説明

加圧が不要で塗布後膨張する組成物

【課題】耐圧容器内に貯蔵する必要性のない塗布後に膨張する組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも1の界面活性剤、界面活性剤用溶媒、界面活性剤及び溶媒を相互作用させて毛の上に泡を生成させそれによって膨張した組成物を形成するに足る量の揮発性剤及びフィルム形成剤からなり、フィルム形成剤が組成物を毛に塗布後にフィルムを形成しそしてフィルムが固定したときに膨張した組成物の少なくとも一部を固定するに足る量で存在し、揮発性剤が組成物中で可溶化されており、そして揮発性剤がさらにナノメーターサイズの液滴で組成物中に分散しているか又は毛の上で又は毛に塗布直前に生成するようになっており、それによって組成物が非−加圧容器内に貯蔵可能である頭髪、眉毛又は睫毛に塗布するための塗布後膨張する組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(a)組成物中の界面活性剤及び溶媒成分を膨張させるための組成物中の揮発性(発泡)剤成分の蒸発、及び(b)毛にボリューム感を与えるように膨張した状態で組成物の少なくとも一部をセットし固定する組成物中のフィルム形成剤成分を利用する頭髪、眉毛又は睫毛に塗布するための塗布後膨張する組成物が(i)ミクロエマルジョンシステム、(ii)組成物中の揮発性剤を溶解させるためのシステム又は(iii)揮発性(発泡)剤が使用時に毛の上で発生する二酸化炭素であるシステムに基づくことを見出したことに関する。
【背景技術】
【0002】
多くのミクロエマルジョンベースの製品が当業界においては知られている。そのような製品は硬いポリウレタン充填発泡体、工業用表面クレンザー、個人的な化粧用途のための髭剃り組成物及びシリコーンミクロエマルジョンを包含している。
【0003】
特許文献1及び特許文献2は炭化水素発泡剤を使用しそして加圧容器への充填を必要とする後発泡洗浄組成物を開示している。しかしながら、発泡剤を拘束するためのミクロエマルジョンの使用については認知されていない。
【0004】
特許文献3はポリオルガノシロキサンミクロエマルジョンベースの髭剃りクリームを開示している。ミクロエマルジョンの粒子径が小さい程、潤滑性、芳醇性及び安定性が高められた髭剃り用泡を与えると言われている。しかしながら、ミクロエマルジョンの使用過程で揮発性剤を拘束することについては認知されておらず、顔料又はフィルム形成剤についての言及も見られない。
【0005】
特許文献4は環状又は線状メチルシロキサンとシリコーンポリエーテル界面活性剤を含む光学的に透明なシリコーンミクロエマルジョンシステムを開示している。透明ゲルは制汗剤や脱臭剤、肌クリーム、スキンケアローション、湿潤剤、にきび又は皺除去剤のようなフェイシャルトリートメント、人体用及び洗顔用洗剤、液体石鹸、浴用オイル、香水、コロン、におい袋、日焼け止め、髭剃り前及び髭剃り後用ローション、髭そり用石鹸、及び髭そり用泡における担体として有用であると言われている。特許権者はまた透明ゲルがシャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、ムース、パーマ、脱毛剤、及び爪コート剤に使用できることを示唆している。特許権者はまた透明ゲルがメーキャップ時の顔料のレベル化剤及び塗り伸ばし剤、着色化粧品、ファウンデーション、頬紅、唇用香油、アイシャドウ、マスカラ、オイル除去剤、着色化粧品除去剤、及び粉末として使用できると述べている。しかし、塗布後に膨張する組成物中で揮発性(発泡)剤を拘束するためのミクロエマルジョンの使用はどこにも記載されていない。
【0006】
特許文献5は自然に生成する透明シリコーンミクロエマルジョンについて記載している。しかし、ミクロエマルジョンの目的は顔料のレベル化及び塗り伸ばしのためであって、塗布後に膨張する組成物中で揮発性剤を拘束するためのものではない。
【0007】
特許文献6は低アミノ含量のミクロエマルジョン化可能なシリコーンを含みそして高い相転換温度をもつ透明ミクロエマルジョン組成物を開示している。そのミクロエマルジョンはヘアコンディショナー及びシャンプー、及びスタイルゲル及びムースのような髪固定剤などのようなパーソナルケア製品調合の一成分である。
【0008】
特許文献7は、肌洗浄剤、ヘアシャンプー、シャワーゲル、衣服用スポットクレンザー、カーペットクリーナー又は硬い表面クリーナーとして有用な透明溶液又はゲルを作り出す揮発性炭化水素を、アニオン性及び両性イオン性洗浄剤の存在下で、可溶性にさせるポリアルキレンオキサイドブロックコポリマーを含む後発泡洗浄剤組成物を開示している。特許権者は“得られる透明で瞬間発泡性の液体又はゲルは、水の助けで又は助けなしで表面上で発泡し”そして“ボトルやポンプのような非加圧性容器に充填できるか又はn−ブタン、イソブテン又はジメチルエーテル推進剤が使用されるときは加圧エアロゾル容器中に充填できる”ことを示している。特許権者はまた両性イオン界面活性剤と組み合わせてアンモニウムココイルイセチオネートを含む組成物が非常にマイルドで、特にスキンケア及びヘアケア組成物中で有用であることを開示している。特許権者はまた両性イオン界面活性剤と組み合わせてアンモニウムココイルイセチオネートを含む組み合わせは揮発性炭化水素を可溶化して、如何なるエトキシ化、プロポキシ化した又は混合したブロックポリマーの助けなしで透明な後発泡溶液を形成することを教示している。特許文献7の組成物を“瞬間発泡”として特徴づけている特許権者は発泡が遅延化された組成物については教示もしていないし示唆もしていない。特許権者はそれらの組成物が種々の本質的でない成分を含むことができることを示唆している。セルロースポリマー又は天然ゴムのような水溶性ゴムは必須成分ではないことが開示されている。このように、特許権者は揮発性剤が界面活性剤と界面活性剤用溶媒(例えば水)とに相互作用を起こさせそれによって組成物は塗布される睫毛にボリューム感を与えるときに形成される泡格子の少なくとも一部を取り込むに足る量のフィルム形成剤をそれらの組成物中に含む必要性を認識していないことは明らかである。特許権者は、製品の化粧品としての外観を改良するために色を加えることができることは示しているが、彼等は白以外の色を頭髪、眉毛又は睫毛の毛に与えるに足る量の色を使用することについては認識していない。
【0009】
二酸化炭素を生成させるために炭酸塩又は炭酸水素塩と酸を反応させることは公知である。
しかしながら、組成物中の一以上の界面活性剤成分を泡立たせるために使用時に発生する二酸化炭素を利用しそして泡格子の少なくとも一部を取り込み、泡が固定するときに膨張した状態で組成物を固定させるために組成物中でフィルム形成剤を使用する頭髪、眉毛又は睫毛に塗布するための塗布後膨張する組成物は先行文献では認識されていなかった。
【0010】
特許文献8は歯科衛生製品における瞬間的に大量の泡を生成させるために酸と炭酸塩又は炭酸水素塩の反応を利用している。発明者等は急速な発泡を追い求め、遅延発泡は求めてはいない。
【0011】
特許文献9は歯垢除去のための歯磨き粉組成物を開示している。この組成物は炭酸塩又は炭酸水素塩、酸及び界面活性剤を含んでいる。しかし、要約ではフィルム形成剤の存在又は後発泡性組成の組成物についてはなんら触れていない。
【0012】
前述の特許文献8及び特許文献9はフィルム形成剤又は遅延泡生成(後発泡)の取り込みを教示していない。さらに重要なことは、それらの組成物が頭髪、眉毛又は睫毛に塗布できることを教示も示唆もしていないことである。
特許文献10は急速に発泡するが後発泡ではない歯磨き粉を教示している。
【0013】
特許文献11は肌や髪に塗布するための自己発泡性の浄化システムを開示している。そのシステムは別々の容器に保持された少なくとも二つの成分をもっている。それぞれ別の容器から調剤するときにそれらは混合され反応して二酸化炭素を生成する。特許権者は接触するとすぐに発泡することが望ましいと教示している。このように、特許文献11の組成物は遅延/後発泡組成物ではない。さらに、特許権者は、固定するときに組成物の界面活性剤成分上で使用時に発生する二酸化炭素の作用によって生成する泡の少なくとも一部を取り込むのに足る量のフィルム形成剤の使用を認識してはいない。
【0014】
【特許文献1】USP5,962,396
【特許文献2】USP6,051,542
【特許文献3】USP5,523,081
【特許文献4】USP5,623,017
【特許文献5】USP5,705,562
【特許文献6】USP5,683,625
【特許文献7】USP6,096,702
【特許文献8】WO96/19189
【特許文献9】特開平10−279453
【特許文献10】WO98/20096
【特許文献11】USP6,177,092
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の課題は塗布後膨張する組成物を圧力容器内に貯蔵する必要性を回避することである。換言すれば、本発明の課題は、組成物中に分散した組成物の揮発性(発泡)剤成分を保持するために必要となる圧力に耐えることのできる障壁タイプの容器の使用を不必要とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、(i)主要な可溶化剤(ポリマー界面活性剤(ブロックコポリマー)、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体又はそれらの混合物)を使用し;又は(ii)ミクロエマルジョンを使用し又は(iii)組成物を一方は炭酸水素塩又は炭酸塩を含み、他方は化粧品として受け入れうる酸を含むか又は一方が無水の媒体中に分散又は懸濁させた炭酸水素塩又は炭酸塩と酸を含み他方が水を含む少なくとも二つの副組成物に分割することによって組成物の揮発性剤(発泡剤)を可溶化することによって遂行される。副組成物が毛の上で混合されるとき又は毛に塗布する直前に、炭酸水素塩又は炭酸塩は酸と反応して界面活性剤と界面活性剤用溶媒を毛の上で順番に膨張(発泡)させる二酸化炭素を生成する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の塗布後に膨張する組成物はミクロエマルジョンシステムに準拠し、そこでは揮発性剤が組成物中で可溶化されるか又は毛の上で又は毛に塗布される直前に二酸化炭素を生成するので非加圧容器中に貯蔵できそれによって製造コスト及び充填コストを削減できそして組成物の使用を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は上述のように、塗布後に膨張する組成物を圧力容器中に貯蔵する必要性をなくする三つの態様(i)、(ii)及び(iii)を提供する。便宜的にこれらの態様を以下のように呼ぶことにする:
(1)“可溶化システム”;
(2)“ミクロエマルジョンシステム”(ミクロエマルジョンベースの組成物);及び
(3)“二つの部分システム”(使用時に揮発性剤として生成する二酸化炭素を利用する二つの部分組成物)。
【0019】
可溶化システム、ミクロエマルジョンシステム及び二つの部分システムは全てそれらの成分として:フィルム形成剤、界面活性剤、界面活性剤用溶媒、及び所望により着色剤を含む。
【0020】
可溶化システム、ミクロエマルジョンシステムはまた揮発性剤(発泡剤)を含む。二つの部分システムにおいては、揮発性剤(発泡剤)は使用時に発生する二酸化炭素である。
【0021】
前述のように、三つのシステムは全て界面活性剤を含む。揮発性剤が解放されるとき、それは界面活性剤及び界面活性剤用溶媒(例えば、水)と相互作用して泡格子を生成する。このように、界面活性剤は泡を生成する作用をする。これにたいして、可溶化システムにおいては、主要な可溶化剤、例えば、ブロックコポリマー界面活性剤は主に揮発性剤を可溶化させる機能を果たす。可溶化剤に加えて、ブロックコポリマー界面活性剤もまた泡格子を生成させることができる。これは揮発性剤の可溶化剤としての主要な機能に対して二義的である。付加的な界面活性剤は好ましくはブロックコポリマー界面活性剤と一緒に泡生成を推進及び/又は泡密度を増加させ及び/又はより安定な泡を形成する。
【0022】
フィルム形成剤
フィルム形成剤は塗布後膨張する組成物が頭髪、眉毛又は睫毛に塗布され、そして後発泡成分が発泡し始め、フィルム形成剤によって形成されたフィルムが泡の少なくとも一部で安定化し(より完全に仕上げられるように)それによって本発明の組成物が塗布された毛にボリューム感を与えるに足る量で存在する。
【0023】
フィルム形成剤は天然品又は合成品であることができる。フィルム形成用ワックスは当業界で公知でありそして単独又は一以上の天然又は合成フィルム形成剤と組み合わせて使用することができる。合成フィルム形成剤は、例えば、アクリレートコポリマー及び/又はメタクリレートコポリマー、アクリルアミドコポリマー、及びそれらの混合物が特に好ましい。
【0024】
使用できる水溶性フィルム形成剤は非特許文献1に例示されている。特に好ましいフィルム形成剤としては(i)アクリルアミドコポリマー;例えば、アクリルアミド/DMAPAアクリレート/メトキシPEGメタアクリレートコポリマー、アクリルアミド/ナトリウムアクリレートコポリマー、アクリルアミド/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー、アクリレート/アクリルアミドコポリマー、アクリレート/t−ブチルアクリルアミドコポリマー及び(ii)アクリレートコポリマー、例えば、BFグッドリッチ社のアバルア(AVALURE)AC115、アバルアAC118、アバルアAC120、アバルアAC125、アバルアAC210及びアバルアAC315;LCW社のコバクリル(COVACRYL)A15及びコバクリルE14;大東化成社のダイトーゾル5000AD;アクリレート/C1−2サクシネート/ヒドロキシアクリレートコポリマー;アクリレート/ジメチコンコポリマー;アクリレート/ジメチコンメタクリレート/エチルヘキシルアクリレートコポリマー;アクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー;アクリレート/エチルヘキシルアクリレートコポリマー;アクリレート/エチルヘキシルアクリレート/HEMA/スチレンコポリマー;アクリレート/ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー;アクリレート/ラウリルアクリレート/ステアリルアクリレート/エチルアミンオキサイドメタクリレートコポリマー;アクリレート/オクチルアミドコポリマー;アクリレート/プロピルトリメチコンメタクリレートコポリマー;アクリレート/ステアリルアクリレート/ジメチコンメタクリレートコポリマー;アクリレート/VPコポリマー;及びアクリレート/VP/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ジアセトンアクリルアミド/ヒドロキシプロピルアクリレートコポリマーが包含される。ポリビニルアルコール及び水溶性ポリビニルエステルもまた使用可能である。
【0025】
本発明に有用なより好ましいフィルム形成剤としてはアクリル酸ナトリウムコポリマー、アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、エチルメタクリレート/N−ブチルアクリレート/2−メチルヘキシルアクリレートコポリマー、及びブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレートコポリマーを包含する。インターポリマーであるシントラン(SYNTRAN)EX−100及びコーボープロダクツ社のダイトーゾル5000SJのようなポリマーブレンドもまた本発明の組成物の合成ポリマーフィルム形成剤として有用である。
【0026】
本発明の塗布後膨張する組成物が主体が水であるか主体がオイルであるかに応じて、適切なフィルム形成剤が使用できる。事実上、塗布後膨張する組成物がエマルジョンのときは、水溶性フィルム形成剤、或いは油溶性フィルム形成剤、又は両方とも使用できる。
【0027】
塗布後膨張する組成物の主体がオイル(有機又は合成)であるときは、油溶性合成ポリマーがフィルム形成剤として使用できる。好適な油溶性合成ポリマーとしては、例えば、ポリウレタン−1、ポリウレタン−2、ポリウレタン−3、ポリウレタン−4、ポリウレタン−5、ポリウレタン−6、ポリウレタン−7、ポリウレタン−8、ポリウレタン−9、ポリウレタン−10、ポリウレタン−11、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ポリプロピレン、テトラメチルテトラフェニルトリシロキサン、トリコンタニルトリメチルペンタフェニルトリシロキサン、スチレン/MAコポリマー、スチレン/DVBコポリマー、種々の四級アンモニウム合成ポリマー、及びPVM/MAデカジエンクロスポリマーのようなクロスポリマーが包含される。
【0028】
ポリビニルピロリドンコポリマーの種々の油溶性誘導体もまた使用でき、ポリビニルピロリドン/デセンコポリマー及びポリ(ビニルピロリドン/1−トリアコンテン)が好ましい。PVM/MAコポリマーのエチルエステルも同様に使用できる。
【0029】
水溶性ポリウレタン、例えば、EPQ30及びEPQ31(ジョンソンポリマー社)及びポリエステルウレタンGK910(アルゾーインターナショナル社)もまたフィルム形成剤として使用できる。
【0030】
好ましくは、フィルム形成剤は本発明の塗布後膨張する組成物中に塗布後膨張する組成物の合計重量基準で約1−約50wt%、より好ましくは約5−約40wt%、最も好ましくは約8−約30wt%、そして所望により約10−約25wt%の濃度で存在する。
【0031】
本発明の塗布後膨張する組成物が睫毛のような毛に塗布されるときに、揮発性剤が解放されそして界面活性剤及び界面活性剤用溶媒が組成物を膨らませ/膨張させる。フィルム形成剤が固定するとき、それは膨らんだ/膨張した状態における膨らんだ/膨張した睫毛の少なくとも一部を固定しそれによって睫毛にボリューム感を与える。
【0032】
以下に議論するように、本発明の組成物は一以上のフィルム形成剤を含む顔料分散物を含んでいてもよい。顔料分散物が寄与するフィルム形成剤の量は塗布後膨張する組成物中のフィルム形成剤の合計量で考慮される。例えば、もし、塗布後膨張する組成物がフィルム形成剤の顔料分散物合計重量基準でさらに40wt%を含む顔料分散物を組成物の合計重量基準で50wt%含むならば、本発明の組成物は組成物の合計重量基準で20wt%のフィルム形成剤(顔料分散物の寄与による)をもっていることになる。さらに付加的なフィルム形成剤を加えてもよい。しかしながら、コストの観点からは組成物の合計重量基準で約50wt%を超えないことが好ましい。
【0033】
本発明者らは或る理論によって限定することは望まないが、後発泡作用の過程でフィルム形成剤が固定し、このようにして、泡の表面の少なくとも一部上でフィルム、好ましくは可撓性のフィルムを形成することによって又は泡格子の硬さを増大させることによって泡格子をロックするか又はシールしてそれによって泡を安定化すると考えられる。好ましくは、フィルムは泡表面の約50%以上、そしてより好ましくは泡表面の約75%以上を形成する。代わりに、フィルム形成剤は泡格子の硬さを約50%以上、そしてより好ましくは約75%以上増加させる。
【0034】
本発明の組成物は好ましくは唇又は顔の肌に塗布する化粧用組成物として使用されるので、フィルム形成剤は組成物が水、マイルド石鹸又はマイルドな化粧用洗浄剤で使用部位から取除くことを可能にするタイプ又は量であることが好ましい。水洗い/洗浄性が要求されない場合にはもちろん、非−水溶性フィルム形成剤が使用可能である。
【0035】
揮発性剤
好適な揮発性剤又は発泡剤(ハロゲン化又は非−ハロゲン化、合成又は天然に生成している)は約0℃−約100℃の温度において、約0.5トール−約30,000トール、好ましくは約5トール−約5,000トール、そしてより好ましくは約100トール−約2,500トールの蒸気圧をもつ。
【0036】
好ましい揮発性剤の例としては、限定はしないが、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ブタン、イソブタン、イソブテン、シクロペンタン、ヘキサン、トリクロロトリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、ヒドロフルオロエーテル、メチルパーフルオロプロピルエーテル及びそれらの混合物を包含する。その他の好適な揮発性剤としては、限定はしないが、F2ケミカルズ社から商標名フルテック(Flutec)PP2、またはフルテックPC2として製造されているパーフルオロメチルシクロヘキサン、同社から商標名フルテックPC1Cとして市販されているパーフルオロメチルシクロペンタン;及び同社から商標名フルテックPC1及びフルテックPC3としてそれぞれ市販されているパーフルオロヘキサン及びパーフルオロジメチルシクロヘキサンが包含される。パーフルオロジメチルシクロペンタン(分子量約350)もまた本発明に好適であると期待される。
【0037】
着色剤
本発明の塗布後膨張する組成物の所望による成分は着色剤、好ましくは顔料である。
本発明の新規の化粧品用組成物は透明でも着色していてもよい。好ましくは、睫毛に塗布されるときは、着色している。先行技術の後発泡ゲルは組成物に心地よい外観を与えるための任意成分として含有されている。本発明の組成物は、所望により、通常は白である泡の色を遮蔽するに足る量の1以上の着色剤を含み、それによって本発明の組成物が毛に塗布されたときに白以外の色を毛に与える。当然のことながら、白い毛の場合は着色剤を使用する必要はない。本発明の組成物が、例えば、泡の色を遮蔽しそして組成物で処理されたケラチン繊維に色を与えるに足る量の顔料を含む場合は、本発明の組成物はマスカラ、毛にボリューム感を持たせる染料又は着色剤又は眉毛組成物等々として使用することができる。
【0038】
実質上如何なるレベルの着色剤、好ましくは顔料は、着色剤が存在しなければ生ずるであろう泡の色を実質上変える(好ましくは遮蔽する)限り使用可能である。好ましくは着色剤、好ましくは、顔料は塗布される毛に色を与えるに足る量で存在する。本発明の塗布後膨張する組成物は一般的に塗布後膨張する組成物の合計重量基準で約0.5−約30wt%、好ましくは約1−15wt%、そしてより好ましくは約2−約10wt%の着色剤、好ましくは顔料を含む。
【0039】
このように、本発明の塗布後膨張する組成物は好ましくは、成分として、着色剤、好ましくは顔料、最も好ましくは1以上のフィルム形成剤、好ましくはフィルム形成剤ポリマーを含む顔料分散物を含有する。顔料分散物は細かく分散した塊のない色溶液と協力して増大したフィルム形成能力を与える物理的性質のために好ましい。特に好ましい材料は、非常によく作用する、コーボープロダクツ社から市販されている材料WSJ24BAMPである。この材料は水(43−50wt%);エチルメタクリレート/N−ブチルアクリレート/2−メチルヘキシルアクリレートコポリマー(25−30wt%);II価、III価酸化鉄(22−26wt%);アクリルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー(0.1−5wt%);2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(0.1−5wt%);及び、所望により防腐剤(0.1−1wt%)からなる。粉末顔料(II価、III価酸化鉄)もまた使用でき、適当な水溶性ポリマー状フィルム形成剤と結びついてそして適切に分散すると所望の効果を達成することができる。好ましい材料であるWSJ24BAMPは一般的に塗布後膨張する組成物の合計重量基準で約5−約50wt%の量で使用される。約0.5−約30wt%の顔料の代わりに、塗布後膨張する組成物は約0.5−約90wt%のポリマー状フィルム形成剤、顔料、乳化剤及びその他の補助剤からなる顔料分散物を含むこともできる。
【0040】
所望による成分
本発明の塗布後膨張する組成物は、その有利な効果の実現を阻害するような、組成物の性能に悪影響を及ぼすものでない限り、所望により化粧品で典型的に使用されている成分を含むことができる。そのような追加の成分としては、例えば、ビタミン、抗酸化剤、防腐剤、染色剤、固定剤、スタイリング剤、コンディショナーが包含される。
【0041】
1.可溶化システム
本発明の塗布後膨張する組成物が揮発性剤の可溶性に基づく場合は、以下のものを使用する:
(1)効果的な可溶化材料は塗布後膨張する組成物の合計重量基準で約0.5wt%−約35wt%、より好ましくは約5wt%−約20wt%量の揮発性剤用の主要可溶化剤を含む。主要可溶化剤は:
(A)少なくとも1のブロックポリマー、好ましくは下記の群から選択されるブロックポリマー状エーテル:
(i)次式の一般式をもつメロキサポール(MEROXAPOL)ブロックポリマー界面活性剤:
【0042】
【化1】

【0043】
ここで、xは7−21の平均値をもち、yは4−16の平均値をもち、そしてzは7−21の平均値をもち、そしてxはzに等しい。
【0044】
好適なメロキサポール(MEROXAPOL)ブロックポリマー界面活性剤としては、メロキサポール105、108、171、172、174、178、251、252、254、255、258、311、312、及び314を包含する。(非特許文献2を参照。)好ましいメロキサポールブロックポリマーはプルロニック(PLURONIC)Rシリーズ(BASFから市販されている)を含む;
(ii)次式の一般式をもつポロキサマー(POLOXAMER)ブロックポリマー界面活性剤:
【0045】
【化2】

【0046】
ここで、xは2−128の平均値をもち、yは16−67の平均値をもち、そしてzは2−128の平均値をもち、そしてxはzに等しい。
好適なポロキサマー(POLOXAMER)ブロックポリマー界面活性剤としては、ポロキサマー101、105、108、122、123、124、181、182、183、184、185、188、212、215、217、231、234、235、237、238、282、284、288、331、333、334、335、338、401、402、403、407、ポロキサマー105ベンゾエート及びポロキサマー182ジベンゾエートを包含する(非特許文献3を参照)。好ましいポロキサマーブロックポリマーはプルロニック(PLURONIC)Lシリーズ(BASFから市販されている)を含む;
(iii)次式の一般式をもつポロキサミン(POLOXAMINE)ブロックポリマー界面活性剤:
【0047】
【化3】

【0048】
ここで、xは4−32、そしてyは2−122である。
好適なポロキサミンブロックポリマー界面活性剤としては、ポロキサミン304、504、604,701、702、704、707、901、904、908、1101、1102、1104、1301、1302、1304、1307、1501、1502、1504、及び1508を包含する(非特許文献4を参照)。好ましいポロキサマーブロックポリマーはテトロニック(TETRONIC)シリーズ(BASFから市販されている)を含む;
【0049】
(B)ポリビニルアルコール;又はPEG−800/ポリビニルアルコールコポリマー、ナトリウムMA/ビニルアルコールコポリマー、アセチル化したポリビニルアルコール、ビニルアミン/ビニルアルコールコポリマー、VP/VAコポリマー、酢酸ポリビニル及びポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートからなる群から選択されるポリビニルアルコール誘導体である。PEG−800/ポリビニルアルコールコポリマー、ナトリウムMA/ビニルアルコールコポリマー、アセチル化したポリビニルアルコール、ビニルアミン/ビニルアルコールコポリマー及びVP/VAコポリマーが好ましいポリビニルアルコール誘導体であり;又は(C)それらの混合物である。
【0050】
(2)塗布後膨張する組成物の合計重量基準で0wt%−25wt%、好ましくは約0.5wt%−約20wt%、より好ましくは約0.75wt%−約15wt%、最も好ましくは約1wt%−約10wt%の揮発性剤用の二義的な可溶化剤。二義的な可溶化剤は好ましくは、ナトリウムオレオイルアンモニウムココイルイセチオネート、ナトリウムミリストイルアンモニウムココイルイセチオネート、ナトリウムラウロイルアンモニウムココイルイセチオネート、ナトリウムココイルアンモニウムココイルイセチオネート、アンモニウムココイルイセチオネート及びそれらの混合物から選択されるアンモニウムココイルイセチオネートである。ナトリウムココイルアンモニウムココイルイセチオネートとアンモニウムココイルイセチオネートが好ましい。
【0051】
(3)塗布後膨張する組成物の合計重量基準で約0wt%−約20wt%、好ましくは約0.1wt%−約15wt%、より好ましくは約1wt%−約10wt%、最も好ましくは約2wt%−約5wt%のアニオン性界面活性剤、好ましくはC8−C22脂肪酸の塩、より好ましくはC10−C18脂肪酸の塩、そして最も好ましくはパルミチン酸又はステアリン酸のトリエタノールアミン塩又はアルカリ金属塩であり;塩は、例えば、脂肪酸とトリエタノールアミンとの反応によって塗布後膨張する組成物中で使用時に生成するようにして使用される。
界面活性剤の組み合わせは組成物中の塗布後膨張する組成物の揮発性(発泡)剤成分を可溶化するに足る量で使用され、それによって組成物を圧力容器に貯蔵する必要性を回避している;
【0052】
(4)0wt%−約20wt%、好ましくは約0.1wt%−約15wt%、より好ましくは約1wt%−約10wt%、最も好ましくは約2wt%−約5wt%の両性又は双生オン性界面活性剤である。双生カルボキシレート、アルキルベタイン、アミドアルキルベタイン、アミドアルキルスルタイン、アンフォホスフェート、ホスフォベタイン、ピロホスフォベタイン、カルボキシルアルキルアルキルポリアミン、アルキルアミノモノアセテート、アルキルアミノジアセテート、及びそれらの混合物が使用できる。ベタイン界面活性剤が好ましい。コカアミドプロピルベタインが最も好ましい;
【0053】
(5)塗布後膨張する組成物の合計重量基準で約0.5wt%−約20wt%、好ましくは約1wt%−約10wt%揮発性(発泡)剤。好適な揮発性(発泡)剤は約0℃−約100℃の温度において、約0.5トール−約30,000トールの蒸気圧をもつ有機揮発性剤(ハロゲン化された又はハロゲン化されていない)を含む。好ましい有機揮発性剤の例としては、限定はしないが、n−ペンタン、イソペンタン、n−ブタン、イソブタン、イソブテン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、トリクロロトリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、及びそれらの混合物を包含する。好ましくは、揮発性(発泡)剤はn−ペンタン、イソペンタン、n−ブタン、イソブタン、イソブテン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、及びそれらの混合物からなる群から選択される;
【0054】
(6)揮発性(発泡)剤が本発明の塗布後膨張する組成物から開放されるときに起こる界面活性剤、界面活性剤用溶媒、及び揮発性(発泡)剤との相互作用によって生成する泡の少なくとも一部を取り込むのに足る量のフィルム形成剤;
【0055】
(7)塗布後膨張する組成物の合計重量基準で0wt%−5wt%、好ましくは約0.5wt%−約4wt%、より好ましくは約0.75wt%−約3wt%、最も好ましくは約1wt%−約2wt%の、エチルヘキシルヒドロキシステアレート、エチルヘキシルステアレート、ブチレングリコールステアレート、C12−15アルキル安息香酸エステル、C12−13アルキル乳酸エステル、カプリル酸/カプリン酸グリセリド、カスター油/オリーブ油エステル、エチルヘキサノン酸セテアリール、オレイン酸セチル、ココグリセリド、シクロメチコン、シクロペンタシロキサン、ジメチコノール、ジメチコンPEG−7イソステアレート、エチルヘキシルイソステアレート、エチルヘキシルオキシグリセリルパルミテート、エチルヘキシルパルミテート、グリセリルパルミテート、水素化ポリデセン、水素化ポリイソブテン、イソデシルステアレート、イソプロピルパルミテート、ラノリン、鉱油、PEG−11ココアバターグリセリド、及びそれらの混合物からなる群から選択される緩和剤である。オクチルヒドロキシステアレートが最も好ましい;
【0056】
(8)所望により、頭髪、眉毛又は睫毛に白以外の色を与えるに足る量の着色剤、好ましくは顔料、より好ましくは顔料分散物。フィルム形成剤を含む液体顔料分散物が好ましい。最も好ましい顔料分散物はWSJ2BAMAPである。それは塗布後膨張する組成物の合計重量基準で約5wt%−約50wt%、より好ましくは約10wt%−約40wt%、最も好ましくは約20wt%−約35wt%の量で使用される。
【0057】
ここで使用されるときは、“有効可溶化量”又は“可溶化させるに足る量”は組成物から揮発性剤の分離を防止するに足る量を意味する。このように、例えば、有効可溶化量は実質上揮発性剤の分離層の形成を防止する。典型的には、有効可溶化量は塗布後膨張する組成物の合計重量基準で約0.5wt%−約20wt%、好ましくは約5wt%−約10wt%である。もっと多い量も使用可能ではあるが経済的には実用的でない。
【0058】
特に好ましい可溶化システムはトリブロックコポリマー界面活性剤及びポリビニルアルコールまたはアンモニウムココイルイセチオネートを使用することは注目しておくべきである。より好ましい可溶化システムはトリブロックコポリマー界面活性剤、ナトリウム又はアンモニウムココイルイセチオネートのようなアンモニウムココイルイセチオネート、及びポリビニルアルコールを使用する。
【0059】
以下の実施例は単に本発明を説明する目的で用意されたものであり本発明を如何なる観点からも限定することを意図したものではない。
〔実施例〕
【0060】
【表1】

【0061】
実施例1−4の組成物は下記の手順に従って調製される:
(a)シントラン(SYNTRAN)EX−100、ダイトゾル(DATOSOL)5000SJ、リカパール(LIQUAPAR)及びWSJ24BAMPを室温で混合した。
【0062】
(b)トリエタノールアミン、イソセス−20、オレス−3ホスフェート、パルミチン酸、ステアリン酸、エチルヘキシルヒドロキシステアレート、アラビアゴム及び水を約75℃−約80℃の温度で混合しそれから室温まで冷却させた。
【0063】
(c)アンモニウムコシルイセチオネート及びプルロニック(PLURONIC)ブロックポリマーを平板プロペラを使って混合する。イソペンタンを加えそして混合物をすばやく且つ完全に混合する。
【0064】
(d)工程(a)の混合物を工程(c)の混合物に添加しそしてそれらを完全に混合させる。
(e)工程(b)の混合物を工程(d)で生じた混合物に添加しそして完全にそれらを混合する。得られた混合物を適切な栓の付いた容器に移す。工程(c)においては、イソペンタンを加えたら、製造工程はできるだけ速やかに完結させるべきである。
【0065】
実施例1−4のそれぞれにおいてブロックコポリマー及びアンモニウムココイルイセチオネートは主に揮発性剤(イソペンタン)を可溶化するために使用される。ブロックコポリマーは主要な可溶化剤として作用しそしてアンモニウムココイルイセチオネートは二義的な可溶化剤として機能する。組成物が睫毛のような毛に塗り拡げられるときに、周囲の環境に曝される表面は増加する。揮発性剤はそれからブロックコポリマーとアンモニウムココイルイセチオネート及び水と相互作用し泡を生成する。好ましくは追加の界面活性剤(例えば、トリエタノールアミンステアレート及び使用時に生成するパルミチン酸エステル)が泡生成を促進させそして安定化させるために使用される。
【0066】
【表2】

【0067】
【表3】

【0068】
実施例5−16のような組成物は以下に示す実施例17の手順に従って製造される。実施例17の手順は工程を例示するために特定の調合を使用しているが、ブロックポリマーを使用する本発明の他の組成物も同様にして調製される。
【0069】
【表4】

【0070】
手順:
(a)ナトリウムカルボキシメチルセルロースを、3枚羽根を使用した中速/低速(400−600rpm)撹拌下で水中に散布する。ナトリウムカルボキシメチルセルロースを固まりがなくなるまで完全に分散させる;
(b)ポリビニルアルコールをゆっくりと加え十分な時間をかけて分散させる;
(c)トリエタノールアミンを加えそして蓋をしてフェーズAを75℃に加熱する。
(d)75℃でフェーズB成分をそれぞれの添加の間、次の添加の前に約3−5分各成分を完全に混合/分散させる;
(e)一緒にしたフェーズAとフェーズBを75℃で約10分間混合する。
【0071】
(f)加熱をやめそして約55℃に冷却し、プロペラをワッフル鉄製掻き取りに取り替え80−100rpmで掻き取りを続ける;
(g)55℃で、ゆっくりとフェーズCをバッチに直接加える。5分間撹拌する;
(h)約45℃に冷やし、そしてフェーズDを掻き取り撹拌下にゆっくりと加える。スパチュラを使用して容器の壁面を掻き取りそして全体を混合する;
(i)約30℃で、フェーズEを掻き取り撹拌下におく;
(j)掻き取り撹拌を続けそして組成物がおおよそ2℃−約5℃に達するまで冷却する;
【0072】
(k)主組成物からフェーズEを分離して取り出しそして冷却状態(おおよそ2℃−約5℃)に置く(工程処理温度は使用される揮発性剤に依存することに注意すべきである。より安定な揮発性剤の場合はより高い温度が採用される);
(l)ブロックポリマーを冷却しそして冷却ジャケットの付いた容器中に置き、冷却した揮発性剤を加えそして約10分間混合する;
(m)アンモニウムココイルイセチオネートをペンタン/ブロックポリマー混合物中にゆっくりと滴下し約5分間撹拌を続ける;
(n)大きなホモジナイザーを使用して、冷却したフェーズEをメインバッチ(フェーズA,B,C,及びD)にゆっくりと加えそしてフェーズEが完全に分散するまで撹拌する;そして
(o)得られた混合物を適当な容器に充填する。
【0073】
II.ミクロエマルジョンシステム
ミクロエマルジョンは表面活性剤の界面フィルムによって安定化されているナノメーター寸法のドメインを含む油と水の熱力学的にアイソトロピックな分散である。本質的に、ミクロエマルジョンはオイル、水、界面活性剤、共界面活性剤及び電解質から形成されている多成分混合物である。
【0074】
従来の混合物とミクロエマルジョンとの間の主要な差異は、前者が分子スケールで混合しているのに対し、後者は直径が10−100nmオーダーのオイル又は水の液滴がそれぞれ水又はオイル中の液滴としてそれぞれ分散している点である。界面活性剤と共界面活性剤は主に二層の界面間に置かれ、同様に二つのメディア間に平衡状態で分布している。ミクロエマルジョンの組成的なメーキャップによっては、種々の相と平衡が達成される。幾つかの典型的な形態は水中油型(ウインザーI)、油中水型(ウインザーII)及び二重連続層(ウインザーIII)である。
【0075】
本発明者らは驚くべきことに、そのようなシステムで遭遇するミクロエマルジョンの微小な液滴サイズと熱力学的安定性は揮発性(発泡)剤を拘束するように作用することを見出した。揮発性剤はナノメーターサイズの液滴として分散するため、ミクロエマルジョンシステムは“正味の”揮発性(発泡)剤に伴う蒸気圧を効果的に減少させる。ミクロエマルジョンベースの塗布後膨張する組成物はそれらが大量の揮発性(発泡)剤を含んでいても安定である。本発明の塗布後膨張する組成物のベースとしてのミクロエマルジョンシステムは、例えば、圧力容器のような障壁タイプの容器に充填することを必要としない塗布後膨張するマスカラの製造を可能にする。
【0076】
本発明に従ったミクロエマルジョンシステムベースの塗布後膨張する組成物が閉容器内に貯蔵されるとき、塗布後膨張する組成物内に含まれる揮発性(発泡)剤は完全に細分化される。換言すれば、揮発性剤はミクロエマルジョン内に分散したままである。本発明のミクロエマルジョンベースの塗布後膨張する組成物が容器から取り出されそして睫毛のような表面に塗布され塗り拡げられ、そして組成物が大気に曝されるときに、揮発性(発泡)剤は組成物からガスとしてゆっくり移動しそして界面活性剤及び界面活性剤用溶媒と相互作用を起こして泡格子を作り出す。この格子は脂肪酸のナトリウム塩のような泡システム及び/又はベタイン又はスルタインのような1以上の泡増進剤を使用してさらに最適化することができる。格子は天然又は合成フィルム形成剤又はそれらの組み合わせを使用することによって膨張した形状で捕捉されるか又は保持される。
【0077】
ミクロエマルジョンは、低粘度液体、高粘度液体、ゲル、クリーム、半固体及び完全固体のような多くの製品形態を与えるように調製されてもよい。
以下の実施例18−22はミクロエマルジョンシステムベースの本発明の組成物を説明するために供される;
【0078】
【表5】

【0079】
III.二つの部分システム
水と混合すると、炭酸水素塩及び炭酸塩はカルボン酸と塩を生成する。カルボン酸は水中で不安定でそして室温では急速に二酸化炭素と水に分解する。生ずる化学反応は下記の反応機構で示される。
【0080】
【化4】

【0081】
ここで、Xはアルカリ金属カチオン又はアンモニウムカチオンで、Zはアルカリ土類金属カチオン、HYは鉱油又は有機酸そしてXYはアルカリまたアルカリ土類金属塩である。
【0082】
より特徴的には、本発明のこの態様においては、揮発性(発泡)剤、二酸化炭素は、水の存在下で化粧品として受け入れうる酸と塩基の容易な反応によって使用時に生成する。生成する炭酸は水中で不安定で室温で水と二酸化炭素ガスに分解する。二酸化炭素は組成物を発泡(膨らます又は膨張)させる。
【0083】
好適な酸としては、限定はしないが、クエン酸、硼酸、タルタル酸、コハク酸、マレイン酸、ギ酸、グリコール酸、ポリアクリル酸、ポリアスパラギン酸及びそれらの混合物が包含される。ミクロ多孔質のシリカ又はpH5以下の緩衝鉱酸(塩酸又はリン酸のような)が使用される。コハク酸が好ましい。
【0084】
好適な塩基としては、限定はしないが、(i)無機炭酸塩及び炭酸水素塩、例えば、アンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属炭酸塩及び炭酸水素塩、及び(ii)ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート及びジプロピルカーボネートのような有機炭酸塩が包含される。炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン及び炭酸ジプロピルが好ましい。炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムが最も好ましい。
【0085】
ポリアクリル酸が酸反応成分として使用されるときは、二酸化炭素の開放によって引き起こされる膨張は(i)ポリマーフィルムの厚みに貢献するpHを増大させ及び/又は(ii)反応を遅延化させる組成物中の水の量を増加させることによって調節される。
【0086】
頭髪、眉毛又は睫毛に塗布するための塗布後膨張する組成物にこの化学反応を適用するためには水は使用時に二酸化炭素の生成が起こるまで炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム及び酸から隔離されなければならない。
【0087】
使用時に生成する二酸化炭素を使用するための好ましい態様は二つの部分組成物を利用する。各部分は単一の二部屋に別れた容器の異なった部屋に充填されるか又は二つの部分が別々の容器に充填される。
【0088】
例えば、クエン酸は無水の塗布後膨張する組成物に分散されそしてマスカラは、例えば、睫毛に塗布される。同時に、又はその直後に、炭酸水素ナトリウムのような化粧品として受け入れうる塩基の水溶液が睫毛に塗布されそしてマスカラブラシの助けを借りてマスカラと混合して二酸化炭素が生成する。二酸化炭素は塗布後膨張する組成物の界面活性剤と界面活性剤用溶媒成分を発泡(膨らませ又は膨張)させる。組成物のフィルム形成剤成分は膨張した状態で組成物を固定するように生成した泡の少なくとも一部を固定し取り込む。
【0089】
代わりに、無水の炭酸水素ナトリウム及び無水の酸は無水のマスカラ組成物中に分散しそして組成物は睫毛上で界面活性剤を含む水溶液組成物と混合する。マスカラブラシは界面活性剤水溶液と炭酸水素ナトリウムと酸を含むマスカラとを混合させる。界面活性剤は混合を促進させそして生成する二酸化炭素は界面活性剤と界面活性剤用溶媒成分を発泡させるために作用する。フィルム形成剤成分、好ましくは水溶液中に存在する、が固定するとき、それは生成した泡格子の少なくとも一部分を取り込みそして塗布後膨張する組成物を膨張状態で固定する。
【0090】
水は使用時に二酸化炭素の生成が起こることが望ましくなるまで炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム及び酸から隔離されなければならない。
例えば、マスカラ組成物の場合、二つの部分のマスカラが調製される。各部分は単一の容器の別々の部屋に充填されるか又は二つの別々の容器が使用される。組成物の一つの部分に存在する水の量(一般的には最終組成物の合計重量基準で40wt%以上)は部屋の片方に(又は別々の容器の片方に)充填される。もう一方の部屋(又は別の容器)は調合の無水部分を含む。無水部分は最初に睫毛に塗布され、続いて水溶液部分が塗布される。調合物中に存在する界面活性剤はマスカラブラシでの機械的作用と組み合わせて二つの部分の混合及び使用時の二酸化炭素の生成を容易にする。
【0091】
本発明の好ましい態様においては、無水のポリエチレングリコール中に溶解又は分散した炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム及び酸を含む塗布後膨張する組成物の第一の部分は二つの部屋をもつ容器の一方の部屋に貯蔵される。調合量の水を含む塗布後膨張する組成物の第二の部分はもう一方の部屋に貯蔵される。
【0092】
代替としては、一方は第一の容器にそしてもう一方は第二の容器に貯蔵される。界面活性剤及びフィルム形成剤は組成物の水溶液部分の成分であることができる。
酸及び塩基は無水の、水と混ざり合う媒体中に分散させるか又は酸は無水の水と混ざり合う媒体中に含ませることができそして塩基は組成物の水溶液部分に含ませることができる。逆(水溶液部分に酸そして無水部分に塩基)は目の炎症、色の不安定性や粘度変化を起こす可能性がある。
【0093】
無水のポリエチレングリコールは炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム及び酸の反応のための媒体として非常に好ましい。その吸湿性は組成物の水溶液部分が組成物の無水の酸/塩基を含む部分と混合するときに速やかな二酸化炭素の生成を促進する。無水のポリエチレングリコールが好ましいのではあるが、水と容易に混ざり合いそしてその中で無水の酸及び塩基がお互いに反応することなしで懸濁できるような種々の無水の、化粧品として受け入れうる、溶媒が使用できる。ソルビトール及びグリセリンがそのような溶媒の追加的な例である。
【0094】
別々の容器中に酸と塩基を分離する代わりに、もう一方の反応物から物理的に分離するように塩基をカプセル化することもできることに注意しておくべきである。
酸及び塩基(炭酸塩又は炭酸水素塩)反応物は化学量論量が使用されるべきである。共−反応物は、反応したときに、フィルム形成剤が固定する前に十分な泡格子と膨張を生み出すために界面活性剤と界面活性剤用溶媒を相互作用させるために十分な二酸化炭素が生成するような量で使用されるべきである。
【0095】
以下の実施例は単に本発明のこの態様に従って調製された二つの部分組成物を説明するためになされたもので如何なる点においても限定する意図でなされたものではない。
【0096】
実施例23−25のそれぞれにおいて、部分Bは炭酸水素塩/酸混合物を含みそして部分Aは水を含む。実施例23においては、部分Bはオイルゲルポリマーベースである。実施例24においては、部分Bは無水のポリエチレングリコール400ベースである。もし、より高い又はより低い粘度製品が望ましい場合は、より高い又はより低い分子量のポリエチレングリコール、又はポリエチレングリコールの混合物が使用される。実施例25においては、部分Bはエマルジョン状のワックスベースである。実施例23及び24の部分Aはマスカラ調合において典型的に使用されるように高い水含量と低い粘度をもつ。実施例25の部分Aはブラックマイカを含む。結果として、実施例25の調合は眉毛の染色として有用である。
【0097】
【表6】

【0098】
部分Aのために、ヒドロキシエチルセルロースを激しく撹拌しながら水中にゆっくりと分散させる。温度を75℃まで上昇させそして成分の残りをブレンドする。バッチをそれから室温までゆっくりと冷却する。部分B成分は、粉化した炭酸水素カリウム/クエン酸混合物と界面活性剤がイソデカンとエチレン/プロピレン/スチレンコポリマー及びブチレン/エチレン/スチレンコポリマーの混合物中に完全に分散するまで室温で混合させる。
【0099】
【表7】

【0100】
部分Aのために、セルロースゴムを激しく撹拌しながら水中にゆっくりと分散させる。残りの成分(ワックスを除く)を、pHが中性と測定されるまで、最後に加えられるトリエタノールアミンとブレンドする。温度を75℃まで上昇させる。別々にワックスを融解させそれからバッチ中で粉化させる。バッチをそれから室温までゆっくりと冷却する。部分B成分を粉化した炭酸水素カリウム/クエン酸混合物と界面活性剤がPEG−400中で完全に分散するまで室温で混合する。
【0101】
【表8】

【0102】
部分Aのために、成分は水中で45℃においてブレンドされる。バッチをそれから室温まで冷却する。部分B成分は乳化用ワックスの融点よりわずかに高い温度で粉化した炭酸水素カリウム/クエン酸混合物が混合物中で完全に分散するまで混合される。
【0103】
以下の実施例26−29は、泡格子生成のための機械的撹拌(揮発性剤よりも)に依存しそして結果として耐圧性容器に充填する必要のない塗布後膨張する組成物を説明するためのものである。
【0104】
【表9】

【0105】
マスカラの形態で塗布されるとき、本発明の組成物はブラシ塗りが少なくて済みそしてこのような操作が大幅に減少する。例えば、従来技術のマスカラ製品が睫毛に塗布されるときに典型的に採用される14回以上のブラシ塗りに較べ3−5回のブラシ塗りで十分である。
【0106】
本発明の組成物は毛のボリューム感を出すために使用でき、その結果、頭髪、眉毛及び睫毛に使用することができる。前に述べたように、ボリューム感を出すために使用するとき、それは顔料のような着色剤と共に又は無しで使用することができる。白い頭髪に使用するときは、着色剤は必要ない。しかしながら、グレー又は白以外の毛に使用されるときは、顔料のような着色剤が一般的には本発明の組成物中に含まれる。取り込まれた泡の色を遮蔽するためには十分な着色剤又は顔料が使用されるべきであり、好ましくは、毛に予め決められた所望の色を与えるためには十分な着色剤が使用されるべきである。
【0107】
本発明はまた本発明の組成物を毛に塗布することからなる頭髪、眉毛又は睫毛にボリューム感を与える方法を包含する。
本発明の塗布後膨張する組成物は、可撓性の金属チューブ及び障壁タイプのエアロゾルディスペンサーを含む商業的に利用可能な多くのタイプの容器に充填可能である。もし、エアロゾルディスペンサーが使用される場合は、塗布後膨張する組成物は容器内のバッグ、ダイアフラム又はピストンの手段によって推進器とは別にして容器内に保持されることが好ましい。この推進器は組成物の成分である揮発性(発泡)剤と混同すべきではない。もし、ダイアフラム又はピストンが使用される場合は、スプリングのような推進器又は機械力によって駆動できる。
【0108】
本発明に従った組成物は、例えば、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18及び特許文献19に記載されている充填システム内に充填してもよい。
【0109】
前述の記載は本発明の幾つかの態様を説明するためのみのものであることを理解すべきである。種々の代替又は修正は熟練した当業者にとっては本発明から逸脱すること無しに考案可能である。従って、本発明は、添付した特許請求範囲の範囲内に入るそのような全ての代替、修正及び変形を包含することを意図している。
【0110】
【非特許文献1】International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,9thEd.monograph27−33(2002)
【非特許文献2】The Cosmetic Yoiletary and Association,International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,Vol2,9thEd.,pp959−961(2002)
【非特許文献3】The Cosmetic Yoiletary and Association,International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,Vol2,9thEd.,pp1270−1275(2002)
【特許文献12】USP2,995,521
【特許文献13】USP3,541,581
【特許文献14】USP3,654,167
【特許文献15】USP4,405,489
【特許文献16】USP4,528,111
【特許文献17】USP4,651,503
【特許文献18】USP6,165,456
【特許文献19】US2002/0122772A1
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は非−加圧容器内に貯蔵可能である頭髪、眉毛又はマスカラのような睫毛に塗布するための塗布後に膨張する組成物として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1の界面活性剤、界面活性剤用溶媒、界面活性剤及び溶媒を相互作用させて毛の上に泡を生成させそれによって膨張した組成物を形成するに足る量の揮発性剤及びフィルム形成剤からなり、フィルム形成剤が組成物を毛に塗布後にフィルムを形成しそしてフィルムが固定したときに膨張した組成物の少なくとも一部を固定するに足る量で存在し、揮発性剤が組成物中で可溶化されており、そして揮発性剤がさらにナノメーターサイズの液滴で組成物中に分散しているか又は毛の上で又は毛に塗布直前に生成するようになっており、それによって組成物が非−加圧容器内に貯蔵可能であることを特徴とする頭髪、眉毛又は睫毛に塗布するための塗布後膨張する化粧料として受け入れうる組成物。
【請求項2】
少なくとも1の界面活性剤、界面活性剤用溶媒、毛に塗布後に組成物を膨らませるに足る量の揮発性剤及びフィルム形成剤からなり、フィルム形成剤がフィルムを形成しそしてフィルムが固定したときに膨張した状態における膨らんだ組成物の少なくとも一部を固定するに足る量で存在し、揮発性剤が組成物中で可溶化されており、そして揮発性剤がさらにナノメーターサイズの液滴で組成物中に分散しているか又は毛の上で又は毛に塗布直前に生成するようになっており、それによって組成物が非−加圧容器内に貯蔵可能であることを特徴とする頭髪、眉毛又は睫毛に塗布するための塗布後膨張する化粧料として受け入れうる組成物。
【請求項3】
組成物が組成物の合計重量基準で約1−約50重量%のフィルム形成剤を含む請求項2記載の組成物。
【請求項4】
組成物が組成物の合計重量基準で約5−約40重量%のフィルム形成剤を含む請求項2記載の組成物。
【請求項5】
組成物が組成物の合計重量基準で約8−約30重量%のフィルム形成剤を含む請求項2記載の組成物。
【請求項6】
組成物が組成物の合計重量基準で約10−約25重量%のフィルム形成剤を含む請求項2記載の組成物。
【請求項7】
フィルム形成剤がポリマーである請求項2記載の組成物。
【請求項8】
フィルム形成剤がコポリマーである請求項2記載の組成物。
【請求項9】
フィルム形成剤がアクリレートコポリマー、メタクリレートコポリマー、アクリルアミドコポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項8記載の組成物。
【請求項10】
組成物が着色剤を含む請求項2記載の組成物。
【請求項11】
着色剤が白以外の色を毛に与えるに足る量で存在する請求項10記載の組成物。
【請求項12】
着色剤が顔料である請求項10記載の組成物。
【請求項13】
組成物がマスカラとして好適な量で顔料が存在する請求項12記載の組成物。
【請求項14】
顔料が顔料分散物である請求項12記載の組成物。
【請求項15】
顔料分散物が水、酸化鉄及び第二のフィルム形成剤を含む請求項14記載の組成物。
【請求項16】
組成物が水溶性増粘剤を含む請求項2記載の組成物。
【請求項17】
水溶性増粘剤が合成蔗糖誘導体、セルロースガム及び親水性コロイドからなる群から選択される請求項16記載の組成物。
【請求項18】
組成物が水洗浄可能である請求項2記載の組成物。
【請求項19】
組成物が耐水洗浄性である請求項2記載の組成物。
【請求項20】
組成物がミクロエマルジョンである請求項2記載の組成物。
【請求項21】
組成物が組成物中の揮発性剤を可溶化させるに足る量のブロックポリマーを含む請求項2記載の組成物。
【請求項22】
組成物がメロキサポール(MEROXAPOL)ブロックポリマー界面活性剤、ポロキサマー(POLOXAMER)ブロックポリマー界面活性剤、及びポロキサミン(POLOXAMINE)ブロックポリマー界面活性剤からなる群から選択されるブロックポリマー状エーテルを含み、そしてブロックポリマー状エーテルが組成物中の揮発性剤を可溶化させるに足る量で存在する請求項2記載の組成物。
【請求項23】
組成物がアニオン性界面活性剤を含む請求項2記載の組成物。
【請求項24】
アニオン性界面活性剤がC10−C22脂肪酸の水溶性塩、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルモノグリセリルエーテルサルフェート、アルキルモノグリセライドサルフェート、アルキルモノグリセライドスルフォネート、アルキルスルフォネート、アルキルアリールスルフォネート、アルキルスルフォサクシネート、アルキルエーテルスルフォサクシネート、アルキルスルフォサクシネート、アルキルアミドスルフォサクシネート、アルキルカルボキシレート、アルキルアミドエーテルカルボキシレート、アルキルサクシネート、脂肪族アシルサルコシネート、脂肪族アシルアミノ酸、脂肪族アシルタウレート、脂肪族アルキルスルフォアセテート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項23記載の組成物。
【請求項25】
10−C22脂肪酸の水溶性塩がパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、パーム油及びココナッツ油脂肪酸、及びそれらの混合物のナトリウム、カリウム及びトリエタノールアミン塩からなる群から選択されるステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸である請求項24記載の組成物。
【請求項26】
組成物が両性イオン又は双性イオン界面活性剤を含む請求項2記載の組成物。
【請求項27】
両性イオン又は双性イオン界面活性剤が両性カルボン酸エステル、アルキルベタイン、アミドアルキルベタイン、アミドアルキルスルタイン、アンフォホスフェート、ホスフォベタイン、ピロホスフォベタイン、カルボキシアルキルアルキルポリアミン、アルキルアミノモノステアレート、アルキルアミノジアセテート、及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項26記載の組成物。
【請求項28】
組成物が非イオン性界面活性剤を含む請求項2記載の組成物。
【請求項29】
非イオン性界面活性剤がポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体である請求項28記載の組成物。
【請求項30】
揮発性剤が、約0℃−約100℃の温度において、約0.5トール−約30,000トールの蒸気圧をもつ請求項2記載の組成物。
【請求項31】
蒸気圧が約5.0トール−約5,000トールである請求項30記載の組成物。
【請求項32】
蒸気圧が約100トール−約2,500トールである請求項30記載の組成物。
【請求項33】
揮発性剤がn−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ブタン、イソブタン、イソブテン、シクロペンタン、ヘキサン、トリクロロトリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、ヒドロフルオロエーテル及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項2記載の組成物。
【請求項34】
毛を請求項2記載の組成物とその効果を得るのに十分な時間接触させることからなる頭髪、眉毛又は睫毛にボリューム感を与える方法。
【請求項35】
フィルム形成剤、界面活性剤、界面活性剤用溶媒、及び揮発性剤からなり、フィルム形成剤が、組成物が毛に塗布された後で揮発性剤と界面活性剤の相互作用によって形成される泡の少なくとも一部を取り込むフィルムを形成するに足る量で存在し、揮発性剤が組成物中で可溶化されており、そして揮発性剤がさらにナノメーターサイズの液滴で組成物中に分散しているか又は毛の上で又は毛に塗布直前に生成するようになっており、それによって組成物が非−加圧容器内に貯蔵可能であることを特徴とする塗布後膨張する組成物。
【請求項36】
揮発性剤が、約0℃−約100℃の温度において、約0.5トール−約30,000トールの蒸気圧をもつ請求項35記載の組成物。
【請求項37】
蒸気圧が約5.0トール−約5,000トールである請求項36記載の組成物。
【請求項38】
蒸気圧が約100トール−約2,500トールである請求項36記載の組成物。
【請求項39】
揮発性剤がn−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ブタン、イソブタン、イソブテン、シクロペンタン、ヘキサン、トリクロロトリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、ヒドロフルオロエーテル及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項35記載の組成物。
【請求項40】
毛が睫毛である請求項35記載の組成物。
【請求項41】
組成物が、着色剤が存在しないときに睫毛に与えられる色を遮蔽するに足る量の着色剤を含む請求項40記載の組成物。
【請求項42】
着色剤が顔料でありそして顔料の色に近い色を睫毛に与えるに足る量で存在する請求項41記載の組成物。
【請求項43】
マスカラ組成物において、(i)少なくとも1の界面活性剤、(ii)界面活性剤用溶媒、(iii)界面活性剤及び溶媒を相互作用させて組成物が睫毛に塗布された後にマスカラ組成物を膨張させる揮発性剤、(iv)膨張した組成物の少なくとも一部を取り込みそして固定するときに膨張状態の組成物の少なくとも一部を維持するフィルムを形成するに足る量のフィルム形成剤、(v)組成物中で可溶化されている揮発性剤、を組成物中に含み、そして揮発性剤がさらにナノメーターサイズの液滴で組成物中に分散しているか又は睫毛の上で又は毛に塗布直前に生成するようになっており、それによって組成物は塗布される睫毛にボリューム感を与え且つ組成物は非−加圧容器内に貯蔵可能であることを特徴とする改良。
【請求項44】
少なくとも1の界面活性剤、界面活性剤用溶媒、界面活性剤及び溶媒を相互作用させて毛の上に泡を生成させそれによって組成物の半径方向形状を増大させるに足る量の揮発性剤及び毛の上の組成物の増大した半径方向形状を固定するに足る量のフィルム形成剤からなり、揮発性剤が組成物中で可溶化されており、そして揮発性剤がさらにナノメーターサイズの液滴で組成物中に分散しているか又は毛の上で又は毛に塗布直前に生成するようになっており、それによって組成物が非−加圧容器内に貯蔵可能であることを特徴とする頭髪、眉毛又は睫毛に塗布するための塗布後膨張する化粧料として受け入れうる組成物。
【請求項45】
揮発性剤が水中での炭酸塩又は炭酸水素塩と酸との反応によって毛の上で発生する二酸化炭素である請求項2記載の組成物。
【請求項46】
炭酸塩又は炭酸水素塩と酸が無水の水混和性媒体からなる第一の部分に分散しておりそして水は第二の部分に含まれており、第一と第二の部分が毛の上で又は毛に塗布される直前に混合される請求項45記載の組成物。
【請求項47】
炭酸塩又は炭酸水素塩が無水の水混和性媒体からなる第一の部分に含まれそして水及び酸は第二の部分に含まれており、第一と第二の部分が毛の上で又は毛に塗布される直前に混合される請求項45記載の組成物。
【請求項48】
炭酸塩又は炭酸水素塩がアンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属炭酸塩及び炭酸水素塩、ジエチル炭酸塩、プロピレン炭酸塩、ジプロピル炭酸塩、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものであり、そして酸がクエン酸、硼酸、タルタル酸、コハク酸、マレイン酸、ギ酸、グリコール酸、ポリアクリル酸、ポリアスパラギン酸、ミクロ多孔質シリカ、pH5以下の緩衝鉱酸、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものである請求項45記載の組成物。
【請求項49】
酸がクエン酸、塩基がナトリウム又はカリウム炭酸水素塩、そして無水の水混和性媒体が無水ポリエチレングリコールである請求項46記載の組成物。
【請求項50】
組成物が揮発性剤を可溶化させるに足る量の可溶化剤を含み、可溶化剤がブロックポリマー界面活性剤、ポリビニルアルコール、PEG−800/ポリビニルアルコールコポリマー、ナトリウムMA/ビニルアルコールコポリマー、アセチル化したポリビニルアルコール、ビニルアミン/ビニルアルコールコポリマー、VP/VAコポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、又はそれらの混合物である請求項2記載の組成物。
【請求項51】
可溶化剤がブロックポリマー界面活性剤、ポリビニルアルコール、PEG−800/ポリビニルアルコールコポリマー、ナトリウムMA/ビニルアルコールコポリマー、アセチル化したポリビニルアルコール、ビニルアミン/ビニルアルコールコポリマー、VP/VAコポリマー、又はそれらの混合物である請求項50記載の組成物。
【請求項52】
可溶化剤がブロックポリマー界面活性剤、ポリビニルアルコール、及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項50記載の組成物。
【請求項53】
可溶化剤がメロキサポール(MEROXAPOL)ブロックポリマー界面活性剤、ポロキサマー(POLOXAMER)ブロックポリマー界面活性剤、ポロキサミン(POLOXAMINE)ブロックポリマー界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択されるブロックコポリマー界面活性剤である請求項50記載の組成物。
【請求項54】
可溶化剤がポリビニルアルコールでありそしてポリビニルアルコールの量がフィルムを形成しそしてフィルムが固定したときに膨張した状態における膨らんだ組成物の少なくとも一部を固定するに足る量であり、ポリビニルアルコールが可溶化剤として及びフィルム形成剤として作用するようになっている請求項50記載の組成物。
【請求項55】
さらに、エチルヘキシルヒドロキシステアレート、エチルヘキシルステアレート、ブチレングリコールステアレート、C12−15アルキル安息香酸エステル、C12−13アルキル乳酸エステル、カプリル酸/カプリン酸グリセリド、カスター油/オリーブ油エステル、エチルヘキサノン酸セテアリール、オレイン酸セチル、ココグリセリド、シクロメチコン、シクロペンタシロキサン、ジメチコノール、ジメチコンPEG−7イソステアレート、エチルヘキシルイソステアレート、エチルヘキシルオキシグリセリルパルミテート、エチルヘキシルパルミテート、グリセリルパルミテート、水素化ポリデセン、水素化ポリイソブテン、イソデシルステアレート、イソプロピルパルミテート、ラノリン、鉱油、PEG−11ココアバターグリセリド、及びそれらの混合物からなる群から選択される緩和剤の規定量を含む請求項2記載の組成物。
【請求項56】
さらに、アンモニウムココイルイセチオネートを含む請求項53記載の組成物。
【請求項57】
アンモニウムココイルイセチオネートがナトリウムココイルイセチオネート、アンモニウムココイルイセチオネート及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項56記載の組成物。
【請求項58】
可溶化剤が(i)メロキサポール(MEROXAPOL)ブロックポリマー界面活性剤、ポロキサマー(POLOXAMER)ブロックポリマー界面活性剤、及びポロキサミン(POLOXAMINE)ブロックポリマー界面活性剤からなる群から選択されるブロックポリマー界面活性剤、(ii)ポリビニルアルコール及び(iii)アンモニウムココイルイセチオネートの混合物である請求項52記載の組成物。
【請求項59】
組成物がナノメーターサイズの液滴で分散している揮発性剤を含むミクロエマルジョンである請求項2記載の組成物。

【公表番号】特表2006−508173(P2006−508173A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−565618(P2004−565618)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/040790
【国際公開番号】WO2004/060292
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(399130393)エイボン プロダクツ インコーポレーテッド (75)
【Fターム(参考)】