説明

動作クロック生成装置、動作回路、及び、画像形成装置

【課題】少なくとも動作クロックの立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングが所望のスペクトラム拡散クロックの周波数である動作クロックを生成する動作クロック生成装置、並びに、その動作クロック生成装置を用いた動作回路及び画像形成装置の提供。
【解決手段】基準クロックを計数したカウンタ値の増加に応じて、その基準クロックの立ち上がりタイミングを(A)に示す遅延量tr0〜tr23で遅延補正し、立ち下がりタイミングを(B)に示す遅延量tf0〜tf23で遅延補正した動作クロックを出力する。カウンタ値が1つ増加する間の遅延量trの各増減幅が、EMIを十分に抑制可能な所望の第1スペクトラム拡散クロックにおいて各クロックの立ち上がりタイミングが取る各周波数にそれぞれ相当する値となるように、遅延量tr0〜tr23を設定している。遅延量tf0〜tf23も、所望の第2スペクトラム拡散クロックに応じて設定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器などに用いられ、周波数が変調される動作クロックを生成する動作クロック生成装置、並びに、その動作クロック生成装置で生成された動作クロックを利用する動作回路及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器等のシステム設計で問題になる電磁波妨害雑音(EMI)を低減するために、周波数が一定の周期で変調されるスペクトラム拡散クロック(Spread Spectrum Clock)が用いられている。スペクトラム拡散クロックは、周波数が一定の周期で変調されることにより、EMIを低減するものである。
【0003】
また、画像形成装置,画像読取装置等の各種機器には、クロックのタイミングがずれると動作に大きな影響が及ぼされる回路も使用されている。そこで、分周したスペクトラム拡散クロックと、周波数が一定の基準クロックとを合成することにより、立ち上がりタイミングの周波数が変調され、立ち下がりタイミングの周波数が変調されないようにした動作クロックを生成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この場合、CCDイメージセンサのA/Dコンバータ等のように、クロックのタイミングがずれると大きな影響が及ぼされる回路は、前記動作クロックの立ち下がりで動作させることにより、回路の動作タイミングを正確に制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−164726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、前記特許文献1の技術では、分周したスペクトラム拡散クロックと基準クロックとを単に合成している。このため、前記スペクトラム拡散クロックの周波数の変調幅として予め設定された所望最低周波数と所望最高周波数との間で、前記動作クロックの周波数を十分に変調できない場合がある。すなわち、図8に示すように、スペクトラム拡散クロックB0が取り得る周波数が所望最低周波数と所望最高周波数との間でのこぎり歯状に変化する場合、6分周すると、その変化パターンにおいてスペクトラム拡散クロックB0が使用するポイントは6個のポイントのうちの1個になる。このため、所望最高周波数に対応するポイントが使用しないポイントとなった場合、分周後のスペクトラム拡散クロックB0と基準クロック(図示省略)とを合成した前述の動作クロックCは、所望最高周波数に対応する位相を取らなくなってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、少なくとも動作クロックの立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングが所望のスペクトラム拡散クロックの周波数である動作クロックを生成する動作クロック生成装置、並びに、その動作クロック生成装置を用いた動作回路及び画像形成装置の提供を目的としてなされた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達するためになされた本発明の動作クロック生成装置は、基準クロックを生成する基準クロック生成部と、前記基準クロックのクロック数を計数するカウンタ部と、前記カウンタ部の計数値の増加に応じて所定の変調周期毎に周期的に、所定遅延量を中心にして対称に値が変化する一対の変動パターンに沿って、前記計数値が増加する毎に前記各変動パターン上の点から交互に遅延量を取得する遅延量取得部と、前記基準クロックの立ち上がりタイミングまたは立ち下がりタイミングの少なくともいずれか一方を、前記遅延量取得部が取得した遅延量で遅延補正する補正部と、前記補正部で補正された立ち上がりタイミングまたは立ち下がりタイミングを有する動作クロックを生成する動作クロック生成部と、を備え、前記遅延量取得部が取得する遅延量の、前記カウンタ部の計数値が1つ増加する間の各増減幅が、所望のスペクトラム拡散クロックが取る各周波数にそれぞれ相当する値であることを特徴としている。
【0009】
このように構成された本発明の動作クロック生成装置では、基準クロック生成部が生成した基準クロックのクロック数を、カウンタ部が計数する。すると、そのカウンタ部の計数値に基づいて、遅延量取得部が、次のような変動パターンに基づいて遅延量を取得する。すなわち、前記計数値の増加に応じて所定の変調周期毎に周期的に、予め設定された所定遅延量を中心にして対称に値が変化する一対の変動パターンに沿って、前記計数値が増加する毎に前記各変動パターン上の点から交互に遅延量を取得する。
【0010】
このようにして取得された遅延量は、前記所定遅延量を中心にして、その所定遅延量よりも大きい値と小さい値とを交互に取るため、当該遅延量は満遍なく離散した値を取る。また、その遅延量の変動幅も、制限されたものとなる。
【0011】
そこで、補正部は、前記基準クロックの立ち上がりタイミングまたは立ち下がりタイミングの少なくともいずれか一方を、前記遅延量取得部が取得した遅延量で遅延補正し、その補正後の立ち上がりタイミングまたは立ち下がりタイミングを有する動作クロックを、動作クロック生成部が生成する。また、前記遅延量取得部が取得する遅延量の、前記カウンタ部の計数値が1つ増加する間の各増減幅は、所望のスペクトラム拡散クロックが取る各周波数にそれぞれ相当する値である。
【0012】
すなわち、前記遅延量が減少する際には前記少なくとも一方のタイミングの間隔(波長)が短くなり、前記遅延量が増加する際には前記少なくとも一方のタイミングの間隔(波長)が長くなる。そこで、本発明では、前記遅延量取得部が取得する遅延量の、前記計数値が1つ増加する間の各増減幅は、所望のスペクトラム拡散クロックが取る各周波数(所望最高周波数,所望最低周波数を含む)にそれぞれ相当するように前記一対の変動パターンを予め設定している。このため、前述のようにして生成された動作クロックは、前記少なくとも一方のタイミングが所望のスペクトラム拡散クロックの各周波数に変調される。
【0013】
なお、前記遅延量取得部は、前記カウンタ部の計数値の増加に応じて前記変調周期毎に周期的に、第1所定遅延量を中心にして対称に値が変化する一対の第1変動パターンに沿って、前記計数値が増加する毎に前記各第1変動パターン上の点から交互に第1遅延量を取得する第1遅延量取得部と、前記カウンタ部の計数値の増加に応じて前記変調周期毎に周期的に、第2所定遅延量を中心にして対称に値が変化する一対の第2変動パターンに沿って、前記計数値が増加する毎に前記各第2変動パターン上の点から交互に第2遅延量を取得する第2遅延量取得部と、を備え、前記補正部は、前記基準クロックの立ち上がりタイミングを前記第1遅延量で遅延補正し、前記基準クロックの立ち下がりタイミングを前記第2遅延量で遅延補正し、前記動作クロック生成部は、前記補正部で補正された立ち上がりタイミング及び立ち下がりタイミングを有する動作クロックを生成し、前記第1遅延量取得部が取得する第1遅延量の各増減幅が、所望の第1スペクトラム拡散クロックが取る各周波数にそれぞれ相当する値であり、前記第2遅延量取得部が取得する第2遅延量の各増減幅が、所望の第2スペクトラム拡散クロックが取る各周波数にそれぞれ相当する値であってもよい。
【0014】
この場合、第1遅延量取得部に取得された第1遅延量は、予め設定された前記第1所定遅延量を中心にして、その第1所定遅延量よりも大きい値と小さい値とを交互に取るため、当該第1遅延量は満遍なく離散した値を取る。また、その第1遅延量の変動幅も、制限されたものとなる。第2遅延量取得部に取得された第2遅延量も、同様に、予め設定された第2所定遅延量よりも大きい値と小さい値とを交互に取るため、当該第2遅延量は満遍なく離散した値を取り、変動幅も制限されたものとなる。
【0015】
そこで、補正部は、前記基準クロックの立ち上がりタイミングを前記第1遅延量で遅延補正し、前記基準クロックの立ち下がりタイミングを前記第2遅延量で遅延補正し、その補正後の立ち上がりタイミング及び立ち下がりタイミングを有する動作クロックを、動作クロック生成部が生成する。また、前記第1遅延量の、前記計数値が1つ増加する間の各増減幅は、所望の第1スペクトラム拡散クロックが取る各周波数にそれぞれ相当する値である。同様に、前記第2遅延量の、前記計数値が1つ増加する間の各増減幅は、所望の第2スペクトラム拡散クロックが取る各周波数にそれぞれ相当する値である。このため、前述のようにして生成された動作クロックは、前記立ち上がりタイミングが所望の第1スペクトラム拡散クロックの各周波数に変調され、前記立ち下がりタイミングが所望の第2スペクトラム拡散クロックの各周波数に変調される。
【0016】
そして、この場合、前記第1遅延量は、当該第1遅延量によって補正される前記立ち上がりタイミングの直前の前記立ち下がりタイミングに対して取得された前記第2遅延量から前記基準クロックがLレベルである期間を差し引いた期間よりも大きく、前記第2遅延量は、当該第2遅延量によって補正される前記立ち下がりタイミングの直前の前記立ち上がりタイミングに対して取得された前記第1遅延量から前記基準クロックがHレベルである期間を差し引いた期間よりも大きくてもよい。
【0017】
この場合、前記第2遅延量は、前記Lレベルである期間に次の第1遅延量を加えた期間よりも小さい。同様に、第1遅延量は、前記基準クロックがHレベルである期間に次の第2遅延量を加えた期間よりも小さい。このため、動作クロック生成部は、前記第1遅延量で遅延補正された立ち上がりタイミングと前記第2遅延量で遅延補正された立ち下がりタイミングとを有する動作クロックを、良好に生成することができる。
【0018】
また、前記補正部は、前記基準クロックの立ち上がりタイミングを、前記遅延量取得部が取得した遅延量で遅延補正し、前記動作クロック生成部は、前記補正部で補正された立ち上がりタイミングと、前記基準クロックの立ち下がりタイミングとを有する動作クロックを生成してもよい。この場合、前記動作クロックの立ち上がりタイミングは前記所望のスペクトラム拡散クロックの各周波数に変調されるが、その動作クロックの立ち下がりタイミングは変調されない。
【0019】
そして、その場合、前記遅延量は、前記基準クロックのHレベルである期間よりも短くてもよい。その場合、動作クロック生成部は、前記遅延量で遅延補正された立ち上がりタイミングと基準クロックの立ち下がりタイミングとを有する動作クロックを、良好に生成することができる。
【0020】
また、前記補正部は、前記基準クロックの立ち下がりタイミングを、前記遅延量取得部が取得した遅延量で遅延補正し、前記動作クロック生成部は、前記補正部で補正された立ち下がりタイミングと、前記基準クロックの立ち上がりタイミングとを有する動作クロックを生成してもよい。この場合、前記動作クロックの立ち下がりタイミングは前記所望のスペクトラム拡散クロックの各周波数に変調されるが、その動作クロックの立ち上がりタイミングは変調されない。
【0021】
そして、その場合、前記遅延量は、前記基準クロックのLレベルである期間よりも短くてもよい。その場合、動作クロック生成部は、前記遅延量で遅延補正された立ち下がりタイミングと基準クロックの立ち上がりタイミングとを有する動作クロックを、良好に生成することができる。
【0022】
また、前記各変動パターンは、前記変調周期の半周期毎に直線的な単調増加と直線的な単調減少とを交互に繰り返す変動パターンであってもよい。その場合、前記計数値が1つ増加する間の各増減幅を、所望のスペクトラム拡散クロックが取る各周波数にそれぞれ相当する値とすることが、一層容易にできる。
【0023】
また、本発明の動作回路は、前記いずれかの動作クロック生成装置と、前記動作クロック生成部が生成した動作クロックの立ち上がりで動作する立ち上がり動作部と、前記動作クロック生成部が生成した動作クロックの立ち下がりで動作する立ち下がり動作部と、を備えたことを特徴としている。
【0024】
前述のように、前記動作クロック生成部が生成した動作クロックは、立ち上がりタイミングの変調される度合いと立ち下がりタイミングの変調される度合いとを異ならせることができる。従って、本発明の動作回路では、立ち上がり動作部または立ち下がり動作部のうち、変調される度合いが小さい方のタイミングで動作する動作部を、動作タイミングのずれが大きな影響を及ぼす動作部とし、変調される度合いが大きい方のタイミングで動作する動作部を、動作タイミングのずれがあまり影響しない動作部とすることができる。その場合、前記変調が各動作部の動作に及ぼす影響を最小限に抑制しつつ、EMIも良好に低減することができる。
【0025】
また、立ち上がり動作部と立ち下がり動作部とは、同一の動作クロック(一方に反転して入力してもよい)に基づいて動作しているので、同期化回路を経ずに両者を接続して通信を行ってもメタステーブル等の不具合が生じない。同期化回路を経由して通信を行うと、通信速度が低下するが、本発明では同期化回路を経由せずに立ち上がり動作部と立ち下がり動作部との間で通信を行うことができるので、処理速度を一層向上させることができる。
【0026】
また、本発明の画像形成装置は、前記動作回路と、被記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備えた画像形成装置であって、前記動作クロック生成装置は前記立ち上がりタイミングのみを変調させる前記動作クロック生成装置であって、前記立ち下がり動作部は、前記画像形成部を駆動制御する制御回路であって、前記立ち上がり動作部は、前記制御回路に指示を入力する指示回路であることを特徴としている。
【0027】
被記録媒体に画像を形成する画像形成部を駆動制御する制御回路は、動作タイミングのずれが大きな影響を及ぼす動作部であるが、その制御回路は前記立ち下がりタイミングで動作する。前述のように、前記立ち下がりタイミングは、基準クロックと同様に変調されないので、前記制御回路は良好に動作することができる。
【0028】
一方、前記御回路に指示を入力する指示回路は、動作タイミングのずれがあまり影響しない動作部であるので、前述のように変調される前記立ち上がりタイミングで動作しても大きな影響はない。また、このように変調されたタイミングで前記指示回路が動作することにより、EMIを良好に低減することができる。従って、本発明では、EMIを良好に低減しつつ、良好に画像形成を行うことができる。更に、前述のように、制御回路と指示回路とは同期化回路を経由せずに通信を行うことができるので、処理速度を一層向上させることができ、ひいては、画像形成速度を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明が適用された動作クロック生成装置の構成を表すブロック図である。
【図2】その動作クロック生成装置の遅延時間生成回路の構成を詳細に表すブロック図である。
【図3】その遅延時間生成回路の遅延量変化を表すタイムチャートである。
【図4】前記動作クロック生成装置の動作を表すタイムチャートである。
【図5】前記遅延時間生成回路の変形例の遅延量変化を表すタイムチャートである。
【図6】その遅延時間生成回路を備えた動作クロック生成装置の動作を表すタイムチャートである。
【図7】前記動作クロック生成装置の応用例としてのレーザプリンタの構成を表す概略図である。
【図8】先行技術文献の課題を表すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[動作クロック生成装置の構成]
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。図1は、本発明が適用された動作クロック生成装置の構成を表すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態の動作クロック生成装置は、その主要部を構成するSSC生成回路10と、そのSSC生成回路10に基準クロックclk_refを供給する発振回路20(基準クロック生成部の一例)とを備えている。
【0031】
発振回路20から供給された基準クロックclk_refは、SSC生成回路10に内蔵されたカウンタ11(カウンタ部の一例),立ち上がりエッジ検出回路12,立ち下がりエッジ検出回路13に入力される。なお、基準クロックclk_refは、カウンタ11のclk端子と立ち上がりエッジ検出回路12のin端子とにはそのまま入力され、立ち下がりエッジ検出回路13のin端子にはインバータ14を介して入力されている。
【0032】
カウンタ11は、基準クロックclk_refのクロック数を計数し、その計数値を、カウンタ出力端子からカウンタ値cnt_refとして出力する。また、立ち上がりエッジ検出回路12は、基準クロックclk_refの立ち上がりエッジを検出し、その検出時に短い矩形パルス状の立ち上がりエッジ信号clk_rise_edgを出力する。また、立ち下がりエッジ検出回路13は、インバータ14で反転された後の立ち上がりエッジ(インバータ14と立ち下がりエッジ検出回路13とを用いて基準クロックclk_refの立ち下がりエッジを検出している)を検出し、その検出時に短い矩形パルス状の立ち下がりエッジ信号clk_fall_edgを出力する。
【0033】
カウンタ11が出力するカウンタ値cnt_refは、遅延時間生成回路16,遅延時間生成回路17のsel端子にそれぞれ入力されている。また、遅延時間生成回路16のin端子には、立ち上がりエッジ検出回路12が出力する立ち上がりエッジ信号clk_rise_edgが入力され、その立ち上がりエッジ信号clk_rise_edg及び前述のカウンタ値cnt_refとに基づいて、遅延時間生成回路16は次のように動作する。
【0034】
図2は、その遅延時間生成回路16の構成を詳細に表すブロック図である。図2に示すように、in端子に入力された立ち上がりエッジ信号clk_rise_edgは、24個の遅延素子DR0,DR1,DR2,…,DR23(補正部の一例)にそれぞれ入力される。この遅延素子DR0〜DR23(以下、遅延素子DRと総称する場合がある)は、入力された立ち上がりエッジ信号clk_rise_edgをそれぞれ異なる遅延量tr0〜tr23(一部同一値のものもある)で遅延補正して、セレクタSEL(遅延量取得部及び第1遅延量取得部の一例)に入力する。
【0035】
セレクタSELは、各遅延素子DRで遅延補正された立ち上がりエッジ信号clk_rise_edgのうち、sel端子に入力されたカウンタ値cnt_refに対応するものを、out端子から立ち上がりトリガ信号trg_rise(図1参照)として出力する。すなわち、カウンタ値cnt_refが0であれば遅延素子DR0からの信号を、カウンタ値cnt_refが1であれば遅延素子DR1からの信号を、…、カウンタ値cnt_refが23であれば遅延素子DR23とからの信号を、といった具合に出力し、カウンタ値cnt_refが23を超えると、再び遅延素子DR0からの信号を出力する。なお、カウンタ11は、カウンタ値cnt_refが23に達する毎にリセットされ、再び0からカウントアップを開始してもよい。
【0036】
遅延時間生成回路17も、各遅延素子DR0〜DR23の遅延量(tf0〜tf23)は異なるものの、図2に示す遅延時間生成回路16と同様に構成されている。そして、遅延時間生成回路17は、立ち下がりエッジ検出回路13からの立ち下がりエッジ信号clk_fall_edgを24個の遅延素子DR0〜DR23(補正部の一例)によって遅延補正して、カウンタ11のカウンタ値cnt_refに対応するものを立ち下がりトリガ信号trg_fallとして出力する。なお、遅延時間生成回路17のセレクタSELは、遅延量取得部及び第2遅延量取得部に相当する。
【0037】
図1に戻って、遅延時間生成回路16が出力する立ち上がりトリガ信号trg_riseは、SRラッチ18(動作クロック生成部の一例)のS端子に入力され、遅延時間生成回路17が出力する立ち下がりトリガ信号trg_fallはSRラッチ18のR端子に入力される。そして、SRラッチ18は、立ち上がりトリガ信号trg_riseに同期して立ち上がり、立ち下がりトリガ信号trg_fallに同期して立ち下がる動作クロックclk_sscを生成し、SSC生成回路10の外部に出力する。
【0038】
ここで、遅延時間生成回路16,17の各遅延素子DRの遅延量は、次のように設定されている。図3(A)は、遅延時間生成回路16が出力する立ち上がりトリガ信号trg_riseに係る遅延量tr0〜tr23の変化を表すタイムチャートであり、図3(B)は、遅延時間生成回路17が出力する立ち下がりトリガ信号trg_fallに係る遅延量tf0〜tf23の変化を表すタイムチャートである。
【0039】
図3(A)に示すように、遅延量tr0〜tr23に対しては、カウンタ値cnt_refを横軸に取り、遅延量を縦軸に取った場合に、カウンタ値cnt_refの増加に応じて所望の変調周期Tの半周期毎に直線的(一次関数的)な単調増加と単調減少とを交互に繰り返す一対ののこぎり歯状の変動パターンP1,P2(第1変動パターンの一例)が設定されている。また、各変動パターンP1,P2は、所定遅延量及び第1所定遅延量としてのtr0を中心にして対称に値が変化し、最小値はtr6(=0)で、最大値はtr18となっている。なお、前述の基準クロックclk_refは、Hレベルである期間とLレベルである期間との期間長が等しく、遅延量の最大値tr18は基準クロックclk_refのHレベルである期間すなわち半周期よりも小さく設定されている。
【0040】
そして、カウンタ値cnt_refが奇数のときは変動パターンP1上の点から、カウンタ値cnt_refが偶数のときは変動パターンP2上の点から、それぞれ遅延量tr0〜tr23が取得される。このため、遅延量tr0〜tr23は、変動パターンP1,P2の交点である遅延量tr0,tr12の前後を除いて、カウンタ値cnt_refが1つ増加する毎に増加と減少とを繰り返す。
【0041】
ここで、カウンタ値cnt_refが1つ増加する間に遅延量trが減少するときは、その間の立ち上がりトリガ信号trg_riseの周波数は高くなり、カウンタ値cnt_refが1つ増加する間に遅延量trが増加するときは、その間の立ち上がりトリガ信号trg_riseの周波数は低くなる。そこで、本実施の形態では、カウンタ値cnt_refが1つ増加する間の遅延量trの各増減幅が、EMIを十分に抑制可能な所望の第1スペクトラム拡散クロックにおいて各クロックの立ち上がりタイミングが取る各周波数にそれぞれ相当する値となるように、遅延量tr0〜tr23を設定している。
【0042】
例えば、遅延量tr5から遅延量tr6に至る減少幅は最大の減少幅Δtrminとなるが、その減少幅Δtrminは前記第1スペクトラム拡散クロックの最高周波数に対応している。逆に、遅延量tr6から遅延量tr7に至る増加幅は最大の増加幅Δtrmaxとなるが、その増加幅Δtrmaxは前記第1スペクトラム拡散クロックの最低周波数に対応している。より具体的には、基準クロックclk_refが100MHzで、所望の第1スペクトラム拡散クロックが90MHz〜110MHzの変調幅である場合、Δtrmaxは1.1nsで、Δtrminは−0.9nsとなる。遅延時間生成回路16の各遅延素子DR0〜DR23としては、このように設定された遅延量tr0〜tr23を有するものが使用されている。
【0043】
遅延時間生成回路17の各遅延素子DR0〜DR23の遅延量tf0〜tf23も、同様に変動パターンP3,P4(第2変動パターンの一例)に沿って設定されているが、この変動パターンP3,P4は、図3(B)に示すように変動幅が大幅に抑制されている。すなわち、遅延量tf0〜tf23は、カウンタ値cnt_refが1つ増加する間の増減幅が、前記第1スペクトラム拡散クロックより小さい変調幅を有する所望の第2スペクトラム拡散クロックにおいて各クロックの立ち下がりタイミングが取る各周波数にそれぞれ相当する値となるように設定されている。この第2スペクトラム拡散クロックとしては、例えば、後述のレーザスキャナユニット84(図7参照)等の制御に用いても支障のない程度の変調幅のものが想定されている。
【0044】
例えば、遅延量tf5から遅延量tf6に至る減少幅は最大の減少幅Δtfminとなるが、その減少幅Δtfminは前記第2スペクトラム拡散クロックの最高周波数に対応している。逆に、遅延量tf6から遅延量tf7に至る増加幅は最大の増加幅Δtfmaxとなるが、その増加幅Δtfmaxは前記第2スペクトラム拡散クロックの最低周波数に対応している。より具体的には、基準クロックclk_refが100MHzで、所望の第2スペクトラム拡散クロックが97MHz〜103MHzの変調幅である場合、Δtfmaxは0.3nsで、Δtfminは−0.3nsとなる。遅延時間生成回路17の各遅延素子DR0〜DR23としては、このように設定された遅延量tf0〜tf23を有するものが使用されている。
【0045】
[動作クロック生成装置の動作及び効果]
このため、本実施の形態の動作クロック生成装置では、次のような動作クロックclk_sscを生成することができる。図4は、本実施の形態の動作クロック生成装置の動作を表すタイムチャートである。図4に示すように、本実施の形態では、基準クロックclk_refの立ち上がりに同期して、カウンタ値cnt_refが1つずつ増加する。また、基準クロックclk_refの立ち上がりに同期して、短い矩形パルス状の立ち上がりエッジ信号clk_rise_edgが立ち上がり、その立ち上がりから遅延量trx(xはカウンタ値cnt_refの値)だけ遅れたタイミングで短い矩形パルス状の立ち上がりトリガ信号trg_riseが立ち上がる。すると、その立ち上がりに同期して、動作クロックclk_sscも立ち上がる。
【0046】
次に、基準クロックclk_refの立ち下がりに同期して、短い矩形パルス状の立ち下がりエッジ信号clk_fall_edgが立ち上がり、その立ち上がりから遅延量tfx(xはカウンタ値cnt_refの値)だけ遅れたタイミングで短い矩形パルス状の立ち下がりトリガ信号trg_fallが立ち上がる。すると、その立ち上がりに同期して、動作クロックclk_sscが立ち下がる。
【0047】
すなわち、動作クロックclk_sscは、基準クロックclk_refに対して、遅延量trxだけ遅れて立ち上がり、遅延量tfxだけ遅れて立ち下がる。このため、動作クロックclk_sscの立ち上がりタイミングは、前述の第1スペクトラム拡散クロックの各周波数で変調され、動作クロックclk_sscの立ち下がりタイミングは、前述の第2スペクトラム拡散クロックの各周波数で変調される。
【0048】
[変形例の動作及び効果]
なお、前記実施の形態では、動作クロックclk_sscの立ち上がりに係る遅延量trと立ち下がりに係る遅延量tfとの双方を変化させているが、一方を固定にしてもよい。図5(A),(B)は、立ち下がりに係る遅延量tfを前述のtf0に固定した場合の各遅延量tr,tfの変化を表すタイムチャートである。図5(A)に示すように、遅延量trは前述の実施の形態と同様に変化する。これに対して、遅延量tfは、tf0に固定されている。このような設定は、図1における遅延時間生成回路17を単一の遅延素子(遅延量tf0)によって構成し、その遅延時間生成回路17へのカウンタ値cnt_refの入力を省略すれば実現できる。すると、立ち下がりトリガ信号trg_fallに係る遅延量は図5(B)に示すように一定値tf0となる。
【0049】
この場合、図6に示すように、動作クロックclk_sscは、基準クロックclk_refに対して、前記実施の形態と同様に変化する遅延量trxだけ遅れて立ち上がるが、立ち下がりは、基準クロックclk_refに対して固定の遅延量tf0だけ遅れることになる。このため、動作クロックclk_sscの立ち上がりタイミングは、前述の第1スペクトラム拡散クロックの各周波数で変調され、動作クロックclk_sscの立ち下がりタイミングは全く変調されない。
【0050】
なお、逆に、動作クロックclk_sscの立ち下がりのみを変調してもよい。また、前記変形例では立ち下がりの遅延量をtf0(>0)に固定しているが、一方が基準クロックclk_refであってもよい。このような設定は、例えばtf0=0とすることによっても実現できるし、遅延時間生成回路17を省略して立ち下がりエッジ信号clk_fall_edgをSRラッチ18に直接入力しても実現できる。立ち上がりを変調させず立ち下がりのみを変調させる場合も、前記立ち上がりに係る構成と立ち下がりに係る構成とを入れ替えることで同様に実現できる。更に、前記各実施の形態では、変動パターンP1,P2が遅延量=0の線と接しているが、これらは遅延量=0の線と接していなくてもよい。
【0051】
[レーザプリンタへの応用例]
次に、図7は、前記実施の形態の動作クロック生成装置を応用したレーザプリンタ50(画像形成装置の一例)の構成を概略的に表す説明図である。図7に示すように、SSC生成回路10が出力する動作クロックclk_sscは、各種演算を実行して各種指令を出力するCPU回路60(立ち上がり動作部及び指示回路の一例)にそのまま動作クロックclk_aとして入力されている。なお、SSC生成回路10に設定された遅延量は図3,図5のいずれに対応する形態であってもよいが、図5の形態である方が望ましい。
【0052】
CPU回路60は、その動作クロックclk_aの立ち上がりに同期して動作する。また、SSC生成回路10が出力する動作クロックclk_sscは、インバータ65にて反転され、動作クロックclk_bとして記録制御回路70(立ち下がり動作部及び制御回路の一例)に入力されている。記録制御回路70は、動作クロックclk_bの立ち上がりに同期して、次のようなレーザスキャナユニット84を制御する。
【0053】
すなわち、レーザプリンタ50は、被記録媒体の一例としての用紙Pに電子写真方式によって画像を形成する画像形成部80を備えている。この画像形成部80は、感光体ドラム81と転写ローラ82との間に用紙Pを挟んで矢印方向に搬送する間に、その用紙Pにトナー像を形成するものである。感光体ドラム81は、ドラム本体が接地されると共に、その表面に正帯電性の感光層が形成されており、レーザプリンタ50に、図7における反時計方向に回転可能に支持されている。
【0054】
また、感光体ドラム81の外周には、帯電器83,レーザスキャナユニット84,及び,現像ユニット85が、転写ローラ82との対向部から感光体ドラム81の回転方向に沿って順次配設されている。帯電器83は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型帯電器であり、感光体ドラム81の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。レーザスキャナユニット84は、記録制御回路70より入力される駆動信号に応じてレーザ光Lを光源(図示せず)から出射し、ポリゴンモータにより回転駆動されるポリゴンミラー(図示せず)の鏡面などによりレーザ光Lを走査して、感光体ドラム81の表面へ照射する周知のものである。
【0055】
また、現像ユニット85は、感光体ドラム81との対向部に現像ローラ86を備えている。そして、この現像ユニット85は、現像ユニット85の内部に収容された正帯電性の非磁性1成分重合トナー(図示せず)を図示省略した周知の供給ローラ,層厚規制ブレード等によって摩擦帯電させながら、現像ローラ86を介して感光体ドラム81の表面まで供給するものである。
【0056】
このため、感光体ドラム81の表面は、その感光体ドラム81の回転に伴って、先ず、帯電器83により一様に正帯電された後、レーザスキャナユニット84からのレーザ光Lの高速走査により露光され、前記駆動信号に応じた静電潜像が形成される。
【0057】
次いで、現像ユニット85より、正帯電されているトナーが感光体ドラム81に供給されると、そのトナーは、感光体ドラム81の表面上に形成された静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光体ドラム81の表面のうち、レーザ光Lによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによってトナー像が形成される。
【0058】
転写ローラ82は、レーザプリンタ50に図1において時計方向に回転可能に支持されている。この転写ローラ82は、金属製のローラ軸に、イオン導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、転写バイアス(転写順バイアス)が印加されるように構成されている。そのため、感光体ドラム81の表面上に担持された前記トナー像は、用紙Pが感光体ドラム81と転写ローラ82との間を通る間に、用紙Pに転写される。前記トナー像転写後の用紙Pは、加熱ローラ91と加圧ローラ92とを備えた定着器90へ搬送され、前記トナー像が熱定着される。
【0059】
前述の記録制御回路70は、CPU回路60からの指示req_aに応じて、前述のようにレーザスキャナユニット84に駆動信号を出力するため、その駆動信号の出力タイミングがずれるとレーザプリンタ50の動作に印字結果がみだれるなどの影響が及ぼされる。一方、CPU回路60の演算処理や指示req_aの出力タイミングは、多少ずれても影響はない。レーザプリンタ50では、立ち上がりの変調幅が大きい動作クロックclk_aをCPU回路60に入力し、立ち上がりの変調幅が小さい動作クロックclk_bを記録制御回路70に入力している。このため、レーザプリンタ50では、EMIを良好に低減しつつ、良好に画像形成を行うことができる。
【0060】
更に、CPU回路60と記録制御回路70とは同一の動作クロックclk_sscに基づいて動作しているので、同期化回路を経ずに両者を接続して通信を行ってもメタステーブル等の不具合が発生しない。このため、両者の間の通信速度を向上させることができ、ひいては、レーザプリンタ50の画像形成速度を向上させることができる。なお、レーザプリンタ50において、発振回路20,SSC生成回路10,CPU回路60,及び記録制御回路70からなる回路が動作回路に相当する。また、前記各実施の形態の動作クロック生成装置は、レーザプリンタ50等の画像形成装置の他、画像読取装置等の種々の装置に応用することができる。
【0061】
なお、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、変動パターンP1,P2(P3,P4)としては、曲線状のものなど、種々の形態が考えられる。但し、その変動パターンに基づく遅延量の各増減幅は、所望のスペクトラム拡散クロックが取る各周波数にそれぞれ相当する値となるようにする必要がある。また、立ち上がりタイミングに対する遅延量は、その遅延量によって補正される立ち上がりタイミングの直前の立ち下がりタイミングに対する遅延量(0であってもよい)から基準クロックclk_refがLレベルである期間を差し引いた期間よりも大きいのが望ましい。また、立ち下がりタイミングに対する遅延量は、その遅延量によって補正される立ち下がりタイミングの直前の立ち上がりタイミングに対する遅延量(0であってもよい)から基準クロックclk_refがHレベルである期間を差し引いた期間よりも大きいのが望ましい。
【符号の説明】
【0062】
10…SSC生成回路 11…カウンタ
12…立ち上がりエッジ検出回路 13…立ち下がりエッジ検出回路
14,65…インバータ 16,17…遅延時間生成回路
18…SRラッチ 20…発振回路
50…レーザプリンタ 60…CPU回路
70…記録制御回路 80…画像形成部
81…感光体ドラム 84…レーザスキャナユニット
85…現像ユニット DR…遅延素子
L…レーザ光 P…用紙
P1,P2…変動パターン SEL…セレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準クロックを生成する基準クロック生成部と、
前記基準クロックのクロック数を計数するカウンタ部と、
前記カウンタ部の計数値の増加に応じて所定の変調周期毎に周期的に、所定遅延量を中心にして対称に値が変化する一対の変動パターンに沿って、前記計数値が増加する毎に前記各変動パターン上の点から交互に遅延量を取得する遅延量取得部と、
前記基準クロックの立ち上がりタイミングまたは立ち下がりタイミングの少なくともいずれか一方を、前記遅延量取得部が取得した遅延量で遅延補正する補正部と、
前記補正部で補正された立ち上がりタイミングまたは立ち下がりタイミングを有する動作クロックを生成する動作クロック生成部と、
を備え、
前記遅延量取得部が取得する遅延量の、前記カウンタ部の計数値が1つ増加する間の各増減幅が、所望のスペクトラム拡散クロックが取る各周波数にそれぞれ相当する値であることを特徴とする動作クロック生成装置。
【請求項2】
前記遅延量取得部は、
前記カウンタ部の計数値の増加に応じて前記変調周期毎に周期的に、第1所定遅延量を中心にして対称に値が変化する一対の第1変動パターンに沿って、前記計数値が増加する毎に前記各第1変動パターン上の点から交互に第1遅延量を取得する第1遅延量取得部と、
前記カウンタ部の計数値の増加に応じて前記変調周期毎に周期的に、第2所定遅延量を中心にして対称に値が変化する一対の第2変動パターンに沿って、前記計数値が増加する毎に前記各第2変動パターン上の点から交互に第2遅延量を取得する第2遅延量取得部と、
を備え、
前記補正部は、前記基準クロックの立ち上がりタイミングを前記第1遅延量で遅延補正し、前記基準クロックの立ち下がりタイミングを前記第2遅延量で遅延補正し、
前記動作クロック生成部は、前記補正部で補正された立ち上がりタイミング及び立ち下がりタイミングを有する動作クロックを生成し、
前記第1遅延量取得部が取得する第1遅延量の各増減幅が、所望の第1スペクトラム拡散クロックが取る各周波数にそれぞれ相当する値であり、
前記第2遅延量取得部が取得する第2遅延量の各増減幅が、所望の第2スペクトラム拡散クロックが取る各周波数にそれぞれ相当する値であることを特徴とする請求項1に記載の動作クロック生成装置。
【請求項3】
前記第1遅延量は、当該第1遅延量によって補正される前記立ち上がりタイミングの直前の前記立ち下がりタイミングに対して取得された前記第2遅延量から前記基準クロックがLレベルである期間を差し引いた期間よりも大きく、
前記第2遅延量は、当該第2遅延量によって補正される前記立ち下がりタイミングの直前の前記立ち上がりタイミングに対して取得された前記第1遅延量から前記基準クロックがHレベルである期間を差し引いた期間よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の動作クロック生成装置。
【請求項4】
前記補正部は、前記基準クロックの立ち上がりタイミングを、前記遅延量取得部が取得した遅延量で遅延補正し、
前記動作クロック生成部は、前記補正部で補正された立ち上がりタイミングと、前記基準クロックの立ち下がりタイミングとを有する動作クロックを生成し、
前記遅延量は、前記基準クロックのHレベルである期間よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の動作クロック生成装置。
【請求項5】
前記補正部は、前記基準クロックの立ち下がりタイミングを、前記遅延量取得部が取得した遅延量で遅延補正し、
前記動作クロック生成部は、前記補正部で補正された立ち下がりタイミングと、前記基準クロックの立ち上がりタイミングとを有する動作クロックを生成し、
前記遅延量は、前記基準クロックのLレベルである期間よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の動作クロック生成装置。
【請求項6】
前記各変動パターンが、前記変調周期の半周期毎に直線的な単調増加と直線的な単調減少とを交互に繰り返す変動パターンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の動作クロック生成装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の動作クロック生成装置と、
前記動作クロック生成部が生成した動作クロックの立ち上がりで動作する立ち上がり動作部と、
前記動作クロック生成部が生成した動作クロックの立ち下がりで動作する立ち下がり動作部と、
を備えたことを特徴とする動作回路。
【請求項8】
請求項7記載の動作回路と、被記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備えた画像形成装置であって、
前記動作クロック生成装置は請求項4に記載の動作クロック生成装置であって、
前記立ち下がり動作部は、前記画像形成部を駆動制御する制御回路であって、
前記立ち上がり動作部は、前記制御回路に指示を入力する指示回路であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−119879(P2012−119879A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266994(P2010−266994)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】