説明

加飾シート材料

【課題】トリム本体に取り付けられるか、あるいはトリム基材と一体成形される加飾シート材料であって、接着剤、粘着剤中のVOCを吸着するとともに、車室内のVOCを加飾シート材料中に取り込むことで、車室内のVOC濃度を低減する。
【解決手段】加飾シート30は、表面層31、クッション層32、裏面層33の三層積層体からなり、裏面層33は、繊維質シート材の繊維素33aにVOC吸着剤33bを付着させた構成であり、内装トリム本体20の表面に接着剤50、あるいは粘着剤34を介して加飾シート30を一体化する構成を採用すれば、接着剤50や粘着剤34中のVOCを加飾シート30における裏面層33のVOC吸着剤33bにより吸着するとともに、車室内のVOCについても、表面層31、クッション層32を通じて裏面層33のVOC吸着剤33bで吸着することで車室内のVOC濃度を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クッション層の表裏面側に表面層、裏面層を積層一体化してなる三層積層体から構成される加飾シート材料に係り、特に、内装トリム本体との接着時に使用される接着剤、あるいは粘着剤に含まれる揮発性有機化合物(以下VOCという)が車室内に放散されるのを確実に防止できる加飾シート材料に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は車両のドアパネルの室内面に内装されるドアトリム1の構成を示す説明図であり、ドアトリム1は、所要形状に成形されたドアトリム本体2の表面略中央部(中接部)a(図中斜線で示す)に加飾シート3を貼付して構成されている。
【0003】
上記ドアトリム本体2は、PP樹脂、PE樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂の射出成形体、あるいはモールドプレス成形体から構成され、所望ならば、表面にクロス、不織布等の表皮を一体貼着することも可能である。そして、中接部aの下方に室内側に膨出し、乗員が肘を掛けて休めるアームレスト2aが形成され、このアームレスト2aの下方に備品を収容できるドアポケット2bが付設され、そのフロント側にスピーカグリル2cが一体、あるいは別体に設けられている。
【0004】
そして、従来では、ドアトリム本体2の表面の一部に加飾シート3を貼付する工法として、例えば、図9(a)、(b)に示す粘着工法と接着工法が採用されている。まず、図9(a)に示す粘着工法では、予め所要形状に成形されたドアトリム本体2を圧着金型にセットし、その後、加飾シート3を中接部形状に沿ってカット処理した後、離型紙を剥がし、加飾シート3裏面に塗布されている粘着剤を介してドアトリム本体2の中接部aにあてがい、圧着金型を型締めし、所望ならば木目込みバーによる木目込み処理を行なって、ドアトリム本体2の表面所定箇所に加飾シート3を圧着一体化している。この粘着工法については、特許文献1に詳細に記載されている。
【0005】
次いで、図9(b)に示す接着工法の概要について説明する。この接着工法においても、圧着金型に所要形状に成形されたドアトリム本体2をセットした後、ドアトリム本体2の中接部aに接着剤を塗布し、その後、中接部a形状にカット処理された加飾シート3を圧着金型にセットして、圧着金型を型締め及び木目込み処理することで、接着剤を介してドアトリム本体2の中接部aに加飾シート3を圧着一体化している。この接着工法の従来例としては、特許文献2に詳細に記載されている。
【0006】
また、加飾シート3の素材としては、図10(a)に示すように、クロス3a等の単体シート、図10(b)に示すように、クロス3aの裏面にウレタン発泡体等のクッション層3bを裏打ちした二層積層体からなる加飾シート3、あるいは図10(c)に示すように、クロス3aの裏面にウレタン等のクッション層3bを裏打ちし、更に、最下層に不織布等の基布3cを裏打ちした三層積層体からなる加飾シート3がそれぞれ用途に合わせて採用されており、特に最近では、クッション性を満足させるとともに、接着剤接合時における表面不良を避けるために、図10(c)に示す三層積層体からなる加飾シート3が注目されている。
【0007】
【特許文献1】特開2002−18964号公報
【0008】
【特許文献2】特開平2−305627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、ドアトリム1における中接部aに装着される従来の加飾シート3としては、クロス3a等の単体シートでは接着剤等が製品表面に染み出し、表面外観、手触り感を低下させる欠点がある。また、クロス3aの裏面にクッション層3bを裏打ちした二層積層体からなる加飾シート3では、ソフト感はある程度確保できるものの、表面凹凸や手触り感等に問題がある。従って、接着剤が染み出すことがなく、かつソフト感を確保し、しかも表面凹凸等の表面不良が生じることがない図10(c)に示す三層積層体からなる加飾シート3が最適である。
【0010】
しかしながら、この三層積層体からなる加飾シート3を使用した場合においても、ドアトリム本体2と加飾シート3とを粘着剤や接着剤を介して一体化するため、粘着剤や接着剤中のVOCが加飾シート3を通して車室内に放散され、車室内の快適性を阻害する要因となっている。
【0011】
また、最近の傾向として、車室内の快適性を確保するために、車室内の臭気を低減することが要求項目として挙げられ、官能評価である一定レベル以下の臭気の尺度が試験項目として設定されるようになってきているのが実情であることから、VOC対策が重要項目となっている。
【0012】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、内装トリムに使用される加飾シート材料であって、内装トリム本体と加飾シート材料との間を接着剤、粘着剤を介して接着する際、接着剤、粘着剤に含まれるVOCが車室内に放散されるのを防止でき、更に、車室内のVOCについても、加飾シート材料内部に取り込むことで、車室内のVOC濃度を低減でき、車室内の快適性を高めることができる加飾シート材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、クッション層の表裏面に表面層、裏面層を積層した三層積層体から構成され、内装トリム本体の表面に接着剤、あるいは粘着剤を介して圧着一体化される加飾シート材料において、前記加飾シート材料における裏面層は、繊維質シート材から構成され、接着剤、あるいは粘着剤中に含まれるVOCを吸着するVOC吸着剤が繊維質シート材中の繊維素に付着処理されていることを特徴とする。
【0014】
ここで、加飾シート材料を構成する表面層、クッション層、裏面層の三層については、まず、表面層は、クロス、不織布等、手触り感、見栄えに優れた繊維質シート材が使用される。次いで、クッション層としては、スラブウレタンシート、PP発泡シート、PE発泡シート等、クッション機能を備えた発泡樹脂シートが使用される。
【0015】
また、裏面層としては、カード、あるいはエアレイ工法により製造されたクッション状のものであり、天然繊維、あるいは合成繊維を使用した不織布、あるいはフエルト等の繊維質シート材が使用され、この繊維素には、VOC吸着剤が付着されている。
【0016】
上記対象となるVOCとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フロン12、エタン、塩化ビニル等、沸点:<0〜50−100℃で比較的沸点が低いVVOC(超揮発性有機化合物)、トルエン、キシレン、ベンゼン、スチレン等、沸点:50−100〜240−260℃のVOCが挙げられる。
【0017】
そして、VOC吸着剤としては、シリカ等の多孔質粒状体、活性炭、アルミノケイ酸化合物等を使用できる。また、VOC吸着剤と同時に例えば、酸化チタン等の分解触媒を同時に添加することもできる。
【0018】
更に、用途としては、所要形状に成形されたドアトリム本体の表面の一部に装着される中接部材の他に、ドアトリム、ラゲージサイドトリム、ルーフトリム等において、予め所要形状に成形したトリム基材の表面に接着剤、粘着剤を介して表皮として貼付する際にも適用できる。
【0019】
以上の構成から明らかなように、加飾シート材料は、クッション層の表裏面にそれぞれ表面層、裏面層が積層された三層積層体から構成されていることにより、ソフト感、手触り感に優れ、かつ表面不良が解消される等、品質性能に優れるとともに、裏面層を構成する繊維質シート材は、繊維素にVOC吸着剤が付着していることにより、接着剤、粘着剤中に含まれるVOCがこのVOC吸着剤に効率良く吸着されることで、車室内にVOCが放散されることがない。
【0020】
次いで、本発明の好ましい実施の態様においては、クッション層の表裏面に表面層、裏面層を積層した三層積層体から構成され、トリム基材の成形時にトリム基材の表面に一体貼着されて内装部品を構成する加飾シート材料において、前記加飾シート材料における裏面層は、繊維質シート材から構成され、車室内のVOCを吸着するVOC吸着剤が繊維質シート材中の繊維素に付着処理されていることを特徴とする。
【0021】
そして、この実施の態様においても、トリム基材の表面に貼着一体化される加飾シート材料について、クッション層の裏面側に位置する繊維質シート材の繊維素には、VOC吸着剤が付着しているため、車室内に発生するVOCを加飾シート材料中に取り込んで吸着することができるため、車室内のVOC濃度を低減させることができる。
【0022】
更に、この実施の態様においては、同一金型内でトリム基材と加飾シート材料とを所要形状に成形する際、トリム基材の成形時に発生するVOCを加飾シート材料中のVOC吸着剤により吸着処理することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明した通り、本発明に係る加飾シート材料は、クッション層の表裏面側にそれぞれ表面層、裏面層が積層一体化された三層積層体から構成され、特に、裏面層を構成する繊維質シート材の繊維素にVOC吸着剤が付着処理されているため、所要形状に成形された内装トリム本体の表面の一部、あるいは全面に接着剤、又は粘着剤を介して加飾シート材料を圧着一体化する構成に採用すれば、接着剤、粘着剤に含まれるVOCを加飾シート材料中のVOC吸着剤により有効に吸着することができるため、VOCが車室内に放散されることがなく、車室内の快適性を高めることができるという効果を有する。
【0024】
更に、本発明に係る加飾シート材料を金型内にセットして、トリム基材と一体成形する構成を採用すれば、トリム基材成形時に発生するVOCを加飾シート材料の裏面層におけるVOC吸着剤で吸着処理できるとともに、車室内に発生するVOCを加飾シート材料内部に取り込み、車室内のVOC濃度を低減することができ、車室内の快適性を高めることができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る加飾シート材料の実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0026】
図1乃至図5は本発明の第1実施例を示すもので、図1は本発明に係る加飾シート材料を中接部材として使用したドアトリムを示す正面図、図2は同ドアトリムの構成を示す断面図、図3は同ドアトリムに使用する中接部材の断面構造を示す説明図、図4,図5は同ドアトリムの製造方法の概要を示す各説明図である。
【0027】
図1,図2において、ドアトリム10は、所要の曲面形状に成形されたドアトリム本体20と、このドアトリム本体20の中接部分に装着される加飾シート30とから大略構成されている。更に詳しくは、上記ドアトリム本体20は、PP樹脂のモールドプレス成形体から構成されており、表面略中央に、乗員が肘を掛けて休めるようにアームレスト21が室内側に膨出するように形成され、この下方には備品を収容できるポケット開口22が開設され、図示はしないが、ポケット開口22の背面側にポケットバックカバーが装着されており、ポケット開口22のフロント側にスピーカグリル23がドアトリム本体20と一体あるいは別体に取り付けられている。尚、所望ならば、PP樹脂成形体の表面にクロス、樹脂シート等から適宜選択される表皮を成形時に一体成形することもできる。
【0028】
次いで、加飾シート30は、表面層31、クッション層32、裏面層33の三層積層体から構成されており、表面層31としては、手触り感、見栄えに優れたクロス、不織布等の布地シートが好ましく、本実施例ではクロスが使用されている。次いで、クッション層32としては、ポリウレタンシート、ポリプロピレン発泡シート、ポリエチレン発泡シート、ポリスチレン発泡シート等の発泡樹脂シート等が好ましく、この実施例では、ポリウレタンシートが使用されている。
【0029】
また、裏面層33としては、不織布、フエルト等の繊維質シート材が使用され、この実施例では、ポリエステル繊維とPP繊維との混紡不織布が使用され、特に、図3に拡大して示すように、裏面層33においては、繊維素33aとこの繊維素33aにVOC吸着剤33bが付着した構成である。このVOC吸着剤33bとしては、特に、材質は限定しないが、シリカ等の多孔質粒状体、活性炭、アルミノケイ酸化合物等の使用が可能である。また、繊維素33aとVOC吸着剤33bとを混合する際、分解触媒(例えば、酸化チタン等)を同時に添加することもできる。
【0030】
上記裏面層33の製造工程としては、カード、あるいはエアレイ工法により、不織布シートをマット状に積層する際、VOC吸着剤33bをバインダ溶液に混入して、このVOC吸着剤33bを混入したバインダ溶液をマット状に集積した集積体にコーティング処理することで、VOC吸着剤33bを繊維素33aの表面に付着させることができる。
【0031】
次いで、図2の断面構造で示すように、ドアトリム本体20の中接部分に加飾シート30が圧着一体化されるが、その工法としては、図4に示す接着工法と図5に示す粘着工法とがある。まず、接着工法について図4を基に説明すると、所要形状に成形されたドアトリム本体20を圧着下型40の型面上にセットした後、圧着上型41の型面に加飾シート30を表面層31が圧着上型41の型面に接するようにセットする。この圧着上型41は、上側テーブル42にスプリング43を介して保持されており、上側テーブル42は、昇降シリンダ44により所定ストローク上下動を行ない、上側テーブル42の下面には、木目込み溝の形状に沿って木目込みバー45が直接固定されている。
【0032】
従って、圧着下型40の型面にドアトリム本体20をセットした後、ドアトリム本体20の中接部相当箇所に接着剤50をスプレーガン51により塗布した後、昇降シリンダ44を動作させ、上側テーブル42を下降させて、圧着上型41と圧着下型40との間の型締めにより、加飾シート30をドアトリム本体20の中接部表面に圧着一体化し、その後、更に、昇降シリンダ44が下降し、スプリング43の緩衝作用により、圧着上型41が停止した状態で木目込みバー45のみが下降し、木目込み処理を行ない、図2に示すドアトリム10の製造が完了する。
【0033】
そして、上述した工法により製造されたドアトリム10においては、加飾シート30は、接着剤50を介してドアトリム本体20の中接部分に圧着一体化されているが、この接着剤50中に含まれるVOCについては、加飾シート30の裏面層33中にVOC吸着剤33bが混入されているため、接着剤50に含まれるVOCはVOC吸着剤33bに有効に吸着捕捉されて、車室内に放散されることがなく、また、車室内に残存するVOCについても、表面層31、クッション層32を通じて裏面層33内に取り込み、このVOC吸着剤33bで捕捉することができるため、車室内のVOC濃度を低減することができ、車室内の快適性を良好に維持できるという効果がある。
【0034】
次いで、図5は粘着工法によりドアトリム本体20の中接部分に加飾シート30を圧着一体化する概要を示すもので、ドアトリム本体20を圧着下型40にセットする工程は、接着工法と同様であるが、加飾シート30は、裏面層33の裏面側に粘着剤34がコーティングされており、離型紙34aを剥離操作することで、粘着剤34を臨ませ、その後、圧着下型40にセットしたドアトリム本体20の中接部表面に加飾シート30の粘着剤34を当接させることによりセットが完了する。その後、図4に示す構造の圧着上型41により型締めし、木目込み処理を行なって、図2に示すドアトリム10の製造を完了する。
【0035】
この粘着工法においても、加飾シート30は、ドアトリム本体20の中接部分に粘着剤34を介して圧着一体化しているが、粘着剤34中に含まれるVOCが裏面層33に含まれるVOC吸着剤33bにより有効に吸着捕捉されることで、粘着剤34に含まれるVOCが車室内に放散されることがなく、また、車室内のVOCを表面層31、クッション層32を通じて裏面層33内に吸着処理することができ、車室内のVOC濃度を低減することができるという第1実施例と同様の効果がある。尚、加飾シート30を内装トリムにおけるトリム基材の表面に貼付する表皮として使用することもできる。
【実施例2】
【0036】
図6,図7は本発明の第2実施例を示すもので、図6は本発明に係る加飾シート材料をドアトリムの表皮として使用した形態を示すドアトリムの断面図、図7は同ドアトリムの製造工程を示す概要図である。
【0037】
図6において、自動車用ドアトリム100は、所要の曲面形状に成形されたドアトリム基材110の表面に加飾シート30が一体化されている。この加飾シート30は、表皮としての機能をもち、図6中拡大して示すように、その表面側から表面層31、クッション層32、裏面層33の三層積層体から構成されている。この加飾シート30は、第1実施例と同様の構成であり、その特徴は、裏面層33を構成する繊維素33aの表面にVOC吸着剤33bが付着されている点である。
【0038】
そして、このドアトリム100を製造する工法の概要について、図7を基に説明する。成形金型60は、所定ストローク上下動可能な成形上型61と、成形上型61の下方に位置する成形下型62と、成形下型62に連結される射出機63とから大略構成されており、ドアトリム基材110の素材としての溶融樹脂Mが射出機63から成形下型62のマニホールド62a、ゲート62bを通じて成形下型62の型面上に供給される。また、加飾シート30は、成形上下型61,62内に予めセットされている。尚、図示はしないが、加飾シート30は、周縁部分をクランプ装置で保持するか、あるいは成形上型61の型面に真空吸引力、あるいはセットピンにより保持されるか、又は、成形金型60のコア部外周に設けたセット枠等により保持されていても良い。
【0039】
従って、成形上下型61,62の型締め前、あるいは型締め後のいずれかのタイミングで射出機63からマニホールド62a、ゲート62bを通じて供給される溶融樹脂Mがキャビティ形状に沿って成形され、ドアトリム基材110が所要形状に成形されるとともに、このドアトリム基材110の表面に加飾シート30が一体化されて、図6に示す構造のドアトリム100が製造される。
【0040】
そして、このドアトリム100においても、加飾シート30を使用することで、特に裏面層33中にVOC吸着剤33bが含まれるため、ドアトリム基材110成形時に発生するVOCをVOC吸着剤33bで吸着することができる。従って、成形金型60周囲にVOCが発生することがなく、作業環境を良好に維持できるとともに、内装部品として車両の室内面に装着された後は、車室内に発生するVOCを有効に吸収でき、車室内のVOC濃度を低減することができるという効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0041】
実施例1ではドアトリム10の中接部材、実施例2では同時成形タイプのドアトリム100の表皮として加飾シート30を適用したが、トリム本体の表面に接着剤、粘着剤を介して貼付される加飾シート30であれば、その用途は問わない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る加飾シート材料をドアトリムの中接部材に適用した第1実施例を示すドアトリムの正面図である。
【図2】図1中II−II線断面図である。
【図3】図2に示す加飾シートの断面構造を示す概要図である。
【図4】図1に示すドアトリムの製造方法における接着工法を示す説明図である。
【図5】図1に示すドアトリムの製造方法における粘着工法を示す説明図である。
【図6】本発明に係る加飾シート材料をドアトリムの表皮に適用した第2実施例を示すドアトリムの断面図である。
【図7】図6に示すドアトリムの製造方法の概要を示す説明図である。
【図8】従来のドアトリムの構成を示す説明図である。
【図9】従来のドアトリムの製造工法、(a)粘着工法、(b)接着工法をそれぞれ示すチャート図である。
【図10】従来の加飾シート材料の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0043】
10 ドアトリム
20 ドアトリム本体
30 加飾シート
31 表面層
32 クッション層
33 裏面層
33a 繊維素
33b VOC吸着剤
40 圧着下型
41 圧着上型
42 上側テーブル
43 緩衝スプリング
44 昇降シリンダ
45 木目込みバー
50 接着剤
51 スプレーガン
60 成形金型
61 成形上型
62 成形下型
62a マニホールド
62b ゲート
63 射出機
100 ドアトリム
110 ドアトリム基材
M 溶融樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッション層(32)の表裏面に表面層(31)、裏面層(33)を積層した三層積層体から構成され、内装トリム本体(20)の表面に接着剤(51)、あるいは粘着剤(34)を介して圧着一体化される加飾シート材料(30)において、
前記加飾シート材料(30)における裏面層(33)は、繊維質シート材から構成され、接着剤(51)、あるいは粘着剤(34)中に含まれるVOCを吸着するVOC吸着剤(33b)が繊維質シート材中の繊維素(33a)に付着処理されていることを特徴とする加飾シート材料。
【請求項2】
クッション層(32)の表裏面に表面層(31)、裏面層(33)を積層した三層積層体から構成され、トリム基材(110)の成形時にトリム基材(110)の表面に一体貼着されて内装部品(100)を構成する加飾シート材料(30)において、
前記加飾シート材料(30)における裏面層(33)は、繊維質シート材から構成され、車室内のVOCを吸着するVOC吸着剤(33b)が繊維質シート材中の繊維素(33a)に付着処理されていることを特徴とする加飾シート材料。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−62556(P2006−62556A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−248538(P2004−248538)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000124454)河西工業株式会社 (593)
【Fターム(参考)】