説明

包装袋の無線ICタグ製造方法およびその製造装置

【課題】加工コストを増やすことなく、包装袋の外観設計を損なわない無線ICタグ付き包装袋の製造方法とその製造装置を提供する。
【解決手段】複数の無線ICタグを等間隔に縦方向に貼り付けた細長い離型紙をリールに巻きタグリールに仕上げる。次に、タグリールの離型紙を輸送方向に沿って移動させ、包装部材に近づいたとき、離型紙の移動方向を逆方向に変えて無線ICタグを離型紙より剥離し、引き続き輸送方向に移動させる。このとき、間欠的に離型紙表面に圧力を加え、無線ICタグを底面のグルーで包装部材の一表面に貼り付ける。その後、融合技術を用いて、無線ICタグ上に受発信アンテナ及びチップが敷設されていない基材と包装部材とを融合し、無線ICタグを等間隔で縦方向に包装部材の所定位置に貼り付ける。最後に、包装部材を折り返して、端部シール加工及び裁断処理を経て、複数の包装袋を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の包装袋製造方法であって、特に一種の一貫生産方式により、包装袋の無線ICタグ製造方法およびその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線ICタグ(Radio Frequency Identification、RFID)技術は無線認識票ともいう。それは一種の通信技術であって、識別システムが無線通信信号を通じて、当該識別システムと特定目標との間に機械的又は光学的な接触を介さずに、特定目標の関連データを読み書きするものである。
通常の無線ICタグは受発信アンテナとチップからなる。そのうち、該受発信アンテナの機能は二つがある。第一の役目はリーダーより発信された電磁波を受信し、チップを駆動する。第二の役目は、受発信アンテナの抵抗を切り換えることによって、無線ICタグからの信号フィードバックを0と1とのデータに生成する。該チップは該受発信アンテナの入力端に接続する。使用されている無線ICタグ技術は性質により、受動式、半受動式及び主動式の3種類に分けられる。本発明が以下に述べる無線ICタグ技術は主に無線認識票の市場で主流の受動式無線認識票に基づくものである。受動式無線認識票の内部には供給電源がなく、該チップは受発信アンテナ受信の電磁波によって駆動される。該電磁波は識別システムの無線ICタグリーダーより発信される。無線ICタグに必要な信号を受信した後、チップに保存されたデータは該リーダーに伝送される。受動式無線認識票は廉価で電源不要という長所があるため、無線認識票市場の主流となっている。
【0003】
無線ICタグの応用分野は極めて広い。その決定的な要素は無線ICタグの関連分野における経済効果であり、具体的な応用としては、以下のようなものがある。
(イ)紙幣と製品の偽造防止技術。
(ロ)身分証明書、通行パス(入場券を含む。)。
(ハ)電子料金システム、台湾のイージーカードと香港のオクトパスカード。
(二)家畜又は野生動物の識別。
(ホ)患者の識別と電子カルテ。
【0004】
このほか、無線ICタグの応用分野は物流管理にも繰り広げられて、商品設計、原材料調達、半製品と製品の生産、輸送、倉庫保管、配達、販売ないし返品処理とアフターサービスなどすべてのサプライチェーンのリアルタイム監視制御を通じて、製品タイプ、生産者、製造時間、場所、カラー、寸法、数量、仕向け地、受取人など製品関連情報を正確に把握できる。
【0005】
現在に広く使用されている無線ICタグの一例を図1に示す。無線ICタグ10の受発信アンテナ20とチップ30とはポリイミド(Polyimide)基材40上に敷設されている。その作り方はポリイミド基材40の一面に1層の銅箔41を貼り付けてフレキ銅箔基板を形成し、エッチング技術により銅箔41上において必要な受発信アンテナ20を食刻した後、チップ30を受発信アンテナ20の入力端21に接続して無線ICタグ10を仕上げる。この種の無線ICタグは前記製品の物流管理に応用するとき、包装袋製造完了後、さらなるの加工手順として、該無線ICタグを包装袋外側の表面に貼り付けなければならない。このため、生産加工コストが増えるのみならず、包装袋の外観設計を損なってしまう。さらに、不適切な貼り付けにより、無線ICタグは加工や輸送中の破損又は剥離になりかねない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
よって、包装袋を製造するときに、無線ICタグをこの包装袋に作ることによって、無線ICタグの製造コストが大幅に軽減されるので、包装袋の加工コストを増やすことなく、包装袋の外観設計を損なわない各種の無線ICタグ付き包装袋の開発が多くの業者の研究開発ならびに実現を急務とする目標である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来の無線ICタグ付き包装袋は包装袋生産後にさらなる加工プロセスが必要のため、包装袋外面に無線ICタグを貼り付けるための生産コストが増えるほか、包装袋の外観設計を損なってしまうなど種々な問題があった。本発明人は長年に研究努力した結果、本発明を完成した。
上記目的を達成するため、本発明に係る包装袋の無線ICタグ製造方法は、複数の無線ICタグそれぞれを等間隔に長軸方向に配列する方法で細長い離型紙に貼り付け、該細長い離型紙をリールに巻き付けて、タグリールに仕上げる。引き続き、該タグリールを包装袋の成型装置に取り付け、該離型紙を該成型装置内部の包装部材の輸送方向に沿って移動させ、該包装部材の一表面に近づいたとき、該離型紙の移動方向を変えて、該離型紙を該包装部材の輸送方向と逆方向に移動させることにより、該無線ICタグは該離型紙の瞬間的な移動方向変更に従い、該離型紙より剥離され、引き続き該包装部材の輸送方向に移動する。このとき、間欠的に該離型紙表面に圧力を加え、該無線ICタグは底面のグルーにより、該包装部材の一表面に貼り付けられる。その後の生産プロセスにおいて、融合技術(高周波又は熱融合など)を用いて、該無線ICタグ上に受発信アンテナ及びチップが敷設されていない基材と該包装部材とを融合し、該無線ICタグそれぞれを等間隔に長軸方向に配列する方法によって、該包装部材の一表面の所定位置に貼り付ける。最後に、該成型装置により該包装部材を折り返して、端部シール加工及び裁断処理(従来の成型プロセス)を経て、一貫生産方式により複数の包装袋を製造できるほか、各包装袋の表面又は内面に一つの無線ICタグが丈夫に貼り付けられる。この製造方法は生産プロセスの単純化のほか、高速化、生産コストの大幅な軽減ができる。さらに、該無線ICタグを各包装袋内部に固定できるため、包装袋外観を損なわないまま、該無線ICタグに最も良い保護を提供し、該無線ICタグの充填、搬送及び輸送中による破損が防止され、最高の製品識別効果を発揮できる。
【0008】
さらに本発明に係る包装袋の無線ICタグ製造装置は、少なくともタグ剥離機構、タグ転写機構、タグ取付機構、タグ折り返し機構、端部シール機構及び裁断機構を備える。そのうち、該タグ剥離機構は複数のローラーと一つの仕切板からなる。当該ローラーはタグリールの離型紙を該仕切板の片側に誘導し、該離型紙を該成型装置内部に備える包装部材の輸送方向に従って移動させ、該包装部材の一面に近づいたときに該離型紙を該仕切板の他面に誘導し、該離型紙を該包装部材の輸送方向と逆方向に移動させる。該離型紙に等間隔に長軸方向に配列された無線ICタグは該離型紙の瞬間的な移動方向変更により、該離型紙から剥離され、引き続きに該包装部材の輸送方向に従って移動する。該タグ転写機構は制止ローラーと駆動素子とからなる。該制止ローラーは仕切板付近の端部位置に取付けられ、かつ、該駆動素子の制御を受けて、一定の間欠運動を行うため、該無線ICタグが該離型紙より剥離された後、該制止ローラーは移動して該無線ICタグの上表面に寄り掛かり、該無線ICタグ下表面に備えるグルーは該制止ローラーの力量により、該包装部材の一表面に貼り付けられる。該タグ取付機構は融合金型(高周波融合金型又は熱融合金型など)と成型板とからなる。該融合金型は該成型板との対称位置に取り付けられて、該融合金型と該成型板との間を通過する該包装部材と、該無線ICタグ上に受発信アンテナとチップが設けられていない基材とを融合し(高周波融合金型又は熱融合金型など)、当該無線ICタグを等間隔に長軸方向に配列して、該包装部材一表面の所定位置に取り付ける。該折り返し機構は、該包装部材を該成型板の両側に折り返して、該包装部材に当該無線ICタグが貼り付けられている一表面を包装部材の表面又は裏面に折り返して、該包装部材に備える二つの対称端部を交互に交差して畳む状態とする。該端部シール機構は融合(高周波又は熱融合など)方式にて、該包装部材に備える二つの対称端部をシールした上、該包装部材にて複数の包装袋を連続して成型し、各包装袋の表面又は裏面の所定位置にそれぞれ一つの無線ICタグを確実に成型して置く。該裁断機構は当該長軸方向につらなる包装袋を一つ一つ裁断できる。
【0009】
(発明の効果)
本発明による包装袋の無線ICタグ製造装置では、該タグ剥離機構、タグ転写機構、タグ取付機構以外の機構は従来の包装袋の固有機構を用いる。このため、本発明は、従来の包装袋の製造装置において、当該タグ剥離機構、タグ転写機構及びタグ取付機構の増設にとどめ、従来の包装袋の製造装置設計に大幅な変更は必要はない。よって、最も経済的な製造コストと最短の改造時間でもって、本発明による包装袋の無線ICタグ製造装置を製造でき、一貫生産プロセスにて包装袋を製造すると同時に、包装袋の表面又は裏面の所定位置へ無線ICタグを順調に作ることができる。
本発明の目的、処理手順及びその効果のさらなる認識と理解を図るため、以下の通り実施形態を図式と合わせて、その詳細を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(一実施形態)
本発明の一実施形態による包装袋の無線ICタグ製造方法およびその製造装置は、主に包装袋の生産プロセスに応用できるものである。図2に示す通り、包装袋は通常の薄膜部材である包装部材より作り上げられたものであり、少なくとも表面材51、底材52及び接着剤53を備える。そのうち、表面材51はOPP又はPETなどのプラスチック部材より作られた透明又は不透明フィルムであり、あるいはその他織物又は紙であっても良い。底材52はPE又はPPなどのプラスチック部材より作られた透明又は不透明フィルムであり、あるいはその他織物又は紙であっても良い。接着剤53は一層のグルーであり、包装部材50を形成するように、表面材51と底材52とを一体化して結合させる。ただし、前記に開示された包装部材は本発明の包装部材の一態様にすぎない。本発明が実施されるときにはこの限りでない。PE又はPPなど透明又は不透明なプラスチックフィルム製の包装部材のみを使用しても良い。
【0011】
図3は、本発明の一実施形態による包装袋の無線ICタグ製造方法を示すフローチャートであり、該製造方法は以下の手順を含む。
ステップ600では、図4に示す通り、複数の無線ICタグ70をそれぞれ等間隔にて縦方向に配列して、細長い離型紙71上に貼り付けて、細長い離型紙71をリール72に巻き付けてタグリール7を形成する。
【0012】
ステップ601では、図5と図6とに示す通り、タグリール7を包装袋の製造装置8に取り付けて、離型紙71を製造装置8にある包装部材80の輸送方向に従って移動させる。包装部材80の一表面に近づいたとき、離型紙71の移動方向を変えて、離型紙71を包装部材80の輸送方向と逆方向に移動させる。無線ICタグ70は離型紙71が瞬間に移動方向を変更されることにより、離型紙71から剥離され、引き続き包装部材80の輸送方向に沿って移動する。
【0013】
ステップ602では、図5と図6とに示すように、タグ転写機構82を伝動し、間欠的に離型紙71から剥離された無線ICタグ70の上表面に圧力を加えて、無線ICタグ70を、下表面にあるグルー701により、包装部材80の一表面に貼り付ける。
ステップ603では、さらに、図5に示す通り、タグ取付機構83を駆動させ、融合技術(高周波融合金型又は熱融合)によって、無線ICタグ70に受発信アンテナ及びチップが敷設されていない基材と、包装部材80とを融合させ、無線ICタグ70を、それぞれ等間隔に縦方向に配列するように、包装部材80の一表面の所定位置に取り付ける。
【0014】
ステップ604では、製造装置8の折り返し機構(従来技術の機構である。本発明の特許請求対象でないため、図示していない。)で、包装部材80の折り返し処理を行い(従来の成型プロセスである。)、包装部材80の二つの対称端部801を交互に折り畳む状態に折り返す。図7に示す通り、包装部材80を、縦方向に折り返して、端部シール可能な筒状の包装部材に、又は図8に示す通り、中央部シール可能な筒状の包装部材に仕上げる。これによって、包装部材80上に無線ICタグ70を取り付けた一表面は該筒状包装部材の表面又は内面になる。図7と図8とに示された実施形態には無線ICタグ70が該筒状包装部材の内面に取り付けられることを例示する。
【0015】
ステップ605では、図5に示す通り、製造装置8の端部シール機構84は融合技術(高周波融合金型又は熱融合)で、交互に折り畳まれる二つの対称端部801に対して、縦方向シール処理を行う(端部シール又は中央部シール)。図7と図8とに示すように、包装部材80は縦方向で筒状の包装部材にシールされている。
ステップ606では、図5に示すように、製造装置8の第2シール機構85は融合技術によって、等間隔で筒状の包装部材に対して横方向のシール処理を施し、包装部材80上に連続した複数の包装袋半製品を形成する。
【0016】
ステップ607では、図5に示すように、該製造装置の裁断機構86が、等間隔で包装部材80に対して横方向の裁断処理を行った後、連続して複数の包装袋87が仕上げられ、かつ、各包装袋87の外面又は裏面の所定位置に無線ICタグ70が確実に取り付けられる。
従って、業者は本実施形態によって、包装袋を製造すると同時に、包装袋87の裏面又は外面に無線ICタグ70を作ることができる。生産プロセスが単純、高速で製造と加工コストが大幅に軽減できるほか、無線ICタグ70が各包装袋87の裏面又は外面に取り付けられているため、製品又は包装袋87の外観が損なわれない。また、無線ICタグ70は包装袋87により保護されているため、充填及び搬送中に破損することがない。本実施形態によって、無線ICタグ70に最適な保護と製品の識別効果を与えることができる。設計また製造業者は、包装袋87に無線ICタグを取り付ける必要がある商品を入れて、商品の無線ICタグより提供されたデータ情報によって、商品の生産、輸送、倉庫保管、販売ないし返品処理、アフターサービスなどを管理することができ、物流管理効率を確実に向上させ、物流管理の販売管理費が大幅に軽減できる。
【0017】
前記した説明は本発明の一実施形態にすぎない。本発明を実施するときはこれに限ることなく、本発明にかかる方法は2層又はそれ以上の包装部材を適用してもよい。すなわち、図5と図9に示す通り、2層の包装部材(第1層包装部材91及び第2層包装部材92)で包装袋87を生産する場合は図3に示す手順に従い、無線ICタグ70を第2層包装部材92に貼り付けた後、タグ取付機構83を駆動し、融合技術(高周波融合金型又は熱融合)により、無線ICタグ70に受発信アンテナ及びチップが敷設されていない基材と、第2層包装部材92とを融合させ、製造装置8の第1端部シール機構84と第2端部シール機構85とによって、第1層包装部材91と第2層包装部材92の二つの対称端部に対して、順番に縦方向と横方向の端部シール処理を施す。従って、第1層包装部材91と第2層包装部材92とは縦方向と横方向がシールされて、複数の包装袋半製品になる。最後は裁断機構86により等間隔にて、第1層包装部材91と第2層包装部材92との横方向の裁断処理をした後、連続した複数の包装袋87が出来上がる。かつ、各包装袋87の内側表面の所定位置に、それぞれ一つの無線ICタグ70が確実に取り付けられる。
【0018】
また、同じく、図5と図10に示す通り、4層の包装部材(第1層包装部材101、第2層包装部材102、第3層包装部材103及び第4層包装部材104)で包装袋87を生産する場合にも、図3に示す手順に従い、無線ICタグ70を第2層包装部材102に貼り付けた後、タグ取付機構83を駆動して、融合技術で無線ICタグ70に受発信アンテナ及びチップが敷設されていない基材と、第2層包装部材102とを融合させ、製造装置8の第1端部シール機構84と第2端部シール機構85とによって、融合技術で第1層包装部材101、第2層包装部材102、第3層包装部材103及び第4層包装部材104の二つの対称端部に対して、順番に縦方向と横方向の端部シール処理を施してもよい。そして、第1層包装部材101、第2層包装部材102、第3層包装部材103及び第4層包装部材104は縦方向と横方向がシールされて、複数の包装袋半製品になる。最後は裁断機構86によって等間隔で、第1層包装部材101、第2層包装部材102、第3層包装部材103及び第4層包装部材104の横方向の裁断処理をした後、連続した複数の包装袋87ができあがる。かつ、各包装袋87の内側表面の所定位置にそれぞれ一つの無線ICタグ70が確実に取り付けられる。なお、図9と図10に示す実施形態において、無線ICタグ70を包装袋87裏面に取り付けることを例示した。ただし、本発明を実施する場合はこれに限ることなく、無線ICタグ70を包装袋87の外面に取り付けても良い。
【0019】
図5及び図6に示すように、本発明の一実施形態による包装袋の無線ICタグ製造装置8は、少なくともタグ剥離機構81、タグ転写機構82、タグ取付機構83、タグ折り返し機構(従来技術の機構である。本発明の特許請求対象でないため、図示していない。)、第1端部シール機構84、第2端部シール機構85及び裁断機構86を具備する。
タグ剥離機構81は複数のローラー811、812、813と、一つの仕切板814とからなる。ローラー811、812、813はタグリール7の離型紙71を、仕切板814の片側に誘導し、離型紙71を製造装置8内部の包装部材80の輸送方向に従って移動させ、包装部材80の一面に近づいたときに、離型紙71を仕切板814の他面に誘導して、離型紙71を包装部材80の輸送方向と逆方向に移動させる。従って、離型紙71上に等間隔で縦方向に配列された無線ICタグ70は離型紙71が瞬間に移動方向を変更することにより、離型紙71から剥離され、引き続き包装部材80の輸送方向に従って移動する。
【0020】
タグ転写機構82は制止ローラー821と駆動素子822とからなる。制止ローラー821は仕切板814付近の端部位置に取り付けられて、かつ、駆動素子822の制御を受けて、間欠運動をする。無線ICタグ70が離型紙71から剥離された時、制止ローラー821は移動して、無線ICタグ70の上表面に寄り掛かる。それによって、無線ICタグ70の下表面にあるグルー701は制止ローラー821の押圧動作により、包装部材80の一表面に貼り付けられる。
【0021】
タグ取付機構83は融合金型831(高周波融合金型又は熱融合金型など)と、成型板832とからなる。融合金型831は成型板832との対称位置に取り付けられて、融合金型831と成型板832との間に通る包装部材80と、無線ICタグ70に受発信アンテナとチップとが設けられていない基材とを融合する。無線ICタグ70は等間隔で縦方向に配列され、包装部材80の一表面の所定位置に取り付けられる。
【0022】
該折り返し機構は包装部材80を該成型板の両側に折り返す。図7と図8とに示すように、包装部材80の二つの対称端部801は交互に交差して畳む状態になる。包装部材80の、無線ICタグ70が貼り付けられた一表面は包装部材の表面又は裏面に折り返される。
第1シール機構84と該第2シール機構85とは、前述した通り、融合技術により包装部材80を上折り返して交互に折り畳む端部801に対して、連続的に複数の包装袋半製品が出来上るように、縦方向と横方向との端部シール処理を施す。それによって、各包装袋の表面又は裏面の所定位置に、それぞれ一つの無線ICタグ70は確実に取り付けられる。
裁断機構86は連続的に複数の包装袋87が生み出されるように、当該縦方向につらなる包装袋半製品を一つ一つ裁断する。それで、各包装袋87の外面又は裏面の所定位置に、それぞれ一つの無線ICタグ70が確実に取り付けられる。
【0023】
本実施形態にかかる包装袋の製造装置8において、タグ剥離機構81、タグ転写機構82及びタグ取付機構83以外の機構(折り返し機構、第1端部シール機構84、第2端部シール機構85及び裁断機構86)は、1層の包装部材(図7及び図8参照)、2層の包装部材(図9参照)又は2層以上の包装部材(図10参照)に従い、それぞれ構造は異なる。ただし、上述した機構、即ち、折り返し機構、第1端部シール機構84、第2端部シール機構85及び裁断機構86は従来技術の包装袋の製造装置の部品として、広く使用されている。よって、本実施形態は従来技術の包装袋の製造装置に対して、タグ剥離機構81、タグ転写機構82及びタグ取付機構83の増設にとどめ、従来の包装袋の製造装置の折り返し機構、第1端部シール機構84、第2端部シール機構85及び裁断機構86の設計を、変更する必要がない。従って、最小の製造コストと最短の改造期間で、本実施形態にかかる包装袋の製造装置を仕上げることができる。また、一貫生産方式にて、包装袋を製造すると同時に、包装袋裏面又は外面の所定位置に、容易に無線ICタグが作られる。
上述したのは本発明にかかる実施形態である。ただし、本発明は前記の例に限られるものではない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、本発明に基づいて、容易に完成することができるものはなお本発明の特許請求範疇に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来の無線ICタグの生産プロセスを示す模式図である。
【図2】従来の包装部材の構造を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態による包装袋の無線ICタグ製造方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態による包装袋の無線ICタグ製造装置のタグリールを示す模式図である。
【図5】本発明の一実施形態による包装袋の無線ICタグ製造装置を示す模式図である。
【図6】本発明の一実施形態による包装袋の無線ICタグ製造装置の一部を示す模式図である。
【図7】本発明の一実施形態による包装袋の無線ICタグ製造方法において、包装部材が端部シール可能な筒状に形成された状態を示す模式図である。
【図8】本発明の一実施形態による包装袋の無線ICタグ製造方法において、包装部材が中央シール可能な筒状に形成された状態を示す模式図である。
【図9】本発明の一実施形態による包装袋の無線ICタグ製造方法において、二層の包装部材を用いた包装袋の製造過程を示す模式図である。
【図10】本発明の一実施形態による包装袋の無線ICタグ製造方法において、四層の包装部材を用いた包装袋の製造過程を示す模式図である。
【符号の説明】
【0025】
7:タグリール、70:無線ICタグ、71:離型紙、72:リール、701:グルー、8:製造装置、80:包装部材、801:端部、81:タグ剥離機構、811、812、813:ローラー、814:仕切板、82:タグ転写機構、821:制止ローラー、822:駆動素子、83:タグ取付機構、831:融合金型、832:成型板、84:第1端部シール機構、85:第2端部シール機構、86:裁断機構、87:包装袋、91、101:第1層包装部材、92、102:第2層包装部材、103:第3層包装部材、104:第4層包装部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線ICタグが、それぞれ等間隔に長軸方向に配列されるように、細長い離型紙に貼り付けられ、前記離型紙をリールに巻き付けてタグリールに仕上げるステップと、
前記タグリールを包装袋の成型装置に取り付けて、前記離型紙を前記成型装置内部の包装部材の輸送方向に従って移動させ、前記タグが前記包装部材の一表面に近づいたとき、前記離型紙の移動方向を変えて、前記離型紙を前記包装部材の輸送方向と逆方向に移動させ、前記無線ICタグは前記離型紙の瞬間的な移動方向変更により、前記離型紙より剥離され、引き続き前記包装部材の輸送方向に従って移動するステップと、
前記離型紙より剥離された前記無線ICタグに対し、間欠的に圧力を加えて、前記無線ICタグを下表面のグルーによって、前記包装部材の一表面に貼り付けるステップと、
融合技術により、前記無線ICタグの受発信アンテナ及びチップが敷設されていない基材と前記包装部材とを融合し、前記無線ICタグをそれぞれ等間隔にて、長手方向に配列させ、前記包装部材の一表面の所定位置に貼り付けるステップと、
前記包装部材を折り返し、端部シール処理及び裁断処理を行った後、複数の包装袋を仕上げ、前記各包装袋の外面又は裏面の所定位置に一つの前記無線ICタグを取り付けるステップと、
を含むことを特徴とする包装袋の無線ICタグ製造方法。
【請求項2】
前記包装部材はPE又はPPを含む透明又は不透明フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の包装袋の無線ICタグ製造方法。
【請求項3】
前記包装部材はフィルムであって、少なくとも表面材、底材及び接着剤を備え、前記接着剤は一層のグルーであって、前記表面材と前記底材とを一体化して結合することを特徴とする請求項1に記載の包装袋の無線ICタグ製造方法。
【請求項4】
前記表面材はOPP又はPETを含むプラスチック製の透明又は不透明フィルムであり、前記底材はPE又はPPを含むプラスチック製の透明又は不透明フィルムであることを特徴とする請求項3に記載の包装袋の無線ICタグ製造方法。
【請求項5】
前記表面材は織物で仕上げられたシートであり、前記底材はPE又はPPを含むプラスチック製の透明又は不透明フィルムであることを特徴とする請求項3に記載の包装袋の無線ICタグ製造方法。
【請求項6】
前記表面材は紙で仕上げられたシートであり、前記底材はPE又はPPを含むプラスチック製の透明又は不透明フィルムであることを特徴とする請求項3に記載の包装袋の無線ICタグ製造方法。
【請求項7】
複数の無線ICタグが、それぞれ等間隔に長軸方向に配列されるように、細長い離型紙に貼り付けられ、前記離型紙をリールに巻き付けてタグリールに仕上げるステップと、
前記タグリールを包装袋の成型装置に取り付けて、前記離型紙を前記成型装置内部の第1層包装部材の輸送方向に従って移動させ、前記タグが前記第1層包装部材の裏面に近づいたとき、前記離型紙の移動方向を変えて、前記離型紙を前記第1層包装部材の輸送方向と逆方向に移動させ、前記無線ICタグは前記離型紙の瞬間的な移動方向変更により、前記離型紙より剥離され、引き続き前記第1層包装部材の輸送方向に従って移動するステップと、
前記離型紙より剥離された前記無線ICタグに対し、間欠的に圧力を加えて、前記無線ICタグを下表面のグルーによって、前記第1層包装部材の一表面に貼り付けるステップと、
融合技術により、前記無線ICタグの受発信アンテナ及びチップが敷設されていない基材と前記第1層包装部材とを融合し、前記無線ICタグをそれぞれ等間隔にて、長軸方向に配列させ、前記第1層包装部材の一表面の所定位置に貼り付けるステップと、
前記第1層包装部材を折り返し、端部シール処理及び裁断処理を行った後、複数の包装袋を仕上げ、前記各包装袋の外面又は裏面の所定位置に一つの前記無線ICタグを取り付けるステップと、
を含むことを特徴とする包装袋の無線ICタグ製造方法。
【請求項8】
前記包装部材はPE又はPPを含む透明又は不透明フィルムであることを特徴とする請求項7に記載の包装袋の無線ICタグ製造方法。
【請求項9】
前記第1層包装部材と第2層包装部材はフィルムであって、少なくとも表面材、底材及び接着剤を備え、前記接着剤は一層のグルーであって、前記表面材と前記底材を一体化して結合することを特徴とする請求項7に記載の包装袋の無線ICタグ製造方法。
【請求項10】
前記表面材はOPP又はPETを含むプラスチック製の透明又は不透明フィルムであり、前記底材はPE又はPPを含むプラスチック製の透明又は不透明フィルムであることを特徴とする請求項9に記載の包装袋の無線ICタグ製造方法。
【請求項11】
前記表面材は織物で仕上げられたシートであり、前記底材はPE又はPPを含むプラスチック製の透明又は不透明フィルムであることを特徴とする請求項9に記載の包装袋の無線ICタグ製造方法。
【請求項12】
前記表面材は紙で仕上げられたシートであり、前記底材はPE又はPPを含むプラスチック製の透明又は不透明フィルムであることを特徴とする請求項9に記載の包装袋の無線ICタグ製造方法。
【請求項13】
複数のローラーと一つの仕切板とから構成され、前記ローラーはタグリールの離型紙を前記仕切板の一側面に誘導し、前記離型紙を前記成型装置内部の包装部材の輸送方向に従って移動させ、かつ、前記包装部材の一表面に近づいたとき、前記離型紙を前記仕切板の他面に誘導し、前記離型紙を前記包装部材の輸送方向と逆方向に移動させ、前記離型紙上に等間隔に長軸方向に配列する無線ICタグを、前記離型紙の瞬間的な移動方向変更により前記離型紙より剥離させ、前記包装部材の輸送方向に従って移動させるタグ剥離機構と、
制止ローラーと駆動素子とから構成され、前記制止ローラーは前記仕切板付近部の端部位置に取り付けられて、前記駆動素子の制御により一定の間欠運動をし、前記無線ICタグを前記離型紙より剥離したとき、移動して前記無線ICタグの上表面に寄り掛かり、前記無線ICタグ下表面に備えたグルーを前記制止ローラーの力量により、前記包装部材の一表面に貼り付けるタグ転写機構と、
融合金型と成型板とから構成され、前記融合金型は前記成型板との対称位置に取り付けられて、前記融合金型及び前記成型板の間を通過する前記包装部材と、前記無線ICタグ上に受発信アンテナ及びチップが設けられていない基材とを融合し、前記無線ICタグを等間隔で長軸方向に配列して、前記包装部材の一表面の所定位置に取り付けるタグ取付機構と、
前記包装部材に備える二つの端部を交互に交差して畳む状態に折り返して、前記包装部材の前記無線ICタグを貼り付けた一表面を包装袋の裏面に折り返す折り返し機構と、
融合技術を用いて、前記包装部材の端部のシール処理を施し、前記包装部材を長軸方向に連続した複数の包装袋に仕上げ、かつ、前記各包装袋の外面又は裏面の所定位置にそれぞれ一つの無線ICタグを仕上げる端部シール機構と、
等間隔にて、前記包装部材の短軸方向の裁断を行い、長軸方向に連なる前記包装袋を一つ一つに裁断して、複数の包装袋を仕上げる裁断機構と、
を備えることを特徴とする包装袋の無線ICタグ製造装置。
【請求項14】
前記折り返し機構は、前記包装部材の二つの端部を長軸方向に端部シール処理可能な筒状の包装部材に折り返すことを特徴とする請求項13に記載の包装袋の無線ICタグ製造装置。
【請求項15】
前記折り返し機構は、前記包装部材の二つの端部を長軸方向に中央部シール処理可能な筒状の包装部材に折り返すことを特徴とする請求項13に記載の包装袋の無線ICタグ製造装置。
【請求項16】
前記シール機構は、第1端部シール機構と第2端部シール機構とを有し、
前記第1シール機構は、融合技術により、前記包装部材を交互に交差して畳む状態に折り返して、長軸方向の端部シール処理を行い、
前記第2シール機構は、融合技術により、等間隔にて前記筒状の包装部材の短軸方向の端部シール処理を行い、前記筒状の包装部材を複数の長軸方向に連なる包装袋に仕上げることを特徴とする請求項14又は15に記載の包装袋の無線ICタグ製造装置。
【請求項17】
複数のローラーと一つの仕切板とから構成され、前記ローラーはタグリールの離型紙を前記仕切板の一側面に誘導して、前記離型紙を前記成型装置内部の第1層包装部材の輸送方向に従って移動させ、かつ、前記第1層包装部材の一表面に近づいたとき、前記離型紙を前記仕切板の他面に誘導して、前記離型紙を前記第1層包装部材の輸送方向と逆方向に移動させ、前記離型紙上に等間隔に長軸方向に配列する無線ICタグを、前記離型紙の瞬間的な移動方向変更により前記離型紙より剥離させ、前記第1層包装部材の輸送方向に従って移動させるタグ剥離機構と、
制止ローラーと駆動素子とから構成され、前記制止ローラーは前記仕切板付近部の端部位置に取り付けられて、前記駆動素子の制御により一定の間欠運動をし、前記無線ICタグを前記離型紙より剥離したとき、移動して前記無線ICタグの上表面に寄り掛かり、前記無線ICタグ下表面に備えたグルーを前記制止ローラーの力量により、前記第1層包装部材の一裏面に貼り付けるタグ転写機構と、
融合金型と成型板とから構成され、前記融合金型は前記成型板との対称位置に取り付けられて、前記融合金型及び前記成型板の間を通過する前記第1層包装部材と、前記無線ICタグ上に受発信アンテナ及びチップが設けられていない基材とを融合し、前記無線ICタグを等間隔で長軸方向に配列して、前記第1層包装部材の一裏面の所定位置に取り付けるタグ取付機構と、
融合技術により前記第1層包装部材及び少なくとも一つの第2層包装部材の端部をシールして、前記第1層包装部材及び前記第2層包装部材上に複数の包装袋を連続して仕上げ、かつ、前記各包装袋の裏面又は外面の所定位置にそれぞれ一つの無線ICタグを取り付ける端部シール機構と、
等間隔にて、前記包装部材の短軸方向の裁断を行い、長軸方向に連なる前記包装袋を一つ一つに裁断して、複数の包装袋を仕上げる裁断機構と、
を備えることを特徴とする包装袋の無線ICタグ製造装置。
【請求項18】
前記端部シール機構は、第1端部シール機構と第2端部シール機構とを備え、
前記第1シール機構は、融合技術により、前記第1層包装部材及び前記第2層包装部材の二つの対応する端部に長軸方向のシール処理を行い、
前記第2シール機構は、融合技術により、等間隔にて前記第1層包装部材と前記第2層包装部材とに対して短軸方向のシール処理を行い、前記第1層包装部材と前記第2層包装部材とを複数の長軸方向の連なる包装袋に仕上げることを特徴とする請求項17に記載の包装袋の無線ICタグ製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−126179(P2009−126179A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260378(P2008−260378)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(508296716)台灣積▲層▼工業股▲分▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】