力学量検出センサ
【課題】検出感度が高く、梁の破損を防止できる力学量検出センサを提供すること。
【解決手段】矩形枠状の枠体11と、枠体11の内側に配置された変位部12と、枠体12と変位部12との間にそれぞれ位置し、変位部12を揺動自在に支持する複数の梁部13と、複数の梁部13の撓み量に基づいて力学量に応じた信号を出力する複数の検出素子17とを備え、平面視において、梁部13の外側面と枠体11との内側面との間隔が、それぞれ変位部12と枠体11との間に位置する梁部13の揺動時の支点となる位置から離間方向に狭くなるように形成した。
【解決手段】矩形枠状の枠体11と、枠体11の内側に配置された変位部12と、枠体12と変位部12との間にそれぞれ位置し、変位部12を揺動自在に支持する複数の梁部13と、複数の梁部13の撓み量に基づいて力学量に応じた信号を出力する複数の検出素子17とを備え、平面視において、梁部13の外側面と枠体11との内側面との間隔が、それぞれ変位部12と枠体11との間に位置する梁部13の揺動時の支点となる位置から離間方向に狭くなるように形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の3軸方向の加速度を検出可能な力学量検出センサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車産業や機械産業では、加速度を正確に検出できる小型の加速度センサの需要が高まっている。このような加速度センサとして、梁部に支持された錘部の揺動に応じて加速度を検出する加速度センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる加速度センサは、開口部を有する支持部と、支持部の開口部の中に収納された錘部と、錘部を支持部の開口部内に間に揺動自在に支持する梁部とを備えて構成される。梁部には、梁部の撓みを受けて加速度を検出する検出素子が設けられている。
【0004】
支持部の開口部及び開口部の内側に位置する錘部は、それぞれ平面視において、矩形状に形成され、錘部の外側面と開口部の内側面とが全周にわたって平行になるように形成されている。このように構成された加速度センサに加速度が作用した場合、慣性力の作用により、錘部が支持部の開口部内で揺動し、梁部が撓み変形して検出素子により加速度が検出される。加速度の検出感度は、梁部の撓みによって変化し、梁部の撓みを大きくすることにより、加速度の検出感度を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−95264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の加速度センサでは、大きな加速度が作用し、梁部が一定以上撓むと梁部が撓みの限界を超えて破損する問題があった。また、加速度の検出感度を上げるべく、梁部を薄くして梁部の撓みを増やした場合、梁部が更に破損しやすくなり、加速度検出感度の向上に限界があった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、検出感度が高く、梁の破損を防止できる力学量検出センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の力学量検出センサは、開口部を有する支持部と、前記支持部の開口部の内側に位置し、前記支持部の内側面に対向する外側面を有する錘部と、対向する前記支持部の2以上の内側面と前記錘部の2以上の外側面との間に位置し、前記錘部を揺動自在に支持する複数の梁部と、前記複数の梁部の撓み量に基づいて力学量に応じた信号を出力する複数の検出素子とを備え、平面視において、少なくとも前記梁部が位置する前記梁部の各外側面と前記支持部の各内側面との間隔が、前記複数の梁部の揺動時の支点となる位置から離間方向に狭くなるようにそれぞれ形成されたことを特徴とする力学量検出センサ。
【0009】
この構成によれば、力学量検出センサに力が作用して錘が変位した際、所定値以上の力学量が作用した場合には、梁部の撓みが制限されるので、梁部の破損を防止できる。また、梁部を薄く形成しても梁部の破損を防止できるので、検出感度が高い力学量検出センサを得ることができる。
【0010】
本発明の力学量検出センサは、開口部を有する支持部と、前記支持部の開口部の内側に位置し、前記支持部の内側面に対向する外側面を有する錘部と、前記支持部の各内側面と前記錘部の各外側面との間において、前記錘部の外側面に沿って半周以上延在し、前記錘部を揺動自在に支持する1つの梁部と、前記1つの梁部の撓み量に基づいて力学量に応じた信号を出力する検出素子とを備え、平面視において、前記梁部は、前記錘部の2つの角部に対応する位置で屈折し、前記支持部との接続部分および屈折部分を支点として揺動するように構成され、少なくとも前記梁部が位置する前記梁部の各外側面と前記支持部の各内側面との間隔が、それぞれ前記錘部の外側面と前記支持部の内側面との間に位置する前記梁部の揺動時の支点となる位置から離間方向に狭くなるように形成されたことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、力学量検出センサに力が作用して錘が変位した際、所定値以上の力学量が作用した場合には、梁部の撓みが制限されるので、梁部の破損を防止できる。また、梁部を薄く形成しても梁部の破損を防止できるので、検出感度が高い力学量検出センサを得ることができる。
【0012】
本発明の力学量検出センサは、開口部を有する支持部と、前記支持部の開口部の内側に位置し、前記支持部の内側面に対向する外側面を有する錘部と、前記錘部を揺動自在に支持する1つの梁部と、前記梁部の変位量に基づいて力学量に応じた信号を出力する検出素子とを備え、平面視において、前記梁部と前記支持部の各内側面との間隔が、前記梁部と前記支持部の内側面との間に位置する前記梁部の変位時の支点となる位置から離間方向に狭くなるように形成されたことを特徴とする力学量検出センサ。
【0013】
この構成によれば、力学量検出センサに力が作用して錘が変位した際、所定値以上の力学量が作用した場合には、梁部の撓みが制限されるので、梁部の破損を防止できる。また、梁部を薄く形成しても梁部の破損を防止できるので、検出感度が高い力学量検出センサを得ることができる。さらに、梁部の数を1つにすることにより、梁部の撓み量を大きくすることができるので、検出感度を向上させることができると共に、梁部の破損を防止できる。
【0014】
本発明は、上記力学量検出センサにおいて、前記梁部の側面及び前記支持部の内側面の少なくともいずれか一方に前記梁部の撓み量を制限する凸状部が形成されたことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、梁部の撓みを凸状部によって制限できるので、梁の破損を防止できると共に、検出感度が高い力学量検出センサを得ることができる。
【0016】
本発明は、上記力学量検出センサにおいて、前記錘部の外側面に前記梁部の撓み量を制限する凸状部が形成されたことを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、錘の内側面に凸状部を設けることにより、梁の撓みを制限できるので、梁の破損を防止できると共に、検出感度が高い力学量検出センサを得ることができる。
【0018】
本発明は、上記力学量検出センサにおいて、前記検出素子は、圧電素子であることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、検出感度が高く、梁の破損を防止できる力学量検出センサを提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの上面模式図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの断面図である。
【図5】(a)錘部がX軸及びY軸回りに回動する際の検出動作説明図であり、(b)錘部がZ軸方向に直動する際の検出動作説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの加工プロセスの一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る力学量検出センサのY軸方向に慣性力が作用した時の錘部の揺動状態の一例を示す図である。
【図8】本発明に係る力学量検出センサの変形例を示す図である。
【図9】本発明に係る力学量検出センサの他の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの分解斜視図である。
【0022】
図1および図2に示すように、力学量検出センサ1は、第1の半導体基板2と第2の半導体基板3とを絶縁層4を介して接合して構成されている。力学量検出センサ1は、例えば、第1の半導体基板2をシリコン層、絶縁層4を酸化シリコン層、第2の半導体基板3をシリコン層とした3層構造をなすSOI(Silicon On Insulator)基板を用いて製造可能である。
【0023】
第1の半導体基板2は、第2の半導体基板3と比較して相対的に薄板状のシリコン層で構成され、矩形枠状の枠体11と、枠体11の内側に配置された変位部12と、枠体11の四辺と変位部12とを接続する4つの梁部13とが形成されている。枠体11、変位部12及び梁部13は、第1の半導体基板2をエッチングにより変位部12の周囲に上面視略L字状の4つの開口を設けることで形成される。枠体11と梁部13の間隔は、梁部13の枠体11との接続部側の間隔より、梁部13と変位部12との接続側の間隔が狭くなるように、凸部14が形成されている。
【0024】
枠体11は、略L字状の4つの開口により変位部12を囲うように形成されている。変位部12は、略正方形状に形成され、枠体11の枠内中央に配置されている。4つの梁部13は、それぞれ枠体11の一辺から対向辺に向かって延在する長尺部15と、長尺部15に連なり、変位部12の隣接する2辺の接合する角部に接続される接続部16とから構成される。このように、4つの梁部13は、長尺部15を有しているため、撓み易い構成となっている。
【0025】
各梁部13の上面には、枠体11との接続部分に位置してそれぞれ検出素子17が設けられており、この検出素子17により各梁部13の撓み量が検出される。検出素子17は、圧電素子で構成され、図示しない下地膜の上面に、下部電極、圧電体膜、上部電極の順に蒸着等により成膜することで形成される。検出素子17は、梁部13に生じた撓みにより変形し、この変形による圧力を電圧に変換して出力する。
【0026】
第2の半導体基板3には、第1の半導体基板2と比較して相対的に厚板状のシリコン層で構成され、矩形状の開口部23を有する支持部21と、開口部23の内側に配置される錘部22とが形成されている。支持部21および錘部22は、第2の半導体基板3をエッチングにより錘部22の周囲に矩形枠状の開口を設けることで形成される。
【0027】
支持部21は、上面視において枠体11に対応した形状を有しており、枠体11の下面に絶縁層4を介して接合されている。錘部22は、略直方体形状に形成されており、変位部12の下面に絶縁層4を介して接合されている。このように、錘部22は支持部21の開口部23の内側において、変位部12を介して4つの梁部13により揺動自在に支持される。よって、錘部22の重心位置に慣性力が作用すると、X軸回りの回動、Y軸回りの回動、Z軸方向の直動が可能となっている。
【0028】
次に、図3および図4を参照して、力学量検出センサの構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの上面模式図であり、図4は、図3のA−A線に沿う鉛直断面の模式図である。
【0029】
図3に示すように、錘部22は、変位部12を介して4つの梁部13により枠体11に支持されており、梁部13と枠体11との4箇所の接続部分を支点として揺動可能に構成されている。この場合、水平面上において、錘部22は、それぞれ対応する梁部13と枠体11との接続部分を支点として変位するため、この支点から離間するにつれて変位量が大きくなる。これに伴って、各梁部13の撓みも枠体11と梁部13との接続部分から離間するにつれて大きくなる。したがって、水平面上において、梁部13の撓み量は、梁部13と枠体11との接続部分から最も離間した位置で最大となる。
【0030】
また、枠体11の各内側面には、それぞれ対向する梁部13に向かって凸部14が形成されている。各凸部14は、平面視において梁部13に沿って延在し、この梁部13の枠体11との接続部分から離間するにつれて、梁部13の外側面との間隔が狭くなるように形成されている。すなわち、水平面上において、各凸部14は、梁部13の撓み量が小さい側では小さく、梁部13の撓み量が大きい側では、大きく形成されている。このように構成することにより、大きな加速度が作用し、梁部13が撓み変形した際には、梁部13と凸部14とが接触する。このため、梁部13の撓み量を梁部13と凸部14との接触によって制限することができ、梁部13の撓みによる梁部13の破損を防止することができる。特に梁部13の撓み量が大きい側に凸部14が大きく形成されているので、梁部13が撓み変形した際には、大きく撓む部分が梁部13に当接する。このため、破損しやすい梁部13の撓む部分の破損を防止することができる。
【0031】
尚、本実施の形態においては、凸部14の形状を変更することにより、梁部13の撓み量を調整することができる。例えば、凸部14を梁部13に対向する方向に大きく形成することにより、梁部13の撓み量を小さく制限することができる。また、凸部14を梁部13に対向する方向に小さく形成することにより、加速度の検出範囲を拡大させることができる。
【0032】
また、図4に示すように、錘部22は、変位部12を介して上端部分を梁部13により支持され、梁部13の枠体11の内側面と対向する部分には凸部14が形成されている。凸部14の下面には、錘部22が変位する開口部23が形成されている。このように構成することにより、所定値以下の加速度が作用した場合には、錘部22の揺動を制限することなく、梁部13が撓んで加速度を検出することができ、所定値を超える加速度が作用した場合には、梁部13が撓んで凸部14と接触することにより梁部13の撓み量が制限され、梁部13の破損を防止することができる。
【0033】
尚、本実施の形態においては、凸部14を枠体11の内側面に設ける構成としたが、梁部13の撓み量を制限できる場所であれば凸部14の位置は、特に制限されない。例えば、凸部14を梁部13上の枠体11との対向面に設けることもできる。この場合、梁部13上に形成された凸部14と枠体11とが接触することにより、梁部13の撓みを制限し、梁部13の破損を防止することができる。また、凸部14を支持部21と錘部22との対向面の支持部21側または錘部22側に設けることもできる。この場合、支持部21又は錘部22上に形成された凸部14が支持部21または錘部22と接触することにより、錘部22の変位量を制限する。このように構成することにより、間接的に梁部13の撓み量を制限できるので、梁部13の破損を防止することができる。
【0034】
このように、枠体11の内側面には、梁部13の撓み量に対応して凸部14が形成されているため、大きな加速度が作用した際に、梁部13の撓み量を梁部13が破損しない一定量に制限でき、梁部13の破損を防止することができる。また、梁部13は、平面視において、枠体11内側面の梁部13と枠体11との接続部分を避けるように形成されている(図3参照)。この構成により、枠体11と、梁部13と枠体11との接続部分において支持部21に対して枠体11がはみ出ることを防止して、本来、バネとして機能しない枠体11の一部が梁部13と共にバネとして機能するのを防止し、センサ感度のばらつきを抑えることが可能となる。
【0035】
次に、図5を参照して、力学量検出センサの動作について説明する。図5は、力学量検出センサの検出動作を示す模式図であり、(a)は錘部がX軸、Y軸回りに回動する際の検出動作説明図であり、(b)は錘部がZ軸方向に直動する際の検出動作説明図である。
【0036】
図5(a)に示すように、力学量検出センサ1に対して加速度が働いて、錘部22に対してY軸方向に慣性力が作用すると、錘部22はX軸回りに回動する。このとき、梁部13a、13bの変位部12側がZ軸方向下方に移動して、梁部13a、13bの枠体11側(検出素子17a、17b側)にZ方向上方に力が作用する。また、梁部13c、13dの変位部12側がZ軸方向上方に移動して、梁部13c、13dの枠体11側(検出素子17c、17d側)にZ軸方向下方に力が作用する。そして、梁部13a、13bの枠体11側はZ軸方向上方に膨らむように撓み、梁部13c、13dの枠体11側はZ軸方向下方に沈むように撓む。
【0037】
検出素子17a、17bは、それぞれ梁部13a、13bの枠体11側の撓みに合わせてZ軸方向上方に膨らむように変形し、変形に応じた電圧を出力する。また、検出素子17c、dは、それぞれ梁部13c、13dの枠体11側の撓みに合わせてZ軸方向下方に沈むように変形し、変形に応じた電圧を出力する。各検出素子17a、17b、17c、17dから出力された電圧は、図示しない演算回路において演算され、加速度が算出される。
【0038】
なお、錘部22に対してX軸方向に慣性力が作用し、錘部22がY軸回りに回動する場合には、梁部13b、13cの枠体11側にZ軸方向上方に力が作用し、梁部13a、13dの枠体11側にZ軸方向下方に力が作用する。したがって、検出素子17b、cは、それぞれ梁部13b、13cの枠体11側の撓みに合わせてZ軸方向上方に膨らむように変形し、検出素子17a、17dは、それぞれ梁部13a、13dの枠体11側の撓みに合わせてZ軸方向下方に沈むように変形する。
【0039】
図5(b)に示すように、力学量検出センサ1に対して加速度が働いて、錘部22に対してZ軸方向下方に慣性力が作用すると、錘部22はZ軸方向下方に直動する。このとき、梁部13a、13b、13c、13dの変位部12側がZ軸方向下方に移動して、梁部13a、13b、13c、13dの枠体11側にZ軸方向上方に力が作用する。そして、梁部13a、13b、13c、13dの枠体11側はZ軸方向上方に膨らむように撓み、検出素子17a、17b、17c、17dもZ軸方向上方に膨らむように変形する。そして、各検出素子17a、17b、17c、17dから出力された電圧は、図示しない演算回路において演算され、加速度が算出される。
【0040】
次に、図6を参照して、力学量検出センサの加工プロセスの一例について説明する。図6は、本発明の実施の形態に係る加工プロセスの一例を説明するための図である。
【0041】
図6(a)に示すように、第1の半導体基板2、絶縁層4、第2の半導体基板3を積層したSOI基板を準備し、第1の半導体基板2の上面にサポート基板31が配置される。次に、図6(b)に示すように、第2の半導体基板3の下面が研磨され薄化されると共に、第2の半導体基板3がフォトリソグラフィおよびエッチングにより加工されて支持部21および錘部22が形成される。
【0042】
次に、図6(c)に示すように、ベース基板32がフォトリソグラフィおよびエッチングにより加工されてキャビティ33が形成され、第2の半導体基板3の下面に接合される。次に、図6(d)に示すように、第1の半導体基板2の上面からサポート基板31が剥離され、第1の半導体基板2の上面が研磨されて所望の厚みに薄化される。次に、図6(e)に示すように、第1の半導体基板2の上面にスパッタリングにより金属材および圧電材が被着され、フォトリソグラフィおよびエッチングによりパターンニングされて検出素子17が形成される。
【0043】
次に、図6(f)に示すように、第1の半導体基板2および絶縁層4がフォトリソグラフィおよびエッチングにより加工されて枠体11、変位部12、梁部13が形成される。このとき、枠体11の梁部13と対向する部分には、図3および図4に示す凸部14が形成される。このようにして、図1に示す力学量検出センサ1を得ることが可能となる。
【0044】
ここで、図7(a)、(b)を参照して、Y軸正方向に慣性力が作用したときの錘部22の揺動状態について説明する。図7(a)、(b)は、Y軸方向に慣性力が作用したときの錘部22の揺動状態の一例を示す平面図である。尚、ここでは、Y軸正方向に慣性力が作用した場合を例示して説明するが、X軸正方向、Z軸正方向に慣性力が作用した場合にも同様な効果を得ることができる。
【0045】
図7(a)に示すように、錘部22の揺動を水平面上でみた場合、錘部22に対しY軸正方向に慣性力が作用すると、錘部22はY軸正方向に揺動すると共に、Z軸回りに僅かに回動する。この場合、各梁部13a〜13dは、対応する各梁部13a〜13dと枠体11との接続部分を支点として図中の矢印の方向に撓むため、この支点から最も離間した位置において撓み量が最大となる。また、錘部22にはY軸正方向に慣性力が作用しているため、梁部13aの図示左端が最も枠体11に接近する。各梁部13a〜13dの側面に対向する枠体11の各凸部14a〜14dは、図示左側において最も大きく形成されているため、所定値の加速度が作用した時に各梁部13a〜13dと各凸部14a〜14dとが接触し、各梁部13a〜13dの撓み量が制限される。
【0046】
図7(b)に示すように、錘部22が所定値以上の加速度の作用を受けた場合、梁部13aがY軸方向に撓み、梁部13aと凸部14aとが接触する。このように、梁部13aと凸部14とが接触することにより、梁部13aの接触が制限され、梁部13aの破損を防止することができる。また、同図に示すように各梁部13a〜13dと対応する各凸部14a〜14dとの間隔を各梁部13a〜13dの撓み量に合わせて変化させることにより、各梁部13a〜13dと各凸部14a〜14dとの接触点で行うことができる。このように形成することにより各梁部13a〜13dが各凸部14a〜14dに張り付くことを防止することができる。
【0047】
以上のように、本実施の形態に係る力学量検出センサ1によれば、梁部13と凸部14との接触により、梁部13の撓み量を制限することができるので、梁部13の撓みによる梁部13の破損を防止することができる。また、梁部13の撓み量を所定の範囲に制限できるので、梁部13を薄く形成した場合においても、所定値以上の加速度の作用による梁部13の破損を防止でき、検出感度の高い力学量検出センサを構成することができる。
【0048】
なお、上記した実施の形態においては、4つの梁を備えた力学量検出線センサを例示して説明したが、この構成に限定されるものではない。梁により錘部を支持する構成であればよく、例えば、図8(a)、(b)に示すような1つの梁で構成された力学量検出センサに適用可能である。
【0049】
図8(a)、(b)に示すように、1つの梁で構成された力学量検出センサは、変位部41(図示されない錘部を含む)の外周面に沿って変位部41の外周面の半周以上延在され、変位部41と枠体42とを接続する梁部43を備えて構成される。この構成において、変位部41は、枠体42と梁部43の接続部分を支点として上下左右に揺動するように構成される。
【0050】
図8(a)に示す例は、梁部43の破損を防止するため、枠体42の形状を調整した例である。本例においては、枠体42の形状は、枠体42と梁部43との接続部分を有する内側面44側から梁部43が延在される方向に向かって枠体42の内側面44と梁部43との間の間隔が狭くなるように形成されている。
【0051】
一方、図8(b)に示す例は、梁部43の破損を防止するため、梁部43の形状を調整した例である。本例においては、枠体42の開口部45が矩形状に形成される。梁部43の形状は、枠体42と梁部43との接続部分から離れるにつれて、梁部43の撓み量の大きい部分が枠体42の開口部45に接近するように形成されている。
【0052】
このように構成することにより、1つの梁で構成された力学量検出センサにおいても、梁部43の左右方向の撓み量が大きい側で梁部43と枠体42との間隔を狭くすることができる。このため、梁部43の撓み量を枠体42と梁部43との接触により制限することができるので、梁部43の撓みによる梁部43の破損を防止することができる。また、図8(b)に示す例では、枠体42に凸部を設けることなく、枠体42の形状を変更した例である。このように、梁部43の撓み量の大きい側を枠体42との間隔が狭くなるように、梁部43を形成することによっても梁部43の破損を防止することができる。
【0053】
また、図9(a)、(b)に示すように、本発明を2つの梁部73により支持する二つの梁で構成された力学量検出センサに適用することもできる。図9(a)、(b)に示す例は、変位部71の外周面に沿って延在され、変位部71(図示されない錘部を含む)と枠体72とを接続する2つの梁部73を備えて構成される。この構成において、変位部71は、対向する2つの外周面を梁部73によって支持され、枠体72と梁部73の接続部分を支点として上下左右に揺動するように構成される。
【0054】
図9(a)に示す例は、梁部73a、73bの破損を防止するため、枠体72の形状を調整した例である。本例においては、枠体72と梁部73a、73bとの接続部分から離れるにつれて、枠体72と梁部73a、73bとの間の間隔が狭くなるように、枠体72上に凸部74a、74bが形成されている。
【0055】
一方、図9(b)に示す例は、梁部73の破損を防止するため、梁部73の形状を調整した例である。本例においては、枠体72の開口部75が矩形状に形成される。梁部73の形状は、枠体72と梁部73との接続部分から離れるにつれて、枠体72と梁部73との間隔が狭くなるように形成される。
【0056】
このように構成することにより、2つの梁で構成された力学量検出センサにおいても、梁部73の左右方向の撓み量が大きい側で梁部73と枠体72との間隔を狭くすることができる。このため、梁部73の撓み量を枠体42と梁部73との接触により制限することができるので、梁部73の撓みによる梁部73の破損を防止することができる。また、図9(b)に示す例では、枠体72に凸部を設けることなく、枠体72の形状を任意に変更することにより、梁部73の破損を防止することができる。尚、図9(b)の構成は、4つの梁を備えた力学量検出センサに適用することもできる。
【0057】
上記した実施の形態においては、枠体11、42、72の内側面に凸部を形成して梁部13、43の破損を抑制する構成としたが、梁部13、43、73の側面に凸部を形成する構成としても良い。また、梁部13、43、73と枠体11、42、72の双方に凸部を形成する構成としてもよい。
【0058】
また、上記した実施の形態においては、水平面上において梁部13、43、73の撓み量の大きさに合わせて、凸部を形成する構成としたが、この構成に限定されるものではない。梁部13、43、73の側面の変位を規制して梁部13、43、73の破損を回避可能な構成であればよく、例えば、変位部12、41、71の変位を制限して間接的に梁部13、43、73の破損を防止するように構成しても良い。
【0059】
以上のように、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサによれば、加速度の作用による梁部の撓みを梁部と枠体との接触によって制限できるので、梁部の撓みによる梁部の破損を防止できる。また、梁部の撓み量の最大値を制御でき、梁部を薄く形成しても梁部を破損することがないので、力学量検出センサの検出感度を向上させることができる。
【0060】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。例えば、錘は直方体に限らず多角柱、円柱など、種々の形状を用いることができる。また、梁部の形状に関しても、矩形状の形状以外にも多角柱、円柱等、種々形状の梁部を用いることができる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変形実施可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、エアバックを作動させるための加速度センサや、あるいは、携帯機器の加速度センサ等、互いに直交する3軸方向の力学量検出センサに有用である。
【符号の説明】
【0062】
1 力学量検出センサ
2 第1の半導体基板
3 第2の半導体基板
4 絶縁層
11、42、72 枠体
12、41、71 変位部
13、43、73 梁部
15 長尺部
16 接続部
17 検出素子
21 支持部
22 錘部
23、45、75 開口部
31 サポート基板
32 ベース基板
33 キャビティ
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の3軸方向の加速度を検出可能な力学量検出センサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車産業や機械産業では、加速度を正確に検出できる小型の加速度センサの需要が高まっている。このような加速度センサとして、梁部に支持された錘部の揺動に応じて加速度を検出する加速度センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる加速度センサは、開口部を有する支持部と、支持部の開口部の中に収納された錘部と、錘部を支持部の開口部内に間に揺動自在に支持する梁部とを備えて構成される。梁部には、梁部の撓みを受けて加速度を検出する検出素子が設けられている。
【0004】
支持部の開口部及び開口部の内側に位置する錘部は、それぞれ平面視において、矩形状に形成され、錘部の外側面と開口部の内側面とが全周にわたって平行になるように形成されている。このように構成された加速度センサに加速度が作用した場合、慣性力の作用により、錘部が支持部の開口部内で揺動し、梁部が撓み変形して検出素子により加速度が検出される。加速度の検出感度は、梁部の撓みによって変化し、梁部の撓みを大きくすることにより、加速度の検出感度を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−95264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の加速度センサでは、大きな加速度が作用し、梁部が一定以上撓むと梁部が撓みの限界を超えて破損する問題があった。また、加速度の検出感度を上げるべく、梁部を薄くして梁部の撓みを増やした場合、梁部が更に破損しやすくなり、加速度検出感度の向上に限界があった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、検出感度が高く、梁の破損を防止できる力学量検出センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の力学量検出センサは、開口部を有する支持部と、前記支持部の開口部の内側に位置し、前記支持部の内側面に対向する外側面を有する錘部と、対向する前記支持部の2以上の内側面と前記錘部の2以上の外側面との間に位置し、前記錘部を揺動自在に支持する複数の梁部と、前記複数の梁部の撓み量に基づいて力学量に応じた信号を出力する複数の検出素子とを備え、平面視において、少なくとも前記梁部が位置する前記梁部の各外側面と前記支持部の各内側面との間隔が、前記複数の梁部の揺動時の支点となる位置から離間方向に狭くなるようにそれぞれ形成されたことを特徴とする力学量検出センサ。
【0009】
この構成によれば、力学量検出センサに力が作用して錘が変位した際、所定値以上の力学量が作用した場合には、梁部の撓みが制限されるので、梁部の破損を防止できる。また、梁部を薄く形成しても梁部の破損を防止できるので、検出感度が高い力学量検出センサを得ることができる。
【0010】
本発明の力学量検出センサは、開口部を有する支持部と、前記支持部の開口部の内側に位置し、前記支持部の内側面に対向する外側面を有する錘部と、前記支持部の各内側面と前記錘部の各外側面との間において、前記錘部の外側面に沿って半周以上延在し、前記錘部を揺動自在に支持する1つの梁部と、前記1つの梁部の撓み量に基づいて力学量に応じた信号を出力する検出素子とを備え、平面視において、前記梁部は、前記錘部の2つの角部に対応する位置で屈折し、前記支持部との接続部分および屈折部分を支点として揺動するように構成され、少なくとも前記梁部が位置する前記梁部の各外側面と前記支持部の各内側面との間隔が、それぞれ前記錘部の外側面と前記支持部の内側面との間に位置する前記梁部の揺動時の支点となる位置から離間方向に狭くなるように形成されたことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、力学量検出センサに力が作用して錘が変位した際、所定値以上の力学量が作用した場合には、梁部の撓みが制限されるので、梁部の破損を防止できる。また、梁部を薄く形成しても梁部の破損を防止できるので、検出感度が高い力学量検出センサを得ることができる。
【0012】
本発明の力学量検出センサは、開口部を有する支持部と、前記支持部の開口部の内側に位置し、前記支持部の内側面に対向する外側面を有する錘部と、前記錘部を揺動自在に支持する1つの梁部と、前記梁部の変位量に基づいて力学量に応じた信号を出力する検出素子とを備え、平面視において、前記梁部と前記支持部の各内側面との間隔が、前記梁部と前記支持部の内側面との間に位置する前記梁部の変位時の支点となる位置から離間方向に狭くなるように形成されたことを特徴とする力学量検出センサ。
【0013】
この構成によれば、力学量検出センサに力が作用して錘が変位した際、所定値以上の力学量が作用した場合には、梁部の撓みが制限されるので、梁部の破損を防止できる。また、梁部を薄く形成しても梁部の破損を防止できるので、検出感度が高い力学量検出センサを得ることができる。さらに、梁部の数を1つにすることにより、梁部の撓み量を大きくすることができるので、検出感度を向上させることができると共に、梁部の破損を防止できる。
【0014】
本発明は、上記力学量検出センサにおいて、前記梁部の側面及び前記支持部の内側面の少なくともいずれか一方に前記梁部の撓み量を制限する凸状部が形成されたことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、梁部の撓みを凸状部によって制限できるので、梁の破損を防止できると共に、検出感度が高い力学量検出センサを得ることができる。
【0016】
本発明は、上記力学量検出センサにおいて、前記錘部の外側面に前記梁部の撓み量を制限する凸状部が形成されたことを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、錘の内側面に凸状部を設けることにより、梁の撓みを制限できるので、梁の破損を防止できると共に、検出感度が高い力学量検出センサを得ることができる。
【0018】
本発明は、上記力学量検出センサにおいて、前記検出素子は、圧電素子であることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、検出感度が高く、梁の破損を防止できる力学量検出センサを提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの上面模式図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの断面図である。
【図5】(a)錘部がX軸及びY軸回りに回動する際の検出動作説明図であり、(b)錘部がZ軸方向に直動する際の検出動作説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの加工プロセスの一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る力学量検出センサのY軸方向に慣性力が作用した時の錘部の揺動状態の一例を示す図である。
【図8】本発明に係る力学量検出センサの変形例を示す図である。
【図9】本発明に係る力学量検出センサの他の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの分解斜視図である。
【0022】
図1および図2に示すように、力学量検出センサ1は、第1の半導体基板2と第2の半導体基板3とを絶縁層4を介して接合して構成されている。力学量検出センサ1は、例えば、第1の半導体基板2をシリコン層、絶縁層4を酸化シリコン層、第2の半導体基板3をシリコン層とした3層構造をなすSOI(Silicon On Insulator)基板を用いて製造可能である。
【0023】
第1の半導体基板2は、第2の半導体基板3と比較して相対的に薄板状のシリコン層で構成され、矩形枠状の枠体11と、枠体11の内側に配置された変位部12と、枠体11の四辺と変位部12とを接続する4つの梁部13とが形成されている。枠体11、変位部12及び梁部13は、第1の半導体基板2をエッチングにより変位部12の周囲に上面視略L字状の4つの開口を設けることで形成される。枠体11と梁部13の間隔は、梁部13の枠体11との接続部側の間隔より、梁部13と変位部12との接続側の間隔が狭くなるように、凸部14が形成されている。
【0024】
枠体11は、略L字状の4つの開口により変位部12を囲うように形成されている。変位部12は、略正方形状に形成され、枠体11の枠内中央に配置されている。4つの梁部13は、それぞれ枠体11の一辺から対向辺に向かって延在する長尺部15と、長尺部15に連なり、変位部12の隣接する2辺の接合する角部に接続される接続部16とから構成される。このように、4つの梁部13は、長尺部15を有しているため、撓み易い構成となっている。
【0025】
各梁部13の上面には、枠体11との接続部分に位置してそれぞれ検出素子17が設けられており、この検出素子17により各梁部13の撓み量が検出される。検出素子17は、圧電素子で構成され、図示しない下地膜の上面に、下部電極、圧電体膜、上部電極の順に蒸着等により成膜することで形成される。検出素子17は、梁部13に生じた撓みにより変形し、この変形による圧力を電圧に変換して出力する。
【0026】
第2の半導体基板3には、第1の半導体基板2と比較して相対的に厚板状のシリコン層で構成され、矩形状の開口部23を有する支持部21と、開口部23の内側に配置される錘部22とが形成されている。支持部21および錘部22は、第2の半導体基板3をエッチングにより錘部22の周囲に矩形枠状の開口を設けることで形成される。
【0027】
支持部21は、上面視において枠体11に対応した形状を有しており、枠体11の下面に絶縁層4を介して接合されている。錘部22は、略直方体形状に形成されており、変位部12の下面に絶縁層4を介して接合されている。このように、錘部22は支持部21の開口部23の内側において、変位部12を介して4つの梁部13により揺動自在に支持される。よって、錘部22の重心位置に慣性力が作用すると、X軸回りの回動、Y軸回りの回動、Z軸方向の直動が可能となっている。
【0028】
次に、図3および図4を参照して、力学量検出センサの構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの上面模式図であり、図4は、図3のA−A線に沿う鉛直断面の模式図である。
【0029】
図3に示すように、錘部22は、変位部12を介して4つの梁部13により枠体11に支持されており、梁部13と枠体11との4箇所の接続部分を支点として揺動可能に構成されている。この場合、水平面上において、錘部22は、それぞれ対応する梁部13と枠体11との接続部分を支点として変位するため、この支点から離間するにつれて変位量が大きくなる。これに伴って、各梁部13の撓みも枠体11と梁部13との接続部分から離間するにつれて大きくなる。したがって、水平面上において、梁部13の撓み量は、梁部13と枠体11との接続部分から最も離間した位置で最大となる。
【0030】
また、枠体11の各内側面には、それぞれ対向する梁部13に向かって凸部14が形成されている。各凸部14は、平面視において梁部13に沿って延在し、この梁部13の枠体11との接続部分から離間するにつれて、梁部13の外側面との間隔が狭くなるように形成されている。すなわち、水平面上において、各凸部14は、梁部13の撓み量が小さい側では小さく、梁部13の撓み量が大きい側では、大きく形成されている。このように構成することにより、大きな加速度が作用し、梁部13が撓み変形した際には、梁部13と凸部14とが接触する。このため、梁部13の撓み量を梁部13と凸部14との接触によって制限することができ、梁部13の撓みによる梁部13の破損を防止することができる。特に梁部13の撓み量が大きい側に凸部14が大きく形成されているので、梁部13が撓み変形した際には、大きく撓む部分が梁部13に当接する。このため、破損しやすい梁部13の撓む部分の破損を防止することができる。
【0031】
尚、本実施の形態においては、凸部14の形状を変更することにより、梁部13の撓み量を調整することができる。例えば、凸部14を梁部13に対向する方向に大きく形成することにより、梁部13の撓み量を小さく制限することができる。また、凸部14を梁部13に対向する方向に小さく形成することにより、加速度の検出範囲を拡大させることができる。
【0032】
また、図4に示すように、錘部22は、変位部12を介して上端部分を梁部13により支持され、梁部13の枠体11の内側面と対向する部分には凸部14が形成されている。凸部14の下面には、錘部22が変位する開口部23が形成されている。このように構成することにより、所定値以下の加速度が作用した場合には、錘部22の揺動を制限することなく、梁部13が撓んで加速度を検出することができ、所定値を超える加速度が作用した場合には、梁部13が撓んで凸部14と接触することにより梁部13の撓み量が制限され、梁部13の破損を防止することができる。
【0033】
尚、本実施の形態においては、凸部14を枠体11の内側面に設ける構成としたが、梁部13の撓み量を制限できる場所であれば凸部14の位置は、特に制限されない。例えば、凸部14を梁部13上の枠体11との対向面に設けることもできる。この場合、梁部13上に形成された凸部14と枠体11とが接触することにより、梁部13の撓みを制限し、梁部13の破損を防止することができる。また、凸部14を支持部21と錘部22との対向面の支持部21側または錘部22側に設けることもできる。この場合、支持部21又は錘部22上に形成された凸部14が支持部21または錘部22と接触することにより、錘部22の変位量を制限する。このように構成することにより、間接的に梁部13の撓み量を制限できるので、梁部13の破損を防止することができる。
【0034】
このように、枠体11の内側面には、梁部13の撓み量に対応して凸部14が形成されているため、大きな加速度が作用した際に、梁部13の撓み量を梁部13が破損しない一定量に制限でき、梁部13の破損を防止することができる。また、梁部13は、平面視において、枠体11内側面の梁部13と枠体11との接続部分を避けるように形成されている(図3参照)。この構成により、枠体11と、梁部13と枠体11との接続部分において支持部21に対して枠体11がはみ出ることを防止して、本来、バネとして機能しない枠体11の一部が梁部13と共にバネとして機能するのを防止し、センサ感度のばらつきを抑えることが可能となる。
【0035】
次に、図5を参照して、力学量検出センサの動作について説明する。図5は、力学量検出センサの検出動作を示す模式図であり、(a)は錘部がX軸、Y軸回りに回動する際の検出動作説明図であり、(b)は錘部がZ軸方向に直動する際の検出動作説明図である。
【0036】
図5(a)に示すように、力学量検出センサ1に対して加速度が働いて、錘部22に対してY軸方向に慣性力が作用すると、錘部22はX軸回りに回動する。このとき、梁部13a、13bの変位部12側がZ軸方向下方に移動して、梁部13a、13bの枠体11側(検出素子17a、17b側)にZ方向上方に力が作用する。また、梁部13c、13dの変位部12側がZ軸方向上方に移動して、梁部13c、13dの枠体11側(検出素子17c、17d側)にZ軸方向下方に力が作用する。そして、梁部13a、13bの枠体11側はZ軸方向上方に膨らむように撓み、梁部13c、13dの枠体11側はZ軸方向下方に沈むように撓む。
【0037】
検出素子17a、17bは、それぞれ梁部13a、13bの枠体11側の撓みに合わせてZ軸方向上方に膨らむように変形し、変形に応じた電圧を出力する。また、検出素子17c、dは、それぞれ梁部13c、13dの枠体11側の撓みに合わせてZ軸方向下方に沈むように変形し、変形に応じた電圧を出力する。各検出素子17a、17b、17c、17dから出力された電圧は、図示しない演算回路において演算され、加速度が算出される。
【0038】
なお、錘部22に対してX軸方向に慣性力が作用し、錘部22がY軸回りに回動する場合には、梁部13b、13cの枠体11側にZ軸方向上方に力が作用し、梁部13a、13dの枠体11側にZ軸方向下方に力が作用する。したがって、検出素子17b、cは、それぞれ梁部13b、13cの枠体11側の撓みに合わせてZ軸方向上方に膨らむように変形し、検出素子17a、17dは、それぞれ梁部13a、13dの枠体11側の撓みに合わせてZ軸方向下方に沈むように変形する。
【0039】
図5(b)に示すように、力学量検出センサ1に対して加速度が働いて、錘部22に対してZ軸方向下方に慣性力が作用すると、錘部22はZ軸方向下方に直動する。このとき、梁部13a、13b、13c、13dの変位部12側がZ軸方向下方に移動して、梁部13a、13b、13c、13dの枠体11側にZ軸方向上方に力が作用する。そして、梁部13a、13b、13c、13dの枠体11側はZ軸方向上方に膨らむように撓み、検出素子17a、17b、17c、17dもZ軸方向上方に膨らむように変形する。そして、各検出素子17a、17b、17c、17dから出力された電圧は、図示しない演算回路において演算され、加速度が算出される。
【0040】
次に、図6を参照して、力学量検出センサの加工プロセスの一例について説明する。図6は、本発明の実施の形態に係る加工プロセスの一例を説明するための図である。
【0041】
図6(a)に示すように、第1の半導体基板2、絶縁層4、第2の半導体基板3を積層したSOI基板を準備し、第1の半導体基板2の上面にサポート基板31が配置される。次に、図6(b)に示すように、第2の半導体基板3の下面が研磨され薄化されると共に、第2の半導体基板3がフォトリソグラフィおよびエッチングにより加工されて支持部21および錘部22が形成される。
【0042】
次に、図6(c)に示すように、ベース基板32がフォトリソグラフィおよびエッチングにより加工されてキャビティ33が形成され、第2の半導体基板3の下面に接合される。次に、図6(d)に示すように、第1の半導体基板2の上面からサポート基板31が剥離され、第1の半導体基板2の上面が研磨されて所望の厚みに薄化される。次に、図6(e)に示すように、第1の半導体基板2の上面にスパッタリングにより金属材および圧電材が被着され、フォトリソグラフィおよびエッチングによりパターンニングされて検出素子17が形成される。
【0043】
次に、図6(f)に示すように、第1の半導体基板2および絶縁層4がフォトリソグラフィおよびエッチングにより加工されて枠体11、変位部12、梁部13が形成される。このとき、枠体11の梁部13と対向する部分には、図3および図4に示す凸部14が形成される。このようにして、図1に示す力学量検出センサ1を得ることが可能となる。
【0044】
ここで、図7(a)、(b)を参照して、Y軸正方向に慣性力が作用したときの錘部22の揺動状態について説明する。図7(a)、(b)は、Y軸方向に慣性力が作用したときの錘部22の揺動状態の一例を示す平面図である。尚、ここでは、Y軸正方向に慣性力が作用した場合を例示して説明するが、X軸正方向、Z軸正方向に慣性力が作用した場合にも同様な効果を得ることができる。
【0045】
図7(a)に示すように、錘部22の揺動を水平面上でみた場合、錘部22に対しY軸正方向に慣性力が作用すると、錘部22はY軸正方向に揺動すると共に、Z軸回りに僅かに回動する。この場合、各梁部13a〜13dは、対応する各梁部13a〜13dと枠体11との接続部分を支点として図中の矢印の方向に撓むため、この支点から最も離間した位置において撓み量が最大となる。また、錘部22にはY軸正方向に慣性力が作用しているため、梁部13aの図示左端が最も枠体11に接近する。各梁部13a〜13dの側面に対向する枠体11の各凸部14a〜14dは、図示左側において最も大きく形成されているため、所定値の加速度が作用した時に各梁部13a〜13dと各凸部14a〜14dとが接触し、各梁部13a〜13dの撓み量が制限される。
【0046】
図7(b)に示すように、錘部22が所定値以上の加速度の作用を受けた場合、梁部13aがY軸方向に撓み、梁部13aと凸部14aとが接触する。このように、梁部13aと凸部14とが接触することにより、梁部13aの接触が制限され、梁部13aの破損を防止することができる。また、同図に示すように各梁部13a〜13dと対応する各凸部14a〜14dとの間隔を各梁部13a〜13dの撓み量に合わせて変化させることにより、各梁部13a〜13dと各凸部14a〜14dとの接触点で行うことができる。このように形成することにより各梁部13a〜13dが各凸部14a〜14dに張り付くことを防止することができる。
【0047】
以上のように、本実施の形態に係る力学量検出センサ1によれば、梁部13と凸部14との接触により、梁部13の撓み量を制限することができるので、梁部13の撓みによる梁部13の破損を防止することができる。また、梁部13の撓み量を所定の範囲に制限できるので、梁部13を薄く形成した場合においても、所定値以上の加速度の作用による梁部13の破損を防止でき、検出感度の高い力学量検出センサを構成することができる。
【0048】
なお、上記した実施の形態においては、4つの梁を備えた力学量検出線センサを例示して説明したが、この構成に限定されるものではない。梁により錘部を支持する構成であればよく、例えば、図8(a)、(b)に示すような1つの梁で構成された力学量検出センサに適用可能である。
【0049】
図8(a)、(b)に示すように、1つの梁で構成された力学量検出センサは、変位部41(図示されない錘部を含む)の外周面に沿って変位部41の外周面の半周以上延在され、変位部41と枠体42とを接続する梁部43を備えて構成される。この構成において、変位部41は、枠体42と梁部43の接続部分を支点として上下左右に揺動するように構成される。
【0050】
図8(a)に示す例は、梁部43の破損を防止するため、枠体42の形状を調整した例である。本例においては、枠体42の形状は、枠体42と梁部43との接続部分を有する内側面44側から梁部43が延在される方向に向かって枠体42の内側面44と梁部43との間の間隔が狭くなるように形成されている。
【0051】
一方、図8(b)に示す例は、梁部43の破損を防止するため、梁部43の形状を調整した例である。本例においては、枠体42の開口部45が矩形状に形成される。梁部43の形状は、枠体42と梁部43との接続部分から離れるにつれて、梁部43の撓み量の大きい部分が枠体42の開口部45に接近するように形成されている。
【0052】
このように構成することにより、1つの梁で構成された力学量検出センサにおいても、梁部43の左右方向の撓み量が大きい側で梁部43と枠体42との間隔を狭くすることができる。このため、梁部43の撓み量を枠体42と梁部43との接触により制限することができるので、梁部43の撓みによる梁部43の破損を防止することができる。また、図8(b)に示す例では、枠体42に凸部を設けることなく、枠体42の形状を変更した例である。このように、梁部43の撓み量の大きい側を枠体42との間隔が狭くなるように、梁部43を形成することによっても梁部43の破損を防止することができる。
【0053】
また、図9(a)、(b)に示すように、本発明を2つの梁部73により支持する二つの梁で構成された力学量検出センサに適用することもできる。図9(a)、(b)に示す例は、変位部71の外周面に沿って延在され、変位部71(図示されない錘部を含む)と枠体72とを接続する2つの梁部73を備えて構成される。この構成において、変位部71は、対向する2つの外周面を梁部73によって支持され、枠体72と梁部73の接続部分を支点として上下左右に揺動するように構成される。
【0054】
図9(a)に示す例は、梁部73a、73bの破損を防止するため、枠体72の形状を調整した例である。本例においては、枠体72と梁部73a、73bとの接続部分から離れるにつれて、枠体72と梁部73a、73bとの間の間隔が狭くなるように、枠体72上に凸部74a、74bが形成されている。
【0055】
一方、図9(b)に示す例は、梁部73の破損を防止するため、梁部73の形状を調整した例である。本例においては、枠体72の開口部75が矩形状に形成される。梁部73の形状は、枠体72と梁部73との接続部分から離れるにつれて、枠体72と梁部73との間隔が狭くなるように形成される。
【0056】
このように構成することにより、2つの梁で構成された力学量検出センサにおいても、梁部73の左右方向の撓み量が大きい側で梁部73と枠体72との間隔を狭くすることができる。このため、梁部73の撓み量を枠体42と梁部73との接触により制限することができるので、梁部73の撓みによる梁部73の破損を防止することができる。また、図9(b)に示す例では、枠体72に凸部を設けることなく、枠体72の形状を任意に変更することにより、梁部73の破損を防止することができる。尚、図9(b)の構成は、4つの梁を備えた力学量検出センサに適用することもできる。
【0057】
上記した実施の形態においては、枠体11、42、72の内側面に凸部を形成して梁部13、43の破損を抑制する構成としたが、梁部13、43、73の側面に凸部を形成する構成としても良い。また、梁部13、43、73と枠体11、42、72の双方に凸部を形成する構成としてもよい。
【0058】
また、上記した実施の形態においては、水平面上において梁部13、43、73の撓み量の大きさに合わせて、凸部を形成する構成としたが、この構成に限定されるものではない。梁部13、43、73の側面の変位を規制して梁部13、43、73の破損を回避可能な構成であればよく、例えば、変位部12、41、71の変位を制限して間接的に梁部13、43、73の破損を防止するように構成しても良い。
【0059】
以上のように、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサによれば、加速度の作用による梁部の撓みを梁部と枠体との接触によって制限できるので、梁部の撓みによる梁部の破損を防止できる。また、梁部の撓み量の最大値を制御でき、梁部を薄く形成しても梁部を破損することがないので、力学量検出センサの検出感度を向上させることができる。
【0060】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。例えば、錘は直方体に限らず多角柱、円柱など、種々の形状を用いることができる。また、梁部の形状に関しても、矩形状の形状以外にも多角柱、円柱等、種々形状の梁部を用いることができる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変形実施可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、エアバックを作動させるための加速度センサや、あるいは、携帯機器の加速度センサ等、互いに直交する3軸方向の力学量検出センサに有用である。
【符号の説明】
【0062】
1 力学量検出センサ
2 第1の半導体基板
3 第2の半導体基板
4 絶縁層
11、42、72 枠体
12、41、71 変位部
13、43、73 梁部
15 長尺部
16 接続部
17 検出素子
21 支持部
22 錘部
23、45、75 開口部
31 サポート基板
32 ベース基板
33 キャビティ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する支持部と、前記支持部の開口部の内側に位置し、前記支持部の内側面に対向する外側面を有する錘部と、対向する前記支持部の2以上の内側面と前記錘部の2以上の外側面との間に位置し、前記錘部を揺動自在に支持する複数の梁部と、前記複数の梁部の撓み量に基づいて力学量に応じた信号を出力する複数の検出素子とを備え、
平面視において、少なくとも前記梁部が位置する前記梁部の各外側面と前記支持部の各内側面との間隔が、前記複数の梁部の揺動時の支点となる位置から離間方向に狭くなるようにそれぞれ形成されたことを特徴とする力学量検出センサ。
【請求項2】
開口部を有する支持部と、前記支持部の開口部の内側に位置し、前記支持部の内側面に対向する外側面を有する錘部と、前記支持部の各内側面と前記錘部の各外側面との間において、前記錘部の外側面に沿って半周以上延在し、前記錘部を揺動自在に支持する1つの梁部と、前記1つの梁部の撓み量に基づいて力学量に応じた信号を出力する検出素子とを備え、
平面視において、前記梁部は、前記錘部の2つの角部に対応する位置で屈折し、前記支持部との接続部分および屈折部分を支点として揺動するように構成され、少なくとも前記梁部が位置する前記梁部の各外側面と前記支持部の各内側面との間隔が、それぞれ前記錘部の外側面と前記支持部の内側面との間に位置する前記梁部の揺動時の支点となる位置から離間方向に狭くなるように形成されたことを特徴とする力学量検出センサ。
【請求項3】
開口部を有する支持部と、前記支持部の開口部の内側に位置し、前記支持部の内側面に対向する外側面を有する錘部と、前記錘部を揺動自在に支持する1つの梁部と、前記梁部の変位量に基づいて力学量に応じた信号を出力する検出素子とを備え、
平面視において、前記梁部と前記支持部の各内側面との間隔が、前記梁部と前記支持部の内側面との間に位置する前記梁部の変位時の支点となる位置から離間方向に狭くなるように形成されたことを特徴とする力学量検出センサ。
【請求項4】
前記梁部の側面及び前記支持部の内側面の少なくともいずれか一方に前記梁部の撓み量を制限する凸状部が形成されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の力学量検出センサ。
【請求項5】
前記錘部の外側面に前記梁部の撓み量を制限する凸状部が形成されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の力学量検出センサ。
【請求項6】
前記検出素子は、圧電素子であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の力学量検出センサ。
【請求項1】
開口部を有する支持部と、前記支持部の開口部の内側に位置し、前記支持部の内側面に対向する外側面を有する錘部と、対向する前記支持部の2以上の内側面と前記錘部の2以上の外側面との間に位置し、前記錘部を揺動自在に支持する複数の梁部と、前記複数の梁部の撓み量に基づいて力学量に応じた信号を出力する複数の検出素子とを備え、
平面視において、少なくとも前記梁部が位置する前記梁部の各外側面と前記支持部の各内側面との間隔が、前記複数の梁部の揺動時の支点となる位置から離間方向に狭くなるようにそれぞれ形成されたことを特徴とする力学量検出センサ。
【請求項2】
開口部を有する支持部と、前記支持部の開口部の内側に位置し、前記支持部の内側面に対向する外側面を有する錘部と、前記支持部の各内側面と前記錘部の各外側面との間において、前記錘部の外側面に沿って半周以上延在し、前記錘部を揺動自在に支持する1つの梁部と、前記1つの梁部の撓み量に基づいて力学量に応じた信号を出力する検出素子とを備え、
平面視において、前記梁部は、前記錘部の2つの角部に対応する位置で屈折し、前記支持部との接続部分および屈折部分を支点として揺動するように構成され、少なくとも前記梁部が位置する前記梁部の各外側面と前記支持部の各内側面との間隔が、それぞれ前記錘部の外側面と前記支持部の内側面との間に位置する前記梁部の揺動時の支点となる位置から離間方向に狭くなるように形成されたことを特徴とする力学量検出センサ。
【請求項3】
開口部を有する支持部と、前記支持部の開口部の内側に位置し、前記支持部の内側面に対向する外側面を有する錘部と、前記錘部を揺動自在に支持する1つの梁部と、前記梁部の変位量に基づいて力学量に応じた信号を出力する検出素子とを備え、
平面視において、前記梁部と前記支持部の各内側面との間隔が、前記梁部と前記支持部の内側面との間に位置する前記梁部の変位時の支点となる位置から離間方向に狭くなるように形成されたことを特徴とする力学量検出センサ。
【請求項4】
前記梁部の側面及び前記支持部の内側面の少なくともいずれか一方に前記梁部の撓み量を制限する凸状部が形成されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の力学量検出センサ。
【請求項5】
前記錘部の外側面に前記梁部の撓み量を制限する凸状部が形成されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の力学量検出センサ。
【請求項6】
前記検出素子は、圧電素子であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の力学量検出センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2010−216842(P2010−216842A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60902(P2009−60902)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
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