説明

加速度センサのオフセット検出装置、加速度センサのオフセット検出方法及び加速度センサのオフセット検出プログラム並びにナビゲーション装置

【課題】本発明は、加速度センサのゼロ重力オフセットを高精度に検出できるようにする。
【解決手段】速度検出ユニット2は、GPS処理部4から位置情報PSを取得できる場合、(15)式に従い、実際に加速度センサ11から得られた実検出加速度αGrと、位置情報PSに基づく車両加速度αP、距離Dm、気圧PRに基づく高度変化量Dh及び重力加速度gを用いた演算を行うことにより、オフセット加速度αoを高精度に算出することができ、当該オフセット加速度αoを換算したゼロ重力オフセット値Vzgoを基に、加速度検出信号SAを精度良く検出加速度αGに換算することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加速度センサのオフセット検出装置、加速度センサのオフセット検出方法及び加速度センサのオフセット検出プログラム並びにナビゲーション装置に関し、例えば車両に搭載されるナビゲーション装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置においては、移動する車両等に搭載され、GPS(Global Positioning System)衛星から送信されるGPS信号を基に現在位置を算出し、地図画面上に当該車両の位置や進行方向を示すようになされたものが広く普及している。
【0003】
このようなナビゲーション装置では、車両の進行方向への加速度を検出する加速度センサや当該車両の水平方向への回転角速度を検出するジャイロセンサ(ヨーレイトセンサ)等を用いて車両の速度及び進行方向を算出することにより、例えばビルの陰やトンネル内等、GPS信号を受信できない場合にも車両の現在位置を推定し得るようになされている。
【0004】
しかしながらこの加速度センサは、温度特性により、周囲の温度やナビゲーション装置自体の発熱等の影響により加速度を検出しないときの出力電圧、いわゆるゼロ重力オフセットが変動してしまうという問題があった。
【0005】
そこでナビゲーション装置のなかには、車両が傾斜面を走行する際に加速度センサの検出値に重力加速度の進行方向成分が含まれることを利用して高度変化量(高度差)を算出し、地図情報に格納されている高度データ等に基づく既知の高度変化量と比較することにより、ゼロ重力オフセット(加速度誤差)を算出するようになされたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−233306公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、かかる構成のナビゲーション装置においては、例えば地図情報に高度データが含まれていない場所を車両が走行しているときのように正確な高度変化量が不明である場合、ゼロ重力オフセットを算出できないという問題があった。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、加速度センサのゼロ重力オフセットを高精度に検出できる加速度センサのオフセット検出装置、加速度センサのオフセット検出方法及び加速度センサのオフセット検出プログラム並びに移動体の位置に関する高精度な情報を提示し得るナビゲーション装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明の加速度センサのオフセット検出装置、加速度センサのオフセット検出方法及び加速度センサのオフセット検出プログラムにおいては、所定の移動体における進行方向への加速度にオフセット変動分が加算された結果に相当する実検出加速度を加速度センサにより取得し、加速度センサが本来正確に検出すべき検出予定加速度を算出し、実検出加速度と検出予定加速度との差分を基に、加速度センサの特性により実検出加速度が検出予定加速度から変動したオフセット変動分を算出するようにした。
【0009】
これにより、実検出加速度と検出予定加速度との差分のみを基にオフセット変動分を算出することができ、当該オフセット変動分を反映させた高精度な加速度を求めることができる。
【0010】
また本発明のナビゲーション装置においては、所定の衛星測位システムからの測位信号を受信して所定の移動体の現在位置を算出する現在位置算出手段と、所定の移動体における進行方向への加速度にオフセット変動分が加算された結果に相当する実検出加速度を取得する加速度センサと、加速度センサが本来正確に検出すべき検出予定加速度を算出する検出予定加速度算出手段と、実検出加速度と検出予定加速度との差分を基に、加速度センサの特性により実検出加速度が検出予定加速度から変動したオフセット変動分を算出するオフセット算出手段と、オフセット算出手段により算出されたオフセット変動分を用いて加速度を算出し、当該加速度を用いて算出した移動体の速度を基に移動体の位置に関する情報を提示する情報提示手段とを設けるようにした。
【0011】
これにより、実検出加速度と検出予定加速度との差分のみを基にオフセット変動分を算出することができ、当該オフセット変動分を反映させた高精度な加速度を求めて移動体の位置に関する高精度な情報を提示することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、実検出加速度と検出予定加速度との差分のみを基にオフセット変動分を算出することができ、当該オフセット変動分を反映させた高精度な実検出加速度を求めることができ、かくして加速度センサのゼロ重力オフセットを高精度に検出できる加速度センサのオフセット検出装置、加速度センサのオフセット検出方法及び加速度センサのオフセット検出プログラムを実現できる。
【0013】
また本発明によれば、実検出加速度と検出予定加速度との差分のみを基にオフセット変動分を算出することができ、当該オフセット変動分を反映させることにより、移動体の位置に関する高精度な情報を提示し得るナビゲーション装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0015】
(1)第1の実施の形態
(1−1)ナビゲーション装置の構成
図1においてナビゲーション装置1は、移動体としての車両100(図2)に搭載されており、GPS(Global Positioning System)処理部4によってGPS衛星から受信したGPS信号を基に当該車両100の現在位置を算出し、ナビゲーションユニット3により所定の地図データ上に当該車両100の現在位置を示すマーク等を重畳して表示画面データを生成し、これを表示部5へ送出して表示画面を表示することにより、地図上における当該車両100の位置をユーザに視認させるようになされている。
【0016】
GPS処理部4は、GPSアンテナ6を介して複数のGPS衛星(図示せず)からのGPS信号を受信し、当該GPS信号を基に所定の位置算出処理を行うことにより位置信号PSを生成し、これを速度検出ユニット2の演算処理ブロック10及びナビゲーションユニット3へ供給する。
【0017】
速度検出ユニット2は、演算処理ブロック10を中心に構成されており、車両100の進行方向に作用する加速度を検出する加速度センサ11と、周囲の気圧を検出する気圧センサ12と、車両100の垂直方向回りの回転角速度を検出するヨーレイトセンサ13とが当該演算処理ブロック10に接続されている。
【0018】
加速度センサ11は、車両100の進行方向に作用する加速度に応じて0[V]から5[V]の範囲で電位が変動する加速度検出信号SAを生成し、これを演算処理ブロック10へ供給する。ちなみに加速度センサ11は、車両100の進行方向に一切の加速度が作用していない場合、加速度検出信号SAの電位が2.5[V]となるようになされている(以下、このときの加速度検出信号SAの電位をゼロ重力オフセット値Vzgoと呼ぶ)。
【0019】
気圧センサ12は、周囲の気圧に応じて電位が所定範囲で変動する気圧検出信号SRを生成し、これを演算処理ブロック10へ供給する。
【0020】
ヨーレイトセンサ13は、車両100における垂直方向回りの(すなわちヨー回転軸まわりの)角速度φを検出し、これを演算処理ブロック10へ供給する。
【0021】
演算処理ブロック10は、ゼロ重力オフセット値Vzgoと同一の変換基準電位Vsc(すなわち2.5[V])を基準として、加速度センサ11から供給される加速度検出信号SAを車両100の進行方向に作用する検出加速度αGに換算し、気圧センサ12から供給される気圧検出信号SRを周囲の気圧を表す気圧値PRに換算した上で、GPS処理部4から供給される位置信号PSと当該検出加速度αGと気圧値PRとを基に当該車両100の速度Vを算出し、これをナビゲーションユニット3へ送出するようになされている。
【0022】
演算処理ブロック10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)構成でなり、図示しないROM(Read Only Memory)から速度算出プログラム等の各種アプリケーションプログラムを読み出して実行することにより、所定の測定期間における車両100の移動距離を算出する移動距離算出部13、気圧PRを基に当該測定期間における当該車両100の高度差を算出する(詳しくは後述する)高度差算出部14、車両100が停車中または走行中のいずれであるかを判定する停車判定部15、当該車両100の速度Vを算出する(詳しくは後述する)速度算出部16、及び加速度センサ11から供給される検出加速度αGに含まれているゼロ重力オフセットZGO(詳しくは後述する)を算出するオフセット算出部17といった各処理機能を実現するようになされている。
【0023】
また演算処理ブロック10は、算出した速度Vやゼロ重力オフセットZGO等を不揮発性メモリでなる記憶部18に記憶し、また必要に応じて読み出すようになされている。
【0024】
ちなみにナビゲーション装置1は、車両100において生成され当該車両100の速度に応じて周期が変化するパルス状の車速パルス信号を利用しないようになされており、当該ナビゲーション装置1を当該車両100に取り付ける際の配線処理を簡略化し得るようになされている。
【0025】
このようにナビゲーション装置1の速度検出ユニット2は、車両100の速度Vを算出すると共に、加速度センサ11から供給される検出加速度αGに含まれているゼロ重力オフセットZGOを算出するようになされている。
【0026】
(1−2)本発明の基本原理
次に、本発明の基本原理を説明する。ここでは、図2(A)に示すように、車両100が水平面HZに対して勾配角度θをなす斜面SLを走行していると仮定する。この場合、加速度センサ11(図1)により検出された検出加速度αGには、車両100の移動に起因する本来の加速度(以下、これを車両加速度αPと呼ぶ)と、当該車両100に作用する重力加速度gの進行方向成分(以下、これを重力加速度成分gfと呼ぶ)とが加算された値に相当する。すなわち重力加速度成分gfは、検出加速度αGと車両加速度αPとの差分により次式
【0027】
【数1】

【0028】
のように算出することができる。
【0029】
ナビゲーション装置1の速度検出ユニット2(図1)は、複数時刻における複数の位置信号PSを基に距離及び速度を算出した上で当該車両加速度αPを算出し得るようになされている。
【0030】
ところで図2(B)及び(C)に示すように、計測開始時点としてのある時刻t0から計測終了時点としての時刻t1までの計測時間mt(例えば1秒間程度)の間に車両100が斜面SLを進行した距離Dmと、当該計測時間mtにおける当該車両100の高度変化量Dhとの比(すなわちsinθ)は、重力加速度成分gfと重力加速度gとの比(すなわちsinθ)に等しい。従って、次式
【0031】
【数2】

【0032】
の関係が成立する。
【0033】
ところで上述した距離Dmは、距離に関する速度及び加速度を用いた一般的な公式に従い、時刻t0における車両100の速度V0及び車両加速度αPを用いて次式
【0034】
【数3】

【0035】
のように表すことができる。ここで、(2)式を変形して(1)式及び(3)式を代入すると、次式
【0036】
【数4】

【0037】
のようになる。
【0038】
(1−2−1)速度の算出
ところでナビゲーション装置1の速度検出ユニット2(図1)は、ビルの陰やトンネル内等のようにGPSアンテナ6によってGPS衛星からのGPS信号を受信できない場合、ナビゲーションユニット3がGPS処理部4からの位置信号PSを基に車両100の現在位置を算出することができないため、車両100の速度V及び水平方向の角速度φを基に当該現在位置を推定し、これに基づいた地図画面を表示部5に表示するようになされている。
【0039】
しかしながらナビゲーション装置1の速度検出ユニット2(図1)は、GPSアンテナ6においてGPS信号を受信できないため、GPS処理部4から供給される位置信号PSの経時変化を基に速度Vを算出するといった単純な手法を用いることができない。
【0040】
そこで速度検出ユニット2の速度算出部16は、位置信号PSを用いることなく、時刻t0における速度V0を基に時刻t1における速度V1を算出するようになされている。以下では、その原理について説明する。
【0041】
まず、上述した(4)式を車両加速度αPについて整理すると、次式
【0042】
【数5】

【0043】
が得られる。ここで時刻t1における速度V1は、速度Vに関する一般的な物理の公式に従い、次式
【0044】
【数6】

【0045】
の関係が成立する。これは、速度V1が速度V0を基に算出され得ることを表している。ここで、(6)式に(5)式を代入することにより、次式
【0046】
【数7】

【0047】
を得ることができる。
【0048】
すなわち速度検出ユニット2は、高度変化量Dhを得ることができれば、検出加速度αG、計測時間mt、時刻t0における速度V0、重力加速度g及び当該高度変化量Dhを用いることにより、時刻t1における速度V1を算出することができる。
【0049】
この場合、速度検出ユニット2は、直接演算するのは(7)式であるものの、当該(7)式は(6)式に(5)式を代入したものである。従って速度検出ユニット2は、間接的に車両加速度αPを求め、これを用いて時刻t0における速度V0から時刻t1における速度V1を得ることになる。
【0050】
(1−2−2)停車状態の判定
ところで車速検出ユニット2は、(6)式に示したように、時刻t0の(すなわち直前の)速度V0を用いて時刻t1の(すなわち現在の)速度V1を算出するため、速度V0が誤っていると速度V1も誤った値となる。このため車速検出ユニット2は、車両100における最初の速度V、すなわち停車状態における速度Vを「ゼロ」として確実に検出する必要がある。
【0051】
ここで一般に車両100が走行している場合、道路の形状や交通状況等に応じて速度Vが絶えず変動することになるため、当該速度Vが継続して一定の値となる可能性は極めて低く、当該速度Vの値はある程度のばらつきを有することになる。これと反対に車両100が停車している場合、速度Vはゼロから変動せず一定の値となり、検出誤差を考慮したとしても、当該速度Vのばらつきが所定範囲内に収まることになる。
【0052】
そこで車速検出ユニット2は、停車判定部15によって、所定時間範囲(例えば5秒間)における速度Vの分散Vvarを算出し、当該分散Vvarが所定範囲内に収まっていれば車両100が停車していると判定し、このときの速度Vをゼロに補正するようになされている。
【0053】
これにより車速検出ユニット2は、車両100が走行状態又は停車状態のいずれにあるかを正しく判定することができ、停車状態である場合には速度Vをゼロに補正することにより、以降の速度Vを正しく算出することができる。
【0054】
(1−2−3)高度変化量の算出
次に、速度検出ユニット2(図1)における高度変化量Dhの算出処理について説明する。速度検出ユニット2は、上述した(2)式に示したように、距離Dm、重力加速度成分gf(すなわち検出加速度αG−車両加速度αP)及び重力加速度gを用いることにより高度変化量Dhを算出することができる。
【0055】
ここで速度検出ユニット2は、GPSアンテナ6においてGPS信号を受信できる場合、移動距離算出部13において計測時間mt内に車両100が移動した距離Dmを算出することができるので、当該距離Dmを基に車両100の速度Vを算出でき、さらにこれを基に車両加速度αPを算出することができる。
【0056】
しかしながら速度検出ユニット2は、GPSアンテナ6によってGPS衛星からのGPS信号を受信できずGPS処理部4において位置情報PSを生成できない場合、距離Dm及び車両加速度αPを算出することができないため、(2)式の関係からは高度変化量Dhを算出することができない。
【0057】
そこで速度検出ユニット2は、一般に気圧PRと高度hとの間に対応関係があることを利用し、GPS処理部4において位置情報PSを生成できない場合、気圧センサ12から取得した気圧PRを高度hに換算するようになされている。
【0058】
実際上速度検出ユニット2は、一般的な気圧と高度との対応関係を予めテーブル化した気圧高度対応テーブルTBLを記憶部18に記憶しており、時刻t0における気圧PR0及び時刻t1における気圧PR1を基に、当該気圧高度対応テーブルTBLから当該気圧PR0及びPR1に対応した高度h0及びh1をそれぞれ読み出すようになされている。
【0059】
続いて速度検出ユニット2は、時刻t0における車両100の高度h0と時刻t1における当該車両100の高度h1との差分である高度変化量Dhを次式
【0060】
【数8】

【0061】
に従って算出するようになされている。
【0062】
ここで、高度変化量Dhについては、一般的な道路における勾配の範囲や車両100の走行性能(すなわち単位時間当たりの移動距離)等を考慮すると、実際に取り得る範囲(以下、これを高度変化範囲と呼ぶ)の上限値及び下限値が存在すると考えられる。
【0063】
一方、車両100が実際に道路を走行する場合、例えば当該車両100の窓を開閉した際や、トンネルに入る際、或いは隣接車線とすれ違う際等に、これらの高度変化以外の要因により車室内の気圧が変化してしまう可能性がある(以下、これらの要因を非高度要因と呼ぶ)。
【0064】
このような場合、速度検出ユニット2は、非高度要因の影響を受けた気圧PRを基に誤った高度hを算出することになってしまい、これにより高度変化量Dhも誤った値となってしまう。
【0065】
ところで、このような非高度要因の影響を受ける場合、車室内の気圧PRは、高度のみに起因する場合と比較して、急激に変化すると考えられる。すなわち、このときの高度変化量Dhは、高度変化範囲から外れる可能性が高い。
【0066】
そこで速度検出ユニット2は、(8)式により算出した高度変化量Dhが高度変化範囲を外れる場合には、非高度要因の影響を受けているものと見なし、当該高度変化量Dhを補正するようになされている。
【0067】
具体的に速度検出ユニット2は、勾配角度θ(図2)の実際に取り得る最大値を最大勾配角度θmax(例えば0.05π[rad]等)として規定し、算出した高度変化量Dh及び直前の速度V0を用いた次式
【0068】
【数9】

【0069】
が成立するか否かを判定する。因みに(9)式の右辺は、直前の速度V0にsin(θmax)を乗じることにより、全体として「直前の速度V0から想定し得る最大の高度差」を表している。
【0070】
ここで(9)式が成立する場合、速度検出ユニット2は、(8)式により算出した高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けておらず正しい値であるものと見なし、特に補正を行わずに以降の処理を行う。
【0071】
一方、(9)式が成立しない場合、速度検出ユニット2は、(8)式により算出した高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けているものと見なし、次式
【0072】
【数10】

【0073】
に従い補正高度変化量Dhcを算出する。その後、速度検出ユニット2は、この補正高度変化量Dhcを新たな高度変化量Dhとして、以降の処理を行うようになされている。
【0074】
この場合、速度算出ユニット2は、車室内の気圧PRから正しい高度変化量Dhを算出することができないため、次善の策として、取り得る最大の高度変化量Dhとして補正高度変化量Dhcを算出し、これを高度変化量Dhとして用いることになる。
【0075】
また気圧は、一般に高度に応じて異なる値となり、同一の高度であっても低気圧や高気圧等といった天候の影響によりゆっくりと変動する。しかしながら、速度検出ユニット2が気圧PR0及びPR1を検出する際の時間差である計測時間mt(約1秒)は、天候の影響により有意な気圧変動が生じる時間よりも十分に短いため、高度hの相対的な差としての高度変化量Dhには天候等による気圧への影響が無いとみなすことができる。
【0076】
従って速度検出ユニット2は、気圧高度対応テーブルTBL及び(8)式により、信頼度が高い高度変化量Dhを得ることができ、このようにして算出した高度変化量Dhを(7)式に適用することができる。
【0077】
この場合速度検出ユニット2は、正確な車両加速度αPを算出することができないため、(1)式の関係により検出加速度αGに含まれている進行方向成分gfを直接算出することができないものの、(2)式に示した関係を利用して当該進行方向成分gfを高度変化量Dhによって相殺することができるため、結果的に当該進行方向成分gfに拘わらず(7)式によって高精度に速度Vを算出することができる。
【0078】
(1−2−4)ゼロ重力オフセットの算出
ところで加速度センサ11(図1)は、車両100が水平面HZ(図2)上で停止しているときのように当該車両100の進行方向に加速度が作用していない場合、図3(A)に示すように、当該加速度センサ11から出力する加速度検出信号SAの電位、すなわちゼロ重力オフセット値Vzgoが2.5[V]となる。
【0079】
しかしながら加速度センサ11は、その特性上、周囲の温度変化等の影響によりゼロ重力オフセット値Vzgoが2.5[V]から2.6[V]や2.7[V]等に変動してしまうことがある(図中破線で示す)。
【0080】
このとき速度検出ユニット2は、ゼロ重力オフセット値Vzgoが2.5[V]から変動しているにも拘わらず、図3(B)に示すように演算処理ブロック10において加速度検出信号SAから検出加速度αGに換算する際の変換基準電位Vscを変動前のゼロ重力オフセット値Vzgo(すなわち2.5[V])のままとした場合、誤った検出加速度αGに換算することになるため、上述した(7)式により算出する速度Vも誤った値となってしまう。
【0081】
このため速度検出ユニット2は、変動後のゼロ重力オフセット値Vzgoを検出した上で、当該ゼロ重力オフセット値Vzgoに基づいて変換基準電位Vscを更新することにより、加速度センサ11からの加速度検出信号SAを正しい検出加速度αGに換算することが望ましい。
【0082】
ここで、加速度センサ11から出力された加速度検出信号SAを換算した実際の検出加速度αG(以下、これを実検出加速度αGrと呼ぶ)については、加速度センサ11によって本来検出すべき検出加速度αG(以下、これを検出予定加速度αGiと呼ぶ)と、ゼロ重力オフセット値Vzgoの変動分に相当する加速度(以下、これをオフセット加速度αoと呼ぶ)とを用いた次式
【0083】
【数11】

【0084】
の関係が成立し、これを変形することにより次式
【0085】
【数12】

【0086】
が得られる。すなわちオフセット加速度αoは、実検出加速度αGrと検出予定加速度αGiとの差分として算出され得ることがわかる。
【0087】
ここで検出予定加速度αGiについては、上述した(1)式の関係を適用することができるため、(12)式を次式
【0088】
【数13】

【0089】
のように置き換えることができる。
【0090】
また、上述した(2)式を変形することにより次式
【0091】
【数14】

【0092】
を得ることができる。
【0093】
ここで速度検出ユニット2は、高度変化量Dhについては(8)式に示したように気圧センサ12(図1)から取得した気圧PRを基に算出することができ、また計測時間mtにおける距離Dm及び車両加速度αPについては、上述したように、GPSアンテナ6(図1)によりGPS信号を受信できる場合、移動距離算出部13において位置情報PSを基に当該距離Dmを求め、さらにこれを用いて当該車両加速度αPを算出することができる。
【0094】
すなわち速度検出ユニット2は、GPSアンテナ6によりGPS信号を受信できる場合、上述した(13)式に(14)式を適用することにより得られる次式
【0095】
【数15】

【0096】
に実検出加速度αGr、車両加速度αP、高度変化量Dh、距離Dm及び重力加速度gを代入することにより、オフセット加速度αoを算出することができる。
【0097】
このとき速度検出ユニット2は、オフセット加速度αoを換算することにより最新のゼロ重力オフセット値Vzgoを得ることができ、また記憶部18(図1)に記憶させている変換基準電位Vscを当該ゼロ重力オフセット値Vzgoと同一の値に更新することにより、演算処理ブロック10において加速度センサ11からの加速度検出信号SAをゼロ重力オフセット値Vzgoの変動が考慮された正しい検出加速度αGに換算することができる。
【0098】
ちなみに速度検出ユニット2は、GPSアンテナ6によりGPS信号を受信できGPS処理部4から位置情報PSを取得できるときには、(15)式に従いオフセット加速度αoを随時算出して変換基準電位Vscを随時更新し、当該GPS信号を受信できないときには、最新の変換基準電位Vscに基づいた、すなわちゼロ重力オフセット値Vzgoの変動が考慮された正しい検出加速度αGを用いて(7)式に従い速度Vを算出するようになされている。
【0099】
(1−3)速度出力処理
次に、速度検出ユニット2が車両100の速度Vを算出してナビゲーションユニット3へ出力する際の速度出力処理手順について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0100】
速度検出ユニット2の演算処理ブロック10は、ナビゲーション装置1の電源が投入されると速度出力処理手順RT1を開始してステップSP1へ移る。ステップSP1において演算処理ブロック10は、停車判定部15により車両100が停車状態にあるか否かを判定するために過去15秒間に算出した車速Vにおける分散Vvarを算出し、次のステップSP2へ移る。
【0101】
ステップSP2において演算処理ブロック10は、停車判定部15によりステップSP1において算出した車速Vの分散Vvarが所定の閾値以下に収まっているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは分散Vvarが比較的小さくまとまっていることから、車両100が停車状態にある可能性が非常に高いことを表しており、このとき演算処理ブロック10は次のステップSP3へ移る。
【0102】
ステップSP3において演算処理ブロック10は、記憶部18に記憶している直前の速度V0をゼロに補正し、次のステップSP4へ移る。
【0103】
一方ステップSP2において否定結果が得られると、このことは車速Vの分散Vvarがある程度大きいために車両100が走行状態にある可能性が高いことを表しており、このとき演算処理ブロック10は直前の速度V0を特に補正せずに次のステップSP4へ移る。
【0104】
ステップSP4において演算処理ブロック10は、GPS処理部4から位置情報PSを取得しているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことはGPS処理部4から取得できた位置情報PSを基に車両100の速度を算出できることを表しており、このとき演算処理ブロック10は次のサブルーチンSRT1へ移る。
【0105】
サブルーチンSRT1において演算処理ブロック10は、オフセット算出部17により上述した(15)式に従ってオフセット加速度αoを算出することにより変換基準電位Vscを更新し(詳しくは後述する)、次のステップSP5へ移る。
【0106】
ちなみに演算処理ブロック10は、サブルーチンSRT1においてオフセット加速度αoを算出する過程において、位置情報PSを基に現在の速度Vを算出するようになされている。
【0107】
一方ステップSP4において否定結果が得られると、このことはGPS処理部4から位置情報PSを取得できないために当該位置情報PSを用いずに速度Vを算出する必要があることを表しており、このとき演算処理ブロック10は次のサブルーチンSRT2へ移る。
【0108】
サブルーチンSRT2において演算処理ブロック10は、速度算出部16により上述した(7)式に従って現在の速度V(速度V1)を算出し(詳しくは後述する)、次のステップSP5へ移る。
【0109】
ステップSP5において演算処理ブロック10は、速度Vをナビゲーションユニット3へ送出し、次のステップSP6へ移る。
【0110】
ステップSP6において演算処理ブロック10は、測定時間mtが経過するまで待機した後、再度ステップSP1へ戻り一連の処理を繰り返す。
【0111】
(1−3−1)オフセット加速度算出処理
次に、演算処理ブロック10がオフセット算出部17によりオフセット加速度αoを算出する際のオフセット加速度算出処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは現在の時刻を時刻t1とし、当該時刻t1よりも測定時間mtだけ以前の時刻を時刻t0とする。
【0112】
演算処理ブロック10は、速度出力処理手順RT1(図4)からの呼び出しに応じて、図5に示すオフセット加速度算出サブルーチンSRT1を開始してステップSP11へ移る。ステップSP11において演算処理ブロック10は、加速度センサ11から現在の時刻t1における検出加速度αG1を取得し、気圧センサ12から気圧PR1を取得し、さらにGPS処理部4から位置情報PS1を取得して、次のステップSP12へ移る。
【0113】
ステップSP12において演算処理ブロック10は、予め記憶部18に記憶させておいた時刻t0における検出加速度αG0、気圧PR0及び位置情報PS0を読み出し、次のステップSP13へ移る。
【0114】
ステップSP13において演算処理ブロック10は、記憶部18に記憶している気圧高度対応テーブルTBLを用いて気圧PR0及びPR1に対応した高度h0及びh1を読み出し、(8)式に従い高度変化量Dhを算出すると、次の高度変化量補正サブルーチンSRT3(図6)へ移る。
【0115】
演算処理ブロック10は、ステップSP51へ移って高度変化量Dhが(9)式を満たすか否か、すなわち高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けていない可能性が高く、当該高度変化量Dhについて補正を行う必要がないことを表しており、このとき演算処理ブロック10はステップSP54へ移り、サブルーチンSRT3を終了して元のサブルーチンSRT1(図5)へ戻る。
【0116】
一方、ステップSP51において否定結果が得られると、このことは高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けている可能性が高く、当該高度変化量Dhについて補正を行うべきであることを表しており、このとき演算処理ブロック10は次のステップSP52へ移る。
【0117】
ステップSP52において演算処理ブロック10は、(10)式に従い補正高度変化量Dhcを算出し、次のステップSP53へ移り当該補正高度変化量Dhcを新たな高度変化量Dhとして、次のステップSP54へ移る。
【0118】
ステップSP54において演算処理ブロック10は、ルーチンRT3を終了して元のサブルーチンSRT1(図5)へ戻り、次のステップSP14へ移る。
【0119】
ステップSP14において演算処理ブロック10は、距離算出部13により位置情報PS0及びPS1を基に車両100が計測時間mtに移動した距離Dmを算出し、さらに当該距離Dmを基に速度Vを算出してから車両加速度αPを算出して、次のステップSP15へ移る。
【0120】
ステップSP15において演算処理ブロック10は、(15)式に従い実検出加速度αGr(この場合は検出加速度αG0)、車両加速度αP、高度変化量Dh、距離Dm及び重力加速度gを用いてオフセット加速度αoを算出し、次のステップSP16へ移る。
【0121】
ステップSP16において演算処理ブロック10は、オフセット加速度αoを電位に換算することによりゼロ重力オフセット値Vzgoを算出し、記憶部18に記憶している変換基準電位Vscを当該ゼロ重力オフセット値Vzgoと同一の値に更新して次のステップSP17へ移る。
【0122】
ステップSP17において演算処理ブロック10は、次回オフセット加速度αoを算出するときのために現在の時刻t1における検出加速度αG1、気圧PR1及び位置情報PS1を記憶部18に記憶させ、次のステップSP18へ移ってこのオフセット加速度算出サブルーチンSRT1を終了し、元の速度出力処理手順RT1(図4)へ戻る。
【0123】
(1−3−2)速度算出処理
次に、演算処理ブロック10がGPS処理部4から位置情報PSを取得できないときに速度算出部16により速度Vを算出する際の速度算出処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは現在の時刻を時刻t1とし、当該時刻t1よりも計測時間mtだけ以前の時刻を時刻t0とする。
【0124】
演算処理ブロック10は、速度出力処理手順RT1(図4)からの呼び出しに応じて、図7に示す速度算出サブルーチンSRT2を開始してステップSP21へ移る。ステップSP21において演算処理ブロック10は、加速度センサ11から現在の時刻t1における検出加速度αG1を取得すると共に気圧センサ12から気圧PR1を取得して、次のステップSP22へ移る。
【0125】
ステップSP22において演算処理ブロック10は、予め記憶部18に記憶させておいた時刻t0における検出加速度αG0、気圧PR0及び速度V0を読み出し、次のステップSP23へ移る。
【0126】
ステップSP23において演算処理ブロック10は、オフセット加速度算出サブルーチンSRT1(図4)のステップSP13と同様、記憶部18に記憶している気圧高度対応テーブルTBLを用いて気圧PR0及びPR1に対応した高度h0及びh1を読み出し、(8)式に従い高度変化量Dhを算出してサブルーチンSRT3(図6)へ移る。
【0127】
サブルーチンSRT3において演算処理ブロック10は、サブルーチンSRT1の場合と同様に、(9)式を用いて高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けているか否かを判定し、受けている場合には(10)式に従い補正高度変化量Dhcを算出して新たな高度変化量Dhとすることにより当該高度変化量Dhを補正した後、元のサブルーチンSRT2(図7)へ戻って次のステップSP24へ移る。
【0128】
ステップSP24において演算処理ブロック10は、(7)式に従い検出加速度αG0、時刻t0における速度V0、高度変化量Dh、計測時間mt及び重力加速度gを用いて現在の時刻t1における速度V1を算出し、次のステップSP25へ移る。
【0129】
ステップSP25において演算処理ブロック10は、次回速度Vを算出するときのために現在の時刻t1における検出加速度αG1、気圧PR1及び速度V1を記憶部18に記憶させ、次のステップSP26へ移ってこの速度算出サブルーチンSRT2を終了し、元の速度出力処理手順RT1(図4)へ戻る。
【0130】
(1−4)動作及び効果
以上の構成において、速度検出ユニット2は、GPSアンテナ6によりGPS信号を受信できる場合、(15)式に実検出加速度αGr、車両加速度αP、高度変化量Dh、距離Dm及び重力加速度gを代入することにより、オフセット加速度αoを算出する。
【0131】
従って速度検出ユニット2は、GPS処理部4から位置情報PSを取得できる場合、実際に加速度センサ11から得られた実検出加速度αGrと、位置情報PSに基づく車両加速度αP、距離Dm、気圧PRに基づく高度変化量Dh及び重力加速度gを用いることにより、オフセット加速度αoを高精度に算出することができる。
【0132】
この場合速度検出ユニット2は、検出予定加速度αgiの値を直接得ることはできないものの、(15)式に従い、実際に加速度センサ11から得られた実検出加速度αGrと、当該位置情報PSに基づく車両加速度αP、高度変化量Dh、距離Dm及び重力加速度gを基に得られた検出予定加速度αgi(すなわち(15)式の()内の項)との差分を基に、オフセット加速度αoを高精度に算出することができる。
【0133】
特に速度検出ユニット2は、高度変化量Dhを気圧PRに基づいて算出しているため、当該高度変化量Dhを地図情報等により予め取得しておく必要が無く、高度データの有無に拘わらず検出予定加速度αgiを算出することができ、これによりオフセット加速度αoを算出することができる。
【0134】
また速度検出ユニット2は、記憶部18に予め記憶させた気圧高度対応テーブルTBLを用いて気圧PRを高度hに換算することができるので、当該気圧PRを用いて所定の演算処理に従い当該高度hを算出する場合と比較して、演算処理量を削減することができる。
【0135】
さらに速度検出ユニット2は、(9)式を用いた判定により高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けているとみなした場合には、(10)式に従い補正高度変化量Dhcを算出する。これにより速度検出ユニット2は、(8)式のみでは非高度要因により大きく誤った値となっている可能性が高い高度変化量Dhを、いわば次善の値である補正高度変化量Dhcに補正することができるので、当該高度変化量Dhの値及び当該高度変化量Dhを用いて算出される速度Vの値における誤差の幅を縮めることができる。
【0136】
さらに速度検出ユニット2は、車両の走行中にオフセット加速度αoを算出することができるので、従来の手法で必要であった「水平な場所における静止状態でオフセット加速度を検出する」とった手間が不要となり、当該オフセット加速度αoの算出条件を大幅に緩和することができる。
【0137】
これにより速度検出ユニット2は、当該オフセット加速度αoを換算して最新のゼロ重力オフセット値Vzgoを得ることができ、当該ゼロ重力オフセット値Vzgoを基に、加速度センサ11の温度特性に影響されることなく、加速度検出信号SAを精度良く検出加速度αGに換算することができる。
【0138】
そのうえ速度検出ユニット2は、測定時間mt毎にオフセット加速度αoを算出することができるので、時間の経過と共にナビゲーション装置1の温度が上昇して随時変動する可能性があるオフセット加速度αoを随時更新することができ、常に高精度な検出加速度αgに換算することができる。
【0139】
以上の構成によれば、速度検出ユニット2は、GPS処理部4から位置情報PSを取得できる場合、(15)式に従い、実際に加速度センサ11から得られた実検出加速度αGrと、位置情報PSに基づく車両加速度αP、距離Dm、気圧PRに基づく高度変化量Dh及び重力加速度gを用いることにより、オフセット加速度αoを高精度に算出することができ、当該オフセット加速度αoを換算したゼロ重力オフセット値Vzgoを基に、加速度検出信号SAを高精度に検出加速度αGに換算することができる。
【0140】
(2)第2の実施の形態
(2−1)ナビゲーション装置の構成
図1との対応部分に同一符号を付した図8に示すように、第2の実施の形態におけるナビゲーション装置20は、速度検出ユニット2に代えて速度検出ユニット21が設けられている以外は、ナビゲーション装置1(図1)と同様の構成を有している。
【0141】
速度検出ユニット21は、速度検出ユニット2(図1)における演算処理ブロック10に代えて演算処理ブロック22を有している。演算処理ブロック22は、演算処理ブロック10の構成に加え、ヨーレイトセンサ13から供給される角速度φの補正処理を行う角速度補正部23が設けられている。
【0142】
図2(A)と対応する図9(A)に示すように、車両100が進行方向FWへ向かって水平面HZに対して勾配角度θをなす斜面SLを走行していると仮定する。
【0143】
ここでヨーレイトセンサ13により検出する角速度φは、図9(B)に示すように、斜面SL上における当該車両100の仮想的なヨー回転軸YAを中心とした回転角速度を表す。
【0144】
この場合、車両100が斜面SLを走行しているため、ヨーレイトセンサ13により検出する角速度φは、実際の車両100の回転角速度がcosθ倍された値となっている。
【0145】
そこで演算処理ブロック22の角速度補正部23(図8)は、事前準備として、(8)式に従い算出された高度変化量Dhと、(7)式に従い算出された速度Vを基に得られた移動距離Dmとを用いて、図2(C)に示したように次式
【0146】
【数16】

【0147】
の関係を用いてsinθを算出し、これを用いて一般的な三角関数の性質に基づいた次式
【0148】
【数17】

【0149】
によりcosθを算出する。
【0150】
次に角速度補正部23は、このcosθを用いて次式
【0151】
【数18】

【0152】
により図9(B)に示すような補正角速度φcを算出して、これを(7)式を基に算出された速度Vと共にナビゲーションユニット3へ送出する。
【0153】
これに応じてナビゲーションユニット3は、GPSアンテナ6によりGPS信号を受信できずGPS処理部4から位置情報PSを取得できない場合、GPS信号速度Vと補正角速度φcとを基に、直前の車両100の位置から現在の車両100の推定位置を算出する、いわゆるデッドレコニング(推測航法)を行うようになされている。
【0154】
このときナビゲーションユニット3は、車両100が斜面SLを走行中でありヨーレイトセンサ13により検出した角速度φが当該車両100の本来の角速度と異なっていたとしても、当該角速度φではなく当該斜面SLの勾配角度θに応じて補正された補正角速度φcを用いることにより、当該車両100の推定位置を高精度に算出することができる。
【0155】
これによりナビゲーション装置1は、位置情報PSに基づいた正確な現在位置を認識できなかったとしても、GPS信号速度V及び補正角速度φcに基づいた高精度な推定位置を表示画面の地図上に表示することができ、車両100の推定位置をユーザに視認させることができる。
【0156】
(2−2)速度出力処理手順
次に、速度検出ユニット21が車両100の速度Vを算出してナビゲーションユニット3へ出力する際の速度出力処理手順について、図4との対応部分に同一符号を付した図10のフローチャートを用いて説明する。
【0157】
速度検出ユニット21の演算処理ブロック22は、ナビゲーション装置20の電源が投入されると速度出力処理手順RT2を開始してステップSP1へ移る。なお、この速度出力処理手順RT2において、ステップSP1、SP2、SP3、SP4、サブルーチンSRT1、SRT2及びSRT3については、速度出力処理手順RT1(図4)の場合と同様であるため、その説明は省略する。
【0158】
演算処理ブロック22は、サブルーチンSRT2を終了した後、次のステップSP31へ移る。ステップSP31において演算処理ブロック22は、(8)式に従い算出された高度変化量Dhと、(7)式に従い算出された速度Vを基に得られた移動距離Dmとを用いて(16)式に従いsinθを算出し、これを基に(17)式に従いcosθを算出して次のステップSP32へ移る。
【0159】
ステップSP32において演算処理ブロック22は、(18)式に従い角速度φを補正した補正角速度φcを算出し、次のステップSP33へ移る。
【0160】
一方、演算処理ブロック22は、サブルーチンSRT1を終了すると次のステップSP33へ移る。
【0161】
ステップSP33において演算処理ブロック22は、速度V及び補正角速度φcをナビゲーションユニット3へ送出し、次のステップSP6へ移る。
【0162】
ステップSP6において演算処理ブロック10は、速度出力処理手順RT1(図4)の場合と同様、計測時間mtが経過するまで待機した後、再度ステップSP1へ戻り一連の処理を繰り返す。
【0163】
(2−3)動作及び効果
以上の構成において、速度検出ユニット21は、第1の実施の形態における速度検出ユニット2と同様に、GPSアンテナ6によりGPS信号を受信できる場合、(15)式に実検出加速度αGr、車両加速度αP、高度変化量Dh、距離Dm及び重力加速度gを代入することにより、オフセット加速度αoを算出する。
【0164】
従って速度検出ユニット21は、速度検出ユニット2と同様に、GPS処理部4から位置情報PSを取得できる場合、実際に加速度センサ11から得られた実検出加速度αGrと、位置情報PSに基づく車両加速度αP、距離Dm、気圧PRに基づく高度変化量Dh及び重力加速度gを用いることにより、オフセット加速度αoを高精度に算出することができる。
【0165】
また速度検出ユニット21は、GPS処理部4から位置情報PSを取得できない場合、(7)式に従って勾配角度θの影響を受けることなく速度Vを算出すると共に、(18)式に従い勾配角度θに応じて角速度φを補正角速度φcに補正することにより、当該勾配角度θに起因する誤差を除去することができる。
【0166】
このとき速度検出ユニット21は、オフセット加速度αoを随時更新できるので、車両100の走行中に突然トンネル内に入ったりビルの陰に隠れるなどしてGPS処理部4から位置情報PSを取得できなくなった場合であっても、最新のオフセット加速度αoを基に算出された速度V及び補正角速度φcを用いることにより、高精度なデッドレコニング(推測航法)を実現することができる。
【0167】
以上の構成によれば、速度検出ユニット21は、速度検出ユニット2と同様、GPS処理部4から位置情報PSを取得できる場合、(15)式に従い、実際に加速度センサ11から得られた実検出加速度αGrと、位置情報PSに基づく車両加速度αP、距離Dm、気圧PRに基づく高度変化量Dh及び重力加速度gを用いることにより、オフセット加速度αoを高精度に算出することができ、当該オフセット加速度αoを換算したゼロ重力オフセット値Vzgoを基に、加速度検出信号SAを高精度に検出加速度αGに換算することができる。
【0168】
(3)他の実施の形態
なお上述した実施の形態においては、GPS処理部4から供給される位置情報PSを基に車両加速度αPを算出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば車両100から速度に応じた周期のパルス信号でなる車速パルス信号を取得し、これを基に当該車両加速度αPを算出するようにしても良い。
【0169】
また上述した実施の形態においては、速度Vの分散Vvarを基に車両100の停車状態を判定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば角速度φの分散φvarを算出し、当該分散φvarを基に当該車両100の停車状態を判定するようにしても良い。
【0170】
さらに上述した実施の形態においては、オフセット加速度算出サブルーチンSRT1(図5)のステップSP15において時刻t0における検出加速度αG0を用いてオフセット加速度α0を算出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば時刻t1における検出加速度αG1を用いたり、或いは検出加速度αG0と検出加速度αG1との平均値を用いる等して当該オフセット加速度α0を算出するようにしても良い。
【0171】
さらに上述した実施の形態においては、周囲の気圧PRの変化量を基に高度変化量Dhを算出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば垂直方向の加速度を検出する垂直加速度センサを設け、当該垂直加速度センサによる検出値を高度変化量に換算するようにしても良い。
【0172】
さらに上述の実施の形態においては、記憶部18に予め記憶された気圧高度対応テーブルTBLに従い気圧PRから高度hに換算するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば次式
【0173】
【数19】

【0174】
に従って気圧PRを基に高度hを算出するようにしても良い。ここでtは高度h=0[m]における気温であり、PRは高度h=0[m]における気圧を表す。
【0175】
これにより、演算処理量が増加するものの、高度hの算出精度を向上させることができる。
【0176】
さらにこの場合、(19)式をグラフ化した図11に示すように、比較的高度が低い部分ARでは特性曲線Qを近似直線ALのように近似することができるので、車両100の現在位置における高度が比較的低いことがわかっている場合、近似直線ALを表す次式
【0177】
【数20】

【0178】
に従い高度変化量Dhを近似的に算出するようにしても良い。これにより、(19)式の演算を行う場合と比較して、演算処理ブロック10及び22における演算処理を簡略化することができる。
【0179】
さらに上述した実施の形態においては、(9)式が成立せず高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けていると判定された際、(10)式により算出される補正高度変化量Dhcを新たな高度変化量Dhとするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば前回の高度変化量Dhをそのまま新たな高度変化量Dhとするようにし、又は前々回の高度変化量Dhと前回の高度変化量Dhとを基に今回の高度変化量Dhの予測値を算出してこれを新たな高度変化量Dhとする等、他の手法により新たな高度変化量Dhを算出するようにしても良い。
【0180】
さらに上述した実施の形態においては、(8)式により算出した高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けているか否かを、最大勾配角度θmaxを用いた(9)式により判定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば高度変化量Dhの取り得る最大値として最大高度変化量Dhmaxを規定しておき、高度変化量Dhの絶対値と最大高度変化量Dhmaxとの比較結果を基に、高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けているか否かを判定するようにしても良い。
【0181】
ここで高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けていると判定された場合には、最大高度変化量Dhmaxを新たな高度変化量Dhとして、以降の処理を行うようにすれば良い。
【0182】
また、単位時間当たりの勾配角度θの変化量として勾配変化率λを規定し、当該勾配変化率λを用いて高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けているか否かを判定するようにしても良い。
【0183】
例えば、車両100の通常走行時における勾配変化率λの取り得る最大値として、最大勾配変化率λmaxを設定しておく。速度検出ユニット2は、図2(C)に示した関係から得られる次式
【0184】
【数21】

【0185】
に従って直前の時刻t0における高度変化量Dh及び距離Dmを用いて直前の勾配角度θ0を算出し、次式
【0186】
【数22】

【0187】
が共に成立するか否かを基に、高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けているか否かを判定するようにしても良い。
【0188】
ここで、(22a)式又は(22b)式が満たされず高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けていると判定された場合には、次式
【0189】
【数23】

【0190】
に従い補正高度変化量Dhc2を算出し、これを新たな高度変化量Dhとすれば良い。
【0191】
さらには、車両100の縦方向に加えられる加速度成分(いわゆる縦G、以下これを縦加速度αvと呼ぶ)を用いて高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けているか否かを判定するようにしても良い。
【0192】
一般的な物理の法則に従い、縦加速度αvと勾配変化率λとの間には、次式
【0193】
【数24】

【0194】
の関係が成立する。そこで、車両100の通常走行時における縦加速度αvの取り得る最大値として最大縦加速度αvmaxを設定しておき、速度検出ユニット2において、(22)式に(24)式を当てはめることにより得られる次式
【0195】
【数25】

【0196】
が共に成立するか否かを基に、高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けているか否かを判定するようにしても良い。
【0197】
ここで、(25a)式又は(25b)式が満たされず高度変化量Dhが非高度要因の影響を受けていると判定された場合には、次式
【0198】
【数26】

【0199】
に従い補正高度変化量Dhc3を算出し、これを新たな高度変化量Dhとすれば良い。
【0200】
さらに上述した実施の形態においては、GPSアンテナ6により受信したGPS信号を基にGPS処理部4により位置信号PSを生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば準天頂衛星システム、グローナス(GLONASS:Global Navigation Satellite System)やガリレオ(GALILEO)等の種々の衛星測位システムを利用し、それぞれの測位信号を受信して測位処理を行い位置信号PSを生成するようにしても良い。
【0201】
さらに上述した実施の形態においては、車両100に搭載されるナビゲーション装置1及び20に本発明を適用するようにした場合について述べたが、これに限らず、例えば携帯型のナビゲーション装置や、GPS受信機能を有するPDA、携帯電話機、パーソナルコンピュータ等、車速パルス信号又はこれに類する信号を利用せずにナビゲーション機能を実現する種々の電子機器に本発明を適用するようにしても良い。この場合、当該電子機器は車両100に限らず、船舶や航空機等に搭載されても良く、或いは単独で用いられても良い。
【0202】
さらに上述の実施の形態においては、加速度センサとしての加速度センサ11と、検出予定加速度算出手段としての演算処理ブロック10と、オフセット算出手段としてのオフセット算出部18とによって加速度センサのオフセット検出装置としての速度検出ユニット2及び21を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなる加速度センサと、検出予定加速度算出手段と、オフセット算出手段とによって加速度センサのオフセット検出装置を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0203】
本発明は、加速度センサを有する種々のナビゲーション装置でも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0204】
【図1】第1の実施の形態によるナビゲーション装置の回路構成を示すブロック図である。
【図2】高度変化量の算出原理の説明に供する略線図である。
【図3】ゼロ重力オフセットの変動と変換基準電位の更新の説明に供する略線図である。
【図4】第1の実施の形態による速度出力処理手順を示すフローチャートである。
【図5】オフセット加速度算出処理手順を示すフローチャートである。
【図6】高度変化量補正処理手順を示すフローチャートである。
【図7】速度算出処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態によるナビゲーション装置の回路構成を示すブロック図である。
【図9】角速度の補正の説明に供する略線図である。
【図10】第2の実施の形態による速度出力処理手順を示すフローチャートである。
【図11】気圧と高度との関係を示す略線図である。
【符号の説明】
【0205】
1、20……ナビゲーション装置、2、21……速度検出ユニット、3……ナビゲーションユニット、4……GPS処理部、10、22……演算処理ブロック、11……加速度センサ、12……気圧センサ、13……ヨーレイトセンサ、15……高度変化量算出部、16……停車判定部、17……速度算出部、19……記憶部、V……速度、αG……検出加速度、αP……車両加速度、gf……重力加速度成分、Dh……高度変化量、Dm……距離、mt……計測時間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の移動体における進行方向への加速度にオフセット変動分が加算された結果に相当する実検出加速度を取得する加速度センサと、
上記加速度センサが本来正確に検出すべき検出予定加速度を算出する検出予定加速度算出手段と、
上記実検出加速度と検出予定加速度との差分を基に、上記加速度センサの特性により上記実検出加速度が検出予定加速度から変動した上記オフセット変動分を算出するオフセット算出手段と
を具えることを特徴とする加速度センサのオフセット検出装置。
【請求項2】
上記検出予定加速度算出手段は、
上記移動体の加速度そのものを表す移動体加速度と上記移動体に作用する重力加速度の上記進行方向成分とをそれぞれ算出して加算することにより上記検出予定加速度を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の加速度センサのオフセット検出装置。
【請求項3】
気圧を検出する気圧センサと、
所定計測期間における上記移動体の移動距離を算出する移動距離算出手段と、
を具え、
上記検出予定加速度算出手段は、
上記気圧センサにより検出した気圧を基に上記計測期間における上記移動体の高度変化量を算出し、当該高度変化量に対する上記移動距離の比と重力加速度定数とを用いて上記重力加速度の上記進行方向成分を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の加速度センサのオフセット検出装置。
【請求項4】
上記検出予定加速度算出手段は、
上記高度変化量が所定の高度変化範囲内に収まっていない場合、上記高度変化量を当該高度変化範囲内に収めるよう補正する
ことを特徴とする請求項3に記載の加速度センサのオフセット検出装置。
【請求項5】
上記検出予定加速度算出手段は、
上記高度変化量から得られる勾配角度の最大値である最大勾配角度を基に、上記高度変化量が上記高度変化範囲内であるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項3に記載の加速度センサのオフセット検出装置。
【請求項6】
上記検出予定加速度算出手段は、
上記高度変化量から得られる勾配角度の単位時間当たりにおける勾配変化率の最大値である最大勾配変化率を基に、上記高度変化量が上記高度変化範囲内であるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項3に記載の加速度センサのオフセット検出装置。
【請求項7】
上記移動距離算出手段は、
所定の衛星測位信号受信測位手段により取得した位置情報又は速度情報を用いて上記移動距離を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の加速度センサのオフセット検出装置。
【請求項8】
所定の移動体における進行方向への加速度にオフセット変動分が加算された結果に相当する実検出加速度を加速度センサにより取得する検出加速度取得ステップと、
上記加速度センサが本来正確に検出すべき検出予定加速度を算出する検出予定加速度算出ステップと、
上記実検出加速度と検出予定加速度との差分を基に、上記加速度センサの特性により上記実検出加速度が検出予定加速度から変動した上記オフセット変動分を算出するオフセット算出ステップと
を具えることを特徴とする加速度センサのオフセット検出方法。
【請求項9】
加速度センサのオフセット検出装置に対して、
所定の移動体における進行方向への加速度にオフセット変動分が加算された結果に相当する実検出加速度を加速度センサにより取得する検出加速度取得ステップと、
上記加速度センサが本来正確に検出すべき検出予定加速度を算出する検出予定加速度算出ステップと、
上記実検出加速度と検出予定加速度との差分を基に、上記加速度センサの特性により上記実検出加速度が検出予定加速度から変動した上記オフセット変動分を算出するオフセット算出ステップと
を実行させることを特徴とする加速度センサのオフセット検出プログラム。
【請求項10】
所定の衛星測位システムからの測位信号を受信して所定の移動体の現在位置を算出する現在位置算出手段と、
所定の移動体における進行方向への加速度にオフセット変動分が加算された結果に相当する実検出加速度を取得する加速度センサと、
上記加速度センサが本来正確に検出すべき検出予定加速度を算出する検出予定加速度算出手段と、
上記実検出加速度と検出予定加速度との差分を基に、上記加速度センサの特性により上記実検出加速度が検出予定加速度から変動した上記オフセット変動分を算出するオフセット算出手段と、
上記オフセット算出手段により算出された上記オフセット変動分を用いて上記加速度を算出し、当該加速度を用いて算出した上記移動体の速度を基に上記移動体の位置に関する情報を提示する情報提示手段と
を具えることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−101527(P2007−101527A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−203555(P2006−203555)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】