説明

加湿装置及びこれを有する空気調和機

【課題】構造が簡単で使用が便利な加湿装置及びこれを有する空気調和機を提供する。
【解決手段】本発明による加湿装置は、回転軸線に沿って回転して空気の流動を発生させる複数のインペラと、前記インペラと結合されるケーシングとを有する送風ファンと;前記ケーシングの一側に形成され、前記送風ファンの回転によって加湿流体を案内可能に備えられた加湿流体案内部を含み、前記各インペラには、前記加湿流体案内部と連通し、回転によって前記加湿流体を外周縁に向かって排出可能に形成された加湿流体排出部をさらに含む。これによって、加湿装置の構造が簡単で部品数を最小化することができるので、経済的費用が節減でき、使用が簡便である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加装置及びこれを有する空気調和機に関し、より詳しくは、加湿流体を供給して加湿させる構造を改善した加湿装置及びこれを有する空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、空気調和機は、所定の空間を設定された温度範囲の内で冷房と暖房するためのものであって、一体型と分離型がある。一体型空気調和機は、空気調和機を構成するすべての部品が一つのケース内に備わる。その例として、窓型空気調和機と天井型空気調和機が挙げられる。
【0003】
天井型空気調和機は、一般的に天井に埋入される本体にモータによって回転される送風ファンが備わり、送風ファンの四方に熱交換器が設けられる。そして、冷房または暖房をする過程で室内空気に含まれた湿度が減少して室内空気が乾燥する。室内の快適な湿度を維持するために空気調和機において多様な加湿方法を研究している。
【0004】
このような従来技術の一例が韓国公開特許公報第2004-63660号に開示されている。従来技術は散水トレイとポンプなどを備え、熱交換器で発生する凝縮水をポンプに移送して散水トレイに落下させて加湿する。
【0005】
ところが、従来技術は凝縮水の発生量によって加湿量が変わり、ポンプによる騷音が発生する。また、従来技術は凝縮水の循環によって加湿水が汚染する恐れがあり、散水を均一に調節し難いという問題点を有する。
【特許文献1】韓国公開特許公報第2004-63660号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、構造が簡単で使用が便利な加湿装置及びこれを有する空気調和機を提供することにある。
【0007】
また、本発明の目的は、既存の設備にも容易に適用できる加湿装置及びこれを有する空気調和機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、本発明によって、加湿装置において、回転軸線に沿って回転して空気の流動を発生させる複数のインペラと、前記インペラと結合されるケーシングを有する送風ファンと;前記ケーシングの一側に形成され、前記送風ファンの回転によって加湿流体を案内可能に備えられた加湿流体案内部とを含み、前記各インペラには前記加湿流体案内部と連通し、回転によって前記加湿流体を外周縁に向かって排出可能に形成された加湿流体排出部をさらに含むことを特徴とする加湿装置によって達成される。
【0009】
前記加湿流体排出部は、一側に前記加湿流体案内部と連通する開口が形成された連通部と、他側に外周縁に向かって前記連通部と貫通されるように形成された少なくとも一つの排出スロットとを含むことが好ましい。
【0010】
前記加湿流体案内部は、前記ケーシングの一側に前記回転軸線に対して垂直方向に形成された横断面と、前記横断面に結合され、前記回転軸線から所定の距離で配置された縦案内部材とを含むことが好ましい。
【0011】
前記縦案内部材は前記横断面と一体に成形されることが好ましい。
【0012】
前記インペラは、断面の中央領域が空いていることが好ましい。
【0013】
前記縦案内部材は、前記横断面の上に配置され、前記回転軸線から距離の異なる第1縦案内部材及び第2縦案内部材を含むことが好ましい。
【0014】
前記第1縦案内部材は、前記第2縦案内部材より前記回転軸線から近く配置されることが好ましい。
【0015】
前記横断面における前記第2縦案内部材の高さは、前記横断面における前記第1縦案内部材の高さ以上であることが好ましい。
【0016】
前記第2縦案内部材は、前記回転軸線から同一の距離に配置されることが好ましい。
【0017】
前記第2縦案内部材の前記連通部に隣接した領域は、前記連通部の間の領域より前記回転軸線からさらに遠く配置されることが好ましい。
【0018】
前記第2縦手案内材は、前記横断面から折曲して延長されることが好ましい。
【0019】
前記加湿流体案内部に前記加湿流体を供給する加湿流体供給部をさらに含むことが好ましい。
【0020】
前記加湿流体供給部は、前記加湿流体を供給及び案内する供給配管と、前記供給配管の流路を開閉する供給バルブとを含むことが好ましい。
【0021】
前記送風ファンの稼動及び停止によって前記供給バルブを開閉するように制御する制御部をさらに含むことが好ましい。
【0022】
前記加湿流体供給部は、前記供給配管に前記加湿流体を供給する供給源と、前記供給源と前記供給バルブとの間に備えられた流体貯蔵槽とをさらに含むことが好ましい。
【0023】
前記送風ファンは遠心ファンを含むことが好ましい。
【0024】
一方、本発明の目的は、加湿装置を含む空気調和機において、回転軸線に沿って回転して空気の流動を発生させる複数のインペラと、前記インペラと結合されるケーシングと有する送風ファンと;前記送風ファンの周りに配置された熱交換器と;前記ケーシングの一側に形成され、前記送風ファンの回転によって加湿流体を案内可能に備えられた加湿流体案内部を含み、前記各インペラには前記加湿流体案内部と連通し、回転によって前記加湿流体を外周縁に沿って前記熱交換器に向かって排出可能に形成された加湿流体排出部をさらに含むことを特徴とする空気調和機によって達成される。
【0025】
前記加湿流体排出部は、一側に前記加湿流体案内部と連通する開口が形成された連通部と、他側に外周縁に向かって前記連通部と貫通されるように形成された少なくとも一つの排出スロットとを含むことが好ましい。
【0026】
前記加湿流体案内部は、前記ケーシングの一側に前記回転軸線に対して垂直方向に形成された横断面と、前記横断面に結合され、前記回転軸線から所定の距離で配置された縦案内部材とを含むことが好ましい。
【0027】
前記縦案内部材は、前記横断面と一体に成形されることが好ましい。
【0028】
前記縦案内部材は、前記横断面の上に配置され、前記回転軸線から距離の異なる第1縦案内部材及び第2縦案内部材を含み、前記第1縦案内部材は前記第2縦案内部材より前記回転軸線から近く配置されることが好ましい。
【0029】
前記第2縦案内部材は、前記横断面から折曲して延長されることが好ましい。
【0030】
前記加湿流体案内部に前記加湿流体を供給する加湿流体供給部をさらに含むことが好ましい。
【0031】
前記加湿流体供給部は、前記加湿流体を供給及び案内する供給配管と、前記供給配管の流路を開閉する供給バルブとを含むことが好ましい。
【0032】
前記送風ファンの稼動及び停止によって前記供給バルブを開閉するように制御する制御部をさらに含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、加湿装置の構造が簡単で部品数を最小化することができるので、費用が低減でき、使用が簡便である。
【0034】
また、紙や不織布などの加湿素子が不必要であるので、加湿素子にかび及びほこりなどが付着して発生し得る汚染物質及び匂いを防止することができる。
【0035】
また、加湿流体を熱交換器の全体に均一で安定的に供給することにより、少ない量の加湿流体で空気を加湿させることができるので、加湿効果を向上させることができる。
そして、構造が簡単であるので、既存の空気調和機にも容易に付着乃至設置できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明による空気調和機について、添付図面を参照しながら説明する。空気調和機は、一体型または分離型乃至スタンド型または埋入型に仕分けされ、多様な種類を含むことができる。以下で本発明の一実施形態として、一体型で天井に埋入される天井型空気調和機について説明する。
【0037】
図1乃至図5に示すように、本発明の一実施形態による空気調和機100は加湿装置200を含む。空気調和機100は、本体ケーシング120と、熱交換器110とをさらに含む。空気調和機100は制御部270をさらに含むことができる。
【0038】
本体ケーシング120は、送風ファン210、熱交換器110、及び加湿装置200を収容する。本体ケーシング120は、天井の設置面(図1のS'参照)に支持部材127によって支持されて天井に埋入される。本体ケーシング120は、底面に室内空気を吸い込むこむ吸入口123と排出口125とを有する前面パネル121を含む。本体ケーシング120の吸入口123及び排出口125には、吸入及び排出される空気の方向を調節するための手段(図示せず)を付着することができる。
【0039】
熱交換器110は、送風ファン210によって流動する室内空気と熱伝逹が可能なように送風ファン210の排出側の流路上に送風ファン210を取り囲む構造を有する。熱交換器110は広い伝熱面積を有するように多様な形態で備えられる。これによって、設定された所定の温度範囲で室内温度を維持することができる。熱交換器110には、加湿のための手段として紙や不織布などが用いられない。これによって、熱交換器110で案内されて連通部231から噴射される加湿流体と、インペラ213を通じる循環空気とが混じるようにして循環空気を加湿させることができる。
【0040】
加湿装置200は、送風ファン210、加湿流体案内部220、及び加湿流体排出部230を含む。加湿装置200は、加湿流体供給部250と、制御部270とをさらに含む。
【0041】
送風ファン210は、回転軸線Yに沿って回転しながら室内空気を循環させる。送風ファン210は回転力を提供するモータ211と、モータ211と結合されて回転し、室内空気の流動を案内して流路を形成するケーシング215とを含む。送風ファン210は、ケーシング215の間に備えられ、回転によって室内空気をケーシング215に吸い込んで排出させる流動を起こすインペラ213をさらに含む。これにって、室内空気は、送風ファン210の回転によって本体ケーシング120の内部に吸入及び排出されて循環される。このようなインペラ213とケーシング215はモールドによって成型できる。ここで、送風ファン210は、循環空気が回転軸線Yの方向に入って回転軸線Yに垂直した方向に出る遠心ファンを含むことが好ましい。
【0042】
インペラ213は、モータ211の回転によって室内空気が本体ケーシング120に出入りして循環できる流動力を提供し、横断面221と連通する開口233を有する。インペラ213は流動力を向上させるために折曲した流線形断面を有し、断面の中央領域に開口233と連結されて空間の連通部231を有する。インペラ213のこのような空間はインペラ213の自重を減少させることができる。
【0043】
加湿流体案内部220は、横断面221と、横断面221に配置された縦案内部材223、225とを含む。
【0044】
横断面221は、加湿流体を案内するように回転軸線Yに対して垂直方向にケーシング215の上部に平たく形成されている。横断面221には、複数の開口233が形成されて連通部231と連通する。横断面221には横断面221の板面に対して垂直方向に一対の縦案内部材223、225が配置されている。これによって、加湿流体供給部250から供給される加湿流体は横断面221で先に案内され、縦案内部材223、225によって連通部231に案内され得る。
【0045】
縦案内部材223、225は、横断面221の板面から延長され、回転軸線Yから所定の距離離隔して配置されている。縦案内部材223、225は、横断面221にスクリュー、接着剤などによって結合される。これによって、縦案内部材223、225は既存の送風ファン210にも容易に付着できる。また、縦案内部材223、225はケーシング215と一体に成型することもできるので、構造が簡単である。縦案内部材223、225は、第1縦案内部材223と、第2縦案内部材225とを含む。縦案内部材223、225は、必要に応じて第2縦案内部材225だけを要することがある。これは、送風ファン210が回転することによって遠心力が作用し、加湿流体の供給は送風ファン210が稼動中にだけ供給されるためである。縦案内部材223、225はケーシング215の回転によって回転抵抗が最小限に抑えられるように備えることが好ましい。
【0046】
第1縦案内部材223は、回転軸線Yから第2縦案内部材225より近く横断面221の板面に配置されている。第1縦案内部材223は連通部231を間にして横断面221に配置されている。第1縦案内部材223は回転軸線Yから同一の距離で配置されることが好ましいが、必要に応じて回転軸線Yから距離の異なる帯状で備えることができる。これによって、横断面221に案内される加湿流体が回転軸線Yに流動することを防止することができる。
【0047】
第2縦案内部材225は、回転軸線Yから第1縦案内部材223より遠く横断面221の板面に配置されている。横断面221における第2縦案内部材225の高さは、横断面221における第1縦案内部材223の高さと同じかまたはさらに大きいことが好ましい。これによって、横断面221に案内される加湿流体は、高さの高い第2縦案内部材225によって外部に離脱せずに連通部231に案内される。
【0048】
第2縦案内部材225の端部は、図4に示すように、回転軸線Yに向かって“L”字状に折曲し、加湿流体が遠心力によって第2縦案内部材225を超えることを予防することができる。このように折曲して延長された第2縦案内部材225は、図4に示すように、回転軸線Yが水平方向に設置された場合にも加湿流体が第2縦案内部材225を超えることを予防することができる。これによって、安定的に加湿流体を連通部231に案内することができる。
【0049】
第2縦案内部材225は、回転軸線Yから同一の距離に配置される。第2縦案内部材225は、図5に示すように、他の実施形態によって形成できる。つまり、第2縦案内部材225は回転軸線Yから連通部231に隣接した領域の距離(図5の‘a'参照)は、回転軸線Yから連通部231の間の領域の距離(図5の‘b'参照)よりさらに大きい。このような第2縦案内部材225は、図4に示すように折曲して延長された場合にも適用されることは勿論である。これによって、横断面221に残存している加湿流体を減らすことができるので、加湿流体を効果的に加湿流体排出部230に案内することができる。
【0050】
ここで、第2縦案内部材225は、インペラ213の回転による抵抗を最小限に減らすことができる形状を有することが好ましい。これによって、連通部231の間に加湿流体が溜まっていることを予防することができる。
【0051】
したがって、加湿流体が縦案内部材223、225の間の横断面221に供給されれば、安定的に連通部231に案内され得る。
【0052】
加湿流体排出部230は、開口233を有する連通部231と、連通部231からインペラ213の外周縁に向かって貫通された排出スロット235とを有する。
【0053】
連通部231は横断面221と連通した開口233に連結され、インペラ213の断面の中央領域に形成された空間である。
【0054】
排出スロット235は、インペラ213の各連通部231から外周縁に熱交換器110に向かって貫通された少なくとも一つに形成されている。ここで、排出スロット235の大きさ、数量、配置位置、連通部231から外部に向かう角度などは、インペラ213の大きさ、厚さ、回転数、空気調和機100の処理容量などを考慮して決める。このような排出スロット235は既存の送風ファン210にも容易に装着できる。
【0055】
これによって、モータ211によってインペラ213が回転すれば、連通部231の開口233から排出スロット235に流動する空気の流れが形成される。したがって、横断面221及び縦案内部材223、225によって案内される加湿流体は、開口233と連通部231を順次に経て排出スロット235を通じて安定的で、かつ比較的均一に排出される。そして、少量の加湿流体でも連通部231から送風ファン210の周りに配置された熱交換器110に向かって形成された流動によって容易に排出される。供給バルブ255が閉まって加湿流体の供給が中断されれば、加湿流体案内部220と加湿流体排出部230にある加湿流体は送風ファン210の遠心力によって熱交換器110に全て排出される。したがって、加湿流体案内部220と加湿流体排出部230に加湿流体が残存せず、別途の紙や不織布などを用いないので、残余湿気によって発生し得るカビ及びほこりなどが付着して匂い及び汚染物質が発生する恐れがない。
【0056】
加湿流体供給部250は、加湿流体案内部220に加湿流体を供給する。加湿流体供給部250は、供給配管253と、供給バルブ255とを含む。加湿流体供給部250は、供給源251と、流体貯蔵槽257とをさらに含む。
【0057】
ここで、加湿流体を供給するか否かは制御部270で制御できる。
【0058】
供給配管253は、水道のような供給源251から加湿流体案内部220に加湿流体を供給及び案内する。供給配管253の流路上に供給バルブ255と、流体貯蔵槽257とを含む。供給バルブ255は必要に応じ、図7に示すように、流体貯蔵槽257に供給される部分と、流体貯蔵槽257で連通して横断面221に供給される端部に設けることができる。供給配管253の端部は、加湿流体案内部220と所定の距離で離隔するか、または接触するように配置できる。
【0059】
横断面221に加湿流体を供給する供給配管253の端部は、必要に応じて縦案内部材223、225または横断面221に接触するなど多様な形態で配置できる。これは、インペラ213の回転によって供給される加湿流体が横断面221から飛び出すことを防止するためである。また、インペラ213の回転によって加湿流体が横断面221に飛散することを防止するためのカバーなどのような多様な手段を選択的に採用することができる。
【0060】
供給バルブ255は、供給配管253の流路上に設けられて流路を開閉する。供給バルブ255の開閉は、送風ファン210が稼動するか否かに基づいて制御部270が制御する。供給バルブ255は、制御部270の制御によって自動的に開閉される電子バルブなどのような公知の多様な自動バルブを含む。また、供給バルブ255は、加湿流体案内部220に供給される加湿流体の量を調節することができる。
【0061】
流体貯蔵槽257は、供給源251と供給バルブ255との間に設けられる。流体貯蔵槽257は、供給配管253の流路上に設けられ、所定の加湿流体を貯蔵する。これによって、安定的に加湿流体を供給することができる。
【0062】
制御部270は、入力部273乃至各種温度センサー(図示せず)に基づいて熱交換器110、送風ファン210、供給バルブ255などの運転を制御することができる。制御部270は、送風ファン210の稼動及び停止に基づいて供給バルブ255を制御することができる。つまり、制御部270は、送風ファン210が稼動された後に所定の時間が経過した後供給バルブ255が開放されるように制御し、送風ファン210が停止される所定の時間の前に供給バルブ255が閉まるようにできる。ここで、入力部273は空気調和機100の冷房または暖房、冷暖房による温度を設定するだけではなく、運転、停止などの多様な運転モードを選択することができる。また、入力部273は、送風ファン210の作動期間と供給バルブ255の開閉時間との間の間隔を入力することができる。制御部270は、加湿の必要な時間の間に供給バルブ255を開閉するように制御できる。また、制御部270は、流体貯蔵槽257に供給される加湿流体の量を調節するように、供給源251から供給される供給配管253を開閉するように制御できる。
【0063】
このような構成により、本発明の一実施形態による空気調和機100の作動過程について、図6及び図7を参照して説明する。
【0064】
まず、使用者は電源を印加させて事務所、居間、部屋のような所定の空間を冷房するかまたは暖房するか、また、冷暖房の温度をいくらにするかなどを運転ボタンなどの入力部273で入力する。使用者が運転ボタンを押せば、送風ファン210が回転して入力部273の条件によって熱交換器110が加熱されたり冷却されたりする。この時、所定の空間の湿度状態を考慮して制御部270は供給バルブ255を開放させる。冷暖房される空間の湿度状態は、乾湿球温度計や他の多様な公知の湿度計のようなセンサー275で感知し、制御部270で認識乃至算出できる。
【0065】
供給源251から供給される加湿流体は、供給配管253の端部から加湿流体案内部220の横断面221に案内される。横断面221に案内された加湿流体は、送風ファン210の回転によって連通部231の開口233に沿って排出スロット235から熱交換器110に噴射される。したがって、供給バルブ255から供給される加湿流体は、送風ファン210の回転によって案内及び排出されるので、加湿流体は熱交換器110の全体面積にかけて非常に均一でかつ安定的に供給されることができる。また、加湿流体が案内及び排出される経路上で溜まったり固まったりする現象がないので、少ない加湿流体を利用して加湿効果を高めることができる。
【0066】
ここで、供給源251から供給される加湿流体は、供給配管253の流路上に備えられた流体貯蔵槽257に保存されるか、または流体貯蔵槽257なしに直ちに加湿流体案内部220に供給される。この過程で加湿流体の供給量、供給有無などは制御部270で供給バルブ255を開閉して制御される。
【0067】
排出スロット235から排出される加湿流体は、熱交換器110にぶつかってさらに微細化される。これによって、微細化された加湿流体は循環空気に非常によく混入できるので、少ない量の加湿流体で加湿効果を高めることができる。
【0068】
本発明によれば、加湿装置の構造が簡単で部品数を最小化することができるので、費用を低減することができる。紙や不織布などの加湿素子が不必要なので、加湿素子にカビ及びほこりなどが付着されて発生し得る汚染物質及び匂いを防止することができる。また、加湿流体を熱交換器の全体に均一でかつ安定的に供給して少ない量の加湿流体で空気を加湿させることができるので、加湿効果を向上させることができる。
【0069】
そして、構造が簡単であるので、既存の空気調和機にも容易に付着できる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態による空気調和機の断面図である。
【図2】図1の要部を拡大した平面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った要部断面である。
【図4】図2の加湿流体案内部の他の実施形態を示す断面図である。
【図5】図2の加湿流体案内部のまた他の実施形態を示す平面図である。
【図6】図2で加湿流体が流動する過程を示す平面図である。
【図7】本発明による加湿流体が制御される過程を説明する概路図である。
【符号の説明】
【0071】
100 空気調和機
110 熱交換器
120 本体ケーシング
121 前面パネル
123 吸入口
125 排出口
200 加湿装置
210 送風ファン
211 モータ
213 インペラ
215 ケーシング
220 加湿流体案内部
221 横断面
223 第1縦案内部材
225 第2縦案内部材
230 加湿流体排出部
231 連通部
233 開口
235 排出スロット
250 加湿流体供給部
251 供給源
253 供給配管
255 供給バルブ
257 流体貯蔵槽
270 制御部
273 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加湿装置において、
回転軸線に沿って回転して空気の流動を発生させる複数のインペラと、前記インペラと結合されるケーシングとを有する送風ファンと;
前記ケーシングの一側に形成され、前記送風ファンの回転によって加湿流体を案内可能に備えられた加湿流体案内部とを含み、
前記各インペラには、前記加湿流体案内部と連通し、回転によって前記加湿流体を外周縁に向かって排出可能に形成された加湿流体排出部をさらに含むことを特徴とする加湿装置。
【請求項2】
前記加湿流体排出部は、
一側に前記加湿流体案内部と連通する開口が形成された連通部と、
他側に外周縁に向かって前記連通部と貫通されるように形成された少なくとも一つの排出スロットとを含むことを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
【請求項3】
前記加湿流体案内部は、
前記ケーシングの一側に前記回転軸線に対して垂直方向に形成された横断面と、
前記横断面に結合され、前記回転軸線から所定の距離で配置された縦案内部材とを含むことを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
【請求項4】
前記縦案内部材は、前記横断面と一体に成形されることを特徴とする請求項3に記載の加湿装置。
【請求項5】
前記インペラは、断面の中央領域が空いていることを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
【請求項6】
前記縦案内部材は、前記横断面上に配置されて前記回転軸線から距離の異なる第1縦案内部材及び第2縦案内部材を含むことを特徴とする請求項3または4のうちのいずれか一項に記載の加湿装置。
【請求項7】
前記第1縦案内部材は、前記第2縦案内部材より前記回転軸線から近く配置されることを特徴とする請求項6に記載の加湿装置。
【請求項8】
前記横断面における前記第2縦案内部材の高さは、前記横断面における前記第1縦案内部材の高さ以上であることを特徴とする請求項7に記載の加湿装置。
【請求項9】
前記第2縦案内部材は、前記回転軸線から同じ距離に配置されることを特徴とする請求項7に記載の加湿装置。
【請求項10】
前記第2縦案内部材の前記連通部に隣接した領域は、前記連通部の間の領域より前記回転軸線からさらに遠く配置されることを特徴とする請求項7に記載の請求項加湿装置。
【請求項11】
前記第2縦案内部材は、前記横断面から折曲して延長されることを特徴とする請求項7に記載の加湿装置。
【請求項12】
前記加湿流体案内部に前記加湿流体を供給する加湿流体供給部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
【請求項13】
前記加湿流体供給部は、前記加湿流体を供給及び案内する供給配管と、前記供給配管の流路を開閉する供給バルブとを含むことを特徴とする請求項12に記載の加湿装置。
【請求項14】
前記送風ファンの稼動及び停止によって前記供給バルブを開閉するように制御する制御部をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の加湿装置。
【請求項15】
前記加湿流体供給部は、前記供給配管に前記加湿流体を供給する供給源と、前記供給源と前記供給バルブとの間に備えられた流体貯蔵槽をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の加湿装置。
【請求項16】
前記送風ファンは、遠心ファンを含むことを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
【請求項17】
加湿装置を含む空気調和機において、
回転軸線に沿って回転して空気の流動を発生させる複数のインペラと、前記インペラと結合されるケーシングとを有する送風ファンと;
前記送風ファンの周りに配置された熱交換器と;
前記ケーシングの一側に形成され、前記送風ファンの回転によって加湿流体を案内可能に備えられた加湿流体案内部を含み、
前記各インペラには、前記加湿流体案内部と連通し、回転によって前記加湿流体を外周縁に沿って前記熱交換器に向かって排出可能に形成された加湿流体排出部をさらに含むことを特徴とする空気調和機。
【請求項18】
前記加湿流体排出部は、
一側に前記加湿流体案内部と連通する開口が形成された連通部と、
他側に外周縁に向かって前記連通部と貫通されるように形成された少なくとも一つの排出スロットとを含むことを特徴とする請求項17に記載の空気調和機。
【請求項19】
前記加湿流体案内部は、
前記ケーシングの一側に前記回転軸線に対して垂直方向に形成された横断面と、
前記横断面に結合され、前記回転軸線から所定の距離で配置された縦案内部材とを含むことを特徴とする請求項17に記載の空気調和機。
【請求項20】
前記縦案内部材は、前記横断面と一体に成形されることを特徴とする請求項19に記載の空気調和機。
【請求項21】
前記縦案内部材は、前記横断面の上に配置されて前記回転軸線から距離の異なる第1縦案内部材及び第2縦案内部材を含み、
前記第1縦案内部材は前記第2縦案内部材より前記回転軸線から近く配置されることを特徴とする請求項19または20のいずれか一項に記載の空気調和機。
【請求項22】
前記第2縦案内部材は、前記横断面から折曲して延長されることを特徴とする請求項21に記載の空気調和機。
【請求項23】
前記加湿流体案内部に前記加湿流体を供給する加湿流体供給部をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の空気調和機。
【請求項24】
前記加湿流体供給部は、前記加湿流体を供給及び案内する供給配管と、前記供給配管の流路を開閉する供給バルブとを含むことを特徴とする請求項23に記載の空気調和機。
【請求項25】
前記送風ファンの稼動及び停止によって前記供給バルブを開閉するように制御する制御部をさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−122061(P2008−122061A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−204137(P2007−204137)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】