説明

加熱装置

【課題】本発明は加熱装置における加熱操作を初心者でも容易に行える加熱装置の提供を目的とする。
【解決手段】入力手段1と、第一の表示手段2と、第二の表示手段4と、第三の表示手段3と、上加熱手段5と下加熱手段6と高周波加熱手段7と、前記入力手段1からの信号に基づいて書く表示手段と加熱手段を制御する制御手段9を備え、前記入力手段1は操作する手順に合わせて配置し、第一の表示手段2と、第二の表示手段4と、第三の表示手段3により操作を誘導する構成としてあり、誰でも簡単に操作でき、操作性が大幅に向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱装置における操作構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の加熱装置は、加熱手段の選択、加熱温度、加熱時間、加熱開始をキーやエンコーダなどの入力手段を用いて行うものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された従来の加熱装置は、使い勝手を改善することを目的としてキーの数を削減して、加熱手段の選択、加熱温度、加熱時間の入力をエンコーダで全て設定できるようにしている。例えばオーブン調理を設定する場合、エンコーダでオーブンを選択しセットキーにてオーブン調理を確定させて、同じくエンコーダで加熱温度を選択しセットキーにて加熱温度を確定させて、同じくエンコーダで加熱時間を選択しセットキーにて加熱時間を確定させて、スタートキーにて加熱を開始するようになっている。
【特許文献1】特開平6−88618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、オーブン調理の加熱開始するまでにエンコーダとセットキーを3回操作する必要があり、操作手順が増加するという課題を有していた。また、エンコーダは加熱手段の選択、加熱温度、加熱時間の設定の機能を兼用していることと、各設定の確定にセットキーを押すために、使用者は、操作方法を容易に理解できないという課題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、使用者が操作方法を容易に理解でき、誰でも使いやすい加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱装置は、複数の加熱手段と、前記加熱手段の選択、加熱温度、加熱時間、加熱開始を設定する入力手段と、前記入力手段を各々表示する第一の表示手段と、加熱方法、加熱状況を表示する第二の表示手段と、前記入力手段からの信号に基づいて第一、第二表示手段を制御する制御手段とを備え、前記入力手段は操作する手順に合わせて配置したものである。
【0007】
これによって、入力手段が加熱手段の選択、加熱温度、加熱時間、加熱開始という操作する順番通りに配置されているので、使用者が迷うことなく次の操作ができ、操作ミスがなく誰でも操作しやすい加熱装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の加熱装置は、複数の加熱手段を同時使用して加熱する複雑な操作であっても、入力手段の配置、点灯により誰でも簡単に操作することが可能となり、早くおいしい加熱ができると同時に、操作性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、複数の加熱手段と、前記加熱手段の選択、加熱温度、加熱時間、加熱開始を設定する入力手段と、前記入力手段を各々表示する第一の表示手段と、加熱方法、加熱状況を表示する第二の表示手段と、前記入力手段からの信号に基づいて第一、第二表示手段を制御する制御手段とを備え、前記入力手段は操作する手順に合わせて配置したこと
により、誰にでも使いやすく、操作性の向上が図れる。
【0010】
第2の発明は、特に、第1の発明の加熱装置において、操作する手順に合わせて入力手段の第一の表示手段を点灯、消灯させる機能を有していることにより、次の操作する入力手段が表示することにより、的確に次の操作が判断できる使い勝手のよい加熱装置を提供することができる。
【0011】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の加熱装置において、入力手段の機能を表示する第三の表示手段を備え、操作する手順に合わせて第三の表示手段を点灯、消灯させる機能を有していることにより、次の操作する入力手段の機能が表示することにより、視認性に優れ、初心者にでも使いやすい加熱装置を提供することができる。
【0012】
第4の発明は、特に、第3の発明の加熱装置において、第三の表示手段として言語切り替えできる機能を有していることにより、色々な国の使用者が不慣れな外国語で表示される情報を理解するのではなく、それぞれが慣れ親しんだ言語で表示されるので、より的確な判断をすることがる加熱装置を提供することができる。
【0013】
第5の発明は、特に、第4の発明の加熱装置において、第三の表示手段の言語設定を記憶する記憶手段を有し、前記記憶手段として、電源OFF時にも消去されない記憶媒体を用いることにより、待機電力OFF機能等も搭載した加熱装置においても、記憶内容が消去されないため、各使用者に応じた言語の設定が可能になるため、操作性の向上を図ることができる。
【0014】
第6の発明は、特に、第1〜第5の発明の加熱装置において、加熱室内の被加熱物を上方および下方から加熱する上加熱手段および下加熱手段と、前記被加熱物を高周波加熱する高周波加熱手段と、前記加熱手段を制御する制御手段を備えて、入力手段により、複数の加熱手段を選択できることにより、複雑な複数の加熱手段の設定でも、操作する順番通りに入力手段が配置されているので、使用者が迷うことなく次の操作ができ、操作性の向上を図ることができる。
【0015】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における加熱装置のブロック図、図2〜7は同実施の形態1における加熱装置の操作仕様図を示すものである。
【0017】
図1において、1は加熱手段を選択する入力手段で、同時調理キー、ファングリルキー、オーブングリルキー、オーブンキー、グリルキー、解凍キー、レンジ/煮込みキーと、加熱温度を設定する△キー、▽キーと、加熱時間を設定する1hキー、10minキー、1minキー、10sキーと、加熱開始を設定するスタートキーと、庫内灯をon/offさせる庫内灯キーと、加熱の取り消しをする取消キーと、を備えている。2は同時調理キー、ファングリルキー、オーブングリルキー、オーブンキー、グリルキー、解凍キー、レンジ/煮込みキー、△キー、▽キー、1hキー、10minキー、1minキー、10sキー、スタートキー、庫内灯キー、取消キーの絵表示を独立して表示する第一の表示手段である。また、3は同時調理キー、ファングリルキー、オーブングリルキー、オーブンキー、グリルキー、解凍キー、レンジ/煮込みキー、スタートキー、庫内灯キー、取消キーの機能の名称を複数の言語を独立して表示する第三の表示手段である。4は入力手段1から入力された加熱情報を表示する第二の表示手段で、多様な用事ができるように液晶や蛍光管表示によって構成してある。
【0018】
5は加熱室(図示せず)内の被加熱物を上方から加熱する上加熱手段、6は加熱室内の被加熱物を下方から加熱する下加熱手段、7は加熱室内の被加熱物を高周波加熱する高周波加熱手段である。また、8は前記第三の表示手段3の言語の設定を記憶する記憶手段であり、9は前記入力手段1と記憶手段8からの入力信号を受けて書く加熱手段と表示手段を制御する制御手段で、入力手段1からの信号に応じて、第一の表示手段2、第二の表示手段4、第三の表示手段3に表示用の制御信号を、上加熱手段5、下加熱手段6、高周波加熱手段7に制御信号を送る。
【0019】
以上のように構成された加熱装置について、図2〜図7を用いて以下にその動作、作用を説明する。
【0020】
まず、使用者が加熱装置を使用するために、電源が投入されると、図2に示すように、加熱手段の入力手段1だけが第一の表示手段2と第三の表示手段3に表示される。第三の表示手段3の機能表示として、日本語と英語の併記表示にしているが、日本語だけの表示、または英語だけの表示、または、表示をなしに設定して第一の表示手段2の絵表示だけにすることも可能である。なお、第三の表示手段3の機能表示として、日本語と英語で記載しているが、使用者が慣れ親しんだ言語で表示されるように、第三の表示手段3の機能表示の言語を使用者に対応するように、柔軟に対応すればよいことは言うまでもない。
【0021】
また、第三の表示手段3の機能表示の設定を記憶する記憶手段8は、制御手段9内のRAMを使用しても構わないが、電源OFF時にも消去されない不揮発性メモリ等を使用することにより、待機電力OFF仕様を搭載した加熱装置においても、常に記憶している情報を初期値に設定することができるため、利便性を低下させなくて良い。
【0022】
次に、上加熱手段5、下加熱手段6、高周波加熱手段7の複数の加熱源を使用する同時調理を使用するため、入力手段1の同時調理キーを押すと、図3に示すように、同時調理キーを受け付けたという意味で、第一の表示手段2の同時調理キーの絵表示が消灯する。また、入力手段1の解凍キーとレンジ/煮込みキーを受け付けなくなるので第一の表示手段2と第三の表示手段3の解凍キーとレンジ/煮込みキーの絵表示と機能表示が消灯する。また、同時調理を使用するための次の操作として、入力手段1のファングリルキー、オーブングリルキー、オーブンキー、グリルキーのいづれかを選択して押す必要があるので、第一の表示手段2のファングリルキー、オーブングリルキー、オーブンキー、グリルキーの絵表示を点灯させて、第三の表示手段3のファングリルキー、オーブングリルキー、オーブンキー、グリルキーの表示を点滅させ、使用者に的確に次の操作がわかるように、操作性を向上することができる。
【0023】
なお、使用者が入力手段1を的確に押せるようにという理由と、第一の表示手段2の表示を点滅させると見た目に煩雑感を与えるという理由で、第一の表示手段2の表示を点灯させて、第三の表示手段3を点滅させているが、使用者の操作性が向上するならば、第一の表示手段2の表示を点滅させて、第三の表示手段3を点灯させるように、柔軟に対応すればよいことは言うまでもない。
【0024】
次に、同時調理の加熱方法としてオーブンを選択した場合は、入力手段1のオーブンーを押すと、図4に示すように、オーブンキーを受け付けたという意味で、第一の表示手段2のオーブンキーの絵表示だけが点灯して、入力手段1のファングリルキー、オーブングリルキー、グリルキーを受け付けなくなるので、第一の表示手段2と第三の表示手段3のファングリルキー、オーブングリルキー、グリルキーの絵表示と機能表示が消灯する。また、同時調理のオーブンを使用するための次の操作として、入力手段1の△キーと▽キーで加熱温度を設定する必要があるので、第一の表示手段2の△キーと▽キーを点灯させて
、第二の表示手段4に温度設定をするように誘導するために、TEMP表示と℃の点滅させ、使用者に的確に次の操作がわかるように、操作性を向上することができる。
【0025】
次に、同時加熱のオーブンの加熱温度を選択した場合は、入力手段1の△キーを押すと、図5に示すように、△キーを受け付けたという意味で、第二の表示手段4に加熱温度の初期値として例えば170℃が表示される。また、同時調理の高周波加熱を使用するための次の操作として、入力手段1のレンジ/煮込みキーで高周波加熱の出力を設定する必要があるので、第一の表示手段2のレンジ/煮込みキーの絵表示を点灯させて、第三の表示手段3のレンジキーの機能表示を点滅させ、使用者に高周波加熱の出力の設定するように誘導することができる。
【0026】
次に、オーブンと高周波加熱の同時加熱で高周波加熱の出力を選択した場合は、入力手段1のレンジ/煮込みキーを押すと、図6に示すように、レンジ/煮込みキーを受け付けたという意味で、第二の表示手段4に高周波加熱の出力の初期値ね例えば300Wが表示される。また、同時調理の高周波加熱を使用するための次の操作として、入力手段1の1hキー、10minキー、1minキー、1sキーで同時加熱の加熱時間を設定する必要があるので、第一の表示手段2の1hキー、10minキー、1minキー、1sキーの絵表示を点灯させて、第二の表示手段4の min s 表示を点滅させ、使用者に同時加熱の加熱時間の設定をするように誘導することができる。
【0027】
次に、オーブンと高周波加熱の同時加熱の加熱時間を選択した場合は、入力手段1の1hキー、10minキー、1minキー、1sキーのいづれかのキーを押すと、図7に示すように、1hキー、10minキー、1minキー、1sキーを受け付けたという意味で、第二の表示手段4に同時加熱の加熱時間の初期値、例えば20min00sが表示される。また、同時加熱の加熱を開始するための次の操作として、入力手段1のスタートキーで同時加熱の加熱時間を開始させる必要があるので、第一の表示手段2のスタートキーの絵表示を点灯させて、第三の表示手段3のスタートキーの機能表示を点滅させ、使用者に同時加熱の加熱開始の設定するように誘導することができる。
【0028】
以上のように本実施の形態においては、複雑な操作においても、操作する手順に合わせて入力手段1を配置していることにより、次の操作がわかり易く、誰にでも使いやすく、操作性の向上が図れる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上のように、本発明にかかる加熱装置は、操作する手順通りに入力手段を配置することにより、初心者にわかりやすく、操作性が大幅に向上した加熱装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態1における加熱装置のブロック図
【図2】同実施の形態1における加熱装置の操作部説明図
【図3】同実施の形態1における加熱装置の操作部説明図
【図4】同実施の形態1における加熱装置の操作部説明図
【図5】同実施の形態1における加熱装置の操作部説明図
【図6】同実施の形態1における加熱装置の操作部説明図
【図7】同実施の形態1における加熱装置の操作部説明図
【符号の説明】
【0031】
1 入力手段
2 第一の表示手段
3 第三の表示手段
4 第二の表示手段
5 上加熱手段
6 下加熱手段
7 高周波加熱手段
8 記憶手段
9 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の加熱手段と、前記加熱手段の選択、加熱温度、加熱時間、加熱開始を設定する入力手段と、前記入力手段を各々表示する第一の表示手段と、加熱方法、加熱状況を表示する第二の表示手段と、前記入力手段からの信号に基づいて第一、第二表示手段を制御する制御手段とを備え、前記入力手段は操作する手順に合わせて配置した加熱装置。
【請求項2】
制御手段は操作する手順に合わせて入力手段の第一の表示手段を点灯、消灯させる機能を有することを特徴とした請求項1記載の加熱装置。
【請求項3】
入力手段の機能を表示する第三の表示手段を備え、制御手段は操作する手順に合わせて第三の表示手段を点灯、消灯させる機能を有することを特徴とした請求項1または2に記載の加熱装置。
【請求項4】
第三の表示手段として言語切り替えできる機能を有することを特徴とした請求項3記載の加熱装置。
【請求項5】
第三の表示手段の言語設定の記憶する記憶手段を有して、前記記憶手段として、電源OFF時にも消去されない記憶媒体を用いた請求項4記載の加熱装置。
【請求項6】
加熱手段として、加熱室内の被加熱物を上方および下方から加熱する上加熱手段および下加熱手段と、前記被加熱物を高周波加熱する高周波加熱手段とを備え、制御手段は入力手段からの信号に基づいて複数の加熱手段を選択動作させる請求項1から5のいずれか1項に記載の加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−107023(P2008−107023A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−290944(P2006−290944)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】