動作検出装置、位置関係検出装置、運動負荷検出装置、および携帯監視装置
【課題】監視対象者の行動の異常や体調の異常等の健康状態を監視する携帯監視装置を提供する。
【解決手段】老人用ペンダントにおいては、監視対象者が体調不良に陥っていること、または監視対象者の異常行動を種種のセンサを用いて検出する。即ち、種種のセンサが、正常な状態の人間と異常な状態の人間との差異を、種種のセンサによる出力がセンサ毎に予め設定された閾値以上であるか否か等の各種処理によって判断する。よって、監視対象者を救援する必要があるか否かを判断することができる。
【解決手段】老人用ペンダントにおいては、監視対象者が体調不良に陥っていること、または監視対象者の異常行動を種種のセンサを用いて検出する。即ち、種種のセンサが、正常な状態の人間と異常な状態の人間との差異を、種種のセンサによる出力がセンサ毎に予め設定された閾値以上であるか否か等の各種処理によって判断する。よって、監視対象者を救援する必要があるか否かを判断することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象者が行う動作を検出する動作検出装置、監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出装置、監視対象者により行われる運動の負荷を検出する運動負荷検出装置、および監視対象者の健康状態を監視する携帯監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、監視対象者が所持する端末装置を用いて監視対象者の筋肉から発せられる生体磁場を検出し、この検出結果に応じて監視対象者に異常が発生したことを検出するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3736640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記システムにおいては、生体磁場の発生元となる筋肉に異常がない場合には、監視対象者に筋肉以外の異常が発生していたとしてもこの異常を検出できないという問題点があった。
【0004】
具体的には、認知症、パーキンソン病等の神経系の障害を有する者が監視対象者となる場合、心神を喪失した状態で徘徊等の異常行動をしていることを検出する必要があるが、このような監視対象者の筋肉は正常であるため、上記システムにおいてはこのような異常行動を検出することができない。
【0005】
ここで、本願発明者は、監視対象者の異常行動を検出するためには、監視対象者が行う1つ1つの動作を検出する動作検出装置を開発することが重要であることに気がついた。
また一方で、監視対象者の体調の異常を検出することも重要であることに気がついた。このように監視対象者の体調の異常を検出するには、体調の異常を検出する装置と監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出装置を開発すること、および監視対象者が行っている運動負荷の大きさを検出する運動負荷検出装置を開発する必要がある。
【0006】
そこで、上記問題点を鑑み、監視対象者の行動の異常や体調の異常を検出するために監視対象者が行う特定の動作を検出する動作検出装置、監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出装置、監視対象者が行っている運動負荷の大きさを検出する運動負荷検出装置、および監視対象者の行動の異常や体調の異常等の健康状態を監視する携帯監視装置を提供することを本発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために成された請求項1に記載の発明は、
当該装置を所持して行動する監視対象者が行う特定の動作を検出する動作検出装置であって、
当該動作検出装置に加えられる互いに直交する任意の3方向における加速度を検出し、この検出結果を出力する3次元加速度検出手段と、
前記3次元加速度検出手段から前記検出結果を繰り返し受信し、該検出結果に基づいて、前記各方向における加速度のピーク(極大値または極小値)をそれぞれ複数検出し、前記各方向におけるピーク間時間を検出するピーク間時間検出手段と、
前記ピーク間時間検出手段により検出されたピーク間時間の平均値を表すピーク周期を前記各方向毎に算出するピーク周期算出手段と、
前記ピーク周期算出手段により算出された各方向におけるピーク周期のうち、少なくとも2方向のピーク周期または該2方向のピーク周期の倍周期が、予め設定された第1設定範囲内であれば、前記監視対象者が歩行中であると判断し、前記2方向のピーク周期が前記第1設定範囲外であれば、前記監視対象者が歩行中とは限らないと判断する歩行判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0008】
このような動作検出装置によれば、監視対象者が当該動作検出装置を身につけていれば、監視対象者が歩行の際に当該動作検出装置に与える周期的な加速度の変化を検出することできる。よって、監視対象者が歩行していることを検出することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の動作検出装置においては、
当該動作検出装置に加えられる互いに直交する任意の3方向における加速度を検出し、この検出結果を出力する3次元加速度検出手段と、
前記3次元加速度検出手段から前記検出結果を繰り返し受信し、該検出結果に基づいて、前記各方向における加速度のピークを検出するピーク値検出手段と、
前記ピーク値検出手段により検出されたピーク値の全てが、予め設定された第1停止判断閾値以下であれば、前記監視対象者が停止中であると判断し、前記全てのピーク値が前記第1停止判断閾値以上であれば、前記監視対象者が停止中とは限らないと判断する停止判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0010】
このような動作検出装置によれば、監視対象者が当該動作検出装置を身につけていれば、監視対象者が停止している際に当該動作検出装置に与える加速度の変化がほとんど感じられないことを検出することができるので、監視対象者が停止していることを検出することができる。
【0011】
さらに、請求項3に記載の動作検出装置においては、
当該動作検出装置に加えられる加速度として、鉛直方向と、該鉛直方向とは直交する任意の2方向における加速度を検出し、この検出結果を出力する3次元加速度検出手段と、
前記3次元加速度検出手段から前記検出結果を繰り返し受信し、該検出結果に基づいて、前記各方向における加速度のピークを検出するピーク値検出手段と、
前記ピーク値検出手段により検出された鉛直方向下向きにおけるピーク値が予め設定された座り動作判断値以上であって、前記鉛直方向とは直行する任意の2方向におけるピーク値の両方が予め設定された第2停止判断閾値未満であれば、前記監視対象者が座り動作中であると判断し、前記鉛直方向下向きにおけるピーク値が予め設定された座り動作判断値未満であるか、或いは前記鉛直方向とは直行する任意の2方向におけるピーク値の何れかが予め設定された第2停止判断閾値以上であれば、前記監視対象者が座り動作中とは限らないと判断する座り動作判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0012】
このような動作検出装置によれば、監視対象者が当該動作検出装置を身につけていれば、監視対象者が座り動作をしている際に、鉛直方向下向きの加速度を検出し、その他の方向の加速度がほとんど感じられないことを検出することができるので、監視対象者が座り動作中であることを検出することができる。
【0013】
また、請求項4に記載の動作検出装置においては、
当該装置を所持して行動する監視対象者が行う特定の動作を検出する動作検出装置であって、
当該動作検出装置に加えられる加速度として、鉛直方向と、該鉛直方向とは直交する任意の2方向における加速度を検出し、この検出結果を出力する3次元加速度検出手段と、
前記3次元加速度検出手段から前記検出結果を繰り返し受信し、該検出結果に基づいて、前記各方向における加速度のピークを検出するピーク値検出手段と、
前記ピーク値検出手段により検出された鉛直方向上向きにおけるピーク値が予め設定された立ち上がり動作判定閾値以上であって、前記鉛直方向とは直行する任意の2方向におけるピーク値の両方が予め設定された第3停止判断閾値未満であれば、前記監視対象者が立ち上がり動作中であると判断し、前記鉛直方向上向きにおけるピーク値が予め設定された立ち上がり動作判定閾値未満であるか、或いは前記鉛直方向とは直行する任意の2方向におけるピーク値の何れかが予め設定された第3停止判断閾値以上であれば、前記監視対象者が立ち上がり動作中とは限らないと判断する立ち上がり動作判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0014】
このような動作検出装置によれば、監視対象者が当該動作検出装置を身につけていれば、監視対象者が立ち上がり動作をしている際に、鉛直方向上向きの加速度を検出し、その他の方向の加速度がほとんど感じられないことを検出することができるので、監視対象者が立ち上がり動作中であることを検出することができる。
【0015】
さらに、請求項5に記載の動作検出装置においては、
当該動作検出装置に加えられる角速度として、鉛直方向と、該鉛直方向とは直交する任意の2方向における角加速度を検出し、この検出結果を出力する3次元角加速度検出手段と、
前記3次元角加速度検出手段から前記検出結果を繰り返し受信し、該検出結果に基づいて、予め設定された角度判定時間内における前記鉛直方向を回転軸とする正方向の回転角度を検出し、該回転角度が予め設定された角度設定閾値を超えていれば、前記監視対象者が順方向ターン動作中であると判断し、前記鉛直方向における正方向の回転角度が前記角度設定閾値を超えていなければ、前記監視対象者が順方向ターン動作中とは限らないと判断する順方向ターン動作判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0016】
このような動作検出装置によれば、監視対象者が当該動作検出装置を身につけていれば、監視対象者が順方向にターン(回転)した際に鉛直方向を回転軸とする正方向の回転角度を検出することができるので、監視対象者が順方向にターンしたことを検出することができる。
【0017】
さらに、請求項6に記載の動作検出装置においては、
当該動作検出装置に加えられる角速度として、鉛直方向と、該鉛直方向とは直交する任意の2方向における角加速度を検出し、この検出結果を出力する3次元角加速度検出手段と、
前記3次元角加速度検出手段から前記検出結果を繰り返し受信し、該検出結果に基づいて、予め設定された角度判定時間内における前記鉛直方向を回転軸とする負方向の回転角度を検出し、該検出角度が予め設定された角度設定閾値を超えていれば、前記監視対象者が逆方向ターン動作中であると判断し、前記鉛直方向における負方向の回転角度が前記角度設定閾値を超えていなければ、前記監視対象者が逆方向ターン動作中とは限らないと判断する逆方向ターン動作判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0018】
このような動作検出装置によれば、監視対象者が当該動作検出装置を身につけていれば、監視対象者が逆方向にターン(回転)した際に当該動作検出装置に与える特徴的な角加速度の変化を検出することができるので、監視対象者が逆方向にターンしたことを検出することができる。
【0019】
また、上記目的を達成するために成された請求項7に記載の発明は、
当該装置と当該装置を所持して行動する監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出装置であって、
当該位置関係検出装置の構成要素を収容する筐体と、
前記筐体の表面における任意の位置に配置された第1温度センサと、
前記第1温度センサに近接して配置された第1湿度センサと、
前記筐体において前記第1温度センサが配置された部位とは反対側の部位における表面に配置された第2温度センサと、
前記第2温度センサに近接して配置された第2湿度センサと、
前記各温度センサからの検出信号を入力し、前記何れかの温度センサが検出した温度が予め設定された地肌判定範囲内であるか否かを判定する地肌温度範囲判定手段と、
前記地肌温度範囲判定手段により前記何れかの温度センサが検出した温度が前記地肌判定範囲内であると判定されると、前記各温度センサにより検出された温度同士の温度差が、予め設定された地肌温度判定閾値以上であるか否かを判定する地肌温度差判定手段と、
前記各湿度センサからの検出信号を入力し、前記地肌温度差判定手段により前記各温度センサにより検出された温度同士の温度差が前記地肌温度判定閾値未満であると判定されると、前記各湿度センサにより検出された湿度同士の湿度差が予め設定された地肌湿度判定閾値以上であるか否かを判定する地肌湿度差判定手段と、
前記地肌温度差判定手段により前記各温度センサにより検出された温度同士の温度差が、前記地肌温度判定閾値以上であると判定されたとき、および前記地肌湿度差判定手段により前記各湿度センサにより検出された湿度同士の湿度差が前記地肌湿度判定閾値以上であると判定されたときに、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していると判断し、前記地肌温度範囲判定手段により前記何れかの温度センサが検出した温度が前記地肌判定範囲外であると判定されたとき、および前記地肌湿度差判定手段により前記各湿度センサにより検出された湿度同士の湿度差が前記地肌湿度判定閾値未満であると判定されたときに、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触しているとは限らないと判断する地肌接触状態判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0020】
ここで、このように温度センサおよび湿度センサが互いに筐体の表面の反対側になるよう配置された位置関係検出装置において、一方の温度センサおよび湿度センサが監視対象者の地肌に接触している場合には、体温や発汗の影響を受けるので、この温度センサおよび湿度センサからの出力は、他方の温度センサおよび湿度センサの出力に対して一定以上の温度差および湿度差が生じるはずである。このため本発明では、各温度センサおよび湿度センサによる検出結果の差分に基づいて、閾値以上の温度差および湿度差を検出するようにしている。
【0021】
よって、このような位置関係検出装置によれば、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していることを検出することができる。
なお、本願発明において、「近接」とは、第1温度センサが配置された環境と同じ環境である位置を示す。よって、例えば筐体が多面体である場合には、同一面に配置されていればよい。
【0022】
また、請求項7に記載の位置関係検出装置においては、請求項8に記載のように、前記地肌接触状態判断手段により当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していると判断されると、前記少なくとも一方の湿度センサから検出信号を繰り返し入力し、該検出信号が予め設定された第1湿度変化判定時間内に予め設定された第1湿度変化判定閾値以上の湿度の変化を示せば、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触した状態で衣服の外側にあると判断し、該検出信号が予め設定された第1湿度変化判定時間内に前記第1湿度変化判定閾値未満の湿度の変化しか示さなければ、当該位置関係検出装置が衣服の外側にあるとは限らないと判断する地肌接触服外状態判断手段を備えていてもよい。
【0023】
即ち、本発明の位置検出装置においては、位置関係検出装置が衣服の外側にある場合には、位置関係検出装置が衣服の内側にある場合と比較して、湿度の変化が大きくなる特性を利用して、湿度センサによる検出結果が閾値以上の変化を示すか否かに基づいて、位置関係検出装置が監視対象者の衣服の外部に位置することを検出している。
【0024】
よって、当該位置関係検出装置が監視対象者の地肌に接触し、かつ使用者の衣服の外部に位置することを検出することができる。
さらに、請求項7に記載の位置関係検出装置においては、請求項9に記載のように、前記地肌接触状態判断手段により当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していると判断されると、前記少なくとも一方の湿度センサから検出信号を繰り返し入力し、該検出信号が予め設定された第2湿度変化判定時間内に予め設定された第2湿度変化判定閾値未満の湿度の変化を示せば、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触した状態で衣服の内側にあると判断し、該検出信号が予め設定された第2湿度変化判定時間内に前記第2湿度変化判定閾値以上の湿度の変化を示せば、当該位置関係検出装置が衣服の内側にあるとは限らないと判断する地肌接触服内状態判断手段を備えていてもよい。
【0025】
このような位置検出装置によれば、湿度センサによる検出結果が閾値未満の変化を示すか否かに基づいて、位置関係検出装置が監視対象者の衣服の内部に位置することを検出している。
【0026】
よって、当該位置関係検出装置が監視対象者の地肌に接触し、かつ使用者の衣服の内部に位置することを検出することができる。
なお、本発明は、請求項10以下の請求項との従属関係を考慮しなければ、請求項8の従属項にすることもできる。
【0027】
また、請求項10に記載の位置関係検出装置においては、
当該位置関係検出装置の構成要素を収容する筐体と、
前記筐体の表面における任意の位置に配置された第1温度センサと、
前記筐体において前記第1温度センサが配置された部位とは反対側の部位における表面に配置された第2温度センサと、
前記各温度センサからの検出信号を入力し、前記何れかの温度センサが検出した温度が予め設定された第1非地肌判定範囲内であるか否かを判定する第1非地肌温度範囲判定手段と、
前記第1非地肌温度範囲判定手段により前記何れかの温度センサが検出した温度が前記非地肌判定範囲内であると判定されると、前記各温度センサにより検出された温度同士の温度差が、予め設定された第1非地肌温度判定閾値以上であるか否かを判定する非地肌温度差判定手段と、
前記非地肌温度差判定手段により前記各温度センサにより検出された温度同士の温度差が、前記第1地肌温度判定閾値未満であると判定されると、前記何れかの温度センサとは異なる温度センサが検出した温度が予め設定された第2非地肌判定範囲内であるか否かを判定する第2非地肌温度範囲判定手段と、
前記第1非地肌温度範囲判定手段により前記何れかの温度センサが検出した温度が前記非地肌判定範囲外であると判定されたとき、および前記第2非地肌温度範囲判定手段により前記何れかの温度センサとは異なる温度センサが検出した温度が前記非地肌判定範囲外であると判定されたときに、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していないと判断し、前記非地肌温度差判定手段により前記各温度センサにより検出された温度同士の温度差が前記第1地肌温度判定閾値以上であると判定されたとき、および前記第2非地肌温度範囲判定手段により前記何れかの温度センサとは異なる温度センサが検出した温度が前記非地肌判定範囲内であると判定されたときに、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していないとは限らないと判断する地肌非接触状態判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0028】
このような位置関係検出装置によれば、それぞれ複数個配置された温度センサによる検出結果に基づいて、当該位置関係検出装置が監視対象者の地肌に接触しているときには検出されない温度が検出された場合に、当該位置関係検出装置が監視対象者の地肌に接触していないと判定するので、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していないことを検出することができる。
【0029】
さらに、請求項10に記載の位置関係検出装置においては、請求項11に記載のように、
前記筐体の表面における任意の位置に配置され、前記筐体の表面における照度を測定する照度センサと、
前記地肌非接触状態判断手段により当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していないと判断されると、前記照度センサから検出信号を繰り返し入力し、該検出信号が予め設定された第1照度変化判定時間内に予め設定された第1照度変化判定閾値以上の照度の変化を示せば、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していない状態で衣服の外側にあると判断し、該検出信号が前記第1照度変化判定時間内に前記照度判定閾値未満の照度の変化しか示さなければ、当該位置関係検出装置が衣服の外側にあるとは限らないと判断する地肌非接触服外状態判断手段と、
を備えていてもよい。
【0030】
即ち、本発明の位置検出装置においては、位置関係検出装置が衣服の外側にある場合には、位置関係検出装置が衣服の内側にある場合と比較して、照度の変化が大きくなる特性を利用して、照度センサによる検出結果が閾値以上の変化を示すか否かに基づいて、位置関係検出装置が監視対象者の衣服の外部に位置することを検出している。
【0031】
よって、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触せずに、かつ使用者の衣服の外部に位置することを検出することができる。
また、請求項10に記載の位置関係検出装置においては、
前記筐体の表面における任意の位置に配置され、前記筐体の表面における照度を測定する照度センサと、
前記地肌接触状態判断手段により当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していないと判断されると、前記照度センサから検出信号を繰り返し入力し、該検出信号が予め設定された第2照度変化判定時間内に予め設定された第2照度変化判定閾値未満の照度の変化しか示さなければ、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触した状態で衣服の内側にあると判断し、該検出信号が前記第2照度変化判定時間内に前記第2照度変化判定閾値以上の照度の変化を示せば、当該位置関係検出装置が衣服の内側にあるとは限らないと判断する地肌非接触服内状態判断手段と、
を備えていてもよい。
【0032】
このような位置検出装置によれば、照度センサによる検出結果が閾値未満の変化を示すか否かに基づいて、位置関係検出装置が監視対象者の衣服の内部に位置することを検出している。
【0033】
よって、当該位置関係検出装置が監視対象者の地肌に接触しておらず、かつ使用者の衣服の内部に位置することを検出することができる。
なお、本発明は、請求項13以下の請求項との従属関係を考慮しなければ、請求項11の従属項にすることもできる。
【0034】
また、請求項13に記載の位置関係検出装置においては、
当該位置関係検出装置の周囲の温度または湿度を検出するセンサと、
前記センサによる検出結果に基づいて当該位置関係検出装置と前記監視対象者とが特定の位置関係にあるか否かを判断する特定位置判断手段と、
前記特定位置判断手段による判断結果に基づいて、当該位置関係検出装置と前記監視対象者との位置関係を特定する位置関係特定手段と、
を備え、
前記センサとして、請求項7に記載の第1温度センサ、第1湿度センサ、第2温度センサ、および第2湿度センサ、を備え、
前記特定位置判断手段として、
請求項7に記載の地肌温度範囲判定手段、地肌温度差判定手段、地肌湿度差判定手段、地肌接触状態判断手段、および地肌接触服外状態判断手段と、
請求項8に記載の地肌接触服外状態判断手段と、
請求項9に記載の地肌接触服内状態判断手段と、
請求項10に記載の第1非地肌温度範囲判定手段、非地肌温度差判定手段、第2非地肌温度範囲判定手段、および地肌非接触状態判断手段と、
請求項11に記載の地肌非接触服外状態判断手段と、
請求項12に記載の地肌非接触服内状態判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0035】
このような位置関係検出装置によれば、請求項7〜請求項12に記載の位置関係検出装置としての機能を全て有するので、当該位置関係検出装置と監視対象者との位置関係を精度よく検出することができる。
【0036】
また、上記目的を達成するために成された請求項14に記載の発明は、
当該装置を所持した監視対象者により行われる運動の負荷を検出する運動負荷検出装置であって、
前記監視対象者が歩行中であるか否かを判定する歩行中判定手段と、
前記監視対象者が停止中であるか否かを判定する停止中判定手段と、
前記監視対象者が立ち上がり動作中であるか否かを判定する立ち上がり動作判定手段と、
予め設定された負荷判定時間内に、前記歩行中判定手段、前記停止中判定手段、および前記立ち上がり動作判定手段により前記監視対象者が歩行中、停止中、立ち上がり動作中と判定された判定回数をそれぞれ記憶する判定回数記憶手段と、
前記判定回数記憶手段に記憶された立ち上がり動作判定回数が、予め設定された強負荷判定閾値以上であれば、前記監視対象者が強負荷運動を行ったと判断する強負荷判断手段と、
前記判定回数記憶手段に記憶された立ち上がり動作判定回数が、前記強負荷判定閾値よりも小さい中負荷判定閾値以上かつ前記強負荷判定閾値未満であれば、前記監視対象者が中負荷運動を行ったと判断する中負荷判断手段と、
前記判定回数記憶手段に記憶された歩行中判定回数が、予め設定された歩行判定閾値以上であれば、前記監視対象者が軽負荷運動を行ったと判断する軽負荷判断手段と、
前記判定回数記憶手段に記憶された停止中判定回数が、予め設定された停止判定閾値以上であれば、前記監視対象者が負荷運動を行っていないと判断する無負荷判断手段と、
前記各負荷判断手段による判断結果に基づいて、前記監視対象者が行った運動の運動負荷の大きさを特定する運動負荷特定手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0037】
このような運動負荷検出装置によれば、各判定手段により監視対象者が行った運動の種別を検出し、各判定手段による判定回数に応じて負荷の大きさを分類する。よって、監視対象者が行った運動の運動負荷の大きさを特定することができる。
【0038】
なお、運動負荷が強い順に、強負荷、中負荷、軽負荷、負荷なしとなる。
また、各負荷判断手段を作動する順序については任意に設定すればよい。
さらに、請求項14に記載の運動負荷検出装置においては、請求項15に記載のように、
前記歩行中判定手段は、請求項1に記載の動作検出装置として構成され、
前記停止中判定手段は、請求項2に記載の動作検出装置として構成され、
前記立ち上がり動作判定手段は、請求項4に記載の動作検出装置として構成されていてもよい。
【0039】
このような運動負荷検出装置によれば、各判定手段としての構成をより具体的な形態として実現することができる。
また、上記目的を達成するために成された請求項16に記載の発明は、
当該装置を所持して行動する監視対象者の健康状態を監視する携帯監視装置であって、
当該携帯監視装置の構成要素を収容する筐体と、
前記筐体の表面における任意の位置に配置された第3温度センサと、
前記第3温度センサに近接して配置された第3湿度センサと、
当該携帯監視装置と前記監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出手段と、
監視対象者が行う運動の運動負荷を検出する運動負荷検出手段と、
前記第3温度センサおよび前記第3湿度センサによる検出結果に基づいて不快指数を算出し、該不快指数が前記位置関係検出手段による検出結果および前記運動負荷検出手段による検出結果に応じてそれぞれ設定された不快閾値以上であるか否かを判定する不快閾値判定手段と、
前記不快閾値判定手段により前記不快指数が前記不快閾値以上であると判定されると、前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって暑過ぎると判断する暑過ぎ判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0040】
このような携帯監視装置によれば、不快指数を演算し、この不快指数が位置関係検出手段による検出結果および運動負荷検出手段による検出結果に応じて不快閾値を設定するので、監視対象者との位置関係や監視対象者が行う運動の付加に応じて監視対象者にとって暑過ぎるか否かを良好に判断することができる。
【0041】
さらに、請求項16に記載の携帯監視装置においては、請求項17に記載のように、暑過ぎ判断手段により前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって暑過ぎると判断されると、暑過ぎである旨を前記監視対象者に対して報知する暑過ぎ報知手段を備えていてもよい。
【0042】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者にとって暑過ぎると判断した場合には、暑過ぎである旨を監視対象者に報知することできる。
また、請求項16または請求項17に記載の携帯監視装置において、位置関係検出手段は、当該携帯監視装置と前記監視対象者との位置関係として、当該携帯監視装置が前記監視対象者の地肌に接触した状態で衣服の内側にある状態を検出することができるよう構成されている場合には、請求項18に記載のように、位置関係検出手段により当該携帯監視装置が前記監視対象者の地肌に接触した状態で衣服の内側にあると判断された場合に、前記第3温度センサによる検出結果を減少補正する減少補正手段を備えていてもよい。
【0043】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者の体温により第3温度センサによる検出結果が大きな値になっていたとしても、監視対象者の体温の影響を排除することができる。
【0044】
なお、本発明において位置関係検出手段の具体的な構成としては、例えば、請求項9に記載の構成を採用すればよい。
さらに請求項16〜請求項18の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項19に記載のように、
位置関係検出手段は、当該携帯監視装置と前記監視対象者との位置関係として、当該携帯監視装置が前記監視対象者の衣服の内側または外側にある状態を検出することができるよう構成されており、
前記運動負荷検出手段は、当該装置を所持して行動する監視対象者が行う特定の動作を検出する動作検出手段による検出結果に基づいて、前記監視対象者が行う運動の運動負荷の大きさを検出するよう構成されており、
前記不快閾値判定手段は、前記位置関係検出手段により当該携帯監視装置が衣服の内側または外側にあると判断され、かつ前記運動負荷検出手段により前記監視対象者が負荷運動を行っていないと判断されると、前記算出した不快指数の比較対照として前記複数の不快閾値の中から第1不快閾値を選択するようにしてもよい。
【0045】
このような携帯監視装置によれば、携帯監視装置が衣服の内側または外側にあると判断され、かつ前記運動負荷検出手段により前記監視対象者が負荷運動を行っていない場合には第1不快閾値を選択するので、監視対象者の感覚に応じた判断をすることができる。
【0046】
なお、本発明において位置関係検出手段の具体的な構成としては、例えば、請求項8、請求項9、請求項11、および請求項12に記載の構成を組み合わせて採用すればよい。
また、請求項19に記載の携帯監視装置において、不快閾値判定手段は、請求項20に記載のように、前記位置関係検出手段により当該携帯監視装置が衣服の内側または外側にあると判断され、かつ前記運動負荷検出手段により前記監視対象者が軽負荷運動を行ったと判断されると、前記算出した不快指数の比較対照として前記第1不快閾値よりも小さな第2不快閾値を選択するようにしてもよい。
【0047】
このような携帯監視装置によれば、携帯監視装置が衣服の内側または外側にあると判断され、かつ運動負荷検出手段により監視対象者が軽負荷運動を行ったと判断された場合には、監視対象者が負荷運動を行っていない場合の閾値(第1不快閾値)よりも小さな値の第2不快閾値を選択するので、監視対象者が負荷運動を行っていない場合よりも低い不快指数で暑過ぎると判断する。よって、監視対象者の感覚に応じた判断を行うことができる。
【0048】
さらに、請求項20に記載の携帯監視装置において、不快閾値判定手段は、請求項21に記載のように、前記位置関係検出手段により当該携帯監視装置が衣服の内側または外側にあると判断され、かつ前記運動負荷検出手段により前記監視対象者が前記軽負荷運動よりも負荷が大きい中負荷運動を行ったと判断されると、前記算出した不快指数の比較対照として前記第2閾値よりも小さな第3不快閾値を選択するようにしてもよい。
【0049】
このような携帯監視装置によれば、携帯監視装置が衣服の内側または外側にあると判断され、かつ運動負荷検出手段により監視対象者が中負荷運動を行ったと判断された場合には、監視対象者が軽負荷運動を行った場合の閾値(第2不快閾値)よりも小さな値の第3不快閾値を選択するので、監視対象者が軽負荷運動を行った場合よりも低い不快指数で暑過ぎると判断する。よって、監視対象者の感覚に応じた判断を行うことができる。
【0050】
また、請求項21に記載の携帯監視装置において、不快閾値判定手段は、請求項22に記載のように、前記位置関係検出手段により当該携帯監視装置が衣服の内側または外側にあると判断され、かつ前記運動負荷検出手段により前記監視対象者が中負荷運動を行ったと判断されると、前記算出した不快指数の比較対照として前記第2閾値よりも小さな第3不快閾値を選択するようにしてもよい。
【0051】
このような携帯監視装置によれば、携帯監視装置が衣服の内側または外側にあると判断され、かつ運動負荷検出手段により監視対象者が中負荷運動を行ったと判断された場合には、監視対象者が中負荷運動を行った場合の閾値(第3不快閾値)よりも小さな値の第4不快閾値を選択するので、監視対象者が軽負荷運動を行った場合よりも低い不快指数で暑過ぎると判断する。よって、監視対象者の感覚に応じた判断を行うことができる。
【0052】
さらに、請求項19〜請求項22の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項23に記載のように、
前記位置関係検出手段により当該携帯監視装置が前記監視対象者の地肌に接触した状態で衣服の内側または外側にあると判断され、かつ前記不快閾値判定手段により前記不快指数が前記不快閾値未満であると判定された場合に、前記第3温度センサによる検出結果が予め設定された高体温閾値以上であるか否かを判定する高体温判定手段を備え、
前記暑過ぎ判断手段は、前記不快閾値判定手段により前記不快指数が前記不快閾値以上であると判定されたとき、および前記高体温判定手段により前記第3温度センサによる検出結果が前記高体温閾値以上であると判定されたときに、前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって暑過ぎると判断するようにしてもよい。
【0053】
このような携帯監視装置によれば、第3温度センサにより監視対象者の体温(または体温により高温となった周囲の温度)を検出し、この温度が高体温閾値以上になった場合にも暑過ぎると判断するので、監視対象者の体温が異常に高温になったことを検出することができる。
【0054】
また、請求項23に記載の携帯監視装置においては、請求項24に記載のように、
前記筐体表面に複数備えられた電極間の抵抗値を検出することにより前記筐体の表面の濡れを検出する濡れ検出手段と、
前記高体温判定手段により前記第3温度センサによる検出結果が予め設定された高体温閾値未満であると判定されると、前記濡れ検出手段により前記筐体の表面の濡れを検出したか否かを判定する濡れ判定手段と、
を備え、
前記暑過ぎ判断手段は、前記不快閾値判定手段により前記不快指数が前記不快閾値以上であると判定されたとき、前記高体温判定手段により前記第3温度センサによる検出結果が前記高体温閾値以上であると判定されたとき、および前記濡れ判定手段により前記筐体の表面の濡れを検出したときに、前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって暑過ぎると判断するよう構成してもよい。
【0055】
このような携帯監視装置によれば、濡れ検出手段および濡れ判定手段により監視対象者の発汗を検出することができるので、不快指数が不快閾値未満であって、第3温度センサによる検出結果が前記高体温閾値未満であったとしても、監視対象者の発汗を検出すれば暑過ぎであると判断することができる。
【0056】
また、上記目的を達成するために成された請求項25に記載の携帯監視装置は、
当該携帯監視装置の構成要素を収容する筐体と、
前記筐体の表面における前記監視対象者とは接触しない位置に配置された第4温度センサと、
前記筐体に衝突する空気の流速を検出する風速検出手段と、
当該携帯監視装置と前記監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出手段と、
前記監視対象者が行う運動の運動負荷を検出する運動負荷検出手段と、
前記位置関係検出手段により当該携帯監視装置が衣服の外側にあると判断されると、前記第4温度センサによる検出結果が前記運動負荷検出手段による検出結果に応じてそれぞれ設定された第1低温閾値未満であるか否かを判定する第1低温閾値判定手段と、
前記第1低温閾値判定手段により前記第4温度センサによる検出結果が前記第1低温閾値以上であると判定されると、前記第4温度センサによる検出結果が、前記第1低温閾値よりも大きく前記運動負荷検出手段による検出結果に応じてそれぞれ設定された第2低温閾値未満であるか否かを判定する第2低温閾値判定手段と、
前記第2低温閾値判定手段により前記第4温度センサによる検出結果が前記第2低温閾値以上であると判定されると、前記風速検出手段による検出結果が予め設定された風速閾値以上であるか否かを判定する風速判定手段と、
前記第1低温閾値判定手段により前記第4温度センサによる検出結果が前記第1低温閾値未満であると判定されたとき、および前記風速検出手段による検出結果が前記風速閾値以上であると判定されたときに、前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって寒過ぎると判断する寒過ぎ判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0057】
即ち、この携帯監視装置においては、この装置が衣服の外側にある場合において、第4温度センサにより検出された温度が、運動負荷検出手段による検出結果に応じてそれぞれ設定された第1低温閾値未満である場合に、監視対象者にとって寒すぎると判断する。また、第4温度センサにより検出された温度が第1低温閾値よりも高温であったとしても、風速判定手段により風速閾値以上の風速を検出すると監視対象者にとって寒すぎると判断する。
【0058】
よって、このような携帯監視装置によれば、体感温度が低いとき(気温が低いときおよび気温はさほど低くなくても風が強いとき)に監視対象者にとって寒すぎることを良好に検出することができる。
【0059】
また、上記目的を達成するために成された請求項26に記載の携帯監視装置は、
当該携帯監視装置の構成要素を収容する筐体と、
前記筐体の表面における前記監視対象者とは接触しない位置に配置された第4温度センサと、
前記筐体の表面における前記監視対象者と接触する位置に配置された第5温度センサと、
前記筐体に衝突する空気の流速を検出する風速検出手段と、
当該携帯監視装置と前記監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出手段と、
前記監視対象者が行う運動の運動負荷を検出する運動負荷検出手段と、
前記位置関係検出手段により当該携帯監視装置が衣服の内側にあると判断されると、前記第4温度センサおよび前記第5温度センサによる検出結果の差分が前記運動負荷検出手段による検出結果に応じてそれぞれ設定された第3低温閾値以上であるか否かを判定する第3低温閾値判定手段と、
前記第3低温閾値判定手段により前記第4温度センサおよび前記第5温度センサによる検出結果の差分が前記第3低温閾値以上であると判定されると、前記第5温度センサによる検出結果が前記運動負荷検出手段による検出結果に応じてそれぞれ設定された第4低温閾値以上であるか否かを判定する第4低温閾値判定手段と、
前記第3低温閾値判定手段により前記第4温度センサおよび前記第5温度センサによる検出結果の差分が前記第3低温閾値未満であると判定されると、前記第4温度センサによる検出結果が前記運動負荷検出手段による検出結果に応じてそれぞれ設定された第5低温閾値以上であるか否かを判定する第5低温閾値判定手段と、
前記第4低温閾値判定手段により前記第5温度センサによる検出結果が前記第4低温閾値未満であると判定されたとき、および前記第5低温閾値判定手段により前記第4温度センサによる検出結果が前記第5低温閾値未満であると判定されたときに、前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって寒過ぎると判断する寒過ぎ判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0060】
このような携帯監視装置においては、携帯監視装置が衣服の内側にある場合において、第4温度センサおよび第5温度センサによる検出結果の差分が第3低温閾値以上であるか否かを判定する。そして、この判定結果に応じて異なるセンサによる検出結果を採用し、センサによる検出結果が閾値未満である場合に、監視対象者にとって寒すぎると判断する。
【0061】
よって、このような携帯監視装置によれば、監視対象者にとって寒すぎることを良好に検出することができる。
さらに、請求項25または請求項26に記載の携帯監視装置においては、請求項27に記載のように、前記寒過ぎ判断手段により前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって寒過ぎると判断されると、寒過ぎである旨を前記監視対象者に対して報知する寒過ぎ報知手段を備えていてもよい。
【0062】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者にとって寒過ぎると判断した場合には、寒過ぎである旨を監視対象者に報知することできる。
また、請求項16〜請求項27の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項28に記載のように、前記位置関係検出手段は、請求項13に記載の位置関係検出装置として構成され、前記運動負荷検出手段は、請求項14に記載の運動負荷検出装置として構成されていてもよい。
【0063】
このような携帯監視装置によれば、位置関係検出手段および運動負荷検出手段の構成をより具体的に実現することができる。
また、上記目的を達成するために成された請求項29に記載の携帯監視装置は、
前記監視対象者による操作を受け付ける操作部と、
前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって暑過ぎるか否かを判定する暑過ぎ環境判定手段と、
前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって寒過ぎるか否かを判定する寒過ぎ環境判定手段と、
前記各環境判定手段により暑過ぎまたは寒過ぎであると判定されると、予め設定された待機時間内に前記監視対象者により前記操作部が操作されたか否かを判定する操作判定手段と、
前記操作判定手段により前記待機時間内に前記操作部が操作されていないと判定されると、前記監視対象者を救援する必要があると判断する第1救援判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0064】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者にとって暑過ぎることまたは寒すぎることが検出されたときにおいて、操作部が操作されたか否かに基づいて、監視対象者に意識障害や運動障害等の異常が発生したか否かを判断する。よって、監視対象者が操作部の操作ができなかった場合等、操作部が操作されない場合には、監視対象者に異常が発生したものとして監視対象者を救援する必要があると判断することができる。
【0065】
さらに、請求項29に記載の携帯監視装置においては、請求項30に記載のように、前記各環境判定手段により暑過ぎまたは寒過ぎであると判定されると、前記監視対象者にとって暑過ぎまたは寒過ぎである旨を前記監視対象者に対して報知する暑過ぎ寒過ぎ報知手段を備えていてもよい。
【0066】
このような携帯監視装置によれば、暑過ぎまたは寒過ぎであることに監視対象者が気付かない場合に、暑過ぎまたは寒過ぎであることを監視対象者に報知することができる。
加えて、請求項29または請求項30に記載の携帯監視装置においては、請求項31に記載のように、前記操作判定手段により前記操作部が操作されたと判定されると、予め設定された猶予時間が経過するまで、前記暑過ぎ環境判定手段、前記寒過ぎ環境判定手段、前記操作判定手段、および前記第1救援判断手段のうち、少なくとも前記第1救援判断手段の作動を禁止する作動禁止手段を備えていてもよい。
【0067】
このような携帯監視装置によれば、操作部が操作された後、猶予時間が経過するまでは一定時間は監視対象者を救援する判断を禁止することができるので、監視対象者に異常が発生していない場合に救援する必要があると判断されることを防止することができる。
【0068】
さらに、請求項29〜請求項31の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項32に記載のように、
暑過ぎ環境判定手段は、請求項16〜請求項24の何れかに記載の携帯監視装置として構成され、
前記寒過ぎ環境判定手段は、請求項25〜請求項28の何れかに記載の携帯監視装置として構成されていてもよい。
【0069】
このような携帯監視装置によれば、暑過ぎ環境判定手段および寒すぎ環境判定手段としての構成をより具体的に実現することができる。
また、上記目的を達成するために成された請求項33に記載の携帯監視装置においては、
予め前記監視対象者の訪問先を位置情報として記憶した訪問先記憶手段と、
当該携帯監視装置の現在地を検出する現在地検出手段と、
前記監視対象者が行う特定の動作を検出する動作検出手段と、
前記現在地検出手段により検出された現在地を表す情報が、前記訪問先記憶手段に記憶された位置情報と一致しない場合に、前記動作検出手段により検出された監視対象者の動作が、特定のパターンであるか否かを判定することにより、前記監視対象者が心神喪失状態であるか否かを判定する心神喪失判定手段と、
前記心神喪失判定手段により前記監視対象者が心神喪失状態であると判定されると、前記監視対象者を救援する必要があると判断する第1救援判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0070】
このような携帯監視装置においては、現在地を表す情報が訪問先記憶手段に記憶された位置情報と一致しない場合に、監視対象者が徘徊している可能性があるものとして、監視対象者の動作が特定のパターンであるか否かを判定する。そして、監視対象者の動作が特定のパターンであることが検出されれば、監視対象者が心神喪失状態であるものとして救援する必要があると判断する。
【0071】
従って、このような携帯監視装置によれば、監視対象者が徘徊していることを検出することができる。
さらに、請求項33に記載の携帯監視装置においては、請求項34に記載のように、
前記動作検出手段は、
前記監視対象者が歩行中であることを検出する歩行中判定手段と、
前記監視対象者が停止中であることを検出する停止中判定手段と、
を備え、
前記心神喪失判定手段は、予め設定された第1心神喪失判定時間の間に、前記歩行動作判定手段により前記監視対象者が歩行中であることが検出され、その後前記停止動作判断手段により前記監視対象者が停止中であること検出される検出パターンの回数が、予め設定された第1心神喪失閾値以上であれば、前記監視対象者が心神喪失状態であると判定するようにしてもよい。
【0072】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者の動作における特定のパターンとして、歩行する動作および停止する動作を繰り返す動作を検出することにより監視対象者が心神喪失状態であるか否かを判定するので、より確実に監視対象者の徘徊を検出することができる。
【0073】
加えて、請求項33に記載の携帯監視装置においては、請求項35に記載のように、
前記動作検出手段は、
前記監視対象者が歩行中であることを検出する歩行中判定手段と、
前記監視対象者が順方向にターンしていることを検出する順方向ターン検出手段と、
前記監視対象者が前記順方向とは反対方向の逆方向にターンしていることを検出する逆方向ターン検出手段と、
を備え、
前記心神喪失判定手段は、予め設定された第2心神喪失判定時間の間に、前記歩行動作判定手段により前記監視対象者が歩行中であることが検出され、その後前記何れかのターン検出手段により前記監視対象者がターンしていること検出される検出パターンの回数が、予め設定された第2心神喪失閾値以上であれば、前記監視対象者が心神喪失状態であると判定するようにしてもよい。
【0074】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者の動作における特定のパターンとして、歩行動作後に、順方向または逆方向に繰り返しターンを行う動作を検出することにより監視対象者が心神喪失状態であるか否かを判定するので、より確実に監視対象者の徘徊を検出することができる。
【0075】
なお、本発明は、歩行中判定手段が請求項34の記載と重複することを考慮しなければ、請求項34に記載の発明の従属項とすることができる。
また、請求項33に記載の携帯監視装置においては、請求項36に記載のように、
前記監視対象者が歩行中であることを検出する歩行中判定手段と、
前記監視対象者が座り動作中であることを検出する座り動作判定手段と、
を備え、
前記心神喪失判定手段は、予め設定された第3心神喪失判定時間の間に、前記歩行中判定手段により前記監視対象者が歩行中であることが検出され、その後前記座り動作判定手段により前記監視対象者が座り動作中であること検出される検出パターンの回数が、予め設定された第3心神喪失閾値以上であれば、前記監視対象者が心神喪失状態であると判定するようにしてもよい。
【0076】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者の動作における特定のパターンとして、歩行動作と座り動作とを繰り返す動作を検出することにより監視対象者が心神喪失状態であるか否かを判定するので、より確実に監視対象者の徘徊を検出することができる。
【0077】
なお、本発明は、歩行中判定手段が請求項34および請求項35の記載と重複することを考慮しなければ、請求項34および請求項35に記載の発明の従属項とすることができる。
【0078】
なお、請求項34および請求項36に記載の歩行中判定手段は、請求項1に記載の動作検出装置として構成されていれば、歩行中判定手段をより具体的に実現することができる。
【0079】
また、請求項34に記載の停止中判定手段は、請求項2に記載の動作検出装置として構成されていれば、停止中判定手段をより具体的に実現することができる。
さらに、請求項35に記載の順方向ターン検出手段は、請求項5に記載の動作検出装置として構成され、逆方向ターン検出手段は、請求項6に記載の動作検出装置として構成されていれば、順方向ターン検出手段および逆方向ターン検出手段をより具体的に実現することができる。
【0080】
また、請求項36に記載の座り動作判定手段は、請求項3に記載の動作検出装置として構成されていれば、動作判定手段をより具体的に実現することができる。
また、請求項33〜請求項36の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項37に記載のように、
前記監視対象者により操作可能な操作部が特定の操作をされると、前記各種手段を作動する通常モード、および前記訪問先記憶手段に訪問先を位置情報を記憶するための学習モードを外部指令に応じて切り替えるモード切替手段と、
前記モード切替手段により学習モードに切り替えられると、前記現在地検出手段により検出された現在地の情報を訪問先の位置情報として前記訪問先記憶手段に記憶させる第1記憶制御手段と、
を備えていてもよい。
【0081】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者または監視対象者の保護者が監視対象者の訪問先で操作部を操作することにより、この訪問先を監視対象者が訪問する訪問先として登録することができる。つまり、位置情報を入力する等の煩雑な作業を必要とすることなく訪問先を登録することができる。
【0082】
さらに、請求項37に記載の携帯監視装置においては、請求項38に記載のように、
前記モード切替手段により通常モードに切り替えられている際に、前記現在地検出手段により検出された現在地が、前記訪問先記憶手段に記憶された位置から予め設定された所定距離以上離間していることが検出されると、前記現在地検出手段により検出された現在地の情報を訪問先の位置情報として仮記憶手段に仮登録し、同じ訪問先での仮登録回数が予め設定された登録閾値以上であれば、該仮登録された訪問先の位置情報を前記訪問先記憶手段に記憶させる第2記憶制御手段、
を備えていてもよい。
【0083】
このような携帯監視装置によれば、通常モードのときであっても、監視対象者が頻繁に(登録閾値以上の回数)訪問した訪問先を位置情報として登録することができるので、監視対象者およびその保護者は特に操作をすることなく訪問先を登録させることができる。
【0084】
また、請求項16〜請求項38の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項39に記載のように、
前記監視対象者の心臓の動作状態を検出する心電センサからの検出信号に基づいて前記監視対象者の心拍数を検出する第1心拍数検出手段と、
前記第1心拍数算出手段により検出された心拍数が予め設定された上限心拍数よりも多ければ心拍数が過大であると判断し、前記第1心拍数算出手段により検出された心拍数が予め設定された下限心拍数よりも少なければ心拍数が過小であると判断し、前記第1心拍数算出手段により検出された心拍数が前記上限心拍数および前記下限心拍数の範囲内であれば心拍数が正常であると判断する心拍数判断手段と、
を備えていてもよいし、請求項40に記載のように、
前記監視対象者の心音を検出する心音センサからの検出信号に基づいて前記監視対象者の心拍数を検出する第2心拍数検出手段と、
前記第2心拍数算出手段により検出された心拍数が予め設定された上限心拍数よりも多ければ心拍数が過大であると判断し、前記第2心拍数算出手段により検出された心拍数が予め設定された下限心拍数よりも少なければ心拍数が過小であると判断し、前記第2心拍数算出手段により検出された心拍数が前記上限心拍数および前記下限心拍数の範囲内であれば心拍数が正常であると判断する心拍数判断手段と、
を備えていてもよい。
【0085】
これらのような携帯監視装置によれば、監視対象者の心拍数によって、監視対象者に異常が発生したか否かを判定することができる。
さらに、請求項16〜請求項38の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項41に記載のように、
前記監視対象者の心臓の動作状態を検出する心電センサからの検出信号に基づいて前記監視対象者の心拍数を検出する第1心拍数検出手段と、
前記監視対象者の心音を検出する心音センサからの検出信号に基づいて前記監視対象者の心拍数を検出する第2心拍数検出手段と、
前記第1心拍数算出手段により検出された心拍数と前記第2心拍数算出手段により検出された心拍数とに整合性があるか否かを判定する整合性判定手段と、
前記整合性判定手段により前記各心拍数に整合性がないと判定されると前記監視対象者の心拍数が不明であると判定する心拍数不明判定手段と、
前記整合性判定手段により前記各心拍数に整合性があると判定されると、前記第1心拍数算出手段により検出された心拍数と前記第2心拍数算出手段により検出された心拍数との平均値を前記監視対象者の心拍数として設定する心拍数設定手段と、
前記心拍数設定手段により設定された心拍数が予め設定された上限心拍数よりも多ければ心拍数が過大であると判断し、前記心拍数設定手段により設定された心拍数が予め設定された下限心拍数よりも少なければ心拍数が過小であると判断し、前記心拍数設定手段により設定された心拍数が前記上限心拍数および前記下限心拍数の範囲内であれば、心拍数が正常であると判断する心拍数判断手段と、
を備えていてもよい。
【0086】
このような携帯監視装置によれば、複数の手段によって監視対象者の心拍数を検出し、これらによって検出された心拍数に整合性がなければ、心拍数が不明であると判断するので、心拍数の検出に対する信頼性を向上させることができる。
【0087】
また、請求項16〜請求項41の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項42に記載のように、
前記監視対象者の体温を検出する体温センサからの検出信号に基づいて前記監視対象者の体温を検出する体温検出手段と、
前記体温検出手段により検出された体温が予め設定された上限体温よりも高ければ前記監視対象者の体温が高すぎると判定し、前記体温検出手段により検出された体温が予め設定された下限体温よりも低ければ前記監視対象者の体温が低すぎると判定し、前記体温検出手段により検出された体温が前記上限体温と前記下限体温との範囲内であれば前記監視対象者の体温が正常であると判定する体温判定手段と、
を備えていてもよい。
【0088】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者の体温によって、監視対象者に異常が発生したか否かを判定することができる。
また、請求項16〜請求項42の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項43に記載のように、
周囲の音を検出する集音手段と、
前記集音手段が検出した音が、予め当該携帯監視装置に登録された監視対象者の特定パターンの音声と一致するか否かを判定する音声一致判定手段と、
前記音声一致判定手段により前記集音手段が検出した音が前記特定パターンの音声と一致すると判定された場合に、前記監視対象者を救援する必要があると判断する第2救援判断手段と、
を備えていてもよい。
【0089】
このような携帯監視装置によれば、例えば「助けて」、「ヘルプ」、或いはうめき声等、監視対象者の特定パターンの音声を検出することができるので、監視対象者を救援する必要があると判定することができる。
【0090】
また、請求項16〜請求項43の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項44に記載のように、
当該装置に収納された収納状態と当該装置の外部に引き出された引出状態との間で変位可能なレバーと、
前記レバーが引出状態にされると、前記監視対象者を救援する必要があると判断する第3救援判断手段と、
を備えていてもよい。
【0091】
このような携帯監視装置によれば、レバーが引出状態にされたときに監視対象者を救援する必要があると判断するので、例えばレバーに換えてボタン式のスイッチとして構成されている場合と比較して、誤作動を防止することができる。よって、監視対象者が救援を求める際の意志をより確実に検出することができる。
【0092】
また、請求項16〜請求項44の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項45に記載のように、
当該携帯監視装置の現在地を検出する現在地検出手段と、
当該携帯監視装置の外部と無線通信するための通信手段と、
前記監視対象者の異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段が異常を検出すると、少なくとも前記現在地検出手段により検出された当該携帯監視装置の現在地を表す情報を、前記通信手段を介して予め設定された通信相手に対して送信する通信制御手段と、
を備えていてもよい。
【0093】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者の異常を検出したときに、外部の通信相手に対して監視対象者を救援するよう連絡することができる。なお、異常検出手段の具体的な構成としては、例えば、前述の心拍数判断手段、体温判定手段、各救援判断手段等の判定結果を監視する構成が挙げられる。即ち、上記何れかの手段において、監視対象者の状態が「正常」であると判定されなかった場合に、監視対象者の異常を検出するものとすればよい。
【0094】
また、請求項45に記載の携帯監視装置においては、請求項46に記載のように、
前記異常検出手段が異常を検出すると、前記監視対象者による救援が不要である旨の意志を検出する意思確認手段を備え、
前記通信制御手段は、前記意思確認手段により救援が不要である旨の意志が予め設定された意志検出時間以内に検出されなかった場合に、前記通信手段を介した通信を実施するようにしてもよい。
【0095】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者の異常を検出したときに、外部の通信相手に対して監視対象者を救援するよう連絡することができる。なお、意思確認手段の具体的な構成としては、監視対象者の救援が不要である旨の何らかの操作を検出するか、或いは、救援が不要である旨の「不要」等の音声を検出する構成等が挙げられる。
【0096】
また、請求項46に記載の携帯監視装置においては、請求項47に記載のように、
外部指令に応じて前記意志検出時間の長さを変更する意志検出変更手段を備えていてもよい。
【0097】
このような携帯監視装置によれば、意志検出時間を監視対象者に応じて変更することができる。
また、請求項47に記載の携帯監視装置においては、請求項48に記載のように、
被験者の身体的特徴が予め登録された特定の監視対象者の身体的特徴と一致するか否かの認証を実施するバイオメトリクス認証手段を備え、
前記意志確認手段は、前記バイオメトリクス認証手段により監視対象者であるとの認証がされた場合に、前記監視対象者による救援が不要である旨の意志を検出したものとみなすようにしてもよい。
【0098】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者本人以外が救援を不要とする旨を当該装置に入力することができないので、監視対象者の意志を尊重することができる。
また、請求項48に記載の携帯監視装置においては、請求項49に記載のように、
前記意志検出変更手段は、前記バイオメトリクス認証手段により監視対象者であるとの認証がされた場合に、前記意志検出時間の長さを変更するようにしてもよい。
【0099】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者本人のみが意志検出時間を変更することができる。このため、例えば、監視対象者が自己の体調に応じて、意志検出時間を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】老人用ペンダントの概略構成を示すブロック図である。
【図2】老人用ペンダントの概略形状を示す斜視図(a)、濡れセンサの構造を示す説明図(b)、および老人用ペンダントの背面における断面図(c)である。
【図3】歩行判断処理を示すフローチャートである。
【図4】停止判断処理を示すフローチャートである。
【図5】座り動作判断処理を示すフローチャートである。
【図6】立ち上がり動作判断処理を示すフローチャートである。
【図7】右ターン動作判断処理を示すフローチャートである。
【図8】左ターン動作判断処理を示すフローチャートである。
【図9】地肌接触状態判断処理を示すフローチャートである。
【図10】地肌接触服外状態判断処理を示すフローチャートである。
【図11】地肌接触服内状態判断処理を示すフローチャートである。
【図12】地肌非接触状態判断処理を示すフローチャートである。
【図13】地肌非接触服外状態判断処理を示すフローチャートである。
【図14】地肌非接触服内状態判断処理を示すフローチャートである。
【図15】ペンダント位置判断処理を示すフローチャートである。
【図16】運動負荷判断処理を示すフローチャートである。
【図17】暑過ぎ状態判断処理を示すフローチャートである。
【図18】地肌非接触服外状態・負荷なし処理を示すフローチャートである。
【図19】地肌非接触服外状態・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【図20】地肌非接触服外状態・中負荷処理を示すフローチャートである。
【図21】地肌非接触服外状態・重負荷処理を示すフローチャートである。
【図22】地肌非接触服内状態・負荷なし処理を示すフローチャートである。
【図23】地肌非接触服内状態・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【図24】地肌非接触服内状態・中負荷処理を示すフローチャートである。
【図25】地肌非接触服内状態・重負荷処理を示すフローチャートである。
【図26】地肌接触服外状態・負荷なし処理を示すフローチャートである。
【図27】地肌接触服外状態・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【図28】地肌接触服外状態・中負荷処理を示すフローチャートである。
【図29】地肌接触服外状態・重負荷処理を示すフローチャートである。
【図30】地肌接触服内状態・負荷なし処理を示すフローチャートである。
【図31】地肌接触服内状態・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【図32】地肌接触服内状態・中負荷処理を示すフローチャートである。
【図33】地肌接触服内状態・重負荷処理を示すフローチャートである。
【図34】寒過ぎ状態判断処理を示すフローチャートである。
【図35】服外状態・負荷なし・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【図36】服外状態・中負荷・重負荷処理を示すフローチャートである。
【図37】服内状態・負荷なし・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【図38】服内状態・中負荷・重負荷処理を示すフローチャートである。
【図39】寒暖救援依頼処理を示すフローチャートである。
【図40】救援依頼の猶予中設定処理を示すフローチャートである。
【図41】救援依頼の送信処理を示すフローチャートである。
【図42】徘徊判断処理を示すフローチャートである。
【図43】歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理を示すフローチャートである。
【図44】歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理を示すフローチャートである。
【図45】歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理を示すフローチャートである。
【図46】立ち回り先登録処理を示すフローチャートである。
【図47】安否判断可能判断処理を示すフローチャートである。
【図48】脈拍数関係の安否状態判断処理を示すフローチャートである。
【図49】体温関係の安否状態判断処理を示すフローチャートである。
【図50】音声に関する救援依頼判断処理を示すフローチャートである。
【図51】注意状態設定処理を示すフローチャートである。
【図52】注意状態反転処理を示すフローチャートである。
【図53】救援依頼レバーに関する救援依頼判断処理を示すフローチャートである。
【図54】救援依頼レバーの作動形態を示す説明図である。
【図55】救援依頼実行処理を示すフローチャートである。
【図56】送信の意思確認処理1を示すフローチャートである。
【図57】送信の意思確認処理2を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0101】
以下に本発明にかかる実施の形態を図面と共に説明する。
[老人用ペンダントの概要]
図1は、本発明が適用された老人用ペンダント1の概略構成を示すブロック図である。老人用ペンダント1は、この老人用ペンダント1を所持して行動する監視対象者の健康状態や徘徊等の異常行動を種種のセンサを用いて検出する。即ち、この老人用ペンダント1は、正常な状態の人間と異常な状態の人間との差異を、種種のセンサによる出力がセンサ毎に予め設定された閾値以上であるか否か等を判定する各種処理を実施することによって判断する。
【0102】
そして、この老人用ペンダント1では、監視対象者の健康状態や行動に異常を検出すると、異常があった旨を予め設定された連絡先に通知するよう設定されている。また、この老人用ペンダント1では、監視対象者の意志によっても予め設定された連絡先に通知を行うよう設定されている。
【0103】
この老人用ペンダント1は、図1に示すように、行動センサユニット10と、救援依頼信号送信装置50と、報知部60と、操作部70と、が筐体5(図2参照)に備えられて構成されている。
【0104】
行動センサユニット10は、周知のMPU31(マイクロプロセッサユニット)および各種センサを備えており、MPU31は各種センサを構成するセンサ素子が検査対象(湿度、風速等)を良好に検出することができるように、例えば、センサ素子の温度に最適化するためのヒータを駆動させる等の処理を行う。
【0105】
行動センサユニット10は、各種センサとして、3次元加速度センサ11(3DGセンサ)と、3軸ジャイロセンサ13と、筐体5の背面に配置された温度センサ15と、筐体5の背面に配置された湿度センサ17と、筐体5の正面に配置された温度センサ19と、筐体5の正面に配置された湿度センサ21と、筐体5の正面に配置された照度センサ23と、筐体の背面に配置された濡れセンサ25と、老人用ペンダント1の現在地を検出するGPS受信機27と、風速センサ29とを備えている。
【0106】
また、行動センサユニット10は、各種センサとして、心電センサ33(第1心拍数検出手段)、心音センサ35(第2心拍数検出手段)、マイク37(集音手段)も備えている。なお、各温度センサ15,19、および各湿度センサ17,21は、筐体5の外部空気の温度または湿度を検査対象として測定を行う。
【0107】
3次元加速度センサ11は、老人用ペンダント1に加えられる互いに直交する3方向(鉛直方向(Z方向)、筐体5の幅方向(Y方向)、および筐体5の厚み方向(X方向))における加速度を検出し、この検出結果を出力する(3次元加速度検出手段)。なお、本実施例においては、鉛直方向上向き、筐体5の背面5bから正面5aに向かう方向、および筐体5の背面5bから正面5aに向かう方向に見て筐体5の右側に向かう方向を正方向と定義する。
【0108】
3軸ジャイロセンサ13は、老人用ペンダント1に加えられる角速度として、鉛直方向(Z方向)と、該鉛直方向とは直交する任意の2方向(筐体5の幅方向(Y方向)、および筐体5の厚み方向(X方向))における角加速度(各方向における左回りの各速度を正とする)を検出し、この検出結果を出力する(3次元角加速度検出手段)。
【0109】
温度センサ15,19は、例えば温度に応じて電気抵抗が変化するサーミスタ素子を備えて構成されている。なお、本実施例においては、温度センサ15,19は摂氏温度を検出し、以下の説明に記載する温度表示は全て摂氏温度で行うものとする。
【0110】
湿度センサ17,21は、例えば周知の高分子膜湿度センサとして構成されている。この高分子膜湿度センサは、相対湿度の変化に応じて高分子膜に含まれる水分の量が変化し、誘電率が変化するコンデンサとして構成されている。
【0111】
照度センサ23は、例えばフォトトランジスタを備えた周知の照度センサとして構成されている。
風速センサ29は、例えば周知の風速センサであって、ヒータ温度を所定温度に維持する際に必要な電力(放熱量)から風速を算出する。
【0112】
心音センサ35は、監視対象者の心臓の拍動による振動を捉える振動センサとして構成されており、MPU31は心音センサ35による検出結果とマイク37から入力される心音とを鑑みて、拍動による振動や騒音と、他の振動や騒音とを識別する。
【0113】
なお、濡れセンサ25および心電センサ33については後述する。
救援依頼信号送信装置50は、周知のMPU51と、無線電話ユニット53と、訪問先メモリ55と、を備え、図示しない入出力インターフェイスを介して行動センサユニット10を構成する各種センサからの検出信号を取得可能に構成されている。そして、救援依頼信号送信装置50のMPU51は、この行動センサユニット10による検出結果や、操作部70を介して入力される入力信号、ROM(図示省略)に格納されたプログラムに応じた処理を実行する。
【0114】
具体的には、救援依頼信号送信装置50のMPU51は、監視対象者が行う特定の動作を検出する動作検出装置としての機能、監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出装置としての機能、監視対象者により行われる運動の負荷を検出する運動負荷検出装置としての機能、およびMPU51による処理結果を送信する機能を実行する。なお、ROMには、後述する各種処理にて参照される種々の閾値や数値範囲が格納されている。
【0115】
無線電話ユニット53は、例えば携帯電話の基地局と通信可能に構成されており(通信手段)、救援依頼信号送信装置50のMPU51は、該MPU51による処理結果を報知部60に対して出力したり、無線電話ユニット53を介して予め設定された送信先に対して送信したりする。
【0116】
訪問先メモリ55は、監視対象者の訪問先の位置情報を記憶するための記憶領域として機能する。この訪問先メモリ55には、監視対象者の訪問先として、病院、公民館、福祉施設、介護施設等の監視対象者が保護してもらえる可能性が高い公共施設の位置情報が予め登録されており、これらの位置情報に加えて、後述する立ち回り先登録処理(図46参照)において監視対象者毎に位置情報を追加登録できる。
【0117】
報知部60は、例えば、LCDや有機ELディスプレイとして構成されたディスプレイ61と、例えば7色に発光可能なLEDからなる電飾63と、スピーカ65とを備えている。報知部60を構成する各部は、救援依頼信号送信装置50のMPU51により駆動制御される。
【0118】
次に、操作部70としては、タッチパッド71と、確認ボタン73と、指紋センサ75(バイオメトリクス認証手段)と、救援依頼レバー77とを備えている。
タッチパッド71は、使用者(監視対象者や監視対象者の保護者等)により触れられた位置や圧力に応じた信号を出力する。
【0119】
確認ボタン73は、使用者に押下されると内蔵されたスイッチの接点が閉じるように構成されており、救援依頼信号送信装置50にて確認ボタン73が押下されたことを検出することができるようにされている。
【0120】
指紋センサ75は、周知の指紋センサであって、例えば、光学式センサを用いて指紋を読みとることができるよう構成されている(後述する図2では図示省略)。なお、指紋センサ75に換えて、例えば掌の静脈の形状を認識するセンサ等、人間の身体的特徴を認識することができる手段(バイオメトリクス認証をすることができる手段:個人を特定することができる手段)であれば、採用することができる。
【0121】
また、救援依頼レバー77については後述する(図54参照)。
次に、老人用ペンダント1の形状について図2(a)を用いて説明する。図2(a)は、老人用ペンダント1の概略形状を示す斜視図である。
【0122】
図2(a)に示すように、老人用ペンダント1の筐体5は、略直方体形状を有し、この筐体5に内蔵されたGPS受信機27がGPS衛星からの信号を受信するためのGPSアンテナ57が筐体5の外部に配置されている。老人用ペンダント1は、監視対象者が筐体5の上面5cに設けられた取付部7aに結ばれたストラップ7を監視対象者の首に掛けて使用することを想定して設計されており、このGPSアンテナ57は、監視対象者がストラップ7を首に掛けたときに首の真後ろに来る位置に配置されている。
【0123】
なお、ストラップ7にはGPSアンテナ57により受信した信号を筐体5内部に誘導するための信号線が内包されている。また、このストラップ7におけるGPSアンテナ57の近傍には、電極部59が形成されている。つまり、ストラップ7には電極部59に対応する信号線も、GPSアンテナ57の信号線とは別に内包されている。
【0124】
ここで、心電センサ33は、例えば、電極部59と後述する第1導電部83との電位差を検出することによって、監視対象者の心臓の動作状態を電気信号として検出することができるように構成されている。そして、救援依頼信号送信装置50のMPU51は、心電センサ33からの検出信号に基づいて心電図を生成する。
【0125】
ところで、老人用ペンダント1の正面5aには、ディスプレイ61、タッチパッド71、および確認ボタン73が備えられている。また、この正面5aには、前述の温度センサ19、湿度センサ21、および照度センサ23も配置されている(図示は省略)。
【0126】
なお、老人用ペンダント1の背面5bには、温度センサ15、湿度センサ17、濡れセンサ25が配置されている。
そして、老人用ペンダント1の上面には、前述の取付部7aに加えて、電飾63およびスピーカ65が配置されている。
【0127】
ここで、濡れセンサ25について図2(b)および図2(c)を用いて説明する。なお、図2(b)は老人用ペンダント1の背面図、図2(c)は老人用ペンダント1の背面における断面図である。
【0128】
濡れセンサ25は、図2(b)および図2(c)に示すように、筐体5の背面5bに形成されている。即ち、筐体5の背面5bは、導体からなる導電部として構成されており、この導電部は、溝部87を介して、リング状に形成された第1導電部83と第1導電部83の周囲をリング状に取り囲む第2導電部85とに分離されている。そして、各導電部83,85間には、予め設定された電位差が与えられることになる。なお、溝部87は、第1導電部83および第2導電部85を絶縁する機能を有する。
【0129】
このとき、筐体5の背面5bが監視対象者の皮膚に接触していなければ、各導電部83,35間で導通されることはないが、筐体5の背面5bが監視対象者の皮膚に接触しており、さらに監視対象者が発汗しているときには、この汗に電気が流れるため、各導電部83,85間が導通されることなる。
【0130】
つまり、本実施例の濡れセンサ25は、上記のような原理を利用して監視対象者の発汗を検出する。
また、図2(c)に示すように、第1導電部83の内側には、凹部81が形成されており、この凹部81の底面部には、温度センサ15、湿度センサ17、およびマイク37が配置されている。このような構成にされているのは、温度センサ15、湿度センサ17、およびマイク37が監視対象者に直接触れないようにするためである。また、マイク37は、監視対象者の音声や心音(心臓の音)を検出するために用いられる。
【0131】
また、救援依頼信号送信装置50のRAM(不揮発性のRAM:図示省略)には、監視対象者の音声を登録することができるように構成されており、救援依頼信号送信装置50のMPU51は、登録された監視対象者の音声の特徴(例えば声紋)によって、監視対象者の音声を識別する機能を有する。また、上記RAMには単語登録がされており、MPU51は監視対象者の発する特定の単語(例えば、「助けて」や「ヘルプ」等)、悲鳴、うめき声等をRAM参照することによって識別する機能も有する。
【0132】
[歩行判断処理]
上記に説明した老人用ペンダント1において、監視対象者が歩行中であることを検出する処理について図3を用いて説明する。図3は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する歩行判断処理を示すフローチャートである。
【0133】
この歩行判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、3次元加速度センサ11からの3方向の出力を取得(入力)し(S10)、これらの3方向の出力をRAM等のメモリに一時的に格納する(S15)。なお、メモリには、例えば3秒間分の出力が格納される。
【0134】
続いて、メモリに格納された3方向の出力に基づいて、各方向における加速度のピーク(絶対値の極大値および極小値)をそれぞれ複数検出し、各方向におけるピーク間時間を検出する(S20:ピーク間時間検出手段)。そして、検出されたピーク間時間の平均値を表すピーク周期を各方向毎に算出する(S25:ピーク周期算出手段)。
【0135】
次いで、算出された各方向におけるピーク周期のうち、少なくとも2方向のピーク周期または該2方向のピーク周期の倍周期が、例えば10%の範囲内(第1設定範囲内)に収まっているか否かを判定する(S30:歩行判断手段)。
【0136】
少なくとも2方向のピーク周期または該2方向のピーク周期の倍周期が、10%の範囲内であれば(S30:Yes)、監視対象者が歩行中であるものとして歩行中信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S35)、歩行判断処理を終了する。また、2方向のピーク周期または該2方向のピーク周期の倍周期が、10%の範囲外であれば(S30:No)、監視対象者が歩行中とは限らないとして歩行中不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S40)、歩行判断処理を終了する。
【0137】
このような老人用ペンダント1が実行する歩行判断処理によれば、監視対象者が老人用ペンダント1を身につけていれば、監視対象者が歩行の際に老人用ペンダント1に与える周期的な加速度の変化を検出することできる。よって、監視対象者が歩行していることを判定することができる。
【0138】
[停止判断処理]
次に、老人用ペンダント1において、監視対象者が停止中であることを検出する処理について図4を用いて説明する。図4は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する停止判断処理を示すフローチャートである。
【0139】
この停止判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、3次元加速度センサ11からの3方向の出力を取得(入力)し(S60)、これらの3方向の出力をRAM等のメモリに一時的に格納する(S65)。なお、メモリには、例えば3秒間分の出力が格納される。
【0140】
続いて、メモリに格納された3方向の出力に基づいて、各方向における加速度のピークをそれぞれ検出する(S70:ピーク値検出手段)。
次いで、検出された3方向のピーク値の全てが、第1停止判断値(第1停止判断閾値)以下であるか否かを判定する(S75:停止判断手段)。3方向のピーク値の全てが第1停止判断値以下であれば(S75:Yes)、監視対象者が停止中であるものとして停止中信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S80)、停止判断処理を終了する。また、全てのピーク値が第1停止判断値以上であれば(S75:No)、監視対象者が停止中とは限らないものとして停止中不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S80)、停止判断処理を終了する。
【0141】
このような老人用ペンダント1が実行する停止判断処理によれば、監視対象者が老人用ペンダント1を身につけていれば、監視対象者が停止の際に老人用ペンダント1に与える加速度の変化がほとんど感じられないことを検出することができるので、監視対象者が停止しているか否かを判定することができる。
【0142】
[座り動作判断処理]
次に、老人用ペンダント1において、監視対象者が座り動作中であることを検出する処理について図5を用いて説明する。図5は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する座り動作判断処理を示すフローチャートである。
【0143】
この座り動作判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、3次元加速度センサ11からの3方向の出力を取得(入力)し(S110)、これらの3方向の出力をRAM等のメモリに一時的に格納する(S115)。なお、メモリには、例えば3秒間分の出力が格納される。
【0144】
続いて、メモリに格納された3方向の出力に基づいて、各方向における加速度のピークをそれぞれ検出する(S120:ピーク値検出手段)。
次いで、検出された鉛直方向下向き(−Z方向)におけるピーク値が座り動作判断値以上であって、かつ水平方向(X方向、およびY方向)におけるピーク値の両方が第2停止判断閾値未満であるか否かを判定する(S125:座り動作判断手段)。鉛直方向下向きにおけるピーク値が座り動作判断値以上であって、かつ水平方向におけるピーク値の両方が第2停止判断閾値未満であれば(S125:Yes)、監視対象者が座り動作中であるものとして座り動作信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S130)、座り動作判断処理を終了する。
【0145】
鉛直方向下向きにおけるピーク値が座り動作判断値未満であるか、或いは水平方向におけるピーク値の何れかが第2停止判断閾値以上であれば(S125:No)、監視対象者が座り動作中とは限らないものとして座り動作不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S135)、座り動作判断処理を終了する。
【0146】
このような老人用ペンダント1が実行する座り動作判断処理によれば、監視対象者が老人用ペンダント1を身につけていれば、監視対象者が座り動作をしている際に、鉛直方向下向きの加速度を検出し、その他の方向の加速度がほとんど感じられないことを検出することができるので、監視対象者が座り動作中であるか否かを判定することができる。
【0147】
[立ち上がり動作判断処理]
次に、老人用ペンダント1において、監視対象者が立ち上がり動作中であることを検出する処理について図6を用いて説明する。図6は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する立ち上がり動作判断処理を示すフローチャートである。
【0148】
この立ち上がり動作判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、3次元加速度センサ11からの3方向の出力を取得(入力)し(S160)、これらの3方向の出力をRAM等のメモリに一時的に格納する(S165)。なお、メモリには、例えば3秒間分の出力が格納される。
【0149】
続いて、メモリに格納された3方向の出力に基づいて、各方向における加速度のピークをそれぞれ検出する(S170:ピーク値検出手段)。
次いで、検出された鉛直方向上向き(+Z方向)におけるピーク値が立ち上がり動作判断値以上であって、かつ水平方向(X方向、およびY方向)におけるピーク値の両方が第3停止判断閾値未満であるか否かを判定する(S175:立ち上がり動作判断手段)。鉛直方向上向きにおけるピーク値が立ち上がり動作判断値以上であって、かつ水平方向におけるピーク値の両方が第3停止判断閾値未満であれば(S175:Yes)、監視対象者が立ち上がり動作中であるものとして立ち上がり動作信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S180)、立ち上がり動作判断処理を終了する。
【0150】
鉛直方向上向きにおけるピーク値が立ち上がり動作判断値未満であるか、或いは水平方向におけるピーク値の何れかが第3停止判断閾値以上であれば(S175:No)、監視対象者が立ち上がり動作中とは限らないものとして立ち上がり動作不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S185)、立ち上がり動作判断処理を終了する。
【0151】
このような老人用ペンダント1が実行する立ち上がり動作判断処理によれば、監視対象者が老人用ペンダント1を身につけていれば、監視対象者が立ち上がり動作をしている際に、鉛直方向上向きの加速度を検出し、その他の方向の加速度がほとんど感じられないことを検出することができるので、監視対象者が立ち上がり動作中であるか否かを判定することができる。
【0152】
[右ターン動作判断処理]
次に、老人用ペンダント1において、監視対象者が右ターン動作中であることを検出する処理について図7を用いて説明する。図7は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する右ターン動作判断処理を示すフローチャートである。
【0153】
この右ターン動作判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、3軸ジャイロセンサ13からの3方向の出力を取得(入力)し(S210)、これらの3方向の出力をRAM等のメモリに一時的に格納する(S215)。なお、メモリには、例えば3秒間分の出力が格納される。
【0154】
次いで、メモリに格納された出力結果に基づいて、予め設定された角度判定時間(例えば2秒)内における鉛直方向を回転軸とする正方向(鉛直方向上向きに左回転。つまり、監視対象者にとっては右回転)の回転角度を検出する(S220)。そして、この正方向の回転角度が例えば30度(角度設定閾値)を超えているか否かを判定する(S225:順方向ターン動作判断手段)。
【0155】
正方向の回転角度が30度を超えていれば(S225:Yes)、監視対象者が右方向ターン動作中であるものとして右ターン動作信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S230)、右ターン動作判断処理を終了する。また、正方向の回転角度が30度を超えていなければ(S225:No))、監視対象者が右方向ターン動作中とは限らないものとして、右ターン動作不明信号を出力し(S235)、右ターン動作判断処理を終了する。
【0156】
このような老人用ペンダント1が実行する右ターン動作判断処理によれば、監視対象者が老人用ペンダント1を身につけていれば、監視対象者が順方向にターン(回転)した際に鉛直方向を回転軸とする正方向の回転角度を検出することができるので、監視対象者が順方向にターンしたか否かを判定することができる
[左ターン動作判断処理]
次に、老人用ペンダント1において、監視対象者が左ターン動作中であることを検出する処理について図8を用いて説明する。図8は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する左ターン動作判断処理を示すフローチャートである。
【0157】
この左ターン動作判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、3軸ジャイロセンサ13からの3方向の出力を取得(入力)し(S260)、これらの3方向の出力をRAM等のメモリに一時的に格納する(S265)。なお、メモリには、例えば3秒間分の出力が格納される。
【0158】
次いで、メモリに格納された出力結果に基づいて、予め設定された角度判定時間(例えば2秒)内における鉛直方向を回転軸とする負方向(鉛直方向上向きに右回転。つまり、監視対象者にとっては左回転)の回転角度を検出する(S270)。そして、この負方向の回転角度が例えば30度(角度設定閾値)を超えているか否かを判定する(S275:逆方向ターン動作判断手段)。
【0159】
負方向の回転角度が30度を超えていれば(S275:Yes)、監視対象者が左方向ターン動作中であるものとして左ターン動作信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S280)、左ターン動作判断処理を終了する。また、負方向の回転角度が30度を超えていなければ(S275:No))、監視対象者が右方向ターン動作中とは限らないものとして、左ターン動作不明信号を出力し(S285)、左ターン動作判断処理を終了する。
【0160】
このような老人用ペンダント1が実行する左ターン動作判断処理によれば、監視対象者が老人用ペンダント1を身につけていれば、監視対象者が逆方向にターン(回転)した際に鉛直方向を回転軸とする負方向の回転角度を検出することができるので、監視対象者が逆方向にターンしたか否かを判定することができる
[地肌接触状態判断処理]
次に、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触した状態であることを検出する処理について図9を用いて説明する。図9は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触状態判断処理を示すフローチャートである。
【0161】
この地肌接触状態判断処理は、後述する地肌接触服外状態判断処理(図10)や、地肌接触服内状態判断処理(図11)の処理中に実行される処理であって、まず、背面の温度センサ15からの出力、背面の湿度センサ17からの出力、正面の温度センサ19からの出力、および正面の湿度センサ21からの出力を取得(入力)する(S310〜S325)。
【0162】
そして、背面の温度センサ15が検出した温度が30〜40度の範囲内(地肌判定範囲内)であるか否かを判定する(S330:地肌温度範囲判定手段)。背面の温度センサ15が検出した温度が30〜40度の範囲内であれば(S330:Yes)、背面の温度センサ15および正面の温度センサ19により検出された温度同士の温度差が、例えば2度(地肌温度判定閾値)以上であるか否かを判定する(S335:地肌温度差判定手段)。
【0163】
各温度センサ15,19により検出された温度同士の温度差が2度未満であると判定されると(S335:No)、各湿度センサ17,21により検出された相対湿度同士の湿度差が5%(地肌湿度判定閾値)以上相違しているか否かを判定する(S340:地肌湿度差判定手段)。
【0164】
各温度センサ15,19により検出された温度同士の温度差が2度以上であると判定された場合(S335:No)、および各湿度センサ17,21により検出された相対湿度同士の湿度差が5%(地肌湿度判定閾値)以上相違している場合(S340:Yes)には、老人用ペンダント1が使用者の地肌に接触しているものとして、地肌接触状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S345)、地肌接触状態判断処理を終了する。
【0165】
一方、背面の温度センサ15が検出した温度が30〜40度の範囲外である場合(S330:No)、および各湿度センサ17,21により検出された湿度同士の湿度差が5%未満である場合には、老人用ペンダント1が使用者の地肌に接触しているとは限らないものとして地肌接触状態不明信号を出力し(S350)、地肌接触状態判断処理を終了する。なお、S330〜S340の処理は、地肌接触状態判断手段に相当する。
【0166】
このように温度センサ15,19および湿度センサ17,21が互いに筐体の正面5aおよび背面に配置された老人用ペンダント1において、背面の温度センサ15および背面の湿度センサ17が監視対象者の地肌に接触している場合には、体温や発汗の影響を受けるので、この温度センサおよび湿度センサからの出力は、他方の温度センサおよび湿度センサの出力に対して一定以上の温度差および湿度差が生じるはずである。このため、老人用ペンダント1においては、各温度センサおよび湿度センサによる検出結果の差分に基づいて、閾値以上の温度差および湿度差を検出するようにしている。
【0167】
また、筐体5の背面が監視対象者の地肌に接触していないときの誤検出を防止するために、各温度センサ15,19や各湿度センサ17,21による温度差や湿度差を検出する前に、背面の温度センサ15による検出温度が監視対象者の体温に近い温度であるか否かを検出している。
【0168】
よって、このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触状態判断処理によれば、老人用ペンダント1が使用者の地肌に接触していることを確実に検出することができる。
[地肌接触服外状態判断処理]
次に、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触した状態で監視対象者の衣服の外側にあることを検出する処理について図10を用いて説明する。図10は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服外状態判断処理を示すフローチャートである。
【0169】
この地肌接触服外状態判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、前述の地肌接触状態判断処理(図9)を実行する(S360)。そして、RAM等のメモリを参照し、地肌接触状態判断処理において地肌接触状態が出力されたか否かを判定する(S365)。
【0170】
地肌接触状態判断処理において地肌接触状態が出力されていなければ(S365:No)、この地肌接触服外状態判断処理を終了する。
また、地肌接触状態判断処理において地肌接触状態が出力されていれば(S365:Yes)、正面の湿度センサ21の出力を取得(入力)し(S370)、正面の湿度センサ21の出力を1分毎にRAM等のメモリに一時的に格納する(S375)。なお、メモリには、例えば10分間分の出力が格納される。
【0171】
続いて、例えば10分間以内(第1湿度変化判定時間内)に、メモリに格納された正面の湿度センサ21からの出力が、例えば10%(第1湿度変化判定閾値)以上の湿度の変化を2回以上示したか否かを判定する(S380:地肌接触服外状態判断手段)。湿度センサ21からの出力が、10%以上の湿度の変化を2回以上示せば(S380:Yes)、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触した状態で衣服の外側にあるものとして地肌接触服外状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S385)、地肌接触服外状態判断処理を終了する。
【0172】
また、湿度センサ21からの出力が、10%以上の湿度の変化を2回未満だけ示せば(S380:No)老人用ペンダント1が衣服の外側にあるとは限らないものとして地肌接触服外状態不明信号を出力し(S390)、地肌接触服外状態判断処理を終了する。
【0173】
即ち、老人用ペンダント1においては、老人用ペンダント1が衣服の外側にある場合には、老人用ペンダント1が衣服の内側にある場合と比較して、湿度の変化が大きくなる特性を利用して、湿度センサによる検出結果が閾値以上の変化を示すか否かに基づいて、老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の外部に位置することを検出している。
【0174】
よって、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触し、かつ使用者の衣服の外部に位置することを検出することができる。
[地肌接触服内状態判断処理]
次に、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触した状態で監視対象者の衣服の外側にあることを検出する処理について図11を用いて説明する。図11は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服内状態判断処理を示すフローチャートである。
【0175】
この地肌接触服内状態判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、前述の地肌接触状態判断処理(図9)を実行する(S410)。そして、RAM等のメモリを参照し、地肌接触状態判断処理において地肌接触状態が出力されたか否かを判定する(S415)。
【0176】
地肌接触状態判断処理において地肌接触状態が出力されていなければ(S415:No)、この地肌接触服内状態判断処理を終了する。
また、地肌接触状態判断処理において地肌接触状態が出力されていれば(S415:Yes)、正面の湿度センサ21の出力を取得(入力)し(S420)、正面の湿度センサ21の出力を1分毎にRAM等のメモリに一時的に格納する(S425)。なお、メモリには、例えば10分間分の出力が格納される。
【0177】
続いて、例えば10分間以内(第2湿度変化判定時間内)に、メモリに格納された正面の湿度センサ21からの出力が、例えば10%(第2湿度変化判定閾値)以上の湿度の変化を2回以上示したか否かを判定する(S430:地肌接触服内状態判断手段)。湿度センサ21からの出力が、10%以上の湿度の変化を2回未満だけ示せば(S430:Yes)、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触した状態で衣服の内側にあるものとして地肌接触服内状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S435)、地肌接触服内状態判断処理を終了する。
【0178】
また、湿度センサ21からの出力が、10%以上の湿度の変化を2回以上示せば(S430:No)老人用ペンダント1が衣服の内側にあるとは限らないものとして地肌接触服内状態不明信号を出力し(S440)、地肌接触服内状態判断処理を終了する。
【0179】
即ち、老人用ペンダント1においては、湿度センサによる検出結果が閾値未満の変化を示すか否かに基づいて、老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部に位置することを検出している。
【0180】
よって、このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服内状態判断処理によれば、当該位置関係検出装置が監視対象者の地肌に接触し、かつ使用者の衣服の内部に位置することを検出することができる。
【0181】
[地肌非接触状態判断処理]
次に、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触していない状態であることを検出する処理について図12を用いて説明する。図12は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触状態判断処理を示すフローチャートである。
【0182】
この地肌接触状態判断処理は、後述する地肌非接触服外状態判断処理(図13)や、地肌非接触服内状態判断処理(図14)の処理中に実行される処理であって、まず、背面の温度センサ15からの出力、背面の湿度センサ17からの出力、正面の温度センサ19からの出力、および正面の湿度センサ21からの出力を取得(入力)する(S460〜S475)。
【0183】
そして、背面の温度センサ15が検出した温度が10〜45度の範囲外(第1非地肌判定範囲外)であるか否かを判定する(S480:第1非地肌温度範囲判定手段)。背面の温度センサ15が検出した温度が10〜45度の範囲内であれば(S480:No)、背面の温度センサ15および正面の温度センサ19により検出された温度同士の温度差が、例えば1度(非地肌温度判定閾値)未満であるか否かを判定する(S485:非地肌温度差判定手段)。
【0184】
各温度センサ15,19により検出された温度同士の温度差が1度未満であると判定されると(S485:Yes)、正面の温度センサ19からの出力が35〜38度の範囲外(第1非地肌判定範囲外)であるか否かを判定する(S490:第1非地肌温度範囲判定手段)。
【0185】
背面の温度センサ15が検出した温度が10〜45度の範囲外である場合(S480:Yes)、および正面の温度センサ19からの出力が35〜38度の範囲外である場合(S490:Yes)には、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触していないものとして地肌非接触状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S495)、地肌非接触状態判断処理を終了する。
【0186】
また、各温度センサ15,19により検出された温度同士の温度差が1度以上であると判定された場合(S485:No)、および正面の温度センサ19からの出力が35〜38度の範囲内である場合(S490:No)には、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触していないとは限らないものとして地肌非接触状態不明信号を出力し(S500)、地肌非接触状態判断処理を終了する。なお、S480〜S490の処理は地肌非接触状態判断手段に相当する。
【0187】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触状態判断処理によれば、複数個配置された温度センサ15,19による検出結果に基づいて、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触しているときには検出されない温度が検出された場合に、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触していないと判定するので、老人用ペンダント1が使用者の地肌に接触していないことを検出することができる。
【0188】
[地肌非接触服外状態判断処理]
次に、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触していない状態で監視対象者の衣服の外側にあることを検出する処理について図13を用いて説明する。図13は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服外状態判断処理を示すフローチャートである。
【0189】
この地肌非接触服外状態判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、前述の地肌非接触状態判断処理(図12)を実行する(S510)。そして、RAM等のメモリを参照し、地肌非接触状態判断処理において地肌非接触状態が出力されたか否かを判定する(S515)。
【0190】
地肌非接触状態判断処理において地肌非接触状態が出力されていなければ(S515:No)、この地肌非接触服外状態判断処理を終了する。
また、地肌非接触状態判断処理において地肌非接触状態が出力されていれば(S515:Yes)、照度センサ23の出力を取得(入力)し(S520)、照度センサ23の出力を1分毎にRAM等のメモリに一時的に格納する(S525)。なお、メモリには、例えば10分間分の出力が格納される。
【0191】
続いて、例えば10分間以内(第1照度変化判定時間内)に、メモリに格納された照度センサ23からの出力が、例えば10%(第1照度変化判定閾値)以上の照度の変化を5回以上示したか否かを判定する(S530:地肌非接触服外状態判断手段)。照度センサ23からの出力が、10%以上の照度の変化を5回以上示せば(S530:Yes)、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触していない状態で衣服の外側にあるものとして地肌非接触服外状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S535)、地肌非接触服外状態判断処理を終了する。
【0192】
また、照度センサ23からの出力が、10%以上の照度の変化を5回未満だけ示せば(S530:No)、老人用ペンダント1が衣服の外側にあるとは限らないものとして地肌非接触服外状態不明信号を出力し(S540)、地肌非接触服外状態判断処理を終了する。
【0193】
即ち、老人用ペンダント1においては、老人用ペンダント1が衣服の外側にある場合には、老人用ペンダント1が衣服の内側にある場合と比較して、照度の変化が大きくなる特性を利用して、照度センサによる検出結果が閾値以上の変化を示すか否かに基づいて、老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の外部に位置することを検出している。
【0194】
よって、老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服外状態判断処理によれば、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触せずに、かつ監視対象者の衣服の外部に位置することを検出することができる。
【0195】
[地肌非接触服内状態判断処理]
次に、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触していない状態で監視対象者の衣服の内側にあることを検出する処理について図14を用いて説明する。図14は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服内状態判断処理を示すフローチャートである。
【0196】
この地肌非接触服内状態判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、前述の地肌非接触状態判断処理(図12)を実行する(S560)。そして、RAM等のメモリを参照し、地肌非接触状態判断処理において地肌非接触状態が出力されたか否かを判定する(S565)。
【0197】
地肌非接触状態判断処理において地肌非接触状態が出力されていなければ(S565:No)、この地肌非接触服外状態判断処理を終了する。
また、地肌非接触状態判断処理において地肌非接触状態が出力されていれば(S565:Yes)、照度センサ23の出力を取得(入力)し(S570)、照度センサ23の出力を1分毎にRAM等のメモリに一時的に格納する(S575)。なお、メモリには、例えば10分間分の出力が格納される。
【0198】
続いて、例えば10分間以内(第2照度変化判定時間内)に、メモリに格納された照度センサ23からの出力が、例えば10%(第2照度変化判定閾値)以上の照度の変化を2回以上示したか否かを判定する(S580:地肌非接触服外状態判断手段)。照度センサ23からの出力が、10%以上の照度の変化を2回未満だけ示せば(S580:No)、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触していない状態で衣服の外側にあるものとして地肌非接触服内状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S585)、地肌非接触服内状態判断処理を終了する。
【0199】
また、照度センサ23からの出力が、10%以上の照度の変化を2回以上示せば(S580:Yes)、老人用ペンダント1が衣服の内側にあるとは限らないものとして地肌非接触服内状態不明信号を出力し(S590)、地肌非接触服内状態判断処理を終了する。
【0200】
このような老人用ペンダント1によれば、照度センサによる検出結果が閾値未満の変化を示すか否かに基づいて、老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部に位置することを検出している。
【0201】
よって、老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服内状態判断処理によれば、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触しておらず、かつ使用者の衣服の内部に位置することを検出することができる。
【0202】
[ペンダント位置判断処理]
次に、老人用ペンダント1と監視対象者との位置関係を検出する処理について図15を用いて説明する。図15は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行するペンダント位置判断処理を示すフローチャートである。
【0203】
ペンダント位置判断処理は、後述する暑過ぎ状態判断処理(図17)等の処理中に実行される処理であって、処理が開始されると、地肌接触服外状態判断処理(図10)、地肌接触服内状態判断処理(図11)、地肌非接触服外状態判断処理(図13)、地肌非接触服内状態判断処理(図14)を順次実行する(S610〜S625:特定位置判断手段)。
【0204】
そして、これらの処理によりメモリに格納された信号を参照することにより、老人用ペンダント1と監視対象者との位置関係を特定し(S630:位置関係特定手段)、ペンダント位置判断処理を終了する。
【0205】
このような老人用ペンダント1が実行するペンダント位置判断処理によれば、老人用ペンダント1と監視対象者との位置関係(老人用ペンダント1が監視対象者の地肌と接触しているか否か、および老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあるか或いは外部にあるか)を精度よく検出することができる。
【0206】
[運動負荷判断処理]
次に、監視対象者が行った運動負荷の大きさを検出する処理について図16を用いて説明する。図16は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する運動負荷判断処理を示すフローチャートである。
【0207】
運動負荷判断処理は、後述する暑過ぎ状態判断処理(図17)等の処理中に実行される処理であって、処理が開始されると、歩行判断処理(図3)、停止判断処理(図4)、および立ち上がり動作判断処理(図6)を順に実行する(S660〜S670)。なお、歩行判断処理、停止判断処理、および立ち上がり動作判断処理にてメモリ(判定回数記憶手段)に格納された各種信号は、1秒毎に10分間(負荷判定時間)保持される。
【0208】
続いて、メモリに格納された立ち上がり動作信号の回数(立ち上がり動作判定回数)が、100個(強負荷判定閾値)以上であるか否かを判定する(S675:強負荷判断手段)。立ち上がり動作信号の回数が100個以上であれば(S675:Yes)、監視対象者が強負荷運動を行ったものとして強負荷判断信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S680)。そして、メモリに格納された負荷判断信号に基づいて監視対象者が行った運動の運動負荷の大きさを特定し(S720:運動負荷特定手段)、運動負荷判断処理を終了する。
【0209】
立ち上がり動作信号の回数が100個未満であれば(S675:No)、立ち上がり動作信号の回数が50個(中負荷判定閾値:強負荷判定閾値>中負荷判定閾値)以上であるか否かを判定する(S685:中負荷判断手段)。立ち上がり動作信号の回数が50個以上であれば(S685:Yes)、監視対象者が中負荷運動を行ったものとして中負荷判断信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S690)。そして、前述のS720の処理を実行し、運動負荷判断処理を終了する。
【0210】
立ち上がり動作信号の回数が50個未満であれば(S685:No)、歩行中信号の回数が300個(軽負荷判定閾値:負荷の大きさ(例えば消費カロリ)は、中負荷判定閾値>軽負荷判定閾値)以上であるか否かを判定する(S695:軽負荷判断手段)。歩行中信号の回数が300個以上であれば(S695:Yes)、監視対象者が軽負荷運動を行ったものとして、軽負荷判断信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S700)。そして、前述のS720の処理を実行し、運動負荷判断処理を終了する。
【0211】
歩行中信号の回数が300個未満であれば(S695:No)、停止中信号の回数(停止中判定回数)が、400個(停止判定閾値)以上であるか否かを判定する(S705:無負荷判断手段)。停止中信号の回数が400個以上であれば(S705:Yes)、監視対象者が負荷運動を行っていないものとして負荷なし判断信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S710)。そして、前述のS720の処理を実行し、運動負荷判断処理を終了する。
【0212】
停止中信号の回数が400個未満であれば(S705:No)、負荷の大きさが不明であるものとして負荷判断不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S710)。そして、前述のS720の処理を実行し、運動負荷判断処理を終了する。
【0213】
このような老人用ペンダント1が実行する運動負荷判断処理によれば、監視対象者が行った運動の種別を検出し、運動を検出した判定回数に応じて負荷の大きさを分類する。よって、監視対象者が行った運動の運動負荷の大きさを特定することができる。
【0214】
なお、運動負荷が強い順に、強負荷、中負荷、軽負荷、負荷なしとなる。
[暑過ぎ状態判断処理]
次に、監視対象者にとって暑過ぎる状態であることを検出する処理について図17を用いて説明する。図17は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する暑過ぎ状態判断処理を示すフローチャートである。
【0215】
この地肌非接触服内状態判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、老人用ペンダント1と監視対象者との位置関係を検出するペンダント位置判断処理(図15)を実行し(S760:位置関係検出手段)、続いて監視対象者が行う運動の運動負荷を検出する運動負荷判断処理(図16)を実行する(S765:運動負荷検出手段)。
【0216】
そして、ペンダント位置判断処理(図15)および運動負荷判断処理(図16)の処理結果に応じて1つの処理を選択し、監視対象者にとって暑過ぎるか否かを検出する処理を実行する(S770:暑過ぎ判断手段)。
【0217】
即ちS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて負荷なし判断信号が出力されていれば、後述する地肌非接触服外状態・負荷なし処理(図18)を実行する。
【0218】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて軽負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌非接触服外状態・軽負荷処理(図19)を実行する。
【0219】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて中負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌非接触服外状態・中負荷処理(図20)を実行する。
【0220】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて重負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌非接触服外状態・重負荷処理(図21)を実行する。
【0221】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて負荷なし判断信号が出力されていれば、後述する地肌非接触服内状態・負荷なし処理(図22)を実行する。
【0222】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて軽負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌非接触服内状態・軽負荷処理(図23)を実行する。
【0223】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて中負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌非接触服内状態・中負荷処理(図24)を実行する。
【0224】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて重負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌非接触服内状態・重負荷処理(図25)を実行する。
【0225】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて負荷なし判断信号が出力されていれば、後述する地肌接触服外状態・負荷なし処理(図26)を実行する。
【0226】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて軽負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌接触服外状態・軽負荷処理(図27)を実行する。
【0227】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて中負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌接触服外状態・中負荷処理(図28)を実行する。
【0228】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて重負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌接触服外状態・重負荷処理(図29)を実行する。
【0229】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて負荷なし判断信号が出力されていれば、後述する地肌接触服内状態・負荷なし処理(図30)を実行する。
【0230】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて軽負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌接触服内状態・軽負荷処理(図31)を実行する。
【0231】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて中負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌接触服内状態・中負荷処理(図32)を実行する。
【0232】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて重負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌接触服内状態・重負荷処理(図33)を実行する。
【0233】
続いて、S770によりがRAM等のメモリに格納された暑過ぎ注意信号を読み込み(入力し)(S775)、暑過ぎ注意信号がメモリに格納されていれば(つまり、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎると判断されれば)、暑過ぎである旨を監視対象者に対して報知する(S780,S785:暑過ぎ報知手段)。
【0234】
具体的には、暑過ぎ注意のメッセージ音をスピーカ65から出力させ(S780)、電飾63を赤色に発光させるとともに、ディスプレイ61に暑過ぎである旨を示すメッセージを表示させる。
【0235】
このような老人用ペンダント1が実行する暑過ぎ状態判断処理によれば、監視対象者にとって暑過ぎると判断した場合には、暑過ぎである旨を監視対象者に報知することできる。
【0236】
[地肌非接触服外状態・負荷なし処理]
次に、地肌非接触服外状態・負荷なし処理について図18を用いて説明する。図18は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服外状態・負荷なし処理を示すフローチャートである。
【0237】
地肌非接触服外状態・負荷なし処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、まず、正面の温度センサ19の出力および正面の湿度センサ21を取得(入力)する(S810,S815)。
【0238】
そして、温度湿度指数DI(いわゆる不快指数)を算出する(S820)。ここで、温度湿度指数DIの算出は、周知の演算式に温度および湿度を代入することにより求める。この演算式としては、例えば、以下のような数式が使用される。
DI=0.81T+0.01H(0.99T−14.3)+46.3
ただし、T:気温(摂氏温度)、H:相対湿度(%)である。
【0239】
なお、一般的な人の多くは、温度湿度指数DIが70〜75のときには快適に感じ、温度湿度指数DIが75を超えると暑さがやや不快に感じ、温度湿度指数DIが80を超えると暑さが不快に感じ、温度湿度指数DIが85を超えると暑さが極めて不快に感じる。
【0240】
しかし、監視対象者が行う運動負荷の大きさによっては、運動していないときには快適と感じる温度湿度指数DIであっても、激しい運動をしているときには不快に感じてしまう。そこで、本実施形態では、運動負荷に応じて監視対象者が暑過ぎると感じる温度湿度指数DI(不快閾値)を設定している。
【0241】
つまり、S770ではペンダント位置判断処理(図15)および運動負荷判断処理(図16)による検出結果に応じて実行する処理を選択しているのであるが、処理によって不快閾値が異なる値に設定されているので、運動負荷に応じて不快閾値を選択しているともいえる。なお、本実施形態においては、運動負荷に応じて不快閾値を選択しているが、老人用ペンダント1と監視対象者との位置関係が温度湿度指数DIの測定に及ぼす影響を考慮して、この位置関係に応じて不快閾値を設定するようにしてもよい。
【0242】
続いて、温度湿度指数DIが85(不快閾値)以上であるか否かを判定する(S825:不快閾値判定手段)。
そして、温度湿度指数DIが85以上であれば(S825:Yes)、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるものとして暑過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S830:暑過ぎ判断手段)。また、温度湿度指数DIが85未満であれば(S825:No)、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるとは限らないものとして暑過ぎ注意状態不明信号を出力する(S835:暑過ぎ判断手段)。
【0243】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服外状態・負荷なし処理によれば、不快指数を演算し、この不快指数と、位置関係検出手段による検出結果および運動負荷検出手段による検出結果に応じて設定された不快閾値とを比較することにより、暑過ぎ状態であることを検出する。特に、本処理においては、運動をしていない人にとっても極めて暑さが不快に感じる不快閾値(DI=85)を設定している。
【0244】
よって、監視対象者が行う運動負荷に応じて暑過ぎるか否かを良好に判断することができる。
[地肌非接触服外状態・軽負荷処理]
次に、地肌非接触服外状態・軽負荷処理について図19を用いて説明する。図19は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服外状態・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【0245】
地肌非接触服外状態・軽負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、まず、正面の温度センサ19の出力および正面の湿度センサ21を取得(入力)する(S860,S865)。
【0246】
そして、温度湿度指数DIを算出する(S870)。ここで、温度湿度指数DIの算出は、前述の地肌非接触服外状態・負荷なし処理(図18)と同様の手法により行う。
続いて、温度湿度指数DIが80(不快閾値)以上であるか否かを判定する(S875:不快閾値判定手段)。
【0247】
そして、温度湿度指数DIが80以上であれば(S875:Yes)、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるものとして暑過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S880:暑過ぎ判断手段)。また、温度湿度指数DIが80未満であれば(S875:No)、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるとは限らないものとして暑過ぎ注意状態不明信号を出力する(S885:暑過ぎ判断手段)。
【0248】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服外状態・軽負荷処理によれば、不快指数を演算し、この不快指数と、位置関係検出手段による検出結果および運動負荷検出手段による検出結果に応じて設定された不快閾値とを比較することにより、暑過ぎ状態であることを検出する。特に、本処理においては、運動をしていない人にとっては暑さが不快に感じる程度であるが、軽負荷運動をしている人にとっては暑さが極めて不快に感じる不快閾値(DI=80)を設定している。
【0249】
よって、監視対象者が行う運動負荷に応じて暑過ぎるか否かを良好に判断することができる。
[地肌非接触服外状態・中負荷処理]
次に、地肌非接触服外状態・中負荷処理について図20を用いて説明する。図20は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服外状態・中負荷処理を示すフローチャートである。
【0250】
地肌非接触服外状態・中負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、まず、正面の温度センサ19の出力および正面の湿度センサ21を取得(入力)する(S910,S915)。
【0251】
そして、温度湿度指数DIを算出する(S920)。ここで、温度湿度指数DIの算出は、前述の地肌非接触服外状態・負荷なし処理(図18)と同様の手法により行う。
続いて、温度湿度指数DIが75(不快閾値)以上であるか否かを判定する(S925:不快閾値判定手段)。
【0252】
そして、温度湿度指数DIが75以上であれば(S925:Yes)、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるものとして暑過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S930:暑過ぎ判断手段)。また、温度湿度指数DIが75未満であれば(S925:No)、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるとは限らないものとして暑過ぎ注意状態不明信号を出力する(S935:暑過ぎ判断手段)。
【0253】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服外状態・中負荷処理によれば、不快指数を演算し、この不快指数と、位置関係検出手段による検出結果および運動負荷検出手段による検出結果に応じて設定された不快閾値とを比較することにより、暑過ぎ状態であることを検出する。特に、本処理においては、運動をしていない人にとっては暑さがやや不快に感じる程度であるが、中負荷運動をしている人にとっては暑さが極めて不快に感じる不快閾値(DI=75)を設定している。
【0254】
よって、監視対象者が行う運動負荷に応じて暑過ぎるか否かを良好に判断することができる。
[地肌非接触服外状態・重負荷処理]
次に、地肌非接触服外状態・重負荷処理について図21を用いて説明する。図21は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服外状態・重負荷処理を示すフローチャートである。
【0255】
地肌非接触服外状態・重負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、まず、正面の温度センサ19の出力および正面の湿度センサ21を取得(入力)する(S960,S965)。
【0256】
そして、温度湿度指数DIを算出する(S970)。ここで、温度湿度指数DIの算出は、前述の地肌非接触服外状態・負荷なし処理(図18)と同様の手法により行う。
続いて、温度湿度指数DIが70(不快閾値)以上であるか否かを判定する(S975:不快閾値判定手段)。
【0257】
そして、温度湿度指数DIが70以上であれば(S975:Yes)、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるものとして暑過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S980:暑過ぎ判断手段)。また、温度湿度指数DIが70未満であれば(S975:No)、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるとは限らないものとして暑過ぎ注意状態不明信号を出力する(S985:暑過ぎ判断手段)。
【0258】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服外状態・重負荷処理によれば、不快指数を演算し、この不快指数と、位置関係検出手段による検出結果および運動負荷検出手段による検出結果に応じて設定された不快閾値とを比較することにより、暑過ぎ状態であることを検出する。特に、本処理においては、運動をしていない人にとっては快適に感じるが、中負荷運動をしている人にとっては暑さが極めて不快に感じる不快閾値(DI=70)を設定している。
【0259】
よって、監視対象者が行う運動負荷に応じて暑過ぎるか否かを良好に判断することができる。
[地肌非接触服内状態・負荷なし処理]
次に、地肌非接触服内状態・負荷なし処理について図22を用いて説明する。図22は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服内状態・負荷なし処理を示すフローチャートである。
【0260】
地肌非接触服内状態・負荷なし処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、基本的には前述の地肌非接触服外状態・負荷なし処理(図18)と同様の処理である。ただし、本処理は老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあることが検出されたときに実行される処理であるので、監視対象者の体温による影響を排除するための補正処理(S1010)をS815の処理とS820の処理との間で実行する。
【0261】
この補正処理は、まず、正面の温度センサ19の出力が監視対象者の体温の影響を受けているか否かを判定するために、正面の温度センサ19の出力が36度以上であるか否かを判定する(S1015)。正面の温度センサ19の出力が36度以上であれば(S1015:Yes)、体温の影響を受けているものとして正面の温度センサ19の出力を減少させる補正(例えば出力を0.9倍する処理)を実行する(S1020:減少補正手段)。そして、補正処理を終了し、S820に移行する。
【0262】
また、正面の温度センサ19の出力が36度未満であれば(S1015:No)、体温の影響を受けていないものとして、出力補正をすることなく補正処理を終了し、S820に移行する。
【0263】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服内状態・負荷なし処理によれば、監視対象者の体温により正面の温度センサ19の出力が大きな値になっていたとしても、監視対象者の体温の影響を排除することができる。
【0264】
[地肌非接触服内状態・軽負荷処理]
次に、地肌非接触服内状態・軽負荷処理について図23を用いて説明する。図23は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服内状態・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【0265】
地肌非接触服内状態・軽負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、基本的には前述の地肌非接触服外状態・軽負荷処理(図19)と同様の処理である。ただし、本処理は老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあることが検出されたときに実行される処理であるので、監視対象者の体温による影響を排除するための補正処理(S1010)をS865の処理とS870の処理との間で実行する。
【0266】
なお、本処理における補正処理は、前述の地肌非接触服内状態・負荷なし処理(図22)における補正処理と同様の処理である。
よって、このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服内状態・軽負荷処理によれば、監視対象者の体温により正面の温度センサ19の出力が大きな値になっていたとしても、監視対象者の体温の影響を排除することができる。
【0267】
[地肌非接触服内状態・中負荷処理]
次に、地肌非接触服内状態・中負荷処理について図24を用いて説明する。図24は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服内状態・中負荷処理を示すフローチャートである。
【0268】
地肌非接触服内状態・中負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、基本的には前述の地肌非接触服外状態・中負荷処理(図20)と同様の処理である。ただし、本処理は老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあることが検出されたときに実行される処理であるので、監視対象者による発汗の影響を排除するための補正処理(S1030:減少補正手段)をS915の処理とS920の処理との間で実行する。
【0269】
本処理における補正処理は、前述の地肌非接触服内状態・負荷なし処理(図22)における補正処理とは異なり、正面の湿度センサ21からの出力を減少させる補正(例えば出力を0.9倍する処理)を実行する。
【0270】
よって、このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服内状態・中負荷処理によれば、監視対象者の発汗により正面の湿度センサ21の出力が大きな値になっていたとしても、監視対象者の発汗の影響を排除することができる。
【0271】
[地肌非接触服内状態・重負荷処理]
次に、地肌非接触服内状態・重負荷処理について図25を用いて説明する。図25は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服内状態・重負荷処理を示すフローチャートである。
【0272】
地肌非接触服内状態・重負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、基本的には前述の地肌非接触服外状態・重負荷処理(図21)と同様の処理である。ただし、本処理は老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあることが検出されたときに実行される処理であるので、監視対象者による発汗の影響を排除するための補正処理(S1030:減少補正手段)をS965の処理とS970の処理との間で実行する。
【0273】
なお、本処理における補正処理は、前述の地肌非接触服内状態・中負荷処理(図24)における補正処理とは、正面の湿度センサ21からの出力を減少させる係数のみが異なる(例えば本処理では発汗量が最も多いことが予想されるため、出力をより小さな0.8倍にする)。
【0274】
よって、このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服内状態・重負荷処理によれば、監視対象者の発汗により正面の湿度センサ21の出力が非常に大きな値になっていたとしても、監視対象者の発汗の影響を排除することができる。
【0275】
[地肌接触服外状態・負荷なし処理]
次に、地肌接触服外状態・負荷なし処理について図26を用いて説明する。図26は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服外状態・負荷なし処理を示すフローチャートである。
【0276】
地肌接触服外状態・負荷なし処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、まず、正面の温度センサ19の出力、正面の湿度センサ21の出力、および背面の温度センサ15の出力を取得(入力)する(S1060〜S1070)。
【0277】
そして、温度湿度指数DIを算出する(S1075)。ここで、温度湿度指数DIの算出は、前述の地肌非接触服外状態・負荷なし処理(図18)と同様の手法により行う。
続いて、温度湿度指数DIが85(不快閾値)以上であるか否かを判定する(S1080:不快閾値判定手段)。
【0278】
そして、また、温度湿度指数DIが85未満であれば(S1080:No)、背面の温度センサ15からの出力が監視対象者にとって熱射病の危険がある38度(高体温閾値)以上であるか否かを判定する(S1085:高体温判定手段)。
【0279】
温度湿度指数DIが85以上である場合(S1080:Yes)、および背面の温度センサ15からの出力が38度以上である場合(S1085:Yes)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるものとして暑過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S1090:暑過ぎ判断手段)。
【0280】
また、背面の温度センサ15からの出力が38度未満である場合(S1085:No)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるとは限らないものとして暑過ぎ注意状態不明信号を出力する(S1095:暑過ぎ判断手段)。
【0281】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服外状態・負荷なし処理によれば、正面の温度センサ19により監視対象者の体温(または体温により高温となった周囲の温度)を検出し、この温度が高体温閾値以上になった場合にも暑過ぎると判断するので、監視対象者の体温が異常に高温になったことを検出することができる。
【0282】
[地肌接触服外状態・軽負荷処理]
次に、地肌接触服外状態・軽負荷処理について図27を用いて説明する。図27は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服外状態・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【0283】
地肌接触服外状態・軽負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、まず、正面の温度センサ19の出力、正面の湿度センサ21の出力、背面の温度センサ15の出力、および濡れセンサ25の出力を取得(入力)する(S1110〜S1125)。
【0284】
そして、温度湿度指数DIを算出する(S1130)。ここで、温度湿度指数DIの算出は、前述の地肌非接触服外状態・負荷なし処理(図18)と同様の手法により行う。
続いて、温度湿度指数DIが80(不快閾値)以上であるか否かを判定する(S1135:不快閾値判定手段)。
【0285】
温度湿度指数DIが80未満であれば(S1135:No)、背面の温度センサ15からの出力が監視対象者にとって熱射病の危険がある38度(高体温閾値)以上であるか否かを判定する(S1140:高体温判定手段)。背面の温度センサ15からの出力が38度未満である場合(S1140:No)には、濡れセンサ25の出力が監視対象者の皮膚の濡れ(筐体5の濡れ)を検出したか否かを判定する(S1145:濡れ判定手段)
温度湿度指数DIが80以上である場合(S1135:Yes)、背面の温度センサ15からの出力が38度以上である場合(S1140:Yes)、および濡れセンサ25の出力が監視対象者の皮膚の濡れを検出した場合(S1145:Yes)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるものとして暑過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S1150:暑過ぎ判断手段)。
【0286】
また、濡れセンサ25の出力が監視対象者の皮膚の濡れを検出しなかった場合(S1145:No)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるとは限らないものとして暑過ぎ注意状態不明信号を出力する(S1155:暑過ぎ判断手段)。
【0287】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服外状態・軽負荷処理によれば、監視対象者の発汗を検出することができるので、不快指数が不快閾値未満であって、背面の温度センサ19による検出結果が高体温閾値未満であったとしても、監視対象者の発汗を検出すれば暑過ぎであると判断することができる。
【0288】
[地肌接触服外状態・中負荷処理]
次に、地肌接触服外状態・中負荷処理について図28を用いて説明する。図28は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服外状態・中負荷処理を示すフローチャートである。
【0289】
地肌接触服外状態・中負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、前述の地肌接触服外状態・軽負荷処理(図27)のS1135の処理に換えてS1160の処理を実行する以外は、地肌接触服外状態・軽負荷処理(図27)と同様の処理を実行する。
【0290】
ここで、S1160の処理では、温度湿度指数DIが75以上であるか否かを判定する(S1160)。温度湿度指数DIが75以上であれば(S1160:Yes)、S1150に移行し、温度湿度指数DIが75未満であれば(S1160:No)、S1140に移行する。
【0291】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服外状態・中負荷処理によれば、監視対象者の発汗を検出することができるので、不快指数が不快閾値未満であって、背面の温度センサ19による検出結果が高体温閾値未満であったとしても、監視対象者の発汗を検出すれば暑過ぎであると判断することができる。
【0292】
[地肌接触服外状態・重負荷処理]
次に、地肌接触服外状態・重負荷処理について図29を用いて説明する。図29は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服外状態・重負荷処理を示すフローチャートである。
【0293】
地肌接触服外状態・重負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、前述の地肌接触服外状態・軽負荷処理(図27)のS1135の処理に換えてS1165の処理を実行する以外は、地肌接触服外状態・軽負荷処理(図27)と同様の処理を実行する。
【0294】
ここで、S1165の処理では、温度湿度指数DIが70以上であるか否かを判定する(S1165)。温度湿度指数DIが70以上であれば(S1165:Yes)、S1150に移行し、温度湿度指数DIが70未満であれば(S1165:No)、S1140に移行する。
【0295】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服外状態・重負荷処理によれば、監視対象者の発汗を検出することができるので、不快指数が不快閾値未満であって、背面の温度センサ19による検出結果が高体温閾値未満であったとしても、監視対象者の発汗を検出すれば暑過ぎであると判断することができる。
【0296】
[地肌接触服内状態・負荷なし処理]
次に、地肌接触服内状態・負荷なし処理について図30を用いて説明する。図30は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服内状態・負荷なし処理を示すフローチャートである。
【0297】
地肌接触服内状態・負荷なし処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、基本的には前述の地肌接触服外状態・負荷なし処理(図26)と同様の処理である。ただし、本処理は老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあることが検出されたときに実行される処理であるので、監視対象者の体温による影響を排除するための補正処理(S1010)をS1070の処理とS1075の処理との間で実行する。
【0298】
なお、本処理における補正処理は、前述の地肌非接触服内状態・負荷なし処理(図22)における補正処理と同様の処理である。
このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服内状態・負荷なし処理によれば、
監視対象者の体温により正面の温度センサ19の出力が大きな値になっていたとしても、監視対象者の体温の影響を排除することができる。また、正面の温度センサ19により監視対象者の体温(または体温により高温となった周囲の温度)を検出し、この温度が高体温閾値以上になった場合にも暑過ぎると判断するので、監視対象者の体温が異常に高温になったことを検出することができる。
【0299】
[地肌接触服内状態・軽負荷処理]
次に、地肌接触服内状態・軽負荷処理について図31を用いて説明する。図31は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服内状態・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【0300】
地肌接触服内状態・軽負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、基本的には前述の地肌接触服外状態・軽負荷処理(図27)と同様の処理である。ただし、本処理は老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあることが検出されたときに実行される処理であるので、監視対象者の体温による影響を排除するための補正処理(S1010)をS1125の処理とS1130の処理との間で実行する。
【0301】
なお、本処理における補正処理は、前述の地肌非接触服内状態・負荷なし処理(図22)における補正処理と同様の処理である。
このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服内状態・軽負荷処理によれば、 監視対象者の体温により正面の温度センサ19の出力が大きな値になっていたとしても、監視対象者の体温の影響を排除することができる。また、正面の温度センサ19により監視対象者の体温(または体温により高温となった周囲の温度)を検出し、この温度が高体温閾値以上になった場合にも暑過ぎると判断するので、監視対象者の体温が異常に高温になったことを検出することができる。
【0302】
[地肌接触服内状態・中負荷処理]
次に、地肌接触服内状態・中負荷処理について図32を用いて説明する。図32は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服内状態・中負荷処理を示すフローチャートである。
【0303】
地肌接触服内状態・中負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、基本的には前述の地肌接触服外状態・中負荷処理(図28)と同様の処理である。ただし、本処理は老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあることが検出されたときに実行される処理であるので、監視対象者による発汗の影響を排除するための補正処理(S1030:減少補正手段)をS1125の処理とS1130の処理との間で実行する。
【0304】
本処理における補正処理は、前述の地肌非接触服内状態・中負荷処理(図24)における補正処理と同様の処理である。
このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服内状態・中負荷処理によれば、
監視対象者の発汗により正面の湿度センサ21の出力が大きな値になっていたとしても、監視対象者の発汗の影響を排除することができる。また、正面の温度センサ19により監視対象者の体温(または体温により高温となった周囲の温度)を検出し、この温度が高体温閾値以上になった場合にも暑過ぎると判断するので、監視対象者の体温が異常に高温になったことを検出することができる。
【0305】
[地肌接触服内状態・重負荷処理]
次に、地肌接触服内状態・重負荷処理について図33を用いて説明する。図33は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服内状態・重負荷処理を示すフローチャートである。
【0306】
地肌接触服内状態・重負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、基本的には前述の地肌接触服外状態・重負荷処理(図29)と同様の処理である。ただし、本処理は老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあることが検出されたときに実行される処理であるので、監視対象者による発汗の影響を排除するための補正処理(S1030:減少補正手段)をS1125の処理とS1130の処理との間で実行する。
【0307】
本処理における補正処理は、前述の地肌非接触服内状態・重負荷処理(図25)における補正処理と同様の処理である。
このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服内状態・重負荷処理によれば、
監視対象者の発汗により正面の湿度センサ21の出力が大きな値になっていたとしても、監視対象者の発汗の影響を排除することができる。また、正面の温度センサ19により監視対象者の体温(または体温により高温となった周囲の温度)を検出し、この温度が高体温閾値以上になった場合にも暑過ぎると判断するので、監視対象者の体温が異常に高温になったことを検出することができる。
【0308】
[寒すぎ状態判断処理]
次に、監視対象者にとって寒過ぎる状態であることを検出する処理について図34を用いて説明する。図34は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する寒過ぎ状態判断処理を示すフローチャートである。
【0309】
この寒過ぎ状態判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、老人用ペンダント1と監視対象者との位置関係を検出するペンダント位置判断処理(図15)を実行し(S1210:位置関係検出手段)、続いて監視対象者が行う運動の運動負荷を検出する運動負荷判断処理(図16)を実行する(S1215:運動負荷検出手段)。
【0310】
そして、ペンダント位置判断処理(図15)および運動負荷判断処理(図16)の処理結果に応じて1つの処理を選択し、監視対象者にとって寒過ぎるか否かを検出する処理を実行する(S1220:寒過ぎ判断手段)。
【0311】
即ちS1220では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服外状態信号または地肌接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて負荷なし判断信号または軽負荷判断信号が出力されていれば、後述する服外状態・負荷なし・軽負荷処理(図35)を実行する。
【0312】
またS1220では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服外状態信号または地肌接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて中負荷判断信号または重負荷判断信号が出力されていれば、後述する服外状態・中負荷・重負荷処理(図36)を実行する。
【0313】
またS1220では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服内状態信号または地肌接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて負荷なし判断信号または軽負荷判断信号が出力されていれば、後述する服内状態・負荷なし・軽負荷処理(図37)を実行する。
【0314】
またS1220では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服内状態信号または地肌接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて中負荷判断信号または重負荷判断信号が出力されていれば、後述する服内状態・中負荷・重負荷処理(図38)を実行する。
【0315】
続いて、S1220によりRAM等のメモリに格納された寒過ぎ注意信号を読み込み(入力し)(S1225)、寒過ぎ注意信号がメモリに格納されていれば(つまり、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎると判断されれば)、寒過ぎである旨を監視対象者に対して報知する(S1230,S1235:寒過ぎ報知手段)。
【0316】
具体的には、寒過ぎ注意のメッセージ音をスピーカ65から出力させ(S1230)、電飾63を青色に発光させるとともに、ディスプレイ61に寒過ぎである旨を示すメッセージを表示させる(S1235)。
【0317】
このような老人用ペンダント1が実行する寒過ぎ状態判断処理によれば、監視対象者にとって寒過ぎると判断した場合には、寒過ぎである旨を監視対象者に報知することできる。
【0318】
[服外状態・負荷なし・軽負荷処理]
次に、服外状態・負荷なし・軽負荷処理について図35を用いて説明する。図35は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する服外状態・負荷なし・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【0319】
服外状態・負荷なし・軽負荷処理は、前述の寒過ぎ状態判断処理(図34)の処理中に実行される処理であって、まず、正面の温度センサ19の出力を取得(入力)する(S1260)。
【0320】
そして、正面の温度センサ19による検出結果が例えば0度(第1低温閾値)未満であるか否かを判定する(S1265:第1低温閾値判定手段)。正面の温度センサ19による検出結果が0度以上であれば(S1265:No)、正面の温度センサ19による検出結果が10度(第2低温閾値:第1低温閾値よりも大きく設定されている。)未満であるか否かを判定する(S1270:第2低温閾値判定手段)。
【0321】
正面の温度センサ19による検出結果が10度未満であれば(S1270:Yes)、風速センサ29の出力を取得(入力)し(S1275)、風速センサ29の出力が風速5m(風速閾値)以上であるか否かを判定する(S1280:風速判定手段)。
【0322】
正面の温度センサ19による検出結果が0度未満である場合(S1265:Yes)、風速センサ29の出力が風速5m以上である場合(S1280:Yes)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎるものとして寒過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1285:寒過ぎ判断手段)、服外状態・負荷なし・軽負荷処理を終了する。
【0323】
また、正面の温度センサ19による検出結果が10度以上である場合(S1270:No)、風速センサ29の出力が風速5m以上である場合(S1280:No)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎるかどうかは不明であるものとして寒過ぎ注意状態不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1290:寒過ぎ判断手段)、服外状態・負荷なし・軽負荷処理を終了する。
【0324】
このような老人用ペンダント1が実行する服外状態・負荷なし・軽負荷処理によれば、正面の温度センサ19により検出された温度が、第1低温閾値未満である場合に、監視対象者にとって寒すぎると判断するとともに、正面の温度センサ19により検出された温度が第1低温閾値よりも高温であったとしても、第2低温閾値よりも低温であって、風速センサ23により風速閾値以上の風速を検出すると監視対象者にとって寒すぎると判断する。
【0325】
よって、このような携帯監視装置によれば、風速が増すと体感温度が下がる特性を利用しているので、監視対象者にとって寒すぎることを良好に検出することができる。
[服外状態・中負荷・重負荷処理]
次に、服外状態・中負荷・重負荷処理について図36を用いて説明する。図36は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する服外状態・中負荷・重負荷処理を示すフローチャートである。
【0326】
服外状態・中負荷・重負荷処理は、前述の寒過ぎ状態判断処理(図34)の処理中に実行される処理であって、まず、正面の温度センサ19の出力を取得(入力)する(S1310)。
【0327】
そして、正面の温度センサ19による検出結果が例えば−5度(第1低温閾値)未満であるか否かを判定する(S1315:第1低温閾値判定手段)。正面の温度センサ19による検出結果が−5度以上であれば(S1315:No)、正面の温度センサ19による検出結果が5度(第2低温閾値:第1低温閾値よりも大きく設定されている。)未満であるか否かを判定する(S1320:第2低温閾値判定手段)。
【0328】
正面の温度センサ19による検出結果が5度未満であれば(S1320:Yes)、風速センサ29の出力を取得(入力)し(S1325)、風速センサ29の出力が風速5m(風速閾値)以上であるか否かを判定する(S1330:風速判定手段)。
【0329】
正面の温度センサ19による検出結果が−5度未満である場合(S1315:Yes)、風速センサ29の出力が風速5m以上である場合(S1330:Yes)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎるものとして寒過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1335:寒過ぎ判断手段)、服外状態・中負荷・重負荷処理を終了する。
【0330】
また、正面の温度センサ19による検出結果が5度以上である場合(S1320:No)、風速センサ29の出力が風速5m以上である場合(S1330:No)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎるかどうかは不明であるものとして寒過ぎ注意状態不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1340:寒過ぎ判断手段)、服外状態・中負荷・重負荷処理を終了する。
【0331】
このような老人用ペンダント1が実行する服外状態・中負荷・重負荷処理によれば、正面の温度センサ19により検出された温度が、第1低温閾値未満である場合に、監視対象者にとって寒すぎると判断するとともに、正面の温度センサ19により検出された温度が第1低温閾値よりも高温であったとしても、第2低温閾値よりも低温であって、風速センサ23により風速閾値以上の風速を検出すると監視対象者にとって寒すぎると判断する。
【0332】
よって、このような携帯監視装置によれば、風速が増すと体感温度が下がる特性を利用しているので、監視対象者にとって寒すぎることを良好に検出することができる。
なお、本処理における第1低温閾値および第2低温閾値は、前述の服外状態・負荷なし・軽負荷処理(図35)における第1低温閾値および第2低温閾値よりもそれぞれ小さな値に設定されている。このように設定されているのは、監視対象者が激しい運動(中負荷運動および重負荷運動)を実施している場合には、監視対象者がほとんど運動をしていない状態(負荷なしまたは軽負荷運動)のときよりも寒さを感じ難いからである。従って、老人用ペンダント1によれば監視対象者が行う運動負荷の大きさに応じて良好に寒過ぎることを検出することができる。
【0333】
[服内状態・負荷なし・軽負荷処理]
次に、服内状態・負荷なし・軽負荷処理について図37を用いて説明する。図37は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する服内状態・負荷なし・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【0334】
服内状態・負荷なし・軽負荷処理は、前述の寒過ぎ状態判断処理(図34)の処理中に実行される処理であって、まず、背面の温度センサ15の出力および正面の温度センサ19の出力を取得(入力)する(S1360,S1365)。
【0335】
そして、背面の温度センサ15の出力および正面の温度センサ19の出力の差分が3度(第3低温閾値)以上であるか否かを判定する(S1370:第3低温閾値判定手段)。背面の温度センサ15の出力および正面の温度センサ19の出力の差分が3度未満であれば(S1370:No)、正面の温度センサ19の出力が5度(第5低温閾値)未満であるか否かを判定する(S1375:第5低温閾値判定手段)
背面の温度センサ15の出力および正面の温度センサ19の出力の差分が3度以上であれば(S1370:Yes)、背面の温度センサ19の出力が20度(第4低温閾値)未満であるか否かを判定する(S1380:第4低温閾値判定手段)。
【0336】
正面の温度センサ19の出力が5度未満である場合(S1375:Yes)、および背面の温度センサ19の出力が20度未満である場合(S1380:Yes)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎるものとして寒過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1385:寒過ぎ判断手段)、服内状態・負荷なし・軽負荷処理を終了する。
【0337】
正面の温度センサ19の出力が5度以上である場合(S1375:No)、および背面の温度センサ19の出力が20度以上である場合(S1380:No)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎるかどうかは不明であるものとして寒過ぎ注意状態不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1390:寒過ぎ判断手段)、服内状態・負荷なし・軽負荷処理を終了する。
【0338】
このような老人用ペンダント1が実行する服内状態・負荷なし・軽負荷処理によれば、服外状態・中負荷・重負荷処理(図36)と同様に、監視対象者にとって寒すぎることを良好に検出することができる。
【0339】
[服内状態・中負荷・重負荷処理]
次に、服内状態・中負荷・重負荷処理について図38を用いて説明する。図38は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する服内状態・中負荷・重負荷処理を示すフローチャートである。
【0340】
服内状態・中負荷・重負荷処理は、前述の寒過ぎ状態判断処理(図34)の処理中に実行される処理であって、まず、背面の温度センサ15の出力および正面の温度センサ19の出力を取得(入力)する(S1410,S1415)。
【0341】
そして、背面の温度センサ15の出力および正面の温度センサ19の出力の差分が3度(第3低温閾値)以上であるか否かを判定する(S1420:第3低温閾値判定手段)。背面の温度センサ15の出力および正面の温度センサ19の出力の差分が3度未満であれば(S1420:No)、正面の温度センサ19の出力が0度(第5低温閾値)未満であるか否かを判定する(S1425:第5低温閾値判定手段)
背面の温度センサ15の出力および正面の温度センサ19の出力の差分が3度以上であれば(S1420:Yes)、背面の温度センサ19の出力が15度(第4低温閾値)未満であるか否かを判定する(S1430:第4低温閾値判定手段)。
【0342】
正面の温度センサ19の出力が0度未満である場合(S1425:Yes)、および背面の温度センサ19の出力が15度未満である場合(S1430:Yes)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎるものとして寒過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1435:寒過ぎ判断手段)、服内状態・中負荷・重負荷処理を終了する。
【0343】
正面の温度センサ19の出力が0度以上である場合(S1425:No)、および背面の温度センサ19の出力が15度以上である場合(S1430:No)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎるかどうかは不明であるものとして寒過ぎ注意状態不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1440:寒過ぎ判断手段)、服内状態・中負荷・重負荷処理を終了する。
【0344】
このような老人用ペンダント1が実行する服内状態・中負荷・重負荷処理によれば、服外状態・中負荷・重負荷処理(図36)と同様に、監視対象者にとって寒すぎることを良好に検出することができる。
【0345】
[寒暖救援依頼処理]
次に、老人用ペンダント1において、監視対象者を救援する必要があるか否かを判定する処理について図39を用いて説明する。図39は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する寒暖救援依頼処理を示すフローチャートである。
【0346】
この寒暖救援依頼処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、救援依頼の猶予中であるか否かを判定する(S1460:作動禁止手段)。この救援依頼の猶予中とは、RAM等のメモリに後述する救援依頼猶予信号が格納されているか否かに基づいて判断する。
【0347】
救援依頼の猶予中であれば(S1460:Yes)、寒暖救援依頼処理を終了する。
また、救援依頼の猶予中でなければ(S1460:No)、メモリに格納された寒過ぎ注意信号および暑過ぎ注意信号を取得(入力)する(S1465,S1470)。
【0348】
そして、暑過ぎ注意信号または寒過ぎ注意信号を取得したか否かを判定する(S1475)。暑過ぎ注意信号または寒過ぎ注意信号を取得していなければ(S1475:No)、寒暖救援依頼処理を終了する。暑過ぎ注意信号または寒過ぎ注意信号を取得していれば(S1475:Yes)、監視対象者に暑過ぎまたは寒すぎである旨を報知する(S1480)。具体的には例えば、暑過ぎまたは寒すぎを表す警告のメッセージ音をスピーカ65から出力させ、電飾63を赤色に発光させるとともに、ディスプレイ61に警告を示すメッセージを表示させる。
【0349】
そして、タイマをスタートさせ(S1485)、確認ボタン73の操作を受け付け(S1490)、確認ボタン73が操作されたか否かを判定する(S1495:操作判定手段)。確認ボタン73が操作されていなければ(S1495:No)、タイマがスタートしてから1分(待機時間)が経過したか否かを判定する(S1500:第1救援判断手段)。
【0350】
タイマがスタートしてから1分が経過していなければ(S1500:No)、S1490の処理に戻り、タイマがスタートしてから1分が経過していれば(S1500:Yes)、監視対象者を救援する必要があるものとして救援依頼状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1505)、寒暖救援依頼処理を終了する。
【0351】
また、確認ボタン73が操作されていれば(S1495:Yes)、30分間の救援依頼猶予信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1510)、寒暖救援依頼処理を終了する。
【0352】
このような老人用ペンダント1が実行する寒暖救援依頼処理によれば、監視対象者にとって暑過ぎることまたは寒すぎることが検出されたときにおいて、確認ボタン73が操作されたか否かに基づいて、監視対象者に意識障害や運動障害等の異常が発生したか否かを判断する。よって、監視対象者が操作部の操作ができなかった場合等、確認ボタン73が操作されない場合には、監視対象者に異常が発生したものとして監視対象者を救援する必要があると判断することができる。また、確認ボタン73が操作された後、猶予時間が経過するまでは一定時間は監視対象者を救援する判断を禁止することができるので、監視対象者に異常が発生していない場合に救援する必要があると判断されることを防止することができる。
【0353】
[救援依頼の猶予中設定処理]
次に、老人用ペンダント1において、救援依頼の猶予中である設定を解除する処理について図40を用いて説明する。図40は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する救援依頼の猶予中設定処理を示すフローチャートである。
【0354】
この救援依頼の猶予中設定処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、メモリに格納された救援依頼猶予信号を取得(入力)する(S1520)。そして、救援依頼猶予信号が取得されたか否かを判定する(S1525)。
【0355】
救援依頼猶予信号が取得されていなければ(S1525:No)、救援依頼の猶予中設定処理を終了する。また、救援依頼猶予信号が取得されていれば(S1525:Yes)、タイマをクリア後スタートし(S1530)、タイマがスタートしてから30分が経過したか否かを判定する(S1535)。
【0356】
タイマがスタートしてから30分が経過していなければ(S1535:No)、S1535の処理を繰り返し、タイマがスタートしてから30分が経過していれば(S1535:Yes)、RAM等のメモリに格納された救援依頼猶予信号を削除することにより救援依頼の判断猶予状態を解除し(S1540)、救援依頼の猶予中設定処理を終了する。
【0357】
このような老人用ペンダント1が実行する救援依頼の猶予中設定処理によれば、一定時間(ここでは30分間)が経過した際に、良好に救援依頼の判断猶予状態を解除することができる。
【0358】
[救援依頼の送信処理]
次に、老人用ペンダント1において、救援依頼を送信する処理について図41を用いて説明する。図41は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する救援依頼の送信処理を示すフローチャートである。
【0359】
この救援依頼の送信処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、メモリに格納された救援依頼状態信号を取得(入力)する(S1560)。そして、救援依頼状態信号が取得されたか否かを判定する(S1565)。
【0360】
救援依頼状態信号が取得されていなければ(S1565:No)、救援依頼の送信処理を終了する。
救援依頼状態信号が取得されていれば(S1565:Yes)、GPS受信機27により検出された老人用ペンダント1の現在地の情報を入力し(S1570)、この現在地の情報を含む救援依頼メールを生成し、このメールを予め設定された連絡先に対して送信する(S1575)。そして、この処理が終了すると、救援依頼の送信処理を終了する。
【0361】
このような老人用ペンダント1が実行する救援依頼の送信処理によれば、救援依頼を送信する必要がある場合に、良好に救援依頼を連絡先に対して送信することができる。
[徘徊判断処理]
次に、老人用ペンダント1において、監視対象者が徘徊していることを検出する処理について図42を用いて説明する。図42は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する徘徊判断処理を示すフローチャートである。
【0362】
この徘徊判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、GPS受信機27により検出された老人用ペンダント1の現在地の情報を入力するとともに(S1610)、訪問先メモリ55に格納された立ち回り先の位置情報を読み出す(S1615)。
【0363】
そして、老人用ペンダント1の現在地が立ち回り先として登録されている位置以外の位置であるか否かを判定する(S1620)。老人用ペンダント1の現在地が立ち回り先として登録されている位置であれば(S1620:No)、徘徊判断処理を終了する。
【0364】
また、老人用ペンダント1の現在地が立ち回り先として登録されている位置でなければ(S1620:Yes)、後述する歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理(S1625:図43)、後述する歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理(S1630:図44)、後述する歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理(S1635:図45)を順に実行する。即ち、S1625〜S1635の処理では、監視対象者の動作が、徘徊を行う者に特有の特定パターンであるか否かを判定することにより、監視対象者が心神喪失状態であるか否かを判定する(心神喪失判定手段)。
【0365】
続いて、S1625〜S1635の処理にて心神喪失の可能性信号が出力されたか否かを判定する(S1640)。心神喪失の可能性信号が出力されていれば(S1640:Yes)、監視対象者を救援する必要があるものとして救援依頼状態信号を出力し(S1645:第1救援判断手段)、徘徊判断処理を終了する。
【0366】
また、心神喪失の可能性信号が出力されていなければ(S1640:No)、徘徊判断処理を終了する。
このような老人用ペンダント1が実行する徘徊判断処理によれば、現在地を表す情報が訪問先メモリ55に記憶された位置情報と一致しない場合に、監視対象者が徘徊している可能性があるものとして、監視対象者の動作が特定のパターンであるか否かを判定する。そして、監視対象者の動作が特定のパターンであることが検出されれば、監視対象者が心神喪失状態であるものとして救援する必要があると判断する。
【0367】
従って、このような携帯監視装置によれば、監視対象者が徘徊していることを検出することができる。
[歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理]
次に、歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理について図43を用いて説明する。図43は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理を示すフローチャートである。
【0368】
歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理は、前述の徘徊判断処理(図42)の処理中に実行される処理であって、まず、メモリに格納された歩行中信号および停止中信号を取得(入力)する(S1660.S1665)。
【0369】
そして、歩行中信号から停止中信号への変更を抽出し(S1670)、歩行中信号から停止中信号への変更を検出したか否かを判定する(S1675)。歩行中信号から停止中信号への変更を検出していなければ(S1675:No)、歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。
【0370】
また、歩行中信号から停止中信号への変更を検出していれば(S1675:Yes)、1分間(第1心神喪失判定時間内)の歩行中信号から停止中信号への変更回数をRAM等のメモリに格納する(S1680)。そして、1分間の変更回数が3回(第1心神喪失閾値)以上であるか否かを判定する(S1685:心神喪失判定手段)。
【0371】
1分間における歩行中信号から停止中信号への変更回数が3回未満であれば(S1685:No)、歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。また、1分間における歩行中信号から停止中信号への変更回数が3回以上であれば(S1685:Yes)、監視対象者が心神喪失状態である可能性があるものとして心神喪失の可能性信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1690)、歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。
【0372】
このような老人用ペンダント1が実行する歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理によれば、監視対象者の動作における特定のパターンとして、歩行する動作および停止する動作を繰り返す動作を検出することにより監視対象者が心神喪失状態であるか否かを判定するので、より確実に監視対象者の徘徊を検出することができる。
【0373】
[歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理]
次に、歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理について図44を用いて説明する。図44は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理を示すフローチャートである。
【0374】
歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理は、前述の徘徊判断処理(図42)の処理中に実行される処理であって、まず、メモリに格納された歩行中信号、右ターン信号、および左ターン信号を取得(入力)する(S1710〜S1720)。
【0375】
そして、歩行中信号から右ターン信号への変更、および歩行中信号から左ターン信号への変更を抽出し(S1725)、歩行中信号から右(左)ターン信号への変更を検出したか否かを判定する(S1730)。歩行中信号から右(左)ターン信号への変更を検出していなければ(S1730:No)、歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。
【0376】
また、歩行中信号から右(左)ターン信号への変更を検出していれば(S1730:Yes)、1分間(第2心神喪失判定時間内)の歩行中信号から停止中信号への変更回数をRAM等のメモリに格納する(S1735)。そして、1分間の変更回数が6回(第2心神喪失閾値)以上であるか否かを判定する(S1740:心神喪失判定手段)。
【0377】
1分間における歩行中信号から右(左)ターン信号への変更回数が6回未満であれば(S1740:No)、歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。また、1分間における歩行中信号から右(左)ターン信号への変更回数が6回以上であれば(S1740:Yes)、監視対象者が心神喪失状態である可能性があるものとして心神喪失の可能性信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1745)、歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。
【0378】
このような老人用ペンダント1が実行する歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理によれば、監視対象者の動作における特定のパターンとして、歩行する動作から右ターン(順方向ターン)および左ターン(逆方向ターン)をする動作を検出することにより監視対象者が心神喪失状態であるか否かを判定するので、より確実に監視対象者の徘徊を検出することができる。
【0379】
[歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理]
次に、歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理について図45を用いて説明する。図45は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理を示すフローチャートである。
【0380】
歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理は、前述の徘徊判断処理(図42)の処理中に実行される処理であって、まず、メモリに格納された歩行中信号、および座り動作信号を取得(入力)する(S1760〜S1765)。
【0381】
そして、歩行中信号から座り動作信号への変更を抽出し(S1770)、歩行中信号から座り動作信号への変更を検出したか否かを判定する(S1775)。歩行中信号から座り動作信号への変更を検出していなければ(S1775:No)、歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。
【0382】
また、歩行中信号から座り動作信号への変更を検出していれば(S1775:Yes)、1分間(第3心神喪失判定時間内)の歩行中信号から座り動作信号への変更回数をRAM等のメモリに格納する(S1780)。そして、1分間の変更回数が3回(第3心神喪失閾値)以上であるか否かを判定する(S1785:心神喪失判定手段)。
【0383】
1分間における歩行中信号から座り動作信号への変更回数が3回未満であれば(S1785:No)、歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。また、1分間における歩行中信号から座り動作信号への変更回数が3回以上であれば(S1785:Yes)、監視対象者が心神喪失状態である可能性があるものとして心神喪失の可能性信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1790)、歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。
【0384】
このような老人用ペンダント1が実行する歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理によれば、監視対象者の動作における特定のパターンとして、歩行する動作から座る動作を検出することにより監視対象者が心神喪失状態であるか否かを判定するので、より確実に監視対象者の徘徊を検出することができる。
【0385】
[立ち回り先登録処理]
次に、老人用ペンダント1において、監視対象者の立ち回り先(訪問先)を登録する処理について図46を用いて説明する。図46は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する立ち回り先登録処理を示すフローチャートである。
【0386】
この立ち回り先登録処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、操作部70(タッチパッド71、確認ボタン73)の操作により学習モードに切り替える旨の信号の入力を受け付ける(S1810:モード切替手段)。なお、支援制御依頼信号送信装置50のMPU51は、学習モードに切り替える旨の信号を受けると、前述の各種処理を実行する通常モードから、立ち回り先を登録する学習モードに切り替える。
【0387】
続いて、現在のモードが学習モードであるか否かを判定する(S1815)。現在のモードが学習モードであれば(S1815:Yes)、GPS受信機27により検出された老人用ペンダント1の現在地の情報を入力する(S1820)。そして、この現在地の情報を立ち回り先として訪問先メモリ55に格納し(S1825)、立ち回り先登録処理を終了する。
【0388】
また、現在のモードが学習モードでなければ(S1815:No)、GPS受信機27により検出された老人用ペンダント1の現在地の情報を入力し(S1830)、訪問先メモリ55に格納された立ち回り先の位置情報を読み出す(S1835)。
【0389】
そして、GPS受信機27により検出された老人用ペンダント1の現在地と、訪問先メモリ55に格納された立ち回り先の位置との距離が、100m(所定距離)以上離間していることか否かを判定する(S1840)。老人用ペンダント1の現在地と立ち回り先の位置との距離が100m未満しか離間していなければ(S1840:No)、立ち回り先登録処理を終了する。
【0390】
また、老人用ペンダント1の現在地と立ち回り先の位置との距離が100m以上離間していれば(S1840:Yes)、老人用ペンダント1の現在地の情報をRAM等のメモリに仮登録する(S1845)。なお、老人用ペンダント1の現在地の情報をメモリに仮登録する際には、同じ仮登録位置(例えば100m以内の仮登録位置)における仮登録の回数と、登録日の情報とを併せて登録する。
【0391】
続いて、仮登録された情報が、本登録条件(例えば同じ位置の仮登録が異なる5日間になされた場合)を満たすか否かを判定する(S1850)。仮登録された情報が、本登録条件を満たさなければ(S1850:No)、立ち回り先登録処理を終了する。
【0392】
また、仮登録された情報が、本登録条件を満たせば(S1850:Yes)、仮登録されていた地点を立ち回り先として訪問先メモリ55に記憶させ(S1855)、立ち回り先登録処理を終了する。
【0393】
なお、本処理において、S1815〜S1825の処理は、本発明でいう第1記憶制御手段に相当し、S1830〜S1855の処理は、本発明でいう第2記憶制御手段に相当する。
【0394】
このような老人用ペンダント1が実行する立ち回り先登録処理によれば、監視対象者または監視対象者の保護者が監視対象者の立ち回り先で操作部を操作し、学習モードに切り替えることにより、この立ち回り先を監視対象者が訪問する立ち回り先として登録することができる。つまり、位置情報を入力する等の煩雑な作業を必要とすることなく立ち回り先を登録することができる。また、通常モードのときであっても、監視対象者が頻繁に(登録閾値以上の回数)訪問した立ち回り先を位置情報として登録することができるので、監視対象者およびその保護者は特に操作をすることなく立ち回り先を登録させることができる。
【0395】
なお、本処理では、学習モードに切り替えられると自動的にている際に、現在地の情報を立ち回り先の位置情報として訪問先メモリ55に記憶させるよう構成したが、例えば、学習モードに切り替えられており、かつ操作部が操作されたときに、現在地の情報を立ち回り先の位置情報として訪問先メモリ55に記憶させるよう構成してもよい。
【0396】
[安否判断可能判断処理]
次に、老人用ペンダント1が監視対象者の安否を判断することができる状態にあるか否かを判定する処理について図47を用いて説明する。図47は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する安否判断可能判断処理を示すフローチャートである。
【0397】
この安否判断可能判断処理は、予め設定された所定周期毎に起動される処理であって、まず、3次元加速度センサ11からの出力を入力し(S1910)、このセンサ11の出力に変化があるか否かを判定する(S1915)。このセンサ11の出力に変化があれば(S1915:YES)、監視対象者の安否の判断をすることができるものとして安否判断可能信号を出力し(S1930)、安否判断可能判断処理を終了する。
【0398】
また、このセンサ11の出力に変化がなければ(S1915:NO)、地肌接触状態信号、地肌接触服外状態信号、地肌接触服内状態信号、地肌非接触状態信号、地肌非接触服外状態信号、および地肌非接触服内状態信号を検出し(S1920)、これらのうちの何れかの信号の入力があったか否か(検出できたか否か)を判定する(S1925)。
【0399】
何れかの信号の入力があれば(S1925:YES)、安否判断可能信号を出力し(S1930)、安否判断可能判断処理を終了する。何れの信号の入力もなければ(S1925:NO)、監視対象者の安否の判断をすることができないものとして安否判断不可信号を出力し(S1935)、安否判断可能判断処理を終了する。
【0400】
[安否状態判断処理(脈拍数関係)]
次に、監視対象者の脈拍数関係の情報に基づいて監視対象者の安否を判断する処理について図48を用いて説明する。図48は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する脈拍数関係の安否状態判断処理を示すフローチャートである。
【0401】
この脈拍数関係の安否状態判断処理は、予め設定された所定周期毎に起動される処理であって、まず安否判断可能信号が出力されているか否かを判定する(S1960)。安否判断可能信号が出力されていなければ(S1960:NO)、直ちに脈拍数関係の安否状態判断処理を終了する。
【0402】
一方、安否判断可能信号が出力されていれば(S1960:YES)、心電センサ33からの出力を取得し(S1965)、この心電センサ33からの出力に基づいて監視対象者の心拍数を算出する(S1970)。この処理では、例えば過去5秒間の心拍数を算出する。
【0403】
そして、心電センサ33による過去の心拍数の9割と、S1970で算出した心拍数の1割とを足し合わせた加重平均値を求め、この加重平均値の12倍の値(つまり1分当たりの値)を心電センサ33による心拍数としてRAM等のメモリに記録する(S1975)。なお、この処理にて算出した加重平均値は、再度、安否状態判断処理が実施されたときに上記の「過去の心拍数」として利用される。
【0404】
続いて、心音センサ35からの出力を取得し(S1980)、心音センサ35による過去の心拍数の9割と、S1985で算出した心拍数の1割とを足し合わせた加重平均値を求め、この加重平均値の12倍の値(つまり1分当たりの値)を心音センサ35による心拍数としてRAM等のメモリに記録する(S1985)。
【0405】
そして、心電センサ33による心拍数(心電心拍数)と、心音センサ35による心拍数(心音心拍数)とが概ね一致するか否か(整合性があるか否か)を判定する(S1990:整合性判定手段)。ここで、この処理は、心電センサ33および心音センサ35が機能していることを確認することが趣旨であるため、「概ね一致する」とは、心電センサ33および心音センサ35が機能していることを確認できる程度の範囲に設定されていればよい。なお、具体的な数値については、実験的に求められるべきである。
【0406】
心電心拍数と心音拍数とが概ね一致していなければ(S1990:NO)、心拍数の信頼性が低く、心拍数が不明である旨を表す心拍数不明信号を出力し(S1995:整合性判定手段)、脈拍数関係の安否状態判断処理を終了する。一方、心電心拍数と心音心拍数とが概ね一致していれば(S1990:YES)、心電心拍数と心音心拍数との平均値を監視対象者の心拍数としてRAM等のメモリに記録する(S2000)。
【0407】
そして、S2000にて記録された監視対象者の心拍数が、過大であるか否か(S2005)、或いは過小であるか否か(S2015)を判定する(心拍数判断手段)。つまり、監視対象者の心拍数が、予め設定された上限心拍数よりも多いか否か、或いは予め設定された下限心拍数よりも少ないか否かを判定する。
【0408】
監視対象者の心拍数が上限心拍数よりも多ければ(S2005:YES)、心拍数が過大であると判断し、心拍数過大信号を出力し(S2010)、脈拍数関係の安否状態判断処理を終了する。また、監視対象者の心拍数が下限心拍数よりも少なければ(S2015:YES)、心拍数が過小であると判断し、心拍数過小信号を出力し(S2025)、脈拍数関係の安否状態判断処理を終了する。
【0409】
また、監視対象者の心拍数が上限心拍数および下限心拍数の範囲内であれば(S2005:NO、S2015:NO)、心拍数が正常であると判断し、心拍数正常信号を出力し、脈拍数関係の安否状態判断処理を終了する。
【0410】
以上のような脈拍数関係の安否状態判断処理によれば、監視対象者の心拍数によって、監視対象者に異常が発生したか否かを判定することができる。
また、脈拍数関係の安否状態判断処理によれば、複数の手段によって監視対象者の心拍数を検出し、これらによって検出された心拍数に整合性がなければ、心拍数が不明であると判断するので、心拍数の検出に対する信頼性を向上させることができる。
【0411】
[安否状態判断処理(体温関係)]
次に、監視対象者の体温関係の情報に基づいて監視対象者の安否を判断する処理について図49を用いて説明する。図49は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する体温関係の安否状態判断処理を示すフローチャートである。
【0412】
この体温関係の安否状態判断処理は、予め設定された所定周期毎に起動される処理であって、まず安否判断可能信号が出力されているか否かを判定する(S2060)。安否判断可能信号が出力されていなければ(S2060:NO)、直ちに体温関係の安否状態判断処理を終了する。
【0413】
一方、安否判断可能信号が出力されていれば(S2060:YES)、地肌接触状態信号が出力されているか否かを判定する(S2065)。地肌接触状態信号が出力されていなければ(S2065:NO)、体温を検出することができない旨を表す体温不明信号を出力し(S2070)、体温関係の安否状態判断処理を終了する。
【0414】
地肌接触状態信号が出力されていれば(S2065:YES)、背面の温度センサ15からの出力を取得し(S2075)、過去の体温(1分毎の体温)の値の9割と、S2075で取得した体温の値の1割とを足し合わせた加重平均値を求め、この加重平均値を監視対象者の体温としてRAM等のメモリに記録する(S2080)。なお、この処理にて算出した加重平均値は、再度、安否状態判断処理が実施されたときに上記の「過去の体温」として利用される。
【0415】
そして、S2080にて記録された監視対象者の体温が、過大であるか否か(S2085)、或いは過小であるか否か(S2095)を判定する。つまり、監視対象者の体温が、予め設定された上限体温よりも高いか否か、或いは予め設定された下限体温よりも低いか否かを判定する。
【0416】
監視対象者の体温が上限体温よりも高ければ(S2080:YES)、監視対象者の体温が高すぎるものとして、体温過大信号を出力し(S2090)、体温関係の安否状態判断処理を終了する。また、監視対象者の体温が下限体温よりも低ければ(S2080:YES)、監視対象者の体温が低すぎるものとして、体温過小信号を出力し(S2105)、体温関係の安否状態判断処理を終了する。
【0417】
また、監視対象者の体温が上限体温と下限体温との範囲内であれば(S2085:NO、S2095:NO)、監視対象者の体温が正常であるものとして、体温正常信号を出力し(S2100)、体温関係の安否状態判断処理を終了する。
【0418】
以上のような体温関係の安否状態判断処理によれば、監視対象者の体温によって、監視対象者に異常が発生したか否かを判定することができる。
[救援依頼判断処理(音声)]
次に、監視対象者の音声に基づいて監視対象者の救援を求める信号を出力する処理について図50を用いて説明する。図50は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する音声に関する救援依頼判断処理を示すフローチャートである。
【0419】
この救援依頼判断処理は、予め設定された所定周期毎に起動される処理であって、まずマイク37からの音声信号を取得し(S2110)、周囲の音をデータとして取り込む(S2115)。そして、予め登録された監視対象者の登録音のデータ(監視対象者が録音した「助けて」「ヘルプ」という音声や、うめき声等)と、取り込んだデータとを対比し(S2120)、周囲の音のデータが登録音の何れかと一致するか否かを判定する(S2125:音声一致判定手段)。
【0420】
周囲の音のデータが登録音の何れかと一致すれば(S2125:YES)、救援依頼信号を出力し(S2130:第2救援判断手段)、その後、救援依頼判断処理を終了する。また、周囲の音のデータが登録音の何れとも一致しなければ(S2125:NO)、直ちに救援依頼判断処理を終了する。
【0421】
このような救援依頼判断処理によれば、例えば「助けて」、「ヘルプ」、或いはうめき声等、監視対象者の特定パターンの音声を検出することができるので、監視対象者を救援する必要があると判定することができる。
【0422】
[注意状態設定処理]
次に、注意状態設定処理について図51を用いて説明する。図51は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する注意状態設定処理を示すフローチャートである。ここで、注意状態とは、現時点では救援を求める程度ではないが、監視対象者自身が体調等の違和感を覚えたときに、早めに救援を求めることができるように、自動的に救援を実施するか否かを決定するための閾値を変更した状態を表す。
【0423】
つまり、注意状態に設定されると、後述する救援依頼実行処理により、注意状態に設定されていない場合と比較して、早めに救援を求めることができるようになる。
ここで、注意状態設定処理は、予め設定された所定周期毎に起動される処理であって、まず、安否判断可能信号が出力されているか否かを判定する(S2160)。安否判断可能信号が出力されていなければ(S2160:NO)、直ちに注意状態設定処理を終了する。
【0424】
一方、安否判断可能信号が出力されていれば(S2160:YES)、指紋センサ75からの出力を取得し(S2165)、その出力をデータとして取り込む(S2170)。そして、予め登録された監視対象者の指紋データ(登録指紋)との対比を行い(S2175)、取り込んだデータが登録指紋(登録指紋が複数ある場合には、そのうちの何れか1つ)と一致するか否かを判定する(S2180)。
【0425】
取り込んだデータが登録指紋と一致すれば(S2180:YES)、注意状態反転信号を出力し(S2185)、注意状態設定処理を終了する。このように注意状態反転信号が出力されると、注意状態の解除状態から注意状態の設定状態にされ、或いは、注意状態の設定状態から、注意状態の解除状態にされる。
【0426】
一方、取り込んだデータが登録指紋と一致しなければ(S2180:NO)、直ちに注意状態設定処理を終了する。
このような携帯監視装置によれば、監視対象者本人以外が救援を不要とする旨を当該装置に入力することができないので、監視対象者の意志を尊重することができる。
【0427】
なお、本実施形態においては、監視対象者の身体的特徴を検出するために、指紋センサ75を用いたが、予め登録された特定の監視対象者の身体的特徴と一致するか否かの認証を実施することができる手段を代用することができる。
【0428】
[注意状態反転処理]
次に、注意状態反転処理について図52を用いて説明する。図52は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する注意状態反転処理を示すフローチャートである。
【0429】
注意状態反転処理は、前述の注意状態設定処理を踏まえた処理であって、予め設定された所定周期毎に起動される処理である。この注意状態判定処理では、まず、注意状態反転信号を入力(検出)し(S2210)、注意状態反転信号が入力されたか否かを判定する(S2215)。
【0430】
注意状態反転信号が入力されていなければ(S2215:NO)、直ちに注意状態反転処理を終了する。また、注意状態反転信号が入力されていれば(S2215:YES)、現在、注意状態に設定されているか否かを判定する(S2220)。注意状態に設定されていれば(S2220:YES)、注意状態を解除する処理を実施する。即ち、通常状態信号を出力し(S2225)、ディスプレイ61に表示された注意状態表示(詳細は後述)を消去し(S2230)、注意状態反転処理を終了する。
【0431】
また、注意状態に設定されていなければ(S2220:NO)、注意状態に設定する処理を実施する。即ち、注意状態信号を出力し(S2235)、ディスプレイ61に例えば「!」等の注意を喚起するためのマークを表示させる注意状態表示を実施し(S2240)、注意状態反転処理を終了する。
【0432】
[救援依頼判断処理(救援依頼レバー)]
次に、救援依頼レバー77に関する救援依頼判断処理について図53を用いて説明する。図53は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する救援依頼レバー77に関する救援依頼判断処理を示すフローチャートである。この救援依頼判断処理は、予め設定された所定周期毎に起動される処理であって、まず、救援依頼レバー77の状態を入力する(S2260)。
【0433】
ここで、救援依頼レバー77について図54を用いて説明する。図54は救援依頼レバー77の作動形態を示す説明図である。救援依頼レバー77は、老人用ペンダント1を構成する筐体5の側面部に配置されており(図2(a)参照)、救援依頼レバー77の下部を支点として回動可能に構成されている。
【0434】
即ち、救援依頼レバー77は、通常時においては、老人用ペンダント1の側面部と同一平面状において収納された収納状態(図54(a)参照)とされており、一旦、奥(筐体5の内側)に押し込まれると(図54(b)参照)、図示しないバネの作用によって手前側に飛び出し(図54(c)参照)、監視対象者の操作によってさらに変位するよう構成されている。即ち、救援依頼レバー77は、収納状態から180度回動する(図54(d)参照)ように構成されている。そして、救援依頼信号送信装置50のMPU51は、この救援依頼レバー77が収納状態から概ね90度以上変位されていれば、引出状態であることを検出するように構成されている。
【0435】
このような救援依頼レバー77の構成では、救援依頼レバー77を一旦押し込み、その後引き出すという2つの動作を実施しなければ、引出状態にすることができないので、例えばレバーに換えて、1つの動作のみ状態を検出するボタン式のスイッチとして構成されている場合と比較して、誤作動を防止することができるようにされている。
【0436】
さて、図53に戻り、救援依頼レバー77の状態を入力すると、救援依頼レバー77が操作されているか(引出状態にされているか)否かを判定する(S2265)。救援依頼レバー77が操作されていれば(S2265:YES)、救援依頼信号を出力し(S2270:第3救援判断手段)、救援依頼レバー77に関する救援依頼判断処理を終了する。
【0437】
また、救援依頼レバー77が操作されていなければ(S2265:NO)、直ちに救援依頼レバー77に関する救援依頼判断処理を終了する。
このような救援依頼判断処理によれば、監視対象者の意志で即座に救援依頼を要請することができる。
【0438】
[救援依頼実行処理]
次に、実際に救援依頼の送信を実行する処理について図55を用いて説明する。図55は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する救援依頼実行処理を示すフローチャートである。
【0439】
この救援依頼実行処理は、予め設定された所定周期毎に起動される処理であって、まず、救援依頼信号が出力されているか否かを判定する(S2310)。救援依頼信号が出力されていれば(S2310:YES)、現在地の情報を取得し、この現在地の情報、監視対象者を識別するための識別情報(ID、名前等)、および救援依頼メッセージ含む救援依頼メールを生成し、このメールを予め設定された連絡先に対して送信する(S2315)。そして、この処理が終了すると、救援依頼実行処理を終了する。
【0440】
また、救援依頼信号が出力されていなければ(S2310:NO)、注意状態信号が出力されているか否かを判定する(S2320:意志検出変更手段)。注意状態信号が出力されていれば(S2320:YES)、心拍数過小信号、心拍数過大信号、体温過小信号、体温過大信号の何れかが出力されているか否かを判定する(S2325,S2330,S2335,S2340)。
【0441】
心拍数過小信号、心拍数過大信号、体温過小信号、体温過大信号の何れかが出力されていれば(S2325,S2330,S2335,S2340の何れかでYES)、後述する送信の意志確認処理1を実施し(S2345)、救援依頼実行処理を終了する。また、心拍数過小信号、心拍数過大信号、体温過小信号、体温過大信号の何れもが出力されていなければ(S2325,S2330,S2335,S2340の全てでNO)、直ちに救援依頼実行処理を終了する。
【0442】
一方、注意状態信号が出力されていない場合にも(S2320:YES)、心拍数過小信号、心拍数過大信号、体温過小信号、体温過大信号の何れかが出力されているか否かを判定する(S2350,S2355,S2360,S2365)。
【0443】
ただし、心拍数過小信号、心拍数過大信号、体温過小信号、体温過大信号の何れかが出力されていれば(S2350,S2355,S2360,S2365の何れかでYES)、送信の意志確認処理1とは異なる後述する送信の意志確認処理2を実施し(S2370)、救援依頼実行処理を終了する。また、心拍数過小信号、心拍数過大信号、体温過小信号、体温過大信号の何れもが出力されていなければ(S2350,S2355,S2360,S2365の全てでNO)、直ちに救援依頼実行処理を終了する。
【0444】
次に、送信の意志確認処理1について図56を用いて説明する。図56は送信の意思確認処理1を示すフローチャートである。
この送信の意思確認処理1では、まず、救援依頼を30秒後に実施する旨、および救援依頼の中止は30秒以内に行うべきことを報知するアナウンスを、スピーカ65を介して実施する(S2410)。このとき、同趣旨の内容をディスプレイ61にも表示させる。
【0445】
そして、指紋センサ75からの出力を取得し(S2415)、その出力をデータとして取り込む(S2420)。そして、予め登録された監視対象者の指紋データ(登録指紋)との対比を行い(S2425)、取り込んだデータが登録指紋(登録指紋が複数ある場合には、そのうちの何れか1つ)と一致するか否かを判定する(S2430:意思確認手段)。
【0446】
取り込んだデータが登録指紋と一致すれば(S2430:YES)、救援依頼を中止する意志があるものとして、直ちに送信の意思確認処理を終了する。なお、取り込んだデータが登録指紋と一致した場合には、救援依頼の猶予信号を出力し、予め設定された時間(例えば30分間程度)、監視対象者の意志による救援依頼を除く救援依頼を実施しないようにしてもよい。
【0447】
一方、取り込んだデータが登録指紋と一致しなければ(S2430:NO)、本処理の開始後、30秒が経過したか否かを判定する(S2435)。30秒が経過していれば(S2435:YES)、現在地の情報を取得し、この現在地の情報、監視対象者を識別するための識別情報(ID、名前等)、および救援依頼メッセージ含む救援依頼メールを生成し、このメールを予め設定された連絡先に対して送信する(S2440)。そして、この処理が終了すると、送信の意志確認処理1を終了する。
【0448】
また、S2435の処理にて30秒が経過していなければ(S2435:NO)、救援依頼の送信実行までのカウントダウンアナウンスを、スピーカ65を介して実行し(S2440)、S2415の処理に戻る。
【0449】
次に、送信の意志確認処理2について図57を用いて説明する。図57は送信の意思確認処理2を示すフローチャートである。
送信の意思確認処理2においては、概ね送信の意思確認処理1と同様の処理を実施する。ただし、送信の確認処理1においては、S2410およびS2435にて、閾値として「30秒」を採用していたのに対して、送信の確認処理2においては、「30秒」に対してより長い「5分」を採用している。即ち、注意状態信号が出力されていれば、より早急に救援依頼が送信されやすいように設定されている。
【0450】
このような救援依頼実行処理によれば、指紋を認証することにより、監視対象者本人等、登録された者のみが救援依頼を実施するまでの時間を設定することができる。このため、例えば、監視対象者が自己の体調に応じて、意志検出時間を変更することができる。また、救援依頼を実施するまでの時間を監視対象者に応じて変更することができる。
【0451】
[その他の実施形態]
本発明の実施の形態は、上記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0452】
例えば、本実施例において、各処理は10ms毎に起動するようにしたが、信号の検出に不具合を発生させない程度の周期で起動されていれば、起動周期は長くても短くてもよい。
【符号の説明】
【0453】
1…老人用ペンダント、5…筐体、5a…正面、5b…背面、5c…上面、7…ストラップ、7a…取付部、10…行動センサユニット、11…3次元加速度センサ、13…3軸ジャイロセンサ、15…背面の温度センサ、17…背面の湿度センサ、19…正面の温度センサ、21…背面の湿度センサ、23…照度センサ、25…濡れセンサ、27…GPS受信機、29…風速センサ、31…MPU、33…心電センサ、35…心音センサ、37…マイク、50…救援依頼信号送信装置、51…MPU、53…無線電話ユニット、55…訪問先メモリ、57…GPSアンテナ、60…報知部、61…ディスプレイ、63…電飾、65…スピーカ、70…操作部、71…タッチパッド、73…確認ボタン、75…指紋センサ、77…救援依頼レバー。
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象者が行う動作を検出する動作検出装置、監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出装置、監視対象者により行われる運動の負荷を検出する運動負荷検出装置、および監視対象者の健康状態を監視する携帯監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、監視対象者が所持する端末装置を用いて監視対象者の筋肉から発せられる生体磁場を検出し、この検出結果に応じて監視対象者に異常が発生したことを検出するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3736640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記システムにおいては、生体磁場の発生元となる筋肉に異常がない場合には、監視対象者に筋肉以外の異常が発生していたとしてもこの異常を検出できないという問題点があった。
【0004】
具体的には、認知症、パーキンソン病等の神経系の障害を有する者が監視対象者となる場合、心神を喪失した状態で徘徊等の異常行動をしていることを検出する必要があるが、このような監視対象者の筋肉は正常であるため、上記システムにおいてはこのような異常行動を検出することができない。
【0005】
ここで、本願発明者は、監視対象者の異常行動を検出するためには、監視対象者が行う1つ1つの動作を検出する動作検出装置を開発することが重要であることに気がついた。
また一方で、監視対象者の体調の異常を検出することも重要であることに気がついた。このように監視対象者の体調の異常を検出するには、体調の異常を検出する装置と監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出装置を開発すること、および監視対象者が行っている運動負荷の大きさを検出する運動負荷検出装置を開発する必要がある。
【0006】
そこで、上記問題点を鑑み、監視対象者の行動の異常や体調の異常を検出するために監視対象者が行う特定の動作を検出する動作検出装置、監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出装置、監視対象者が行っている運動負荷の大きさを検出する運動負荷検出装置、および監視対象者の行動の異常や体調の異常等の健康状態を監視する携帯監視装置を提供することを本発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために成された請求項1に記載の発明は、
当該装置を所持して行動する監視対象者が行う特定の動作を検出する動作検出装置であって、
当該動作検出装置に加えられる互いに直交する任意の3方向における加速度を検出し、この検出結果を出力する3次元加速度検出手段と、
前記3次元加速度検出手段から前記検出結果を繰り返し受信し、該検出結果に基づいて、前記各方向における加速度のピーク(極大値または極小値)をそれぞれ複数検出し、前記各方向におけるピーク間時間を検出するピーク間時間検出手段と、
前記ピーク間時間検出手段により検出されたピーク間時間の平均値を表すピーク周期を前記各方向毎に算出するピーク周期算出手段と、
前記ピーク周期算出手段により算出された各方向におけるピーク周期のうち、少なくとも2方向のピーク周期または該2方向のピーク周期の倍周期が、予め設定された第1設定範囲内であれば、前記監視対象者が歩行中であると判断し、前記2方向のピーク周期が前記第1設定範囲外であれば、前記監視対象者が歩行中とは限らないと判断する歩行判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0008】
このような動作検出装置によれば、監視対象者が当該動作検出装置を身につけていれば、監視対象者が歩行の際に当該動作検出装置に与える周期的な加速度の変化を検出することできる。よって、監視対象者が歩行していることを検出することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の動作検出装置においては、
当該動作検出装置に加えられる互いに直交する任意の3方向における加速度を検出し、この検出結果を出力する3次元加速度検出手段と、
前記3次元加速度検出手段から前記検出結果を繰り返し受信し、該検出結果に基づいて、前記各方向における加速度のピークを検出するピーク値検出手段と、
前記ピーク値検出手段により検出されたピーク値の全てが、予め設定された第1停止判断閾値以下であれば、前記監視対象者が停止中であると判断し、前記全てのピーク値が前記第1停止判断閾値以上であれば、前記監視対象者が停止中とは限らないと判断する停止判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0010】
このような動作検出装置によれば、監視対象者が当該動作検出装置を身につけていれば、監視対象者が停止している際に当該動作検出装置に与える加速度の変化がほとんど感じられないことを検出することができるので、監視対象者が停止していることを検出することができる。
【0011】
さらに、請求項3に記載の動作検出装置においては、
当該動作検出装置に加えられる加速度として、鉛直方向と、該鉛直方向とは直交する任意の2方向における加速度を検出し、この検出結果を出力する3次元加速度検出手段と、
前記3次元加速度検出手段から前記検出結果を繰り返し受信し、該検出結果に基づいて、前記各方向における加速度のピークを検出するピーク値検出手段と、
前記ピーク値検出手段により検出された鉛直方向下向きにおけるピーク値が予め設定された座り動作判断値以上であって、前記鉛直方向とは直行する任意の2方向におけるピーク値の両方が予め設定された第2停止判断閾値未満であれば、前記監視対象者が座り動作中であると判断し、前記鉛直方向下向きにおけるピーク値が予め設定された座り動作判断値未満であるか、或いは前記鉛直方向とは直行する任意の2方向におけるピーク値の何れかが予め設定された第2停止判断閾値以上であれば、前記監視対象者が座り動作中とは限らないと判断する座り動作判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0012】
このような動作検出装置によれば、監視対象者が当該動作検出装置を身につけていれば、監視対象者が座り動作をしている際に、鉛直方向下向きの加速度を検出し、その他の方向の加速度がほとんど感じられないことを検出することができるので、監視対象者が座り動作中であることを検出することができる。
【0013】
また、請求項4に記載の動作検出装置においては、
当該装置を所持して行動する監視対象者が行う特定の動作を検出する動作検出装置であって、
当該動作検出装置に加えられる加速度として、鉛直方向と、該鉛直方向とは直交する任意の2方向における加速度を検出し、この検出結果を出力する3次元加速度検出手段と、
前記3次元加速度検出手段から前記検出結果を繰り返し受信し、該検出結果に基づいて、前記各方向における加速度のピークを検出するピーク値検出手段と、
前記ピーク値検出手段により検出された鉛直方向上向きにおけるピーク値が予め設定された立ち上がり動作判定閾値以上であって、前記鉛直方向とは直行する任意の2方向におけるピーク値の両方が予め設定された第3停止判断閾値未満であれば、前記監視対象者が立ち上がり動作中であると判断し、前記鉛直方向上向きにおけるピーク値が予め設定された立ち上がり動作判定閾値未満であるか、或いは前記鉛直方向とは直行する任意の2方向におけるピーク値の何れかが予め設定された第3停止判断閾値以上であれば、前記監視対象者が立ち上がり動作中とは限らないと判断する立ち上がり動作判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0014】
このような動作検出装置によれば、監視対象者が当該動作検出装置を身につけていれば、監視対象者が立ち上がり動作をしている際に、鉛直方向上向きの加速度を検出し、その他の方向の加速度がほとんど感じられないことを検出することができるので、監視対象者が立ち上がり動作中であることを検出することができる。
【0015】
さらに、請求項5に記載の動作検出装置においては、
当該動作検出装置に加えられる角速度として、鉛直方向と、該鉛直方向とは直交する任意の2方向における角加速度を検出し、この検出結果を出力する3次元角加速度検出手段と、
前記3次元角加速度検出手段から前記検出結果を繰り返し受信し、該検出結果に基づいて、予め設定された角度判定時間内における前記鉛直方向を回転軸とする正方向の回転角度を検出し、該回転角度が予め設定された角度設定閾値を超えていれば、前記監視対象者が順方向ターン動作中であると判断し、前記鉛直方向における正方向の回転角度が前記角度設定閾値を超えていなければ、前記監視対象者が順方向ターン動作中とは限らないと判断する順方向ターン動作判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0016】
このような動作検出装置によれば、監視対象者が当該動作検出装置を身につけていれば、監視対象者が順方向にターン(回転)した際に鉛直方向を回転軸とする正方向の回転角度を検出することができるので、監視対象者が順方向にターンしたことを検出することができる。
【0017】
さらに、請求項6に記載の動作検出装置においては、
当該動作検出装置に加えられる角速度として、鉛直方向と、該鉛直方向とは直交する任意の2方向における角加速度を検出し、この検出結果を出力する3次元角加速度検出手段と、
前記3次元角加速度検出手段から前記検出結果を繰り返し受信し、該検出結果に基づいて、予め設定された角度判定時間内における前記鉛直方向を回転軸とする負方向の回転角度を検出し、該検出角度が予め設定された角度設定閾値を超えていれば、前記監視対象者が逆方向ターン動作中であると判断し、前記鉛直方向における負方向の回転角度が前記角度設定閾値を超えていなければ、前記監視対象者が逆方向ターン動作中とは限らないと判断する逆方向ターン動作判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0018】
このような動作検出装置によれば、監視対象者が当該動作検出装置を身につけていれば、監視対象者が逆方向にターン(回転)した際に当該動作検出装置に与える特徴的な角加速度の変化を検出することができるので、監視対象者が逆方向にターンしたことを検出することができる。
【0019】
また、上記目的を達成するために成された請求項7に記載の発明は、
当該装置と当該装置を所持して行動する監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出装置であって、
当該位置関係検出装置の構成要素を収容する筐体と、
前記筐体の表面における任意の位置に配置された第1温度センサと、
前記第1温度センサに近接して配置された第1湿度センサと、
前記筐体において前記第1温度センサが配置された部位とは反対側の部位における表面に配置された第2温度センサと、
前記第2温度センサに近接して配置された第2湿度センサと、
前記各温度センサからの検出信号を入力し、前記何れかの温度センサが検出した温度が予め設定された地肌判定範囲内であるか否かを判定する地肌温度範囲判定手段と、
前記地肌温度範囲判定手段により前記何れかの温度センサが検出した温度が前記地肌判定範囲内であると判定されると、前記各温度センサにより検出された温度同士の温度差が、予め設定された地肌温度判定閾値以上であるか否かを判定する地肌温度差判定手段と、
前記各湿度センサからの検出信号を入力し、前記地肌温度差判定手段により前記各温度センサにより検出された温度同士の温度差が前記地肌温度判定閾値未満であると判定されると、前記各湿度センサにより検出された湿度同士の湿度差が予め設定された地肌湿度判定閾値以上であるか否かを判定する地肌湿度差判定手段と、
前記地肌温度差判定手段により前記各温度センサにより検出された温度同士の温度差が、前記地肌温度判定閾値以上であると判定されたとき、および前記地肌湿度差判定手段により前記各湿度センサにより検出された湿度同士の湿度差が前記地肌湿度判定閾値以上であると判定されたときに、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していると判断し、前記地肌温度範囲判定手段により前記何れかの温度センサが検出した温度が前記地肌判定範囲外であると判定されたとき、および前記地肌湿度差判定手段により前記各湿度センサにより検出された湿度同士の湿度差が前記地肌湿度判定閾値未満であると判定されたときに、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触しているとは限らないと判断する地肌接触状態判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0020】
ここで、このように温度センサおよび湿度センサが互いに筐体の表面の反対側になるよう配置された位置関係検出装置において、一方の温度センサおよび湿度センサが監視対象者の地肌に接触している場合には、体温や発汗の影響を受けるので、この温度センサおよび湿度センサからの出力は、他方の温度センサおよび湿度センサの出力に対して一定以上の温度差および湿度差が生じるはずである。このため本発明では、各温度センサおよび湿度センサによる検出結果の差分に基づいて、閾値以上の温度差および湿度差を検出するようにしている。
【0021】
よって、このような位置関係検出装置によれば、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していることを検出することができる。
なお、本願発明において、「近接」とは、第1温度センサが配置された環境と同じ環境である位置を示す。よって、例えば筐体が多面体である場合には、同一面に配置されていればよい。
【0022】
また、請求項7に記載の位置関係検出装置においては、請求項8に記載のように、前記地肌接触状態判断手段により当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していると判断されると、前記少なくとも一方の湿度センサから検出信号を繰り返し入力し、該検出信号が予め設定された第1湿度変化判定時間内に予め設定された第1湿度変化判定閾値以上の湿度の変化を示せば、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触した状態で衣服の外側にあると判断し、該検出信号が予め設定された第1湿度変化判定時間内に前記第1湿度変化判定閾値未満の湿度の変化しか示さなければ、当該位置関係検出装置が衣服の外側にあるとは限らないと判断する地肌接触服外状態判断手段を備えていてもよい。
【0023】
即ち、本発明の位置検出装置においては、位置関係検出装置が衣服の外側にある場合には、位置関係検出装置が衣服の内側にある場合と比較して、湿度の変化が大きくなる特性を利用して、湿度センサによる検出結果が閾値以上の変化を示すか否かに基づいて、位置関係検出装置が監視対象者の衣服の外部に位置することを検出している。
【0024】
よって、当該位置関係検出装置が監視対象者の地肌に接触し、かつ使用者の衣服の外部に位置することを検出することができる。
さらに、請求項7に記載の位置関係検出装置においては、請求項9に記載のように、前記地肌接触状態判断手段により当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していると判断されると、前記少なくとも一方の湿度センサから検出信号を繰り返し入力し、該検出信号が予め設定された第2湿度変化判定時間内に予め設定された第2湿度変化判定閾値未満の湿度の変化を示せば、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触した状態で衣服の内側にあると判断し、該検出信号が予め設定された第2湿度変化判定時間内に前記第2湿度変化判定閾値以上の湿度の変化を示せば、当該位置関係検出装置が衣服の内側にあるとは限らないと判断する地肌接触服内状態判断手段を備えていてもよい。
【0025】
このような位置検出装置によれば、湿度センサによる検出結果が閾値未満の変化を示すか否かに基づいて、位置関係検出装置が監視対象者の衣服の内部に位置することを検出している。
【0026】
よって、当該位置関係検出装置が監視対象者の地肌に接触し、かつ使用者の衣服の内部に位置することを検出することができる。
なお、本発明は、請求項10以下の請求項との従属関係を考慮しなければ、請求項8の従属項にすることもできる。
【0027】
また、請求項10に記載の位置関係検出装置においては、
当該位置関係検出装置の構成要素を収容する筐体と、
前記筐体の表面における任意の位置に配置された第1温度センサと、
前記筐体において前記第1温度センサが配置された部位とは反対側の部位における表面に配置された第2温度センサと、
前記各温度センサからの検出信号を入力し、前記何れかの温度センサが検出した温度が予め設定された第1非地肌判定範囲内であるか否かを判定する第1非地肌温度範囲判定手段と、
前記第1非地肌温度範囲判定手段により前記何れかの温度センサが検出した温度が前記非地肌判定範囲内であると判定されると、前記各温度センサにより検出された温度同士の温度差が、予め設定された第1非地肌温度判定閾値以上であるか否かを判定する非地肌温度差判定手段と、
前記非地肌温度差判定手段により前記各温度センサにより検出された温度同士の温度差が、前記第1地肌温度判定閾値未満であると判定されると、前記何れかの温度センサとは異なる温度センサが検出した温度が予め設定された第2非地肌判定範囲内であるか否かを判定する第2非地肌温度範囲判定手段と、
前記第1非地肌温度範囲判定手段により前記何れかの温度センサが検出した温度が前記非地肌判定範囲外であると判定されたとき、および前記第2非地肌温度範囲判定手段により前記何れかの温度センサとは異なる温度センサが検出した温度が前記非地肌判定範囲外であると判定されたときに、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していないと判断し、前記非地肌温度差判定手段により前記各温度センサにより検出された温度同士の温度差が前記第1地肌温度判定閾値以上であると判定されたとき、および前記第2非地肌温度範囲判定手段により前記何れかの温度センサとは異なる温度センサが検出した温度が前記非地肌判定範囲内であると判定されたときに、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していないとは限らないと判断する地肌非接触状態判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0028】
このような位置関係検出装置によれば、それぞれ複数個配置された温度センサによる検出結果に基づいて、当該位置関係検出装置が監視対象者の地肌に接触しているときには検出されない温度が検出された場合に、当該位置関係検出装置が監視対象者の地肌に接触していないと判定するので、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していないことを検出することができる。
【0029】
さらに、請求項10に記載の位置関係検出装置においては、請求項11に記載のように、
前記筐体の表面における任意の位置に配置され、前記筐体の表面における照度を測定する照度センサと、
前記地肌非接触状態判断手段により当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していないと判断されると、前記照度センサから検出信号を繰り返し入力し、該検出信号が予め設定された第1照度変化判定時間内に予め設定された第1照度変化判定閾値以上の照度の変化を示せば、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していない状態で衣服の外側にあると判断し、該検出信号が前記第1照度変化判定時間内に前記照度判定閾値未満の照度の変化しか示さなければ、当該位置関係検出装置が衣服の外側にあるとは限らないと判断する地肌非接触服外状態判断手段と、
を備えていてもよい。
【0030】
即ち、本発明の位置検出装置においては、位置関係検出装置が衣服の外側にある場合には、位置関係検出装置が衣服の内側にある場合と比較して、照度の変化が大きくなる特性を利用して、照度センサによる検出結果が閾値以上の変化を示すか否かに基づいて、位置関係検出装置が監視対象者の衣服の外部に位置することを検出している。
【0031】
よって、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触せずに、かつ使用者の衣服の外部に位置することを検出することができる。
また、請求項10に記載の位置関係検出装置においては、
前記筐体の表面における任意の位置に配置され、前記筐体の表面における照度を測定する照度センサと、
前記地肌接触状態判断手段により当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触していないと判断されると、前記照度センサから検出信号を繰り返し入力し、該検出信号が予め設定された第2照度変化判定時間内に予め設定された第2照度変化判定閾値未満の照度の変化しか示さなければ、当該位置関係検出装置が使用者の地肌に接触した状態で衣服の内側にあると判断し、該検出信号が前記第2照度変化判定時間内に前記第2照度変化判定閾値以上の照度の変化を示せば、当該位置関係検出装置が衣服の内側にあるとは限らないと判断する地肌非接触服内状態判断手段と、
を備えていてもよい。
【0032】
このような位置検出装置によれば、照度センサによる検出結果が閾値未満の変化を示すか否かに基づいて、位置関係検出装置が監視対象者の衣服の内部に位置することを検出している。
【0033】
よって、当該位置関係検出装置が監視対象者の地肌に接触しておらず、かつ使用者の衣服の内部に位置することを検出することができる。
なお、本発明は、請求項13以下の請求項との従属関係を考慮しなければ、請求項11の従属項にすることもできる。
【0034】
また、請求項13に記載の位置関係検出装置においては、
当該位置関係検出装置の周囲の温度または湿度を検出するセンサと、
前記センサによる検出結果に基づいて当該位置関係検出装置と前記監視対象者とが特定の位置関係にあるか否かを判断する特定位置判断手段と、
前記特定位置判断手段による判断結果に基づいて、当該位置関係検出装置と前記監視対象者との位置関係を特定する位置関係特定手段と、
を備え、
前記センサとして、請求項7に記載の第1温度センサ、第1湿度センサ、第2温度センサ、および第2湿度センサ、を備え、
前記特定位置判断手段として、
請求項7に記載の地肌温度範囲判定手段、地肌温度差判定手段、地肌湿度差判定手段、地肌接触状態判断手段、および地肌接触服外状態判断手段と、
請求項8に記載の地肌接触服外状態判断手段と、
請求項9に記載の地肌接触服内状態判断手段と、
請求項10に記載の第1非地肌温度範囲判定手段、非地肌温度差判定手段、第2非地肌温度範囲判定手段、および地肌非接触状態判断手段と、
請求項11に記載の地肌非接触服外状態判断手段と、
請求項12に記載の地肌非接触服内状態判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0035】
このような位置関係検出装置によれば、請求項7〜請求項12に記載の位置関係検出装置としての機能を全て有するので、当該位置関係検出装置と監視対象者との位置関係を精度よく検出することができる。
【0036】
また、上記目的を達成するために成された請求項14に記載の発明は、
当該装置を所持した監視対象者により行われる運動の負荷を検出する運動負荷検出装置であって、
前記監視対象者が歩行中であるか否かを判定する歩行中判定手段と、
前記監視対象者が停止中であるか否かを判定する停止中判定手段と、
前記監視対象者が立ち上がり動作中であるか否かを判定する立ち上がり動作判定手段と、
予め設定された負荷判定時間内に、前記歩行中判定手段、前記停止中判定手段、および前記立ち上がり動作判定手段により前記監視対象者が歩行中、停止中、立ち上がり動作中と判定された判定回数をそれぞれ記憶する判定回数記憶手段と、
前記判定回数記憶手段に記憶された立ち上がり動作判定回数が、予め設定された強負荷判定閾値以上であれば、前記監視対象者が強負荷運動を行ったと判断する強負荷判断手段と、
前記判定回数記憶手段に記憶された立ち上がり動作判定回数が、前記強負荷判定閾値よりも小さい中負荷判定閾値以上かつ前記強負荷判定閾値未満であれば、前記監視対象者が中負荷運動を行ったと判断する中負荷判断手段と、
前記判定回数記憶手段に記憶された歩行中判定回数が、予め設定された歩行判定閾値以上であれば、前記監視対象者が軽負荷運動を行ったと判断する軽負荷判断手段と、
前記判定回数記憶手段に記憶された停止中判定回数が、予め設定された停止判定閾値以上であれば、前記監視対象者が負荷運動を行っていないと判断する無負荷判断手段と、
前記各負荷判断手段による判断結果に基づいて、前記監視対象者が行った運動の運動負荷の大きさを特定する運動負荷特定手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0037】
このような運動負荷検出装置によれば、各判定手段により監視対象者が行った運動の種別を検出し、各判定手段による判定回数に応じて負荷の大きさを分類する。よって、監視対象者が行った運動の運動負荷の大きさを特定することができる。
【0038】
なお、運動負荷が強い順に、強負荷、中負荷、軽負荷、負荷なしとなる。
また、各負荷判断手段を作動する順序については任意に設定すればよい。
さらに、請求項14に記載の運動負荷検出装置においては、請求項15に記載のように、
前記歩行中判定手段は、請求項1に記載の動作検出装置として構成され、
前記停止中判定手段は、請求項2に記載の動作検出装置として構成され、
前記立ち上がり動作判定手段は、請求項4に記載の動作検出装置として構成されていてもよい。
【0039】
このような運動負荷検出装置によれば、各判定手段としての構成をより具体的な形態として実現することができる。
また、上記目的を達成するために成された請求項16に記載の発明は、
当該装置を所持して行動する監視対象者の健康状態を監視する携帯監視装置であって、
当該携帯監視装置の構成要素を収容する筐体と、
前記筐体の表面における任意の位置に配置された第3温度センサと、
前記第3温度センサに近接して配置された第3湿度センサと、
当該携帯監視装置と前記監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出手段と、
監視対象者が行う運動の運動負荷を検出する運動負荷検出手段と、
前記第3温度センサおよび前記第3湿度センサによる検出結果に基づいて不快指数を算出し、該不快指数が前記位置関係検出手段による検出結果および前記運動負荷検出手段による検出結果に応じてそれぞれ設定された不快閾値以上であるか否かを判定する不快閾値判定手段と、
前記不快閾値判定手段により前記不快指数が前記不快閾値以上であると判定されると、前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって暑過ぎると判断する暑過ぎ判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0040】
このような携帯監視装置によれば、不快指数を演算し、この不快指数が位置関係検出手段による検出結果および運動負荷検出手段による検出結果に応じて不快閾値を設定するので、監視対象者との位置関係や監視対象者が行う運動の付加に応じて監視対象者にとって暑過ぎるか否かを良好に判断することができる。
【0041】
さらに、請求項16に記載の携帯監視装置においては、請求項17に記載のように、暑過ぎ判断手段により前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって暑過ぎると判断されると、暑過ぎである旨を前記監視対象者に対して報知する暑過ぎ報知手段を備えていてもよい。
【0042】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者にとって暑過ぎると判断した場合には、暑過ぎである旨を監視対象者に報知することできる。
また、請求項16または請求項17に記載の携帯監視装置において、位置関係検出手段は、当該携帯監視装置と前記監視対象者との位置関係として、当該携帯監視装置が前記監視対象者の地肌に接触した状態で衣服の内側にある状態を検出することができるよう構成されている場合には、請求項18に記載のように、位置関係検出手段により当該携帯監視装置が前記監視対象者の地肌に接触した状態で衣服の内側にあると判断された場合に、前記第3温度センサによる検出結果を減少補正する減少補正手段を備えていてもよい。
【0043】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者の体温により第3温度センサによる検出結果が大きな値になっていたとしても、監視対象者の体温の影響を排除することができる。
【0044】
なお、本発明において位置関係検出手段の具体的な構成としては、例えば、請求項9に記載の構成を採用すればよい。
さらに請求項16〜請求項18の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項19に記載のように、
位置関係検出手段は、当該携帯監視装置と前記監視対象者との位置関係として、当該携帯監視装置が前記監視対象者の衣服の内側または外側にある状態を検出することができるよう構成されており、
前記運動負荷検出手段は、当該装置を所持して行動する監視対象者が行う特定の動作を検出する動作検出手段による検出結果に基づいて、前記監視対象者が行う運動の運動負荷の大きさを検出するよう構成されており、
前記不快閾値判定手段は、前記位置関係検出手段により当該携帯監視装置が衣服の内側または外側にあると判断され、かつ前記運動負荷検出手段により前記監視対象者が負荷運動を行っていないと判断されると、前記算出した不快指数の比較対照として前記複数の不快閾値の中から第1不快閾値を選択するようにしてもよい。
【0045】
このような携帯監視装置によれば、携帯監視装置が衣服の内側または外側にあると判断され、かつ前記運動負荷検出手段により前記監視対象者が負荷運動を行っていない場合には第1不快閾値を選択するので、監視対象者の感覚に応じた判断をすることができる。
【0046】
なお、本発明において位置関係検出手段の具体的な構成としては、例えば、請求項8、請求項9、請求項11、および請求項12に記載の構成を組み合わせて採用すればよい。
また、請求項19に記載の携帯監視装置において、不快閾値判定手段は、請求項20に記載のように、前記位置関係検出手段により当該携帯監視装置が衣服の内側または外側にあると判断され、かつ前記運動負荷検出手段により前記監視対象者が軽負荷運動を行ったと判断されると、前記算出した不快指数の比較対照として前記第1不快閾値よりも小さな第2不快閾値を選択するようにしてもよい。
【0047】
このような携帯監視装置によれば、携帯監視装置が衣服の内側または外側にあると判断され、かつ運動負荷検出手段により監視対象者が軽負荷運動を行ったと判断された場合には、監視対象者が負荷運動を行っていない場合の閾値(第1不快閾値)よりも小さな値の第2不快閾値を選択するので、監視対象者が負荷運動を行っていない場合よりも低い不快指数で暑過ぎると判断する。よって、監視対象者の感覚に応じた判断を行うことができる。
【0048】
さらに、請求項20に記載の携帯監視装置において、不快閾値判定手段は、請求項21に記載のように、前記位置関係検出手段により当該携帯監視装置が衣服の内側または外側にあると判断され、かつ前記運動負荷検出手段により前記監視対象者が前記軽負荷運動よりも負荷が大きい中負荷運動を行ったと判断されると、前記算出した不快指数の比較対照として前記第2閾値よりも小さな第3不快閾値を選択するようにしてもよい。
【0049】
このような携帯監視装置によれば、携帯監視装置が衣服の内側または外側にあると判断され、かつ運動負荷検出手段により監視対象者が中負荷運動を行ったと判断された場合には、監視対象者が軽負荷運動を行った場合の閾値(第2不快閾値)よりも小さな値の第3不快閾値を選択するので、監視対象者が軽負荷運動を行った場合よりも低い不快指数で暑過ぎると判断する。よって、監視対象者の感覚に応じた判断を行うことができる。
【0050】
また、請求項21に記載の携帯監視装置において、不快閾値判定手段は、請求項22に記載のように、前記位置関係検出手段により当該携帯監視装置が衣服の内側または外側にあると判断され、かつ前記運動負荷検出手段により前記監視対象者が中負荷運動を行ったと判断されると、前記算出した不快指数の比較対照として前記第2閾値よりも小さな第3不快閾値を選択するようにしてもよい。
【0051】
このような携帯監視装置によれば、携帯監視装置が衣服の内側または外側にあると判断され、かつ運動負荷検出手段により監視対象者が中負荷運動を行ったと判断された場合には、監視対象者が中負荷運動を行った場合の閾値(第3不快閾値)よりも小さな値の第4不快閾値を選択するので、監視対象者が軽負荷運動を行った場合よりも低い不快指数で暑過ぎると判断する。よって、監視対象者の感覚に応じた判断を行うことができる。
【0052】
さらに、請求項19〜請求項22の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項23に記載のように、
前記位置関係検出手段により当該携帯監視装置が前記監視対象者の地肌に接触した状態で衣服の内側または外側にあると判断され、かつ前記不快閾値判定手段により前記不快指数が前記不快閾値未満であると判定された場合に、前記第3温度センサによる検出結果が予め設定された高体温閾値以上であるか否かを判定する高体温判定手段を備え、
前記暑過ぎ判断手段は、前記不快閾値判定手段により前記不快指数が前記不快閾値以上であると判定されたとき、および前記高体温判定手段により前記第3温度センサによる検出結果が前記高体温閾値以上であると判定されたときに、前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって暑過ぎると判断するようにしてもよい。
【0053】
このような携帯監視装置によれば、第3温度センサにより監視対象者の体温(または体温により高温となった周囲の温度)を検出し、この温度が高体温閾値以上になった場合にも暑過ぎると判断するので、監視対象者の体温が異常に高温になったことを検出することができる。
【0054】
また、請求項23に記載の携帯監視装置においては、請求項24に記載のように、
前記筐体表面に複数備えられた電極間の抵抗値を検出することにより前記筐体の表面の濡れを検出する濡れ検出手段と、
前記高体温判定手段により前記第3温度センサによる検出結果が予め設定された高体温閾値未満であると判定されると、前記濡れ検出手段により前記筐体の表面の濡れを検出したか否かを判定する濡れ判定手段と、
を備え、
前記暑過ぎ判断手段は、前記不快閾値判定手段により前記不快指数が前記不快閾値以上であると判定されたとき、前記高体温判定手段により前記第3温度センサによる検出結果が前記高体温閾値以上であると判定されたとき、および前記濡れ判定手段により前記筐体の表面の濡れを検出したときに、前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって暑過ぎると判断するよう構成してもよい。
【0055】
このような携帯監視装置によれば、濡れ検出手段および濡れ判定手段により監視対象者の発汗を検出することができるので、不快指数が不快閾値未満であって、第3温度センサによる検出結果が前記高体温閾値未満であったとしても、監視対象者の発汗を検出すれば暑過ぎであると判断することができる。
【0056】
また、上記目的を達成するために成された請求項25に記載の携帯監視装置は、
当該携帯監視装置の構成要素を収容する筐体と、
前記筐体の表面における前記監視対象者とは接触しない位置に配置された第4温度センサと、
前記筐体に衝突する空気の流速を検出する風速検出手段と、
当該携帯監視装置と前記監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出手段と、
前記監視対象者が行う運動の運動負荷を検出する運動負荷検出手段と、
前記位置関係検出手段により当該携帯監視装置が衣服の外側にあると判断されると、前記第4温度センサによる検出結果が前記運動負荷検出手段による検出結果に応じてそれぞれ設定された第1低温閾値未満であるか否かを判定する第1低温閾値判定手段と、
前記第1低温閾値判定手段により前記第4温度センサによる検出結果が前記第1低温閾値以上であると判定されると、前記第4温度センサによる検出結果が、前記第1低温閾値よりも大きく前記運動負荷検出手段による検出結果に応じてそれぞれ設定された第2低温閾値未満であるか否かを判定する第2低温閾値判定手段と、
前記第2低温閾値判定手段により前記第4温度センサによる検出結果が前記第2低温閾値以上であると判定されると、前記風速検出手段による検出結果が予め設定された風速閾値以上であるか否かを判定する風速判定手段と、
前記第1低温閾値判定手段により前記第4温度センサによる検出結果が前記第1低温閾値未満であると判定されたとき、および前記風速検出手段による検出結果が前記風速閾値以上であると判定されたときに、前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって寒過ぎると判断する寒過ぎ判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0057】
即ち、この携帯監視装置においては、この装置が衣服の外側にある場合において、第4温度センサにより検出された温度が、運動負荷検出手段による検出結果に応じてそれぞれ設定された第1低温閾値未満である場合に、監視対象者にとって寒すぎると判断する。また、第4温度センサにより検出された温度が第1低温閾値よりも高温であったとしても、風速判定手段により風速閾値以上の風速を検出すると監視対象者にとって寒すぎると判断する。
【0058】
よって、このような携帯監視装置によれば、体感温度が低いとき(気温が低いときおよび気温はさほど低くなくても風が強いとき)に監視対象者にとって寒すぎることを良好に検出することができる。
【0059】
また、上記目的を達成するために成された請求項26に記載の携帯監視装置は、
当該携帯監視装置の構成要素を収容する筐体と、
前記筐体の表面における前記監視対象者とは接触しない位置に配置された第4温度センサと、
前記筐体の表面における前記監視対象者と接触する位置に配置された第5温度センサと、
前記筐体に衝突する空気の流速を検出する風速検出手段と、
当該携帯監視装置と前記監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出手段と、
前記監視対象者が行う運動の運動負荷を検出する運動負荷検出手段と、
前記位置関係検出手段により当該携帯監視装置が衣服の内側にあると判断されると、前記第4温度センサおよび前記第5温度センサによる検出結果の差分が前記運動負荷検出手段による検出結果に応じてそれぞれ設定された第3低温閾値以上であるか否かを判定する第3低温閾値判定手段と、
前記第3低温閾値判定手段により前記第4温度センサおよび前記第5温度センサによる検出結果の差分が前記第3低温閾値以上であると判定されると、前記第5温度センサによる検出結果が前記運動負荷検出手段による検出結果に応じてそれぞれ設定された第4低温閾値以上であるか否かを判定する第4低温閾値判定手段と、
前記第3低温閾値判定手段により前記第4温度センサおよび前記第5温度センサによる検出結果の差分が前記第3低温閾値未満であると判定されると、前記第4温度センサによる検出結果が前記運動負荷検出手段による検出結果に応じてそれぞれ設定された第5低温閾値以上であるか否かを判定する第5低温閾値判定手段と、
前記第4低温閾値判定手段により前記第5温度センサによる検出結果が前記第4低温閾値未満であると判定されたとき、および前記第5低温閾値判定手段により前記第4温度センサによる検出結果が前記第5低温閾値未満であると判定されたときに、前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって寒過ぎると判断する寒過ぎ判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0060】
このような携帯監視装置においては、携帯監視装置が衣服の内側にある場合において、第4温度センサおよび第5温度センサによる検出結果の差分が第3低温閾値以上であるか否かを判定する。そして、この判定結果に応じて異なるセンサによる検出結果を採用し、センサによる検出結果が閾値未満である場合に、監視対象者にとって寒すぎると判断する。
【0061】
よって、このような携帯監視装置によれば、監視対象者にとって寒すぎることを良好に検出することができる。
さらに、請求項25または請求項26に記載の携帯監視装置においては、請求項27に記載のように、前記寒過ぎ判断手段により前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって寒過ぎると判断されると、寒過ぎである旨を前記監視対象者に対して報知する寒過ぎ報知手段を備えていてもよい。
【0062】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者にとって寒過ぎると判断した場合には、寒過ぎである旨を監視対象者に報知することできる。
また、請求項16〜請求項27の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項28に記載のように、前記位置関係検出手段は、請求項13に記載の位置関係検出装置として構成され、前記運動負荷検出手段は、請求項14に記載の運動負荷検出装置として構成されていてもよい。
【0063】
このような携帯監視装置によれば、位置関係検出手段および運動負荷検出手段の構成をより具体的に実現することができる。
また、上記目的を達成するために成された請求項29に記載の携帯監視装置は、
前記監視対象者による操作を受け付ける操作部と、
前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって暑過ぎるか否かを判定する暑過ぎ環境判定手段と、
前記監視対象者の周囲の環境が前記監視対象者にとって寒過ぎるか否かを判定する寒過ぎ環境判定手段と、
前記各環境判定手段により暑過ぎまたは寒過ぎであると判定されると、予め設定された待機時間内に前記監視対象者により前記操作部が操作されたか否かを判定する操作判定手段と、
前記操作判定手段により前記待機時間内に前記操作部が操作されていないと判定されると、前記監視対象者を救援する必要があると判断する第1救援判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0064】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者にとって暑過ぎることまたは寒すぎることが検出されたときにおいて、操作部が操作されたか否かに基づいて、監視対象者に意識障害や運動障害等の異常が発生したか否かを判断する。よって、監視対象者が操作部の操作ができなかった場合等、操作部が操作されない場合には、監視対象者に異常が発生したものとして監視対象者を救援する必要があると判断することができる。
【0065】
さらに、請求項29に記載の携帯監視装置においては、請求項30に記載のように、前記各環境判定手段により暑過ぎまたは寒過ぎであると判定されると、前記監視対象者にとって暑過ぎまたは寒過ぎである旨を前記監視対象者に対して報知する暑過ぎ寒過ぎ報知手段を備えていてもよい。
【0066】
このような携帯監視装置によれば、暑過ぎまたは寒過ぎであることに監視対象者が気付かない場合に、暑過ぎまたは寒過ぎであることを監視対象者に報知することができる。
加えて、請求項29または請求項30に記載の携帯監視装置においては、請求項31に記載のように、前記操作判定手段により前記操作部が操作されたと判定されると、予め設定された猶予時間が経過するまで、前記暑過ぎ環境判定手段、前記寒過ぎ環境判定手段、前記操作判定手段、および前記第1救援判断手段のうち、少なくとも前記第1救援判断手段の作動を禁止する作動禁止手段を備えていてもよい。
【0067】
このような携帯監視装置によれば、操作部が操作された後、猶予時間が経過するまでは一定時間は監視対象者を救援する判断を禁止することができるので、監視対象者に異常が発生していない場合に救援する必要があると判断されることを防止することができる。
【0068】
さらに、請求項29〜請求項31の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項32に記載のように、
暑過ぎ環境判定手段は、請求項16〜請求項24の何れかに記載の携帯監視装置として構成され、
前記寒過ぎ環境判定手段は、請求項25〜請求項28の何れかに記載の携帯監視装置として構成されていてもよい。
【0069】
このような携帯監視装置によれば、暑過ぎ環境判定手段および寒すぎ環境判定手段としての構成をより具体的に実現することができる。
また、上記目的を達成するために成された請求項33に記載の携帯監視装置においては、
予め前記監視対象者の訪問先を位置情報として記憶した訪問先記憶手段と、
当該携帯監視装置の現在地を検出する現在地検出手段と、
前記監視対象者が行う特定の動作を検出する動作検出手段と、
前記現在地検出手段により検出された現在地を表す情報が、前記訪問先記憶手段に記憶された位置情報と一致しない場合に、前記動作検出手段により検出された監視対象者の動作が、特定のパターンであるか否かを判定することにより、前記監視対象者が心神喪失状態であるか否かを判定する心神喪失判定手段と、
前記心神喪失判定手段により前記監視対象者が心神喪失状態であると判定されると、前記監視対象者を救援する必要があると判断する第1救援判断手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0070】
このような携帯監視装置においては、現在地を表す情報が訪問先記憶手段に記憶された位置情報と一致しない場合に、監視対象者が徘徊している可能性があるものとして、監視対象者の動作が特定のパターンであるか否かを判定する。そして、監視対象者の動作が特定のパターンであることが検出されれば、監視対象者が心神喪失状態であるものとして救援する必要があると判断する。
【0071】
従って、このような携帯監視装置によれば、監視対象者が徘徊していることを検出することができる。
さらに、請求項33に記載の携帯監視装置においては、請求項34に記載のように、
前記動作検出手段は、
前記監視対象者が歩行中であることを検出する歩行中判定手段と、
前記監視対象者が停止中であることを検出する停止中判定手段と、
を備え、
前記心神喪失判定手段は、予め設定された第1心神喪失判定時間の間に、前記歩行動作判定手段により前記監視対象者が歩行中であることが検出され、その後前記停止動作判断手段により前記監視対象者が停止中であること検出される検出パターンの回数が、予め設定された第1心神喪失閾値以上であれば、前記監視対象者が心神喪失状態であると判定するようにしてもよい。
【0072】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者の動作における特定のパターンとして、歩行する動作および停止する動作を繰り返す動作を検出することにより監視対象者が心神喪失状態であるか否かを判定するので、より確実に監視対象者の徘徊を検出することができる。
【0073】
加えて、請求項33に記載の携帯監視装置においては、請求項35に記載のように、
前記動作検出手段は、
前記監視対象者が歩行中であることを検出する歩行中判定手段と、
前記監視対象者が順方向にターンしていることを検出する順方向ターン検出手段と、
前記監視対象者が前記順方向とは反対方向の逆方向にターンしていることを検出する逆方向ターン検出手段と、
を備え、
前記心神喪失判定手段は、予め設定された第2心神喪失判定時間の間に、前記歩行動作判定手段により前記監視対象者が歩行中であることが検出され、その後前記何れかのターン検出手段により前記監視対象者がターンしていること検出される検出パターンの回数が、予め設定された第2心神喪失閾値以上であれば、前記監視対象者が心神喪失状態であると判定するようにしてもよい。
【0074】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者の動作における特定のパターンとして、歩行動作後に、順方向または逆方向に繰り返しターンを行う動作を検出することにより監視対象者が心神喪失状態であるか否かを判定するので、より確実に監視対象者の徘徊を検出することができる。
【0075】
なお、本発明は、歩行中判定手段が請求項34の記載と重複することを考慮しなければ、請求項34に記載の発明の従属項とすることができる。
また、請求項33に記載の携帯監視装置においては、請求項36に記載のように、
前記監視対象者が歩行中であることを検出する歩行中判定手段と、
前記監視対象者が座り動作中であることを検出する座り動作判定手段と、
を備え、
前記心神喪失判定手段は、予め設定された第3心神喪失判定時間の間に、前記歩行中判定手段により前記監視対象者が歩行中であることが検出され、その後前記座り動作判定手段により前記監視対象者が座り動作中であること検出される検出パターンの回数が、予め設定された第3心神喪失閾値以上であれば、前記監視対象者が心神喪失状態であると判定するようにしてもよい。
【0076】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者の動作における特定のパターンとして、歩行動作と座り動作とを繰り返す動作を検出することにより監視対象者が心神喪失状態であるか否かを判定するので、より確実に監視対象者の徘徊を検出することができる。
【0077】
なお、本発明は、歩行中判定手段が請求項34および請求項35の記載と重複することを考慮しなければ、請求項34および請求項35に記載の発明の従属項とすることができる。
【0078】
なお、請求項34および請求項36に記載の歩行中判定手段は、請求項1に記載の動作検出装置として構成されていれば、歩行中判定手段をより具体的に実現することができる。
【0079】
また、請求項34に記載の停止中判定手段は、請求項2に記載の動作検出装置として構成されていれば、停止中判定手段をより具体的に実現することができる。
さらに、請求項35に記載の順方向ターン検出手段は、請求項5に記載の動作検出装置として構成され、逆方向ターン検出手段は、請求項6に記載の動作検出装置として構成されていれば、順方向ターン検出手段および逆方向ターン検出手段をより具体的に実現することができる。
【0080】
また、請求項36に記載の座り動作判定手段は、請求項3に記載の動作検出装置として構成されていれば、動作判定手段をより具体的に実現することができる。
また、請求項33〜請求項36の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項37に記載のように、
前記監視対象者により操作可能な操作部が特定の操作をされると、前記各種手段を作動する通常モード、および前記訪問先記憶手段に訪問先を位置情報を記憶するための学習モードを外部指令に応じて切り替えるモード切替手段と、
前記モード切替手段により学習モードに切り替えられると、前記現在地検出手段により検出された現在地の情報を訪問先の位置情報として前記訪問先記憶手段に記憶させる第1記憶制御手段と、
を備えていてもよい。
【0081】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者または監視対象者の保護者が監視対象者の訪問先で操作部を操作することにより、この訪問先を監視対象者が訪問する訪問先として登録することができる。つまり、位置情報を入力する等の煩雑な作業を必要とすることなく訪問先を登録することができる。
【0082】
さらに、請求項37に記載の携帯監視装置においては、請求項38に記載のように、
前記モード切替手段により通常モードに切り替えられている際に、前記現在地検出手段により検出された現在地が、前記訪問先記憶手段に記憶された位置から予め設定された所定距離以上離間していることが検出されると、前記現在地検出手段により検出された現在地の情報を訪問先の位置情報として仮記憶手段に仮登録し、同じ訪問先での仮登録回数が予め設定された登録閾値以上であれば、該仮登録された訪問先の位置情報を前記訪問先記憶手段に記憶させる第2記憶制御手段、
を備えていてもよい。
【0083】
このような携帯監視装置によれば、通常モードのときであっても、監視対象者が頻繁に(登録閾値以上の回数)訪問した訪問先を位置情報として登録することができるので、監視対象者およびその保護者は特に操作をすることなく訪問先を登録させることができる。
【0084】
また、請求項16〜請求項38の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項39に記載のように、
前記監視対象者の心臓の動作状態を検出する心電センサからの検出信号に基づいて前記監視対象者の心拍数を検出する第1心拍数検出手段と、
前記第1心拍数算出手段により検出された心拍数が予め設定された上限心拍数よりも多ければ心拍数が過大であると判断し、前記第1心拍数算出手段により検出された心拍数が予め設定された下限心拍数よりも少なければ心拍数が過小であると判断し、前記第1心拍数算出手段により検出された心拍数が前記上限心拍数および前記下限心拍数の範囲内であれば心拍数が正常であると判断する心拍数判断手段と、
を備えていてもよいし、請求項40に記載のように、
前記監視対象者の心音を検出する心音センサからの検出信号に基づいて前記監視対象者の心拍数を検出する第2心拍数検出手段と、
前記第2心拍数算出手段により検出された心拍数が予め設定された上限心拍数よりも多ければ心拍数が過大であると判断し、前記第2心拍数算出手段により検出された心拍数が予め設定された下限心拍数よりも少なければ心拍数が過小であると判断し、前記第2心拍数算出手段により検出された心拍数が前記上限心拍数および前記下限心拍数の範囲内であれば心拍数が正常であると判断する心拍数判断手段と、
を備えていてもよい。
【0085】
これらのような携帯監視装置によれば、監視対象者の心拍数によって、監視対象者に異常が発生したか否かを判定することができる。
さらに、請求項16〜請求項38の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項41に記載のように、
前記監視対象者の心臓の動作状態を検出する心電センサからの検出信号に基づいて前記監視対象者の心拍数を検出する第1心拍数検出手段と、
前記監視対象者の心音を検出する心音センサからの検出信号に基づいて前記監視対象者の心拍数を検出する第2心拍数検出手段と、
前記第1心拍数算出手段により検出された心拍数と前記第2心拍数算出手段により検出された心拍数とに整合性があるか否かを判定する整合性判定手段と、
前記整合性判定手段により前記各心拍数に整合性がないと判定されると前記監視対象者の心拍数が不明であると判定する心拍数不明判定手段と、
前記整合性判定手段により前記各心拍数に整合性があると判定されると、前記第1心拍数算出手段により検出された心拍数と前記第2心拍数算出手段により検出された心拍数との平均値を前記監視対象者の心拍数として設定する心拍数設定手段と、
前記心拍数設定手段により設定された心拍数が予め設定された上限心拍数よりも多ければ心拍数が過大であると判断し、前記心拍数設定手段により設定された心拍数が予め設定された下限心拍数よりも少なければ心拍数が過小であると判断し、前記心拍数設定手段により設定された心拍数が前記上限心拍数および前記下限心拍数の範囲内であれば、心拍数が正常であると判断する心拍数判断手段と、
を備えていてもよい。
【0086】
このような携帯監視装置によれば、複数の手段によって監視対象者の心拍数を検出し、これらによって検出された心拍数に整合性がなければ、心拍数が不明であると判断するので、心拍数の検出に対する信頼性を向上させることができる。
【0087】
また、請求項16〜請求項41の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項42に記載のように、
前記監視対象者の体温を検出する体温センサからの検出信号に基づいて前記監視対象者の体温を検出する体温検出手段と、
前記体温検出手段により検出された体温が予め設定された上限体温よりも高ければ前記監視対象者の体温が高すぎると判定し、前記体温検出手段により検出された体温が予め設定された下限体温よりも低ければ前記監視対象者の体温が低すぎると判定し、前記体温検出手段により検出された体温が前記上限体温と前記下限体温との範囲内であれば前記監視対象者の体温が正常であると判定する体温判定手段と、
を備えていてもよい。
【0088】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者の体温によって、監視対象者に異常が発生したか否かを判定することができる。
また、請求項16〜請求項42の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項43に記載のように、
周囲の音を検出する集音手段と、
前記集音手段が検出した音が、予め当該携帯監視装置に登録された監視対象者の特定パターンの音声と一致するか否かを判定する音声一致判定手段と、
前記音声一致判定手段により前記集音手段が検出した音が前記特定パターンの音声と一致すると判定された場合に、前記監視対象者を救援する必要があると判断する第2救援判断手段と、
を備えていてもよい。
【0089】
このような携帯監視装置によれば、例えば「助けて」、「ヘルプ」、或いはうめき声等、監視対象者の特定パターンの音声を検出することができるので、監視対象者を救援する必要があると判定することができる。
【0090】
また、請求項16〜請求項43の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項44に記載のように、
当該装置に収納された収納状態と当該装置の外部に引き出された引出状態との間で変位可能なレバーと、
前記レバーが引出状態にされると、前記監視対象者を救援する必要があると判断する第3救援判断手段と、
を備えていてもよい。
【0091】
このような携帯監視装置によれば、レバーが引出状態にされたときに監視対象者を救援する必要があると判断するので、例えばレバーに換えてボタン式のスイッチとして構成されている場合と比較して、誤作動を防止することができる。よって、監視対象者が救援を求める際の意志をより確実に検出することができる。
【0092】
また、請求項16〜請求項44の何れかに記載の携帯監視装置においては、請求項45に記載のように、
当該携帯監視装置の現在地を検出する現在地検出手段と、
当該携帯監視装置の外部と無線通信するための通信手段と、
前記監視対象者の異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段が異常を検出すると、少なくとも前記現在地検出手段により検出された当該携帯監視装置の現在地を表す情報を、前記通信手段を介して予め設定された通信相手に対して送信する通信制御手段と、
を備えていてもよい。
【0093】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者の異常を検出したときに、外部の通信相手に対して監視対象者を救援するよう連絡することができる。なお、異常検出手段の具体的な構成としては、例えば、前述の心拍数判断手段、体温判定手段、各救援判断手段等の判定結果を監視する構成が挙げられる。即ち、上記何れかの手段において、監視対象者の状態が「正常」であると判定されなかった場合に、監視対象者の異常を検出するものとすればよい。
【0094】
また、請求項45に記載の携帯監視装置においては、請求項46に記載のように、
前記異常検出手段が異常を検出すると、前記監視対象者による救援が不要である旨の意志を検出する意思確認手段を備え、
前記通信制御手段は、前記意思確認手段により救援が不要である旨の意志が予め設定された意志検出時間以内に検出されなかった場合に、前記通信手段を介した通信を実施するようにしてもよい。
【0095】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者の異常を検出したときに、外部の通信相手に対して監視対象者を救援するよう連絡することができる。なお、意思確認手段の具体的な構成としては、監視対象者の救援が不要である旨の何らかの操作を検出するか、或いは、救援が不要である旨の「不要」等の音声を検出する構成等が挙げられる。
【0096】
また、請求項46に記載の携帯監視装置においては、請求項47に記載のように、
外部指令に応じて前記意志検出時間の長さを変更する意志検出変更手段を備えていてもよい。
【0097】
このような携帯監視装置によれば、意志検出時間を監視対象者に応じて変更することができる。
また、請求項47に記載の携帯監視装置においては、請求項48に記載のように、
被験者の身体的特徴が予め登録された特定の監視対象者の身体的特徴と一致するか否かの認証を実施するバイオメトリクス認証手段を備え、
前記意志確認手段は、前記バイオメトリクス認証手段により監視対象者であるとの認証がされた場合に、前記監視対象者による救援が不要である旨の意志を検出したものとみなすようにしてもよい。
【0098】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者本人以外が救援を不要とする旨を当該装置に入力することができないので、監視対象者の意志を尊重することができる。
また、請求項48に記載の携帯監視装置においては、請求項49に記載のように、
前記意志検出変更手段は、前記バイオメトリクス認証手段により監視対象者であるとの認証がされた場合に、前記意志検出時間の長さを変更するようにしてもよい。
【0099】
このような携帯監視装置によれば、監視対象者本人のみが意志検出時間を変更することができる。このため、例えば、監視対象者が自己の体調に応じて、意志検出時間を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】老人用ペンダントの概略構成を示すブロック図である。
【図2】老人用ペンダントの概略形状を示す斜視図(a)、濡れセンサの構造を示す説明図(b)、および老人用ペンダントの背面における断面図(c)である。
【図3】歩行判断処理を示すフローチャートである。
【図4】停止判断処理を示すフローチャートである。
【図5】座り動作判断処理を示すフローチャートである。
【図6】立ち上がり動作判断処理を示すフローチャートである。
【図7】右ターン動作判断処理を示すフローチャートである。
【図8】左ターン動作判断処理を示すフローチャートである。
【図9】地肌接触状態判断処理を示すフローチャートである。
【図10】地肌接触服外状態判断処理を示すフローチャートである。
【図11】地肌接触服内状態判断処理を示すフローチャートである。
【図12】地肌非接触状態判断処理を示すフローチャートである。
【図13】地肌非接触服外状態判断処理を示すフローチャートである。
【図14】地肌非接触服内状態判断処理を示すフローチャートである。
【図15】ペンダント位置判断処理を示すフローチャートである。
【図16】運動負荷判断処理を示すフローチャートである。
【図17】暑過ぎ状態判断処理を示すフローチャートである。
【図18】地肌非接触服外状態・負荷なし処理を示すフローチャートである。
【図19】地肌非接触服外状態・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【図20】地肌非接触服外状態・中負荷処理を示すフローチャートである。
【図21】地肌非接触服外状態・重負荷処理を示すフローチャートである。
【図22】地肌非接触服内状態・負荷なし処理を示すフローチャートである。
【図23】地肌非接触服内状態・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【図24】地肌非接触服内状態・中負荷処理を示すフローチャートである。
【図25】地肌非接触服内状態・重負荷処理を示すフローチャートである。
【図26】地肌接触服外状態・負荷なし処理を示すフローチャートである。
【図27】地肌接触服外状態・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【図28】地肌接触服外状態・中負荷処理を示すフローチャートである。
【図29】地肌接触服外状態・重負荷処理を示すフローチャートである。
【図30】地肌接触服内状態・負荷なし処理を示すフローチャートである。
【図31】地肌接触服内状態・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【図32】地肌接触服内状態・中負荷処理を示すフローチャートである。
【図33】地肌接触服内状態・重負荷処理を示すフローチャートである。
【図34】寒過ぎ状態判断処理を示すフローチャートである。
【図35】服外状態・負荷なし・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【図36】服外状態・中負荷・重負荷処理を示すフローチャートである。
【図37】服内状態・負荷なし・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【図38】服内状態・中負荷・重負荷処理を示すフローチャートである。
【図39】寒暖救援依頼処理を示すフローチャートである。
【図40】救援依頼の猶予中設定処理を示すフローチャートである。
【図41】救援依頼の送信処理を示すフローチャートである。
【図42】徘徊判断処理を示すフローチャートである。
【図43】歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理を示すフローチャートである。
【図44】歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理を示すフローチャートである。
【図45】歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理を示すフローチャートである。
【図46】立ち回り先登録処理を示すフローチャートである。
【図47】安否判断可能判断処理を示すフローチャートである。
【図48】脈拍数関係の安否状態判断処理を示すフローチャートである。
【図49】体温関係の安否状態判断処理を示すフローチャートである。
【図50】音声に関する救援依頼判断処理を示すフローチャートである。
【図51】注意状態設定処理を示すフローチャートである。
【図52】注意状態反転処理を示すフローチャートである。
【図53】救援依頼レバーに関する救援依頼判断処理を示すフローチャートである。
【図54】救援依頼レバーの作動形態を示す説明図である。
【図55】救援依頼実行処理を示すフローチャートである。
【図56】送信の意思確認処理1を示すフローチャートである。
【図57】送信の意思確認処理2を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0101】
以下に本発明にかかる実施の形態を図面と共に説明する。
[老人用ペンダントの概要]
図1は、本発明が適用された老人用ペンダント1の概略構成を示すブロック図である。老人用ペンダント1は、この老人用ペンダント1を所持して行動する監視対象者の健康状態や徘徊等の異常行動を種種のセンサを用いて検出する。即ち、この老人用ペンダント1は、正常な状態の人間と異常な状態の人間との差異を、種種のセンサによる出力がセンサ毎に予め設定された閾値以上であるか否か等を判定する各種処理を実施することによって判断する。
【0102】
そして、この老人用ペンダント1では、監視対象者の健康状態や行動に異常を検出すると、異常があった旨を予め設定された連絡先に通知するよう設定されている。また、この老人用ペンダント1では、監視対象者の意志によっても予め設定された連絡先に通知を行うよう設定されている。
【0103】
この老人用ペンダント1は、図1に示すように、行動センサユニット10と、救援依頼信号送信装置50と、報知部60と、操作部70と、が筐体5(図2参照)に備えられて構成されている。
【0104】
行動センサユニット10は、周知のMPU31(マイクロプロセッサユニット)および各種センサを備えており、MPU31は各種センサを構成するセンサ素子が検査対象(湿度、風速等)を良好に検出することができるように、例えば、センサ素子の温度に最適化するためのヒータを駆動させる等の処理を行う。
【0105】
行動センサユニット10は、各種センサとして、3次元加速度センサ11(3DGセンサ)と、3軸ジャイロセンサ13と、筐体5の背面に配置された温度センサ15と、筐体5の背面に配置された湿度センサ17と、筐体5の正面に配置された温度センサ19と、筐体5の正面に配置された湿度センサ21と、筐体5の正面に配置された照度センサ23と、筐体の背面に配置された濡れセンサ25と、老人用ペンダント1の現在地を検出するGPS受信機27と、風速センサ29とを備えている。
【0106】
また、行動センサユニット10は、各種センサとして、心電センサ33(第1心拍数検出手段)、心音センサ35(第2心拍数検出手段)、マイク37(集音手段)も備えている。なお、各温度センサ15,19、および各湿度センサ17,21は、筐体5の外部空気の温度または湿度を検査対象として測定を行う。
【0107】
3次元加速度センサ11は、老人用ペンダント1に加えられる互いに直交する3方向(鉛直方向(Z方向)、筐体5の幅方向(Y方向)、および筐体5の厚み方向(X方向))における加速度を検出し、この検出結果を出力する(3次元加速度検出手段)。なお、本実施例においては、鉛直方向上向き、筐体5の背面5bから正面5aに向かう方向、および筐体5の背面5bから正面5aに向かう方向に見て筐体5の右側に向かう方向を正方向と定義する。
【0108】
3軸ジャイロセンサ13は、老人用ペンダント1に加えられる角速度として、鉛直方向(Z方向)と、該鉛直方向とは直交する任意の2方向(筐体5の幅方向(Y方向)、および筐体5の厚み方向(X方向))における角加速度(各方向における左回りの各速度を正とする)を検出し、この検出結果を出力する(3次元角加速度検出手段)。
【0109】
温度センサ15,19は、例えば温度に応じて電気抵抗が変化するサーミスタ素子を備えて構成されている。なお、本実施例においては、温度センサ15,19は摂氏温度を検出し、以下の説明に記載する温度表示は全て摂氏温度で行うものとする。
【0110】
湿度センサ17,21は、例えば周知の高分子膜湿度センサとして構成されている。この高分子膜湿度センサは、相対湿度の変化に応じて高分子膜に含まれる水分の量が変化し、誘電率が変化するコンデンサとして構成されている。
【0111】
照度センサ23は、例えばフォトトランジスタを備えた周知の照度センサとして構成されている。
風速センサ29は、例えば周知の風速センサであって、ヒータ温度を所定温度に維持する際に必要な電力(放熱量)から風速を算出する。
【0112】
心音センサ35は、監視対象者の心臓の拍動による振動を捉える振動センサとして構成されており、MPU31は心音センサ35による検出結果とマイク37から入力される心音とを鑑みて、拍動による振動や騒音と、他の振動や騒音とを識別する。
【0113】
なお、濡れセンサ25および心電センサ33については後述する。
救援依頼信号送信装置50は、周知のMPU51と、無線電話ユニット53と、訪問先メモリ55と、を備え、図示しない入出力インターフェイスを介して行動センサユニット10を構成する各種センサからの検出信号を取得可能に構成されている。そして、救援依頼信号送信装置50のMPU51は、この行動センサユニット10による検出結果や、操作部70を介して入力される入力信号、ROM(図示省略)に格納されたプログラムに応じた処理を実行する。
【0114】
具体的には、救援依頼信号送信装置50のMPU51は、監視対象者が行う特定の動作を検出する動作検出装置としての機能、監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出装置としての機能、監視対象者により行われる運動の負荷を検出する運動負荷検出装置としての機能、およびMPU51による処理結果を送信する機能を実行する。なお、ROMには、後述する各種処理にて参照される種々の閾値や数値範囲が格納されている。
【0115】
無線電話ユニット53は、例えば携帯電話の基地局と通信可能に構成されており(通信手段)、救援依頼信号送信装置50のMPU51は、該MPU51による処理結果を報知部60に対して出力したり、無線電話ユニット53を介して予め設定された送信先に対して送信したりする。
【0116】
訪問先メモリ55は、監視対象者の訪問先の位置情報を記憶するための記憶領域として機能する。この訪問先メモリ55には、監視対象者の訪問先として、病院、公民館、福祉施設、介護施設等の監視対象者が保護してもらえる可能性が高い公共施設の位置情報が予め登録されており、これらの位置情報に加えて、後述する立ち回り先登録処理(図46参照)において監視対象者毎に位置情報を追加登録できる。
【0117】
報知部60は、例えば、LCDや有機ELディスプレイとして構成されたディスプレイ61と、例えば7色に発光可能なLEDからなる電飾63と、スピーカ65とを備えている。報知部60を構成する各部は、救援依頼信号送信装置50のMPU51により駆動制御される。
【0118】
次に、操作部70としては、タッチパッド71と、確認ボタン73と、指紋センサ75(バイオメトリクス認証手段)と、救援依頼レバー77とを備えている。
タッチパッド71は、使用者(監視対象者や監視対象者の保護者等)により触れられた位置や圧力に応じた信号を出力する。
【0119】
確認ボタン73は、使用者に押下されると内蔵されたスイッチの接点が閉じるように構成されており、救援依頼信号送信装置50にて確認ボタン73が押下されたことを検出することができるようにされている。
【0120】
指紋センサ75は、周知の指紋センサであって、例えば、光学式センサを用いて指紋を読みとることができるよう構成されている(後述する図2では図示省略)。なお、指紋センサ75に換えて、例えば掌の静脈の形状を認識するセンサ等、人間の身体的特徴を認識することができる手段(バイオメトリクス認証をすることができる手段:個人を特定することができる手段)であれば、採用することができる。
【0121】
また、救援依頼レバー77については後述する(図54参照)。
次に、老人用ペンダント1の形状について図2(a)を用いて説明する。図2(a)は、老人用ペンダント1の概略形状を示す斜視図である。
【0122】
図2(a)に示すように、老人用ペンダント1の筐体5は、略直方体形状を有し、この筐体5に内蔵されたGPS受信機27がGPS衛星からの信号を受信するためのGPSアンテナ57が筐体5の外部に配置されている。老人用ペンダント1は、監視対象者が筐体5の上面5cに設けられた取付部7aに結ばれたストラップ7を監視対象者の首に掛けて使用することを想定して設計されており、このGPSアンテナ57は、監視対象者がストラップ7を首に掛けたときに首の真後ろに来る位置に配置されている。
【0123】
なお、ストラップ7にはGPSアンテナ57により受信した信号を筐体5内部に誘導するための信号線が内包されている。また、このストラップ7におけるGPSアンテナ57の近傍には、電極部59が形成されている。つまり、ストラップ7には電極部59に対応する信号線も、GPSアンテナ57の信号線とは別に内包されている。
【0124】
ここで、心電センサ33は、例えば、電極部59と後述する第1導電部83との電位差を検出することによって、監視対象者の心臓の動作状態を電気信号として検出することができるように構成されている。そして、救援依頼信号送信装置50のMPU51は、心電センサ33からの検出信号に基づいて心電図を生成する。
【0125】
ところで、老人用ペンダント1の正面5aには、ディスプレイ61、タッチパッド71、および確認ボタン73が備えられている。また、この正面5aには、前述の温度センサ19、湿度センサ21、および照度センサ23も配置されている(図示は省略)。
【0126】
なお、老人用ペンダント1の背面5bには、温度センサ15、湿度センサ17、濡れセンサ25が配置されている。
そして、老人用ペンダント1の上面には、前述の取付部7aに加えて、電飾63およびスピーカ65が配置されている。
【0127】
ここで、濡れセンサ25について図2(b)および図2(c)を用いて説明する。なお、図2(b)は老人用ペンダント1の背面図、図2(c)は老人用ペンダント1の背面における断面図である。
【0128】
濡れセンサ25は、図2(b)および図2(c)に示すように、筐体5の背面5bに形成されている。即ち、筐体5の背面5bは、導体からなる導電部として構成されており、この導電部は、溝部87を介して、リング状に形成された第1導電部83と第1導電部83の周囲をリング状に取り囲む第2導電部85とに分離されている。そして、各導電部83,85間には、予め設定された電位差が与えられることになる。なお、溝部87は、第1導電部83および第2導電部85を絶縁する機能を有する。
【0129】
このとき、筐体5の背面5bが監視対象者の皮膚に接触していなければ、各導電部83,35間で導通されることはないが、筐体5の背面5bが監視対象者の皮膚に接触しており、さらに監視対象者が発汗しているときには、この汗に電気が流れるため、各導電部83,85間が導通されることなる。
【0130】
つまり、本実施例の濡れセンサ25は、上記のような原理を利用して監視対象者の発汗を検出する。
また、図2(c)に示すように、第1導電部83の内側には、凹部81が形成されており、この凹部81の底面部には、温度センサ15、湿度センサ17、およびマイク37が配置されている。このような構成にされているのは、温度センサ15、湿度センサ17、およびマイク37が監視対象者に直接触れないようにするためである。また、マイク37は、監視対象者の音声や心音(心臓の音)を検出するために用いられる。
【0131】
また、救援依頼信号送信装置50のRAM(不揮発性のRAM:図示省略)には、監視対象者の音声を登録することができるように構成されており、救援依頼信号送信装置50のMPU51は、登録された監視対象者の音声の特徴(例えば声紋)によって、監視対象者の音声を識別する機能を有する。また、上記RAMには単語登録がされており、MPU51は監視対象者の発する特定の単語(例えば、「助けて」や「ヘルプ」等)、悲鳴、うめき声等をRAM参照することによって識別する機能も有する。
【0132】
[歩行判断処理]
上記に説明した老人用ペンダント1において、監視対象者が歩行中であることを検出する処理について図3を用いて説明する。図3は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する歩行判断処理を示すフローチャートである。
【0133】
この歩行判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、3次元加速度センサ11からの3方向の出力を取得(入力)し(S10)、これらの3方向の出力をRAM等のメモリに一時的に格納する(S15)。なお、メモリには、例えば3秒間分の出力が格納される。
【0134】
続いて、メモリに格納された3方向の出力に基づいて、各方向における加速度のピーク(絶対値の極大値および極小値)をそれぞれ複数検出し、各方向におけるピーク間時間を検出する(S20:ピーク間時間検出手段)。そして、検出されたピーク間時間の平均値を表すピーク周期を各方向毎に算出する(S25:ピーク周期算出手段)。
【0135】
次いで、算出された各方向におけるピーク周期のうち、少なくとも2方向のピーク周期または該2方向のピーク周期の倍周期が、例えば10%の範囲内(第1設定範囲内)に収まっているか否かを判定する(S30:歩行判断手段)。
【0136】
少なくとも2方向のピーク周期または該2方向のピーク周期の倍周期が、10%の範囲内であれば(S30:Yes)、監視対象者が歩行中であるものとして歩行中信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S35)、歩行判断処理を終了する。また、2方向のピーク周期または該2方向のピーク周期の倍周期が、10%の範囲外であれば(S30:No)、監視対象者が歩行中とは限らないとして歩行中不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S40)、歩行判断処理を終了する。
【0137】
このような老人用ペンダント1が実行する歩行判断処理によれば、監視対象者が老人用ペンダント1を身につけていれば、監視対象者が歩行の際に老人用ペンダント1に与える周期的な加速度の変化を検出することできる。よって、監視対象者が歩行していることを判定することができる。
【0138】
[停止判断処理]
次に、老人用ペンダント1において、監視対象者が停止中であることを検出する処理について図4を用いて説明する。図4は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する停止判断処理を示すフローチャートである。
【0139】
この停止判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、3次元加速度センサ11からの3方向の出力を取得(入力)し(S60)、これらの3方向の出力をRAM等のメモリに一時的に格納する(S65)。なお、メモリには、例えば3秒間分の出力が格納される。
【0140】
続いて、メモリに格納された3方向の出力に基づいて、各方向における加速度のピークをそれぞれ検出する(S70:ピーク値検出手段)。
次いで、検出された3方向のピーク値の全てが、第1停止判断値(第1停止判断閾値)以下であるか否かを判定する(S75:停止判断手段)。3方向のピーク値の全てが第1停止判断値以下であれば(S75:Yes)、監視対象者が停止中であるものとして停止中信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S80)、停止判断処理を終了する。また、全てのピーク値が第1停止判断値以上であれば(S75:No)、監視対象者が停止中とは限らないものとして停止中不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S80)、停止判断処理を終了する。
【0141】
このような老人用ペンダント1が実行する停止判断処理によれば、監視対象者が老人用ペンダント1を身につけていれば、監視対象者が停止の際に老人用ペンダント1に与える加速度の変化がほとんど感じられないことを検出することができるので、監視対象者が停止しているか否かを判定することができる。
【0142】
[座り動作判断処理]
次に、老人用ペンダント1において、監視対象者が座り動作中であることを検出する処理について図5を用いて説明する。図5は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する座り動作判断処理を示すフローチャートである。
【0143】
この座り動作判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、3次元加速度センサ11からの3方向の出力を取得(入力)し(S110)、これらの3方向の出力をRAM等のメモリに一時的に格納する(S115)。なお、メモリには、例えば3秒間分の出力が格納される。
【0144】
続いて、メモリに格納された3方向の出力に基づいて、各方向における加速度のピークをそれぞれ検出する(S120:ピーク値検出手段)。
次いで、検出された鉛直方向下向き(−Z方向)におけるピーク値が座り動作判断値以上であって、かつ水平方向(X方向、およびY方向)におけるピーク値の両方が第2停止判断閾値未満であるか否かを判定する(S125:座り動作判断手段)。鉛直方向下向きにおけるピーク値が座り動作判断値以上であって、かつ水平方向におけるピーク値の両方が第2停止判断閾値未満であれば(S125:Yes)、監視対象者が座り動作中であるものとして座り動作信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S130)、座り動作判断処理を終了する。
【0145】
鉛直方向下向きにおけるピーク値が座り動作判断値未満であるか、或いは水平方向におけるピーク値の何れかが第2停止判断閾値以上であれば(S125:No)、監視対象者が座り動作中とは限らないものとして座り動作不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S135)、座り動作判断処理を終了する。
【0146】
このような老人用ペンダント1が実行する座り動作判断処理によれば、監視対象者が老人用ペンダント1を身につけていれば、監視対象者が座り動作をしている際に、鉛直方向下向きの加速度を検出し、その他の方向の加速度がほとんど感じられないことを検出することができるので、監視対象者が座り動作中であるか否かを判定することができる。
【0147】
[立ち上がり動作判断処理]
次に、老人用ペンダント1において、監視対象者が立ち上がり動作中であることを検出する処理について図6を用いて説明する。図6は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する立ち上がり動作判断処理を示すフローチャートである。
【0148】
この立ち上がり動作判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、3次元加速度センサ11からの3方向の出力を取得(入力)し(S160)、これらの3方向の出力をRAM等のメモリに一時的に格納する(S165)。なお、メモリには、例えば3秒間分の出力が格納される。
【0149】
続いて、メモリに格納された3方向の出力に基づいて、各方向における加速度のピークをそれぞれ検出する(S170:ピーク値検出手段)。
次いで、検出された鉛直方向上向き(+Z方向)におけるピーク値が立ち上がり動作判断値以上であって、かつ水平方向(X方向、およびY方向)におけるピーク値の両方が第3停止判断閾値未満であるか否かを判定する(S175:立ち上がり動作判断手段)。鉛直方向上向きにおけるピーク値が立ち上がり動作判断値以上であって、かつ水平方向におけるピーク値の両方が第3停止判断閾値未満であれば(S175:Yes)、監視対象者が立ち上がり動作中であるものとして立ち上がり動作信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S180)、立ち上がり動作判断処理を終了する。
【0150】
鉛直方向上向きにおけるピーク値が立ち上がり動作判断値未満であるか、或いは水平方向におけるピーク値の何れかが第3停止判断閾値以上であれば(S175:No)、監視対象者が立ち上がり動作中とは限らないものとして立ち上がり動作不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S185)、立ち上がり動作判断処理を終了する。
【0151】
このような老人用ペンダント1が実行する立ち上がり動作判断処理によれば、監視対象者が老人用ペンダント1を身につけていれば、監視対象者が立ち上がり動作をしている際に、鉛直方向上向きの加速度を検出し、その他の方向の加速度がほとんど感じられないことを検出することができるので、監視対象者が立ち上がり動作中であるか否かを判定することができる。
【0152】
[右ターン動作判断処理]
次に、老人用ペンダント1において、監視対象者が右ターン動作中であることを検出する処理について図7を用いて説明する。図7は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する右ターン動作判断処理を示すフローチャートである。
【0153】
この右ターン動作判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、3軸ジャイロセンサ13からの3方向の出力を取得(入力)し(S210)、これらの3方向の出力をRAM等のメモリに一時的に格納する(S215)。なお、メモリには、例えば3秒間分の出力が格納される。
【0154】
次いで、メモリに格納された出力結果に基づいて、予め設定された角度判定時間(例えば2秒)内における鉛直方向を回転軸とする正方向(鉛直方向上向きに左回転。つまり、監視対象者にとっては右回転)の回転角度を検出する(S220)。そして、この正方向の回転角度が例えば30度(角度設定閾値)を超えているか否かを判定する(S225:順方向ターン動作判断手段)。
【0155】
正方向の回転角度が30度を超えていれば(S225:Yes)、監視対象者が右方向ターン動作中であるものとして右ターン動作信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S230)、右ターン動作判断処理を終了する。また、正方向の回転角度が30度を超えていなければ(S225:No))、監視対象者が右方向ターン動作中とは限らないものとして、右ターン動作不明信号を出力し(S235)、右ターン動作判断処理を終了する。
【0156】
このような老人用ペンダント1が実行する右ターン動作判断処理によれば、監視対象者が老人用ペンダント1を身につけていれば、監視対象者が順方向にターン(回転)した際に鉛直方向を回転軸とする正方向の回転角度を検出することができるので、監視対象者が順方向にターンしたか否かを判定することができる
[左ターン動作判断処理]
次に、老人用ペンダント1において、監視対象者が左ターン動作中であることを検出する処理について図8を用いて説明する。図8は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する左ターン動作判断処理を示すフローチャートである。
【0157】
この左ターン動作判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、3軸ジャイロセンサ13からの3方向の出力を取得(入力)し(S260)、これらの3方向の出力をRAM等のメモリに一時的に格納する(S265)。なお、メモリには、例えば3秒間分の出力が格納される。
【0158】
次いで、メモリに格納された出力結果に基づいて、予め設定された角度判定時間(例えば2秒)内における鉛直方向を回転軸とする負方向(鉛直方向上向きに右回転。つまり、監視対象者にとっては左回転)の回転角度を検出する(S270)。そして、この負方向の回転角度が例えば30度(角度設定閾値)を超えているか否かを判定する(S275:逆方向ターン動作判断手段)。
【0159】
負方向の回転角度が30度を超えていれば(S275:Yes)、監視対象者が左方向ターン動作中であるものとして左ターン動作信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S280)、左ターン動作判断処理を終了する。また、負方向の回転角度が30度を超えていなければ(S275:No))、監視対象者が右方向ターン動作中とは限らないものとして、左ターン動作不明信号を出力し(S285)、左ターン動作判断処理を終了する。
【0160】
このような老人用ペンダント1が実行する左ターン動作判断処理によれば、監視対象者が老人用ペンダント1を身につけていれば、監視対象者が逆方向にターン(回転)した際に鉛直方向を回転軸とする負方向の回転角度を検出することができるので、監視対象者が逆方向にターンしたか否かを判定することができる
[地肌接触状態判断処理]
次に、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触した状態であることを検出する処理について図9を用いて説明する。図9は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触状態判断処理を示すフローチャートである。
【0161】
この地肌接触状態判断処理は、後述する地肌接触服外状態判断処理(図10)や、地肌接触服内状態判断処理(図11)の処理中に実行される処理であって、まず、背面の温度センサ15からの出力、背面の湿度センサ17からの出力、正面の温度センサ19からの出力、および正面の湿度センサ21からの出力を取得(入力)する(S310〜S325)。
【0162】
そして、背面の温度センサ15が検出した温度が30〜40度の範囲内(地肌判定範囲内)であるか否かを判定する(S330:地肌温度範囲判定手段)。背面の温度センサ15が検出した温度が30〜40度の範囲内であれば(S330:Yes)、背面の温度センサ15および正面の温度センサ19により検出された温度同士の温度差が、例えば2度(地肌温度判定閾値)以上であるか否かを判定する(S335:地肌温度差判定手段)。
【0163】
各温度センサ15,19により検出された温度同士の温度差が2度未満であると判定されると(S335:No)、各湿度センサ17,21により検出された相対湿度同士の湿度差が5%(地肌湿度判定閾値)以上相違しているか否かを判定する(S340:地肌湿度差判定手段)。
【0164】
各温度センサ15,19により検出された温度同士の温度差が2度以上であると判定された場合(S335:No)、および各湿度センサ17,21により検出された相対湿度同士の湿度差が5%(地肌湿度判定閾値)以上相違している場合(S340:Yes)には、老人用ペンダント1が使用者の地肌に接触しているものとして、地肌接触状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S345)、地肌接触状態判断処理を終了する。
【0165】
一方、背面の温度センサ15が検出した温度が30〜40度の範囲外である場合(S330:No)、および各湿度センサ17,21により検出された湿度同士の湿度差が5%未満である場合には、老人用ペンダント1が使用者の地肌に接触しているとは限らないものとして地肌接触状態不明信号を出力し(S350)、地肌接触状態判断処理を終了する。なお、S330〜S340の処理は、地肌接触状態判断手段に相当する。
【0166】
このように温度センサ15,19および湿度センサ17,21が互いに筐体の正面5aおよび背面に配置された老人用ペンダント1において、背面の温度センサ15および背面の湿度センサ17が監視対象者の地肌に接触している場合には、体温や発汗の影響を受けるので、この温度センサおよび湿度センサからの出力は、他方の温度センサおよび湿度センサの出力に対して一定以上の温度差および湿度差が生じるはずである。このため、老人用ペンダント1においては、各温度センサおよび湿度センサによる検出結果の差分に基づいて、閾値以上の温度差および湿度差を検出するようにしている。
【0167】
また、筐体5の背面が監視対象者の地肌に接触していないときの誤検出を防止するために、各温度センサ15,19や各湿度センサ17,21による温度差や湿度差を検出する前に、背面の温度センサ15による検出温度が監視対象者の体温に近い温度であるか否かを検出している。
【0168】
よって、このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触状態判断処理によれば、老人用ペンダント1が使用者の地肌に接触していることを確実に検出することができる。
[地肌接触服外状態判断処理]
次に、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触した状態で監視対象者の衣服の外側にあることを検出する処理について図10を用いて説明する。図10は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服外状態判断処理を示すフローチャートである。
【0169】
この地肌接触服外状態判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、前述の地肌接触状態判断処理(図9)を実行する(S360)。そして、RAM等のメモリを参照し、地肌接触状態判断処理において地肌接触状態が出力されたか否かを判定する(S365)。
【0170】
地肌接触状態判断処理において地肌接触状態が出力されていなければ(S365:No)、この地肌接触服外状態判断処理を終了する。
また、地肌接触状態判断処理において地肌接触状態が出力されていれば(S365:Yes)、正面の湿度センサ21の出力を取得(入力)し(S370)、正面の湿度センサ21の出力を1分毎にRAM等のメモリに一時的に格納する(S375)。なお、メモリには、例えば10分間分の出力が格納される。
【0171】
続いて、例えば10分間以内(第1湿度変化判定時間内)に、メモリに格納された正面の湿度センサ21からの出力が、例えば10%(第1湿度変化判定閾値)以上の湿度の変化を2回以上示したか否かを判定する(S380:地肌接触服外状態判断手段)。湿度センサ21からの出力が、10%以上の湿度の変化を2回以上示せば(S380:Yes)、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触した状態で衣服の外側にあるものとして地肌接触服外状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S385)、地肌接触服外状態判断処理を終了する。
【0172】
また、湿度センサ21からの出力が、10%以上の湿度の変化を2回未満だけ示せば(S380:No)老人用ペンダント1が衣服の外側にあるとは限らないものとして地肌接触服外状態不明信号を出力し(S390)、地肌接触服外状態判断処理を終了する。
【0173】
即ち、老人用ペンダント1においては、老人用ペンダント1が衣服の外側にある場合には、老人用ペンダント1が衣服の内側にある場合と比較して、湿度の変化が大きくなる特性を利用して、湿度センサによる検出結果が閾値以上の変化を示すか否かに基づいて、老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の外部に位置することを検出している。
【0174】
よって、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触し、かつ使用者の衣服の外部に位置することを検出することができる。
[地肌接触服内状態判断処理]
次に、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触した状態で監視対象者の衣服の外側にあることを検出する処理について図11を用いて説明する。図11は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服内状態判断処理を示すフローチャートである。
【0175】
この地肌接触服内状態判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、前述の地肌接触状態判断処理(図9)を実行する(S410)。そして、RAM等のメモリを参照し、地肌接触状態判断処理において地肌接触状態が出力されたか否かを判定する(S415)。
【0176】
地肌接触状態判断処理において地肌接触状態が出力されていなければ(S415:No)、この地肌接触服内状態判断処理を終了する。
また、地肌接触状態判断処理において地肌接触状態が出力されていれば(S415:Yes)、正面の湿度センサ21の出力を取得(入力)し(S420)、正面の湿度センサ21の出力を1分毎にRAM等のメモリに一時的に格納する(S425)。なお、メモリには、例えば10分間分の出力が格納される。
【0177】
続いて、例えば10分間以内(第2湿度変化判定時間内)に、メモリに格納された正面の湿度センサ21からの出力が、例えば10%(第2湿度変化判定閾値)以上の湿度の変化を2回以上示したか否かを判定する(S430:地肌接触服内状態判断手段)。湿度センサ21からの出力が、10%以上の湿度の変化を2回未満だけ示せば(S430:Yes)、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触した状態で衣服の内側にあるものとして地肌接触服内状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S435)、地肌接触服内状態判断処理を終了する。
【0178】
また、湿度センサ21からの出力が、10%以上の湿度の変化を2回以上示せば(S430:No)老人用ペンダント1が衣服の内側にあるとは限らないものとして地肌接触服内状態不明信号を出力し(S440)、地肌接触服内状態判断処理を終了する。
【0179】
即ち、老人用ペンダント1においては、湿度センサによる検出結果が閾値未満の変化を示すか否かに基づいて、老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部に位置することを検出している。
【0180】
よって、このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服内状態判断処理によれば、当該位置関係検出装置が監視対象者の地肌に接触し、かつ使用者の衣服の内部に位置することを検出することができる。
【0181】
[地肌非接触状態判断処理]
次に、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触していない状態であることを検出する処理について図12を用いて説明する。図12は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触状態判断処理を示すフローチャートである。
【0182】
この地肌接触状態判断処理は、後述する地肌非接触服外状態判断処理(図13)や、地肌非接触服内状態判断処理(図14)の処理中に実行される処理であって、まず、背面の温度センサ15からの出力、背面の湿度センサ17からの出力、正面の温度センサ19からの出力、および正面の湿度センサ21からの出力を取得(入力)する(S460〜S475)。
【0183】
そして、背面の温度センサ15が検出した温度が10〜45度の範囲外(第1非地肌判定範囲外)であるか否かを判定する(S480:第1非地肌温度範囲判定手段)。背面の温度センサ15が検出した温度が10〜45度の範囲内であれば(S480:No)、背面の温度センサ15および正面の温度センサ19により検出された温度同士の温度差が、例えば1度(非地肌温度判定閾値)未満であるか否かを判定する(S485:非地肌温度差判定手段)。
【0184】
各温度センサ15,19により検出された温度同士の温度差が1度未満であると判定されると(S485:Yes)、正面の温度センサ19からの出力が35〜38度の範囲外(第1非地肌判定範囲外)であるか否かを判定する(S490:第1非地肌温度範囲判定手段)。
【0185】
背面の温度センサ15が検出した温度が10〜45度の範囲外である場合(S480:Yes)、および正面の温度センサ19からの出力が35〜38度の範囲外である場合(S490:Yes)には、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触していないものとして地肌非接触状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S495)、地肌非接触状態判断処理を終了する。
【0186】
また、各温度センサ15,19により検出された温度同士の温度差が1度以上であると判定された場合(S485:No)、および正面の温度センサ19からの出力が35〜38度の範囲内である場合(S490:No)には、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触していないとは限らないものとして地肌非接触状態不明信号を出力し(S500)、地肌非接触状態判断処理を終了する。なお、S480〜S490の処理は地肌非接触状態判断手段に相当する。
【0187】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触状態判断処理によれば、複数個配置された温度センサ15,19による検出結果に基づいて、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触しているときには検出されない温度が検出された場合に、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触していないと判定するので、老人用ペンダント1が使用者の地肌に接触していないことを検出することができる。
【0188】
[地肌非接触服外状態判断処理]
次に、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触していない状態で監視対象者の衣服の外側にあることを検出する処理について図13を用いて説明する。図13は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服外状態判断処理を示すフローチャートである。
【0189】
この地肌非接触服外状態判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、前述の地肌非接触状態判断処理(図12)を実行する(S510)。そして、RAM等のメモリを参照し、地肌非接触状態判断処理において地肌非接触状態が出力されたか否かを判定する(S515)。
【0190】
地肌非接触状態判断処理において地肌非接触状態が出力されていなければ(S515:No)、この地肌非接触服外状態判断処理を終了する。
また、地肌非接触状態判断処理において地肌非接触状態が出力されていれば(S515:Yes)、照度センサ23の出力を取得(入力)し(S520)、照度センサ23の出力を1分毎にRAM等のメモリに一時的に格納する(S525)。なお、メモリには、例えば10分間分の出力が格納される。
【0191】
続いて、例えば10分間以内(第1照度変化判定時間内)に、メモリに格納された照度センサ23からの出力が、例えば10%(第1照度変化判定閾値)以上の照度の変化を5回以上示したか否かを判定する(S530:地肌非接触服外状態判断手段)。照度センサ23からの出力が、10%以上の照度の変化を5回以上示せば(S530:Yes)、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触していない状態で衣服の外側にあるものとして地肌非接触服外状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S535)、地肌非接触服外状態判断処理を終了する。
【0192】
また、照度センサ23からの出力が、10%以上の照度の変化を5回未満だけ示せば(S530:No)、老人用ペンダント1が衣服の外側にあるとは限らないものとして地肌非接触服外状態不明信号を出力し(S540)、地肌非接触服外状態判断処理を終了する。
【0193】
即ち、老人用ペンダント1においては、老人用ペンダント1が衣服の外側にある場合には、老人用ペンダント1が衣服の内側にある場合と比較して、照度の変化が大きくなる特性を利用して、照度センサによる検出結果が閾値以上の変化を示すか否かに基づいて、老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の外部に位置することを検出している。
【0194】
よって、老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服外状態判断処理によれば、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触せずに、かつ監視対象者の衣服の外部に位置することを検出することができる。
【0195】
[地肌非接触服内状態判断処理]
次に、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触していない状態で監視対象者の衣服の内側にあることを検出する処理について図14を用いて説明する。図14は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服内状態判断処理を示すフローチャートである。
【0196】
この地肌非接触服内状態判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、前述の地肌非接触状態判断処理(図12)を実行する(S560)。そして、RAM等のメモリを参照し、地肌非接触状態判断処理において地肌非接触状態が出力されたか否かを判定する(S565)。
【0197】
地肌非接触状態判断処理において地肌非接触状態が出力されていなければ(S565:No)、この地肌非接触服外状態判断処理を終了する。
また、地肌非接触状態判断処理において地肌非接触状態が出力されていれば(S565:Yes)、照度センサ23の出力を取得(入力)し(S570)、照度センサ23の出力を1分毎にRAM等のメモリに一時的に格納する(S575)。なお、メモリには、例えば10分間分の出力が格納される。
【0198】
続いて、例えば10分間以内(第2照度変化判定時間内)に、メモリに格納された照度センサ23からの出力が、例えば10%(第2照度変化判定閾値)以上の照度の変化を2回以上示したか否かを判定する(S580:地肌非接触服外状態判断手段)。照度センサ23からの出力が、10%以上の照度の変化を2回未満だけ示せば(S580:No)、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触していない状態で衣服の外側にあるものとして地肌非接触服内状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S585)、地肌非接触服内状態判断処理を終了する。
【0199】
また、照度センサ23からの出力が、10%以上の照度の変化を2回以上示せば(S580:Yes)、老人用ペンダント1が衣服の内側にあるとは限らないものとして地肌非接触服内状態不明信号を出力し(S590)、地肌非接触服内状態判断処理を終了する。
【0200】
このような老人用ペンダント1によれば、照度センサによる検出結果が閾値未満の変化を示すか否かに基づいて、老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部に位置することを検出している。
【0201】
よって、老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服内状態判断処理によれば、老人用ペンダント1が監視対象者の地肌に接触しておらず、かつ使用者の衣服の内部に位置することを検出することができる。
【0202】
[ペンダント位置判断処理]
次に、老人用ペンダント1と監視対象者との位置関係を検出する処理について図15を用いて説明する。図15は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行するペンダント位置判断処理を示すフローチャートである。
【0203】
ペンダント位置判断処理は、後述する暑過ぎ状態判断処理(図17)等の処理中に実行される処理であって、処理が開始されると、地肌接触服外状態判断処理(図10)、地肌接触服内状態判断処理(図11)、地肌非接触服外状態判断処理(図13)、地肌非接触服内状態判断処理(図14)を順次実行する(S610〜S625:特定位置判断手段)。
【0204】
そして、これらの処理によりメモリに格納された信号を参照することにより、老人用ペンダント1と監視対象者との位置関係を特定し(S630:位置関係特定手段)、ペンダント位置判断処理を終了する。
【0205】
このような老人用ペンダント1が実行するペンダント位置判断処理によれば、老人用ペンダント1と監視対象者との位置関係(老人用ペンダント1が監視対象者の地肌と接触しているか否か、および老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあるか或いは外部にあるか)を精度よく検出することができる。
【0206】
[運動負荷判断処理]
次に、監視対象者が行った運動負荷の大きさを検出する処理について図16を用いて説明する。図16は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する運動負荷判断処理を示すフローチャートである。
【0207】
運動負荷判断処理は、後述する暑過ぎ状態判断処理(図17)等の処理中に実行される処理であって、処理が開始されると、歩行判断処理(図3)、停止判断処理(図4)、および立ち上がり動作判断処理(図6)を順に実行する(S660〜S670)。なお、歩行判断処理、停止判断処理、および立ち上がり動作判断処理にてメモリ(判定回数記憶手段)に格納された各種信号は、1秒毎に10分間(負荷判定時間)保持される。
【0208】
続いて、メモリに格納された立ち上がり動作信号の回数(立ち上がり動作判定回数)が、100個(強負荷判定閾値)以上であるか否かを判定する(S675:強負荷判断手段)。立ち上がり動作信号の回数が100個以上であれば(S675:Yes)、監視対象者が強負荷運動を行ったものとして強負荷判断信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S680)。そして、メモリに格納された負荷判断信号に基づいて監視対象者が行った運動の運動負荷の大きさを特定し(S720:運動負荷特定手段)、運動負荷判断処理を終了する。
【0209】
立ち上がり動作信号の回数が100個未満であれば(S675:No)、立ち上がり動作信号の回数が50個(中負荷判定閾値:強負荷判定閾値>中負荷判定閾値)以上であるか否かを判定する(S685:中負荷判断手段)。立ち上がり動作信号の回数が50個以上であれば(S685:Yes)、監視対象者が中負荷運動を行ったものとして中負荷判断信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S690)。そして、前述のS720の処理を実行し、運動負荷判断処理を終了する。
【0210】
立ち上がり動作信号の回数が50個未満であれば(S685:No)、歩行中信号の回数が300個(軽負荷判定閾値:負荷の大きさ(例えば消費カロリ)は、中負荷判定閾値>軽負荷判定閾値)以上であるか否かを判定する(S695:軽負荷判断手段)。歩行中信号の回数が300個以上であれば(S695:Yes)、監視対象者が軽負荷運動を行ったものとして、軽負荷判断信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S700)。そして、前述のS720の処理を実行し、運動負荷判断処理を終了する。
【0211】
歩行中信号の回数が300個未満であれば(S695:No)、停止中信号の回数(停止中判定回数)が、400個(停止判定閾値)以上であるか否かを判定する(S705:無負荷判断手段)。停止中信号の回数が400個以上であれば(S705:Yes)、監視対象者が負荷運動を行っていないものとして負荷なし判断信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S710)。そして、前述のS720の処理を実行し、運動負荷判断処理を終了する。
【0212】
停止中信号の回数が400個未満であれば(S705:No)、負荷の大きさが不明であるものとして負荷判断不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S710)。そして、前述のS720の処理を実行し、運動負荷判断処理を終了する。
【0213】
このような老人用ペンダント1が実行する運動負荷判断処理によれば、監視対象者が行った運動の種別を検出し、運動を検出した判定回数に応じて負荷の大きさを分類する。よって、監視対象者が行った運動の運動負荷の大きさを特定することができる。
【0214】
なお、運動負荷が強い順に、強負荷、中負荷、軽負荷、負荷なしとなる。
[暑過ぎ状態判断処理]
次に、監視対象者にとって暑過ぎる状態であることを検出する処理について図17を用いて説明する。図17は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する暑過ぎ状態判断処理を示すフローチャートである。
【0215】
この地肌非接触服内状態判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、老人用ペンダント1と監視対象者との位置関係を検出するペンダント位置判断処理(図15)を実行し(S760:位置関係検出手段)、続いて監視対象者が行う運動の運動負荷を検出する運動負荷判断処理(図16)を実行する(S765:運動負荷検出手段)。
【0216】
そして、ペンダント位置判断処理(図15)および運動負荷判断処理(図16)の処理結果に応じて1つの処理を選択し、監視対象者にとって暑過ぎるか否かを検出する処理を実行する(S770:暑過ぎ判断手段)。
【0217】
即ちS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて負荷なし判断信号が出力されていれば、後述する地肌非接触服外状態・負荷なし処理(図18)を実行する。
【0218】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて軽負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌非接触服外状態・軽負荷処理(図19)を実行する。
【0219】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて中負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌非接触服外状態・中負荷処理(図20)を実行する。
【0220】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて重負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌非接触服外状態・重負荷処理(図21)を実行する。
【0221】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて負荷なし判断信号が出力されていれば、後述する地肌非接触服内状態・負荷なし処理(図22)を実行する。
【0222】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて軽負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌非接触服内状態・軽負荷処理(図23)を実行する。
【0223】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて中負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌非接触服内状態・中負荷処理(図24)を実行する。
【0224】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて重負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌非接触服内状態・重負荷処理(図25)を実行する。
【0225】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて負荷なし判断信号が出力されていれば、後述する地肌接触服外状態・負荷なし処理(図26)を実行する。
【0226】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて軽負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌接触服外状態・軽負荷処理(図27)を実行する。
【0227】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて中負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌接触服外状態・中負荷処理(図28)を実行する。
【0228】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて重負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌接触服外状態・重負荷処理(図29)を実行する。
【0229】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて負荷なし判断信号が出力されていれば、後述する地肌接触服内状態・負荷なし処理(図30)を実行する。
【0230】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて軽負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌接触服内状態・軽負荷処理(図31)を実行する。
【0231】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて中負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌接触服内状態・中負荷処理(図32)を実行する。
【0232】
またS770では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて重負荷判断信号が出力されていれば、後述する地肌接触服内状態・重負荷処理(図33)を実行する。
【0233】
続いて、S770によりがRAM等のメモリに格納された暑過ぎ注意信号を読み込み(入力し)(S775)、暑過ぎ注意信号がメモリに格納されていれば(つまり、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎると判断されれば)、暑過ぎである旨を監視対象者に対して報知する(S780,S785:暑過ぎ報知手段)。
【0234】
具体的には、暑過ぎ注意のメッセージ音をスピーカ65から出力させ(S780)、電飾63を赤色に発光させるとともに、ディスプレイ61に暑過ぎである旨を示すメッセージを表示させる。
【0235】
このような老人用ペンダント1が実行する暑過ぎ状態判断処理によれば、監視対象者にとって暑過ぎると判断した場合には、暑過ぎである旨を監視対象者に報知することできる。
【0236】
[地肌非接触服外状態・負荷なし処理]
次に、地肌非接触服外状態・負荷なし処理について図18を用いて説明する。図18は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服外状態・負荷なし処理を示すフローチャートである。
【0237】
地肌非接触服外状態・負荷なし処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、まず、正面の温度センサ19の出力および正面の湿度センサ21を取得(入力)する(S810,S815)。
【0238】
そして、温度湿度指数DI(いわゆる不快指数)を算出する(S820)。ここで、温度湿度指数DIの算出は、周知の演算式に温度および湿度を代入することにより求める。この演算式としては、例えば、以下のような数式が使用される。
DI=0.81T+0.01H(0.99T−14.3)+46.3
ただし、T:気温(摂氏温度)、H:相対湿度(%)である。
【0239】
なお、一般的な人の多くは、温度湿度指数DIが70〜75のときには快適に感じ、温度湿度指数DIが75を超えると暑さがやや不快に感じ、温度湿度指数DIが80を超えると暑さが不快に感じ、温度湿度指数DIが85を超えると暑さが極めて不快に感じる。
【0240】
しかし、監視対象者が行う運動負荷の大きさによっては、運動していないときには快適と感じる温度湿度指数DIであっても、激しい運動をしているときには不快に感じてしまう。そこで、本実施形態では、運動負荷に応じて監視対象者が暑過ぎると感じる温度湿度指数DI(不快閾値)を設定している。
【0241】
つまり、S770ではペンダント位置判断処理(図15)および運動負荷判断処理(図16)による検出結果に応じて実行する処理を選択しているのであるが、処理によって不快閾値が異なる値に設定されているので、運動負荷に応じて不快閾値を選択しているともいえる。なお、本実施形態においては、運動負荷に応じて不快閾値を選択しているが、老人用ペンダント1と監視対象者との位置関係が温度湿度指数DIの測定に及ぼす影響を考慮して、この位置関係に応じて不快閾値を設定するようにしてもよい。
【0242】
続いて、温度湿度指数DIが85(不快閾値)以上であるか否かを判定する(S825:不快閾値判定手段)。
そして、温度湿度指数DIが85以上であれば(S825:Yes)、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるものとして暑過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S830:暑過ぎ判断手段)。また、温度湿度指数DIが85未満であれば(S825:No)、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるとは限らないものとして暑過ぎ注意状態不明信号を出力する(S835:暑過ぎ判断手段)。
【0243】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服外状態・負荷なし処理によれば、不快指数を演算し、この不快指数と、位置関係検出手段による検出結果および運動負荷検出手段による検出結果に応じて設定された不快閾値とを比較することにより、暑過ぎ状態であることを検出する。特に、本処理においては、運動をしていない人にとっても極めて暑さが不快に感じる不快閾値(DI=85)を設定している。
【0244】
よって、監視対象者が行う運動負荷に応じて暑過ぎるか否かを良好に判断することができる。
[地肌非接触服外状態・軽負荷処理]
次に、地肌非接触服外状態・軽負荷処理について図19を用いて説明する。図19は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服外状態・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【0245】
地肌非接触服外状態・軽負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、まず、正面の温度センサ19の出力および正面の湿度センサ21を取得(入力)する(S860,S865)。
【0246】
そして、温度湿度指数DIを算出する(S870)。ここで、温度湿度指数DIの算出は、前述の地肌非接触服外状態・負荷なし処理(図18)と同様の手法により行う。
続いて、温度湿度指数DIが80(不快閾値)以上であるか否かを判定する(S875:不快閾値判定手段)。
【0247】
そして、温度湿度指数DIが80以上であれば(S875:Yes)、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるものとして暑過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S880:暑過ぎ判断手段)。また、温度湿度指数DIが80未満であれば(S875:No)、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるとは限らないものとして暑過ぎ注意状態不明信号を出力する(S885:暑過ぎ判断手段)。
【0248】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服外状態・軽負荷処理によれば、不快指数を演算し、この不快指数と、位置関係検出手段による検出結果および運動負荷検出手段による検出結果に応じて設定された不快閾値とを比較することにより、暑過ぎ状態であることを検出する。特に、本処理においては、運動をしていない人にとっては暑さが不快に感じる程度であるが、軽負荷運動をしている人にとっては暑さが極めて不快に感じる不快閾値(DI=80)を設定している。
【0249】
よって、監視対象者が行う運動負荷に応じて暑過ぎるか否かを良好に判断することができる。
[地肌非接触服外状態・中負荷処理]
次に、地肌非接触服外状態・中負荷処理について図20を用いて説明する。図20は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服外状態・中負荷処理を示すフローチャートである。
【0250】
地肌非接触服外状態・中負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、まず、正面の温度センサ19の出力および正面の湿度センサ21を取得(入力)する(S910,S915)。
【0251】
そして、温度湿度指数DIを算出する(S920)。ここで、温度湿度指数DIの算出は、前述の地肌非接触服外状態・負荷なし処理(図18)と同様の手法により行う。
続いて、温度湿度指数DIが75(不快閾値)以上であるか否かを判定する(S925:不快閾値判定手段)。
【0252】
そして、温度湿度指数DIが75以上であれば(S925:Yes)、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるものとして暑過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S930:暑過ぎ判断手段)。また、温度湿度指数DIが75未満であれば(S925:No)、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるとは限らないものとして暑過ぎ注意状態不明信号を出力する(S935:暑過ぎ判断手段)。
【0253】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服外状態・中負荷処理によれば、不快指数を演算し、この不快指数と、位置関係検出手段による検出結果および運動負荷検出手段による検出結果に応じて設定された不快閾値とを比較することにより、暑過ぎ状態であることを検出する。特に、本処理においては、運動をしていない人にとっては暑さがやや不快に感じる程度であるが、中負荷運動をしている人にとっては暑さが極めて不快に感じる不快閾値(DI=75)を設定している。
【0254】
よって、監視対象者が行う運動負荷に応じて暑過ぎるか否かを良好に判断することができる。
[地肌非接触服外状態・重負荷処理]
次に、地肌非接触服外状態・重負荷処理について図21を用いて説明する。図21は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服外状態・重負荷処理を示すフローチャートである。
【0255】
地肌非接触服外状態・重負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、まず、正面の温度センサ19の出力および正面の湿度センサ21を取得(入力)する(S960,S965)。
【0256】
そして、温度湿度指数DIを算出する(S970)。ここで、温度湿度指数DIの算出は、前述の地肌非接触服外状態・負荷なし処理(図18)と同様の手法により行う。
続いて、温度湿度指数DIが70(不快閾値)以上であるか否かを判定する(S975:不快閾値判定手段)。
【0257】
そして、温度湿度指数DIが70以上であれば(S975:Yes)、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるものとして暑過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S980:暑過ぎ判断手段)。また、温度湿度指数DIが70未満であれば(S975:No)、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるとは限らないものとして暑過ぎ注意状態不明信号を出力する(S985:暑過ぎ判断手段)。
【0258】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服外状態・重負荷処理によれば、不快指数を演算し、この不快指数と、位置関係検出手段による検出結果および運動負荷検出手段による検出結果に応じて設定された不快閾値とを比較することにより、暑過ぎ状態であることを検出する。特に、本処理においては、運動をしていない人にとっては快適に感じるが、中負荷運動をしている人にとっては暑さが極めて不快に感じる不快閾値(DI=70)を設定している。
【0259】
よって、監視対象者が行う運動負荷に応じて暑過ぎるか否かを良好に判断することができる。
[地肌非接触服内状態・負荷なし処理]
次に、地肌非接触服内状態・負荷なし処理について図22を用いて説明する。図22は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服内状態・負荷なし処理を示すフローチャートである。
【0260】
地肌非接触服内状態・負荷なし処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、基本的には前述の地肌非接触服外状態・負荷なし処理(図18)と同様の処理である。ただし、本処理は老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあることが検出されたときに実行される処理であるので、監視対象者の体温による影響を排除するための補正処理(S1010)をS815の処理とS820の処理との間で実行する。
【0261】
この補正処理は、まず、正面の温度センサ19の出力が監視対象者の体温の影響を受けているか否かを判定するために、正面の温度センサ19の出力が36度以上であるか否かを判定する(S1015)。正面の温度センサ19の出力が36度以上であれば(S1015:Yes)、体温の影響を受けているものとして正面の温度センサ19の出力を減少させる補正(例えば出力を0.9倍する処理)を実行する(S1020:減少補正手段)。そして、補正処理を終了し、S820に移行する。
【0262】
また、正面の温度センサ19の出力が36度未満であれば(S1015:No)、体温の影響を受けていないものとして、出力補正をすることなく補正処理を終了し、S820に移行する。
【0263】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服内状態・負荷なし処理によれば、監視対象者の体温により正面の温度センサ19の出力が大きな値になっていたとしても、監視対象者の体温の影響を排除することができる。
【0264】
[地肌非接触服内状態・軽負荷処理]
次に、地肌非接触服内状態・軽負荷処理について図23を用いて説明する。図23は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服内状態・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【0265】
地肌非接触服内状態・軽負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、基本的には前述の地肌非接触服外状態・軽負荷処理(図19)と同様の処理である。ただし、本処理は老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあることが検出されたときに実行される処理であるので、監視対象者の体温による影響を排除するための補正処理(S1010)をS865の処理とS870の処理との間で実行する。
【0266】
なお、本処理における補正処理は、前述の地肌非接触服内状態・負荷なし処理(図22)における補正処理と同様の処理である。
よって、このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服内状態・軽負荷処理によれば、監視対象者の体温により正面の温度センサ19の出力が大きな値になっていたとしても、監視対象者の体温の影響を排除することができる。
【0267】
[地肌非接触服内状態・中負荷処理]
次に、地肌非接触服内状態・中負荷処理について図24を用いて説明する。図24は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服内状態・中負荷処理を示すフローチャートである。
【0268】
地肌非接触服内状態・中負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、基本的には前述の地肌非接触服外状態・中負荷処理(図20)と同様の処理である。ただし、本処理は老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあることが検出されたときに実行される処理であるので、監視対象者による発汗の影響を排除するための補正処理(S1030:減少補正手段)をS915の処理とS920の処理との間で実行する。
【0269】
本処理における補正処理は、前述の地肌非接触服内状態・負荷なし処理(図22)における補正処理とは異なり、正面の湿度センサ21からの出力を減少させる補正(例えば出力を0.9倍する処理)を実行する。
【0270】
よって、このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服内状態・中負荷処理によれば、監視対象者の発汗により正面の湿度センサ21の出力が大きな値になっていたとしても、監視対象者の発汗の影響を排除することができる。
【0271】
[地肌非接触服内状態・重負荷処理]
次に、地肌非接触服内状態・重負荷処理について図25を用いて説明する。図25は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌非接触服内状態・重負荷処理を示すフローチャートである。
【0272】
地肌非接触服内状態・重負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、基本的には前述の地肌非接触服外状態・重負荷処理(図21)と同様の処理である。ただし、本処理は老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあることが検出されたときに実行される処理であるので、監視対象者による発汗の影響を排除するための補正処理(S1030:減少補正手段)をS965の処理とS970の処理との間で実行する。
【0273】
なお、本処理における補正処理は、前述の地肌非接触服内状態・中負荷処理(図24)における補正処理とは、正面の湿度センサ21からの出力を減少させる係数のみが異なる(例えば本処理では発汗量が最も多いことが予想されるため、出力をより小さな0.8倍にする)。
【0274】
よって、このような老人用ペンダント1が実行する地肌非接触服内状態・重負荷処理によれば、監視対象者の発汗により正面の湿度センサ21の出力が非常に大きな値になっていたとしても、監視対象者の発汗の影響を排除することができる。
【0275】
[地肌接触服外状態・負荷なし処理]
次に、地肌接触服外状態・負荷なし処理について図26を用いて説明する。図26は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服外状態・負荷なし処理を示すフローチャートである。
【0276】
地肌接触服外状態・負荷なし処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、まず、正面の温度センサ19の出力、正面の湿度センサ21の出力、および背面の温度センサ15の出力を取得(入力)する(S1060〜S1070)。
【0277】
そして、温度湿度指数DIを算出する(S1075)。ここで、温度湿度指数DIの算出は、前述の地肌非接触服外状態・負荷なし処理(図18)と同様の手法により行う。
続いて、温度湿度指数DIが85(不快閾値)以上であるか否かを判定する(S1080:不快閾値判定手段)。
【0278】
そして、また、温度湿度指数DIが85未満であれば(S1080:No)、背面の温度センサ15からの出力が監視対象者にとって熱射病の危険がある38度(高体温閾値)以上であるか否かを判定する(S1085:高体温判定手段)。
【0279】
温度湿度指数DIが85以上である場合(S1080:Yes)、および背面の温度センサ15からの出力が38度以上である場合(S1085:Yes)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるものとして暑過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S1090:暑過ぎ判断手段)。
【0280】
また、背面の温度センサ15からの出力が38度未満である場合(S1085:No)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるとは限らないものとして暑過ぎ注意状態不明信号を出力する(S1095:暑過ぎ判断手段)。
【0281】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服外状態・負荷なし処理によれば、正面の温度センサ19により監視対象者の体温(または体温により高温となった周囲の温度)を検出し、この温度が高体温閾値以上になった場合にも暑過ぎると判断するので、監視対象者の体温が異常に高温になったことを検出することができる。
【0282】
[地肌接触服外状態・軽負荷処理]
次に、地肌接触服外状態・軽負荷処理について図27を用いて説明する。図27は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服外状態・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【0283】
地肌接触服外状態・軽負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、まず、正面の温度センサ19の出力、正面の湿度センサ21の出力、背面の温度センサ15の出力、および濡れセンサ25の出力を取得(入力)する(S1110〜S1125)。
【0284】
そして、温度湿度指数DIを算出する(S1130)。ここで、温度湿度指数DIの算出は、前述の地肌非接触服外状態・負荷なし処理(図18)と同様の手法により行う。
続いて、温度湿度指数DIが80(不快閾値)以上であるか否かを判定する(S1135:不快閾値判定手段)。
【0285】
温度湿度指数DIが80未満であれば(S1135:No)、背面の温度センサ15からの出力が監視対象者にとって熱射病の危険がある38度(高体温閾値)以上であるか否かを判定する(S1140:高体温判定手段)。背面の温度センサ15からの出力が38度未満である場合(S1140:No)には、濡れセンサ25の出力が監視対象者の皮膚の濡れ(筐体5の濡れ)を検出したか否かを判定する(S1145:濡れ判定手段)
温度湿度指数DIが80以上である場合(S1135:Yes)、背面の温度センサ15からの出力が38度以上である場合(S1140:Yes)、および濡れセンサ25の出力が監視対象者の皮膚の濡れを検出した場合(S1145:Yes)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるものとして暑過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)する(S1150:暑過ぎ判断手段)。
【0286】
また、濡れセンサ25の出力が監視対象者の皮膚の濡れを検出しなかった場合(S1145:No)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって暑過ぎるとは限らないものとして暑過ぎ注意状態不明信号を出力する(S1155:暑過ぎ判断手段)。
【0287】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服外状態・軽負荷処理によれば、監視対象者の発汗を検出することができるので、不快指数が不快閾値未満であって、背面の温度センサ19による検出結果が高体温閾値未満であったとしても、監視対象者の発汗を検出すれば暑過ぎであると判断することができる。
【0288】
[地肌接触服外状態・中負荷処理]
次に、地肌接触服外状態・中負荷処理について図28を用いて説明する。図28は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服外状態・中負荷処理を示すフローチャートである。
【0289】
地肌接触服外状態・中負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、前述の地肌接触服外状態・軽負荷処理(図27)のS1135の処理に換えてS1160の処理を実行する以外は、地肌接触服外状態・軽負荷処理(図27)と同様の処理を実行する。
【0290】
ここで、S1160の処理では、温度湿度指数DIが75以上であるか否かを判定する(S1160)。温度湿度指数DIが75以上であれば(S1160:Yes)、S1150に移行し、温度湿度指数DIが75未満であれば(S1160:No)、S1140に移行する。
【0291】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服外状態・中負荷処理によれば、監視対象者の発汗を検出することができるので、不快指数が不快閾値未満であって、背面の温度センサ19による検出結果が高体温閾値未満であったとしても、監視対象者の発汗を検出すれば暑過ぎであると判断することができる。
【0292】
[地肌接触服外状態・重負荷処理]
次に、地肌接触服外状態・重負荷処理について図29を用いて説明する。図29は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服外状態・重負荷処理を示すフローチャートである。
【0293】
地肌接触服外状態・重負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、前述の地肌接触服外状態・軽負荷処理(図27)のS1135の処理に換えてS1165の処理を実行する以外は、地肌接触服外状態・軽負荷処理(図27)と同様の処理を実行する。
【0294】
ここで、S1165の処理では、温度湿度指数DIが70以上であるか否かを判定する(S1165)。温度湿度指数DIが70以上であれば(S1165:Yes)、S1150に移行し、温度湿度指数DIが70未満であれば(S1165:No)、S1140に移行する。
【0295】
このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服外状態・重負荷処理によれば、監視対象者の発汗を検出することができるので、不快指数が不快閾値未満であって、背面の温度センサ19による検出結果が高体温閾値未満であったとしても、監視対象者の発汗を検出すれば暑過ぎであると判断することができる。
【0296】
[地肌接触服内状態・負荷なし処理]
次に、地肌接触服内状態・負荷なし処理について図30を用いて説明する。図30は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服内状態・負荷なし処理を示すフローチャートである。
【0297】
地肌接触服内状態・負荷なし処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、基本的には前述の地肌接触服外状態・負荷なし処理(図26)と同様の処理である。ただし、本処理は老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあることが検出されたときに実行される処理であるので、監視対象者の体温による影響を排除するための補正処理(S1010)をS1070の処理とS1075の処理との間で実行する。
【0298】
なお、本処理における補正処理は、前述の地肌非接触服内状態・負荷なし処理(図22)における補正処理と同様の処理である。
このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服内状態・負荷なし処理によれば、
監視対象者の体温により正面の温度センサ19の出力が大きな値になっていたとしても、監視対象者の体温の影響を排除することができる。また、正面の温度センサ19により監視対象者の体温(または体温により高温となった周囲の温度)を検出し、この温度が高体温閾値以上になった場合にも暑過ぎると判断するので、監視対象者の体温が異常に高温になったことを検出することができる。
【0299】
[地肌接触服内状態・軽負荷処理]
次に、地肌接触服内状態・軽負荷処理について図31を用いて説明する。図31は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服内状態・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【0300】
地肌接触服内状態・軽負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、基本的には前述の地肌接触服外状態・軽負荷処理(図27)と同様の処理である。ただし、本処理は老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあることが検出されたときに実行される処理であるので、監視対象者の体温による影響を排除するための補正処理(S1010)をS1125の処理とS1130の処理との間で実行する。
【0301】
なお、本処理における補正処理は、前述の地肌非接触服内状態・負荷なし処理(図22)における補正処理と同様の処理である。
このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服内状態・軽負荷処理によれば、 監視対象者の体温により正面の温度センサ19の出力が大きな値になっていたとしても、監視対象者の体温の影響を排除することができる。また、正面の温度センサ19により監視対象者の体温(または体温により高温となった周囲の温度)を検出し、この温度が高体温閾値以上になった場合にも暑過ぎると判断するので、監視対象者の体温が異常に高温になったことを検出することができる。
【0302】
[地肌接触服内状態・中負荷処理]
次に、地肌接触服内状態・中負荷処理について図32を用いて説明する。図32は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服内状態・中負荷処理を示すフローチャートである。
【0303】
地肌接触服内状態・中負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、基本的には前述の地肌接触服外状態・中負荷処理(図28)と同様の処理である。ただし、本処理は老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあることが検出されたときに実行される処理であるので、監視対象者による発汗の影響を排除するための補正処理(S1030:減少補正手段)をS1125の処理とS1130の処理との間で実行する。
【0304】
本処理における補正処理は、前述の地肌非接触服内状態・中負荷処理(図24)における補正処理と同様の処理である。
このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服内状態・中負荷処理によれば、
監視対象者の発汗により正面の湿度センサ21の出力が大きな値になっていたとしても、監視対象者の発汗の影響を排除することができる。また、正面の温度センサ19により監視対象者の体温(または体温により高温となった周囲の温度)を検出し、この温度が高体温閾値以上になった場合にも暑過ぎると判断するので、監視対象者の体温が異常に高温になったことを検出することができる。
【0305】
[地肌接触服内状態・重負荷処理]
次に、地肌接触服内状態・重負荷処理について図33を用いて説明する。図33は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する地肌接触服内状態・重負荷処理を示すフローチャートである。
【0306】
地肌接触服内状態・重負荷処理は、前述の暑過ぎ状態判断処理(図17)の処理中に実行される処理であって、基本的には前述の地肌接触服外状態・重負荷処理(図29)と同様の処理である。ただし、本処理は老人用ペンダント1が監視対象者の衣服の内部にあることが検出されたときに実行される処理であるので、監視対象者による発汗の影響を排除するための補正処理(S1030:減少補正手段)をS1125の処理とS1130の処理との間で実行する。
【0307】
本処理における補正処理は、前述の地肌非接触服内状態・重負荷処理(図25)における補正処理と同様の処理である。
このような老人用ペンダント1が実行する地肌接触服内状態・重負荷処理によれば、
監視対象者の発汗により正面の湿度センサ21の出力が大きな値になっていたとしても、監視対象者の発汗の影響を排除することができる。また、正面の温度センサ19により監視対象者の体温(または体温により高温となった周囲の温度)を検出し、この温度が高体温閾値以上になった場合にも暑過ぎると判断するので、監視対象者の体温が異常に高温になったことを検出することができる。
【0308】
[寒すぎ状態判断処理]
次に、監視対象者にとって寒過ぎる状態であることを検出する処理について図34を用いて説明する。図34は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する寒過ぎ状態判断処理を示すフローチャートである。
【0309】
この寒過ぎ状態判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、老人用ペンダント1と監視対象者との位置関係を検出するペンダント位置判断処理(図15)を実行し(S1210:位置関係検出手段)、続いて監視対象者が行う運動の運動負荷を検出する運動負荷判断処理(図16)を実行する(S1215:運動負荷検出手段)。
【0310】
そして、ペンダント位置判断処理(図15)および運動負荷判断処理(図16)の処理結果に応じて1つの処理を選択し、監視対象者にとって寒過ぎるか否かを検出する処理を実行する(S1220:寒過ぎ判断手段)。
【0311】
即ちS1220では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服外状態信号または地肌接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて負荷なし判断信号または軽負荷判断信号が出力されていれば、後述する服外状態・負荷なし・軽負荷処理(図35)を実行する。
【0312】
またS1220では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服外状態信号または地肌接触服外状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて中負荷判断信号または重負荷判断信号が出力されていれば、後述する服外状態・中負荷・重負荷処理(図36)を実行する。
【0313】
またS1220では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服内状態信号または地肌接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて負荷なし判断信号または軽負荷判断信号が出力されていれば、後述する服内状態・負荷なし・軽負荷処理(図37)を実行する。
【0314】
またS1220では、ペンダント位置判断処理(図15)にて地肌非接触服内状態信号または地肌接触服内状態信号が出力されており、かつ運動負荷判断処理(図16)にて中負荷判断信号または重負荷判断信号が出力されていれば、後述する服内状態・中負荷・重負荷処理(図38)を実行する。
【0315】
続いて、S1220によりRAM等のメモリに格納された寒過ぎ注意信号を読み込み(入力し)(S1225)、寒過ぎ注意信号がメモリに格納されていれば(つまり、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎると判断されれば)、寒過ぎである旨を監視対象者に対して報知する(S1230,S1235:寒過ぎ報知手段)。
【0316】
具体的には、寒過ぎ注意のメッセージ音をスピーカ65から出力させ(S1230)、電飾63を青色に発光させるとともに、ディスプレイ61に寒過ぎである旨を示すメッセージを表示させる(S1235)。
【0317】
このような老人用ペンダント1が実行する寒過ぎ状態判断処理によれば、監視対象者にとって寒過ぎると判断した場合には、寒過ぎである旨を監視対象者に報知することできる。
【0318】
[服外状態・負荷なし・軽負荷処理]
次に、服外状態・負荷なし・軽負荷処理について図35を用いて説明する。図35は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する服外状態・負荷なし・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【0319】
服外状態・負荷なし・軽負荷処理は、前述の寒過ぎ状態判断処理(図34)の処理中に実行される処理であって、まず、正面の温度センサ19の出力を取得(入力)する(S1260)。
【0320】
そして、正面の温度センサ19による検出結果が例えば0度(第1低温閾値)未満であるか否かを判定する(S1265:第1低温閾値判定手段)。正面の温度センサ19による検出結果が0度以上であれば(S1265:No)、正面の温度センサ19による検出結果が10度(第2低温閾値:第1低温閾値よりも大きく設定されている。)未満であるか否かを判定する(S1270:第2低温閾値判定手段)。
【0321】
正面の温度センサ19による検出結果が10度未満であれば(S1270:Yes)、風速センサ29の出力を取得(入力)し(S1275)、風速センサ29の出力が風速5m(風速閾値)以上であるか否かを判定する(S1280:風速判定手段)。
【0322】
正面の温度センサ19による検出結果が0度未満である場合(S1265:Yes)、風速センサ29の出力が風速5m以上である場合(S1280:Yes)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎるものとして寒過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1285:寒過ぎ判断手段)、服外状態・負荷なし・軽負荷処理を終了する。
【0323】
また、正面の温度センサ19による検出結果が10度以上である場合(S1270:No)、風速センサ29の出力が風速5m以上である場合(S1280:No)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎるかどうかは不明であるものとして寒過ぎ注意状態不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1290:寒過ぎ判断手段)、服外状態・負荷なし・軽負荷処理を終了する。
【0324】
このような老人用ペンダント1が実行する服外状態・負荷なし・軽負荷処理によれば、正面の温度センサ19により検出された温度が、第1低温閾値未満である場合に、監視対象者にとって寒すぎると判断するとともに、正面の温度センサ19により検出された温度が第1低温閾値よりも高温であったとしても、第2低温閾値よりも低温であって、風速センサ23により風速閾値以上の風速を検出すると監視対象者にとって寒すぎると判断する。
【0325】
よって、このような携帯監視装置によれば、風速が増すと体感温度が下がる特性を利用しているので、監視対象者にとって寒すぎることを良好に検出することができる。
[服外状態・中負荷・重負荷処理]
次に、服外状態・中負荷・重負荷処理について図36を用いて説明する。図36は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する服外状態・中負荷・重負荷処理を示すフローチャートである。
【0326】
服外状態・中負荷・重負荷処理は、前述の寒過ぎ状態判断処理(図34)の処理中に実行される処理であって、まず、正面の温度センサ19の出力を取得(入力)する(S1310)。
【0327】
そして、正面の温度センサ19による検出結果が例えば−5度(第1低温閾値)未満であるか否かを判定する(S1315:第1低温閾値判定手段)。正面の温度センサ19による検出結果が−5度以上であれば(S1315:No)、正面の温度センサ19による検出結果が5度(第2低温閾値:第1低温閾値よりも大きく設定されている。)未満であるか否かを判定する(S1320:第2低温閾値判定手段)。
【0328】
正面の温度センサ19による検出結果が5度未満であれば(S1320:Yes)、風速センサ29の出力を取得(入力)し(S1325)、風速センサ29の出力が風速5m(風速閾値)以上であるか否かを判定する(S1330:風速判定手段)。
【0329】
正面の温度センサ19による検出結果が−5度未満である場合(S1315:Yes)、風速センサ29の出力が風速5m以上である場合(S1330:Yes)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎるものとして寒過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1335:寒過ぎ判断手段)、服外状態・中負荷・重負荷処理を終了する。
【0330】
また、正面の温度センサ19による検出結果が5度以上である場合(S1320:No)、風速センサ29の出力が風速5m以上である場合(S1330:No)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎるかどうかは不明であるものとして寒過ぎ注意状態不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1340:寒過ぎ判断手段)、服外状態・中負荷・重負荷処理を終了する。
【0331】
このような老人用ペンダント1が実行する服外状態・中負荷・重負荷処理によれば、正面の温度センサ19により検出された温度が、第1低温閾値未満である場合に、監視対象者にとって寒すぎると判断するとともに、正面の温度センサ19により検出された温度が第1低温閾値よりも高温であったとしても、第2低温閾値よりも低温であって、風速センサ23により風速閾値以上の風速を検出すると監視対象者にとって寒すぎると判断する。
【0332】
よって、このような携帯監視装置によれば、風速が増すと体感温度が下がる特性を利用しているので、監視対象者にとって寒すぎることを良好に検出することができる。
なお、本処理における第1低温閾値および第2低温閾値は、前述の服外状態・負荷なし・軽負荷処理(図35)における第1低温閾値および第2低温閾値よりもそれぞれ小さな値に設定されている。このように設定されているのは、監視対象者が激しい運動(中負荷運動および重負荷運動)を実施している場合には、監視対象者がほとんど運動をしていない状態(負荷なしまたは軽負荷運動)のときよりも寒さを感じ難いからである。従って、老人用ペンダント1によれば監視対象者が行う運動負荷の大きさに応じて良好に寒過ぎることを検出することができる。
【0333】
[服内状態・負荷なし・軽負荷処理]
次に、服内状態・負荷なし・軽負荷処理について図37を用いて説明する。図37は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する服内状態・負荷なし・軽負荷処理を示すフローチャートである。
【0334】
服内状態・負荷なし・軽負荷処理は、前述の寒過ぎ状態判断処理(図34)の処理中に実行される処理であって、まず、背面の温度センサ15の出力および正面の温度センサ19の出力を取得(入力)する(S1360,S1365)。
【0335】
そして、背面の温度センサ15の出力および正面の温度センサ19の出力の差分が3度(第3低温閾値)以上であるか否かを判定する(S1370:第3低温閾値判定手段)。背面の温度センサ15の出力および正面の温度センサ19の出力の差分が3度未満であれば(S1370:No)、正面の温度センサ19の出力が5度(第5低温閾値)未満であるか否かを判定する(S1375:第5低温閾値判定手段)
背面の温度センサ15の出力および正面の温度センサ19の出力の差分が3度以上であれば(S1370:Yes)、背面の温度センサ19の出力が20度(第4低温閾値)未満であるか否かを判定する(S1380:第4低温閾値判定手段)。
【0336】
正面の温度センサ19の出力が5度未満である場合(S1375:Yes)、および背面の温度センサ19の出力が20度未満である場合(S1380:Yes)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎるものとして寒過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1385:寒過ぎ判断手段)、服内状態・負荷なし・軽負荷処理を終了する。
【0337】
正面の温度センサ19の出力が5度以上である場合(S1375:No)、および背面の温度センサ19の出力が20度以上である場合(S1380:No)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎるかどうかは不明であるものとして寒過ぎ注意状態不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1390:寒過ぎ判断手段)、服内状態・負荷なし・軽負荷処理を終了する。
【0338】
このような老人用ペンダント1が実行する服内状態・負荷なし・軽負荷処理によれば、服外状態・中負荷・重負荷処理(図36)と同様に、監視対象者にとって寒すぎることを良好に検出することができる。
【0339】
[服内状態・中負荷・重負荷処理]
次に、服内状態・中負荷・重負荷処理について図38を用いて説明する。図38は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する服内状態・中負荷・重負荷処理を示すフローチャートである。
【0340】
服内状態・中負荷・重負荷処理は、前述の寒過ぎ状態判断処理(図34)の処理中に実行される処理であって、まず、背面の温度センサ15の出力および正面の温度センサ19の出力を取得(入力)する(S1410,S1415)。
【0341】
そして、背面の温度センサ15の出力および正面の温度センサ19の出力の差分が3度(第3低温閾値)以上であるか否かを判定する(S1420:第3低温閾値判定手段)。背面の温度センサ15の出力および正面の温度センサ19の出力の差分が3度未満であれば(S1420:No)、正面の温度センサ19の出力が0度(第5低温閾値)未満であるか否かを判定する(S1425:第5低温閾値判定手段)
背面の温度センサ15の出力および正面の温度センサ19の出力の差分が3度以上であれば(S1420:Yes)、背面の温度センサ19の出力が15度(第4低温閾値)未満であるか否かを判定する(S1430:第4低温閾値判定手段)。
【0342】
正面の温度センサ19の出力が0度未満である場合(S1425:Yes)、および背面の温度センサ19の出力が15度未満である場合(S1430:Yes)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎるものとして寒過ぎ注意状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1435:寒過ぎ判断手段)、服内状態・中負荷・重負荷処理を終了する。
【0343】
正面の温度センサ19の出力が0度以上である場合(S1425:No)、および背面の温度センサ19の出力が15度以上である場合(S1430:No)には、監視対象者の周囲の環境が監視対象者にとって寒過ぎるかどうかは不明であるものとして寒過ぎ注意状態不明信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1440:寒過ぎ判断手段)、服内状態・中負荷・重負荷処理を終了する。
【0344】
このような老人用ペンダント1が実行する服内状態・中負荷・重負荷処理によれば、服外状態・中負荷・重負荷処理(図36)と同様に、監視対象者にとって寒すぎることを良好に検出することができる。
【0345】
[寒暖救援依頼処理]
次に、老人用ペンダント1において、監視対象者を救援する必要があるか否かを判定する処理について図39を用いて説明する。図39は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する寒暖救援依頼処理を示すフローチャートである。
【0346】
この寒暖救援依頼処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、救援依頼の猶予中であるか否かを判定する(S1460:作動禁止手段)。この救援依頼の猶予中とは、RAM等のメモリに後述する救援依頼猶予信号が格納されているか否かに基づいて判断する。
【0347】
救援依頼の猶予中であれば(S1460:Yes)、寒暖救援依頼処理を終了する。
また、救援依頼の猶予中でなければ(S1460:No)、メモリに格納された寒過ぎ注意信号および暑過ぎ注意信号を取得(入力)する(S1465,S1470)。
【0348】
そして、暑過ぎ注意信号または寒過ぎ注意信号を取得したか否かを判定する(S1475)。暑過ぎ注意信号または寒過ぎ注意信号を取得していなければ(S1475:No)、寒暖救援依頼処理を終了する。暑過ぎ注意信号または寒過ぎ注意信号を取得していれば(S1475:Yes)、監視対象者に暑過ぎまたは寒すぎである旨を報知する(S1480)。具体的には例えば、暑過ぎまたは寒すぎを表す警告のメッセージ音をスピーカ65から出力させ、電飾63を赤色に発光させるとともに、ディスプレイ61に警告を示すメッセージを表示させる。
【0349】
そして、タイマをスタートさせ(S1485)、確認ボタン73の操作を受け付け(S1490)、確認ボタン73が操作されたか否かを判定する(S1495:操作判定手段)。確認ボタン73が操作されていなければ(S1495:No)、タイマがスタートしてから1分(待機時間)が経過したか否かを判定する(S1500:第1救援判断手段)。
【0350】
タイマがスタートしてから1分が経過していなければ(S1500:No)、S1490の処理に戻り、タイマがスタートしてから1分が経過していれば(S1500:Yes)、監視対象者を救援する必要があるものとして救援依頼状態信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1505)、寒暖救援依頼処理を終了する。
【0351】
また、確認ボタン73が操作されていれば(S1495:Yes)、30分間の救援依頼猶予信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1510)、寒暖救援依頼処理を終了する。
【0352】
このような老人用ペンダント1が実行する寒暖救援依頼処理によれば、監視対象者にとって暑過ぎることまたは寒すぎることが検出されたときにおいて、確認ボタン73が操作されたか否かに基づいて、監視対象者に意識障害や運動障害等の異常が発生したか否かを判断する。よって、監視対象者が操作部の操作ができなかった場合等、確認ボタン73が操作されない場合には、監視対象者に異常が発生したものとして監視対象者を救援する必要があると判断することができる。また、確認ボタン73が操作された後、猶予時間が経過するまでは一定時間は監視対象者を救援する判断を禁止することができるので、監視対象者に異常が発生していない場合に救援する必要があると判断されることを防止することができる。
【0353】
[救援依頼の猶予中設定処理]
次に、老人用ペンダント1において、救援依頼の猶予中である設定を解除する処理について図40を用いて説明する。図40は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する救援依頼の猶予中設定処理を示すフローチャートである。
【0354】
この救援依頼の猶予中設定処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、メモリに格納された救援依頼猶予信号を取得(入力)する(S1520)。そして、救援依頼猶予信号が取得されたか否かを判定する(S1525)。
【0355】
救援依頼猶予信号が取得されていなければ(S1525:No)、救援依頼の猶予中設定処理を終了する。また、救援依頼猶予信号が取得されていれば(S1525:Yes)、タイマをクリア後スタートし(S1530)、タイマがスタートしてから30分が経過したか否かを判定する(S1535)。
【0356】
タイマがスタートしてから30分が経過していなければ(S1535:No)、S1535の処理を繰り返し、タイマがスタートしてから30分が経過していれば(S1535:Yes)、RAM等のメモリに格納された救援依頼猶予信号を削除することにより救援依頼の判断猶予状態を解除し(S1540)、救援依頼の猶予中設定処理を終了する。
【0357】
このような老人用ペンダント1が実行する救援依頼の猶予中設定処理によれば、一定時間(ここでは30分間)が経過した際に、良好に救援依頼の判断猶予状態を解除することができる。
【0358】
[救援依頼の送信処理]
次に、老人用ペンダント1において、救援依頼を送信する処理について図41を用いて説明する。図41は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する救援依頼の送信処理を示すフローチャートである。
【0359】
この救援依頼の送信処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、メモリに格納された救援依頼状態信号を取得(入力)する(S1560)。そして、救援依頼状態信号が取得されたか否かを判定する(S1565)。
【0360】
救援依頼状態信号が取得されていなければ(S1565:No)、救援依頼の送信処理を終了する。
救援依頼状態信号が取得されていれば(S1565:Yes)、GPS受信機27により検出された老人用ペンダント1の現在地の情報を入力し(S1570)、この現在地の情報を含む救援依頼メールを生成し、このメールを予め設定された連絡先に対して送信する(S1575)。そして、この処理が終了すると、救援依頼の送信処理を終了する。
【0361】
このような老人用ペンダント1が実行する救援依頼の送信処理によれば、救援依頼を送信する必要がある場合に、良好に救援依頼を連絡先に対して送信することができる。
[徘徊判断処理]
次に、老人用ペンダント1において、監視対象者が徘徊していることを検出する処理について図42を用いて説明する。図42は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する徘徊判断処理を示すフローチャートである。
【0362】
この徘徊判断処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、GPS受信機27により検出された老人用ペンダント1の現在地の情報を入力するとともに(S1610)、訪問先メモリ55に格納された立ち回り先の位置情報を読み出す(S1615)。
【0363】
そして、老人用ペンダント1の現在地が立ち回り先として登録されている位置以外の位置であるか否かを判定する(S1620)。老人用ペンダント1の現在地が立ち回り先として登録されている位置であれば(S1620:No)、徘徊判断処理を終了する。
【0364】
また、老人用ペンダント1の現在地が立ち回り先として登録されている位置でなければ(S1620:Yes)、後述する歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理(S1625:図43)、後述する歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理(S1630:図44)、後述する歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理(S1635:図45)を順に実行する。即ち、S1625〜S1635の処理では、監視対象者の動作が、徘徊を行う者に特有の特定パターンであるか否かを判定することにより、監視対象者が心神喪失状態であるか否かを判定する(心神喪失判定手段)。
【0365】
続いて、S1625〜S1635の処理にて心神喪失の可能性信号が出力されたか否かを判定する(S1640)。心神喪失の可能性信号が出力されていれば(S1640:Yes)、監視対象者を救援する必要があるものとして救援依頼状態信号を出力し(S1645:第1救援判断手段)、徘徊判断処理を終了する。
【0366】
また、心神喪失の可能性信号が出力されていなければ(S1640:No)、徘徊判断処理を終了する。
このような老人用ペンダント1が実行する徘徊判断処理によれば、現在地を表す情報が訪問先メモリ55に記憶された位置情報と一致しない場合に、監視対象者が徘徊している可能性があるものとして、監視対象者の動作が特定のパターンであるか否かを判定する。そして、監視対象者の動作が特定のパターンであることが検出されれば、監視対象者が心神喪失状態であるものとして救援する必要があると判断する。
【0367】
従って、このような携帯監視装置によれば、監視対象者が徘徊していることを検出することができる。
[歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理]
次に、歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理について図43を用いて説明する。図43は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理を示すフローチャートである。
【0368】
歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理は、前述の徘徊判断処理(図42)の処理中に実行される処理であって、まず、メモリに格納された歩行中信号および停止中信号を取得(入力)する(S1660.S1665)。
【0369】
そして、歩行中信号から停止中信号への変更を抽出し(S1670)、歩行中信号から停止中信号への変更を検出したか否かを判定する(S1675)。歩行中信号から停止中信号への変更を検出していなければ(S1675:No)、歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。
【0370】
また、歩行中信号から停止中信号への変更を検出していれば(S1675:Yes)、1分間(第1心神喪失判定時間内)の歩行中信号から停止中信号への変更回数をRAM等のメモリに格納する(S1680)。そして、1分間の変更回数が3回(第1心神喪失閾値)以上であるか否かを判定する(S1685:心神喪失判定手段)。
【0371】
1分間における歩行中信号から停止中信号への変更回数が3回未満であれば(S1685:No)、歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。また、1分間における歩行中信号から停止中信号への変更回数が3回以上であれば(S1685:Yes)、監視対象者が心神喪失状態である可能性があるものとして心神喪失の可能性信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1690)、歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。
【0372】
このような老人用ペンダント1が実行する歩行・停止のランダム短時間繰り返し判断処理によれば、監視対象者の動作における特定のパターンとして、歩行する動作および停止する動作を繰り返す動作を検出することにより監視対象者が心神喪失状態であるか否かを判定するので、より確実に監視対象者の徘徊を検出することができる。
【0373】
[歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理]
次に、歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理について図44を用いて説明する。図44は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理を示すフローチャートである。
【0374】
歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理は、前述の徘徊判断処理(図42)の処理中に実行される処理であって、まず、メモリに格納された歩行中信号、右ターン信号、および左ターン信号を取得(入力)する(S1710〜S1720)。
【0375】
そして、歩行中信号から右ターン信号への変更、および歩行中信号から左ターン信号への変更を抽出し(S1725)、歩行中信号から右(左)ターン信号への変更を検出したか否かを判定する(S1730)。歩行中信号から右(左)ターン信号への変更を検出していなければ(S1730:No)、歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。
【0376】
また、歩行中信号から右(左)ターン信号への変更を検出していれば(S1730:Yes)、1分間(第2心神喪失判定時間内)の歩行中信号から停止中信号への変更回数をRAM等のメモリに格納する(S1735)。そして、1分間の変更回数が6回(第2心神喪失閾値)以上であるか否かを判定する(S1740:心神喪失判定手段)。
【0377】
1分間における歩行中信号から右(左)ターン信号への変更回数が6回未満であれば(S1740:No)、歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。また、1分間における歩行中信号から右(左)ターン信号への変更回数が6回以上であれば(S1740:Yes)、監視対象者が心神喪失状態である可能性があるものとして心神喪失の可能性信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1745)、歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。
【0378】
このような老人用ペンダント1が実行する歩行・左・右ターンのランダム短時間繰り返し判断処理によれば、監視対象者の動作における特定のパターンとして、歩行する動作から右ターン(順方向ターン)および左ターン(逆方向ターン)をする動作を検出することにより監視対象者が心神喪失状態であるか否かを判定するので、より確実に監視対象者の徘徊を検出することができる。
【0379】
[歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理]
次に、歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理について図45を用いて説明する。図45は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理を示すフローチャートである。
【0380】
歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理は、前述の徘徊判断処理(図42)の処理中に実行される処理であって、まず、メモリに格納された歩行中信号、および座り動作信号を取得(入力)する(S1760〜S1765)。
【0381】
そして、歩行中信号から座り動作信号への変更を抽出し(S1770)、歩行中信号から座り動作信号への変更を検出したか否かを判定する(S1775)。歩行中信号から座り動作信号への変更を検出していなければ(S1775:No)、歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。
【0382】
また、歩行中信号から座り動作信号への変更を検出していれば(S1775:Yes)、1分間(第3心神喪失判定時間内)の歩行中信号から座り動作信号への変更回数をRAM等のメモリに格納する(S1780)。そして、1分間の変更回数が3回(第3心神喪失閾値)以上であるか否かを判定する(S1785:心神喪失判定手段)。
【0383】
1分間における歩行中信号から座り動作信号への変更回数が3回未満であれば(S1785:No)、歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。また、1分間における歩行中信号から座り動作信号への変更回数が3回以上であれば(S1785:Yes)、監視対象者が心神喪失状態である可能性があるものとして心神喪失の可能性信号をRAM等のメモリに格納(出力)し(S1790)、歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理を終了する。
【0384】
このような老人用ペンダント1が実行する歩行・座り動作のランダム短時間繰り返し判断処理によれば、監視対象者の動作における特定のパターンとして、歩行する動作から座る動作を検出することにより監視対象者が心神喪失状態であるか否かを判定するので、より確実に監視対象者の徘徊を検出することができる。
【0385】
[立ち回り先登録処理]
次に、老人用ペンダント1において、監視対象者の立ち回り先(訪問先)を登録する処理について図46を用いて説明する。図46は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する立ち回り先登録処理を示すフローチャートである。
【0386】
この立ち回り先登録処理においては、周期的(例えば10ms毎)に起動される処理であって、まず、操作部70(タッチパッド71、確認ボタン73)の操作により学習モードに切り替える旨の信号の入力を受け付ける(S1810:モード切替手段)。なお、支援制御依頼信号送信装置50のMPU51は、学習モードに切り替える旨の信号を受けると、前述の各種処理を実行する通常モードから、立ち回り先を登録する学習モードに切り替える。
【0387】
続いて、現在のモードが学習モードであるか否かを判定する(S1815)。現在のモードが学習モードであれば(S1815:Yes)、GPS受信機27により検出された老人用ペンダント1の現在地の情報を入力する(S1820)。そして、この現在地の情報を立ち回り先として訪問先メモリ55に格納し(S1825)、立ち回り先登録処理を終了する。
【0388】
また、現在のモードが学習モードでなければ(S1815:No)、GPS受信機27により検出された老人用ペンダント1の現在地の情報を入力し(S1830)、訪問先メモリ55に格納された立ち回り先の位置情報を読み出す(S1835)。
【0389】
そして、GPS受信機27により検出された老人用ペンダント1の現在地と、訪問先メモリ55に格納された立ち回り先の位置との距離が、100m(所定距離)以上離間していることか否かを判定する(S1840)。老人用ペンダント1の現在地と立ち回り先の位置との距離が100m未満しか離間していなければ(S1840:No)、立ち回り先登録処理を終了する。
【0390】
また、老人用ペンダント1の現在地と立ち回り先の位置との距離が100m以上離間していれば(S1840:Yes)、老人用ペンダント1の現在地の情報をRAM等のメモリに仮登録する(S1845)。なお、老人用ペンダント1の現在地の情報をメモリに仮登録する際には、同じ仮登録位置(例えば100m以内の仮登録位置)における仮登録の回数と、登録日の情報とを併せて登録する。
【0391】
続いて、仮登録された情報が、本登録条件(例えば同じ位置の仮登録が異なる5日間になされた場合)を満たすか否かを判定する(S1850)。仮登録された情報が、本登録条件を満たさなければ(S1850:No)、立ち回り先登録処理を終了する。
【0392】
また、仮登録された情報が、本登録条件を満たせば(S1850:Yes)、仮登録されていた地点を立ち回り先として訪問先メモリ55に記憶させ(S1855)、立ち回り先登録処理を終了する。
【0393】
なお、本処理において、S1815〜S1825の処理は、本発明でいう第1記憶制御手段に相当し、S1830〜S1855の処理は、本発明でいう第2記憶制御手段に相当する。
【0394】
このような老人用ペンダント1が実行する立ち回り先登録処理によれば、監視対象者または監視対象者の保護者が監視対象者の立ち回り先で操作部を操作し、学習モードに切り替えることにより、この立ち回り先を監視対象者が訪問する立ち回り先として登録することができる。つまり、位置情報を入力する等の煩雑な作業を必要とすることなく立ち回り先を登録することができる。また、通常モードのときであっても、監視対象者が頻繁に(登録閾値以上の回数)訪問した立ち回り先を位置情報として登録することができるので、監視対象者およびその保護者は特に操作をすることなく立ち回り先を登録させることができる。
【0395】
なお、本処理では、学習モードに切り替えられると自動的にている際に、現在地の情報を立ち回り先の位置情報として訪問先メモリ55に記憶させるよう構成したが、例えば、学習モードに切り替えられており、かつ操作部が操作されたときに、現在地の情報を立ち回り先の位置情報として訪問先メモリ55に記憶させるよう構成してもよい。
【0396】
[安否判断可能判断処理]
次に、老人用ペンダント1が監視対象者の安否を判断することができる状態にあるか否かを判定する処理について図47を用いて説明する。図47は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する安否判断可能判断処理を示すフローチャートである。
【0397】
この安否判断可能判断処理は、予め設定された所定周期毎に起動される処理であって、まず、3次元加速度センサ11からの出力を入力し(S1910)、このセンサ11の出力に変化があるか否かを判定する(S1915)。このセンサ11の出力に変化があれば(S1915:YES)、監視対象者の安否の判断をすることができるものとして安否判断可能信号を出力し(S1930)、安否判断可能判断処理を終了する。
【0398】
また、このセンサ11の出力に変化がなければ(S1915:NO)、地肌接触状態信号、地肌接触服外状態信号、地肌接触服内状態信号、地肌非接触状態信号、地肌非接触服外状態信号、および地肌非接触服内状態信号を検出し(S1920)、これらのうちの何れかの信号の入力があったか否か(検出できたか否か)を判定する(S1925)。
【0399】
何れかの信号の入力があれば(S1925:YES)、安否判断可能信号を出力し(S1930)、安否判断可能判断処理を終了する。何れの信号の入力もなければ(S1925:NO)、監視対象者の安否の判断をすることができないものとして安否判断不可信号を出力し(S1935)、安否判断可能判断処理を終了する。
【0400】
[安否状態判断処理(脈拍数関係)]
次に、監視対象者の脈拍数関係の情報に基づいて監視対象者の安否を判断する処理について図48を用いて説明する。図48は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する脈拍数関係の安否状態判断処理を示すフローチャートである。
【0401】
この脈拍数関係の安否状態判断処理は、予め設定された所定周期毎に起動される処理であって、まず安否判断可能信号が出力されているか否かを判定する(S1960)。安否判断可能信号が出力されていなければ(S1960:NO)、直ちに脈拍数関係の安否状態判断処理を終了する。
【0402】
一方、安否判断可能信号が出力されていれば(S1960:YES)、心電センサ33からの出力を取得し(S1965)、この心電センサ33からの出力に基づいて監視対象者の心拍数を算出する(S1970)。この処理では、例えば過去5秒間の心拍数を算出する。
【0403】
そして、心電センサ33による過去の心拍数の9割と、S1970で算出した心拍数の1割とを足し合わせた加重平均値を求め、この加重平均値の12倍の値(つまり1分当たりの値)を心電センサ33による心拍数としてRAM等のメモリに記録する(S1975)。なお、この処理にて算出した加重平均値は、再度、安否状態判断処理が実施されたときに上記の「過去の心拍数」として利用される。
【0404】
続いて、心音センサ35からの出力を取得し(S1980)、心音センサ35による過去の心拍数の9割と、S1985で算出した心拍数の1割とを足し合わせた加重平均値を求め、この加重平均値の12倍の値(つまり1分当たりの値)を心音センサ35による心拍数としてRAM等のメモリに記録する(S1985)。
【0405】
そして、心電センサ33による心拍数(心電心拍数)と、心音センサ35による心拍数(心音心拍数)とが概ね一致するか否か(整合性があるか否か)を判定する(S1990:整合性判定手段)。ここで、この処理は、心電センサ33および心音センサ35が機能していることを確認することが趣旨であるため、「概ね一致する」とは、心電センサ33および心音センサ35が機能していることを確認できる程度の範囲に設定されていればよい。なお、具体的な数値については、実験的に求められるべきである。
【0406】
心電心拍数と心音拍数とが概ね一致していなければ(S1990:NO)、心拍数の信頼性が低く、心拍数が不明である旨を表す心拍数不明信号を出力し(S1995:整合性判定手段)、脈拍数関係の安否状態判断処理を終了する。一方、心電心拍数と心音心拍数とが概ね一致していれば(S1990:YES)、心電心拍数と心音心拍数との平均値を監視対象者の心拍数としてRAM等のメモリに記録する(S2000)。
【0407】
そして、S2000にて記録された監視対象者の心拍数が、過大であるか否か(S2005)、或いは過小であるか否か(S2015)を判定する(心拍数判断手段)。つまり、監視対象者の心拍数が、予め設定された上限心拍数よりも多いか否か、或いは予め設定された下限心拍数よりも少ないか否かを判定する。
【0408】
監視対象者の心拍数が上限心拍数よりも多ければ(S2005:YES)、心拍数が過大であると判断し、心拍数過大信号を出力し(S2010)、脈拍数関係の安否状態判断処理を終了する。また、監視対象者の心拍数が下限心拍数よりも少なければ(S2015:YES)、心拍数が過小であると判断し、心拍数過小信号を出力し(S2025)、脈拍数関係の安否状態判断処理を終了する。
【0409】
また、監視対象者の心拍数が上限心拍数および下限心拍数の範囲内であれば(S2005:NO、S2015:NO)、心拍数が正常であると判断し、心拍数正常信号を出力し、脈拍数関係の安否状態判断処理を終了する。
【0410】
以上のような脈拍数関係の安否状態判断処理によれば、監視対象者の心拍数によって、監視対象者に異常が発生したか否かを判定することができる。
また、脈拍数関係の安否状態判断処理によれば、複数の手段によって監視対象者の心拍数を検出し、これらによって検出された心拍数に整合性がなければ、心拍数が不明であると判断するので、心拍数の検出に対する信頼性を向上させることができる。
【0411】
[安否状態判断処理(体温関係)]
次に、監視対象者の体温関係の情報に基づいて監視対象者の安否を判断する処理について図49を用いて説明する。図49は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する体温関係の安否状態判断処理を示すフローチャートである。
【0412】
この体温関係の安否状態判断処理は、予め設定された所定周期毎に起動される処理であって、まず安否判断可能信号が出力されているか否かを判定する(S2060)。安否判断可能信号が出力されていなければ(S2060:NO)、直ちに体温関係の安否状態判断処理を終了する。
【0413】
一方、安否判断可能信号が出力されていれば(S2060:YES)、地肌接触状態信号が出力されているか否かを判定する(S2065)。地肌接触状態信号が出力されていなければ(S2065:NO)、体温を検出することができない旨を表す体温不明信号を出力し(S2070)、体温関係の安否状態判断処理を終了する。
【0414】
地肌接触状態信号が出力されていれば(S2065:YES)、背面の温度センサ15からの出力を取得し(S2075)、過去の体温(1分毎の体温)の値の9割と、S2075で取得した体温の値の1割とを足し合わせた加重平均値を求め、この加重平均値を監視対象者の体温としてRAM等のメモリに記録する(S2080)。なお、この処理にて算出した加重平均値は、再度、安否状態判断処理が実施されたときに上記の「過去の体温」として利用される。
【0415】
そして、S2080にて記録された監視対象者の体温が、過大であるか否か(S2085)、或いは過小であるか否か(S2095)を判定する。つまり、監視対象者の体温が、予め設定された上限体温よりも高いか否か、或いは予め設定された下限体温よりも低いか否かを判定する。
【0416】
監視対象者の体温が上限体温よりも高ければ(S2080:YES)、監視対象者の体温が高すぎるものとして、体温過大信号を出力し(S2090)、体温関係の安否状態判断処理を終了する。また、監視対象者の体温が下限体温よりも低ければ(S2080:YES)、監視対象者の体温が低すぎるものとして、体温過小信号を出力し(S2105)、体温関係の安否状態判断処理を終了する。
【0417】
また、監視対象者の体温が上限体温と下限体温との範囲内であれば(S2085:NO、S2095:NO)、監視対象者の体温が正常であるものとして、体温正常信号を出力し(S2100)、体温関係の安否状態判断処理を終了する。
【0418】
以上のような体温関係の安否状態判断処理によれば、監視対象者の体温によって、監視対象者に異常が発生したか否かを判定することができる。
[救援依頼判断処理(音声)]
次に、監視対象者の音声に基づいて監視対象者の救援を求める信号を出力する処理について図50を用いて説明する。図50は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する音声に関する救援依頼判断処理を示すフローチャートである。
【0419】
この救援依頼判断処理は、予め設定された所定周期毎に起動される処理であって、まずマイク37からの音声信号を取得し(S2110)、周囲の音をデータとして取り込む(S2115)。そして、予め登録された監視対象者の登録音のデータ(監視対象者が録音した「助けて」「ヘルプ」という音声や、うめき声等)と、取り込んだデータとを対比し(S2120)、周囲の音のデータが登録音の何れかと一致するか否かを判定する(S2125:音声一致判定手段)。
【0420】
周囲の音のデータが登録音の何れかと一致すれば(S2125:YES)、救援依頼信号を出力し(S2130:第2救援判断手段)、その後、救援依頼判断処理を終了する。また、周囲の音のデータが登録音の何れとも一致しなければ(S2125:NO)、直ちに救援依頼判断処理を終了する。
【0421】
このような救援依頼判断処理によれば、例えば「助けて」、「ヘルプ」、或いはうめき声等、監視対象者の特定パターンの音声を検出することができるので、監視対象者を救援する必要があると判定することができる。
【0422】
[注意状態設定処理]
次に、注意状態設定処理について図51を用いて説明する。図51は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する注意状態設定処理を示すフローチャートである。ここで、注意状態とは、現時点では救援を求める程度ではないが、監視対象者自身が体調等の違和感を覚えたときに、早めに救援を求めることができるように、自動的に救援を実施するか否かを決定するための閾値を変更した状態を表す。
【0423】
つまり、注意状態に設定されると、後述する救援依頼実行処理により、注意状態に設定されていない場合と比較して、早めに救援を求めることができるようになる。
ここで、注意状態設定処理は、予め設定された所定周期毎に起動される処理であって、まず、安否判断可能信号が出力されているか否かを判定する(S2160)。安否判断可能信号が出力されていなければ(S2160:NO)、直ちに注意状態設定処理を終了する。
【0424】
一方、安否判断可能信号が出力されていれば(S2160:YES)、指紋センサ75からの出力を取得し(S2165)、その出力をデータとして取り込む(S2170)。そして、予め登録された監視対象者の指紋データ(登録指紋)との対比を行い(S2175)、取り込んだデータが登録指紋(登録指紋が複数ある場合には、そのうちの何れか1つ)と一致するか否かを判定する(S2180)。
【0425】
取り込んだデータが登録指紋と一致すれば(S2180:YES)、注意状態反転信号を出力し(S2185)、注意状態設定処理を終了する。このように注意状態反転信号が出力されると、注意状態の解除状態から注意状態の設定状態にされ、或いは、注意状態の設定状態から、注意状態の解除状態にされる。
【0426】
一方、取り込んだデータが登録指紋と一致しなければ(S2180:NO)、直ちに注意状態設定処理を終了する。
このような携帯監視装置によれば、監視対象者本人以外が救援を不要とする旨を当該装置に入力することができないので、監視対象者の意志を尊重することができる。
【0427】
なお、本実施形態においては、監視対象者の身体的特徴を検出するために、指紋センサ75を用いたが、予め登録された特定の監視対象者の身体的特徴と一致するか否かの認証を実施することができる手段を代用することができる。
【0428】
[注意状態反転処理]
次に、注意状態反転処理について図52を用いて説明する。図52は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する注意状態反転処理を示すフローチャートである。
【0429】
注意状態反転処理は、前述の注意状態設定処理を踏まえた処理であって、予め設定された所定周期毎に起動される処理である。この注意状態判定処理では、まず、注意状態反転信号を入力(検出)し(S2210)、注意状態反転信号が入力されたか否かを判定する(S2215)。
【0430】
注意状態反転信号が入力されていなければ(S2215:NO)、直ちに注意状態反転処理を終了する。また、注意状態反転信号が入力されていれば(S2215:YES)、現在、注意状態に設定されているか否かを判定する(S2220)。注意状態に設定されていれば(S2220:YES)、注意状態を解除する処理を実施する。即ち、通常状態信号を出力し(S2225)、ディスプレイ61に表示された注意状態表示(詳細は後述)を消去し(S2230)、注意状態反転処理を終了する。
【0431】
また、注意状態に設定されていなければ(S2220:NO)、注意状態に設定する処理を実施する。即ち、注意状態信号を出力し(S2235)、ディスプレイ61に例えば「!」等の注意を喚起するためのマークを表示させる注意状態表示を実施し(S2240)、注意状態反転処理を終了する。
【0432】
[救援依頼判断処理(救援依頼レバー)]
次に、救援依頼レバー77に関する救援依頼判断処理について図53を用いて説明する。図53は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する救援依頼レバー77に関する救援依頼判断処理を示すフローチャートである。この救援依頼判断処理は、予め設定された所定周期毎に起動される処理であって、まず、救援依頼レバー77の状態を入力する(S2260)。
【0433】
ここで、救援依頼レバー77について図54を用いて説明する。図54は救援依頼レバー77の作動形態を示す説明図である。救援依頼レバー77は、老人用ペンダント1を構成する筐体5の側面部に配置されており(図2(a)参照)、救援依頼レバー77の下部を支点として回動可能に構成されている。
【0434】
即ち、救援依頼レバー77は、通常時においては、老人用ペンダント1の側面部と同一平面状において収納された収納状態(図54(a)参照)とされており、一旦、奥(筐体5の内側)に押し込まれると(図54(b)参照)、図示しないバネの作用によって手前側に飛び出し(図54(c)参照)、監視対象者の操作によってさらに変位するよう構成されている。即ち、救援依頼レバー77は、収納状態から180度回動する(図54(d)参照)ように構成されている。そして、救援依頼信号送信装置50のMPU51は、この救援依頼レバー77が収納状態から概ね90度以上変位されていれば、引出状態であることを検出するように構成されている。
【0435】
このような救援依頼レバー77の構成では、救援依頼レバー77を一旦押し込み、その後引き出すという2つの動作を実施しなければ、引出状態にすることができないので、例えばレバーに換えて、1つの動作のみ状態を検出するボタン式のスイッチとして構成されている場合と比較して、誤作動を防止することができるようにされている。
【0436】
さて、図53に戻り、救援依頼レバー77の状態を入力すると、救援依頼レバー77が操作されているか(引出状態にされているか)否かを判定する(S2265)。救援依頼レバー77が操作されていれば(S2265:YES)、救援依頼信号を出力し(S2270:第3救援判断手段)、救援依頼レバー77に関する救援依頼判断処理を終了する。
【0437】
また、救援依頼レバー77が操作されていなければ(S2265:NO)、直ちに救援依頼レバー77に関する救援依頼判断処理を終了する。
このような救援依頼判断処理によれば、監視対象者の意志で即座に救援依頼を要請することができる。
【0438】
[救援依頼実行処理]
次に、実際に救援依頼の送信を実行する処理について図55を用いて説明する。図55は、救援依頼信号送信装置50のMPU51が実行する救援依頼実行処理を示すフローチャートである。
【0439】
この救援依頼実行処理は、予め設定された所定周期毎に起動される処理であって、まず、救援依頼信号が出力されているか否かを判定する(S2310)。救援依頼信号が出力されていれば(S2310:YES)、現在地の情報を取得し、この現在地の情報、監視対象者を識別するための識別情報(ID、名前等)、および救援依頼メッセージ含む救援依頼メールを生成し、このメールを予め設定された連絡先に対して送信する(S2315)。そして、この処理が終了すると、救援依頼実行処理を終了する。
【0440】
また、救援依頼信号が出力されていなければ(S2310:NO)、注意状態信号が出力されているか否かを判定する(S2320:意志検出変更手段)。注意状態信号が出力されていれば(S2320:YES)、心拍数過小信号、心拍数過大信号、体温過小信号、体温過大信号の何れかが出力されているか否かを判定する(S2325,S2330,S2335,S2340)。
【0441】
心拍数過小信号、心拍数過大信号、体温過小信号、体温過大信号の何れかが出力されていれば(S2325,S2330,S2335,S2340の何れかでYES)、後述する送信の意志確認処理1を実施し(S2345)、救援依頼実行処理を終了する。また、心拍数過小信号、心拍数過大信号、体温過小信号、体温過大信号の何れもが出力されていなければ(S2325,S2330,S2335,S2340の全てでNO)、直ちに救援依頼実行処理を終了する。
【0442】
一方、注意状態信号が出力されていない場合にも(S2320:YES)、心拍数過小信号、心拍数過大信号、体温過小信号、体温過大信号の何れかが出力されているか否かを判定する(S2350,S2355,S2360,S2365)。
【0443】
ただし、心拍数過小信号、心拍数過大信号、体温過小信号、体温過大信号の何れかが出力されていれば(S2350,S2355,S2360,S2365の何れかでYES)、送信の意志確認処理1とは異なる後述する送信の意志確認処理2を実施し(S2370)、救援依頼実行処理を終了する。また、心拍数過小信号、心拍数過大信号、体温過小信号、体温過大信号の何れもが出力されていなければ(S2350,S2355,S2360,S2365の全てでNO)、直ちに救援依頼実行処理を終了する。
【0444】
次に、送信の意志確認処理1について図56を用いて説明する。図56は送信の意思確認処理1を示すフローチャートである。
この送信の意思確認処理1では、まず、救援依頼を30秒後に実施する旨、および救援依頼の中止は30秒以内に行うべきことを報知するアナウンスを、スピーカ65を介して実施する(S2410)。このとき、同趣旨の内容をディスプレイ61にも表示させる。
【0445】
そして、指紋センサ75からの出力を取得し(S2415)、その出力をデータとして取り込む(S2420)。そして、予め登録された監視対象者の指紋データ(登録指紋)との対比を行い(S2425)、取り込んだデータが登録指紋(登録指紋が複数ある場合には、そのうちの何れか1つ)と一致するか否かを判定する(S2430:意思確認手段)。
【0446】
取り込んだデータが登録指紋と一致すれば(S2430:YES)、救援依頼を中止する意志があるものとして、直ちに送信の意思確認処理を終了する。なお、取り込んだデータが登録指紋と一致した場合には、救援依頼の猶予信号を出力し、予め設定された時間(例えば30分間程度)、監視対象者の意志による救援依頼を除く救援依頼を実施しないようにしてもよい。
【0447】
一方、取り込んだデータが登録指紋と一致しなければ(S2430:NO)、本処理の開始後、30秒が経過したか否かを判定する(S2435)。30秒が経過していれば(S2435:YES)、現在地の情報を取得し、この現在地の情報、監視対象者を識別するための識別情報(ID、名前等)、および救援依頼メッセージ含む救援依頼メールを生成し、このメールを予め設定された連絡先に対して送信する(S2440)。そして、この処理が終了すると、送信の意志確認処理1を終了する。
【0448】
また、S2435の処理にて30秒が経過していなければ(S2435:NO)、救援依頼の送信実行までのカウントダウンアナウンスを、スピーカ65を介して実行し(S2440)、S2415の処理に戻る。
【0449】
次に、送信の意志確認処理2について図57を用いて説明する。図57は送信の意思確認処理2を示すフローチャートである。
送信の意思確認処理2においては、概ね送信の意思確認処理1と同様の処理を実施する。ただし、送信の確認処理1においては、S2410およびS2435にて、閾値として「30秒」を採用していたのに対して、送信の確認処理2においては、「30秒」に対してより長い「5分」を採用している。即ち、注意状態信号が出力されていれば、より早急に救援依頼が送信されやすいように設定されている。
【0450】
このような救援依頼実行処理によれば、指紋を認証することにより、監視対象者本人等、登録された者のみが救援依頼を実施するまでの時間を設定することができる。このため、例えば、監視対象者が自己の体調に応じて、意志検出時間を変更することができる。また、救援依頼を実施するまでの時間を監視対象者に応じて変更することができる。
【0451】
[その他の実施形態]
本発明の実施の形態は、上記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0452】
例えば、本実施例において、各処理は10ms毎に起動するようにしたが、信号の検出に不具合を発生させない程度の周期で起動されていれば、起動周期は長くても短くてもよい。
【符号の説明】
【0453】
1…老人用ペンダント、5…筐体、5a…正面、5b…背面、5c…上面、7…ストラップ、7a…取付部、10…行動センサユニット、11…3次元加速度センサ、13…3軸ジャイロセンサ、15…背面の温度センサ、17…背面の湿度センサ、19…正面の温度センサ、21…背面の湿度センサ、23…照度センサ、25…濡れセンサ、27…GPS受信機、29…風速センサ、31…MPU、33…心電センサ、35…心音センサ、37…マイク、50…救援依頼信号送信装置、51…MPU、53…無線電話ユニット、55…訪問先メモリ、57…GPSアンテナ、60…報知部、61…ディスプレイ、63…電飾、65…スピーカ、70…操作部、71…タッチパッド、73…確認ボタン、75…指紋センサ、77…救援依頼レバー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象者の健康状態を監視する携帯監視装置であって、
当該携帯監視装置の構成要素を収容する筐体と、
前記筐体の表面における任意の位置に配置された温度センサと、
前記温度センサに近接して配置された湿度センサと、
当該携帯監視装置と当該装置を所持して行動する前記監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出手段と、
監視対象者が行う運動の運動負荷を検出する運動負荷検出手段と、
前記温度センサおよび前記湿度センサによる検出結果、並びに前記運動負荷検出手段による検出結果に基づいて前記監視対象者の健康状態を判断する健康状態判断手段と、
を備えたことを特徴とする携帯監視装置。
【請求項1】
監視対象者の健康状態を監視する携帯監視装置であって、
当該携帯監視装置の構成要素を収容する筐体と、
前記筐体の表面における任意の位置に配置された温度センサと、
前記温度センサに近接して配置された湿度センサと、
当該携帯監視装置と当該装置を所持して行動する前記監視対象者との位置関係を検出する位置関係検出手段と、
監視対象者が行う運動の運動負荷を検出する運動負荷検出手段と、
前記温度センサおよび前記湿度センサによる検出結果、並びに前記運動負荷検出手段による検出結果に基づいて前記監視対象者の健康状態を判断する健康状態判断手段と、
を備えたことを特徴とする携帯監視装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
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【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【公開番号】特開2012−113753(P2012−113753A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−50919(P2012−50919)
【出願日】平成24年3月7日(2012.3.7)
【分割の表示】特願2007−161474(P2007−161474)の分割
【原出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【出願人】(399031827)エイディシーテクノロジー株式会社 (163)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月7日(2012.3.7)
【分割の表示】特願2007−161474(P2007−161474)の分割
【原出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【出願人】(399031827)エイディシーテクノロジー株式会社 (163)
【Fターム(参考)】
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