説明

包装用の合成物質ベースのセルフシール接着剤系

本発明は、天然ゴムを含まないセルフシール接着剤を用いる水性セルフシール接着剤系を提供する。セルフシール接着剤系は、トランスファーウエブ上に配置されたトランスファー接着剤及びアンカーウエブ上に配置されたアンカー接着剤を含み、二つの接着剤によって包装体のための封止が形成される。セルフシール接着剤は、圧力を加えるとそれ自体が結合して、包装材料を閉止又は封止する。封止箇所を剥がすと、接着剤は剥離するか、接着してフロントウエブ又はバックウエブのいずれか又は両方から離脱するか、或いは包装の基材の一方又は両方を破壊する。プライマー被覆を用いて、セルフシール接着剤の特性を向上させることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性のセルフシール接着剤包装システム、より詳しくは、封止した際には二つの基材の間の結合を与えるが、封止箇所を剥がすと、接着剤は剥離するか、接着してフロントウエブ又はバックウエブのいずれか又は両方から離脱するか、或いは包装の基材の一方又は両方を破壊して、これにより包装の再封止を防止する、天然ラテックスを含まない合成物質ベースのセルフシール接着剤を用いる水性セルフシール接着剤可撓性包装システムに関する。また、プライマー被覆を用いて、易剥離性セルフシール接着剤の特性を向上させることもできる。
【背景技術】
【0002】
セルフシール接着剤は、圧力を施すとそれ自体に対する強力な結合を形成し、且つそれを施した基材に対する結合も形成する能力を有する、ある種の感圧性接着剤である。しかしながら、セルフシール接着剤は、プラスチックフィルム、及びこれらの可撓性の基材の対向面上のオーバープリントワニスなどの表面に対する接着性が欠如していて、セルフシール接着剤を有するかかる可撓性の基材又はウエブが、ブロッキングを起こすことなく、即ち一緒に貼着することなく保存のためにロールに巻き取ることができることが好ましい。セルフシール接着剤は、種々の異なるタイプの用途において用いられているが、キャンディー、チョコレート、アイスクリームなどのような、熱に対して感受性であるために、かかる包装体を封止するのに熱封止性接着剤を用いることが望ましくない食品のための包装における封止剤として用いるのに特に望ましい。
【0003】
典型的なセルフシール接着剤は、天然ゴムエラストマー、特にラテックスと、粘着性付与剤、並びに安定剤、酸化防止剤及び他の改質剤のような他の成分とを混合することによって配合されている。天然ゴムエラストマーは、殆どの所望のセルフシール特性を示す。しかしながら、天然ゴムをベースとする接着剤は、また、脱色のような劣ったエージング特性も示し、また好ましくない臭気を有する可能性もある。更に、天然ラテックスを含む天然ゴムベースの接着剤は、人体にアレルギー反応を引き起こす可能性のある植物性タンパク質などの種々の天然の物質を有する。
【0004】
合成セルフシール材料、即ち天然ラテックスを含まない材料を開発するために数多くの試みがなされている。これらの取り組みは、用いる化学物質において異なっている。例えば、
Century Adhesives Corp.に譲渡された米国特許4,810,745においては、天然ラテックスベースセルフシール材料と、スチレンブロックコポリマーエマルジョン(25〜45%)、アクリルポリマー(20〜25%)、粘着性付与剤(25〜35%)、及びビニルピロリドン/スチレンコポリマーを含む材料の両方が記載されている。
【0005】
National Starch and Chemical Corp.に譲渡された米国特許4,889,884においては、4種類の合成ポリマー、即ち、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート及びビニルアセテートを含む第1のポリマー(Tg=54℃、ウィリアムス可塑度2.7)、中間スチレン含量アクリル樹脂を含む第2のポリマー(Tg=−18℃、ウィリアムス可塑度5.1)、ブチルアクリレート、ビニルアセテート、アクリル酸及びN−メチロールアクリルアミドを含む第3のポリマー(Tg=−2℃、ウィリアムス可塑度5.3)、並びに高スチレンアクリル樹脂を含む第4のポリマー(Tg=+6℃)を含む配合物が記載されている。第4の樹脂の代替物としては、以下のもの:中間スチレン含量アクリル樹脂、低エチレンビニルアセテート樹脂、中間エチレンビニルアセテート樹脂、又は酸及びN−メチロールアクリルアミドを含むビニルアクリル樹脂;を用いることができる。
【0006】
Mobil Oil Corp.に譲渡された米国特許4,898,787においては、2種類の合成ポリマーエマルジョンを含む配合物が記載されている。第1の合成エマルジョン(配合物の45〜70%)は、−60℃〜−40℃のTg及び2.5〜2.9のウィリアムス可塑度を有し、第2のスチレンアクリルエマルジョン(配合物の30〜55%)は、−25℃〜+5℃のTg及び5.0〜5.6のウィリアムス可塑度を有する。
【0007】
Mobil Oil Corp.に譲渡された米国特許5,070,164においては、コールドシール性包装のためのアクリルターポリマーが記載されている。ターポリマーは、エチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルアクリレート及び塩化ビニリデンからなる群から選択される第1のモノマー、ビニルアセテート、メチルメタクリレート、スチレン、エチルメタクリレート及びイソブチルメタクリレートからなる群から選択される第2のモノマー、並びに、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、スルホエチルメタクリレート及びマレイン酸からなる群から選択される第3のモノマー(但し、第1、第2及び第3のモノマーのそれぞれは異なるという更なる条件が付される)から製造される。
【0008】
Mobil Oil Corp.に譲渡された米国特許5,486,426においては、10〜65%のアクリロニトリル、30〜85%の軟質モノマー(メチル〜イソオクチルのアクリレートエステル又はビニルアセテート)、及び1〜3%の第3のモノマー酸(メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、スルホエチルメタクリレート及びマレイン酸)を用いて重合され、得られるポリマーが−35℃のTgを有するアクリルコポリマー組成物が記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
天然ゴムを合成接着剤に置き換えて天然ゴムに関連する問題点を軽減する上記の試みは、得られる結合の劣った特性のために、困難であることが分かった。したがって、天然ゴムを含まず、上記に記した所望の特性を示す改良されたセルフシール接着剤系に関する必要性が未だ存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、包装システムのための水性セルフシール接着剤、及びそれによって形成される包装体に関する。更に詳しくは、本発明は、封止した際には二つの基材の間の結合を与えるが、封止箇所を剥がすと、接着剤は剥離するか、接着してフロントウエブ又はバックウエブのいずれか又は両方から離脱するか、或いは包装の基材の一方又は両方を破壊し、これにより包装の再封止を防止する(易剥離性と称される)、天然ラテックスを含まない合成物質ベースのセルフシール接着剤を用いる水性セルフシール接着剤可撓性包装システムを提供する。また、接着剤と基材との間に配置されたプライマー被覆を用いて、基材に対する接着剤の接着性を増大するか又は減少することによって、易剥離性セルフシール接着剤系の特性を向上させることもできる。
【0011】
上記の課題を達成するために、本発明は、外表面及び内表面を有する可撓性の基材アンカーウエブ、外表面及び内表面を有し、内表面がアンカーウエブの内表面と結合して物品を含む包装を形成するように構成されている可撓性の基材トランスファーウエブを提供する。かかる包装体と共に用いられるセルフシール接着剤系は、アンカーウエブの内表面の第1の領域上に施された非天然ゴム含有アンカー接着剤、トランスファーウエブの内表面の第2の領域上に施された非天然ゴム含有トランスファー接着剤を含み、アンカーウエブとトランスファーウエブが結合して包装を形成する際には、第1及び第2の領域が包装物内に配置されるようになっている。アンカーウエブとトランスファーウエブが結合する際には、第1及び第2の領域は整列して、アンカー接着剤及びトランスファー接着剤が互いに結合して、包装のための封止を形成する。一つの特定の好ましい用途においては、本発明のセルフシール接着剤系を用いて、キャンディ包装紙のような個々に包装された食品のためのエンドシール及びフィンシールを形成する。
【0012】
易剥離性システムにおいては、封止後に、トランスファー前面ウエブ接着剤は、アンカー(背面)接着剤とトランスファー(前面)ウエブの基材との間のバランスのとれた親和性を有することが重要である。多くの最終用途において、前面及び背面という用語は、それぞれトランスファー及びアンカーに代わって用いられる。また、アンカー(背面)接着剤が、トランスファー(前面)接着剤とアンカー(背面)ウエブの基材との間のバランスのとれた親和性を有することも重要である。これは、T剥離構成で剥離した際の、接着剤の剥離強度及びその破壊モードによって測定することができる。当業者にとって、破壊モードのタイプとしては、一つの基材又は他の基材(クリーンピール)に対する凝集破壊、凝集剥離、接着剥離、接着破壊等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいトランスファー(前面)又はアンカー(背面)基材は、ポリオレフィン又は金属化ポリオレフィンフィルムであるが、これらに限定されない。
【0013】
トランスファー(前面)及びアンカー(背面)接着剤は、天然ゴムを含まず、その代わりに、約−25℃〜約−35℃の総合Tgを有するエラストマーエマルジョン又はエラストマーエマルジョンのブレンド約50重量%〜90重量%、及び約+15℃〜約+25℃の総合Tgを有するポリマーエマルジョン又はポリマーエマルジョンのブレンド約10重量%〜50重量%を含む。エラストマーエマルジョンは、好ましくは、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン、エチレン−ビニルアセテート、アモルファスポリα−オレフィン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリル(acrylics)、アクリルコポリマー、EPDM、ブチル(butyl)、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーン、合成ポリイソプレン、及び/又はこれらのエラストマーの組み合わせから選択されるエラストマーを含む。エラストマーエマルジョン及びポリマーエマルジョンには、可塑剤、pH調整剤、ブロッキング防止/固着防止添加剤、消泡剤及び他の添加剤のような、種々の他の化合物及び/又はポリマーが配合される。エラストマーエマルジョンにおける好ましいエラストマーはスチレン−ブタジエンゴム及びアクリルゴムであり、ポリマーエマルジョンにおける好ましいポリマーはスチレンアクリレートである。本発明の配合物におけるエラストマーエマルジョンに関する比較的高いTg並びにポリマーエマルジョンに関する比較的高いTgによって、米国特許4,898,787に記載されているもののような接着剤よりも、より良好な接着性、より良好な剥離強度及びより良好なブロッキング抵抗性を有する接着剤組成物が提供される。
【0014】
また、アンカー(背面)ウエブの内表面上のアンカー(背面)プライマー及び/又はトランスファー(前面)ウエブの内表面上のトランスファー(前面)プライマー被覆を用いて、ウエブに対する接着剤の接着性を向上又は減少させることができる。接着性を向上させるために用いる場合には、プライマー被覆は、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリルポリマー及びコポリマー、エチレンビニルアセテート(EVA)、エチレンメタクリル酸(EMA)又はアクリル酸(EAA)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリウレタン(PU)、シラン及びシラン化ポリマーから選択されるポリマー又はポリマーの組み合わせ約2〜99.9重量%を含む。組成物の残りは調整剤及び水を含む。接着性を減少させるために用いる場合には、プライマー被覆は、高分子量ポリエチレンポリマー又はエチレンコポリマー、SIS、SBS、SEBS、SBR、アクリル、シリコーン、又は適当な成分と共に配合するとウエブの一方又は両方からの向上した剥離性を与えることができる任意の他のポリマーから選択されるポリマー約5〜99重量%を含む。
【0015】
一態様においては、アンカー(背面)接着剤及びトランスファー(前面)接着剤は異なる配合を有し、アンカー(背面)及びトランスファー(前面)ウエブは、それぞれが異なる材料で構成される別々の基材である。他の態様においては、アンカー(背面)及びトランスファー(前面)接着剤は異なる配合を有するが、アンカー(背面)及びトランスファー(前面)ウエブはいずれも同一の基材の一部分であって同一の材料で構成される。第3の態様においては、アンカー(背面)及びトランスファー(前面)接着剤は実質的に同一の配合を有するが、アンカー(背面)及びトランスファー(前面)ウエブは異なる材料で構成される。第4の態様においては、アンカー接着剤及びトランスファー接着剤は実質的に同一の配合を有するが、アンカー(背面)及びトランスファー(前面)ウエブはいずれも同一の基材の一部分であって同一の材料で構成される。上記の態様のいずれにおいても、必要であるか又は所望の場合には、同一か又は異なる配合を有するプライマー被覆を用いることができる。
【0016】
発明の詳細な説明
本発明は、水性セルフシール接着剤包装システムに関し、より詳しくは、封止した際には二つの基材の間の結合を与えるが、封止箇所を剥がすと、接着剤は剥離するか、接着してフロントウエブ又はバックウエブのいずれか又は両方から離脱するか、或いは包装の基材の一方又は両方を破壊し(易剥離性と称される)、これにより包装の再封止を防止する、天然ラテックスを含まない合成物質ベースのセルフシール接着剤を用いる水性セルフシール接着剤可撓性包装システムに関する。また、接着剤と基材との間に配置されたプライマー被覆を用いて、基材に対する接着剤の接着性を増大するか又は減少することによって、セルフシール接着剤系の特性を向上させることもできる。包装材料は、キャンディー及び他の食料品などの食品、或いは注射器、カテーテル、手袋、包帯などのような滅菌された医療器具のような種々のタイプの製品を包装及び封止するのに用いることができる。食品及び医療器具が本発明のセルフシール接着剤系によって包装する好ましい物品であるが、本発明の開示はかかる包装に限定されるものではなく、食料品並びに非食料品を収容するための他の形態の包装と共に用いることができる。
【0017】
包装の形成は、典型的には、包装材料の連続シート又はウエブを製造することから始まる。材料の連続ウエブは、一般に、薄い可撓性のフィルムの形態であり、従来行われているように、水平に下流方向のマルチステーション印刷プレスに送られ、そこで、一つ又はそれ以上の色の画像及び文章がその外表面に施され、接着剤が予め定められたパターンか又は全体を被覆する状態でその内表面に施される。接着剤パターンは、典型的には、ウエブの対向する端部に沿った縦方向の片と、二つの縦方向の片の間に伸長する横方向の片との対によって画定される長方形である。接着剤の横方向の片の間の距離によって、特定の包装紙の長さが画定される。接着剤層は、典型的には、グラビアロール塗布又は任意の他の従来の手段によってウエブの外面上に画像及び文章を塗布した後に、ウエブの内表面に施され、接着剤層は約0.05〜約1.0ミルの厚さを有し、多数の別々のスポット又はドット或いは固体の連続層で構成することができる。また、オーバープリントワニス又は剥離フィルムのような保護表面を、画像及び文章の上に施して、画像及び文章を汚れから保護し、ウエブの外表面の摩擦係数を増大させることが通常である。従来行われているように、接着剤を、ウエブの適当な表面積において縦方向に長い片及び横方向に長い片で施して長方形の形状を形成して、包装する物品を挿入した後に、ウエブを折り曲げて、接着剤の縦方向の片及び横方向の片が互いに見当が合って整列するようにして、圧力をかけることによって、ウエブが、所望の包装の形状、寸法及び容積を形成するようにする。接着剤の横方向の片はエンドシールを形成し、一方接着剤の縦方向の片は包装のためのフィンシールを形成する。
【0018】
上記に記載したように、ウエブそれ自体は、一般に、施される材料に対する基材として機能する薄い可撓性の材料として形成することが好ましい。ウエブそれ自体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ナイロン、ポリカーボネート、セロファン、エチレンビニルアセテート、エチレンビニルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、α−オレフィン、ポリビニルブチレート、セルロースアセテート、ブチレート又はセルロースアセテートプロピオネートのようなプラスチックフィルム材料、又は上記記載の任意のフィルムの金属化物で製造することができる。また、包装する物品に依存して、ウエブはアルミニウムホイルのような金属化ホイルで製造してもよく、或いは金属化ホイルをウエブに積層してもよい。特に医療器具に関連する用途のための他の代替法は、段ボール紙を製造するために用いる段ボール中芯及び段ボール原紙を含むボール紙のような板紙、及び折りたたみ段ボール紙を製造するのに用いるボール紙をはじめとする紙及び紙製品で1以上のウエブを形成することである。更に、出版グレードの紙又は漂白若しくは非漂白クラフト紙、或いはリサイクル紙のような紙製品を使用することもできる。上記の紙製品は、また、クレーコートして、画像及び文章の印刷性を向上させることもできる。
【0019】
キャンディーのような食品の包装においては、易剥離性閉止システムを提供することが望ましい。包装材料に易剥離性の閉止を与えるために、本発明は、天然ゴムを含まない合成物質ベースのセルフシール接着剤系を提供する。この系は、トランスファーウエブに施されたトランスファー接着剤及びアンカーウエブに施されたアンカー接着剤を含む。何が包装されるかにかかわらず、アンカーウエブ及びトランスファーウエブは、本明細書において記載するように、典型的には、いずれも同一の基材の一部分であり、同一の材料で構成される。しかしながら、所望の特定の包装材料及び包装される物品に依存して、アンカーウエブ及びトランスファーウエブは別々の基材であってよく、それぞれは異なる材料で構成することができる。いずれの場合においても、アンカー接着剤及びトランスファー接着剤は、同様に同一の配合であっても異なる配合であってもよいが、互いに且つウエブに対して十分な親和性を有していて、マーケットのために適当な封止圧力、典型的には菓子類に関しては60〜100ポンド/線インチの圧力をそれに加えると、二つの接着剤が互いに且つウエブに結合して、包装材料のための閉止又は封止を形成し、これにより物品を内部に収容又は被包するようになっていなければならない。
【0020】
全ての易剥離性セルフシールシステムにおいて、許容しうる破壊のモードは、セルフシールが販売されるマーケットによって決定される。破壊のモードとしては、凝集破壊、凝集剥離、接着破壊、フィルム又は紙の破壊等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
本発明のシステムにおいて用いるセルフシール接着剤は、天然ゴムを含まないことが重要である。本明細書において用いる「天然ゴム」という用語は、天然ラテックスから製造されるか又はそれを含む全ての材料を包含する。本明細書で用いる「天然ラテックス」という用語は、水性媒体中に分散している、植物、主としてH.brasiliensis(ゴム)の木から得られるゴムの極めて小さな粒子からなる乳濁液状の流体として定義される。これは、コロイド懸濁液状のシス−1,4−ポリイソプレン及び一次アレルゲンと考えられている植物性タンパク質をはじめとする種々の天然由来の物質を含む。天然ゴムを含む製品は、2種類の通常用いられている製造プロセス、即ち、天然ゴムラテックス(NRL)法及び乾燥天然ゴム(DNR)法を用いて製造される。
【0022】
本発明の易剥離性接着剤組成物は、−25℃〜−35℃、好ましくは−28℃〜−32℃、最も好ましくは約−30℃のTgを有するエラストマーポリマーエマルジョン又はエラストマーポリマーエマルジョンのブレンド約50重量%〜約90重量%;+15℃〜+25℃、好ましくは+18℃〜+22℃、最も好ましくは約+20℃のTgを有するポリマーエマルジョン又はポリマーエマルジョンのブレンド約10重量%〜約50重量%;好適な改質添加剤約0重量%〜約30重量%;酸化防止剤/安定剤約0重量%〜約3重量%;及び可塑剤約0重量%〜約30重量%、好ましくは約0.5〜10重量%(ここで、組成物の成分は合計で100重量%になる);を含む。本発明の配合物におけるエラストマーエマルジョンに関する比較的高いTg及びポリマーエマルジョンに関する比較的高いTgによって、米国特許4,898,787に記載されているもののような接着剤よりも、より良好な接着性、より良好な剥離強度及びより良好なブロッキング抵抗性を有する接着剤組成物が提供される。
【0023】
好適な易剥離性接着剤組成物の成分は、次の通りである。
【0024】
【表1】

【0025】
セルフシール接着剤は、互いに接触して、適当な圧力によって封止されて、封止が確実に得られなければならないことに注意すべきである。これらの圧力は、0.5〜80psiの範囲であり、0.05〜10秒の保持時間で試験される。また、これらのセルフシール接着剤の被覆重量は、3,000平方フィートあたり乾燥重量で0.1〜5.0ポンドの範囲であることにも注意すべきである。
【0026】
この易剥離性接着剤組成物のエラストマーエマルジョン部分における好ましいエラストマーポリマーは、SBR(スチレンブタジエンゴム)又はアクリルエラストマーのいずれかであるが、これらに限定されない。組成物において有用な他のエラストマーとしては、他のアクリル類、アクリルコポリマー、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン)及び合成ポリイソプレンのようなイソプレン類、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)のようなポリブタジエン、SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン)のようなスチレンブロックコポリマー、ポリクロロプレン、EPDM(エチレン−プロピレンゴム)、ブチル類、EVA(エチレン−ビニルアセテート)、APAO(アモルファスポリα−オレフィン)、及びシリコーン、及び/又はこれらのエラストマーの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。エラストマーの最も好ましい量は、70〜85重量%である。
【0027】
この配合物のポリマーエマルジョン部分における好ましいポリマーは、カルボキシル化ビニルアセテートエチレンエマルジョン又はスチレンアクリレートエマルジョンであるが、これらに限定されない。他のポリマーエマルジョンとしては、アクリレート、スチレンアクリレート、ビニルアセテート、ビニルアセテートエチレンコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、(高スチレン)スチレンブタジエンゴム、ポリウレタン分散液、ポリスチレンエマルジョン、塩化ビニルエチレンエマルジョン、ポリ塩化ビニルホモポリマー及びコポリマーエマルジョン、ポリ塩化ビニリデンホモポリマー及びコポリマーエマルジョン、ポリエチレンホモポリマー及びコポリマーエマルジョン、ポリプロピレンホモポリマー及びコポリマーエマルジョン、並びにポリエステルエマルジョン、及び/又はこれらのポリマーの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
可塑剤は、組成物の0〜30重量%、好ましくは約0.5〜10重量%を構成することができる。可塑剤は、ポリマーエマルジョン及び/又はエラストマーエマルジョンと混和性であることが重要である。このタイプの可塑剤は、ベンゾエートエステル、フタレートエステル、セバケートエステル、アジペートエステル、アクリル酸エステル、グリコレートエステル、サイトレートエステル、芳香油、ナフテン油、パラフィン油、オリゴマーポリエステル、ラクテート、液体ロジンエステル、グリセレート、及び他のモノマー性、オリゴマー性又はポリマー性エステル、又は油類である。
【0029】
可塑剤は、好ましくはポリマーエマルジョンと混和性で、アルカリに可溶性であることが望ましい。このタイプの可塑剤は、BF Goodrich Specialty Chemicalsから供給されるCarboset 515、25〜250の間の酸価を有する低分子量アクリル又はアクリルコポリマー、25〜250の間の酸価を有する低分子量オレフィンコポリマー、25〜250の間の酸価を有する液体ロジンエステル、及び25〜250の間の酸価を有する他の低分子量液体ポリマーである。
【0030】
本発明は、0重量%〜3重量%、好ましくは約0.1重量%〜3重量%、最も好ましくは約0.5%〜2%の量の安定剤又は酸化防止剤を含む。本発明のセルフシール接着剤組成物において有用な安定剤を含ませて、上記記載のポリマー、及びそれによって全接着剤系を、接着剤の塗布中並びに最終製品を雰囲気環境及び滅菌工程に普通に曝露した際に通常起こる熱劣化及び酸化劣化の作用から保護するのを補助する。かかる劣化は、通常、接着剤の外観、物理特性及び性能特性における劣化によって示される。中でも好ましい酸化防止剤は、Butyl Zimate:亜鉛ジブチルジチオカルバメート、及びCiba Geigyによって製造されているIrganox 1010:テトラキス(メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート))メタンである。中でも適用可能な安定剤は、高分子量ヒンダードフェノール類、及び多機能性フェノール類、例えばイオウ及びリン含有フェノール類である。ヒンダードフェノール類は、当業者に周知であり、そのフェノール性ヒドロキシル基に近接した立体的に嵩高の基も有するフェノール系化合物として特徴づけることができる。特に、tert−ブチル基が、一般に、フェノール性ヒドロキシル基に対して少なくとも一つのオルト位置においてベンゼン環上に置換されている。ヒドロキシル基の近傍におけるこれらの立体的に嵩高の置換基の存在は、その伸縮振動数、及びしたがってその反応性を抑制する働きをし、かくして、この立体障害によってフェノール性化合物にその安定化特性が与えられる。代表的なヒンダードフェノール類としては、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン;
ペンタエリトリトールテトラキス−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
n−オクタデシル−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
4,4’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール);
4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール);
2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;
6−(4−ヒドロキシフェノキシ)−2,4−ビス(n−オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン;
2,4,6−トリス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−フェノキシ)−1,3,5−トリアジン;
ジ−n−オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート;
2−(n−オクチルチオ)エチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート;及び
ソルビトールヘキサ(3,3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート;が挙げられる。
【0031】
ペンタエリトリトールテトラキス−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネートが安定剤として好ましい。Butyl Zimateのようなカルバメート及び種々の他のイオウ含有化合物等が最も好ましい。酸化防止剤が、分散液、エマルジョン又は水中の溶液であることが、本発明のために最も好ましい。
【0032】
これらの安定剤の特性は、それらと組み合わせて、(1)例えばチオジプロピオネートエステル及びホスファイトのような共力剤;及び(2)例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、その塩、及びジサリチラールプロピレンジイミンのようなキレート剤及び金属不活性化剤を用いることによって更に向上させることができる。
【0033】
本発明の方法において有用な接着剤組成物は、当該技術において公知の任意の技術を用いて配合することができる。従来技術の手順の代表例は、成分の適当な且つ有効な混合を確保するのに十分な撹拌を与えながら、成分を一つずつステンレススチール混合容器中に配置することを含む。全ての成分を加えた後、接着剤バッチを、その重要な物理的パラメーターを満足するように調整する。
【0034】
場合によって用いる改質添加剤は、特定の物理特性を改変するために接着剤組成物中に含ませることができる。これらの添加剤としては、二酸化チタンのような着色剤、消泡剤、金属イオン封鎖剤、脱イオン水、防腐剤、殺生剤、ブロッキング防止剤、固着防止剤、pH調整剤、界面活性剤、及び他の一般的に公知で使用されている添加剤を挙げることができる。上記に記したように、かかる添加剤は、0重量%〜約30重量%の範囲の量で存在させることができる。
【0035】
また、ブロッキング防止剤/固着防止剤も、0重量%〜20重量%、好ましくは0重量%〜10重量%の範囲の量で接着剤組成物中に含ませることができる。これらは、配合物中で不活性であり、これらとしては、水和アルミナ(Al23−3H2O)、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどのようなシリケート、マイカ、炭酸カルシウム(CaCO3)及びシリカのような材料が挙げられる。充填剤のような他の通常用いられる材料も、配合物中の残りの成分の機能を大きく変化させない限りにおいて用いることができる。
【0036】
上述したように、このシステムは、また、ウエブの一方又は両方に対する接着剤の接着性を向上させるために、アンカー及び/又はトランスファーウエブの内表面上に薄いフィルムとして施されるプライマー被覆を含むこともできる。このプライマー被覆は、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリルポリマー及びコポリマー、エチレンビニルアセテート(EVA)、エチレンメタクリル酸(EMA)又はアクリル酸(EAA)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリウレタン(PU)、シラン及びシラン化ポリマーから選択されるポリマー又はポリマーの組み合わせ約2〜99.9%を含む。このプライマー被覆は、好ましくは90重量%のSBRを含む。
【0037】
このシステムは、また、ウエブの一方又は両方に対する接着剤の接着性を減少させるために、アンカー及び/又はトランスファーウエブの内表面上に薄いフィルムとして施されるプライマー被覆を含むこともできる。このプライマー被覆は、高分子量(即ち、40,000を超える分子量)のポリエチレンポリマー又はコポリマー約5〜99.9重量%を含む。しかしながら、このプライマー被覆は、SIS、SBS、SEBS、SBR、アクリル、シリコーン、PVAc(ポリビニルアセテート)、EVA(エチレン−ビニル−アセテート)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、EAA(エチレンアクリル酸)、EMAA(エチレンメタクリル酸)、EEA(エチレン−エチルアクリレート)、EMAC(エチレン−メチルアクリレート)、EVOA(エチレン−ビニルアルコール)、或いは、本明細書において上述したような合成エラストマーとブレンドしたこれらの任意のもの、及び/又は剥離性又は安定性を向上させる他の材料であってもよい。
【0038】
易剥離性セルフシール接着剤系においては、トランスファー接着剤及びアンカー接着剤は、実質的に同一の配合を有していてよく、好ましくは、
記載したTgを有するスチレン−ブタジエンエラストマーエマルジョン又はアクリルゴムエマルジョン約60〜80重量%;
記載したTgを有するスチレン−アクリレートポリマーエマルジョン約15〜30重量%;
可塑剤約0.5〜10重量%;
ブロッキング防止/固着防止添加剤約0.5〜2重量%;
消泡剤、pH調整剤、安定剤、酸化防止剤及び他の添加剤約0.1〜10重量%(ここで、成分は合計で該接着剤の100重量%である);
を含む。
【0039】
セルフシール系が顧客の装置内で処理され、ロールコア上に巻き付けられた際にロールの裏面から剥離することが重要である。
易剥離性システムの実施例は、次の通りである。
【0040】
【表2】

【0041】
【表3】

【0042】
種々の包装用途におけるセルフシール接着剤の有用性を評価するために、実施例1及び2で開示した合成接着剤を、#5の巻き線ロッドを用いて、2.0ポンド/3,000平方フィートリーム、±0.2ポンド/3,000平方フィートリームの被覆重量で、代表的な市販の基材に施した。全ての試料を、保持時間0.5秒、室温、及び1/4インチの試料について80psiに設定したTMI SuperSealer Model #75−10上で、封止した。全ての試料を、12インチ/分で、「T−剥離」モードで剥離した。
【0043】
下表1において、実施例1及び実施例2を、Bostik Findley, Inc.によって製造された天然ラテックス含有セルフシールである製品C1380−01と比較した。
【0044】
全ての製品を、AET(Advanced Extrusion Technologies, Inc.)によって製造された「MLB50ゲージ」ポリプロピレンフィルム上に被覆し、AET(Advanced Extrusion Technologies, Inc.)によって製造された「RLS−60ゲージ」ポリプロピレンフィルムにブロッキングさせた。
【0045】
全ての製品を、Kohler Block Testerにおいて、100psi、RT(室温)若しくは122°Fで、16時間、RLSへの被覆MLBとしてブロッキングさせた。次に、試料をブロックテスターから取り出し、1時間平衡化した。次に、試料を、I−Mass剥離試験器において、12インチ/分で、剥離に関して評価した。
【0046】
許容しうる結果の評価においては、以下のガイドラインを用いた。
最小剥離強度:C1380−01にほぼ同等
ピーク剥離強度:≧300g
RTでのエージング後の剥離値:<100g
122°Fでのエージング後の剥離値:<100g
【0047】
【表4】

【0048】
明らかなように、実施例1及び2の両方とも、天然ラテックス含有セルフシールの特性と同等か或いはこれを超えており、許容しうる封止強度、剥離特性及び機械的安定を示した。上述したように、合成セルフシールの用途は、ここで開示した基材の組み合わせに限定されない。
【0049】
【表5】

【0050】
実施例3の配合物に関して同一の試験を行い、セルフシール接着剤としてのその有用性を評価した。結果を表2及び3に示す。
【0051】
【表6】

【0052】
【表7】

【0053】
AF=接着剤が破壊
SD=標準偏差
RH=相対湿度
RT=室温
表2及び3のデータにより、実施例3の配合物が、易剥離性セルフシール接着剤として良好に機能することが示される。これは、300gを超える許容しうる封止強度(表3)及び100g未満の適当な剥離強度(表2)を有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約−25℃〜約−35℃の総合Tgを有するエラストマーエマルジョン又はエラストマーエマルジョンのブレンド約50重量%〜90重量%;
約+15℃〜約+25℃の総合Tgを有するポリマーエマルジョン又はポリマーエマルジョンのブレンド約10重量%〜50重量%;
可塑剤約0〜30%;
改質添加剤約0〜30%(ここで、成分は合計で添加剤の100重量%である);
を含む水性非天然ゴム含有セルフシール接着剤組成物。
【請求項2】
該エラストマーエマルジョンが、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン、エチレン−ビニルアセテート、アモルファスポリα−オレフィン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリル、アクリルコポリマー、EPDM、ブチル、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーン、合成ポリイソプレン、及び/又はこれらのエラストマーの組み合わせからなる群から選択されるポリマー又はコポリマーを含む請求項1に記載の接着剤系。
【請求項3】
該ポリマーエマルジョンが、カルボキシル化ビニルアセテートエチレンエマルジョン、スチレンアクリレートエマルジョン及びアクリレート、スチレンアクリレート、ビニルアセテート、ビニルアセテートエチレンコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、(高スチレン)スチレンブタジエンゴム、ポリウレタン分散液、ポリスチレンエマルジョン、塩化ビニルエチレンエマルジョン、ポリ塩化ビニルホモポリマー及びコポリマーエマルジョン、ポリ塩化ビニリデンホモポリマー及びコポリマーエマルジョン、ポリエチレンホモポリマー及びコポリマーエマルジョン、ポリプロピレンホモポリマー及びコポリマーエマルジョン、並びにポリエステルエマルジョン、及び/又はこれらの混合物から成る群から選択されるポリマー又はコポリマーを含む請求項1に記載の接着剤系。
【請求項4】
該接着剤が、
スチレン−ブタジエンエラストマー、アクリルゴムエラストマー、及びこれらのブレンドから成る群から選択されるエラストマーを含むエラストマーエマルジョン約60〜80重量%;
スチレン−アクリレートポリマーエマルジョン約15〜30重量%;
可塑剤約0.5〜10重量%;
ブロッキング防止/固着防止添加剤約0.5〜2重量%;
他の改質添加剤約0.1〜10重量%(ここで、成分は合計で該接着剤の100重量%である);
を含む請求項1に記載の接着剤系。
【請求項5】
該改質添加剤が、消泡剤、殺生剤、ブロッキング防止剤、固着防止剤、pH調整剤、脱イオン水、着色剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、及び界面活性剤からなる群から選択される請求項1に記載の接着剤。
【請求項6】
該エラストマーエマルジョンが、スチレン−ブタジエンエラストマー、アクリルゴムエラストマー、及びこれらのブレンドからなる群から選択されるエラストマーを含む請求項1に記載の接着剤。
【請求項7】
該ポリマーエマルジョンが、スチレン−アクリレートエマルジョンである請求項1に記載の接着剤。
【請求項8】
該可塑剤が、エステル、油及びこれらのブレンドからなる群から選択される請求項1に記載の接着剤。
【請求項9】
該エラストマーエマルジョン又はエラストマーエマルジョンのブレンドが、約−28℃〜約−32℃の総合Tgを有する請求項4に記載の接着剤系。
【請求項10】
該ポリマーエマルジョン又はポリマーエマルジョンのブレンドが、約+18℃〜約+22℃の総合Tgを有する請求項4に記載の接着剤系。
【請求項11】
可撓性のアンカーウエブ;
可撓性のトランスファーウエブ;
該アンカー及びトランスファーウエブのいずれか又は両方の表面上に被覆された、水性非天然ゴム含有セルフシール接着剤;
を含み、該接着剤が、
約−25℃〜約−35℃の総合Tgを有するエラストマーエマルジョン又はエラストマーエマルジョンのブレンド約50重量%〜90重量%、
約+15℃〜約+25℃の総合Tgを有するポリマーエマルジョン又はポリマーエマルジョンのブレンド約10重量%〜50重量%、
可塑剤約0〜30%、及び
改質添加剤約0〜30%(ここで、成分は合計で添加剤の100重量%である)、
を含む、物品を収容するための包装体。
【請求項12】
該エラストマーエマルジョンが、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン、エチレン−ビニルアセテート、アモルファスポリα−オレフィン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリル、アクリルコポリマー、EPDM、ブチル、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーン、合成ポリイソプレン、及び/又はこれらのエラストマーの組み合わせからなる群から選択されるポリマー又はコポリマーを含む請求項11に記載の包装体。
【請求項13】
該ポリマーエマルジョンが、カルボキシル化ビニルアセテートエチレンエマルジョン、スチレンアクリレートエマルジョン及びアクリレート、スチレンアクリレート、ビニルアセテート、ビニルアセテートエチレンコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、(高スチレン)スチレンブタジエンゴム、ポリウレタン分散液、ポリスチレンエマルジョン、塩化ビニルエチレンエマルジョン、ポリ塩化ビニルホモポリマー及びコポリマーエマルジョン、ポリ塩化ビニリデンホモポリマー及びコポリマーエマルジョン、ポリエチレンホモポリマー及びコポリマーエマルジョン、ポリプロピレンホモポリマー及びコポリマーエマルジョン、並びにポリエステルエマルジョン、及び/又はこれらの混合物から成る群から選択されるポリマー又はコポリマーを含む請求項11に記載の包装体。
【請求項14】
該接着剤が、
スチレン−ブタジエンエラストマー、アクリルゴムエラストマー、及びこれらのブレンドから成る群から選択されるエラストマーを含むエラストマーエマルジョン約60〜80重量%;
スチレン−アクリレートポリマーエマルジョン約15〜30重量%;
可塑剤約0.5〜10重量%;
ブロッキング防止/固着防止添加剤約0.5〜2重量%;
他の改質添加剤約0.1〜10重量%(ここで、成分は合計で該接着剤の100重量%である);
を含む請求項11に記載の包装体。
【請求項15】
該改質添加剤が、消泡剤、殺生剤、ブロッキング防止剤、固着防止剤、pH調整剤、脱イオン水、着色剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、及び界面活性剤からなる群から選択される請求項11に記載の包装体。
【請求項16】
該エラストマーエマルジョンが、スチレン−ブタジエンエラストマー、アクリルゴムエラストマー、及びこれらのブレンドからなる群から選択されるエラストマーを含む請求項11に記載の包装体。
【請求項17】
該ポリマーエマルジョンが、スチレン−アクリレートエマルジョンである請求項11に記載の包装体。
【請求項18】
該可塑剤が、エステル、油及びこれらのブレンドからなる群から選択される請求項11に記載の包装体。
【請求項19】
該エラストマーエマルジョン又はエラストマーエマルジョンのブレンドが、約−28℃〜約−32℃の総合Tgを有する請求項14に記載の包装体。
【請求項20】
該ポリマーエマルジョン又はポリマーエマルジョンのブレンドが、約+18℃〜約+22℃の総合Tgを有する請求項14に記載の包装体。
【請求項21】
該トランスファーウエブ及びアンカーウエブが、それぞれ独立して、紙、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、及びこれらの基材の金属化物、並びに金属ホイルを含む材料で構成される基材から選択される請求項11に記載の包装体。
【請求項22】
該トランスファー接着剤及び該アンカー接着剤が異なる配合を有しており、該トランスファーウエブ及び該アンカーウエブがそれぞれ異なる材料で構成される別々の基材である請求項11に記載の包装体。
【請求項23】
該トランスファー接着剤及び該アンカー接着剤が実質的に同一の配合を有しており、該トランスファーウエブ及び該アンカーウエブが異なる材料で構成される請求項11に記載の包装体。
【請求項24】
該トランスファー接着剤及び該アンカー接着剤が異なる配合を有しており、該トランスファーウエブ及び該アンカーウエブがいずれも同一の基材の一部分であり同一の材料で構成される請求項11に記載の包装体。
【請求項25】
該トランスファー接着剤及び該アンカー接着剤が実質的に同一の配合を有しており、該トランスファーウエブ及び該アンカーウエブがいずれも同一の基材の一部分であり同一の材料で構成される請求項11に記載の包装体。
【請求項26】
該アンカーウエブ及び該トランスファーウエブのいずれか又は両方の表面上に、該接着剤のそれに対する接着性を向上させるプライマー被覆を更に有する請求項11に記載の包装体。
【請求項27】
該プライマー被覆が、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリルポリマー及びコポリマー、エチレンビニルアセテート(EVA)、エチレンメタクリル酸(EMA)又はアクリル酸(EAA)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリウレタン(PU)、シラン及びシラン化ポリマーからなる群から選択されるポリマー又はポリマーの組み合わせ約2〜99.9%を含む請求項26に記載の包装体。
【請求項28】
該トランスファーウエブ及び該アンカーウエブのいずれか又は両方の表面上に、該接着剤のそれに対する接着性を減少させるプライマー被覆を更に有する請求項11に記載の包装体。
【請求項29】
該プライマー被覆が、高分子量ポリエチレンポリマー又はエチレンコポリマー、SIS、SBS、SEBS、SBR、アクリル、及びシリコーンからなる群から選択されるポリマー約5〜99重量%を含む請求項28に記載の包装体。

【公表番号】特表2008−517097(P2008−517097A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536884(P2007−536884)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/036816
【国際公開番号】WO2006/044534
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(505252090)ボスティック・インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】