説明

加熱による分別再生を伴う、吸収溶液によりガスを脱酸する方法

本発明は、酸性化合物を含むガス状流出物を脱酸するための方法に関する。ガス状流出物は、酸性化合物の減ったガス状流出物および酸性化合物を含ませた吸収溶液を得るためにC1で吸収溶液と接触し、吸収溶液は、ある量の酸性化合物を吸収して、加熱された場合に、2つの分離可能な相を形成するその性質に対して選択される。酸性化合物を含ませた吸収溶液は、次いで、2つの画分:酸性化合物の減った第一吸収溶液画分および酸性化合物が富化された第二吸収溶液画分を分離するためにE1およびE3で加熱される。次いで、これらの2つの画分はBS1で分離される。第二画分は、酸性化合物の部分を放出するためにC2で再生され、第一吸収溶液画分および再生吸収溶液は吸収溶液として再循環される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、吸収溶液によりガス状流出物(gasueous effluent)を脱酸する分野に関する。本発明は、新しい吸収溶液再生方式を提供する。
【0002】
本発明による方法は、ガス状流出物中に含まれている酸性化合物、例えば、二酸化炭素(CO2)および硫化水素(H2S)等を除去することを可能にする。それは、天然ガス、合成ガスまたは燃焼プロセスからのフューム(fumes)を処理するために適用することができる。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
酸性化合物を含ませた吸収溶液の再生は、特にエネルギー消費に関して費用が掛かる。これは、特に、吸収溶液が、燃焼フューム中に存在するCO2を集めるために使用される場合に、重大な欠点である。実際、吸収溶液の再生に必要な熱は化石燃料の燃焼により得られるが、吸収によるCO2の収集が注目に値しなくなる、追加量のCO2を生成する恐れがある。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、酸性化合物を含ませた吸収溶液を、2つの部分、即ち、酸性化合物に富む画分および酸性化合物の少ない画分に分画し、吸収溶液の再生に必要なエネルギーを最小化するために酸性化合物に富む画分だけを蒸留により再生することを目的とする。
【0005】
発明の要旨
本発明は、硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)からなる群の少なくとも1つの酸性化合物を含むガス状流出物を脱酸する方法であって、
a)ガス状流出物を吸収溶液と接触させて、酸性化合物の減ったガス状流出物および酸性化合物を含ませた(laden with acid compounds)吸収溶液を得る工程であって、吸収溶液が、ある量の酸性化合物を吸収して、加熱される場合に、2つの分離可能な液相を形成するその性質のために選択される工程、
b)吸収溶液が2つの液体画分、即ち、酸性化合物が減った第一の吸収溶液画分および酸性化合物が富化された第二の吸収溶液画分に分割するように酸性化合物を含ませた吸収溶液を加熱する工程、
c)工程b)で得られた前記2つの画分を分離する工程、
d)前記第二の画分を再生して、酸性化合物の部分を放出する工程、
e)第一の吸収溶液画分および再生された吸収溶液を、吸収溶液として工程a)へ再循環する工程
が実施される方法を提供する。
【0006】
本発明によれば、工程b)において、酸性化合物を含ませた吸収溶液は、60℃〜100℃の範囲の温度に加熱することができる。
【0007】
工程d)では、第二の吸収溶液画分は蒸留されて、気体形態で酸性化合物を放出することにより、酸性化合物の減った再生された吸収溶液を生成する。
【0008】
工程a)はカラム(column)中で行うことができ、第一の吸収溶液画分および再生された吸収溶液はカラムの頂部で導入される。
【0009】
工程a)はカラム中で行うことができ、再生された吸収溶液はカラムの頂部で導入され、第一の吸収溶液画分は、カラムの底部と頂部との間の中間位置で導入される。
【0010】
工程c)では、次の分離方法:デカンテーション、遠心分離、濾過の1つが使用できる。
【0011】
工程b)およびc)は膜接触器(membrane contactor)中で行うことができる。
【0012】
吸収溶液は、水性相に反応性化合物を含むことができ、反応性化合物は、アミン類、アルカノールアミン類、ポリアミン類、アミノ酸類、アミノ酸アルカリ塩類、アミド類、尿素類、アルカリ金属ホスフェート類、カーボネート類およびボレート類からなる群から選択される。
【0013】
吸収溶液は、また、前記溶液がある量の酸性化合物を吸収した場合かつそれが加熱される場合に2つの分離可能な相を形成する性質を促進する塩を含むことができる。
【0014】
吸収溶液は、アミン、アルコール、ケトン、ビニルアルコール、ビニルケトン、エーテルアルコール、エーテルケトン、グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコールコポリマー、グリコールエーテル、チオグリコール、チオアルコール、スルホン、スルホキシド、N−アルキル化ピロリドン、N−アルキル化ピペリドン、シクロテトラメチレンスルホン、N−アルキルホルムアミド、N−アルキルアセトアミド、アルキルホスフェート、アルキレンカーボネートおよびジアルキルカーボネートからなる群から選択される有機化合物を更に含むことができる。
【0015】
本発明による方法は、次のガス状流出物:天然ガス、合成ガス、燃焼フューム、精油所ガス、クラウステールガス(Claus tail gas)、バイオマス発酵ガスの1つに適用することができる。
【0016】
本発明による方法では、吸収工程からの吸収溶液の画分は、液体状態から蒸気状態へ変化させることなく吸収工程へ再循環される。これは、蒸留による再生の工程に伴うコストを顕著に減少することを可能にする。
【0017】
図面の簡単な説明
本発明のその他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、以降の説明を読むことにより明らかとなる。
【0018】
図1は、本発明による方法の一実施形態を示す図である。
【0019】
図2および図3は、本発明の2つの他の実施形態を示す図である。
【0020】
詳細な説明
図1では、ライン1を流通するガス状流出物は、吸収カラムC1で、ライン4を通って流動する吸収溶液と接触する。本発明による脱酸方法は、種々のガス状流出物に適用することができる。例えば、この方法は、燃焼フュームを脱炭酸すること、天然ガスまたはクラウステールガスを脱酸することを可能にする。この方法は、また、合成ガス、複合石炭または天然ガス燃焼プラントでの転換ガス(conversion gas)、およびバイオマス発酵から得られるガスに含まれる酸性化合物を除去することを可能にする。
【0021】
カラムC1では、吸収溶液の反応性化合物は、収集される酸性化合物と反応して水性相に可溶な塩を形成する。酸性化合物が減ったガスは、ライン2を通ってC1から排出される。水に溶解した塩の形態の酸性化合物が富化された吸収溶液は、ライン3を通ってC1から排出される。しかし、酸性化合物に富むこの吸収溶液は、相当なものであり得る割合の未反応の反応性化合物を含む。
【0022】
吸収溶液は、1つまたは複数の反応性化合物を含む、または酸性化合物との物理化学的親和力を有する水溶液である。酸性化合物H2SおよびCO2と可逆的に反応する化合物を含む吸収溶液が、好ましく選択される。本発明によれば、所定量の酸性化合物を吸収して、温度が臨界的温度(a critical temperature)を超える場合に、水性相において、2つの分離可能な液相を形成する性質を有する反応性化合物が選択される。換言すれば、反応性化合物は、酸性化合物を含ませた吸収溶液が、その温度が臨界的分離温度(a critical demixing temperature)を超える場合に2つの液相を形成するように選択される。
【0023】
反応性化合物の性質は、処理される酸性化合物との可逆的化学反応を可能とするために、処理される酸性化合物の性質により選択することができる。反応性化合物の化学構造は、また、使用条件下で吸収溶液の増加した安定性を更に得るように選択することができる。
【0024】
反応性化合物は、非限定的例として、アミン類(第一級、第二級、第三級、環状または非環状、芳香族または非芳香族、飽和または不飽和)、アルカノールアミン類、ポリアミン類、アミノ酸類、アミノ酸アルカリ塩類、アミド類、尿素類、アルカリ金属ホスフェート類、カーボネート類またはボレート類であることができる。
【0025】
アミン官能基を含む反応性化合物は、好ましくは、次の構造を有する:
【0026】
【化1】

【0027】
ここで式中、
・Xは、アミン官能基(N−R6)または酸素原子(O)または硫黄原子(S)またはジスルフィド(S−S)またはカルボニル官能基(C=O)またはカルボキシル官能基(O=C−O)またはアミド官能基(O=C−N−R6)またはフェニルまたはニトリル官能基(CN)またはニトロ基(NO2)を表し、
・nおよびmは整数であり、nは0〜8、好ましくは、0〜6の任意の値を有することができ、mは1〜7、好ましくは、1〜5の任意の値を有することができ、
・R5は、水素原子または、1〜12個の炭素原子好ましくは1〜10個の炭素原子を含む、分枝もしくは非分枝の、飽和もしくは不飽和の炭化水素鎖を表し、R5は、Xがニトリル官能基(CN)またはニトロ基(NO2)を表す場合は存在せず、
・R1、R2、R3、R4およびR6は、水素原子または、1〜12個の炭素原子好ましくは1〜10個の炭素原子を含む、分枝もしくは非分枝の、飽和もしくは不飽和の炭化水素鎖を表すか、またはこれらは次の構造を有する:
【0028】
【化2】

【0029】
ここで式中、
・nおよびpは整数であり、nは0〜8、好ましくは、0〜6の任意の値を有することができ、pは0〜7、好ましくは、0〜5の任意の値を有することができ、
・X、R3、R4およびR5は上記と同じ定義を有し、これらは、それぞれ、アミン官能基を定義するX、R3、R4およびR5と同じか異なることができ、
・R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族の、環または複素環を形成するために化学結合で結合可能なものとして定義される。
【0030】
非限定的例として、アミン官能基を含む反応性化合物は次のリストから選択することができる:モノ−エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(ジグリコールアミン)、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシ−エチル−ビスアミノエチルエーテル、N,N−ビス−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−イソプロパノール−アミン、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−イミノビスプロピルアミン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン、3−メトキシプロピルアミン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、ビス−(2−ジメチル−アミノエチル)エーテル、2,2−ジモルホリノジエチルエーテル、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジ−プロピレントリアミン、N,N−ビス(2,2−ジエトキシエチル)メチルアミン、3−ブチル−2−(1−エチルペンチル)オキサゾリジン、3−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)オキサゾリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリドン、1−(2−メチルプロピル)−4−ピペリドン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルイミノビスエチルアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、1−フェニルピペラジン、1−ホルミルピペラジン、エチル1−ピペラジンカルボキシレート、N,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン、4−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)オキサゾリジン、テラエチレン−ペンタアミン、トリエチレンテトラミン、N,N−ジエチルジエチレントリアミン、N1−イソプロピル−ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルジプロピレントリアミン、ジエチレントリアミン、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、2,2’−(エチレンジオキシ)ジエチルアミン、N−(2−アミノエチル)モルホリン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、2−ピペリジノエチルアミン、2−(2−アミノエチル)−1−メチルピロリジン、エチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N−フェニルエチレンジアミン、4,9−ジオキサ−1,12−ドデカンジアミン、4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン、1,2,4−トリメチルピペラジン、N,N’−ジエチル−N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチル−N’,N’−ジメチルエチレンジアミン、1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン、1,4−ジメチル−1,4−ジアザシクロヘプタン、N−(2−ジメチル−アミノエチル)−N’−メチルピペラジン、N,N,N’,N’−テトラエチルプロピレンジアミン、1−[2−(1−ピペリジニル)エチル)]ピペリジン、4,4’−エチレンジモルホリン、N,N,N’,N’−テトラエチル−N”−メチル−ジプロピレントリアミン、4−(ジメチルアミノ)−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、1,5,9−トリメチル−1,5,9−トリアザシクロドデカン、1,4,8,11−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、N,N’−ジフルフリルエチレンジアミン、1,2−ビス(2−アミノエチル)チオエタン、ビス(2−アミノエチル)ジスルフィド、ビス(2−ジメチルアミノエチル)スルフィド、1−アセチル−2−ジエチルアミノ−エタン、1−アミノ−2−ベンジルアミノエタン、1−アセチル−3−ジメチルアミノプロパン、1−ジメチルアミノ−3,3−ジフェニルプロパン、2−(ジメチルアミノメチル)チオフェン、N,N,5−トリメチルフルフリルアミン、N,Nビス(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミン、2−(エチルスルファニル)エタンアミン、チオモルホリン、2−[(2−アミノエチル)スルファニル]エタノール、3−チオモルホリニルメタノール、2−(ブチルアミノ)エタンチオール、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル、1−ジメチルアミノ−2−エチルメチルアミノエトキシエタン、1,2,3−トリアミノプロパン、N〜1〜−(2−アミノプロピル)−1,2−プロパンジアミン、N−メチルベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン、N−プロピルベンジルアミン、N−イソプロピルベンジルアミン、N−ブチルベンジルアミン、N−tertioブチルベンジルアミン、N−ベンジルピペリドン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、1−(2−メトキシフェニル)ピペラジン、2−メチル−1−(3−メチルフェニル)ピペラジン、1−(2−ピリジニル)ピペラジン、ベンズヒドリルアミン、N−ベンジル−N’,N’−ジメチルエチレンジアミン、3−(メチルアミノ)プロピオニトリル、3−(エチルアミノ)プロピオニトリル、3−(プロピルアミノ)プロピオニトリル、3−(ブチルアミノ)プロピオニトリル、3−(tertioブチル−アミノ)プロピオニトリル、3−(ペンチルアミノ)プロピオニトリル、3−アミノプロピオニトリル、3−(1−ピペリジノ)プロピオニトリル、1−ヘキサンアミン、1−ヘプタンアミン、1−オクタンアミン、N−プロピル−1−プロパンアミン、N,N−ジブチル−1,2−エタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサン−ジアミン、N,N’−ジブチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N−ジエチルプロピレンジアミンおよびN,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン。
【0031】
反応性化合物は、吸収溶液の10〜100重量%、好ましくは、25〜90重量%に相当することができる。
【0032】
吸収溶液は、また、処理される化合物の吸収を助けるために、1つまたは複数の活性化剤(activator)を含むことも可能である。これらは、例えば、アミン類、アミノ酸類、アミノ酸アルカリ塩類、アルカリ金属ホスフェート類、カーボネート類またはボレート類であることができる。
【0033】
アミン官能基を含む活性化剤は、好ましくは、次のような構造を有することができる:
【0034】
【化3】

【0035】
ここで式中、
・Xは、アミン官能基(N−R6)または酸素原子(O)または硫黄原子(S)またはジスルフィド(S−S)またはカルボニル官能基(C=O)またはカルボキシル官能基(O=C−O)またはアミド官能基(O=C−N−R6)、フェニルまたはニトリル官能基(CN)またはニトロ基(NO2)を表し、
・nおよびmは整数であり、nは0〜8、好ましくは、0〜6の任意の値を有することができ、mは1〜7、好ましくは、1〜5の任意の値を有することができ、
・R5は、水素原子または、1〜12個の炭素原子好ましくは1〜10個の炭素原子を含む、分枝もしくは非分枝の、飽和もしくは不飽和の炭化水素鎖を表し、R5は、Xがシアノ官能基(CN)またはニトロ基(NO2)を表す場合は存在せず、
・R1、R2、R3、R4およびR6は、水素原子または、1〜12個の炭素原子好ましくは1〜10個の炭素原子を含む、分枝もしくは非分枝の、飽和もしくは不飽和の炭化水素鎖を表すか、あるいはこれらは、次の構造を有する:
【0036】
【化4】

【0037】
ここで式中、
・nおよびpは整数であり、nは0〜8、好ましくは、0〜6の任意の値を有することができ、pは0〜7、好ましくは、0〜5の任意の値を有することができ、
・X、R3、R4およびR5は上記と同じ定義を有し、これらは、それぞれ、アミン官能基を定義するX、R3、R4およびR5と同じか異なることができ、
・R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族の、環または複素環を形成するために化学結合で結合可能なものとして定義され、
・R1、R2およびR6は、それらの少なくとも1つが水素原子を表すように選択される。
【0038】
活性化剤濃度は、吸収溶液の0〜30重量%、好ましくは、0〜15重量%の範囲である。
【0039】
活性化剤は、例えば、次のリストから選択することができる:モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(ジグリコールアミン)、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、モルホリン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルイミノビスプロピルアミン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)ピペラジン、N,N,N’,N’−テトラエチルイミノビスエチルアミン、1−フェニルピペラジン、1−ホルミルピペラジン、エチル1−ピペラジンカルボキシレート、N,N’−ジ−tert−ブチルエチレンジアミン、4−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)オキサゾリジン、テトラエチレンペンタアミン、トリエチレンテトラミン、N,N−ジエチルジエチレントリアミン、N〜1〜−イソプロピルジエチレントリアミン、N,N−ジメチルジプロピレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジエチレントリアミン、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、2,2’−(エチレンジオキシ)ジエチルアミン、N−(2−アミノ−エチル)モルホリン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、N−(3−アミノプロピル)ピペリジン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、N−シクロヘキシル−1,3−プロパンジアミン、2−ピペリジノエチルアミン、2−(2−アミノエチル)−1−メチルピロリジン、エチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N−フェニルエチレンジアミン、4,9−ジオキサ−1,12−ドデカンジアミン、4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン、フルフリルアミン、N,N’−ジフルフリル−エチレンジアミン、1,2−ビス(2−アミノエチル)チオエタン、ビス(2−アミノエチル)ジスルフィド、ビス(アミノエチル)スルフィド、1−アミノ−2−ベンジルアミノエタン、2−(アミノメチル)チオフェン、N,N−ビス(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)アミン、2−(エチルスルファニル)エタンアミン、チオモルホリン、2−[(2−アミノエチル)スルファニル]エタノール、2−(ブチルアミノ)エタンチオール、1,2,3−トリアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、2−メチル−1,2−プロパンジアミン、2−メチルピペラジン、N〜2〜,N〜2〜−ジメチル−1,2−プロパンジアミン、N〜1〜,N〜1〜−ジメチル−1,2−プロパンジアミン、2,6−ジメチルピペラジン、1−エチル−3−ピペリジンアミン、N〜1〜−(2−アミノプロピル)−1,2−プロパンジアミン、デカヒドロキノキサリン、2,3,5,6−テトラメチル−ピペラジン、N,N−ジメチル(2−ピペリジニル)メタンアミン、1−(2−ピペリジニル−メチル)ピペリジン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N〜1〜,N〜3〜,2−トリメチル−1,3−プロパンジアミン、2−(アミノメチル)−2−メチル−1,3−プロパンジアミン、N〜1〜,N〜1〜,2,2−テトラ−メチル−1,3−プロパンジアミン、1−メトキシ−2−プロパンアミン、テトラヒドロ−2−フラニルメチルアミン、2,6−ジメチルモルホリン、N−メチル(テトラヒドロ−2−フラニル)メタンアミン、N−メチルベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン、N−プロピルベンジルアミン、N−イソプロピルベンジルアミン、N−ブチルベンジルアミン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、1−(2−メトキシフェニル)ピペラジン、2−メチル−1−(3−メチルフェニル)ピペラジン、1−(2−ピリジニル)ピペラジン、ベンズヒドリルアミン、N−ベンジル−N’,N’−ジメチルエチレンジアミン、3−(メチルアミノ)プロピオニトリル、3−(エチルアミノ)プロピオニトリル、3−(プロピルアミノ)プロピオニトリル、3−(ブチルアミノ)プロピオニトリル、3−(tertioブチルアミノ)プロピオニトリル、3−(ペンチルアミノ)プロピオニトリル、3−アミノプロピオニトリル、1−ヘキサンアミン、1−ヘプタンアミン、1−オクタンアミン、N−プロピル−1−プロパンアミン、N,N−ジブチル−1,2−エタンジアミン、N,N’−ジブチル−1,3−プロパンジアミンおよびN,N−ジエチルプロピレンジアミン。
【0040】
温度上昇により2つの液相の形成をもたらす溶剤の添加は、2つの液相の形成を普通には引き起こさない条件下で、広く入手可能で相対的に安価なアミン、例えば、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)またはジグリコールアミン(DGA)等の使用と組み合わせることができる。
【0041】
吸収溶液は、また、更なる化合物、例えば、分離(demixing)現象を助ける塩を含むこともできる。これらの塩は、非限定的例として、アルカリ、アルカリ土類、金属、アミン、アミノ酸の塩またはこれらの混合物であることができる。結びついたアニオンは、非限定的例として、ハロゲン化物、ホスフェート、ピロホスフェート、サルファイト、スルフェート、次亜塩素酸塩、ナイトレート、ナイトライト、ホスファイト、カルボキシレートまたは混合物であることができる。これらの塩を得るために使用されるアミンは、酸性化合物との反応性化合物として、または、処理されるガス状流出物中に存在する酸よりも強い1つまたは複数の酸で部分的に中和された活性化剤として吸収溶液に存在するアミンの1つまたは複数であることができる。使用される酸は、非限定的例として、リン酸、ピロリン酸、亜リン酸、次亜塩素酸、亜硝酸、シュウ酸、酢酸、ギ酸、プロパン酸、ブタン酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、塩酸、アミノ酸または混合物であることができる。そのような酸で中和されたアミンのその他のタイプは、また、例えば、アンモニウム塩またはその他のアミン塩またはアミン塩の混合物の形態で、吸収溶液へ添加することができる。これらの例は、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウムまたは亜硫酸アンモニウムである。これらの塩は、また、吸収溶液の部分的劣化、例えば、処理されるガス中の混入物質と反応性化合物の反応の結果として生じ得る。塩は、また、この方法が適用されるプラントにおいて形成される酸を中和するためのソーダまたはカリの導入後にも得ることができる。なおまた、塩の添加は、活性化剤、反応性化合物または任意のその他の添加剤が塩の形態で本来存在する場合は回避することが可能である。塩濃度は、分圧により、および処理されるガス供給物中に存在する酸性化合物の性質により、ならびに使用条件により調整することができる。
【0042】
吸収溶液は、また、分離現象を促進することを意図した、1つまたは複数の有機化合物を含むこともできる。これらの化合物は、アミン、アルコール、ケトン、ビニルアルコール、ビニルケトン、エーテルアルコール、エーテルケトン、グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコールコポリマー、グリコールエーテル、チオグリコール、チオアルコール、スルホン、スルホキシド、N−アルキル化ピロリドン、N−アルキル化ピペリドン、シクロテトラメチレンスルホン、N−アルキルホルムアミド、N−アルキルアセトアミド、アルキルホスフェート、アルキレンカーボネートまたはジアルキルカーボネートおよびこれらの誘導体であることができる。非限定的例として、これらは、2−ブタノール、2−ブトキシエタノール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、3−ブテン−2−オン、モル質量400g/モルのポリエチレングリコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、N−メチルピロリドン、1,3−ジオキサン−2−オン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、グリセロールカーボネート、ジメチルプロピレン尿素、N−メチルカプロラクタム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、アセトアミド、2−メトキシ−2−メチル−3−ブタノン、2−メトキシ−2−メチル−4−ペンタノン、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジチアオクタン、1,4−ジチアン−2,5−ジオール、2−(メチルスルホニル)エタノール、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、1,4−ジチオエリスリトールまたはトリブチルホスフェートであることができる。
【0043】
ライン3を流通する吸収溶液は、吸収された酸性化合物および場合によっては共に吸収された炭化水素の部分を気化するために膨張装置V1で膨張される。V1での膨張で生成された蒸気画分は吸収溶液から分離され、ドラムB1の頂部で排出される。その組成によって、この蒸気画分は、このプロセスの上流に再循環されること、燃料ガスとして使用されること、またはライン10を流通する流れと混合することができる。次いで、吸収溶液は、ライン5を通って熱交換器E1へ、次いで、E3へ送られる。それは、ライン6を通ってより高温で流出する。熱交換器E1およびE3において、酸性化合物を含ませた吸収溶液は、酸性化合物を含ませた溶液が2つの分離可能な液相を形成する臨界的温度を超える高い温度に達するまで加熱される。例えば、酸性化合物を含ませた吸収溶液は、60℃〜100℃の範囲の温度に加熱される。このようにして、ライン6を流通する流体は2つの分離可能な液相:酸性化合物に富む相および酸性化合物の少ない相からなる。更に、温度上昇の効果の下で、酸性化合物の部分は気体形態で放出される。ライン6を流通する流体の3つの相は、分離ドラムBS1で分離される。BS1の頂部からの気体画分は、ライン17を通って蒸留カラムC2の頂部へ送られる。酸性化合物が富化された、即ち、酸性化合物と反応した活性化合物に富む第一液体画分は、ライン8を通って蒸留カラムへ送られる。酸性化合物の減った、即ち、未反応の活性化合物が富化された第二液体画分は、ライン13を通ってBS1から排出される。
【0044】
ライン8を流通する酸性化合物に富む第一液体画分は、交換器E4での熱交換により加熱されることができ、次いで、この液体画分は、再生されるために蒸留カラムC2中へ供給される。カラムC2はリボイラーを備えている。C2で、吸収溶液の反応性化合物は酸性化合物から分離される。酸性化合物は気化され、ライン9を通ってC2から排出される。ガスは、部分的に液化されるために凝縮器EC1で冷却される。分離ドラムBS2は、還流としてカラムC2の頂部へライン11を通って供給される、ポンプP3でポンプ輸送される液体画分を集めることを可能にする。蒸気画分はライン10を通ってBS2から排出される。再生吸収溶液は、ライン12を通ってカラムC2の底部で集められる。
【0045】
カラムC2の底部で回収された吸収溶液を冷却することにより放出された熱は、再生される種々の流れを加熱するために回収することができる。例えば、図1に関連して、ライン12を流通する吸収溶液は、間接熱交換器E4で、ライン8を通ってBS1から来る第一液体画分を加熱することを可能にする。次いで、ライン14を流通するこの溶液は、ライン13を通ってBS1から来る第二液体画分と混合される。この混合物は、ライン5を流通する吸収溶液を加熱するために交換器E1へ供給される。ライン15を流通する混合物は、次いで、交換器E2でカラムC1の運転温度まで冷却される。吸収溶液は貯蔵タンクB1で貯蔵され、そこからポンプP1で汲み上げられ、ライン4を通ってカラムC1へ供給される。
【0046】
幾つかの場合では、酸性化合物除去効率を高めるため、および処理ガスの高級仕様を達成するために、酸性化合物が非常に少ない、即ち高い吸収容量を有する吸収溶液を、カラムC1の頂部へ再循環することが望ましい。例えば、分離ドラムBS1で分離された、酸性化合物の減った吸収溶液画分は、酸性化合物を集めるのに十分に有効ではない場合がある。したがって、幾つかの場合では、BS1からの、酸性化合物の減った吸収溶液画分は、好ましくは、図2で図式的に示されるように、吸収カラムC1の中間点へ送ることができる。この場合は、C2での蒸留により再生された吸収溶液画分だけがカラムの頂部へ送られる。
【0047】
図1の参照番号と同じ図2の参照番号は同じ要素を意味する。
【0048】
図2では、ライン5を流通する酸性化合物を含ませた吸収溶液は、熱交換器E1およびE’1でそれぞれ加熱される2つの流れに分離され、次いで、一緒にされ、場合により交換器E3で加熱され、次いで、分離ドラムBS1へ供給される。
【0049】
ライン13を通ってBS1から来る、酸性化合物の減った第二吸収溶液画分はポンプP2で汲み上げられ、熱交換器E’1で冷却され、次いで、ライン23を通って吸収カラムC1の中間点へ供給される。ライン23は、吸収溶液を、ライン4による導入の点に対して低い位置で、カラムの底部と頂部の間でC1へ注入することを可能にする。
【0050】
カラムC2の底部で得られた再生吸収溶液は、要素E4、E1、E2、B1およびP1を通過した後、ライン4を通ってカラムC1の頂部へ送られる。
【0051】
図3で図式的に示される方法は、本発明を実施するために膜接触器を使用することを目的とする。図1の参照番号と同じ図3の参照番号は同じ要素を意味する。
【0052】
図3では、ライン5を流通する、酸性化合物を含ませた吸収溶液は、ライン14を通って流動する再生吸収溶液と接触するために膜接触器EM1へ供給される。膜接触器で、流れは膜を用いて接触させられ、その膜の活性層は酸性化合物と反応した反応性化合物を選択的に透過できる性質を有する。例えば、膜はシリコーン等のポリマー材料である。
【0053】
膜接触器EM1で、ライン5を通って流動する溶液は、ライン14を通って流動する溶液との間接的接触により加熱される。ライン5から来る溶液が臨界分離温度を超える場合、この溶液は2つの液相:酸性化合物と反応した反応性化合物を含む相および酸性化合物と反応していない反応性化合物を含む相に分かれる。EM1の膜の選択的透過性は、未反応の反応性化合物が流れ5から流れ14へ移動するのを可能にする。
【0054】
ライン6を通って膜接触器から来る、酸性化合物を含ませた吸収溶液は、ライン5を流通する溶液に関して未反応の反応性化合物が激減する。それはドラムBS1へ供給され、そこで、気体形態で放出された酸性化合物はライン17を通って排出される。BS1の底部から排出された、酸性化合物を含ませた吸収溶液は、ライン8を通って、再生されるために蒸留カラムC2へ供給される。
【0055】
ライン15を通って膜接触器から来る、酸性化合物の減った吸収溶液は、ライン14を流通する溶液に関して未反応の反応性化合物が豊富になる。
【0056】
膜接触器EM1の実施態様は、分離(demixing)により得られる相の加熱および分離を、単一の装置内で行うことの利点を与える。
【0057】
以降の数値例により、本発明を例示することができる。
【0058】
数値例1:
本発明者らは、20℃で、水−N−プロピル−1−プロパンアミン溶液を検討し、その組成は、モル比で、次の通りである:
・水:0.6
・N−プロピル−1−プロパンアミン:0.4。
【0059】
80℃の温度で、二つの相が形成される。その二つの相は、ほぼ純粋な水性相と、組成が次の通りである、N−プロピル−1−プロパンアミンに富む有機相である:
水:0.24
N−プロピル−1−プロパンアミン:0.76。
【0060】
数値例2:
75重量%のN,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミンおよび25重量%の水で作った溶剤を、平衡が達成されるまで、25℃で、大気圧で、気−液接触器中で、10容量%のCO2を含むN2−CO2気体混合物と接触させる。60℃まで加熱後、この溶剤は分離して2つの液相を形成する。吸収されたCO2は、密度がより高い相に集中する。この相は溶剤の合計重量の10%に相当する。
【0061】
本発明による方法の実施態様は、吸収溶液中の酸性化合物の割合が低い場合に特に興味深い。これは、例えば、減少したH2S含有量、例えば、100ppmを含むガスが、この含有量を例えば、3ppmまで下げるために処理される場合である。この場合、初期吸収溶液に含まれる水からなる画分は、本質的に再生カラムへ送られる。これにより、比較的に少量の吸収溶液画分だけを再生すればよいことになる。
【0062】
更に、この場合、再生カラムのリボイラーは、100℃に近い相対的に低い温度で運転できる。これは、この再沸騰のために、例えば熱排除(thermal rejections)から来る、比較的に低いレベルでの熱を使用することを可能にする。また、加圧下で酸性ガスを得るために、再生が行われる圧力を増加し、したがって、このガスが下層土中へ再注入される場合に酸性ガス圧縮プラントのコストおよびエネルギー消費を減少させることも可能である。
【0063】
本発明は、また、使用されるアミンが単純な膨張によって少なくとも部分的に再生できる場合に、強酸性ガスの処理という脈絡の中で興味深い。この場合、塩を形成しないアミンは、分離(demixing)により少なくとも部分的に分離することができ、これは、それを再生カラムへ送らないことを許容する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明による方法の実施形態を示す図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)からなる群の少なくとも1つの酸性化合物を含むガス状流出物を脱酸する方法であって、
a)ガス状流出物を吸収溶液と接触させて、酸性化合物の減ったガス状流出物および酸性化合物を含ませた吸収溶液を得る工程であって、
吸収溶液が、ある量の酸性化合物を吸収して、加熱される場合に、2つの分離可能な液相を形成するその性質のために選択される工程、
b)吸収溶液が2つの液体画分、即ち、酸性化合物が減った第一の吸収溶液画分および酸性化合物が富化された第二の吸収溶液画分に分割するように、酸性化合物を含ませた吸収溶液を加熱する工程、
c)工程b)で得られた前記2つの画分を分離する工程、
d)前記第二の画分を再生して、酸性化合物の部分を放出する工程、
e)第一の吸収溶液画分および再生された吸収溶液を、吸収溶液として工程a)へ再循環する工程
が実施される方法。
【請求項2】
工程b)において、酸性化合物を含ませた吸収溶液が、60℃〜100℃の範囲の温度に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程d)において、第二の吸収溶液画分が蒸留され、気体形態で酸性化合物を放出することにより、酸性化合物の減った再生された吸収溶液を生成する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
工程a)がカラム中で行われ、第一の吸収溶液画分および再生された吸収溶液がカラムの頂部で導入される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
工程a)がカラム中で行われ、再生された吸収溶液がカラムの頂部で導入され、第一の吸収溶液画分が、カラムの底部と頂部との間の中間位置で導入される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
工程c)において、次の分離方法、即ち、デカンテーション、遠心分離、濾過の1つが使用される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
工程b)およびc)が膜接触器中で行われる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
吸収溶液が水性相に反応性化合物を含み、反応性化合物が、アミン類、アルカノールアミン類、ポリアミン類、アミノ酸類、アミノ酸アルカリ塩類、アミド類、尿素類、アルカリ金属ホスフェート類、カーボネート類およびボレート類からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
吸収溶液が、前記溶液がある量の酸性化合物を吸収して加熱される場合に2つの分離可能な相を形成する性質を促進する塩を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
吸収溶液が、アミン、アルコール、ケトン、ビニルアルコール、ビニルケトン、エーテルアルコール、エーテルケトン、グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコールコポリマー、グリコールエーテル、チオグリコール、チオアルコール、スルホン、スルホキシド、N−アルキル化ピロリドン、N−アルキル化ピペリドン、シクロテトラメチレンスルホン、N−アルキルホルムアミド、N−アルキルアセトアミド、アルキルホスフェート、アルキレンカーボネートおよびジアルキルカーボネートからなる群から選択される有機化合物を更に含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
ガス状流出物が、天然ガス、合成ガス、燃焼フューム、精油所ガス、クラウステールガス、バイオマス発酵ガスからなる群から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−529420(P2009−529420A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558846(P2008−558846)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【国際出願番号】PCT/FR2007/000430
【国際公開番号】WO2007/104856
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(591007826)イエフペ (261)
【Fターム(参考)】