説明

化粧品において,食品サプリメントとして,または医薬品として用いるための脂質化合物

本発明は,一般式(I):
【化53】


[式中,
1は,C10−C21アルキル,1−6個の二重結合を有するC10−C21アルケニル,および1−6個の三重結合を有するC10−C21アルキニルから選択され;
2およびR3は,同じまたは異なり,水素およびC1−C6アルキル基から選択され;およびXはO,S,SO,SO2,SiまたはSeから選択され;
n=1または3であり;および
1は,水素,C10−C21アルキル,1−6個の二重結合を有するC10−C21アルケニル,および1−6個の三重結合を有するC10−C21アルキニルから選択され,これらは任意に置換されていてもよく;またはP1は下記で示され:
【化54】


[式中P2,P3およびP4は,水素,アルキル,アルケニル,アルキニルから選択され,これらは任意に置換されていてもよい]
または,P1は下記で示されるホスホネートまたはホスフェートエステルであり:
【化55】


またはP1は,下記で示されるスルホネートまたはスルフェートエステルであり:
【化56】


これらの式中,P5は水素またはC1−C6アルキルである]
で表される脂質化合物またはその薬学的に許容可能な塩,複合体または溶媒和物に関する。また,そのような化合物を含む医薬組成物および脂質組成物,および特に心臓血管,代謝性および炎症性疾病の分野に関連する疾病の治療のための医薬品として使用するためのそのような化合物も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,一般式(I):
【化1】

[式中,
1は,C10−C21アルキル,1−6個の二重結合を有するC10−C21アルケニル,および1−6個の三重結合を有するC10−C21アルキニルから選択され;
2およびR3は,同じまたは異なり,水素およびC1−C6アルキル基から選択され;XはO,S,SO,SO2,SiまたはSeから選択され;
n=1または3であり;および
1は,水素,C10−C21アルキル,1−6個の二重結合を有するC10−C21アルケニル,および1−6個の三重結合を有するC10−C21アルキニルから選択され,これらは任意に置換されていてもよく;またはP1は下記で表され:
【化2】

式中,P2,P3およびP4は,水素,アルキル,アルケニル,アルキニルから選択され,これらは任意に置換されていてもよく;または,P1は,下記で表されるホスホネートまたはホスフェートエステルであり:
【化3】

またはP1は下記で表されるスルホネートまたはスルフェートエステルであり:
【化4】

これらの式中,P5は,水素またはC1−C6アルキルである]
の脂質化合物,またはその薬学的に許容可能な塩,複合体または溶媒和物に関する。
【0002】
本発明はまた,そのような化合物を含む医薬組成物および脂質組成物,および医薬品として,または治療に用いるための,特に,心臓血管,代謝性および炎症性疾病の領域に関連する疾病の治療に用いるための,そのような化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
これまで,脂肪酸類似体,および正常な健康および慢性疾患に影響を及ぼす多用な生理学的プロセスにこれらが与える影響について,多くの研究が行われてきた。
【0004】
例えば,食用ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)は,血漿脂質レベル,心臓血管および免疫機能,インスリンの作用,および神経発生および視覚機能を制御することが示されている。
【0005】
テトラデシルチオ酢酸(TTA)は,インビボおよびインビトロの両方で生きた生物に対して多くの強力な効果を示すことができる修飾脂肪酸である。TTAは,天然の脂肪酸と非常に類似した特性を有しており,主な相違点は,ミトコンドリアのβ酸化によって酸化されないことであるが,他の脂肪酸の酸化を顕著に増加させる。TTAはβ酸化されないにもかかわらず,ほとんど通常の飽和脂肪酸と同様に代謝される。
【化5】

【0006】
TTAは,それ自体そのフリーラジカル捕捉能力により抗酸化剤であることに加えて,抗酸化性防御システムを変化させる能力を有するため,抗酸化状態に対して種々のレベルで影響を及ぼす。TTAの添加は,血漿におけるLDL粒子の酸化的修飾を防止し,脂質過酸化物の生成を減少させることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
本発明の1つの目的は,薬学的活性を有する脂質化合物を提供することである。この目的は,式(I):
【化6】

[式中,
1は,C10−C21アルキル,1−6個の二重結合を有するC10−C21アルケニル,および1−6個の三重結合を有するC10−C21アルキニルから選択され;
2およびR3は,同じまたは異なり,水素およびC1−C6アルキル基から選択され;Xは,O,S,SO,SO2,SiまたはSeから選択され;
n=1または3であり;および
1は,水素,C10−C21アルキル,1−6個の二重結合を有するC10−C21アルケニル,および1−6個の三重結合を有するC10−C21アルキニルから選択され,これらは任意に置換されていてもよく;またはP1は下記で表され:
【化7】

式中,P2,P3およびP4は,水素,アルキル,アルケニル,アルキニルから選択され,これらは任意に置換されていてもよく;または,P1は,下記で表されるホスホネートまたはホスフェートエステルであり:
【化8】

または,P1は下記で表されるスルホネートまたはスルフェートエステルであり:
【化9】

これらの式中,P5は水素またはC1−C6アルキルである]
で表される脂質化合物,またはその薬学的に許容可能な塩,複合体または溶媒和物により達成される。
【0008】
特に,本発明は,R1がC10−C21アルキル,例えばC14アルキルであり,該脂質化合物は飽和脂肪酸から誘導される,式(I)の化合物に関する。
【0009】
1は,1−6個の二重結合を有するC10−C22アルケニルであり,ここで,該脂質化合物はモノ不飽和脂肪酸またはポリ不飽和脂肪酸のいずれかから誘導される。
【0010】
モノ不飽和脂肪酸から誘導されたものである場合,R1は,典型的には,例えば1−3個の二重結合を有するC14−C18アルケニルである。
【0011】
ポリ不飽和脂肪酸から誘導されたものである場合,R1は,典型的には,3−6個の二重結合を有する,例えば,メチレンにより中断された3−6個の二重結合をZコンフィギュレーションで有する,C10−C22アルケニルである。例えば,R1は以下のものである:
4個の二重結合を有するC15アルケニル,例えば,メチレンにより中断された4個の二重結合をZ−コンフィギュレーションで有するC15アルケニル,
3−5個の二重結合を有するC18アルケニル,例えば,メチレンにより中断された5個の二重結合をZコンフィギュレーションで有するC18アルケニル,
メチレンにより中断された5個の二重結合をZ−コンフィギュレーションで有するC20アルケニル,
メチレンにより中断された6個の二重結合をZ−コンフィギュレーションで有するC22アルケニル。
【0012】
さらに,R1は,C10−C22アルキニル,例えばC16−C22アルキニルであってもよく,ここで,該脂質化合物は,1−6個の三重結合を含む脂質から誘導されたものである。
【0013】
本発明はまた,式(I)にしたがう化合物の塩に関する。そのような塩は,一価カチオン,例えば,Li+,Na+,K+,NH4+,メグルミン,トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン,ジエチルアミン,アルギニン;二価イオン,例えばMg2+,Ca2+,エチレンジアミン,ピペラジン;または多価カチオン,例えばキトサンを含むことができる。
【0014】
1が下記:
【化10】

で表される式(I)の化合物において,P2,P3,P4は,典型的には,水素,C1−C6アルキルから選択され,例えば,メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,sec−ブチル,n−ヘキシルであり,これらは任意に置換されていてもよい。好ましくは,P2,P3,P4の1つは水素,メチル基,またはイソプロピル基である。典型的には,P2,P3,P4の1つはC1−C6アルキル,例えばメチルであり,残りの2つは水素である。例えば,式(I)のP1は下記:
【化11】

で表される。
【0015】
本発明の好ましい態様にしたがえば,該アルキル,アルケニルまたはアルキニルは,カルボキシ基,典型的にはC1−C6カルボキシ基で置換されている。この場合,式(II)にしたがうP1は,下記:
【化12】

で表される。
【0016】
1が上述の式(IIb)で表される場合,式(I)にしたがう化合物の塩は,次のように表すことができる:
【化13】

式中,Z+は,Li+,Na+,K+,NH4+
【化14】

からなる群より選択され,,Z2+は,Mg2+,Ca2+
【化15】

からなる群より選択され,
ここで,Zn+は,
【化16】

である。
【0017】
式(I)において,P1はまた次のように表すことができる:
【化17】

式中,P2,P3,P4は,典型的には,水素,C1−C6アルキル,例えば,メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,sec−ブチルまたはn−ヘキシルである。好ましくは,P2,P3,P4の1つは,水素,メチル基またはイソプロピル基である。
【0018】
1が下記で示されるホスホネートまたはホスフェートエステルである場合,
【化18】

5は,典型的には,水素またはC1−C6アルキルであり,好ましくは下記の式にしたがって,
【化19】

水素またはメチル基である。
【0019】
1がス下記で示されるルホネートまたはスルフェートエステルである場合,
【化20】

5は,典型的には,水素またはC1−C6アルキルであり,好ましくは下記の式にしたがって,
【化21】

水素またはメチル基である。
【0020】
本発明の好ましい態様においては,nは1である。
【0021】
上述したように,R2およびR3は,同じであっても異なっていてもよく,水素およびC1−C6アルキル基から選択することができる。典型的には,R2およびR3は両方とも水素である。
【0022】
さらに,式(I)の化合物において,Xは,O,S,SO,SO2,SiおよびSeから選択することができる。好ましくは,Xは,S,SeまたはOのいずれかである。典型的にはXはSである。
【0023】
式(I)の化合物は,立体異性体の形で存在することができる。本発明は式(I)の化合物のすべての光学異性体およびこれらの混合物,例えばラセミ体を包含することが理解されるであろう。したがって,本発明は,ラセミ体であるか,(S)または(R)エナンチオマーのいずれかである式(I)の化合物を含む。
【0024】
本発明はまた,医薬品として用いるための,式(I)にしたがう脂質化合物に関する。
【0025】
式Iの化合物を含む化粧品配合物は本発明の別の観点である。
【0026】
さらに別の観点においては,本発明は,式(I)の脂質化合物を含む食品サプリメント,食品添加物,または食品医薬製剤を提供する。
【0027】
そのような食品サプリメントは,任意の経路での投与用に製造することができる。例えば,食品サプリメントは液体の栄養剤としてまたは飲料として投与することができる。
【0028】
食品サプリメントは,カプセル,好ましくはゼラチンカプセルの形であってもよく,カプセルには香味をつけてもよい。
【0029】
さらに別の観点においては,本発明は,式(I)の化合物を,好ましくは1またはそれ以上の薬学的に許容可能な担体または賦形剤とともに含む医薬組成物を提供する。
【0030】
本発明の新規脂質化合物および組成物は,慣用の賦形剤,例えば,溶媒,希釈剤,結合剤,甘味料,香味料,pH調節剤,粘度調節剤,抗酸化剤,コーンスターチ,ラクトース,グルコース,微晶質セルロース,ステアリン酸マグネシウム,ポリビニルピロリドン,クエン酸,酒石酸,水,水/エタノール,水/グリセロール,水/ソルビトール,水/ポリエチレングリコール,プロピレングリコール,セチルステアリルアルコール,カルボキシメチルセルロース,または脂肪酸物質,例えば硬化脂肪,またはこれらの適当な混合物等を用いて,慣用の投与形態に,例えば,錠剤,コーティングされた錠剤,カプセル,粉体,顆粒,溶液,分散液,懸濁液,シロップ,乳濁剤,スプレー,座剤,ペッサリー等として製剤することができる。当該技術分野においてよく知られる慣用の製剤技術を用いることができる。
【0031】
組成物は,同様に,慣用の投与経路で,例えば,経口,注射,注入,経鼻,直腸等で投与することができる。経口投与可能な組成物,例えば,錠剤,コーティングされた錠剤,カプセル,シロップ等が特に好ましい。
【0032】
式(I)にしたがう化合物の適当な1日投与量は,1mgから10gの該化合物であり;50mgから1gの該化合物であり,または50mgから200mgの該化合物である。
【0033】
本発明にしたがう医薬組成物は,医薬品として用いることができる。
【0034】
本発明はまた,式(I)にしたがう脂質化合物を含む脂質組成物に関する。好適には,脂質組成物の少なくとも60重量%,または少なくとも80重量%が該化合物から構成される。
【0035】
脂質組成物はさらに薬学的に許容可能な抗酸化剤,例えばトコフェロールを含んでいてもよい。
【0036】
さらに,本発明は,医薬品として使用するための脂質組成物に関する。
【0037】
さらに,本発明は,下記のための医薬品の製造のための,式(I)にしたがう脂質化合物の使用に関する:
末梢インスリン耐性および/または糖尿病性状態の治療および/または予防;
血漿インスリン,血中グルコースおよび/または血清トリグリセリドの低下;
トリグリセリドレベル,LDLコレステロールレベル,および/またはVLDLコレステロールレベルの上昇の予防および/または治療;
高脂血症状態,例えば高トリグリセリド血症の予防および/または治療;
2型糖尿病の治療および/または予防;
ヒトにおける血清HDLレベルの増加;
肥満または体重過多の治療および/または予防;
体重の減少および/または体重増加の予防;
脂肪肝疾患,例えば非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の治療および/または予防;
炎症性疾患または状態,例えば乾癬等の慢性炎症性疾患の治療および/または予防;
低脂血症,高血圧症,アテローム性動脈硬化症,癌,慢性関節リウマチ,および脳疾患,例えば,MSおよびアルツハイマー病からなる群より選択される疾病の治療および/または予防。
【0038】
本発明はまた,上述の病気を治療するための式(I)にしたがう脂質化合物,および治療/予防を必要とする哺乳動物に薬学的に活性な量の式(I)の化合物を投与することを含む,上述の病気を治療および/または予防する方法に関する。
【0039】
さらに,本発明は,式(I)にしたがう脂質化合物を製造する方法も包含する。
【発明を実施するための形態】
【0040】
発明の詳細な説明
本発明者らは,テトラデシルチオ酢酸(TTA)の特定のプロドラッグ,またはインビボで代謝されてTTAとなる化合物,特にこれらの化合物のアルコールおよびアルコールのプロドラッグが,顕著に優れた薬学的活性を有することを見いだした。そのような化合物は式(I)で表される。
【0041】
本明細書において用いる場合,"脂質化合物"との用語は,例えば,モノ不飽和脂肪酸,ポリ不飽和脂肪酸および1−6個の三重結合を含む脂質から誘導される脂肪酸類似体に関連する。
【0042】
"プロドラッグ"とは,それ自体薬理学的活性を有していても有していなくてもよいが,投与(例えば経口でまたは非経口で)することができ,その後体内で生物学的に活性化(例えば代謝)されて,薬学的に活性な本発明の薬剤を形成することができる物質である。
【0043】
"薬学的に活性な量"とは,所望の薬理学的および/または治療効果につながる量,すなわち,その意図される目的を達成するのに有効な組み合わせ製品の量に関連する。個々の患者の必要性は様々であろうが,有効量の組み合わせ製品の最適な範囲の決定は,当業者の技術の範囲内である。一般に,本発明の組み合わせ製品を用いて病気を治療するための投与計画は,種々の因子,例えば,患者のタイプ,年齢,体重,性別,食餌および健康状態にしたがって選択される。
【0044】
"医薬組成物"とは,医療目的で用いるのに適した任意の形態の,本発明にしたがう脂質化合物を意味する。
【0045】
"治療"には,ヒトまたは非ヒト哺乳動物に有益でありうるあらゆる治療用途が含まれる。ヒトおよび動物の両方の治療が本発明の範囲内に含まれる。治療は,現存する状態に対するものであってもよく,予防的なものであってもよい。
【0046】
用語および術語
脂肪酸は,一方の末端(α)にカルボキシル(COOH)基を,他方の末端(ω)に(通常は)メチル基を有する直鎖炭化水素である。化学では,炭素原子の番号付けはα末端から開始する。
【化22】

α炭素とは官能基に結合している炭素の後の最初の炭素を表し,2番目の炭素はβ炭素である。
【0047】
本明細書において用いる場合,"メチレンにより中断された二重結合"との表現は,脂質化合物の炭素鎖中の二重結合の間にメチレン基が位置してこれらを分離していることに関連する。
【0048】
本発明の基本的概念は,式(I):
【化23】

[式中,R1,R2,R3,X,n,およびP1は上で定義したとおりである]
の脂質化合物である。
【0049】
得られる化合物は,脂質鎖中に組み込まれている複素原子を有する脂質化合物,すなわち複素原子を好ましくはβ位に有する脂質化合物である。
【0050】
より詳細には,本発明者らは,驚くべきことに,下記の脂質化合物カテゴリーA−Dが特に好ましいことを見いだした。
【0051】
カテゴリーA
飽和脂肪酸から誘導
1はC10−C21アルキルである
例1:
1=C14,n=1
【化24】

【0052】
カテゴリーB
モノ不飽和脂肪酸から誘導
1は1個の二重結合を有するC10−C21アルケニルである
例2:
1=C18,n=1
【化25】

例3:
1=C14,n=1,X=S
【化26】

【0053】
カテゴリーC
ポリ不飽和脂肪酸から誘導
1は1−6個の二重結合を有するC10−C22アルケニルである
例4:
1=メチレンにより中断された5個の二重結合をZ−コンフィギュレーションで有するC20,n=1,X=S
【化27】

例5:
1=メチレンにより中断された6個の二重結合をZ−コンフィギュレーションで有するC22,n=1
【化28】

例6:
1=メチレンにより中断された3個の二重結合をZ−コンフィギュレーションで有するC18,n=1
【化29】

例7:
1=メチレンにより中断された4個の二重結合をZ−コンフィギュレーションで有するC15,n=1
【化30】

例8:
1=4個の二重結合を有するC15,n=1
【化31】

例9:
1=メチレンにより中断された5個の二重結合をZ−コンフィギュレーションで有するC18,n=1
【化32】

例10:
1=5個の二重結合を有するC18,n=1
【化33】

【0054】
カテゴリーD
1−6個の三重結合を含む脂質から誘導
例11:
1=1個の三重結合を有するC18,n=1
【化34】

【0055】
下記の非限定的例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0056】
Xがイオウでありn=1である化合物の一般的合成
一般式(I)の化合物は,下記の一般的手順により製造することができる。
方法1:
【化35】

方法II:
【化36】

【0057】
不飽和アルコールは,天然に生ずる不飽和脂肪酸;アルファ−リノレン酸,オレイン酸,共役リノール酸,リノール酸,エイコサペンタエン酸等のカルボン酸エステルから,水素化ジイソブチルアルミニウムを用いる還元により,直接製造することができる。アルコールはまた,Holmeideらにより記載されているようにして(J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,2000,2271),ポリ不飽和脂肪酸EPAおよびDHAの分解により製造することができる。この場合,精製したEPAまたはDHAから出発することができるが,EPAおよびDHAを混合物中に含む魚油から出発することも可能である。
【0058】
飽和アルコールは,その対応するカルボン酸またはカルボン酸エステルから得ることができる。
【実施例】
【0059】
実施例1〜4
下記の実施例においては,構造はNMRにより確認した。NMRスペクトルは,CDCl3中で記録した。J値はHzで示される。
【0060】
下記の脂質誘導体を製造し特性決定し,本発明にしたがって,式(I)の化合物が提供される。
【0061】
式(I)の特定の脂肪酸誘導体の製造および特性決定
実施例1:2−テトラデシルスルファニル−エタノール
【化37】

乾燥THF(10ml)中のテトラデシルスルファニル酢酸(1.50g,5.20mmol)の溶液を,乾燥THF(30ml)中のLiAlH4(0.40g,10.4mmol)の懸濁液に0℃で滴加した。混合物を0℃で1時間,次に周囲温度で18時間撹拌した。飽和NH4Cl(40ml)を加え,得られた混合物をセライトの短いパッドを通して濾過した。相を分離し,水性相をジエチルエーテル(50ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50ml)で洗浄し,乾燥し(Na2SO4),真空下で濃縮した。シリカゲル(ヘプタン:EtOAc4:1)でフラッシュクロマトグラフィーにより精製して,0.76g(54%)の表題化合物を無色固体として得た。
1H−NMR(200MHz,CDCl3):δ0.85(t,3H),1.23−1.49(m,22H),1.55(m,2H),2.48(t,2H),2.69(t,2H),3.68(t,2H)
MS(ESI):297[M+Na++
【0062】
実施例2:(2−テトラデシルスルファニル−エチル)アセテート
【化38】

2−テトラデシルスルファニル−エタノール(0.54g,1.97mmol)を乾燥THF(10ml)に溶解し,ピリジン(0.16ml,1.97mmol)を加え,次に塩化アセチル(0.15m,2.16mmol)を加えた。得られた混合物を周囲温度で23時間撹拌した後,さらに塩化アセチル(0.075ml,1.08mmol)およびピリジン(0.080ml,0.95mmol)を加えた。混合物を周囲温度でさらに90分間撹拌した後,ジエチルエーテル(30ml)と10%NH4Cl(30ml)との間に分配した。有機層をブライン(40ml)で洗浄し,乾燥し(Na2SO4),真空下で濃縮した。トルエン(10mL)を残渣に加えた。溶媒を真空下で蒸発させ,粗生成物をシリカゲル(ヘプタン:EtOAc9:1)でフラッシュクロマトグラフィーにより精製して,0.45g(72%)の表題化合物を無色固体として得た。
1H−NMR(200MHz,CDCl3):δ0.85(t,3H),1.23−1.49(m,22H),1.49−1.60(m,2H),2.04(s,3H),2.53(t,2H),2.71(t,2H),4.19(t,2H);
MS(ESI):317[M+H++,339[M+Na++
【0063】
実施例3:(5E,9Z,12Z,15Z,18Z)−3−チア−ヘンエイコサ−ペンタエン−1−オール
工程1:エチル(5E,9Z,12Z,15Z,18Z)−3−チア−ヘンエイコサ−ペンタノアート:
【化39】

乾燥CH2Cl2(10ml)中の(2E,6Z,9Z,12Z,15Z)−オクタデカペンタエン−1−チオール(0.52g,1.88mmol)の混合物に,不活性雰囲気下で,Et3N(0.28ml,2.07mmol)を,次にブロモエチルアセテート(0.22ml,1.97mmol)を加えた。得られた溶液を周囲温度で18時間撹拌した。CH2Cl2(20ml)を加えた。得られた混合物を水(20ml)およびブライン(30ml)で洗浄し,乾燥し(Na2SO4),真空下で濃縮した。残渣を短いシリカカラム(ヘプタン:EtOAc99:1,次に95:5)でフラッシュクロマトグラフィーにより精製して,0.54g(79%)の表題化合物を無色油状物として得た。
1H−NMR(200MHz,CDCl3):δ0.95(t,3H),1.27(t,3H),1.98−2.19(m,6H),2.76−2.90(m,6H),3.13(s,2H),3.18(d,2H),4,16(q,2H),5.22−5.50(m,9H),5.53−5.71(m,1H);
MS(ESI):385[M+Na++
【0064】
工程2:(5E,9Z,12Z,15Z,18Z)−3−チア−ヘンエイコサ−ペンタエン−1−オール
【化40】

乾燥THF(5ml)中のエチル(5E,9Z,12Z,15Z,18Z)−3−チア−ヘンエイコサ−ペンタノアート(0.54g,1.49mmol)の溶液を,乾燥THF(10ml)中のLiAlH4(0.062g,1.64mmol)の撹拌懸濁液に0℃で不活性雰囲気下で滴加した。得られた溶液を0℃で15分間撹拌した。10%NH4Cl(20ml)を滴加し,得られた混合物をセライトの短いパッドを通して濾過した。セライトパッドを水(20ml)およびジエチルエーテル(20ml)で洗浄し,相を分離した。水性相をジエチルエーテル(2x20ml)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(20ml)で洗浄し,乾燥し(Na2SO4),真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc4:1)により精製した。これにより,0.39g(81%)の表題化合物を無色油状物として得た。
1H−NMR(200MHz,CDCl3):δ0.96(t,3H),1.98−2.12(m,7H),2.66(t,2H),2.76−2.85(m,6H),3.08(d,2H),3.67(q,2H),5.26−5.56(m,10H);
MS(ESI):343[M+Na++
【0065】
実施例4:(全Z)−2−エチル−3−チア−トリコサ−8,11,14,17,20−ペンタエン−1−オール
工程1:(全Z)−エイコサ−5,8,11,14,17−ペンタエン−1−イルチオアセテート
【化41】

トリフェニルホスフィンPPh3(79.11g,302mmol)を0℃で不活性雰囲気下で乾燥THF(600ml)に溶解し,DIAD(59.06ml,305mmol)を滴加した。0℃で40分後,乾燥THF(400mL)中の(全Z)−5,8,11,14,17−エイコサペンタエン−1−オール(43.50g,151mmol)およびチオ酢酸(21.56ml,302mmol)の溶液を滴加した。得られた不透明混合物を0℃で40分間,次に周囲温度で1.5時間撹拌した。ヘプタン(600ml)を加え,混合物を10分間撹拌し,沈殿した白色固体を濾過により除去した。この手順を2回繰り返し,最後に濃縮後の残渣をヘプタン(400ml)中で24時間撹拌した。残渣を濾過しフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,EtOAc:ヘプタン2:98)により精製して,46.6g(89%)の表題化合物を無色油状物として得た。
1H−NMR(200MHz,CDCl3):δ0.95(t,3H),1.41−1.63(m,4H),2.05(m,4H),2.30(s,3H),2.76−2.89(m,10H),5.22−5.44(m,10H)
MS(ESI):369[M+Na++
【0066】
工程2:(全Z)−エイコサ−5,8,11,14,17−ペンタエン−1−チオール
【化42】

2CO3(18.6g,134mmol)を,乾燥MeOH(500ml)中の(全Z)−エイコサ−5,8,11,14,17−ペンタエン−1−イルチオアセテート(46.6g,134mmol)の溶液に不活性雰囲気下で加えた。混合物を周囲温度で1.5時間撹拌した。1MHCl(350m),水(350m)およびジエチルエーテル(500ml)を加えた。相を分離し,水性相をジエチルエーテル(500ml)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(250m)で洗浄し,乾燥し(Na2SO4),濾過し,真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1%−2%−3%EtOAc,ヘプタン中)により精製して,30.0g(75%)の表題化合物を淡黄色油状物として得た。
1H−NMR(200MHz,CDCl3):δ0.95(t,3H),1.35−1.61(m,4H),2.06(m,4H),2.51(m,2H),2.76−2.85(m,8H),5.23−5.44(m,10H)
【0067】
工程3:(全Z)−2−エチル−3−チア−トリコサ−8,11,14,17,20−ペンタエン酸
【化43】

乾燥DMF(150m)中の(全Z)−エイコサ−5,8,11,14,17−ペンタエン−1−チオール(20.0g,65.7mmol)の溶液に,0℃で不活性雰囲気下でNaH(2.84g,72.2mmol)を加えた。得られた黄色懸濁液を0℃で30分間撹拌した後,予め調製したDMF(150m)中の2−ブロモ酪酸(7.73ml,72.2mmol)およびNaH(3.15g,78.8mmol)の混合物に0℃で加えた。得られた透明溶液を周囲温度で不活性雰囲気下で3時間撹拌した後,冷飽和NH4Cl(300ml)に注加した。1MHClをpH=1となるまで加え,得られた混合物をジエチルエーテル(各400ml)で2回抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(250ml)で洗浄し,乾燥し(MgSO4),濾過し,真空下で濃縮して,28gの粗生成物を得た。粗生成物は,まずシリカゲルの短いパッドを通して濾過(ヘプタン:EtOAc(5%HCOOHを含む)95:5−90:10)して,11.5gの純粋ではない生成物を得た。通常のフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,ヘプタン:EtOAc(および5%HCOOH)9:1−8:2−7:3)により2回目の精製を行って,10.15g(40%)の表題化合物を淡黄色油状物として得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ0.97(t,3H),1.07(t,3H),1.46(m,2H),1.64−1.74(m,3H),1.79(m,1H),2.10(m,4H),2.66(m,2H),2.83(m,8H),3.20(t,1H),5.35−5.42(m,10H)
MS(ESI):389[M−H+-
【0068】
工程4:(全Z)−2−エチル−3−チア−トリコサ−8,11,14,17,20−ペンタエン−1−オール
【化44】

(全Z)−2−エチル−3−チア−トリコサ−8,11,14,17,20−ペンタエン酸(100mg,0.26mmol)を乾燥THF(1ml)に溶解し,乾燥THF(4m)中の水素化リチウムアルミニウム(19mg,0.51mmol)の溶液に0℃で滴加した。得られた不透明な混合物を0℃で30分間撹拌した後,飽和NH4Cl(15ml)を注意深く加えた。得られた混合物をヘプタン(各15ml)で2回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(Na2SO4),濾過し,フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,ヘプタン:EtOAc95:5−90:10)により精製して,70mg(71%)の表題化合物を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ0.95(t,3H),1.05(t,3H),1.40−1−70(m,6H),2.10(m,4H),2.30(m,1H),2.50(m,2H),2.65−2.75(m,1H),2.75−2.90(m,8H),3.50(m,1H),3.65(m,1H),5.25−5.50(m,10H)
13C−NMR(75MHz,CDCl3):δ12.12,14.66,20.95,25.22,26.03(3シグナル),27.17,29.24,30.02.30.45.51.76,63.86,127.40,128.26,128.43,128.50,128.56,128.94,130.04,132.41(3つのシグナルが隠れている)
MS(ESI):399[M+Na++
【0069】
本発明は,示される態様および実施例に限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化45】

[式中,
1は,C10−C21アルキル,1−6個の二重結合を有するC10−C21アルケニル,および1−6個の三重結合を有するC10−C21アルキニルから選択され;
2およびR3は,同じまたは異なり,水素およびC1−C6アルキル基から選択され;およびXは,O,S,SO,SO2,SiまたはSeから選択され;
n=1または3であり;および
1は,水素,C10−C21アルキル,1−6個の二重結合を有するC10−C21アルケニル,および1−6個の三重結合を有するC10−C21アルキニルから選択され,これらは任意に置換されていてもよく;またはP1は下記で表され:
【化46】

式中,P2,P3およびP4は,水素,アルキル,アルケニル,アルキニルから選択され,これらは任意に置換されていてもよく;または,P1は下記で表されるホスホネートまたはホスフェートエステルであり:
【化47】

または,P1は下記で表されるスルホネートまたはスルフェートエステルであり:
【化48】

これらの式中,P5は水素またはC1−C6アルキルである]
で表される脂質化合物,またはその薬学的に許容可能な塩,複合体または溶媒和物。
【請求項2】
1はC10−C21アルキルであり,前記脂質化合物は飽和脂肪酸から誘導されたものである,請求項1記載の脂質化合物。
【請求項3】
1は,1−6個の二重結合を有するC10−C22アルケニルである,請求項1記載の脂質化合物。
【請求項4】
前記脂質化合物はモノ不飽和脂肪酸から誘導されたものである,請求項3記載の脂質化合物。
【請求項5】
前記脂質化合物はポリ不飽和脂肪酸から誘導されたものである,請求項3記載の脂質化合物。
【請求項6】
1は3−6個の二重結合を有するC10−C22アルケニルである,請求項3または5記載の脂質化合物。
【請求項7】
1はメチレンにより中断された3−6個の二重結合をZコンフィギュレーションで有するC10−C22アルケニルである,請求項6記載の脂質化合物。
【請求項8】
1はC10−C22アルキニルであり,前記脂質化合物は1−6個の三重結合を含む脂質から誘導されたものである,請求項1記載の脂質化合物。
【請求項9】
前記脂質化合物の前記塩は,一価のカチオン,例えばLi+,Na+,K+,NH4+,メグルミン,トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン,ジエチルアミン,アルギニン;二価イオン,例えば,Mg2+,Ca2+,エチレンジアミン,ピペラジン;または多価カチオン,例えばキトサンを含む,請求項1−8のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項10】
前記アルキル,アルケニルまたはアルキニルはカルボキシ基で置換されている,請求項1−9のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項11】
1は,次式:
【化49】

[式中,P2,P3,P4は,水素およびC1−C6アルキルから選択され,これは任意に置換されていてもよい]
で表される,請求項1−10のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項12】
2,P3,P4は,水素,メチル,およびイソプロピルから選択される,請求項11記載の脂質化合物。
【請求項13】
2,P3,P4の1つはメチル基であり,残りの2つは水素である,請求項11または12記載の脂質化合物。
【請求項14】
1は,次式:
【化50】

[式中,P2,P3,P4は,水素およびC1−C6アルキルから選択される]
で表される,請求項1−10のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項15】
2,P3,P4は水素,メチルおよびイソプロピルから選択される,請求項14記載の脂質化合物。
【請求項16】
1は,次式:
【化51】

[式中,P5は,水素およびメチル基から選択される]
で表される,請求項1−10のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項17】
1は,次式:
【化52】

[式中,P5は水素およびメチル基から選択される]
で表される,請求項1−10のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項18】
nは1である,請求項1−17のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項19】
2およびR3は水素である,請求項1−18のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項20】
XはSである,請求項1−19のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項21】
XはSeである,請求項1−19のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項22】
XはOである,請求項1−19のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項23】
医薬品として使用するための,請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項24】
食品サプリメントとして使用するための,請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項25】
化粧品において用いるための,請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項26】
請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物を含む食品サプリメント組成物。
【請求項27】
請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物を含む医薬組成物。
【請求項28】
さらに薬学的に許容可能な担体,賦形剤または希釈剤,またはこれらの任意の組み合わせを含む,請求項27記載の医薬組成物。
【請求項29】
経口投与用に製剤されている,請求項27または28記載の医薬組成物。
【請求項30】
カプセルまたは小袋の形態である,請求項29記載の医薬組成物。
【請求項31】
1mgから10gの前記脂質化合物の1日投与量を与えるよう製剤されている,請求項27−30のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項32】
50mgから1gの前記脂質化合物の1日投与量を与えるよう製剤されている,請求項31記載の医薬組成物。
【請求項33】
50mgから200mgの前記脂質化合物の1日投与量を与えるよう製剤されている,請求項32記載の医薬組成物。
【請求項34】
医薬品としてまたは診断目的で使用するための,請求項27−33のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項35】
請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物を含む脂質組成物。
【請求項36】
前記脂質組成物の少なくとも60重量%が前記脂質化合物から構成される,請求項35記載の脂質組成物。
【請求項37】
前記脂質組成物の少なくとも80重量%が前記脂質化合物から構成される,請求項36記載の脂質組成物。
【請求項38】
さらに薬学的に許容可能な抗酸化剤を含む,請求項35−37のいずれかに記載の脂質組成物。
【請求項39】
前記抗酸化剤はトコフェロールである,請求項38記載の脂質組成物。
【請求項40】
医薬品として使用するための,請求項35−39のいずれかに記載の脂質組成物。
【請求項41】
末梢インスリン耐性および/または糖尿病性状態を治療および/または予防する薬剤の製造のための,請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物の使用。
【請求項42】
血漿インスリン,血中グルコースおよび/または血清トリグリセリドを低下させる薬剤の製造のための,請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物の使用。
【請求項43】
トリグリセリドレベル,LDLコレステロールレベル,および/またはVLDLコレステロールレベルの上昇を予防および/または治療する薬剤の製造のための,請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物の使用。
【請求項44】
高脂血症状態を予防および/または治療するための,請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物の使用。
【請求項45】
末梢インスリン耐性および/または糖尿病性状態を治療および/または予防するための,請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項46】
血漿インスリン,血中グルコースおよび/または血清トリグリセリドを低下させるための,請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項47】
トリグリセリドレベル,LDLコレステロールレベル,および/またはVLDLコレステロールレベルの上昇を予防および/または治療するための,請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項48】
高脂血症状態を予防および/または治療するための,請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物。
【請求項49】
末梢インスリン耐性および/または糖尿病性状態を治療および/または予防する方法であって,これを必要とする哺乳動物に,薬学的に活性な量の請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物を投与することを含む方法。
【請求項50】
血漿インスリン,血中グルコースおよび/または血清トリグリセリドを低下させる方法であって,これを必要とする哺乳動物に薬学的に活性な量の請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物を投与することを含む方法。
【請求項51】
トリグリセリドレベル,LDLコレステロールレベル,および/またはVLDLコレステロールレベルの上昇を予防および/または治療する方法であって,これを必要とする哺乳動物に,薬学的に活性な量の請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物を投与することを含む方法。
【請求項52】
高脂血症状態を予防および/または治療する方法であって,これを必要とする哺乳動物に,薬学的に活性な量の請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物を投与することを含む方法。
【請求項53】
請求項1−22のいずれかに記載の脂質化合物を製造する方法。

【公表番号】特表2011−503057(P2011−503057A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533028(P2010−533028)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際出願番号】PCT/NO2008/000391
【国際公開番号】WO2009/061208
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(504453362)プロノヴァ・バイオファーマ・ノルゲ・アーエス (10)
【氏名又は名称原語表記】Pronova BioPharma Norge AS
【住所又は居所原語表記】P.O.Box 420, 1327 Lysaker, Norway
【Fターム(参考)】