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副甲状腺ホルモン剤の経皮送達のための装置および方法
説明

副甲状腺ホルモン剤の経皮送達のための装置および方法

【課題】副甲状腺ホルモン剤(parathyroid hormone agents)の経皮送達のための装置および方法を提供する。
【解決手段】角質層を通って、その下の表皮層、または表皮および真皮層、の中へと刺貫くのに適合している多数の微小突起34(または微小突起アレイ)を含む微小突起部材30(またはシステム)を有する送達システムを含む、生物学的活性薬剤の経皮送達するためのデバイスであって、生体適合性コーティング35の中にPTH系薬剤が含有されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願についてのクロスリファレンス)
本願は2004年5月13日出願の米国仮出願第60/571,304号、2004年7月1日出願の米国仮出願第60/585,276号および2005年1月12日出願の米国仮出願第60/643,660号の恩典を主張する。
(発明の分野)
本発明は一般的には、経皮薬剤送達システムおよび方法に関する、より詳しくは、本発明は副甲状腺ホルモン剤(parathyroid hormone agents)の経皮送達のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
活性薬剤(active agents)(または薬物)は最も普通には経口投与されるか又は注射によって投与されるかどちらかである。不都合なことに、多くの活性薬剤は経口投与されたときには全く役立たないか又は極めて低下した効能を有する、何故ならば、それらは吸収されないか又は血流に入る前に悪影響を受けるかのどちらかであり、従って、所期の活量(activity)を所有しないからである。他方、薬剤を直接に静脈内に又は皮下に注射することは、投与中に薬剤が変質しないことを保証する一方で、しばしば患者の同意を得にくい結果となる難しい、不便な、痛い、そして不快な手法である。
【0003】
従って、原則的には、経皮送達(transdermal delivery)は、そうでなければ皮下注射(hypodermic injection)または静脈注入(intravenous infusion)によって送達される必要のある活性薬剤を投与する方法を講じる。ここで使用されるとき、用語「経皮」は、外科手術用ナイフによる切開や皮下注射針で皮膚を刺貫くような皮膚のかなりの切開または穿通を伴うこと無しに、皮膚を通って局所組織または全身循環システムに活性薬剤(たとえば、治療剤たとえば薬物または免疫学的に活性な薬剤たとえばワクチン)を送達することを称する包括的用語である。経皮薬剤送達は受動拡散(passive diffusion)による送達ばかりでなく、外部エネルギー源たとえば電気(たとえば、イオントフォレシス(iontophoresis))や超音波(たとえば、フォノフォレシス(phonophoresis))に基づいた送達も包含する。
【0004】
より普通の受動経皮薬剤送達システムは代表的には、高濃度の活性薬剤が入っている薬物貯蔵部(drug reservoir)を含んでいる。貯蔵部は皮膚と接触するのに適合しており、それは薬物が皮膚を通ってそして患者の組織または血流の中に拡散するのを可能にする。
【0005】
周知の通り、経皮薬物流束(transdermal drug flux)は皮膚の状態、薬物分子の大きさおよび物理的/化学的性質、および皮膚を介しての濃度勾配に依存する。皮膚は多くの薬物に対して低透過性であるので、経皮送達は適用が制約されてきた。この低透過性は主として角質層(stratum corneum)、すなわち、脂質2層によって囲まれたケラチン繊維(ケラチノサイト)で満たされた扁平な死細胞からなる最も外側の層、のせいである。脂質2層のこの高度に秩序化された構造が角質層に比較的不透過性の特性を授ける。
【0006】
受動経皮拡散性薬剤流束を増大させる一つの普通の方法は、皮膚透過向上剤による皮膚の前処理、または薬剤と皮膚透過向上剤の同時送達、を伴う。そこを通って薬剤が送達されるところの体表面に透過向上剤が適用されたときには、そこを通る薬剤流束が高まる。しかしながら、これら方法の効力は経皮タンパク流束を向上させることにおいては、少なくとも大きなタンパク質についてはその大きさのせいで、限られていた。
【0007】
また、薬剤の経皮送達される量を高めるために最も外側の皮膚層を機械的に穿通または破壊しそれによって皮膚の中に通路を発生させる多数の技法およびデバイスが開発されてきた。例示はUSP No.3,964,482に開示された薬物送達デバイスである。
【0008】
経皮薬剤送達を向上させるのに小さな皮膚突刺し素子(tiny skin piercing elements)を用いるその他のシステムおよび装置は次の刊行物の中に開示されている:USP Nos.5,879,326,3,814,097,5,250,023,3,964,482,Reissue No.25,637、およびPCT公開Nos.WO 96/37155,WO 96/37256,WO 96/17648,WO 97/03718,WO 98/11937,WO 98/00193,WO 97/48440,WO 97/48441,WO 97/48442,WO 98/00193,WO 99/64580,WO 98/28037,WO 98/29298およびWO 98/29365;それら刊行物は全て、それらの全体が本明細書の中に組み入れられる
【0009】
開示されたシステムおよび装置は皮膚の最も外側の層(すなわち、角質層)を刺貫くのに多様な形状および大きさの突刺し素子を用いている。それら刊行物の中に開示されている突刺し素子は一般に、パッドやシートのような薄い平坦な部材から垂直方向に延びている。これらデバイスのいくつかにおける突刺し素子は極めて小さく、或るものは約25〜400μに過ぎない微小突起長さと約5〜50ミクロンに過ぎない微小突起厚さを有する。これら小さな突刺し/切開素子は対応して、角質層の中にそれを通って経皮薬剤送達を向上させるための小さな微小スリット(microslits)/微小カット(microcuts)を作り出す。
【0010】
開示されたシステムは更に、代表的には、薬剤を保持するための貯蔵部と、薬剤を貯蔵部から角質層を通って移送するための送達システム、たとえば、デバイス自体の中空枝(hollow tines)による、とを含んでいる。かかるデバイスの一例はWO 93/17754の中に開示されており、それは液状薬剤の貯蔵部を有する。しかしながら、この貯蔵部は液状薬剤を小さな管状素子を通って皮膚の中に強制的に送り込むには加圧されなければならない。かかるデバイスの欠点には、圧力駆動式送達システムの存在のせいで、加圧可能な液体貯蔵部および複雑系を追加するために加わる複雑さと経費が包含される。
【0011】
本明細書の中に完全に組み入れられる米国特許出願No.10/045,842の中に開示されている通り、送達されるべき活性薬剤が有形貯蔵部の中に含有される代わりに微小突起(microprojections)の上にコートされることが可能である。これは、別個の有形貯蔵部や、特別に貯蔵部向きの薬剤処方物または組成物の開発を、必要としなくする。
【0012】
周知の通り、骨粗鬆症(osteoporosis)は、代表的には腰、脊柱および手首における骨折の危険性の増大を個体に与える進行性骨損失を特徴とする骨疾患である。代表的には30歳〜40歳の間に始まる進行性骨損失は骨折が起こる迄は主として無症候性であるが、骨折が起こると高度の患者罹患率および死亡率につながる。骨粗鬆症に冒される80%は女性であり、そして最近の研究に基づけば、女性は閉経が始まってから6年間に骨量の三分の一を喪失する。
【0013】
また、周知の通り、副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone)(PTH)は身体の中のカルシウムとリンの代謝を調節する副甲状腺(parathyroid gland)によって分泌されるホルモンである。PTHは骨粗鬆症の治療において、骨形成を促進するその能力と従って顕著に減少する骨折発生率とについて、大きな関心を惹起した。大規模な臨床試験はPTHが骨粗鬆症の女性達における脊椎骨および非脊椎骨の骨折の確率を有効かつ安全に低下させることを示した。
【0014】
PTH系薬剤は骨治癒を促進するその能力によって(男性および女性の両方における)骨折の治療においても関心を惹起した。
【0015】
この目的のためには、後で論じる通りありふれた送達手段である皮下注射(subcutaneous injection)用に再構成できる様々な安定化されたPTH系薬剤処方物が開発されている。例示は、USP No.5,563,122(「安定化された副甲状腺ホルモン組成物」)および米国特許出願公開No.2002/0107200(「安定化されたテリパラチド(teriparatide)溶液」)の中に開示されており、それらの全体が本明細書の中に組み入れられる。
【0016】
現在承認されている注射可能なPTH系薬剤はFORTEO(登録商標)(rDNA由来テリパラチド注射剤)であり、それは組換えヒト副甲状腺ホルモン(recombinant human parathyroid hormone)(1−34)、(rhPTH(1−34))を含有している。FORTEO(登録商標)は代表的には、複数の骨折危険因子を有する又は医師による機能評価に基づけばかって骨粗鬆症治療に失敗した若しくは耐えられなかった骨粗鬆症的骨折の履歴をもつ女性向けに処方されている。骨粗鬆症をもった閉経後の女性においては、FORTEO(登録商標)は骨ミネラル密度(bone mineral density)(BMD)を増大させそして脊椎骨および非脊椎骨の骨折の危険性を減少させることが判明している。
【0017】
FORTEO(登録商標)は原発性の又は性機能低下の骨粗鬆症をもった骨折の危険の高い男性においても骨量を増大させることが判明している。彼らの中には、骨粗鬆症的骨折の履歴を有する又は複数の骨折危険因子を有する又はかって骨粗鬆症治療に失敗した若しくは耐えられなかった男性達が包含される。原発性の又は性機能低下の骨粗鬆症をもった男性においても、FORTEO(登録商標)は同様にBMDを増大させることが判明している。皮下注射の他にも、PTH系薬剤を送達するための他の手段が検討されている。たとえば、肺への送達(pulmonary delivery)(すなわち、吸引(inhalation))の様々な方法が次の刊行物の中に論じられている:“Pulmonary Delivery of Drugs for Bone Disorders,”Advanced Drug Delivery Reviews,Vol.42,Issue 3,pp.239−248 (August 31,2000),Patton,“Bioavailability of Pulmonary Delivered Peptides and Proteins:−Interferon,Calcitonins and Parathyroid Hormones,”Journal of Controlled Release,Vol.28,Issues 1−3,pp.79− 85 (January 1994),Patton,et al.,“Impact of Formulation and Methods of Pulmonary Delivery on Absorption of Parathyroid Hormone (1−34) from Rat Lungs,”Journal of Pharmaceutical Sciences,Vol.93,Issue 5,pp.1241−1252 (May 2004),Codrons,et al.,“Systemic Delivery of Parathyroid Hormone (1−34) Using Inhalation Dry Powders in Rats,”Journal of Pharmaceutical Sciences,Vol.92,Issue 5,pp.938−950 (May 2003) およびPfutzner,A,et al.,“Pilot Study with Technosphere/PTH(1−34)−A New Approach for Effective Pulmonary Delivery of Parathyroid Hormone (1−34)”,Horm.Metab.Res.,Vol.35 (5),319−23.
【0018】
PTH系薬剤の能動経皮送達の様々な方法も次の刊行物の中に論じられている:“The Effect of Electroporation on Eontophoretic Eransdermal Delivery of Calcium Regulating Hormones,”Journal of Controlled Release,Vol.66,Issues 2−3,pp.127−133 (May 15,2000) およびChang,et al.,“Prevention of Bone Loss in Ovariectomized Rats by Pulsatile Transdermal Iontophoretic Administration of Human PTH(1−34),”Journal of Pharmaceutical Sciences,Vol.91,Issue 2,pp.350−361 (February 2002).
【0019】
骨粗鬆症のような疾患の治療におけるPTHの効能にもかかわらず、開示された従来のPTH送達方法、特に、皮下注射による、に関連して幾つかの欠点および不利益が存在する。主な欠点は皮下注射が難しく不快な手法であることであり、それはしばしば患者に受け入れにくい結果となる。
【0020】
微小突起システムを使用してのhGHの如き薬剤の皮内投与(intracutaneous administration)は皮下投与後に観察されたものに似たhGHの薬物動態プロフィール(pharmacokinetic profile)を提供することが従来文書化されている。たとえば、Cormier,et al.の「被覆(coated)微小突起を有する経皮薬物送達デバイス」と題する米国特許出願公開No.2002/0128599を参照されたい。
【0021】
生体内(in vivo)のPTH系薬剤の持続注入(continuous infusion)は結果として能動骨吸収(active bone resorption)を生じる。従って、決定的に重要なことはPTH系薬剤が拍動様式(pulsatile fashion)で投与されることである。1日1回の皮下注射(subcutaneous injection)による効能結果を基準として、代替経路のPTH送達は皮下注射PTHより遅くないPTH血中濃度を付与するべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
従って、PTH系薬剤の最小侵襲的投与を促進する薬剤送達システムを提供することは望ましいであろう。更には、PTH系薬剤の薬物動態プロフィールを皮下投与後に観察されるものに似たものにする薬剤送達システムを提供することが望まれるであろう。
【0023】
従って、本発明の目的は患者にPTH系薬剤の皮内送達を与える経皮薬剤送達装置および方法を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は皮下投与後に観察された薬物動態プロフィールに似た又はそれより速いPTH系薬剤の薬物動態プロフィールを与える経皮薬剤送達装置および方法を提供することである。
【0025】
本発明の別の目的はPTH系薬剤の薬理学的に活性な血中濃度を8時間までの時間にわたって与える経皮薬剤送達装置および方法を提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は患者への皮内送達に向いているPTH系薬剤処方物を提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は少なくとも一つの生物学的活性薬剤好ましくはPTH系薬剤を含有する生体適合性コーティング(biocompatible coating)をコートされた微小突起を含む経皮薬剤送達装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
(発明の概要)
上記の目的および以下に言及されそして明らかになるだろう目的によれば、本発明に従ってPTH系薬剤を経皮送達するため装置および方法は包括的には、角質層を通って、その下の表皮層(epidermis layer)、または表皮および真皮(dermis)層、の中へと刺貫くのに適合した多数の微小突起(または微小突起アレイ)を含む微小突起部材(またはシステム)を有する送達システムを含む。好ましい態様においては、微小突起部材は、少なくとも1種類のPTH系薬剤がその中に配置されている生体適合性コーティングを含む。
【0029】
本発明の一態様においては、微小突起部材は、1cm当り微小突起少なくとも約10個の、より好ましくは、1cm当り微小突起少なくとも約200〜2000個の範囲内の、微小突起密度を有する。
【0030】
一態様においては、微小突起部材はステンレス鋼、チタン、ニッケルチタン合金、または類似の生体適合性素材から構成される。
【0031】
別の態様においては、微小突起部材はポリマー性素材のような非導電性材料から構成される。代わりに、微小突起部材は次の材料で被覆されることができる:非導電性材料、たとえば、パリレン(Parylene)(登録商標)、または疎水性材料、たとえば、テフロン(登録商標)、シリコンまたはその他の低エネルギー素材。
【0032】
固体の生体適合性コーティングを形成するために微小突起部材に適用されるコーティング処方物は水性および非水性の処方物を包含できる。好ましくは、コーティング処方物は生体適合性担体(biocompatible carrier)の中に溶解または懸濁され得る少なくとも1種類のPTH系薬剤を含有する。
【0033】
好ましい態様においては、PTH系薬剤は、hPTH(1−34)、hPTH塩および類似体、テリパラチドおよび関連ペプチドからなる群から選ばれる。本願全体を通して、用語「PTH系薬剤」および「hPTH(1−34)薬剤」は、限定されるものではないが、組換えhPTH(1−34)、合成hPTH(1−34)、PTH(1−34)、テリパラチド、hPTH(1−34)塩、hPTH(1−34)の簡単な誘導体、たとえば、hPTH(1−34)アミド、および近い関連分子、たとえば、hPTH(1−33)またはhPTH(1−31)アミド、又はいずれか他の近い関連の骨形成性ペプチドを包含する。合成hPTH(1−34)は最も好ましいPTH薬剤である。
【0034】
製薬上許容できるhPTH塩の例は、限定されるものではないが、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、レブリン酸塩、クロリド、ブロミド、クエン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、3−ヒドロキシイソ酪酸塩、トリカルバリル酸塩(tricarballylicate)、マロン酸塩、アジピン酸塩、シトラコン酸塩、グルタル酸塩、イタコン酸塩、メサコン酸塩、シトラマレート(citramalate)、ジメチロールプロピオン酸塩、チグリン酸塩(tiglicate)、グリセリン酸塩、メタクリル酸塩、イソクロトン酸塩、β−ヒドロキシ酪酸塩、クロトン酸塩、アンゲリカ酸塩(angelate)、ヒドラクリレート(hydracrylate)、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、2−ヒドロキシイソ酪酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、ピルビン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、硝酸塩、燐酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、硫酸塩およびスルホン酸塩を包含する。
【0035】
好ましくは、PTH系薬剤はコーティング処方物の中に約1〜30重量%の範囲の濃度で存在する。
【0036】
より好ましくは、固体の生体適合性コーティング(すなわち、微小突起部材または製品)の中に含有されるPTH系薬剤の量は約1μg〜1000μgの範囲内にあり、更により好ましくは、約10〜100μgの範囲内にある。
【0037】
また、好ましくは、コーティング処方物のpHはおおよそpH6未満である。より好ましくは、コーティング処方物はおおよそpH2〜pH6の範囲内のpHを有する。更により好ましくは、コーティング処方物はおおよそpH3〜pH6の範囲内のpHを有する。
【0038】
本発明の或る態様においては、微小突起に塗布するのに用いられるコーティング処方物の粘度は低揮発性の対イオン(counterion)を添加することによって向上させられる。一態様においては、PTH系薬剤は処方物pHにおいて正電荷を有し、そして粘度向上用対イオンは少なくとも2つの酸性pKaを有する酸を含む。適する酸はマレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、シトラコン酸、フマル酸、グルタル酸、イタコン酸、メグルトール(meglutol)、メサコン酸、コハク酸、シトラマル酸(citramalic acid)、タルトロン酸(tartronic acid)、クエン酸、トリカルバリル酸(tricarballylic acid)、エチレンジアミン四酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、カルボン酸、硫酸および燐酸を包含する。
【0039】
別の好ましい態様は粘度向上用対イオン混合物に関し、そこでは、PTH系薬剤は処方物のpHにおいて正電荷を有し、そして対イオンの少なくとも一方は少なくとも2つの酸性pKaを有する酸を含む。他方の対イオンは一つまたはそれ以上のpKaをもつ酸を含む。適する酸の例は塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、マレイン酸、燐酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、クエン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、乳酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酒石酸、タルトロン酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、ペンタン酸、カルボン酸、マロン酸、アジピン酸、シトラコン酸、レブリン酸、グルタル酸、イタコン酸、メグルトール、メサコン酸、シトラマル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、トリカルバリル酸およびエチレンジアミン四酢酸を包含する。
【0040】
本発明の上記態様においては、対イオンの量は好ましくは、PTHの電荷を中和するのに十分である。かかる態様においては、対イオンの量または対イオンの混合物の量は好ましくは、処方物のpHにおいて薬剤の上の電荷を中和するのに十分である。追加態様においては、pHをコントロールしそして十分な緩衝能力を付与するためにペプチドに過剰の対イオンが(遊離酸として又は塩として)添加される。
【0041】
別の態様においては、薬剤はhPTH(1−34)を含み、そして対イオンはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、塩酸、グリコール酸および酢酸からなる群から選ばれた粘度向上用対イオン混合物を含む。好ましくは、対イオンは約20〜200cpの範囲内の粘度を達成するように処方物に添加される。
【0042】
本発明の好ましい態様においては、粘度向上用対イオンは、少なくとも一つの酸性pKaと約50℃より高い融点またはPatmにおいて約170℃より高い沸点とを示す低揮発性弱酸のような、酸性の対イオンを含む。かかる酸の例はクエン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、乳酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酒石酸、タルトロン酸、およびフマル酸を包含する。
【0043】
別の好ましい態様においては、対イオンは約2未満の少なくとも一つのpKaを示す強酸を含む。かかる酸の例は塩酸、臭化水素酸、硝酸、スルホン酸、硫酸、マレイン酸、燐酸、ベンゼンスルホン酸およびメタンスルホン酸を包含する。
【0044】
別の好ましい態様は、対イオンの少なくとも一つが強酸を含みそして対イオンの少なくとも一つが低揮発性弱酸を含む、対イオンの混合物に関する。
【0045】
別の好ましい態様も、対イオンの混合物に関し、そこでは、対イオンの少なくとも一つは強酸を含み、そして対イオンの少なくとも一つは、高揮発性を有しかつ約2より高い少なくとも一つのpKaと約50℃未満の融点またはPatmにおいて約170℃未満の沸点とを示す弱酸を含む。かかる酸の例は酢酸、プロピオン酸、ペンタン酸などを包含する。
【0046】
酸性の対イオンは好ましくは、処方物のpHにおいてPTH系薬剤の上に存在する正電荷を中和するのに十分な量で存在する。更なる態様においては、pHをコントロールしそして十分な緩衝能力を付与するために過剰の対イオンが(遊離酸として又は塩として)添加される。
【0047】
本発明の別の態様においては、コーティング処方物は少なくとも1種類の緩衝剤を含有する。かかる緩衝剤の例は、限定されるものではないが、アスコルビン酸、クエン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、乳酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酒石酸、タルトロン酸、フマル酸、マレイン酸、燐酸、トリカルバリル酸、マロン酸、アジピン酸、シトラコン酸、グルタル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラマル酸、ジメチロールプロピオン酸、チグリン酸(tiglic acid)、グリセリン酸、メタクリル酸、イソクロトン酸、β−ヒドロキシ酪酸、クロトン酸、アンゲリカ酸(angelic acid)、ヒドラクリル酸(hydracrylic acid)、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、およびそれらの混合物を包含する。
【0048】
本発明の一態様においては、コーティング処方物は少なくとも1種類の抗酸化剤を含有し、それは、金属イオン遮蔽剤(sequestering agents)たとえばクエン酸ナトリウム、クエン酸、EDTA(エチレン−ジニトリロ−四酢酸)、または遊離基捕捉剤(free radical scavengers)たとえばアスコルビン酸、メチオニン、アスコルビン酸ナトリウムなど、を包含できる。現時点での好ましい抗酸化剤はEDTAおよびメチオニンを包含する。
【0049】
本発明の上記態様においては、抗酸化剤の濃度は好ましくは、コーティング処方物の約0.01〜20重量%の範囲内にある。より好ましくは、抗酸化剤の濃度はコーティング処方物の約0.03〜10重量%の範囲内にある。
【0050】
本発明の一態様においては、コーティング処方物は少なくとも1種類の界面活性剤を含有し、それは、両性イオン性(zwitterionic)、両性(amphoteric)、カチオン性、アニオン性、または非イオン性であることができ、限定されるものではないが、ラウロ両性酢酸ナトリウム(sodium lauroamphoacetate)、ドデシル硫酸ナトリウム(sodium dodecyl sulfate)(SDS)、セチルピリジニウムクロリド(cetylpyridinium chloride)(CPC)、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(dodecyltrimethyl ammonium chloride)(TMAC)、塩化ベンズアルコニウム、ポリソルベートたとえばツイーン(Tween)20およびツイーン80、その他のソルビタン誘導体、たとえば、ソルビタンラウレートアルコキシル化アルコール、たとえば、ラウレス(laureth)−4、およびポリオキシエチレンひまし油誘導体、たとえば、クレモフォア(Cremophor)EL(登録商標)、を包含する。
【0051】
本発明の上記態様においては、界面活性剤の濃度は好ましくは、コーティング処方物の約0.01〜20重量%の範囲内にある。好ましくは、界面活性剤の濃度はコーティング処方物の約0.05〜1重量%の範囲内にある。
【0052】
本発明の更なる態様においては、コーティング処方物は両親媒性(amphiphilic properties)を有する少なくとも1種類のポリマー性素材またはポリマーを含有し、それは、限定されるものではないが、セルロース誘導体類、たとえば、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、またはエチルヒドロキシ−エチルセルロース(EHEC)、およびプルロニック類(pluronics)を包含できる。
【0053】
本発明の一態様においては、コーティング処方物の中の両親媒性を呈するポリマーの濃度は好ましくは、コーティング処方物の約0.01〜20重量%の範囲内、より好ましくは、約0.03〜10重量%の範囲内、にある。
【0054】
別の態様においては、コーティング処方物は次のような群から選ばれた親水性ポリマーを含有する:ヒドロキシエチルスターチ、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、デキストラン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、ポリ(n−ビニルピロリドン)、ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物、および同様のポリマー。
【0055】
好ましい態様においては、コーティング処方物の中の親水性ポリマーの濃度はコーティング処方物の約1〜30重量%の範囲内、より好ましくは、約1〜20重量%の範囲内、にある。
【0056】
本発明の別の態様においては、コーティング処方物は生体適合性担体を含有し、それは、限定されるものではないが、ヒトアルブミン、生物工学化ヒトアルブミン(bioengineered human albumin)、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、ポリヒスチジン、ペントサンポリスルフェート(pentosan polysulfate)、ポリアミノ酸、スクロース、トレハロース、メレジトース、ラフィノースおよびスタキオースを包含できる。
【0057】
好ましくは、コーティング処方物の中の生体適合性担体の濃度はコーティング処方物の約2〜70重量%の範囲内、より好ましくは、約5〜50重量%の範囲内、にある。
【0058】
別の態様においては、コーティング処方物は安定剤を含有し、それは、限定されるものではないが、非還元糖(non−reducing sugar)、多糖または還元糖を包含できる。
【0059】
本発明の方法および組成物での使用に適する非還元糖は、たとえば、スクロース、トレハロース、スタキオース、またはラフィノースを包含する。
【0060】
本発明の方法および組成物での使用に適する多糖類は、たとえば、デキストラン、可溶性デンプン、デキストリン、およびイヌリンを包含する。
【0061】
本発明の方法および組成物での使用に適する還元糖は、たとえば、単糖類たとえばアピオース、アラビノース、リキソース、リボース、キシロース、ジギトキソース、フコース、クエルシトール、キノボース、ラムノース、アロース、アルトロース、フルクトース、ガラクトース、グルコース、グロース、ハマメロース、イドース、マンノース、タガトースなど;および二糖類たとえばプリメベロース、ビシアノース、ルチノース、シラビオース、セロビオース、ゲンチオビオース(gentiobiose)、ラクトース、ラクツロース、マルトース、メリビオース、ソホロース(sophorose)およびツラノースなど、を包含する。
【0062】
好ましくは、コーティング処方物の中の安定剤の濃度はPTH系薬剤に対しておおよそ0.1〜2.0:1の比率にあり、より好ましくは、PTH系薬剤に対しておおよそ0.25〜1.0:1の比率にある。
【0063】
別の態様においては、コーティング処方物は血管収縮剤(vasoconstrictor)を含有し、それは、限定されるものではないが、アミデフリン(amidephrine)、カファミノール(cafaminol)、シクロペンタミン(cyclopentamine)、デオキシエピネフリン(deoxyepinephrine)、エピネフリン(epinephrine)、フェリプレッシン(felypressin)、インダナゾリン(indanazoline)、メチゾリン(metizoline)、ミドドリン(midodrine)、ナファゾリン(naphazoline)、ノルデフリン(nordefrin)、オクトドリン(octodrine)、オルニプレッシン(ornipressin)、オキシメタゾリン(oxymethazoline)、フェニレフリン(phenylephrine)、フェニルエタノラミン(phenylethanolamine)、フェニルプロパノラミン(phenylpropanolamine)、プロピルヘキセドリン(propylhexedrine)、プソイドエフェドリン(pseudoephedrine)、テトラヒドロゾリン(tetrahydrozoline)、トラマゾリン(tramazoline)、ツアミノヘプタン(tuaminoheptane)、チマゾリン(tymazoline)、バソプレッシン(vasopressin)、キシロメタゾリン(xylometazoline)およびそれらの混合物を包含できる。最も好ましい血管収縮剤はエピネフリン、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン、インダナゾリン、メチゾリン、トラマゾリン、チマゾリン、オキシメタゾリンおよびキシロメタゾリンを包含する。
【0064】
使用される場合、血管収縮剤の濃度は好ましくは、コーティング処方物の約0.1重量%〜10重量%の範囲内にある。
【0065】
本発明の別の態様においては、コーティング処方物は少なくとも1種類の「通路開通性モジュレーター(pathway patency modulator)」を含有し、それは、限定されるものではないが、浸透圧剤(osmotic agents)(たとえば、塩化ナトリウム)、両性イオン性化合物(たとえば、アミノ酸)、および抗炎症剤、たとえば、21−リン酸ベタメタゾン二ナトリウム塩(betamethasone 21−phosohate disodium salt)、21−リン酸トリアムシノロンアセトニド二ナトリウム(triamcinolone acetonide 21−disodium phosphate)、塩酸ヒドロコルタマート(hydrocortamate hydrochloride)、21−リン酸ヒドロコルチゾン二ナトリウム塩(hydrocortisone 21−phosphate disodium salt)、21−リン酸メチルプレドニゾロン二ナトリウム塩(methylprednisolone 21−phosphate disodium salt)、21−コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム塩(methylprednisolone 21−succinate sodium salt)、リン酸パラメタゾン二ナトリウム(paramethasone disodium phosphate)および21−コハク酸プレドニゾロンナトリウム塩(prednisolone 21−succinate sodium salt)、および抗凝固剤、たとえば、クエン酸、クエン酸塩(たとえば、クエン酸ナトリウム)、硫酸デキストリンナトリウム(dextrin sulfate sodium)、アスピリンおよびEDTA、を包含できる。
【0066】
本発明の更に別の態様においては、コーティング処方物は安定化/錯化剤を含有し、それはα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−α−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、およびスルホブチルエーテル−γ−シクロデキストリンを包含できる。最も好ましい安定化/錯化剤はβ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、およびスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンである。
【0067】
使用される場合、安定化/錯化剤の濃度は好ましくは、コーティング処方物の約1重量%〜20重量%の範囲内にある。
【0068】
本発明の別の態様においては、コーティング処方物は少なくとも1種類の非水性溶剤、たとえば、エタノール、イソプロパノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド、グリセリン、N,N−ジメチルホルムアミド、およびポリエチレングリコール400、を含有する。好ましくは、非水性溶剤はコーティング処方物の中に、コーティング処方物の約1重量%〜50重量%の範囲内で、存在する。
【0069】
好ましくは、コーティング処方物は約500センチポアズより小さくかつ3センチポアズより大きい粘度を有する。
【0070】
本発明の一態様においては、生体適合性コーティングの厚さは、微小突起表面から測定したときに、25ミクロン未満、より好ましくは、10ミクロン未満、である。
【0071】
本発明の一態様によれば、PTH系薬剤を被検者に送達する方法は、(i)多数の角質層突刺し微小突起を有する微小突起部材を提供し、微小突起部材はその上に配置された、少なくとも1種類のPTH系薬剤を含有する生体適合性コーティングを有しており、(ii)微小突起部材を被検者の皮膚部位に適用し、それによって、微小突起が角質層を刺貫きそしてPTH系薬剤を被検者に送達する、ことを含む。
【0072】
好ましくは、被覆微小突起部材は衝撃適用器(impact applicator)によって皮膚部位に適用される。
【0073】
また、好ましくは、被覆微小突起部材は好ましくは5秒〜24時間続く時間にわたって皮膚部位の上に置いておかれる。所期の着用時間の後に、微小突起部材は取り除かれる。幾つかの態様においては、PTH系薬剤は生体適合性コーティングの約1μg〜1000μgの範囲にある。
【0074】
その上、経皮送達されたPTH系薬剤の薬物動態プロフィールは好ましいことには、皮下送達後に観察された薬物動態プロフィールに少なくとも似ている。
【0075】
一つの好ましい態様においては、PTH系薬剤はhPTH(1−34)、hPTH塩および類似体、テリパラチドおよび関連ペプチドからなる群から選ばれる。また、好ましくは、hPTH塩は、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、レブリン酸塩、クロリド、ブロミド、クエン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、3−ヒドロキシイソ酪酸塩、トリカルバリル酸塩、マロン酸塩、アジピン酸塩、シトラコン酸塩、グルタル酸塩、イタコン酸塩、メサコン酸塩、シトラマレート、ジメチロールプロピオン酸塩、チグリン酸塩、グリセリン酸塩、メタクリル酸塩、イソクロトン酸塩、β−ヒドロキシ酪酸塩、クロトン酸塩、アンゲリカ酸塩、ヒドラクリレート、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、2−ヒドロキシイソ酪酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、ピルビン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、硝酸塩、燐酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、硫酸塩およびスルホン酸塩からなる群から選ばれる。
【0076】
本発明の方法においては、PTH系薬剤の経皮送達は好ましいことには、生物学的作用(biological action)の迅速開始(rapid on−set)を示す。やはり、好ましいことには、PTH系薬剤の経皮送達は8時間までの時間にわたって持続した生物学的作用を示す。
【0077】
一態様においては、経皮送達されるPTH系薬剤はテリパラチド(hPTH(1−34))を含み、そして生体適合性コーティングは約10〜100μg用量(dose)の範囲内の用量のPTH系薬剤を含み、そこでは、PTH系薬剤の送達は1回適用後に少なくとも50pg/mLの血漿(plasma)Cmaxを生じさせる。
【0078】
本発明はまた、経皮送達されたPTH系薬剤の薬物動態(pharmacokinetics)を改善する方法を成し、この方法は、角質層突刺し微小突起を多数有する微小突起部材にして、その上に、少なくとも1種類のPTH系薬剤を含有する生体適合性コーティングが配置されている前記微小突起部材を提供し、そして微小突起部材を被検者の皮膚部位に適用し、それによって、微小突起が角質層を刺貫きそしてPTH系薬剤を被検者に送達するのでPTH系薬剤の送達が皮下送達の薬物動態特性に匹敵した改善された薬物動態を有する、ことを含む。
【0079】
上記態様においては、改善された薬物動態はPTH系薬剤の増大したバイオアベイラビリティ(bioavailability)を包含できる。改善された薬物動態はまた、Cmaxの増大を包含できる。更には、改善された薬物動態はTmaxの減少を包含できる。改善された薬物動態は更には、PTH系薬剤の向上した吸収速度(absorption rate)を包含できる。
【発明の効果】
【0080】
従って、本発明の装置および方法は骨粗鬆症および骨折の治療において安全かつ有効に使用できる。
更なる特徴および利点は、図面に例示されているような本発明の好ましい態様についての以下の更なる具体的記述から明らかになるであろう。図面の中では、全体を通して、同じ引用数字は概して同じ部分または要素を指し示している。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明による、拍動濃度プロフィールの概略図である。
【図2】本発明による、微小突起部材の一例の部分斜視図である。
【図3】本発明による、微小突起の上に付着されたコーティングを有する図2に示された微小突起部材の斜視図である。
【図4】本発明による、粘着支持体を有する微小突起部材の側断面図である。
【図5】本発明による、その中に配置された微小突起部材を有する支台の側断面図である。
【図6】図4に示された支台の斜視図である。
【図7】本発明による、適用器と支台の分解斜視図である。
【図8】本発明による、PTH系薬剤の電荷プロフィールを示すグラフである。
【図9】本発明による、PTH系薬剤の正味荷電種のモル比を示すグラフである。
【図10】本発明による、酢酸と中性形態のPTH系薬剤とのモル比を示すグラフである。
【図11】本発明による、経皮送達後と皮下送達後のPTH系薬剤の血漿濃度を比較するグラフである。
【図12】本発明による、安定剤としてスクロースを用いた及び用いないPTH系薬剤の凝集率を示すグラフである。
【図13】本発明による、抗酸化剤を用いた及び用いないPTH系薬剤の一定時間の酸化を示すグラフである。
【図14】本発明による、経皮送達後のPTH系薬剤の血漿濃度を示すグラフである。
【図15】本発明による、PTH系薬剤のバイオアベイラビリティを反映しているcAMPの尿濃度を示すグラフである。
【図16】本発明による、経皮送達後と皮下送達後のPTH系薬剤の血漿濃度を比較した更なるグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0082】
(発明の詳細)
本発明の詳細な記述に先立って、本発明は具体的に例示される材料、方法または構造に限定されず、勿論、変動可能であるということが理解されるべきである。従って、ここには、好ましい材料および方法を記載するが、ここに記載されたものに似た又は均等な多数の材料および方法が本発明の実施に使用できる。
【0083】
ここに使用される術語は単に本発明の具体的態様を記載することを目的としており、限定的に解釈されるべきでない。
【0084】
別に定義されていない限り、ここに使用される全ての技術的および科学的用語は本発明が関係する技術分野に通じる者達によって普通に理解されているのと同じ意味を有する。
【0085】
更に、上記または下記にかかわらず、ここに引用された全ての刊行物、特許および特許出願はそれらの全体が本明細書の中に組み入れられる。
【0086】
最後に、この明細書および特許請求の範囲の中で使用されるとき、単数形態は内容が明らかに別に指定されていない限り複数をも包含する。従って、たとえば、「活性薬剤」という表現は2種以上のかかる薬剤をも包含し;「微小突起」という表現は2種類以上の微小突起をも包含する、等々。
【0087】
定義
用語「経皮」はここで使用されるときには、局所治療または全身治療のために皮膚の中への及び/又は皮膚を通しての薬剤の送達を意味する。
【0088】
用語「経皮流束」はここで使用されるときには、経皮送達の速度(rate)を意味する。
【0089】
用語「拍動送達プロフィール(pulsatile delivery profile)」および「拍動濃度プロフィール(pulsatile concentration profile)」はここで使用されるときには、投与後にPTH系薬剤の血清濃度(blood serum concentration)が基線濃度(baseline concentration)から1分〜4時間の範囲の時間で約50〜1000pg/mLの範囲内の濃度に増大しそこでCmaxが達成され、そしてCmaxが達成された後に1〜8時間の範囲の時間で血清濃度がCmaxから基線濃度に低下することを意味する。図1に図解されている通り、注目の濃度(または薬物動態)プロフィールは代表的には、投与後の血清濃度の急速上昇(すなわち、第一領域)とCmax達成後には第一領域に比べて僅かに急速でない降下(すなわち、第二領域)とを反映しており、それは一般に濃度プロフィールのスパイク波形(spike)によって反映されている。
【0090】
投与後12時間以内にPTH系薬剤の血中濃度が50〜1000pg/mLのCmaxに上昇することを含む拍動送達を生じさせる別の濃度プロフィールもおそらく所期の有益な効果を生じさせるであろうし、従って、本発明の範囲内にある。
【0091】
ここに詳細に論じられている通り、本発明の一態様においては、注目の「拍動送達プロフィール」は、時間に対してのホストの血清中のPTH系薬剤濃度の曲線が、公称30μgPTH(1−34)を含有する微小突起部材については約0.014〜5.24h・ng/mLの範囲内の曲線下面積(an area under the curve)(AUC)と約0.13〜0.72ng/mLの範囲内のCmaxとを有することによって、反映されている(すなわち立証されている)。
【0092】
用語「同時送達(co−delivering)」はここで使用されるときには、PTH系薬剤が送達される前、PTH系薬剤の経皮流束の前とその最中、PTH系薬剤の経皮流束の最中、PTH系薬剤の経皮流束の最中とその後、および/またはPTH系薬剤の経皮流束の後、のいずれかに、補足薬剤(supplemental agent)(単数または複数)が経皮送達されることを意味する。加えて、2種以上のPTH系薬剤がコーティングおよび/または処方物の中に処方されてもよく、結果として複数のPTH系薬剤の同時送達を生じる。
【0093】
用語「PTH系薬剤」および「hPTH(1−34)薬剤」はここで使用されるときには、限定されるものではないが、hPTH(1−34)、hPTH塩、hPTH類似体、テリパラチド、近い関連ペプチド、および、84−アミノ酸ヒト副甲状腺ホルモンの34個のN−末端アミノ酸(生物学的活性領域)の配列と同じ手段によって機能するペプチド配列を有する薬剤を包含する。用語「PTH系薬剤」および「hPTH(1−34)薬剤」は従って、限定されるものではないが、組換えhPTH(1−34)、合成hPTH(1−34)、PTH(1−34)、hPTH(1−34)塩、テリパラチド、hPTH(1−34)の簡単な誘導体、たとえば、hPTH(1−34)アミドおよび近い関連分子、たとえば、hPTH(1−33)またはhPTH(1−31)アミド、および近い関連の骨形成性ペプチドを包含する。
【0094】
適するhPTH塩の例は、限定されるものではないが、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、レブリン酸塩、クロリド、ブロミド、クエン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、3−ヒドロキシイソ酪酸塩、トリカルバリル酸塩、マロン酸塩、アジピン酸塩、シトラコン酸塩、グルタル酸塩、イタコン酸塩、メサコン酸塩、シトラマレート、ジメチロールプロピオン酸塩、チグリン酸塩、グリセリン酸塩、メタクリル酸塩、イソクロトン酸塩、β−ヒドロキシ酪酸塩、クロトン酸塩、アンゲリカ酸塩、ヒドラクリレート、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、2−ヒドロキシイソ酪酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、ピルビン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、硝酸塩、燐酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、硫酸塩およびスルホン酸塩を包含する。
【0095】
上記PTH系薬剤は、様々な形態、たとえば、遊離塩基、酸、荷電もしくは非荷電分子(charged or uncharged molecules)、分子錯体の成分、または非刺激性の製薬上許容できる塩、であることもできる。1種より多いPTH系薬剤を本発明の薬剤源、貯蔵部および/またはコーティングの中に組み込むことができるということ、および用語「PTH系薬剤」の使用が2種以上のかかる薬剤の使用を如何様にも排除しないということが理解されるはずである。
【0096】
用語「微小突起」はここで使用されるときには、生きている動物特に哺乳類更に特にヒトの皮膚の角質層を通ってその下の表皮層、または表皮および真皮層、の中へと刺貫く又は切開するのに適合している突刺し素子を称している。
【0097】
本発明の一態様においては、突刺し素子は1000ミクロン未満の突起長さを有する。更なる態様においては、突刺し素子は500ミクロン未満の、より好ましくは250ミクロン未満の突起長さを有する。微小突起は更に、約25〜500ミクロンの範囲内の幅(図1では「W」と表示されている)と約10〜100ミクロンの範囲内の厚さを有する。微小突起は種々の形状、たとえば、針、ブレード、ピン、パンチ、およびそれらの組合せ、で形成されてもよい。
【0098】
用語「微小突起部材」はここで使用されるときには、一般には、角質層を刺貫くためにアレイ状に配列された多数の微小突起を含む微小突起アレイを暗示している。微小突起部材は薄いシートから多数の微小突起をエッチングまたはパンチングしそしてシートの面から微小突起を折りたたんで又は折り曲げて図2示されているもののような形状にすることによって形成できる。微小突起部材は他の既知のやり方でも、たとえば、その全体が本明細書の中に組み入れられるUSP No.6,050,988の中に開示されているように各ストリップ(単数または複数)のへりに沿って多数の微小突起を有する一つまたはそれ以上のストリップを成形することによっても、形成できる。
【0099】
用語「コーティング処方物」はここで使用されるときには、微小突起および/またはそのアレイにコートするのに使用される自由に流れる組成物または混合物を意味し包含することを意味する。好ましくは、コーティング処方物は処方物の中で溶液または懸濁物の状態にあることができる少なくとも1種類のPTH系薬剤を含有する。
【0100】
用語「生体適合性コーティング」および「固体コーティング」はここで使用されるときには、実質的に固体状態の「コーティング処方物」を意味し包含することを意味する。
【0101】
上に指摘した通り、本発明は一般に、角質層を通ってその下の表皮層、または表皮および真皮層、の中へと刺貫くのに適合している多数の微小突起(または微小突起アレイ)を有する微小突起部材(またはシステム)を含む送達システムを成す。
【0102】
ここに詳細に論じられている通り、本発明の主な利点は送達システムがPTH系薬剤を哺乳類ホスト特にヒト患者に送達しそれによって投与後の患者の血清中のPTH系薬剤が好ましい拍動濃度プロフィールを示すことである。しかも、この送達システムは1日に少なくとも1回のPTH系薬剤20μg全量(bolus dose)の自動投与(self−administration)を受け入れる。
【0103】
図2を参照すると、本発明と共に使用するための微小突起部材30の一態様が示されている。図2に図解されているように、微小突起部材30は多数の微小突起34を有する微小突起アレイ32を含む。微小突起34は好ましくは、シートから実質的に90°の角度で延びており、シートは上記態様においては開口38を含んでいる。
【0104】
本発明によれば、シート36は、シート36のための支持体(backing)40を含めて、送達パッチ(delivery patch)の中に組み込まれることができ、そして更には、パッチを皮膚に接着させるための粘着剤16を含むことができる(図4を参照)。この態様においては、微小突起34は、薄い金属シート36から多数の微小突起34をエッチングまたはパンチングしそして微小突起34をシート36の面から外側へ曲げることによって形成される。
【0105】
本発明の一態様においては、微小突起は、1cm当り微小突起少なくとも約10個の、より好ましくは、1cm当り微小突起約200〜2000個の範囲内の、微小突起密度を有する。好ましくは、薬剤がそこを通過するところの単位面積当たりの開口の数は少なくとも10開口/cmであり且つ約2000開口/cmより少ない。
【0106】
指摘した通り、微小突起34は好ましくは、1000ミクロン未満の突起長さを有する。一態様においては、微小突起34は500ミクロン未満の、より好ましくは、250ミクロン未満の突起長さを有する。微小突起34はまた、好ましくは、約25〜500ミクロンの範囲内の幅と約10〜100ミクロンの範囲内の厚さを有する。
【0107】
本発明の更なる態様においては、微小突起部材30の生体適合性は被検者の皮膚に適用した後の出血および刺激を最小にするように又は解消するように改善され得る。特に、微小突起34は145ミクロン未満の長さ、より好ましくは、約50〜145ミクロンの範囲内の、そして更により好ましくは、約70〜140ミクロンの範囲内の長さ、を有することができる。また、微小突起部材30は、好ましくは、1cm当り微小突起100個より大きい、より好ましくは、1cm当り微小突起約200〜3000個の範囲内の、微小突起密度を有するアレイを含む。改善された生体適合性を有する微小突起に関する更なる詳細は、その全体が本明細書の中に組み入れられる米国出願Serial No.60/ (2005年2月15日出願)[ALZ5174PSP]の中に見出せる。
【0108】
微小突起部材30は様々な金属、たとえば、ステンレス鋼、チタン、ニッケルチタン合金、または類似の生体適合性の素材、から製造できる。
【0109】
本発明によれば、微小突起部材30はポリマー性素材のような非導電性材料から構成することもできる。代わりに、微小突起部材は、パリレン(Parylene)(登録商標)のような非導電性材料で、又は、テフロン(登録商標)、シリコンまたはその他の低エネルギー素材のような疎水性材料で被覆されることができる。注目される疎水性材料および関連基体(たとえば、フォトレジスト)層はその全体が本明細書の中に組み入れられる米国出願No.60/484,142の中に記載されている。
【0110】
本発明と共に使用できる微小突起部材は、限定されるものではないが、それらの全体が本明細書の中に組み入れられるUSP Nos.6,083,196,6,050,988および6,091,975の中に記載されている部材を包含する。
【0111】
本発明と共に使用できるその他の微小突起部材は、シリコンチップエッチング法を使用してシリコンをエッチングすることによって又はエッチド微小型(etched micro−molds)を使用してプラスチックを成形することによって形成された部材、たとえば、その全体が本明細書の中に組み入れられるUSP No.5,879,326の中に開示されている部材、を包含する。
【0112】
本発明の或る態様においては、微小突起部材30は好ましくは、適用コーティング35のばらつきを低減するように構成されている。適する微小突起は一般に、遠位先端から微小突起長さの約25%〜75%の範囲内の処に位置する縦軸に対して水平な最大幅を有する場所を含む。最大幅の場所付近から、微小突起幅は最小幅へと先細りになる。注目される微小突起形状に関する更なる詳細はその全体が本明細書の中に組み入れられる2005年1月31日出願の米国出願Serial No.60/649,888の中に見出せる。
【0113】
図3を参照すると、PTH系薬剤を含有する生体適合性コーティング35を含む微小突起34を有する微小突起部材30が示されている。本発明によれば、コーティング35は各微小突起34を部分的に又は完全に覆うことができる。たとえば、コーティング35は微小突起34の上のドライパターンコーティング(dry pattern coating)の状態にあることができる。コーティング35は微小突起34が形成される前でも又は形成された後でも適用できる。
【0114】
本発明によれば、コーティング35は既知の様々な方法によって微小突起34に適用できる。好ましくは、コーティングは微小突起部材30の又は微小突起34の、皮膚に刺さる部分(たとえば、先端39)だけに適用される。
【0115】
一つのかかるコーティング方法は浸漬塗布(dip−coating)を含む。浸漬塗布はコーティング溶液の中に微小突起34を部分的に又は完全に浸漬することによって微小突起をコーティングする手段として記載することができる。部分浸漬技法の使用によって、コーティング35を微小突起34の先端39だけに制限することが可能である。
【0116】
更なるコーティング方法はロール塗布を含み、それは同様にコーティングを微小突起34の先端に制限するロール塗布メカニズムを用いる。ロール塗布方法はその全体が本明細書の中に組み入れられる米国出願No.10/099,604(公開No.2002/0132054)の中に開示されている。この注目出願の中に詳細に論じられている通り、その開示されたロール塗布方法は皮膚突刺し中にも微小突起34から容易く除去されない平滑なコーティングを提供する。
【0117】
本発明によれば、微小突起34は更に、コーティング35の容積を受理および/または増大するのに適合した手段、たとえば、開口(図示されていない)、溝(図示されていない)、でこぼこ表面(図示されていない)または類似の改造、を含むことができ、該手段はより大きな量のコーティングがその上に付着されるところの増大した表面積を提供する。
【0118】
本発明の範囲内で使用できる更なるコーティング方法は吹付塗布を含む。本発明によれば、吹付塗布はコーティング組成物のエアゾール懸濁物(aerosol suspension)の形成を成し遂げることができる。一態様においては、約10〜200ピコリットルの液滴サイズを有するエアゾール懸濁物が微小突起10の上に適用され次いで乾燥される。
【0119】
微小突起34に塗布するのにパターンコーティングも使用できる。パターンコーティングは微小突起の表面上に付着液体を位置させるための分配システムを使用して適用できる。付着液体の量は好ましくは、微小突起1個当り0.1〜20ナノリットルの範囲内にある。適する精密計量液体分配器の例は、全体的に本明細書の中に組み入れられるUSP Nos.5,916,524;5,743,960;5,741,554および5,738,728の中に開示されている。
【0120】
微小突起コーティング処方物または溶液は、既知の電磁弁分配器、任意的な流体運動手段および一般に電界の使用によって制御される位置決め手段を使用するインクジェット技法を使用しても適用できる。印刷工業からのその他の液体分配技術または既知の類似の液体分配技術は本発明のパターンコーティングを適用するのに使用できる。
【0121】
次に、貯蔵および適用のためには、図5および図6を参照すると、微小突起部材30は好ましくは、本明細書の中に全体が組み入れられる米国出願No.09/976,762(公開No.2002/0091357)の中に記載されているように、粘着タブ6によって支台リング(retainer ring)40の中に吊り下げられる。
【0122】
微小突起部材30を支台リング40の中に配置した後に、微小突起部材30は患者の皮膚に適用される。好ましくは、微小突起部材30は、図7に示されておりそして全体が本明細書の中に組み入れられる同時係属中の米国出願No.09/976,978の中に記載されているように、衝撃適用器45を使用して患者の皮膚に適用される。
【0123】
指摘した通り、本発明の一態様によれば、固体の生体適合性コーティングを形成するために微小突起部材30に適用されたコーティング処方物は少なくとも1種類のPTH系薬剤を有する水性および非水性の処方物を包含できる。本発明によれば、PTH系薬剤を生体適合性担体内に溶解または懸濁させることができる。
【0124】
次いで、図8を参照すると、hPTH(1−34)、すなわち、11の酸性pKaと6の塩基性pKaを示すペプチド、の予想電荷プロフィールが示されている。図8に図解されている通り、このペプチドはpH9においてゼロ正味電荷(zero net electric charge)を呈する。このポイントは等電点(isoelectric point)またはpIとも呼ばれる。
【0125】
次いで、図9を参照すると、hPTH(1−34)の正味荷電種(net charged species)の予想モル比が示されている。図8に図解されている通り、中性種(neutral species)はpH6.5〜pH11.5のpH範囲内においてのみ有意量で存在する。このpH範囲においては、該ペプチドは水への溶解度が低下し、そして溶液から析出するであろう。hPTHおよびそれの近い関連類似体は類似の特性を示しそしてhPTH(1−34)と同じように挙動する。
【0126】
従って、データは、本発明の微小突起アレイに塗布するのを許容できる処方物と相溶性であるhPTH(1−34)溶解度は約pH6より下またはpH11.5より上のpHにおいて達成できる、ということを反映している。従って、好ましい態様においては、コーティング処方物のpHは約pH2〜pH6の範囲内にある。
【0127】
次いで、図10を参照すると、酢酸と中性形態のhPTH(1−34)についてはモル比の並置(superposition)が示されている。図8に図解されている通り、溶液でのPTH六酢酸塩(1対6のモル比)のpHは約pH5である。pH5においては、PTHの無視できる量がPTHゼロ正味電荷(PTH0)として存在する。PTHは水の中に20%を越す濃度で高度に可溶性でもある。乾燥とその後の貯蔵中には、遊離酢酸が生来的に蒸発し、結果として水不溶性PTH0の形成を生じる。その後に水の中に戻しても、PTHの完全な可溶化は可能にならないであろう。従って、PTHがPTHのpIよりも少なくとも2.5pH単位低く、好ましくは3pH単位低く、維持される限りは、低揮発性対イオンの使用はPTHの固体可溶性処方物を提供する。好ましくは、これはPTHの各分子に対して少なくとも約2個の低揮発性対イオンを付与することによって達成できる。
【0128】
従って、本発明の一態様においては、コーティング処方物は対イオンを又は対イオンの混合物を含有する。更に、pH3〜pH6の好ましいpH範囲内では、PTH系薬剤は正電荷を担持するであろう。
【0129】
好ましい態様においては、PTH系薬剤は、hPTH(1−34)、hPTH塩および類似体、テリパラチドおよび関連ペプチドからなる群から選ばれ、組換えhPTH(1−34)、合成hPTH(1−34)、PTH(1−34)、テリパラチド、hPTH(1−34)塩、hPTH(1−34)の簡単な誘導体、たとえば、hPTH(1−34)アミド、および近い関連分子、たとえば、hPTH(1−33)またはhPTH(1−31)アミド、およびいずれか他の近い関連の骨形成性ペプチドを包含する。合成hPTH(1−34)は最も好ましいPTH系薬剤である。
【0130】
適するhPTH塩の例は、限定されるものではないが、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、レブリン酸塩、クロリド、ブロミド、クエン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、3−ヒドロキシイソ酪酸塩、トリカルバリル酸塩、マロン酸塩、アジピン酸塩、シトラコン酸塩、グルタル酸塩、イタコン酸塩、メサコン酸塩、シトラマレート、ジメチロールプロピオン酸塩、チグリン酸塩、グリセリン酸塩、メタクリル酸塩、イソクロトン酸塩、β−ヒドロキシ酪酸塩、クロトン酸塩、アンゲリカ酸塩、ヒドラクリレート、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、2−ヒドロキシイソ酪酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、ピルビン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、硝酸塩、燐酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、硫酸塩およびスルホン酸塩を包含する。
【0131】
好ましくは、PTH系薬剤はコーティング処方物の中に約1〜30重量%の範囲内の濃度で存在する。
【0132】
より好ましくは、微小突起部材の上の生体適合性コーティングの中に含有されるPTH系薬剤の量は約1μg〜1000μgの範囲内にあり、更により好ましくは、約10〜100μgの範囲内にある。
【0133】
好ましくは、コーティング処方物のpHはおおよそpH6未満である。より好ましくは、コーティング処方物はおおよそpH2〜pH6の範囲内のpHを有する。更により好ましくは、コーティング処方物はおおよそpH3〜pH6の範囲内のpHを有する。
【0134】
本発明の或る態様においては、コーティング処方物の粘度は低揮発性の対イオンを添加することによって向上させられる。一態様においては、PTH系薬剤は処方物pHにおいて正電荷を有し、そして粘度向上用対イオンは少なくとも2つの酸性pKaを有する酸を含む。適する酸は、限定されるものではないが、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、シトラコン酸、フマル酸、グルタル酸、イタコン酸、メグルトール、メサコン酸、コハク酸、シトラマル酸、タルトロン酸、クエン酸、トリカルバリル酸、エチレンジアミン四酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、カルボン酸、硫酸および燐酸を包含する。
【0135】
別の好ましい態様は粘度向上用の対イオンの混合物に関し、そこでは、PTH系薬剤は処方物のpHにおいて正電荷を有し、そして対イオンの少なくとも一方は少なくとも2つの酸性pKaを有する酸を含む。他方の対イオンは一つまたはそれ以上のpKaをもつ酸を含む。適する酸の例は、限定されるものではないが、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、マレイン酸、燐酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、クエン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、乳酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酒石酸、タルトロン酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、ペンタン酸、カルボン酸、マロン酸、アジピン酸、シトラコン酸、レブリン酸、グルタル酸、イタコン酸、メグルトール、メサコン酸、シトラマル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、トリカルバリル酸およびエチレンジアミン四酢酸を包含する。
【0136】
本発明の上記態様においては、対イオンの量は好ましくは、PTHの電荷を中和するのに十分である。かかる態様においては、対イオンまたは対イオンの混合物は好ましくは、処方物のpHにおいて薬剤の上の電荷を中和するのに十分である。追加態様においては、pHをコントロールしそして十分な緩衝能力を付与するためにペプチドに過剰の対イオンが(遊離酸として又は塩として)添加される。
【0137】
一態様においては、薬剤はhPTH(1−34)を含み、そして対イオンはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、塩酸、グリコール酸および酢酸からなる群から選ばれた粘度向上用の対イオンの混合物を含む。好ましくは、対イオンは約20〜200cpの範囲内の粘度を達成するように処方物に添加される。
【0138】
好ましい態様においては、粘度向上用対イオンは酸性の対イオン、たとえば、低揮発性弱酸、を含む。好ましくは、低揮発性弱酸対イオンは少なくとも一つの酸性pKaと約50℃より高い融点またはPatmにおいて約170℃より高い沸点とを示す。かかる酸の例は、限定されるものではないが、クエン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、乳酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酒石酸、タルトロン酸およびフマル酸を包含する。
【0139】
別の態様においては、対イオンは強酸を含む。好ましくは、強酸は約2未満の少なくとも一つのpKaを示す。かかる酸の例は、限定されるものではないが、塩酸、臭化水素酸、硝酸、スルホン酸、硫酸、マレイン酸、燐酸、ベンゼンスルホン酸およびメタンスルホン酸を包含する。
【0140】
別の好ましい態様は、対イオンの少なくとも一つが強酸を含みそして対イオンの少なくとも一つが低揮発性弱酸を含む、対イオンの混合物に関する。
【0141】
別の好ましい態様も、対イオンの混合物に関し、そこでは、対イオンの少なくとも一つは強酸を含み、そして対イオンの少なくとも一つは高揮発性をもつ弱酸を含む。好ましくは、揮発性弱酸対イオンは約2より高い少なくとも一つのpKaと約50℃未満の融点またはPatmにおいて約170℃未満の沸点とを示す。かかる酸の例は、限定されるものではないが、酢酸、プロピオン酸、ペンタン酸などを包含する。
【0142】
酸性の対イオンは好ましくは、処方物のpHにおいてPTH系薬剤の上に存在する正電荷を中和するのに十分な量で存在する。更なる態様においては、pHをコントロールしそして十分な緩衝能力を付与するために過剰の対イオンが(遊離酸として又は塩として)添加される。
【0143】
本発明の別の態様においては、コーティング処方物は少なくとも1種類の緩衝剤を含有する。かかる緩衝剤の例は、限定されるものではないが、アスコルビン酸、クエン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、乳酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酒石酸、タルトロン酸、フマル酸、マレイン酸、燐酸、トリカルバリル酸、マロン酸、アジピン酸、シトラコン酸、グルタル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラマル酸、ジメチロールプロピオン酸、チグリン酸、グリセリン酸、メタクリル酸、イソクロトン酸、β−ヒドロキシ酪酸、クロトン酸、アンゲリカ酸、ヒドラクリル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシンおよびそれらの混合物を包含する。
【0144】
本発明の一態様においては、コーティング処方物は少なくとも1種類の抗酸化剤を含有し、それは、金属イオン遮蔽剤たとえばクエン酸ナトリウム、クエン酸、EDTA(エチレン−ジニトリロ−四酢酸)、または遊離基捕捉剤たとえばアスコルビン酸、メチオニン、アスコルビン酸ナトリウムなど、であり得る。現時点での好ましい抗酸化剤はEDTAおよびメチオニンを包含する。
【0145】
本発明の上記態様においては、抗酸化剤の濃度はコーティング処方物の約0.01〜20重量%の範囲内にある。より好ましくは、抗酸化剤はコーティング処方物の約0.03〜10重量%の範囲内にある。
【0146】
本発明の一態様においては、コーティング処方物は少なくとも1種類の界面活性剤を含有し、それは、両性イオン性、両性、カチオン性、アニオン性、または非イオン性であることができ、限定されるものではないが、ラウロ両性酢酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、セチルピリジニウムクロリド(CPC)、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(TMAC)、塩化ベンズアルコニウム、ポリソルベートたとえばツイーン20およびツイーン80、その他のソルビタン誘導体、たとえば、ソルビタンラウレート、アルコキシル化アルコール、たとえば、ラウレス−4、およびポリオキシエチレンひまし油誘導体、たとえば、クレモフォアEL(登録商標)、を包含する。
【0147】
本発明の一態様においては、界面活性剤の濃度はコーティング処方物の約0.01〜20重量%の範囲内にある。好ましくは、界面活性剤はコーティング処方物の約0.05〜1重量%の範囲内にある。
【0148】
本発明の更なる態様においては、コーティング処方物は両親媒性を有する少なくとも1種類のポリマー性素材またはポリマーを含有し、それは、限定されるものではないが、セルロース誘導体類、たとえば、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、またはエチルヒドロキシ−エチルセルロース(EHEC)、およびプルロニック類を包含できる。
【0149】
本発明の一態様においては、コーティング処方物の中の両親媒性を呈するポリマーの濃度は好ましくは、コーティング処方物の約0.01〜20重量%の範囲内、より好ましくは、約0.03〜10重量%の範囲内、にある。
【0150】
別の態様においては、コーティング処方物は次のような群から選ばれた親水性ポリマーを含有する:ヒドロキシエチルスターチ、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、デキストラン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、ポリ(n−ビニルピロリドン)、ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物、および同様のポリマー。
【0151】
好ましい態様においては、コーティング処方物の中の親水性ポリマーの濃度はコーティング処方物の約1〜30重量%の範囲内、より好ましくは、約1〜20重量%の範囲内、にある。
【0152】
本発明の別の態様においては、コーティング処方物は生体適合性担体を含有し、それは、限定されるものではないが、ヒトアルブミン、生物工学化ヒトアルブミン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、ポリヒスチジン、ペントサンポリスルフェート、ポリアミノ酸、スクロース、トレハロース、メレジトース、ラフィノース、スタキオース、マンニトール、およびその他の糖アルコール類を包含できる。
【0153】
好ましくは、コーティング処方物の中の生体適合性担体の濃度はコーティング処方物の約2〜70重量%の範囲内、より好ましくは、約5〜50重量%の範囲内、にある。
【0154】
別の態様においては、コーティング処方物は安定剤を含有し、それは、限定されるものではないが、非還元糖、多糖または還元糖を包含できる。
【0155】
本発明の方法および組成物に使用するための適する非還元糖は、たとえば、スクロース、トレハロース、スタキオース、またはラフィノースを包含する。
【0156】
本発明の方法および組成物に使用するための適する多糖類は、たとえば、デキストラン、可溶性デンプン、デキストリン、およびイヌリンを包含する。
【0157】
本発明の方法および組成物に使用するための適する還元糖は、たとえば、単糖類たとえばアピオース、アラビノース、リキソース、リボース、キシロース、ジギトキソース、フコース、クエルシトール、キノボース、ラムノース、アロース、アルトロース、フルクトース、ガラクトース、グルコース、グロース、ハマメロース、イドース、マンノース、タガトースなど;および二糖類たとえばプリメベロース、ビシアノース、ルチノース、シラビオース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、ラクツロース、マルトース、メリビオース、ソホロースおよびツラノースなど、を包含する。
【0158】
好ましくは、コーティング処方物の中の安定剤の濃度はPTH系薬剤に対しておおよそ0.1〜2.0:1の比率にあり、より好ましくは、PTH系薬剤に対しておおよそ0.25〜1.0:1の比率にある。
【0159】
別の態様においては、コーティング処方物は血管収縮剤を含有し、それは、限定されるものではないが、アミデフリン、カファミノール、シクロペンタミン、デオキシエピネフリン、エピネフリン、フェリプレッシン、インダナゾリン、メチゾリン、ミドドリン、ナファゾリン、ノルデフリン、オクトドリン、オルニプレッシン、オキシメタゾリン、フェニレフリン、フェニルエタノラミン、フェニルプロパノラミン、プロピルヘキセドリン、プソイドエフェドリン、テトラヒドロゾリン、トラマゾリン、ツアミノヘプタン、チマゾリン、バソプレッシン、キシロメタゾリンおよびそれらの混合物を包含できる。最も好ましい血管収縮剤はエピネフリン、ナファゾリン、テトラヒドロゾリン、インダナゾリン、メチゾリン、トラマゾリン、チマゾリン、オキシメタゾリンおよびキシロメタゾリンを包含する。
【0160】
当業者によって認識されるであろう通り、本発明のコーティング処方物への、従って固体の生体適合性のコーティングへの、血管収縮剤の添加は、微小突起部材またはアレイの適用後に起こり得る出血を阻止するのに、そして適用部位での血流の低下と皮膚部位から体循環への吸収速度の低下とを通してPTH系薬剤の薬物動態を延長させるのに、特に有効である。
【0161】
使用される場合、血管収縮剤の濃度は好ましくは、コーティング処方物の約0.1重量%〜10重量%の範囲内にある。
【0162】
本発明の別の態様においては、コーティング処方物は少なくとも1種類の「通路開通性モジュレーター」を含有し、それは、限定されるものではないが、浸透圧剤(たとえば、塩化ナトリウム)、両性イオン性化合物(たとえば、アミノ酸)、および抗炎症剤、たとえば、21−リン酸ベタメタゾン二ナトリウム塩、21−リン酸トリアムシノロンアセトニド二ナトリウム、塩酸ヒドロコルタマート、21−リン酸ヒドロコルチゾン二ナトリウム塩、21−リン酸メチルプレドニゾロン二ナトリウム塩、21−コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム塩、リン酸パラメタゾン二ナトリウムおよび21−コハク酸プレドニゾロンナトリウム塩、および抗凝固剤、たとえば、クエン酸、クエン酸塩(たとえば、クエン酸ナトリウム)、硫酸デキストリンナトリウム、アスピリンおよびEDTA、を包含できる。
【0163】
本発明の更に別の態様においては、コーティング処方物は安定化/錯化剤を含有し、それは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−α−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、およびスルホブチルエーテル−γ−シクロデキストリンを包含できる。最も好ましい安定化/錯化剤はβ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、およびスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンである。
【0164】
使用される場合、安定化/錯化剤の濃度は好ましくは、コーティング処方物の約1重量%〜20重量%の範囲内にある。
【0165】
本発明の別の態様においては、コーティング処方物は少なくとも1種類の非水性溶剤、たとえば、エタノール、イソプロパノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド、グリセリン、N,N−ジメチルホルムアミド、およびポリエチレングリコール400、を含有する。好ましくは、非水性溶剤はコーティング処方物の中に、コーティング処方物の約1重量%〜50重量%の範囲内で、存在する。
【0166】
その他の既知の処方物助剤も、それらがコーティング処方物の必要な溶解度および粘度特性および乾燥コーティングの物理的一体性に悪影響を与えないことを条件に、コーティング処方物に添加できる。
【0167】
好ましくは、コーティング処方物は約500センチポアズより小さくかつ3センチポアズより大きい粘度を有する。
【0168】
本発明の一態様においては、生体適合性コーティングの厚さは、微小突起表面から測定したときに、25ミクロン未満、より好ましくは、10ミクロン未満、である。
【0169】
所期のコーティング厚さは、要求される投与量(dosage)および従ってその投与量を送達するのに必要なコーティング厚さ、シートの単位面積当りの微小突起の密度、コーティング処方物の粘度および濃度、および選ばれるコーティング方法を含めて、幾つかの要因に依存する。
【0170】
本発明の一態様によれば、微小突起部材上の生体適合性コーティングの中に含有されたPTH系薬剤を送達する方法は次の工程を含む:被覆微小突起部材をまず、作動器(actuator)によって患者の皮膚に適用し、そこで微小突起が角質層を刺貫く。被覆微小突起部材を、好ましくは、5秒〜24時間続く時間にわたって皮膚の上に置いておく。所期の着用時間の後に、微小突起部材を取り除く。
【0171】
好ましくは、生体適合性コーティングの中に含有されるPTH系薬剤の量(すなわち、用量)は投与単位(dosage unit)当り約1μg〜1000μgの範囲内にあり、より好ましくは約10〜200μgの範囲内にある。更により好ましくは、生体適合性コーティングの中に含有されるPTH系薬剤の量は投与単位当り約10〜100μgの範囲内にある。
【0172】
陳述した通り、本発明によれば、PTH系薬剤は拍動様式で患者に送達され、そして従って、拍動濃度プロフィールを生じる薬物動態を示す。本発明の一態様によれば、拍動濃度プロフィールは、時間に対してのホストの血清中のPTH系薬剤濃度の曲線が、公称30μgPTH(1−34)を含有する微小突起部材については約0.014〜5.24h・ng/mLの範囲内の曲線下面積(area under the curve)(AUC)と約0.13〜0.72ng/mLの範囲内のCmaxとを有することによって、反映されている(または証明されている)。
【0173】
本発明の更なる態様においては、拍動濃度プロフィールは、時間に対してのホストの血清中のPTH系薬剤濃度の曲線が、公称30μgPTH(1−34)を含有する微小突起部材については約0.014〜5.24h・ng/mLの範囲内の曲線下面積(area under the curve)(AUC)と約0.13〜0.72ng/mLの範囲内のCmaxと5〜15分の範囲内のTmaxとを有するによって、反映されている(または証明されている)。
【0174】
現時点での好ましい態様においては、PTH系薬剤の20μg全量は、微小突起部材を居所に15分以下置いておくことによって、拍動様式で送達される。
【0175】
注目の拍動濃度プロフィールは好ましくは、1日当り0.5パルス(すなわち、隔日に1回)〜2パルスの範囲内の、より好ましくは1日当りまる1パルス(または用量)の、PTH送達計画によって達成される。しかしながら、当業者によって認識されるであろう通り、PTHは多様な更なる投与計画によっても送達され得る。
【0176】
全ての事例において、コーティングを適用した後に、コーティング処方物を様々な手段によって微小突起34の上へ乾燥させる。本発明の好ましい態様においては、被覆微小突起部材30は周囲室条件下で乾燥される。しかしながら、コーティング処方物を微小突起の上へ乾燥させるには様々な温度と湿度レベルを使用できる。加えて、コーティングから水分を除去するには、被覆部材を加熱または凍結乾燥することができる又は類似の技法を使用できる。
【0177】
皮膚バリアを横切っての薬物輸送(drug transport)を促進するには本発明を広く多様なイオントフォレシス又はエレクトロトランスポート(electrotransport)システムと組み合わせて使用することも可能であるということは当業者に認識されるであろうし、本発明はこれに関して如何様にも限定されるものではない。例示のエレクトロトランスポート薬物送達システムはUSP Nos.5,147,296,5,080,646,5,169,382および5,169,383の中に開示されており、それらの開示は全体が本明細書の中に組み入れられる。
【0178】
用語「エレクトロトランスポート」は一般に、皮膚、粘膜、爪などのような体表面を通っての有益薬剤たとえば薬物または薬物前駆物質の通過を称する。薬剤の輸送は電位の適用によって誘発または増進される;この電位の適用は結果として電流の適用を生じさせ、それが薬剤を送達する若しくは薬剤の送達を促進する、又は「リバース(reverse)」エレクトロトランスポートでは薬剤をサンプリングする若しくは薬剤のサンプリングを向上させる。身体の中への又は身体からの薬剤のエレクトロトランスポートは様々な様式で達成されてもよい。
【0179】
一つの広く使用されているエレクトロトランスポートプロセスであるイオントフォレシスは荷電イオンの電気的に誘発された輸送を伴う。また、非荷電分子または中和的に荷電した分子の経皮輸送(たとえば、グルコースの経皮サンプリング)に伴われる別タイプのエレクトロトランスポートプロセスである電気浸透(electroosmosis)は、薬剤をもつ溶液が電界影響下の膜を通って移動することを伴う。更に別タイプのエレクトロトランスポート、電気穿孔(electroporation)は膜に電気パルスすなわち高電圧パルスを適用することによって形成された細孔を通っての薬剤の通過を伴う。
【0180】
多くの場合において、上記プロセスの一つより多くが同時に異なる度合いで起こっているであろう。従って、用語「エレクトロトランスポート」はここでは、それによって薬剤が現実に輸送されるところの具体的メカニズム(単数または複数)に関係なく、少なくとも一つの荷電薬剤または非荷電薬剤またはそれらの混合物の電気的に誘発または増進された輸送を包含するために、その最も広い可能な解釈を与えられている。
【0181】
加えて、その他の輸送向上方法たとえばソノフォレシス(sonophoresis)または圧電気(piezoelectric)デバイスが本発明との組合せで使用できる。
【0182】
実施例
下記実施例は当業者が本発明をより明瞭に理解しそして実施するために与えられている。それらは本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、単にその代表として例示されている。
【実施例1】
【0183】
被覆微小突起アレイからのhPTH(1−34)の送達は、ヘアレスモルモット(hairless guinea pig)(HGP)モデルで評価された。微小突起アレイはフォト/ケミカルエッチングおよび成形(forming)を使用して製造された。この検査に使用された微小突起アレイは面積が2cmであり、1cm当り320個の微小突起数と、320μmの微小突起長さをもっていた。微小突起アレイに、hPTH(1−34)の25%水溶液を、微小突起の先端100μmに限定された固体コーティングをもって、アレイ2cm当り40±10μgで、コートした。各被覆微小突起アレイを可撓性ポリマーの粘着支持体に集成した。得られたパッチはHGPへの適用時に支台リングの上に取り付けられそして再使用可能な衝撃適用器の上に装填された。
【0184】
麻酔をかけたHGPの各々は清浄な皮膚領域に1時間の着用時間にわたって適用されるパッチを受理した。パッチ適用後に様々な間隔で血液採取を行った。血漿hPTH(1−34)レベルは酵素免疫検定(enzyme immunoassay)(ペニンスラ ラボ(Peninsula Lab))を使用して求めた。
【0185】
40μgのhPTH(1−34)をコートされた微小突起アレイを受理しているHGPsの血漿レベルを、20μgのhPTH(1−34)の皮下(subcutaneous)(SC)投与と比較した(図11参照)。
【0186】
23μgのhPTH(1−34)の静脈内(intravenous)(IV)注射も別グループの5匹の動物で行い、そしてSC投与または微小針(microneedle)アレイ投与後の送達に対しての吸収総量を算出するための基準(reference)として曲線下面積(area under the curve)(AUC)を使用した。IV、SC、および微小針アレイ投与後のhPTH(1−34)の薬物動態パラメーターを表1に示してある。
【0187】
免疫反応性hPTH(1−34)の薬物動態(pharmacokinetic)(PK)プロフィールはSC送達と微小突起アレイ送達では類似していた;tmax(SC:10min vs 20min);Cmax(SC:4.6±1.5ng/mL vs 3.4±1.0ng/mL);AUC240min(SC:8.2±2.9μg vs 6.6±1.8μg)(1グループ当りn=10、平均値±SD))。
【0188】
データはhPTH(1−34)が皮下注射のPKプロフィールに似たPKプロフィールで経皮送達できることを示しており、そして骨粗鬆症患者にとってより便利な代替物であり得る微小突起アレイ技術を使用してhPTH(1−34)の経皮送達を行うことの実行可能性を際立たせている。
【0189】
【表1】

【実施例2】
【0190】
実施例2は粘度を向上させるためにhPTH(1−34)薬剤と共に弱酸を利用することを実証している。正荷電hPTH(1−34)薬剤と弱酸との相互作用は二次結合たとえば水素結合の形成につながり、それが結果として溶液粘度の増加を生じさせる。酸性基の数が大きくなると、アニオンとhPTH(1−34)薬剤との間の二次結合の数が大きくなり、従って、粘度増加が大きくなる。従って、一酸、二酸、三酸、四酸を比較すると、理論上の粘度増進能力が増大していく。
【0191】
この実験ではhPTH(1−34)処方物の中に様々な弱酸緩衝剤を組み込んだ。スクロースと共に酢酸hPTH(1−34)を含有する対照処方物も調製した。実験は、一酸、二酸および三酸の様々な混合物によってhPTH(1−34)に与えられた物理化学的性質と、溶液処方物の2〜8℃での48時間にわたる安定性とを調べた。hPTH(1−34)処方物はpH5.2になるように緩衝処理された。
【0192】
次に表2を見ると、処方物の粘度結果が示されている。クエン酸およびリンゴ酸で緩衝処理された処方物は対照処方物(ロット番号7528069A)に比べて最大増の粘度向上を示した。クエン酸すなわち三酸は最高粘度をもつ処方物を生じた。
【0193】
表2に反映されているデータは次のことを立証している:クエン酸/酢酸、リンゴ酸/酢酸、酒石酸/酢酸、および塩酸/酢酸の対イオン混合物は、20%PTH、20%スクロース、0.2%ツイーン(Tween)20の対照処方物に比べて、hPTH(1−34)の粘度を増加させる。表2に反映されている結果からすると、弱酸緩衝剤の添加後の粘度向上の傾向は好ましい順に、三酸、二酸、一酸である。
【0194】
【表2】

【実施例3】
【0195】
実施例3は生体内でのhPTH系薬剤の溶解を向上させるためにPTH系薬剤と共に対イオンの混合物を利用することを実証する。
【0196】
微小突起アレイ上の固体コーティングの中の薬剤は代表的には1回用量(unit dose)に付き約1mg未満の量で存在する。添加剤(excipients)および対イオンの添加によって、固体コーティングの総量は1回用量に付き3mg未満になり得る。
【0197】
通常、アレイは使い捨てポリマー支台リングに付着させられる粘着支持体の上に存在している。この集成体は代表的には袋またはポリマー容器の中に個包装されている。この包装は集成体の他に少なくとも3mLの体積を表わす雰囲気(通常、不活性)を収容している。この大きな体積(コーティングの体積に比べて)は何らかの揮発性成分のためのシンク(sink)として作用する。たとえば、20℃においては、酢酸の蒸気圧の結果として3mLの雰囲気の中に存在する酢酸の量は約0.15mgであろう。この量は代表的には、対イオンとして酢酸が使用されたならば固体コーティングの中に存在するであろうものである。加えて、集成体の成分たとえば粘着剤は揮発性成分のための追加シンクとして作用しそうである。結果として、長期貯蔵中には、コーティングの中に存在する何らかの揮発性成分の濃度は劇的に変化しそうである。これら状況は大量の添加剤が通常存在する医薬品配合物の包装の典型である。注射可能としての使用向けに親液性化されている効力のあるバイオテクノロジー配合物でさえ、ドライケーキ(dry cake)の中には非常に大過剰の緩衝剤および添加剤が存在する。
【0198】
溶液では、又は固体状態では、対イオンの揮発は溶液または固体と雰囲気との間の界面で起こる。一般に、溶質の高拡散性は界面と溶液内部との間の濃度差をできるだけ小さくする。逆に、固体状態では、拡散度が非常に遅く、そして揮発性対イオンの更に大きい濃度勾配が界面と溶液内部との間に達成される。究極的には、固体コーティングの内部は初期乾燥状態に比べて比較的変化しないのに、コーティングの最も外側の層は対イオンが枯渇する。この状況は、その中性の正味電荷状態では実質的に不溶性である薬剤を対イオンと組み合わせても、高度に不溶性の外側コーティングを生じさせる結果となり得る。実際、対イオンの揮発は水不溶性の中性種の形成を生じさせる。これは、転じて、生物の体液に曝露されたときに固体コーティングから薬剤が解離するのを危うくする。従って、この実験はコーティング溶解度を改善するのに低揮発性対イオンを添加することの効果を調べた。
【0199】
hPTH(1−34)を含有する幾つかの水性処方物を調製したが、それらを表3に掲載してある。これら処方物は揮発性対イオン酢酸を含有していた。或る処方物は追加の低揮発性対イオン、塩酸、グリコール酸または酒石酸、を含有していた。微小突起アレイ(微小突起長さ200mm、1アレイ当り595個の微小突起)は約2cmの皮膚接触面積を有していた。微小突起の先端は、本明細書の中に組み入れられる米国特許出願Serial No.10/099,604の中に開示された方法および装置を使用して、PTH処方物を担持する回転ドラム上を、アレイを通過させることによって、上記処方物によって被覆された。
【0200】
4つの逐次コーティングが2〜8℃の温度において各微小突起アレイの上に行われた。アレイ上にコーティングされたペプチドの量は275nmの波長における紫外線分光分析法によって求めた。走査電子鏡検法は固体コーティングが亀裂の形跡無しに非常に平滑な表面を有していたことを証明した。更に、微小突起同士はコーティングの良好な一様性が観察され、コーティングは微小突起先端100μmに限定されていた。
【0201】
このやり方で製造した先端被覆アレイは次いで、ヘアレスモルモット(hairless guinea pigs)(HGPs)での薬物送達検査に使用された。HGPsはジラジン(xylazine)(8mg/kg)および塩酸ケタミン(44mg/kg)の筋肉内注射によって麻酔をかけられた。麻酔をかけられたHGPsは頚動脈(carotid artery)を通ってカテーテル挿入された。カテーテルは凝塊を防ぐためにヘパリン化生理食塩水(20IU/mL)をフラッシュされた。HGPsは実験の間中、カテーテルの中に直接にペントバルビタールナトリウム(32mg/mL)を注入する(0.1mL/注入)ことによって麻酔下に維持された。適用前に、血液サンプルをヘパリン化バイアル(ヘパリンの最終濃度:於15IU/mL)の中に採取し、それを0または基線サンプルとした。
【0202】
被覆微小突起アレイの適用は麻酔をかけられた動物の脇腹の上に、その全体が本明細書の中に組み入れられる米国特許出願Serial Mo.09/976,798の中に開示されたタイプのスプリング駆動衝撃適用器(spring−driven impact applicator)(全エネルギー=0.4ジュール、10ミリ秒未満で射出)によって遂行された。適用されたシステムは、粘着剤付きのLDPE支持体(7cmのディスク)の中心に付着された被覆微小突起アレイデバイスを含んでいた。パッチは皮膚の上に1時間固定された(n=4〜5)。対照グループの動物(n=5)は22μgのhPTHの静脈内注射を受けた。
【0203】
血液サンプルはパッチ適用後に間隔をおいて頚動脈から採集された。全ての血液サンプルは直ちに遠心分離にかけて血漿を収集し、次いで、血漿を分析まで−80℃で貯蔵した。血漿hPTHはペニンスラ ラボ(カナダ、サンカルロス(San Carlos))からのhPTH向けの商用酵素免疫検定キットEIAによって測定された。微小突起アレイによって送達されたhPTH用量はhPTHのIV投与と比較された曲線下面積(area under the curve)(AUC)計算に基づいて外挿された。
【0204】
表3に示されている通り、それぞれの固体処方物からは異なる量のPTHが送達された。酢酸PTHだけを含有する固体処方物は平均で2mg未満を送達した。酢酸PTHへの低揮発性対イオンの添加は低揮発性対イオングリコール酸の添加後には送達を11.2mgにまで有意に増大させた。他の2つの試験された非−対イオンすなわち酒石酸および塩酸もPTH送達を増大させた。特に、グリコール酸/酢酸、酒石酸/酢酸、および塩酸/酢酸の対イオン混合物は、21.2%PTH、3.8%酢酸の対照処方物に比べて、hPTH(1−34)の送達量を増大させた。
【0205】
【表3】

【実施例4】
【0206】
実施例4はhPTH(1−34)薬剤の安定性を向上させるためにhPTH(1−34)薬剤と共に安定剤を利用することを実証する。
【0207】
表4に示されている通りの10通りの処方物をチタンの上に塗布しそして40℃において60日間にわたって化学安定性について監視した。弱酸緩衝剤を含有する処方物のpHは約pH5.2であったが、クロリド含有処方物のpHは約pH5.4であった。純度、酸化PTH(1−34)生成物および可溶性凝集体がそれぞれ逆相高圧液体クロマトグラフィー(reverse phase high−pressure liquid chromatography)(RPHPLC)およびサイズ排除クロマトグラフィー(size exclusion chromatograohy)(SEC)によって時間の関数として監視された。各処方物についての結果は表5〜14の中にまとめられている。
【0208】
生じた安定性データは固体状態におけるPTHの崩壊の主なメカニズムが凝集過程によることを示唆している。更には、安定性データはスクロースの添加がhPTH(1−34)の凝集を阻止することを示している。図12はスクロース有りの及びスクロース無しのhPTH(1−34)処方物の60日時点での凝集%を示している。
【0209】
【表4】

【0210】
【表5】

【0211】
【表6】

【0212】
【表7】

【0213】
【表8】

【0214】
【表9】

【0215】
【表10】

【0216】
【表11】

【0217】
【表12】

【0218】
【表13】

【0219】
【表14】

【実施例5】
【0220】
実施例5はhPTH(1−34)薬剤の酸化を遅延させるための抗酸化剤の利用を実証する。表15は安定性検査のために調製された7通りの処方物を掲載している。
【0221】
【表15】

【0222】
表16は3ヶ月安定性試験の結果に焦点を当てている。0.36、0.53および0.68の相対保持時間(Relative Retention Time)におけるRPHPLCによって検出された3つのピークはhPTH(1−34)の酸化種(oxidized species)に帰属させられ、そしてそれぞれ、オキシド(Oxid)1、2および3が示されている。全ての事例において、オキシド3の種は他よりも優勢な酸化生成物であった。
【0223】
【表16】

【0224】
まとめると、抗酸化剤を欠いた処方物は総酸化生成物を最高率で生じたが、メチオニンまたはEDTAの添加は酸化を遅延させた。結果はメチオニンが濃度依存で酸化を遅延させることを示している。しかしながら、EDTAはこの現象を示さなかった。処方物への0.5mMのEDTAの添加は酸化を遅延させることにおいて3mMと同じくらい有効であった。しかも、結果は酸化阻止にはEDTAがメチオニンよりも有効であることを表わしている。これら結果はhPTH(1−34)の全酸化種を与えている図13にグラフで示されている。
【実施例6】
【0225】
この実施例においては、被覆微小突起部材を使用してのPTH系薬剤の経皮送達を、テリパラチドPTH(Forteo(登録商標))の通常の皮下送達と比較した。用量解明検査(dose−finding study)は、Forteo(登録商標)の20μg皮下送達と被覆微小突起によるPTH系薬剤の30μg経皮送達の無作為割当てシーケンスに従って少なくとも5日間隔で2つの処置を受けた健康な若い女性10人によって行われた。経皮送達されたPTHのバイオアベイラビリティは健康な若い女性20人において、Forteo(登録商標)の40μg皮下送達と被覆微小突起によるPTH系薬剤の30μg経皮送達の無作為割当てシーケンスに従って少なくとも5日間隔で2つの処置を施すことによって求められた。
【0226】
用量解明検査においては、2人の参加者が途中棄権し、11人の被検者が参加しそして8人は有用データを生じた。3人の被検者は皮下注射後に測定可能なPTH血漿レベルを有し、そして8人の被検者は経皮送達後に測定可能なPTH血漿レベルを有した。バイオアベイラビリティの検査においては、20人の被検者が検査を完了し、そのうちの15人の被検者は皮下送達後に測定可能なPTH血漿レベルを立証しそして20人の被検者は経皮送達後に測定可能なPTH血漿レベルを立証した。
【0227】
図14に示されている通り、PTH系薬剤の経皮送達は血流の中への効率的吸収を生じる。図12は更に、PTH系薬剤の好ましい拍動濃度プロフィールすなわち迅速開始とCmax到達後の迅速停止(off−set)を反映している。更に、図15に示されている通り、経皮送達後のPTHの生物学的活性は尿のcAMP排泄の増大したレベルによって証明される通り皮下送達後のそれと比較できる。
【0228】
図16には、皮下送達後と経皮送達後のPTHの血漿濃度が比較されており、それは更に、経皮送達後の迅速吸収を立証している。図16は同様に、PTH系薬剤の好ましい拍動濃度プロフィールすなわち迅速開始とCmax到達後の迅速停止を反映している。
【0229】
更に、皮下送達および経皮送達のPK/PD結果が表17に提供されており、それはPTHの似たようなバイオアベイラビリティを表わしている。
【0230】
【表17】

【0231】
経皮送達の安全性もこの実験中に評価された。一般に、被覆微小突起による経皮送達は有望なことには、深刻でない悪影響を報告する被検者の割合が通常の皮下送達と比較して似ていた。吐き気と嘔吐は皮下送達ではもっと起こりがちであった。
【0232】
当業者によって認識されるであろうように、本発明は多数の利点を与える。たとえば、微小突起系の装置および方法は皮下投与後に観察されたものに似たPTH系薬剤の薬物動態プロフィールを示すPTH系薬剤経皮送達の利点を有する。別の利点は生物学的作用の迅速開始をもつPTH系薬剤経皮送達である。更に別の利点は8時間までの時間にわたる持続した生物学的作用をもつPTH系薬剤経皮送達である。更には、テリパラチド(hPTH(1−34))の10〜100μg用量をコーティングされた微小突起アレイからの経皮送達は1回適用後に少なくとも50μg/mLの血漿Cmaxを生じさせる。
【0233】
本発明の精神および範囲を逸脱することなく、当業者は本発明を多様な用途および条件に適合させるために様々な変形および変更を為し得る。たとえば、これら変形および変更は特許請求の範囲の均等物の全範囲内で、適切であり、公正であり、かつその中にあるとされる。
【符号の説明】
【0234】
6 粘着タブ
30 微小突起部材
32 微小突起アレイ
34 微小突起
35 コーティング
36 シート
38 開口
39 突起先端
40 支台
45 衝撃適用器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PTH系薬剤を患者に経皮送達するためのデバイスであって、
患者の角質層を刺貫くのに適合している多数の微小突起を有する微小突起部材を含み、
前記多数の微小突起部材の少なくとも1つの上にコーティングが配置されており、
前記コーティングは、微小突起部材の上に配置された、少なくとも1種類のPTH系薬剤を有するコーティング処方物から形成されており、
前記PTH系薬剤は、hPTH(1−34)、hPTH塩および類似体、テリパラチドおよび関連ペプチドからなる群から選ばれ、
前記コーティング処方物のpHは、pH6未満であり、
前記コーティング処方物は、少なくとも1種類の粘度向上用対イオンを含有し、
前記コーティング処方物は、20〜200cpの範囲内の粘度を有し、かつ
前記粘度向上用対イオンが、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、塩酸、グリコール酸および酢酸からなる群から選ばれる、前記デバイス。
【請求項2】
前記コーティングがドライコーティングである、請求項1のデバイス。
【請求項3】
前記PTH系薬剤がhPTH(1−34)を含む、請求項1のデバイス。
【請求項4】
前記粘度向上用対イオンは、酸性対イオンを含む、請求項1のデバイス。
【請求項5】
前記酸性対イオンは少なくとも一つの酸性pKaを示す低揮発性弱酸を含む、請求項4のデバイス。
【請求項6】
前記低揮発性弱酸が50℃より高い融点を有する、請求項5のデバイス。
【請求項7】
前記低揮発性弱酸がPatmにおいて170℃より高い沸点を有し、
atmは大気圧である、請求項5のデバイス。
【請求項8】
前記低揮発性酸が、クエン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、乳酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酒石酸、タルトロン酸およびフマル酸からなる群から選ばれる、請求項5のデバイス。
【請求項9】
前記酸性対イオンは2未満の少なくとも一つのpKaを示す第一の強酸を含む、請求項4のデバイス。
【請求項10】
前記第一の強酸が、塩酸、臭化水素酸、硝酸、スルホン酸、硫酸、マレイン酸、燐酸、ベンゼンスルホン酸およびメタンスルホン酸からなる群から選ばれる、請求項9のデバイス。
【請求項11】
更に、複数種類の酸性対イオンを含み、少なくとも第一の対イオンが強酸を含みそして少なくとも第二の対イオンが低揮発性弱酸を含む、請求項4のデバイス。
【請求項12】
更に、複数種類の酸性対イオンを含み、少なくとも第一の対イオンは強酸を含みそして少なくとも第二の対イオンは2より高い少なくとも一つのpKaをもつ高揮発性弱酸を含む、請求項4のデバイス。
【請求項13】
前記高揮発性弱酸が50℃未満の融点を有する、請求項12のデバイス。
【請求項14】
前記高揮発性弱酸がPatmにおいて170℃未満の沸点を有し、
atmは大気圧である、請求項12のデバイス。
【請求項15】
前記高揮発性弱酸が、酢酸、プロピオン酸およびペンタン酸からなる群から選ばれる、請求項12のデバイス。
【請求項16】
前記酸性対イオンは少なくとも一つの酸性pKaを示す低揮発性弱酸を含む、請求項4のデバイス。
【請求項17】
前記コーティング処方物が少なくとも1種類の低揮発性対イオンを含有する、請求項1のデバイス。
【請求項18】
前記コーティング処方物が複数種類の低揮発性対イオンを含有する、請求項17のデバイス。
【請求項19】
前記PTH系薬剤が前記コーティング処方物pHにおいて正電荷を有し、そして前記粘度向上用対イオンは少なくとも2つの酸性pKaを有する第一の酸を含む、請求項17のデバイス。
【請求項20】
前記第一の酸が、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、シトラコン酸、フマル酸、グルタル酸、イタコン酸、メグルトール、メサコン酸、コハク酸、シトラマル酸、タルトロン酸、クエン酸、トリカルバリル酸、エチレンジアミン四酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、カルボン酸、硫酸および燐酸からなる群から選ばれる、請求項19のデバイス。
【請求項21】
前記PTH系薬剤が前記コーティング処方物pHにおいて正電荷を有し、そして前記コーティング処方物は一つまたはそれ以上のpKaをもつ第二の酸を含む少なくとも第二の対イオンを含有する、請求項19のデバイス。
【請求項22】
前記第二の酸が、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、マレイン酸、燐酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、クエン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、乳酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酒石酸、タルトロン酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、ペンタン酸、カルボン酸、マロン酸、アジピン酸、シトラコン酸、レブリン酸、グルタル酸、イタコン酸、メグルトール、メサコン酸、シトラマル酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、トリカルバリル酸およびエチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれる、請求項21のデバイス。
【請求項23】
前記コーティング処方物の中に存在する前記低揮発性対イオンが前記PTH系薬剤の電荷を中和するのに十分である、請求項17のデバイス。
【請求項24】
前記コーティング処方物が、アスコルビン酸、クエン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グルクロン酸、乳酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酒石酸、タルトロン酸、フマル酸、マレイン酸、燐酸、トリカルバリル酸、マロン酸、アジピン酸、シトラコン酸、グルタル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラマル酸、ジメチロールプロピオン酸、チグリン酸、グリセリン酸、メタクリル酸、イソクロトン酸、β−ヒドロキシ酪酸、クロトン酸、アンゲリカ酸、ヒドラクリル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、およびそれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも1種類の緩衝剤を含有する、請求項1のデバイス。
【請求項25】
前記コーティング処方物が、金属イオン遮蔽剤および遊離基捕捉剤からなる群から選ばれる少なくとも1種類の抗酸化剤を含有する、請求項1のデバイス。
【請求項26】
前記金属イオン遮蔽剤が、クエン酸ナトリウム、クエン酸およびエチレンジニトリロ四酢酸からなる群から選ばれる、請求項25のデバイス。
【請求項27】
前記遊離基捕捉剤が、アスコルビン酸、メチオニンおよびアスコルビン酸ナトリウムからなる群から選ばれる、請求項25のデバイス。
【請求項28】
前記抗酸化剤の濃度が前記コーティング処方物の0.01〜20重量%の範囲内にある、請求項25のデバイス。
【請求項29】
前記抗酸化剤の濃度が前記コーティング処方物の0.03〜10重量%の範囲内にある、請求項25のデバイス。
【請求項30】
前記コーティング処方物が、ラウロ両性酢酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、セチルピリジニウムクロリド(CPC)、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(TMAC)、塩化ベンズアルコニウム、ポリソルベート、ソルビタン誘導体、ソルビタンラウレートアルコキシル化アルコール、ポリオキシエチレンひまし油誘導体およびそれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも1種類の界面活性剤を含有する、請求項1のデバイス。
【請求項31】
前記界面活性剤の濃度が前記コーティング処方物の0.01〜20重量%の範囲内にある、請求項30のデバイス。
【請求項32】
前記コーティング処方物は両親媒性を有する少なくとも1種類のポリマー性素材を含有する、請求項1のデバイス。
【請求項33】
前記ポリマー性素材がセルロース誘導体を含む、請求項32のデバイス。
【請求項34】
前記セルロース誘導体が、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、またはエチルヒドロキシ−エチルセルロース(EHEC)、およびプルロニック類からなる群から選ばれる、請求項33のデバイス。
【請求項35】
前記ポリマーの濃度が前記コーティング処方物の0.01〜20重量%の範囲内にある、請求項32のデバイス。
【請求項36】
前記コーティング処方物が、ヒドロキシエチルスターチ、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、デキストラン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、ポリ(n−ビニルピロリドン)、ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物からなる群から選ばれた親水性ポリマーを含有する、請求項1のデバイス。
【請求項37】
前記親水性ポリマーの濃度が前記コーティング処方物の1〜30重量%の範囲内にある、請求項36のデバイス。
【請求項38】
前記コーティング処方物が、生物工学化ヒトアルブミン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、ポリヒスチジン、ペントサンポリスルフェート、ポリアミノ酸、スクロース、トレハロース、メレジトース、ラフィノース、スタキオースマンニトールおよび同様の糖アルコール類からなる群から選ばれた生体適合性担体を含有する、請求項1のデバイス。
【請求項39】
前記生体適合性担体が前記コーティング処方物の2〜70重量%の範囲を成す、請求項38のデバイス。
【請求項40】
前記コーティング処方物が、非還元糖、多糖および還元糖からなる群から選ばれた安定剤を含有する、請求項1のデバイス。
【請求項41】
前記非還元糖がスクロース、トレハロース、スタキオースおよびラフィノースからなる群から選ばれる、請求項40のデバイス。
【請求項42】
前記多糖がデキストラン、可溶性デンプン、デキストリンおよびイヌリンからなる群から選ばれる、請求項40のデバイス。
【請求項43】
前記還元糖が単糖類および二糖類からなる群から選ばれる、請求項40のデバイス。
【請求項44】
前記単糖が、アピオース、アラビノース、リキソース、リボース、キシロース、ジギトキソース、フコース、クエルシトール、キノボース、ラムノース、アロース、アルトロース、フルクトース、ガラクトース、グロース、ハマメロース、イドース、マンノースおよびタガトースからなる群から選ばれる、請求項43のデバイス。
【請求項45】
前記二糖が、プリメベロース、ビシアノース、ルチノース、シラビオース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、ラクツロース、マルトース、メリビオース、ソホロースおよびツラノースからなる群から選ばれる、請求項43のデバイス。
【請求項46】
前記コーティング処方物の中の前記安定剤の濃度が前記PTH系薬剤に対して0.01〜2.0:1の比率にある、請求項40のデバイス。
【請求項47】
前記コーティング処方物が、アミデフリン、カファミノール、シクロペンタイミン、デオキシエピネフリン、エピネフリン、フェリプレッシン、インダンゾリン、メチゾリン、ミドドリン、ナファゾリン、ノルデフリン、オクトドリン、オルニプレッシン、オキシメタゾリン、フェニレフリン、フェニルエタノラミン、フェニルプロパノラミン、プロピルヘキセドリン、プソイドエフェドリン、テトラヒドロゾリン、トラマゾリン、ツアミノヘプタン、チマゾリン、バソプレッシン、キシロメタゾリンおよびそれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも1種類の血管収縮剤を含有する、請求項1のデバイス。
【請求項48】
前記血管収縮剤の濃度が前記コーティング処方物の0.1〜10重量%の範囲内にある、請求項47のデバイス。
【請求項49】
前記コーティング処方物が、浸透圧剤、両性イオン性化合物、抗炎症剤および抗凝固剤からなる群から選ばれた少なくとも1種類の通路開通性モジュレーターを含有する、請求項1のデバイス。
【請求項50】
前記抗炎症剤が、21−リン酸ベタメタゾン二ナトリウム塩、21−リン酸トリアムシノロンアセトニド二ナトリウム、塩酸ヒドロコルタマート、21−リン酸ヒドロコルチゾン二ナトリウム塩、21−リン酸メチルプレドニゾロン二ナトリウム塩、21−コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム塩、リン酸パラメタゾン二ナトリウムおよび21−コハク酸プレドニゾロンナトリウム塩からなる群から選ばれる、請求項49のデバイス。
【請求項51】
前記抗凝固剤が、クエン酸、クエン酸塩、硫酸デキストリンナトリウム、アスピリンおよびEDTAからなる群から選ばれる、請求項49のデバイス。
【請求項52】
前記コーティング処方物が、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−α−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、およびスルホブチルエーテル−γ−シクロデキストリンからなる群から選ばれた安定化/錯化剤を含有する、請求項1のデバイス。
【請求項53】
前記安定化/錯化剤の濃度が前記コーティング処方物の1〜20重量%の範囲内にある、請求項52のデバイス。
【請求項54】
前記コーティング処方物が3〜500センチポアズの範囲内の粘度を有する、請求項1のデバイス。
【請求項55】
前記生体適合性コーティングの厚さが25ミクロン未満である、請求項1のデバイス。
【請求項56】
前記hPTH塩が、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、レブリン酸塩、クロリド、ブロミド、クエン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、3−ヒドロキシイソ酪酸塩、トリカルバリル酸塩、マロン酸塩、アジピン酸塩、シトラコン酸塩、グルタル酸塩、イタコン酸塩、メサコン酸塩、シトラマレート、ジメチロールプロピオン酸塩、チグリン酸塩、グリセリン酸塩、メタクリル酸塩、イソクロトン酸塩、β−ヒドロキシ酪酸塩、クロトン酸塩、アンゲリカ酸塩、ヒドラクリレート、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、2−ヒドロキシイソ酪酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、ピルビン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、硝酸塩、燐酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、硫酸塩およびスルホン酸塩からなる群から選ばれる、請求項1のデバイス。
【請求項57】
前記PTH系薬剤が前記コーティング処方物の1〜30重量%の範囲を成す、請求項1のデバイス。
【請求項58】
前記PTH系薬剤が前記コーティング処方物の1μg〜1000μgの範囲を成す、請求項1のデバイス。
【請求項59】
前記PTH系薬剤が前記生体適合性コーティングの10μg〜100μgの範囲を成す、請求項1のデバイス。
【請求項60】
前記コーティング処方物のpHがpH6未満である、請求項1のデバイス。
【請求項61】
前記コーティング処方物の前記pHがpH2〜pH6の範囲内にある、請求項60のデバイス。
【請求項62】
PTH系薬剤を非ヒトに経皮送達する方法であって、
請求項1のデバイスを提供し;
前記微小突起部材を前記非ヒトの皮膚部位に適用し、それによって、前記多数の角質層突刺し微小突起が角質層を刺貫きそして前記PTH系薬剤を前記非ヒトに送達し;
そして
前記微小突起部材を前記皮膚部位から取り外す
諸工程を含む前記方法。
【請求項63】
前記微小突起部材が5秒〜24時間の範囲内の時間にわたって前記皮膚部位に適用されたままである、請求項62の方法。
【請求項64】
前記PTH系薬剤が前記コーティング処方物の1μg〜1000μgの範囲を成す、請求項62の方法。
【請求項65】
前記微小突起部材の適用は衝撃適用器によって前記微小突起部材を前記皮膚部位に適用することを含む、請求項62の方法。
【請求項66】
前記PTH系薬剤は前記PTH系薬剤の皮下投与によって与えられる薬物動態プロフィールに少なくとも似た薬物動態プロフィールを与え、
hPTH(1−34)の前記薬物動態プロフィールは、Tmax、CmaxおよびAUCの測定値を含み、Tmaxは、前記PTH系薬剤の投与後に最大薬物濃度(Cmax)を生じる時間であり、そしてAUCは、前記PTH系薬剤の濃度の曲線下面積である、請求項62の方法。
【請求項67】
前記PTH系薬剤が、hPTH(1−34)、hPTH塩および類似体、テリパラチドおよび関連ペプチドからなる群から選ばれる、請求項62の方法。
【請求項68】
前記hPTH塩が、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、レブリン酸塩、クロリド、ブロミド、クエン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、3−ヒドロキシイソ酪酸塩、トリカルバリル酸塩、マロン酸塩、アジピン酸塩、シトラコン酸塩、グルタル酸塩、イタコン酸塩、メサコン酸塩、シトラマレート、ジメチロールプロピオン酸塩、チグリン酸塩、グリセリン酸塩、メタクリル酸塩、イソクロトン酸塩、β−ヒドロキシ酪酸塩、クロトン酸塩、アンゲリカ酸塩、ヒドラクリレート、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、2−ヒドロキシイソ酪酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、ピルビン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、硝酸塩、燐酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、硫酸塩およびスルホン酸塩からなる群から選ばれる、請求項67の方法。
【請求項69】
前記PTH系薬剤の前記送達は生物学的作用の迅速開始を示す、請求項62の方法。
【請求項70】
前記PTH系薬剤の前記送達は持続した生物学的作用を8時間までの時間にわたって示す、請求項62の方法。
【請求項71】
前記PTH系薬剤がテリパラチド(hPTH(1−34))を含み、前記生体適合性コーティング処方物は10〜100μg用量の範囲内の前記PTH系薬剤の用量を含み、そして前記PTH系薬剤の前記送達は1回の適用後に少なくとも50pg/mLの前記PTH系薬剤における血漿内最大濃度(Cmax)を生じさせる、請求項62の方法。
【請求項72】
経皮送達されたPTH系薬剤の薬物動態を改善する方法であって、
請求項1のデバイスを提供し;
前記デバイスの前記微小突起部材を非ヒトの皮膚部位に適用し、それによって、前記多数の角質層突刺し微小突起が角質層を刺貫きそして前記PTH系薬剤を前記非ヒトに送達し;そして
前記微小突起部材を前記皮膚部位から取り外す
諸工程を含み、
PTH系薬剤の前記送達が皮下送達の薬物動態特性に匹敵した改善された薬物動態を有する、前記方法。
【請求項73】
前記改善された薬物動態は前記PTH系薬剤の増大したバイオアベイラビリティを含む、請求項72の方法。
【請求項74】
前記改善された薬物動態は増大したCmaxを含み、
maxは、送達された前記PTH系薬剤の最大濃度である、請求項72の方法。
【請求項75】
前記改善された薬物動態は減少したTmaxを含み、
maxは、前記PTH系薬剤の投与後に最大薬物濃度(Cmax)を生じる時間である、請求項72の方法。
【請求項76】
前記改善された薬物動態は前記PTH系薬剤の向上した吸収速度を含む、請求項72の方法。
【請求項77】
PTH系薬剤を患者に経皮送達するためのデバイスであって、
患者の角質層を刺貫くのに適合している多数の微小突起を有する微小突起部材;および
前記微小突起部材の上に配置された、hPTHアセテート、塩酸、ツイーン、スクロースおよびEDTAを含むコーティングであって、前記コーティングの処方物が20〜200cpの範囲内の粘度を有する、生体適合性コーティング
を含む前記デバイス。
【請求項78】
PTH系薬剤を患者に経皮送達するためのデバイスであって、
患者の角質層を刺貫くのに適合している多数の微小突起を有する微小突起部材;および
前記微小突起部材の上に配置された、20%hPTHまたはその塩、20%スクロース、0.6%HCl、0.2%ツイーンおよび0.03%EDTAを含み、かつ10〜100μg用量であり、1回の適用後に少なくとも50pg/mLの前記PTH系薬剤における血漿内最大濃度(Cmax)を生じさせるコーティングであって、前記コーティングの処方物が20〜200cpの範囲内の粘度を有する、生体適合性コーティング
を含む前記デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−97087(P2012−97087A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258227(P2011−258227)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【分割の表示】特願2007−513130(P2007−513130)の分割
【原出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(501411662)アルザ コーポレイション (5)
【Fターム(参考)】