説明

加硫ゴムシートおよび複合加硫ゴムシート並びにこれらの製造方法

【課題】熱盤を改造することなくプレス成型により、長さおよび幅方向に接合強度を維持して複数枚接合できる加硫ゴムシートおよびこの加硫ゴムシート同士を接合して得られる複合加硫ゴムシート、並びにこれらの製造方法を提供する。
【解決手段】端部を接合できる加硫ゴムシート6であって、上記端部は加硫剤を含まない未加硫帯部分2cを含み、この未加硫帯部分は、加硫剤を含む未加硫ゴムシートと端面接合して加硫することにより加硫ゴムとなる幅の帯部分である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加硫ゴムシートおよび複合加硫ゴムシート並びにこれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
加硫ゴムシートは、カレンダー・ローラーヘッド等の分出し機でシート状にした未加硫のシートを切ったり、つなぎ合わせたりしてプレス熱盤を用いてプレス加硫することにより製造されている。この製造方法では、プレス熱盤以内の大きさのシートは一体成型で製造できるが、防水シート、ルーフィングおよび防草シート等に用いられる、プレス熱盤より大きいシートを一体成型で製造することは出来ない。
そこでこれまで長さ方向の拡大については、熱盤の端部に冷却ゾーンを作ることにより、加硫ゴムシートの端部を未加硫の状態にして次工程で未加硫部分同士をプレスで接合することにより一体成型の加硫接合シートを製造していた。
【0003】
また、加硫ゴムシートの幅方向の拡大については、熱盤を幅方向の端面に冷却ゾーンを設けるなどの改造が必要となり、必要となる加硫ゴムシートの大きさに応じて、熱盤自体を改造して専用プレス化する必要があり実際上工業的に実施することは困難である。
このため、従来、加硫したゴムシートの端部をカット・研磨して接着剤を塗布した後、薄く分出しした未加硫シート(パッチシート)を挟んで加硫ゴムシートの端部同士を接合して熱盤を超える大きさのゴムシートを製造する方法が知られている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、加硫ゴムシートの端部同士を挟んで接合する方法では、接合部の一部拡大図である図8に示すように、接合部9がもり上がって段差になったり、変形したりする。もり上がらないように成型すると強度が確保できない等の製品品質の課題が生じる。更に製造するに当っては、接合部分をカット・研磨・接着剤塗布等非常に手間(工数)が掛かってユーザーが要求する納期に答えられない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−46758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、熱盤を改造することなくプレス成型により、長さおよび幅方向に接合強度を維持して複数枚接合できる加硫ゴムシートおよびこの加硫ゴムシート同士を接合して得られる複合加硫ゴムシート、並びにこれらの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
熱盤を改造することなくプレス成型により一体化する方法について検討したところ、加硫ゴムシートの端部を加硫剤を含まない未加硫状態のまま残し、この未加硫帯部分同士の間に、加硫剤を含む未加硫ゴムシートを接合して、この加硫剤を含む未加硫ゴムシートと未加硫帯部分同士とを同時加硫して一体化させるか、または端面接合部の未加硫帯部分に加硫剤溶液を塗布・乾燥後に未加硫帯部分同士を同時加硫して一体化させるかすることにより、長さおよび幅方向に接合強度を維持して複数枚接合できる複合加硫ゴムシートが得られることを見出した。本発明はこのような知見に基づきなされたものである。
【0008】
すなわち、本発明の加硫ゴムシートは、端部を接合できる加硫ゴムシートであって、上記端部は加硫剤を含まない未加硫帯部分を含み、この未加硫帯部分は、加硫剤を含む未加硫ゴムシートと端面接合して、または上記未加硫帯部分の接合部に加硫剤を存在させて接合して、加硫することにより加硫ゴムとなる幅の長さを有する帯部分であることを特徴とする。
また、加硫ゴムシートの加硫剤を含まない未加硫帯部分を含む端部は、一方のシート表面が加硫されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の複合加硫ゴムシートは、複数枚の加硫ゴムシートの少なくとも一端同士を接合させてなる複合加硫ゴムシート、または加硫ゴムシートの一端同士を端面接合させて、スリーブ状または無端ベルト状にした複合加硫ゴムシートであって、上記加硫ゴムシートが上記記載の加硫ゴムシートであり、該加硫ゴムシートの端部の未加硫帯部分同士の間に、加硫剤を含む未加硫ゴムシートを接合して、この未加硫ゴムシートと上記未加硫帯部分同士とを同時加硫して一体化させてなることを特徴とする。
【0010】
本発明の他の複合加硫ゴムシートは、複数枚の加硫ゴムシートの少なくとも一端同士を接合させてなる複合加硫ゴムシート、または加硫ゴムシートの一端同士を端面接合させて、スリーブ状または無端ベルト状にした複合加硫ゴムシートであって、上記加硫ゴムシートが上記記載の加硫ゴムシートであり、該加硫ゴムシートの端部の未加硫帯部分同士を端面接合して、この端面接合部の未加硫帯部分に加硫剤溶液を塗布・乾燥後に上記未加硫帯部分同士を同時加硫して一体化させてなることを特徴とする。
【0011】
特に、本発明の複合加硫ゴムシートは、上記同時加硫して一体化させた接合部のシート厚さが上記加硫ゴムシートの厚さと同一であることを特徴とする。
また、複合加硫ゴムシートが布入りゴムシートであることを特徴とする。
【0012】
本発明の加硫ゴムシートの製造方法は、加硫剤を含まない未加硫帯部分を含み、この未加硫帯端部を接合できる加硫ゴムシートの製造方法であって、上記加硫剤を含む未加硫ゴムシートの端部に、上記加硫剤を含まない未加硫ゴムシートを接合する工程と、上記加硫剤を含まない未加硫ゴムシートの少なくとも1つの表面を離型フィルムで覆う工程と、上記加硫剤を含む未加硫ゴムシートと、上記加硫剤を含まない未加硫ゴムシートとを同時にプレス加硫することを特徴とする。
また、上記加硫剤を含まない未加硫ゴムシートの少なくとも1つの表面を離型フィルムで覆う工程が、表面を離型フィルムで覆い、裏面に加硫剤溶液を塗布・乾燥する工程であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の複合加硫ゴムシートの製造方法は、上記未加硫ゴムシート同士を接合して複合加硫ゴムシートを製造する方法であって、上記加硫ゴムシートの端部の未加硫帯部分同士の間に、加硫剤を含む未加硫ゴムシートを接合する工程と、この未加硫ゴムシートと上記未加硫帯部分同士とを同時加硫して一体化させる工程とを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の複合加硫ゴムシートの他の製造方法は、上記加硫ゴムシートの端部の未加硫帯部分同士を端面、または端部を接合する工程と、この端面または端部の接合部の未加硫帯部分に加硫剤溶液を塗布・乾燥後に上記未加硫帯部分同士を同時加硫して一体化させる工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の加硫ゴムシートを複数枚、上記方法により、長さおよび幅方向に接合することにより、接合部は平坦で接合強度は加硫接合以上の強度を安定して確保できる。また、加硫接合の製造工程では一番工数を要する接合面の研磨工程が不要となり、大幅な工数削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】加硫ゴムシートの製造工程を示す図である。
【図2】複合加硫ゴムシートの製造工程を示す図である
【図3】未加硫ゴムシートの他の形状を示す図である。
【図4】複合加硫ゴムシートの他の形態を示す図である。
【図5】加硫剤溶液を用いる複合加硫ゴムシートの製造工程を示す図である。
【図6】他の加硫ゴムシートの製造工程を示す図である。
【図7】一方のシート表面が加硫されている加硫ゴムシート同士を接合する断面図である。
【図8】従来例の接合部の一部拡大図である
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に使用できるゴムは、エチレンプロピレン系ゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソブチレンイソプレンゴム(IIR)、ハロゲン化IIR、およびシリコーンゴムが例示され、防水シート、ルーフィングなど、加硫ゴムシートの用途に応じて選択できる。
【0018】
上記ゴムに、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、老化防止剤、補強剤または充填剤、加工助剤または滑剤、着色剤等を配合混練してシート状に成形し、加硫することで加硫ゴムシートが得られる。
本発明の加硫ゴムシートは、加硫剤と共に他の配合剤を配合した未加硫ゴムシート(以下、Aシートともいう)の端部に、加硫剤のみを除いた以外はAシートと同じ割合の配合を有する帯状の未加硫ゴムシート、またはAシートと同一または類似の条件で加硫する帯状の未加硫ゴムシート(以下、Bシートともいう)を端面または端部接合して、プレス加硫することで得られる。
Aシートは、同一または類似の条件で加硫できるシートであれば、同一または組成の異なるシートを複数枚幅方向に接合したものであってもよい。Aシートは未加硫ゴムシートであるので、加硫前はプレス等により容易に一体化できる。例えば、幅1100mm、長さ4200mmの未加硫シリコーンゴムシート2枚を幅方向に10mm重ねて未加硫状態でプレスすることにより、幅2100mm、長さ4200mmのAシートを製造できる。同様に、種類の異なるゴムシートを接合することができる。
【0019】
加硫剤は、使用するゴム材質により選択することができる。好ましい加硫剤はAシートの端面とBシートの端面同士を接合してプレス加硫した場合に、その接合面において加硫剤がAシートの端面からBシートの端面へ移行または拡散して一体化した加硫接合面が得られる加硫剤である。
【0020】
例えば、加硫剤として、シリコーンゴム、エチレンプロピレン系ゴム、臭素化ブチルゴムの場合は、2,5ジメチル−2,5ビス(t−ブチルパーオキシ)−へキサンなどの過酸化物系加硫剤、塩素化ブチルゴム、ブチルゴムの場合は、硫黄と硫黄系加硫促進剤とを組み合わせた加硫系や臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂などの樹脂加硫剤等を挙げることができる。
これら加硫剤を配合することで、接合面において加硫剤がAシートの端面からBシートの端面へ移行または拡散し易くなる。
【0021】
また、加硫剤の配合割合は、それぞれのゴム材質、および用いる加硫剤の種類により選択することができ、具体的には通常のゴムシートの特性を維持できる配合割合である。加硫剤以外の配合剤の種類および割合も特に制限なく、通常のゴムシートの特性を維持できる範囲内の配合にできる。ただし、上述したようにAシートとBシートとは、加硫剤を除いた他の配合剤の種類およびその割合は、同一であることが好ましい。同一であることにより、端面または端部接合後のプレス加硫で、AシートとBシートとの一体性を保持し、端部に未加硫部分を含む加硫ゴムシートが得られる。
接合部にAシートとは異なる物性を付与する場合は、AシートとBシートとの配合の種類および割合を変更することができる。
【0022】
加硫ゴムシートの製造方法について図1を参照して説明する。図1(a)〜(e)、または、図6(a)〜(e)は、加硫剤を含まない未加硫帯部分を含む加硫ゴムシートの製造工程を示す図である。なお、図1〜図8において、ゴムシートの大きさおよび厚さについては、接合部の説明のため、部分的に変更拡大してある。
ゴムに加硫剤および他の配合剤を2本ロール、バンバリーミキサー、ドウミキサー(ニーダー)などのゴム練り機を用いて混練して未加硫ゴムシート1(Aシート)を作製する。同様にAシート配合より加硫剤のみを除いた配合の未加硫ゴムシート2(Bシート)を作製する(図1(a))。
未加硫ゴムシート1の端面1aと未加硫ゴムシート2の端面2aとを端面同士を接合したときに隙間なく接合できる相似形に切断して、その端面同士を接合部3にて圧着する(図1(b))。
【0023】
プレス機の熱盤4、4同士の間に端面同士を接合した未加硫ゴムシートを挟みプレス加硫を行なう(図1(c))。プレス加硫時に、未加硫ゴムシート2が熱盤4と接着するおそれがあるため、接合部3を含んで、この未加硫ゴムシート2の表面を離型フィルム5で覆う。プレス加硫条件は、未加硫ゴムシートの厚さ、ゴム材質の種類、配合剤の種類・割合、望みとする未加硫ゴムシート2の加硫領域2bの大きさ等により最適条件を選択する。
プレス機より取り出した後の未加硫部分2c’を含む加硫ゴムシート6’は、加硫ゴムシート1bが接合部3において、Bシートの加硫部分2bと一体加硫されている(図1(d))。
【0024】
他の製造方法として、図6に示すように、未加硫ゴムシート2の表面および裏面を離型フィルム5で覆う代わりに、一方のシート表面2eのみを離型フィルム5で覆い、未加硫ゴムシート2の裏面となる他の表面2fの全面または一部に加硫剤溶液2dを塗布・乾燥後にプレス加硫することができる(図6(c))。
また、加硫ゴムシート6’は、加硫ゴムシート1bが接合部3において、Bシートの加硫部分2bと一体加硫されると共に、加硫剤溶液2dが塗布されているので、未加硫ゴムシート2の裏面となる他の表面2fよりも加硫が進行する。この加硫されている2b’部分は、接合部3の加硫剤濃度が未加硫ゴムシート2先端部よりも相対的に高くなるので、表面からの加硫部分の厚さが厚くなり、未加硫ゴムシート2先端部の方向にいくに従って加硫部分の厚さが薄くなる(図6(d))。
【0025】
本発明の加硫ゴムシート6は、加硫部分2bの幅t1と未加硫部分2cの幅t2とが略同じ幅の長さとなるように、未加硫部分2c’を切断して得られる(図1(e)、図6(e))。好ましくは、(2cの幅の長さt2)=(2bの幅の長さt1)×(0.6〜3)である。この範囲であると加硫ゴムシート6同士の間に、加硫剤を含む未加硫ゴムシートを端面接合する場合、複合加硫ゴムシートが得られやすくなる。未加硫部分2cの幅が0であると加硫シート6同士の接合が困難になり、未加硫部分2cの幅が2bの幅をこえて長くなると、加硫ゴムシート6同士の間に加硫剤を含む未加硫ゴムシートを端面接合して、同時加硫接合のときに未加硫部分が残りやすくなる。
なお、未加硫部分2c’の幅は、ゴム弾性の有無、引き裂き抵抗、ゴム溶剤への溶解性等により、容易に判別して測定できる。
また、図1および図6においては、加硫ゴムシート6の1つの端面に未加硫ゴムシートを設ける例について説明したが、他の端面にも未加硫ゴムシートの端面を接合して同時プレス加硫することで、例えば加硫ゴムシート6の4つの端面にも未加硫ゴムシート部分を設けることができる。
また、加硫ゴムシート6は、必要に応じて布入りシートとすることができる。
図6(e)に示す加硫ゴムシート6は、未加硫ゴムシートの端部における一方のシート表面が加硫されている加硫ゴムシートの例である。
【0026】
加硫ゴムシート6の未加硫部分2cの幅t2の長さは、後述する加硫剤溶液を塗布法により加硫ゴムシート6を接合する場合、(2bの幅の長さt1)×0.6以上であることが好ましい。2cの幅t2の長さが長くなっても加硫剤溶液を未加硫帯部分同士全体に塗布・乾燥後に同時加硫することで未加硫帯部分の加硫が進行する。
また、図6(e)に示す加硫ゴムシート6において、加硫されている2b’部分の加硫厚さは、加硫および未加硫帯部分において、ゴムシート厚さt3の10%以下の厚さであることが好ましい。さらに未加硫帯部分の先端部では加硫厚さは0であることが好ましい。また、接合部からの長さは3〜50mm、好ましくは3〜20mmである。
【0027】
本発明の複合加硫ゴムシートは、上記加硫ゴムシート6を用いて、該加硫ゴムシート6の端部の未加硫帯部分同士の間に、加硫剤を含む未加硫ゴムシートを端面接合して、この未加硫ゴムシートと未加硫帯部分同士とを同時加硫して一体化させることで得られる。
本発明の複合加硫ゴムシートの製造について図2を参照して説明する。図2(a)〜(c)は、複合加硫ゴムシートの製造工程を示す図である。なお、図2、図3、図5、図7において、斜線部分は加硫している部分を表す。
端部に加硫剤を含まない未加硫帯部分2cを有する加硫ゴムシート6と、加硫剤を含む未加硫ゴムシート7とを準備する(図2(a))。
未加硫ゴムシート7は、未加硫帯部分2cと同一または類似の加硫条件で加硫できるシートであれば、異なる材質・組成であってもよい。好ましくは、加硫ゴムシート6を製造するための加硫剤を含む未加硫ゴムシート1と同じ材質・組成の未加硫ゴムシートである。同じ材質・組成の未加硫ゴムシートであることにより、複合加硫ゴムシートとしたときに、特性の均一な複合加硫ゴムシートが得られる。また、未加硫ゴムシート7の幅の長さ等、その大きさは任意に選択できる。
【0028】
次に、加硫ゴムシート6の端部の未加硫帯2c部分同士の間に、加硫剤を含む未加硫ゴムシート7を端面接合する(図2(b))。
その後、プレス加硫により同時加硫し、一体化させることで、複合加硫ゴムシート8が製造できる(図2(c))。
プレス加硫により同時加硫することで、一体化させた接合部8bのシート厚さが加硫ゴムシート8aの厚さと同一となる。
プレス加硫条件は、加硫ゴムシート6および未加硫ゴムシート7の厚さ、大きさ等により最適条件を選択する。
【0029】
未加硫ゴムシート7および加硫ゴムシート6の端面の他の形状を図3に示す。未加硫ゴムシート7の断面形状は、図3に示すように、斜辺7aを有する逆台形とすることができる。または逆三角形とすることができる。これらの場合、接合面となる加硫ゴムシート6の2c’面は、加硫ゴムシート6と未加硫ゴムシート7とを端面接合したときに、一枚のシートを形成できる相似の断面形状である。
【0030】
図2および図3においては、加硫ゴムシート6の1つの端面同士を接合する例について説明したが、例えば加硫ゴムシート6の4角形の他の辺にも未加硫帯2c部分を形成して、その端面同士を接合して長さおよび幅方向に拡大した大きさを有する複合加硫ゴムシートを製造することができる。
【0031】
複合加硫ゴムシートの他の形態を図4に示す。図4(a)はスリーブの斜視図であり、図4(b)は無端ベルトの斜視図である。
加硫ゴムシート6の対辺の両端面に未加硫ゴムシートを設け、図2に示す方法で対辺同士を、未加硫ゴムシート7を介して、接合することにより、スリーブ(図4(a))を製造できる。
また、加硫ゴムシート6を複数用いて、それぞれの対辺の端面に未加硫ゴムシートを設け、図2に示す方法で複数の加硫ゴムシート6の対辺同士を、未加硫ゴムシート7を介して、接合することにより、無端ベルト(図4(b))を製造できる。
【0032】
加硫ゴムシート6の端部の未加硫帯部分同士の接合は、図2に示す加硫剤を含む未加硫ゴムシート7を介在させる方法以外に、図5に示す、加硫剤溶液を用いる方法がある。図5(a)〜(c)は、加硫剤溶液を用いる複合加硫ゴムシートの製造工程を示す図である。
端部に加硫剤を含まない未加硫帯部分2cを有する加硫ゴムシート6を準備する(図5(a))。
加硫ゴムシート6の端部の未加硫帯2c部分同士を端面接合して、この未加硫帯2cに加硫剤溶液2dを塗布・乾燥する(図5(b))。加硫剤は加硫ゴムシート6製造に用いた加硫剤を用いることができる。
その後、プレス加硫により同時加硫し、一体化させることで、複合加硫ゴムシート8’を製造できる(図5(c))。
プレス加硫により同時加硫することで、一体化させた接合部8’bのシート厚さが加硫ゴムシート8’aの厚さと同一となる。
プレス加硫条件は、加硫ゴムシート6の厚さ、大きさ等により最適条件を選択する。
【0033】
図7は、未加硫ゴムシート6の端部において、一方のシート表面が加硫されている加硫ゴムシート同士を接合する場合の断面図である。
未加硫ゴムシート6の端部の断面は、それぞれ、加硫されている表面に対して鋭角でバイアスカット(図7(a)、(b))、同直角にカット(図7(c))、同鈍角にバイアスカット(図7(d))されている場合がある。
図7(a)および図7(b)に示す接合の場合は、端部の未加硫帯2c部分同士を、加硫剤を含む未加硫ゴムシート7を介在させ、未加硫帯2c部分と未加硫ゴムシート7とをプレス加硫により同時加硫することで複合加硫ゴムシートが得られる。
図7(c)に示す接合の場合は、端部の未加硫帯2c部分同士を端面接合して、この未加硫帯2cに加硫剤溶液2dを塗布・乾燥して、その後、プレス加硫により同時加硫することで複合加硫ゴムシートが得られる。
図7(d)に示す接合の場合は、加硫されている端部表面の反対側の面同士を重ね合わせて、この重ね合わせ面となる部分に加硫剤溶液2dを塗布・乾燥して、その後、プレス加硫により同時加硫することで複合加硫ゴムシートが得られる。この場合、未加硫部分は塑性変形するので、プレス加硫することで、一体化させた接合部のシート厚さを加硫ゴムシートの厚さと同一とすることができる。
また、接合する面には、加硫剤溶液を塗布・乾燥後に、シリコーンプライマーなどのプライマーを塗布・乾燥することが好ましい。プライマーを塗布・乾燥することにより、接着強度などの品質のバラツキを防ぐことができる。プライマーとしては、例えば、信越化学社製シリコーンプライマーNo24が挙げられる。
【0034】
本発明の複合加硫ゴムシートは、未加硫部分を加硫できるシート厚さであれば任意の厚さとすることができる。好ましくは0.5mm〜20mm、より好ましくは1mm〜10mm、更に好ましくは1mm〜5mm厚さである。本発明の複合加硫ゴムシートは真空プレス用シート、ラミネータ用シート、防水シート、防草シート等の用途に好適に用いることができる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例によって本発明を詳述する。なお、以下の記載で「部」は重量部を示す。実施例1
信越化学工業(株)製シリコーンゴムコンパウンド(商品名:KE961U)100部に加硫成分として2,5ジメチル−2,5ビス(t−ブチルパーオキシ)−へキサンを80重量%含有する信越化学工業(株)製シリコーンゴムコンパウンド用加硫剤(商品名:C−8A)0.5部を配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ3mm×幅290mm×長さ300mmの大きさに裁断して、加硫剤を含む未加硫シリコーンゴム1(Aシート)を製造した。
一方、信越化学工業(株)製シリコーンゴムコンパウンド(商品名:KE961U)100部をロールで分出しして厚さ3mm×幅10mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断して、加硫剤を含まない未加硫シリコーンゴム2(Bシート)を製造した。
【0036】
厚さ2.8mm×幅300mm×長さ300mmの枠ゲージの中に上記未加硫シリコーンゴム1および2を密接配置する。なお、未加硫シリコーンゴム2の部分はプレス加硫しても加硫しない部分が残るので、加硫後の熱盤から剥れ易くするよう、セパレータフィルム(セロハン)で覆う。熱盤としては厚さ2mmのジュラルミン板を用いた。
上記枠ゲージに仕込んだ成型品を熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫した。
プレス機より取り出し後、未加硫シリコーンゴム2を覆っていたセパレータフィルムを剥ぎ取り、接合部から3〜5mm程度の長さを残して、未加硫シリコーンゴム2を切り取ることで、端部を接合できる加硫ゴムシートを製造した。なお、未加硫シリコーンゴムシート2の加硫部分の接合部からの長さはゴム弾性の有無で測定したところ約2mmであった。
【0037】
実施例2
実施例1で得られた加硫ゴムシートを2枚と、実施例1で準備した未加硫シリコーンゴム1(Aシート)を厚さ3mm×幅5mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断したシート1枚とを準備する。
加硫ゴムシート2枚の間に上記短冊状のシート1枚を、短冊状のシートの端面と加硫ゴムシートの未加硫部分の端面とを図2(b)に示すように密接して、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで複合加硫ゴムシートを製造した。得られた複合加硫ゴムシートの接合部の外観、硬さ、引張り強さ、伸びを測定した。外観は目視により、硬さはJISK6253−1997(タイプAデュロメーター)、引張り強さおよび伸びはJISK6251−2004により測定した。結果を表1に示す。なお、表1において、実施例2コントロールは、実施例1で得られた加硫ゴムシートの加硫部分の特性であり、実施例2従来接合品は、実施例1で準備した未加硫シリコーンゴム1の端部同士8mmを重ね合わせて、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで得られた複合加硫ゴムシートの接合部の試験結果である。
【0038】
実施例3
三井化学(株)製EPDMゴム(商品名:三井EPT3045)100部に、加硫成分として過酸化物系加硫剤(商品名:バロキシンKED40MB)10部と、堺化学(株)製酸化亜鉛(商品名:酸化亜鉛2種)5部、花王(株)製ステアリン酸1部と、東海カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:シースト#116)50部と、日本サン石油(株)製軟化剤(商品名:サンフレックス2280)13部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ3mm×幅290mm×長さ300mmの大きさに裁断して、加硫剤を含む未加硫EPDMゴムシート1(Aシート)を製造した。
一方、三井化学(株)製EPDMゴム(商品名:三井EPT3045)100部に、堺化学(株)製酸化亜鉛(商品名:酸化亜鉛2種)5部、花王(株)製ステアリン酸1部と、東海カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:シースト#116)50部と、日本サン石油(株)製軟化剤(商品名:サンフレックス2280)13部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ3mm×幅10mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断して、加硫剤を含まない未加硫EPDMゴムシート2(Bシート)を製造した。
【0039】
厚さ2.8mm×幅300mm×長さ300mmの枠ゲージの中に上記未加硫EPDMゴムシート1および2を密接配置する。なお、未加硫EPDMゴムシート2の部分はプレス加硫しても加硫しない部分が残るので、加硫後の熱盤から剥れ易くするよう、セパレータフィルム(セロハン)で覆う。熱盤としては厚さ2mmのジュラルミン板を用いた。
上記枠ゲージに仕込んだ成型品を熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間20分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫した。
プレス機より取り出し後、未加硫EPDMゴムシート2を覆っていたセパレータフィルムを剥ぎ取り、接合部から3〜5mm程度の長さを残して、未加硫EPDMゴムシート2を切り取ることで、端部を接合できる加硫ゴムシートを製造した。なお、未加硫EPDMゴムシート2の加硫部分の接合部からの長さはゴム弾性の有無で測定したところ約2mmであった。
【0040】
実施例4
実施例3で得られた加硫ゴムシートを2枚と、実施例3で準備した未加硫EPDMゴムシート1を厚さ3mm×幅5mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断したシート1枚とを準備する。
加硫ゴムシート2枚の間に上記短冊状のシート1枚を、短冊状のシートの端面と加硫ゴムシートの未加硫部分の端面とを図2(b)に示すように密接して、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで複合加硫ゴムシートを製造した。得られた複合加硫ゴムシートの接合部の外観、硬さ、引張り強さ、伸びを実施例2と同様に測定した。結果を表1に示す。なお、表1において、実施例4コントロールは、実施例3で得られた加硫ゴムシートの加硫部分の特性であり、実施例4従来接合品は、実施例3で準備した未加硫EPDMゴムシート1の端部同士8mmを重ね合わせて、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで得られた複合加硫ゴムシートの接合部の試験結果である。
【0041】
実施例5
バイエル社製クロロブチルゴム(商品名:クロロブチル1240)70部および三井化学(株)製EPDMゴム(商品名:三井EPT3045)30部に、加硫成分としてラインケミー社製硫黄(商品名:レノグランS−80)0.6部と、加硫促進剤としてラインケミー社製の商品名:レノグランCBS−80を0.6部と、同レノグランTMTD−80を0.6部と、堺化学(株)製酸化亜鉛(商品名:酸化亜鉛2種)3部と、花王(株)製ステアリン酸1部と、東海カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:シースト#116)30部と、新日化カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:HTC#SL)20部と、日本サン石油(株)製軟化剤(商品名:サンフレックス2280)10部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ3mm×幅290mm×長さ300mmの大きさに裁断して、加硫剤を含む未加硫ブチルゴムシート1(Aシート)を製造した。
一方、バイエル社製クロロブチルゴム(商品名:クロロブチル1240)70部および三井化学(株)製EPDMゴム(商品名:三井EPT3045)30部に、堺化学(株)製酸化亜鉛(商品名:酸化亜鉛2種)3部と、花王(株)製ステアリン酸1部と、東海カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:シースト#116)30部と、新日化カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:HTC#SL)20部と、日本サン石油(株)製軟化剤(商品名:サンフレックス2280)10部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ3mm×幅10mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断して、加硫剤を含まない未加硫ブチルゴムシート2(Bシート)を製造した。
【0042】
厚さ2.8mm×幅300mm×長さ300mmの枠ゲージの中に上記未加硫ブチルゴムシート1および2を密接配置する。なお、未加硫ブチルゴムシート2の部分はプレス加硫しても加硫しない部分が残るので、加硫後の熱盤から剥れ易くするよう、セパレータフィルム(セロハン)で覆う。熱盤としては厚さ2mmのジュラルミン板を用いた。
上記枠ゲージに仕込んだ成型品を熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間20分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫した。
プレス機より取り出し後、未加硫ブチルゴムシート2を覆っていたセパレータフィルムを剥ぎ取り、接合部から3〜5mm程度の長さを残して、未加硫ブチルゴムシート2を切り取ることで、端部を接合できる加硫ゴムシートを製造した。なお、未加硫ブチルゴムシート2の加硫部分の接合部からの長さはゴム弾性の有無で測定したところ約2mmであった。
【0043】
実施例6
実施例5で得られた加硫ゴムシートを2枚と、実施例5で準備した未加硫ブチルゴムシート1を厚さ3mm×幅5mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断したシート1枚とを準備する。
加硫ゴムシート2枚の間に上記短冊状のシート1枚を、短冊状のシートの端面と加硫ゴムシートの未加硫部分の端面とを図2(b)に示すように密接して、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度151℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで複合加硫ゴムシートを製造した。得られた複合加硫ゴムシートの接合部の外観、硬さ、引張り強さ、伸びを実施例2と同様に測定した。結果を表1に示す。なお、表1において、実施例6コントロールは、実施例5で得られた加硫ゴムシートの加硫部分の特性であり、実施例6従来接合品は、実施例5で準備した未加硫ブチルゴムシート1の端部同士8mmを重ね合わせて、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度151℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで得られた複合加硫ゴムシートの接合部の試験結果である。
【0044】
実施例7
バイエル社製ブロモブチルゴム(商品名:ブロモブチルX2)100部に、加硫成分として過酸化物系加硫剤(商品名:バロキシンKED40MB)2部と、堺化学(株)製酸化亜鉛(商品名:酸化亜鉛2種)1.5部と、花王(株)製ステアリン酸1部と、東海カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:シースト#3)40部と、新日化カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:HTC#SL)40部と、日本サン石油(株)製軟化剤(商品名:サンフレックス2280)5部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ3mm×幅290mm×長さ300mmの大きさに裁断して、加硫剤を含む未加硫ブチルゴムシート1(Aシート)を製造した。
一方、バイエル社製ブロモブチルゴム(商品名:ブロモブチルX2)100部に、堺化学(株)製酸化亜鉛(商品名:酸化亜鉛2種)1.5部と、花王(株)製ステアリン酸1部と、東海カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:シースト#3)40部と、新日化カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:HTC#SL)40部と、日本サン石油(株)製軟化剤(商品名:サンフレックス2280)5部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ3mm×幅10mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断して、加硫剤を含まない未加硫ブチルゴムシート2(Bシート)を製造した。
【0045】
厚さ2.8mm×幅300mm×長さ300mmの枠ゲージの中に上記未加硫ブチルゴムシート1および2を密接配置する。なお、未加硫ブチルゴムシート2の部分はプレス加硫しても加硫しない部分が残るので、加硫後の熱盤から剥れ易くするよう、セパレータフィルム(セロハン)で覆う。熱盤としては厚さ2mmのジュラルミン板を用いた。
上記枠ゲージに仕込んだ成型品を熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間20分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫した。
プレス機より取り出し後、未加硫ブチルゴムシート2を覆っていたセパレータフィルムを剥ぎ取り、接合部から3〜5mm程度の長さを残して、未加硫ブチルゴムシート2を切り取ることで、端部を接合できる加硫ゴムシートを製造した。なお、未加硫ブチルゴムシート2の加硫部分の接合部からの長さはゴム弾性の有無で測定したところ約2mmであった。
【0046】
実施例8
実施例7で得られた加硫ゴムシートを2枚と、実施例7で準備した未加硫ブチルゴムシート1を厚さ3mm×幅5mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断したシート1枚とを準備する。
加硫ゴムシート2枚の間に上記短冊状のシート1枚を、短冊状のシートの端面と加硫ゴムシートの未加硫部分の端面とを図2(b)に示すように密接して、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度151℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで複合加硫ゴムシートを製造した。得られた複合加硫ゴムシートの接合部の外観、硬さ、引張り強さ、伸びを実施例2と同様に測定した。結果を表1に示す。なお、表1において、実施例8コントロールは、実施例7で得られた加硫ゴムシートの加硫部分の特性であり、実施例8従来接合品は、実施例7で準備した未加硫ブチルゴムシート1の端部同士8mmを重ね合わせて、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度151℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで得られた複合加硫ゴムシートの接合部の試験結果である。
【0047】
実施例9
バイエル社製クロロブチルゴム(商品名:クロロブチル1240)100部に、加硫成分として田岡化学(株)製樹脂系加硫剤(商品名:タッキロール#250)10部と、堺化学(株)製酸化亜鉛(商品名:酸化亜鉛2種)5部と、花王(株)製ステアリン酸1部と、東海カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:シースト#116)50部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ3mm×幅290mm×長さ300mmの大きさに裁断して、加硫剤を含む未加硫ブチルゴムシート1(Aシート)を製造した。
一方、バイエル社製クロロブチルゴム(商品名:クロロブチル1240)100部に、堺化学(株)製酸化亜鉛(商品名:酸化亜鉛2種)5部と、花王(株)製ステアリン酸1部と、東海カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:シースト#116)50部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ3mm×幅10mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断して、加硫剤を含まない未加硫ブチルゴムシート2(Bシート)を製造した。
【0048】
厚さ2.8mm×幅300mm×長さ300mmの枠ゲージの中に上記未加硫ブチルゴムシート1および2を密接配置する。なお、未加硫ブチルゴムシート2の部分はプレス加硫しても加硫しない部分が残るので、加硫後の熱盤から剥れ易くするよう、セパレータフィルム(セロハン)で覆う。熱盤としては厚さ2mmのジュラルミン板を用いた。
上記枠ゲージに仕込んだ成型品を熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫した。
プレス機より取り出し後、未加硫ブチルゴムシート2を覆っていたセパレータフィルムを剥ぎ取り、接合部から3〜5mm程度の長さを残して、未加硫ブチルゴムシート2を切り取ることで、端部を接合できる加硫ゴムシートを製造した。なお、未加硫ブチルゴムシート2の加硫部分の接合部からの長さはゴム弾性の有無で測定したところ約2mmであった。
【0049】
実施例10
実施例9で得られた加硫ゴムシートを2枚と、実施例9で準備した未加硫ブチルゴムシート1を厚さ3mm×幅5mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断したシート1枚とを準備する。
加硫ゴムシート2枚の間に上記短冊状のシート1枚を、短冊状のシートの端面と加硫ゴムシートの未加硫部分の端面とを図2(b)に示すように密接して、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度151℃、加硫時間40分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで複合加硫ゴムシートを製造した。得られた複合加硫ゴムシートの接合部の外観、硬さ、引張り強さ、伸びを実施例2と同様に測定した。結果を表1に示す。なお、表1において、実施例10コントロールは、実施例9で得られた加硫ゴムシートの加硫部分の特性であり、実施例10従来接合品は、実施例9で準備した未加硫ブチルゴムシート1の端部同士8mmを重ね合わせて、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度151℃、加硫時間40分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで得られた複合加硫ゴムシートの接合部の試験結果である。
【0050】
【表1】

【0051】
本願発明に係る実施接合品は、いずれも接合部外観が平坦であり、硬さ、引張り強さ、伸びで表したゴム特性が従来接合品よりも優れていた。
【0052】
実施例11
信越化学工業(株)製シリコーンゴムコンパウンド(商品名:KE961U)100部に加硫成分として2,5ジメチル−2,5ビス(t−ブチルパーオキシ)−へキサンを80重量%含有する信越化学工業(株)製シリコーンゴムコンパウンド用加硫剤(商品名:C−8A)0.5部を配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ2mm×幅280mm×長さ300mmの大きさに裁断して、加硫剤を含む未加硫シリコーンゴム1(Aシート)を製造した。
一方、信越化学工業(株)製シリコーンゴムコンパウンド(商品名:KE961U)100部をロールで分出しして厚さ2mm×幅10mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断して、加硫剤を含まない未加硫シリコーンゴム2(Bシート)を製造した。
【0053】
厚さ2.8mm×幅300mm×長さ300mmの枠ゲージの中に未加硫シリコーンゴム2(Bシート)、加硫剤を含む未加硫シリコーンゴム1(Aシート)、および未加硫シリコーンゴム2(Bシート)の順で密接配置する。なお、両端の未加硫シリコーンゴム2の部分はプレス加硫しても加硫しない部分が残るので、加硫後の熱盤から剥れ易くするよう、セパレータフィルム(セロハン)で覆う。熱盤としては厚さ2mmのジュラルミン板を用いた。
上記枠ゲージに仕込んだ成型品を熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫した。
プレス機より取り出し後、両端に配置された未加硫シリコーンゴム2を覆っていたセパレータフィルムを剥ぎ取り、接合部から3〜5mm程度の長さを残して、未加硫シリコーンゴム2を切り取ることで、両端部を接合できる加硫ゴムシートを製造した。なお、未加硫シリコーンゴムシート2の加硫部分の接合部からの長さはゴム弾性の有無で測定したところ約2mmであった。
【0054】
実施例12
実施例11で得られた両端に未加硫部分を含む加硫ゴムシートを1枚と、実施例11で準備した未加硫シリコーンゴム1(Aシート)を厚さ2mm×幅5mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断したシート1枚とを準備する。
両端に未加硫部分を含む加硫ゴムシートを未加硫部分同士が接合するように輪状に丸めて、その未加硫部分同士の間に未加硫シリコーンゴム1(Aシート)を密着させる。密着部分を上部にした輪状の中心部にクッションゴムシートを入れて、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで図4(a)に示すスリーブを製造した。
得られたスリーブの接合部の外観、硬さ、引張り強さ、伸びを測定した。外観は目視により、硬さはJISK6253−1997(タイプAデュロメーター)、引張り強さおよび伸びはJISK6251−2004により測定した。結果を表2に示す。なお、表2において、実施例12コントロールは、実施例11で得られた加硫ゴムシートの加硫部分の特性であり、実施例12従来接合品は、実施例11で準備した未加硫シリコーンゴム1の端部同士8mmを重ね合わせて、実施例11と同様に熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで得られたスリーブの接合部の試験結果である。
このスリーブは成型用エアーバック用として使用できる。
【0055】
実施例13
デンカ(株)製クロロプレンゴム(商品名:クロロプレンM−120)60部とJSR(株)製油展SBRゴム(商品名:JSR1723)55部とに、加硫成分としてラインケミー社製硫黄(商品名:レノグランS−80)0.8部と、加硫促進剤としてラインケミー社製の商品名:レノグランETU−80を0.2部と、同レノグランTS−80Eを1部と、旭カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:旭#55)50部と、土屋カオリン(株)製クレー(商品名:AXカオリンクレー)15部と、花王(株)製ステアリン酸2部と、谷口石油(株)製ナフテン系可塑剤(商品名:NCL−22)6部と、堺化学(株)製酸化亜鉛(商品名:酸化亜鉛2種)3部と、日本サン石油(株)製酸化マグネシウム(商品名:#150)3部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ1.5mm×幅280mm×長さ300mmの大きさに裁断して、加硫剤を含む未加硫クロロプレンゴムシート1(Aシート)を2枚製造した。
一方、デンカ(株)製クロロプレンゴム(商品名:クロロプレンM−120)60部とJSR(株)製油展SBRゴム(商品名:JSR1723)55部とに、旭カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:旭#55)50部と、土屋カオリン(株)製クレー(商品名:AXカオリンクレー)15部と、花王(株)製ステアリン酸2部と、谷口石油(株)製ナフテン系可塑剤(商品名:NCL−22)6部と、堺化学(株)製酸化亜鉛(商品名:酸化亜鉛2種)3部と、日本サン石油(株)製酸化マグネシウム(商品名:#150)3部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ1.5mm×幅20mm×長さ300mmの大きさに裁断して、加硫剤を含まない未加硫クロロプレンゴムシート2(Bシート)を2枚製造した。また、厚さ0.5mm×幅(15mm〜17mm)×長さ300mmの大きさに裁断して、加硫剤を含まない未加硫クロロプレンゴムシート2(Bシート)を3枚製造した。
【0056】
厚さ2.8mm×幅300mm×長さ300mmの枠ゲージの中に上記未加硫クロロプレンゴムシート1および2を、厚さ1.5mmの未加硫クロロプレンゴムシート1および厚さ1.5mmのゴムシート2と、テトロン織布と、厚さ1.5mmの未加硫クロロプレンゴムシート1および厚さ1.5mmのゴムシート2と、を順に密接配置する。なお、未加硫クロロプレンゴムシート2の部分はプレス加硫しても加硫しない部分が残るので、加硫後の熱盤から剥れ易くするよう、セパレータフィルム(セロハン)で覆う。熱盤としては厚さ2mmのジュラルミン板を用いた。
上記枠ゲージに仕込んだ成型品を熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度151℃、加硫時間40分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫した。
プレス機より取り出し後、未加硫クロロプレンゴムシート2を覆っていたセパレータフィルムを剥ぎ取り、接合部から3〜5mm程度の長さを残して、テトロン織布を残して未加硫クロロプレンゴムシート2を取り除くことで、端部を接合できる布入り加硫ゴムシートを製造した。なお、未加硫クロロプレンゴムシート2の加硫部分の接合部からの長さはゴム弾性の有無で測定したところ約2mmであった。
【0057】
実施例14
実施例13で得られた布入り加硫ゴムシートを2枚と、実施例13で準備した未加硫EPDMゴムシート1を厚さ0.5mm×幅(15mm〜17mm)×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断したシート3枚とを準備する。
加硫ゴムシート2枚の端部間に上記短冊状のシートを、短冊状のシート、一方の加硫ゴムシートのテトロン織布、短冊状のシート、他方の加硫ゴムシートのテトロン織布、および短冊状のシートの順に上下に挟んで、短冊状のシートの端面と加硫ゴムシートの未加硫部分の端面とを密接して、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度151℃、加硫時間40分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで複合加硫ゴムシートを製造した。
得られた複合加硫ゴムシートの接合部の外観、硬さ、伸びを実施例12と同様に測定した。また引張り強さはJIS L1096(一般織物試験方法)により測定し、その単位はN/3cmで表した。結果を表2に示す。なお、表2において、実施例14コントロールは、実施例13で得られた布入り加硫ゴムシートの加硫部分の特性であり、実施例14従来接合品は、実施例13で準備した未加硫クロロプレンゴムシート1の端部同士8mmを重ね合わせて、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度151℃、加硫時間40分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで得られた複合加硫ゴムシートの接合部の試験結果である。
このテトロン織布入り複合加硫ゴムシートはダム用防水シートなどとして使用できる。
【0058】
実施例15
デンカ(株)製クロロプレンゴム(商品名:クロロプレンM−120)60部とJSR(株)製油展SBRゴム(商品名:JSR1723)55部とに、加硫成分としてラインケミー社製硫黄(商品名:レノグランS−80)0.8部と、加硫促進剤としてラインケミー社製の商品名:レノグランETU−80を0.2部と、同レノグランTS−80Eを1部と、旭カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:旭#55)50部と、土屋カオリン(株)製クレー(商品名:AXカオリンクレー)15部と、花王(株)製ステアリン酸2部と、谷口石油(株)製ナフテン系可塑剤(商品名:NCL−22)6部と、堺化学(株)製酸化亜鉛(商品名:酸化亜鉛2種)3部と、日本サン石油(株)製酸化マグネシウム(商品名:#150)3部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ10mm×幅280mm×長さ300mmの大きさに裁断して、加硫剤を含む未加硫クロロプレンゴムシート1(Aシート)を製造した。
一方、デンカ(株)製クロロプレンゴム(商品名:クロロプレンM−120)60部とJSR(株)製油展SBRゴム(商品名:JSR1723)55部とに、旭カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:旭#55)50部と、土屋カオリン(株)製クレー(商品名:AXカオリンクレー)15部と、花王(株)製ステアリン酸2部と、谷口石油(株)製ナフテン系可塑剤(商品名:NCL−22)6部と、堺化学(株)製酸化亜鉛(商品名:酸化亜鉛2種)3部と、日本サン石油(株)製酸化マグネシウム(商品名:#150)3部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ10mm×幅20mm×長さ300mmの大きさに裁断して、加硫剤を含まない未加硫クロロプレンゴムシート2(Bシート)を製造した。
【0059】
厚さ9.8mm×幅300mm×長さ300mmの枠ゲージの中に上記未加硫クロロプレンゴムシート1および2を密接配置する。なお、未加硫クロロプレンゴムシート2の部分はプレス加硫しても加硫しない部分が残るので、加硫後の熱盤から剥れ易くするよう、セパレータフィルム(セロハン)で覆う。熱盤としては厚さ2mmのジュラルミン板を用いた。
上記枠ゲージに仕込んだ成型品を熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度151℃、加硫時間60分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫した。
プレス機より取り出し後、未加硫クロロプレンゴムシート2を覆っていたセパレータフィルムを剥ぎ取り、接合部から3〜5mm程度の長さを残して未加硫クロロプレンゴムシート2を取り除くことで、端部を接合できる加硫ゴムシートを製造した。なお、未加硫クロロプレンゴムシート2の加硫部分の接合部からの長さはゴム弾性の有無で測定したところ約2mmであった。
【0060】
実施例16
実施例15で得られた両端に未加硫部分を含む加硫ゴムシートを2枚と、実施例15で準備した未加硫シリコーンゴム1(Aシート)を厚さ10mm×幅(15mm〜17mm)×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断したシート1枚とを準備する。
加硫ゴムシート2枚の間に上記短冊状のシートの端面と加硫ゴムシートの未加硫部分の端面とを密接して、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度151℃、加硫時間60分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで複合加硫ゴムシートを製造した。
得られた複合加硫ゴムシートの接合部の外観、硬さ、引張り強さ、伸びを実施例12と同様に測定した。結果を表2に示す。なお、表2において、実施例16コントロールは、実施例15で得られた加硫ゴムシートの加硫部分の特性であり、実施例16従来接合品は、実施例15で準備した未加硫クロロプレンゴムシート1の端部同士8mmを重ね合わせて、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度151℃、加硫時間60分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで得られた複合加硫ゴムシートの接合部の試験結果である。
この厚さの厚い複合加硫ゴムシートはダム用防水シートとして使用できる。
【0061】
実施例17
実施例1で得られた未加硫部分を含む加硫ゴムシートを2枚と、加硫剤を含む未加硫シリコーンゴム1(Aシート)を厚さ3mm×幅5mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断したシート1枚とを準備する。なお、この加硫剤を含む未加硫シリコーンゴムの配合割合は、信越化学工業(株)製シリコーンゴムコンパウンド(商品名:KE961U)100部に加硫成分として2,5ジメチル−2,5ビス(t−ブチルパーオキシ)−へキサンを80重量%含有する信越化学工業(株)製シリコーンゴムコンパウンド用加硫剤(商品名:C−8A)1.0部である。
加硫ゴムシート2枚の間に上記短冊状のシート1枚を、短冊状のシートの端面と加硫ゴムシートの未加硫部分の端面とを図2(b)に示すように密接して、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで複合加硫ゴムシートを製造した。得られた複合加硫ゴムシートの接合部の外観、硬さ、引張り強さ、伸びを実施例2と同様に測定した。結果を表2に示す。なお、表2において、実施例17コントロールは、実施例1で得られた加硫ゴムシートの加硫部分の特性であり、実施例17従来接合品は、実施例1で準備した未加硫シリコーンゴム1の端部同士8mmを重ね合わせて、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで得られた複合加硫ゴムシートの接合部の試験結果である。
接合に使用する加硫剤入りの未加硫ゴムシートは、加硫剤の量が通常より多い場合、物性が安定する。
【0062】
実施例18
実施例1で得られた未加硫部分を含む加硫ゴムシートを2枚と、加硫剤を含む未加硫シリコーンゴム1(Aシート)を厚さ3mm×幅5mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断したシート1枚とを準備する。なお、この加硫剤を含む未加硫シリコーンゴムの配合割合は、信越化学工業(株)製シリコーンゴムコンパウンド(商品名:KE961U)100部に加硫成分としてジクミルパーオキサイドを20重量%含有する信越化学工業(株)製シリコーンゴムコンパウンド用加硫剤(商品名:C−3)2.0部である。
加硫ゴムシート2枚の間に上記短冊状のシート1枚を、短冊状のシートの端面と加硫ゴムシートの未加硫部分の端面とを図2(b)に示すように密接して、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで複合加硫ゴムシートを製造した。得られた複合加硫ゴムシートの接合部の外観、硬さ、引張り強さ、伸びを実施例2と同様に測定した。結果を表2に示す。なお、表2において、実施例18コントロールは、実施例1で得られた加硫ゴムシートの加硫部分の特性であり、実施例18従来接合品は、実施例1で準備した未加硫シリコーンゴム1の端部同士8mmを重ね合わせて、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで得られた複合加硫ゴムシートの接合部の試験結果である。
【0063】
実施例19
実施例1で得られた未加硫部分を含む加硫ゴムシートを2枚と、2,5ジメチル−2,5ビス(t−ブチルパーオキシ)−へキサンを80重量%含有する信越化学工業(株)製シリコーンゴムコンパウンド用加硫剤(商品名:C−8A)1gをトルエン50mlに溶解した加硫剤溶液を準備する。
加硫ゴムシート2枚の端面同士を図5(b)に示すように密接して、2枚のシートの未加硫部分に加硫剤溶液を刷毛で塗付する。乾燥後突き合わせて密着させて、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度100℃、加硫時間3分、加硫圧力として面圧1MPaの条件で予備成型プレス予備加硫する。さらに、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件で本加硫することで複合加硫ゴムシートを製造した。得られた複合加硫ゴムシートの接合部の外観、硬さ、引張り強さ、伸びを実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。なお、表2において、実施例19コントロールは、実施例1で得られた加硫ゴムシートの加硫部分の特性であり、実施例19従来接合品は、実施例1で準備した未加硫シリコーンゴム1の端部同士8mmを重ね合わせて、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで得られた複合加硫ゴムシートの接合部の試験結果である。
【0064】
実施例20
バイエル社製クロロブチルゴム(商品名:クロロブチル1240)50部および三井化学(株)製EPDMゴム(商品名:三井EPT3045)50部に、加硫成分としてラインケミー社製硫黄(商品名:レノグランS−80)0.6部と、加硫促進剤としてラインケミー社製の商品名:レノグランCBS−80を0.6部と、同レノグランTMTD−80を0.6部と、堺化学(株)製酸化亜鉛(商品名:酸化亜鉛2種)3部と、花王(株)製ステアリン酸1部と、東海カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:シースト#116)30部と、新日化カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:HTC#SL)20部と、日本サン石油(株)製軟化剤(商品名:サンフレックス2280)10部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ3mm×幅290mm×長さ300mmの大きさに裁断して、加硫剤を含む未加硫ブチルゴムシート1(Aシート)を製造した。
一方、バイエル社製ブロモブチルゴム(商品名:ブロモブチルX2)50部および三井化学(株)製EPDMゴム(商品名:三井EPT3045)50部に、花王(株)製ステアリン酸1部と、東海カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:シースト#116)30部と、新日化カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:HTC#SL)20部と、日本サン石油(株)製軟化剤(商品名:サンフレックス2280)10部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ3mm×幅10mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断して、加硫剤を含まない未加硫ブチルゴムシート2(Bシート)を製造した。
【0065】
厚さ2.8mm×幅300mm×長さ300mmの枠ゲージの中に上記未加硫ブチルゴムシート1および2を密接配置する。なお、未加硫ブチルゴムシート2の部分はプレス加硫しても加硫しない部分が残るので、加硫後の熱盤から剥れ易くするよう、セパレータフィルム(セロハン)で覆う。熱盤としては厚さ2mmのジュラルミン板を用いた。
上記枠ゲージに仕込んだ成型品を熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間20分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫した。
プレス機より取り出し後、未加硫ブチルゴムシート2を覆っていたセパレータフィルムを剥ぎ取り、接合部から3〜5mm程度の長さを残して、未加硫ブチルゴムシート2を切り取ることで、端部を接合できる加硫ゴムシートを製造した。なお、未加硫ブチルゴムシート2の加硫部分の接合部からの長さはゴム弾性の有無で測定したところ約2mmであった。
【0066】
実施例21
実施例20で得られた加硫ゴムシートを2枚と、加硫剤として日油製過酸化物(商品名:パーヘキサ25B−100)2gをトルエン50mlに溶解した加硫剤溶液を準備する。
加硫ゴムシート2枚の端面同士を図5(b)に示すように密接して、2枚のシートの未加硫部分に加硫剤溶液を刷毛で塗付する。乾燥後突き合わせて密着させて、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度151℃、加硫時間40分、加硫圧力として面圧1MPaの条件で加硫することで複合加硫ゴムシートを製造した。得られた複合加硫ゴムシートの接合部の外観、硬さ、引張り強さ、伸びを実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。なお、表2において、実施例21コントロールは、実施例20で得られた加硫ゴムシートの加硫部分の特性であり、実施例21従来接合品は、実施例20で準備した未加硫シリコーンゴム1の端部同士8mmを重ね合わせて、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度151℃、加硫時間40分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで得られた複合加硫ゴムシートの接合部の試験結果である。
【0067】
実施例22
実施例1で得られた未加硫部分を含む加硫ゴムシートを2枚と、実施例1で準備した未加硫シリコーンゴム1(Aシート)を厚さ3mm×幅10mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断したシート1枚と、2,5ジメチル−2,5ビス(t−ブチルパーオキシ)−へキサンを80重量%含有する信越化学工業(株)製シリコーンゴムコンパウンド用加硫剤(商品名:C−8A)1gをトルエン50mlに溶解した加硫剤溶液を準備する。
2枚の加硫ゴムシートの未加硫部分に加硫剤溶液を刷毛で塗付して乾燥する。乾燥後、加硫ゴムシート2枚の間に上記短冊状のシート1枚を、短冊状のシートの端面と加硫ゴムシートの未加硫部分の端面とを図2(b)に示すように密接して、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで複合加硫ゴムシートを製造した。
得られた複合加硫ゴムシートの接合部の外観、硬さ、引張り強さ、伸びを実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。なお、表2において、実施例22コントロールは、実施例1で得られた加硫ゴムシートの加硫部分の特性であり、実施例22参考接合品は、実施例1の接合結果であり、実施例22従来接合品は、実施例1で準備した未加硫シリコーンゴム1の端部同士8mmを重ね合わせて、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで得られた複合加硫ゴムシートの接合部の試験結果である。
【0068】
【表2】

【0069】
本願発明に係る実施接合品は、いずれも接合部外観が平坦であり、硬さ、引張り強さ、伸びで表したゴム特性が従来接合品よりも優れていた。
【0070】
実施例23
信越化学工業(株)製シリコーンゴムコンパウンド(商品名:KE961U)100部に加硫成分として2,5ジメチル−2,5ビス(t−ブチルパーオキシ)−へキサンを80重量%含有する信越化学工業(株)製シリコーンゴムコンパウンド用加硫剤(商品名:C−8A)0.5部を配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ3mm×幅1100mm×長さ4200mmの大きさに裁断して、加硫剤を含む未加硫シリコーンゴム1(Aシート)を製造した。
一方、信越化学工業(株)製シリコーンゴムコンパウンド(商品名:KE961U)100部をロールで分出しして厚さ3mm×幅60mm×長さ4200mmの短冊状の大きさに裁断して、加硫剤を含まない未加硫シリコーンゴム2(Bシート)を製造した。
【0071】
ゲージの中に上記未加硫シリコーンゴム1および2を密接配置する。その後、Bシートの一方の面に加硫剤溶液(上記C−8A/トルエン=10g/200g)を塗布・乾燥する。加硫剤溶液を塗布した面と反対側の面にマットペット(25μm厚さ×160mm幅のマット処理をしたポリエステルフィルム)を被せてマスキングする。熱盤としては厚さ2mmのジュラルミン板を用いた。
上記ゲージに仕込んだ成型品を熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間30分、加硫圧力として面圧8MPaの条件でプレス加硫した。
プレス機より取り出し後、未加硫シリコーンゴム2を覆っていたマットペットフィルムを剥ぎ取り、接合部から3〜20mm程度の長さを残して、未加硫シリコーンゴム2をバイアスカッターで切り取ることにより、一方の表面が加硫されており、かつ端部を接合できる加硫ゴムシートを製造した。
【0072】
実施例24
実施例1で得られた加硫ゴムシートを2枚と、実施例1で準備した未加硫シリコーンゴム1(Aシート)を断面が逆三角形で長さ4200mmの短冊状の大きさに裁断したシート1枚とを準備する。
加硫ゴムシート2枚の未加硫部分である表面およびバイアスカットした側面全面に加硫剤溶液(上記C−8A/トルエン=10g/200g)を塗布・乾燥する。
加硫ゴムシート2枚の間に上記短冊状のシート1枚を、短冊状のシートの断面逆三角形の2辺と、加硫ゴムシートの未加硫部分のバイアスカット面とを図7(a)に示すように密接して、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間60分、加硫圧力として面圧4〜5MPaの条件でプレス加硫し、さらに180℃にて3時間アニールすることで複合加硫ゴムシートを製造した。この複合加硫ゴムシートの大きさは、厚さ3mm×幅2700mm×長さ3900mmであった。
得られた複合加硫ゴムシートの接合部の外観、硬さ、引張り強さ、伸びを実施例1と同様の方法で測定した結果、接合部の外観は平坦であり、硬さは59、引張り強さは5.5MPa、伸びは230%であった。
【0073】
実施例25
バイエル社製クロロブチルゴム(商品名:クロロブチル1240)50部および三井化学(株)製EPDMゴム(商品名:三井EPT3045)50部に、加硫成分としてラインケミー社製硫黄(商品名:レノグランS−80)0.6部と、加硫促進剤としてラインケミー社製の商品名:レノグランCBS−80を0.6部と、同レノグランTMTD−80を0.6部と、堺化学(株)製酸化亜鉛(商品名:酸化亜鉛2種)3部と、花王(株)製ステアリン酸1部と、東海カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:シースト#116)30部と、新日化カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:HTC#SL)20部と、日本サン石油(株)製軟化剤(商品名:サンフレックス2280)10部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ3mm×幅290mm×長さ300mmの大きさに裁断して、加硫剤を含む未加硫ブチルゴムシート1(Aシート)を製造した。
一方、バイエル社製ブロモブチルゴム(商品名:ブロモブチルX2)50部および三井化学(株)製EPDMゴム(商品名:三井EPT3045)50部に、花王(株)製ステアリン酸1部と、東海カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:シースト#116)30部と、新日化カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:HTC#SL)20部と、日本サン石油(株)製軟化剤(商品名:サンフレックス2280)10部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ3mm×幅10mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断して、加硫剤を含まない未加硫ブチルゴムシート2(Bシート)を製造した。
【0074】
厚さ2.8mm×幅300mm×長さ300mmの枠ゲージの中に上記未加硫ブチルゴムシート1および2を密接配置する。その後、Bシートの一方の面に加硫剤溶液(日油(株)製過酸化物架橋剤(商品名:パーヘキサ25B−100)/トルエン=2g/500ml)を塗布・乾燥する。加硫剤溶液を塗布した面と反対側の面にマットペット(25μm厚さ×160mm幅のマット処理をしたポリエステルフィルム)を被せてマスキングする。熱盤としては厚さ2mmのジュラルミン板を用いた。
上記枠ゲージに仕込んだ成型品を熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度164℃、加硫時間20分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫した。
プレス機より取り出し後、未加硫ブチルゴムシート2を覆っていたマットペットフィルムを剥ぎ取り、接合部から3〜5mm程度の長さを残して、未加硫ブチルゴムシート2をバイアスカッターを用いて斜めに切り取ることで、端部を接合できる加硫ゴムシートを製造した。なお、未加硫ブチルゴムシート2の加硫部分の接合部からの長さはゴム弾性の有無で測定したところ3〜5mmであった。
【0075】
実施例26
実施例25で得られた加硫ゴムシートを2枚と、接合用未加硫ブチルゴムシートを厚さ3mm×幅10mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断したシート1枚とを準備する。
なお、接合用未加硫ブチルゴムシートは、バイエル社製ブロモブチルゴム(商品名:ブロモブチルX2)50部および三井化学(株)製EPDMゴム(商品名:三井EPT3045)70部に、花王(株)製ステアリン酸1部と、東海カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:シースト#116)30部と、新日化カーボン(株)製カーボンブラック(商品名:HTC#SL)20部と、日本サン石油(株)製軟化剤(商品名:サンフレックス2280)10部、日油(株)製過酸化物架橋剤(商品名:パーヘキサ25B−100)5部とを配合して、このコンパウンドをロールで分出しして厚さ3mm×幅10mm×長さ300mmの短冊状の大きさに裁断して製造した。
加硫ゴムシート2枚の間に上記短冊状のシート1枚を、図7(b)に示すように配置して、接合部の未加硫部分には加硫剤溶液(日油(株)製過酸化物架橋剤(商品名:パーヘキサ25B−100)/トルエン=2g/500ml)を塗布・乾燥した。その後、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度151℃、加硫時間40分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで複合加硫ゴムシートを製造した。得られた複合加硫ゴムシートの接合部の外観、硬さ、引張り強さ、伸びを実施例2と同様に測定した。結果を表3に示す。なお、表3において、実施例26コントロールは、実施例25で得られた加硫ゴムシートの加硫部分の特性であり、実施例26従来接合品は、実施例25で準備した未加硫ブチルゴムシート1の端部同士8mmを重ね合わせて、熱盤に挟んでプレスに入れ、加硫温度151℃、加硫時間40分、加硫圧力として面圧1MPaの条件でプレス加硫することで得られた複合加硫ゴムシートの接合部の試験結果である。
【0076】
【表3】

【0077】
本願発明に係る実施接合品は、いずれも接合部外観が平坦であり、硬さ、引張り強さ、伸びで表したゴム特性が従来接合品よりも優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の加硫ゴムシートは接合方法が簡易であり、また、長さおよび幅方向に接合することができるので、任意の大きさの複合ゴムシートを得ることができる。
そのため、今後、真空プレス用シート、ラミネータ用シート、防水シート、防草シート等の分野で利用できる。
【符号の説明】
【0079】
1 加硫剤等を含む未加硫ゴムシート
2 加硫剤を含まない未加硫ゴムシート
3 接合部
4 熱盤
5 離型フィルム
6 加硫ゴムシート
7 加硫剤等を含む未加硫ゴムシート
8 複合加硫ゴムシート
9 接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部を接合できる加硫ゴムシートであって、前記端部は加硫剤を含まない未加硫帯部分を含み、この未加硫帯部分は、加硫剤を含む未加硫ゴムシートと端面接合して、または前記未加硫帯部分の接合部に加硫剤を存在させて接合して、加硫することにより加硫ゴムとなる幅の長さを有する帯部分であることを特徴とする加硫ゴムシート。
【請求項2】
前記端部は、一方のシート表面が加硫されていることを特徴とする請求項1記載の加硫ゴムシート。
【請求項3】
複数枚の加硫ゴムシートの少なくとも一端同士を端面接合させてなる複合加硫ゴムシートであって、
前記加硫ゴムシートが請求項1または請求項2記載の加硫ゴムシートであり、該加硫ゴムシートの端部の未加硫帯部分同士の間に、加硫剤を含む未加硫ゴムシートを端面接合して、この未加硫ゴムシートと前記未加硫帯部分同士とを同時加硫して一体化させてなることを特徴とする複合加硫ゴムシート。
【請求項4】
加硫ゴムシートの一端同士を端面接合させて、スリーブ状または無端ベルト状にした複合加硫ゴムシートであって、
前記加硫ゴムシートが請求項1または請求項2記載の加硫ゴムシートであり、該加硫ゴムシートの端部の未加硫帯部分同士の間に、加硫剤を含む未加硫ゴムシートを端面接合して、この未加硫ゴムシートと前記未加硫帯部分同士とを同時加硫して一体化させてなることを特徴とする複合加硫ゴムシート。
【請求項5】
複数枚の加硫ゴムシートの少なくとも一端同士を端面接合させてなる複合加硫ゴムシートであって、
前記加硫ゴムシートが請求項1または請求項2記載の加硫ゴムシートであり、該加硫ゴムシートの端部の未加硫帯部分同士を端面接合して、この端面接合部の未加硫帯部分に加硫剤溶液を塗布・乾燥後に前記未加硫帯部分同士を同時加硫して一体化させてなることを特徴とする複合加硫ゴムシート。
【請求項6】
加硫ゴムシートの一端同士を端面接合させて、スリーブ状または無端ベルト状にした複合加硫ゴムシートであって、
前記加硫ゴムシートが請求項1または請求項2記載の加硫ゴムシートであり、該加硫ゴムシートの端部の未加硫帯部分同士を端面接合して、この端面接合部の未加硫帯部分に加硫剤溶液を塗布・乾燥後に前記未加硫帯部分同士を同時加硫して一体化させてなることを特徴とする複合加硫ゴムシート。
【請求項7】
複数枚の加硫ゴムシートの少なくとも一端同士を接合させてなる複合加硫ゴムシートであって、
前記加硫ゴムシートが請求項1または請求項2記載の加硫ゴムシートであり、該加硫ゴムシートの端部の未加硫帯部分同士を接合して、この接合部の未加硫帯部分に加硫剤溶液を塗布・乾燥後に前記未加硫帯部分同士を同時加硫して一体化させてなることを特徴とする複合加硫ゴムシート。
【請求項8】
加硫ゴムシートの一端同士を接合させて、スリーブ状または無端ベルト状にした複合加硫ゴムシートであって、
前記加硫ゴムシートが請求項1または請求項2記載の加硫ゴムシートであり、該加硫ゴムシートの端部の未加硫帯部分同士を接合して、この接合部の未加硫帯部分に加硫剤溶液を塗布・乾燥後に前記未加硫帯部分同士を同時加硫して一体化させてなることを特徴とする複合加硫ゴムシート。
【請求項9】
前記同時加硫して一体化させた接合部のシート厚さが前記加硫ゴムシートの厚さと同一であることを特徴とする請求項3ないし請求項8のいずれか1項記載の複合加硫ゴムシート。
【請求項10】
前記複合加硫ゴムシートは布入りゴムシートであることを特徴とする請求項9記載の複合加硫ゴムシート。
【請求項11】
請求項1または請求項2記載の加硫ゴムシートの製造方法であって、
前記加硫剤を含む未加硫ゴムシートの端部に、前記加硫剤を含まない未加硫ゴムシートを端面接合する工程と、
前記加硫剤を含まない未加硫ゴムシートの少なくとも1つの表面を離型フィルムで覆う工程と、
前記加硫剤を含む未加硫ゴムシートと、前記加硫剤を含まない未加硫ゴムシートとを同時にプレス加硫することを特徴とする加硫ゴムシートの製造方法。
【請求項12】
前記加硫剤を含まない未加硫ゴムシートの少なくとも1つの表面を離型フィルムで覆う工程は、前記未加硫ゴムシートの1つの表面を離型フィルムで覆い、他の表面に加硫剤溶液を塗布・乾燥する工程であることを特徴とする請求項11記載の加硫ゴムシートの製造方法。
【請求項13】
請求項3または請求項4記載の複合加硫ゴムシートの製造方法であって、
前記加硫ゴムシートの端部の未加硫帯部分同士の間に、加硫剤を含む未加硫ゴムシートを端面接合する工程と、
この未加硫ゴムシートと前記未加硫帯部分同士とを同時加硫して一体化させる工程とを含むことを特徴とする複合加硫ゴムシートの製造方法。
【請求項14】
請求項5または請求項6記載の複合加硫ゴムシートの製造方法であって、
前記加硫ゴムシートの端部の未加硫帯部分同士を端面接合する工程と、
この端面接合部の未加硫帯部分に加硫剤溶液を塗布・乾燥後に前記未加硫帯部分同士を同時加硫して一体化させる工程とを含むことを特徴とする複合加硫ゴムシートの製造方法。
【請求項15】
請求項7または請求項8記載の複合加硫ゴムシートの製造方法であって、
前記加硫ゴムシートの端部の未加硫帯部分同士を重ね合わせて接合する工程と、
この重ね合わせ面となる部分の未加硫帯部分に加硫剤溶液を塗布・乾燥後に前記未加硫帯部分同士をプレス加硫して一体化させる工程とを含むことを特徴とする複合加硫ゴムシートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−120378(P2010−120378A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−235852(P2009−235852)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【出願人】(591005006)クレハエラストマー株式会社 (37)
【Fターム(参考)】