説明

化合物及びその使用

本発明は、以下の構造式I:
【化1】


を有する新規化合物、及びそれらの薬学的に許容しうる塩又は互変異性体、組成物及びそれらの使用に関する。これらの新規な化合物は、統合失調症及び他の精神病性障害、痴呆及び他の認知障害、不安障害、気分障害、睡眠障害、通常乳児期、小児期、若しくは青年期に最初に診断される障害、及び神経変性障害に関連する少なくとも1つの症状又は状態の処置又は予防を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの新規な誘導体、それを含有する医薬組成物、それを製造する方法、並びに統合失調症及び他の精神病性障害(例えば、精神病性障害、精神病)、痴呆及び他の認知障害、不安障害(例えば、全般性不安障害)、気分障害(例えば、抑うつ障害、大うつ病性障害、双極性I型及びII型、双極性躁病(bipolar mania)、双極性うつ病(bipolar depression)を含む双極性障害)、睡眠障害、通常乳児期、小児期、若しくは青年期に最初に診断される障害(例えば、注意欠陥障害及び破壊的行動障害)、並びに神経変性障害に関連する少なくとも1つの症状又は状態を処置する方法であって、哺乳動物に治療有効量の本発明の化合物を投与することからなる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
抗精神病薬開発の目標の一つは、一般的により古い抗精神病薬より付随する副作用が少なく、より増大した有効性及び安全性を有する薬剤を開発することである。特許文献1に記載されるクエチアピン(Quetiapine)は、精神病の陽性症状(幻覚、妄想)及び陰性症状(感情的引きこもり、感情鈍麻)の両方のための処置として、さらに反抗及び攻撃性の低減のための処置として有効であることが示されている。非特許文献1。クエチアピンはまた、より古い薬剤と比較して、付随する神経及び内分泌関連の副作用が少ない。特に、EPS、急性ジストニア、急性ジスキネジー、さらに遅発性ジスキネジーのような副作用はあまり見られない。クエチアピンはまた、患者の処置の遵守、機能する能力を高め、そして常習性を低減しながら生活の全体的な質を高めるために役立つ。非特許文献2。クエチアピンの増強された忍容性プロファイルのために、抗精神病薬の副作用に対して過敏な患者(例えば、高齢の患者)の処置においてその使用は特に有利である。クエチアピン代謝は、非特許文献3において報告されており、化合物11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン (「PDBTZ」以下の式を参照のこと)に至るN−脱アルキル化経路を提案している。この化合物は、E. Warawaらによる非特許文献4及び特許文献1でも報告されている。現在では、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンがヒトにおけるクエチアピンの循環代謝産物であることが知られている。
【0003】
【化1】

【0004】
薬物及びそれらの代謝産物を、生物学的バリアを通る、より良好な輸送を可能にする改善された生理化学的特性を有する易変性の誘導体(プロドラッグ)に化学的に改変することは、薬物送達を改善するために有用なアプローチである。例えば、非特許文献5を参照のこと。第二級アミンのpKaは、一般的に10〜11.2の範囲である。pH7.2の腸管中では、これらのアミンの1パーセントのうち10分の1しか非荷電形態ではない。これらのアミンを含む薬物の非荷電形態のみがリン脂質二重層を通って拡散し得るということが一般的に受け入れられている。従って、これらの薬物は胃で吸収できず、腸管では不十分にしか吸収されないことが明らかである。さらに、これらのアミンは、一般的にすぐれた求核試薬であり、分子中に不安定な基が存在する際に化学的不安定性の問題も生じ得る。従って、吸収及び不安定性の問題を回避するようなこれらのアミンのプロドラッグを製造する必要性がある。第二級アミンのカルバメートプロドラッグが化学的に安定であり、容易にかつ定量的にエステラーゼにより加水分解されて(hydroglyzed)親アミンを放出することが報告されている。非特許文献6を参照のこと。さらに、第二級アミンの薬物は、これらの目的のために過去にアミド類、エナミン類及びMannich塩基のようなプロドラッグに変換されている。例えば、非特許文献7; 非特許文献8; 非特許文献9;及び非特許文献10を参照のこと
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,879,288号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】J. Goldstein、Quetiapine Fumarate (Seroquel): a new atypical antipsychotic、35(3) Drugs of Today 193−210 (1999)
【非特許文献2】P. Weidenら、Atypical antipsychotic drugs and long−term outcome in schizophrenia、11 J. Clin. Psychiatry、53−60、57 (1996)
【非特許文献3】C. L. Devaneら Clin. Pharmacokinet.、40(7)、509−522 (2001)
【非特許文献4】「Behavioral approach to nondyskinetic dopamine antagonists: identification of Seroquel,」44 J. Med. Chem.、372−389 (2001)
【非特許文献5】Alexanderら、J. Med. Chem.、1988、31、318−322
【非特許文献6】Linら、Biorganic and Medicinal Chemistry Letters、1997、7、2909−2912
【非特許文献7】Kynclら、Adv. Biosci.、1979、20、369
【非特許文献8】Cadwellら、J. Pharm. Sci.、1971、60、1810
【非特許文献9】Bundgaardら、J. Pharm. Sci.、1980、69、44
【非特許文献10】Firestoneら、J. Med. Chem.、1984、27、1037
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば既存の形態より改善された特性を有する薬学的に活性な化合物及び組成物は常に求められているので、既存の薬物分子及びそれらの活性な循環代謝産物の改善された形態についての継続した必要性が存在する。本明細書中に記載される11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンの新規な誘導体は、この目的及び他の目的に対して進められたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
構造式I:
【化2】

[式中、
1は、1、2、3、4、又は5つのR2でそれぞれ場合により置換される、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルであり;
2はそれぞれ独立して、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、ORa、SRa、C(=O)Rb、C(=O)NRcd、C(=O)ORa、OC(=O)R3、OC(=O)NRcd、NRcd、NRcC(=O)Rb、NRcC(=O)ORa、NRcS(=O)2b、S(=O)Rb、S(=O)NRcd、S(=O)2b、又はS(=O)2NRcdであり、ここでC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、1、2、3、4、又は5つのR4で場合により置換され;
【0009】
3はそれぞれ独立して、H、C1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルであり、ここでC1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、1、2、3、4、又は5つのR5で場合により置換され;
4はそれぞれ独立して、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、CN、NO2、ORa'、SRa'、C(=O)Rb'、C(=O)NRc'd'、C(=O)ORa'、OC(=O)Rb'、OC(=O)NRc'd'、NRc'd'、NRc'C(=O)Rb'、NRc'C(=O)ORa'、NRc'S(=O)2b'、S(=O)Rb'、S(=O)NRc'd'、S(=O)2b'、又はS(=O)2NRc'd'であり;
5はそれぞれ独立して、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、CN、NO2、ORa'、SRa'、C(=O)Rb'、C(=O)NRc'd'、C(=O)ORa'、OC(=O)Rb'、OC(=O)NRc'd'、NRc'd'、NRc'C(=O)Rb'、NRc'C(=O)ORa'、NRc'S(=O)2b'、S(=O)Rb'、S(=O)NRc'd'、S(=O)2b'、又はS(=O)2NRc'd'であり;
【0010】
a及びRa'はそれぞれ独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルより選択され、ここで該C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、OH、C1-6アルコキシ、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-8ジアルキルアミノ、NHC(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、ハロ、CN、NO2、C(=O)OH、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルで場合により置換され;
【0011】
b及びRb'はそれぞれ独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルより選択され、ここで該C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、OH、C1-6アルコキシ、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-8ジアルキルアミノ、NHC(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、ハロ、CN、NO2、C(=O)OH、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルで場合により置換され;
【0012】
c及びRdはそれぞれ独立して、H、C1-10アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルより選択され、ここで該C1-10アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、OH、C1-6アルコキシ、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-8ジアルキルアミノ、NHC(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、ハロ、CN、NO2、C(=O)OH、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルで場合により置換され;
又はRc及びRdは、それらが結合しているN原子とともに、4員、5員、6員、若しくは7員のヘテロシクロアルキル基を形成し;そして
【0013】
c'及びRd'はそれぞれ独立して、H、C1-10アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルより選択され、ここで該C1-10アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、OH、C1-6アルコキシ、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-8ジアルキルアミノ、NHC(=
O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、ハロ、CN、NO2、C(=O)OH、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルで場合により置換され;
又はRc'及びRd'は、それらが結合しているN原子とともに、4員、5員、6員、若しくは7員のヘテロシクロアルキル基を形成する]
の新規化合物又はその薬学的に許容しうる塩若しくは互変異性体が本明細書で提供される。
【0014】
本発明はさらに、本明細書に記載される式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩を含有する組成物を提供する。いくつかの実施態様において、本組成物は薬学的に許容しうる担体又は賦形剤を含む。さらなる実施態様において、本組成物は、少なくとも1種の、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aリガンド、5−HT1Bリガンド、5−HT1Dリガンド、mGluR2Aアゴニスト、mGluR5アンタゴニスト、抗精神病薬、NK1受容体アンタゴニスト、抗うつ薬、又はセロトニン再取り込み阻害剤を含む。
【0015】
本発明はさらに、統合失調症及び他の精神病性障害(例えば、精神病性障害、精神病)、痴呆及び他の認知障害、不安障害(例えば、全般性不安障害)、気分障害(例えば、抑うつ障害、大うつ病性障害、双極性I型及びII型、双極性躁病(bipolar mania)、双極性うつ病(bipolar depression)を含む双極性障害)、睡眠障害、通常乳児期、小児期、若しくは青年期に最初に診断される障害(例えば、注意欠陥障害及び破壊的行動障害)、並びに神経変性障害に関連する少なくとも1つの症状又は状態を処置する方法を提供し、この方法は、哺乳動物に治療有効量の本発明の化合物を投与することからなる。
【0016】
本発明はさらに、本明細書で提供される症状または状態の処置における使用のための本発明の化合物を提供する。
【0017】
本発明はさらに、本明細書に提供される症状又は状態の処置のための医薬の製造における使用のための本発明の化合物を提供する。
【0018】
本発明はさらに、本明細書に記載される式の化合物を製造する方法を提供する。
【0019】
本発明はさらに、哺乳動物に、本明細書に記載される式の化合物を投与することにより11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを送達する方法を提供する。
【0020】
実施態様の詳細な説明
構造式I:
【化3】

[式中、
1は、1、2、3、4、又は5つのR2でそれぞれ場合により置換される、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルであり;
2はそれぞれ独立して、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、ORa、SRa、C(=O)Rb、C(=O)NRcd、C(=O)ORa、OC(=O)R3、OC(=O)NRcd、NRcd、NRcC(=O)Rb、NRcC(=O)ORa、NRcS(=O)2b、S(=O)Rb、S(=O)NRcd、S(=O)2b、又はS(=O)2NRcdであり、ここでC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、1、2、3、4、又は5つのR4で場合により置換され;
【0021】
3はそれぞれ独立して、H、C1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルであり、ここでC1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、1、2、3、4、又は5つのR5で場合により置換され;
4はそれぞれ独立して、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、CN、NO2、ORa'、SRa'、C(=O)Rb'、C(=O)NRc'd'、C(=O)ORa'、OC(=O)Rb'、OC(=O)NRc'd'、NRc'd'、NRc'C(=O)Rb'、NRc'C(=O)ORa'、NRc'S(=O)2b'、S(=O)Rb'、S(=O)NRc'd'、S(=O)2b'、又はS(=O)2NRc'd'であり;
5はそれぞれ独立して、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、CN、NO2、ORa'、SRa'、C(=O)Rb'、C(=O)NRc'd'、C(=O)ORa'、OC(=O)Rb'、OC(=O)NRc'd'、NRc'd'、NRc'C(=O)Rb'、NRc'C(=O)ORa'、NRc'S(=O)2b'、S(=O)Rb'、S(=O)NRc'd'、S(=O)2b'、又はS(=O)2NRc'd'であり;
【0022】
a及びRa'はそれぞれ独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルより選択され、ここで該C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、OH、C1-6アルコキシ、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-8ジアルキルアミノ、NHC(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、ハロ、CN、NO2、C(=O)OH、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルで場合により置換され;
【0023】
b及びRb'はそれぞれ独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルより選択され、ここで該C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、OH、C1-6アルコキシ、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-8ジアルキルアミノ、NHC(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、ハロ、CN、NO2、C(=O)OH、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルで場合により置換され;
【0024】
c及びRdはそれぞれ独立して、H、C1-10アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルより選択され、ここで該C1-10アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、OH、C1-6アルコキシ、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-8ジアルキルアミノ、NHC(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、ハロ、CN、NO2、C(=O)OH、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルで場合により置換され;
又はRc及びRdは、それらが結合しているN原子とともに、4員、5員、6員、若しくは7員のヘテロシクロアルキル基を形成し;そして
【0025】
c'及びRd'はそれぞれ独立して、H、C1-10アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルより選択され、ここで該C1-10アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、OH、C1-6アルコキシ、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-8ジアルキルアミノ、NHC(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、ハロ、CN、NO2、C(=O)OH、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルで場合により置換され;
又はRc'及びRd'は、それらが結合しているN原子とともに、4員、5員、6員、若しくは7員のヘテロシクロアルキル基を形成する]
の新規化合物又はその薬学的に許容しうる塩が本明細書に提供される。
【0026】
いくつかの実施態様において、R1は、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、SH、−S−(C1-6アルキル)、C(=O)Rb、C(=O)NRcd、C(=O)ORa、OC(=O)R3、OC(=O)NRcd、NRcd、NRcC(=O)Rb、NRcC(=O)ORa、NRcS(=O)2b、S(=O)Rb、S(=O)NRcd、S(=O)2b、及びS(=O)2NRcdより独立して選択される1、2、3、4、又は5つの置換基でそれぞれ場合により置換される、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである。いくつかの実施態様において、R1は本明細書で定義されるその群の部分集合(subset)から選択される。いくつかの実施態様において、R1上の置換基は、本明細書で定義される置換基(substitution group)の部分集合より選択される。
【0027】
いくつかの実施態様において、R1は、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、SH、−S−(C1-6アルキル)、C(=O)Rb、C(=O)NRcd、C(=O)ORa、OC(=O)R3、OC(=O)NRcd、NRcd、NRcC(=O)Rb、NRcC(=O)ORa、NRcS(=O)2b、S(=O)Rb、S(=O)NRcd、S(=O)2b、及びS(=O)2NRcdより独立して選択される1、2、3、4、又は5つの置換基でそれぞれ置換される、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキ
ルアルキルである。
【0028】
いくつかの実施態様において、R1は、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、SH、−S−(C1-6アルキル)、C(=O)Rb、C(=O)NRcd、C(=O)ORa、OC(=O)R3、OC(=O)NRcd、NRcd、NRcC(=O)Rb、NRcC(=O)ORa、NRcS(=O)2b、S(=O)Rb、S(=O)NRcd、S(=O)2b、及びS(=O)2NRcdより独立して選択される1、2、又は3つの置換基でそれぞれ置換される、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである。
【0029】
いくつかの実施態様において、R1は、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-12ジアルキルアミノ、SH、−S−(C1-6アルキル)、C(=O)H、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)OH、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、OC(=O)H、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、OC(=O)NH2、OC(=O)NH(C1-6アルキル)、OC(=O)NH−(アリールアルキル)、OC(=O)N(C1-6アルキル)2、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、NHC(=O)−(アリール)、NHC(=O)−(アリールアルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(アリール)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)O−(アリールアルキル)、NHC(=O)O−(C1-6アルキル)、NHC(=O)O−(アリールアルキル)、NHC(=O)NH(C1-6アルキル)、NHC(=O)NH−(アリール)、NHC(=O)NH−(アリールアルキル)、NHC(=O)NH(C1-6アルキル)2、N(C1-6アルキル)C(=O)NH(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH−(アリール)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH−(アリールアルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH(C1-6アルキル)2、NHS(=O)2−(C1-6アルキル)、NHS(=O)2−(アリール)、NHS(=O)2−(アリールアルキル)、S(=O)2−(C1-6アルキル)、S(=O)2−(アリール)、S(=O)2−(アリールアルキル)、S(=O)2NH(C1-6アルキル)、S(=O)2NH(アリール)、及びS(=O)2NH(アリールアルキル)より独立して選択される1、2、3、4、又は5つの置換基でそれぞれ場合により置換される、C1-8アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである。
【0030】
いくつかの実施態様において、R1は、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-12ジアルキルアミノ、SH、−S−(C1-6アルキル)、C(=O)H、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)OH、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、OC(=O)H、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、OC(=O)NH2、OC(=O)NH(C1-6アルキル)、OC(=O)NH−(アリールアルキル)、OC(=O)N(C1-6アルキル)2、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、NHC(=O)−(アリール)、NHC(=O)−(アリールアルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(アリール)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)O−(アリールアルキル)、NHC(=O)O−(C1-6アルキル)、NHC(=O)O−(アリールアルキル)、NHS(=O)2−(C1-6アルキル)、NHS(=O)2−(アリール)、NHS(=O)2−(アリールアルキル)、S(=O)2−(C1-6アルキル)、S(=O)2−(アリール)、S(=O)2−(アリールアルキル)、S(=O)2NH(C1-6アルキル)、S(=O)2NH(アリール)、及びS(=O)2NH(アリールアルキル)より独立して選択される1、2、又は3つの置換基でそれぞれ場合により置換される、C1-8アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである。
【0031】
いくつかの実施態様において、R1は、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、及びC2-12ジアルキルアミノより独立して選択される1、2、又は3つの置換基でそれぞれ場合により置換される、C1-8アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである。
【0032】
いくつかの実施態様において、R1は、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、CN、NO2、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、及びC2-12ジアルキルアミノより独立して選択される1又は2つの置換基でそれぞれ場合により置換される、C1-8アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである。
【0033】
いくつかの実施態様において、R1は、CN、NO2、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、及びC2-12ジアルキルアミノより独立して選択される1又は2つの置換基でそれぞれ置換される、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである。
【0034】
いくつかの実施態様において、R1はC3-8アルキルである。いくつかのさらなる実施態様において、R1はtert−ブチルである。
【0035】
いくつかの実施態様において、R1は1個又はそれ以上のフルオロで置換されたC1-4アルキルである。いくつかの実施態様において、R1は1、2、3、4、又は5個のフルオロで置換されたC1-4アルキルである。いくつかの実施態様において、R1はCH2CF3である。いくつかの実施態様において、R1はC1-4ペルハロアルキルである。いくつかのさらなる実施態様において、R1はトリフルオロメチルである。
【0036】
いくつかの実施態様において、R1は場合によりハロで置換されたC1-4アルキル以外である。
【0037】
いくつかの実施態様において、R1は、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、及びC1-6ハロアルコキシより独立して選択される1、2、又は3つの置換基でそれぞれ場合により置換される、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルアルキルである。
【0038】
いくつかの実施態様において、R1は、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、及びC1-6ハロアルコキシより独立して選択される1、2、又は3つの置換基で場合により置換されるヘテロシクロアルキルアルキルである。いくつかのさらなる実施態様において、R1は(5−メチル−[1,3]ジオキソール−2−オン−4−イル)メチルである。
【0039】
いくつかの実施態様において、R1はOC(=O)R3で置換され、そして場合により1、2、3、又は4つのR2で置換されたC1-10アルキルである。
【0040】
いくつかの実施態様において、R1は−CH2−OC(=O)R3又は−CH(R2)−OC(=O)R3である。
【0041】
いくつかの実施態様において、R1は−CH2−OC(=O)R3である。いくつかのさらなる実施態様において、R1は−CH2−OC(=O)CH3又は−CH2−OC(=O)CH2CH3である。なおさらなる実施多様において、R1は−CH2−OC(=O)CH3である。
【0042】
いくつかの実施態様において、R1は−CH(R2)−OC(=O)R3である。いくつかの実施態様において、R1は−CH(CH3)−OC(=O)R3である。いくつかのさらなる実施態様において、R1は−CH(CH3)−OC(=O)CH3又は−CH(CH3)−OC(=O)CH2CH3である。なおさらなる実施態様において、R1は−CH(CH3)−OC(=O)CH3である。
【0043】
いくつかの実施態様において、R2はそれぞれ独立して、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-12ジアルキルアミノ、SH、−S−(C1-6アルキル)、C(=O)H、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)OH、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、OC(=O)H、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、OC(=O)NH2、OC(=O)NH(C1-6アルキル)、OC(=O)NH−(アリールアルキル)、OC(=O)N(C1-6アルキル)2、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、NHC(=O)−(アリール)、NHC(=O)−(アリールアルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(アリール)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)O−(アリールアルキル)、NHC(=O)O−(C1-6アルキル)、NHC(=O)O−(アリールアルキル)、NHC(=O)NH(C1-6アルキル)、NHC(=O)NH−(アリール)、NHC(=O)NH−(アリールアルキル)、NHC(=O)NH(C1-6アルキル)2、N(C1-6アルキル)C(=O)NH(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH−(アリール)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH−(アリールアルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH(C1-6アルキル)2、NHS(=O)2−(C1-6アルキル)、NHS(=O)2−(アリール)、NHS(=O)2−(アリールアルキル)、S(=O)2−(C1-6アルキル)、S(=O)2−(アリール)、S(=O)2−(アリールアルキル)、S(=O)2NH(C1-6アルキル)、S(=O)2NH(アリール)、又はS(=O)2NH(アリールアルキル)である。
【0044】
いくつかの実施態様において、R2はそれぞれ独立して、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、又はC2-12ジアルキルアミノである。いくつかのさらなる実施態様において、R2はそれぞれ独立して、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、又はC2-12ジアルキルアミノである。なおさらなる実施態様において、R2はそれぞれ独立して、C1-6アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、又はC1-6ハロアルコキシである。なおさらなる実施態様において、R2はそれぞれ独立して、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、又はC2-12ジアルキルアミノである。なおさらなる実施態様において、R2はそれぞれ独立して、C1-6アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、OH、C1-6アルコキシ、又はC1-6ハロアルコキシである。
【0045】
いくつかの実施態様において、R3は、H、C1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルであり、ここでC1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-12ジアルキルアミノ、SH、−S−(C1-6アルキル)、C(=O)H、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)OH、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、OC(=O)H、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、OC(=O)NH2、OC(=O)NH(C1-6アルキル)、OC(=O)NH−(アリールアルキル)、OC(=O)N(C1-6アルキル)2、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、NHC(=O)−(アリール)、NHC(=O)−(アリールアルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(アリール)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)O−(アリールアルキル)、NHC(=O)O−(C1-6アルキル)、NHC(=O)O−(アリールアルキル)、NHC(=O)NH(C1-6アルキル)、NHC(=O)NH−(アリール)、NHC(=O)NH−(アリールアルキル)、NHC(=O)NH(C1-6アルキル)2、N(C1-6アルキル)C(=O)NH(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH−(アリール)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH−(アリールアルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH(C1-6アルキル)2、NHS(=O)2−(C1-6アルキル)、NHS(=O)2−(アリール)、NHS(=O)2−(アリールアルキル)、S(=O)2−(C1-6アルキル)、S(=O)2−(アリール)、S(=O)2−(アリールアルキル)、S(=O)2NH(C1-6アルキル)、S(=O)2NH(アリール)、及びS(=O)2NH(アリールアルキル)より独立して置換される1、2、3、4、又は5つの置換基で場合により置換される。
【0046】
いくつかの実施態様において、R3は、H、C1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルであり、ここでC1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルは、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、及びC2-12ジアルキルアミノより独立して選択される1、2、又は3つの置換基でそれぞれ場合により置換される。
【0047】
いくつかの実施態様において、R3は、H、C1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである。
【0048】
いくつかの実施態様において、R3は、C1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである。
【0049】
いくつかの実施態様において、R3は、C1-10アルキル又はC1-10ハロアルキルである。いくつかのさらなる実施態様において、R3はC1-3アルキルである。さらに他の実施態様において、R3はメチル又はエチルである。さらに他の実施態様においいて、R3はメチルである。
【0050】
いくつかの実施態様において、R3は、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、及びC1-6ハロアルコキシより独立して選択される1、2、又は3つの置換基でそれぞれ場合により置換される、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルアルキルである。
【0051】
いくつかの実施態様において、R3は、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、及びC1-6ハロアルコキシより独立して選択される1、2、又は3つの置換基で場合により置換されるヘテロシクロアルキルである。いくつかのさらなる実施態様において、R3は5−メチル−[1,3]ジオキソール−2−オン−4−イルである。
【0052】
いくつかの実施態様において、R1、R2、R3、R4、及びR5はそれぞれ独立して、それぞれ本明細書において定義されるその群のあらゆる部分集合より選択される。いくつかの実施態様において、R1、R2、R3、R4、及びR5のそれぞれの置換基は、本明細書に
おいて定義されるそれらの対応する群のいずれかの部分集合から独立して選択される。
【0053】
本出願において記載される定義は、本出願を通して使用される用語を明確にすることを意図している。用語「本明細書において」は、出願全体を意味する。
【0054】
本出願において使用される、用語「場合により置換される」は本明細書において使用される場合、置換が任意であり、従って指定された原子又は部分が非置換であることも可能であるということを意味する。置換が望ましい場合、そのような置換は、指定された原子又は部分上のあらゆる数の水素が示された群から選択されたもので置き換えられることを意味するが、ただし指定された原子又は部分の通常の原子価は超えず、そしてその置換は安定な化合物を生じる。例えば、メチル基(すなわち、CH3)が場合により置換される場合、炭素原子上の3つの水素を置き換えることができる。適切な置換基の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない: ハロゲン、CN、NH2、OH、SO、SO2、COOH、OC1-6アルキル、CH2OH、SO2H、C1-6アルキル、OC1-6アルキル、C(=O)C1-6アルキル、C(=O)O−C1-6アルキル、C(=O)NH2、C(=O)NHC1-6アルキル、C(=O)N(C1-6アルキル)2、SO21-6アルキル、SO2NH−C1-6アルキル、SO2N(C1-6アルキル)2、NH(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)2、NHC(=O)C1-6アルキル、NC(=O)(C1-6アルキル)2、アリール、O−アリール、C(=O)−アリール、C(=O)O−アリール、C(=O)NH−アリール、C(=O)N(アリール)2、SO2−アリール、SO2NH−アリール、SO2N(アリール)2、NH(アリール)、N(アリール)2、NC(=O)アリール、NC(=O)(アリール)2、ヘテロシクリル、O−ヘテロシクリル、C(=O)−ヘテロシクリル、C(=O)O−ヘテロシクリル、C(=O)NH−ヘテロシクリル、C(=O)N(ヘテロシクリル)2、SO2−ヘテロシクリル、SO2NH−ヘテロシクリル、SO2N(ヘテロシクリル)2、NH(ヘテロシクリル)、N(ヘテロシクリル)2、NC(=O)−ヘテロシクリル、及びNC(=O)(ヘテロシクリル)2、又はそれらのあらゆる部分集合。
【0055】
本発明における種々の化合物は、特に立体異性体形態として存在し得る。本発明は、cis異性体及びtrans異性体、R−鏡像異性体及びS−鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物、並びにそれらの他の混合物を含む全てのこのような化合物を、本発明の範囲内に包含されるとして考慮する。さらなる不斉炭素原子が、アルキル基のような置換基に存在し得る。全てのこのような異性体、さらにそれらの混合物が、本発明に含まれることを意図される。本明細書に記載される化合物は不斉中心を有し得る。非対称置換された原子を含有する本発明の化合物は、光学活性形態で単離されてもラセミ形態で単離されてもよい。例えばラセミ形態を分割することによるか、又は光学活性な出発物質からの合成により、光学活性形態を製造する方法は当該分野で周知である。 必要な場合、ラセミ材料の分離は当該分野で公知の方法により達成することができる。本発明の化合物の光学活性形態は、例えば、ラセミ化合物のキラルクロマトグラフィー分離、光学活性出発物質からの合成、又は以後に記載される手順に基づく不斉合成により製造し得る。オレフィン類、C=N二重結合などの多くの立体異性体もまた、本明細書に記載される化合物に存在し得、そして全てのこのような安定な異性体が本発明内と考えられる。本発明の化合物のcis異性体及びtrans異性体が記載され、そして異性体の混合物として単離されても分離された異性体形態として単離されてもよい。特定の立体化学又は異性体形態が具体的に示されない限り、構造の全てのキラル形態、ジアステレオマー形態、ラセミ形態及び全ての立体異性体形態が意図される。
【0056】
光学異性体は、当業者に公知の標準的な手順により純粋な形態で得ることができ、これらには、限定されないが、ジアステレオマー塩形成、動力学的分割、及び不斉合成が含まれる。例えば、Jacques,ら、Enantiomers、Racemates and Resolutions (Wiley Interscience、New York、1981); Wilen、S.H.,ら、Tetrahedron 33:2725 (1977); Eliel、E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw−Hill、NY、1962); Wilen、S.H. Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel、Ed.、Univ. of Notre Dame Press、Notre Dame、IN 1972)(これらはそれぞれ参照によりその全体が本明細書に加入される)を参照のこと。本発明は、全ての可能な位置異性体、及びそれらの混合物を包含することもまた理解され、これらは、当業者に公知の標準的な分離手順(限定されないが、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、及び高速液体クロマトグラフィーが含まれる)により純粋な形態で得ることができる。本発明の特定の化合物が幾何異性体、例えばアルケン類のE異性体及びZ異性体として存在し得ることも理解されるだろう。本発明は、本発明の化合物のあらゆる幾何異性体を含む。
【0057】
置換基への結合が環中の2個の原子をつなぐ結合と交差して示される場合、このような置換基は環のどの原子に結合していてもよい。置換基が所定の式の化合物の残りの部分にどの原子を介して結合しているか示されずにその置換基が列挙されている場合、上記置換基は上記置換基中のどの原子を介して結合していても良い。置換基及び/又は変数の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物を生じる場合にのみ許容される。
【0058】
本明細書で使用される場合、単独又は接尾辞若しくは接頭辞として使用される「アルキル」、「アルキレニル」又は「アルキレン」は、1〜12個の炭素原子を有するか又は炭素原子の具体的な数が示される場合はその具体的な数が意図される、分枝鎖及び直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことを意図される。例えば「C1-6アルキル」は、1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子を有するアルキルを示す。アルキルの例としては、限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、及びヘキシル、又はそれらのあらゆる部分集合があげられる。本明細書で使用される場合、「C1-3アルキル」は、末端置換基でも2つの置換基を連結するアルキレン(又はアルキレニル)基でも、分枝鎖及び直鎖のメチル、エチル、及びプロピルを具体的に含むと理解される。
【0059】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、1つ又はそれ以上の二重炭素−炭素結合を有するアルキル基を指す。アルケニル基の例としては、限定されないが、エテニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどがあげられる。用語「アルケニレニル」は二価の連結をするアルケニル基を指す。
【0060】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」は、1つ又はそれ以上の三重炭素−炭素結合を有するアルキル基を指す。アルキニル基の例としては、限定されないが、エチニル、プロピニルなどが挙げられる。用語「アルキニレニル」は、二価で連結するアルキニル基を指す。
【0061】
本明細書で使用される場合、「芳香族」は、芳香族特性(例えば、4n+2個の非局在化電子)を有し、かつ約14個までの炭素原子を含む、1つ又はそれ以上の多価不飽和炭素環を有するヒドロカルビル基を指す。
【0062】
本明細書で使用される場合、用語「アリール」は、5〜14個の炭素原子で構成される芳香族環構造を指す。5、6、7、及び8個の炭素原子を含有する環構造は単環芳香族基(例えばフェニル)であろう。8、9、10、11、12、13、又は14個を含有する環構造は、少なくとも1個の炭素がいずれか2つの隣接する環に共有されている多環式部分(例えば、環は「縮合環」である)(例えばナフチル)であろう。芳香族環は、1つ又はそれ以上の環位置で上記のような置換基で置換されていてもよい。用語「アリール」には、2個又はそれ以上の炭素が2つの隣接する環(環は「縮合環」である)に共有されており、例えば環の少なくとも一方が芳香族であり、他方の環状環がシクロアルキル、シクロアルケニル又はシクロアルキニルであり得る2つ又はそれ以上の環状環を有する多環式環系も含まれる。用語オルト、メタ及びパラは、それぞれ1,2−、1,3−、及び1,4−二置換ベンゼンに適用される。例えば、1,2−ジメチルベンゼンという名称とオルト−ジメチルベンゼンは同義である。
【0063】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、非芳香族環状炭化水素を指し、これらには、限定されないが、具体的な数の炭素原子を有する(ここで環は3〜20個の環形成炭素原子を含む)環化したアルキル、アルケニル、及びアルキニル基も含まれる。シクロアルキル基は、単環式又は多環式の(例えば、2、3又は4つの縮合又は架橋した環を有する)基を含み得る。シクロアルキル基の例としては、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボルニル、ノルピニル、ノルカルニル(norcarnyl)、及びアダマンチルなど、又はそれらのあらゆる部分集合が挙げられる。1つ又はそれ以上の芳香族環がシクロアルキル環に縮合している(すなわち、共通の結合を有する)部分、例えば、シクロペンタン(すなわちインダニル)、シクロペンテン、シクロヘキサンなどのベンゾ誘導体もシクロアルキルの定義に含まれる。用語「シクロアルキル」はさらに、具体的な数の炭素原子を有する飽和環基を含む。これには縮合又は架橋した多環系が含まれ得る。適切なシクロアルキルは3〜10個の炭素原子をそれらの環構造中に有し、そしてより好ましくは3、4、5、又は6個の炭素を環構造中に有する。例えば、「C3-6シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルのような基を示す。
【0064】
「対イオン」は、低分子量の負電荷または正電荷を有する化学種を示すものとして用いられ、例えば、クロリド(Cl-)、ブロミド(Br-)、ヒドロキシド(OH-)、アセタート(CH3COO-)、スルファート(SO42-)、トシラート(CH3−フェニル−SO3-)、ベンゼンスルホナート(フェニル−SO3-)、ナトリウムイオン(Na+)、カリウム(K+)、アンモニウム(NH4+)など又はそれらのあらゆる部分集合である。
【0065】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロシクリル」または「複素環式」または「複素環」は、N、OおよびSから独立して選択される1またはそれ以上のヘテロ原子を環構造の一部として有する1価および2価の環含有構造を意味し、環中に3〜20個の原子を含むか、又は3〜7員環である。ヘテロシクリル中の環形成原子の数は、本明細書においては範囲で示される。例えば、C5-10ヘテロシクリルは、環形成原子を5〜10個含む環構造を意味し、ここにおいて、環形成原子のうち少なくとも1個が、N、OまたはSである。複素環式基は、飽和していてもよいし、または部分的に飽和していてもよいし、または1またはそれ以上の二重結合を含む不飽和でもよく、さらに、複素環式基は、多環式系の場合と同様に、1つより多い環を含んでいてもよい。本明細書に記載される複素環式環は、得られる化合物が安定であるならば、炭素上で、またはヘテロ原子上で置換されていてもよい。具体的に示される場合、ヘテロシクリル中の窒素は、場合により四級化されていてもよい。ヘテロシクリル中のSとO原子の総数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は隣接することはないことが理解される。
【0066】
ヘテロシクリルの例としては、これらに限定されないが、1H−インダゾール、2−ピロリドニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、2H−ピロリル、3H−インドリル、4−ピペリドニル、4aH−カルバゾール、4H−キノリジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、アクリジニル、アザビシクロ、アゼチジン、アゼパン、アジリジン、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾジオキソール、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル(benzthiazolyl)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾロニル(benzimidazalonyl)、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、b−カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、ジアゼパン、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジオキソラン、フリル、2,3−ジヒドロフラン、2,5−ジヒドロフラン、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、ホモピペリジニル、イミダゾリジン、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インタゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシラン、オキサゾリジニルペリミジニル(oxazolidinylperimidinyl)、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルサジニル(phenarsazinyl)、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、プリニル、ピラニル、ピロリジニル、ピロリン、ピロリジン、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、N−オキシド−ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリジニルジオン、ピロリニル、ピロリル、ピリジン、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、カルボリニル、テトラヒドロフラニル、テトラメチルピペリジニル、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリニル、チオファン(thiophane)、チオテトラヒドロキノリニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェンイル、チイラン、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4− トリアゾリル、及びキサンテニル又はそれらのあらゆる部分集合が挙げられる。
【0067】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」は、硫黄、酸素または窒素のような少なくとも1個のヘテロ原子の環員を有する芳香族複素環を意味する(ここで環は約20個までの環形成原子を含む)。ヘテロアリール基には、単環式および多環式の(例えば、2、3または4個の縮合環を有する)系が含まれる。ヘテロアリール基の例としては、これらに限定されないが、ピリジル(すなわち、ピリジニル)、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル(すなわち、フラニル)、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピリル(pyrryl)、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル(benzthiazolyl)、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、プリニル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリニルなど又はそれらのあらゆる部分集合が挙げられる。いくつかの実施態様において、ヘテロアリール基は、1〜約20個の炭素原子を有し、さらなる実施態様において約3〜約20個の炭素原子を有する。いくつかの実施態様において、ヘテロアリール基は、3〜約14、4〜約14、3〜約7または5〜6個の環形成原子を含む。いくつかの実施態様において、ヘテロアリール基は、1〜約4、1〜約3または1〜2個のヘテロ原子を有する。いくつかの実施態様において、ヘテロアリール基は、1個のヘテロ原子を有する。
【0068】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」は、非芳香族複素環(ここで環は約3〜約20個の環形成原子を含む)を指し、これらとしては、限定されないが、環形成炭素原子の1個又はそれ以上がヘテロ原子(例えばO、N、又はS原子)で置き換えられている、環化アルキル基、環化アルケニル基、及び環化アルキニル基が挙げられる。ヘテロシクロアルキル(Hetercycloalkyl)基は、単環式でも多環式(例えば、縮合系及びスピロ系の両方)でもよい。適切な「ヘテロシクロアルキル」基としては、限定されないが、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、1,3−ベンゾジオキソール、ベンゾ−1,4−ジオキサン、ピペリジニル、ピロリジニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニルなどが挙げられる。ヘテロシクロアルキル基の環形成炭素原子及びヘテロ原子は、場合によりオキソ又はスルフィドで置換され得る。 非芳香族複素環式環に縮合した(すなわち、共通の結合を有する)1つ又はそれ以上の芳香族環を有する部分、例えばフタルイミジル、ナフタルイミジル、及び複素環のベンゾ誘導体(例えばインドレン及びイソインドレン基)もヘテロシクロアルキルの定義に含まれる。いくつかの実施態様において、ヘテロシクロアルキル基は、1〜約20個の炭素原子を有し、そしてさらなる実施態様では、約3〜約20個の炭素原子を有する。いくつかの実施態様において、ヘテロシクロアルキル基は3〜約14個、3〜約7個、又は5〜6個の環形成原子を含有する。いくつかの実施態様において、ヘテロシクロアルキル基は、1〜約4個、1〜約3個、又は1〜2個のヘテロ原子を有する。いくつかの実施態様において、ヘテロシクロアルキル基は、0〜3つの二重結合を含む。いくつかの実施態様において、ヘテロシクロアルキル基は、0〜2つの三重結合を含む。
【0069】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」または「アルキルオキシ」は、酸素の架橋を介して結合される、指定された数の炭素原子を有する上記で定義されたアルキル基を示す。アルコキシの例としては、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、t− ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、シクロプロピルメトキシ、アリルオキシ、およびプロパルギルオキシ又はそれらのあらゆる部分集合が挙げられる。同様に、「アルキルチオ」または「チオアルコキシ」は、硫黄の架橋を介して結合される、指定された数の炭素原子を有する上記で定義されたアルキル基を示す。
【0070】
本明細書で用いられる用語「カルボニル」は、技術認識されており、以下の一般式で示され得る部分の−C(=O)基を含む:
【化4】

式中、Xは、結合か、または酸素もしくは硫黄を示し、Rは、水素、アルキル、アルケニル、−(CH2m−R”、または薬学的に許容しうる塩を示し、R’は、水素、アルキル、アルケニル、または−(CH2m−R” を示し、ここにおいて、mは、10以下の整数であり、R”は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、またはヘテロアリールである。Xが酸素であり、RおよびR’が水素ではない場合、上記式は「エステル」を示す。Xが酸素であり、Rが上記で定義された通りである場合、上記部分は、カルボキシル基として本明細書で述べられ、特に、R’が水素である場合、上記式は「カルボン酸」を示す。Xが酸素であり、R’が水素である場合、上記式は「ホルマート」を示す。一般的に、上記式の酸素原子が硫黄で置き換えられる場合、上記式は「チオールカルボニル」基を示す。Xが硫黄であり、RおよびR’が水素ではない場合、上記式は「チオールエステル」を示す。Xが硫黄であり、Rが水素である場合、上記式は「チオールカルボン酸」を示す。Xが硫黄であり、R’が水素である場合、上記式は「チオールホルマート」を示す。一方で、Xが結合であり、Rが水素ではない場合、上記式は「ケトン」基を示す。Xが結合であり、Rが水素である場合、上記式は「アルデヒド」基を示す。
【0071】
本明細書で使用される場合、用語「スルホニル」は、一般式:
【化5】

[式中、Rは、限定されないが、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、又はヘテロアラルキルで表される]
により表され得る部分の−S(=O)2−を指す。
【0072】
本明細書で使用される場合、「アミノ」はNH2を指す。
【0073】
本明細書で使用される場合、「アルキルアミノ」はアルキル基で置換されたアミノ基を指す。
【0074】
本明細書で使用される場合、「ジアルキルアミノ」は2つのアルキル基で置換されたアミノ基を指す。
【0075】
本明細書で使用される場合、「ハロ」又は「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨード、又はそれらのあらゆる部分集合を含む。
【0076】
本明細書で使用される場合、 「ハロアルキル」は1つ又はそれ以上のハロゲン置換基を有するアルキル基を指す。ハロアルキル基の例としては、限定されないが、CF3、C2F5、CH2CF3、CHF2、CCl3、CHCl2、及びC2Cl5など、又はそれらのあらゆる部分集合が挙げられる。用語「ペルハロアルキル」は、水素原子の全てがハロゲン原子で置き換えられたアルキル基を示すことを意図している。ペルハロアルキルの一例はCCl3又はCF3である。用語「ペルフルオロアルキル」は、水素原子の全てがフッ素原子で置き換えられたアルキル基を示すことを意図している。ペルハロアルキルの一例はCF3(すなわち、トリフルオロメチル)である。
【0077】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」又は「アルキルオキシ」は、−O−アルキル基を指す。アルコキシ基の例としては、限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n−プロポキシ及びイソプロポキシ)、t−ブトキシなど、又はそれらのあらゆる部分集合が挙げられる。
【0078】
本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシ」は−O−ハロアルキル基を指す。ハロアルコキシ基の一例はOCF3である。
【0079】
本明細書で使用される場合、「アリールオキシ」は−O−アリールを指す。ヘテロアリールオキシの一例はフェノキシである。
【0080】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリールオキシ」は−O−ヘテロアリールを指す。ヘテロアリールオキシの一例はピリジン−2−イルオキシ[すなわち、−O−(ピリジン−2−イル)]である。
【0081】
本明細書で使用される場合、「アリールアルキル」はアリールで置換されたC1-10アルキルを指し、そして「シクロアルキルアルキル」はシクロアルキルで置換されたC1-10アルキルを指す。アリールアルキル基の一例はベンジルである。
【0082】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリールアルキル」はヘテロアリールで置換されたC1-10アルキルを指し、そして「ヘテロシクロアルキルアルキル」はヘテロシクロアルキルで置換されたC1-10アルキルを指す。
【0083】
本明細書で使用される場合、「アリールアルキルオキシ」は−O−(アリールアルキル(arylakyl))を指し、そして「ヘテロアリールアルキルオキシ」は−O−(ヘテロアリールアルキル(heteroarylakyl))を指す。アリールアルキルオキシ基の一例はベンジルオキシであり、そしてヘテロアリールアルキルオキシ基の一例は(ピリジン−2−イル)−メトキシである。
【0084】
本明細書で使用される場合、いくつかの置換基は、2つ又はそれ以上の基の組み合わせで記載される(discribled)。例えば、「C(=O)−C3-9シクロアルキルRd」という表現は、次の構造を言及することを意味する:
【化6】

[ここでpは1、2、3、4、5、6、又は7であり(すなわち、C3-9 シクロアルキル);C3-9シクロアルキルはRdで置換され;そして「C(=O)−C3-9 シクロアルキルRd」の結合点はカルボニル基(この表現の左にある)の炭素原子を介する。]
【0085】
本明細書で使用される場合、語句「保護基」は、潜在的に反応性の官能基を望ましくない化学転換から保護する一時的な置換基を意味する。このような保護基の例としては、限定されないが、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、ならびにアルデヒドおよびケトンそれぞれのアセタールおよびケタールが挙げられる。保護基化学の分野は概説されている (Greene、T.W.; Wuts、P.G.M. Protective Groups in Organic Synthesis、3rd ed.; Wiley: New York、1999)。
【0086】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容しうる」は、過剰な毒性、刺激性、アレルギー反応、又は他の問題もしくは合併症を起こすことなく、適度なベネフィット/リスク比に相応して、正常な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織との接触に使用するのに適している化合物、物質、組成物および/または投与形態を意味するものとして用いられている。
【0087】
本明細書で用いられる「薬学的に許容しうる塩」は、開示された化合物の誘導体を意味し、ここで親化合物は、それらの酸または塩基の塩(すなわち、対イオンも含まれる)を形成することによって修飾される。薬学的に許容しうる塩の例としては、これらに限定されないが、塩基性残基(例えばアミン)の鉱酸または有機酸の塩;酸性残基(例えばカルボン酸)のアルカリまたは有機塩;などが挙げられる。薬学的に許容しうる塩としては、例えば非毒性の無機または有機酸から形成された親化合物の、従来の非毒性の塩、または第四級アンモニウム塩が挙げられる。例えば、このような従来の非毒性の塩としては、無機酸(例えば塩酸、リン酸など)から誘導されたもの;および有機酸(例えば乳酸、マレイン酸、クエン酸、安息香酸、メタンスルホン酸など)から製造された塩が挙げられる。
【0088】
本発明の薬学的に許容しうる塩は、従来の化学的な方法によって塩基性または酸性部分を含む親化合物から合成することができる。一般的に、このような塩は、これらの化合物の遊離の酸または塩基の形態と、化学量論量の適切な塩基または酸とを、水もしくは有機溶媒またはこれら2種の混合物中で反応させることによって製造することができ;エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水性媒体が使用できる。
【0089】
適切に酸性のプロトンを有する本発明の化合物(例えばカルボン酸又はフェノール)を、1当量のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物若しくはアルコキシド(例えばエトキシド又はメトキシド)で、又は適切に塩基性の有機アミン(例えばコリン又はメグルミン)で水性媒体中にて処理し、続いて従来の精製技術により、対応するアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム、又はリチウム)又はアルカリ土類金属(例えばカルシウム)の塩を製造することも可能かもしれない。
【0090】
本明細書で用いられる「互変異性体」は、水素原子の移動の結果として生ずる平衡状態で存在するその他の構造異性体を意味する。例えば、ケト−エノール互変異性であり、この場合、得られた化合物は、ケトンと不飽和アルコール両方の特性を有する。
【0091】
本明細書で用いられる「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物から有用な純度で単離する際に、および有効な治療剤に製剤化する際に壊れない程十分に強固な化合物を意味する。
【0092】
本発明はさらに、同位体で標識された本発明の化合物を含む。「同位体で」または「放射標識した」化合物は、1個またはそれ以上の原子が、自然状態で典型的に見出される(すなわち天然に存在する)原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられているか、または置換されている本発明の化合物である。本発明の化合物に組み込むことができる適切な放射性核種としては、これらに限定されないが、2H(重水素はDとも表記される)、3H(トリチウムはTとも表記される)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125I及び131I、またはそれらのあらゆる部分集合が挙げられる。本発明の放射標識した化合物に組み込まれる放射性核種は、放射標識した化合物の具体的な用途に依存することになる。例えば、インビトロでの受容体の標識や競合アッセイのためには、3H、14C、82Br、125I、131I、又は35Sを組み込んだ化合物が一般的に最も有用である。放射線を用いたイメージング用途には、11C、18F、125I、123I、124I、131I、75Br、76Br、又は77Brが、一般的に最も有用である。
【0093】
「放射標識した化合物」は、少なくとも1種の放射性核種を組み込んだ化合物であることが理解される。いくつかの実施態様において、放射性核種は、3H、14C、125I、35S、及び82Brからなる群より選択される。
【0094】
本発明の化合物の塩は、好ましくは生理学的に十分に許容され、かつ非毒性のものである。塩の多くの例は当業者に公知である。このような塩は全て本発明の範囲内であり、本化合物の言及には本化合物の塩の形態が含まれる。
【0095】
酸性の基(例えばカルボキシラート、ホスファートまたはスルファート)を有する化合物は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属(例えばNa、K、Mg、およびCa)や、有機アミン(例えばトリエチルアミンおよびトリス(2−ヒドロキシエチル)アミン)と塩を形成することができる。塩は、塩基性の基(例えばアミン)を有する化合物と、無機酸(例えば塩酸、リン酸または硫酸)、または有機酸(例えば酢酸、クエン酸、安息香酸、フマル酸または酒石酸)との間で形成することができる。酸性の基と塩基性の基の両方を有する化合物は、分子内塩(internal salt)を形成することができる。
【0096】
酸付加塩は、多種多様の酸(無機および有機のいずれでもよい)で形成することができる。酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、イセチオン酸、フマル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、吉草酸、酒石酸、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、マロン酸、グルクロン酸、およびラクトビオン酸と形成された塩が挙げられる。
【0097】
本化合物がアニオン性である場合、またはアニオン性になり得る(例えば、−COOHは−COO−になり得る)官能基を有する場合、適切なカチオンと塩を形成することができる。適切な無機カチオンの例としては、これらに限定されないが、アルカリ金属イオン、例えばNa+およびK+、アルカリ土類金属カチオン、例えばCa2+およびMg2+、ならびにその他のカチオン、例えばAl3+が挙げられる。適切な有機カチオンの例としては、これらに限定されないが、アンモニウムイオン(すなわちNH4+)、および置換されたアンモニウムイオン(例えば、NH3+、NH22+、NHR3+、NR4+)が挙げられる。適切な置換されたアンモニウムイオンのいくつかの例は、以下から誘導されたものである:エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、ならびにトロメタミン、加えてアミノ酸、例えばリジンおよびアルギニン又はそれらのあらゆる部分集合。一般的な第四級アンモニウムイオンの例は、N(CH34+である。
【0098】
本化合物がアミン官能基を含む場合、これらは、例えば当業者に周知の方法に従って、アルキル化剤と反応させることによって第四級アンモニウム塩を形成させることができる。このような第四級アンモニウム化合物は、本発明の範囲内である。
【0099】
アミン官能基を含む化合物は、N−オキシドを形成し得る。アミン官能基を含む本化合物への言及には、N−オキシドも含まれる。
【0100】
本化合物がいくつかのアミン官能基を含む場合、1個または1個より多くの窒素原子が酸化されてN−オキシドを形成し得る。N−オキシドの特定の例は、第三級アミンまたは窒素を含む複素環の窒素原子のN−オキシドである。
【0101】
N−オキシドは、対応するアミンを、酸化剤、例えば過酸化水素または過酸(例えば、ペルオキシカルボン酸)で処理することによって形成することができ、例えば、Advanced Organic Chemistry、by Jerry March、4th Edition、Wiley Interscienceの頁を参照のこと。とりわけ、N−オキシドは、Deady (Syn. Comm.、1977、7、509−514)の手法によって製造することができ、この場合アミン化合物を、例えば不活性溶媒(例えばジクロロメタン)中で、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)と反応させる。
【0102】
エステルは、当技術分野で周知の技術を用いて、化合物中に存在するヒドロキシルまたはカルボン酸基と、適切なカルボン酸またはアルコールの反応パートナーとの間で形成することができる。エステルの例は、−C(=O)OR基を含む化合物であり、式中、Rはエステル置換基であり、例えばC1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC520アリール基であり、好ましくはC17アルキル基である。エステル基の具体例としては、これらに限定されないが、C(=O)OCH3、C(=O)OCH2CH3、C(=O)OC(CH33、および−C(=O)OPhが挙げられる。アシルオキシ(逆エステル(reverse ester))基の例は、OC(=O)Rで示され、式中、Rはアシルオキシ置換基であり、例えば、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基、またはC5-20アリール基であり、好ましくはC1-7アルキル基である。アシルオキシ基の具体例としては、これらに限定されないが、OC(=O)CH3(アセトキシ)、OC(=O)CH2CH3、OC(=O)C(CH33、OC(=O)Ph、およびOC(=O)CH2Phが挙げられる。
【0103】
本化合物のプロドラッグである誘導体は、インビボまたはインビトロで親化合物の1つに変換可能である。典型的には、本化合物のプロドラッグの形態では化合物の少なくとも1つの生物活性が減少し、プロドラッグを変換して本化合物またはその代謝物を放出させることにより活性化できる。いくつかのプロドラッグは、活性化合物のエステル(例えば、生理学的に許容できる代謝的に不安定なエステル)である。代謝中に、エステル基(−C(=O)OR)が切断されて、活性な薬物を生ずる。このようなエステルは、例えば必要に応じて親化合物中に存在するその他のあらゆる反応性基を予め保護した状態で(その後、必要に応じて脱保護する)、親化合物中のカルボン酸基(−C(=O)OH)のいずれかをエステル化することによって形成することができる。
【0104】
このような代謝的に不安定なエステルの例としては、式−C(=O)ORで示されるものが挙げられ、式中、Rは以下の通りである:C1-7アルキル(例えば、Me、Et、−nPr、−iPr、−nBu、−sBu、−iBu、tBu);C1-7アミノアルキル(例えば、アミノエチル;2−(N,N−ジエチルアミノエチル)エチル;2(4モルホリノ)エチル);およびアシルオキシ−C1-7アルキル(例えば、アシルオキシメチル;アシルオキシエチル;ピバロイルオキシメチル;アセトキシメチル;1アセトキシエチル;1−(1−メトキシ−1− メチル)エチル−カルボニルオキシエチル;1−(ベンゾイルオキシ)エチル;イソプロポキシ−カルボニルオキシメチル;1イソプロポキシ−カルボニルオキシエチル;シクロヘキシル−カルボニルオキシメチル;1シクロヘキシル−カルボニルオキシエチル;シクロヘキシルオキシ−カルボニルオキシメチル;1−シクロヘキシルオキシ−カルボニルオキシエチル;(4−テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシメチル;1−(4−テトラヒドロピラニルオキシ)カルボニルオキシエチル;(4−テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシメチル;および1(4テトラヒドロピラニル)カルボニルオキシエチル)又はそれらのあらゆる部分集合。
【0105】
また、いくつかのプロドラッグは、酵素によって活性化されて活性な化合物を生じるか、またはさらなる化学反応で活性な化合物を生ずる(例えば、ADEPT、GDEPT、LIDEPTなどにおいて)化合物を生ずる。例えば、プロドラッグは、糖誘導体またはその他のグリコシド接合体であってもよいし、またはアミノ酸エステル誘導体であってもよい。
【0106】
その他の誘導体には、本化合物のカップリングパートナーが含まれ、この場合、例えば本化合物に化学的にカップリングさせるか、またはそれと物理的に連結させることによって、本化合物をカップリングパートナーに連結させる。カップリングパートナーの例としては、標識またはレポーター分子、支持基体、担体、または輸送分子、エフェクター、薬物、抗体、または阻害剤が挙げられる。カップリングパートナーは、化合物上の適切な官能基(例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、またはアミノ基)を介して、本発明の化合物に共有結合で連結させることができる。その他の誘導体としては、リポソームを用いて本化合物を製剤化したものが挙げられる。
【0107】
本化合物がキラル中心を含む場合、あらゆる個々の光学的な形態、例えば本化合物の鏡像異性体、エピマーおよびジアステレオ異性体、加えてラセミ混合物も本発明の範囲内である。
【0108】
化合物は、多数の様々な互変異性体の形態で存在していてもよく、化合物への言及には、全てのこのような形態が含まれる。誤解を避けるために、化合物がいくつかの互変異性体の形態の一つで存在することができ、そして1つのみが特定して記載され、または示されている場合であっても、その他の全てのものも本発明の範囲に包含される。
【0109】
本発明の化合物はまた、本明細書に記載される式のいずれかの化合物の薬学的に許容しうる塩及び互変異性体も含む。本発明の化合物はさらに、水和物及び溶媒和物を含む。本発明の特定の化合物が、溶媒和形態、例えば水和形態と同様に、非溶媒和形態で存在し得ることも理解されるだろう。さらに、本発明が、本発明の化合物の全てのこのような溶媒和形態を包含することが理解されるだろう。
【0110】
本発明の化合物は、種々の方法で誘導体化され得る。本明細書で使用される化合物の「誘導体」は、塩(例えば薬学的に許容しうる塩)、あらゆる錯体(例えばシクロデキストリンのような化合物との包摂錯体若しくはクラスレート、又は金属イオン(例えばMn2+及びZn2+)との配位錯体)、エステル類(例えばインビボで加水分解可能なエステル類)、化合物の多形相、溶媒和物(例えば水和物)、又は脂質、及びカップリングパートナーおよび保護基(例えばアミノ基及び/又はヒドロキシル基用の保護基)を有する化合物を含む。
【0111】
式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物、又は式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物を含む医薬組成物若しくは製剤は、以下より選択される別の化合物と並行して、同時に、連続して、又は別々に投与され得る:
(i) 抗うつ薬、例えばアミトリプチリン、アモキサピン、ブプロピオン、シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン デュロキセチン、エルザソナン(elzasonan)、エスシタロプラム(escitalopram)、フルボキサミン、フルオキセチン、ジェピロン、イミプラミン、イプサピロン(ipsapirone)、マプロチリン、ノルトリプチリン、ネファゾドン、パロキセチン、フェネルジン、プロトリプチリン、レボキセチン、ロバイゾタン(robaizotan)、セルトラリン、シブトラミン、チオニソキセチン(thionisoxetine)、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリミプラミン、ベンラファクシン並びにその等価物及び薬学的に活性な異性体及び/又は代謝物;
(ii)例えばクエチアピン並びにその薬学的に活性な異性体及び/又は代謝物を含む非定型抗精神病薬;
(iii) 例えばアミスルプリド、アリピプラゾール、アセナピン、ベンゾイソオキシジル(benzisoxidil)、ビフェプルノックス、カルバマゼピン、クロザピン、クロルプロマジン、デベンザピン(debenzapine)、ジバルプロックス、デュロキセチン、エスゾピクロン、ハロペリドール、イロペリドン、ラモトリジン、ロキサピン、メソリダジン、オランザピン、パリペリドン、ペルラピン、パーフェナジン、フェノチアジン、フェニルブチルピペリジン(phenylbutlypiperidine)、ピモジド、プロクロルペラジン、リスペリドン、セルチンドール、スルピリド、スプロクロン(suproclone)、スリクロン、チオリダジン、トリフルオペラジン、トリメトジン、バルプロエート、バルプロ酸、ゾピクロン、ゾテピン、ジプラシドン並びにその等価物及び薬学的に活性な異性体及び/又は代謝物を含む抗精神病薬;
(iv) 例えばアルネスピロン、アザピロン系薬、ベンゾジアゼピン系薬、バルビツール酸系薬並びにその等価物及び薬学的に活性な異性体及び/又は代謝物を含む抗不安薬。抗不安薬の例としては、例えばアジナゾラム、アルプラゾラム、バレゼパム(balezepam)、ベンタゼパム(bentazepam)、ブロマゼパム、ブロチゾラム、ブスピロン、クロナゼパム、クロラゼプ酸(clorazepate)、クロルジアゼポキシド、シプラゼパム(cyprazepam)、ジアゼパム、ジフェンヒドラミン、エスタゾラム、フェノバム(fenobam)、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ホサゼパム(fosazepam)、ロラゼパム、ロルメタゼパム(lormetazepam)、メプロバメート、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、プラゼパム、クアゼパム、レクラゼパム(reclazepam)、トラカゾラート(tracazolate)、トレピパム(trepipam)、テマゼパム、トリアゾラム、ウルダゼパム(uldazepam)、及びゾラゼパム(zolazepam);並びにその等価物及び薬学的に活性な異性体及び/又は代謝物が挙げられる;
(v) 例えばカルバマゼピン、バルプロエート、ラモトリジン、及びガバペンチン並びにその等価物及び薬学的に活性な異性体及び/又は代謝物を含む抗けいれん薬;
【0112】
(vi) 例えばドネペジル、メマンチン、タクリン並びにその等価物及び薬学的に活性な異性体及び/又は代謝物を含むアルツハイマー病治療薬;
(vii) 例えばデプレニール、L−ドーパ、レキップ(Requip)、ミラペックス(Mirapex)、MAOB阻害剤、例えばセレジン(selegine)及びラサジリン(rasagiline)、comP阻害剤、例えばタスマー(Tasmar)、A−2阻害剤、ドーパミン再取り込み阻害剤、NMDAアンタゴニスト、ニコチンアゴニスト、及びドーパミンアゴニスト並びに神経型一酸化窒素合成酵素の阻害剤、並びにその等価物及び薬学的に活性な異性体及び/又は代謝物を含むパーキンソン病治療薬;
(viii)例えば、アルモトリプタン(almotriptan)、アマンタジン、ブロモクリプチン、ブタルビタール、カベルゴリン、ジクロラルフェナゾン、エレトリプタン、フロバトリプタン、リスリド、ナラトリプタン、ペルゴリド、プラミペキソール、リザトリプタン、ロピニロール、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、及びゾミトリプタン(zomitriptan)、並びにその等価物及び薬学的に活性な異性体及び/又は代謝物を含む片頭痛治療薬;
(ix) 例えばアブシキシマブ、アクティベース(activase)、NXY−059、シチコリン(citicoline)、クロベネチン(crobenetine)、デスモテプラーゼ(desmoteplase)、レピノタン(repinotan)、トラキソプロジル(traxoprodil)並びにその等価物及び薬学的に活性な異性体及び/又は代謝物を含む脳卒中治療薬;
(x) 例えばダリフェナシン(darafenacin)、フラボキサート(falvoxate)、オキシブチニン、プロピベリン(propiverine)、ロバルゾタン(robalzotan)、ソリフェナシン(solifenacin)、及びトルテロジン(tolterodine)並びにその等価物及び薬学的に活性な異性体及び/又は代謝物を含む尿失禁治療薬;
【0113】
(xi) 例えばガバペンチン、リドダーム(lidoderm)、及びプレガバリン(pregablin)並びにその等価物及び薬学的に活性な異性体及び/又は代謝物を含む神経因性疼痛治療薬;
(xii) 侵害受容性疼痛治療薬、例えば、セレコキシブ、エトリコキシブ(etoricoxib)、ルミラコキシブ(lumiracoxib)、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ジクロフェナク、ロキソプロフェン、ナプロキセン、及びパラセタモール並びにその等価物及び薬学的に活性な異性体及び/又は代謝物;
(xiii) 例えばアロバルビタール、アロニミド(alonimid)、アモバルビタール、ベンゾクタミン(benzoctamine)、ブタバルビタール、カプリド(capuride)、クロラール、クロペリドン(cloperidone)、クロレタート(clorethate)、デクスクラモル(dexclamol)、エトクロルビノール、エトミデート、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、メクロクアロン(mecloqualone)、メラトニン、メフォバルビタール、メタクワロン、ミダフルル(midaflur)、ニソバマート(nisobamate)、ペントバルビタール、フェノバルビタール、プロポフォール、ロレタミド(roletamide)、トリクロフォス、セコバルビタール、ザレプロン、及びゾルピデム並びにその等価物及び薬学的に活性な異性体及び/又は代謝物を含む不眠症治療薬;
(xiv) 例えば、カルバマゼピン、ジバルプロックス、ガバペンチン、ラモトリジン、リチウム、オランザピン、クエチアピン、バルプロエート、バルプロ酸、及びベラパミル並びにその等価物及び薬学的に活性な異性体及び/又は代謝物を含む気分安定薬;
(xv) 5HT1Bリガンド、例えばWO99/05134、WO02/08212に開示される化合物;
(xvi) mGluR2アゴニスト;
(xvii) アルファ7ニコチンアゴニスト、例えば、WO96/006098、WO97/030998、WO99/003859、WO00/042044、WO01/029034、WO01/160821、WO01/136417、WO02/096912、WO03/087102、WO03/087103、WO03/087104、WO04/016617、WO04/016616、及びWO04/019947に開示される化合物;
(xviii) ケモカイン受容体CCR1阻害剤;及び
(xix) デルタオピオイドアゴニスト、例えばWO97/23466及びWO02/094794に開示される化合物。
【0114】
このような組み合わせ製品は、本明細書に記載される投薬量範囲内の本発明の化合物、並びに承認された投薬量範囲内及び/又は参考刊行物に記載される投薬量内の他の医薬活性薬剤を使用する。
【0115】
いくつかの実施態様において、本発明は、哺乳動物(ヒトを含む)の治療的処置(予防的処置を含む)のための、本明細書において記載される式のいずれかの化合物、またはそれらの製薬上許容できる塩を提供し、これらは通常、標準的な製薬方法に従って医薬組成物として製剤化される。本発明はさらに、本発明の1つ又はそれ以上の化合物を含有する医薬組成物を包含する。
【0116】
いくつかの実施態様において、本発明は、ヒトを含む哺乳動物の治療的処置(予防的処置を含む)のための、本明細書に記載される式のいずれかの化合物又はその薬学的に許容しうる塩を提供し、これは通常、標準的な製薬方法に従って医薬組成物として製剤化される。本発明はさらに、本発明の1つ又はそれ以上の化合物を含有する医薬組成物を包含する。
【0117】
本発明の化合物に加えて、本発明の医薬組成物は、本明細書で述べられた1またはそれ以上の疾患状態の処置に有用な1種またはそれ以上の薬物を含んでいてもよいし、またはそれらと共投与(co−administered)(同時に、または連続的に)してもよい。
【0118】
本発明の化合物に加えて、本発明の医薬組成物はまた、本明細書で述べられた1またはそれ以上の疾患状態の処置に有用な1種またはそれ以上の薬物を含んでいてもよいし、またはそれらと共投与(同時に、または連続的に)してもよい。
【0119】
組成物という用語は、活性成分または製薬上許容できる塩と、薬学的に許容しうる担体との製剤を含むものとする。本発明の化合物から医薬組成物を製造するために、不活性な薬学的に許容しうる担体は固体であっても液体であってもよい。例えば、本発明は、当技術分野で公知の手段によって、例えば錠剤、カプセル剤、水性もしくは油性液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、鼻スプレー剤、坐剤、吸入のための微粉化散剤もしくはエアゾール剤もしくはネブライザー剤、および非経口で使用するための(静脈内、筋内または注入を含む)滅菌された水性若しくは油性の液剤若しくは懸濁剤、または滅菌乳剤の形態に製剤化し得る。
【0120】
液状の組成物としては、液剤、懸濁剤、および乳剤が挙げられる。非経口投与に適した液体製剤の例として、活性化合物の滅菌した水または水−プロピレングリコールの液剤が挙げられる。液体組成物は、ポリエチレングリコール水溶液中の液剤で製剤化することもできる。経口投与のための水性液剤は、活性成分を水に溶解し、適切な着色剤、矯味矯臭剤、安定剤、および増粘剤を必要に応じて添加することによって製造することができる。経口で使用するための水性懸濁剤は、粘性物質(例えば天然の合成ゴム類、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、および医薬製剤の分野において既知のその他の懸濁化剤と共に、微粉化した活性成分を水に分散させることによって製造することができる。
【0121】
固形の組成物としては、散剤、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤、および坐剤が挙げられる。固体の担体は、希釈剤、矯味矯臭剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、または錠剤崩壊剤としても作用し得る1種またはそれ以上の物質であってよく;カプセル化材料であってもよい。
【0122】
散剤の場合、担体は微粉化した固体であり、これは、微粉化した活性成分との混合物の状態である。錠剤の場合、活性成分は、適切な比率で必要な結合特性を有する担体と混合され、所望の形状および寸法に圧縮される。
【0123】
坐剤組成物を製造するために、最初に低融点ワックス(例えば脂肪酸グリセリドおよびカカオ脂の混合物)を融解させ、そこに、例えば撹拌することによって活性成分を分散させる。次に、溶融した均一な混合物を手ごろなサイズの型に注入し、冷却、凝固させる。
【0124】
固体組成物については、例えば医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、セルロース、セルロース誘導体、スターチ、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどの、従来の非毒性の固体担体が使用され得る。液体の製薬的に投与可能な組成物は、例えば上記で定義された活性な化合物、及び場合により医薬アジュバントとを、担体(例えば水、生理食塩水、デキストロース水溶液、グリセリン、エタノールなど)に溶解、分散するなどして、それにより溶液または懸濁液を形成することによって製造することができる。必要に応じて、投与される医薬組成物はまた、少量の非毒性の補助剤、例えば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤など、例えば酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミン酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウラート、オレイン酸トリエタノールアミンなどを含んでいてもよい。このような投与形態を製造する実際の方法は公知であるか、または当業者には明白だろう;例えばRemington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、Pennsylvania、15th Edition、1975を参照のこと。
【0125】
本医薬組成物は、単位投薬形態であり得る。このような形態では、本組成物は、適切な量の活性成分を含む単位用量に分割される。単位投薬形態は、パッケージ化製剤であってもよく、このパッケージには、個別の量の製剤が含まれ、例えばパック入り(packeted)錠剤、カプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の散剤である。また、単位投薬形態は、カプセル、カシェまたは錠剤そのものでもよいし、または適切な数の、上記いずれかのパッケージ化形態であってもよい。
【0126】
あらゆる適切な経路と投与手段に応じて組成物を製剤化することができる。薬学的に許容しうる担体または希釈剤としては、経口、直腸、経鼻、局所(口内および舌下を含む)、経膣、または非経口(皮下、筋内、静脈内、皮内、髄腔内および硬膜外を含む)投与に適した製剤に用いられるものが挙げられる。本製剤は、便利なように単位投薬形態で提供してもよく、薬剤学の分野で周知のあらゆる方法によって製造することができる。
【0127】
本化合物の投与すべき量は、処置される患者に応じて変動し、1日あたり約100ng/kg体重から100mg/kg体重で変動し、好ましくは、1日あたり10pg/kgから10mg/kgである。例えば、投薬量は、当業者であればこの開示と当技術分野における知見から容易に確認することができる。従って、当業者は、組成物中の、そして本発明の方法で投与すべき化合物並びに任意の添加剤、ビヒクル(vehicle)および/または担体の量を容易に決定することができる。
【0128】
さらなる実施態様において、医薬組成物は、薬学的に許容しうる担体及び少なくとも1種のさらなる活性成分と組み合わせて本発明の化合物を含む。さらなる活性成分の例としては、限定されないが、ベンゾジアゼピン類、5−HT1Aリガンド、5−HT1Bリガンド、5−HT1Dリガンド、mGluR2Aアゴニスト、mGluR5アンタゴニスト、抗精神病薬、NK1受容体アンタゴニスト、抗うつ薬、及びセロトニン再取り込み阻害剤が挙げられる。
【0129】
本発明の医薬組成物は、従来の製薬賦形剤を使用して従来の手順により適宜得ることができる。本発明の組成物を製造する際に、典型的には活性成分を賦形剤と混合し、賦形剤で希釈するか、例えばカプセル、サシェ、紙、又は他の容器の形態でこのような担体内に封入する。賦形剤が希釈剤として作用する場合、それは固体、半固体又は液体の物質であり得、これが活性成分にビヒクル(vehicle)、担体又は媒質として作用する。従って組成物は錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ、サシェ、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアゾール(固体として又は液体媒体中)、例えば10質量%までの活性化合物を含む軟膏、軟カプセル及び硬カプセル、坐剤、滅菌注射剤、及び滅菌パッケージ化散剤の形態であり得る。経口使用を意図される医薬組成物はさらに、例えば1種又はそれ以上の着色剤、甘味料、矯味矯臭剤、及び/又は保存料を含有し得る。
【0130】
本発明の組成物は、経口、筋内、皮下、局所、鼻腔内、腹腔内、胸腔内(intrathoracially)、静脈内、硬膜外、硬膜下腔内、脳室内を含むあらゆる経路により、及び関節への注射により投与され得る。
【0131】
単一の投薬形態を製造するために1つ又はそれ以上の賦形剤と組み合わされる活性成分の量は、処置される宿主及び投与の特定の経路によって必然的に変化する。活性化合物の治療目的又は予防目的のための用量サイズは、症状又は状態の性質及び重篤度、動物又は患者の年齢及び性別、並びに投与経路に従って、医学の周知の原理に従って、必然的に変化する。
【0132】
本発明はさらに、統合失調症及び他の精神病性障害(例えば、精神病性障害、精神病)、痴呆及び他の認知障害、不安障害(例えば、全般性不安障害)、気分障害(例えば、抑うつ障害、大うつ病性障害、双極性I型及びII型、双極性躁病(bipolar mania)、双極性うつ病(bipolar depression)を含む双極性障害)、睡眠障害、通常乳児期、小児期、若しくは青年期に最初に診断される障害(例えば、注意欠陥障害及び破壊的行動障害)、及び神経変性障害に関連する少なくとも1つの症状又は状態を処置する方法を提供し、この方法は、哺乳動物に薬学的に有効な量の本発明の塩又はそれを1種若しくはそれ以上含む組成物を投与することからなる。いくつかの実施態様において、これらの症状及び状態としては、限定されないが、不安、興奮、反抗、パニック、摂食障害、情動症状、気分の症状、一般的に精神病及び神経変性障害に関連する陰性及び陽性の精神病症状が挙げられる。
【0133】
本発明はさらに、統合失調症及び他の精神病性障害(例えば、精神病性障害、精神病)、痴呆及び他の認知障害、不安障害(例えば、全般性不安障害)、気分障害(例えば、抑うつ障害、大うつ病性障害、双極性I型及びII型、双極性躁病(bipolar mania)、双極性うつ病(bipolar depression)を含む双極性障害)、睡眠障害、通常乳児期、小児期、若しくは青年期に最初に診断される障害(例えば、注意欠陥障害及び破壊的行動障害)、及び神経変性障害に関連する少なくとも1つの症状又は状態を処置する方法を提供し、この方法は、哺乳動物に薬学的に有効な量の本発明の化合物又はその1種又はそれ以上を含む組成物、並びにベンゾジアゼピン類、5−HT1Aリガンド、5−HT1Bリガンド、5−HT1Dリガンド、mGluR2Aアゴニスト、mGluR5アンタゴニスト、抗精神病薬、NK1受容体アンタゴニスト、抗うつ薬、及びセロトニン再取り込み阻害剤より選択される治療有効量の少なくとも1種の他の治療活性薬剤を投与することからなる。
【0134】
典型的なベンゾジアゼピン類としては、限定されないが、アジナゾラム、アルプラゾラム、ブロマゼパム、クロナゼパム、クロラゼパート、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、エスタゾラム、フルラゼパム、バレゼパム(balezepam)、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、クアゼパム、テマゼパム、及びトリアゾラム、並びにこれらの等価物が挙げられる。
【0135】
典型的な5−HT1A及び/又は5HT1Bリガンドとしては、限定されないが、ブスピロン、アルネスピロン(alnespirone)、エルザゾナン(elzasonan)、イプサピロン、ジェピロン、及びゾピクロン(zopiclone)、並びにこれらの等価物が挙げられる。
【0136】
典型的なmGluR2アゴニストとしては、限定されないが、(1S,3R)−1−アミノシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸、(2S,3S,4S)アルファ−(カルボキシシクロプロピル)グリシン、及び3,5−ジヒドロキシフェニルグリシンが挙げられる。
【0137】
典型的な抗うつ薬としては、限定されないが、マプロチリン、アミトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イミプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、トリミプラミン、SSRI及びSNRI、例えばフルオキセチン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム(escitalopram)、セルトラリン、ベンラファクシン、フルオキサミン(fluoxamine)、及びレボキセチンが挙げられる。
【0138】
典型的な抗精神病薬としては、限定されないが、クロザピン、リスペリドン、クエチアピン、オランザピン、アミスルプリド、スルピリド、ゾテピン、クロルプロマジン、ハロペリドール、ジプラシドン、及びセルチンドールが挙げられる。
【0139】
2種又はそれ以上の活性薬剤の投与は、組み合わせて、例えば同じ医薬組成物の一部として、又は併用(combination)治療の利益を得るために設計された適切な用法の一部として別々に(例えば、連続的に又は引き続いて)行うことができる。適切な用法、投与される活性薬剤の各投薬の量、及び各活性薬剤の投薬間の特定の間隔は、処置される被験体、投与される特定の活性薬剤、並びに処置される特定の障害又は状態の性質及び重篤度に依存する。
【0140】
一般的に、本発明の化合物は、単一の活性薬剤として、又は別の薬剤と組み合わせて使用されるいずれかの場合に、一日あたり約750mgまでの量(例えば、一日あたり1mg〜600mg)で、単回用量又は分割用量で被験体に投与される。上記化合物は、一日に6回までの処方計画で、好ましくは一日に1〜4回の処方計画で投与され得る。処置される被験体、及び処置に対する個体の応答、さらに選択された医薬製剤の種類、並びに上記投与が行われる期間及び間隔によって変動が生じる。場合によっては、前述の範囲の下限より低い投薬レベルが適切であるかもしれず、一方他の場合にはより多い用量が所望の効果を達成するために使用され得るが、ただしこのようなより多い用量は一日を通して投与するために最初にいくつかの少ない用量に分けられる。
【0141】
いくつかの実施態様において、本発明の化合物は、所定の投薬量として、一日に1回乃至4回哺乳動物に投与され、ここで所定の投薬量は1mgと600mgの間である。
【0142】
本発明はまた、本明細書で提供される症状又は状態を処置する方法を提供し、この方法は初期所定投薬量の本発明の化合物をヒト患者に一日に2回投与する工程を含み、所定投薬量は1mgと30mgの間であり、許容される場合は2日目及び3日目に一日あたり2回、1〜50mgずつ増加する。その後、さらなる投薬量調整を二日又はそれ以上の間隔で行うことができる。
【0143】
本発明はさらに、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを哺乳動物に送達する方法を提供する。いくつかの実施態様において、本発明は、哺乳動物に治療有効量の本発明の化合物を投与することからなる、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを送達する方法を提供する。いくつかの実施態様において、本発明は、哺乳動物に、治療有効量の本発明の化合物を含む組成物を投与することからなる、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを送達する方法を提供する。
【0144】
いくつかの実施態様において、本発明は、統合失調症及び他の精神病性障害、痴呆及び他の認知障害、不安障害、気分障害、睡眠障害、通常乳児期、小児期、若しくは青年期に最初に診断される障害、及び神経変性障害に関連する少なくとも1つの症状又は状態の処置において11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを送達する方法を提供し、この方法は、哺乳動物に治療有効量の本発明の化合物、又は治療有効量の本発明の化合物を含む組成物を投与することからなる。
【0145】
「治療有効量」は、研究者、獣医、医師又は他の臨床医により求められており、そして当該分野で既に知られている多数の方法(その例は反抗及び陽性症状のレベルを評価するために使用することができるBPRSクラスタースコアである)を使用して臨床医により容易に決定することができる、組織、系、動物、個体又はヒトにおける生物学的又は医薬応答を引き起こす活性化合物又は薬物の量を指す。
【0146】
本発明の文脈内の用語「処置(すること)」は、治療有効量の本発明の化合物を投与して、既存の疾患状態(急性又は慢性)又は再発性の症状若しくは状態のいずれかを緩和又は阻害することを包含するよう意図されている。再発性の状態の予防のための予防的治療及び慢性障害のための持続した治療も包含される。
【0147】
用語「哺乳動物」は、あらゆる温血動物、好ましくはヒトを指すよう意図されている。いくつかの実施態様において、哺乳動物は上記の症状、疾患又は障害の1つ又はそれ以上に罹患しているかそれらを発症する傾向があるために処置を必要とする。
【0148】
本明細書で開示される本発明がより効果的に理解され得るように実施例を以下に示す。
【0149】
これらの実施例は例示目的のみのためであり、いかなるようにも本発明を限定すると解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【0150】
合成
本発明の化合物は、 有機合成分野の当業者に周知の多数の方法で製造することができる。本発明の化合物は、合成有機化学分野で公知の合成法、又は当業者により理解されるそれらに対する変形とともに、以下に記載される方法を使用して合成することができる。本明細書に記載される方法における出発物質及び前駆体は、市販されているか、又は確立された有機合成法により容易に製造された。分子の種々の部分に存在する官能基が提案される試薬及び反応に適合性でなければならないことは有機合成の当業者に理解される。反応条件と適合性である置換基に対するこのような制限は、当業者に容易に明らかとなり、その結果、代替の方法が使用されるはずである。
【0151】
スキーム1に示されるように、本発明の新規なカルバメート化合物(式1−3)は、11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン(PDBTZ、1−1)をクロロホルメート1−2(式中、R1はアルキル、アリールアルキルなどであり得る)と反応させることにより合成することができる。この反応は、適切な有機溶媒(例えば極性非プロトン性有機溶媒(例えば、塩化メチレン))中、適切な塩基(例えば第三級アミン[例えば、トリエチルアミン(Et3N又はTEA)、ジイソプロピルエチルアミン(iPr2NEt又はDIPEA)、ピリジン、及び/又はジメチルアミノピリジン(DMAP)]の存在下にて行うことができる。
【0152】
【化7】

【0153】
スキーム2に示されるように、本発明の新規なカルバメート化合物(式2−5)は、 4−ニトロフェニルカーボネート中間体2−3を経由して合成することができる。4−ニトロフェニルクロロホルメート2−1を、アルコール2−2と適切な有機溶媒(例えば極性非プロトン性有機溶媒(例えば、クロロホルム))中、適切な塩基(例えば第三級アミン(例えば、トリエチルアミン(Et3N又はTEA)、ジイソプロピルエチルアミン(iPr2NEt又はDIPEA)、ピリジン、及び/又はジメチルアミノピリジン(DMAP)))の存在下にて反応させて、4−ニトロフェニルカーボネート中間体2−3を形成することができる。この中間体2−3をPDBTZ 2−4と適切な有機溶媒(例えば極性非プロトン性有機溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド又はヘキサメチルホスホルアミド))中にて反応させてカルバメート2−5を形成することができる。
【0154】
【化8】

【0155】
スキーム3に示されるように、本発明の新規なカルバメート化合物(式3−4)は、PDBTZ (3−1)をクロロホルメート3−2又は4−ニトロフェニルカーボネート化合物3−3 (式中、R2はH、メチルなどであり得; そしてR3はアルキル(例えば、メチル又はエチル)、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(hetereoaryl)、ヘテロシクロアルキル(heterocylcloalky)などであり得る)と反応させることより合成することができる。これらの反応は、スキーム1及び2において記載される条件と同様の条件で行うことができる。クロロホルメート3−2は、Folkmannら、Synthesis、1990、1159−1166により報告される方法と同様の方法を使用することにより当業者により製造することができる。ニトロフェニルカーボネート3−3は、 Alexander及び共同研究者によりJ. Med. Chem.、1988、31、318−322に報告されている方法と同様の方法を使用して当業者により製造することができる。これら参考文献はそれぞれその全体が本明細書に加入される。
【0156】
【化9】

【0157】
スキーム4に示されるように、Linら、Biorganic and Medicinal Chemistry Letters、1997、7、2909−2912により報告される方法と同様の方法を使用して、本発明の新規なカルバメート化合物(式4−3)を、PDBTZ 4−1と式4−2 (式中、Xは脱離基、例えばヨード、ブロモ又はクロロであり; R2はH、メチルなどであり得; そしてR10はアルキル(例えば、メチル又はエチル)、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(hetereoaryl)、ヘテロシクロアルキル(heterocylcloalky)などであり得る)の化合物とを二酸化炭素及び適切な塩基(例えば炭酸セシウム)の存在下で適切な溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド)中にて反応させるとにより合成することができる。同様に、式4−5の化合物は、PDBTZ 4−1及び式4−4 (式中、X1は脱離基、例えばヨード、ブロモ、クロロ、又は4−ニトロフェニルカーボネートである)の化合物から、二酸化炭素及び適切な塩基(例えば炭酸セシウム)の存在下で得ることができる。
【0158】
【化10】

【0159】
本明細書において記載されるスキームの全てにおいて、官能(反応性)基がR1、R2、R3、R4、R5などのような置換基上に存在する場合、さらなる変形が適切な場合及び/又は所望される場合になされ得ることに留意すべきである。例えば、CN基を加水分解してアミド基を生じ得る;カルボン酸をアミドに変換することができる;カルボン酸をエステルに変換し、次にそれを還元してアルコールとし、次にこれをさらに変形することができる。別の例では、OH基をより良好な脱離基、例えばメシレートに変換し、次にこれは例えばCNによる求核置換に適している。当業者は、さらなるこのような変形を認識する。従って、官能基を含む置換基を有する式Iの化合物(例えばスキーム1の化合物1−3及びスキーム2の化合物2−5)を、異なる置換基を有する式Iの別の化合物に変換することができる。
【0160】
本明細書で使用される場合、用語「反応(させること)」は、指定された化学反応物を化学変化が起こるように一緒にして、その系に最初に導入されたいずれのものとも異なる化合物を生成することを指す。反応は溶媒の存在下または溶媒なしで起こり得る。
【0161】
本明細書で使用される場合、用語「脱離基」は、化学反応の間に例えば求核攻撃により別の部分と置き換えられ得る部分を指す。脱離基は当該分野で周知であり、例えばハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、−O(C=O)Ra、−OSO2−Rb、及び−OSi(Rc)3 [ここでRaはC1-8アルキル、C3-7 シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクロアルキルであり得、ここでRbはC1-8アルキル、アリール(1つ又はそれ以上のハロ、シアノ、ニトロ、C1-4アルキル、C1-4 ハロアルキル、C1-4 アルコキシ、又はC1-4 ハロアルコキシで場合により置換される)、又はヘテロアリール(1つ又はそれ以上のハロ、シアノ、ニトロ、C1-4アルキル、C1-4 ハロアルキル、C1−C4 アルコキシ、又はC1-4ハロアルコキシで場合により置換される)であり得、そしてここでRcはC1-8アルキルであり得る]が挙げられる。脱離基の例としては、限定されないが、クロロ、ブロモ、ヨード、4−ニトロフェニルカーボネート、メシレート、トシレート、トリメチルシリルなどが挙げられる。
【実施例】
【0162】
実施例1: 4−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−11−イル−ピペラジン−1−カルボン酸 プロピオニルオキシメチルエステル
【化11】

表題化合物は、Folkmann及びLundによりSynthesis、1990、1159−1166頁において報告された手順と同様の手順を使用して製造することができる。
【0163】
クロロギ酸クロロメチル(1mmol)のジエチルエーテル(2mL)中氷冷溶液を、エタンチオール (1mmol)及びトリエチルアミン(1mmol)のジエチルエーテル(1mL)溶液を30分かけて加えて処理した。冷却してさらに30分間撹拌した後、混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液をエバポレートし、そして蒸留してカルボノチオエート化合物を得た。
【0164】
このカルボノチオエート化合物(1mmol)とヨウ化ナトリウム(1.5mmol)のアセトン (2mL)中混合物を40℃に3時間加熱した。反応混合物をろ過し、固体をフィルター上でアセトン及びジエチルエーテルを用いて洗浄し、そしてろ液をエバポレートした。残留物を水とペンタンとの間で分配した。有機部分を洗浄し(炭酸水素ナトリウム水溶液、ジチオン酸ナトリウム水溶液、水)、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そしてエバポレートしてヨード化合物を得た。
【0165】
炭酸水素ナトリウム(2.7mmol)、硫酸水素テトラブチルアンモニウム(1.4mmol)、酢酸(1.4mmol)、水(3mL)、及びジクロロメタン(3mL)の混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応温度を30℃以下に維持しながらヨード化合物(1mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液を15分かけて加えた。1時間後、層を分離した。有機部分を洗浄し(水)、乾燥し(硫酸マグネシウム)、そしてエバポレートした。残留物をジエチルエーテル中で16時間撹拌し、ろ過し、エバポレートして、残留物を蒸留又は再結晶により精製してO−アセチルオキシメチル S−エチルカルボノチオエート生成物を得た。
【0166】
氷浴で冷却した O−アセチルオキシメチル S−エチルカルボノチオエート (1mmol)を塩化スルフリル(1mmol)で5分かけて処理し、続いて周囲温度で45分間撹拌した。反応の間に形成されたエチルスルフェニル(sulfenyl)クロリドを真空下で周囲温度にて16時間で除去し、そして残留物を蒸留により精製してアセチルオキシメチル クロロホルメート生成物を得た。
【0167】
11−ピペラジン(iperazin)−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン (「PDBTZ」、1mmol)のクロロホルム(8mL)溶液を−70℃にてアセチルオキシメチル クロロホルメート(1mmol)のクロロホルム溶液(2mL)で処理した。−70℃で2時間撹拌した後、混合物を−40℃で3時間、そして−20℃で3日間撹拌した。混合物をろ過し、ろ液をエバポレートし、そして再結晶して表題化合物を生成物として得た。
【0168】
実施例2: 4−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−11−イル−ピペラジン−1−カルボン酸 アセトキシメチルエステル
【化12】

表題化合物は、Alexander及び共同研究者らによりJ. Med. Chem. 1988、31、318−322において報告される手順と同様の手順を使用して製造することができる。
【0169】
クロロメチル (4−ニトロフェニル)カーボネート (1mmol)及び ヨウ化ナトリウム(1.5mmol)のアセトン(2mL)溶液を40℃で3時間加熱した。混合物をろ過し、固体をフィルター上でアセトン及びジエチルエーテルを用いて洗浄し、そしてろ液をエバポレートした。残留物を水とペンタンとの間で分配した。有機部分を洗浄し(炭酸水素ナトリウム水溶液、ジチオン酸ナトリウム水溶液、水)、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そしてエバポレートしてヨードメチル(4−ニトロフェニル)カーボネートを得た。
【0170】
ヨード化合物(1mmol)及び酢酸銀(1mmol)のベンゼン(5mL)中混合物を2時間還流させた。混合物をろ過し、そしてろ液をエバポレートした。残留物をジエチルエーテルに溶解し、洗浄し(水、ブライン)、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そしてエバポレートしてアセトキシメチル 4−ニトロフェニルカーボネートを得た。
【0171】
アセトキシメチル 4−ニトロフェニルカーボネート (1mmol)及びPDBTZ(1mmol)のヘキサメチルホスホルアミド(1.3mL)中混合物を周囲温度で、薄層クロマトグラフィーによる完了まで撹拌した。この混合物を水(35mL)で希釈し、そしてジエチルエーテルで抽出した。抽出物を洗浄し(水酸化ナトリウム水溶液、水)、乾燥し(硫酸ナトリウム)、エバポレートし、そしてフラッシュクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た。
【0172】
実施例3: 4−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−11−イル−ピペラジン−1−カルボン酸 1−アセトキシ−エチルエステル
【化13】

表題化合物は、Alexander及び共同研究者らによりJ. Med. Chem. 1988、31、318−322において報告される手順と同様の手順を使用して製造することができる。
【0173】
4−ニトロフェノール(1mmol)及びピリジン(1mmol)の氷浴で冷却したクロロホルム(5mL)中混合物を、α−クロロエチル クロロホルメート(1.1mmol)で処理した。30分後、混合物を周囲温度まで温め、そして16時間撹拌した。反応混合物を洗浄し(水、水酸化ナトリウム水溶液)、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そしてエバポレートした。生成物をヘキサンから結晶化させた。
【0174】
精製したα−クロロエチル 4−ニトロフェニルカーボネート(1mmol)の氷酢酸(7mL)溶液を酢酸水銀(1.2mmol)で処理し、そして周囲温度で22時間撹拌した。酢酸を真空下で周囲温度にて除去し、残留物をジエチルエーテルに溶解した。この溶液を続けて洗浄してあらゆる残留酸を除き、エバポレートし、そしてフラッシュクロマトグラフィーにより精製してα−アセトキシエチル 4−ニトロフェニルカーボネートを得た。
【0175】
PDBTZ(1mmol)及びα−アセトキシエチル 4−ニトロフェニルカーボネート (1mmol)のヘキサメチルホスホルアミド(1.3mL)溶液を 周囲温度で、薄層クロマトグラフィーにより完了まで撹拌した。混合物を水(35mL)で希釈し、そしてジエチルエーテルで抽出した。抽出物を洗浄し(水酸化ナトリウム水溶液、水)、乾燥し(硫酸ナトリウム)、エバポレートし、そしてフラッシュクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た。
【0176】
実施例4:マウスアッセイ
本発明の化合物及び組成物についてのドパミン拮抗作用の評価をげっ歯動物で行うことができる。使用される方法及び手順はJ. Med. Chem.、2001、44、372−389(これは参照によりその全体が本明細書に加入される)に見いだされ得る。脳セロトニン5−HT2受容体並びにドパミンD1及びD2受容体についての結合親和性の結果を確認した。セロトニン及びドパミン受容体拮抗作用の組み合わせで、D2受容体に対して相対的に高い5−HT2受容体親和性はその化合物が強力な非定型抗精神病薬であることを示すと仮定した。J. Goldstein、「Quetiapine Fumarate (Seroquel): a new atypical antipsychotic,」 35(2) Drugs of Today 1993−210 (1999)(参照によりその全体が本明細書に加入される)。
【0177】
さらに、本発明の化合物及び組成物のインビボ抗精神病活性を、標準的なアポモルヒネクライミング(climbing)マウスアッセイ(例えばStrupczewskiら、J. Med. Chem.、1995、38、1119を参照のこと)に従ってマウスで試験することができる。
【0178】
実施例5: アルファ受容体結合アッセイ
本発明の化合物及び組成物を、以下の受容体を使用するアルファ受容体結合アッセイに基づいてクエチアピンと比較することができる。
【0179】
【表1】

【0180】
親和性値は以下の方法及び基準から導き出すことができる。
【表2】

【0181】
受容体結合方法(α−アドレナリン作用性サブタイプ特異的)を以下に示す。
【表3】

【0182】
【表4】

【0183】
【表5】

【0184】
受容体結合法(α−アドレナリン作用性非選択的)を以下に示す。
【表6】

【0185】
【表7】

【0186】
実施例6: インビボ抗不安アッセイ
本発明の化合物及び組成物の抗不安活性を、Geller−Seifter葛藤試験に従ってラットにおいて調べることができる。
【0187】
被験体: 30匹の雄Long Evansラットを使用した。被験体は試験時に体重350−450gであり、そして一日あたり約15gの標準的なラットの食事をセッション後に与えることにより自由給餌時の体重の85%まで食事制限した。全ての動物は実験試験の間をのぞけば水に自由にアクセスさせた。実験の全期間において12時間の明/暗サイクル下で被験体を個別に飼育した。
【0188】
装置: 標準的な2レバーオペラントチャンバーを使用した(Med Associates)。これらのチャンバーに2つの格納式応答レバー及び2つのレバーの上にそれぞれ刺激ランプを備え付けた。ペレット給餌機が45mgの餌ペレット(Bio Serv)を、チャンバー内の2つの応答レバーの下でレバーの間に位置するカップに供給する。チャンバーの上及び後ろにあるランプはハウスライト(houselights)として役立つ。オペラントチャンバーの格子状床は、ショック発生器及び周波数帯変換器(scramblers) (Med Associates)と接続されている。チャンバー内での全ての事象をマイクロプロセッサで制御及びモニタリングした。
【0189】
手順: 手順には2つの構成要素がある: 1) 2分の持続時間の非抑制応答構成要素(罰なし)及び2) 3分の持続時間の抑制応答構成要素(罰あり)。罰なしの構成要素では、応答レバー上のハウスライト及び両方の刺激ランプを点灯し、チャンバーの左側のレバーを延ばし、そして餌ペレットをチャンバー内のレバーに対する平均17回の応答後に供給する(3〜40回の応答の範囲に及ぶ) − 変動比率17スケジュール(VR17)。罰ありの構成要素は罰なし構成要素の後に行い、そしてこれらの間に右側のレバーをチャンバー内に延ばし、そして刺激ランプ及びハウスライトを1秒間隔で連続して点滅させ、これはこの構成要素の合図の役目をはたす。罰あり構成要素でも餌をVR17スケジュールで得ることができるが、さらに電流(0.5秒の持続時間)を独自のVR17スケジュールでチャンバーの格子状床に送る。応答が抑制構成要素において罰なし構成要素の約5−10%のレベルまで低下するまで個々の被験体のそれぞれについて電流のレベルを調節し、これは0.2mAから0.75mAの範囲に及んだ。罰なし及び罰ありの構成要素に10秒の中断期間を空けて、ここで両方の応答レバーを格納して全ての刺激ランプを消す。2分の罰なし及び3分の罰なし構成要素をそれぞれ5回完了するまで交互に行う。毎日のセッションは常に罰なし応答構成要素から始める。
【0190】
応答が最も安定しているラットを、訓練したラットのより多くのプールから選択した。所定の日に異なる被験体でいくつかの用量を試験した。次いで各用量をラットの異なる部分集合で試験した。記録された従変数は罰なし及び罰ありの構成要素における応答の速度(その構成要素での総応答/総時間)、送られたショックの回数であった。選択的抗不安効果を、罰なし構成要素における応答に対する効果が比較的小さいか全く効果がないことを伴う罰なし構成要素での応答の増加と規定する。t検定を使用して、特定の用量に使用したラットのビヒクルの日(vehicle day)におけるコントロールの応答速度の平均を、各用量の化合物を送達した後の同じラットの平均(各用量内で使用したラットのみ)と比較した。脳、CSF及び血漿をGeller−Seifterラットに匹敵するラットの付随体(satellite)群で集めて暴露レベルを評価した。
【0191】
試験化合物: 動物を訓練して3日間続けて安定なベースラインになったら試験を開始する。試験化合物を火曜日と金曜日に1mL/kgの量で皮下投与した。0.3、1、2、5、及び10mg/kgの用量を生理食塩水に溶解し、最も高い濃度のストック溶液を調製し、そして生理食塩水への連続希釈により適切な濃度を調製した。ジアゼパム(比較目的のため)をAbbottカクテル(10% エタノール、40% プロピレングリコール、50%水)溶液に5mg/mLの濃度で供給し、そして連続希釈(0.3、1及び3mg/kg)により50%濃度のAbbottカクテルを調製した。試験化合物には15分の前処理時間があったが、ジアゼパムは試験の30分前に投与された。薬物の各用量には平均6−10匹のラットであり、ジアゼパムには3−5匹であった。
【0192】
暴露サンプリング: 体重及び給餌状態を一致させた被験体において、四肢血漿、全脳及びCSFのサンプルを集めた。試験化合物の4投薬のそれぞれについて4匹のラットを使用し、サンプルを投薬の15分後に得た。
【0193】
統計: 罰あり及び罰なしの構成要素における応答の絶対速度は、個々の被験体について測定された終点であり、そして平均を報告した。応答の%コントロール速度を (薬物投与後の応答速度/ビヒクル投与後の速度)×100として算出した。個々の被験体についてこの計算を行い、そして平均を報告した。スチューデントt検定を使用して、所定の組のラットの平均コントロール速度を試験化合物投与後の対応する応答速度と比較した。
【0194】
実施例7: 11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンのインビボ抗精神病活性
本発明の化合物及び組成物の抗精神病活性を、D−アンフェタミン自発運動(Locomotor activity)試験に従って調べることができる。
【0195】
自発運動(LMA)は、馴化段階とその後の種々の用量でのD−アンフェタミン投与を含むパラダイムを使用して、雄Long Evansラットで評価することができる。体重を計って活動チャンバーに入れる前に動物を1時間試験室に慣れさせた。LMA測定開始の45分後、動物を一時的に取り出し、薬物(1、2、5、又は10 mg/kg)又はビヒクルを1mL/kg与え、そしてチャンバーに戻した。さらに15分後、動物を再び取り出し、そしてビヒクル又はD−アンフェタミンを1mg/kgで皮下経路により投与した。動物を活動チャンバーに戻した後、LMAをさらに60分間評価した。統計的解析を、ANOVA及びTukeyの事後解析を必要に応じて使用して、D−アンフェタミンを投与した後に移動した距離の合計で行った。
【0196】
実施例8: インビボ抗うつ活性アッセイ
本発明の化合物及び組成物の抗うつ活性は、尾懸垂試験に従ってマウスで評価することができる。
【0197】
最初の実験において、マウス(n=10/グループ)をビヒクル、2.0、5.0、又は10.0mg/kgの試験化合物で皮下で試験セッションの15分前に処理した。マウスをそれらの尾から7分間吊した。試験の最後の5分間の間に、無動持続時間を記録した。第2の実験において、マウス(n=10/グループ)を賦形剤、30mg/kgの試験化合物又は30mg/kgのフルオキセチンで経口で試験セッションの60分前に処理した。マウスをそれらの尾から7分間吊した。試験の最後5分間の間に、無動持続時間を記録した。
【0198】
本明細書に記載された物に加えて、本発明の種々の改変が、前述の記載から当業者に明らかとなるだろう。このような改変もまた、添付の特許請求の範囲内であることを意図される。本出願において引用される全ての特許、特許出願、及び雑誌文献を含む各参考文献は、参照によりその全体が本明細書に加入される。米国特許出願第60/870,970号はその全体が参照により本明細書に加入される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
1は、1、2、3、4、又は5つのR2でそれぞれ場合により置換される、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルであり;
2はそれぞれ独立して、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、ORa、SRa、C(=O)Rb、C(=O)NRcd、C(=O)ORa、OC(=O)R3、OC(=O)NRcd、NRcd、NRcC(=O)Rb、NRcC(=O)ORa、NRcS(=O)2b、S(=O)Rb、S(=O)NRcd、S(=O)2b、又はS(=O)2NRcdであり、ここでC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、1、2、3、4、又は5つのR4で場合により置換され;
3はそれぞれ独立して、H、C1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルであり、ここでC1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、1、2、3、4、又は5つのR5で場合により置換され;
4はそれぞれ独立して、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、CN、NO2、ORa'、SRa'、C(=O)Rb'、C(=O)NRc'd'、C(=O)ORa'、OC(=O)Rb'、OC(=O)NRc'd'、NRc'd'、NRc'C(=O)Rb'、NRc'C(=O)ORa'、NRc'S(=O)2b'、S(=O)Rb'、S(=O)NRc'd'、S(=O)2b'、又はS(=O)2NRc'd'であり;
5はそれぞれ独立して、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、CN、NO2、ORa'、SRa'、C(=O)Rb'、C(=O)NRc'd'、C(=O)ORa'、OC(=O)Rb'、OC(=O)NRc'd'、NRc'd'、NRc'C(=O)Rb'、NRc'C(=O)ORa'、NRc'S(=O)2b'、S(=O)Rb'、S(=O)NRc'd'、S(=O)2b'、又はS(=O)2NRc'd'であり;
a及びRa'はそれぞれ独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルより選択され、ここで該C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、OH、C1-6アルコキシ、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-8ジアルキルアミノ、NHC(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、ハロ、CN、NO2、C(=O)OH、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルで場合により置換され;
b及びRb'はそれぞれ独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルより選択され、ここで該C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、OH、C1-6アルコキシ、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-8ジアルキルアミノ、NHC(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、ハロ、CN、NO2、C(=O)OH、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルで場合により置換され;
c及びRdはそれぞれ独立して、H、C1-10アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルより選択され、ここで該C1-10アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、OH、C1-6アルコキシ、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-8ジアルキルアミノ、NHC(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、ハロ、CN、NO2、C(=O)OH、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルで場合により置換され;
又はRc及びRdは、それらが結合しているN原子とともに、4員、5員、6員、若しくは7員のヘテロシクロアルキル基を形成し;そして
c'及びRd'はそれぞれ独立して、H、C1-10アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルより選択され、ここで該C1-10アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、OH、C1-6アルコキシ、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-8ジアルキルアミノ、NHC(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、ハロ、CN、NO2、C(=O)OH、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルで場合により置換され;
又はRc'及びRd'は、それらが結合しているN原子とともに、4員、5員、6員、若しくは7員のヘテロシクロアルキル基を形成する]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
1が、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、SH、−S−(C1-6アルキル)、C(=O)Rb、C(=O)NRcd、C(=O)ORa、OC(=O)R3、OC(=O)NRcd、NRcd、NRcC(=O)Rb、NRcC(=O)ORa、NRcS(=O)2b、S(=O)Rb、S(=O)NRcd、S(=O)2b、及びS(=O)2NRcdより独立して選択される1、2、3、4、又は5つの置換基でそれぞれ場合により置換される、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1が、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、SH、−S−(C1-6アルキル)、C(=O)Rb、C(=O)NRcd、C(=O)ORa、OC(=O)R3、OC(=O)NRcd、NRcd、NRcC(=O)Rb、NRcC(=O)ORa、NRcS(=O)2b、S(=O)Rb、S(=O)NRcd、S(=O)2b、及びS(=O)2NRcdより独立して選択される1、2、3、4、又は5つの置換基でそれぞれ置換される、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1が、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリー
ルアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、SH、−S−(C1-6アルキル)、C(=O)Rb、C(=O)NRcd、C(=O)ORa、OC(=O)R3、OC(=O)NRcd、NRcd、NRcC(=O)Rb、NRcC(=O)ORa、NRcS(=O)2b、S(=O)Rb、S(=O)NRcd、S(=O)2b、及びS(=O)2NRcdより独立して選択される1、2、又は3つの置換基でそれぞれ置換される、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
1が、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-12ジアルキルアミノ、SH、−S−(C1-6アルキル)、C(=O)H、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)OH、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、OC(=O)H、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、OC(=O)NH2、OC(=O)NH(C1-6アルキル)、OC(=O)NH−(アリールアルキル)、OC(=O)N(C1-6アルキル)2、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、NHC(=O)−(アリール)、NHC(=O)−(アリールアルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(アリール)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)O−(アリールアルキル)、NHC(=O)O−(C1-6アルキル)、NHC(=O)O−(アリールアルキル)、NHC(=O)NH(C1-6アルキル)、NHC(=O)NH−(アリール)、NHC(=O)NH−(アリールアルキル)、NHC(=O)NH(C1-6アルキル)2、N(C1-6アルキル)C(=O)NH(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH−(アリール)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH−(アリールアルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH(C1-6アルキル)2、NHS(=O)2−(C1-6アルキル)、NHS(=O)2−(アリール)、NHS(=O)2−(アリールアルキル)、S(=O)2−(C1-6アルキル)、S(=O)2−(アリール)、S(=O)2−(アリールアルキル)、S(=O)2NH(C1-6アルキル)、S(=O)2NH(アリール)、及びS(=O)2NH(アリールアルキル)より独立して選択される1、2、3、4、又は5つの置換基でそれぞれ場合により置換される、C1-8アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
1が、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-12ジアルキルアミノ、SH、−S−(C1-6アルキル)、C(=O)H、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)OH、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、OC(=O)H、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、OC(=O)NH2、OC(=O)NH(C1-6アルキル)、OC(=O)NH−(アリールアルキル)、OC(=O)N(C1-6アルキル)2、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、NHC(=O)−(アリール)、NHC(=O)−(アリールアルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(アリール)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)O−(アリールアルキル)、NHC(=O)O−(C1-6アルキル)、NHC(=O)O−(アリールアルキル)、NHS(=O)2−(C1-6アルキル)、NHS(=O)2−(アリール)、NHS(=O)2−(アリールアルキル)、S(=O)2−(C1-6アルキル)、S(=O)2−(アリール)、S(=O)2−(アリールアルキル)、S(=O)2NH(C1-6アルキル)、S(=O)2NH(アリール)、及びS(=O)2NH(アリールアルキル)より独立して選択される1、2、又は3つの置換基でそれぞれ場合により置換される、C1-8アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
1が、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、及びC2-12ジアルキルアミノより独立して選択される1、2、又は3つの置換基でそれぞれ場合により置換される、C1-8アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
1が、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、CN、NO2、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、及びC2-12ジアルキルアミノより独立して選択される1又は2つの置換基でそれぞれ場合により置換される、C1-8アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
1が、CN、NO2、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、及びC2-12ジアルキルアミノより独立して選択される1又は2つの置換基でそれぞれ置換される、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
1が、OC(=O)R3で置換され、そして1、2、3、又は4つのR2で場合により置換される、C1-10アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
1が−CH2−OC(=O)R3又は−CH(R2)−OC(=O)R3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
1が−CH2−OC(=O)R3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
1が−CH(R2)−OC(=O)R3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
1が−CH(CH3)−OC(=O)R3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
2がそれぞれ独立して、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルア
ルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-12ジアルキルアミノ、SH、−S−(C1-6アルキル)、C(=O)H、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)OH、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、OC(=O)H、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、OC(=O)NH2、OC(=O)NH(C1-6アルキル)、OC(=O)NH−(アリールアルキル)、OC(=O)N(C1-6アルキル)2、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、NHC(=O)−(アリール)、NHC(=O)−(アリールアルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(アリール)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)O−(アリールアルキル)、NHC(=O)O−(C1-6アルキル)、NHC(=O)O−(アリールアルキル)、NHC(=O)NH(C1-6アルキル)、NHC(=O)NH−(アリール)、NHC(=O)NH−(アリールアルキル)、NHC(=O)NH(C1-6アルキル)2、N(C1-6アルキル)C(=O)NH(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH−(アリール)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH−(アリールアルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH(C1-6アルキル)2、NHS(=O)2−(C1-6アルキル)、NHS(=O)2−(アリール)、NHS(=O)2−(アリールアルキル)、S(=O)2−(C1-6アルキル)、S(=O)2−(アリール)、S(=O)2−(アリールアルキル)、S(=O)2NH(C1-6アルキル)、S(=O)2NH(アリール)、又はS(=O)2NH(アリールアルキル)である、
請求項1、10、11、及び13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
3が、H、C1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルであり、ここでC1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルはそれぞれ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、C2-12ジアルキルアミノ、SH、−S−(C1-6アルキル)、C(=O)H、C(=O)−(C1-6アルキル)、C(=O)−(アリール)、C(=O)−(アリールアルキル)、C(=O)NH2、C(=O)NH(C1-6アルキル)、C(=O)N(C1-6アルキル)2、C(=O)OH、C(=O)O−(C1-6アルキル)、C(=O)O−(アリールアルキル)、OC(=O)H、OC(=O)−(C1-6アルキル)、OC(=O)−(アリール)、OC(=O)−(アリールアルキル)、OC(=O)NH2、OC(=O)NH(C1-6アルキル)、OC(=O)NH−(アリールアルキル)、OC(=O)N(C1-6アルキル)2、NHC(=O)−(C1-6アルキル)、NHC(=O)−(アリール)、NHC(=O)−(アリールアルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(アリール)、N(C1-6アルキル)C(=O)−(アリールアルキル)、NHC(=O)O−(アリールアルキル)、NHC(=O)O−(C1-6アルキル)、NHC(=O)O−(アリールアルキル)、NHC(=O)NH(C1-6アルキル)、NHC(=O)NH−(アリール)、NHC(=O)NH−(アリールアルキル)、NHC(=O)NH(C1-6アルキル)2、N(C1-6アルキル)C(=O)NH(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH−(アリール)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH−(アリールアルキル)、N(C1-6アルキル)C(=O)NH(C1-6アルキル)2、NHS(=O)2−(C1-6アルキル)、NHS(=O)2−(アリール)、NHS(=O)2−(アリールアルキル)、S(=O)2−(C1-6アルキル)、S(=O)2−(アリール)、S(=O)2−(アリールアルキル)、S(=O)2NH(C1-6アルキル)、S(=O)2NH(アリール)、及びS(=O)2NH(アリールアルキル)より独立して置換される1、2、3、4、又は5つの置換基で場合により置換される、請求項1、10、11、12、13、及び14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
3が、H、C1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルであり、ここでC1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、及びヘテロシクロアルキルアルキルは、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、CN、NO2、OH、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、及びC2-12ジアルキルアミノより独立して選択される1、2、又は3つの置換基でそれぞれ場合により置換される、
請求項1、10、11、12、13、及び14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
3が、H、C1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである、請求項1、10、11、12、13、及び14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
3が、C1-10アルキル、C1-10ハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルアルキルである、請求項1、10、11、12、13、及び14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
3がC1-10アルキル又はC1-10ハロアルキルである、請求項1、10、11、12、13、及び14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
3がC1-3アルキルである、請求項1、10、11、12、13、及び14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項22】
3がメチル又はエチルである、請求項1、10、11、12、13、及び14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
3がメチルである、請求項1、10、11、12、13、及び14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物を含む組成物。
【請求項25】
薬学的に許容しうる担体をさらに含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
少なくとも1種の、抗うつ薬、非定型抗精神病薬、抗精神病薬、抗不安薬、抗痙攣薬、アルツハイマー治療薬、パーキンソン治療薬、片頭痛治療薬、脳卒中治療薬、尿失禁治療薬、神経因性疼痛治療薬、侵害受容性疼痛治療薬、不眠症治療薬、精神安定剤、5HT1Bリガンド、mGluR2アゴニスト、アルファ7ニコチンアゴニスト、ケモカイン受容体CCR1阻害剤、又はデルタオピオイドアゴニストをさらに含む、請求項24又は請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
少なくとも1種の、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aリガンド、5−HT1Bリガンド、5−HT1Dリガンド、mGluR2Aアゴニスト、mGluR5アンタゴニスト、抗精神病薬、NK1受容体アンタゴニスト、抗うつ薬、又はセロトニン再取り込み阻害剤をさらに含む、請求項24、25、及び26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
統合失調症及び他の精神病性障害、痴呆及び他の認知障害、不安障害、気分障害、睡眠障害、通常乳児期、小児期、若しくは青年期に最初に診断される障害、又は神経変性障害に関連する少なくとも1つの症状又は状態を処置する方法であって、哺乳動物に治療有効量の、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物又は請求項24〜27のいずれか1項に記載の組成物を投与することからなる、方法。
【請求項29】
症状又は状態が、不安、興奮、反抗、パニック、摂食障害、情動の症状、気分の症状、又は陰性若しくは陽性の精神病的症状を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
哺乳動物に治療有効量の、抗うつ薬、非定型抗精神病薬、抗精神病薬、抗不安薬、抗痙攣薬、アルツハイマー治療薬、パーキンソン治療薬、片頭痛治療薬、脳卒中治療薬、尿失禁治療薬、神経因性疼痛治療薬、侵害受容性疼痛治療薬、不眠症治療薬、気分安定薬、5HT1Bリガンド、mGluR2アゴニスト、アルファ7ニコチンアゴニスト、ケモカイン受容体CCR1阻害剤、又はデルタオピオイドアゴニストを投与することをさらに含む、請求項28又は請求項29に記載の方法。
【請求項31】
哺乳動物に、治療有効量の、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aリガンド、5−HT1Bリガンド、5−HT1Dリガンド、mGluR2Aアゴニスト、mGluR5アンタゴニスト、抗精神病薬、NK1受容体アンタゴニスト、抗うつ薬、又はセロトニン再取り込み阻害剤を投与することをさらに含む、請求項28〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
統合失調症及び他の精神病性障害、痴呆及び他の認知障害、不安障害、気分障害、睡眠障害、通常乳児期、小児期、若しくは青年期に最初に診断される障害、又は神経変性障害に関連する少なくとも1つの症状又は状態の処置のための、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物又は請求項24〜27のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項33】
統合失調症及び他の精神病性障害、痴呆及び他の認知障害、不安障害、気分障害、睡眠障害、通常乳児期、小児期、若しくは青年期に最初に診断される障害、又は神経変性障害に関連する少なくとも1つの症状又は状態の処置のための医薬の製造のための、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物又は請求項24〜27のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項34】
11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを哺乳動物に送達する方法であって、該哺乳動物に治療有効量の、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物又は請求項24〜27のいずれか1項に記載の組成物を投与することからなる、方法。
【請求項35】
統合失調症及び他の精神病性障害、痴呆及び他の認知障害、不安障害、気分障害、睡眠障害、通常乳児期、小児期、若しくは青年期に最初に診断される障害、又は神経変性障害に関連する少なくとも1つの症状又は状態の処置において11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを哺乳動物に送達する方法であって、該哺乳動物に治療有効量の、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物又は請求項24〜27のいずれか1項に記載の組成物を投与することからなる、方法。
【請求項36】
11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを哺乳動物に送達する方法であって、該哺乳動物に、治療有効量の請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物を含む組成物を投与することからなる、方法。
【請求項37】
統合失調症及び他の精神病性障害、痴呆及び他の認知障害、不安障害、気分障害、睡眠障害、通常乳児期、小児期、若しくは青年期に最初に診断される障害、又は神経変性障害に関連する少なくとも1つの症状又は状態の処置において11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを哺乳動物に送達する方法であって、該哺乳動物に、治療有効量の請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物を含む組成物を投与することからなる、方法。
【請求項38】
11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを哺乳動物に送達するための、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物又は請求項24〜27のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項39】
統合失調症及び他の精神病性障害、痴呆及び他の認知障害、不安障害、気分障害、睡眠障害、通常乳児期、小児期、若しくは青年期に最初に診断される障害、又は神経変性障害に関連する少なくとも1つの症状又は状態の処置において、哺乳動物に11−ピペラジン−1−イルジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピンを送達するための、請求項1〜23のいずれか1項に記載の化合物又は請求項24〜27のいずれか1項に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2010−531292(P2010−531292A)
【公表日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543161(P2009−543161)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/088040
【国際公開番号】WO2008/079839
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】