説明

動きスレッショルドロジックのための副搬送波検出(SCD)

【課題】副搬送波信号で変調され、輝度成分および色成分を有するコンポジットビデオ信号を受け取るよう構成されたビデオデコーダを備える装置を提供する。
【解決手段】このビデオデコーダは、複数の周波数領域においてそれぞれ前記輝度成分および前記色成分に対して動き検出操作を実行するよう構成された、ビデオデコーダを備える装置である。このビデオデコーダは、前記ビデオデコーダに結合され、前記複数の周波数領域のそれぞれについて前記ビデオデコーダにユニークなスレッショルド値を提供するよう構成された可変スレッショルドロジックを含む。この装置は、前記可変スレッショルドロジックに結合され、前記副搬送波検出ロジックの空間および時間特性の両方をチェックすることによって前記副搬送波信号を検出するよう構成された副搬送波検出ロジックも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオ処理に関し、より具体的には、NTSCおよびPALビデオ信号を復号する動き検出のための適応スレッショルドロジックの装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ放送のための全国テレビジョン方式委員会(NTSC)標準において、テレビカメラからのRGB(赤、緑および青)信号は、効率的な送信のために輝度信号および色信号に変換される。輝度信号は、典型的には「Y」とラベルが付されるが、明るさおよびそのテレビカメラで記録された絵の最大の詳細を記述する。色信号は、2つの色差信号R−Y(赤マイナスY)およびB−Y(青マイナスY)の組み合わせであり、これら両方は、約1MHzに帯域制限されている。それぞれの色差信号は、3.58MHzの副搬送波信号の位相および振幅を変調するのに用いられる。位相変調は、色相、つまり意図された特定の色を表し、一方、振幅変調は、色差信号の強度、つまり飽和度を表す。副搬送波の周波数は、色信号が輝度信号と周波数でインターリーブされることによって、色および輝度信号間でエネルギー干渉がない単一のコンポジット信号を発生するように選択される。
【0003】
テレビ受像器がNTSCコンポジット信号を受け取るとき、コンポジット信号は、輝度および色信号に分離するために復号器で復号される。それから色信号は、テレビスクリーン上に標準されるべきRGB信号を再生するのに用いられるR−YおよびB−Yコンポーネント信号に復調される。輝度および色信号は、3.58MHz近辺における同じ周波数帯域を共有し、かつ輝度および色信号は、それらが足される前に予めフィルタリングされないので、輝度および色信号は、復号プロセスでは完全には分離されえない。よって、輝度および色信号間のクロストークの結果、さまざまな復号アーティファクトが存在する。復号アーティファクトを最小化するために、復号処理のあいだに輝度および色信号のより良い分離を達成するよう多くの方法が設計されてきた。
【0004】
一般に、輝度および色信号を分離する2つの方法が存在する。両方は、コンポジット信号のある部分を他の部分と区別するよう設計されたフィルタを用いる。第1の方法は、「ノッチ/バンドパスフィルタ」を用い、第2の方法は、「くし形フィルタ」を用いる。それぞれ特定の長所および短所を有するいくつかの異なるくし形フィルタのタイプが存在する。
【0005】
ノッチフィルタは、3.58MHzに中心が設定される色信号の周波数を除いて、コンポジット信号の全ての周波数を通すよう設計される。その結果、色信号は除去され、しかし輝度信号の対応する部分もそうであり、その結果、高い周波数の輝度情報のロスにつながる。ノッチフィルタは、バンドパスフィルタと共に用いられ、これは狭い色帯域における周波数だけを通し、色信号および輝度信号の高い周波数部分を出力する。要約すると、ノッチ/バンドパスフィルタ法は、簡単、ローコストなアプローチであるという利点を有し、垂直解像度(すなわち低い周波数)のロスがほとんどないか、全くない。欠点は、輝度解像度が失われること、および高い周波数の輝度が色として扱われるとき(「レインボーパターン」アーティファクトとして知られる)、および色が輝度として扱われるとき(ドットクロールとして知られる)に深刻な表示アーティファクトが生じることである。
【0006】
くし形フィルタリング法では、副搬送波位相は、2つの隣接する画像ライン間で180度だけ反転するよう設計される(そしてそれにより2つの隣接するフレーム間でもそうであるが、それはフレーム内には奇数ラインがあるからである)。くし形フィルタリングには2つの大きなタイプがある。すなわち、ラインコーミングおよびフレームコーミングである。両方の方法において、基本概念は、180度だけ反転された色位相を有する2つの同一の信号を加算または減算することを伴う。信号を加算するとき、色信号は打ち消し合い、輝度信号が出力され、信号を減算するとき、輝度情報は失われ、色信号が出力される。
【0007】
1ライン、2ライン、または3ラインがインラインコーミングで用いられえる。単一のラインが用いられるとき、入力ビデオ信号は、1ラインだけ遅延され、対応する遅延されたピクセルおよび遅延されないピクセルが加算および減算されて、それぞれ輝度および色信号を得る。2つのラインが用いられるとき、1ライン遅延されたピクセル、2ライン遅延されたピクセル、および遅延されないピクセルの重み付けされた加算および減算が用いられて、それぞれ輝度および色信号を得る。3つのラインが用いられるとき、ライン1および2、およびライン2および3の間で相関が決定される。くし形フィルタリングがそれから最も良い相関を有する2つのラインに対して実行される。3つのラインの適応くし形フィルタは、しばしば2D適応くし形フィルタと呼ばれる。全ラインコーミング法は、ノッチ/バンドパスフィルタ法よりもより良い結果を生むが、それでも単一のラインカラーが存在するときは、クロスカラー、垂直解像度ロス、およびドットクロールを示す。
【0008】
フレームコーミング(frame combing)は、ラインコーミング(line combing)と同様であるが、単一のフレーム内で2つの隣接するラインを比較する代わりに、2つの隣接するフレーム内で同じ位置の2つのラインがコーミングに用いられ、それによってコーミングフィルタリングを時間領域に拡張する。しかしフレームコーミングは、画像の静止部分についてしか実行されえない。もし動きが存在するなら、それは2Dコーミングに戻る必要がある。くし形フィルタリング(comb filtering)をラインコーミングからフレームコーミングに変えるために動き検出を用いる方法は、動き適応デコーディング(motion-adaptive decoding)、または3D適応デコーディング(3D adaptive decoding)と呼ばれる。3D適応デコーディングは、静止画像についてドットクロールおよびクロスカラーなしに、完全な水平および垂直解像度を維持する。しかし大きなエリアのドットクロール(dot crawls)およびゴーストシャドウ(ghosting shadows)のような動きアーティファクト(motion artifacts)が存在しえる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
3D適応デコーディングにおいて、くし形フィルタリングは、ピクセル単位で、3Dおよび2Dくし形フィルタリング法の間で切り替えられる。もし動きが存在しなければ、3Dくし形フィルタが適用され、もし動きが存在すれば、2Dくし形フィルタが適用される。したがって、2つのフレーム間で「真の動き」が存在するか、または観測される動きが例えばジッタやノイズのための「偽動き」であるかを正確に検出することによって、動きアーティファクトを最小化する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
副搬送波信号で変調され、輝度成分および色成分を有するコンポジットビデオ信号を受け取るよう構成されたビデオデコーダであって、前記ビデオデコーダは、複数の周波数領域においてそれぞれ前記輝度成分および前記色成分に対して動き検出操作を実行するよう構成された、ビデオデコーダを備える装置である。このビデオデコーダは、前記ビデオデコーダに結合され、前記複数の周波数領域のそれぞれについて前記ビデオデコーダにユニークなスレッショルド値を提供するよう構成された可変スレッショルドロジックを含む。この装置は、前記可変スレッショルドロジックに結合され、前記副搬送波検出ロジックの空間および時間特性の両方をチェックすることによって前記副搬送波信号を検出するよう構成された副搬送波検出ロジックも含む。さまざまな図面中の同様の参照シンボルは、同様の要素を表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
概観
【0012】
本発明は、テレビ受像機によって受け取られるNTSC、PAL信号またはコンポーネントビデオ信号のようなビデオ信号中の動きを検出する方法および装置に関する。まず、新規な動き検出スキームを実現するデコーダの概観が述べられ、それからさまざまな周波数領域における動き検出が示される。この後、個別のスレッショルド値がどのように調整されるかの記述がなされ、2Dまたは3Dデコーディングされた信号を出力するかを決定するために検出された動きがデコーダ中のブレンダ(blender)によってどのように用いられるかの説明がなされる。ここでの記載は、主にNTSC信号に焦点を合わせているが、PAL信号、またはコンポーネントビデオ信号にも少しの改変で同じように適用可能であり、その改変についてはこの記載の終わりで触れる。
【0013】
図1は、新規な動き検出スキームを実現する3Dデコーダによって実行されるプロセス(1000)の高レベルのフロー図である。図1に示されるように、色および輝度成分の両方を含むコンポジットビデオ信号がデコーダにおいて受け取られる(ステップ1002)。動き検出操作が入力コンポジットビデオ信号に対してそれから実行される(ステップ1004)。以下にさらに詳述されるように、動き検出操作は、いくつかの周波数領域において色および輝度の両方について実行される。それぞれの領域は、調節可能なユニークなスレッショルド値を有し、それによって「真の動き」対「偽の動き」のより良い検出を可能にし、従来の3Dデコーダに比較してより少ない動きアーティファクトを持つデコードされた画像を生む。それからプロセスは、動き検出操作において動きが検出されたかどうかを調べる(ステップ1006)。もし動きが検出されたなら、プロセスは、ステップ1008に進み、ここではコンポジット信号をデコードするために2Dロジックが用いられる。しかしもし動きがステップ1006において検出されないなら、プロセスはステップ1010へと続き、ここではコンポジット信号をデコードするために3Dロジックが用いられる。
【0014】
図2は、テレビ受像機によって受け取られるNTSCコンポジット信号をデコードするためのデコーダ(100)の概略ブロック図を示す。3Dデコーダ(100)は、コンポジットビデオ信号(102)を受け取る。コンポジットビデオ信号(102)は、第1および第2ラインディレイ(104、106)においてそれぞれ1ラインおよび2ラインだけ遅延される。現在のライン信号(L1)と併せて、1ライン遅延信号(L2)および2ライン遅延信号(L3)は、垂直ロジック、水平ロジック、および単一ラインロジックを持つ適応2Dデコーダ(108)に入る。適応2Dデコーダ(108)は、コンポジットビデオ信号から色信号(2D_C)をフィルタリングして取り出し、フィルタリングされた2D_C色信号をブレンダ(110)に渡す。ブレンダは後で詳述される。1ライン遅延された信号(L2)は、またディレイ(112)に渡され、これは輝度信号(Y)を発生するために、色信号をフィルタリングするのに必要とされる処理時間を補償する。適応2Dデコーダ(108)に加えて、デコーダ(100)は、動き適応、3D色信号(3D_C)を発生するロジックを含み、この動き適応、3D色信号(3D_C)は、ブレンダ(110)にも渡される。色サンプリング値は2フレームにわたって同位相なので、2フレームメモリ(114、116)が色動きの検出において用いられ、ロスのない相関が動き検出ブロック(118)において容易に決定されえる。
【0015】
図3は、図1の動き検出操作(ステップ1004)の高レベルフロー図を示し、これは動き検出ブロック(118)によって実行される。図3に見られるように、動き検出プロセスは、入力フレーム信号、1フレーム遅延された信号、および2フレーム遅延された信号を受け取ること(ステップ3002)によって始まる。入力フレーム信号中の第1ピクセルが選択される(ステップ3004)。動き検出ブロック(118)は、低い周波数の輝度領域、高い周波数の色領域、および高い周波数の輝度/色領域のための別個のスレッショルド値群をそれぞれ可変スレッショルドロジックブロック(120)からそれから受け取る(3006)。可変スレッショルドロジックブロック(120)がそれぞれのピクセルおよびそれぞれの周波数領域について別個のスレッショルド値を供給する結果、動き検出は、従来の動き検出技術に比較して大きく改善される。ある実現例において、スレッショルド値群は、その直に隣接するピクセルに比較した、そのピクセルの値に基づく。プロセスは、異なる周波数領域における動きの中から、そのピクセル値についての最終的な動きの値となるべき最大の動きを決定する(ステップ3008)。それからプロセスは、入力フレーム中の全てのピクセルが処理されたかをチェックする(ステップ3010)。もし全てのピクセルが処理されたならプロセスは終了する。そうでなければ、入力フレーム中の次のピクセルが選択され、プロセスは、全てのピクセルが処理されるまでステップ3006から3010を反復する。この動き検出プロセスはそれぞれの受け取られたフレームについて実行される。
【0016】
今度は図2に戻り、最終的な動き値が決定されたら、その最終動き値は、動き検出ブロック(118)からブレンダ(110)に3タップメジアンフィルタ(122)およびディレイブロック(124)を通して渡される。メディアンタップフィルタ(122)は、最大動き値をフィルタリングし、ピクセルストリーム中の任意のスパークル動き(sparkle motion)または非動き点を除去する。3D色信号(3D_C)は、現在のピクセルおよび1フレーム前の対応するピクセル、すなわちF2−F1から発生され、それから2で割られる(126)。バンドパスフィルタ(128)およびディレイ(130)は、信号がブレンダ(110)に渡される前に適用される。バンドパスフィルタは、信号がブレンダ(110)に到達する前に3D色信号の帯域幅を制限する。ある実現例では、色バンドパスフィルタ(128)は、−1/4、0、1/2、0、−1/4の係数を持つ5タップフィルタであり、中間タップがデコーディングを施されている現在のピクセルであり、2つのピクセルがいずれかの側にある。他の実現例において、色バンドパスフィルタ(128)は、副搬送波周波数の周辺に中心が設定された約3MHzの通過帯域を持つ広いバンドパスフィルタである。
【0017】
動き検出ブロック(118)において検出された動きに基づいて、ブレンダ(110)は、2D色信号または3D色信号のいずれを出力すべきかを決定する。もし動きが存在するなら、2D_C信号が出力され、もし動きが存在しないなら、3D_C信号がブレンダ(110)から出力される。ブレンダからの信号は、カラーキラー(132)に行き、これは、色バースト信号を欠くモノクロ入力などのようなさまざまな理由のために適切な色が表示されない場合に色情報を除去するよう動作する。最後に分離された色(C)および輝度(Y)信号が、テレビスクリーン上で表示されるべきRGB信号を発生するためにテレビ受像機へ出力される。
【0018】
低い周波数の動き検出
【0019】
図4Aは、低い周波数動きを検出するために動き検出ブロック(118)のある実現例において用いられるロジックの概略ブロック図を示す。図4Bは、図4Aの動き検出ブロック(118)において実行される低い周波数の動き検出プロセスのための対応するフロー図を示す。低い周波数の動きは、1フレーム遅延されたサンプリング値を入力フレームから減じること(202)、すなわちF1−F0によって決定される(ステップ4002)。上述のように、NTSCにおいて、2つの隣接するフレームについての副搬送波は180度位相がずれている。色信号は副搬送波で変調されているので、フレームF2およびF0の減算の結果は、輝度が打ち消されて、色および動きが得られる。減算F2−F1から生じる信号(C)は、色を含む高い周波数成分を除去するためにローパスフィルタ(204)がかけられる(ステップ4004)。同じ信号(C)は、より少ない輝度動きを持つ、色および/または輝度についての高い周波数の動きを検出するために用いられるロジックへの入力としても用いられ、これは図6を参照して以下で詳述される。
【0020】
ある実現例において、ローパスフィルタ(204)は、3つの1/4、0、1/2、0、1/4の係数を持つ5タップフィルタ(2+2)、および出力において1/4、1/2、1/4の係数を持つ3タップのローパスフィルタ(1+1)を含む。ローパスフィルタ(204)におけるこのフィルタ群の組み合わせは、動きパスにおけるノイズを減らすのに役立ち、動きと間違って解釈されえる副搬送波部分を除去する。ローパスフィルタ信号は、それから負の信号または値を正の信号または値に変換する(ステップ4006)検波器(206)に渡され、それからスレッショルドロジックブロック(208)に渡される。このスレッショルドロジックブロック(208)は、可変スレッショルドロジック(120)によって決定されたスレッショルド値を入って来る検波された動き値から減じる(ステップ4008)。結果として生じる信号は制限され(210)、すなわち任意の負の値は、ゼロにクリッピングされ、一方、正の値は変えることなく残し、低い周波数の動き値を得て(ステップ4010)、ローパスフィルタがかけられた動き検出値が出力される(ステップ4012)。
【0021】
ある実現例において、第3の5タップフィルタはバイパスのオプションを有する。NTSC信号のためのローパスフィルタブロック(204)の減衰値は、以下の表1に示され、PAL信号のための減衰値は、以下の表2に示される。
【表1】

【表2】

【0022】
ある実現例において、3Dへの切り替えをより柔らかくするために、同じ低い周波数の動き検出が、図4Aに示されるように、ブロック212から220によって1フレームディレイおよび2フレームディレイにそれぞれ適用される。またここで、信号F0からの信号F1の減算から生じる信号(D)は、図6Aに示される、より少ない輝度動きを持つ色および/または輝度についての高い周波数の動きを検出するためのロジックへの入力として用いられる。F2−F1動きおよびF1−F0動きのそれぞれの最大値は、最終的な低い周波数の輝度動きとして決定される。
【0023】
色および/または輝度についての高い周波数の動き検出
【0024】
図5Aは、高い周波数の色および/または輝度の動きを検出するための動き検出ブロック(118)において用いられるロジックのある実現例の概略ブロック図を示す。図5Bは、高い周波数の色および/または輝度のための動き検出プロセスの対応するフロー図を示す。図5Aおよび5Bに見られるように、高い周波数の動きを検出するために、2フレーム遅延されたサンプリング値が入力フレームから減じられ、すなわちF2−F0を得る(ステップ5002)。それから結果として生じる信号は検波(304)され(ステップ5004)、スレッショルドロジックブロック(306)に渡される。スレッショルドロジックブロック(306)は、入力動き値から可変スレッショルドロジック(120)によって決定された第2スレッショルド値を減じる(ステップ5006)。結果として生じる信号は、制限され(308)(ステップ5008)、1/4、1/2、1/4の係数を持つ3タップローパスフィルタ(1+1)でローパスフィルタをかけられる(ステップ5010)。F0およびF2の副搬送波は、同じ位相を有するので、この検出スキームは、高い周波数の輝度動きと共に、適切な色動きを提供する。結果として生じる信号はそれから出力される(ステップ5012)。
【0025】
ある実現例において、信号F2およびF0は、ステップ5002において減じられる前にバンドパスフィルタがかけられ、その結果、低い周波数の輝度動きはフィルタリングされ、色帯域動きだけが存在する。その結果、ステップ5012で出力される結果として生じる信号は、色帯域の動きだけを含むことになる。
【0026】
より少ない輝度動きを持つ色/輝度動き
【0027】
図6Aは、より少ない輝度動きを持つ、色および/または輝度についての高い周波数の動きを検出するための動き検出ブロック(118)において用いられるロジックの概略ブロック図を示す。図6Bは、動き検出ブロック(118)において実行される対応する動き検出プロセスのフロー図を示す。図6Aおよび6Bに見られるように、この動き推定は、図5Aおよび5Bを参照して上述の高い周波数の動き推定とかなり似ている。図6Aにおいて示されるロジックは、2つのモードで動作しえる。第1モードにおいて、ロジックは、より少ない輝度動きを持つ2つのフレームに渡る色動きを検出するよう動作する。第2モードにおいて、このロジックは、1フレームの色動きを検出するよう動作する。
【0028】
まず、プロセス(6000)は、2フレーム色モードまたは1フレーム色モードのどちらが用いられるべきかを決定する(ステップ6002)。ある実現例において、これは、1フレーム色動きイネーブルビットがセットされているかをチェックすることによって決定される。もし1フレーム色動きイネーブルビットがセットされていないなら、2フレームモードが用いられ、プロセスはステップ6004に進み、ここで図4Aからの2つの1フレーム差分信号C(すなわちF2−F1)およびD(すなわちF1−F0)が検波される。それから信号Dは、信号Cから減じられ(ステップ6006)、結果として生じる信号が検波される(ステップ6014)。それからスレッショルドロジックブロックは、可変スレッショルドロジック(120)によって決定された第3スレッショルド値を入って来る検波された動き値から減じる(ステップ6016)。結果として生じる信号は制限され(ステップ6018)、1/4、1/2、1/4の係数を持つ3タップのローパスフィルタにおいてローパスフィルタがかけられる(ステップ6020)。結果として生じる信号はそれから出力され(ステップ6022)、プロセスは終了する。
【0029】
もしプロセスがステップ6002において、1フレーム色動きイネーブルビットがセットされていると決定するなら、すなわち、1フレーム色動き検出が用いられなければならないと決定するなら、プロセス(6000)は信号CおよびDを用いず、その代わりにフレームF2およびF1を用いる。フレームF2およびF1のそれぞれは、バンドパスフィルタがかけられ(ステップ6008)、検波される(ステップ6010)。それから信号F1の検波されたものは、信号F2の検波されたものから減じられ(ステップ6012)、結果として生じる差分信号がそれから検波される(ステップ6014)。差分信号がステップ6014において検波された後、上述のようにプロセスはステップ6016から6022へと続く。
【0030】
最終的な動き
【0031】
図7は、異なる周波数領域について決定された動きに基づいて最終的なNTSC動きがどのようにして決定されるかの概略ブロック図を示す。最終的な動きファイルは、さまざまな周波数領域について上で決定された動きの最大である。図2において上で見られたように、それから最終的な動きは、3タップ水平メジアンフィルタ(122)を通して渡される。この3タップ水平メジアンフィルタ(122)は、スパークル動きおよび動きのない点および/またはラインを除去する。最終的なNTSC動きはクリッピングされて5ビット幅になる。最大動き値16は、デコーダが2D輝度および色信号だけを出力するようにさせる。最小動き値ゼロは、デコーダが3D輝度および色信号だけを出力するようにさせる。ゼロおよび16の間の任意の値は、ブレンド(blend)された2Dおよび3D信号である信号を出力するようにさせる。このブレンディング(blending)は、ブレンダ(blender)(110)においてなされ、これはここで詳細に説明される。
【0032】
ブレンダ
【0033】
図8は、本発明のある実現例による、より詳細なデコーダのブレンダ(110)の動作を示す概略ブロック図である。上述したように、また図8に見られるように、2D色信号(2D_C)は、2D色/輝度分離器から来て、3D色信号(3D_C)は、3D色/輝度分離器から来る。動き検出ブロック(118)からの5ビットの動き出力は、ブレンダ(110)への入力としても用いられる。ブレンダからの色出力は、2D_Cおよび3D_C信号に基づいており、これらは以下のようにブレンドされる。
【0034】
色出力 = (2D_C * motion)/16 + (3D_C * (16-motion))/16
【0035】
輝度出力は、色出力を入力コンポジットビデオ(L2)から減じることによって得られる。ファームウェアによってイネーブルおよびディセーブルされえるカラーキラーは、入力コンポジットビデオ(L2)がモノクロームビデオ信号であるときのような、適切な色が表示されえない場合において色が表示されないようにするために用いられる。ある実現例において、クロスカラー抑圧を向上するために、適応制御されたフィルタのようなフィルタが色パスにおいて適用されえる。同様に、適応フィルタは、クロス輝度効果を減らすために、輝度パスにも入れられえる。
【0036】
動き検出のためのスレッショルドロジック
【0037】
上述されたように、コンポジット信号をデコーディングする効果的なやり方は、動きベースの適応時間的デコーディングを3Dくし形フィルタで実行することであり、それにより、動きが存在しないときには時間的コーミング(3D)が実行され、そうでなければ空間的コーミング(2D)が実行される。2Dデコーディングは、クロスカラーおよびドットクロールアーティファクトを有するが、一方、3Dデコーディングは画像の静止部分についてはこれらのアーティファクトを有しない。よって、動き検出ロジックは、動きを正確に検出し、それよってより良い画質を達成するために用いられる。
【0038】
ある実現例では、動き検出は、現在のフレームおよび前のフレームの間の差異をピクセル毎に調べることによって達成される。検出された差異、すなわち「ロー(生)の差異」は、真の動きを検出するために処理される必要がある。典型的には、動き検出ロジックは、なんらかのタイプのスレッショルドロジックを含み、これは、システムのノイズに基づいてどのくらい生の動きが抑圧されるかを制御する。もしこのスレッショルド値が増されるなら、真の動きは場合によっては失われ、またもしスレッショルド値が減らされるなら、システムノイズが誤った動きの指示を発生してしまう。したがって、適応スレッショルドロジックを有することが望ましい。さらに、適応スレッショルドロジックがより動的であればあるほど、動き検出ロジックはより良い動作をする。適応スレッショルドロジックにおいて考慮されなければならないさまざまな問題を理解するために、さまざまなノイズのタイプの簡単な概観が以下に続く。
【0039】
動き検出の不正確さの主要な原因は、ランダムノイズ、サンプリングクロックノイズつまりジッタ、カメラシマー(camera shimmer)によるダイアゴナル遷移ノイズ(diagonal transition noise)、クランプノイズなどである。以下の議論は、サンプリングクロックノイズつまりジッタ、およびダイアゴナル遷移ノイズに焦点を合わせる。ビデオ信号におけるランダムな小さな振幅のノイズに加えて、3Dデコード動き検出ロジックについてのより大きな振幅かつ高い周波数のノイズはエッジノイズであり、これは偽の動きをフレームにわたって生じ、そのため、3Dが用いられなければならないのに画像のその領域において2Dに切り替わってしまう。エッジノイズは、クロックエッジノイズ、PLL(フェーズロックループ)不安定性、PLLトラッキング、またはループフィルタ設定のようなさまざまな理由のために、ADC(アナログディジタル変換器)のサンプリングクロックジッタの結果として起こる。
【0040】
サンプリングクロックジッタの結果として、全ての信号エッジにおいてサンプリングされた信号振幅のバラツキが存在する。これらバラツキがエッジノイズを存在するようにし、これは、クロックジッタと、およびエッジ振幅または勾配に直接に比例し、すなわち、エッジの両側に位置する2つのピクセルについてのピクセル値の差に直接に比例する。ある実現例において、この差は、現在のピクセルおよび前のピクセルの第1の差、および現在のピクセルおよび次のピクセルの第2の差を決定し、2つの決定された差の最大値を選択することによって決定される。この問題に対応するために、スレッショルドは、ピクセル毎に、エッジ検出およびエッジ勾配の両方に基づいて、動的に変化される必要がある。
【0041】
エッジ/勾配適応スレッショルドは、副搬送波検出に基づいてさらに改良されえる。典型的にはディジタイズされたコンポジットビデオ信号において、高い周波数の輝度部分におけるエッジノイズは、高い周波数の色部分におけるエッジノイズよりも高いが、これはサンプリングクロックが副搬送波信号のカラーバースト部分にロックされるからである。さらに、輝度エッジは典型的には、色エッジよりもより急な勾配を有するが、これは輝度エッジは、約5MHzにまで達する高い解像度を有するからである。もし高い周波数の輝度エッジノイズをマスクするためにエッジスレッショルドが高く設定されるなら、真の色動きにおいてある程度の関連付けられたロスが発生する。しかし、もしエッジ/勾配スレッショルドが副搬送波検出に基づいて適応性にされているなら、スレッショルドロジックは、これから説明されるようにより効果的になるよう改善されえる。
【0042】
適応スレッショルドロジックのためのエッジおよび副搬送波検出ロジックの実現例
【0043】
図9は、エッジ検出ロジックブロック(710)および副搬送波検出(SCD)ロジックブロック(720)を含むスレッショルドロジック(120)の概略ブロック図を示す。以下にさらに詳細が説明されるエッジ検出ロジックブロック(710)は、スレッショルド値をエッジのパーセンテージとしてユーザが設定できるようにするロジック、すなわち勾配振幅のうちのどのくらいがエッジスレッショルドとして割り当てられるべきかの設定をユーザができるようにするロジックを含む。
【0044】
このエッジベースのスレッショルドは、副搬送波のステータスを調べるSCDロジックブロック(720)を通してそれからさらに適応性にされる。SCDロジックブロック(720)は、以下にも詳細に説明されるが、一般にSCDロジックブロック(720)は、以下のようにエッジ検出ロジックブロック(710)と共に動作および相互作用する。ユーザは、特定のエッジについて例えばx%およびy%と2つのパーセンテージを設定しえる。その特定のエッジについて、もしSCDロジックブロック(720)が副搬送波を検出しないなら、勾配パーセンテージスレッショルド値としてx%が用いられ、もしSCDロジックブロック(720)が副搬送波を検出するなら、勾配パーセンテージスレッショルド値としてy%が用いられる。もしx%がy%より高く設定されるなら、より高い勾配パーセンテージスレッショルド値が画像の輝度部分について用いられえ、より低い勾配パーセンテージスレッショルド値が画像の色部分について用いられえ、それによって色動きロスを減らし、ピクセル毎のSCDに基づく動的スレッショルド変化を達成する。輝度および色部分についてのこの独立した制御のために、スレッショルドロジックは、色部分における大きなロスなしに輝度エッジノイズを大幅に抑圧するようプログラムされえる。
【0045】
SCD検出ブロック
【0046】
SCD検出ブロック(720)は、空間的(すなわちラインにわたって)かつ時間的(すなわちフレームにわたって)の両方の副搬送波の特性についてチェックすることによって副搬送波を検出する。空間領域において、サンプリングクロックは、副搬送波周波数の4倍であり、カラーバーストを通して副搬送波にロックされているので、交互の副搬送波サンプリング値は大きさにおいてほぼ等しいが、位相つまり符号が反対である。さらに、副搬送波は、ラインにわたって180度だけ位相が変化するので、これも用いられえる。時間的領域において、副搬送波は、フレーム毎に位相を180度だけ反転し、よって大きな差異が2つの隣接するフレーム間に存在し、2フレーム離れたフレーム間ではずっと少ない差異しか存在しないことになる。よって空間領域および時間領域の両方で調べることによって、スレッショルドロジックを制御するために概略の副搬送波検出がなされえる。図9に見られるように、SCDブロック(720)は、副搬送波検出のために、3つのフレームタップF2、F1、およびF0(すなわち現在のフレーム、前のフレーム、および前のフレームの前のフレーム)を受け取る。以下に挙げられた定義はSCD検出ブロックの後の説明に役立つ。
【0047】
1.CLD_Status1_Aは、サンプリング値が色であるかどうかを示すための、時間的色振幅特性チェックに基づくステータス信号である。
【0048】
2.CLD_Status1_Bは、サンプリング値が色であるかどうかを示すための、時間的色極性特性チェックに基づくステータス信号である。
【0049】
3.CLD_Status2_Aは、サンプリング値が色であるかどうかを示すための、現在のビデオライン(1次元)内の空間的色振幅および極性チェックに基づくステータス信号である。
【0050】
4.CLD_Status2_Bは、サンプリング値が色であるかどうかを示すための、3つのライン(NTSCについては1ライン遅延されて離れ、PALについては2ライン遅延されて離れた)(すなわち2次元)にわたる空間的色振幅および極性チェックに基づくステータス信号である。
【0051】
5.最終的なcld_status1,2,3は、それぞれ上のCLD_status1_A/B、CLD_status2_A/Bステータス信号の任意の組み合わせでありえる。これら3つの独立したプログラム可能なステータス信号は、3つの動きパス、viz低周波数輝度動きパス、高周波数輝度動きパス、色動きパスについての動きスレッショルドを制御するよう想定される。CLDステータス信号は、単一の、または複数のビット幅の信号のいずれでもありえることに注意されたい。
【0052】
CLDステータス1(時間領域チェック)
【0053】
図10を参照して、時間色特性のためのチェックを行うSCDロジックブロック720中の時間検出ブロック1010の概略図が示される。時間検出ブロック1010は、3つの信号F0、F1およびF2、およびスレッショルド入力1012を受け取る。時間検出ブロック1010は、2つのフレームにわたって、それから1つのフレームにわたって色振幅を分析することによって時間色特性をチェックする。代替の実施形態において、色振幅は、時間的符号/極性に基づいてチェックされえる。時間検出ブロック1010の出力は、CLD_Status1_Aと名称が付けられ、時間検出ブロック1010によって実行される時間的チェックの結果を示す。CLD_Status1_Aは、したがって色振幅ベースである。
【0054】
図11を参照して、SCDロジックブロック720中の時間検出ブロック1110を示す概略図が示される。時間検出ブロック1110は、3つのバンドパスフィルタ(BPF)1112、1114、および1116を含み、これらはそれぞれF0、F1およびF2を受け取る。3つのBPF1116、1114および1112の出力は、それぞれ(D1、D2、D3およびD4)、(D5、D6、D7およびD8)、および(D9、D10、D11およびD12)と名前が付けられた3つのセットの遅延要素群に与えられる。遅延要素群D1からD12の出力は、ロジックブロック1118に提供され、これは出力CLD Status1_Bを発生する。もしサンプリング値の符号が2つのフレームにわたって同じで、1つのフレームにわたって反対であるなら、出力CLD Status1_Bは真である。CLD Status1_Bはしたがって時間極性ベースのものである。
【0055】
CLDステータス2(空間領域チェック)
【0056】
図12を参照して、空間色特性をチェックする検出ブロック1210を示す概略図が示される。このブロックは、4fscにロックされたビデオストリーム中の4つの隣接するサンプリング値において見ることによって色特性を空間的にチェックし、ウィンドウ中の4つのサンプリング値の色振幅および符号をチェックする。検出ブロック1210は、コンポジットビデオ信号(例えばF2)を受け取るバンドパスフィルタ(BPF)1212を含む。BPF1212の出力は、4つの遅延要素D1、D2、D3およびD4にそれぞれ提供される。それぞれ遅延要素D1およびD3の出力は、加算デバイス1214によって加えられ、遅延要素D2およびD4の出力は、加算デバイス1216によって加えられる。2つの加算デバイス1214および1216の出力は検波され、ロジックブロック1218においてスレッショルド(THR)と比較される。スレッショルドTHRは、制御可能なレジスタ中に記憶された値であり、ユーザによって設定される。ロジックブロック1218の出力は、もし加算デバイス1214および1216からの両方の出力がTHRより小さいならロジック1である。そうでなければ、出力はロウである。他のロジックブロック1220は、遅延要素D1〜D4から出力を受け取る。ロジックブロック1220は、遅延要素D1〜D4によって受け取られた交互のサンプリング値をチェックする。もし交互のサンプリング値が反対の符号を有するなら、ロジックブロック1220の出力は、ロジック1である。そうでなければ、出力はゼロである。もしロジックブロック1218および1220の出力の両方がロジック1であるなら、ロジックブロック1222の出力もハイである。もしロジックブロック1222への入力のうち1つまたは両方がロウであるなら、出力はロウである。最後にロジックブロック1126において、もしロジックブロック1222の出力がロジック1であるなら、4サンプリング値の幅にこのステータスを伸ばし、そうでなければ延ばさない。検出ブロックの出力は、CLD_Status2_Aであり、これは、空間領域における現在のラインの色輝度ステータスを示す。もしステータスが1なら、CLDステータス2は、色ステータスと考えられる。そうでなければ、これは輝度ステータスと考えられる。ブロック1218は、入力された検波された色振幅差信号をユーザプログラム可能なスレッショルドTHRと比較する比較回路である。ブロック1220は、反対の極性についての交互のサンプリング値の符号をチェックする(すなわち反対の極性についてのD1およびD3サンプリング値の符号をチェックし、また反対の極性についてのD2およびD4サンプリング値の符号をチェックする)。もし真であるなら、ロジック1が出力される。ブロック1222は、ロジックAND回路である。ブロック1126は、図19のフリップフロップ部分と類似し、これはもしステータスがロジック1であるなら信号ストレッチ(伸長)を行う。
【0057】
CLD_status2は、隣接するライン色特性チェックにも基づきえる。図13を参照して、ライン色特性を検出する他の検出ブロック1310が示される。検出ブロック1310は、3つのバンドパスフィルタ(BPF)1312、1314、および1316を含み、これらはそれぞれL1、L2およびL3を受け取るよう構成される。遅延されたラインサンプリング値L1、L2およびL3のそれぞれは、同じフィールドからの遅延されたラインサンプリング値である。3つのBPF1312、1314および1316の出力は、それぞれ遅延要素(D1、D2、D3およびD4)、(D5、D6、D7およびD8)、および(D9、D10、D11およびD12)の3つのセットに与えられる。ロジックブロック1318は、遅延要素D1〜D12の出力を受け取るよう構成される。
【0058】
ロジックブロック1318の出力は、もしサンプリング値の符号が2つのラインにわたって同じであり、1つのラインにわたって反対であるなら、ロジック1である。換言すれば、サンプリング値の符号が2つのラインにわたって同じであり(すなわち現在のサンプリング値および2ライン遅延されたサンプリング値が共に正、または共に負のサンプリング値である)、かつ1つのラインにわたって反対であるか(すなわち現在のサンプリング値および1ライン遅延されたサンプリング値が反対の符号を有する)を調べる。これは、4fscコンポジットビデオ信号がバンドパスフィルタにかけられた後、BPFの出力は4fscサンプリング値で符号が付けられるからである。
【0059】
図14を参照して、ステータス信号CLD_status1_A,BおよびCLD_status2_A,Bをミックスするロジックブロックが示される。ロジックブロック1410は、3つのステータス出力Final_cld_status_1、Final_cld_status_2、およびFinal_cld_status_3を受け取られた入力群および色/輝度制御信号から発生する。3つのステータス出力Final_cld_status_1、Final_cld_status_2、およびFinal_cld_status_3は、入力信号CLD_status1_A,BおよびCLD_status2_A,Bの任意の組み合わせにそれぞれ独立に設定されえる。3つの出力ステータス信号は、例えば、低い周波数の動きパス、高い周波数の色動きパス、および2フレームの動きパスのような3つの異なる動きパススレッショルド制御をそれぞれ制御することができる。ロジックブロック1410は、多くの異なるミキシング機能を実行するプログラム可能なミキサである。例えば、cld_status_1出力は、以下のものから導きえる。すなわち、(i)CLD_Status1_AおよびCLD_Status1_Bの論理AND、(ii)CLD_status1_AおよびCLD_status2_Aの論理AND、(iii)CLD_status2_AおよびCLD_status2_Bの論理AND、または(iv)CLD_status1_A,BおよびCLD_status2_A,Bの論理ANDである。加えて、上の入力組み合わせのそれぞれは、論理AND操作の代わりに論理ORで結合されえる。最後に、final_cld_status_1、final_cld_status_2、およびfinal_cld_status_3信号の出力が個別にロジック1またはロジックゼロにそれぞれ設定されえる。
【0060】
可変スレッショルドロジックブロック
【0061】
図15は、可変スレッショルドロジックブロック(710)の概略ブロック図を示す。図15に示されるように、コンポジットビデオ信号が入ってきて、現在のピクセル(Pn)が選択され、それについて可変スレッショルドが決定される。前述のようにロジックは、現在のピクセル(Pn)を水平方向で前のピクセル(Pn-1)および次のピクセル(Pn+1)と比較し、最大の差を選択する。この差は、検出された最大勾配振幅を記述する。対応する決定は、現在のラインについて現在のピクセル(Pn)、および前のラインおよび次のラインにおける同じ位置のピクセルを選択することによってそれぞれ垂直差評価ブロックにおいて垂直方向においてもなされる。いったん最大水平および垂直勾配がそれぞれ決定されると、現在のピクセルについてのスレッショルド値のセットが発生される。スレッショルド値は、検出された勾配値に直線的に比例する。比例定数は変化されえる。ある実現例において、スレッショルド値は、検出された勾配値について非線形でありえる。また、最小および最大クリッピング機能は、所定の最小スレッショルドを有するよう最終的なスレッショルド値がプログラムされえるように、または所定の上限を超えないようプログラムされえるように、計算されたスレッショルドに対して働くようプログラムされえる。ある実現例において、可変スレッショルドロジックブロック(710)は、F2、F1およびF0のようないくつかの隣接するフレームについてスレッショルド値を決定しえ、それぞれのフレームについて決定された最大または最小値となるべき最終スレッショルド値を決定しえる。
【0062】
可変スレッショルドロジックは、サンプリングクロックジッタ/バラツキによる信号エッジにおけるピクセル値バラツキのための偽の動きを除去するのに役立つ。信号エッジが高くなればなるほど、ジッタの同じ量に対して起こるバラツキは大きくなる。したがって、より急な勾配上に位置するピクセルはより高いスレッショルド値を有しなければならない。同時に、これらのエッジにおいて、動き値は高く、よってスレッショルドは実際の動きをマスクしない。可変スレッショルドは、例えばピクセルが位置する勾配の10%のようなパーセンテージをとることによって発生される。このパーセンテージは、カラーバースト分散計測値群(すなわち2フレーム離れたサンプリング値群)に基づいて、さらに適応的に決定される。
【0063】
ある実現例において、5タップ適応スレッショルドウィンドウを形成するために、3タップ水平ウィンドウは、3タップ垂直ウィンドウと結合される。図16は、そのような5タップ適応スレッショルドウィンドウの例を示す。スレッショルド決定中の現在のピクセルは、それぞれのウィンドウの中央に位置する。現在のピクセルおよび隣接するピクセル群の絶対差が決定され、決定された差群の中の最大差が勾配として決定される。例えば図16において、現在のピクセル値Pnは、値1、2、3および4とそれぞれ比較され、これら値は周囲のピクセルの値であり、最大の差は、スレッショルドがピクセルPnについて導かれる最終勾配として考慮される。パーセンテージ値は、色/輝度検出に基づいて例えばx%およびy%の輝度/色ピクセル値に基づいて適応化される。
【0064】
ある実現例において、水平スレッショルド値は、以下の式によって比較される。
【0065】
Vthr(水平) = [[Max{|Pn-(Pn-1)|, |Pn-(Pn+1)|}] * (プログラム可能な減衰)] + プログラム可能なDCスレッショルド(最小レベル)
【0066】
ある実現例においてデコーダは、例えばファームウェアを用いて、シンクロエッジまたはカラーバースト領域を検出しえ、それらの動き分散を決定しえる。この検出された分散は、1フレーム動きまたは2フレーム動きについてでありえるが、プログラム可能なスレッショルドゲインである線形パーセンテージスレッショルド値をプログラムするために用いられえる。プログラム可能な可変スレッショルドパーセンテージゲインは、加えて、検出された色/輝度に基づいて適応化されえる。スレッショルドロジックは、プログラム可能な最小DCオフセットも有しえる。最大クリッピングロジックは、もしスレッショルドがプログラムされた上限値を超えるなら、出力レベルを上限値にクリップする。同じロジックは、垂直領域、すなわちラインにわたっても配置される。当業者に理解されるように、水平および垂直タップについてのスレッショルドパーセンテージおよびDCオフセットは、別個にプログラム可能でありえる。したがって、垂直ロジックについてはラインメモリが必要とされるので、2Dロジックラインメモリが共通に用いられえない限り、水平ロジックだけが保持されえる。最後に、図9に見られるように、可変スレッショルド値は、motion_out値を発生するために、動き検出ロジックブロック(730)において動き値から引かれる。
【0067】
色/輝度検出ロジック
【0068】
図15の色/輝度検出ロジックブロック(810)は、2つのファクタに基づいて色特性/シグネチャについてチェックすることによって、色/輝度信号を粗く検出する。第1ファクタは、4fscサンプリング値に基づく。もし調べているピクセルが色サイクルの一部であるなら、それぞれの交互のサンプリング値は、大きさがほぼ等しく、符号が反対でなければならない。検波した後、4つの色ピクセルのうちの隣接するピクセルの絶対差は、ほぼ同じでなければならない。第2ファクタは、色振幅チェックである。もしある静止画像について1フレーム差が2フレーム差より大きいなら、色が検出され、そうでなければそのピクセルは色ピクセルではない。
【0069】
これら2つのチェックに基づいて、デコーディング中のピクセルが色サイクルであるか、または輝度信号であるかが決定されえる。さらにこの決定に基づいて、可変スレッショルドパーセンテージは、例えば輝度について30%および色について10%のように、色/輝度ピクセルについて異なるように決定される。スレッショルドパーセンテージ(ゲイン)およびDCオフセット最小および最大クリップ値は、それぞれの動きパスについて独立にプログラム可能であることに注意されたい。
【0070】
色/輝度検出ロジック(810)の異なる部分のより詳細な図が図17〜20に示される。図17は、1フレームおよび2フレーム差をチェックし、1の値が色を表す、1またはゼロの第1色/輝度ステータス値を出力する時間色振幅チェックのためのロジックを示す。図18は、それぞれの交互のサンプリング値がほぼ大きさが等しく、符号が逆であるかをチェックし、1の値が色を表す、1またはゼロの第2色/輝度ステータス値を出力する4fsc空間サンプリングチェックのためのロジックを示す。図19は、図18の色サンプリング比較ブロックのより詳細な図を示し、ここで全ての4つのフリップフロップはもし色が検出されるなら1にセットされる。最後に、図20は、どのように第1および第2色/輝度ステータス値が比較されて、可変スレッショルドロジックブロック(710)によって用いられる最終色/輝度ステータス値が発生されるかを示す。
【0071】
PALへの適用
【0072】
PAL(フェーズオルタネーティングライン)は、例えばヨーロッパにおいて用いられるビデオ標準であり、NTSC標準とは多くの点で異なる。本願の目的のために、最も大きな差異は、副搬送波が2つのフレームにわたって180度だけ位相がずれていることで、NTSCのように1つのフレームにわたってではないことである。その結果、副搬送波は4つのフレーム毎に同じ位相である。PALについては、3D色信号は、2フレーム離れたビデオ信号を引くことによって発生される。色動きは、現在の信号、1フレーム遅延された信号、および2フレーム遅延された信号(すなわちF2、F1、およびF0タップ)を用いることによって検出される。
【0073】
図21は、PALのための低い周波数動きを検出する概略ブロック図を示し、これは図4Aおよび4Bについて上述のNTSCについて低い周波数動きを検出するのと似ており、PALについては2フレーム差だけが用いられることが異なる。
【0074】
図22は、PALについて色動きを検出する概略ブロック図を示し、これは図5Aおよび5Bについて上述のNTSCについて色動きを検出するのと似ており、PALについては、減算される代わりにF0およびF2信号が加算されクリップされることが異なる。
【0075】
図23は、PALだけのために、M5_P輝度動きを検出する概略ブロック図である。図18に示されるロジックは、輝度だけの領域について適切な動きを与えるだけであることに注意されたい。もし図18のロジックが、色のついた領域に対して用いられるなら、大きな偽の動きが生じる。M5_P動きはさらに以下で詳述される。
【0076】
図24は、PALだけのために、M6_P輝度動きを検出する概略ブロック図である。図19に示されるロジックは、輝度だけの領域について適切な動きを与えるだけであることに注意されたい。もし図19のロジックが、色のついた領域に対して用いられるなら、大きな偽の動きが生じる。M6_P動きはさらに以下で詳述される。
【0077】
図25は、PAL動きを検出する概略ブロック図を示す。それぞれ図23、24および25Aに示されるように得られた信号M5_P、M6_P、およびM3_NPの最大値であるPAL1信号が、輝度動きの全ての範囲を検出するために用いられる。それぞれ図4A、21、6Aおよび22に示されるように得られた信号M1_NP、M2_NP、M3_P、M4_NP、およびM8_Pの最大値であるPAL2信号が、色動きおよび低い周波数の輝度動きを検出するために用いられる。PAL動きは、PAL1およびPAL2の最小値として決定される。
【0078】
図25に見られるように、M8_P およびM4_P動きパスは、高い周波数の色のついた静止領域について発生した偽の動きをなくすマスクロジック(M8マスク)を有する。このM8マスクロジックは、色信号は、高い周波数の色のついた領域については、2フレーム加算によっては打ち消し合わないので必要とされる。色信号は、副搬送波周波数に近い輝度を含み、これがビデオ信号が2フレームにわたって180度位相が正確にずれないようにさせ、偽の動きを生む。よってM8マスクロジックは、静止の高い周波数の色のついた領域についての偽の動き、およびクロマカラー遷移(chroma color transitions)による偽の動きもマスクする。M8マスクロジックのより詳細な図は図28に見られる。図28に見られるように、M8マスクロジックは、以下の入力を受け取る。すなわち、M1_NP、M2_NP、M3_P、M4_NP、M5_P、M6_P、M8_P、F2、F1およびF0、CLD STATUS、M8 Mask En、およびM8_Mask_threshold_control_regsである。M8マスクロジックは、空間色シグネチャ、時間色シグネチャ、低い周波数の動き、F2、F1、およびF0にわたる色信号極性、およびF2、F1、およびF0にわたる4サンプリングウィンドウの平均値のような信号特性を調べ、マスク信号(M8_Mask)を発生する。図28に示される実現例において、マスク信号がさらにPAL動き検出ブロックによって処理される前に、伸長/展開ロジックは、M8_Mask信号についても提供される。
【0079】
ある実現例において、1フレームクロマ(one frame chroma)が用いられるときに、NTSCモードについて提供される小さなマスクロジックが存在する。1フレームクロマ動きが用いられるとき、コンポジット信号が形成されるやり方のために、偽の動きが1フレームクロマ動き回路によって発生されえる。マスクロジックはこれら偽の動きを検出しマスクする。
【0080】
図26は、どのように3D色信号が発生されるかの概略ブロック図を示す。図21に示されるように、PALについて、3D色発生は、フレームF2およびF0を用いてなされ、一方、NTSCについては、3D色発生は、フレームF2およびF1を用いてなされる。3D色バンドパスフィルタのためのバイパスオプションも存在する。ある実現例では、デフォールトでは、バイパスオプションを用いることによって、フルの帯域幅が色信号のために用いられるようにする。しかしもし何らかの理由で大きな帯域幅が、例えば色オーバシュートのようなアーティファクトを作るなら、このパス上でバンドパスフィルタをイネーブルすることによって、低い周波数の動きがディセーブルされえる。
【0081】
最後に、図27は、結合されたNTSC/PALシステムのための最終動き決定の概略ブロック図を示す。NTSC動きは、図7を参照して上述のようにM1_NP、M2_NP、M3_NPおよびM4_NP信号の最大値である。PAL動き信号は、図25を参照して上述のように発生される。NTSC/PALモード検出信号に基づいて、NTSC_MOTIONまたはPAL_MOTION信号のいずれかが選択される。それから選択された動き信号は、3タップメジアンフィルタでフィルタリングされてスパイクが除去され、最終的に5ビットにクリップされ、動き信号が最大値16を有するようにされる。それから動き信号は、図2のブレンダ(110)に入力され、これが2Dおよび3Dデコーディングを上述のように結合する。
【0082】
本発明は、ディジタル電子回路で、またはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアまたはこれらの組み合わせで実現されえる。本発明の装置は、プログラム可能なプロセッサによって実行するための機械で読み取り可能な記憶デバイス内に有形で実現された媒体コンピュータプログラム製造物で実現されえ、本発明の方法ステップは、入力データに対して操作し、出力を発生することによって、本発明の機能を実行する命令群のプログラムを実行するプログラム可能なプロセッサによって実現されえる。本発明は、データ記憶システムからデータおよび命令を受け取り、データおよび命令をデータ記憶システムに転送するよう結合された少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサ、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置を含むプログラム可能なシステム上で実行可能な1つ以上のコンピュータプログラムで有利に実現されえる。それぞれのコンピュータプログラムは、高レベルの手続きまたはオブジェクト指向プログラミング言語で、または所望であればアセンブリまたは機械語で実現されえ、いずれの場合も、言語はコンパイルまたはインタープリタ言語でありえる。適切なプロセッサは、例として、汎用および専用マイクロプロセッサの両方を含む。一般に、プロセッサは、命令およびデータを読み出し専用メモリおよび/またはランダムアクセスメモリから受け取る。一般に、コンピュータは、データファイルを記憶する1つ以上の大量記憶デバイスを含み、そのようなデバイスには、内部ハードディスクドライブおよび取り外し可能なディスクのような磁気ディスク、磁気光学ディスク、および光学ディスクが含まれる。コンピュータプログラム命令およびデータを有形で実現するのに適切な記憶デバイスは、例えばEPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイスのような半導体メモリデバイス、内部ハードディスクドライブおよび取り外し可能なディスクのような磁気ディスク、磁気光学ディスク、およびCD−ROMディスクを含む不揮発性メモリの全ての形態を含む。前述の任意のものは、ASIC(特定用途向け集積回路)によって補われてもよく、またはASICに組み込まれてもよい。
【0083】
ユーザとの対話を提供するために、本発明は、情報をユーザに表示するモニタまたはLCDスクリーンのようなディスプレイ装置を有するコンピュータシステム上で実現されえる。ユーザは、キーボード、ポインティングデバイス、マウス、トラックボール、マイクロホン、タッチセンシティブディスプレイ、トランスデューサカードリーダ、磁気または紙テープリーダ、タブレット、スタイラス、音声または手書き認識器、またはもちろん他のコンピュータのようなよく知られた任意の他の入力デバイスのようなさまざまな入力デバイスを通してコンピュータシステムへの入力を提供しえる。コンピュータシステムは、コンピュータプログラムがユーザと対話するグラフィカルユーザインタフェースを提供するようプログラム可能でありえる。
【0084】
最後に、プロセッサはオプションとして、プロセッサがネットワークから情報を受け取り、または上述の方法ステップを実行する過程においてネットワークに情報を出力しえるネットワーク接続を用いて、コンピュータ、または例えばインターネットネットワークまたはイントラネットネットワークのような通信ネットワークに結合されえる。そのような情報は、プロセッサを用いて実行される命令のシーケンスとしてしばしば表されるが、例えば、搬送波中に実現されるコンピュータデータ信号の形態で、ネットワークから受け取られえ、かつ出力されえる。上述の装置および材料は、コンピュータハードウェアおよびソフトウェア技術の当業者には馴染みの深いものであろう。
【0085】
本発明は、コンピュータシステム中に記憶されるデータを伴うさまざまなコンピュータによって実現される操作を採用することに注意されたい。これら操作は、以下に限定されないが、物理的な量を物理的に操作することを必要とするものを含む。ふつう、必ずしもそうではないが、これら量は、記憶、転送、結合、比較、およびその他の操作がなされることができる電気または磁気信号の形態をとる。本発明の一部を形成するここで記載された操作は、有用な機械操作である。実行される操作は、しばしば、作成、特定、運用、決定、比較、実行、ダウンロード、または検出のような語で呼ばれる。通常使用されるという主な理由で、ときにはこれら電気または磁気信号をビット、値、要素、変数、キャラクタ、データなどと呼ぶことが便利である。しかし、これらおよび類似の語の全ては、適切な物理的な量と関連付けられ、それらの量に付されている便利なラベルに過ぎない。
【0086】
本発明は、前述の操作を実行するデバイス、システムまたは装置にも関する。このシステムは、必要な目的のために特に構築されえ、またはそれは、コンピュータに記憶されるコンピュータプログラムによって選択的にアクティベートまたは構成される汎用のコンピュータでありえる。上述のプロセスは、もともと特定のコンピュータまたは他のコンピューティング装置に関連付けられているのではない。特に、さまざまな汎用コンピュータは、ここでの教示に従って書かれたプログラムと共に用いられえ、または代替として、それは、必要とされる操作を実行するために、より専用のコンピュータシステムを構築するためにより便利でありえる。
【0087】
本発明の多くの実現例が説明されてきた。にもかかわらず、さまざまな改変が本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされえることが理解されよう。例えば本発明は、TV信号を放送するのに典型的に用いられるNTSCおよびPALビデオ信号を参照して上に記載されてきたが、本発明は、DVDプレーヤから出力されるビデオ信号のようなコンポーネントビデオにも同様に適用可能である。したがって他の実現例も添付の特許請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明によるデコーダによって実行されるプロセスの高レベルフロー図である。
【図2】本発明によるデコーダの概略ブロック図である。
【図3】図1の動き検出操作の高レベルフロー図である。
【図4A】低い周波数動きを検出する回路の概略ブロック図である。
【図4B】低い周波数動きの検出プロセスのフロー図である。
【図5A】色および/または輝度について高い周波数動きを検出するのに用いられるロジックの概略ブロック図である。
【図5B】色および/または輝度についての動き検出プロセスのフロー図である。
【図6A】より少ない動きを持つ、色および/または輝度についての高い周波数動きを検出するのに用いられるロジックの概略ブロック図である。
【図6B】より少ない動きを持つ、高い周波数の色および/または輝度についての動き検出プロセスのフロー図である。
【図7】どのようにNTSC動きが決定されるかの概略ブロック図である。
【図8】デコーダのブレンダ(110)の動作をより詳細に示す概略ブロック図である。
【図9】デコーダの適応スレッショルドロジック(120)を示す概略ブロック図である。
【図10】時間色特性についてチェックする時間検出ブロックの概略図である。
【図11】空間検出ブロックを示す概略図である。
【図12】空間色特性についてチェックする検出ブロックを示す概略図である。
【図13】ライン色特性を検出する他の検出ブロックの図である。
【図14】動き制御スレッショルド信号を発生するロジックブロックの図である。
【図15】適応スレッショルドロジック(120)の可変スレッショルドロジックブロック(710)を示す概略ブロック図である。
【図16】5タップ適応スレッショルドウィンドウの例を示す図である。
【図17】色振幅を時間的にチェックするためにデコーダ中で用いられるロジックを示す概略ブロック図である。
【図18】4fscサンプリングの空間チェックを行うためにデコーダ中で用いられるロジックを示す概略ブロック図である。
【図19】図13の色サンプリング比較ブロックのより詳細な図である。
【図20】可変スレッショルドロジックブロック(710)によって用いられる最終的な色/輝度状態値がどのように発生されるかを示す図である。
【図21】デコーダ中でPALについての低い周波数の動きを検出する概略ブロック図である。
【図22】デコーダ中でPALについての色の動きを検出する概略ブロック図である。
【図23】本発明の第1実現例による、デコーダ中でPALについての輝度の動きを検出する概略ブロック図である。
【図24】本発明の第2実現例による、デコーダ中でPALについての輝度の動きを検出する概略ブロック図である。
【図25】デコーダ中でPAL動きを検出するのに用いられるロジックについての概略ブロック図である。
【図26】デコーダ中で3D色信号を発生するのに用いられるロジックの概略ブロック図である。
【図27】結合されたNTSC/PALシステムのための最終的な動き決定を行うのに用いられるロジックの概略ブロック図である。
【図28】PAL信号についての高周波数色付き静止領域について発生した偽の動きを除去するために用いられるマスクロジックの概略ブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
副搬送波信号で変調され、輝度成分および色成分を有するコンポジットビデオ信号を受け取るよう構成されたビデオデコーダであって、前記ビデオデコーダは、複数の周波数領域においてそれぞれ前記輝度成分および前記色成分に対して動き検出操作を実行するよう構成され、
前記ビデオデコーダに結合され、前記複数の周波数領域のそれぞれについて前記ビデオデコーダにユニークなスレッショルド値を提供するよう構成された可変スレッショルドロジック、および
前記可変スレッショルドロジックに結合され、前記副搬送波検出ロジックの空間および時間特性の両方をチェックすることによって前記副搬送波信号を検出するよう構成された副搬送波検出ロジック
を備える装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記副搬送波検出ロジックは、第1フレーム、第2フレームおよび第3フレームを受け取るよう構成され、前記第1フレームは現在のフレームであり、前記第2フレームは前記現在のフレームに対して前のフレームであり、前記第3フレームは前記前のフレームに対して前である装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、前記副搬送波ロジックは、前記色振幅を前記副搬送波信号の第1フレームおよび第2フレームにわたって、かつそれから前記副搬送波信号の単一のフレームにわたって分析することによって前記副搬送波信号の前記時間色成分をチェックするよう構成される装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、前記副搬送波検出ロジックは、前記副搬送波信号の前記時間極性を分析することによって、前記副搬送波信号の前記時間色成分をチェックするよう構成される装置。
【請求項5】
請求項2に記載の装置であって、前記副搬送波検出ロジックはさらに
前記第1フレーム、前記第2フレームおよび前記第3フレームをそれぞれ受け取るよう構成された第1バンドパスフィルタ、第2バンドパスフィルタ、および第3バンドパスフィルタ、および
前記第1バンドパスフィルタ、第2バンドパスフィルタ、および第3バンドパスフィルタからの出力をそれぞれ受け取るよう構成され、前記第1フレーム、前記第2フレームおよび前記第3フレームそれぞれの4つの隣接するサンプリング値を記憶するよう構成された第1ディレイ要素、第2ディレイ要素および第3ディレイ要素
を含む装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、前記副搬送波検出ロジックはさらに
前記コンポジットビデオ信号を受け取るよう構成されたバンドパスフィルタ、
前記バンドパスフィルタに結合され、前記バンドパスフィルタからの4つのサンプリング値をそれぞれ記憶するよう構成された4つのディレイ要素、
前記第1および前記第3ディレイ要素中の前記記憶されたサンプリング値を加算するよう構成された第1加算装置、
前記第2および前記第4ディレイ要素中の前記記憶されたサンプリング値を加算するよう構成された第2加算装置、
前記第1および第2加算装置の前記出力を検波しスレッショルド電圧と比較するよう構成された検波器要素、
もし前記2つの加算装置の前記出力が前記スレッショルド電圧より小さいなら、第1ロジック状態の第1信号を発生するよう構成された第1ロジック回路、
もし前記4つのディレイ要素からの交互のサンプリング値が反対のロジック状態であるなら、前記第1ロジック状態の第2信号を発生するよう構成された第2ロジック回路、および
もし前記第1信号および前記第2信号が前記第1ロジック状態であるなら、色状態信号を発生するよう構成された第3ロジック回路
を備える装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、前記副搬送波検出ロジックは、前記コンポジットビデオ信号のライン色特性を検出するようさらに構成され、前記副搬送波検出ロジックは、さらに
前記コンポジットビデオ信号の第1ライン、第2ラインおよび第3ラインを受け取るよう構成された第1バンドパスフィルタ、第2バンドパスフィルタおよび第3バンドパスフィルタ、
それぞれ前記第1バンドパスフィルタ、前記第2バンドパスフィルタおよび前記第3バンドパスフィルタに結合された第1ディレイ要素、第2ディレイ要素および第3ディレイ要素であって、前記第1ディレイ要素、前記第2ディレイ要素および前記第3ディレイ要素は、4つのラインサンプリング値をそれぞれ記憶するよう構成され、および
前記第1ディレイ要素、前記第2ディレイ要素および前記第3ディレイ要素中の前記記憶されたラインサンプリング値を受け取り、ライン色信号を発生するよう構成されたロジック回路
を備える装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2006−115503(P2006−115503A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−296116(P2005−296116)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【出願人】(502359574)ジェネシス・マイクロチップ・インコーポレーテッド (25)
【氏名又は名称原語表記】GENESIS MICROCHIP,INC.
【住所又は居所原語表記】2150 Gold Street,Alviso,CA 95002 U.S.A.
【Fターム(参考)】