説明

力学的性質が強固である可塑化顆粒

本出願は、活性成分、ポリマーコーティング及び顆粒の中に浸透させる可塑剤から成る力学的に強固な水溶性又は水懸濁性の低粉塵顆粒及びこれらと同様のものを得る方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2003年5月28日に出願された、同時継続出願U.S.仮出願Ser.No.60/474,086、「題名:力学的性質が強固である可塑化顆粒」及び、2002年12月24日に出願された、同時継続出願U.S.仮出願Ser.No.60/436,206に対し優先権を主張する。両出願を、引用により完全に本出願に援用する。
【0002】
技術分野
本出願は、活性成分、好ましくは酵素、及び可塑剤を浸透させたポリマーコーティング等を有する力学的性質の強固な顆粒、及び、可塑剤を浸透させることにより前記顆粒を生産する方法に関係する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
洗剤製造、医薬品製造、農薬製造及びパーソナルケア製品製造等の各種製造業において生産される製品は、原材料の取り扱い及び攪拌操作の間に遭遇する、物理的な力によって粉塵を発生する、活性成分、特に酵素を含む組成物を含有している。粉塵生成に関する1の問題は、粉塵が健康問題及びアレルギー反応を引き起こすということである。活性成分は、活性成分を保護し、粉塵を減らすために、結合剤、コーティング剤、カプセル化剤等の各種化合物と共に製剤化される。小球化、押し出し形成、球状化、ドラム顆粒製造、及び流動層スプレーコーティングを含む、活性成分含有製剤を製造するための多くの技術が発展してきた(USP 4,106, 991; USP 4,242, 219; USP 4,689, 297; 及び USP 5,324, 649参照のこと)。
【0004】
しかしながら、活性成分を含む粒子又は顆粒の製造に関する従来技術により製造された製剤は、製造操作の間に遭遇する衝撃、剪断及び圧縮等の物理的な力に対する耐性が、常に十分ではないことから、前記のような物理的な力を受けると粉塵を生成する。
【0005】
衝撃力及び剪断力に耐性を有する顆粒の改良を目的とした、従来技術を用いて製造された製剤は、結合剤又はコーティング剤として、ポリマーを含んでいる。可塑剤もまた、顆粒の衝撃耐性を改善するのに用いられてきた。しかしながら、顆粒内への可塑剤の使用及び、顆粒コーティングへの可塑剤の使用は、コーティング剤及び結合剤としてポリマーを取り込むため、製剤の粘性を高め、塊状物質を生成させる。このため、可塑剤の使用については、一定の制限があった。可塑剤を使用する場合、その含量は、コーティングポリマーの質量に対して5%から10%以下に制限されていた。そして、この可塑剤は、コーティング溶液又は懸濁液中に、又は融解混合物として、ポリマーコーティングと共に同時に添加されていた。
【0006】
不適当な粘性及び又は/塊状物質を生じさせない、コーティング又は他の方法で生産される、自由流動性を有する、個々に良く形成された力学的性質の強固な可塑化顆粒の供給に対する必要性が、本技術分野においていまだ存在する。
【発明の開示】
【0007】
発明の概要
本発明の一の側面は、活性成分、力学的性質の脆い粒子を取り囲んでいるポリマーフィルム及び、造粒過程において他の成分と、同時添加をせずに、粒子を形成した後に適用する可塑剤を有する、力学的性質の強固な顆粒である。可塑剤は、粒子の可塑化される成分内に容易に拡散するのに、十分な温度で用いられる。可塑剤は、コーティングを広げ、均一にするために、顆粒床上に又は、顆粒床内に、注入されるか、あるいは噴霧される。そして、この後に、あるいは同時に、攪拌が行われ、可塑剤が、顆粒内に浸透する。例えば、可塑剤は、顆粒の流動床上に、コーティングのために、噴霧される。ある態様では、可塑剤は複数の成分の混合物である。他の態様では、可塑剤は水溶液として適用される。
【0008】
本発明の好ましい態様では、可塑剤で可塑化される成分は、水溶性又は水懸濁性ポリマー又はポリマーコーティングである、例えば、可塑剤で可塑化される成分は、ポリビニルアルコール(PVA)、ゼラチン、ハイドロキシプリピル化コーンスターチ等の変性スターチ、セルロースエーテル及びそれらの誘導体及び共重合体であり、特に、PVA及びその誘導体である。可塑剤は、グリセロール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、糖、又は糖アルコールを含む、分子量が1000ダルトン未満の化合物である。ポリマーコーティングをした顆粒の場合には、特定のポリマーのガラス転移温度を低くする熱力学上の相溶性及びその能力に基づいて、可塑剤が選択される。活性成分は、好ましくは、タンパク質又はペプチドであり、より好ましくは、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及びそれらの組み合わせより選択される、酵素である。この活性成分は、顆粒のコアの中に取り込まれる。好ましくは、この活性成分はコアの上に層を形成する。
【0009】
他の側面では、本発明は、ポリマー等の可塑剤で可塑化される成分を用いた水溶性又は水懸濁性コーティングフィルムを調製するステップ、コア物質あるいは、コア内に、又はコアを取り囲む層のいずれかに取り込まれる、活性成分を入手するステップ、前記コーティング成分を活性成分を含む物質上に適用するステップ、コーティングフィルムを形成するステップ、及び、可塑剤含浸顆粒を得るために、この後に、可塑剤を適用するステップ、から成る力学的性質の強固な顆粒を生産する方法に関係する。この方法を用いて調製された顆粒は、力学的な力を加える試験により測定される粉塵価が低い。例えば、上記方法で調整された顆粒は、60 Hz、8.52 m/秒の速度において216,000回の衝突を生じさせる、繰り返し衝撃耐性テスト(RIT)において、約 25,000 ng/g以下の低い酵素粉塵価、30 Hz、3.2 m/秒の速度において 108,000 回の衝突を生じさせる、繰り返し衝撃耐性テスト(RIT)において、約400,000 ng/g以下の低い酵素粉塵価、低いヒューバッハ (Heubach)総粉塵価、低いヒューバッハ (Heubach)酵素粉塵価及び、低いエルリエーション(Elutriation)粉塵価を示す。上記方法で調整された顆粒は、任意の粉塵試験の測定による酵素粉塵が、非可塑化顆粒と比較した場合、少なくとも25%、少なくとも35%、少なくとも45%、少なくとも55%、少なくとも65%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%及び少なくとも99%低い。
【0010】
本発明の態様において、可塑剤は、少なくとも100%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%及び少なくとも50%、顆粒に吸収される。吸収されるパーセンテージは、顆粒に適用した可塑剤の総量に対する、顆粒内に浸透した可塑剤の量(残留している吸収されない可塑剤の量又は、適用後に顆粒表面の外側を測定することにより決定される)の割合を言う。
【0011】
本発明の好ましい態様において、活性成分は酵素であり、具体的には、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及びそれらの組み合わせより選択される、酵素である。ポリマーは、PVAであり、状況に応じて、グリセロールが可塑剤として含まれる。本発明の他の側面においては、ゲル化剤はフレキシブルフィルムの成分として追加される。
【0012】
本発明の他の側面は、洗剤溶液中に用いられる活性成分のように、水性環境に活性成分を輸送するための、力学的性質の大変強固な顆粒の使用に関係する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
発明の詳細な説明
本発明の発明者は、活性成分を含み、又は、活性成分が含まれている層により覆われている顆粒であって、可塑化される成分でコーティングされた粒子に特定の方法で、特定の性質を有する可塑剤を適用する方法により、生産された顆粒は、衝撃耐性が高いことを発見した。前記顆粒は、該顆粒の取り扱いの間に生じる機械的な力に対する耐性がより強くなるために、粉塵生成が低減する。本発明の顆粒は、顆粒中に含まれる活性成分を輸送する、特に、水性環境に輸送するのに好適な、力学的性質が強固な顆粒である。本発明の顆粒は、例えば、クリーニング製品、特に洗浄製品、パーソナルケア製品、布ケア製品及び医薬品への用途に、非常に有用である。
【0014】
他に違った形で定義されない限り、ここで用いられる全ての技術的又は科学的用語は、本発明に関係する技術分野で通常用いられているものと同様の意味を有する。明細書及び請求項で用いるように、単数を意味する「一の」、「この」という語は、明確に違った表現で示さない限り、複数形を含める。例えば「顆粒(単数)」という語は、「顆粒(複数)」を意する。
【0015】
本発明に関する「力学的性質が強固な顆粒」という語は、可塑剤により可塑化される成分を有する、あるいは、可塑剤により可塑化される成分でコーティングされている顆粒にさらに、可塑剤を適用した顆粒であって、繰り返し衝撃を与えたとき、圧力を与えたとき、又は剪断力を与えたときに低い粉塵価を示す、顆粒を言う。例えば、力学的に強固な顆粒は、8.52 m/秒、60 Hz及び振幅1.5 cmにおける216,000回衝突の条件下における、繰り返し衝撃試験装置で測定される酵素粉塵価(USP 6,035, 716参照のこと)が、50,000 ng/g以下である。本発明の力学的に強固な顆粒は、金属コンテナーを用いた、30Hz、3.3 m/秒の速度で108,000回衝突の条件におけるRITデバイスを用いて測定される酵素粉塵が400,000 ng/g以下である。本発明の力学的に強固な顆粒は、ヒューバッハ粉塵試験の測定では、0.07 mg/g以下の総粉塵及び3.0 μg/gの酵素粉塵を示す。本発明の力学的に強固な顆粒は、エルトリエーション粉塵試験を用いて測定すると、0.5 mg/gの酵素粉塵を示す。本発明の力学的に強固な顆粒は、非可塑化顆粒と比較して、少なくとも25%、少なくとも35%、少なくとも45%、少なくとも55%、少なくとも65%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%及び少なくとも99%、酵素粉塵を低減する顆粒であると定義される。ここで用いる、「摩滅」の語は、取り扱い中の顆粒の崩壊を含み、コーティングの剥離及び顆粒の断片生成を含む。
【0016】
「力学的性質が脆い顆粒」は、可塑剤を浸透させていない顆粒であって、金属コンテナを用いた、30 Hz、3.3 m/秒における108,000回衝突の条件下において、400,000 ng/g以上のRIT酵素粉塵価を示す、衝撃衝突、圧力及び剪断力、に対して脆性である顆粒を言う。
【0017】
例えば、力学的性質に脆い顆粒は、8.52 m/秒、60 Hz及び振幅1.5 cmのプラスチック容器内での216,000回衝突の条件下における、繰り返し衝撃試験装置(RIT)により測定される粉塵が50,000 ng/g 以上である(USP 6,035, 716参照のこと)。例えば、力学的性質の脆い顆粒は、ヒューバッハ粉塵試験により測定される、総粉塵が、1.0 mg/g以上であり、酵素粉塵が5.0 μg/gである。例えば、力学的性質が脆い顆粒は、エルトリエーション粉塵試験により測定される酵素粉塵が、2.0 mg酵素粉塵/パッドである。
【0018】
可塑剤に対して用いる、そして本発明に関して用いる「浸透する」という語は、少なくとも、可塑剤の大部分が、顆粒の外層又は顆粒内の可塑化される成分内に侵入又は浸透していることを意味し、顆粒の上に層形成をすることとは、反対の意味に用いる。浸透は、少なくとも顆粒内へ可塑剤を確実に取り込ませるための可塑化される成分の包埋、吸収、内部への拡散及び透過を含む。さらに、浸透は、実質的に、顆粒及び顆粒の任意のポリマー又は、コーティング層の形成の後で(同時ではなく)、可塑剤を添加することも含む。本発明のある態様において、この可塑剤は少なくとも100%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%及び少なくとも50%、顆粒に吸収される。
【0019】
ガラス転移温度(Tg)は、非結晶物質(又は部分的に結晶物質の、非結晶物質の部分)が、硬く、相対的に脆性な状態から、粘性を有する、あるいは、ゴム状の状態に変化する温度を言う。可塑剤は、ポリマー及び他の物質のガラス転移温度を低くすることが知られており、可塑剤は、可塑化されるポリマーまたは原料に対して特異性を有することは、本技術分野において既知である。
【0020】
「可塑化される成分」は、この開示の目的において、低分子量成分の添加又は可塑剤の添加により低いTgを示す能力を有する、非結晶物質を意味する。
【0021】
顆粒
本発明の顆粒は、活性成分、さらに、顆粒の可塑化される成分又はコーティング層内に拡散される可塑剤を含む。活性成分は、コア内に取り込まれるか、コアの周りに層形成される、その後にポリマーフィルムの層形成が行われる。
【0022】
本発明の顆粒は、前で定義したように、力学的に強固で、粉塵生成が少ない。この顆粒は、周囲の湿度及び温度条件に対して安定であるが、水とその一部又は全部が接触すると、活性成分を放出するために、溶解又は懸濁する。
【0023】
いくつかの粉塵試験は、各種顆粒酵素製剤の摩滅に対する力学的耐性及び粉塵形成を測定するために発展してきた。これらの粉塵試験は、ヒューバッハ摩滅試験及びエルトリエーション試験を含む。ヒューバッハ試験は、顆粒を回転パドル及びスチール球を備えた小さな円筒スチールチャンバーに入れ、顆粒をパドル及び球で攪拌し、顆粒に圧力及び流動力を与える。そして、これと同時に、生成される全ての粉塵を取り除くために、チャンバー内を通過する空気流れを通す。生成された粉塵は、吸引用の管を通して、吸引され、ヒューバッハチャンバーの外側にあるフィルターパットの上に捕集される。捕集された粉塵の重量及び活性成分が、ヒューバッハ粉塵の対象とされる。エルトリエーション試験は、顆粒を、高いガラス管内のガラスフリットの上に置き、連続乾燥空気流で、指定した時間が終了するまで、流動化する。ヒューバッハ摩滅試験及びエルトリエーション粉塵試験の、原理、手順、制限については、例えば "Enzymes In Detergency"ed. Jan H. van Ee., Ch. 15, pgs. 310-312, (Marcel Dekker, Inc. New York (1997)に記載されており、この内容を、引用により本明細書に援用する。
【0024】
ヒューバッハ及び エルトリエーション粉塵試験は、広く用いられているものであるが、これらの方法のいずれも、顆粒の保全性及び摩滅に関する衝撃力のみに対する効果を調べるための適切なモデルとはならない。衝撃力(所定の規模の繰り返し衝撃を顆粒に与えたときの影響)により引き起こされる粒子の摩滅に関するモデル形成のために、繰り返し衝撃試験(RIT)が、発展した。この試験は、顆粒サンプルを、制御周波数で振動することにより、チャンバー内で振幅させる。ダメージを受けた粒子、あるいは顆粒断片の総量(RIT質量摩滅)が、測定されるか、又は、全ての顆粒を取り除いた後に、粉塵を生成する(RIT粉塵)と推定される崩壊顆粒断片が緩衝液を用いて箱から抽出され、酵素活性が測定される(WO 98/03849 及びUSP 6,035, 716 参照のこと。これらを引用により本明細書に援用する)。2の異なるRITプロトコルが粉塵試験に用いられる。高速度プロトコルは、30 mgの顆粒サンプルに対して、硬いプラスチック素材のコンテナ壁内で、60 Hz、8.52 m/秒及び218,000回衝突の条件で、試験を行う。低速度プロトコルは、30 mgの顆粒サンプルに対して、硬いプラスチック素材のコンテナ壁内で、30 Hz、3.2 m/秒及び108,000回衝突の条件で、試験を行う。
【0025】
低速プロトコルで見られる崩壊モードは、典型的な高速プロトコルの下で見られるものとは異なるけれども、可塑剤を浸透させた、本発明の力学的に強固な顆粒は、幅広い衝撃力及び様々な製造過程の操作中に遭遇する、圧力及び剪断力に対しても、耐性を有する。相当量の可塑剤を容易に吸収した顆粒は、繰り返される衝撃力、剪断力、及び圧力を受ける場面での使用に好適であるということは、本発明の利点である。可塑剤を浸透させた顆粒、好ましくは、可塑化されたポリマーコーティングを有する顆粒は、突発的崩壊ポイントに達するまでに、該顆粒が吸収する、保全性(integrity)、力学的耐性又は、摩滅耐性は維持しつつ、力学的摩滅力の結果として生じる、変形顆粒の総量、又は断片生成あるいは粉塵生成の総量を減らす。
【0026】
硬金属コンテナ壁を用いたRIT粉塵試験において、力学的に強固な顆粒は、400,000 ng/g以下の酵素粉塵価及び、非可塑剤含浸顆粒(可塑剤を含まない顆粒)と比較して、少なくとも25%、少なくとも35%、少なくとも45%、少なくとも55%、少なくとも65%、少なくとも75%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%及び少なくとも99%、低い酵素粉塵を示す。
【0027】
可塑剤を、ポリマー又は他の成分と同時に適用しないで、粒子形成の後に、及び、必要に応じてポリマーコーティングの後に、選択された温度で、適用することにより、可塑剤が、顆粒中の粒子がお互いに凝集又は付着することなく顆粒内部に取り込まれることは、本発明の重要な驚くべき側面である。この可塑化顆粒のポリマーフィルムは、よく成形され、しなやかで、高い均一性及び物理的保全性を有する。ポリマーコーティング及び可塑剤を、顆粒に同時適用する場合、特にポリマー重量に対して、約5-10%以上の可塑剤を適用する場合には、コーティングは、湿り、べとつき、粒子は、多粒子の凝集又は付着及び再崩壊のいずれかがおこり、ポクマーク(pock marks)、チップ及び他の変形を生じ、結果として不均一なコーティングが生じる。そのような、コーティング層内での不均一性は、粉塵レベルを上げ、活性成分を、湿度、酸化物質又は他の環境ストレスから保護する能力を失う。本発明の方法により作れる、可塑化顆粒は、これらの不利益を克服する。
【0028】
本発明に従い可塑剤を顆粒に浸透させることは、望ましくない凝集又は粘着を起こさずに、力学的に脆い顆粒を転化することができ、あるいは、これを力学的に強固な顆粒内のコアに転化することができるという利点を有している。特に、可塑剤は、既形成顆粒又は、顆粒の既形成コーティングに適用することから、顆粒を力学的に完全に強固にするための、再改造又は再調剤は不必要である。生産、取扱い、及び、溶解の容易性、酵素安定性、熱安定性及び高湿度条件下における吸湿耐性等の好ましい性質を減少させずに、力学的に脆い顆粒を力学的に強固な顆粒に転化することは、本発明のさらなる利点である。
【0029】
コア
コアは顆粒の内部核であり、力学的に脆性な粒子である。本発明の使用に好適なコアは高水和物(すなわち、水に容易に溶解又懸濁可能な物質)である。コア物質は、水溶液中で、分散(水和する時に分解する)するか、あるいは、溶解する。クレイ(ベントナイト、カオリン)、ノンパレル(nonpareils)、及び塊状のポテトスターチは、分散性があると考えられる。ノンパレルは、回転球状コンテナ内で、粉又は溶解した種結晶の層結合により、球状形に成形される、球状粒子である。ノンパレル(nonpareils)は通常スクロース等の糖、及びコーンスターチ等の粉との組み合わせにより作られる。このほかに本発明に利用可能な種結晶物質は、塩化ナトリウム又は硫化ナトリウム種及び、硫化アンモニウム、硫化ナトリウム硫化カリウム及び同種のものを用いて作られる他の無機塩類を含む。
【0030】
無機塩類、及び/又は、糖、及び/又は、小さな有機分子から成る粒子、及び顆粒は、本発明のコアとして使用される。コアに取り込まれる好適な水溶性成分は、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、尿素、クエン酸、スクロース、ラクトース及び同種のものを含む。水溶性成分は、水分散性成分と結合することができる。本発明のコアは、さらに1以上の、活性成分、ポリマー、賦形剤、可塑剤、繊維性材料、増量剤及び、コア内に適用可能であると本技術分野で知られている他の化合物を含む。好適なポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、及びポリビニルピロリドンを含む。PVAは、部分的に加水分解されているPVA(70-90%)、著しく加水分解されているPVA(90-80%)、十分加水分解されているPVA(98-99%)もしくは、超加水分解されているPVA(99-100%)又は、これらの混合物であってもよく、幅広い粘性を示す。
【0031】
コアに有用である好適な賦形剤は、バルクに添加して、コストを低減させる目的に使用されるか、あるいは、顆粒内の意図する酵素活性を調整する目的に使用される、不活性物質を含む。そのような賦形剤の例は、尿素、塩、糖等の水溶性成分、及び、クレイ、タルク、シリカ、カルボキシメチルセルロース及びスターチ等の水懸濁性物質を含むが、これらに限定されない。
【0032】
本発明のコアに有用な、可塑剤は、そのガラス転移温度を低くするためにポリマーに添加される不揮発溶剤である。その結果、該コアは、脆弱性が低くなり、変形可能性が高くなる。通常、可塑剤は低分子量の有機化合物であって、可塑化されるポリマーに対する特異性が高い。例は、糖(グルコース、フルクトース及びスクロース等)、糖アルコール(ソルビトール、キシリトール及びマルチトール等)多価アルコール(例えば、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、又はポリエチレングリコール等の多くのヒドロキシラジカル基を有するアルコール)、尿素等の極性低分子量有機化合物又は、ブチルあるいはジメチルフタル酸のような、可塑剤として知られているもの、又は水を含むがこれらに限定されない。
【0033】
本発明のコアに好適な、繊維材料は、高い引張り強度を有し、1-50ミクロンの直径を有し、少なくとも、4直径に相当する長さの細い繊維に形成することができる物質を含む。典型的な繊維素材は、セルロース、ガラス繊維、金属繊維、ゴム繊維、アズロン(とうもろこし、落花生、ミルクの天然タンパク質から生産される)及び合成ポリマー繊維を含むがこれらに限定されない。合成繊維は、Rayon(登録商標)、Nylon(登録商標)アクリル、 ポリエステル、 オレフィン、Sarane(登録商標) Spandex(登録商標)及びVinal(登録商標)を含む。典型的なセルロース繊維は、直径約30ミクロンで、160ミクロンの平均繊維長を有するものである。
【0034】
コアは、本発明の技術分野で良く知られた造粒技術により製造することができる。この技術は、結晶化法、沈殿法、パンコーティング法、流動床コーティング法、回転噴霧法、押し出し形成法、楕円ローター法、ドラム顆粒形成、および高剪断アグロメレーション法を含む。
【0035】
本発明のある態様において、コアは、ポリビニルアルコール(PVA)単独で、あるいは、PVAと、二酸化チタン、タルク、あるいは、スクロースとの組み合わせ、又は、これらとポリオールのような可塑剤等の抗付着因子との組み合わせを用いた種結晶により、コートされるか、あるいは、該種結晶から構築される、上で述べた糖又は塩のうちのいずれかの、水溶性又は水懸濁性のノンパレル(nonpareil)である。通常、任意の活性成分を含むコアは、力学的に脆い粒子である。本発明では、コア種類を制限しない。多数の特許及び出版物に本発明に用いるコアについての記載がある。参考文献はUSP 5,879, 920、USP 4,689, 287 及びWO 0024877である。
【0036】
活性成分
活性成分は顆粒に添加される任意の物質である。活性成分は、農薬、肥料、除草剤等の生物学的活性のある物質、すなわち農芸化学の分野で利用される成分、医薬品成分又は洗浄成分である。好ましい態様においては、活性成分は、酵素、タンパク質、ペプチド、漂白剤、漂白活性剤、香水、ビタミン、ホルモン又は生物学的活性を有する成分である。最も好ましい活性成分は、1以上の酵素である。酵素の非限定的な例は、プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、オキシダーゼ、トランスフェラーゼ、リダクターゼ、ヘミセルラーゼ、アミラーゼ、エステラーゼ、イソメラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、ペルオキシダーゼラッカーゼ、及びそれらの混合物を含む。好ましい酵素は、基質(例えば、しみ汚れ)を加水分解する酵素である。これらの酵素は加水分解酵素(ハイドラーゼ)として知られている。加水分解酵素の例は、プロテアーゼ(細菌、糸状菌の、酸性、中性又はアルカリ性の)、アミラーゼ(アルファ及びベータ)、リパーゼ、セルラーゼ、及びこれらの混合物を含むがこれらに限定されない。特定の好ましい酵素は、ジェネンコア・インターナショナルから市販されている、Purafect、Purastar、Properase、Puradax、Clarase、Maxacal、Maxapem、及び、Maxamyl、ノボ・インダストリーズA/S(デンマーク)より販売されているAlcalase、Savinase、Primase、Durazyme、Duramyl及びTermamylを含む。特に好ましいプロテアーゼは、スブチリジンンである。セルラーゼもまた、好ましい酵素であり、特にClazinase製剤中に含まれる、トリコデルマレーシから単離されたセルラーゼが好ましい。好ましいアミラーゼは、バシルスリケニフォルミスから得られたアルファアミラーゼである。
【0037】
他の側面では、1以上の活性成分は、顆粒のコア内に取り込まれ、他の好ましい側面では、活性成分はコアの周りに層を形成する、他の側面では、活性成分はコーティング層の中に存在する。コアの周りに層を形成する場合には、活性成分を含む層は、必要に応じて、ポリマー等の結合剤、好ましくは、ここで述べた、PVA等のビニルポリマーを含んでいる。
【0038】
活性成分を含む層は、他の顆粒成分と同時に添加される、他の可塑剤及び抗凝集剤をさらに含んでいる。本発明に有用な可塑剤の非限定的な例は、分子量1000未満の、糖、糖アルコール又はポリエチレングリコール(PEGs)、尿素あるいは、ジブチル又はジメチルフタル酸等の他の可塑剤、又は水である。適切な抗凝集剤は、タルク、TiO2、クレイ又は非結晶シリカ等の微細不溶性物質である。
【0039】
本発明の顆粒は、顆粒重量に対して、0.01%から50%の間の活性成分を含む。特に好ましいものは、顆粒重量に対して、少なくとも0.5%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、で、40%以下の酵素を含んでいる顆粒である。活性成分を含み、さらに任意の非酵素固形物又は結合成分を含む層は、顆粒重量に対して、約0.01%から50%、約0.05%から30%、約0.1%から15%、約0.5%から8.0%の間の活性成分を含む。
【0040】
コーティング
水溶性ポリマー又は水懸濁性ポリマーは本技術分野で知られているが、通常、水溶性ポリマーは、室温における脱イオン水に対して、少なくとも1%、好ましくは、少なくとも5%、の可溶性を有し、少なくとも15%の可溶性を有するものもある。水懸濁性ポリマーは、室温で、脱イオン水又は5%以下の洗剤又は非イオン性の界面活性剤の溶液中で、ゆるやかに攪拌したときに、10分以内に、約50ミクロン以下の細かい粒子に崩壊する。緩やかな攪拌は、例えば、200mlビーカー内に100mlの水溶性溶媒を入れ、スターラーバーで200rpmで攪拌する場合である。
【0041】
好ましい、非制限的ポリマーは、本発明に従い可塑化された、水溶性又は水懸濁性ポリマー、及び、ポリビニルアルコール(PVA)、2002年1月8日に公表されたU.S.Patent App.Ser.No.09/12/2001(引用により本メ明細書に全体を援用する)に記載されている変性PVAポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリビニルピロリドン(PVP)、セルロースエーテル、アルギン酸、ゼラチン、変性スターチ、及びそそれらの置換誘導体、加水分解物及び共重合体から選択される、ポリマーである。より好ましいポリマーは、PVA、メチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース等のセルロースエーテル、ゼラチン及びコーンスターチ由来のヒドロキシプロピルスターチ等の変性スターチである。最も好ましいのは、PVAであるが、本発明に用いるポリマーを特定のポリマーに限定することは、意図しない。ポリマーは発泡形状で用いる場合もある。好ましい態様として、PVAを使用する場合には、PVAは、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、加水分解されている。このポリマーは、4,000から250,000、好ましくは、5,000から200,000、又は、10,000から100,000の平均分子量を有する。本発明に用いる、フレキシブルフィルムからなるポリマーは、約25℃から90℃の温度において、約2000 cps以下、1000 cps以下、及び500 cps以下の粘度を示す。好適なポリマーはまた、天然の又は合成のゲル化剤を含む。非限定的な例は、親水コロイド又は、ゼラチン、ペクチン、カラギナン、キサンタンガム、アラビアガム、アルギン酸、アガロース又はこれらを任意に組み合わせたガム等である。前記ゲル化剤は、上記ポリマーとの組み合わせにおいても、使用される。コーティングポリマーは通常、顆粒の重量に対し、約0.5%から約50%であって、可塑剤添加前の、コーティング用形成フィルムの約1%-100%の割合で、含まれている。
【0042】
他の態様では、このコーティングは、界面活性剤、粉末、クレイ、タルク、二酸化チタン、及び繊維であるか、又はこれらを含む。
【0043】
さらに、架橋結合剤(cross linking agent)は、コーティング又はフィルムの性質を変えるために、又は/及び、溶解性を減らすか、あるいは、溶解するのを遅らせるために、ゲルに、添加される。例えば、ホウ酸はPVAの架橋に用いられ、カルシウム塩はアルギン酸ナトリウムの架橋に用いられる。
【0044】
可塑剤
顆粒内に浸透させる好適な可塑剤は、顆粒のTg及び脆性を低くし、変形性を高くする、不揮発性溶剤である。典型的な可塑剤は、通常分子量が1000以下の、低分子量有機化合物である。例は、ポリオール(多価アルコール)、例えば、グリセロール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多くのヒドロキシ基を有するアルコール、尿素、糖、糖アルコール、オキサジアシド(oxa diacids)、ジグリコール酸及び少なくとも1のエーテル基を有する、他の線形のカルボキシル基を含む酸等の極性低分子有機化合物、ジブチルフタル酸、ジメチルフタル酸、又は水、を含むがこれらに限定されない。糖は、スクロース、デキストロース、マルトース、トレハロース及びラフィノースを含むがこれらに限定されない。可塑剤として提供される糖アルコールは、ソルビトール、キシリトール及びマルチトールを含む。他の可塑剤は、エタノールアセトアミド、エタノールホルムアミド、トリエタノールアミンアセテート、ナトリウムチオシアネート及びアンモニウムチオシアネートを含む。最も好ましいのは、グリセロール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、及び平均分量が約600以下のポリエチレングリコールである。可塑剤は、好ましくは、顆粒重量の約0.05から約25%、より好ましくは顆粒重量の約1から約10%、より好ましくは顆粒重量の約0.1から約5.0%含まれている。正確な可塑剤のレベルは、フィルムに含まれているポリマーの量に依存している。一般的に、ポリマーに対する可塑剤の割合は、約0.05から約5の幅である。
【0045】
可塑剤を浸透させた力学的に強固な顆粒は、賦形剤、滑剤、色素等の、しかしこれらに限定されない、更なる成分を含む。これらの成分は当該技術分野で既知であり、本明細書においてさらに議論する。
【0046】
ある態様においては、力学的に脆い顆粒は、可塑剤を浸透させた力学的に強固な顆粒に転化することができる。このことは、力学的に脆い顆粒の外層コーティングに可塑剤を適用することにより達成できる。当業者は、力学的に脆い顆粒を、本明細書で説明され、定義される、既知の試験を用いて製造することができる。
【0047】
ある特定の非限定的な例は、酵素に添加され、そして造粒される、微細セルロース繊維、塩及び結合剤の顆粒に含まれる成分を、高剪断造粒機又はドラム造粒機を用いて、顆粒成分内へ包含させる、ノボノルディスクのT-顆粒製造プロセスである。このプロセで造粒された顆粒は、その後、ワックス物質がコーティングされ、この上にさらにコーティング層が適用される(USP 4,106, 991参照のこと)。得られた顆粒は、強固であり、圧縮に多少抵抗力を有してはいるが、繰り返し衝撃力には耐性がないため(USP 5,324, 649参照のこと)、本明細書の定義によれば、力学的に脆い顆粒である。本発明に従い、T-顆粒に可塑剤を適用すると、力学的に脆い顆粒であるT-顆粒は、本発明の可塑剤が浸透された力学的に強固な顆粒に転化する。
【0048】
外層
可塑剤を浸透させた(可塑剤含浸の)、本発明の顆粒は、さらに1以上の外層を含む。この外層である、コーティング層の例は、可塑剤を適用する前に、形成されている1以上の中間層である。さらに、1以上のコーティング層は、可塑剤の適用前に形成されている、1以上の上塗りコーティング層である。1以上の中間層と、1以上の上塗りコーティング層との組み合わせもまた、本発明の顆粒に含まれる。コーティング層は、顆粒の使用目的に応じていくつかの機能を担う。例えば、コーティングは、活性成分、特に酵素を、顆粒内に処方されている漂白剤による酸化から保護する役割を果たす、又、コーティング層は、顆粒を水溶性溶媒に導入するうえで、好ましい溶解性をもたらし、環境中の湿度から保護することにより顆粒の貯蔵耐性を高める、及び、顆粒内の微生物増殖を抑制する。
【0049】
本発明の態様においてコーティング層は、1以上のポリマー及び付加的に、わずかな色素、又は潤滑剤等の他の賦形剤を含む。このような賦形剤は、本技術分野で知られている。さらに、コーティング成分は、同じ又は違ったカテゴリーの活性成分と併用することができる。
【0050】
好適なポリマーは、PVA及び/又は、PVP又は、これらの混合物である。PVAを使用する場合、それは、幅広い粘性を有する、部分的に加水分解された(部分的に加水分解されたPVAは粘度が低いことが望ましい)PVA、十分加水分解されたPVA又は、著しく加水分解されたPVAである。他の有用なビニルポリマーは、ポリビニルアセテート及びポリビニルピロリドンを含む。有用なコポリマーは、例えば、PVA-メチルメタクリレートコポリマーを含む。PEG等のポリマーもまた、外層に使用される。これらの付加的なコーティング層は、さらに1以上の、可塑剤、色素、界面活性物質などの潤滑剤、または帯電防止剤及び、任意の酵素を含む。本発明のコーティング層に適した可塑剤は、上に記載されている。本発明のコーティング層に適した色素は、二酸化チタン又は炭酸カルシウム等の、微粉末化した、漂白剤、又は着色色素を含む。好ましくは、該色素は、溶解に関して言えば、低残査色素である。
【0051】
ここで用いる、「潤滑剤」は、面摩擦を減らし、顆粒表面を滑らかにし、静電気を減らし、顆粒の脆さを減らす、任意の添加剤を意味する。潤滑剤はまた、コーティング層に用いる結合剤の粘着性を減らすことから、コーティングプロセスを改善する役割を果たす。従って、潤滑剤は、抗凝集剤又は湿潤剤として利用することができる。
【0052】
好適な潤滑剤は、界面活性剤(イオン性、非イオン性又は陰イオン性)、脂肪酸、帯電防止剤、粉塵防止剤を含むが、これらに限定されない。好ましくは、潤滑剤は、界面活性剤であり、最も好ましくは、9から15までの炭素原子鎖を有するアルカン又はアルケン等の線形1級アルコール又は、それらのエトキシレート誘導体等の、アルコールベースの界面活性剤である。そのような界面活性剤は、シェルインターナショナル石油会社より、Neodel(登録商標)商品ラインとして市販されている。他の好適な潤滑剤は、StaticGuardTM、DowneyTM、TritonX100 又は 120及び同種のもの等の帯電防止剤、及びTeflonTM及び同種の粉塵防止剤、又は本発明の技術分野において既知の潤滑剤を含む。
【0053】
結合剤、構築剤及び保護層等の他の中間層も顆粒に含まれる。好適な保護物質は、例えば、無機塩類、糖又は有機酸又は塩を含む。構築剤は、ポリサッカライド又はポリペプチドである。好ましい構築剤は、スターチ、変性スターチ、カラギナン、セルロース、変性セルロース、アラビアガム、グアガム、アカシアガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、キトサン、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、ポリアスパラギン酸又はポリグルタミン酸である。好ましい構築剤は低アレルゲン性のものである。2以上の構築剤の組み合わせも、本発明の顆粒に使用可能である。結合剤は、糖及び糖アルコールを含むがこれらに限定されない。好適な糖は、スクロース、グルコース、フルクトース、ラフィノース、トレハロース、ラクトース及びマルトースを含むがこれらに限定されない。好適な糖アルコールは、ソルビトール、マンニトール、及びイノシトールを含む。
【0054】
他の添加剤
本発明の顆粒に添加される、添加剤は、金属塩、可溶化剤、活性化剤、酸化防止剤、色素、阻害剤、結合剤、芳香剤、酵素保護剤、硫酸アンモニウム等のスカベンジャー、クエン酸アンモニウム、尿素、塩酸グアニジン、炭酸グアニジン、グアニジンスルホン酸エステル、二酸化チオ尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、グリシン、グルタミン酸ナトリウム等のアミノ酸、ウシ血清アルブミン、カゼイン、および同種のタンパク質等、陰イオン界面活性剤を含む、界面活性剤活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、長鎖脂肪酸、構築剤、アルカリ又は無機電解質、漂白剤、青味剤、および蛍光色素及び固化阻害剤を含むがこれらに限定されない。界面活性剤については、PCT Application PCT/US92/00384に記載されており、これを参照により本明細書に援用する。
【0055】
可塑剤を浸透させた顆粒の製造工程
流動床噴霧コーティング、パンコーティング及び他の技術を含む、酵素造粒の技術分野で知られている方法は、コア、活性成分層、及び付加的に中間層及び外層を含む、本発明の顆粒の一部を作るのに用いることができる。しかしながら、可塑剤を適用することが、力学的強固さ、低粉塵性、及び安定性を増した、改善された性質を有する、本発明の顆粒を提供する、臨界的な手段であることは、驚くべき発見である。
【0056】
ここで、可塑剤を適応する、好適なプロセスは、液体の状態で、既形成顆粒に可塑剤を適用すること、又は、可塑剤のガラス転移温度より高い、約65℃から約85℃の温度で、顆粒上の既形成コーティングに、可塑剤を適用することから成る。この可塑剤は、他の顆粒成分との混合物として、適用されるのではない。
【0057】
完全な顆粒は、安定で、均一でなければならず、顆粒が取り扱い不可能になるほど、柔軟であったり、べとついていたりしてはいけない。安定な顆粒は、可塑剤が顆粒内にしみこまされ、この顆粒は、自由移動性を有しており、取り扱いが容易でべとつかない顆粒である。
【0058】
ある態様においては、1以上の活性成分がコア内に取り込まれ、他の態様では、1以上の活性成分がコアを覆う層に含まれる。
【0059】
力学的に高度に強固である顆粒を含む組成物
本発明の顆粒は、温度又は湿度の上昇又は、変性剤、酸化剤等の過酷な化学的及び物理的力に曝されることによる不活性化から保護する必要のある、任意の活性成分を有する、顆粒である。具体的には、この顆粒は、洗浄用、布ケア用、パーソナルケア用及び医薬品用組成物に有用である。好ましい、組成物は、洗濯用あるいは食器洗浄用組成物を含む、洗浄用組成物である。この組成物は、通常、1以上の組成物、特に界面活性剤を含む1以上の添加剤を含む医薬品組成物及びパーソナルケア組成物としても好ましい(WO 9206165参照のこと)。
【実施例】
【0060】
実施例1−コア及び活性成分を含む、可塑剤を浸透させた力学的に強固な顆粒

コア粒子は、Glatt3流動床コート機内への硫酸ナトリウム種物質あるいは、コア物質の装填、コアに対する硫酸アンモニウムの噴霧、その後に続く、ポリビニルアルコール及びタルクによるコーティングにより、調製される。該コア粒子は、31.5%濃度の硫酸ナトリウムコア、62.5%濃度の硫酸アンモニウム層、及び2%PVA(Moviol 3-83, Clariant, Charlotte, NC)及び4%のタルクのコーティングから成る。28.2%プロテアーゼ固形物+1%PVA(Elvanol 90-50)を含むスブチリシンプロテアーゼの限外ろ過濃縮溶液を、コーティングされたコアに噴霧した。その後、10%硫酸アンモニウムの溶液を添加した。顆粒の総重量に対して、13%の、このコートされた層は、5.2%PVA(ダウのElvanol 90-50)、6.5%TiO2及び1.3%Neodol 23-6.5(シェルケミカルより販売されている非イオン性界面活性剤)を含む。
【0061】
上で説明した、既形成コーティング層で覆われている、この顆粒の上に、80%w/w(8重量部のグリセロールに対して2重量部の水)グリセロールの水溶液を噴霧した。この工程を、温度が65℃から85℃の間で変化する流動床上で、繰り返し実施した。グリセロール溶液は、顆粒の重量に対して10%になるまで、適用された。最終的に、顆粒重量に対して1%タルクを、顆粒の流動性を改善することを目的として、選択された顆粒の上に振りかけた。グリセロール溶液は、流動化気流:100 cfm;噴霧圧力:40 psi;床温度:65 ℃から85 ℃の間;入り口空気温度:床温度より10-12 ℃高い温度;噴霧速度:5グラム/分;総適用時間:75分、の条件で適用された。
【0062】
6のコーティング顆粒サンプルは、約69-80mg/kgの酵素を含むよう調製された。顆粒1は、グリセロールコーティングを有しない、対照顆粒である。顆粒2-6は、グリセロール溶液を、65-85 ℃の幅の温度で適用した顆粒である。コーティングの中の、ポリマーに対するグリセロールの割合は、約1.9であった。
【0063】
この顆粒は、RIT粉塵試験により、衝撃強度について測定された。約30mgの顆粒を、寸法2cm×3cm×1.5cmの硬質プラスチックの箱の中に装填し、顆粒が、8.52 m/秒の衝撃速度で、箱の壁にぶつかるように、60 Hzの周波数で上下に振幅させた。この箱は、試験の間に生じる全ての粉塵を完全に密閉することができる。この試験は、サンプルが216,000回箱壁に衝突をするように、30分間続けられた。振幅終了後、各種のインターバル時間(60、120、240、420、600、900、1200、及び1800秒)をおいて、箱を開き、ダメージを受けた全ての微細な粒子を取り除くため、内容物を300 μmの篩にかけた。試験の結果を表1に示す。グリセロール可塑剤含浸顆粒のRIT酵素粉塵価は、グリセロールを含まない対照顆粒のRIT酵素粉塵価より、少なくとも99%と、圧倒的に、低かった。酵素粉塵低減率は、以下の式により、算出した;
100-100×(1-最終重量/開始重量)
【表1】

【0064】
実施例2−可塑剤含浸コーティングを適用した、活性成分を含む力学的耐性の脆い顆粒におけるヒューバッハ及びエルトリエーション粉塵試験

Glatt30流動床コーティング機内に、ジェネンコアインターナショナル、インク、パロアルト カルフォルニアから市販されている10.0kgのPurafect 3540MTMプロテアーゼ酵素顆粒を装填した。Purafect酵素顆粒は、25%のスクロースコア結晶;28.2%の限外ろ過されたプロテアーゼ固形物、コーンスターチ及びスクロースの混合物;20%の硫酸マグネシウム七水和物と、2.5%Methocel A-15(ダウ)、2.5%Pure Cote B 790(Grain Processing)、1.3%Neodol 23-6.5T(シェル)及び6%二酸化チタンからなる、12.3重量%の外層より構成されている。
【0065】
この顆粒サンプルは、その後、流動化気流:2.8 m3/min;噴霧圧力:50 psi;噴霧空気温度:127 ℃;床温度:90 ℃;スプレー速度:7グラム/分及び総適用時間:205分、の条件下で、顆粒重量に対して15%のグリセロールを含むように、コーティングされた。グリセロールに対するポリマーの割合は、約3.0であった。グリセロールコーティングを含まない顆粒及びグリセロールコーティングされた顆粒の酵素粉塵を、ヒューバッハ及びエルトリエーション粉塵試験を用いて、測定した。結果を表2に表す。この試験の結果は、エルトリエーション試験において、グリセロール可塑剤を適用した顆粒は、グリセロールを含まない対照顆粒と比較して、約86%酵素粉塵を減らすことを示す。
【表2】

【0066】
実施例3−力学的に強固なコーティング適用した活性成分含有顆粒に対するヒューバッハ粉塵試験

Glatto FL-1流動床コート機に、ジェネンコア インターナショナル、インクパロアルト、カルフォルニアから市販されているプロテアーゼを含む顆粒2.2kgを装填した。この酵素顆粒は、25%の硫酸ナトリウムコア(50-70メッシュ);5%のプロテアーゼ固形物、タルク及びMazu DF6000K(Dow-Corning)の混合物;63.6%硫酸ナトリウム層、及び顆粒の重量に対して、6.4%の2.4%PVA(Elavanol 51-50、Dupont、Wilmington、DE)、1%Neodol 23-6.5%(シェル)及び3%二酸化チタンから成る外層、より構成されている。該顆粒上に、10%グリセロール溶液(グリセロール1重量部に対し、水9重量部)を、45℃から50℃間で変化する床温度にて、間隔を置き、繰り返し噴霧した。流動化気流:8.5 cfm;噴霧圧力:40 psi;床温度:45℃から50℃;入り口空気温度:70℃から80℃;噴霧速度:10 g/分;総適用時間:75分、の条件において、これらの顆粒に対して、グリセロールコーティングを行った。
【0067】
表3に示すように、様々なグリセロールレベルを有する顆粒サンプルが調製された。これらの顆粒に対して、ヒューバッハ粉塵試験を用いて、酵素粉塵を測定した。ポリマーに対するグリセロールの割合は、グリセロールレベルに応じて、約0.14から約1.2の間で変化した。この結果を、表3に示す。ヒューバッハ酵素粉塵及び、ヒューバッハ総粉塵は、顆粒重量に対して2.85%のグリセロールを浸透させることにより、2桁違いのレベルまで低減された。
【表3】

【0068】
実施例4−トリエチレングリコールを浸透させた力学的に強固なコーティングを適用した、薄層コート及び活性成分含有顆粒に対するヒューバッハ粉塵試験

Glatto FL-1流動床コート機内に、ジェネンコア インターナショナル、インクパロアルト、カルフォルニアから市販されているプロテアーゼを含む顆粒2.2kgを装填した。この酵素顆粒は、25%の硫酸ナトリウムコア(50-70メッシュ);5%のプロテアーゼ固形物、タルク及びMazu DF6000K(Dow-Corning)の混合物;54.1%硫酸ナトリウム層と、2.4%PVA(Elavanol 51-50、Dupont、Wilmington、DE)、1%Neodol 23-6.5%(シェル)及び3%二酸化チタンの外層、から成る。該顆粒上に、10%トリエチレングリコール及び5%TiO2溶液(水1500ml中に、150グラムのトリエチレングリコール及び75グラムのTiO2を添加したもの)を、45℃から50℃の間の温度で、噴霧した。これらの顆粒は、流動化気流:8.5 cfm;噴霧圧力:40 psi;床温度:45℃から50℃;入り口空気温度:70℃から80℃;噴霧速度:10グラム/分;総適応時間:75分、の条件下でグリセロールでコーティングされた。
【0069】
これらの顆粒う各種トリエチレングリコールレベルを有するように調製し、該顆粒の酵素粉塵を、ヒューバッハ試験を用いて測定した。結果を表4に示す。ポリマーに対するトリエチレングリコールの割合は、約0.31から約2.8の間で変化した。顆粒重量に対して3.40%のトリエチレングリコールを、顆粒に浸透させることによって、ヒューバッハ酵素粉塵は、2桁違いのレベルまで低減され、ヒューバッハ総粉塵は5倍以上減らされた。
【表4】

【0070】
実施例5−グリセロールによる力学的に強固なコーティング適用したメチルセルロースコーティング及び活性成分含有顆粒に対するRIT及びヒューバッハ粉塵試験

流動床コンテナの上に、ジェネンコア インターナショナル、インク パロアルト、カルフォルニアから市販されているプロテアーゼを含む顆粒100kgを装填した。この酵素顆粒は、69%塩コア;15%のプロテアーゼ固形物及び0.5%のPVA;メチルセルロース及びTiO2及びNeodol(0.7%)から成る13%のコーティング層、より構成されている。
【0071】
流動床温度約70℃で、前記顆粒のコーティング層の上に、5%から50%の間の濃度のグリセロール溶液がスプレーされた。グリセロール溶液の適用条件は、流動化気流:32000及び33000 Nm3/hr;噴霧空気圧:40 psi;床温度:45℃から55℃;噴霧速度:509 l /時間及び1018 l /時間;総適用時間:15分であった。
【0072】
顆粒に各種グリセロールレベを有するように、グロセロールを浸透させ、グリセロール浸透顆粒の酵素粉塵は、RIT試験を用いて測定された。ポリマーに対するグリセロールの比は、0.07から0.8であった。このRIT試験は、30 mgの顆粒が、30 Hzの周波数及び3.2 m/秒の衝撃速度で30分間上下に振幅させられ、108,000回衝突をする点を除いては、上と同様に実施された。この結果は表5に示す。RIT酵素粉塵は、4%のグリセロールの添加により、約88%から95%減らされ、ヒューバッハ酵素粉塵は、4%のグリセロール添加により、低減された、一方、ヒューバッハ総粉塵は、同じコンディション下において、4倍低減された。サンプルNo.25の、ヒューバッハ酵素粉塵価は、この顆粒が、衝撃に対して鋭敏であることを示さなかった、しかしながら、サンプルNo.25のRITテストにより測定された値は、このサンプルが衝撃に対して鋭敏であることを示している。
【表5】

【0073】
実施例6−グリセロールによる力学的に強固なコーティングを適用したメチルセルロースコーティング及び活性成分含有顆粒に対するRIT粉塵テスト

実施例5と同様に、流動床コート機内に、実施例6のサンプルである、ジェネンコア インターナショナル、インク パロアルト、カルフォルニアから市販されているプロテアーゼを含んでいる顆粒100kgを装填した。この酵素顆粒は、75.5%のノンパレルコア;10.7%のプロテアーゼ固形物;任意のNeodol23-6.5-Tのオーバーコート0.8%、メチルセルロース(4.6%)、TiO2(5.8%)、PEG600(1.6%)及びNeodol 23-6.5-T(0.9%)からなる、顆粒重量に対して、13%のコーティング、より構成される。
【0074】
流動床温度約70℃で、この顆粒のコーティングの上に、5%から50%の濃度のグリセロール溶液を噴霧した。これらの顆粒は、流動空気流:32000及び33000 Nm3/hr;噴霧空気圧:40psi;床温度:45℃から55℃;噴霧速度:509 l /時間及び1018 l /時間;総適用時間:15分の、条件下でグリセロールを用いてコーティングされた。
【0075】
顆粒は4%のグリセロールを含み、これらの顆粒は、RIT試験を用いて、酵素粉塵を測定した。ポリマーに対するグリセロールの割合は、0.87であった。RIT試験は、30mgの顆粒が、30Hzの周波数及び3.2 m/秒の衝撃速度で30分間上下に振幅し、108,000回の衝突をする点を除いては、上と同様に実施された。表6に結果を示す。RIT酵素粉塵は4%のグリセロール添加により12倍にまで低められた。
【表6】

【0076】
実施例7−グリセロールの添加により転化されたT顆粒

Savinase 12 TXT (Novozymes)として販売されている、T顆粒を入手し、流動床コーティングを用いてグロセロールを添加した。RIT試験は、30mgの顆粒を用いて、プラスチック素材の硬いコンテナ内で、30 Hzの周波数及び3.2 m/秒の衝撃速度で、30分間振幅させ、108,000回衝突の条件で、行った。RITテストの結果を、表7に示す。この結果は、グリセロールコーティングをT顆粒に追加すること、RITダストを低減することができることを証明した。
【表7】

【0077】
本発明の精神及び範囲を逸脱しない、本開示の後における、当業者に明らかな、本発明の他の実施例又は変更は、添付の請求項の範囲内に含まれる。ここに参照した全ての刊行物及び特許は、それら全体を引用により本明細書に援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 活性成分及び可塑剤に可塑化される成分を有する形成顆粒を提供するステップと、
b)少なくとも50%の可塑剤が該顆粒に吸収されるまで、可塑剤のガラス転移温度より高い温度で、該顆粒に可塑剤を適用するステップから成る、力学的性質の強固な顆粒を製造する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記ステップa)が、可塑剤に可塑化される成分として、水溶性又は水懸濁性ポリマーを提供するステップであることを特徴とする、力学的性質の強固な顆粒を製造する方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記ステップb)が、分子量が1000未満であって、多価アルコール、極性有機化合物、少なくとも1のエーテル基を有する線形カルボン酸、ブチル又はジメチルフタル酸、水、エタノールホルムアミド、エタノールアセトアミド、トリエタノールアミンアセテート、ナトリウムチオシアネート及び、アンモニウムチオシアネートから選択される可塑剤を適用するステップであることを特徴とする、力学的性質の強固な顆粒を製造する方法。
【請求項4】
請求項3の方法であって、可塑剤が、グリセロール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、及びポリエチレングリコールであることを特徴とする、力学的性質の強固な顆粒を製造する方法。
【請求項5】
請求項3の方法であって、前記ステップa)が、コア内に分散する活性成分及び、コア内に分散するポリマーを提供するステップをさらに含むことを特徴とする、力学的性質の強固な顆粒を製造する方法。
【請求項6】
請求項3の方法であって、前記ステップa)が、活性成分を取り囲むフィルムを形成するポリマーを、提供するステップをさらに含むことを特徴とする、力学的性質の強固な顆粒を製造する方法。
【請求項7】
請求項3の方法であって、前記ステップb)で適用される可塑剤が、顆粒の約0.005%から約25%w/w含まれていることを特徴とする、力学的性質の強固な顆粒を製造する方法。
【請求項8】
請求項3の方法であって、活性成分が酵素であることを特徴とする、力学的性質の強固な顆粒を製造する方法。
【請求項9】
請求項3の方法であって、ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、セルロースエーテル、アルギン酸、ゼラチン、変性スターチ及びこれらの置換誘導体、加水分解物及び共重合体から選択されることを特徴とする、力学的性質の強固な顆粒を製造する方法。
【請求項10】
請求項2の方法であって、前記ステップa)が、活性剤を含む水溶性又は水懸濁性のコア物質の選択をするステップ、コア物質をポリマーを用いてコーティングするステップ、及び前記ステップb)を実行する前に、ポリマーにフィルムを形成させるステップから成ることを特徴とする、力学的性質の強固な顆粒を製造する方法。
【請求項11】
請求項2の方法であって、前記ステップa)が、水溶性又は水懸濁性コア物質を選択するステップ、活性成分でコア物質を取り囲むステップ、活性成分の上をポリマーコーティングするステップ、及びステップb)を実施する前に、ポリマーにフィルムを形成させるステップから成ることを特徴とする、力学的性質の強固な顆粒を製造する方法。
【請求項12】
請求項1の方法であって、前記ステップb)において、少なくとも可塑剤の99%が顆粒内に吸収されることを特徴とする、力学的性質の強固な顆粒を製造する方法。
【請求項13】
請求項1の方法であって、前記ステップb)が、約65℃から約90℃の温度で実施されることを特徴とする、力学的性質の強固な顆粒を製造する方法。
【請求項14】
請求項1の方法であって、前記ステップb)が、約45℃から約90℃の温度実施されることを特徴とする、力学的性質の強固な顆粒を製造する方法。
【請求項15】
請求項1の方法であって、前記ステップb)が、約65℃から約85℃の温度で実施されることを特徴とする、力学的性質の強固な顆粒を製造する方法。
【請求項16】
a)酵素及びポリマーを含む外層フィルムを有し、粉塵に対する繰り返し衝撃試験、 ヒューバッハ粉塵試験及び、エルトリエーション粉塵試験から選択される、少なくとも1の方法により測定される衝突衝撃及び剪断力に対して脆性な粒子を選択するステップと、
b)可塑剤の約50%から約100%が粒子に吸収されるまで、約45℃から約85℃の温度において、前記フィルムに可塑剤を適用するステップと、
から成る衝撃脆性粒子を衝撃耐性粒子に転化する方法。
【請求項17】
請求項16の方法であって、前記ステップa)が、コア内に拡散する酵素を有する粒子、及びコアを取り囲む外層フィルムを選択するステップであることを特徴とする、衝撃脆性粒子を衝撃耐性粒子に転化する方法。
【請求項18】
請求項16の方法であって、前記ステップa)が、コアを有する粒子、コアを取り囲む酵素及び、酵素を囲むフィルムの選択をするステップであることを特徴とする、衝撃脆性粒子を衝撃耐性粒子に転化する方法。
【請求項19】
a)顆粒コア及び活性成分を提供するステップと、
b)ポリマーを顆粒コアに適応するステップと、
c)ポリマーをフィルムに形成するステップと、
d)c)でフィルムを形成した後に、可塑剤を顆粒内に浸透させるステップ、から成る顆粒の製造方法であって、前記顆粒が、可塑剤を浸透させていない類似の顆粒と比較した場合、粉塵の発生を少なくとも35%低減することを特徴とする、衝撃力及び剪断力耐性顆粒の製造方法。
【請求項20】
請求項1の方法により作られた顆粒。
【請求項21】
請求項4の方法により作られた顆粒。
【請求項22】
請求項16の方法により作られた顆粒。
【請求項23】
請求項19の方法により作られた顆粒。
【請求項24】
コア物質、少なくとも1の活性成分、可塑化されるポリマーフィルム及び、ポリマーフィルムを取り巻く可塑剤、から成る顆粒であって、該顆粒の約0.05から約25%w/wに相当する可塑剤のうちの、50%から100%が顆粒内に浸透していることを特徴とする、力学的性質が強固な顆粒。
【請求項25】
請求項24の顆粒であって、少なくとも1の活性成分が1以上の酵素を含み、該顆粒が、顆粒中に可塑剤を浸透させていない類似の顆粒と比較して、衝撃力、圧縮力、剪断力に対して低減された粉塵価を示すことを特徴とする力学的性質が強固な顆粒。
【請求項26】
請求項25の顆粒であって、酵素粉塵試験により測定される粉塵価が、顆粒中に可塑剤を浸透させていない類似の顆粒と比較して、少なくとも25%から少なくとも99%低減されていることを特徴とする力学的性質が強固な顆粒。
【請求項27】
請求項25の顆粒であって、1以上の酵素が、コア物質内に分散し、可塑化されるポリマーがコア物質を取り囲んでいることを特徴とする力学的性質が強固な顆粒。
【請求項28】
請求項25の顆粒であって、1以上の酵素がコア物質を取り囲み、可塑化されるポリマーがコア物質を取り囲んでいることを特徴とする力学的性質が強固な顆粒。
【請求項29】
請求項25の顆粒であって、可塑剤の少なくとも95%が、顆粒内に浸透していることを特徴とする力学的性質が強固な顆粒。
【請求項30】
請求項25の顆粒を含む、洗浄製品組成物。
【請求項31】
請求項25の顆粒を含むパーソナルケア製品組成物。

【公表番号】特表2006−512477(P2006−512477A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510075(P2005−510075)
【出願日】平成15年12月24日(2003.12.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/041638
【国際公開番号】WO2004/058933
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(505088721)ジェネンコー・インターナショナル・インク (7)
【Fターム(参考)】