説明

助手席エアバッククッション

【課題】クッションの顔に触れる部位に凹んでいる凹溝部を形成して展開されるようにすることによって、身長の低い子供の顔が凹溝部に触れることができるようにして衝撃を緩和させることができ、また接触時に鼻の両側部位が接触されるようにすることで、鼻骨を保護し、クッションの弾発力を最小化できるので、首負傷が防止できるようにした助手席エアバッククッションを提供する。
【解決手段】車両に設けられる助手席エアバッククッション100であって、内部にガスが詰められる空間を有する第1チャンバー110及び第2チャンバー120と、上記エアバッククッションの外部に第1チャンバーと第2チャンバーとの間に形成される凹んでいる凹溝部150と、上記第1チャンバーと第2チャンバーとの間に隔壁により形成されるテザー300と、上記エアバッククッションの側面の中央部に形成される縫合部500と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身長の低い子供に対する安全性能を向上させるためのエアバッククッションに関し、より詳しくは、クッションの顔に触れる部位に凹んでいる凹溝部を形成して展開されるようにすることによって、身長の低い子供の顔が凹溝部に触れることができるようにして衝撃を緩和させることができ、また接触時に鼻の両側部位が接触されるようにすることによって鼻骨を保護し、クッションの弾発力を最小化できるので、首負傷を防止できるようにした助手席エアバッククッションに関する。
【0002】
本発明は、中央テザーを通じて第1チャンバーと第2チャンバーとの間の隔壁を形成することによって、外周に凹溝部を形成できるようにし、エアバック展開時に前面が垂直に展開できるようにして、乗客がぶつかる場合、スリップされることを防止することができるようになる。
【背景技術】
【0003】
一般に、車両のエアバック装置は、運転席または助手席の前方に設けられて車両の衝突時、瞬間的にクッションが膨脹しながら運転者及び乗客の生命と身体を保護すること目的として設けられる。
【0004】
前述したエアバック装置は、ハンドルに取り付けられて運転席の運転者を保護する運転者用エアバック装置と、助手席の前面のインストルメントパネルに設けられて助手席の乗客を保護する助手席エアバック装置とに分けられる。
【0005】
図1aは従来の技術に従う助手席エアバッククッション2を示す側面図であり、図1bは従来の技術に従う助手席エアバッククッション2を示す正面図である。
【0006】
図1a及び図1bに示すように、従来の技術に従うエアバッククッション2は、車両1の内部に取り付けられて車両の衝突時に内部から上向きに展開されて膨らむようになっている。しかしながら、上記クッションは略長方形で膨脹された形態であり、搭乗者に向けて凸に突き出た形態で展開される。
【0007】
したがって、通常、大人の場合、クッションの中央に顔がぶつかった後、衝撃が緩和されると同時に、反発弾性により後方に飛び出るようになる。
【0008】
しかしながら、子供の場合、大人に比べて身長が低く、重さが軽いので、シートベルトを着用した状態で衝突事故時、上半身が前方に向けて回転された時、顔がクッションの下部面にスリップされて緩衝効果が得られない場合が発生された。
【0009】
また、子供は重さが軽いので大人に比べてより速い速度で前方に向けて飛び出るが、従来のエアバッククッションは大人の体重を考慮して膨脹速度をセッティングしたものであるので、従来のエアバッククッションが完全に膨脹される前に軽量の子供が先にぶつかるようになる場合がたびたび発生され、このような場合、緩衝効果が半減され、これによって負傷するようになる問題点があった。
【0010】
また、従来のエアバッククッション2は、正面が略水平方向に垂直の“θ”角度だけの傾斜で下方傾斜するように形成される。このように傾斜した形態であるので、子供の顔だけでなく大人の顔がぶつかる場合、スリップされてその緩衝効果を十分達成できず、下向きに滑って大きな衝撃を受けるようになる。
【0011】
延いては、乗客の顔の前面に対して一時的に加えられる反発弾性(パンチアウトフォース)により鼻骨及び首に衝撃を与えるようになって、2次的な負傷を発生させる問題点をも発生するようになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前述した従来技術の問題点を解消するために案出したものであって、エアバッククッションの正面を凹みに凹入させた凹溝部を形成することによって、乗客がクッションと接触される時、凹溝部により鼻骨が保護されながら時間差による顔面に対する緩衝機能をすることができるので、顔面保護及び首負傷を最小化できるようにした助手席エアバッククッションを提供することをその目的とする。
【0013】
本発明の他の目的は、上記凹溝部の構成を形成するようにエアバッククッションの中央に第1チャンバーと第2チャンバーとを区画する隔壁として中央テザーを備えて、上記第1チャンバー及び第2チャンバーの外周の間に凹溝部を形成できるようにする助手席エアバッククッションを提供することにある。
【0014】
本発明の更に他の目的は、大人より身長の低く、体重の軽い子供の安全性を確保するために上記凹溝の深さ及び開け角度または開け位置を調節することによって、展開形態を制御できるようにする助手席エアバッククッションの展開制御方法を提供することにある。
【0015】
本発明の更なる他の目的は、乗客の顔がエアバックのクッションにぶつかる時に傾斜する場合、下向きにスリップされて衝撃を十分に吸収緩衝する効果が達成できないところ、衝撃緩衝効果を十分に達成できるように前面が垂直に展開できるようにする助手席エアバッククッションを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、前述した目的を達成するために、次のような構成を有する実施形態によって具現される。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、車両に設けられる助手席エアバッククッションであって、内部にガスが詰められる空間を有する第1チャンバー110及び第2チャンバー120と、上記エアバッククッションの外部に第1チャンバーと第2チャンバーとの間に形成される凹んでいる凹溝部150と、上記第1チャンバー110と第2チャンバー120との間に隔壁により形成される中央テザー300と、上記エアバッククッションの側面の中央部に形成される縫合部500と、を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の他の実施形態によれば、上記縫合部500は、横型550で形成されて上下方向のクッションが前後方向のクッションに比べてより大きく形成され、縦型560で形成されて前後方向のクッションが上下方向のクッションに比べてより大きく形成されることを特徴とする。
【0019】
本発明の更に他の実施形態によれば、上記縫合部500は裁縫ライン530で形成され、上記裁縫ライン530は、順次的な直径を有する多数の裁縫ラインを含み、上記多数の裁縫ライン530は、エアバックの内部に供給されるガスの圧力に従って外郭にある裁縫ラインから順次に解体されることを特徴とする。
【0020】
本発明の更なる他の実施形態によれば、上記テザー300は、上記エアバッククッション100の内部に位置して、その縁が上記エアバッククッションの外皮上下左右の内面に接合するクッション外皮接合部310を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、エアバッククッションに形成された凹溝により顔面部がクッションと接触する時、鼻骨が保護されながら時間差による顔面に対する緩衝機能をすることができるので、顔面保護及び首負傷を最小化できる効果がある。
【0022】
特に、本発明は上記凹溝部の深さ及び開け角度または開け位置を調節することによって展開形態を制御することができ、これによって、大人より身長の低く、体重の軽い子供の安全性を格段に向上させることができる効果がある。
【0023】
また、本発明は縫合部を多数の裁縫ラインで形成してエアバックの内部の圧力に従って順次に解体されるようにすることで、エアバックの内部の圧力を適正に維持させることができ、これによって助手席に搭乗した乗客が過度な圧力により怪我することを防止する効果を図ることができる。
【0024】
また、本発明は中央テザーを通じてエアバック展開時に前面が垂直に展開できるようにして、乗客がぶつかる場合、スリップされることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1a】従来の技術に従う助手席エアバッククッションを示す側面図である。
【図1b】従来の技術に従う助手席エアバッククッションを示す正面図である。
【図2】本発明に従う助手席エアバッククッションの縫合部を示す図である。
【図3a】本発明の助手席エアバッククッションが展開された状態を示す側面図である。
【図3b】本発明の助手席エアバッククッションが展開された状態を示す側面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に従う助手席エアバッククッションの縫合部を示す図である。
【図5a】図4のA−A断面図である。
【図5b】図5aの状態で最外郭側の裁縫ライン531が裂けた状態を示す断面図である。
【図6a】図4のB−B断面図である。
【図6b】図6aの状態で最外郭側の裁縫ライン531が裂けた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に従う助手席エアバッククッションの構成に対する好ましい実施形態を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0027】
その前に、本明細書及び特許請求範囲で使われた用語や単語は通常的または辞典的な意味に限定されてはならず、発明者は自身の発明を最も最善の方法により説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に基づいて本発明の技術的思想に符合する意味及び概念と解釈されるべきである。
【0028】
したがって、本明細書に記載された実施形態と図面に図示された構成は、本発明の最も好ましい実施形態に過ぎないものであり、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを取替できる多様な均等物と変形例がありえることを理解すべきである。
【0029】
図2は本発明に従う助手席エアバッククッションの縫合部を示す図であり、図3aは本発明の助手席エアバッククッションが展開された状態を示す側面図であり、図3bは本発明の助手席エアバッククッションが展開された状態を示す正面図であり、図4は本発明の他の実施形態に従う助手席エアバッククッションの縫合部を示す図であり、図5aは図4のA−A断面図であり、図5bは図5aの状態で最外郭側の裁縫ライン531が裂けた状態を示す断面図であり、図6aは図4のB−B断面図であり、図6bは図6aの状態で最外郭側の裁縫ライン531が裂けた状態を示す断面図である。
【0030】
以下、図2乃至図6bを参照して、本発明の助手席エアバッククッションについて詳細に説明する。
【0031】
本発明の助手席エアバッククッション10は、従来のエアバッククッションとは相異するように2つのチャンバーを形成し、前面が垂直に形成され、垂直外周面に凹溝部が形成されるようにして、子供の乗客がぶつかる場合にも効果的に衝撃を吸収できるようにし、中央にぶつかる場合に鼻骨の損傷が発生することを防止できるようにする。延いては、乗客がエアバッククッションの前面の下部にぶつかる場合にもスリップして衝撃を受けることを防止できるようにすることを特徴とする。
【0032】
ここに、本発明は車両に設けられる助手席エアバッククッションにおいて、内部にガスが詰められる空間を有する第1チャンバー110及び第2チャンバー120と、上記エアバッククッションの外部に第1チャンバーと第2チャンバーとの間に形成される凹んでいる凹溝部150と、上記第1チャンバー110と第2チャンバー120との間に隔壁により形成される中央テザー300と、上記エアバッククッションの側面の中央部に形成される縫合部500と、を含む。
【0033】
上記エアバッククッション100は、図3a及び図3bに示すように、通常的に助手席エアバッククッションに該当するものであって、丈夫な布で外皮を形成する風船のように展開される形状で形成される。このようなエアバッククッション100は、エアインフレータによりガスが供給される第1チャンバー110及び第2チャンバー120と、上記第1チャンバー110及び第2チャンバー120の外周面に凹むように形成される凹溝部150で形成される。
【0034】
上記第1チャンバー110及び第2チャンバー120は、本発明のエアバッククッション100の内部空間をなすチャンバーであって、上記中央テザー300により隔壁にて区画される区間であるこのような各々の第1チャンバー110及び第2チャンバー120は、図3bに示すように、エアインフレータ(Inflator)により供給されるガス供給(F)により各々空気が充填されて均等に膨脹展開される。
【0035】
上記第1チャンバー110及び第2チャンバー120は同一な形状であって、内部にはインフレータで発生されたガスが充填されるように空間が形成され、またその内部には膨脹された時にドーム形状で展開できるように形態を取るための中央テザー300が取り付けられる(図4参照)。
【0036】
上記凹溝部150は、図3bに示すように、膨脹展開されたエアバッククッション100において、第1チャンバー110及び第2チャンバー120が形成された外周面の境界に形成される凹んでいる部位であって、上記エアバッククッション100の上下、前面の外周面に形成される。このように形成された凹溝部150により乗客が前面にぶつかる場合、鼻骨が凹溝部150の中に入るようにして鼻骨の損傷を防止できるようにし、また子供が下部の凹溝部150にぶつかる場合、下部に接触面積を増加させて自然に衝撃を緩和させることができるようにする効果を図る。
【0037】
即ち、凹溝部150は乗客の顔面中心線と対応する位置に形成されることによって、顔面が接触される時、鼻部位から挿入され始めて、頬骨を経由して最終には顔面が全て凹溝部150に挿入できるようにすることによって、時間差による衝撃緩和機能を提供するようになる。
【0038】
上記中央テザー300は、上記エアバッククッション100の内部の中央にエアバックの外皮上下前面を接合する部材であって、通常的にこれは図4に示すように、平面上に展開された一定の広さの広い布で形成できる。特に、上記中央テザー300は、本発明のエアバッククッション10が展開されながら上下、前面が限定的に展開されるように取ってくれることによって凹溝部150を形成するようにするものであるので、丈夫で、かつ伸びない部材で形成されることが好ましい。ここに、上記中央テザー300は、エアバッククッション100の外皮に接合されて強固に支持するクッション外皮接合部310を含む。
【0039】
上記クッション外皮接合部310は、図4乃至図6bに示すように、上記エアバッククッション100の上下、前面の外皮中央部に接合される。このように接合されることによって、エアバッククッションの膨脹時、上下、前面部が外側に膨脹されないようにし、結局、図3bに示すように、本発明のエアバッククッション10の上下、前面部に凹溝部150を形成できるようにする。即ち、図5a乃至図6bから分かるように、上記クッション外皮接合部310は、エアバッククッションの膨脹展開時、中央テザー300がぴんと緊張されて外皮を取ってくれることができるようにする重要な役割をするようになる。
【0040】
参考に、前述した前方または後方というものは、車両の前方または後方を基準にして方向を定めたことを明らかにする。
【0041】
ここに、図3a及び図3bを見ると、本発明の助手席エアバック10は、その前面部が側面から見た時、水平面(H)に垂直な状態で展開されるようにする。このように垂直に展開されるようにすることによって、乗客が前面部にぶつかって衝撃を受ける場合、スリップされず、クッションにより十分に衝撃を緩和させることができるようにするものである。そして、図3bに示すように、上記中央テザー300を通じて形成される第1チャンバー110及び第2チャンバー120の外周面の間に形成された凹溝部150により大人乗客が前面にぶつかる場合、鼻骨が損傷されないようにし、子供乗客の場合、下部の凹溝部150によりその接触面積を十分に広げて衝撃緩和の効果を極大化させることができる。
【0042】
以下、図2及び図4乃至図6bを参照して、本発明のエアバッククッションに含まれた縫合部500について詳細に説明する。上記縫合部500は、エアバッククッション100の側面中央部に対向する外皮を縫合する部位であって、図2に示すように、多様な形状で形成できるが、図2に示すように、縫合部500の形状は3つ形態に変形実施されることができ、これによってエアバッククッション100が膨脹された時、各形態別に凹溝部150の深さと開け角度が変形できる。
【0043】
本発明の説明では縫合部500の形状を3つ形態に例示したが、必ずこれに限定されるのではないことを明らかにする。
【0044】
即ち、上記縫合部500は、図2を参照すると、通常的に上下左右が適切な長さで形成される標準型510で形成されることもでき、また前後長さが上下長さに比べて長く形成される横型550で形成されることができ、上下長さが前後長さに比べて長く形成される縦型560でも形成できる。
【0045】
上記標準型510の場合、前後、上下の長さが適切に、好ましくは均等に形成されるようにするが、このように形成することによって、上下側のクッションと前面部のクッションのサイズ及び厚さは均一に形成するものである。即ち、前面部にぶつかる乗客の衝撃を前面部でもある程度緩衝すると共に、上下のクッションでもある程度緩衝できる効果を図ることができる。
【0046】
上記横型550の場合、上下方向のクッションが前後方向のクッションに比べてより大きく形成されるようにするが、このように形成することによって、たとえ前面部のクッションが貧弱であることもあるが、上記縫合部500の横長さが長く形成されるので前後に潰れながら上下側のクッションにより十分に衝撃を緩衝できるようにする効果を図る。
【0047】
即ち、このような形状からなる場合、乗客が前面部に衝突した場合、乗客の頭がエアバッククッションに深く入り込むようにして衝撃を緩和させることができるようにする。
【0048】
上記縦型560の場合、前後方向のクッションが上下方向のクッションに比べてより大きく形成されるようにするが、このように形成することによって前面部のクッションが豊かに形成されることができ、これによって乗客がクッションの前面部にぶつかりながら前面部のクッションによりその緩衝効果を十分に達成できるようにする。ここに、上下側のクッションはこれに比べてサイズが小さくなるので潰れることがあるが、全体としてその緩衝効果は充分に達成できる。
【0049】
延いては、本発明は第1チャンバー110及び第2チャンバー120を相互連動するように裁縫させて連結し、連結された部位の外側に凹溝部150が形成され、上記縫合部500の変更により凹溝部150の深さを変更させることができるようになるが、これによってエアバッククッション100の展開時、上記凹溝部150の開け角度及び深さを調節するようにする。
【0050】
本発明の更に他の実施形態によれば、上記縫合部500は、図4を参照すると、裁縫ライン530で形成できる。このような上記裁縫ライン530は、通常的に縫い物からなった裁縫で形成されるが、特に、ある程度内部の空気圧力により裂けることができる程度の強度で縫い物されるものが好ましい。
【0051】
上記裁縫ライン530は、図4に示すように、3つの裁縫ライン531、532、533で形成できるが、これは1つの実施形態であり、多数個の裁縫ライン530で形成できることが本発明の権利範囲に含まれることは当然である。
【0052】
以下、多数個の裁縫ライン530について添付の図5a乃至図6bを参照して説明する。
【0053】
図5aは図4のA−A断面図であり、図5bは図5aの状態で最外郭側の裁縫ライン531が裂けた状態を示す断面図であり、図6aは図4のB−B断面図であり、図6bは図6aの状態で最外郭側の裁縫ライン531が裂けた状態を示す断面図である。
【0054】
ここで、図5a及び図6aに示すように、図4の立面図を中央部で切断して見ると、エアバッククッション100の両側面の中央部は、その間にテザー300が挿入された状態で上記縫合部500により接合され、その外周方向はクッションで形成されることを確認することができる。即ち、本発明の助手席エアバック10は略ドーナツ形状の膨張構造を成しており、かつその中央部は縫合部500により塞がった構造で形成される。
【0055】
ここに、上記多数個の裁縫ライン530の作動関係について説明すると、上記縫合部500は、まず順次的な直径を有する多数の裁縫ライン530を含み、上記多数の裁縫ライン530はエアバックの内部に供給されるガスの圧力に従って外郭にある裁縫ラインから順次に解体できるようにする。
【0056】
このような順次的な多数の裁縫ライン530の内部ガス圧力に従う解体作動は、通常的にエアバックの内部の圧力が適正水準に形成されるようにしなければ、乗客がエアバックに衝突する場合、その衝撃を十分に緩和させることができないためであるが、大き過ぎる圧力がエアバックの内部に形成される場合、その圧力に従う反発力によりむしろ乗客に一層大きい衝撃を与えることがあるためである。
【0057】
即ち、このようにエアバックの内部の適正水準の圧力を維持できるようにするために、エアバックの内部に過度な圧力が形成された場合、上記多数の裁縫ライン530が外郭から順次に解体されるようにして、終局、エアバックの内部の体積を増加させ、結局にはエアバックの内部の圧力を減少させることができるようにする。
【0058】
即ち、図5a及び図6aに示すように、適正水準の圧力がエアバックの内部に加えられた場合、最外郭にある第1裁縫ライン531は裂けず、エアバッククッションの内部体積は元の状態に維持されて、その圧力が維持されるようになる。しかしながら、適正水準以上の圧力がエアバックの内部に形成された場合、図5b及び図6bに示すように、上記第1裁縫ライン531は裂けて、エアバッククッションの体積は当然により大きくなるようになりながら、自然にエアバックの内部の圧力が低くなるようになる。このように適正水準の圧力を維持することによって、エアバックに衝突する乗客の衝撃を一定に緩和させるようになる。
【0059】
勿論、より大きなエアバックの内部圧力が形成された場合、第2裁縫ライン532まで解体されて、より大きい内部空間を形成するエアバッククッションの体積を有するので、その圧力を適正水準に維持させることができるようになる。
【0060】
たとえ本発明が前述した好ましい実施形態と関連して説明されたが、発明の要旨と範囲から逸脱することなく、多様な修正及び変形が可能であることは、当業者であれば容易に認識できるものであり、このような変更及び修正は全て添付された特許請求範囲に属することは自明である。
【符号の説明】
【0061】
1 車両
2 従来の発明の助手席エアバック
10 本発明のエアバッククッション
100 エアバッククッション
110 第1チャンバー
120 第2チャンバー
150 凹溝部
300 テザー
310 クッション外皮接合部
500 縫合部
530 裁縫ライン
531 第1裁縫ライン
532 第2裁縫ライン
533 第3裁縫ライン
510 標準型
550 横型
560 縦型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられる助手席エアバッククッションであって、
内部にガスが詰められる空間を有する第1チャンバー110及び第2チャンバー120と、
前記第1チャンバー110と第2チャンバー120との間に隔壁により形成される中央テザー300と、
前記エアバッククッションの両側面の中央部を前記中央テザーの両側面に突き合わせて結合する縫合部500と、
を含むことを特徴とする、助手席エアバッククッション。
【請求項2】
前記エアバッククッションは、
前記エアバッククッションの上下、前面部の外周面に第1チャンバーと第2チャンバーとの間に形成される凹んでいる凹溝部150を含むことを特徴とする、請求項1に記載の助手席エアバッククッション。
【請求項3】
前記縫合部500は、
横型550で形成されて上下方向のクッションが前後方向のクッションに比べてより大きく形成されることを特徴とする、請求項2に記載の助手席エアバッククッション。
【請求項4】
前記縫合部500は、
縦型560で形成されて前後方向のクッションが上下方向のクッションに比べてより大きく形成されることを特徴とする、請求項2に記載の助手席エアバッククッション。
【請求項5】
前記縫合部500は裁縫ライン530で形成されることを特徴とする、請求項3または4に記載の助手席エアバッククッション。
【請求項6】
前記裁縫ライン530は、
順次的な直径を有する多数の裁縫ラインを含むことを特徴とする、請求項5に記載の助手席エアバッククッション。
【請求項7】
前記中央テザー300は、
前記エアバッククッション100の内部に位置して、その縁が前記エアバッククッションの外皮上下前面部の内面に接合するクッション外皮接合部310を含むことを特徴とする、請求項6に記載の助手席エアバッククッション。
【請求項8】
前記多数の裁縫ライン530は、エアバックの内部に供給されるガスの圧力に従って外郭にある裁縫ラインから順次に解体されることを特徴とする、請求項7に記載の助手席エアバッククッション。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【公開番号】特開2011−121581(P2011−121581A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268943(P2010−268943)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(510136301)オートリブ ディベロップメント エービー (46)
【Fターム(参考)】