説明

動画編集装置及び撮影装置

【課題】視聴者が違和感を覚えないように動画像を編集可能な動画編集装置及び撮影装置を提供すること。
【解決手段】ユーザが編集画面上で編集の開始位置及び編集の終了位置をそれぞれ指定すると、編集の開始位置及び編集の終了位置の音声レベルがそれぞれ検出される。その後、編集の開始位置の音声レベルと編集の終了位置の音声レベルとが比較され、比較の結果、編集の開始位置の音声レベルと編集の終了位置の音声レベルとの差が所定範囲を超える場合に、編集によって音声の接続が悪くなる旨がユーザに対して告知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画編集装置及び動画編集装置を有する撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、動画編集機能をデジタルカメラ等の撮影装置に持たせたものが知られている。例えば、特許文献1においては、動画像の編集をデジタルカメラに設けられた表示部上で行えるよう、動画像を表示部に表示させつつ、動画像中の編集点をボタン操作によって選択できるようにしている。そして、特許文献1では、編集点を基準にして動画像の消去、分割、連結等の編集作業を行えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−275512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
編集点を基準にして動画像の一部を削除したり、連結したりする場合、編集点の前後の音声レベルが異なっていると、動画像の再生時に編集点の付近で不意に音量が変化する。このような動画像を視聴した場合、動画像の視聴者が違和感を覚える可能性が高い。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、視聴者が違和感を覚えないように動画像を編集可能な動画編集装置及び撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様の動画編集装置は、記録手段に記録された動画像情報と該動画像情報に同期して記録された音声情報とを編集する動画編集装置において、上記動画像情報に対応した画像を表示する表示手段と、上記編集の開始位置と上記編集の終了位置とをそれぞれ指示するための指示手段と、上記音声情報における上記編集の開始位置の音声レベルを検出する第1の音声レベル検出手段と、上記音声情報における上記編集の終了位置の音声レベルを検出する第2の音声レベル検出手段と、上記第1の音声レベル検出手段で検出された上記編集の開始位置の音声レベルと上記第2の音声レベル検出手段で検出された上記編集の終了位置の音声レベルとを比較して差を出力する比較手段と、上記比較手段で出力された差が所定範囲を超える場合に上記編集によって上記音声情報の接続が悪くなる旨を告知する告知表示を上記動画像情報に合成する又は上記比較手段で出力された差が上記所定範囲内である場合に上記編集によって上記音声情報の接続が悪くならない旨を告知する告知表示を上記動画像情報に合成する告知合成手段と、上記告知表示が合成された動画像情報に対応した画像を上記表示手段に表示させる制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0007】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第2の態様の撮影装置は、撮影により得られた動画像情報と該動画像情報に同期して記録された音声情報とを編集する撮影装置において、上記動画像情報に対応した画像を表示する表示手段と、上記編集の開始位置と上記編集の終了位置とをそれぞれ指示するための指示手段と、上記音声情報における上記編集の開始位置の音声レベルを検出する第1の音声レベル検出手段と、上記音声情報における上記編集の終了位置の音声レベルを検出する第2の音声レベル検出手段と、上記第1の音声レベル検出手段で検出された上記編集の開始位置の音声レベルと上記第2の音声レベル検出手段で検出された上記編集の終了位置の音声レベルとを比較して差を出力する比較手段と、上記比較手段で出力された差が所定範囲を超える場合に上記編集によって上記音声情報の接続が悪くなる旨を告知する告知表示を上記動画像情報に合成する又は上記比較手段で出力された差が上記所定範囲内である場合に上記編集によって上記音声情報の接続が悪くならない旨を告知する告知表示を上記動画像情報に合成する告知合成手段と、上記告知表示が合成された動画像情報を上記表示手段に表示させる制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0008】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第3の態様の動画編集装置は、記録手段に記録された動画像情報と該動画像情報に同期して記録された音声情報とを編集する動画編集装置において、上記動画像情報に対応した画像を表示する表示手段と、上記編集の開始位置と上記編集の終了位置とをそれぞれ指示するための指示手段と、上記音声情報における上記編集の開始位置の音声レベルを検出する第1の音声レベル検出手段と、上記音声情報における上記編集の終了位置の音声レベルを検出する第2の音声レベル検出手段と、上記第1の音声レベル検出手段で検出された上記編集の開始位置の音声レベルと所定音声レベルとを比較して差を出力する第1の比較手段と、上記第2の音声レベル検出手段で検出された上記編集の終了位置の音声レベルと上記所定音声レベルとを比較して差を出力する第2の比較手段と、上記第1の比較手段で出力された差と上記第2の比較手段で出力された差の少なくとも何れかが所定範囲を超える場合に上記編集によって上記音声情報の接続が悪くなる旨を告知する告知表示を上記動画像情報に合成する又は上記第1の比較手段で出力された差と上記第2の比較手段で出力された差の両方が上記所定範囲内である場合に上記編集によって上記音声情報の接続が悪くならない旨を告知する告知表示を上記動画像情報に合成する告知合成手段と、上記告知表示が合成された動画像情報に対応した画像を上記表示手段に表示させる制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0009】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第4の態様の撮影装置は、撮影により得られた動画像情報と該動画像情報に同期して記録された音声情報とを編集する撮影装置において、上記動画像情報に対応した画像を表示する表示手段と、上記編集の開始位置と上記編集の終了位置とをそれぞれ指示するための指示手段と、上記音声情報における上記編集の開始位置の音声レベルを検出する第1の音声レベル検出手段と、上記音声情報における上記編集の終了位置の音声レベルを検出する第2の音声レベル検出手段と、上記第1の音声レベル検出手段で検出された上記編集の開始位置の音声レベルと所定音声レベルとを比較して差を出力する第1の比較手段と、上記第2の音声レベル検出手段で検出された上記編集の終了位置の音声レベルと上記所定音声レベルとを比較して差を出力する第2の比較手段と、上記第1の比較手段で出力された差と上記第2の比較手段で出力された差の少なくとも何れかが所定範囲を超える場合に上記編集によって上記音声情報の接続が悪くなる旨を告知する告知表示を上記動画像情報に合成する又は上記第1の比較手段で出力された差と上記第2の比較手段で出力された差の両方が上記所定範囲内である場合に上記編集によって上記音声情報の接続が悪くならない旨を告知する告知表示を上記動画像情報に合成する告知合成手段と、上記告知表示が合成された動画像情報に対応した画像を上記表示手段に表示させる制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第5の態様の動画編集装置は、記録手段に記録された動画像情報と該動画像情報に同期して記録された音声情報とを編集する動画編集装置において、上記音声情報の音声レベルと所定音声レベルとを比較して差を出力する比較手段と、一定の時間の間、上記比較手段で出力された差が所定範囲内となる上記音声情報の範囲を指定範囲として検出する検出手段と、上記検出手段で検出された指定範囲に対して編集動作を実行する編集手段と、を具備することを特徴とする。
【0011】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第6の態様の撮影装置は、撮影により得られた動画像情報と該動画像情報に同期して記録された音声情報とを編集する撮影装置において、上記音声情報の音声レベルと所定音声レベルとを比較して差を出力する比較手段と、一定の時間の間、上記比較手段で出力された差が所定範囲内となる上記音声情報の範囲を指定範囲として検出する検出手段と、上記検出手段で検出された指定範囲に対して編集動作を実行する編集手段と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、視聴者が違和感を覚えないように動画像を編集可能な動画編集装置及び撮影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の各実施形態に係る動画編集装置を有する撮影装置の一例としてのカメラの外観背面斜視図である。
【図2】本発明の各実施形態に係るカメラの内部の電気系を主とする全体構成を示すブロック図である。
【図3】カメラ本体のボディCPUによるパワーオンリセット後の動作を示すフローチャートである。
【図4】再生動作について示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態における編集動作について示すフローチャートの第1図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における編集動作について示すフローチャートの第2図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における編集画面の例を示した図である。
【図8】瞬間再生動作について説明するための図である。
【図9】動画像ファイル中の動画像の例を示した図である。
【図10】図9に対応した音声波形を示した図である。
【図11】告知表示の例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態における編集動作について示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施形態における編集画面の例を示した図である。
【図14】本発明の第3の実施形態における編集動作について示すフローチャートの第1図である。
【図15】本発明の第3の実施形態における編集動作について示すフローチャートの第2図である。
【図16】本発明の第3の実施形態における編集画面の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の各実施形態に係る動画編集装置を有する撮影装置の一例としてのカメラの外観背面斜視図である。本実施形態に係るカメラは、レンズ交換式のカメラを例示している。図1に示すカメラは、交換レンズ100とカメラ本体200とを有している。交換レンズ100は、カメラ本体200に設けられたマウントを介してカメラ本体に結合されるように構成されている。
【0015】
カメラ本体200の上面には、パワースイッチレバー10と、レリーズ釦11と、モードダイヤル12と、が配置されている。
パワースイッチレバー10は、操作される毎に後述するパワースイッチ257をオン状態とオフ状態との間で切り替える操作部材である。パワースイッチ257がオン状態とされたことを検出した場合に、ボディCPU229は、カメラを動作可能状態とする。このとき、ボディCPU229は、カメラの全体に電源を供給するように図示しない電源回路に指示を送る。また、パワースイッチ257がオフ状態とされたことを検出した場合に、ボディCPU229は、カメラを低消費電流モード(スリープモードともいう)とする。低消費電流モード時においては、後述するボディCPU229は、低消費電流で駆動される。低消費電流状態で駆動されているボディCPU229は、パワースイッチ257以外の操作は検出しない。また、低消費電流モードでは、後述するスイッチ検知回路253等の回路以外には電源を供給しない。
【0016】
レリーズ釦11は、半押しされるとオンする1stレリーズスイッチと、全押しされるとオンする2ndレリーズスイッチとを有して構成されている。1stレリーズスイッチがオンされたことを検出した場合に、ボディCPU229は、AF動作等の撮影準備動作を実行する。2ndレリーズスイッチがオンされたことを検出した場合に、ボディCPU229は、静止画撮影動作を実行する。
【0017】
モードダイヤル12は、例えばレリーズ釦11の左側に配置されている。モードダイヤル12の操作を検出する毎に、ボディCPU229は、カメラの撮影モードを、プログラムモード、シャッタ優先モード、絞り優先モード、マニュアルモードの間で切り替える。プログラムモードでは、カメラにおいて予め定められている適正露光量での撮影を行えるよう、後述する絞り値とシャッタ速度とがボディCPU229によって自動的に決定されて撮影が行われる。シャッタ優先モードでは、ユーザによって定められたシャッタ速度で適正露光量での撮影を行えるよう、絞り値がボディCPU229によって自動的に決定されて撮影が行われる。絞り優先モードでは、ユーザによって定められた絞り値で適正露光量での撮影を行えるよう、シャッタ速度がボディCPU229によって自動的に決定されて撮影が行われる。マニュアルモードでは、ユーザによって定められた絞り値とシャッタ速度とに従って撮影が行われる。
【0018】
カメラ本体200の背面には、縮小/インデックス表示釦13と、拡大釦14と、動画記録釦15と、再生釦16と、メニュー釦17と、編集釦18と、削除釦19と、十字釦20と、決定釦21と、が配置されている。また、カメラ本体200の背面には、液晶モニタ26が配置され、スピーカ開口部27が形成されている。さらに、カメラ本体200の前面には、マイク開口部28が形成されている。
【0019】
縮小/インデックス表示釦13は、画像の縮小表示又はインデックス表示のための釦である。画像の拡大表示が行われている間に縮小/インデックス表示釦13が押されたことを検出した場合に、ボディCPU229は、画像の縮小表示を行う。縮小表示では、それまで表示されていた画像の表示範囲を縮小してから液晶モニタ26に表示させる。また、画像の等倍表示が行われている間に縮小/インデックス表示釦13が押されたことを検出した場合に、ボディCPU229は、画像のインデックス表示をさせる。インデックス表示では、複数駒分の縮小画像を液晶モニタ26に同時表示させる。
【0020】
拡大釦14は、画像の拡大表示のための釦である。拡大釦14が押されたことを検出した場合に、ボディCPU229は、画像の拡大表示を行う。拡大表示では、それまで表示されていた画像の表示範囲を拡大してから液晶モニタ26に表示させる。
動画記録釦15は、動画撮影の開始と動画撮影の終了とを切り替えるための釦である。動画記録釦15が押されたことを検出した場合に、ボディCPU229は、動画記録動作を開始させる。また、動画記録動作中に動画記録釦15が押されたことを検出した場合に、ボディCPU229は、動画記録動作を終了させる。
【0021】
再生釦16は、画像の再生のための釦である。再生釦16が押されたことを検出した場合に、ボディCPU229は、画像の再生動作を実行する。
メニュー釦17は、メニュー表示のための釦である。メニュー釦17が押されたことを検出した場合に、ボディCPU229は、液晶モニタ26にメニュー画面を表示させる。
【0022】
編集釦18は、動画像の編集を行うための釦である。編集釦18が押されたことを検出した場合に、ボディCPU229は、画像の編集動作を実行する。
削除釦19は、画像の削除のための釦である。削除釦19が押されたことを検出した場合に、ボディCPU229は、選択中の画像ファイルを削除する。
【0023】
十字釦20は、液晶モニタ26に表示されている画像上で各種の選択を行うための上下左右の4つの釦を有している。例えば、メニュー画面の表示中に十字釦20が押されたことを検出した場合に、ボディCPU229は、押された釦に対応した方向にメニュー画面上に表示されているカーソル等を移動させる。
【0024】
決定釦21は、十字釦20の操作に従って選択された項目を決定するための釦である。例えば、メニュー画面の表示中に決定釦21が押されたことを検出した場合に、ボディCPU229は、そのときのカーソルが位置している項目が決定されたと認識する。
【0025】
表示手段の一例として機能する液晶モニタ26は、種々の画像又は画面を表示するためのモニタである。液晶モニタ26には、ライブビュー画像、記録済みの撮影画像、メニュー画面等が表示される。この液晶モニタ26には、後述するタッチパネル236が形成されている。ここで、液晶モニタ26は、例えば図1で示すようにカメラ本体200の背面に配置されるが、撮影者が観察できる位置であれば必ずしも背面に配置する必要はない。また、液晶モニタの代わりに、有機ELモニタ等、他の表示装置を配置しても構わない。
【0026】
スピーカ開口部27は、多数の孔を有しており、またスピーカ開口部27の奥には、後述するスピーカ275が配置されている。スピーカ275で発せられた音声は、スピーカ開口部27を介して外部に出力される。
マイク開口部28は、多数の孔を有しており、またマイク開口部28の奥には、後述するマイクロホン(以下、マイクという)277が配置されている。マイク開口部28を介して入力された音声は、マイク277を介して電気信号として取り込まれる。
【0027】
図2は、本発明の各実施形態に係るカメラの内部の電気系を主とする全体構成を示すブロック図である。図1でも説明したように、本カメラは、交換レンズ100とカメラ本体200とを有している。交換レンズ100がカメラ本体200に結合された状態では、交換レンズ100に設けられた撮影レンズ101a、101b(以下、撮影レンズ101aと撮影レンズ101bとを撮影光学系101と総称する)によって形成される被写体光束がカメラ本体200内に導かれる。また、交換レンズ100がカメラ本体200に結合された状態では、交換レンズ100とカメラ本体200とが通信接点300を介して電気的に接続される。さらに、カメラ本体200内のマウント開口部の近傍には、着脱検知スイッチ259が設けられている。この着脱検知スイッチ259の状態を監視することにより、ボディCPU229は、交換レンズ100とカメラ本体200の装着状態を識別する。
【0028】
交換レンズ100は、撮影光学系101と、絞り103と、光学位置検出機構105と、光学系駆動機構107と、絞り駆動機構109と、エンコーダ110と、レンズCPU111と、を有している。また、交換レンズ100の周囲には、距離環112が設けられている。
【0029】
撮影光学系101は、複数の撮影レンズ(図では2枚の撮影レンズ101a、101bのみを示している)を有して構成されている。この撮影光学系101は、撮影レンズ101a又は撮影レンズ101bをその光軸方向に沿って駆動することにより、焦点位置及び焦点距離を変えることが可能に構成されている。このような撮影光学系101は、被写体光束を、カメラ本体200内に導く。
【0030】
絞り103は、開閉自在に構成されて撮影光学系101内に配置されている。絞り103の開口量を調節することにより、撮影光学系101を介してカメラ本体200内に導かれる被写体光束の量が調節される。
光学位置検出機構105は、例えばエンコーダであり、撮影レンズ101a及び撮影レンズ101bの駆動位置を検出する。レンズCPU111は、光学位置検出機構105からの信号によって、撮影光学系101の焦点距離及び焦点位置を識別する。
【0031】
光学系駆動機構107は、モータ等を有し、レンズCPU111からの制御信号に従って撮影レンズ101a、101bをそれぞれ駆動する。絞り駆動機構109は、モータ等を有し、レンズCPU111からの制御信号に従って絞り103を駆動する。
エンコーダ110は、距離環112の回動方向及び回動量を検出する。レンズCPU111は、エンコーダ110からの信号により、ユーザによる距離環112の操作方向及び操作量を識別する。距離環112は、ユーザが手動で撮影レンズ101a、101bを駆動するための操作部材である。
【0032】
レンズCPU111は、光学位置検出機構105、光学系駆動機構107、絞り駆動機構109、及びエンコーダ110が接続されており、また通信接点300を介してカメラ本体200に接続されている。このような構成のレンズCPU111は、交換レンズ100内の制御を行うものであり、光学系駆動機構107を制御して撮影光学系101の焦点調節やズーム駆動を行ったり、絞り駆動機構109を制御して絞り103の駆動を行ったりする。また、レンズCPU111は、光学位置検出機構105によって検出された焦点位置や焦点距離に関するレンズ情報をカメラ本体200に送信することも行う。さらに、レンズCPU111は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリを内部に有している。この不揮発性メモリには、交換レンズ100の焦点距離情報(ズームレンズの場合には、最短焦点距離及び最長焦点距離)、開放絞り値、最小絞り値、撮影可能距離範囲(最至近距離を含む)、レンズの色バランス情報、収差情報、AFのための情報、マクロレンズやテレコンバータ等か否か、レンズの種類等のレンズ情報が記憶されている。また、絞りの絞り状態(開放絞り状態か絞り込み状態か)、距離環112の操作状態(操作方向、操作量)等の交換レンズ100の状態に関する情報もレンズ情報である。レンズCPU111は、これらのレンズ情報を必要に応じて通信接点300を介してカメラ本体200に送信する。さらに、レンズCPU111は、絞り駆動機構109による絞り103の絞り込み完了や絞り開放完了、光学系駆動機構107によるレンズ駆動完了といった各種の状態を示す情報もカメラ本体200に送信する。
【0033】
ここで、レンズ情報を記憶した不揮発性メモリは、必ずしもレンズCPU111内に設ける必要はなく、レンズCPU111と通信自在なようにレンズCPU111の外部に設けてもよい。
カメラ本体200は、シャッタ203と、シャッタ駆動機構213と、撮像素子ユニット290と、防塵フィルタ駆動回路211と、ブレ補正駆動機構260と、アクチュエータ駆動回路296と、ブレ検出回路297と、撮像素子駆動回路223と、前処理回路225と、コントラストAF回路226と、カメラ用IC262と、液晶モニタ駆動回路235と、液晶モニタ26と、タッチパネル236と、SDRAM238と、記録媒体245と、フラッシュメモリ249と、各種スイッチ255と、パワースイッチ257と、音声圧縮伸張回路271と、オーディオ処理回路273と、スピーカ275と、マイク277と、を有している。
【0034】
シャッタ203は、例えば撮影光学系101の光軸上であって撮影光路上に配置されたフォーカルプレーンタイプのシャッタである。このシャッタ203は、撮像素子221の露光面を遮光するように構成されている。シャッタ203により、撮像素子221の露光時間が調節される。シャッタ駆動機構213は、シャッタ203の開放動作又は遮光動作をさせるための駆動機構である。このシャッタ駆動機構213の動作は、ボディCPU229によって制御される。
【0035】
撮像素子ユニット290は、シャッタ203の後方に配置されている。この撮像素子ユニット290は、防塵フィルタ205、赤外カットフィルタ209、光学的ローパスフィルタ210、撮像素子221を、密封されたパッケージに収納して構成されている。このような構成により、撮像素子ユニット290内には塵埃が侵入しないようになっている。
【0036】
防塵フィルタ205は、カメラ本体200のマウント開口部や本体の内部で発生した塵埃が撮像素子221等に付着するのを防止するために、撮像素子ユニット290の最前面に配置されている。防塵フィルタ205により、塵埃の影が、撮像素子221で撮像される被写体像に写し込まれない。このため、見苦しい画像が得られない。
【0037】
圧電素子207は、防塵フィルタ205の周縁部の全部又は一部に固着されている。また、圧電素子207は、防塵フィルタ駆動回路211に接続されている。このような圧電素子207は、防塵フィルタ駆動回路211の駆動信号に基づいて振動する。この圧電素子207の振動により、防塵フィルタ205を所定周波数で超音波振動させる。防塵フィルタ205の超音波振動により、防塵フィルタ205の前面に付着した塵埃が除去される。
【0038】
赤外カットフィルタ209は、防塵フィルタ205の後方に配置され、撮影光学系101を介して撮像素子221に入射する被写体光束における赤外光成分をカットするフィルタである。光学的ローパスフィルタ210は、赤外カットフィルタ209の後方に配置され、赤外カットフィルタ209を通過した被写体光束における高周波成分を除去するフィルタである。
【0039】
撮像素子221は、光学的ローパスフィルタ210のさらに後方に配置されている。撮像素子221は、撮影光学系101を介して入射した被写体光束に対応して結像された被写体像をアナログ画像信号に光電変換するための露光面を有している。撮像素子221としては、CCD(Charge Coupled Device)方式やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)方式等の種々の2次元固体撮像素子を使用できる。
【0040】
撮像素子ユニット290は、ブレ補正駆動機構260によって撮影光学系101の光軸と垂直なXY平面内で2次元的に変位される。ブレ補正駆動機構260は、圧電素子駆動モータ等からなるアクチュエータを駆動源として備えている。このブレ補正駆動機構260は、撮像素子ユニット290の全体を撮影光学系101の光軸と垂直なXY平面内で2次元的に変位させる。アクチュエータ駆動回路296は、ブレ補正駆動機構260を動作させるための駆動回路である。このアクチュエータ駆動回路296の動作は、ボディCPU229によって制御される。
【0041】
ブレ検出回路297は、角速度センサ297aと、角速度検出回路297bと、を有している。角速度センサ297aは、例えばジャイロセンサを利用した角速度センサであって、カメラ本体200に発生した角速度を検出する。カメラ本体200に発生した角速度とは、特に撮影光学系101の光軸と垂直なX方向及びY方向の角速度である。角速度検出回路297bは、角速度センサ297aからの出力信号を増幅した後、デジタル信号に変換する。このようなブレ検出回路297により、カメラ本体200に発生したブレ(手ブレ等)を検出する。ブレ検出回路297によって検出されたカメラ本体200のブレを打ち消すようにブレ補正駆動機構260を駆動して撮像素子ユニット290を変位させることにより、カメラ本体200に加えられたブレが打ち消される。
【0042】
撮像素子駆動回路223は、撮像素子221で得られたアナログ画像情報(以下、アナログ画像信号という)を読み込んで増幅し、さらに増幅したアナログ画像信号をデジタル情報(以下、画像データという)に変換する。撮像素子駆動回路223によるアナログ画像信号の読み込みタイミング等は、入出力回路239によって制御される。前処理回路225は、撮像素子駆動回路223で得られた画像データに対して種々の前処理を行う。この処理としては、例えばライブビュー動作のための間引処理等が含まれる。
【0043】
コントラストAF回路226は、前処理回路225から出力された画像データにおける所定範囲内の高周波成分(コントラスト信号)を抽出する。この所定範囲は、例えばAFターゲット領域内、画面全体、又は拡大表示領域である。所定範囲の指示は、ボディCPU229によって行われる。
【0044】
カメラ用IC262は、カメラ本体200の動作に最適化された制御回路を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)である。このカメラ用IC262は、画像処理回路227、シーケンスコントローラ(ボディCPU)229、圧縮伸張回路231、ビデオ信号出力回路233、SDRAM制御回路237、入出力回路239、通信回路241、記録媒体制御回路243、フラッシュメモリ制御回路247、スイッチ検知回路253を有している。これらの各制御回路は、データバス261に接続されている。ここで、コントラストAF回路226が、カメラ用IC262内に設けられていてもよい。
【0045】
画像処理回路227は、前処理回路225から出力された画像データに対して各種の画像処理を施す。この画像処理としては、画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、白黒・カラーモード処理、ライブビュー動作用処理といった処理が含まれる。また、画像処理回路227は、例えば特徴量検出によって画像データ中に顔が含まれているか否かを判定し、含まれている場合には、顔の位置や大きさを判定することも行う。顔検出は、専用のハードウエアを用いてもよい。また、画像処理回路227は、画像データの輝度分布や彩度の検出も行う。また、本実施形態における画像処理回路227は、ボディCPU229とともに告知合成手段としても機能する。また、画像処理回路227は、音声変換手段としての機能も有し、音声情報を表示情報に変換する処理も行う。さらに、画像処理回路227は、ボディCPU229とともに音声表示合成手段としても機能する。
【0046】
ボディCPU229は、フラッシュメモリ249に記憶されているプログラムに従って、交換レンズ100の動作を含むカメラ全体の動作を制御する。また、ボディCPU229は、コントラストAF回路226において抽出されたコントラスト信号に従って、撮影光学系101の焦点調節も行う。さらに、本実施形態におけるボディCPU229は、第1及び第2の音声レベル検出手段、比較手段、告知合成手段、制御手段、検出手段、編集手段としての機能も有している。
【0047】
圧縮伸張回路231は、SDRAM238に記憶されている画像データを静止画圧縮又は動画圧縮する。また、圧縮伸張回路231は、記録媒体245から読み出された画像ファイル(静止画像ファイル又は動画像ファイル)に対応してSDRAM238に展開された圧縮画像データを読み込んで伸張する。
ビデオ信号出力回路233は、SDRAM238に記憶された画像データを、液晶モニタ26に表示するためのビデオ信号に変換する。
【0048】
SDRAM制御回路237は、SDRAM238へのデータの書き込み及び読み込みを制御する。
入出力回路239は、防塵フィルタ駆動回路211、シャッタ駆動機構213、撮像素子駆動回路223に接続され、データバス261を介してボディCPU229等のカメラ用IC262の内部の各制御回路とカメラ用IC262の外部の各ブロックとの間のデータの入出力を制御する。通信回路241は、通信接点300を介してレンズCPU111と接続され、またデータバス261とも接続されている。通信回路241は、レンズCPU111とボディCPU229等との間でのデータの授受の仲介や制御信号の通信の仲介を行う。
【0049】
記録媒体制御回路243は、記録媒体245へのデータの書き込み及び読み込みを制御する。
フラッシュメモリ制御回路247は、フラッシュメモリ249へのデータの書き込み及び読み込みを制御する。
スイッチ検知回路253は、タッチパネル236、パワースイッチ257、その他の各種スイッチ255、及び着脱検知スイッチ259に接続されている。ここで、各種スイッチ255は、レリーズ釦11の操作に連動する1stレリーズスイッチ及び2ndレリーズスイッチや再生釦16の操作に連動するスイッチ等の、図1で示したパワースイッチレバー10以外の操作部材の操作に連動するスイッチを総称したものである。このようなスイッチ検知回路253は、タッチパネル236、パワースイッチ257、各種スイッチ255、着脱検知スイッチ259の状態を示す信号をボディCPU229に出力する。ボディCPU229は、スイッチ検知回路253からの信号に従ってタッチパネル236、パワースイッチ257、その他の各種スイッチ255、及び着脱検知スイッチ259の状態を識別する。
【0050】
液晶モニタ駆動回路235は、ビデオ信号出力回路233からのビデオ信号を液晶モニタ26に入力して、液晶モニタ26を駆動させる。
指示手段としての一例として機能するタッチパネル236は、液晶モニタ26の表示画面と一体的に形成されている。タッチパネル236は、指等の接触や移動を検出する。接触検出方式は、例えば静電容量式や抵抗膜式等の種々の方式を用いることが可能である。このタッチパネル236は、例えば、後述する編集画面上において編集の開始位置及び終了位置を指定するために用いられる。
【0051】
SDRAM238は、画像処理回路227によって画像処理された画像データや圧縮伸張回路231によって圧縮又は伸張された画像データ等を一時的に記憶するためのバッファメモリである。
記録媒体245は、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)、メモリスティック(登録商標)等のデータの書き換えが可能な記録媒体であり、カメラ本体200に対して着脱自在に構成されている。記録媒体245として、マイクロドライブ(登録商標)等のハードディスクユニットを接続可能としてもよい。また、記録媒体245の代わりに無線通信ユニットを接続し、無線通信ユニットを介してカメラ本体200の外部の記録媒体にデータを記録できるように構成してもよい。
【0052】
フラッシュメモリ249は、データの書き換えが可能な不揮発性メモリであり、カメラの動作を制御するためのプログラムや、制御用の調整値等を記憶する。ボディCPU229は、フラッシュメモリ249に記憶されたプログラムや調整値等に従ってカメラの制御を行う。
【0053】
音声圧縮伸張回路271は、動画撮影時において取得されたデジタル音声情報(以下、音声データという)を圧縮する。また、音声圧縮伸張回路271は、記録媒体245に動画像データとともに動画像ファイルに記録されている圧縮音声データを読み込んで伸張する。
【0054】
オーディオ処理回路273は、マイク277を介して取得されたアナログ音声情報(以下、アナログ音声信号という)を増幅した後、デジタル音声情報(音声データ)に変換する。また、オーディオ処理回路273は、音声圧縮伸張回路271における伸張によって得られた音声データをアナログ音声信号に変換する。
【0055】
スピーカ275は、オーディオ処理回路273により得られたアナログ音声信号に応じた音声を外部に出力する。マイク277は、外部からの音声を電気信号としてのアナログ音声信号に変換して取り込む。
次に、本実施形態におけるカメラの動作について、図3を用いて説明する。図3は、カメラ本体200のボディCPU229によるパワーオンリセット後の動作を示すフローチャートである。
【0056】
カメラ本体200にバッテリが装填されると又はカメラ本体200に外部電源が接続されると、ボディCPU229は、図3のフローチャートの動作をスタートさせる。まず、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、パワースイッチ257がオン状態であるか否かを判定する(S1)。ステップS1における判定の結果、パワースイッチ257がオフ状態の場合に、ボディCPU229は、カメラ本体200の状態を低消費電流モード(スリープモード)にする(S3)。低消費電流モードにおいて、ボディCPU229は、パワースイッチ257がオン状態であるか否かを判定している。そして、パワースイッチ257がオン状態となった場合に低消費電流モードを解除する。このとき、ボディCPU229は、処理をステップS5に移行させる。
【0057】
ステップS1における判定においてパワースイッチ257がオン状態である場合又は低消費電流モードが解除された場合に、ボディCPU229は、図示しない電源回路に指示を送ってカメラ本体200及び交換レンズ100への電源供給を開始させる(S5)。
【0058】
電源供給の開始後、ボディCPU229は、交換レンズ100からレンズ情報を取得する(S7)。このステップにおいて、ボディCPU229は、レンズCPU111から通信回路241を介して、光学位置検出機構105によって検出した撮影光学系101の焦点位置情報や焦点距離情報を取得し、また、至近側焦点距離・長焦点側焦点距離、開放絞り値、焦点距離毎の露出補正値、周辺光量の補正値(シェーディング)、周辺の色補正値、歪曲収差補正値等の種々の交換レンズ100の固有情報等のレンズ情報を取得する。さらに、ボディCPU229は、中間リング及びテレコンバータ等の交換レンズ100に関わるアクセサリに関する情報も取得する。
【0059】
レンズ情報を取得した後、ボディCPU229は、カメラ本体200の動作モードやパラメータの設定をする(S9)。このステップにおいて、ボディCPU229は、モードダイヤル12の操作によって設定された撮影モードに対応した設定をフラッシュメモリ249から読み込む。また、ボディCPU229は、ユーザによって設定されたパラメータ(例えば撮影条件)がある場合にはそのパラメータを取得する。ここでのパラメータとは、ISO感度、シャッタ速度、絞り値等である。
【0060】
続いて、ボディCPU229は、ライブビュー動作を開始する(S11)。このステップにおいて、ボディCPU229は、入出力回路239を介して撮像素子駆動回路223を制御することにより撮像素子221による撮像動作を開始させる。この撮像動作によって前処理回路225で得られた動画像データに基づいて、ボディCPU229は、ビデオ信号出力回路233を制御して被写体像の観察用の画像を、液晶モニタ26に動画表示させる。ライブビュー動作を開始した後、ボディCPU229は、測光処理及び露光量の演算処理を行う(S13)。このステップにおいて、ボディCPU229は、前処理回路225で得られた画像データを用いて、画像処理回路227により被写体輝度を算出する。その後、ボディCPU229は、画像処理回路227において算出された被写体輝度を用いて、先に設定した撮影条件に応じた適正露光量となるシャッタ速度や絞り値等の条件を演算する。
【0061】
測光処理及び露光量演算処理の後、ボディCPU229は、ステップS11と同様のライブビュー動作を行う(S15)。後述するように、ステップS25において、パワースイッチ257がオン状態である場合には、処理がステップS13に戻る。この場合、再度のライブビュー動作によって液晶モニタ26の表示が更新される。
【0062】
ライブビュー動作の後、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、再生スイッチがオン状態か否かを判定する(S17)。再生スイッチは、その他の各種スイッチ255に含まれるスイッチであって、再生釦16の操作に連動するスイッチである。ステップS17の判定の結果、再生スイッチがオン状態である場合に、ボディCPU229は、再生動作を行う(S31)。再生動作の詳細については後述する。
【0063】
再生動作の後又はステップS17の判定において再生スイッチがオン状態でない場合に、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、メニュースイッチがオン状態か否かを判定する(S19)。メニュースイッチは、その他の各種スイッチ255に含まれるスイッチであって、メニュー釦17に連動するスイッチである。ステップS19における判定の結果、メニュースイッチがオン状態である場合に、ボディCPU229は、メニュー設定動作を行う(S33)。メニュー設定動作において、ボディCPU229は、ビデオ信号出力回路233を介して液晶モニタ26にメニュー画面を表示させる。メニュー画面上では、ユーザは、ISO感度、ホワイトバランス、マニュアルフォーカス(MF)モード、オートフォーカス(AF)モード、防振モード等の各種のモードやパラメータを十字釦20や決定釦21を操作することによって設定する。例えば、防振モードが設定された場合には、ライブビュー動作中及び撮影動作時に防振動作が実行される。なお、メニュー画面上での操作をタッチパネル236によって行えるようにしてもよい。
【0064】
メニュー設定動作の後又はステップS19の判定においてメニュースイッチがオン状態でない場合に、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、1stレリーズスイッチがオン状態か否かを判定する(S21)。1stレリーズスイッチは、その他の各種スイッチ255に含まれるスイッチであって、レリーズ釦11の操作に連動するスイッチである。ステップS21における判定の結果、1stレリーズスイッチがオン状態である場合に、ボディCPU229は、静止画撮影動作を行う(S35)。静止画撮影動作において、ボディCPU229は、AFモードが設定されている場合にはコントラストAFによって撮影光学系101の焦点調節を行う。また、ボディCPU229は、測光処理及び露光量演算処理により、適正露光量となる撮影条件を演算する。その後、レリーズ釦11の全押し操作に従って2ndレリーズスイッチがオン状態となると、ボディCPU229は、先に演算した撮影条件に従って撮像素子221の露光動作を実行する。そして、ボディCPU229は、露光動作により前処理回路225で得られた画像データを画像処理回路227で画像処理し、その後に圧縮伸張回路231で圧縮し、圧縮後の静止画像データに静止画用のヘッダ情報を付与して静止画像ファイルを作成し、作成した静止画像ファイルを記録媒体245に記録する。
【0065】
静止画撮影動作の後又はステップS21の判定において1stレリーズスイッチがオン状態でない場合に、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、動画記録スイッチがオン状態であるか否かを判定する(S23)。動画記録スイッチは、その他の各種スイッチ255に含まれるスイッチであって、動画記録釦15の操作に連動するスイッチである。ステップS23における判定の結果、動画記録スイッチがオン状態である場合に、ボディCPU229は、動画撮影動作を行う(S37)。動画撮影動作において、ボディCPU229は、AFモードが設定されている場合にはコントラストAFによって撮影光学系101の焦点調節を行う。また、ボディCPU229は、測光処理及び露光量演算処理により、適正露光量となる撮影条件を演算する。続いて、ボディCPU229は、先に演算した撮影条件に従って撮像素子221の露光動作を開始する。また、露光動作の開始と同期して、ボディCPU229は、マイク277を介しての音声の取得動作を開始する。その後、動画記録釦15が再び操作されて動画記録スイッチがオフ状態となると、ボディCPU229は、撮像素子221の露光動作及びマイク277を介しての音声の取得動作を終了する。そして、ボディCPU229は、露光動作により前処理回路225で得られた画像データを画像処理回路227で画像処理し、その後に圧縮伸張回路231で圧縮する。また、ボディCPU229は、音声取得動作によりオーディオ処理回路273で得られた音声データを音声圧縮伸張回路271で圧縮する。そして、ボディCPU229は、圧縮された動画像データ及び音声データ結合し、さらに動画用のヘッダ情報を付与して動画像ファイルを作成し、作成した動画像ファイルを記録媒体245に記録する。
【0066】
動画撮影動作の後又はステップS23の判定において動画記録スイッチがオン状態でない場合に、ボディCPU229は、パワースイッチ257がオン状態か否かを判定する(S25)。ステップS25における判定の結果、パワースイッチ257がオン状態である場合に、ボディCPU229は処理をステップS13に戻して前述の動作を実行する。即ち、電源がオンの状態では、ボディCPU229は、ステップS13〜S23を繰り返し実行する。一方、ステップS25における判定の結果、パワースイッチ257がオン状態でない場合には、ボディCPU229は、カメラをパワーオフモードとするため、図示しない電源回路に指示を送ってカメラ本体200及び交換レンズ100への電源供給を停止させる(S27)。電源供給の停止後、ボディCPU229は、処理をステップS3に戻して低消費電流モードとする。
【0067】
図4は、再生動作について示すフローチャートである。再生動作において、ボディCPU229は、記録媒体245に記録された画像ファイルの中の予め定められた画像ファイルから画像データを読み込んでSDRAM238に展開する(S101)。このステップにおいて、ボディCPU229は、例えば、最終駒の、即ち最新の画像ファイル(静止画像ファイルであっても動画像ファイルであってもよい)を読み込む。画像データの読み込み後、ボディCPU229は、読み込んだ画像データに対応した画像を液晶モニタ26に表示させる(S103)。このステップにおいて、ボディCPU229は、読み込んだ画像データ(圧縮画像データ)を圧縮伸張回路231によって伸張し、伸張した画像データをビデオ信号出力回路233に入力して画像を液晶モニタ26に表示させる。なお、動画像ファイルの場合には、音声データも再生する。
【0068】
画像表示の後、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力を検出する(S105)。そして、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、十字スイッチがオン状態か否かを判定する(S107)。十字スイッチは、その他の各種スイッチ255に含まれるスイッチであって、十字釦20の操作に連動するスイッチである。ステップS107における判定の結果、十字スイッチがオン状態である場合に、ボディCPU229は、液晶モニタ26に表示させる画像を変更する(S131)。その後、ボディCPU229は、処理をステップS103に戻す。ステップS131において、ボディCPU229は、上釦が押されて上スイッチがオン状態となった場合には、例えば10駒前の画像データを記録媒体245から読み込んで画像を表示させる。また、ボディCPU229は、下釦が押されて下スイッチがオン状態となった場合には、例えば10駒後の画像データを記録媒体245から読み込んで画像を表示させる。また、ボディCPU229は、左釦が押されて左スイッチがオン状態となった場合には、1駒前の画像データを記録媒体245から読み込んで画像を表示させる。また、ボディCPU229は、右釦が押されて右スイッチがオン状態となった場合には、1駒後の画像データを記録媒体245から読み込んで画像を表示させる。ここで、上下左右釦が押された場合に、それに応じて表示させる画像は、一例であって適宜変更可能である。
【0069】
また、ステップS107の判定の結果、十字スイッチがオン状態でない場合に、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、拡大スイッチ又は縮小/インデックス表示スイッチがオン状態か否かを判定する(S109)。拡大スイッチは、その他の各種スイッチ255に含まれるスイッチであって、拡大釦14の操作に連動するスイッチである。また、縮小/インデックス表示スイッチは、その他の各種スイッチ255に含まれるスイッチであって、縮小/インデックス表示釦13の操作に連動するスイッチである。ステップS109における判定の結果、拡大スイッチ又は縮小/インデックス表示スイッチがオン状態である場合に、ボディCPU229は、液晶モニタ26に表示させている画像の表示範囲を変更する(S133)。その後、ボディCPU229は、処理をステップS103に戻す。ステップS133において、拡大スイッチがオン状態である場合に、ボディCPU229は、液晶モニタ26に表示させる画像の表示範囲を拡大する。また、ステップS109における判定の結果、縮小/インデックス表示スイッチがオン状態である場合に、ボディCPU229は、それまで画像の表示範囲を拡大していた場合には液晶モニタ26に表示させる画像の表示範囲を縮小する。一方、それまで画像の等倍表示をしていた場合に、ボディCPU229は、複数の画像を液晶モニタ26にインデックス表示させる。
【0070】
また、ステップS109の判定の結果、拡大スイッチと縮小/インデックス表示スイッチの何れもがオン状態でない場合に、ボディCPU229は、液晶モニタ26に表示中の画像が動画像であるか否かを判定する(S111)。ステップS111における判定の結果、表示中の画像が動画像である場合に、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、編集スイッチがオン状態であるか否かを判定する(S113)。編集スイッチは、その他の各種スイッチ255に含まれるスイッチであって、編集釦18の操作に連動するスイッチである。ステップS113における判定の結果、編集スイッチがオン状態である場合に、ボディCPU229は、編集動作を実行する(S135)。編集動作の詳細については後述する。編集動作の実行後、ボディCPU229は、処理をステップS103に戻す。
【0071】
ステップS111の判定において表示中の画像が動画像でない場合又はステップS113の判定において編集スイッチがオン状態でない場合に、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、再生スイッチがオン状態か否かを判定する(S115)。ステップS115の判定の結果、再生スイッチがオン状態でない場合、即ち再生釦16が再度押されたことを検出した場合に、ボディCPU229は、処理をステップS103に戻す。一方、ステップS115の判定の結果、再生スイッチがオフ状態である場合、即ち再生釦16が再度押されたことを検出した場合に、ボディCPU229は、図4の再生動作を終了させ、図3のフローチャートのステップS19の処理に戻る。
【0072】
図5及び図6は、本発明の第1の実施形態における編集動作について示すフローチャートである。動画像の再生中に編集釦18が押された場合に、ボディCPU229は、ビデオ信号出力回路233を介して液晶モニタ26に編集画面を表示させる(S201)。
【0073】
図7は、編集画面の例を示した図である。本実施形態においては、図7に示した編集画面上において、タッチパネル236と決定釦21とを併用して編集作業を行う。
図7に示す消去釦301、コピー釦303、取出釦305、瞬間再生釦307、戻る釦309は、ソフトウェア釦であって、それぞれ、タッチパネル236による操作が可能になされている。即ち、それぞれの釦位置にユーザの指351が接触したことを検出した場合に、ボディCPU229は、接触位置に該当する釦の機能に対応した動作を実行する。これらの釦に対応した動作の詳細は後述する。
【0074】
ここで、ステップS201の時点では、消去釦301、コピー釦303、取出釦305が、非アクティブ状態となっている。非アクティブ状態の場合には、消去釦301、コピー釦303、取出釦305への接触が検出されたとしても、ボディCPU229は、それぞれの釦に対応した動作を実行しない。なお、消去釦301、コピー釦303、取出釦305の表示は、アクティブ状態と非アクティブ状態とで変えることが好ましい。例えば、非アクティブ状態の場合には、消去釦301、コピー釦303、取出釦305の表示を半透明表示としたり、グレー表示としたりする。これにより、ユーザは、消去釦301、コピー釦303、取出釦305が非アクティブ状態であることを容易に認知することが可能である。本実施形態では、便宜上、釦の範囲を破線で囲み、非アクティブ状態であることを表現している。
【0075】
また、本実施形態においては、編集画面上に、編集の開始位置及び終了位置を指定するためのバー321を表示させ、さらに、バー321上にマーカー323を表示させる。バー321は、動画像及び音声の再生開始からの経過時間を時間軸表示したものである。バー321の例えば左端が動画像の再生開始位置に対応し、右端が動画像の再生終了位置に対応している。また、マーカー323の初期位置は、例えばバー321上の編集釦18が押された時点に設定する。本実施形態においては、ユーザがバー321上でマーカー323の位置を指定することによって、編集の開始位置及び終了位置をそれぞれ指定する。
【0076】
また、編集画面上の表示領域331には、マーカー323の位置が示す時点の動画像を静止画像として表示させる。さらに、編集画面上の表示領域341には、表示領域331に表示された静止画像に対応した表示情報343を表示させる。表示情報343は、音声データによって示される音声レベル(音圧)を、アナログ波形として視認できるように変換したものである。ここで、表示情報343は、マーカー345が示す時点の前後の所定時間の音声波形に対応している。また、マーカー345が示す時点は、マーカー323が示す時点に対応している。
【0077】
以下の説明においては、表示情報343は、マーカー345が示す時点の前後1.5秒の範囲の音声波形に対応しているとする。なお、所定時間は必ずしもマーカー345の前後1.5秒とする必要はない。例えば、マーカー345の前後0.5秒としたり、マーカー345の前後2.5秒としたりしてもよい。所定時間をメニュー画面上で設定できるようにしてもよい。
【0078】
図7に示すような編集画面を表示させた後、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、その他の各種スイッチ255の状態を検出する(S203)。続いて、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、タッチパネル236の状態を検出する(S205)。
【0079】
各種スイッチ255の状態及びタッチパネル236の状態を検出した後、ボディCPU229は、タッチパネル236上に設定されたマーカーエリア327内に、ユーザの指351が接触しているか否かを判定する(S207)。ステップS207の判定の結果、マーカーエリア327内にユーザの指351が接触している場合に、ボディCPU229は、マーカー323の表示位置をユーザの指351の接触位置に更新する(S209)。一方、ステップS207の判定の結果、マーカーエリア327内にユーザの指351が接触していない場合には、ボディCPU229は、ステップS233以降の処理を実行する。
【0080】
マーカー323の表示位置を更新した後、ボディCPU229は、再生中の動画像ファイルにおけるマーカー323の時点の駒に対応した画像データを読み込む(S211)。そして、ボディCPU229は、ビデオ信号出力回路233を制御して、新たに読み込んだ画像データに対応した静止画像を表示領域331に表示させる(S213)。
【0081】
続いて、ボディCPU229は、再生中の動画像ファイルにおけるマーカー323の前後1.5秒の範囲に対応した音声データを読み込む(S215)。そして、ボディCPU229は、読み込んだ音声データを、画像処理回路227を介して表示情報343に変換する(S217)。その後、ボディCPU229は、ビデオ信号出力回路233を制御して、新たに得られた表示情報343を表示領域341に表示させる(S219)。このステップにおいて、ボディCPU229は、画像処理回路227を制御して、表示情報343を表示領域341の位置に合成する。その後、ボディCPU229は、更新した画像データをビデオ信号出力回路233に入力して表示を行う。
【0082】
音声波形の表示情報343を更新した後、ボディCPU229は、現在、編集の開始位置の設定中であるか否かを判定する(S221)。初回の判定においては、編集の開始位置の設定中であると判定する。ステップS221の判定の結果、現在、編集の開始位置の設定中である場合に、ボディCPU229は、現在のマーカー323の位置(即ちマーカー345の位置)に対応した音声レベル(ピークからピークまで)を検出する(S223)。その後、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、決定スイッチがオン状態であるか否かを判定する(S225)。決定スイッチは、その他の各種スイッチ255に含まれるスイッチであって、決定釦21の操作に連動するスイッチである。ステップS225における判定の結果、決定スイッチがオン状態でない場合に、ボディCPU229は、ステップS233以後の処理を実行する。
【0083】
ステップS225における判定の結果、決定スイッチがオン状態である場合に、ボディCPU229は、現在、編集の開始位置の設定中であるか否かを判定する(S227)。ステップS227の判定の結果、現在、編集の開始位置の設定中である場合に、ボディCPU229は、現時点のマーカー323の位置を、編集の開始位置として記憶する(S229)。その後、ボディCPU229は、現時点のマーカー345の位置の音声レベルを、編集の開始位置の音声レベルとして記憶する(S231)。なお、記憶する音声レベルは、マーカー345の位置の音声レベルに限らず、マーカー345の位置の前後1.5秒の範囲に対応した音声レベルの平均の音声レベルとしてもよい。
【0084】
続いて、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、瞬間再生釦307が操作されたか、即ち瞬間再生釦307の位置にユーザの指351が接触したか否かを判定する(S233)。ステップS233の判定の結果、瞬間再生釦307が操作された場合に、ボディCPU229は、ビデオ信号出力回路233を制御してマーカー323(マーカー345)の前後1.5秒の範囲に対応した動画像データを表示領域331に再生するとともに、音声圧縮伸張回路271を制御して図8に示すようなマーカー323(マーカー345)の前後1.5秒の範囲に対応した音声データを再生する(S235)。このような瞬間再生動作により、ユーザは、編集動作中にマーカー323(マーカー345)の付近の動画像と音声とを確認することが可能である。
【0085】
マーカー345の前後1.5秒の範囲に対応した動画像データと音声データとを再生した後、ボディCPU229は、現在、編集の終了位置の設定後であるか否かを判定する(S237)。初回の判定においては、編集の終了位置の設定後でないと判定する。ステップS237の判定の結果、現在、編集の終了位置の設定後でない場合に、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、戻る釦309が操作されたか否か、即ち戻る釦309の位置にユーザの指351が接触しているか否かを判定する(S239)。ステップS239の判定の結果、戻る釦309が操作された場合、ボディCPU229は、ユーザによる編集位置の設定をもとに戻す(S241)。例えば、編集の開始位置の設定後の場合には、編集の開始位置として記憶したマーカー323及びマーカー345の位置とその時点の音声レベルとをクリアする。また、後述する編集の終了位置の設定後の場合には、編集の終了位置として記憶したマーカー323及びマーカー345の位置とその時点の音声レベルとをクリアする。
【0086】
設定を戻した後又はステップS239の判定において戻る釦309が操作されていない場合に、ボディCPU229は、ステップS203のスイッチ状態検出の結果、編集スイッチがオン状態か、即ち編集釦18が再度押されたか否かを判定する(S243)。ステップS243の判定の結果、編集スイッチがオン状態でない場合に、ボディCPU229は、処理をステップS203に戻す。一方、ステップS243の判定の結果、編集スイッチがオン状態である場合に、ボディCPU229は、図5及び図6の編集動作を終了させる。
【0087】
また、ステップS221の判定の結果、現在、編集の開始位置の設定中でない、即ち、現在、編集の終了位置の設定中である場合に、ボディCPU229は、ステップS231で記憶した音声レベルを示すレベル表示347(図11参照)を表示領域341に表示させる(S251)。その後、ボディCPU229は、ステップS223以後の処理を実行する。例えば、図9(a)や図9(c)のように、人物が歌ったりしているような状況では、図10(a)や図10(c)に示すように音声レベルが大きく変化する。この場合には、編集の開始位置の音声レベルが大きなレベルとなり、レベル表示347によって示される音声レベルの上限と下限との差も大きくなる可能性が高い。一方、図9(b)や図9(d)のように、人物が黙っているような状況では、図10(b)や図10(d)に示すように音声レベルもあまり変化しない。この場合、編集の開始位置の音声レベルが小さなレベルとなり、レベル表示によって示される音声レベルの上限と下限との差も小さくなる。詳細は後述するが、本実施形態では、レベル表示347によって示される編集の開始位置の音声レベルを、編集の良否を判定するための閾値とする。
【0088】
また、ステップS227の判定の結果、現在、編集の開始位置の設定中でない、即ち、現在、編集の終了位置の設定中である場合に、ボディCPU229は、ビデオ信号出力回路233を制御して、バー321上に指定範囲を表示させる(S253)。指定範囲は、動画像中の編集対象の部分を示し、ユーザが、編集の開始位置と編集の終了位置とをそれぞれ指定することによって設定される。例えば、ユーザが、図7の時点325aにマーカー323を位置させた状態で決定釦21を押し、その後に時点325bにマーカー323を位置させた状態で決定釦21を押した場合、時点325aを編集の開始位置とし、時点325bを編集の終了位置とする。この場合、指定範囲は、時点325aから時点325bまでの範囲となる。ここで、指定範囲は、図7に示すように、例えばバー321の時点325aから325bまでの範囲325の色を変更する等して表示する。
【0089】
指定範囲の表示後、ボディCPU229は、現時点のマーカー323の位置を、編集の終了位置として記憶する(S255)。その後、ボディCPU229は、現時点のマーカー345の位置の音声レベルを、編集の終了位置の音声レベルとして記憶する(S257)。
【0090】
指定範囲が設定された後、ボディCPU229は、ステップS231において記憶した編集の開始位置の音声レベルとステップS257において記憶した編集の終了位置の音声レベルとを比較する(S259)。このステップにおいて、ボディCPU229は、編集の開始位置の音声レベルと編集の終了位置の音声レベルとの差を算出する。音声レベルの比較の後、ボディCPU229は、編集の開始位置の音声レベルと編集の終了位置の音声レベルとの差が所定範囲を超えているか否かを判定する(S261)。
【0091】
ステップS261の判定の結果、編集の開始位置の音声レベルと編集の終了位置の音声レベルとの差が所定範囲を超えている場合に、ボディCPU229は、例えば表示領域331に告知表示を行う(S263)。このステップにおいて、ボディCPU229は、画像処理回路227を制御して、例えばフラッシュメモリ249に記憶されている告知表示用の表示データを、表示領域331に表示中の画像に対応した画像データに合成する。その後、ボディCPU229は、告知表示用のデータを合成した画像データをビデオ信号出力回路233に入力して表示を行う。編集の開始位置と終了位置とで音声レベルが大きく異なるような指定範囲を例えば削除してしまうと、削除した部分の前後で音声レベル(音圧)が大きく変化してしまう。このような動画像は、その視聴者に違和感を与える可能性が高い。本実施形態では、このような視聴者に違和感を与えるような編集が行われないよう、実際に編集が行われる前に、編集の結果として音声の接続が悪くなる旨を告知するための告知表示を行う。図11の参照符号333は、告知表示の例を示している。告知表示333として表示される文章の内容は、適宜変更可能である。
【0092】
また、ステップS237の判定の結果、現在、編集の終了位置の設定後である場合に、ボディCPU229は、ビデオ信号出力回路233を制御して、編集画面を更新する(S271)。更新後の編集画面においては、消去釦301、コピー釦303、取出釦305をアクティブ状態とする。アクティブ状態の場合に、消去釦301、コピー釦303、取出釦305への接触が検出された場合には、ボディCPU229は、それぞれの釦に対応した動作を実行する。図11に示すように、消去釦301、コピー釦303、取出釦305がアクティブ状態のときには、不透明表示としたり、カラー表示としたりする。これにより、ユーザは、消去釦301、コピー釦303、取出釦305がアクティブ状態であることを容易に認知することが可能である。
【0093】
編集画面の更新後、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、消去釦301が操作されたか否か、即ち消去釦301の位置にユーザの指351が接触しているか否かを判定する(S273)。ステップS273の判定の結果、消去釦301が操作された場合に、ボディCPU229は、指定範囲325に対応した動画像データ及び音声データを動画ファイルから消去する(S281)。図11に示すように、複数の指定範囲325が存在している場合には、それぞれの指定範囲325に対応した動画像データ及び音声データを消去する。指定範囲325の消去の後、ボディCPU229は、ステップS287の処理を実行する。
【0094】
また、ステップS273の判定の結果、消去釦301が操作されていない場合に、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、コピー釦303が操作されたか否か、即ちコピー釦303の位置にユーザの指351が接触しているか否かを判定する(S275)。ステップS275の判定の結果、コピー釦303が操作された場合に、ボディCPU229は、指定範囲325に対応した動画像データ及び音声データのコピーデータを生成する(S283)。図11に示すように、複数の指定範囲325が存在している場合には、それぞれの指定範囲325に対応したコピーデータを生成する。指定範囲325のコピーの後、ボディCPU229は、ステップS287の処理を実行する。
【0095】
また、ステップS275の判定の結果、コピー釦303が操作されていない場合に、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、取出釦305が操作されたか否か、即ち取出釦305の位置にユーザの指351が接触しているか否かを判定する(S277)。ステップS277の判定の結果、取出釦305が操作された場合に、ボディCPU229は、指定範囲325以外の動画像データ及び音声データを消去することによって指定範囲325の動画像データ及び音声データを取り出す(S285)。指定範囲325の取り出しの後、ボディCPU229は、ステップS287の処理を実行する。
【0096】
指定範囲325の消去、コピー、又は取り出しの後、ボディCPU229は、消去、コピー、又は取り出し後の動画像データ及び音声データをもとの動画像ファイルとは別の動画像ファイルとして記録媒体245に記録する(S287)。その後、ボディCPU229は、ステップS239の判定を実行する。
【0097】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザによって指定された編集の開始位置の音声レベルと編集の終了位置の音声レベルとを比較し、両者の差が所定範囲を超える場合に、編集によって音声の接続が悪くなる旨をユーザに告知するようにしている。この告知を見ることによって、ユーザは、編集の開始位置と編集の終了位置とを改めて指定することができる。このため、動画像の視聴者が違和感を覚えないような編集を容易に行うことが可能である。
【0098】
また、本実施形態では、編集の開始位置と終了位置とをタッチパネル236を用いて指定することが可能である。即ち、ユーザは、動画像及び音声の再生開始からの経過時間を時間軸表示したバー321上で編集の開始位置及び終了位置を指定することが可能である。これにより、動画像中の任意の範囲を容易に指定することが可能である。
【0099】
さらに、瞬間再生釦307を押すだけで、マーカー323(マーカー345)の付近の動画像及び音声が再生される。これにより、ユーザは、動画像中で編集に適した範囲を容易に探すことが可能である。
ここで、図5及び図6の例では、編集に適していない範囲が指定された場合に、その旨をユーザに告知するようにしている。これとは逆に、編集に適している範囲が指定された場合に、その旨をユーザに告知するようにしてもよい。この場合には、ユーザによって指定された編集の開始位置の音声レベルと編集の終了位置の音声レベルとを比較し、両者の差が所定範囲内の場合に、編集によって音声の接続が悪くならない旨をユーザに告知する。
【0100】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、編集の開始位置の音声レベルと編集の終了位置の音声レベルとを比較して告知を行うようにしている。これに対し、本実施形態は、編集の開始位置の音声レベル及び編集の終了位置の音声レベルのそれぞれを所定音声レベルと比較して告知を行う例である。
【0101】
図12は、本発明の第2の実施形態における編集動作について示すフローチャートである。編集動作以外の構成及び動作については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。また、図12において、ステップS201〜S219の動作については図5と同様であるので説明を省略する。
【0102】
ステップS219において、音声波形の表示情報343を更新した後、ボディCPU229は、図13に示すようにして、編集に適した音声レベルの上下限を示すレベル表示347aを表示領域341に表示させる(S301)。第2の実施形態においては、レベル表示347aによって示される音声レベルが所定レベルであって変化しない。この所定レベルは、例えば図10(b)や図10(d)のレベル表示347で示したような、人が十分に静音であると感じられるようなレベルに設定する。
【0103】
レベル表示347aを表示させた後、ボディCPU229は、現在のマーカー323の位置(即ちマーカー345の位置)に対応した音声レベルを検出する(S303)。その後、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、決定スイッチがオン状態か否かを判定する(S305)。ステップS305における判定の結果、決定スイッチがオン状態でない場合に、ボディCPU229は、図6のステップS233以後の処理を実行する。図6の処理については、説明を省略する。
【0104】
ステップS305における判定の結果、決定スイッチがオン状態である場合に、ボディCPU229は、現在、編集の開始位置の設定中であるか否かを判定する(S307)。ステップS307の判定の結果、現在、編集の開始位置の設定中である場合に、ボディCPU229は、現時点のマーカー323の位置を、編集の開始位置として記憶する(S309)。その後、ボディCPU229は、現時点のマーカー345の位置の音声レベルを、編集の開始位置の音声レベルとして記憶する(S311)。
【0105】
続いて、ボディCPU229は、ステップS311において記憶した編集の開始位置の音声レベルと所定音声レベルとを比較する(S313)。このステップにおいて、ボディCPU229は、編集の開始位置の音声レベルと所定音声レベルとの差を算出する。音声レベルの比較の後、ボディCPU229は、編集の開始位置の音声レベルと所定音声レベルとの差が所定範囲を超えているか否かを判定する(S315)。
【0106】
ステップS315の判定の結果、編集の開始位置の音声レベルと所定レベルとの差が所定範囲を超えている場合に、ボディCPU229は、ビデオ信号出力回路233を制御して例えば表示領域331に告知表示を行う(S317)。この告知表示は、図11の告知表示333と同様でよい。また、ステップS315の判定の結果、編集の開始位置の音声レベルと所定レベルとの差が所定範囲内の場合に、ボディCPU229は、ステップS317の処理をスキップする。
【0107】
また、ステップS307の判定の結果、現在、編集の開始位置の設定中でない、即ち、編集の終了位置の設定中である場合に、ボディCPU229は、ビデオ信号出力回路233を制御して、バー321上に指定範囲を表示させる(S321)。
指定範囲の表示後、ボディCPU229は、現時点のマーカー323の位置を、編集の終了位置として記憶する(S323)。その後、ボディCPU229は、ステップS311以後の処理を実行する。即ち、第2の実施形態では、編集の開始時点の音声レベルと編集の終了時点の音声レベルのそれぞれを所定音声レベルと比較し、それぞれの比較結果に対して告知表示を行う。
【0108】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザによって指定された編集の開始位置の音声レベル及び編集の終了位置の音声レベルのそれぞれを所定音声レベルと比較し、編集の開始位置の音声レベル及び編集の終了位置の音声レベルの何れかと所定音声レベルとの差が所定範囲を超える場合に、編集によって音声の接続が悪くなる旨をユーザに告知するようにしている。この告知を見ることによって、ユーザは、編集の開始位置と編集の終了位置とを改めて指定することができる。このため、動画像の視聴者が違和感を覚えないような編集を容易に行うことが可能である。
【0109】
また、本実施形態における所定音声レベルは、人が十分に静音であると感じられるようなレベルである。このため、図9(a)や図9(c)で示すような動画像中の有音の部分を削除したりしようとすると告知が行われる。これにより、ユーザは、図9(b)や図9(d)で示すような動画像中の無音の部分を選択して編集作業をすることが可能である。
【0110】
ここで、第2の実施形態においても、編集に適している範囲が指定された場合に、その旨をユーザに告知するようにしてもよい。この場合には、ユーザによって指定された編集の開始位置の音声レベル及び編集の終了位置の音声レベルのそれぞれと所定音声レベルとを比較し、それぞれの差が何れも所定範囲内の場合に、編集によって音声の接続が悪くならない旨をユーザに告知する。
【0111】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、動画像中の編集に適した部分を検出して自動的に編集を行う例である。
図14及び図15は、本発明の第3の実施形態における編集動作について示すフローチャートである。編集動作以外の構成及び動作については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0112】
動画像の再生中に編集釦18が押された場合に、ボディCPU229は、ビデオ信号出力回路233を介して液晶モニタ26に編集画面を表示させる(S401)。
図16は、第3の実施形態における編集画面の例を示した図である。第3の実施形態においては、編集画面上に表示させるソフトウェア釦の内容が第2の実施形態と異なっている。この他は、第2の実施形態と同様である。
図16に示す自動消去釦301a、自動取出釦305a、レベル変更釦311、解除釦313、戻る釦309は、ソフトウェア釦であって、それぞれ、タッチパネル236による操作が可能になされている。即ち、それぞれの釦位置にユーザの指351が接触したことを検出した場合に、ボディCPU229は、接触位置に該当する釦の機能に対応した動作を実行する。
【0113】
ここで、ステップS401の時点では、自動消去釦301a、自動取出釦305a、レベル変更釦311、解除釦313が、非アクティブ状態となっている。非アクティブ状態の場合には、自動消去釦301a、自動取出釦305a、レベル変更釦311、解除釦313への接触が検出されたとしても、ボディCPU229は、それぞれの釦に対応した動作を実行しない。
【0114】
図16に示すような編集画面を表示させた後、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、その他の各種スイッチ255の状態を検出する(S403)。続いて、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、タッチパネル236の状態を検出する(S405)。
【0115】
各種スイッチ255の状態及びタッチパネル236の状態を検出した後、ボディCPU229は、編集釦18が操作されたか、即ち編集スイッチがオフ状態か否かを判定する(S407)。ステップS407の判定の結果、編集スイッチがオフ状態である場合に、ボディCPU229は、図14及び図15の編集動作を終了させる。
【0116】
また、ステップS407の判定の結果、編集スイッチがオフ状態でない場合に、ボディCPU229は、編集画面の表示更新を行う(ステップS408)。このステップにおいて、ボディCPU229は、自動消去釦301a、自動取出釦305a、レベル変更釦311、解除釦313をアクティブ状態とする。そして、ボディCPU229は、これらの釦がアクティブ状態となったことをユーザが認知できるようにこれらの釦の表示を変更する。
【0117】
編集画面の表示更新の後、ボディCPU229は、ユーザによって編集モードが決定されたか否かを判定する(S409)。このステップにおいて、ボディCPU229は、自動消去釦301a、自動取出釦305a、レベル変更釦311の何れかが操作されたか否かを判定する。
【0118】
ステップS409の判定の結果、編集モードが決定された場合、即ち自動消去釦301a、自動取出釦305a、レベル変更釦311の何れかが操作された場合に、ボディCPU229は、決定された編集モードが消去モードであるか否か、即ち自動消去釦301aが操作されたか否かを判定する(S411)。S411の判定の結果、決定された編集モードが消去モードである場合に、ボディCPU229は、選択中の動画ファイルに記録された音声データの中で、所定時間(例えば3秒)以上の間、音声レベルが所定音声レベル(レベル表示347aで示される音声レベル)未満となっている範囲を指定範囲として検出する(S421)。条件を満たす範囲が複数存在している場合には、条件を満たす全ての範囲を検出する。ここで、本実施形態では、所定時間を例えば3秒としたが、メニュー画面から、ユーザの好みに応じて使いやすいように所定時間を1秒から10秒の範囲で設定するように構成してもよい。
【0119】
指定範囲を検出した後又はステップS411において編集モードが消去モードでない場合に、ボディCPU229は、決定された編集モードが取出モードであるか否か、即ち自動取出釦305aが操作されたか否かを判定する(S413)。S413の判定の結果、決定された編集モードが取出モードである場合に、ボディCPU229は、選択中の動画ファイルに記録された音声データの中で、所定時間(例えば3秒)以上の間、音声レベルが所定音声レベル(レベル表示347aで示される音声レベル)未満となっている範囲を指定範囲として検出する(S423)。
【0120】
指定範囲を検出した後又はステップS413において編集モードが取出モードでない場合に、ボディCPU229は、決定された編集モードがレベル変更モードであるか否か、即ちレベル変更釦311が操作されたか否かを判定する(S415)。S415の判定の結果、決定された編集モードがレベル変更モードである場合に、ボディCPU229は、例えばユーザのタッチパネル操作に従って所定音声レベルの大きさ(レベル表示347aで示される音声レベルのピークからピークまでの幅)を変更する(S425)。その後、ボディCPU229は、ビデオ信号出力回路233を制御して、変更後のレベル表示347aを表示領域341に表示させる(S427)。
【0121】
続いて、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、その他の各種スイッチ255の状態を検出する(S431)。続いて、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、タッチパネル236の状態を検出する(S433)。
【0122】
各種スイッチ255の状態及びタッチパネル236の状態を検出した後、ボディCPU229は、タッチパネル236上に設定されたマーカーエリア327内に、ユーザの指351が接触しているか否かを判定する(S435)。ステップS435の判定の結果、マーカーエリア327内にユーザの指351が接触している場合に、ボディCPU229は、マーカー323の表示位置をユーザの指351の接触位置に更新する(S437)。
【0123】
マーカー323の表示位置を更新した後、ボディCPU229は、再生中の動画像ファイルにおけるマーカー323の時点の駒に対応した画像データを読み込む(S439)。そして、ボディCPU229は、ビデオ信号出力回路233を制御して、新たに読み込んだ画像データに対応した静止画像を表示領域331に表示させる(S441)。
【0124】
続いて、ボディCPU229は、再生中の動画像ファイルにおけるマーカー323の前後1.5秒の範囲に対応した音声データを読み込む(S443)。そして、ボディCPU229は、読み込んだ音声データを、画像処理回路227を介して表示情報343に変換する(S445)。その後、ボディCPU229は、ビデオ信号出力回路233を制御して、新たに得られた表示情報343を表示領域341に表示させる(S447)。
【0125】
音声波形の表示情報343を更新した後、ボディCPU229は、解除釦313が操作されたか否かを判定する(S449)。S449の判定の結果、解除釦313が操作された場合に、ボディCPU229は、その時点でマーカー323が位置している指定範囲の設定を解除する(S461)。これに伴って編集画面上でも指定範囲の表示を消去する。
【0126】
指定範囲の設定を解除した後、ステップS435の判定においてマーカーエリア327への接触がない場合、又はステップS449の判定において解除釦313が操作されていない場合、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、決定スイッチがオン状態であるか否かを判定する(S451)。ステップS451における判定の結果、決定スイッチがオン状態でない場合に、ボディCPU229は、処理をステップS431に戻す。
【0127】
また、ステップS451における判定の結果、決定スイッチがオン状態である場合に、ボディCPU229は、編集モードが消去モードであるか否かを判定する(S453)。S451の判定の結果、編集モードが消去モードである場合に、ボディCPU229は、指定範囲に対応した動画像データ及び音声データを動画ファイルから消去する(S463)。指定範囲の消去の後、ボディCPU229は、ステップS467の処理を実行する。
【0128】
また、ステップS453の判定の結果、編集モードが消去モードでない場合に、ボディCPU229は、編集モードが取出モードであるか否かを判定する(S455)。S455の判定の結果、編集モードが取出モードである場合に、ボディCPU229は、指定範囲以外の動画像データ及び音声データを消去することによって指定範囲の動画像データ及び音声データを取り出す(S465)。指定範囲の取り出しの後、ボディCPU229は、ステップS467の処理を実行する。
【0129】
指定範囲の消去又は取り出しの後、ボディCPU229は、消去又は取り出し後の動画像データ及び音声データをもとの動画像ファイルとは別の動画像ファイルとして記録媒体245に記録する(S467)。その後、ボディCPU229は、ステップS457の判定を実行する。
【0130】
画像ファイルの記録後又はステップS455において編集モードが決定されていない場合に、ボディCPU229は、スイッチ検知回路253の出力から、戻る釦309が操作されたか否かを判定する(S457)。ステップS457の判定の結果、戻る釦309が操作された場合、ボディCPU229は、処理をステップS403に戻す。
【0131】
ステップS457の判定において戻る釦309が操作されていない場合に、ボディCPU229は、編集スイッチがオン状態か否かを判定する(S459)。ステップS459の判定の結果、編集スイッチがオン状態でない場合に、ボディCPU229は、処理をステップS431に戻す。一方、ステップS459の判定の結果、編集スイッチがオン状態である場合に、ボディCPU229は、図14及び図15の編集動作を終了させる。
【0132】
以上説明したように、本実施形態によれば、動画像ファイルに記録されている音声データの音声レベルを所定音声レベルと比較し、所定音声レベル未満の範囲を検出している。これにより、カメラにおいて検出した指定範囲を自動的に消去したり、取り出したりすることが可能である。
【0133】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。また、前述の動作の説明において、便宜上「まず」、「次に」等を用いて動作を説明しているが、この順で動作を実施することが必須であることを意味するものではない。
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0134】
10…パワースイッチレバー、11…レリーズ釦、12…モードダイヤル、13…インデックス表示釦、14…拡大釦、15…動画記録釦、16…再生釦、17…メニュー釦、18…編集釦、19…削除釦、20…十字釦、21…決定釦、26…液晶モニタ、27…スピーカ開口部、28…マイク開口部、100…交換レンズ、101a,101b…撮影レンズ、101…撮影光学系、103…絞り、105…光学位置検出機構、107…光学系駆動機構、109…絞り駆動機構、110…エンコーダ、111…レンズCPU、112…距離環、200…カメラ本体、203…シャッタ、205…防塵フィルタ、207…圧電素子、209…赤外カットフィルタ、210…光学的ローパスフィルタ、211…防塵フィルタ駆動回路、213…シャッタ駆動機構、221…撮像素子、223…撮像素子駆動回路、225…前処理回路、226…AF回路、227…画像処理回路、229…シーケンスコントローラ(ボディCPU)、231…圧縮伸張回路、233…ビデオ信号出力回路、235…液晶モニタ駆動回路、236…タッチパネル、237…SDRAM制御回路、238…SDRAM、239…入出力回路、241…通信回路、243…記録媒体制御回路、245…記録媒体、247…フラッシュメモリ制御回路、249…フラッシュメモリ、253…スイッチ検知回路、255…各種スイッチ、257…パワースイッチ、259…着脱検知スイッチ、260…ブレ補正駆動機構、261…データバス、262…カメラ用IC、271…音声圧縮伸張回路、273…オーディオ処理回路、275…スピーカ、277…マイクロホン(マイク)、290…撮像素子ユニット、296…アクチュエータ駆動回路、297…ブレ検出回路、297a…角速度センサ、297b…角速度検出回路、300…通信接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録手段に記録された動画像情報と該動画像情報に同期して記録された音声情報とを編集する動画編集装置において、
上記動画像情報に対応した画像を表示する表示手段と、
上記編集の開始位置と上記編集の終了位置とをそれぞれ指示するための指示手段と、
上記音声情報における上記編集の開始位置の音声レベルを検出する第1の音声レベル検出手段と、
上記音声情報における上記編集の終了位置の音声レベルを検出する第2の音声レベル検出手段と、
上記第1の音声レベル検出手段で検出された上記編集の開始位置の音声レベルと上記第2の音声レベル検出手段で検出された上記編集の終了位置の音声レベルとを比較して差を出力する比較手段と、
上記比較手段で出力された差が所定範囲を超える場合に上記編集によって上記音声情報の接続が悪くなる旨を告知する告知表示を上記動画像情報に合成する又は上記比較手段で出力された差が上記所定範囲内である場合に上記編集によって上記音声情報の接続が悪くならない旨を告知する告知表示を上記動画像情報に合成する告知合成手段と、
上記告知表示が合成された動画像情報に対応した画像を上記表示手段に表示させる制御手段と、
を具備することを特徴とする動画編集装置。
【請求項2】
上記音声情報を表示情報に変換する音声変換手段と、
上記指示手段により指示された上記編集の開始位置と上記編集の終了位置のそれぞれの前後の音声情報を、上記音声変換手段により表示情報に変換して上記動画像情報に合成する音声表示合成手段と、
をさらに具備し、
上記制御手段は、上記表示情報がさらに合成された動画像情報に対応した画像を上記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の動画編集装置。
【請求項3】
上記第1の音声レベル検出手段により検出された上記編集の開始位置の音声レベルを記憶する第1の音声レベル記憶手段をさらに具備し、
上記音声表示合成手段は、上記第1の音声レベル記憶手段に記憶された上記編集の開始位置の音声レベルを示すレベル表示を上記動画像情報にさらに合成することを特徴とする請求項2に記載の動画編集装置。
【請求項4】
上記表示手段には、上記動画像情報及び上記音声情報の経過時間を示す時間軸が表示され、
上記指示手段は、上記時間軸上で指定された位置を上記編集の開始位置又は上記編集の終了位置として指示することを特徴とする請求項3に記載の動画編集装置。
【請求項5】
撮影により得られた動画像情報と該動画像情報に同期して記録された音声情報とを編集する撮影装置において、
上記動画像情報に対応した画像を表示する表示手段と、
上記編集の開始位置と上記編集の終了位置とをそれぞれ指示するための指示手段と、
上記音声情報における上記編集の開始位置の音声レベルを検出する第1の音声レベル検出手段と、
上記音声情報における上記編集の終了位置の音声レベルを検出する第2の音声レベル検出手段と、
上記第1の音声レベル検出手段で検出された上記編集の開始位置の音声レベルと上記第2の音声レベル検出手段で検出された上記編集の終了位置の音声レベルとを比較して差を出力する比較手段と、
上記比較手段で出力された差が所定範囲を超える場合に上記編集によって上記音声情報の接続が悪くなる旨を告知する告知表示を上記動画像情報に合成する又は上記比較手段で出力された差が上記所定範囲内である場合に上記編集によって上記音声情報の接続が悪くならない旨を告知する告知表示を上記動画像情報に合成する告知合成手段と、
上記告知表示が合成された動画像情報を上記表示手段に表示させる制御手段と、
を具備することを特徴とする撮影装置。
【請求項6】
記録手段に記録された動画像情報と該動画像情報に同期して記録された音声情報とを編集する動画編集装置において、
上記動画像情報に対応した画像を表示する表示手段と、
上記編集の開始位置と上記編集の終了位置とをそれぞれ指示するための指示手段と、
上記音声情報における上記編集の開始位置の音声レベルを検出する第1の音声レベル検出手段と、
上記音声情報における上記編集の終了位置の音声レベルを検出する第2の音声レベル検出手段と、
上記第1の音声レベル検出手段で検出された上記編集の開始位置の音声レベルと所定音声レベルとを比較して差を出力する第1の比較手段と、
上記第2の音声レベル検出手段で検出された上記編集の終了位置の音声レベルと上記所定音声レベルとを比較して差を出力する第2の比較手段と、
上記第1の比較手段で出力された差と上記第2の比較手段で出力された差の少なくとも何れかが所定範囲を超える場合に上記編集によって上記音声情報の接続が悪くなる旨を告知する告知表示を上記動画像情報に合成する又は上記第1の比較手段で出力された差と上記第2の比較手段で出力された差の両方が上記所定範囲内である場合に上記編集によって上記音声情報の接続が悪くならない旨を告知する告知表示を上記動画像情報に合成する告知合成手段と、
上記告知表示が合成された動画像情報に対応した画像を上記表示手段に表示させる制御手段と、
を具備することを特徴とする動画編集装置。
【請求項7】
上記音声情報を表示情報に変換する音声変換手段と、
上記指示手段により指示された上記編集の開始位置と上記編集の終了位置のそれぞれの前後の音声情報を、上記音声変換手段により表示情報に変換して上記動画像情報に合成する音声表示合成手段と、
をさらに具備し、
上記制御手段は、上記表示情報がさらに合成された動画像情報に対応した画像を上記表示手段に表示させることを特徴とする請求項6に記載の動画編集装置。
【請求項8】
上記音声表示合成手段は、上記所定音声レベルを示すレベル表示を上記動画像情報にさらに合成することを特徴とする請求項7に記載の動画編集装置。
【請求項9】
上記表示手段には、上記動画像情報及び上記音声情報の経過時間を示す時間軸が表示され、
上記指示手段は、上記時間軸上で指定された位置を上記編集の開始位置又は上記編集の終了位置として指示することを特徴とする請求項8に記載の動画編集装置。
【請求項10】
撮影により得られた動画像情報と該動画像情報に同期して記録された音声情報とを編集する撮影装置において、
上記動画像情報に対応した画像を表示する表示手段と、
上記編集の開始位置と上記編集の終了位置とをそれぞれ指示するための指示手段と、
上記音声情報における上記編集の開始位置の音声レベルを検出する第1の音声レベル検出手段と、
上記音声情報における上記編集の終了位置の音声レベルを検出する第2の音声レベル検出手段と、
上記第1の音声レベル検出手段で検出された上記編集の開始位置の音声レベルと所定音声レベルとを比較して差を出力する第1の比較手段と、
上記第2の音声レベル検出手段で検出された上記編集の終了位置の音声レベルと上記所定音声レベルとを比較して差を出力する第2の比較手段と、
上記第1の比較手段で出力された差と上記第2の比較手段で出力された差の少なくとも何れかが所定範囲を超える場合に上記編集によって上記音声情報の接続が悪くなる旨を告知する告知表示を上記動画像情報に合成する又は上記第1の比較手段で出力された差と上記第2の比較手段で出力された差の両方が上記所定範囲内である場合に上記編集によって上記音声情報の接続が悪くならない旨を告知する告知表示を上記動画像情報に合成する告知合成手段と、
上記告知表示が合成された動画像情報に対応した画像を上記表示手段に表示させる制御手段と、
を具備することを特徴とする撮影装置。
【請求項11】
記録手段に記録された動画像情報と該動画像情報に同期して記録された音声情報とを編集する動画編集装置において、
上記音声情報の音声レベルと所定音声レベルとを比較して差を出力する比較手段と、
一定の時間の間、上記比較手段で出力された差が所定範囲内となる上記音声情報の範囲を指定範囲として検出する検出手段と、
上記検出手段で検出された指定範囲に対して編集動作を実行する編集手段と、
を具備することを特徴とする動画編集装置。
【請求項12】
上記所定音声レベルを指示するための指示手段をさらに具備することを特徴とする請求項11に記載の動画編集装置。
【請求項13】
撮影により得られた動画像情報と該動画像情報に同期して記録された音声情報とを編集する撮影装置において、
上記音声情報の音声レベルと所定音声レベルとを比較して差を出力する比較手段と、
一定の時間の間、上記比較手段で出力された差が所定範囲内となる上記音声情報の範囲を指定範囲として検出する検出手段と、
上記検出手段で検出された指定範囲に対して編集動作を実行する編集手段と、
を具備することを特徴とする撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−17033(P2013−17033A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148348(P2011−148348)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】