説明

包装箱の組仕切り

【課題】組仕切りで仕切られた包装箱に商品を収納する作業を容易にする。
【解決手段】組仕切り10を、上縁にスリット11aが設けられた横仕切り板11と、楔形の縦仕切り板12と、隣接する縦仕切り板12の上端同士を連結する連結板13と、連結板13から対向し、箱30の周壁に沿って起立する起立板14とから構成した。カートリッジの列と横仕切り板11とを交互に並べて積み重ね体を形成し、これを箱30に詰め、カートリッジ20の隙間から見えるスリット11aに縦仕切り板12を差し込むことで、組仕切り10が組み上げられる。縦仕切り板12は、先端に向かい窄まっているので、隙間への差し込みが容易である。連結板13と起立板14とで囲まれる空間には、カートリッジ20と仕切られた状態でノズル23を収納できる。箱30に衝撃がかかった場合には、起立板14が箱30の蓋31につかえて組仕切り10の上下動が抑えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、包装箱の内部を仕切る組仕切りに関する。
【背景技術】
【0002】
包装箱に複数の商品を収納する際には、隣り合う商品同士がぶつかって破損しないように、また商品が箱の中で片寄ったり倒れたりしないように、縦横の仕切り板を格子状に組み上げた組仕切りで、箱の内部を仕切ることがよく行われている(特許文献1参照)。
【0003】
この場合に、先に組み上げた組仕切りを箱の中に入れ、後から商品を収納するのは、商品を1つずつ手作業で詰めるとなると面倒であり、機械で一挙に詰めるとなると商品が仕切り板にぶつからないように微妙な位置合わせが必要となり、いずれにせよ手間がかかる。
【0004】
そこで、横1列に並べた商品の上に横仕切り板を載せ、その上に同様に商品を1列に並べ、と繰り返すことで商品の列と横仕切り板とが交互に並ぶ積み重ね体をあらかじめ形成しておき、これを寝かせた箱に一挙に詰め、つぎに、箱を起こし、縦仕切り板を隣り合う商品の縦列と縦列の隙間に差し込むことが考えられる。
このようにすれば、上述したような商品を1つずつ詰めたり、微妙な位置合わせをしたりするような手間はかからない。
【0005】
しかし、仕切り板は、商品の列と列の隙間が小さいため差し込みにくく、また、差し込み途中で引っかかるなどして、折れ曲がって破損してしまう恐れもある。
【特許文献1】特開2000−6953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこでこの発明の解決すべき課題は、包装箱に収納された商品の隙間に、組仕切りの仕切り板を容易に差し込めるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するため、包装箱の内部空間を一方向に仕切る、1または並列する複数の一方向仕切り板と、包装箱の内部空間を一方向仕切り板とほぼ直交する方向に仕切る、並列する複数の他方向仕切り板とからなり、一方向仕切り板の上縁に設けられたスリットに他方向仕切り板を差し込むことで組み上げられる発明の組仕切りにおいて、各他方向仕切り板を下端に向かい窄まる形状に形成し、隣接する2以上の他方向仕切り板の上端同士を1または複数の連結板で連結し、各連結板から対向する一対の起立板を起立させたのである。
【0008】
このように組仕切りを構成し、上述したのと同様に、商品と一方向仕切り板とを、商品と商品の間に一方向仕切り板のスリットが位置するように、交互に積み重ねて積み重ね体を形成し、これを一挙に箱に詰め、つぎに他方向仕切り板を隣り合う商品の列と列の隙間から見える一方向仕切り板のスリットに差し込む。
この際に、他方向仕切り板は、下端に向かい窄まる形状に形成されているので、商品の隙間への差し込みが容易であり、差し込み途中で引っかかることが防止される。
【0009】
また、商品にノベルティ等の付属品を同封する際には、付属品を連結板と起立板とで区画される空間に、商品と仕切られた状態で収納できるため、商品と付属品がぶつかり合って破損することも防止される。
【0010】
さらに、包装箱の輸送中に外部から衝撃が加わったときにも、連結板から起立する一対の起立板が組仕切りの上下動を規制するため、組仕切りが分解するなどして商品の配列が乱れることはない。
【発明の効果】
【0011】
組仕切りの他方向仕切り板を下端に向かい窄まる形状としたので、包装箱に収納された商品の隙間に差し込むことが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1から図3に示すように、実施形態の組仕切り10は、上下に組み合わせられる、下側の横仕切り板11と、上側の一方向に並列する縦仕切り板12と、隣接する縦仕切り板12の上端同士を連結する連結板13と、連結板13の両側から立ち上がって対向する起立板14とから構成される。
【0013】
図1および図2のように、横仕切り板11は、段ボールシートを打ち抜いて作製された方形の板状体であって、その上縁から下方に向けては、スリット11aが4つ等間隔に並列して延びている。
【0014】
また、図1から図3のように、下端に向かって窄まる楔形の2つの縦仕切り板12と、方形の連結板13と、方形の一対の起立板14とが一体に形成され、これにより縦仕切り板12および連結板13および起立板14は、2つの連結体を構成している。
これら各連結体は、図4のように、段ボールシートを打ち抜いて形成されるほぼ十字型の板状体を折り曲げることで作製されている。
図示のように、この各連結板13には、長手方向に並列する方孔13aが設けられている。
【0015】
この組仕切り10は、横仕切り板11のスリット11aに、上から縦仕切り板12を差し込むことにより組み上げられる。
図2のように、組仕切り10を包装箱30(以下、箱30と略する。)の中に入れた状態で、横仕切り板11により、箱30の内部は奥行き方向に2等分され、縦仕切り板12により、箱30の内部は間口方向に5等分される。
これにより、箱30の内部は間口方向5列奥行き方向2列の合計10の小部屋に区画され、各小部屋には、ソフトカートリッジ20(以下、カートリッジ20と略する。)が1つずつ収納されている。
なお、図2および図3のように、組仕切り10を箱に入れた状態で、起立板14は、箱30の周壁にその板面が当接するようになっている。
【0016】
図示のように、この箱30に収納される円筒形のカートリッジ20は、フィルムからなる軟質の胴部21の両端が、プラスチックからなる硬質の端部22で閉塞されており、接着剤等の内容物が充填されている。
また、先端側端部22には突出する注出口22aが形成され、ここに別体のノズル23を取り付け、胴部21を絞ってノズル23から内容物を注出することで利用に供せられる。
【0017】
箱30に収納する際には、まず、5本横一列に並べたカートリッジ20の上に、カートリッジとカートリッジの間にスリット11aが位置するようにして横仕切り板11を載せ、その上に同様にカートリッジ20を5本一列に並べて積み重ね体を形成し、これを寝かせた箱30に一挙に詰める。
つぎに、箱30を起こし、カートリッジ20の5列をなす縦列と縦列のそれぞれの隙間および隙間に位置する横仕切り板11のスリット11aに各縦仕切り板12を差し込むことで、組仕切り10が組み上げられる。
このとき、縦仕切り板12は、先端に向かい窄まる楔形に形成されているので、カートリッジ20の隙間への差し込みが容易であり、差し込み途中でカートリッジ20にひっかかって折れ曲がる等することはない。
【0018】
このように、組仕切り10が組み上げられた状態で、隣り合うカートリッジ20の硬質な端部22と端部22の間が仕切られているので、これらがぶつかって破損することが防止されている。
また、胴部21と胴部21との間は仕切られていないが、この部分は軟質であるためぶつかっても破損の恐れが小さい。
【0019】
ここで、カートリッジ20の上端から突出する注出口22aは、図2および図3のように、連結板13の方孔13aに差し込まれることで、カートリッジ20は組仕切り10に強固に保持されるようになっている。
【0020】
また、別体のノズル23は、図示のように袋に詰めるなどした上で、連結板13と起立板14とで区画される空間に収納されることで、箱30にカートリッジ20と仕切られた状態で同封される。
そのため、カートリッジ20の端部22とノズル23とのぶつかり合い、およびそれに伴う破損が防止される。
【0021】
このとき、図3のように、箱30の周壁に沿って立ち上がる起立板14はその高さが、カートリッジ20を箱に詰めた状態で箱30の上部にできる空間の高さとほぼ同じになるように設定されている。
そのため、箱30の蓋31を閉じた場合に、起立板14上端が蓋31につかえる事で、箱30を輸送中に衝撃が加わっても、組仕切り10が上下動せず、仕切った状態を良好に維持できるようになっている。
【0022】
なお、この例では、縦仕切り板12は楔形に形成されているが、これに限定されず、先端に向かい窄まり、カートリッジ20の隙間に差し込みやすい形状であればよい。
【0023】
また、この例とは仕切り板11、12の上下を逆に、すなわち連結板13で上端が連結された上側の横仕切り板11と、横仕切り板11を上から差し込むスリットが設けられた下側の縦仕切り板12とから構成してもよい。
【0024】
また、連結板13により連結される縦仕切り板12の数およびその並列方向はこの例に限られない。
例えば、図5(a)に示すように、並列する四つの縦仕切り板12を1の連結板13で連結してもよいし、図5(b)に示すように、2つずつ2列をなす4つの縦仕切り板を1の連結板13で連結してもよい。
【0025】
なお、箱30に収納される商品は、カートリッジ20には限定されず、組仕切り10の素材は段ボールシートには限定されないことは無論である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】組仕切りを分解した状態を示す全体斜視図
【図2】包装箱内で組仕切りを組み上げた状態を示す斜視図
【図3】包装箱内で組み上げた組仕切りの縦断面図
【図4】組仕切りの一部の展開図
【図5】組仕切りの他の例の一部の展開図
【符号の説明】
【0027】
10 組仕切り
11 横仕切り板
11a スリット
12 縦仕切り板
13 連結板
13a 方孔
14 起立板
20 ソフトカートリッジ
21 胴部
22 端部
22a 注出口
23 ノズル
30 包装箱
31 蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装箱30の内部を一方向に仕切る、1または並列する複数の一方向仕切り板11と、包装箱30の内部を一方向仕切り板11とほぼ直交する方向に仕切る、並列する複数の他方向仕切り板12とを有し、一方向仕切り板11の上縁に設けられたスリット11aに、他方向仕切り板12を差し込むことで組み上げられる組仕切り10において、
前記各他方向仕切り板12を下端に向かい窄まる形状に形成し、隣接する2以上の他方向仕切り板12の上端同士を1または複数の連結板13で連結し、各連結板13から対向する一対の起立板14を起立させたことを特徴とする組仕切り。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−273526(P2008−273526A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−115422(P2007−115422)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000115980)レンゴー株式会社 (502)
【出願人】(305032254)サンスター技研株式会社 (97)
【Fターム(参考)】