説明

動的エネルギーハーベスティング制御

【課題】可変出力電力機器からエネルギーをハーベストする方法とシステムを供給する。
【解決手段】エネルギー創出のために配置された1つ以上の可変出力電力素子は複数の電力素子と1個の負荷とを制御可能に結ぶ電力制御回路への入力として使われる。回路の中の1つ以上の電源信号は監視され、電力制御回路からの出力は監視された1つ以上の電源信号に基づき動的に調整される。本発明の諸側面に従えば出力負荷サイクル又は周波数は監視されたパラメーターに応じて調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー源をさらに効率的に使用するための電子システムに関する。具体的には、本発明は、太陽光発電システムなどの変動する電力エネルギー源から利用可能な電力を容易にハーベストできるよう設計された電力制御方法、システム及び電気回路に関する。本発明を利用するシステムには、電力パラメータに関する状態を監視し、また、電源出力及び負荷に応答する電源の周波数及び/又は負荷サイクルを動的に調整するよう設定された電源制御回路が含まれる。
【背景技術】
【0002】
本申請には、2009年7月11日に登録された仮特許申請番号61/224,857にもとづき優先的権利が与えられる。本申請及び仮特許申請には少なくとも1名の共同発明者が存在する。
【0003】
再生可能資源からエネルギーをハーベストするためのシステムは、技術的には長らく望まれていたものである。エネルギーハーベスティングシステムの実用化に関連する課題のひとつは、利用可能度及び/又は大きさが断続的であるエネルギー源を最大限に活用することへの挑戦である。在来発電所と異なり、代替エネルギー源はその出力が変化しやすい。典型的な例では、太陽発電は、バッテリー又はコンデンサーなどの蓄電素子に充電し、そこから電気負荷に供給することによって電気システムに電力を与えるために使用される太陽電池、即ち太陽光発電(PV)電池に依存する。しかしながら太陽は常に一定の強度で輝くものではなく、このようなシステムには、天候状態、時刻、障害物の陰、及び上方を飛翔する鳥の陰でさえもたらす太陽電池出力の変動により変化する電力レベルのもとで運転できることが要求される。その他、風力、圧電、回生制動、水力、波力などの変動出力電源において出力の可変性に関して同様の問題がいくつか経験されている。エネルギー源は多かれ少なかれ常時その最大出力レベルで出力できるとする理論的推定のもとに、エネルギーハーベスティングシステムが運転されるよう設計するのが通例である。
【0004】
蓄電素子及び/又は負荷への供給のために、利用可能度及び/又は大きさが断続的であるエネルギー源出力を効率的にハーベストするためにスイッチモード電源(SMPS)が広く使用される。SMPSの効率は一般にかなり高いため、SMPSの出力はかなりの場合SMPSへの入力にほぼ等しい。最大理論出力レベルでハーベスト作業を行うシステムを設計しようとするとき、綿密な計画と装置の特性化がよく行われる。例えば、PVシステムにおいては、太陽電池の最大出力はその太陽電池に特有の負荷点でピークとなる。この最大出力点は、個別の太陽電池、太陽電池配列、太陽電池が使用されるシステム、及びシステムと太陽電池の動作環境それぞれにより異なる。従って、電子システムの最大エネルギーをハーベストする能力は太陽電池に適用される負荷の太陽電池特性に依存する。典型的な用途の一例として、バッテリーを充電するために太陽電池からエネルギーをハーベストする携帯型電子システムがある。バッテリー充電システムは通常マルチモードであり、急速充電、全容量充電(1C充電とも言う)、及びトリクル充電を含む。代表的SMPSは出力電圧を調整し、入力は出力に必要な最大負荷を供給できるとする理論的仮定にもとづき作動する。現実には、PV電池の出力インピーダンスは高く、負荷サイクルが変化し、入力電圧もまた変化すると、PV電池の出力も変化する。このため、PVシステム及び他の電源のエネルギーハーベスティング能力を効率良く利用することに関しては問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
技術の現状に関する以上の問題点及びその他の問題点並びに潜在的な問題点のため、エネルギーハーべスティングに関する改良された方法、装置及びシステムは有用かつ有益なものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1.エネルギー入力の創出のための1つ以上の可変出力電力素子を有する回路を提供し、その回路は複数の電力素子と1個の負荷の間を制御可能に結ぶ電源制御回路を有し、
回路の中で1つ以上の電源信号を監視する、及び
電源制御回路の出力を、監視された1つ以上の電源信号に基づき動的に調整することを特徴とする可変出力電力機器からエネルギーをハーベストする方法。
2.電源制御回路出力を調整する手順には更に出力負荷サイクルの調整も含むことを特徴とする1.記載のエネルギーをハーベストする方法。
3.電源制御回路出力を調整する手順には更に出力周波数の調整も含むことを特徴とする1.記載のエネルギーをハーベストする方法。
4.回路内の1つ以上の電源信号を監視する手順には更に負荷時の電源信号の検出も含むことを特徴とする1.記載のエネルギーをハーベストする方法。
5.回路内の1つ以上の電源信号を監視する手順にはさらに電源制御回路への入力時の電源信号の検知も含むことを特徴とする1.記載のエネルギーをハーベストする方法。
6.回路内の1つ以上の電源信号を監視する手順には更に電源制御回路からの出力時の電源信号の検知も含むことを特徴とする1.記載のエネルギーをハーベストする方法。。
7.エネルギー入力を提供するための1つ以上の可変出力源を有する回路並びに可変出力源および負荷と制御可能に結ばれている電源制御回路であって、
回路内の1つ以上の電源信号を監視する少なくとも1つの監視装置、及び
1つ以上の監視されたシグナルにもとづいて電力制御回路からの出力を動的に調整する制御モジュールにより構成されることを特徴とするエネルギーハーベスティングシステム。
8.電力制御回路には更に切替えモード電源装置も含むことを特徴とする7.記載のエネルギーハーベスティングシステム。
9.可変出力源には更に光電式装置も含むことを特徴とする7.記載のエネルギーハーベスティングシステム。
10.可変出力源には更に電気機械式発電装置も含むことを特徴とする7.記載のエネルギーハーベスティングシステム。
11.可変出力源には更に圧電装置も含むことを特徴とする7.記載のエネルギーハーベスティングシステム。
12.監視機器には更に電流検出装置も含むことを特徴とする7.記載のエネルギーハーベスティングシステム。
13.監視機器には更に電圧検出機器も含むことを特徴とする7.記載のエネルギーハーベスティングシステム。
14.回路には更に負荷と並列のバッテリーも含むことを特徴とする7.記載のエネルギーハーベスティングシステム。
15.回路には更に画像装置も含むことを特徴とする7.記載のエネルギーハーベスティングシステム。
16.回路には更にディスプレー装置も含むことを特徴とする7.記載のエネルギーハーベスティングシステム。
17.回路には更に通信装置も含むことを特徴とする7.記載のエネルギーハーベスティングシステム。
18.回路には更にオーディオ装置も含むことを特徴とする7.記載のエネルギーハーベスティングシステム。
19.回路には更に電算処理装置も含むことを特徴とする7.記載のエネルギーハーベスティングシステム。
20.回路には更にセンサー装置も含むことを特徴とする7.記載のエネルギーハーベスティングシステム。
21.回路には更に伝送装置も含むことを特徴とする7.記載のエネルギーハーベスティングシステム。
22.電源制御回路にエネルギー入力を供給するよう構成されている1つ以上の可変出力源が当該可変出力源と1個の負荷に制御可能状態で結ばれている;
回路内の1つ以上の電源信号を監視する少なくとも一つの監視装置;及び
1つ以上の監視されたシグナルに基づいて回路からの出力を動的に調整する制御モジュール、それによりその回路は1つ以上の可変出力源によって供給される最適エネルギー入力をハーベストする構成になっている
ことを特徴とするエネルギーハーベスティングを制御する回路。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は次の詳細な説明及び図面に対する考察からより明快に理解されよう。
【図1】図1は、本発明のシステムと方法についての望ましい実施例の1つとして、電源、電源制御回路及び負荷を説明する単純化された模式図である。
【図2】図2は、本発明のシステムと方法についての望ましい実施例1つの単純化された模式図で、電源、スイッチング電源及び負荷を描写している。
【図3】図3は、本発明のシステムと方法についての望ましい実施例1つの単純化された模式図で、電源配列、スイッチング電源及び負荷を表示している。
【図4】図4は、本発明のシステムと方法についての望ましい実施例の別の1つの単純化された模式図で、電源、スイッチング電源及び負荷を描写している。
【図5】図5は、本発明のシステムと方法についての望ましい実施例の別の1つの単純化された模式図である。
【図6】図6は、本発明のシステムと方法についての別の例の単純化された模式図で、電源配列、スイッチング電源及び負荷配列を含む望ましい実施例を説明している。
【図7】図7は、本発明のシステムと方法についての望ましい代替実施例の1つに関する単純化された模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の原理を望ましい実施例に従って実行するに際し、本発明は、動的エネルギーハーべステイング制御用に、新規な方法、システム及び装置に関する技術的進歩をもたらす。
本発明の一面に従えば、望ましい実施例の中には、電力素子と負荷の間に、1個以上のエネルギー生成用可変出力電力素子と電源制御回路を接続した回路を提供するという手順で、可変出力電源装置からエネルギーをハーベストする方法が含まれる。更なる手順が、回路上の1つ以上の電源信号を監視するため及び監視信号に応答して電源制御回路出力を動的に調節するために、含まれている。
本発明の別の一面に従えば、エネルギーをハーベストする望ましい方法には、出力負荷サイクルを調節することで電源制御回路出力を調節するという手順も含まれている。
【0009】
本発明の更なる別の一面に従えば、エネルギーをハーベストする上述の方法に関する望ましい実施例には、電源制御回路出力を更に調節する手順の中には、出力周波数調節のためのいくつかの手順が含まれている。
【0010】
本発明の別の一面に従えば、その望ましい実施例に、エネルギーをハーベストするシステムは、エネルギー入力をなすための1つ以上の可変出力電源に関する回路を所有している。スイッチング電源のような電源制御回路は、可変出力電源及び負荷と接続されている。回路上の1つ以上の電源信号を監視する目的で監視装置が提供されている。監視信号に応答してスイッチング電源を動的に調節するための制御モジュールが設置されている。
【0011】
上述の本発明の別の一面に従えば、本システムの可変出力電源が太陽光発電エネルギーハーベスティング装置の形で提供されている。
【0012】
上述された本発明の別の一面に従えば、本システムの可変出力電源は電気機械式発電装置の形で提供されている。
【0013】
本発明には以下を含むがそれに限定されない1つ以上の特長がある。それはエネルギーハーべステイング制御強化、効率向上及び原価低減である。これらの及びその他の本発明における特長的な機能や便益は、添付図面と関連付けて本発明の代表的実施例についての詳細説明を注意深く考察すれば、当該技術に熟練した人にとっては、直ちに理解できるものである。
【0014】
本発明は次の詳細な説明及び図面に対する考察からより明快に理解されよう。
【0015】
図1は、本発明のシステムと方法についての望ましい実施例の1つとして、電源、電源制御回路及び負荷を説明する単純化された模式図である。
【0016】
図2は、本発明のシステムと方法についての望ましい実施例1つの単純化された模式図で、電源、スイッチング電源及び負荷を描写している。
【0017】
図3は、本発明のシステムと方法についての望ましい実施例1つの単純化された模式図で、電源配列、スイッチング電源及び負荷を表示している。
【0018】
図4は、本発明のシステムと方法についての望ましい実施例の別の1つの単純化された模式図で、電源、スイッチング電源及び負荷を描写している。
【0019】
図5は、本発明のシステムと方法についての望ましい実施例の別の1つの単純化された模式図である。
【0020】
図6は、本発明のシステムと方法についての別の例の単純化された模式図で、電源配列、スイッチング電源及び負荷配列を含む望ましい実施例を説明している。及び、
【0021】
図7は、本発明のシステムと方法についての望ましい代替実施例の1つに関する単純化された模式図である。
【0022】
別途記述されていない限り、詳細説明の中の参照事項は種々の図面中の同様の参照事項に該当する。右、左、後面、上面、底面、上部、側面等のような書面説明に使用される記述及び方向用語は、紙面に書かれた図面そのものが適用され、特定の説明がない限り、本発明の物理的な限定を行うものではない。図面は尺度不定で、表示され説明された実施例のいくつかの機能は本発明の原理及び機能並びに特長を説明するために単純化又は拡大されている。
配線図の中にあるワイヤーに巻き付けたような形のコイル状の図で、番号を付されたものは、コイルや誘電子のような電気部品を表示しようとしたものではなく、その図で指定したワイヤーを流れる電流値又は指定された位置での電圧値が測定されていることを示す目的で使われている。多くの測定方法が使用可能であるが、具体的な測定実施方法は回路設計者に任せられている。
【0023】
[望ましい実施例の説明]
本発明の様々な典型的実施例の作成と使用がここで検討される一方、特有の諸状況で幅広く多様に、具体化しうる発明概念を本発明がもたらすことは認められるべきである。
本発明が他の代替エネルギーハーベスティング装置同様、太陽光発電のような様々な電源で実施できるということは理解されるべきである。
例えば、発明の原理を採用することにより達成できる太陽光との様々なコンビネーション、又は太陽光の代替としての風、圧電、熱、もしくは他のエネルギー源のような電源をいくつかの応用において使うことが望ましいであろう。明確化のため、機能、構成部品及び適応技術の熟練者にはよく知られているシステムの詳細説明は含まれていない。通常、本発明は出力と負荷の動的整合を持ったエネルギーハーベスティングの技術と装置を提供する。エネルギーハーベスティングに有益な利得を提供するために、エネルギーハーベスティング電源は負荷に最大電流を送るよう調整された負荷サイクルを持つことが望ましく、それは電池もしくはコンデンサ、電子負荷、又はそれらの組み合わせのような蓄積装置でありうる。
望ましい方法は電源と負荷間に組み込まれたスイッチモード電源(SMPS)に対し制御ループを実装することである。現下の望ましい実施例においては、SMPSは出力電流をシステムが供給できる最大値であるように負荷サイクルを調節する。そして、バック又はブーストの何れかの構成として好ましい実施例に実装される。SMPS実装に対する代替として、制御電源システムのため他の回路構成もまた、バック・ブースト、ブースト・バック、電荷ポンプ、クックコンバータ、SEPIC(シングルエンド一次誘導コンバータ)、ゼータコンバータ及びその他のものが使用できる。
まず図1を参照すると、簡易化した回路図がシステム10を表示している。その中にはスイッチモード電源(SMPS)のような電源制御回路12が、他の装置やエネルギーハーベスティング装置との組み合わせで使用されるかもしれないが、この典型的な実施例太陽光発電(PV)セル14においてエネルギーハーベスティング装置に連結されている。負荷16は電源制御回路12にも連結されている。電源制御回路12は負荷16への矢印i1によって表示されている出力電流をコントロールする。適切なセンサーで出力電流i1のモニタリングによる動的取得データーを基に電源制御回路12を制御することによりこの制御が達成されることが望ましい。電源制御回路12出力電流i1のパワー関連パラメータは本発明の範囲から逸脱することなしに多用な技術の1つ以上によってモニターされる。例えば、電流の代用として、電圧センサーは適切な位置に代替的に使用できる。電圧と電流のように、パワー関連パラメータは一般的に「電源信号」としてここに記述される。モニター電源信号、例えば電流は、負荷サイクル、周波数、又はその両者が前記コントロールと電流測定にもとづいて調整されることを基本として使用される。従って、負荷(例えば電池及び/又は電子負荷)に送られた出力電流は調整され、次いでエネルギーハーベスティング装置(例えば太陽電池14)から要求されるエネルギーの量を調整する。モニタリングの手順は負荷サイクル及び/又は周波数の増加又は減少の何れかを行うためしばらく経過して繰り返し、及び/又は出力電流の再測定を行うことが望ましい。電流が増加し、更に太陽電池の電力供給性能が超過したことを示す場合は、負荷サイクルはこの追加電力を使用するために再度増加を繰り返す。電流が減少し、太陽電池の電力発生能力を超過したことを示す場合は、負荷サイクルは負荷に供給される電力を抑えるために減少する。
【0024】
ここで主として図2を参照すると、システム10の望ましい実施例の事例が表現されており、その中には電源調整回路(SMPS12)がコントロールモジュール18を含むものとして表示されている。電流、電圧又は他のパワー関連パラメータをモニタリングするため1つ以上のセンサーが1箇所以上に装着される。
例えば矢印 i1の表示電流も表示位置1のSMPSブロック12への供給入力で検出されモニターされる。電源信号も、又は電源信号は代替的に、表示位置2のSMPS12の高圧側のスイッチで検出されモニターされる。電源信号も、又は電源信号は代替的に、表示位置3のSMPS12の出力で検出されモニターされる。電源信号も、又は電源信号は代替的に、表示位置4の負荷で検出されモニターされる。電源信号も、又は電源信号は代替的に、表示位置5の誘導端子の帰還側で検出されモニターされる。電源信号も、又は電源信号は代替的に、表示位置6の低圧側のスイッチで検出されモニターされる。この事例電流において、このようにモニターされたパワーパラメータはコントロールモジュールの中の演算手順の実行において使用される。このコントロールモジュールはSMPS12の出力負荷サイクル、周波数、又はその両者を上方/下方に調整する。調整は、どれだけの電力需要がエネルギーハーベスティング装置14に必要かを順に調整しつつ、例えば記憶素子、電池及び/又は電子装置など負荷16に送られた出力を調整するため、前記コントロール設定及び/又はモニター電源信号測定値に基づく。コントロール演算手順は反復して再検査し、負荷サイクル及び/又は周波数の増加、減少、又は連続を起動できることが望ましい。モニター電流に増加が見られ、エネルギーハーベスティング装置、この場合はPVセルが更に電力を供給できる能力を持つことを表示した場合は、負荷サイクルはこの追加電力を再度使用するため増加を繰り返す。モニター電流に減少が見られ、PVセルがその電力能力を超えていることを表示した場合は、負荷サイクルは負荷への供給電力を抑えるため減少する。このサイクルは、電流測定値の増加に対しては負荷サイクル及び/もしくは周波数の前記調整を繰り返し、又は電流測定値減少に対しては、反対方向に負荷サイクルを代替的に調整して負荷サイクル及び/又は周波数調整を何回でも繰り返す。
【0025】
別の典型的な実施例として、引き続き図2を参照すると、SMPS入力電圧及び/又は電流は5の位置でモニターするのが望ましく、制御モジュールは入力が最大のモニター条件で、SMPSを動的に調整するのに使用される。モニターされた入力供給用の電流及び電圧を使用して、制御モジュールはPVセルからSMPSへの電源出力を計算するのに使用可能である。この回路構成と方式でPVセルが出力最大点又はその近辺での動作を維持することが望ましい。
他のもう1つの代替実施例では、電源信号例えば電流(負荷での値)や再充電可能なエネルギー蓄積装置は、定電流充電モードで動作中のSMPS制御装置へのフィードバックとしてモニターされ提供されることが可能である。バッテリー電流モニターの1例を図2の位置4に示す。負荷サイクル及び/または制御ループの周波数はバッテリーへの1C充電電流供給が可能なまで調整されるのが望ましい。もし太陽電池が1C充電電流以上の供給能力があれば、SMPSはバッテリー電流をバッテリー保護のために1C電流レベルまで制限する。もし1C充電電流が太陽電池から供給不可の場合、太陽電池は最大出力電力を供給する。これは、出力に向けられる負荷サイクルを、最大出力がバッテリー負荷へ供給されるよう指定する設定方法により実現される。SMPS出力方程式は、Pout = (Efficiency*Pin)。SMPSと負荷への最大出力方程式に見るように、入力電力は最大化されている。この制御機構はモニターされる充電電流に対して反応するのが望ましく、また太陽電池の温度又は順方向電圧降下などのバイアス状態及び特性に関係するフィードバックを必要としないのが望ましい。本発明の適用範囲内で1C充電はいくつかの選定された位置、電源レギュレーター入力1、高圧側スイッチ2、電源レギュレーター出力端子3、負荷4、誘導子端子5の帰還側及び低圧側スイッチ6などでモニター可能なことを意図している。PVシステムでは1C充電電流はバッテリーを通してモニターされるのが望ましく、負荷は充電中にシステムを通して供給され、最大充電電流は(1C+I負荷)に増加される。I負荷は負荷に供給される追加電流である。原則としてエネルギーハーベスティング装置、素子又は配列の任意の数N及び形式は、本発明の適用範囲内で使用可能なものとして認められるべきである。
【0026】
動的エネルギーハーベスティング制御の他の推奨実施例,図3は充電システム用に電源を供給するN複合太陽電池の配列を持ったシステムを説明している。
この実施は、1つの太陽電池が太陽光を受け他の電池が太陽光から遮断されている場合に、1つの太陽電池がもう1つの電池に負荷をかけるのを防ぐため、ブロッキングダイオード15を利用する。しかしながら、この構成の欠点はブロッキングダイオードが更なる電力損失の要因となるため、太陽電池はその可能な最大出力生成効率を達成できない。このトポロジーを使ったもう1つの他の実施例は、ブロッキングダイオード15の代替として能動スイッチが好んで置換され、ダイオード電力損失を除去し、スイッチのインピーダンスによる損失に対する総合電力損失を低減する。
ブロッキングダイオードを使用しない代案の実施例は、図4で示される。この実施方法は、能動スイッチを交換モード充電システムの一部として利用する。このモードでは、制御システムはバッテリーに供給される総出力と同様に個々の太陽電池電力をリアルタイムにモニターすることができる。これにはN個の太陽電池が充電システムに依存することなく切り替わらなければならないという弱点がある。その結果、最大出力が各々の太陽電池負荷について達成できるのを保証するため、太陽電池の充電には注意が払われなければならない。
これを実現する1つの方法は、夫々の太陽電池が電力を転送するための待ち時間にエネルギーを蓄えることが可能な誘導子とコンデンサから成る複合負荷を提供することである。
図5は複合負荷が制御ループで直接利用されている実施例を示し、N個の太陽電池夫々が連続的にモニターされ利用されるのを可能にする。この構成で、電源信号は、(例えば 位置 1−6)や更に位置7(測定を複数の誘導子出力用に提供する1つの検出素子)に示すように、さまざまな位置でモニター可能である。他の実施例は、複数の負荷及び/又はバッテリーが充電されることができる出力でスイッチを提供することにより利用可能である。
連続的装置は、これらの複数のバッテリー/負荷の充電を制御するのに使用可能で図6に示される。太陽電池が効率よい方法で動作するために、即ち最大出力で動作するためには、太陽電池出力に見られる出力負荷は連続負荷であることが望ましい。これを実現するため、スイッチング充電と制御回路が使用されるシステムで、回路インターフェースは太陽電池出力とスイッチへの供給入力の間に設置される。
これを実施する一例としては、複合フィルター構成要素を提供することで、一つ又はそれ以上の誘導子とコンデンサから構成することが可能である。あるいは、もう1つのアプローチは、アクティブ回路を使うことである。この例はマルチプレクサー(MUXと表される)で示され、N個の負荷相互間に又はその複数個間のスイッチング用に提供され、変動する電源レベルと負荷状況にもとづき、エネルギーハーベスティング装置14の出力に動的に適応させる。可能な限りの多くのバリエーションが本発明の適用範囲内にあるが全てを示すことは不可能でその必要もない。
本発明の更なる他の実施例は、図7で表示される。この例では、電源調整ブロック12のトポロジーはブーストコンバータで、入力電圧より高い出力電圧を供給することが特徴である。この機能を実現するため、低圧スイッチLSは動作時間中 ONで電流は増加し、誘導子に流入する。一旦所定の電流レベルに達すると、低圧スイッチLSはOFFになり、パス(PASS) 装置PDがONになり、SMPS12から電流が流出可能となる。これは、出力ノードの電圧を増加させる。エネルギーハーベスティング装置14からの電圧は、出力5でモニターされる電力信号に比較される。電源信号も、又は電源信号は代替的に、誘導子の回路側(位置2で示される)で検出及びモニター可能である。電源信号はまた、あるいは代わりにSMPS12の出力(位置3で示される)で検出及びモニター可能である。電源信号も、又は電源信号は代替的に、負荷(位置4で示される)で検出及びモニター可能である。電源信号も、又は電源信号は代替的に、低圧側スイツチ(位置6で示される)で検出及びモニター可能である。制御回路18は、かくして負荷サイクルを調節するのに用いられる。モニターされた関係は再びチェックされ、負荷サイクルは入出力を最適化するため反復プロセスで再び調節される。更なる実施例には、複数の太陽電池入力、複数の電子負荷ならびにLS及びパス(PASS) 装置スイッチをも含めることができる。
【0027】
本発明の方法と装置は改善されたエネルギーハーベスティングパワーの制御と効率を含むがこれに限定されない1つ以上の利点を提供する。本発明が確固とした説明的な実施例と関連して記述されてはいるが、ここに記述されたことがらが限定的な意味において解釈されることを意図するものではない。例えば、図示され記述された実施例における、手順又は資材の多様性と組合せは本発明から逸脱することのない特定の各種事例で使用されることができる。説明的な実施例の様々な変更及び組合せ並びに本発明のその他の有利点及び実施例は、図面、記述及び請求範囲を参照することにより、熟練者にとって明らかになるであろう。
【0028】
太陽エネルギー発電は、低コストの「グリーン」エネルギーを提供する手段として、世界中至る所でますます普及してきている。先進諸国では業務用と住宅用の発電市場は、近年急成長を遂げつつある。小型の太陽電池パネルは携帯用の充電用途としてますます遍在するようになったが、大量導入には今もって若干の障壁がある。これらの小電力充電システムの需要は、人口が多くかつ電力網へアクセスできない貧困国に比較すると先進国では多くはない。太陽エネルギー発電や太陽光充電機能は、読書灯、小型送水ポンプ、携帯電話などすべてに大きく役立っている。しかしながら、太陽エネルギー・システムの利用にはコスト面で限界が生ずる傾向がある。システム・コストを下げる方法を見出すことにより大量導入が可能となり、前記発展途上の国々及びコミュニティの生活品質改善をもたらすことになろう。
本発明の主要優位点の1つは、電力変換効率の大幅な改良により、太陽パネルのサイズを相当小型化でき、それによりコストも大幅に低減可能なことである。本発明で可能となった、システムの大幅単純化により、太陽光のみ使った発電及び充電システムが極めて簡単に実現可能になるであろう。この結果、発展途上国のメーカーは限られた技術的資源を用いて、その国内市場向けシステムの調達及び生産を実現することができることになろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー入力の創出のための1つ以上の可変出力電力素子を有する回路を提供し、その回路は複数の電力素子と1個の負荷の間を制御可能に結ぶ電源制御回路を有し、
回路の中で1つ以上の電源信号を監視する、及び
電源制御回路の出力を、監視された1つ以上の電源信号に基づき動的に調整することを特徴とする可変出力電力機器からエネルギーをハーベストする方法。
【請求項2】
電源制御回路出力を調整する手順には更に出力負荷サイクルの調整も含むことを特徴とする請求項1記載のエネルギーをハーベストする方法。
【請求項3】
電源制御回路出力を調整する手順には更に出力周波数の調整も含むことを特徴とする請求項1記載のエネルギーをハーベストする方法。
【請求項4】
回路内の1つ以上の電源信号を監視する手順には更に負荷時の電源信号の検出も含むことを特徴とする請求項1記載のエネルギーをハーベストする方法。
【請求項5】
回路内の1つ以上の電源信号を監視する手順にはさらに電源制御回路への入力時の電源信号の検知も含むことを特徴とする請求項1記載のエネルギーをハーベストする方法。
【請求項6】
回路内の1つ以上の電源信号を監視する手順には更に電源制御回路からの出力時の電源信号の検知も含むことを特徴とする請求項1記載のエネルギーをハーベストする方法。
【請求項7】
エネルギー入力を提供するための1つ以上の可変出力源を有する回路並びに可変出力源および負荷と制御可能に結ばれている電源制御回路であって、
回路内の1つ以上の電源信号を監視する少なくとも1つの監視装置、及び
1つ以上の監視されたシグナルにもとづいて電力制御回路からの出力を動的に調整する制御モジュールにより構成されることを特徴とするエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項8】
電力制御回路には更に切替えモード電源装置も含むことを特徴とする請求項7記載のエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項9】
可変出力源には更に光電式装置も含むことを特徴とする請求項7記載のエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項10】
可変出力源には更に電気機械式発電装置も含むことを特徴とする請求項7記載のエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項11】
可変出力源には更に圧電装置も含むことを特徴とする請求項7記載のエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項12】
監視機器には更に電流検出装置も含むことを特徴とする請求項7記載のエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項13】
監視機器には更に電圧検出機器も含むことを特徴とする請求項7記載のエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項14】
回路には更に負荷と並列のバッテリーも含むことを特徴とする請求項7記載のエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項15】
回路には更に画像装置も含むことを特徴とする請求項7記載のエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項16】
回路には更にディスプレー装置も含むことを特徴とする請求項7記載のエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項17】
回路には更に通信装置も含むことを特徴とする請求項7記載のエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項18】
回路には更にオーディオ装置も含むことを特徴とする請求項7記載のエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項19】
回路には更に電算処理装置も含むことを特徴とする請求項7記載のエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項20】
回路には更にセンサー装置も含むことを特徴とする請求項7記載のエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項21】
回路には更に伝送装置も含むことを特徴とする請求項7記載のエネルギーハーベスティングシステム。
【請求項22】
電源制御回路にエネルギー入力を供給するよう構成されている1つ以上の可変出力源が当該可変出力源と1個の負荷に制御可能状態で結ばれている;
回路内の1つ以上の電源信号を監視する少なくとも一つの監視装置;及び
1つ以上の監視されたシグナルに基づいて回路からの出力を動的に調整する制御モジュール、それによりその回路は1つ以上の可変出力源によって供給される最適エネルギー入力をハーベストする構成になっている
ことを特徴とするエネルギーハーベスティングを制御する回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−19675(P2012−19675A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−2719(P2011−2719)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(511008872)トライユーン アイピー エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】Triune IP LLC
【住所又は居所原語表記】681 North Plano Road, Suite 121, Richardoson, Texas, United States of America (75081)
【Fターム(参考)】