加熱調理器
【課題】調理鍋の移動先の加熱口に対する煩わしい操作を行うことなく調理を自動的に継続させることができる加熱調理器を提供する。
【解決手段】操作部により設定された加熱条件に基づいて加熱コイルの加熱動作を制御する制御部と、加熱コイルの上方のトッププレート上に被加熱物が載置されているか否かを加熱コイル毎に検出する複数の状態検出部と、複数の加熱コイルに対応してそれぞれ設けられ、被加熱物の温度を検出する複数の温度センサーとを備え、制御部は、複数の加熱コイルのうち、加熱中の加熱コイル上方から被加熱物が離脱した後に、他の加熱コイル上方に被加熱物が新たに載置されたときに、被加熱物が新たに載置された加熱コイルに設けられた温度センサーの検出温度が所定温度以上のときには、被加熱物が新たに載置された加熱コイルを被加熱物が離脱した加熱コイルの加熱条件で制御する。
【解決手段】操作部により設定された加熱条件に基づいて加熱コイルの加熱動作を制御する制御部と、加熱コイルの上方のトッププレート上に被加熱物が載置されているか否かを加熱コイル毎に検出する複数の状態検出部と、複数の加熱コイルに対応してそれぞれ設けられ、被加熱物の温度を検出する複数の温度センサーとを備え、制御部は、複数の加熱コイルのうち、加熱中の加熱コイル上方から被加熱物が離脱した後に、他の加熱コイル上方に被加熱物が新たに載置されたときに、被加熱物が新たに載置された加熱コイルに設けられた温度センサーの検出温度が所定温度以上のときには、被加熱物が新たに載置された加熱コイルを被加熱物が離脱した加熱コイルの加熱条件で制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱中の調理鍋が他の加熱口に移動した際、その状態を自動的に検知して加熱調理を継続する加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理器は、第1の誘導加熱制御部での自動調理中に第2の誘導加熱制御部に自動調理を切り換えるための入力命令を受け付ける操作手段を備え、その操作手段に入力された命令に応じて、第1の誘導加熱制御部の自動調理工程情報を第2の誘導加熱制御部に伝達するとすることにより、第1の誘導加熱制御部での自動調理中に自動調理を止め、鍋を第2の誘導加熱制御部上へ移して、第2の誘導加熱制御部にて自動調理を再開させ、調理の続きを継続させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−134796号公報(第3頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の加熱調理器では、調理鍋を加熱中の加熱口から移動先の加熱口へ切り替える操作入力が必要であり、さらに、自動調理動作中に限って使用加熱口の自動調理工程情報が使用者の操作を伴って移動する構成となっているため、加熱口の切り替えに対しては使用者の操作が必要となっていた。
【0005】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたもので、調理鍋の移動先の加熱口に対する煩わしい操作を行うことなく調理を自動的に継続させることができる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る加熱調理器は、被加熱物が載置されるトッププレートと、トッププレートの下方に設置された複数の加熱コイルと、操作部により設定された加熱条件に基づいて加熱コイルの加熱動作を制御する制御部と、加熱コイルの上方のトッププレート上に被加熱物が載置されているか否かを加熱コイル毎に検出する複数の状態検出部と、複数の加熱コイルに対応してそれぞれ設けられ、被加熱物の温度を検出する複数の温度センサーとを備え、制御部は、複数の加熱コイルのうち、加熱中の加熱コイル上方から被加熱物が離脱した後に、他の加熱コイル上方に被加熱物が新たに載置されたときに、被加熱物が新たに載置された加熱コイルに設けられた温度センサーの検出温度が所定温度以上のときには、被加熱物が新たに載置された加熱コイルを被加熱物が離脱した加熱コイルの加熱条件で制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては、複数の加熱コイルのうち、加熱中の加熱コイル上方から被加熱物が離脱した後に、他の加熱コイル上方に被加熱物が新たに載置されたときに、被加熱物が新たに載置された加熱コイルに設けられた温度センサーの検出温度が所定温度以上のときには、被加熱物が新たに載置された加熱コイルを被加熱物が離脱した加熱コイルの加熱条件で制御するようにしている。これにより、使用者は調理鍋の移動先の加熱口に対する煩わしい操作を行うことなく調理を継続させることができ、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の外観を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る加熱調理器の構成を示す制御ブロック図である。
【図3】実施の形態1の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の外観を示す斜視図である。
【図5】実施の形態2に係る加熱調理器をキッチンに組み込んで示す正面図及び上面図である。
【図6】実施の形態2に係る加熱調理器の構成を示す制御ブロック図である。
【図7】重量センサーによる調理鍋の載置位置の算出例を示す図である。
【図8】実施の形態2の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態3の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態4の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の構成を示す制御ブロック図である。
【図12】実施の形態5の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態6の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の外観を示す斜視図、図2は実施の形態1に係る加熱調理器の構成を示す制御ブロック図である。
【0010】
図1,2において、本体1の上部に取り付けられたトッププレート2は、結晶化ガラス又は耐熱樹脂などの板材とその板材の外周部に設けられた金属の枠体とで構成されている。このトッププレート2の上面には、被加熱物である調理鍋20の加熱位置を示す円形の加熱口3a〜3cが表示されている。この3つの加熱口3a〜3cのうち奧の加熱口3cは、手前側の加熱口3a、3bよりも径が小さく、比較的サイズの小さな調理鍋20の加熱用として配置されている。
【0011】
トッププレート2の前端部には、加熱口3a〜3c毎に設けられた操作部4及び表示部5が配置されている。操作部4には、加熱源の入り切り、火力、タイマーなどを設定するためのスイッチが配列されている。表示部5は、例えば、操作部4の操作に基づく調理情報や加熱源の動作状態などを表示するLCD(液晶ディスプレイ)と、設定火力に応じて点灯する複数のLEDとで構成されている。トッププレート2に表示された加熱口3aの下には、加熱源である環状の加熱コイル6aが設置され、加熱口3bの下には環状の加熱コイル6bが設置され、また、奧の加熱口3cの下には、前述の加熱コイル6a、6bより径の小さい環状の加熱コイル6cが設置されている。
【0012】
図2に示す駆動部7は、加熱コイル6a〜6c毎にインバータ回路を備え、後述する制御部9からの制御に基づいてインバータ回路を駆動し、電源回路からの直流電圧を高周波電圧に変換させて高周波電流(以下、「コイル電流ILa」という)を加熱コイル6a〜6cに供給する。状態検出部8a〜8cは、例えば加熱コイル6a〜6cに流れるコイル電流ILaを検出するカレント・トランスより構成されている。なお、加熱源として加熱コイルを挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば、輻射によって加熱するニクロム線やハロゲンヒーター、ラジェントヒーターなどの電気ヒーターでも良い。
【0013】
前述の制御部9は、操作部4によって設定された火力(電力)が加熱コイル6a〜6cから出力されるように駆動部7を制御する。また、動作の説明の際に詳述するが、制御部9は、状態検出部により検出されたコイル電流ILaから調理鍋20が加熱口から離脱したと判定したときに、加熱中であった加熱口以外の加熱口に調理鍋20が載置されたかどうかを判定する。調理鍋20の載置有りと判定したときは、当該加熱口側に加熱中であった加熱口での加熱条件、例えば操作部4によって設定された火力や、調理に応じて設定された加熱シーケンスなどを移行させて継続させる。この処理は、3つの加熱口3a〜3cのうち何れか1つが使用されていない場合に行われる。
【0014】
なお、加熱中であった加熱口での加熱動作を移動先の加熱口で待機させるようにしても良い。この場合、例えば、所定のスイッチが押されたときや、予め設定された時間が経過したときに、加熱動作の待機を解除して、加熱中であった加熱口での加熱条件を継続させる。
【0015】
次に、実施の形態1の動作について図3を参照しながら説明する。
図3は実施の形態1の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。
例えば、制御部9は、操作部4により設定された火力に応じて加熱口3aでの加熱コイル6aの加熱動作を行っているとき、即ち加熱口3aに載置された調理鍋20を加熱コイル6aにより誘導加熱しているとき(S1)、周期的に状態検出部8aによって検出された加熱コイル6aのコイル電流ILaを読み込んで(S2)、その都度、コイル電流ILaが所定値IL以下かどうかを判定する(S3)。
【0016】
コイル電流ILaが所定値ILより大きいときは、加熱口3aに調理鍋20が載っていると判定してS1〜S3の動作を繰り返す。一方、コイル電流ILaが低下し所定値IL以下になったときは、加熱口3aから調理鍋20が離脱したと判定して、他の加熱口3b、3cに調理鍋20が移動したかどうかの載置判定に入る(S4)。
【0017】
先ず、制御部9は、加熱動作中の周波数(例えば20KHz)より高い周波数(例えば40KHz)の電流を順次に加熱コイル6b、6cに流し、状態検出部8b、8cにより検出されたそれぞれのコイル電流ILaを読み込んで閾値と比較する。例えば、加熱コイル6bのコイル電流ILaが閾値より低いときは加熱口3bに調理鍋20が載っていないと判定し、一方、加熱コイル6cのコイル電流ILaが閾値以上のときは加熱口3cに調理鍋20が載っていると判定する(S5)。
【0018】
制御部9は、前述した載置判定から加熱口3b、3cに調理鍋20が載っていないと判定したとき、加熱口3aでの加熱コイル6aの加熱動作を停止し(S8)、前述した動作を終了する。また、前述した載置判定から例えば加熱口3cに調理鍋20が載置されたと判定したときは、加熱口3cでの加熱コイル6cの加熱動作を待機あるいは加熱口3aで行われていた加熱条件に基づく加熱動作を継続(開始)させる(S6)。この時、表示部5にその加熱状態を表示し(S7)、前述した一連の動作を終了する。
【0019】
以上のように実施の形態1によれば、3つの加熱口3a〜3cのうち何れか1つが使用されていない状態において、状態検出部により検出されたコイル電流ILaから調理鍋20が加熱口から離脱したと判定したときに、加熱中であった加熱口以外の加熱口に調理鍋20が載置されたかどうかを判定し、調理鍋20の載置有りと判定したときは、その加熱口での加熱コイルの加熱動作を待機あるいは加熱中であった加熱口での加熱条件に基づく加熱動作を継続(開始)させるようにしたので、使用者は調理鍋20の移動先の加熱口に対する煩わしい操作を行うことなく調理を継続させることができ、利便性が向上する。
【0020】
実施の形態2.
実施の形態1では、コイル電流ILaから調理鍋20の離脱及び移動先の加熱口を判定するようにしたが、実施の形態2は、重量センサーの検出に基づいて調理鍋20の離脱及び移動先の加熱口を判定するようにしたものである。
図4は本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の外観を示す斜視図、図5は実施の形態2に係る加熱調理器をキッチンに組み込んで示す正面図及び上面図、図6は実施の形態2に係る加熱調理器の構成を示す制御ブロック図である。なお、図1及び図2で説明した実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付している。
【0021】
実施の形態2の加熱調理器には、状態検出部として重量センサー10a〜10dが使用されている。重量センサー10a〜10dは、図4に示すようにトッププレート2の四隅下面側に配置されている。この加熱調理器を、図5に示すようにキッチン30に組み込んだ際、トッププレート2が4個の重量センサー10a〜10dを介してキッチン30の上面に載置され、本体1がトッププレート2に懸架された状態となる。前述の重量センサー10a〜10dは、例えばひずみゲージなどより構成され、重量に応じて電圧を生成し、制御部9に出力する。
【0022】
この制御部9は、加熱開始前においては、重量センサー10a〜10dの検出値を読み込んで、例えば予め設定された検出値と同一かどうかを判定する。同一のときはトッププレート2上に調理鍋20が載置されていないと判定する。一方、読み込んだ検出値に変化があったときは、各重量センサー10a〜10dの検出値の変化量に基づいて調理鍋20の載置位置を算出する。加熱動作中においては、周期的に重量センサー10a〜10dの検出値を読み込んで、先に読み込んだ検出値と比較して変化したかどうかを判定する。読み込んだ検出値に変化があるときは、調理鍋20が離脱したと判定して重量センサー10a〜10dの検出値が変化したかどうかを判定する。各重量センサー10a〜10dの検出値が変化したときは、その検出に基づいて調理鍋20の載置位置を算出する。
【0023】
ここで、調理鍋20の載置位置の算出例を図7を用いて説明する。
図7は重量センサーによる調理鍋の載置位置の算出例を示す図である。
図7において、Ma、Mb、Mc、Mdは、それぞれ重量センサー10a、10b、10c、10dの検出値の変化量から求めた検知重量である。Wa、Wb、Wc、Wdは、横軸をX軸、縦軸をY軸とし、重量センサー10bを座標原点とする各重量センサー10a、10b、10c、10dの座標位置を示している。即ち、X軸方向の重量センサー間の距離はXmであり、Y軸方向の重量センサー間の距離はYmである。また、Mは、調理鍋20の重心の座標位置(重心の載置位置)を示し、Mgは、調理鍋20の重量を示している。
【0024】
調理鍋20の重量Mgは、各重量センサ10a〜10dから検出された重量の変化量の合計となるので、以下の式により求めることができる。
Mg=Ma+Mb+Mc+Md
【0025】
ここで、調理鍋20のY軸回りのモーメント(X1*Mg)、及び調理鍋20のX軸回りのモーメント(Y1*Mg)は、以下の式により求めることができる。
X1*Mg=Xm*Mc+Xm*Md …(1)
Y1*Mg=Ym*Ma+Ym*Md …(2)
【0026】
従って、上記(1)、(2)式より、調理鍋20の座標位置M(X1,Y1)は、以下の式により求めることができる。
X1=Xm*(Mc+Md)/Mg …(3)
Y1=Ym*(Ma+Md)/Mg …(4)
【0027】
そして、調理鍋20の座標位置M(重心の載置位置)が、加熱コイル6a、6b、6cの何れかの中心から所定の範囲内にあるときに、調理鍋20と加熱コイルとが対向すると判断する。
【0028】
次に、実施の形態2の動作について図8を参照しながら説明する。
図8は実施の形態2の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。
例えば、制御部9は、操作部4により設定された火力に応じて加熱口3aで加熱動作を行っているとき(S11)、周期的に重量センサー10a〜10dの検出値を読み込んで、その都度、その検出値の変化量を基に前記(3)、(4)式から調理鍋20の載置位置を算出する(S12)。そして、算出した載置位置が前回算出した載置位置から変化したかどうかを判定する(S13)。
【0029】
載置位置に変化がないときは、加熱口3aに調理鍋20が載っていると判定してS11〜S13の動作を繰り返す。一方、載置位置に変化があるときは、加熱口3aから調理鍋20が離脱したと判定して、他の加熱口3b、3cに調理鍋20が移動したかどうかの載置判定に入る(S14)。先ず、重量センサー10a〜10dの検出値を読み込んで、各検出値に変化があるかどうかを判定する。各検出値に変化が無いときは、何れの加熱口3b、3cにも載置されていないと決定し、各検出値に変化があるときは、その変化量を基に前記(3)、(4)式から調理鍋20の載置位置を算出する。
【0030】
制御部9は、前述した載置判定から加熱口3b、3cに調理鍋20が載っていないと判定したとき、加熱口3aでの加熱コイル6aの加熱動作を停止し(S18)、前述した動作を終了する。また、前述の載置判定から例えば加熱口3cに調理鍋20が載置されていると判定したときは、加熱口3cでの加熱コイル6cの加熱動作を待機あるいは加熱口3aで行われていた加熱条件に基づく加熱動作を継続(開始)させる(S16)。この時、表示部5にその加熱状態を表示し(S17)、前述した一連の動作を終了する。
【0031】
以上のように実施の形態2によれば、3つの加熱口3a〜3cのうち何れか1つが使用されていない状態において、4つの重量センサー10a〜10dの検出値から調理鍋20が加熱口から離脱したと判定したときに、その検出値の変化量を基に加熱中であった加熱口以外の加熱口に調理鍋20が載置されたかどうかを判定し、調理鍋20の載置有りと判定したときは、その加熱口での加熱コイルの加熱動作を待機あるいは加熱中であった加熱口での加熱条件に基づく加熱動作を開始(継続)させるようにしたので、使用者は調理鍋20の移動先の加熱口に対する煩わしい操作を行うことなく調理を継続させることができ、利便性が向上する。
【0032】
実施の形態3.
実施の形態3の加熱調理器は、状態検出部により検出されたコイル電流ILaから調理鍋20が加熱口から離脱したと判定したときに、所定時間の間、加熱中であった加熱口に調理鍋20が載置されたかどうかを判定し、当該加熱口に調理物20が載置されたと判定したときは加熱動作を継続し、所定時間経過しても調理物20が載置されなかったときは、状態検出部により検出されたコイル電流ILaに基づいて加熱中であった加熱口以外の加熱口に調理鍋20が載置されたかどうかを判定し、調理鍋20の載置有りと判定したときは、当該加熱口での加熱コイルの加熱動作を待機あるいは加熱中であった加熱口での加熱条件に基づく加熱動作を継続させるようにしたものである。
【0033】
実施の形態3においては、前述の如く制御部の動作の一部が異なるだけで、その他は図1及び図2で説明した実施の形態1と同じ構成となっている。以下、実施の形態3の加熱調理器における制御部の動作について図9を用いて説明する。
図9は実施の形態3の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。なお、図9に示すS21〜S23及びS27〜S31は図3で説明したフローチャートと同じであるため、異なるステップ(S24〜S26)のみを説明する。
【0034】
制御部9は、S23において、状態検出部8aによって検出された加熱コイル6aのコイル電流ILaが所定値IL以下と判定したとき、所定時間tの測定を開始する(S24)。そして、コイル電流ILaが所定値IL以下かどうかを判定する(S25)。所定時間tを経過する前にコイル電流ILaが上昇して所定値ILを超えたときは、加熱口3a上に調理鍋20が戻されたと判定してS21に戻る。一方、所定時間t経過してもコイル電流ILaが所定値IL以下のときは、調理鍋20が他の加熱口3b、3cに移動されたと確定し(S26)、調理鍋20の載置判定に入る(S27)。
【0035】
以上のように実施の形態3によれば、3つの加熱口3a〜3cのうち何れか1つが使用されていない状態において、状態検出部により検出されたコイル電流ILaから調理鍋20が加熱口から離脱したと判定したとき、所定時間tの間、コイル電流ILaを基に調理鍋20が同一加熱口に戻されたかどうかを判定し、所定時間t経過後は他の加熱口に移動したかどうかを判定するようにしたので、調理動作である調理鍋の振り動作などの一時的な調理鍋無し状態との区別が可能になる。また、調理鍋の振り動作などでは同一加熱口での加熱コイルの加熱動作を継続するため、利便性を損なうことがない。
【0036】
実施の形態4.
実施の形態4の加熱調理器は、加熱中であった加熱口以外の加熱口に調理鍋20が載置されたと判定したとき、当該加熱口の加熱コイルの火力を加熱動作移行前の火力よりも低く設定して加熱動作を開始するようにしたものである。
【0037】
実施の形態4においては、前述の如く制御部の動作の一部が異なるだけで、その他は図1及び図2で説明した実施の形態1と同じ構成となっている。以下、実施の形態4の加熱調理器における制御部の動作について図10を用いて説明する。
図10は実施の形態4の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。なお、図10に示すS41〜S45及びS48、S49は図3で説明したフローチャートと同じであるため、異なるステップ(S46、S47)のみを説明する。
【0038】
制御部9は、S45において、他の加熱口3b、3cのうち例えば加熱口3cに調理鍋20が載置されたと判定すると、その加熱口3cの加熱コイル6cの火力を加熱中であった加熱口3aでの火力よりも低く設定し(S46)、その設定した火力で加熱コイル6cの加熱動作を開始する(S47)。図には示していないが、その火力を徐々に上げて加熱口3aのときと同じ火力にし、加熱口3aで設定された加熱条件に基づく加熱動作を継続させても良い。
【0039】
以上のように実施の形態4によれば、3つの加熱口3a〜3cのうち何れか1つが使用されていない状態において、状態検出部により検出されたコイル電流ILaから調理鍋20が他の加熱口に載置されたと判定したとき、当該加熱口の加熱コイルの火力を加熱動作移行前の火力よりも低く設定して加熱動作を開始するようにしているので、調理鍋の移動先の加熱に際して急激な火力投入が行われず、使用者にとって安全に調理を継続することができる。
【0040】
実施の形態5.
図11は本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の構成を示す制御ブロック図である。なお、図1及び図2で説明した実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付している。
図11において、温度センサー11a、11b、11cは、トッププレート2の各加熱口3a〜3cの裏面に接触して設置された例えばサーミスタより構成され、検出温度に応じた電圧を制御部9に出力する。各温度センサー11a〜11cは、通常の加熱動作においては調理に必要な温度を検出するため、又は異常加熱による保護のために使用され、調理鍋20が加熱中の加熱口から他の加熱口に移動されたとき、その加熱口での加熱動作を開始するかどうかを判定するために使用されている。
【0041】
次に、実施の形態5の加熱調理器における制御部の動作を図12を用いて説明する。
図12は実施の形態5の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。なお、図12に示すS51〜S55及びS58〜S60は図3で説明したフローチャートと同じであるため、異なるステップ(S56〜S57)のみを説明する。
【0042】
制御部9は、S55において、他の加熱口3b、3cのうち例えば加熱口3cに調理鍋20が載置されたと判定すると、その加熱口3cの裏面に接触する温度センサー11cの検出温度kを読み込み(S56)、読み込んだ検出温度kが所定温度Kth(例えば60℃)以上かどうかを判定する(S57)。検出温度kが所定温度Kthより低いときは、例えば調理鍋20以外の物、空の調理鍋20などが載置されたと判定して、S51からの動作を終了する。また、検出温度kが所定温度Kth以上のときは、加熱中であった調理鍋20が加熱口3cに載置されたと判定して、加熱口3cでの加熱コイル6cの加熱動作を待機あるいは加熱中であった加熱口3aでの加熱条件に基づく加熱動作を継続(開始)させる(S58)。
【0043】
以上のように実施の形態5によれば、3つの加熱口3a〜3cのうち何れか1つが使用されていない状態において、状態検出部により検出されたコイル電流ILaから調理鍋20が他の加熱口に載置されたと判定したとき、当該加熱口の温度センサーの検出温度kを読み込んで所定値Kth以上かどうかを判定し、検出温度kが所定値Kth以上のときに加熱口での加熱動作(又は待機)を行うようにしているので、調理鍋20以外の物や空の調理鍋20などを加熱してしまうことがなく、安全性の向上を図ることが可能になる。
なお、本実施の形態では、トッププレート2に接触させたサーミスタで説明したが、赤外線センサーなどの非接触による検出でも良い。
【0044】
実施の形態6.
実施の形態6の加熱調理器は、状態検出部により検出されたコイル電流ILaに基づいて調理鍋20が加熱口から離脱したと判定したときに、加熱中であった加熱口以外の加熱口に設けられた温度センサーの検出温度kを読み込んで所定値Kth以上かどうかを判定し、所定値Kth以上の加熱口を検知したときに状態検出部により検出されたコイル電流ILaに基づいて当該加熱口に調理鍋20が載置されているかどうかを判定するようにしたものである。
【0045】
実施の形態6においては、前述の如く制御部の動作の一部が異なるだけで、その他は図1及び図11で説明した実施の形態1、5と同じ構成となっている。以下、実施の形態6の加熱調理器における制御部の動作について図13を用いて説明する。
図13は実施の形態6の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。なお、図13に示すS71〜S73及びS78は図3で説明したフローチャートと同じであるため、異なるステップ(S74〜S77)のみを説明する。
【0046】
制御部9は、S73において、状態検出部8aによって検出された加熱コイル6aのコイル電流ILaが所定値IL以下と判定したとき、他の加熱口3b、3cの裏面に接触する温度センサー11b、11cの検出温度kを順次に読み込み(S74)、読み込んだ検出温度kが所定温度Kth以上かどうかをそれぞれ判定する(S75)。両方の検出温度kが所定温度Kthより低いときは、前述したように調理鍋20以外の物、空の調理鍋20などが載置されたと判定して、S71からの動作を終了する。
【0047】
また、読み込んだ検出温度kのうち例えば加熱口3c側の検出温度kが所定温度Kth以上のときは、調理鍋20が載置されているものとして、図3のS4で説明したように、加熱動作中の周波数(例えば20KHz)より高い周波数(例えば40KHz)の電流を加熱コイル6cに流し、状態検出部8cにより検出されたコイル電流ILaを読み込んで閾値と比較する。そのコイル電流ILaが閾値以上のとき加熱口3cに調理鍋20が載っていると決定する(S76)。そして、その加熱口3cでの加熱コイル6cの加熱動作を待機あるいは加熱中であった加熱口3aでの加熱条件に基づく加熱動作を継続(開始)させる(S77)。
【0048】
以上のように実施の形態6によれば、3つの加熱口3a〜3cのうち何れか1つが使用されていない状態において、状態検出部により検出されたコイル電流ILaから調理鍋20が他の加熱口に載置されたと判定したとき、他の加熱口の温度センサーの検出温度kをそれぞれ読み込んで所定値Kth以上かどうかを判定し、何れかの検出温度kが所定値Kth以上のとき当該加熱口の調理鍋載置判定に入るようにしたので、調理鍋20が載置されていない加熱口の載置判定を行う必要がなく、このため、調理鍋20の移動後の加熱動作開始までの時間を短縮可能になり、使用者にとってはスムーズに調理を実現できる。また、調理鍋20が載置されていない加熱口に対しては載置判定を行わないため、載置判定動作に必要な電力を消費することがない。
【0049】
なお、前述した実施の形態1及び実施の形態3〜6では、コイル電流ILaが所定値ILより低いときに、調理鍋20の離脱や載置位置を判定するようにしたが、これに代えて、加熱コイルの電圧などから調理鍋20の離脱や載置位置を判定するようにしても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 本体、2 トッププレート、3a〜3c 加熱口、4 操作部、5 表示部、6a〜6c 加熱コイル、7 駆動部、8a〜8c 状態検出部、9 制御部、10a〜10d 重量センサー、11a〜11c 温度センサー、20 調理鍋、30 キッチン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱中の調理鍋が他の加熱口に移動した際、その状態を自動的に検知して加熱調理を継続する加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理器は、第1の誘導加熱制御部での自動調理中に第2の誘導加熱制御部に自動調理を切り換えるための入力命令を受け付ける操作手段を備え、その操作手段に入力された命令に応じて、第1の誘導加熱制御部の自動調理工程情報を第2の誘導加熱制御部に伝達するとすることにより、第1の誘導加熱制御部での自動調理中に自動調理を止め、鍋を第2の誘導加熱制御部上へ移して、第2の誘導加熱制御部にて自動調理を再開させ、調理の続きを継続させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−134796号公報(第3頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の加熱調理器では、調理鍋を加熱中の加熱口から移動先の加熱口へ切り替える操作入力が必要であり、さらに、自動調理動作中に限って使用加熱口の自動調理工程情報が使用者の操作を伴って移動する構成となっているため、加熱口の切り替えに対しては使用者の操作が必要となっていた。
【0005】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたもので、調理鍋の移動先の加熱口に対する煩わしい操作を行うことなく調理を自動的に継続させることができる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る加熱調理器は、被加熱物が載置されるトッププレートと、トッププレートの下方に設置された複数の加熱コイルと、操作部により設定された加熱条件に基づいて加熱コイルの加熱動作を制御する制御部と、加熱コイルの上方のトッププレート上に被加熱物が載置されているか否かを加熱コイル毎に検出する複数の状態検出部と、複数の加熱コイルに対応してそれぞれ設けられ、被加熱物の温度を検出する複数の温度センサーとを備え、制御部は、複数の加熱コイルのうち、加熱中の加熱コイル上方から被加熱物が離脱した後に、他の加熱コイル上方に被加熱物が新たに載置されたときに、被加熱物が新たに載置された加熱コイルに設けられた温度センサーの検出温度が所定温度以上のときには、被加熱物が新たに載置された加熱コイルを被加熱物が離脱した加熱コイルの加熱条件で制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては、複数の加熱コイルのうち、加熱中の加熱コイル上方から被加熱物が離脱した後に、他の加熱コイル上方に被加熱物が新たに載置されたときに、被加熱物が新たに載置された加熱コイルに設けられた温度センサーの検出温度が所定温度以上のときには、被加熱物が新たに載置された加熱コイルを被加熱物が離脱した加熱コイルの加熱条件で制御するようにしている。これにより、使用者は調理鍋の移動先の加熱口に対する煩わしい操作を行うことなく調理を継続させることができ、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の外観を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る加熱調理器の構成を示す制御ブロック図である。
【図3】実施の形態1の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の外観を示す斜視図である。
【図5】実施の形態2に係る加熱調理器をキッチンに組み込んで示す正面図及び上面図である。
【図6】実施の形態2に係る加熱調理器の構成を示す制御ブロック図である。
【図7】重量センサーによる調理鍋の載置位置の算出例を示す図である。
【図8】実施の形態2の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態3の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態4の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の構成を示す制御ブロック図である。
【図12】実施の形態5の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態6の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の外観を示す斜視図、図2は実施の形態1に係る加熱調理器の構成を示す制御ブロック図である。
【0010】
図1,2において、本体1の上部に取り付けられたトッププレート2は、結晶化ガラス又は耐熱樹脂などの板材とその板材の外周部に設けられた金属の枠体とで構成されている。このトッププレート2の上面には、被加熱物である調理鍋20の加熱位置を示す円形の加熱口3a〜3cが表示されている。この3つの加熱口3a〜3cのうち奧の加熱口3cは、手前側の加熱口3a、3bよりも径が小さく、比較的サイズの小さな調理鍋20の加熱用として配置されている。
【0011】
トッププレート2の前端部には、加熱口3a〜3c毎に設けられた操作部4及び表示部5が配置されている。操作部4には、加熱源の入り切り、火力、タイマーなどを設定するためのスイッチが配列されている。表示部5は、例えば、操作部4の操作に基づく調理情報や加熱源の動作状態などを表示するLCD(液晶ディスプレイ)と、設定火力に応じて点灯する複数のLEDとで構成されている。トッププレート2に表示された加熱口3aの下には、加熱源である環状の加熱コイル6aが設置され、加熱口3bの下には環状の加熱コイル6bが設置され、また、奧の加熱口3cの下には、前述の加熱コイル6a、6bより径の小さい環状の加熱コイル6cが設置されている。
【0012】
図2に示す駆動部7は、加熱コイル6a〜6c毎にインバータ回路を備え、後述する制御部9からの制御に基づいてインバータ回路を駆動し、電源回路からの直流電圧を高周波電圧に変換させて高周波電流(以下、「コイル電流ILa」という)を加熱コイル6a〜6cに供給する。状態検出部8a〜8cは、例えば加熱コイル6a〜6cに流れるコイル電流ILaを検出するカレント・トランスより構成されている。なお、加熱源として加熱コイルを挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば、輻射によって加熱するニクロム線やハロゲンヒーター、ラジェントヒーターなどの電気ヒーターでも良い。
【0013】
前述の制御部9は、操作部4によって設定された火力(電力)が加熱コイル6a〜6cから出力されるように駆動部7を制御する。また、動作の説明の際に詳述するが、制御部9は、状態検出部により検出されたコイル電流ILaから調理鍋20が加熱口から離脱したと判定したときに、加熱中であった加熱口以外の加熱口に調理鍋20が載置されたかどうかを判定する。調理鍋20の載置有りと判定したときは、当該加熱口側に加熱中であった加熱口での加熱条件、例えば操作部4によって設定された火力や、調理に応じて設定された加熱シーケンスなどを移行させて継続させる。この処理は、3つの加熱口3a〜3cのうち何れか1つが使用されていない場合に行われる。
【0014】
なお、加熱中であった加熱口での加熱動作を移動先の加熱口で待機させるようにしても良い。この場合、例えば、所定のスイッチが押されたときや、予め設定された時間が経過したときに、加熱動作の待機を解除して、加熱中であった加熱口での加熱条件を継続させる。
【0015】
次に、実施の形態1の動作について図3を参照しながら説明する。
図3は実施の形態1の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。
例えば、制御部9は、操作部4により設定された火力に応じて加熱口3aでの加熱コイル6aの加熱動作を行っているとき、即ち加熱口3aに載置された調理鍋20を加熱コイル6aにより誘導加熱しているとき(S1)、周期的に状態検出部8aによって検出された加熱コイル6aのコイル電流ILaを読み込んで(S2)、その都度、コイル電流ILaが所定値IL以下かどうかを判定する(S3)。
【0016】
コイル電流ILaが所定値ILより大きいときは、加熱口3aに調理鍋20が載っていると判定してS1〜S3の動作を繰り返す。一方、コイル電流ILaが低下し所定値IL以下になったときは、加熱口3aから調理鍋20が離脱したと判定して、他の加熱口3b、3cに調理鍋20が移動したかどうかの載置判定に入る(S4)。
【0017】
先ず、制御部9は、加熱動作中の周波数(例えば20KHz)より高い周波数(例えば40KHz)の電流を順次に加熱コイル6b、6cに流し、状態検出部8b、8cにより検出されたそれぞれのコイル電流ILaを読み込んで閾値と比較する。例えば、加熱コイル6bのコイル電流ILaが閾値より低いときは加熱口3bに調理鍋20が載っていないと判定し、一方、加熱コイル6cのコイル電流ILaが閾値以上のときは加熱口3cに調理鍋20が載っていると判定する(S5)。
【0018】
制御部9は、前述した載置判定から加熱口3b、3cに調理鍋20が載っていないと判定したとき、加熱口3aでの加熱コイル6aの加熱動作を停止し(S8)、前述した動作を終了する。また、前述した載置判定から例えば加熱口3cに調理鍋20が載置されたと判定したときは、加熱口3cでの加熱コイル6cの加熱動作を待機あるいは加熱口3aで行われていた加熱条件に基づく加熱動作を継続(開始)させる(S6)。この時、表示部5にその加熱状態を表示し(S7)、前述した一連の動作を終了する。
【0019】
以上のように実施の形態1によれば、3つの加熱口3a〜3cのうち何れか1つが使用されていない状態において、状態検出部により検出されたコイル電流ILaから調理鍋20が加熱口から離脱したと判定したときに、加熱中であった加熱口以外の加熱口に調理鍋20が載置されたかどうかを判定し、調理鍋20の載置有りと判定したときは、その加熱口での加熱コイルの加熱動作を待機あるいは加熱中であった加熱口での加熱条件に基づく加熱動作を継続(開始)させるようにしたので、使用者は調理鍋20の移動先の加熱口に対する煩わしい操作を行うことなく調理を継続させることができ、利便性が向上する。
【0020】
実施の形態2.
実施の形態1では、コイル電流ILaから調理鍋20の離脱及び移動先の加熱口を判定するようにしたが、実施の形態2は、重量センサーの検出に基づいて調理鍋20の離脱及び移動先の加熱口を判定するようにしたものである。
図4は本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の外観を示す斜視図、図5は実施の形態2に係る加熱調理器をキッチンに組み込んで示す正面図及び上面図、図6は実施の形態2に係る加熱調理器の構成を示す制御ブロック図である。なお、図1及び図2で説明した実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付している。
【0021】
実施の形態2の加熱調理器には、状態検出部として重量センサー10a〜10dが使用されている。重量センサー10a〜10dは、図4に示すようにトッププレート2の四隅下面側に配置されている。この加熱調理器を、図5に示すようにキッチン30に組み込んだ際、トッププレート2が4個の重量センサー10a〜10dを介してキッチン30の上面に載置され、本体1がトッププレート2に懸架された状態となる。前述の重量センサー10a〜10dは、例えばひずみゲージなどより構成され、重量に応じて電圧を生成し、制御部9に出力する。
【0022】
この制御部9は、加熱開始前においては、重量センサー10a〜10dの検出値を読み込んで、例えば予め設定された検出値と同一かどうかを判定する。同一のときはトッププレート2上に調理鍋20が載置されていないと判定する。一方、読み込んだ検出値に変化があったときは、各重量センサー10a〜10dの検出値の変化量に基づいて調理鍋20の載置位置を算出する。加熱動作中においては、周期的に重量センサー10a〜10dの検出値を読み込んで、先に読み込んだ検出値と比較して変化したかどうかを判定する。読み込んだ検出値に変化があるときは、調理鍋20が離脱したと判定して重量センサー10a〜10dの検出値が変化したかどうかを判定する。各重量センサー10a〜10dの検出値が変化したときは、その検出に基づいて調理鍋20の載置位置を算出する。
【0023】
ここで、調理鍋20の載置位置の算出例を図7を用いて説明する。
図7は重量センサーによる調理鍋の載置位置の算出例を示す図である。
図7において、Ma、Mb、Mc、Mdは、それぞれ重量センサー10a、10b、10c、10dの検出値の変化量から求めた検知重量である。Wa、Wb、Wc、Wdは、横軸をX軸、縦軸をY軸とし、重量センサー10bを座標原点とする各重量センサー10a、10b、10c、10dの座標位置を示している。即ち、X軸方向の重量センサー間の距離はXmであり、Y軸方向の重量センサー間の距離はYmである。また、Mは、調理鍋20の重心の座標位置(重心の載置位置)を示し、Mgは、調理鍋20の重量を示している。
【0024】
調理鍋20の重量Mgは、各重量センサ10a〜10dから検出された重量の変化量の合計となるので、以下の式により求めることができる。
Mg=Ma+Mb+Mc+Md
【0025】
ここで、調理鍋20のY軸回りのモーメント(X1*Mg)、及び調理鍋20のX軸回りのモーメント(Y1*Mg)は、以下の式により求めることができる。
X1*Mg=Xm*Mc+Xm*Md …(1)
Y1*Mg=Ym*Ma+Ym*Md …(2)
【0026】
従って、上記(1)、(2)式より、調理鍋20の座標位置M(X1,Y1)は、以下の式により求めることができる。
X1=Xm*(Mc+Md)/Mg …(3)
Y1=Ym*(Ma+Md)/Mg …(4)
【0027】
そして、調理鍋20の座標位置M(重心の載置位置)が、加熱コイル6a、6b、6cの何れかの中心から所定の範囲内にあるときに、調理鍋20と加熱コイルとが対向すると判断する。
【0028】
次に、実施の形態2の動作について図8を参照しながら説明する。
図8は実施の形態2の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。
例えば、制御部9は、操作部4により設定された火力に応じて加熱口3aで加熱動作を行っているとき(S11)、周期的に重量センサー10a〜10dの検出値を読み込んで、その都度、その検出値の変化量を基に前記(3)、(4)式から調理鍋20の載置位置を算出する(S12)。そして、算出した載置位置が前回算出した載置位置から変化したかどうかを判定する(S13)。
【0029】
載置位置に変化がないときは、加熱口3aに調理鍋20が載っていると判定してS11〜S13の動作を繰り返す。一方、載置位置に変化があるときは、加熱口3aから調理鍋20が離脱したと判定して、他の加熱口3b、3cに調理鍋20が移動したかどうかの載置判定に入る(S14)。先ず、重量センサー10a〜10dの検出値を読み込んで、各検出値に変化があるかどうかを判定する。各検出値に変化が無いときは、何れの加熱口3b、3cにも載置されていないと決定し、各検出値に変化があるときは、その変化量を基に前記(3)、(4)式から調理鍋20の載置位置を算出する。
【0030】
制御部9は、前述した載置判定から加熱口3b、3cに調理鍋20が載っていないと判定したとき、加熱口3aでの加熱コイル6aの加熱動作を停止し(S18)、前述した動作を終了する。また、前述の載置判定から例えば加熱口3cに調理鍋20が載置されていると判定したときは、加熱口3cでの加熱コイル6cの加熱動作を待機あるいは加熱口3aで行われていた加熱条件に基づく加熱動作を継続(開始)させる(S16)。この時、表示部5にその加熱状態を表示し(S17)、前述した一連の動作を終了する。
【0031】
以上のように実施の形態2によれば、3つの加熱口3a〜3cのうち何れか1つが使用されていない状態において、4つの重量センサー10a〜10dの検出値から調理鍋20が加熱口から離脱したと判定したときに、その検出値の変化量を基に加熱中であった加熱口以外の加熱口に調理鍋20が載置されたかどうかを判定し、調理鍋20の載置有りと判定したときは、その加熱口での加熱コイルの加熱動作を待機あるいは加熱中であった加熱口での加熱条件に基づく加熱動作を開始(継続)させるようにしたので、使用者は調理鍋20の移動先の加熱口に対する煩わしい操作を行うことなく調理を継続させることができ、利便性が向上する。
【0032】
実施の形態3.
実施の形態3の加熱調理器は、状態検出部により検出されたコイル電流ILaから調理鍋20が加熱口から離脱したと判定したときに、所定時間の間、加熱中であった加熱口に調理鍋20が載置されたかどうかを判定し、当該加熱口に調理物20が載置されたと判定したときは加熱動作を継続し、所定時間経過しても調理物20が載置されなかったときは、状態検出部により検出されたコイル電流ILaに基づいて加熱中であった加熱口以外の加熱口に調理鍋20が載置されたかどうかを判定し、調理鍋20の載置有りと判定したときは、当該加熱口での加熱コイルの加熱動作を待機あるいは加熱中であった加熱口での加熱条件に基づく加熱動作を継続させるようにしたものである。
【0033】
実施の形態3においては、前述の如く制御部の動作の一部が異なるだけで、その他は図1及び図2で説明した実施の形態1と同じ構成となっている。以下、実施の形態3の加熱調理器における制御部の動作について図9を用いて説明する。
図9は実施の形態3の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。なお、図9に示すS21〜S23及びS27〜S31は図3で説明したフローチャートと同じであるため、異なるステップ(S24〜S26)のみを説明する。
【0034】
制御部9は、S23において、状態検出部8aによって検出された加熱コイル6aのコイル電流ILaが所定値IL以下と判定したとき、所定時間tの測定を開始する(S24)。そして、コイル電流ILaが所定値IL以下かどうかを判定する(S25)。所定時間tを経過する前にコイル電流ILaが上昇して所定値ILを超えたときは、加熱口3a上に調理鍋20が戻されたと判定してS21に戻る。一方、所定時間t経過してもコイル電流ILaが所定値IL以下のときは、調理鍋20が他の加熱口3b、3cに移動されたと確定し(S26)、調理鍋20の載置判定に入る(S27)。
【0035】
以上のように実施の形態3によれば、3つの加熱口3a〜3cのうち何れか1つが使用されていない状態において、状態検出部により検出されたコイル電流ILaから調理鍋20が加熱口から離脱したと判定したとき、所定時間tの間、コイル電流ILaを基に調理鍋20が同一加熱口に戻されたかどうかを判定し、所定時間t経過後は他の加熱口に移動したかどうかを判定するようにしたので、調理動作である調理鍋の振り動作などの一時的な調理鍋無し状態との区別が可能になる。また、調理鍋の振り動作などでは同一加熱口での加熱コイルの加熱動作を継続するため、利便性を損なうことがない。
【0036】
実施の形態4.
実施の形態4の加熱調理器は、加熱中であった加熱口以外の加熱口に調理鍋20が載置されたと判定したとき、当該加熱口の加熱コイルの火力を加熱動作移行前の火力よりも低く設定して加熱動作を開始するようにしたものである。
【0037】
実施の形態4においては、前述の如く制御部の動作の一部が異なるだけで、その他は図1及び図2で説明した実施の形態1と同じ構成となっている。以下、実施の形態4の加熱調理器における制御部の動作について図10を用いて説明する。
図10は実施の形態4の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。なお、図10に示すS41〜S45及びS48、S49は図3で説明したフローチャートと同じであるため、異なるステップ(S46、S47)のみを説明する。
【0038】
制御部9は、S45において、他の加熱口3b、3cのうち例えば加熱口3cに調理鍋20が載置されたと判定すると、その加熱口3cの加熱コイル6cの火力を加熱中であった加熱口3aでの火力よりも低く設定し(S46)、その設定した火力で加熱コイル6cの加熱動作を開始する(S47)。図には示していないが、その火力を徐々に上げて加熱口3aのときと同じ火力にし、加熱口3aで設定された加熱条件に基づく加熱動作を継続させても良い。
【0039】
以上のように実施の形態4によれば、3つの加熱口3a〜3cのうち何れか1つが使用されていない状態において、状態検出部により検出されたコイル電流ILaから調理鍋20が他の加熱口に載置されたと判定したとき、当該加熱口の加熱コイルの火力を加熱動作移行前の火力よりも低く設定して加熱動作を開始するようにしているので、調理鍋の移動先の加熱に際して急激な火力投入が行われず、使用者にとって安全に調理を継続することができる。
【0040】
実施の形態5.
図11は本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の構成を示す制御ブロック図である。なお、図1及び図2で説明した実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付している。
図11において、温度センサー11a、11b、11cは、トッププレート2の各加熱口3a〜3cの裏面に接触して設置された例えばサーミスタより構成され、検出温度に応じた電圧を制御部9に出力する。各温度センサー11a〜11cは、通常の加熱動作においては調理に必要な温度を検出するため、又は異常加熱による保護のために使用され、調理鍋20が加熱中の加熱口から他の加熱口に移動されたとき、その加熱口での加熱動作を開始するかどうかを判定するために使用されている。
【0041】
次に、実施の形態5の加熱調理器における制御部の動作を図12を用いて説明する。
図12は実施の形態5の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。なお、図12に示すS51〜S55及びS58〜S60は図3で説明したフローチャートと同じであるため、異なるステップ(S56〜S57)のみを説明する。
【0042】
制御部9は、S55において、他の加熱口3b、3cのうち例えば加熱口3cに調理鍋20が載置されたと判定すると、その加熱口3cの裏面に接触する温度センサー11cの検出温度kを読み込み(S56)、読み込んだ検出温度kが所定温度Kth(例えば60℃)以上かどうかを判定する(S57)。検出温度kが所定温度Kthより低いときは、例えば調理鍋20以外の物、空の調理鍋20などが載置されたと判定して、S51からの動作を終了する。また、検出温度kが所定温度Kth以上のときは、加熱中であった調理鍋20が加熱口3cに載置されたと判定して、加熱口3cでの加熱コイル6cの加熱動作を待機あるいは加熱中であった加熱口3aでの加熱条件に基づく加熱動作を継続(開始)させる(S58)。
【0043】
以上のように実施の形態5によれば、3つの加熱口3a〜3cのうち何れか1つが使用されていない状態において、状態検出部により検出されたコイル電流ILaから調理鍋20が他の加熱口に載置されたと判定したとき、当該加熱口の温度センサーの検出温度kを読み込んで所定値Kth以上かどうかを判定し、検出温度kが所定値Kth以上のときに加熱口での加熱動作(又は待機)を行うようにしているので、調理鍋20以外の物や空の調理鍋20などを加熱してしまうことがなく、安全性の向上を図ることが可能になる。
なお、本実施の形態では、トッププレート2に接触させたサーミスタで説明したが、赤外線センサーなどの非接触による検出でも良い。
【0044】
実施の形態6.
実施の形態6の加熱調理器は、状態検出部により検出されたコイル電流ILaに基づいて調理鍋20が加熱口から離脱したと判定したときに、加熱中であった加熱口以外の加熱口に設けられた温度センサーの検出温度kを読み込んで所定値Kth以上かどうかを判定し、所定値Kth以上の加熱口を検知したときに状態検出部により検出されたコイル電流ILaに基づいて当該加熱口に調理鍋20が載置されているかどうかを判定するようにしたものである。
【0045】
実施の形態6においては、前述の如く制御部の動作の一部が異なるだけで、その他は図1及び図11で説明した実施の形態1、5と同じ構成となっている。以下、実施の形態6の加熱調理器における制御部の動作について図13を用いて説明する。
図13は実施の形態6の加熱調理器における制御部の動作を示すフローチャートである。なお、図13に示すS71〜S73及びS78は図3で説明したフローチャートと同じであるため、異なるステップ(S74〜S77)のみを説明する。
【0046】
制御部9は、S73において、状態検出部8aによって検出された加熱コイル6aのコイル電流ILaが所定値IL以下と判定したとき、他の加熱口3b、3cの裏面に接触する温度センサー11b、11cの検出温度kを順次に読み込み(S74)、読み込んだ検出温度kが所定温度Kth以上かどうかをそれぞれ判定する(S75)。両方の検出温度kが所定温度Kthより低いときは、前述したように調理鍋20以外の物、空の調理鍋20などが載置されたと判定して、S71からの動作を終了する。
【0047】
また、読み込んだ検出温度kのうち例えば加熱口3c側の検出温度kが所定温度Kth以上のときは、調理鍋20が載置されているものとして、図3のS4で説明したように、加熱動作中の周波数(例えば20KHz)より高い周波数(例えば40KHz)の電流を加熱コイル6cに流し、状態検出部8cにより検出されたコイル電流ILaを読み込んで閾値と比較する。そのコイル電流ILaが閾値以上のとき加熱口3cに調理鍋20が載っていると決定する(S76)。そして、その加熱口3cでの加熱コイル6cの加熱動作を待機あるいは加熱中であった加熱口3aでの加熱条件に基づく加熱動作を継続(開始)させる(S77)。
【0048】
以上のように実施の形態6によれば、3つの加熱口3a〜3cのうち何れか1つが使用されていない状態において、状態検出部により検出されたコイル電流ILaから調理鍋20が他の加熱口に載置されたと判定したとき、他の加熱口の温度センサーの検出温度kをそれぞれ読み込んで所定値Kth以上かどうかを判定し、何れかの検出温度kが所定値Kth以上のとき当該加熱口の調理鍋載置判定に入るようにしたので、調理鍋20が載置されていない加熱口の載置判定を行う必要がなく、このため、調理鍋20の移動後の加熱動作開始までの時間を短縮可能になり、使用者にとってはスムーズに調理を実現できる。また、調理鍋20が載置されていない加熱口に対しては載置判定を行わないため、載置判定動作に必要な電力を消費することがない。
【0049】
なお、前述した実施の形態1及び実施の形態3〜6では、コイル電流ILaが所定値ILより低いときに、調理鍋20の離脱や載置位置を判定するようにしたが、これに代えて、加熱コイルの電圧などから調理鍋20の離脱や載置位置を判定するようにしても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 本体、2 トッププレート、3a〜3c 加熱口、4 操作部、5 表示部、6a〜6c 加熱コイル、7 駆動部、8a〜8c 状態検出部、9 制御部、10a〜10d 重量センサー、11a〜11c 温度センサー、20 調理鍋、30 キッチン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートの下方に設置された複数の加熱コイルと、
操作部により設定された加熱条件に基づいて前記加熱コイルの加熱動作を制御する制御部と、
前記加熱コイルの上方の前記トッププレート上に被加熱物が載置されているか否かを前記加熱コイル毎に検出する複数の状態検出部と、
前記複数の加熱コイルに対応してそれぞれ設けられ、被加熱物の温度を検出する複数の温度センサーとを備え、
前記制御部は、前記複数の加熱コイルのうち、加熱中の加熱コイル上方から被加熱物が離脱した後に、他の加熱コイル上方に被加熱物が新たに載置されたときに、被加熱物が新たに載置された加熱コイルに設けられた前記温度センサーの検出温度が所定温度以上のときには、被加熱物が新たに載置された加熱コイルを被加熱物が離脱した加熱コイルの加熱条件で制御することを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
表示部を備え、
前記制御部は、被加熱物の移動先の加熱コイルでの加熱状態を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項1】
被加熱物が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートの下方に設置された複数の加熱コイルと、
操作部により設定された加熱条件に基づいて前記加熱コイルの加熱動作を制御する制御部と、
前記加熱コイルの上方の前記トッププレート上に被加熱物が載置されているか否かを前記加熱コイル毎に検出する複数の状態検出部と、
前記複数の加熱コイルに対応してそれぞれ設けられ、被加熱物の温度を検出する複数の温度センサーとを備え、
前記制御部は、前記複数の加熱コイルのうち、加熱中の加熱コイル上方から被加熱物が離脱した後に、他の加熱コイル上方に被加熱物が新たに載置されたときに、被加熱物が新たに載置された加熱コイルに設けられた前記温度センサーの検出温度が所定温度以上のときには、被加熱物が新たに載置された加熱コイルを被加熱物が離脱した加熱コイルの加熱条件で制御することを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
表示部を備え、
前記制御部は、被加熱物の移動先の加熱コイルでの加熱状態を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−48121(P2013−48121A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−266625(P2012−266625)
【出願日】平成24年12月5日(2012.12.5)
【分割の表示】特願2011−184077(P2011−184077)の分割
【原出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月5日(2012.12.5)
【分割の表示】特願2011−184077(P2011−184077)の分割
【原出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
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