−(2−ピリジニル)−5−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
1−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]−3,4−ジアミノピロリジン;
1−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]−3,4−ジアセチルアミノピロリジン;
8−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]−2,5,8−トリアザ−3−オキサビシクロ[4.3.0]ノナン;及び
8−[[4−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]メチル]フェニル]メチル]−2,5,8−トリアザビシクロ[4.3.0]ノナン
【0068】
式(2A)及び(2B)を有する化合物並びにそれらの化合物を合成する方法は、WO 00/56729号に示され、これは参照により本書に組み込まれる。
【0069】
別の視点において、本発明の方法において使用されるCXCR4拮抗物質は、式(3)を有する化合物又はその塩、プロドラッグ及び立体化学の形態によって例証される場合がある:

(3)
但し、
環Aは、N、O及びSから選択されるヘテロ原子を任意に含み;
点線は、任意の不飽和を表し;
は、ハロ、ニトロ、シアノ、任意に置換したヒドロキシ、任意に置換したチオール、任意に置換したアミノ、カルボン酸塩、カルボキサミド、スルホン酸塩、スルホンアミド、C2−4アルカノイル、アルキルスルホニル、又はアロイルであり;
及びRは、独立してH、任意にハロゲン化したC1−4アルキル、任意に置換したアリール又は複素環基であり、或いはR及びRは、環Eと共に、置換した又は置換していない5〜7員環を形成してもよく;
kは、0〜4であり;
mは、0〜2であり;
は、共有結合又は任意にN若しくはOを含むC1−6アルキルであり;
Xは、置換していない又は置換したC、N;或いはO又はSであり;
Arは、フェニレンであり;
それぞれのnは、独立して0〜2であり;
それぞれのRは、独立してH又はアルキル(1−6C)であり;
Yは、縮合した又は縮合していない芳香環又は芳香族複素環であるか、或いは5〜6員の複素環基である。
【0070】
上記式(3)において、Yは、置換した又は置換していないベンゼン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、アザベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、フラン、ベンゾフラン、チアゾール、ベンゾチアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ピロール、インドール、インドリン、インダゾール、ピロリジン、ピロリドン、ピロリン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ピラゾール、チオフェン、イソキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、モルフォリン、チアモルフォリン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、ベンゾピラン、ジオキサン、ジチアン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロフラン、又はジヒドロチオフェンであってもよい。
【0071】
上記式(3)において、Lは、環Eの2位に連結されてもよい。環Eにおける点線は、示された窒素と2位との間の二重結合を更に表してもよい。一つの形態において、R及びRは、ベンゾ置換基(benzosubstituent)を形成するように環Eに連結される。
【0072】
上記式(3)において、環Aは、飽和されてもよい。いくつかの例では、mは、1であり、kは、0又は1である。
【0073】
別の形態において、本発明の方法において使用されるCXCR4拮抗物質は、式(3A)又はその塩、プロドラッグ及び立体化学の形態を有する:

(3A)
但し、
R、m、n、Ar、及びそれぞれのYは、式(3)におけるものと同様に規定され;
は、共有結合又は任意にN若しくはOを含むC1−6アルキルであり;
それぞれのZは、独立してCR、NR、O又はSである;但し、二つのZのみは、CR以外であることが可能である。
【0074】
上記式(3A)において、Lは、メチレン又はエチレンであってもよい。一つの例では、mは、1であり、全てのZの形態は、CR、特にCHである。
【0075】
上記式(3A)において、それぞれのYは、ピリミジル、ピリジル、フェニル、ベンズイミダゾール又はベンズオキサゾールであってもよい。
【0076】
更に別の形態において、本発明の方法において使用されるCXCR4拮抗物質は、式(3B)又はその塩、プロドラッグ及び立体化学の形態を有する:

(3B)
但し、
は、N、O及びSから選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含む単環式(5〜6員のもの)又は縮合した二環式(8〜12員のもの)の置換していない又は置換した環系であり;
は、Hであるか、或いは、任意に置換したC1−6アルキル基;任意に置換した芳香族又は複素環基と置換したC0−6アルキル基;任意に置換したC0−6アルキルアミノ又はC3−7シクロアルキルアミノ基;及び任意に置換したカルボニル基又はスルホニルであり;
Ar、R及びnは、式(3)におけるものと同様に規定され;

は、N、O及びSから選択される1〜2のヘテロ原子を含む飽和又は不飽和の5員環である。
【0077】
更に別の形態において、本発明の方法において使用されるCXCR4拮抗物質は、式(3C)又はその塩、プロドラッグ及び立体化学の形態を有する:

(3C)
但し、
は、フェニル、ピリジル、ピリジミル(pyridimyl)、イミダゾリル、チオフェニリル、並びにN、O及びSから選択されるヘテロ原子を任意に有する縮合環系であり;
は、Hであり;
Ar、R及びnは、式(3)におけるものと同様に規定され;


は、N、O及びSから選択される1若しくは2のヘテロ原子を任意に含む10員の縮合環系を表す。
【0078】
式(3)、及び(3A)〜(3C)を有する化合物並びにそれらの化合物を合成する方法は、WO 02/22600号に示され、これは参照により本書に組み込まれる。
【0079】
別の視点において、本発明の方法において使用されるCXCR4拮抗物質は、式(4)を有する化合物又はその塩、プロドラッグ及び立体化学の形態によって例証される場合がある:

(4)
但し、
Xは、N、O及びSから選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含む単環式(5〜6員のもの)又は縮合した二環式(9〜12員のもの)の置換していない又は置換した環系であり;
Zは、Hであるか、或いはN、O又はSを含む任意に置換した5〜6員の単環式又は9〜12員の縮合した二環式の環系であり;
Arは、任意に置換した芳香環又は芳香族複素環であり;
、L及びLのそれぞれは、独立して結合、CO、SO、又はCHであり、L及びLのうち少なくとも一方は、CO又はSOを必ず含み;Lはまた、一又は二つのCが任意にNで置き換えられてもよいアルキレン(2−5C)であることが可能であり、当該アルキレンは、それ自体任意に架橋アルキレン(bridge alkylene)(3−4C)で置換されてもよく;L及びLはまた、独立してSONH、CONH、SONHCH又はCONHCHであってもよく;
nは、0、1又は2であり;
それぞれのR及びRは、独立してH或いは任意に置換されてもよい直鎖若しくは分岐鎖又は環状アルキル(1−6C)であり、Rは、Yと結合したアルキレンであってもよく;
Yは、Lと直接結合される少なくとも一つの置換した又は置換していない芳香環若しくは芳香族複素環又は他の複素環を含む。
【0080】
上記式(4)において、Xは、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、ピラノピリジン(pyranopyridine)、ジヒドロピラノピリジン、チアピラノピリジン、ジヒドロチアピラノピリジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、又はベンズオキサゾリルであってもよい。
【0081】
上記式(4)において、Lは、一つのCが任意にNで置き換えられてもよいアルキレン(2−5C)であって、架橋アルキレン(bridging alkylene)(3−4C)によって任意に置換されてもよいアルキレン(2−5C)であってもよい。例えば、Lは、アルキレン、CO又はSOであってもよく、Xは、任意に置換したイミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、又はベンズオキサゾールである。これに代えて、Lは、結合であってもよく、Xは、置換した若しくは置換していないジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、ピラノピリジン、ジヒドロピラノピリジン、チアピラノピリジン、ジヒドロチアピラノピリジン、ジヒドロナフチリジン、又はテトラヒドロナフチリジンである。
【0082】
上記式(4)において、Zは、水素原子であってもよい。
【0083】
上記式(4)において、Yは、任意に置換したイミダゾール、ベンズイミダゾール、ピリジン、ピリジン、ピリミジン、又はフェニルであってもよく、前記環窒素(ring nitrogen)は、任意に酸化されてもよい。例えば、Yは、ハロゲン、ニトリル、アルキル、−OR、−SR、−NR、−NRCOR、−OOCR、−COR、−CONR、−COOR、−NO、−NOH、−CFと置換されてもよい。尚、Rは、H又はアルキル(1−6C)である。
【0084】
上記式(4)において、それぞれのX又はZは、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−10シクロアルキル、ヒドロキシ、チオール、アミノ、アシル、カルボン酸塩、カルバミン酸塩、カルボキサミド、スルホンアミド、水素原子と結合するカルボニル又はスルホニルで任意に置換されてもよく、或いはC1−10アルキル、C2−10アルケニル、C3−7シクロアルキル又は5〜6員の単環式芳香族基と置換されてもよく;或いはX又はZは、5〜6員の単環式芳香族基、ナフチル又は5〜6員の複素環で任意に置換されてもよい。
【0085】
一つの形態において、本発明の方法において使用される化合物は、式(4A)又は式(4B)を有する:

(4A)

(4B)
但し、
lは、0〜3であり、R’は、OH、MeO、SHSMe、CN、COMe、F、Cl、Br、NO、CHCO、NH、NHCH、N(CH、CHCONH、CHSONH、CONH、SONH、CF、又はMeであり;
、Z及びZのそれぞれは、独立してCH、CR’又はNであり、Z、Z及びZのうち二つのみは、Nであることが可能であり;
及びLは、式(4)において規定されたのと同様である。
【0086】
上記式(4A)及び(4B)において、Z、Z及びZの全ては、CH又はCR’であってもよい。一つの例では、Zは、Nであり、Lは、COである。更に、L及びLのうち一方が、SOであってもよく、他方が、結合又はCHである。これに代えて、L及びLのうち一方が、COであり、他方が、結合又はCHである。
【0087】
別の形態において、本発明の方法において使用される化合物は、式(4C)を有する:

(4C)
但し、lは、0〜3であり、R’は、OH、MeO、SHSMe、CN、COMe、F、Cl、Br、NO、CHCO、NH、NHCH、N(CH、CHCONH、CHSONH、CONH、SONH、CF、又はMeであり;
kは、0〜2であり、
、Z及びZのそれぞれは、独立してCH、CR’又はNであり、Z、Z及びZのうち二つのみは、Nであることが可能であり;
X、L及びLは、式(4)において規定されたのと同様である。
【0088】
上記式(4C)において、Z、Z及びZの全ては、CH又はCR’であってもよい。一つの例では、Zは、Nであり、Lは、COである。更に、L及びLのうち一方が、SOであってもよく、他方が、結合又はCHである。これに代えて、L及びLのうち一方が、COであってもよく、他方が、結合又はCHである。
【0089】
式(4)、及び(4A)〜(4C)を有する化合物並びにそれらの化合物を合成する方法は、WO 02/22599号に示され、これは参照により本書に組み込まれる。
【0090】
別の視点において、本発明の方法において使用されるCXCR4拮抗物質は、式(5)を有する化合物又はその塩、プロドラッグ及び立体化学の形態によって例証される場合がある:

(5)
但し、
環Aは、N、O及びSから選択されるヘテロ原子を任意に含み;
点線は、任意の不飽和を表し;
、R及びRは、独立してH、ハロ、置換した又は置換していないアルキル、ヒドロキシル、アミノ、チオール、又はアシルであり;或いはR及びRは、共に、ベンゾ環(benzo ring)を形成してもよく;
及びRは、独立してH、任意にハロゲン化したC1−4アルキル、任意に置換したアリール又は複素環基であり、或いは
kは、0〜4であり;
lは、0、1、又は2であり;
Xは、置換していない又は置換したC又はNであるか;或いはO又はSであり;
Arは、芳香族又は複素環式芳香族成分の残基であり;
それぞれのnは、独立して0〜2であり;
それぞれのRは、独立してH又はアルキル(1−6C)であり;
jは、0〜3であり;
それぞれのYは、独立してハロ、OR;SH;SO;SO;任意に置換したフェニル;
−(CROR;
−(CRCOR;
−(CRCOOR;
−(CRN=CH−NR
−(CRCONHNHR;
−(CRCN;
−(CRNR
−(CRNR(CRNRR
−(CRNR(CRNR(CRNR
−(CRCO(CRNR
−(CRCO(CRNR(CRNRR
−(CRCO(CRNR(CRNR(CRNR
−(CRNRCO(CRNRR
−(CRNRCO(CRNR(CRNR
−(CRNRCO(CRNR(CRNR(CRNR(CRNR
−(CRNROH;
−(CRCONROH;
−(CRCR=NOH;
−NHNHR;
−CH=N−Z;及び
−グアニジノ又はアミジノからなる群から選択され、これらのそれぞれは、(CR成分を介してYに連結されてもよく;
Rは、H又はアルキル(1−6C)であり、それぞれのmは、独立して0〜4であり、それぞれのR及びそれぞれのRは、独立してH、アルキル(1−6C)、アルケニル(2−6C)、アルキニル(2−6C)、又はアシル(1−6C)であり、それぞれは、1以上の非芳香族、非複素環置換基で任意に置換され、二つのRは、結合してN、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を更に任意に含む環状アミンを形成してもよく;
aは、環AとNとのリンカーを示し;
bは、環EとNとのリンカーを示し;
Zは、5〜12員環を含む芳香族又は複素環式芳香族成分である。
【0091】
上記式(5)において、Arは、5〜6員の単環式の環又は9〜12員の縮合環系であってもよい。例えば、Arは、ベンゼン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、アザベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、フラン、ベンゾフラン、チアゾール、ベンゾチアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ピロール、インドール、イミダゾール、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ピラゾール、チオフェン、イソキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、イミダゾリン、及びベンゾピランであってもよい。ある特定の例では、Arは、ベンゼン、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、オキサゾール、ベンズトリアゾール、チアゾール、ピリジン、又はピリミジンである。一つの形態において、少なくとも一つは、Yが−(CRNRである。
【0092】
上記式(5)において、R及びRは、一緒になって、ベンゾ置換基を形成してもよい。一つの形態において、Xは、Nであり、環Eは、一つのNと結合したπ結合を含む。一つの形態において、環Eは、2位で残りの分子と結合される。
【0093】
上記式(5)において、環Aは、飽和されていてもよく、lは1である。一つの例では、kは、0〜1である。一つの例では、Aを含む環系は、テトラヒドロキノリン又はその置換した形態である。
【0094】
上記式(5)において、(CR及び(CRの一方は、CHであり、他方は結合である。例えば、(CRは、結合であってもよく、(CRは、CHである。
【0095】
式(5)を有する化合物及びそのような化合物を合成する方法は、WO 02/34745号に示され、これは参照により本書に組み込まれる。
【0096】
別の視点において、本発明の方法において使用されるCXCR4拮抗物質は、式(6)を有する化合物又はその塩、プロドラッグ及び立体化学の形態によって例証される場合がある:

(6)
但し、X及びYは、独立してN又はCRであり;
Zは、S、O、NR又はCRであり;
それぞれのR〜Rは、独立してH、ハロ、O(C=O)R、NR(C=O)R、OR、SR、NR、COOR、CONRであり、Rは、H又は任意に置換したアルキル、アルケニル、アルキニル若しくはアリールであり;或いは
それぞれのR〜Rは、アルキル(C1−10)、アルケニル(C2−10)、アルキニル(C2−10)、アリール(C5−12)、アリールアルキル、アリールアルケニル、又はアリールアルキニルであり、それぞれは、任意に置換され、O、S、又はNを任意に含み;或いは任意に置換したアシル、アリールアシル、アルキル−、アルケニル−、アルキニル−又はアリールスルホニルであり、それぞれのアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリール成分は、O、O又はNを含んでもよく;
n1は、0〜4であり;
n2は、0〜1であり、は、C≡Cが、CR=CRの代わりをすることを意味し;
n3は、0〜4であり;
n1+n2+n3は、2以上であり;
bは、0〜2であり;
R基の下記組み合わせが結合して、環を生じてもよく、この環は、飽和又は不飽和であってもよく:
+R
一つのR+R
+一つのR
+R
一つのR+別のR
一つのR+一つのR、及び
+R
環形成に関与するものが二つのRであるとき、前記環は、芳香族ではなくてもよく; n2が1であるとき、n1もn3も、0ではない。
【0097】
一つの形態において、本発明の方法において使用される化合物は、式(6A)又はその塩、プロドラッグ及び立体化学の形態を有する:

(6A)
但し、R〜R及びn1〜n3は、式(6)において規定されたのと同様である。
【0098】
別の形態において、本発明の方法において使用される化合物は、式(6B)若しくは式(6C)又はその塩、プロドラッグ及び立体化学の形態を有する:

但し、nは、0〜1であり;
dは、0〜3であり;点線は、任意のπ結合であり;
〜Rは、式(6)において規定されたのと同様である。
【0099】
更に別の形態において、本発明の方法において使用される化合物は、式(6D)又はその塩、プロドラッグ及び立体化学の形態を有する:

但し、R〜Rは、式(6)において規定されたのと同様であり、n4は、2〜6である。
【0100】
上記式(6)又は(6A)〜(6D)において、それぞれのRは、H、ハロ、アルキル、アルコキシ、又はCFであってもよい。一つの形態において、それぞれのRは、H又はアルキルである。別の形態において、それぞれのRは、H、アルキル、アルケニル、アリールアルキル、又はアリールである。
【0101】
上記式(6)又は(6A)〜(6D)において、それぞれのRは、H、アルキル又はアリールであってもよい。これに代えて、二つのRは、任意に置換した芳香環又は芳香族複素環を形成してもよい。例えば、二つのRは、ハロ、アルキル、ハロゲン化アルキル、ヒドロキシ、又はアルコキシと置換されてもよいフェニル又はピリジル環を形成してもよい。
【0102】
上記式(6)又は(6A)〜(6D)において、それぞれのRは、H、アルキル、又はアルケニルであってもよく、前記アルキル又はアルケニルは、任意に置換されてもよい。一つの形態において、単一の炭素上、又は隣接していない若しくは隣接した炭素上のアルキル或いはアルケニル置換基は、飽和又は不飽和の環を形成する。一つの例では、置換基は、非芳香族環を形成する、別の形態において、一つのRは、オキシム、アルキル化したオキシム、アルキル化したヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン又はハロである。
【0103】
上記式(6)又は(6A)〜(6D)において、それぞれのRは、独立してH、又はアリールアルキル若しくはアリールスルホニルであってもよく、前記アリール成分は、ヘテロ原子を含んでいてもよく;或いは二つのRは、グアニジル、カルボニル、又はカルバミド基を含んでもよい。一つの形態において、二つのRが一緒になって、又は一つのRと一つのRとが一緒になって、飽和、不飽和、又は芳香族環を形成してもよく、それぞれの環は、任意にN、S又はOを任意に含んでもよい。
【0104】
式(6)を有する化合物及びそのような化合物を合成する方法は、WO 03/055876号に示され、これは参照により本書に組み込まれる。
【0105】
別の視点において、本発明の方法において使用されるCXCR4拮抗物質は、式(7)を有する化合物又はその塩、プロドラッグ及び立体化学の形態によって例証される場合がある:

(7)
但し、Xは、(CR−(CR=CR−(CR−NR;(CR−R;或いは任意に置換したベンジル、又は任意にN、O若しくはSを含む単環式又は二環式の環であり;
Yは、窒素原子を含む任意に置換した5〜12員の複素環であり、前記複素環は、単環式又は縮合したものであってもよく、芳香族又は部分的に芳香族であり;
A及びRは、独立してハロ、CF、シアノ、ニトロ、OR、SR、NR、COOR、CONR、NSOR、OSOR、又はOSONRであり、ぞれぞれのRは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールであり;或いはA及びRは、独立して任意に置換したアルコキシ(C1−10)、アルキル(C1−10)、アルケニル(C2−10)、アルキニル(C2−10)、アリール(5〜12員のもの)、アリールアルキル、アリールアルケニル、又はアリールアルキニルであり、そのそれぞれは、任意にO、S、又はNを含んでもよく;
及びRは、独立してH又は任意に置換したアルキルであり;
は、任意に置換した複素環又はヘテロアリールであり;或いはRは、尿素、ヒドロキシ尿素、スルファミド、アセトアミド、グアニジン、シアンアミド、ヒドロキシルアミン、シアンアミド、イミダゾリジン−2−オン、又はニコチンアミド成分を含み、そのそれぞれは、複素環と置換されてもよく;
は、H又はアルキルであり;
l及びnは、独立して0〜4であり;
pは、0〜1であり;
o及びqは、独立して1〜4であり;
rは、1〜6である。
【0106】
上記式(7)において、R及びRのうち少なくとも一つは、Hではなくてもよく、結合してアリール又はヘテロアリール等の環を更に形成してもよい。一つの例では、二つのAは、更に環を形成しなくてもよい。別の例では、Xは、(CR−Rであり、rは、少なくとも2であり、Rは、2−ピリジニル、キノリニル、イミダゾリル又はフランである。
【0107】
上記式(7)において、Xは、(CR−(CR=CR−(CR−NRであってもよい。但し、それぞれのR及びRは、独立してHであり、pは、0であってもよい。ある特定の形態において、o及びqは共に、2〜6である。これに代えて、Xは、(CR−Rであってもよい。但し、Rは、複素環又はヘテロアリールであり、そのそれぞれは、窒素原子を含む。例えば、Rは、アゼチジン、ピロリジニル、ピリジニル、チオフェニル、イミダゾリル、又はベンズイミダゾリルであってもよい。これに代えて、Xは、シクロヘキシル、ピペリジン、8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン又は3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン等のN、O又はSを任意に含む単環式又は二環式の環であってもよい。更に別の形態において、Xは、任意に置換したベンジル、特に二置換ベンジルである。
【0108】
上記式(7)において、Yは、残りの分子に付着した原子に隣接する窒素原子を含む5〜6員の複素環であってもよい。当該5〜6員の複素環は、別の環と縮合されてもよい。例えば、Yは、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、イソキノリン、テトラヒドロキノリン、ピリダジン、チアゾール、又はベンゾイミダゾールであってもよい。ある特定の例では、Yは、残りの分子に8位で付着したテトラヒドロキノリン、特に5,6,7,8テトラヒドロキノリン成分である。
【0109】
上記式(7)において、それぞれの任意に置換した成分は、ヘテロ原子、ハロ、CF、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボニル、カルボキシ、アミノ、アミド、イミノ、シアノ、スルホニル;それぞれN、O、又はSを含んでもよいC1−6アルキル又はC2−6アルケニルと置換されてもよく;或いはアリール、ヘテロアリール、環状炭素又は複素環と置換されてもよく、それぞれは、同様の置換基と更に置換されてもよい。
【0110】
式(7)を有する化合物及びそのような化合物を合成する方法は、WO 04/091518号に示され、これは参照により本書に組み込まれる。
【0111】
別の視点において、本発明の方法において使用されるCXCR4拮抗物質は、式(8)を有する化合物又はその塩、プロドラッグ及び立体化学の形態によって例証される場合がある:

(8)
但し、環A及びBのそれぞれは、独立して任意に置換した5〜6員の単環式ヘテロアリールであり;
環Cは、任意に置換した飽和又は部分飽和の5〜7員環であり、窒素の他、ヘテロ原子を含んでもよく、前記へテロ原子は、N、O又はSであり;
Yは、H、1以上のヘテロ原子を含むC1−6アルキル、又は環状成分であり、そのそれぞれは、任意に置換され;
及びRは、独立してH、ハロ又は任意に置換したアルキルであり;
Lは、アルキル結合がアルケニル若しくはアルキニル結合と置き換えられてもよい(CR又はNR(CRであり;
lは、1〜6であり;
それぞれのRは、H又はアルキルである。
【0112】
上記式(8)において、Cがピペリジニル又は1,2,3,6−テトラヒドロピリジニルであり環A及びBがピリジニルであるときR及びRのうち少なくとも一つは、Hではなくてもよい。他の形態では、環Cがピペリジニルであり環A及びBがピリジニルであるときR及びRは、両方ともナフタレニルではない。更に他の形態では、環Cは、L−YがCHである場合には4−オキソ−ピペリジン−3,5−ジカルボン酸ではなく;環Cは、L−Yがベンジルである場合には4−ヒドロキシ−1,2,5,6−テトラヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸エステルではない。
【0113】
上記式(8)において、R及びRは、環Cとの結合に隣接する位置にあってもよい。一つの例では、独立してメチル等の置換していないアルキルである。
【0114】
上記式(8)において、環A及びBのそれぞれは、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソチアゾール、イソキサゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン(pthalazine)、シノリン(cinnolin)、1,2,3−ベンゾトリアジン、1,2,4−ベンゾトリアジン、インドール、ベンズイミダゾール、1H−インダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンズ[d]イソキサゾール、ベンズ[d]イソチアゾール、又はプリンであってもよい。ある特定の例では、環A及びBのそれぞれは、ピリジン、ピリミジン、イミダゾール、又はベンズイミダゾールであり、環A及びBのそれぞれは、同一であってもよい。環A及びBのそれぞれは、また、これらの環と環Cとを連結する結合に隣接する位置に、同一であってもよい単一の置換基を含んでもよい。
【0115】
上記式(8)において、環Cは、飽和環であってもよく、二重結合を含んでいてもよい。例えば、環Cは、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサヒドロ−1H−アゼピン、ピペラジン、モルフォリン、チオモルフォリン、アゼパン、アゾカン、2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン、2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン、3−ピロリン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、イソインドリン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、オキセパン、チエパン(thiepane)、オキソカン、又はチオカンであってもよい。ある特定の例では、環Cは、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン又はヘキサヒドロ−1H−アザピンである。環Cは、任意に置換したアルキル、ハロ、シアノ、オキシム、OR又はC=N−ORと置換されてもよい。但し、Rは、任意に置換したアルキルである。
【0116】
上記式(8)において、Yは:
−(CRNR
−(CRNR(CR)、
−(CRNR(CRNR
−(CRNR(CRNR(CRNR
−(CROR、
−(CRCO(CROR、
−(CRCO(CRNR
−(CRCO(CRNR(CRNR
−(CRNRCO(CRNR
−(CRNR(CRCOR、
−(CRNR(CRCOR、
−(CRNR(CRSOR、
−(CRNRCO(CRNR(CRNR
−(CRNRCO(CRNR(CRNR(CRNR(CRNR
−(CRNR(CROR、
−(CRCR=NOH、
−(CRCONR(CROR、
−(CRN[(CRCOR]
−(CRONRCONR
−(CR−Z、
−(CRNR−(CO)Z、
−(CRNR−(CRZ、及び
−(CR−CR=N=Z
からなる群から選択されてもよい;
但し、それぞれのRは、H又は任意に置換したアルキルであり、
それぞれのmは、独立して0〜4であり;
Zは、5〜12員環を含む任意に置換した芳香族又は複素環式芳香族成分である。
【0117】
ある特定の形態において、Yは、(CHNRであり、lは1〜10である。これに代えて、Yは、5〜12員の芳香族、複素環式芳香族、複素環成分であってもよく、そのそれぞれは、単環又は縮合環であってもよい。例えば、Yは、フェニル、イミダゾール、ピリジン、チオフェン、ピロリジン、ピラゾール、ピペリジン、アゼチジン、ベンズイミダゾール、ベンゾ[d]イソキサゾール、又はチアゾールであってもよい。更に、Yは、ハロ;シアノ;ニトロ;アルコキシ;ハロゲン化したアルキル;置換したカルボニル;5〜12員のアリール又はN、O又はSを含むヘテロアリール等の環状成分;或いはアルキル、アルケニル又は任意に1以上のN、O、Sを任意に含むヘテロアルキル成分と任意に置換されてもよく、そのそれぞれは、任意に置換され、任意に酸化物の形態をとる。ある特定の例では、Yは、ピリジン、フェニル、ピペリジン又は2H−テトラゾールと置換される。
【0118】
上記式(8)において、それぞれの任意に置換した基は、ヘテロ原子、ハロ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、アミド、シアノ、又はスルホニル等の無機成分と置換されてもよく;或いはアルキル(C1−10)、アルケニル(C2−10)、アルキニル(C2−10)、アリール(5〜12員のもの)、アリールアルキル、アリールアルケニル、及びアリールアルキニルと置換されてもよい。尚、これらのそれぞれは、O、S、又はN等のヘテロ原子を任意に含んでもよく、同様の置換基と更に置換されてもよい。例えば、それぞれの任意に置換したアルキルは、N、O、又はS等のヘテロ原子と、或いは環状炭素、複素環、アリール又はヘテロアリール置換基と置換されてもよい。
【0119】
式(8)を有する化合物及びそのような化合物を合成する方法は、WO04/093817号、及び2004年10月28日に出願された米国特許出願第10/977,221号に示されており、それらのそれぞれは、参照により本書に組み込まれる。
【0120】
本発明の方法を実施するために使用されてもよい他のCXCR4阻害剤には、CTCF−0214;CTCF−9908;CP−1221(線状ペプチド、環状ペプチド、天然アミノ酸、天然に存在しないアミノ酸(unnatural amino acids)、及びペプチド模倣化合物(peptidomimetic compounds));T140及び類似体;4F−ベンゾイル−TN24003;KRH−1120;KRH−1636;KRH−2731;ポリフェムシン類似体;ALX40−4C;或いは参照により本書に組み込まれるWO 01/85196号;WO 99/50461号;WO 01/94420号;WO 03/090512号に記載された阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0121】
単一の薬剤として又は上記CXCR4阻害剤と組み合わせて使用されてもよい他の薬剤には、下記が含まれる:シクロホスファミド、ゲムシタビン;シクロスポリン;リツキサン(Rituxan);サリドマイド(Thalidomide);クロファラビン(Clofarabine);ベルケード(Velcade);アンテグレン(Antegren);オンタック(Ontak);レブリミド(Revlimid)(サリドマイド類似物);プロキマール(Prochymal);ジェナセンス/オブリマーセン(Genasense/Oblimersen);グリーベック(Gleevec);グリベック(Glivec)(イマチニブ(imatinib));タミバロテン(Tamibarotene);ネララビン(Nelarabine);硝酸ガリウム;PT−100;ベクサール(Bexxar);ゼバリン(Zevalin);Pixantrone;Onco−TCS;トポイソメラーゼ阻害剤である薬剤;遺伝子組換えG−CSF(フィルグラスチム(filgrastim);レノグラスチム(lenograstim );ETRX101;及びTLK199/Telintra);遺伝子組換えGM−CSF(サルグラモスチム(sargramostim)、モルグラモスチム(molgramostim));遺伝子組換えSCF(アンセスチム(ancestim));遺伝子組換えG−CSFの共有結合抱合体(covalent conjugate)(peffilgrastim)等。
【0122】
式(1)の化合物の特に好ましい形態には、2,2’−バイサイクラム;6,6’−バイサイクラム;米国特許第5,021,409号及び第6,001,826号に示された形態、特に米国特許第5,583,131号に示され本書においてAMD3100と命名された1,1’−[1,4−フェニレン−ビス(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、が含まれる。同様に好ましいものは、WO 03/055876号に記載されたN’−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル メチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−8−イル)−ブタン−1,4−ジアミンである。本発明の方法において有用な化合物を合成する他の方法は、上記米国特許及び出願並びに米国特許第6,489,472号及び2004年3月15日に出願された仮出願第60/553,589号に示されている。
【0123】
本発明の化合物は、プロドラッグの形態、即ち、被検体への投与後に本発明の化合物を放出する保護形態で調製されてもよい。典型的には、保護基が、血流等の体液中で加水分解されて活性化合物が放出される、或いは生体内で酸化又は還元されて活性化合物が放出される。プロドラッグの議論が、スミス、ウィリアムス 薬剤デザインの原理概論Smith and Williams Introduction to the Principles of Drug Design)、Smith, H. J.; Wright、第2版、ロンドン(1988)に見出される。
【0124】
式(1)の化合物は、アミン類であるので、その酸付加塩又は金属複合体の形態に調製して投与されてもよい。適当な酸付加塩には、HCl、HBr、硫酸、及びリン酸等の生体適合性の無機酸、並びに酢酸、プロピオン酸、及び酪酸等の有機酸、並びにシュウ酸、グルタル酸、及びアジピン酸等の1を越えるカルボキシル基を含む酸の塩が含まれる。典型的には、生理的pHで、本発明の化合物は、酸付加塩の形態にあるであろう。特に好ましいのは、塩酸塩である。更に、精製した形態として調製されるときには、前記化合物は、また水和物として晶析されうる。キラル中心を含む式(1)の化合物のそれらの形態は、任意に純粋であってもよく、或いはラセミ混合物又は光学純度の異なる混合物等の立体異性体の混合物を含んでもよい。
【0125】
上述したように、式(1)の化合物は、GROβの修飾型を含むGROβと組み合わせて用いられる。「GROβの修飾型(modified forms of GROβ)」には、米国特許第6,447,766号;第6,399,053号;第6,080,398号;PCT公報WO 99/26645号;PCT公報WO 97/15595号;PCT公報WO 02/02132号;PCT公報WO 97/15594号;及びPCT公報94/29341号に記載されたもの等、その切断型が含まれる。また、「GROβの修飾型」には、その多量体型(multimeric forms)も含まれる。したがって、「修飾型(modified forms)」には、成熟タンパク質のアミノ末端で2〜約8アミノ酸の間を切断したもの、成熟タンパク質のカルボキシ末端で約2〜約10アミノ酸の間を切断したもの、修飾及び/又は切断タンパク質の多量体型、例えば、二量体、三量体、四量体及び他の凝集型が含まれる。特に好ましいのは、GROβの切断型、特にアミノ酸5〜73とアミノ酸69が脱アミドされた形態とからなるSB251353である。
【0126】
前記CXCR4阻害剤は、その混合物を含め、ケモカインGROβ及び/又はその修飾型と組み合わせて投与される。抗生物質、ビタミン類、草木抽出物、抗炎症剤、グルコース、解熱剤、鎮痛剤、シクロホスファミド(cyclosphoshamide)、遺伝子組換えG−CSF(ニューポゲン(Neupogen)、グラノサイト(Granocyte)/ノイトロジン(Neutrogin)、及びStemgen)、及び遺伝子組換えG−CSFの共有結合抱合体(ニューラスタ(Neulasta))、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(granulocyte-macrophage colony stimulating factor)(GM−CSF)(リューカイン(Leukine)、及びLuecomax等)、ETRX−101、TLK 199/TILENTRATM、CTCE−0214(SFD−1の切断SFD−1アルファペプチド類似体(Truncated SFD-1 alpha peptide analog of SFD-1))、VLA−4阻害剤、インターロイキン−1(Interleukin-1)(IL−1)、インターロイキン−3(Interleukin-3)(IL−3)、インターロイキン−8(Interleukin-8)(IL−8)、PIXY−321(GM−CSF/IL−3融合タンパク質)、マクロファージ炎症性タンパク質、幹細胞因子、トロンボポエチン、並びにGRO系統群又は化学療法のその他の要素(成分)等、治療上又は栄養上有用な別の活性成分もまた、用いられてもよい。これらは、全て、Replicell、Allogen、及びTransStem Device TransCord Device Ace System等の医療装置である幹細胞増殖システム又はキットと共に使用されてもよい。
【0127】
動物被検体への投与のための処方には、技術としてよく知られ共通に理解された処方技術が使用される。投与の特定の形態及び式(1)の化合物によって表される型の化合物に適している処方は、レミントンの医薬品科学Remington's Pharmaceutical Sciences)、最新版、マック出版社(Mack Publishing Company)、イーストン、PAに認められる;同様に、GROβ及びその修飾型によって表されるポリペプチド等、ポリペプチドを投与する方法は、このソース中に認められる。
【0128】
前記化合物は、好ましくは注射、最も好ましくは静脈内注射によって投与されるばかりでなく、皮下又は腹腔内注射等によっても投与される。別の非経口投与の経路には、筋肉内及び関節内注射が含まれる。静脈内又は非経口投与のため、前記化合物は、必要に応じて賦形剤を含む適した液体の形態で処方される。組成には、リポソーム又は他の適当な担体を含めてもよい。静脈内注射のため、前記溶液は、ハンクス液(Hank's solution)等の標準製剤を用いて等張性にされる。
【0129】
注射の他、他の投与経路もまた、用いられてもよい。前記化合物は、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、散剤、又はその他経口投与に適した形態に製剤化(処方)されてもよい。適当な賦形剤を使用することにより、これらの化合物は、また坐剤又は鼻腔内噴霧を用いて粘膜を通じて投与されてもよい。経皮投与もまた、適当な浸透剤(penetrants)を使用し放出率を制御することによって、実施される。
【0130】
処方及び選択される投与経路は、個々の被検体、被検体の状態がどういったものであるか、及び主治医(attending practitioner)の判断に合わせられるであろう。
【0131】
CXCR4阻害剤について適当な投薬量の範囲は、これらの考察に従って変わるが、一般に、前記化合物は、単独で投与されるとき、体重につき約0.1μg/kg〜5mg/kgの範囲で投与される;前記範囲は、好ましくは体重につき約1μg/kg〜300μg/kg;より好ましくは体重につき約10μg/kg〜100μg/kgである。したがって、典型的な70kgヒト被検体について、投薬量の範囲は、約0.7μg〜350mg;好ましくは約700μg〜21mg;最も好ましくは約700μg〜7mgである。本発明の方法は式(1)の化合物のうち少なくとも一つの化合物とGROβ関連ケモカインとの組み合わせを含むので、より低い投与量、典型的には2倍低い投与量、より典型的には4倍低い投与量を選択することが有利である。少なくとも一つのCXCR4阻害剤とGROβ成分との組み合わせは、単一の処方で一緒に、別々の処方で同時に同一の又は異なる経路で、或いは時間をずらして、再度同一の又は異なる経路で投与されてもよい。特定の被検体への投与のためのプロトコルの最適化は、通常の知識の範囲内で容易である。
【0132】
CXCR4阻害剤及びGROβ成分ケモカインは、一回の大量瞬時(ボーラス)投与量、経時での投与量で、静脈又は経皮投与の場合と同様に、或いは複数投与量で投与されてもよい。
【0133】
被検体への直接投与の他、本発明の組み合わせ物を、エキソビボの治療プロトコルに使用して、細胞培養液を調製しその後これを用いて被検体の血球を補充することができる。エキソビボ治療は、末梢血又は骨髄から採取した自己細胞に対して、或いは適合ドナー由来の同種移植について行うことができる。GROβ成分及び任意の他の薬剤と組み合わせたCXCR4を阻害する化合物又は複数の化合物の濃度は、通常の最適化の問題である。
【0134】
本発明の方法に有利に応答するであろう被検体には、一般的には、ヒト患者等の医学的又は獣医学的被検体が含まれる。本発明の方法が有用であるその他の被検体の中には、ネコ、イヌ、大型の動物、並びにニワトリ等の鳥類等が含まれる。一般には、前駆細胞及び/又は幹細胞の増加の恩恵を受けるであろう全ての被検体、或いは幹細胞移植のために前駆細胞及び/又は幹細胞が望まれる全ての被検体が、本発明の方法にとって適当である。
【0135】
本発明の方法によって回復される、さもなければ恩恵を受けるであろう典型的な状態には、再生不良性貧血、白血病、薬剤性貧血(drug-induced anemias)、並びに好中球減少、及び血小板減少を含む化学療法又は放射線療法由来の造血欠陥(hematopoietic deficits)等の造血障害(hematopoietic disorders)が含まれる。本発明の方法はまた、免疫抑制治療中及び免疫抑制治療後の移植の成功を高める場合、或いは創傷治癒及び細菌性の炎症の治療をより効果的に行う場合にも有用である。本発明の方法は、更に免疫無防備状態にある、さもなければ免疫系が損なわれている被検体を治療することに有用である。本発明の方法によって回復される、さもなければ恩恵を受けるであろう典型的な状態には、レトロウイルスに感染した、とりわけヒト免疫不全症ウイルス(human immunodeficiency virus)(HIV)に感染した被検体の状態が含まれる。したがって、本発明の方法は、被検体の前駆細胞及び/又は幹細胞の増加が有益であろう状態、或いは後の幹細胞移植のための前駆細胞及び/又は幹細胞の採取が有益であろう状態の広い範囲を対象とする。本発明の組み合わせ物はまた、骨髄幹細胞を動員することにより心筋を再生するためにも、投与される。
【0136】
これまで本発明を一般的に記載したが、下記実施例を参考にして、本発明が、より容易に理解されるであろう。尚、下記実施例は、実例として提供されるものであり、特に指示のない限り、本発明を限定することを目的としたものではない。
【実施例1】
【0137】
1,1’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ビス1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカンの調製
1,1’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]−ビス−トリス−(トリフルオロアセチル)−1,4,8,11−アザテトラデカン(3.30g、3.05mmol)を、MeOH(6.0mL)中に溶解させた。KCO(1.27g、9.1mmol)を、一部に加えた。懸濁液を、3時間還流加熱した。その後冷却した混合物に、トルエン(30mL)を加えた。トルエンを用いて共沸混合物を形成させて、MeOHを、除去した。全てのMeOHを除去した後、無機塩で懸濁した、熱したトルエン溶液を、濾過及び濃縮してAMD3100遊離塩基(1.32g、86%)を白色固体として得た。この生成物の全ての特徴は、報告された方法に従って調製した標準サンプルと良く一致した。
【実施例2】
【0138】
N’−(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−8−イル)−ブタン−1,4−ジアミンの調製

(1−tert−ブトキシカルボニル−1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−(5,6,7,8−テトラヒドロ−キノリン−8−イル)−アミン(0.169g、0.451mmol)を含むCHCN(5mL)に、N,N−ジイソプロピルエチレンアミン(0.25mL、1.44mmol)を加え、次いで4−ブロモブチロニトリル(0.10mL、1.01mmol)を加えた。生じた混合物を、80℃で5日間加熱し、その後室温まで冷却した。得られた混合物を濃縮し、残滓を、CHCl(20mL)と鹹水(brine)(10mL)に分配した。相を分離させ、水相を、CHCl(3×10mL)を用いて抽出した。合わせた有機抽出物を(NaSO)乾燥させ、濃縮した。粗製物を、シリカゲル(30:1:1 CHCl−CHOH−NHOH)のカラムクロマトグラフィーにより精製して、108mg(54%)の黄色発泡体を得た。
【0139】
上記得られた中間体(108mg、0.24mmol)を、NH飽和メタノール(4mL)中に溶解させ、ラネーニッケル(100mg)で処理し、50psiのH雰囲気下、24時間、Parr振盪機においた。混合物を、セライト(Celite)を通じて濾過し、ケーキを、メタノールを用いて洗浄した。溶出液を、減圧濃縮した。粗製物を、シリカゲル(1mm平板、20:1:1 CHCl−CHOH−NHOH)の放射状クロマトグラフィー(radial chromatography)により精製して、33mg(39%)の標題化合物の遊離塩基を白色発泡体として得た。
【0140】
白色発泡体(33mg)を臭化水素酸塩に転換し、次いで固体状の中間体をメタノール/エーテルから析出させて、目的とする化合物(40mg)を白色固体として得た。
H NMR(DO)δ 1.52(brs,4H)、1.74−1.88(m,1H)、1.95−2.08(m,1H)、2.15−2.21(m,1H)、2.34−2.39(m,1H)、2.50−2.61(m,1H)、2.79−2.86(m,3H)、2.99−3.02(m,2H)、4.38(d,1H,J=16.8Hz)、4.47−4.56(m,2H)、7.58−7.63(m,2H)、7.76−7.88(m,3H)、8.34(d,1H,J=7.8Hz)、8.62(d,1H,J=5.7Hz);
13C NMR(DO)δ 20.42(2 炭素)、25.03、25.42、27.64、39.50、48.20、51.71、60.64、114.26、125.93、126.93、131.05、139.32、140.62、148.09、150.31、151.82;
ES−MS m/z 350(M+H)。C2127・2.9HBr・2.2HOについての元素分析理論値(Anal. Calcd.):C,40.44;H,5.54;N,11.23;Br,37.15。実測値(Found):C,40.38;H,5.42;N,10.85;Br,37.42。
【実施例3】
【0141】
N’−(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−N’−(S)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−8−イル−ブタン−1,4−ジアミン(塩酸塩)の調製

4−フタルアミド−ブチルアルデヒド(4-phthalamido-butyraldehyde)の調製
4−アミノ−1−ブタノール(5.0g、56mmol)及び無水フタル酸(8.3g、56mmol)を含む20%MeOH/CHCl(140mL)の溶液を66時間、還流撹拌した。得られた混合物を、室温まで冷却し、水(3×75mL)及び1NのNaOH(3×50mL)を用いて順次洗浄した。分離した有機層を(MgSO)乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(flash chromatography)(内径(id.)5cm、120gシリカゲル、2%MeOH/CHClを用いて溶出)により精製して、目的とするアルコールを白色固体(4.21g、34%)として得た。
【0142】
TPAP(340mg、0.96mmol)、NMO(3.4g、29mmol)及び3Å モレキュラーシーブ(10g)を含むCHCl(100mL)の撹拌スラリーに、上記得られたアルコール(4.2g、19mmol)を含むCHCl(50mL)の溶液を30分かけて滴下(添加)した。添加(滴下)後、黒色スラリーを、30分間N雰囲気下で撹拌し、真空濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(内径(id.)5cm、80gシリカゲル、EtOAcを用いて溶出)により精製して、純粋な標題化合物を灰色固体(3.30g、80%)として得た。
H NMR(CDCl)δ1.97−2.07(m,2H)、2.54(t,2H,J=7.2Hz)、3.74(t,2H,J=6.8Hz)、7.71−7.75(m,2H)、7.82−7.88(m,2H)、9.77(s,1H)。
【0143】
一般的な手順B(General Procedure B)を用いて、上記得られた4−フタルアミド−ブチルアルデヒド(3.21g、14.8mmol)を、ジクロロメタン(150mL)中でS−(5,6,7,8−テトラヒドロ−キノリン−8−イル)−アミン(2.40g、16.3mmol)及びNaBH(OAc)(9.54g、45.0mmol)と反応させた。フラッシュクロマトグラフィー(内径(id.)5cm、200gシリカゲル、5%MeOH/CHClを用いて溶出)により、純粋な2級アミンを白色泡沫状固体(2.48g、48%)として得た。
【0144】
上記得られたアミン(2.5g、7.1mmol)を含むアセトニトリル(70mL)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(1.9mL、10.7mmol)、1−boc−2−クロロメチルベンズイミダゾール(2.3g、8.6mmol)、及びヨウ化カリウム(115mg、0.70mmol)を加えた。得られた混合物を、60℃、N雰囲気下で15時間、撹拌し、室温まで冷却し、真空濃縮した。残滓を、クロロホルム(150mL)と水(100mL)に分配した。分離した有機層を(MgSO)乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(内径(id.)5cm、120gシリカゲル、CHClを用いて溶出して未反応の塩化物を除去しその後2%MeOH/CHClを用いて溶出して目的とする生成物を取り出す)により精製して、目的とするアミンを淡黄色泡沫状固体(3.50g、85%)として得た。
【0145】
上記得られたアミン(3.33g、36mmol)を含むエタノール(30mL)の溶液を、ヒドラジン一水和物(1.80g、36mmol)で処理し、3時間撹拌した。得られた混合物を、その後真空濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(内径(id.)5cm、80gシリカゲル、5%MeOH/CHClを用いて溶出)により精製して、保護されていないアミンを淡黄色泡沫状固体(1.70g、86%)として得た。
【0146】
上記得られたアミン(1.70g、4.86mmol)を氷酢酸(5mL)中に溶解させ、HCl飽和酢酸(5mL)で処理した。溶液を室温で5分間撹拌させておき、その後それを、激しく撹拌しながらジエチルエーテル(400mL)中に、ゆっくりと滴下した。生じたスラリーを、ガラス溶融漏斗(glass fritted funnel)を通じて吸引濾過し、濾過ケーキを、ジエチエルエーテル(3×100mL)を用いて洗浄し、真空乾燥機中で、40℃、16時間乾燥させ、目的とする化合物を白色固体(2.34g、94%)として得た。
H NMR(DO)δ 1.46−1.63(m,4H)、1.70−1.87(m,1H)、1.97−2.07(m,1H)、2.10−2.21(m,1H)、2.28−2.38(m,1H)、2.55−2.65(m,1H)、2.81−2.90(m,3H)、2.91−3.00(m,2H)、4.30(d,1H,J=16.3Hz)、4.41(d,1H,J=16.3Hz)、4.42−4.48(m,1H)、7.48−7.51(m,2H)、7.70−7.75(m,3H)、8.20(d,1H,J=8.2Hz)、8.53(d,1H,J=4.5Hz);
13C NMR(DO)δ 20.36、20.43、21.67、24.99、25.24、27.60、39.51、48.29、51.78、60.54、114.46(2 炭素)、125.63、132.53、139.58、140.16、147.34、151.41、151.81。
ES−MS m/z 350(M+H)。 C2127・2.5HCl・2.0HO・0.6CHCOOHについての元素分析理論値(Anal. Calcd.):C,52.01;H,7.06;N,13.66;Cl,17.29。実測値(Found):C,52.15;H,7.09;N,13.40;Cl,17.56。
【0147】
前記化合物の鏡像異性純度(enantiomeric purity)は、下記条件を用いてキラルHPLC(chiral HPLC)により96.7%であると測定された:
機器:ヒューレットパッカード 1100 HPLC(VWD1);カラム:キラルパック OD(Chiralpak OD)、0.46cm×25cm;移動相:A:0.1%DEAを含む90:10 ヘキサン/イソプロパノール、B:イソプロパノール;定組成(isocratic):90%A、10%B;総測定時間:20分;流量:0.5mL/min;温度:10℃;検出器:270nmの紫外吸収;注入量:20μL。
【0148】
S鏡像異性体の保持時間=16.3分 R鏡像異性体の保持時間=21.9分。
【実施例4】
【0149】
実験手順は、先に記載されたとおりである(Pelus, L. M., et al., Blood (2001) 97: 1534-1542;Blood (2004) 103: 110-119)。AMD3100は、1,1’−[1,4−フェニレン−ビス(メチレン)]−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカンである。
【0150】
AMD3100単独又はGROβ単独と比較してAMD3100とGROβとの組み合わせによる末梢血動員
動員実験は、BALB/cマウス(3マウス群)について行った。AMD3100又はGROβ単独での動員について、予めそれぞれの薬剤について実験的に決定した動員ピークにおいてPBSC(末梢血幹細胞)動員を定量化した。このため、PBSC動員は、2.5mg/kgのGROβの皮下注射後15分、及び5mg/kgのAMD3100の皮下注射後1時間で定量化された。
【0151】
組み合わせ実験において、PBSC動員は、2.5mg/kgのGROβ(R&Dシステムズ)を含む生理食塩水及び5mg/kgのAMD3100の一回皮下注射後5、15、30、60及び150分で定量化した。前記化合物を、異なる皮下部位に別々及び同時に注射した。注射は、コントロール及び動員されるマウスが全ての実験において同時に評価されるように計画した。マウスを、CO窒息により殺し、血液を、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)で被覆したシリンジを用いて心臓穿刺により採取した。PBMC(末梢血単核球)は、リンフォライト−M(CedarLane Labs, Hornby, ON, Canada)で末梢血(0.4mL)を分離することにより得た。全血球計算(CBC’s)は、Hemavet Mascot(CDC Technologies, Oxford, CT)で行った。手操作による区別は、ライト・ギムザ染色(Hema-Tek 1000, Bayer, Elkhart, IN)した血塗抹標本或いは脾臓及び骨髄細胞サイトスピン標本(Shandon, Pittsburgh, PA)で行った。
【0152】
CFU−GM測定
PBMC(末梢血単核球)を、熱失活したウシ胎児血清(Hyclone Sterile Systems, Logan, UT)及び0.3%寒天(Difco Laboratories, Detroit, MI)を含むマッコイ(McCoy)5A培地でCFU−GMについて測定した。PBMCを、2×10/mLで培養した。CFU−GMを、10ng/mL遺伝子組換えマウスGM−CSF(rmGM−CSF)、10ng/mLのrmIL−1α、及び50ng/mL幹細胞因子(SCF)を用いて刺激した。個々の動物からの三通りの培養組織を、37℃、5%CO、5%Oを含む空気中で、7日間、インキュベートした。血液1mlあたりの全CFU−GMは、リンフォライト−M分離後の白血球(WBC)回収率で補正された血液1mlあたりのPBMCで、CFU頻度(CFU frequencies)を乗ずることによって決定した。
【0153】
【表1】

【0154】
【表2】

【0155】
表1及び2に示したように、AMD3100にGROβを加えた組み合わせは、何れかの薬剤単独と比較したとき、前駆細胞、好中球及び全白血球の動員に対し、相加から相乗的な挙動で作用する;応答は、より一層速い。
【0156】
前記詳細な説明及び付随した実施例は、単なる実例であり、本発明の範囲を限定するものとしてとらえるべきではないことが理解される。本発明の意図及び範囲から外れない限り、当業者に明確である、開示された形態に対する各種変更及び改良が、なされてもよい。本書で参照した米国特許及び公報は、参照により組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
末梢血又は骨髄における前駆細胞及び/又は幹細胞の個数を増加させる方法であって、前記方法は、前記末梢血又は骨髄における前駆細胞及び/又は幹細胞の個数を増加させるために効果的な量のCXCR4拮抗物質を、GROβタンパク質と組み合わせて用いて、前記末梢血又は骨髄を処理することを含む方法。
【請求項2】
前記GROβタンパク質は、GROβタンパク質の修飾型である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記修飾型は、SB−251353である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記CXCR4拮抗物質は、式
Z−リンカー−Z’ (1)
又はその医薬的に許容できる塩若しくはプロドラッグの形態である請求項1に記載の方法:
但し、Zは、2〜8個の窒素原子を含む9〜32員環の環状ポリアミンであり、前記窒素原子は少なくとも2つの炭素原子により互いに隔てられ、前記複素環は任意に窒素以外の別のヘテロ原子を含んでもよく、及び/又は付加的な環系と縮合してもよく;
或いはZは、式

であり、
Aは、少なくとも1つのNを含む単環式又は二環式縮合環系からなり、Bは、H又は1〜20原子の有機成分であり、
Z’は、前記Zによって規定されたのと同様の形態で表されてもよく、又はこれに代えて式
−N(R)−(CR−X
であってもよく、
それぞれのRは、独立してH又は直鎖、分岐鎖又は環状アルキル(1−6C)であり、
nは、1又は2であり、
Xは、芳香族複素環を含む芳香環であるか、又はメルカプタンであり;
或いはZ’は、窒素含有複素環、又はそれぞれのRが前記規定されたのと同様であるNRであることが可能であり;
「リンカー」は、1つの結合、アルキレン(1−6C)を表すか、或いはアリール、縮合アリール、及び/又はアルキレン鎖に含まれる酸素原子を含んでいてもよく、並びに/或いはケト基及び/又は窒素若しくは硫黄原子を含んでもよく;
或いはそのプロドラッグ又は塩である。
【請求項5】
Z及びZ’のうち少なくとも1つは、環状ポリアミンである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
Z及びZ’は、同一である請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記式(1)の化合物は、1,1’−[1,4−フェニレン−ビス−(メチレン)−ビス−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン又はそのプロドラッグ若しくは塩である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記化合物は、
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−N−メチル−2−(アミノメチル)ピリジン;
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−4−(アミノメチル)ピリジン;
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−3−(アミノメチル)ピリジン;
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−(2−アミノ−メチル−5−メチル)−(アミノメチル)ピリジン;及び
N−[1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカニル−1,4−フェニレンビス(メチレン)]−2−(アミノエチル)ピリジン;又は
そのプロドラッグ若しくは塩
である請求項4に記載の方法。
【請求項9】
Zは、式

であり、
Aは、少なくとも1つのNを含む単環式又は二環式の縮合環系からなり、Bは、H又は1〜20原子の有機成分である請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記式(1)の化合物は、N’−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル メチル)−N’−(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−8−イル)−ブタン−1,4−ジアミン、又はそのプロドラッグ若しくは塩である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
式(1)は、その酸付加塩の形態にある請求項4に記載の方法。
【請求項12】
前記末梢血の細胞又は骨髄は、生存被検体(living subject)に含まれている請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記被検体は、化学療法又は放射線療法由来の造血欠陥を示す請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記被検体は、再生不良性貧血、白血病、薬剤性貧血(drug-infuced anemia)好中球減少症及び血小板減少症からなる群より選択される状態にある請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記被検体は、移植レシピエントであるか又は健常幹細胞ドナーである請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記前駆細胞及び/又は幹細胞は、創傷治癒を高めるか、又は細菌性の炎症を回復させるか、又は損傷した心臓又はその他の器官を修復する請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記前駆細胞及び/又は幹細胞は、損傷した心臓組織を修復する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記CXCR4拮抗物質又はGROβタンパク質は、前記被検体に静脈又は皮下経路により投与される請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記CXCR4拮抗物質及び前記GROβタンパク質は、同時投与される請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記CXCR4拮抗物質及び前記GROβタンパク質は、直列的に投与される請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記末梢血又は骨髄は、エキソビボ培養で維持される請求項1に記載の方法。
【請求項22】
CXCR4拮抗物質及びGROβタンパク質を含む組み合わせ物。
【請求項23】
前記組み合わせは、末梢血又は骨髄において前駆細胞及び/又は幹細胞の個数を増加させることができる請求項22に記載の組み合わせ物。
【請求項24】
請求項22に記載の組み合わせ物及び医薬的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項25】
GROβタンパク質と組み合わせて、効果的な量のCXCR4拮抗物質を含む医薬組成物。
【請求項26】
末梢血又は骨髄において前駆細胞及び/又は幹細胞の個数を増加させるための請求項25に記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2008−509928(P2008−509928A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525838(P2007−525838)
【出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/028783
【国際公開番号】WO2006/020891
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(504233845)アノーメド インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】