説明

匂い測定装置と匂い測定方法

【課題】 簡易な構成で、使いやすい匂い測定装置と匂い測定方法とを提供しようとする。
【解決手段】
従来の気体の匂いを測定する匂い測定方法にかわって、気体の匂いを測定する匂いセンサを準備する準備工程と、気体を前記匂いセンサに供給する気体供給工程と、無臭ガスを所定の洗浄時間だけ前記匂いセンサに供給する無臭ガス供給工程と、を備え、前記気体供給工程を実施して終了した直後に前記無臭ガス供給工程を強制的に実施し、前記匂いセンサが気体の匂いの強さに対応した出力値を出力し、前記洗浄時間が前記出力値に対応する、ものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体の臭いを測定する匂い測定装置と匂い測定方法とに係る。特に匂いを測定する構造と手順に特徴のある匂い測定装置と匂い測定方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
匂いを測定するのに匂い測定装置が用いられる。
匂い測定装置は、匂いセンサを備える。
匂いセンサは、気体の匂いの強さに対応した出力値を出力する。
気体を匂いセンサに供給して、匂いセンサの出力値を記録する。
匂いセンサは、気体の匂いを感じることをできる感応部をもつ。感応部は、例えば、金属酸化物半導体で構成される。匂い物質が感応部に付着すると、感応部の電気的特定が匂い物質の量と種類により変化する。
匂いの測定が終了した時に、匂い物質が匂いセンサの感応部に残存する。
匂い物質が感応部に残存したまま、新たな気体を匂いセンサに供給して匂いを測定すると、匂いセンサの出力値がばらつく。
したがって、新たな気体の匂いを測定する前には、匂いセンサの感応部に残存した匂い物質を除去するために、無臭空気を、匂いセンサに所定の時間(以下、洗浄時間と呼ぶ。)だけ供給する。
【0003】
匂い測定装置の取り扱い説明書は、気体を匂いセンサに供給して匂いを測定した後に、無臭ガスを匂いセンサに供給することを奨めている。
しかし、操作員が、かならずしもこの運用指針を守るとはかぎらず、測定精度がバラつく原因となっている。
また、捜査員は、適当な洗浄時間を判断できない場合もある。
【0004】
また、匂いの強度が極端に大きな気体を匂いセンサに供給すると、その後の匂いセンサの感度が不安定になる。
その結果、その後の洗浄時間に長い時間が必要になる。
【0005】
【特許文献1】特開2003−42988号
【特許文献2】登録実用新案第3074494号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡易な構成で、使いやすい匂い測定装置と匂い測定方法とを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る気体の匂いを測定する匂い測定方法を、気体の匂いを測定する匂いセンサを準備する準備工程と、気体を前記匂いセンサに供給する気体供給工程と、無臭ガスを所定の洗浄時間だけ前記匂いセンサに供給する無臭ガス供給工程と、を備え、前記気体供給工程を実施して終了した直後に前記無臭ガス供給工程を強制的に実施する、ものとした。
【0008】
上記本発明の構成により、匂いセンサが気体の匂いを測定する。気体を前記匂いセンサに供給して終了した直後に、無臭ガスを所定の洗浄時間だけ前記匂いセンサに強制的に供給する。その結果、匂いセンサに付着した匂い物質を自動的に除去できる。
【0009】
いかに、本発明の実施形態に係る匂い測定方法を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0010】
さらに、本発明の実施形態に係る匂い測定方法は、前記匂いセンサが気体の匂いの強さに対応した出力値を出力し、前記洗浄時間が前記出力値に対応する。
上記本発明の構成により、測定した匂いの強さに応じた洗浄時間だけ、匂いセンサに無臭ガスを供給する。その結果、効率良く匂いセンサに付着した匂い物質を自動的に除去できる。
【0011】
さらに、本発明の実施形態に係る匂い測定方法は、前記匂いセンサが気体の匂いの種類に応じて感度の異なる第一匂いセンサと第二匂いセンサとを有し、前記第一匂いセンサが第一出力値を出力し、前記第二匂いセンサが第二出力値を出力し、前記洗浄時間が前記第一出力値と前記第二出力値とを合成して得られる合成出力値に対応する。
上記本発明の構成により、第一匂いセンサの感度と第二匂いセンサの感度が気体の匂いの質に応じて異なり、前記第一出力値と前記第二出力値とを合成して得られる合成出力値に対応する洗浄時間だけ、匂いセンサに無臭ガスを供給する。その結果、匂いの質にかかわらず効率良く匂いセンサに付着した匂い物質を自動的に除去できる。
【0012】
さらに、本発明の実施形態に係る匂い測定方法は、前記気体供給工程を実施中に匂いの強さの単位時間当たりの増大傾向が所定の限界値を越えるときに前記気体供給工程を強制的に終了する。
上記本発明の構成により、匂いの強さの単位時間当たりの増大傾向が所定の限界値を越えるときに気体の供給を強制的に終了する。その結果、匂いの強さが大きくなりそうな時に気体の供給を強制的に終了するので、多くの匂い物質が匂いセンサに付着するのを防止できる。
【0013】
さらに、本発明の実施形態に係る匂い測定方法は、前記気体供給工程を実施中に匂いの強さが所定の限界値を越える状態が所定の継続時間だけ持続したときに前記気体供給工程を強制的に終了する。
上記本発明の構成により、匂いの強さが所定の限界値を越える状態が所定の継続時間だけ持続したときに前記気体の供給を強制的に終了する。その結果、多くの匂い物質が匂いセンサに付着するのを防止できる。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る気体の匂いを測定する匂い測定装置を、気体の匂いを測定する匂いセンサと、気体を前記匂いセンサに供給する気体供給手段と、無臭ガスを所定の洗浄時間だけ前記匂いセンサに供給する無臭ガス供給手段と、を備え、前記気体供給手段の作動を停止させた直後に前記無臭ガス供給手段を強制的に作動させる、ものとした。
【0015】
上記本発明の構成により、匂いセンサが気体の匂いを測定する。気体供給手段が気体を前記匂いセンサに供給する。無臭ガス供給手段が無臭ガスを所定の洗浄時間だけ前記匂いセンサに供給する。前記気体供給手段の作動を停止させた直後に前記無臭ガス供給手段を強制的に作動させる。その結果、匂いセンサに付着した匂い物質を自動的に除去できる。
【0016】
以下に、本発明の実施形態に係る匂い測定装置を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0017】
さらに、本発明の実施形態に係る匂い測定装置は、前記匂いセンサが気体の匂いの強さに対応した出力値を出力し、前記洗浄時間が前記出力値に対応する。
上記本発明の構成により、測定した匂いの強さに応じた洗浄時間だけ、匂いセンサに無臭ガスを供給する。その結果、効率良く匂いセンサに付着した匂い物質を自動的に除去できる。
【0018】
さらに、本発明の実施形態に係る匂い測定装置は、前記匂いセンサが気体の匂いの種類に応じて感度の異なる第一匂いセンサと第二匂いセンサとを有し、該第一匂いセンサが気体の匂いの強さに対応した第一出力値を出力し、該第二匂いセンサが気体の匂いの強さに対応した第二出力値を出力し、前記洗浄時間が前記第一出力値と第二出力値とを合成して得られる合成出力値に対応する。
上記本発明の構成により、第一匂いセンサの感度と第二匂いセンサの感度が気体の匂いの質に応じて異なり、前記第一出力値と第二出力値とを合成して得られる合成出力値に対応する洗浄時間だけ、匂いセンサに無臭ガスを供給する。その結果、匂いの質にかかわらず効率良く匂いセンサに付着した匂い物質を自動的に除去できる。
【0019】
さらに、本発明の実施形態に係る匂い測定装置は、前記気体供給手段を作動させている途中に匂いの強さの単位時間当たりの増大傾向が所定の限界値を越えるときに前記気体供給手段の作動を強制的に停止させる。
上記本発明の構成により、匂いの強さの単位時間当たりの増大傾向が所定の限界値を越えるときに前記気体供給手段の作動を強制的に停止させる。その結果、匂いの強さが大きくなりそうな時に気体の供給を強制的に終了するので、多くの匂い物質が匂いセンサに付着するのを防止できる。
【0020】
さらに、本発明の実施形態に係る匂い測定装置は、前記気体供給手段を作動させている途中に匂いの強さが所定の限界値を越える状態が所定の継続時間だけ持続したときに前記気体供給手段の作動を強制的に停止させる。
上記本発明の構成により、匂いの強さが所定の限界値を越える状態が所定の継続時間だけ持続したときに前記気体の供給を強制的に終了するので、多くの匂い物質が匂いセンサに付着するのを防止できる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明に係る匂いを測定する匂い測定装置と匂い測定方法は、その構成により、以下の効果を有する。
気体を前記匂いセンサに供給して終了した直後に、無臭ガスを所定の洗浄時間だけ前記匂いセンサに強制的に供給する様にしたので、匂いセンサに付着した匂い物質を自動的に除去できる。
また、測定した匂いの強さに応じた洗浄時間だけ、匂いセンサに無臭ガスを供給する様にしたので、効率良く匂いセンサに付着した匂い物質を自動的に除去できる。
また、第一匂いセンサの感度と第二匂いセンサの感度が気体の匂いの質に応じて異なり、前記第一出力値と第二出力値とを合成して得られる合成出力値に対応する洗浄時間だけ、匂いセンサに無臭ガスを供給する様にしたので、匂いの質にかかわらず効率良く匂いセンサに付着した匂い物質を自動的に除去できる。
また、匂いの強さの単位時間当たりの増大傾向が所定の限界値を越えるときに気体の供給を強制的に終了する様にしたので、匂いの強さが大きくなりそうな時に気体の供給を強制的に終了するので、多くの匂い物質が匂いセンサに付着するのを防止できる。
また、匂いの強さが所定の限界値を越える状態が所定の継続時間だけ持続したときに前記気体の供給を強制的に終了する様にしたので、多くの匂い物質が匂いセンサに付着するのを防止できる。
従って、簡易な構成で、使いやすい匂い測定装置と匂い測定方法とを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0023】
最初に、本発明の実施形態に係る匂い測定方法を、図を基に、説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る匂い測定方法のフローチャート図である。
匂い測定方法は、準備工程S10と匂い測定工程S20と気体供給工程S30と無臭ガス供給工程S40とで構成される。
準備工程S10は、気体の匂いを測定する匂いセンサを準備する工程である。
匂いセンサは、気体の匂いの強さに対応した出力値を出力する。
例えば、匂いの強さが大きくなるにつれて出力値が大きくなり、出力値が大きくなるにつれて洗浄時間が長くなる。
【0024】
匂いセンサが、気体の匂いの種類に応じて感度の異なる第一匂いセンサと第二匂いセンサとを有し、第一匂いセンサが第一出力値を出力し、第二匂いセンサが第二出力値を出力してもよい。
例えば、第一匂いセンサの感度が重質系の匂い物質に対して高く、匂いが強くなるにつれて第一出力値が大きくなり、第二匂いセンサの感度が軽質系の匂い物質に対して高く、匂いが強くなるにつれて第二出力値が大きくなり、合成出力値が第一出力の二乗と第二出力値の二乗との和の平方根である。
合成出力値が大きくなるにつれ洗浄時間(例えば、数秒間から数分間)が長くなる。
【0025】
匂い測定工程S20は、匂いセンサを駆動して、匂いセンサの出力値を記録する工程である。
例えば、匂いセンサに電力を供給し、出力端子の電圧をデジタル化してCPUに取り込む。
【0026】
気体供給工程S30は、気体を匂いセンサに供給する工程である。
例えば、匂いセンサの感応部がチャンバーの中に格納されており、気体をチャンバーへ導入する。
気体供給工程S30を実施中に、匂い測定工程S20を実施すれば、気体の匂いに対応した出力値を得ることをできる。
【0027】
無臭ガス供給工程S40は、無臭ガスを所定の洗浄時間だけ匂いセンサに供給する工程である。
例えば、匂いセンサの感応部がチャンバーの中に格納されており、無臭ガスをチャンバーへ導入する。
無臭ガスは匂いの感じられない気体であり、標準空気や、外気を活性炭で脱臭した気体等である。
気体供給工程S30を実施して終了した直後に、無臭ガス供給工程S40を強制的に実施する。
洗浄時間が出力値に対応してもよい。
洗浄時間が第一出力値と第二出力値とを合成して得られる合成出力値に対応してもよい。
【0028】
気体供給工程S30を実施中に匂いの強さの単位時間当たりの増大傾向が所定の限界値を越えるときに、気体供給工程S30を強制的に終了してもよい。
例えば、気体供給手段200が作動中に、以下の判断係数aを演算する。
a=(Sb−Sa)/(Tb−Ta)
ここで、Tb−Taは、匂いを測定するサンプリングタイムである。Sb−Saは、匂いセンサの出力値のサンプリングタイムの前後での差である。
気体供給工程S30を実施中に、判断係数aが所定の限界値を越えると、気体供給工程S30の実施を強制的に停止させる。
気体供給工程S30を終了した直後に、無臭ガス供給工程S40を実施する。
【0029】
例えば、気体供給手段200が作動中に、以下の判断係数aを演算する。
a=(STb−STa)/(Tb−Ta)
ここで、Tb−Taは、匂いを測定するサンプリングタイムである。STb−STaは、第一匂いセンサの第一出力値と第二匂いセンサの第二出力値の合成出力値のサンプリングタイムの前後での差である。
例えば、合成出力値は、第一出力の二乗と第二出力値の二乗との和の平方根である。
気体供給工程S30を実施中に、判断係数aが所定の限界値を越えると、気体供給工程S30の実施を強制的に停止させる。
気体供給工程S30を終了した直後に、無臭ガス供給工程S40を実施する。
【0030】
気体供給工程S30を実施中に匂いの強さが所定の限界値を越える状態が所定の継続時間だけ持続したときに、気体供給工程S30を強制的に終了してもよい。
気体供給工程S30を終了した直後に、無臭ガス供給工程S40を実施する。
【0031】
次に、本発明の実施形態に係る匂い測定装置を、説明する。
匂い測定装置は、匂いセンサ100と気体供給手段200と無臭ガス供給手段300とで構成される。
匂いセンサ100は、気体の匂いを測定するものである。
匂いセンサ100は、気体の匂いの強さに対応した出力値を出力する。
気体供給手段200は、気体を匂いセンサ100に供給するものである。
無臭ガス供給手段300は、無臭ガスを所定の洗浄時間だけ匂いセンサに供給するものである。
【0032】
匂い測定装置は、気体供給手段200の作動を停止させた直後に無臭ガス供給手段300を強制的に作動させる。
洗浄時間は、出力値に対応してもよい。
例えば、匂いの強さが大きくなるにつれて出力値が大きくなり、出力値が大きくなるにつれて洗浄時間が長くなる。
【0033】
匂いセンサが、気体の匂いの種類に応じて感度の異なる第一匂いセンサと第二匂いセンサとで構成され、第一匂いセンサが気体の匂いの強さに対応した第一出力値を出力し、第二匂いセンサが気体の匂いの強さに対応した第二出力値を出力し、洗浄時間が第一出力値と第二出力値とを合成して得られる合成出力値に対応してもよい。
例えば、第一匂いセンサの感度が重質系の匂い物質に対して高く、匂いが強くなるにつれて第一出力値が大きくなり、第二匂いセンサの感度が軽質系の匂い物質に対して高く、匂いが強くなるにつれて第二出力値が大きくなり、合成出力値が第一出力の二乗と第二出力値の二乗との和の平方根である。
合成出力値が大きくなるにつれ洗浄時間(例えば、数秒間から数分間)が長くなる。
【0034】
匂い測定装置は、気体供給手段を作動させている途中に、匂いの強さの単位時間当たりの増大傾向が所定の限界値を越えるときに気体供給手段の作動を強制的に停止させてもよい。
例えば、気体供給手段200が作動中に、以下の判断係数aを演算する。
a=(Sb−Sa)/(Tb−Ta)
ここで、Tb−Taは、匂いを測定するサンプリングタイムである。Sb−Saは、匂いセンサの出力値のサンプリングタイムの前後での差である。
気体供給手段200が作動中に、判断係数aが所定の限界値を越えると、気体供給手段の作動を強制的に停止させる。
気体供給手段200の作動を停止した直後に、無臭ガス供給手段300の作動を開始する。
【0035】
例えば、気体供給手段200が作動中に、以下の判断係数aを演算する。
a=(STb−STa)/(Tb−Ta)
ここで、Tb−Taは、匂いを測定するサンプリングタイムである。STb−STaは、第一匂いセンサの第一出力値と第二匂いセンサの第二出力値の合成出力値のサンプリングタイムの前後での差である。
例えば、合成出力値は、第一出力の二乗と第二出力値の二乗との和の平方根である。
気体供給手段200が作動中に、判断係数aが所定の限界値を越えると、気体供給手段の作動を強制的に停止させる。
気体供給手段200の作動を停止した直後に、無臭ガス供給手段300の作動を開始する。
【0036】
匂い測定装置は、気体供給手段を作動させている途中に、匂いの強さが所定の限界値を越える状態が所定の継続時間だけ持続したときに気体供給手段の作動を強制的に停止させてもよい。
気体供給手段200の作動を停止した直後に、無臭ガス供給手段300の作動を開始する。
【0037】
以下に、本発明の実施形態に係る匂い測定装置10を、図を基に、詳述する。
図2は、本発明の実施形態に係る匂い測定装置の概念図である。図3は、本発明の実施形態に係る測定装置の測定部の部分概念図である。図4は、本発明の実施形態に係る匂いセンサの概念図である。図5は、本発明の実施形態に係る匂いセンサの出力図である。図6は、本発明の実施形態に係る匂いのベクトル図である。
【0038】
匂い測定装置は、気体の匂いを測定する装置であって、匂いセンサ100と気体供給手段200と無臭ガス供給手段300と測定チャンバー400と気体排出手段500とデータ処理部600とで構成される。
【0039】
匂いセンサ100は、匂いの強さに応じた出力値を出力するセンサである。
匂いセンサ100は、気体の匂いを感じることをできる感応部101をもつ。感応部101は、例えば、金属酸化物半導体で構成される。匂い物質が感応部に付着すると、感応部の電気的特定が匂い物質の量と種類により変化する。
図4は、匂いセンサの概念図を示す。
例えば、匂いセンサ100は、感応部101とヒータ102とスイッチング素子103と負荷抵抗104と電源105とで構成される。
【0040】
感応部101は、気体の匂いを感じることをできる部分である。
感応部101は、例えば、触媒が添加された金属酸化物半導体でできたものである。素材の種類、触媒の種類、構造等によって、匂いを構成する匂い分子に対する感度に大きな差が生じる。
感応部101は、後述する測定チャンバー400に露出する。
【0041】
ヒータ102は、感応部101を加熱するものであり、例えが、白金薄膜である。
感応部101とヒータ102は、一体構造をしている。ヒータ102は、通電されて発熱し、感応部101を所定の温度に加熱することができる。例えば感応部101が金属酸化物半導体である場合、所定の温度は約400℃である。この様にすると、感応部101が周囲温度変化や水分の存在により影響をうけることが少なくなり、匂いセンサの感度の低下を防止できる。また、感応部101に付着した匂い分子を洗浄空気で洗浄除去するのが容易になる。
ヒータ102は、パルス電流を印加されて、発熱するのが好ましい。
【0042】
スイッチング素子103は、ヒータ102に電流を供給するための電子素子である。スイッチング素子103は、パルス状のヒータ加熱パルス106を入力され、ヒータ102にパルス状の電流を供給する。
ヒータ加熱パルス106は、入力抵抗を介して、スイッチング素子に入力されるのが好ましい。
【0043】
負荷抵抗104は、感応部101に直列接続された抵抗回路である。負荷抵抗104は、抵抗素子で構成された回路でもよいし、抵抗素子とコンデンサとが並列接続された回路でもよい。
【0044】
電源105が、感応部101とヒータ102とに電流を供給する。
匂い測定出力107が、感応部101と負荷抵抗104との接続点から出力する。
【0045】
揮発性の還元性化学物質である匂い物質が感応部101に付着すると、感応部101の酸素に電子を供給する。感応部101の電子が増加するために、感応部の電気伝導度が高くなる。
複数の匂いセンサ100の匂い測定出力Vccをモニタすると、匂い物質の量と種類とを測定することができる。
【0046】
匂いセンサ100は、匂いセンサA(第一匂いセンサに対応する。)100aと匂いセンサB(第二匂いセンサに対応する。)100bとで構成される。
匂いセンサA100aの感応特性と匂いセンサB100bの感応特性とが匂いの質によって異なる。
例えば、匂いセンサA100aは分子量の大きな匂い物質に対して電気的特性の変動が大きく、匂いセンサB100bは、分子量の小さな匂い物質に対して電気的特性の変動が大きい。
【0047】
例えば、匂いセンサA100aの感応部101は、分子量が比較的大きく揮発性の低い重質系の匂い分子に対して高い感度を持つ。重質系の匂い分子の代表例は、不飽和芳香族炭化水素化合物である。
例えば、匂いセンサB100bの感応部101は、分子量が比較的小さく揮発性の高い軽質系の匂い分子に対して高い感度を持つ。軽質系の匂い分子の代表例は、アルコールである。
匂いセンサA100a、匂いセンサB100bの匂い測定出力の組み合わせから、匂い物質の量と匂い物質の種類を特定することができる。
【0048】
複数の匂いセンサ100a、100bの匂い測定出力Vccをモニタすると、匂い物質の量と種類とを測定することができる。
以下に、その原理を説明する。
【0049】
臭気および香気は、一般的に単体の化学物質で存在することはまれである。種々の単体化学物質が混合した複合臭が、人間の嗅覚に刺激を与える。このために、人間の嗅覚にあたえた感覚量と匂い測定装置の出力値の相関は極めて複雑な様子となる。
匂いセンサの素子として用いる金属酸化物半導体は、良好な耐久性と嗅覚との良好な相関とを持つ。この形式の匂いセンサの感応特性は、比較的広い幅をもって多種の臭香物質に反応する。また、触媒と温度による酸化還元反応制御、多孔質な物理的形状による分子量選択性を調整して、感応特性を選択することが可能である。従って、匂い物質に対して感応選択性をもたせることが可能である。
すなわち、硫化水素などの硫黄化合物、アンモニア、アルコール等のヒドロキシル基を有するもの、アセトアルデヒド等のアルデヒド基を有するもの、酢酸などのカルボキシル基を有するもの、トリニトロアミン等のアミノ基を有するもの、酢酸エチル等のエステル結合を有するもの、トルエン・キシレン等の芳香族炭化水素などに、分類可能な特徴的な感応特性を有するセンサ素子を製作することができる。
したがって、匂いセンサ素子の組み会わせと、その各々の出力値を各種に組合わせた計算によって臭香を判定をすることが可能になる。
【0050】
以下に、2つの匂いセンサの匂い測定出力Vccを用いて、匂いの強さと匂いの種類を測定する方法を、図を基に、説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る匂い出力のベクトルを示す。
図中において、
Aоは、匂いセンサ100aの出力値Vccである。
Azは、匂いセンサ100aの校正値Vccである。
Bоは、匂いセンサ100bの出力値Vccである。
Bzは、匂いセンサ100bの校正値Vccである。
出力値Aо、Bоは、ガスを感応部に供給した際の、匂い測定出力Vccである。
校正値Az、Bzは、無臭空気を感応部に供給した際の、匂い測定出力Vccである。
ベクトル図は、重質系に感度の高い匂いセンサA100aの出力値Vccを校正値Vccで校正した値(Aо−Az)をX軸の要素とし、軽質系に感度の高い匂いセンサB100bの出力値Vccを校正値Vccで校正した値(Bо−Bz)をY軸の要素としたときに得られるベクトルを表示した直交座標系である。このベクトルを匂いベクトルと呼称する。
匂いベクトルの長さは、(Aо−Az)の二乗と(Bо−Bz)の二乗の和の平方根に等しい。
図5は、軽質系の匂い成分が重質系の匂い成分より多い匂い1を表す匂いベクトルと重質系の匂い成分が軽質系の匂い成分より多い匂い2を表す匂いベクトルとを示している。
このベクトル図において、例えば、匂いベクトルの長さを「臭香強度値」と呼び、匂いベクトルの傾きまたは向きを数値化した値を「匂いの種類」を表す「臭香質値」と呼ぶ。
この「臭香強度値」と匂いの強さとの相関と「臭香質値」と匂いの種類に対する相関とが、人間の感度に近似していることが、実験により確かめられている。
【0051】
気体供給手段200は、気体を感応部に供給することをできる装置である。
例えば、測定チャンバー400が匂い測定装置に設けられる場合、気体供給手段200は気体導入手段210で構成される。
気体導入手段210は、気体を測定空間Hに導入する手段であり、試料吸込管211と試料バルブ212と試料導入管213とで構成される。
試料吸込管211は、外部と試料バルブ212とを連通する配管である。配管は、匂い物質の付着しにくい素材(例えば、PTFE製のチューブ)で出来ている。
試料バルブ212は開閉可能な弁である。例えは、試料バルブ212は、電気信号のオン信号またはオフ信号に従って、通路を開状態または閉状態にすることをできる。
試料導入管213は、試料バルブ212と測定チャンバー400とを連通する配管である。
従って、オン信号を試料バルブ212に与えると、試料バルブ212が開状態になり、外部から試料を測定空間Hに導入可能になる。オフ信号を試料バルブ212に与えると、試料バルブ212が閉状態になり、外部から試料を測定空間Hに導入不能になる。
【0052】
無臭ガス供給手段300は、無臭ガスを感応部に供給することをできる装置である。
例えば、測定チャンバーが匂い測定装置に設けられる場合、無臭ガス供給手段300は無臭ガス生成手段310と無臭ガス導入手段320とで構成される。
無臭ガス生成手段310は、無臭ガスを生成するものであり、例えば、活性炭が充填されたケースである。
無臭ガス導入手段320は、洗浄吸入管321と洗浄バルブ322と洗浄導入管323とで構成される。
洗浄吸入管321は、無臭ガス生成手段310と洗浄バルブ322とを連通する配管である。
洗浄バルブ322は、開閉可能な弁である。例えは、洗浄バルブ322は、電気信号のオン信号またはオフ信号に従って、通路を開状態または閉状態にすることをできる。
洗浄導入管323は、洗浄バルブ322と測定チャンバー400とを連通する配管である。
従って、オン信号を洗浄バルブ322に与えると、洗浄バルブ322が開状態になり、無臭ガスを測定空間Hへ導入可能になる。オフ信号を洗浄バルブ322に与えると、洗浄バルブ322が閉状態になり、無臭ガスを測定空間Hへ導入不能になる。
【0053】
測定チャンバー400は、密閉可能な測定空間Hを持つ容器状装置である。匂いセンサ100の感応部101が、測定空間Hに露出している。したがって、匂い物質の混ざった気体を測定空間Hに導入すると、気体が感応部に供給されて、匂い物質が感応部に付着する。
【0054】
気体排出手段500は、測定チャンバー400から気体を排出する装置であり、気体排出管501、503、505と排出バルブ502と気体排出ポンプ504とで構成される。
気体排出管501は、測定チャンバー400と排出バルブ502とを連通する配管である。
排出バルブ502は、開閉可能な弁である。例えは、排出バルブ502は、電気信号のオン信号またはオフ信号に従って、通路を開状態または閉状態にすることをできる。
気体排出管503は、排出バルブ502と気体排出ポンプ504の入口とを連通する配管である。
気体排出ポンプ504は、測定空間Hから気体を排出するポンプである。例えば、ポンプは、ファン、ブロア、ダイヤフラムポンプ等である。
気体排出管505は、気体排出ポンプ504の出口と外部とを連通する配管である。
従って、排出バルブ502にオン信号を与えて、気体排出ポンプ504を駆動すると、測定空間Hの気体が外部へ排出される。
【0055】
データ処理部600は、匂いセンサ100、気体供給手段200、無臭ガス供給手段300、及び気体排出手段500を制御して、気体の匂いを測定し、データ処理する装置である。
データ処理部600は、主制御部601とパルス発生部602と測定時間設定タイマー603とインターフェース部604とA/D変換部605とデータ記憶部606とデータ演算部607と表示部608とで構成される。
主制御部601は、内蔵する制御プログラムに従って作動し、パルス発生部602と測定時間設定タイマー603とインターフェース部604とA/D変換部605とデータ記憶部606とデータ演算部607と表示部608とを制御する。
パルス発生部602は、所定の周期とパルス数を有するパルス制御信号を発生し、匂いセンサ100のスイッチング素子103に供給する部分である。所定の周期とパルス数は、ヒータ102の加熱温度に応じて設定される。
測定時間設定タイマー603は、主制御部601に測定の為のタイミング信号を出力する。
【0056】
インターフェース部604は、主制御部601からの信号またはデータを外部へ出力し、外部からの信号またはデータを主制御部601に取り込むための入出力部である。インターフェース部604は、例えば、外部のパソコンに繋がる。匂いセンサ100匂い測定出力の時間変化のデータ、匂いの強度と匂いの種類の測定結果は、インターフェース部604を介して外部のパソコン20に転送される。
A/D変換部605は、匂いセンサ100からの匂い測定出力を所定のタイミングで取り込み、アナログ/デジタル変換し、デジタルデータを主制御部601へ送る。
データ記憶部606は、主制御部601からの指定に従って、匂い測定出力を記憶する機器である。
データ演算部607は、データ記憶部606に記録された匂い測定データを取り込み、データ記憶部606に保存する。
表示部608は、計測した測定値等を表示する。
【0057】
以下に、上記に詳述した匂い測定装置を用いた匂い測定の手順を説明する。
(気体供給工程)
気体供給手段200と気体排出手段500とを作動させる。気体が、測定チャンバー400の中に入る。気体供給手段200と気体排出手段500とを連続的に作動させると、新鮮な気体が測定チャンバー400に充満する。
気体の匂い物質が、匂いセンサA100aの感応部と匂いセンサB100bの感応部とに付着する。
匂いセンサA100aの出力値と匂いセンサB100bの出力値とから、匂いベクトルの長さと傾きとを所定のサンプリングタイム(例えば、1秒)毎に記録する。
匂いベクトルの長さと傾きの変化が少なくなると、その匂いベクトルの長さと傾きとから、気体の匂いの「臭香強度値」と「臭香質値」を決定する。
【0058】
(無臭ガス供給工程その1)
気体の匂いの「臭香強度値」と「臭香質値」を決定したら、気体供給手段200の作動を停止して、強制的に無臭ガス供給手段300と気体排出手段500とを作動させる。無臭ガス供給手段300と気体排出手段500とを連続的に作動させると、無臭ガスが測定チャンバー400に充満する。
この際に、捜査員が匂い測定装置のオン/オフボタンを押した場合でも、無臭ガス供給手段300と気体排出手段500との作動を継続させる。
無臭ガス供給手段300と気体排出手段500との作動を所定の洗浄時間だけ継続した後で、無臭ガス供給手段300と気体排出手段500と作動を停止する。
この際の洗浄時間は、「臭香強度値」に対応した時間である。例えば、「臭香強度値」が大きくなるにつれ、洗浄時間が長くなる。
【0059】
(無臭ガス供給工程その2)
気体供給手段200と気体排出手段500とを作動させる際に、サンプリングタイム毎に判断係数aを演算する。
判断係数aは、サンプリングタイプ毎の匂いベクトルの長さの前後の差である。
判断係数aが所定の限界値を上回ると、気体供給手段200の作動を停止して、強制的に無臭ガス供給手段300と気体排出手段500とを作動させる。無臭ガス供給手段300と気体排出手段500とを連続的に作動させると、無臭ガスが測定チャンバー400に充満する。
この際に、捜査員が匂い測定装置のオン/オフボタンを押した場合でも、無臭ガス供給手段300と気体排出手段500との作動を継続させる。
無臭ガス供給手段300と気体排出手段500との作動を所定の洗浄時間だけ継続した後で、無臭ガス供給手段300と気体排出手段500と作動を停止する。
この際の洗浄時間は、匂いベクトルの長さに対応した時間である。例えば、「臭香強度値」が大きくなるにつれ、洗浄時間が長くなる。
【0060】
(無臭ガス供給工程その3)
気体供給手段200と気体排出手段500とを作動させる際に、匂いベクトルの長さが所定の限界値を越えていないかをチェックする。
匂いベクトルの長さが所定の限界値越える状態が所定の継続時間だけ持続したときに、気体供給手段200の作動を停止して、強制的に無臭ガス供給手段300と気体排出手段500とを作動させる。無臭ガス供給手段300と気体排出手段500とを連続的に作動させると、無臭ガスが測定チャンバー400に充満する。
この際に、捜査員が匂い測定装置のオン/オフボタンを押した場合でも、無臭ガス供給手段300と気体排出手段500との作動を継続させる。
無臭ガス供給手段300と気体排出手段500との作動を所定の洗浄時間だけ継続した後で、無臭ガス供給手段300と気体排出手段500と作動を停止する。
この際の洗浄時間は、匂いベクトルの長さに対応した時間である。例えば、「臭香強度値」が大きくなるにつれ、洗浄時間が長くなる。
【0061】
上述の実施形態の匂い測定装置と匂い測定方法とを用いれば、以下の効果を発揮する。
気体を匂いセンサに供給して終了した直後に、無臭ガスを所定の洗浄時間だけ匂いセンサに強制的に供給する様にしたので、匂いセンサに付着した匂い物質を自動的に除去できる。
また、測定した匂いの強さに応じた洗浄時間だけ、匂いセンサに無臭ガスを供給する様にしたので、効率良く匂いセンサに付着した匂い物質を自動的に除去できる。
また、匂いセンサA(第一匂いセンサ)の感度と匂いセンサB(第二匂いセンサ)の感度が気体の匂いの質に応じて異なり、第一出力値と第二出力値とを合成して得られる合成出力値に対応する洗浄時間だけ、匂いセンサに無臭ガスを供給する様にしたので、匂いの質にかかわらず効率良く匂いセンサに付着した匂い物質を自動的に除去できる。
また、匂いセンサAと匂いセンサBの一方が重質系の匂いに感度が高く、他方が軽質系の匂いに感度が高く、合成値が第一出力値の二乗と第二出力値の二乗との和の平方根であるので、洗浄時間が、重質系と軽質系の匂い物質に割合を反映した値にすることをできる。
また、匂いの強さの単位時間当たりの増大傾向が所定の限界値を越えるときに気体の供給を強制的に終了して、無臭ガスを所定の洗浄時間だけ強制的に供給する様にしたので、匂いの強さが大きくなりそうな時に気体の供給を強制的に終了するので、多くの匂い物質が匂いセンサに付着するのを防止できる。
また、匂いの強さが所定の限界値を越える状態が所定の継続時間だけ持続したときに気体の供給を強制的に終了して、無臭ガスを所定の洗浄時間だけ強制的に供給する様にしたので、多くの匂い物質が匂いセンサに付着するのを防止できる。
【0062】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
合成出力値が2つの出力値の二乗に和の平方根であるとして、説明したがこれに限定されず、例えば、合成出力値が2つの出力値の積であってもよい。
合成出力値が2つの出力値の合成値であるとして、説明したがこれに限定されず、例えば、合成出力値がNつの出力値の合成値であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態に係る測定方法のフローチャート図である。
【図2】本発明の実施形態に係る測定装置の測定部の概念図である。
【図3】本発明の実施形態に係る測定装置の測定部の部分概念図である。
【図4】本発明の実施形態に係る匂いセンサの概念図である。
【図5】本発明の実施形態に係る匂いセンサの出力図である。
【図6】本発明の実施形態に係る匂いのベクトル図である。
【符号の説明】
【0064】
S10 準備工程
S20 測定工程
S30 気体供給工程
S40 無臭ガス供給工程
H 測定空間
10 匂い測定装置
11 測定部
12 表示部
20 パソコン
30 サーバ
40 電子通信網
100 匂いセンサ
100a 匂いセンサA
100b 匂いセンサB
101 感応部
102 ヒータ
103 スイッチング素子
104 負荷抵抗
105 電源
106 ヒータ加熱パルス
107 匂い測定出力
200 気体導入手段
201 試料吸込管
202 試料バルブ
203 試料導入管
300 無臭ガス供給手段
310 無臭ガス生成手段
320 無臭ガス導入手段
321 洗浄吸込管
322 洗浄バルブ
323 洗浄導入管
400 測定チャンバー
500 気体排出手段
501 気体排出管
502 排出バルブ
503 気体排出管
504 気体排出ポンプ
505 気体排出管
600 データ処理部
601 主制御部
602 パルス発生部
603 測定時間設定タイマー
604 インターフェース部
605 A/D変換部
606 データ記憶部
607 データ演算部
608 表示駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体の匂いを測定する匂い測定方法であって、
気体の匂いを測定する匂いセンサを準備する準備工程と、
気体を前記匂いセンサに供給する気体供給工程と、
無臭ガスを所定の洗浄時間だけ前記匂いセンサに供給する無臭ガス供給工程と、
を備え、
前記気体供給工程を実施して終了した直後に前記無臭ガス供給工程を強制的に実施する、
ことを特徴とする匂い測定方法。
【請求項2】
前記匂いセンサが気体の匂いの強さに対応した出力値を出力し、
前記洗浄時間が前記出力値に対応する、
ことを特徴とする請求項1に記載の匂い測定方法。
【請求項3】
前記匂いセンサが気体の匂いの種類に応じて感度の異なる第一匂いセンサと第二匂いセンサとを有し、前記第一匂いセンサが第一出力値を出力し、前記第二匂いセンサが第二出力値を出力し、
前記洗浄時間が前記第一出力値と前記第二出力値とを合成して得られる合成出力値に対応する、
ことを特徴とする請求項1に記載の匂い測定方法。
【請求項4】
前記気体供給工程を実施中に匂いの強さの単位時間当たりの増大傾向が所定の限界値を越えるときに前記気体供給工程を強制的に終了する、
ことを特徴とする請求項1に記載の匂い測定方法。
【請求項5】
前記気体供給工程を実施中に匂いの強さが所定の限界値を越える状態が所定の継続時間だけ持続したときに前記気体供給工程を強制的に終了する、
ことを特徴とする請求項1に記載の匂い測定方法。
【請求項6】
気体の匂いを測定する匂い測定装置であって、
気体の匂いを測定する匂いセンサと、
気体を前記匂いセンサに供給する気体供給手段と、
無臭ガスを所定の洗浄時間だけ前記匂いセンサに供給する無臭ガス供給手段と、
を備え、
前記気体供給手段の作動を停止させた直後に前記無臭ガス供給手段を強制的に作動させる、
ことを特徴とする匂い測定装置。
【請求項7】
前記匂いセンサが気体の匂いの強さに対応した出力値を出力し、
前記洗浄時間が前記出力値に対応する、
ことを特徴とする請求項6に記載の匂い測定装置。
【請求項8】
前記匂いセンサが気体の匂いの種類に応じて感度の異なる第一匂いセンサと第二匂いセンサとを有し、
前記第一匂いセンサが気体の匂いの強さに対応した第一出力値を出力し、
前記第二匂いセンサが気体の匂いの強さに対応した第二出力値を出力し、
前記洗浄時間が前記第一出力値と第二出力値とを合成して得られる合成出力値に対応する、
ことを特徴とする請求項6に記載の匂い測定装置。
【請求項9】
前記気体供給手段を作動させている途中に匂いの強さの単位時間当たりの増大傾向が所定の限界値を越えるときに前記気体供給手段の作動を強制的に停止させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の匂い測定装置。
【請求項10】
前記気体供給手段を作動させている途中に匂いの強さが所定の限界値を越える状態が所定の継続時間だけ持続したときに前記気体供給手段の作動を強制的に停止させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の匂い測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−10326(P2007−10326A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−187748(P2005−187748)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【出願人】(599092309)株式会社双葉エレクトロニクス (5)
【Fターム(参考)】