説明

加飾製品の製造装置及びその製造方法

【課題】基材に貼着する表皮材の余剰量を調整可能であり且つ装飾側に位置する側面部端縁側の領域に、皺や局部的な浮き上がりの発生を防止しした高品質の成形品得る製造装置及びその製造方法の提供。
【解決手段】受け治具16の上面に基材2を載置固定してクランパ15により端縁が把持された表皮材8を基材2の表面に密着させる。この時、クランパ15を表皮材8の端縁部が受け治具の側面全体に密接するに十分な位置まで相対的に移動させる。ここで差圧発生手段を作動し、その差圧により表皮材8を変形させながら基材の表面から周側面を越えてその端部側裏面に密接するまで巻き込む。この巻き込み動作時の前記差圧発生手段の作動による差圧力により、摺動部材18を表皮材8を介して付勢部材19の付勢に抗して受け治具16の周面に形成された凹穴部20内を底面側へと摺動させ表皮材8を基材2の裏面側端部6に密着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製の成形品の表面を表皮材で加飾する加飾製品の製造装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自動車の内装部品として、合成樹脂材で成形した基材の装飾側表面に、表皮加飾シート材からなる表皮を被覆した表皮加飾成形品が用いられている。通常は、表皮加飾シート材からなる表皮として、木目調や皮革調などの装飾面を有する樹脂シート、発泡樹脂材を一体化した樹脂シートや、布、不織布などが用いられている。成形した成形品の装飾側表面に上述したような表皮を被覆させることで、最終製品として良好な外観意匠性を有する表皮加飾成形品を得ることができる。
【0003】
一般に、この種の表皮加飾成形品を製造する製造方法としては、平面的に裁断された表皮を熱軟化させ、熱軟化させた表皮の周囲をクランパによって把持して、表皮を基材表面の中央寄りの部位から徐々に張力を加えながら接触させていき、基材表面の側面部側に向かって被せていく。そして、表皮の裏面側からの真空吸引を加えながら被覆していくことで、表皮を基材の表面全体に対して均一な状態で被覆させている。このような製造方法にて表皮加飾成形品を製造することにより、基材表面の一部に表皮の肉厚が変化した膨出部が発生してしまうのを防止することができ、基材の表面全体に亘って均一な厚みを有する表皮を確実に被覆させることができる。
【0004】
そして、基材表面における中央成形部位や略直線状をなしている緩やかな周縁巻き込み部に対しては、表皮の局部的な薄肉化や破損等の発生を防止することができる。ここで、基材の裏面側に巻き込まれる表皮は、基材の裏面側表面の周面に引き込むことで、成形品全体の表面外観性を確保する。この巻き込み時に、基材に複数の隅角部がある場合には、特に各隅角部周辺において大きく伸長して拡がってしまう。
【0005】
このため、隅角部から基材の裏面側に折り返される表皮は、隅角部周辺において大きく伸長して拡がった表皮の余剰部分を皺の形で狭めながら、基材の裏面側に折り返されていくことになる。即ち、表皮加飾成形品の隅角部周辺に、皺の発生によって外部に膨出した浮き上がり部が形成されてしまうことになる。このことは、何も隅角部に限られたものではなく、その他の部位にても表皮材が基材の周側面において局部的な浮き上がり部分が発生する原因となりやすい。
【0006】
こうした皺や浮き上がり部分が発生すると、例えば自動車の内装部品としての表皮加飾成形品をダッシュボード等に取り付けたときには、隅角部に生じた皺によって、表皮加飾成形品の隅角部は外部に浮き上がってしまい、ダッシュボード等の取り付け面との間に僅かな隙間が形成された状態で表皮加飾成形品が取り付けられることになる。また、前記浮き上がり部分が表面に露呈することになる。これは、表皮加飾成形品の取り付け部の外観を大いに損うことになる。
【0007】
かかる問題点を払拭すべく、例えば特開平9−309120号公報(特許文献1)に記載された加飾製品1の製造方法によれば、図11に示すように、基材2の裏面側を支持する下型52の周側面の一部に、基材2の端部7の裏面に沿って開口する凹部55を備えている。この凹部55には弾性体56によって常には前記開口の端面まで押し出された復帰体57が摺動自在に嵌挿されている。また、前記開口と対向する下型52の外側には、前記開口に向けて進退する押圧体51が配されている。押圧体51を、表皮材8の端末28を基材の端部7の裏面側に密着させながら前記凹部55に進入させ、表皮材8の端末28を基材2の端部7の下面(裏面)に押圧して接着させる。この押圧体51が後退すると凹部55に収容され、その内部を進退可能に設けられた復帰体57が常態位置に戻り、このとき同時に凹部55から表皮材8の端末28の残部を押し出し、表皮材の端末28を基材2の端部7の下面の全面に確実に接着できる。
【0008】
同じく基材の隅角部における皺の発生を防止するため、例えば特開平10−24493号公報(特許文献2)や特開平7−81487号公報(特許文献3)に開示された加飾製品の製造方法がある。
【0009】
図12に、特許文献2に記載された表皮を箱体表面に貼着するときの、箱体41のコーナ部41cにおける斜視図を示している。同図に示すように、箱体41は、底板41bの周囲に側壁を有する覆い蓋形状に構成されており、上面が開口した構成になっている。箱体41のコーナ部分41cにおける側壁の内壁面44には、底板41bに向けて垂直に起立したリブ45が、側壁とともに一体成形されている。
【0010】
この表皮の貼着方法では、箱体41の表面41a、側壁の内壁面44及びリブ45に接着剤43を塗布して、箱体41を圧縮成形型(上型)にセットし、平面的に裁断された表皮42を圧縮成形型(下型)にセットする。型閉め後、圧着貼込みによって箱体表面41aと表皮42とを圧着し、両者を接着結合させている。その後、型開きして脱型後に、表皮端縁46を箱体41の裏面側に折り返して、リブ45上に表皮端縁46を被すようにしている。
【0011】
また特許文献2に記載された表皮の貼着方法では、箱体41の裏面側におけるコーナ部分41cに、リブ45を設けておくことで、コーナ部分41cに発生する表皮42の皺を抑制している。そして、リブ45の形状としては、角錐形や半円錐形に形成しておくことが、望ましい形状としている。また、リブ45を底板41bに向って広がる錐体状に形成しておくことにより、平面的に裁断された表皮42を箱体41に被覆する際、表皮42の端部における余剰部分47を、リブ45によって効果的に吸収させることができるとしている。
【0012】
図13に、特許文献3に記載された箱状部材の表皮材取り付け構造を斜視図で示している。同図に示すような平面的に裁断された表皮材62を箱状部材61に取り付ける際、箱状部材61の裏側に折り返された表皮材62は、コーナ部63において余剰が発生する。これを防止するため、特許文献3に記載された発明では、縦壁部64,65におけるコーナ部63での板厚L2を、他の部位における板厚L1よりも薄くなるように構成している。
【0013】
縦壁部64,65のコーナ部63における板厚L2を薄く構成することにより、コーナ部63に表皮材62を巻付けながら折り返して取り付けるとき、取り付け部分の長さを長く構成しておくことができる。このようにコーナ部63を構成しておくことで、コーナ部63において表皮材62の余剰部分が発生することがなくなり、コーナ部63において表皮材62が二重に重なった状態のまま、いわゆる皺状態になったままでコーナ部63を被覆してしまうのが防止される。
【特許文献1】特開平9−309120号公報
【特許文献2】特開平10−24493号公報
【特許文献3】特開平7−81487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかるに、特許文献1に記載された発明では、復帰体57と押圧体51とは一直線上にあり、しかも表皮材を貼り付けたい内端縁50とは直交する位置にあるため、表皮材8を基材の端部7の裏面に貼り付ける押圧力が作用し難く、その接着が確実になされるという保証はない。更に、基材2に隅角部(コーナ部)がある場合には、同隅角部に表皮材の皺による膨出部が発生しやすく、外観の見栄えが悪くなり、しかも表皮材の収縮や裏面から剥がれやすいという製品性能面での新たな問題が生じている。
【0015】
一方、特許文献2に記載された発明では、箱体41のコーナ部分41cの内壁面44に沿って立設したリブ45上に、表皮42を被せることによって、表皮42の余剰部分をリブ45の表面積で吸収する構成となっている。しかしながら、表皮端縁46の箱体裏面側への折り返しは、あくまでも型開きを行って、脱型を行った後に行われている。そのため、箱体表面と表皮42との圧着作業と、表皮端縁46の箱体裏面側への折り返し作業とを同時に行うことはできない。
【0016】
そこで特許文献2における発明では、箱体表面への被覆作業と表皮端縁46を箱体裏面側に折り返す作業とを、それぞれ別工程にて行っている。このため、表皮42の被覆作業及び折返し作業を自動化させて同時に行えない。このように特許文献2における発明では、作業工程数を減らすことができないので、表皮加飾成形品の製造コストの上昇を抑えることが難しい状況にある。
【0017】
また、表皮42を折返すことによって生じる表皮42の余剰部分は、リブ45によって吸収される構成にはなっているが、リブ45の形成部位と内壁面44の端面との間の領域においては、表皮42の余剰部分に対する吸収を行える構成にはなっていない。このため、内壁面44の端面には相変わらず皺が発生してしまうことになる。そのため、特許文献2に記載された発明により得られる表皮加飾成形品を、例えばダッシュボード等に取り付ける際に、当接面となる内壁面44の端面上に皺が発生していると、ダッシュボード等の取り付け面との間に、僅かなものであっても隙間が形成されてしまうことになる。表皮加飾成形品とその取り付け面との間に僅かでも隙間が形成されていると、取り付けた表皮加飾成形品の一部が浮上がってしまい、外観上の見栄えが悪くなってしまう。
【0018】
また、内壁面44の端面よりも箱体41の裏面側に折り返されている表皮42部分に対して引っ張り力を強く加えておくことで、仮に、側壁の端面において皺の発生を防止できていたとしても、表皮42に引っ張り力を強く加えておくためには、少なくとも内壁面44に形成したリブ45の形成部位まで、表皮42を貼着しておかなければならない。
【0019】
このため、表皮加飾成形品を製造するために表皮42としては、表皮加飾成形品の表面を被覆するために必要な面積以外にも、側壁の端面に皺が発生するのを防止しておくための面積が必要となる。この端面における皺の発生を防止するための面積としては、表皮加飾成形品の表面を被覆するために必要な面積の外周側に広がる領域に構成される。
【0020】
そのため、側壁の端面に皺が発生するのを防止しておくための面積としては、大きな面積が必要となる。このように、表皮42としては、表皮加飾成形品の表面を被覆する面積以外にもより多くの面積が必要となり、これらの面積部分を表皮加飾成形品に貼着しておかなければならない。そして結果的には、資源の無駄使いを生じてしまうことになる。
【0021】
他方、特許文献3における発明では、縦壁部64,65におけるコーナ部63での板厚L2を薄く形成することによって、コーナ部63における皺の発生を防止することができる。しかも、コーナ部63における縦壁部64,65の端面の厚さ、即ち、コーナ部63における縦壁部64,65の端面での板厚を薄く形成すればするほど、コーナ部63における縦壁部64,65の端面に皺が発生するのを防止することができる。
【0022】
しかし、コーナ部63における縦壁部64,65の端面での板厚を薄く形成すると、コーナ部63に近ければ近い部位であるほど、表皮材62に鋭い折り線が付与されず、コーナ部63から離間した一般部の部位(板厚L1の部位)では、鋭い折り線が付与されることになる。結果的に、表皮材62の折り線が不揃いとなり、見栄えが悪くなってしまう。
【0023】
そこで、本願発明では、基材の表面、周側面及び周側面の裏面側端面に表皮を巻き込んで被覆した表皮加飾成形品において、前記周側面部に、表皮による皺や局部的な浮き上がりの発生が防止でき、外観における見栄えを向上させた表皮加飾成形品の製造装置とその効率的な製造方法とを提供することを目的としている。特に、基材の裏面側に貼着する表皮材の余剰量が簡単に調整可能であり、しかも、前記周側面部の装飾側に位置する側面部の端面における端縁側の領域に、皺や局部的な浮き上がりが発生することが防止して、単一の装置をもって一連の工程で高品質の表皮加飾成形品が効率的に得られる製造装置及びその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記課題は、本件第1発明の基本的構成である、表面、周側面及び該周側面の端部裏面を有する基材と、該基材の前記表面、周側面及び該周側面の端部裏面にわたり巻き込まれて密着固定された表皮材とを有する加飾製品の製造装置であって、前記基材を裏面から固定支持する受け治具と、前記受け治具の周側部の一部に形成され、その周側面に開口し基材内部に向けて延びる凹穴部と、前記凹穴部に嵌挿され、該凹穴部を摺動可能な摺動部材と、該凹穴部の穴底と前記摺動部材との間に配され、該摺動部材を前記開口に向けて付勢する付勢手段と、前記表皮材の端縁を把持して、前記受け治具に固定支持された前記基材の全体を表面側から被包するように受け治具に対して相対的に昇降可能であるクランパと、前記表皮材を前記受け治具の周側部に向けて密着作動する差圧発生手段とを備え、前記表皮材の変形前における前記摺動部材の外側端面位置は、前記基材の周側面位置以内の位置にあるよう設定され、前記摺動部材は、前記差圧発生手段による前記表皮材の変形動作時における差圧力をもって前記表皮材を介して前記付勢手段の付勢に抗して凹穴部内を穴底に向けて摺動することを特徴とする加飾製品の製造装置により達成される。
【0025】
ここで、本発明における差圧発生手段とは、例えば圧空又は真空発生手段、あるいはその両者の組み合わせを言い、差圧力とは、それらの差圧発生手段の作動により生じる圧空力又は真空吸引力など、表皮材の表裏面間に生じる差圧力をいう。
【0026】
また、上記第1発明の製造装置を使って、以下の本件第2発明の基本構成である加飾製品の製造方法によって、表面、周側面及び該周側面の端部裏面を有する基材と、該基材の前記表面、周側面及び前記端部裏面にわたり巻き込まれて密着固定された表皮材とを有する加飾製品を効率的に製造することができる。
【0027】
すなわち、本件第2発明は、上記第1発明の製造装置における上記受け治具の表面側に前記基材を載置固定すること、クランパにより端縁が把持された表皮材を前記基材の表面に密着させること、クランパを、前記表皮材の端縁部が受け治具の側面全体に密接するに十分な位置まで相対的に移動させること、上記差圧発生手段を作動して、その差圧力により前記表皮材を変形させながら前記基材の表面から周側面を越えてその端部側裏面に密接するまで巻き込むこと、この表皮材の巻き込み動作時の差圧発生手段による差圧力により、前記摺動部材を前記表皮材を介して前記付勢手段の付勢に抗して前記凹穴部内を穴底側へと摺動させて、前記表皮材を前記基材の端部裏面に密接させることを含むことを特徴としている。
【0028】
好ましい態様によると、上記第1発明の加飾製品の製造装置の前記摺動部材の付勢手段側端部に小径のピン状ロッドを有し、前記凹穴部の穴底に、前記受け治具内に向けて延び、前記ピン状ロッドを摺動案内するロッド案内孔を更に有している。また、前記摺動部材の周面の一部と前記受け治具との間に、前記摺動部材の前記凹穴部の開口側及び穴底側の摺動限位置を規定する摺動位置規定手段を設けることが好ましい。
【発明の作用効果】
【0029】
上記第1発明の製造装置における受け治具の上面に前記基材を載置固定し、クランパにより端縁が把持された表皮材を前記基材の表面に密着させながら、クランパを、前記表皮材の端縁部が受け治具の周側面全体に密接するに十分な位置まで相対的に下降させる。次いで、上記差圧発生手段、すなわち圧空又は真空発生手段、あるいは両者を併用作動して、その差圧力により前記表皮材を変形させながら前記基材の表面から周側面を越えてその裏面側端面に密接するまで巻き込む。この表皮材の巻き込み動作時の前記差圧発生手段による差圧力により、前記摺動部材を前記表皮材を介して前記付勢手段の付勢に抗して前記凹穴部内を穴底側へと摺動させて、前記表皮材を前記基材の裏面側端面に密接させる。
【0030】
このとき、前記表皮材には、その全面に前記差圧発生手段による差圧力が均等に作用して、表皮材を均等に基材の表面、周側面及び端部裏面へと変形させるため、局部的な皺や浮き上がりが発生しにくい。表皮材には、例えば伸縮性あるシート材を用いると、一旦伸長した表皮材は収縮して基材の表面に馴染みやすく皺や浮き上がりが更に生じにくくなる。また、基材に隅角部が存在するときは、同隅角部の内面に角錐上の突起を成形一体化し、或いは隅角部の内面を他の部分よりも薄肉化すると、隅角部に密着する表皮材の拡幅による皺や浮き上がりを吸収し、皺や浮き上がりの発生を防止することができる。
【0031】
また、好ましい態様に挙げているように、前記摺動部材の周面の一部と前記受け治具との間に、前記摺動部材の前記凹穴部の開口側及び穴底側の摺動限位置を規定する摺動位置規定手段を設ける場合には、例えば表皮材に前記差圧力が作用したとき、摺動部材の外側端面を前記受け治具の凹穴部の開口面以内に停止させ、それ以上は凹穴部の内部に侵入することがないため、表皮材も前記凹穴部に侵入することはなく無理な力がかかり損傷させることもない。また、少なくとも前記基材の裏面側端面や同裏面側端面に密着する表皮材の裏面に接着剤などを塗布しておけば、表皮材は基材の裏面側端面に被覆と同時に接着され、作業効率が一段と向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の加飾製品の製造装置とその方法の一実施の形態を図面に示す代表的な実施例に基づいて具体的に説明する。
図1は、自動車のインストルメントパネル11に装着する表皮加飾成形品の一例であるフィニッシャ12の取付構造例を示している。フィニッシャ12の装飾側である表面側は、表皮材8によって被覆されている。図2は図1のA−A断面図を示しており、図3は表皮加飾製品1であるフィニッシャ12の一部を部分的に破断した斜視図である。
【0033】
図2及び図3に示すように、表皮加飾製品1は、予め射出成形された基材2及び表皮材8から構成されており、基材2の装飾側である表面部3、その周側面部5及び同周側面部5下端の裏面側端面6からなる外側表面が、表皮材8によって密着被覆されている。本実施形態では、基材2は全体が略矩形状の一面が開口する箱体からなる。しかし、本発明の基材形状は任意であり、表面、その周側面、及び周側面下端の裏面側端面を有していればよい。更に、基材形状は矩形状に限らず多角形状であっても、円形、半球、楕円、或いは周面が凹凸状の滑らかな湾曲面からなってもよく、必ずも隅角部がなければならないものではない。ただし、隅角部が存在するときは、隅角部に対応する表皮材に皺を発生しにくくするため、例えば上記特許文献2に記載されているようにその隅角部に角錐状のリブ状突起を成形一体化することもできるし、或いは上記特許文献3に記載されているように、隅角部の基材深さ方向に沿った薄肉部としておくこともできる。
【0034】
なお、以下においては、装飾側の全面を表皮材8によって被覆した構成例について説明するが、表皮材8としては、装飾側の全面を被覆しておくことも、装飾側の一部を被覆することもできる。
本発明に使用される基材2の材質としては、ABS 樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂)、PP樹脂(ポリプロピレン樹脂)、PP複合樹脂(タルク、マイカ等を添加したもの)、PC樹脂(ポリカーボネート樹脂)、PC/ABS樹脂などを用いることができる。
【0035】
一方、表皮材8を構成する材質としては、特に単層で伸縮性を有するウレタン樹脂、塩ビ樹脂、PET 樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、PMMA樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)、AS樹脂(アクリロニトリルスチレン共重合体)などからなる樹脂シートや、織編物、不織布などの繊維シートを用いることができる。特に、表皮材として樹脂シートを用いる場合には、伸縮性を有するシート材を使用すると皺や局部的な浮き上がりが発生せず、好ましいものとなる。また、表皮材8としては、刃前述の材質のものにPPF (ポリプロピレンの発泡体)、PEF (ポリエチレンの発泡体)などの発泡樹脂材を裏打ち一体化した構成のものを用いることもできる。
【0036】
このような材質から構成された表皮材8の表面には、木目調や皮革調などの装飾模様を形成しておくとよい。表皮材8の裏面には、更に接着剤あるいは粘着材等を予めコーティングしておくことができる。或いは、表皮材8を被覆する基材2の表面側及び基材2の裏面側端面の一部又は全部に密着する表皮材8の折返し部8aに対応する領域に、接着剤や粘着剤等を塗布させておくこともできる。
【0037】
以下、本実施例による加飾製品製造装置30につき、図3に基づいて具体的に説明する。なお、本実施例では、表皮材8の裏面に接着剤がコーティングされている構成例について説明する。
図3において、符号15は表皮材8の端縁を把持するクランパを示している。本実施例にあっては、前記クランパ15は表皮材8の全周縁部又は一部周縁部を把持して、後述する昇降テーブル17の昇降動作と圧空力により表皮材8を基材2の加飾側表面、周側面及び同周側面下端の裏面側端面6の順に密着被包する。ここで、本発明にあっては、前記昇降テーブル17を固設しておき、クランパ15を下降させて基材2の加飾側表面、周側面及び同周側面下端の裏面側端面6に順次密着被包することもできる。
【0038】
前記昇降テーブル17の上面に受け治具16が所定位置に位置決め固定されている。この受け治具は、いわゆる射出成形やプレス成形などにおける下型に相当するものではなく、基材2を載置固定する基材固定部材である。従って、本発明装置にあっては上型は不要である。本実施例による受け治具16は、基材2が上述のように矩形状箱体からなり、該矩形状箱体の底面を受け治具16の上面に載置するため、受け治具16の底面よりも寸法が大きい矩形ブロック部を有し、その下端部周面から外側に矩形枠状フランジ部が延設されている。本実施例では、受け治具16が矩形ブロック部と矩形枠状フランジ部とを有しているが、本発明にあってはこれらの形状に限定されず、上面に載置固定する基材の形状に沿った形状であればよい。
【0039】
前記矩形ブロック部の周側面16aの全周にわたり、或いはその一部に、矩形ブロック部の中心部に向けて延びる凹穴部20が形成されている。また、この凹穴部20の底面中央部には、同じく矩形ブロック部の中心部に向けて直線状に延びる小径のロッド摺動孔20aが形成されている。更に、前記矩形ブロック部の周側面16aにあって、前記凹穴部20の下端面は前記周側面16aよりも外側に張り出す張出部16cを有している。この張出部16cには上面が開口し、垂直方向に延びるスプリング収容孔20bが形成されており、同スプリング収容孔20bには、上端に小球22を支持する第2圧縮スプリング21が収容されている。
【0040】
一方、上記凹穴部20とロッド摺動孔20aとには、摺動部材18の本体18aとピン状ロッド18bとのそれぞれが摺動可能に挿入されている。前記摺動部材本体18aと前記凹穴部20の底面との間には、前記ピン状ロッド18bを挿通した状態で、本発明の付勢手段である第1圧縮スプリング19が介装されている。そのため、常態では、前記摺動部材18は前記第1圧縮スプリング19によって付勢されその大部分が凹穴部20の開口から外に飛び出している。なお、本実施例では前記付勢手段として第1圧縮スプリングを使用しているが、例えば板バネ類でもよく、或いは各種の小型シリンダなどを使用することもできる。更に、前記摺動部材本体18aの上記スプリング収容孔20bと対向する部位であって、その凹穴部底面側端部から前記第1圧縮スプリング19の付勢方向に直線的に延びる小球ガイド溝18cが形成されている。
【0041】
この小球ガイド溝18cは、上記張出部16cのスプリング収容孔20bに収容された第2圧縮スプリング21の上端に支持された小球22を転動案内する。小球ガイド溝18cの外側端部には、前記第2圧縮スプリング21によって上方に付勢された上記小球22を係着させる溝深さよりも径の大きい略半球状の小球係止穴18c’が形成されている。この小球ガイド溝18c及び小球係止穴18c’の存在により、第1圧縮スプリング19の付勢により凹穴部20を摺動する摺動部材18の直線的な動きと、凹穴部20から外側に突出できる最大位置と最小位置を規定することになる。因みに、本実施例による摺動部材18が前記凹穴部20の内部に侵入できる後退限位置は、図7に示すように、摺動部材18の外側端面が基材2の裏面側端面6の基材内側端縁と一致する位置であり、その前進限位置は、図3に示すように、基材2の周側面部5の外周面位置となる。しかし、図3及び図7に示す摺動限位置は一例に過ぎず、加飾製品の種類により任意に規定できる。ここで、上記小球ガイド溝18cと第2圧縮スプリング21の上端に支持された小球22とが、本発明における摺動位置規定手段に相当する。
【0042】
さて、以上の構成を備えた本発明の加飾製品製造装置30を使って、加飾製品を製造する本発明の製造方法の実施例について、図3〜図7を参照しながら具体的に説明する。
本願発明に係わる表皮加飾製品1の製造工程について、例えば図示せぬ高圧ブロアを使った圧空成形機による成形について説明するが、勿論、本発明にあっては吸引ポンプなどの吸気手段を使って真空成形機を単独に、あるいは前記高圧ブロアと吸引ポンプ等を組み合わせた差圧発生手段を採用できる。図3は、表皮材8を基材2に貼り合わせる前の状態を、要部断面図の形で示している。
【0043】
加飾製品製造装置30は、受け治具16と受け治具16を載置固定する昇降テーブル17と表皮材8の周縁端部を把持するクランパ15とを備えている。勿論、加飾製品製造装置30は、図示せぬ圧空源及び上記構成部材を気密的に収容するケーシングをも備えている。
【0044】
加熱されて熱軟化している表皮材8は、その周囲がクランパ15によって把持されている。なお、図3においては、予め加熱されて軟化している表皮材8の上面側から立ち上る煙を概念的にを示しているが、図4以降の図においては、表皮材8の上面側から立ち上る煙についての図示は省略している。また、場合によっては受け治具16の全体を表皮材8が軟化する程度に加熱しておくこともできる。
【0045】
表皮材8によって密着被包される基材2は、その表面が表皮材8に対向する姿勢となるように、受け治具16上に載置固定されている。即ち、基材2の裏面側である凹形状部側が、受け治具16上に載置され、基材2の装飾側である凸形状部側を、表皮材8の裏面に向けて配置されている。このとき、摺動部材本体18aの外側端面は、図3に示すように、受け治具16の張出部16cに設けられた第2圧縮スプリング21の上端に支持された小球22の位置が小球ガイド溝18cの凹穴部底面側の端部にあって、基材2の周側面部の周面と一致させている。
【0046】
ここで昇降テーブル17が、図4に示すように、表皮材8に向かって上昇すると、或いは、クランパ15で周囲を把持された表皮材8が、基材2に向かって下降すると、加熱されて軟化している表皮材8は基材2の表面部3に当接し、徐々に張力を加えられながら基材2の表面部3に沿って伸ばされていき、表面部3を包み込んでいく。そうして、表皮材8を把持しているクランパ15が、昇降テーブル17に当接すると、昇降テーブル17の上昇或いはクランパ15の下降が停止する。
【0047】
なお、このとき軟化した表皮材8に対して張力を加えながら、基材2の表面部3に密着させながら徐々に周側面部へと包み込んでいくため、表皮材8と基材2の表面部3との間に存在する気泡は基材2と表皮材8との間の隙間から排除され、気泡が介在することなく、表皮材8を基材2の表面部3に密着させた状態で被覆することができる。
【0048】
クランパ15が昇降テーブル17に当接すると、表皮材8によって、基材2の周囲を密閉した状態にすることができる。基材2の周囲が、表皮材8によって密閉された状態となった後に、図示せぬ圧空装置を作動して、図5に示すように、表皮材8の外側表面全体に圧空力を作用させる。この圧空力は表皮材8の外側表面の全体に均等に作用し、予備加熱されて軟化した表皮材8は、基材2の外郭形状に沿って変形して基材2の表面、周側面及びその周側面部下端の裏面側端面に密着させようとする。このとき、受け治具16の矩形ブロック部の周側面16aには凹穴部20に収容された摺動部材本体18aの外側端面18a’が基材2の周側面部5の外周面位置まで突出している。
【0049】
その結果、表皮材8は、図5に示すように、基材2の表面、周側面及び摺動部材18の外側端面18a’に沿って密着したのち、更なる圧空力により、図6に示すように表皮材8は基材2の周側面部5下端の裏面側端面に沿うように変形を続けようとする。このとき、表皮材8の変形に携わる圧空力は、表皮材8を介して摺動部材18の外側端面18a’を押す力となって、摺動部材18を受け治具16に形成された凹穴部20の内部に第1圧縮スプリング19の付勢力に抗して後退する。この後退時には、受け治具16の張出部16cに設けられた第2圧縮スプリング21の上端に支持された小球22が前記小球ガイド溝18cの凹穴部底面側端面を離れて小球ガイド溝18cに案内されて、小球22が小球係止穴18c’に到達するまで、摺動部材18をピン状ロッド18bとともに凹穴部20及びロッド摺動孔20aを奥部に向けてガタつくことなく直線状に摺動させる。
【0050】
小球22が小球係止穴18c’に到達すると、小球22はそれ以上前進せず、摺動部材の後退を停止させる。この停止位置は、上述のとおり、基材2の周側面部5の下端面である裏面側端面6の内側端縁位置となる。摺動部材18がこの後退限位置にあるとき、前記基材周側面部5の裏面側端面6には、図7に示すように、表皮材8は基材2の表面、周側面及び周側面部5の裏面側端面6に密着した状態で巻き込みを終了する。このとき、基材2の表面、周側面及び裏面側端面6に接着剤などを塗布しておけば、冷却後、表皮材8の巻き込み端部をも含めて、表皮材8は基材2の表面、周側面及び裏面側端面6に接着固定される。
【0051】
この状態で、昇降テーブル17を下降させるか、或いはクランパ15を上方へと移動させて、表皮材8とともに基材2を受け治具16から取り外す。表皮材8が受け治具16から離間すると、凹穴部20に配された第1圧縮スプリング19の弾性力を受けて、摺動部材18が凹穴部20を開口側に摺動する。このとき摺動部材18は、スプリング収容孔20bに収容された第2圧縮スプリング21の弾力を受けて小球ガイド溝18cに嵌着した小球22に導かれて凹穴部20を開口側へと摺動するが、前記小球ガイド溝18cの外側端面側端部に形成された小球係止穴18c’が小球22を収容係止するため、摺動部材18はそれ以上凹穴部20の開口から外側に突出しない。このときの摺動部材18の外側端面18a’の前進限位置は、図3に示すように、基材2の周側面部5の外周面に一致する位置である。
【0052】
こうして受け治具16から取り外された一次製品は次の後仕上げ工程に回される。
以下、その後仕上げ工程について、図8〜図10に基づいて説明する。
図8は、表皮材8が加飾された基材2を、加飾製品製造装置30から取り外した状態を示している。図9、図10は、表皮材8が基材2の周側面部5の下端の裏面側端面6の一部端面を残して接着した状態を示している。
【0053】
図9に示すように、加飾製品製造装置30から取り外された、表皮材8で被覆された基材2を、表皮材8が下側となるように支持台31上に載置し、トリマー32によって表皮材8の余分な部分をトリミングする。トリミング後において基材2側に残っている表皮材8は、基材2の表面部3及び周側面部5の裏面側端面6を被覆している部分である。表皮材8における余分な部分は、トリミングによって基材2から取り除かれることになる。
【0054】
このように、基材2の裏面側においては、図10に示すように、被覆した表皮材8を、基材2の周側面部5の裏面側端面6における外周縁部だけに残すようにすることができ、最低限必要な部分だけを基材2上に残すことができる。このため、表皮材8において余分な部分が、基材2の裏面側に残されない状態で、表皮体加飾成形品を完成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】車両などに加飾成形品を取り付けた構成例を示す車内における要部正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】表皮を基材に貼着させる前の状態を示す装置の要部断面図である。
【図4】表皮を基材に貼着させている途中の状態を示す装置の要部断面図である。
【図5】圧空力により表皮を変形させて基材に貼着させている状態を示す要部断面図である。
【図6】表皮材の変形時における圧空力を利用して摺動部材が凹穴部の底面方向に摺動する状態を示す要部断面図である。
【図7】表皮材を基材に巻き込み貼着を完了した時点の状態を示す要部断面図である。
【図8】加飾製品製造装置から取り出した基材及び表皮の要部断面図である。
【図9】表皮のトリミング時の状態を示す要部断面図である。
【図10】トリミングを終えた加飾製品の要部を示す部分斜視図である。
【図11】従来の加飾製品製造時の状態を示す要部断面図である。
【図12】従来の基材の隅角部の一例を示す部分斜視図である
【図13】従来の基材に対する表皮材の取付け構造例を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
【0056】
1 (表皮)加飾製品
2 基材
3 表面部
4 裏面部
5 周側面部
6 裏面側端面
8 表皮材
8a 折返し部
11 インストルメントパネル
12 フィニッシャ
15 クランパ
16 受け治具
16a (矩形ブロック部の)周側面
16b (フランジ部の)周側面
16c 張出部
17 昇降テーブル
18 摺動部材
18a 摺動部材本体
18a’ 外側端面
18b ピン状ロッド
18c 小球ガイド溝
18c’ 小球係止穴
19 第1圧縮スプリング
20 凹穴部
20a ロッド摺動孔
20b スプリング収容孔
21 第2圧縮スプリング
22 小球
30 加飾製品製造装置
31 支持台
32 トリマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面、周側面及び該周側面の端部裏面を有する基材と、該基材の前記表面、周側面及び該周側面の端部裏面にわたり巻き込まれて密着固定された表皮材とを有する加飾製品の製造装置であって、
前記基材を裏面から固定支持する受け治具と、
前記受け治具の周側部の一部に形成され、その周側面に開口し基材内部に向けて延びる凹穴部と、
前記凹穴部に嵌挿され、該凹穴部を摺動可能な摺動部材と、
該凹穴部の穴底と前記摺動部材との間に配され、該摺動部材を前記開口に向けて付勢する付勢手段と、
前記表皮材の端縁を把持して、前記受け治具に固定支持された前記基材の全体を表面側から被包するように受け治具に対して相対的に昇降可能であるクランパと、
前記表皮材を前記受け治具の周側部に向けて密着作動する差圧発生手段とを備え、
前記表皮材の変形前における前記摺動部材の外側端面位置は、前記基材の周側面位置以内の位置にあるよう設定され、
前記摺動部材は、前記差圧発生手段による前記表皮材の変形動作時における差圧力をもって前記表皮材を介して前記付勢手段の付勢に抗して凹穴部内を穴底に向けて摺動する、ことを特徴とする加飾製品の製造装置。
【請求項2】
前記摺動部材は、その付勢手段側端部に小径のピン状ロッドを有し、
前記凹穴部の穴底に、前記受け治具内に向けて延び、前記ピン状ロッドを摺動案内するロッド案内孔を更に有してなることを特徴とする請求項1記載の加飾製品の製造装置。
【請求項3】
前記摺動部材の周面の一部と前記受け治具との間に、前記摺動部材の前記凹穴部の開口側及び穴底側の摺動限位置を規定する摺動位置規定手段を有してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の加飾製品の製造装置。
【請求項4】
請求項1に記載の製造装置を使って、表面、周側面及び該周側面の端部裏面を有する基材と、該基材の前記表面、周側面及び前記端部裏面にわたり巻き込まれて密着固定された表皮材とを有する加飾製品の製造方法であって、
上記受け治具の表面側に前記基材を載置固定すること、
クランパにより端縁が把持された表皮材を前記基材の表面に密着させること、
クランパを、前記表皮材の端縁部が受け治具の側面全体に密接するに十分な位置まで相対的に移動させること、
上記差圧発生手段を作動して、その差圧力により前記表皮材を変形させながら前記基材の表面から周側面を越えてその端部側裏面に密接するまで巻き込むこと、
この表皮材の巻き込み動作時の差圧発生手段による差圧力により、前記摺動部材を前記表皮材を介して前記付勢手段の付勢に抗して前記凹穴部内を穴底側へと摺動させて、前記表皮材を前記基材の端部裏面に密接させること、
を含むことを特徴とする加飾製品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−76229(P2010−76229A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246478(P2008−246478)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000229955)日本プラスト株式会社 (740)
【Fターム(参考)】