加工装置および加工方法
【課題】 ころのクラウニング加工やクラウニング超仕上げ加工に適用され、加工時間の短縮を図り、量産に適用できると共に、微小な曲率のクラウニングや対数曲線形状のクラウニング加工に対応することができる加工装置および加工方法を提供する。
【解決手段】 加工装置は、それぞれ螺旋状に続く案内ねじ面4,4を外周を有し中心軸L1,L2回りに回転駆動される2本のフィードドラム1,2を平行に設置し、フィードドラム1,2は、互いに対向する案内ねじ面4,4にころWを転接させて回転により両フィードドラム1,2間にころWを通過させるものであり、フィードドラム1、2間を通過するころWのクラウニング部を加工する砥石を備える。フィードドラム1,2の案内ねじ面4は、ころWの外周面を同ころWの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bに分割されている。
【解決手段】 加工装置は、それぞれ螺旋状に続く案内ねじ面4,4を外周を有し中心軸L1,L2回りに回転駆動される2本のフィードドラム1,2を平行に設置し、フィードドラム1,2は、互いに対向する案内ねじ面4,4にころWを転接させて回転により両フィードドラム1,2間にころWを通過させるものであり、フィードドラム1、2間を通過するころWのクラウニング部を加工する砥石を備える。フィードドラム1,2の案内ねじ面4は、ころWの外周面を同ころWの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bに分割されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、円筒ころおよび円すいころのクラウニング加工やクラウニング超仕上げ加工に適用される加工装置および加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図11(A)は、従来例のフィードドラムの平面図であり、図11(B)は、同フィードドラムの要部正面図である。ワークWである例えば円すいころにおいては、外径ストレート部50のみフィードドラム51,52を用いたスルーフィード超仕上げ加工が可能である(特許文献1)。このときフィードドラム51,52は、ワークWを線支持するため、砥石53とワークWの傾斜角度はフィードドラム全域において一定である。したがって、フィードドラム51,52を用いてワークWのクラウニング部54を超仕上げすることは不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−100743号公報
【特許文献2】特開平7−290347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
円すいころのクラウニング部は、1個ずつ単品で超仕上げ加工するため、加工時間が長く、大量生産に適用できない。
外径面をクラウニング形状に成形した砥石で、プランジカットにより円すいころのクラウニング部を超仕上げ加工する場合も、加工時間が長く、量産に適用できない。
センターレス研削盤を用い、砥石と調整車の外径面にR形状を付けて円すいころにクラウニング成形する方法(特許文献2)では、曲率半径1000mm以下のクラウニングや対数曲線形状のクラウニング加工に対応できない。
従来のスルーフィード加工法で、円筒ころにクラウニング成形する場合、単一Rまたは単一Rの組合せによる複合R形状しか成形できない制約があった。
【0005】
この発明の目的は、ころのクラウニング加工やクラウニング超仕上げ加工に適用され、加工時間の短縮を図り、量産に適用できると共に、微小な曲率のクラウニングや対数曲線形状のクラウニング加工等に対応することができる汎用性の高い加工装置および加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の加工装置は、ころのクラウニング部を加工する加工装置であって、それぞれ螺旋状に続く案内ねじ面を外周を有し中心軸回りに回転駆動される2本のフィードドラムを平行に設置し、これらフィードドラムは、互いに対向する案内ねじ面にころを転接させて回転により両フィードドラム間に前記ころを通過させるものであり、このフィードドラム間を通過するころのクラウニング部を加工する砥石を備え、前記2本のフィードドラムのうちいずれか一方のフィードドラムの案内ねじ面は、ころの外周面を同ころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されていることを特徴とする。
【0007】
この構成によると、2本のフィードドラムを平行に設置し、このフィードドラムの回転によりフィードドラム間のころが自転しながら搬送方向上流側から下流側に向かって搬送される。このフィードドラム間を通過するころに砥石を加圧してクラウニング部を加工する。このとき、いずれか一方のフィードドラムの案内ねじ面は、ころの外周面を同ころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されているため、2つの分割ねじ面部のころ接触点に半径差を与えることができて、ころを砥石に対して任意の傾斜角度で傾斜させることができる。また、案内ねじ面が軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されているため、ころの外周面の前後2箇所を確実に支持することができる。したがって、複数のころのクラウニング部をフィードドラムを用いたスルーフィード加工で順次加工できるので、ころのクラウニング部を1個ずつ単品で加工したりプランジカットにより加工する場合に比べて、加工時間を短縮して加工することができ、本加工装置を大量生産に適用することができる。そのため、ころの製造コストの低減を図れる。
【0008】
前記フィードドラムの軸心を通る断面で、各分割ねじ面部は、外径側に凸となる円弧形状であっても良い。この場合、砥石の加工面に対し、ころの外周面を所望の傾斜角度に確実に設定することができるうえ、ころを、円弧形状からなる分割ねじ面部に滑らかに転接させることができる。
前記ねじ面部は、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部のころ接触点の半径差を、前記フィードドラムのころ通過位置によって変化させたものとしても良い。このように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部のころ接触点の半径差を変化させることで、砥石の加工面に対するころの外周面の傾斜角度を容易に且つ確実に変化させることができる。
【0009】
軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部のうち、いずれか一方の分割ねじ面部のころ接触点を、他方の分割ねじ面部のころ接触点よりも半径方向に突出させることで、これら2点のころ接触点に接触して案内されるころの表面を、前記砥石の加工面に対して傾斜させるようにしても良い。この場合、ころの外周面を砥石の加工面に対し傾斜させて、前記ころのクラウニング部を加工することができる。
この場合に、前記2つの分割ねじ面部の2点のころ接触点を結ぶ直線の、フィードドラム軸心に対する傾斜角度は、ころの搬送方向上流側から下流側に向かうに従って連続的に変化させたものであっても良い。このように、2つの分割ねじ面部を形成することで、砥石の加工面に対するころの外周面の傾斜角度を搬送方向に沿って連続的に変化させることができる。それ故、例えば、ころに対数曲線形状のクラウニング加工や微小な曲率のクラウニング加工を施すことが可能となる。
【0010】
前記フィードドラムの案内ねじ面は、螺旋状の鍔部によって隣り合う周面部分と区画されているものであっても良い。前記鍔部にころの端面を当接させた状態で、フィードドラムを回転させることで、ころを搬送方向上流側から下流側に搬送し得る。
前記ころは、円筒ころまたは円すいころであっても良い。
【0011】
この発明の加工方法は、ころのクラウニング部を加工する加工方法であって、それぞれ螺旋状に続く案内ねじ面を外周を有し中心軸回りに回転駆動される2本のフィードドラムを平行に設置し、これらフィードドラムは、互いに対向する案内ねじ面にころを転接させて回転により両フィードドラム間に前記ころを通過させ、このフィードドラム間を通過するころのクラウニング部を加工する過程を有し、前記2本のフィードドラムのうちいずれか一方のフィードドラムの案内ねじ面は、ころの外周面を同ころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されていることを特徴とする。
【0012】
この構成によると、2本のフィードドラムを平行に設置し、このフィードドラムの回転によりフィードドラム間のころが自転しながら搬送方向上流側から下流側に向かって搬送される。このフィードドラム間を通過するころに砥石を加圧してクラウニング部を加工する。このとき、いずれか一方のフィードドラムの案内ねじ面は、ころの外周面を同ころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されているため、2つのねじ面部にころの外周面の前後2箇所を確実に支持することで、ころを砥石に対して任意の傾斜角度で傾斜させることができる。したがって、複数のころのクラウニング部をフィードドラムを用いたスルーフィード加工で順次加工できるので、ころのクラウニング部を1個ずつ単品で加工したりプランジカットにより加工する場合に比べて、加工時間を短縮して加工することができ、本加工方法を大量生産に適用することができる。それ故、ころの製造コストの低減を図れる。
【発明の効果】
【0013】
この発明の加工装置は、ころのクラウニング部を加工する加工装置であって、それぞれ螺旋状に続く案内ねじ面を外周を有し中心軸回りに回転駆動される2本のフィードドラムを平行に設置し、これらフィードドラムは、互いに対向する案内ねじ面にころを転接させて回転により両フィードドラム間に前記ころを通過させるものであり、このフィードドラム間を通過するころのクラウニング部を加工する砥石を備え、前記2本のフィードドラムのうちいずれか一方のフィードドラムの案内ねじ面は、ころの外周面を同ころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されているため、ころのクラウニング加工やクラウニング超仕上げ加工に適用され、加工時間の短縮を図り、量産に適用できると共に、微小な曲率のクラウニングや対数曲線形状のクラウニング加工等に対応することができる。
【0014】
この発明の加工方法は、ころのクラウニング部を加工する加工方法であって、それぞれ螺旋状に続く案内ねじ面を外周を有し中心軸回りに回転駆動される2本のフィードドラムを平行に設置し、これらフィードドラムは、互いに対向する案内ねじ面にころを転接させて回転により両フィードドラム間に前記ころを通過させ、このフィードドラム間を通過するころのクラウニング部を加工する過程を有し、前記2本のフィードドラムのうちいずれか一方のフィードドラムの案内ねじ面は、ころの外周面を同ころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されているため、ころのクラウニング加工やクラウニング超仕上げ加工に適用され、加工時間の短縮を図り、量産に適用できると共に、微小な曲率のクラウニングや対数曲線形状のクラウニング加工等に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る加工装置の平面図である。
【図2】同加工装置の平面図である。
【図3】同加工装置によりころに対数クラウニング超仕上げ加工が施された例を示すころの要部拡大図である。
【図4】同加工装置の左側面図である。
【図5】同加工装置の右側面図である。
【図6】同加工装置のフィードドラムの要部の正面図である。
【図7】同フィードドラムの要部の拡大正面図である。
【図8】円すいころにおけるフィードドラムのワーク支持位置の軌道を表す図である。
【図9】ころに対数クラウニング超仕上げ加工を施す場合の、砥石ところとの関係を示す図である。
【図10】図9の要部拡大図である。
【図11】(A)は、従来例のフィードドラムの平面図、(B)は、同フィードドラムの要部正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の第1の実施形態を図1ないし図10と共に説明する。この第1の実施形態に係る加工装置では、円すいころのクラウニング部を超仕上げ加工する例について説明する。以下の説明は、ころの加工方法についての説明をも含む。
図1、図2に示すように、加工装置は、主に、2本のフィードドラム1,2と、砥石3(図4)とを備えている。2本のフィードドラム1,2は、それぞれ螺旋状に続く案内ねじ面4を外周を有し、中心軸L1,L2回りに回転駆動されるものである。2本のフィードドラム1,2は、所定間隔を隔てて平行に設置されている。これらフィードドラム1,2は、互いに対向する案内ねじ面4,4にころWを転接させて回転により両フィードドラム1,2間に前記ころWを通過させるものである。
【0017】
前記砥石3は、図3に示すころWのクラウニング部Wcを加工するものである。ころWの外周面は、直線形状のストレート部Wdと、このストレート部Wdの軸方向両端側部分にそれぞれ形成されるクラウニング部Wc,Wcとでなる。同図に示す両クラウニング部Wcは、対数関数で表されるクラウニング部Wcであって、軸方向の面圧分布を均一化し得るクラウニング部Wcが形成されている。後述するが、砥石3(図10)の加工面に対しころWの外周面を傾斜させて当接させた状態で、ころWを自転させながら搬送方向に沿って搬送することで、ころWの外周面にクラウニング部Wc,Wcを加工する。
【0018】
図4、図9に示すように、砥石3として、この例では、板状に形成されるいわゆるスティック砥石が用いられる。図4に示すように、板状の砥石3は、フィードドラム1,2の軸方向に平行に複数並べて(図9)配置され、これら板状の砥石3の加工面である下端縁部3aがそれぞれ両フィードドラム1,2間に挿入されるように配置される。
図9、図10に示すように、これら複数の砥石3は支持部材Mに支持され、各砥石3は、支持部材Mに対し中心軸L1,L2(図4)に平行に揺動可能に構成されている。各砥石3は、前述の対数関数で表されるクラウニング部Wcを形成するために揺動可能に構成される。また、砥石3が揺動するとき、隣接する砥石3に干渉しないように砥石3,3間に隙間sが設けられている。砥石3の下端縁部3aに前記ころWのクラウニングWcが当接した状態で、同ころWが搬送されることで、砥石3が揺動変位する。1個のころWに着目すると、ころWがフィードドラム1,2の搬送方向上流側から下流側まで搬送されるとき、前記ころWのクラウニング部Wcに対し、砥石3を図9の反時計回りに微小に揺動変位させると共に、砥石3の加工面である下端縁部3aに対しころWの外周面を傾斜させて搬送することで、微小な曲率のクラウニング部Wcを実現し得る。
【0019】
図1に示すように、前記2本のフィードドラム1,2は、雄側フィードドラム1と、雌側フィードドラム2とからなる。これらのうち雄側フィードドラム1の案内ねじ面4は、螺旋状の鍔部5によって隣り合う周面部分と区画されている。図6に示すように、鍔部5にころWの大端面Waを当接させた状態で、フィードドラム1,2を回転させることで、ころWの小端面Wbを前方(つまり搬送方向)に向けて、ころWを矢符A1にて表記する搬送方向上流側から下流側に搬送し得る。前記案内ねじ面4は、ころWの外周面を同ころWの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bに分割されている。鍔部5で区画された軸方向に並ぶ分割ねじ面部4a,4b間には、円周溝6が形成される。鍔部5と分割ねじ面部4a,4bとの間にも、分割ねじ面部4a,4b間の円周溝6よりも幅狭の円周溝7,8がそれぞれ形成されている。なお、雌側フィードドラム2(図1)は、鍔部5が設けられておらず、ころWの外周面を同ころWの前後2箇所で支持する軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bを含む案内ねじ面4からなる。
【0020】
図7に示すように、フィードドラム1の軸心を通る断面で、各分割ねじ面部4a,4bは、定められた範囲(この例では3mm以上20mm以下)の曲率半径Rを有し、外径側に凸となる円弧形状からなる。軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bのうち、搬送方向下流側の分割ねじ面部4aは、ころWの外周面の前側箇所を支持し、搬送方向上流側の分割ねじ面部4bは、ころWの外周面の後側箇所を支持する。よって、1本のフィードドラム1,(2)において、分割ねじ面部4a,4bの2点でころを支持する。1つの分割ねじ面部4a,4bのころWとの接触部は、微小領域ではいわゆる線接触となるが、前記分割ねじ面部4a,4bの接触部における軸方向先端と軸方向後端との中間点において、点接触するものとみなす。
フィードドラム1,2において、分割ねじ面部4a,4bの各軸方向寸法Ha,Hbは、搬送方向全域にわたり同一寸法に規定されている。また、鍔部5で区画された軸方向に並ぶ分割ねじ面部4a,4bの最大径部分である頂部間Hcが、ころ長さに応じて一定寸法となるように規定されている。
【0021】
フィードドラム1,2の搬送方向上流側から中間付近では、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bのうち、搬送方向下流側の分割ねじ面部4aのころ接触点は、搬送方向上流側の分割ねじ面部4bのころ接触点よりも半径方向に突出するものとし、これら2点のころ接触点を結ぶ直線Lwを、砥石3の加工面である下端縁部3aに対して傾斜させている。したがって、2点のころ接触点を結ぶ直線Lwは、フィードドラム1,2の搬送方向上流側から中間付近まで、搬送方向に向かうに従って上り傾斜状となる。
フィードドラム1,2の搬送方向中間付近から搬送方向下流側では、逆に、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bのうち、分割ねじ面部4bのころ接触点は、分割ねじ面部4aのころ接触点よりも半径方向に突出するものとし、これら2点のころ接触点を結ぶ直線Lwが、搬送方向に向かうに従って下り傾斜状となるように設けている。
【0022】
分割ねじ面部4a,4bは、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bのころ接触点の半径差δを、フィードドラム1,2のころ通過位置によって変化させている。具体的に、この加工装置により、円すいころのクラウニング部Wcを超仕上げ加工する場合、フィードドラム1,2の搬送方向上流位置から中間付近にかけて、半径差δを大きく設定した状態から次第に小さく変化させ、フィードドラム1,2の搬送方向中間付近から搬送方向下流位置にかけて、逆に、半径差δを小さく設定した状態から次第に大きく変化させている。
【0023】
この例では、図8に示すように、フィードドラム1,2の2つの分割ねじ面部4a,4bの搬送方向に対するころ接触点を、前側の分割ねじ面部4aと、後側の分割ねじ面部4bとで別個に変化させている。これにより、図9,図10に示すように、砥石3の加工面である下端縁部3aに対し、軸方向に並ぶ2点のころ接触点に接触して案内されるころWの表面を傾斜させている。そして、2つの分割ねじ面部4a,4bの2点のころ接触点を結ぶ直線Lwの、フィードドラム軸心L1に対する傾斜角度αは、ころWの搬送方向上流側から下流側に向かうに従って連続的に変化させている。このように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bを形成することで、砥石3の加工面に対するころWの外周面の傾斜角度が連続的に変化する。
図8では、前側の分割ねじ面部4aのころ接触点について、搬送方向上流側から下流側までの軌道Laを二点鎖線で表し、後側の分割ねじ面部4bのころ接触点についての軌道Lbを点線で表している。換言すると、砥石3の加工面に対する2点のころ接触点を結ぶ直線Lwの、フィードドラム軸心L1に対する傾斜角度αを、ころWの搬送方向上流側から下流側に向かうに従って大→小→大と連続的に変化させるように、フィードドラム1,2の分割ねじ面部4a,4bを形成している。
【0024】
よって、図9に示すように、フィードドラム1の搬送方向上流位置から中間位置にわたって円すいころWを通過させるときに、この円すいころWの外周面のうち小端面Wb側のクラウニング部Wcを砥石3の下端縁部3aで超仕上げ加工する。その後、フィードドラム1の搬送方向中間位置から下流位置にわたって円すいころWを通過させるときに、この円すいころWの外周面のうち大端面Wa側のクラウニング部Wcを砥石3の下端縁部3aで超仕上げ加工するようになっている。これにより、図3に示すように、円すいころWに対数曲線形状のクラウニング部Wcを加工することが可能となる。この対数曲線形状のクラウニング部Wcは、対数関数で表されるクラウニング部Wcであって、軸方向の面圧分布を均一化し得るものである。円すいころWに、このような軸方向の面圧分布を均一化し得る対数クラウニングを加工することで、いわゆるエッジロードを回避することができる。
【0025】
以上説明した加工装置によると、2本のフィードドラム1,2を平行に設置し、このフィードドラム1,2の回転によりフィードドラム1,2間のころWが自転しながら搬送方向上流側から下流側に向かって搬送される。このフィードドラム1,2間を通過するころWに砥石3を加圧してクラウニング部Wcを加工する。このとき、フィードドラム1,2の案内ねじ面4は、ころWの外周面を同ころWの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bに分割されているため、2つの分割ねじ面部4a,4bのころ接触点に半径差を与えることができて、ころWを砥石3に対して任意の傾斜角度で傾斜させることができる。また、案内ねじ面4が軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bに分割されているため、ころWの外周面の前後2箇所を確実に支持することができる。したがって、複数のころWのクラウニング部Wcをフィードドラム1,2を用いたスルーフィード加工で順次加工できるので、ころWのクラウニング部Wcを1個ずつ単品で加工したりプランジカットによる加工する場合に比べて、加工時間を短縮して加工することができ、本加工装置を大量生産に適用することができる。それ故、ころWの製造コストの低減を図れる。
【0026】
フィードドラム1の軸心を断面で、各分割ねじ面部4a,4bは、外径側に凸となる円弧形状からなるものとしたため、2点のころ接触点を結ぶ直線Lwのフィードドラム軸心L1に対する傾斜角度αを、所望の傾斜角度に確実に設定することができるうえ、ころWを円弧形状からなる分割ねじ面部4a,4bに滑らかに転接させることができる。
分割ねじ面部4a,4bは、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bの半径差δを、フィードドラム1,2のころ通過位置によって変化させている。このように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bの半径差δを変化させることで、2点のころ接触点を結ぶ直線Lwの傾斜角度αを、容易に且つ確実に変化させることができる。よって、砥石3の加工面に対するころWの外周面の傾斜角度を容易に且つ確実に変化させることができる。
フィードドラム1の案内ねじ面4は、螺旋状の鍔部5によって隣り合う周面部分と区画されているため、鍔部5にころWの大端面Waを当接させた状態で、フィードドラム1,2を回転させることで、ころWを搬送方向上流側から下流側に搬送し得る。
【0027】
円すいころについては、従来のスルーフィード加工法では、対数曲線形状のクラウニングはもとより、単一曲率のカットクラウニングも加工不可能であった。この実施形態に係る加工装置によると、分割ねじ面部4a,4bの2点のころ接触点を結ぶ直線Lwの、フィードドラム軸心L1に対する傾斜角度αを、搬送方向に沿って連続的に変化させたことにより、円すいころに対数曲線形状のクラウニング加工や微小な曲率(例えば、曲率半径1000mm以下)のクラウニング加工を施すことが可能となる。勿論、この加工装置によると、円すいころに単一曲率のクラウニング加工を施すことも可能である。また円すいころの外周面に、ストレート部のないクラウニング部のみからなる加工を施すことも可能である。このような各種のクラウニング部に応じて、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bの半径差δを設定することで、必要なクラウニング部を、容易に且つ従来技術よりも加工時間を短縮して加工することができる。
【0028】
前述の複数の砥石3を用いて、ころWのクラウニング部Wcを加工しているため、一部の砥石3に偏摩耗や早期摩耗が生じた場合、前記支持部材から一部の砥石3のみ交換することができる。これにより、メンテナンス費用の低減を図ることができる。
フィードドラム1,2における、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4b間には、円周溝6が形成されているため、クラウニング部Wcの加工に供された砥粒を、前記円周溝6に一旦溜めてフィードドラム外方にスムースに排出することができる。よって、分割ねじ面部4a,4bのころWとの接触箇所に砥粒が残留することがなくなるため、ころWの外周面を所望の傾斜角度αにすることができる。したがって、精度良くクラウニング部Wcを加工することが可能となる。
【0029】
この加工装置を、円すいころのクラウニング超仕上げ加工だけでなく、円すいころのクラウニング加工に用いても良い。
加工対象のワークは、円すいころ軸受の円すいころだけに限定されるものではなく、例えば、テーパピン等の円錐形状の部材であっても良いし、円筒ころ軸受の円筒ころであっても良い。
【0030】
図9とは逆に、フィードドラムの搬送方向上流側から中間付近では、小端面を搬送方向に向けたころが搬送方向下り傾斜状に傾斜するように、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部を形成する。さらに、フィードドラムの搬送方向中間付近から搬送方向下流側では、ころが搬送方向上り傾斜状に傾斜するように、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部を形成しても良い。この場合にも、フィードドラムの搬送方向上流位置から中間付近にかけて、半径差を大きく設定した状態から次第に小さく変化させ、フィードドラムの搬送方向中間付近から搬送方向下流位置にかけて、逆に、半径差を小さく設定した状態から次第に大きく変化させる。これにより、ころに、図9の場合と同様のクラウニング加工を施すことが可能となる。
図9に示す実施形態では、複数の砥石を用いて、ころのクラウニング部を加工しているが、1つの砥石により、ころの外周面の小端面側および大端面側のクラウニング部をスルーフィード加工で加工しても良い。
図1の雄側フィードドラム1と、図11(A)の分割ねじ面部の無いフィードドラム52とを平行に設置して、クラウニング部をスルーフィード加工することも可能である。
【符号の説明】
【0031】
1,2…フィードドラム
3…砥石
4…案内ねじ面
4a,4b…分割ねじ面部
5…鍔部
L1,L2…中心軸
W…ころ
Wc…クラウニング部
【技術分野】
【0001】
この発明は、円筒ころおよび円すいころのクラウニング加工やクラウニング超仕上げ加工に適用される加工装置および加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図11(A)は、従来例のフィードドラムの平面図であり、図11(B)は、同フィードドラムの要部正面図である。ワークWである例えば円すいころにおいては、外径ストレート部50のみフィードドラム51,52を用いたスルーフィード超仕上げ加工が可能である(特許文献1)。このときフィードドラム51,52は、ワークWを線支持するため、砥石53とワークWの傾斜角度はフィードドラム全域において一定である。したがって、フィードドラム51,52を用いてワークWのクラウニング部54を超仕上げすることは不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−100743号公報
【特許文献2】特開平7−290347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
円すいころのクラウニング部は、1個ずつ単品で超仕上げ加工するため、加工時間が長く、大量生産に適用できない。
外径面をクラウニング形状に成形した砥石で、プランジカットにより円すいころのクラウニング部を超仕上げ加工する場合も、加工時間が長く、量産に適用できない。
センターレス研削盤を用い、砥石と調整車の外径面にR形状を付けて円すいころにクラウニング成形する方法(特許文献2)では、曲率半径1000mm以下のクラウニングや対数曲線形状のクラウニング加工に対応できない。
従来のスルーフィード加工法で、円筒ころにクラウニング成形する場合、単一Rまたは単一Rの組合せによる複合R形状しか成形できない制約があった。
【0005】
この発明の目的は、ころのクラウニング加工やクラウニング超仕上げ加工に適用され、加工時間の短縮を図り、量産に適用できると共に、微小な曲率のクラウニングや対数曲線形状のクラウニング加工等に対応することができる汎用性の高い加工装置および加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の加工装置は、ころのクラウニング部を加工する加工装置であって、それぞれ螺旋状に続く案内ねじ面を外周を有し中心軸回りに回転駆動される2本のフィードドラムを平行に設置し、これらフィードドラムは、互いに対向する案内ねじ面にころを転接させて回転により両フィードドラム間に前記ころを通過させるものであり、このフィードドラム間を通過するころのクラウニング部を加工する砥石を備え、前記2本のフィードドラムのうちいずれか一方のフィードドラムの案内ねじ面は、ころの外周面を同ころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されていることを特徴とする。
【0007】
この構成によると、2本のフィードドラムを平行に設置し、このフィードドラムの回転によりフィードドラム間のころが自転しながら搬送方向上流側から下流側に向かって搬送される。このフィードドラム間を通過するころに砥石を加圧してクラウニング部を加工する。このとき、いずれか一方のフィードドラムの案内ねじ面は、ころの外周面を同ころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されているため、2つの分割ねじ面部のころ接触点に半径差を与えることができて、ころを砥石に対して任意の傾斜角度で傾斜させることができる。また、案内ねじ面が軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されているため、ころの外周面の前後2箇所を確実に支持することができる。したがって、複数のころのクラウニング部をフィードドラムを用いたスルーフィード加工で順次加工できるので、ころのクラウニング部を1個ずつ単品で加工したりプランジカットにより加工する場合に比べて、加工時間を短縮して加工することができ、本加工装置を大量生産に適用することができる。そのため、ころの製造コストの低減を図れる。
【0008】
前記フィードドラムの軸心を通る断面で、各分割ねじ面部は、外径側に凸となる円弧形状であっても良い。この場合、砥石の加工面に対し、ころの外周面を所望の傾斜角度に確実に設定することができるうえ、ころを、円弧形状からなる分割ねじ面部に滑らかに転接させることができる。
前記ねじ面部は、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部のころ接触点の半径差を、前記フィードドラムのころ通過位置によって変化させたものとしても良い。このように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部のころ接触点の半径差を変化させることで、砥石の加工面に対するころの外周面の傾斜角度を容易に且つ確実に変化させることができる。
【0009】
軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部のうち、いずれか一方の分割ねじ面部のころ接触点を、他方の分割ねじ面部のころ接触点よりも半径方向に突出させることで、これら2点のころ接触点に接触して案内されるころの表面を、前記砥石の加工面に対して傾斜させるようにしても良い。この場合、ころの外周面を砥石の加工面に対し傾斜させて、前記ころのクラウニング部を加工することができる。
この場合に、前記2つの分割ねじ面部の2点のころ接触点を結ぶ直線の、フィードドラム軸心に対する傾斜角度は、ころの搬送方向上流側から下流側に向かうに従って連続的に変化させたものであっても良い。このように、2つの分割ねじ面部を形成することで、砥石の加工面に対するころの外周面の傾斜角度を搬送方向に沿って連続的に変化させることができる。それ故、例えば、ころに対数曲線形状のクラウニング加工や微小な曲率のクラウニング加工を施すことが可能となる。
【0010】
前記フィードドラムの案内ねじ面は、螺旋状の鍔部によって隣り合う周面部分と区画されているものであっても良い。前記鍔部にころの端面を当接させた状態で、フィードドラムを回転させることで、ころを搬送方向上流側から下流側に搬送し得る。
前記ころは、円筒ころまたは円すいころであっても良い。
【0011】
この発明の加工方法は、ころのクラウニング部を加工する加工方法であって、それぞれ螺旋状に続く案内ねじ面を外周を有し中心軸回りに回転駆動される2本のフィードドラムを平行に設置し、これらフィードドラムは、互いに対向する案内ねじ面にころを転接させて回転により両フィードドラム間に前記ころを通過させ、このフィードドラム間を通過するころのクラウニング部を加工する過程を有し、前記2本のフィードドラムのうちいずれか一方のフィードドラムの案内ねじ面は、ころの外周面を同ころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されていることを特徴とする。
【0012】
この構成によると、2本のフィードドラムを平行に設置し、このフィードドラムの回転によりフィードドラム間のころが自転しながら搬送方向上流側から下流側に向かって搬送される。このフィードドラム間を通過するころに砥石を加圧してクラウニング部を加工する。このとき、いずれか一方のフィードドラムの案内ねじ面は、ころの外周面を同ころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されているため、2つのねじ面部にころの外周面の前後2箇所を確実に支持することで、ころを砥石に対して任意の傾斜角度で傾斜させることができる。したがって、複数のころのクラウニング部をフィードドラムを用いたスルーフィード加工で順次加工できるので、ころのクラウニング部を1個ずつ単品で加工したりプランジカットにより加工する場合に比べて、加工時間を短縮して加工することができ、本加工方法を大量生産に適用することができる。それ故、ころの製造コストの低減を図れる。
【発明の効果】
【0013】
この発明の加工装置は、ころのクラウニング部を加工する加工装置であって、それぞれ螺旋状に続く案内ねじ面を外周を有し中心軸回りに回転駆動される2本のフィードドラムを平行に設置し、これらフィードドラムは、互いに対向する案内ねじ面にころを転接させて回転により両フィードドラム間に前記ころを通過させるものであり、このフィードドラム間を通過するころのクラウニング部を加工する砥石を備え、前記2本のフィードドラムのうちいずれか一方のフィードドラムの案内ねじ面は、ころの外周面を同ころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されているため、ころのクラウニング加工やクラウニング超仕上げ加工に適用され、加工時間の短縮を図り、量産に適用できると共に、微小な曲率のクラウニングや対数曲線形状のクラウニング加工等に対応することができる。
【0014】
この発明の加工方法は、ころのクラウニング部を加工する加工方法であって、それぞれ螺旋状に続く案内ねじ面を外周を有し中心軸回りに回転駆動される2本のフィードドラムを平行に設置し、これらフィードドラムは、互いに対向する案内ねじ面にころを転接させて回転により両フィードドラム間に前記ころを通過させ、このフィードドラム間を通過するころのクラウニング部を加工する過程を有し、前記2本のフィードドラムのうちいずれか一方のフィードドラムの案内ねじ面は、ころの外周面を同ころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されているため、ころのクラウニング加工やクラウニング超仕上げ加工に適用され、加工時間の短縮を図り、量産に適用できると共に、微小な曲率のクラウニングや対数曲線形状のクラウニング加工等に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る加工装置の平面図である。
【図2】同加工装置の平面図である。
【図3】同加工装置によりころに対数クラウニング超仕上げ加工が施された例を示すころの要部拡大図である。
【図4】同加工装置の左側面図である。
【図5】同加工装置の右側面図である。
【図6】同加工装置のフィードドラムの要部の正面図である。
【図7】同フィードドラムの要部の拡大正面図である。
【図8】円すいころにおけるフィードドラムのワーク支持位置の軌道を表す図である。
【図9】ころに対数クラウニング超仕上げ加工を施す場合の、砥石ところとの関係を示す図である。
【図10】図9の要部拡大図である。
【図11】(A)は、従来例のフィードドラムの平面図、(B)は、同フィードドラムの要部正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の第1の実施形態を図1ないし図10と共に説明する。この第1の実施形態に係る加工装置では、円すいころのクラウニング部を超仕上げ加工する例について説明する。以下の説明は、ころの加工方法についての説明をも含む。
図1、図2に示すように、加工装置は、主に、2本のフィードドラム1,2と、砥石3(図4)とを備えている。2本のフィードドラム1,2は、それぞれ螺旋状に続く案内ねじ面4を外周を有し、中心軸L1,L2回りに回転駆動されるものである。2本のフィードドラム1,2は、所定間隔を隔てて平行に設置されている。これらフィードドラム1,2は、互いに対向する案内ねじ面4,4にころWを転接させて回転により両フィードドラム1,2間に前記ころWを通過させるものである。
【0017】
前記砥石3は、図3に示すころWのクラウニング部Wcを加工するものである。ころWの外周面は、直線形状のストレート部Wdと、このストレート部Wdの軸方向両端側部分にそれぞれ形成されるクラウニング部Wc,Wcとでなる。同図に示す両クラウニング部Wcは、対数関数で表されるクラウニング部Wcであって、軸方向の面圧分布を均一化し得るクラウニング部Wcが形成されている。後述するが、砥石3(図10)の加工面に対しころWの外周面を傾斜させて当接させた状態で、ころWを自転させながら搬送方向に沿って搬送することで、ころWの外周面にクラウニング部Wc,Wcを加工する。
【0018】
図4、図9に示すように、砥石3として、この例では、板状に形成されるいわゆるスティック砥石が用いられる。図4に示すように、板状の砥石3は、フィードドラム1,2の軸方向に平行に複数並べて(図9)配置され、これら板状の砥石3の加工面である下端縁部3aがそれぞれ両フィードドラム1,2間に挿入されるように配置される。
図9、図10に示すように、これら複数の砥石3は支持部材Mに支持され、各砥石3は、支持部材Mに対し中心軸L1,L2(図4)に平行に揺動可能に構成されている。各砥石3は、前述の対数関数で表されるクラウニング部Wcを形成するために揺動可能に構成される。また、砥石3が揺動するとき、隣接する砥石3に干渉しないように砥石3,3間に隙間sが設けられている。砥石3の下端縁部3aに前記ころWのクラウニングWcが当接した状態で、同ころWが搬送されることで、砥石3が揺動変位する。1個のころWに着目すると、ころWがフィードドラム1,2の搬送方向上流側から下流側まで搬送されるとき、前記ころWのクラウニング部Wcに対し、砥石3を図9の反時計回りに微小に揺動変位させると共に、砥石3の加工面である下端縁部3aに対しころWの外周面を傾斜させて搬送することで、微小な曲率のクラウニング部Wcを実現し得る。
【0019】
図1に示すように、前記2本のフィードドラム1,2は、雄側フィードドラム1と、雌側フィードドラム2とからなる。これらのうち雄側フィードドラム1の案内ねじ面4は、螺旋状の鍔部5によって隣り合う周面部分と区画されている。図6に示すように、鍔部5にころWの大端面Waを当接させた状態で、フィードドラム1,2を回転させることで、ころWの小端面Wbを前方(つまり搬送方向)に向けて、ころWを矢符A1にて表記する搬送方向上流側から下流側に搬送し得る。前記案内ねじ面4は、ころWの外周面を同ころWの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bに分割されている。鍔部5で区画された軸方向に並ぶ分割ねじ面部4a,4b間には、円周溝6が形成される。鍔部5と分割ねじ面部4a,4bとの間にも、分割ねじ面部4a,4b間の円周溝6よりも幅狭の円周溝7,8がそれぞれ形成されている。なお、雌側フィードドラム2(図1)は、鍔部5が設けられておらず、ころWの外周面を同ころWの前後2箇所で支持する軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bを含む案内ねじ面4からなる。
【0020】
図7に示すように、フィードドラム1の軸心を通る断面で、各分割ねじ面部4a,4bは、定められた範囲(この例では3mm以上20mm以下)の曲率半径Rを有し、外径側に凸となる円弧形状からなる。軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bのうち、搬送方向下流側の分割ねじ面部4aは、ころWの外周面の前側箇所を支持し、搬送方向上流側の分割ねじ面部4bは、ころWの外周面の後側箇所を支持する。よって、1本のフィードドラム1,(2)において、分割ねじ面部4a,4bの2点でころを支持する。1つの分割ねじ面部4a,4bのころWとの接触部は、微小領域ではいわゆる線接触となるが、前記分割ねじ面部4a,4bの接触部における軸方向先端と軸方向後端との中間点において、点接触するものとみなす。
フィードドラム1,2において、分割ねじ面部4a,4bの各軸方向寸法Ha,Hbは、搬送方向全域にわたり同一寸法に規定されている。また、鍔部5で区画された軸方向に並ぶ分割ねじ面部4a,4bの最大径部分である頂部間Hcが、ころ長さに応じて一定寸法となるように規定されている。
【0021】
フィードドラム1,2の搬送方向上流側から中間付近では、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bのうち、搬送方向下流側の分割ねじ面部4aのころ接触点は、搬送方向上流側の分割ねじ面部4bのころ接触点よりも半径方向に突出するものとし、これら2点のころ接触点を結ぶ直線Lwを、砥石3の加工面である下端縁部3aに対して傾斜させている。したがって、2点のころ接触点を結ぶ直線Lwは、フィードドラム1,2の搬送方向上流側から中間付近まで、搬送方向に向かうに従って上り傾斜状となる。
フィードドラム1,2の搬送方向中間付近から搬送方向下流側では、逆に、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bのうち、分割ねじ面部4bのころ接触点は、分割ねじ面部4aのころ接触点よりも半径方向に突出するものとし、これら2点のころ接触点を結ぶ直線Lwが、搬送方向に向かうに従って下り傾斜状となるように設けている。
【0022】
分割ねじ面部4a,4bは、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bのころ接触点の半径差δを、フィードドラム1,2のころ通過位置によって変化させている。具体的に、この加工装置により、円すいころのクラウニング部Wcを超仕上げ加工する場合、フィードドラム1,2の搬送方向上流位置から中間付近にかけて、半径差δを大きく設定した状態から次第に小さく変化させ、フィードドラム1,2の搬送方向中間付近から搬送方向下流位置にかけて、逆に、半径差δを小さく設定した状態から次第に大きく変化させている。
【0023】
この例では、図8に示すように、フィードドラム1,2の2つの分割ねじ面部4a,4bの搬送方向に対するころ接触点を、前側の分割ねじ面部4aと、後側の分割ねじ面部4bとで別個に変化させている。これにより、図9,図10に示すように、砥石3の加工面である下端縁部3aに対し、軸方向に並ぶ2点のころ接触点に接触して案内されるころWの表面を傾斜させている。そして、2つの分割ねじ面部4a,4bの2点のころ接触点を結ぶ直線Lwの、フィードドラム軸心L1に対する傾斜角度αは、ころWの搬送方向上流側から下流側に向かうに従って連続的に変化させている。このように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bを形成することで、砥石3の加工面に対するころWの外周面の傾斜角度が連続的に変化する。
図8では、前側の分割ねじ面部4aのころ接触点について、搬送方向上流側から下流側までの軌道Laを二点鎖線で表し、後側の分割ねじ面部4bのころ接触点についての軌道Lbを点線で表している。換言すると、砥石3の加工面に対する2点のころ接触点を結ぶ直線Lwの、フィードドラム軸心L1に対する傾斜角度αを、ころWの搬送方向上流側から下流側に向かうに従って大→小→大と連続的に変化させるように、フィードドラム1,2の分割ねじ面部4a,4bを形成している。
【0024】
よって、図9に示すように、フィードドラム1の搬送方向上流位置から中間位置にわたって円すいころWを通過させるときに、この円すいころWの外周面のうち小端面Wb側のクラウニング部Wcを砥石3の下端縁部3aで超仕上げ加工する。その後、フィードドラム1の搬送方向中間位置から下流位置にわたって円すいころWを通過させるときに、この円すいころWの外周面のうち大端面Wa側のクラウニング部Wcを砥石3の下端縁部3aで超仕上げ加工するようになっている。これにより、図3に示すように、円すいころWに対数曲線形状のクラウニング部Wcを加工することが可能となる。この対数曲線形状のクラウニング部Wcは、対数関数で表されるクラウニング部Wcであって、軸方向の面圧分布を均一化し得るものである。円すいころWに、このような軸方向の面圧分布を均一化し得る対数クラウニングを加工することで、いわゆるエッジロードを回避することができる。
【0025】
以上説明した加工装置によると、2本のフィードドラム1,2を平行に設置し、このフィードドラム1,2の回転によりフィードドラム1,2間のころWが自転しながら搬送方向上流側から下流側に向かって搬送される。このフィードドラム1,2間を通過するころWに砥石3を加圧してクラウニング部Wcを加工する。このとき、フィードドラム1,2の案内ねじ面4は、ころWの外周面を同ころWの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bに分割されているため、2つの分割ねじ面部4a,4bのころ接触点に半径差を与えることができて、ころWを砥石3に対して任意の傾斜角度で傾斜させることができる。また、案内ねじ面4が軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bに分割されているため、ころWの外周面の前後2箇所を確実に支持することができる。したがって、複数のころWのクラウニング部Wcをフィードドラム1,2を用いたスルーフィード加工で順次加工できるので、ころWのクラウニング部Wcを1個ずつ単品で加工したりプランジカットによる加工する場合に比べて、加工時間を短縮して加工することができ、本加工装置を大量生産に適用することができる。それ故、ころWの製造コストの低減を図れる。
【0026】
フィードドラム1の軸心を断面で、各分割ねじ面部4a,4bは、外径側に凸となる円弧形状からなるものとしたため、2点のころ接触点を結ぶ直線Lwのフィードドラム軸心L1に対する傾斜角度αを、所望の傾斜角度に確実に設定することができるうえ、ころWを円弧形状からなる分割ねじ面部4a,4bに滑らかに転接させることができる。
分割ねじ面部4a,4bは、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bの半径差δを、フィードドラム1,2のころ通過位置によって変化させている。このように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bの半径差δを変化させることで、2点のころ接触点を結ぶ直線Lwの傾斜角度αを、容易に且つ確実に変化させることができる。よって、砥石3の加工面に対するころWの外周面の傾斜角度を容易に且つ確実に変化させることができる。
フィードドラム1の案内ねじ面4は、螺旋状の鍔部5によって隣り合う周面部分と区画されているため、鍔部5にころWの大端面Waを当接させた状態で、フィードドラム1,2を回転させることで、ころWを搬送方向上流側から下流側に搬送し得る。
【0027】
円すいころについては、従来のスルーフィード加工法では、対数曲線形状のクラウニングはもとより、単一曲率のカットクラウニングも加工不可能であった。この実施形態に係る加工装置によると、分割ねじ面部4a,4bの2点のころ接触点を結ぶ直線Lwの、フィードドラム軸心L1に対する傾斜角度αを、搬送方向に沿って連続的に変化させたことにより、円すいころに対数曲線形状のクラウニング加工や微小な曲率(例えば、曲率半径1000mm以下)のクラウニング加工を施すことが可能となる。勿論、この加工装置によると、円すいころに単一曲率のクラウニング加工を施すことも可能である。また円すいころの外周面に、ストレート部のないクラウニング部のみからなる加工を施すことも可能である。このような各種のクラウニング部に応じて、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4bの半径差δを設定することで、必要なクラウニング部を、容易に且つ従来技術よりも加工時間を短縮して加工することができる。
【0028】
前述の複数の砥石3を用いて、ころWのクラウニング部Wcを加工しているため、一部の砥石3に偏摩耗や早期摩耗が生じた場合、前記支持部材から一部の砥石3のみ交換することができる。これにより、メンテナンス費用の低減を図ることができる。
フィードドラム1,2における、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部4a,4b間には、円周溝6が形成されているため、クラウニング部Wcの加工に供された砥粒を、前記円周溝6に一旦溜めてフィードドラム外方にスムースに排出することができる。よって、分割ねじ面部4a,4bのころWとの接触箇所に砥粒が残留することがなくなるため、ころWの外周面を所望の傾斜角度αにすることができる。したがって、精度良くクラウニング部Wcを加工することが可能となる。
【0029】
この加工装置を、円すいころのクラウニング超仕上げ加工だけでなく、円すいころのクラウニング加工に用いても良い。
加工対象のワークは、円すいころ軸受の円すいころだけに限定されるものではなく、例えば、テーパピン等の円錐形状の部材であっても良いし、円筒ころ軸受の円筒ころであっても良い。
【0030】
図9とは逆に、フィードドラムの搬送方向上流側から中間付近では、小端面を搬送方向に向けたころが搬送方向下り傾斜状に傾斜するように、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部を形成する。さらに、フィードドラムの搬送方向中間付近から搬送方向下流側では、ころが搬送方向上り傾斜状に傾斜するように、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部を形成しても良い。この場合にも、フィードドラムの搬送方向上流位置から中間付近にかけて、半径差を大きく設定した状態から次第に小さく変化させ、フィードドラムの搬送方向中間付近から搬送方向下流位置にかけて、逆に、半径差を小さく設定した状態から次第に大きく変化させる。これにより、ころに、図9の場合と同様のクラウニング加工を施すことが可能となる。
図9に示す実施形態では、複数の砥石を用いて、ころのクラウニング部を加工しているが、1つの砥石により、ころの外周面の小端面側および大端面側のクラウニング部をスルーフィード加工で加工しても良い。
図1の雄側フィードドラム1と、図11(A)の分割ねじ面部の無いフィードドラム52とを平行に設置して、クラウニング部をスルーフィード加工することも可能である。
【符号の説明】
【0031】
1,2…フィードドラム
3…砥石
4…案内ねじ面
4a,4b…分割ねじ面部
5…鍔部
L1,L2…中心軸
W…ころ
Wc…クラウニング部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ころのクラウニング部を加工する加工装置であって、
それぞれ螺旋状に続く案内ねじ面を外周を有し中心軸回りに回転駆動される2本のフィードドラムを平行に設置し、これらフィードドラムは、互いに対向する案内ねじ面にころを転接させて回転により両フィードドラム間に前記ころを通過させるものであり、このフィードドラム間を通過するころのクラウニング部を加工する砥石を備え、
前記2本のフィードドラムのうちいずれか一方のフィードドラムの案内ねじ面は、ころの外周面を同ころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されていることを特徴とする加工装置。
【請求項2】
請求項1において、前記フィードドラムの軸心を通る断面で、各分割ねじ面部は、外径側に凸となる円弧形状である加工装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記ねじ面部は、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部のころ接触点の半径差を、前記フィードドラムのころ通過位置によって変化させた加工装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部のうち、いずれか一方の分割ねじ面部のころ接触点を、他方の分割ねじ面部のころ接触点よりも半径方向に突出させることで、これら2点のころ接触点に接触して案内されるころの表面を、前記砥石の加工面に対して傾斜させるようにした加工装置。
【請求項5】
請求項4において、前記2つの分割ねじ面部の2点のころ接触点を結ぶ直線の、フィードドラム軸心に対する傾斜角度は、ころの搬送方向上流側から下流側に向かうに従って連続的に変化させた加工装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記フィードドラムの案内ねじ面は、螺旋状の鍔部によって隣り合う周面部分と区画されている加工装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記ころは、円筒ころまたは円すいころである加工装置。
【請求項8】
ころのクラウニング部を加工する加工方法であって、
それぞれ螺旋状に続く案内ねじ面を外周を有し中心軸回りに回転駆動される2本のフィードドラムを平行に設置し、これらフィードドラムは、互いに対向する案内ねじ面にころを転接させて回転により両フィードドラム間に前記ころを通過させ、このフィードドラム間を通過するころのクラウニング部を加工する過程を有し、
前記2本のフィードドラムのうちいずれか一方のフィードドラムの案内ねじ面は、ころの外周面を同ころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されていることを特徴とする加工方法。
【請求項1】
ころのクラウニング部を加工する加工装置であって、
それぞれ螺旋状に続く案内ねじ面を外周を有し中心軸回りに回転駆動される2本のフィードドラムを平行に設置し、これらフィードドラムは、互いに対向する案内ねじ面にころを転接させて回転により両フィードドラム間に前記ころを通過させるものであり、このフィードドラム間を通過するころのクラウニング部を加工する砥石を備え、
前記2本のフィードドラムのうちいずれか一方のフィードドラムの案内ねじ面は、ころの外周面を同ころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されていることを特徴とする加工装置。
【請求項2】
請求項1において、前記フィードドラムの軸心を通る断面で、各分割ねじ面部は、外径側に凸となる円弧形状である加工装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記ねじ面部は、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部のころ接触点の半径差を、前記フィードドラムのころ通過位置によって変化させた加工装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部のうち、いずれか一方の分割ねじ面部のころ接触点を、他方の分割ねじ面部のころ接触点よりも半径方向に突出させることで、これら2点のころ接触点に接触して案内されるころの表面を、前記砥石の加工面に対して傾斜させるようにした加工装置。
【請求項5】
請求項4において、前記2つの分割ねじ面部の2点のころ接触点を結ぶ直線の、フィードドラム軸心に対する傾斜角度は、ころの搬送方向上流側から下流側に向かうに従って連続的に変化させた加工装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記フィードドラムの案内ねじ面は、螺旋状の鍔部によって隣り合う周面部分と区画されている加工装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記ころは、円筒ころまたは円すいころである加工装置。
【請求項8】
ころのクラウニング部を加工する加工方法であって、
それぞれ螺旋状に続く案内ねじ面を外周を有し中心軸回りに回転駆動される2本のフィードドラムを平行に設置し、これらフィードドラムは、互いに対向する案内ねじ面にころを転接させて回転により両フィードドラム間に前記ころを通過させ、このフィードドラム間を通過するころのクラウニング部を加工する過程を有し、
前記2本のフィードドラムのうちいずれか一方のフィードドラムの案内ねじ面は、ころの外周面を同ころの前後2箇所で支持するように軸方向に並ぶ2つの分割ねじ面部に分割されていることを特徴とする加工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−61571(P2012−61571A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208789(P2010−208789)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】
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